本発明が適用された遊技機の一例であるスロットマシンの実施例を図面にもとづいて説明する。図1は、本発明を適用したスロットマシンの正面図である。図2は、スロットマシンの内部構造を示す斜視図である。図3は、前面扉の第2扉部を開放した状態を示す斜視図である。図4は、リールの図柄配列を示す図である。図5は、スロットマシンの構成を示すブロック図である。図6は、筐体を示す正面図である。図7は、前面扉を示す背面図である。尚、以下においては、スロットマシンの正面図である図1の左側を左側、右側を右側、上側を上側、下側を下側、手前側を前面側、奥側を背面側として説明する。
まず、本実施例のスロットマシン1の概略を説明すると、図1〜図3に示すように、スロットマシン1は、前面が開口する箱状に形成された筐体1aと、この筐体1aの左側辺に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図4に示すように、それぞれ「赤7」、「青7」、「白7」、「BAR」、「スイカ」、「チェリーa」、「チェリーb」、「ベル」、「リプレイa」、「リプレイb」、「プラム」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bの略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L、32C、32R(図5参照)によって回転されることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示される一方で、各リール2L、2C、2Rの回転が停止されることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33R(図5参照)と、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55(図5参照)と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図1参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で透過性を有する液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域及び透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、図1に示すように、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いられる演出用スイッチ等が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
尚、本実施例では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード、後述のナビ報知によるリールの停止順を識別可能な情報等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、リプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図5参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図5参照)がそれぞれ設けられており、演出用スイッチ56の内部には、演出用スイッチ56の操作が有効である旨を点灯により報知する演出用LED56a(図5参照)が設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23(図5参照)、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24(図5参照)、所定の契機に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a(図5参照)、所定の契機に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b(図5参照)、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1aの内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側の第1流路R1(取込経路)またはメダル払出口9側の第2流路R2(返却経路)のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30(図5参照)、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31(図5参照)、投入メダルセンサ31の上流側で異物の挿入を検出する投入口センサ26(図5参照)を有するメダルセレクタ29、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図5参照)が設けられている。
筐体1aの内部には、図2及び図6に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R(図5参照)、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図5参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000(図5参照)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b(図5参照)、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34c(図5参照)、ホッパータンク34aを載置する載置台34dからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留されたメダルが満タン状態となったことを検出する満タンセンサ35a(図5参照)が設けられている。
電源ボックス100には、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39(図5参照)が設けられている。また、後述する遊技制御基板ケース350には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37(図5参照)と、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38(図5参照)とが設けられている。
尚、設定キースイッチ37及びリセット/設定スイッチ38は、特に詳細な図示はしないが、遊技制御基板ケース350の前面側に、遊技制御基板ケース350が背板1Eの前面側に平行に配置される位置にあるときに操作可能となり、遊技制御基板ケース350が左側板1Bの内面側に平行に配置される位置にあるときに操作不能となるように設けられており、設定キースイッチ37及びリセット/設定スイッチ38の誤操作や外部からの不正行為を抑制するためにカバー部材により被覆されている。また、設定キースイッチ37及びリセット/設定スイッチ38は、遊技制御基板ケース350の背面側に、遊技制御基板ケース350が背板1Eの前面側に平行に配置される位置にあるときに操作不能となり、遊技制御基板ケース350が左側板1Bの内面側に平行に配置される位置にあるときに操作可能となるように設けてもよい。
尚、電源ボックス100は、筐体1aの内部に設けられており、さらに前面扉1bは、店員等が所持する所定のキーを操作により開放可能な構成であるため、これら設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39は、キーを所持する店員等の者のみが操作可能とされ、遊技者による操作ができないようになっている。また、所定のキー操作により検出されるリセットスイッチ23も同様である。特に、設定キースイッチ37は、キー操作により前面扉1bを開放したうえで、さらにキー操作を要することから、遊技場の店員のなかでも、設定キースイッチ37の操作を行うキーを所持する店員のみ操作が可能とされている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN,LM1〜LM4(図1参照)のうち遊技状態に応じて定められた入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では、規定数の賭数としてRBでは2が定められ、RB以外の遊技状態では3が定められており、規定数の賭数が設定されると入賞ラインLM1〜LM5が有効となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。尚、本実施例では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用しても良い。
また、本実施例では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜4を設定している。無効ラインLM1〜4は、これら無効ラインLM1〜4に揃った図柄の組合せによって入賞が判定されるものではなく、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃った際に、無効ラインLM1〜4のいずれかに入賞ラインLNに揃った場合に入賞となる図柄の組合せ(例えば、ベル‐ベル‐ベル)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
本実施例では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM1、リール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM4の4種類が無効ラインLMとして定められている。
また、本実施例では、入賞役として、入賞ラインLNに役として定められた所定の図柄の組合せ(例えば、「ベル‐スイカ‐チェリーb」)が揃ったときに入賞するとともに、かつ所定の図柄組合せが揃うことにより無効ラインLM1〜LM4のいずれかに所定の図柄組合せよりも認識しやすい指標となる図柄の組合せ(例えば、「スイカ‐スイカ‐スイカ」)が揃うことにより、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに揃った図柄の組合せによって入賞したように見せることが可能な役を含む。以下では、所定の図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったときに無効ラインLM1〜LM4のいずれかに揃う図柄の組合せを、指標となる図柄の組合せと呼び、指標となる図柄の組合せを構成する図柄を指標図柄と呼ぶ。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役ともいう)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。また、入賞ラインLN上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
尚、本実施例では、スタートスイッチ7の操作が有効な状態でスタートスイッチ7の操作が検出されたときにゲームが開始し、全てのリールが停止したときにゲームが終了する。また、ゲームを実行するための1単位の制御(ゲーム制御)は、前回のゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに開始し、当該ゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに終了する。
また、本実施例では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としても良く、2以上のリールを用いた構成においては、2以上の全てのリールに導出された表示結果の組合せに基づいて入賞を判定する構成とすれば良い。また、本実施例では、物理的なリールにて可変表示装置が構成されているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示装置が構成されていても良い。
また、本実施例におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、例えば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
以下では、特に区別する必要がない場合にはリール2L、2C、2Rを単にリールという場合がある。また、リール2Lを左リール、リール2Cを中リール、リール2Rを右リールという場合がある。また、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作によりリール2L、2C、2Rを停止させる操作を停止操作という場合がある。
図2及び図3に示すように、本実施例の前面扉1bは、正面視縦長長方形状に形成され、上部の第1扉部1dと下部の第2扉部1eとに上下2分割されており、第1扉部1dと第2扉部1eとは、それぞれ開閉操作可能となっている。第1扉部1dと第2扉部1eのうち第2扉部1eには施解錠装置(図示略)が設けられており、筐体1aの前面下部を閉鎖する閉鎖位置において、第2扉部1eの前面に設けられた鍵穴5に所定のキーを挿入することで施解錠できるようになっている。一方、第1扉部1dは、筐体1aの前面上部を閉鎖する閉鎖位置において第2扉部1eを閉鎖することにより、第2扉部1eを開放しない限り開放することができないように構成されている。尚、本実施例では、第1扉部1dと第2扉部1eのうち第2扉部1eにのみ施解錠装置(図示略)が設けられていたが、第1扉部1dにも個別に施解錠装置を設けてもよい。
尚、第1扉部1dには、透視窓3、液晶表示器51、後述する演出制御基板90等が設けられており、第2扉部1eには、メダルセレクタ29、後述する第1流路構成部材200(メダルシュート)、第2流路構成部材201(メダル返却通路部材)、第1スピーカ53、54、及び第2スピーカ58を含むスピーカ装置400等が設けられている(図7参照)。
図5は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図5に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。尚、図5において、後述する各種中継基板の一部の図示は省略している。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び演出制御基板90に供給されるようになっている。また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33R、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35aが接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、遊技の進行に関する処理を行うととともに遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御するメイン制御部41と、所定周波数の発振信号となる制御用クロックCCLKを生成する制御用クロック生成回路42と、制御用クロックCCLKの発振周波数とは異なる所定周波数の発振信号となる乱数用クロックRCLKを生成する乱数用クロック生成回路43と、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取込んでメイン制御部41に伝送するスイッチ検出回路44と、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号(ステッピングモータの位相信号)をリールモータ32L、32C、32Rに伝送するモータ駆動回路45と、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送するソレノイド駆動回路46と、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送するLED駆動回路47と、スロットマシン1に供給される電源の電圧を監視して電圧の低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48と、電源投入時または電源遮断時等の電力供給が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49と、が搭載されている。
メイン制御部41は、サブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。
メイン制御部41は、メイン処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メイン制御部41は、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。尚、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、メイン処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
演出制御基板90には、演出用スイッチ56及び待機演出スイッチ57が接続されており、この演出用スイッチ56及び待機演出スイッチ57の検出信号が入力されるようになっている。また、液晶表示器51、演出効果LED52a〜c、第1スピーカ53、54、リールLED55、第2スピーカ58等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
尚、本実施例では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52a〜c、第1スピーカ53、54、リールLED55、第2スピーカ58等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。また、本実施例では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52a〜c、第1スピーカ53、54、リールLED55、第2スピーカ58を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用しても良い。
また、演出制御基板90には、サブ制御部91が液晶表示器51を用いて演出を実行する際に当該液晶表示器51に表示させる演出用の画像データ等が記憶されたCGROM99a〜cの搭載されたCGROM基板99が接続されており、CGROM99a〜cに記憶された画像データ等を表示制御回路92が参照可能となっている。また、演出制御基板90には、チェック中LED59が搭載されており、後述するCGROM99a〜cの検査の実行中にサブ制御部91により所定の点灯態様で点灯制御されるようになっている。また、演出制御基板90には、サブ制御部91等に電力を供給する電源と接続された電源LED60が搭載されており、演出制御基板90に電源が供給されているときに当該電源LED60が点灯するようになっている。
演出制御基板90は、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにより構成されて演出の制御を行うサブ制御部91と、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92と、演出効果LED52a〜cと、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93a〜eと、第1スピーカ53、54及び第2スピーカ58からの音声出力制御を行う音声出力回路94と、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95と、演出制御基板90に接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96と、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97と、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98と、その他の回路等、が搭載されている。
演出効果LED52a〜cは、前面扉1bに配置され、その発光を遊技者側から視認可能な複数のLED(図示略)で構成されており、演出効果LED52aは、主に前面扉1bにおいて液晶表示器51の上方部分に配置されたLED群であり、演出効果LED52bは、主に前面扉1bにおいて液晶表示器51の左右方部分に配置されたLED群であり、演出効果LED52cは、主に前面扉1bにおいてスロットマシン1のタイトルや配当表などが印刷されるパネル部分に配置されるLED群である。
サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、ROM91bに記憶されている演出制御用のプログラム等に従って演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行うこととなる。
また、待機演出スイッチ57は、前面扉1bの内側に配置されており、メイン制御部41側において待機状態に制御されているときにサブ制御部91が実行する待機演出を通常のデモ演出とするか、当該デモ演出よりも消費電力を抑えた省電力モードとするかを選択可能なスイッチであり、店員等により当該スイッチが操作されることでデモ演出または省電力モードのいずれか一方に対応する信号が演出制御基板90に入力されるようになっている。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定時間間隔(約2ms)毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。
演出制御基板90には、サブ制御部91により読込み及び書込みが可能であり、RAM91cのデータをバックアップ可能なバックアップRAM61と、当該バックアップRAM61に対して電力を供給可能なバックアップ電池62、が搭載されている。バックアップRAM61は、スロットマシン1に電力が供給されている状態では、電源基板101より電力が供給されることで、記憶領域内のデータの保持、サブ制御部91によるデータの読込み及び書込みが可能である一方、電源基板101より供給される電圧が低下したとき及びスロットマシン1に電力が供給されていない状態では、バックアップ電池62より電力が供給されることで、記憶領域内のデータの保持、サブ制御部91によるデータの読込み及び書込みが可能である。バックアップRAM61は、演出制御基板90上に搭載されたバックアップ電池62により電源がバックアップされるようになっているので、バックアップ電池62により電力が供給され続ける限り、バックアップRAM61の記憶領域内のデータを保持することが可能となっている。また、バックアップRAM61及びバックアップ電池62は、ともに演出制御基板90上に搭載されているので、演出制御基板90をスロットマシン1から取外した状態でも、バックアップ電池62により電力が供給され続ける限り、バックアップRAM61の記憶領域内のデータを保持することが可能となっている。
また、演出制御基板90には、バックアップ電池62を脱着自在に係止して保持可能な電池ホルダ(図示略)が設けられており、当該電池ホルダにバックアップ電池62が保持されている。また、演出制御基板90は、それぞれ基板ケース(図示略)に収容された状態でスロットマシン1の内部に設置さており、演出制御基板90が不正に接触されることがないようになっている。また、基板ケースには、演出制御基板90を当該基板ケース(図示略)内に収容した状態で、演出制御基板90に配置された電池ホルダ(図示略)の位置と対応する位置に、電池ホルダに向けて突出する突出部(図示略)が設けられている。当該突出部は、演出制御基板90が基板ケース内に収容された状態で、当該突出部の先端部と、電池ホルダに保持されているバックアップ電池62の上面と、が接触するように形成されており、突出部の先端部がバックアップ電池62に接触することで、バックアップ電池62が移動することが規制され、スロットマシン1に加えられた振動の影響等によりバックアップ電池62が電池ホルダから脱離することが防止されるようになっている。
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選、ナビストック抽選、上乗せ抽選等の遊技者に対する有利度に影響する抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定値6からさらに操作されたときは、設定値1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
尚、設定キースイッチ37がon状態で電源投入された場合に、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定変更状態に移行する構成としても良く、このような構成とすることで、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定変更がされてしまうことを防止できる。また、前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定変更状態に移行する構成においては、設定変更状態に移行後、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされなくなっても、設定変更状態を維持することが好ましく、これにより、設定変更中に前面扉1bが一時的に閉じてしまっても、再度、設定変更状態に移行させるための操作を必要とせず、設定変更操作が煩雑となってしまうことがない。また、設定変更状態に移行後、スタートスイッチ7が操作されて設定値が確定した後、設定キースイッチ37がoffとなったときに、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定変更状態を終了して遊技の進行が可能な状態に移行する構成としても良く、このような構成においても、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定変更がされてしまうことを防止できる。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすれば良い。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
尚、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37がon状態となったときに、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定確認状態に移行する構成としても良く、このような構成とすることで、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定値が確認されてしまうことを防止できる。また、前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定確認状態に移行する構成においては、設定確認状態に移行後、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされなくなっても、設定確認状態を維持することが好ましく、これにより、設定確認中に前面扉1bが一時的に閉じてしまっても、再度、設定確認状態に移行させるための操作を必要とせず、設定確認操作が煩雑となってしまうことがない。また、設定確認状態に移行後、スタートスイッチ7が操作されて設定値が確定した後、設定キースイッチ37がoffとなったときに、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定確認状態を終了して遊技の進行が可能な状態に復帰する構成としても良く、このような構成においても、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定値が確認されてしまうことを防止できる。
本実施例のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM41cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(メイン)を実行する。
そして、メイン制御部41は、その起動時においてRAM41cのデータが正常であることを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM41cのデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。
エラー状態は、リセット操作(リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23の操作)により解除される通常エラー状態と、前述した設定変更状態に移行し、新たな設定値が設定されるまで解除されることがない特殊エラー状態と、を含み、RAM異常エラー状態は、特殊エラー状態であり、一度RAM異常エラー状態に制御されると、設定変更状態に移行し、新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
また、サブ制御部91もタイマ割込処理(サブ)において電断検出回路98からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定し、電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、電断処理(サブ)を実行する。電断処理(サブ)では、後述するエラー履歴記録処理を実行して、スロットマシン1への電力供給が停止される旨すなわち電源がオフにされた旨をRAM91cの診断用データ内のエラー履歴データに加えた後、RAM91cに記憶されているデータのうち後述の制御状態データ及び診断用データをバックアップデータとしてバックアップRAM61に複製するとともに、次回復帰時にRAM91cのデータが正常か否かの判定(破壊判定)を行う際に使用する破壊判定データ(RAM91cの制御状態データのチェックサムの演算値)をバックアップデータとしてバックアップRAM61に設定する。
そして、サブ制御部91は、その起動時において後述する起動処理(サブ)を実行して、バックアップRAM61に記憶されているバックアップデータのうち制御状態データが正常であることを条件に、バックアップRAM61に記憶されている制御状態データをRAM91cに設定することで、RAM91cのデータを電断前の状態に復帰させ、当該復帰された制御状態データに基づいてサブ制御部91の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、バックアップデータのうち制御状態データが正常でない場合には、バックアップRAM61の異常と判定し、バックアップデータの制御状態データをRAM91cに復帰させないようになっている。
また、バックアップデータの制御状態データをRAM91cに復帰させない場合は、RAM91cが初期化された状態のままとなるのみで演出の実行が不能化されることはない。また、バックアップデータの制御状態データをRAM91cに復帰させる場合でも、メイン制御部41から設定変更状態に移行した旨を示す後述の設定コマンドを受信した場合には、RAM91cを初期化するようになっている。この場合も、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。RAM41cの格納領域のうちの使用可能領域は、遊技RAM領域、未使用領域、非遊技RAM領域に区分されている。さらに遊技RAM領域は、特別ワーク、重要ワーク、一般ワーク、未使用領域3、遊技スタック領域に区分されている。特別ワークは、設定値が変更されても初期化されないデータが格納されるワークであり、ソフトウェア乱数、設定値、遊技状態を示すデータ等が格納される。重要ワークは、特定の遊技状態(RB、BB)の終了時に初期化すると不都合のあるデータが格納されるワークであり、LEDの表示用データ、入力ポート、出力ポートの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等が格納される。一般ワークは、特定の遊技状態の終了時に初期化可能なデータが格納されるワークであり、停止図柄、メダルの払出枚数等が格納される。未使用領域3は、いずれのプログラムでも使用されないワークである。遊技スタック領域は、遊技プログラムの実行中にメイン制御部41のレジスタから退避したデータが格納される領域である。
尚、遊技プログラムとは、遊技の進行に係わるプログラムであり、当該プログラムに基づく処理を実行しないと、遊技の進行に支障をきたす処理を実行するためのプログラムである。一方、非遊技プログラムとは、遊技の進行に係わらないプログラムであり、遊技プログラムから呼び出されて当該プログラムに基づく処理が実行されずに遊技プログラムに復帰した場合でも、遊技を進行させることが可能な処理を実行するためのプログラムである。
本実施例においてメイン制御部41は、設定キースイッチ37がONの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されているとき、設定キースイッチ37がONの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、設定変更状態が終了されたとき、特定の遊技状態(RB、BB)の終了時、1ゲームの終了時、の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる5種類の初期化を行う。
初期化0は、設定キースイッチ37がONの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されているときに行う初期化であり、初期化0では、使用可能領域全ての領域が初期化される。初期化1は、設定キースイッチ37がONの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないときに行う初期化であり、初期化1では、遊技RAM領域の特別ワーク以外の領域、非遊技RAM領域の全ての領域が初期化される。初期化2は、設定キースイッチ37がONの状態での起動で設定変更状態が終了された後に行う初期化であり、初期化2では、遊技RAM領域のうち特別ワーク及び遊技スタック領域(使用中)以外の領域が初期化される。初期化3は、特定の遊技状態の終了時に行う初期化であり、初期化3では、遊技RAM領域のうち一般ワーク、未使用領域3及び遊技スタック領域(未使用)が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、遊技RAM領域の未使用領域3及び遊技スタック領域(未使用)が初期化される。尚、設定値や遊技状態を示すデータの格納領域は、特別ワークに割り当てられており、設定キースイッチ37がONの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、すなわちRAM41cのデータが正常で設定変更される場合には、設定値や遊技状態を示すデータが保持されることとなる。また、後述のタイマカウンタの格納領域は、重要ワークに割り当てられており、ゲームの終了時や特定の遊技状態の終了時には初期化されることなく保持されることとなる。
また、本実施例のメイン制御部41は、上述の初期化実行する際には、初期化対象のRAMアドレスとして開始アドレスと終了アドレスが指定されることで、指定された開始アドレスから1バイト分のデータを0で上書きした後、当該1バイトのデータの論理和を計算し、計算結果が0であれば、次のアドレスに移動する処理を、指定された終了アドレスに達するまで繰り返し行うことで、指定されたアドレスの範囲のRAM領域を初期化する。
本実施例のスロットマシン1は、遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインLNが有効化される。
そして、本実施例では、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施例の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインという)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであっても良いし、異なる図柄を含む組合せであっても良い。
入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払出を伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技者にとって有利な遊技状態(RB(レギュラーボーナス)、BB(ビックボーナス))への移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
次に、本実施例の内部抽選について説明する。内部抽選は、メイン制御部41が、上述の各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出される以前(具体的には、スタートスイッチ7の検出時)に決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、乱数回路により生成され、乱数回路の乱数値レジスタに格納されている値をRAM41cに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、現在の遊技状態、賭数及び設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて入賞を許容するか否かの判定が行われる。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態及び設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
そして、内部抽選の結果を示す当選番号をRAM41cに設定する。当選番号は、内部当選フラグの設定、ナビ報知、コマンド作成、リール2L、2C、2Rの停止制御等に用いられる。
また、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選番号に基づいて当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。尚、いずれの役及び役の組合せにも当選しなかった場合には、特別役格納ワーク及び一般役格納ワークをクリアする。
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、及びリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、当選番号及びROM41bに格納されているテーブルインデックス、テーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
本実施例では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施例では、いずれかの役に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われることとなる。特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。尚、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わないようになる。また、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行っても良い。
また、本実施例では、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御を行う。尚、この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。尚、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになる。
尚、本実施例では、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能な停止制御テーブルを用いてリールの停止制御を行う構成であるが、停止可能な位置を特定可能な停止位置テーブルから停止位置を特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに、停止操作がされたタイミングで停止可能な停止位置を検索・特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルを用いた停止制御、停止位置テーブルを用いた停止制御、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに停止可能な停止位置を検索・特定することによる停止制御を併用する構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを一部変更して停止制御を行う構成としても良い。
本実施例においてメイン制御部41は、ゲームの開始後、リールの回転を開始させる毎にその時点、すなわちリールの回転を開始させた時点から経過した時間であるゲーム時間を計時するようになっており、1ゲームの終了後、メダルの投入等により規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間(本実施例では4.1秒)以上であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から規定時間が経過していれば、ウェイトを発生させず、その時点で当該ゲームにおける遊技のためのリールの回転を開始させる。一方、1ゲームの終了後、メダルの投入等により規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間未満であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から規定時間が経過していなければ、ウェイトを発生させて、その時点ではリールの回転を開始させず、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間に到達するまで待機し、規定時間に到達した時点でリールの回転を開始させる。
本実施例においてメイン制御部41は、遊技状態やエラーの発生状況などを示す外部出力信号を出力する制御を行う。これら外部出力信号は、外部出力基板1000、スロットマシン1が設置される遊技店(ホール)の情報提供端子板を介してホールコンピュータなどのホール機器に出力されるようになっている。
メイン制御部41は、賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号、入賞の発生により遊技者に付与されたメダル数を示すメダルOUT信号、遊技状態がRB(レギュラーボーナス)中の旨を示すRB中信号、遊技状態がBB(ビッグボーナス)中の旨を示すBB中信号、後述するARTの開始を示すART信号、前面扉1bが開放中の旨を示すドア開放信号、後述する設定変更モードに移行している旨を示す設定変更信号、メダルセレクタの異常を示す投入エラー信号、ホッパーユニット34の異常を示す払出エラー信号をそれぞれ出力する。
外部出力基板1000には、リレー回路、パラレル・シリアル変換回路、出力信号毎の端子が設けられ、情報提供端子板の回路と電気的に接続するための接続されるコネクタが設けられている。遊技制御基板40から出力された信号のうち、メダルIN信号、メダルOUT信号、RB中信号、BB中信号、ART信号は、リレー回路を介して、そのままパルス信号として情報提供端子板に出力される。これに対してドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号は、パラレル・シリアル変換回路にて、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換されて情報提供端子板に出力される。
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施例では、メイン制御部41は、サブ制御部91に対して、投入枚数コマンド、クレジットコマンド、制御状態コマンド、内部当選コマンド、押し順特定コマンド、リール加速情報コマンド、加速完了コマンド、停止操作時コマンド、滑りコマ数コマンド、停止コマンド、遊技終了コマンド、入賞番号コマンド、払出枚数コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、ドアコマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
投入枚数コマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、電断復帰時、または規定数の賭数が設定されていない状態においてメダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、投入枚数コマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、投入枚数コマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
制御状態コマンドは、ゲームに関連する制御状態を特定可能なコマンドあり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときであって、内部当選コマンドの送信前、及びリールの第3停止の操作が行われたときであって、第3停止に関する停止コマンドの送信後に送信される。制御状態コマンドは、当該ゲームの開始時と終了時とで内容が変化することがある制御状態を特定可能な複数の制御状態コマンド1と、当該ゲームの開始時と終了時とで内容が変化しない制御状態を特定可能な複数を制御状態コマンド2とを含み、制御状態コマンド1が送信された後に制御状態コマンド2が送信される。
内部当選コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときであって、ART状態コマンドの後に送信される。内部当選コマンドは、特別役が当選しているか否かを特定可能な第1の内部当選コマンドと、一般役が当選しているか否かを特定可能な第2の内部当選コマンドと、を含み、第1の内部当選コマンドが送信された後に、第2の内部当選コマンドが送信される。
内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信されるので、これらコマンドを受信することで、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したことを特定可能である。
押し順特定コマンドは、遊技者にとって有利な停止順を特定可能なコマンドであり、リールの第1停止及び第2停止の停止操作に伴う停止制御が行われる毎に、停止コマンドが送信された後に送信される。尚、後述のナビ報知が実行されるゲームにおいては、ゲームの開始時に、遊技者にとって有利な停止順を特定可能な停止順データを含むコマンド(上述の制御状態コマンド)が送信され、リールの第1停止及び第2停止の停止操作時に、有利な停止順を特定可能な停止順データを含む押し順特定コマンドが送信される一方で、ナビ報知が実行されないゲームにおいては、有利な停止順が確定する前であるゲーム開始時には、有利な停止順を特定不能な停止順データを含むコマンド(上述の制御状態コマンド)が送信され、有利な停止順が確定したとき以降の第1停止及び第2停止の停止操作時には、有利な停止順データを含む押し順特定コマンドが送信される。
リール加速情報コマンドは、遊技の進行に伴いリールの回転が開始する旨を特定可能なコマンドであり、遊技の進行に伴いリールの回転を開始するときに送信する。
加速完了コマンドは、遊技の開始に伴うリールの加速が完了した旨を特定可能なコマンドであり、遊技が開始された際にリール2L、2C、2Rの回転が開始させた後、最初に全てのリール2L、2C、2Rが定速回転となったときに送信される。
停止操作時コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信される。
滑りコマ数コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止操作がされてから停止するまでに移動する滑りコマ数を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に、対応する停止操作時コマンドが送信された後に送信される。
停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止位置の領域番号を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に、対応する滑りコマ数コマンドが送信された後に送信される。
停止操作時コマンド、滑りコマ数コマンド、停止コマンドは、いずれも停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、を特定可能であり、かつ各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信されるので、これらコマンドを受信することで、いずれかのリールの停止操作がされたこと及び停止するリールを特定可能である。
遊技終了コマンドは、遊技が終了された旨を特定可能なコマンドであり、遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときに送信される。
入賞番号コマンドは、入賞の有無、入賞ラインLNに揃った図柄の組合せを特定可能な入賞番号を特定可能なコマンドであり、遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときであり、遊技終了コマンドの送信後に送信される。
払出枚数コマンドは、入賞の種類またははずれに応じて払出されるメダルの枚数を特定可能なコマンドであり、入賞番号コマンドの送信後に送信される。
遊技終了コマンド、入賞判定コマンドは、いずれも遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときに送信されるので、これらコマンドを受信することで、1ゲームを進行させるのに必要な全ての操作が終了したことを特定可能である。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞及びクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに終了推定時間(本実施例では60秒)経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生及びその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了及び設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちon(開放状態)/off(閉状態)を示すコマンドであり、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、及びドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(onからoff、offからon)した時に送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)の検出状態(on/off)を示すコマンドであり、一定時間毎に送信される。
これらコマンドのうち操作検出コマンド以外のコマンドは、メイン処理において生成され、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において送信される。
一方、操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理が10回実行される毎に、スイッチの検出状態に基づいて生成されるとともに、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において送信される。
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52a〜c、第1スピーカ53、54、リールLED55、第2スピーカ58等の各種演出装置の出力制御を行う。制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52a〜cの点灯態様、第1スピーカ53、54、第2スピーカ58の出力態様、リールLED55の点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターン及び遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
尚、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
本実施例におけるスロットマシン1では、メイン制御部41により、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となる停止順を遊技補助表示器12の点灯態様により報知するナビ報知を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に制御可能である。また、メイン制御部41は、再遊技役の当選確率が相対的に高くなるリプレイタイム(RT)に制御することが可能であり、ATかつRTに制御される状態をアシストリプレイタイム(ART)と呼ぶことがある。
メイン制御部41は、ATに制御している場合には、遊技状態に応じたナビ対象役に当選することにより、ナビ報知を実行して、当選したナビ報知役の当選番号に基づいて遊技者にとって有利となる停止順を報知するとともに、当該当選番号に基づいて遊技者にとって有利となる停止順を特定可能な押し順コマンドをサブ制御部91に対して送信することで、液晶表示器51等を用いたナビ演出を実行させる。また、本実施例においてメイン制御部41は、ATに制御していない通常状態であっても、一定の条件を満たすことにより、ナビ報知を実行し、ナビ演出を実行させることが可能である。
本実施例のスロットマシンでは、メイン制御部41により、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となる停止順を報知するナビ報知を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に制御可能となっている。
メイン制御部41は、ATに制御している場合には、遊技状態に応じた報知対象役に当選することにより、ナビ報知を実行するとともに、サブ制御部91に対して第1の内部当選コマンド、第2の内部当選コマンド、押し順コマンドを送信することで、サブ制御部91によるナビ演出を実行させる。また、本実施例においてメイン制御部41は、ATに制御していない通常状態であっても、一定の条件を満たすことにより、ナビ報知を実行し、ナビ演出を実行させることが可能である。本実施例のナビ報知は、遊技補助表示器12の点灯態様を変化させることにより遊技者にとって有利な停止順を識別可能に報知する。
報知対象役とは、該報知対象役に対応する複数種類の内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となる停止順が異なることにより、報知対象役に対応する複数種類の内部抽選結果のうちいずれの種類の内部抽選結果となったかにより遊技者にとって有利な停止順が変化する内部抽選の対象役である。遊技者にとって有利な停止順とは、例えば、遊技者にとって有利な遊技状態に移行させる停止順、遊技者にとって有利な遊技状態の終了を回避させる停止順、有利な役を入賞させる停止順などである。尚、本実施例では、遊技者にとって有利な停止順が変化する構成であるが、遊技者にとって有利な停止タイミング、遊技者にとって有利な停止順と停止タイミングの組合せが変化するものでも良い。
本実施例のナビ演出は、ナビ報知により報知された遊技者にとって有利な停止順を、液晶表示器51からのナビ画像の表示と、第1スピーカ53、54からのナビ音声の出力とによって報知する。例えば、左中右の停止順を報知する場合には、「123」(左リールが第1停止、中リールが第2停止、右リールが第3停止であることを示す)といったストップスイッチ8L、8C、8Rの停止順を示す停止順画像を表示する。また、ナビ音声として、例えば、「左中右!」(左リールが第1停止、中リールが第2停止、右リールが第3停止であることを示す)といったストップスイッチの停止順を示す音声を出力する。また、左リールを第1停止とする停止順を報知する場合には、「1‐‐」(左リールが第1停止であることを示す)といったストップスイッチ8L、8C、8Rの停止順を示す停止順画像を表示する。また、ナビ音声としては、例えば、「左!」(左リールが第1停止であることを示す)(左リールが第1停止であることを示す)といったストップスイッチの停止順を示す音声を出力する。尚、ナビ演出の態様は、このような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであっても良い。また、ナビ演出は、液晶表示器51、第1スピーカ53、54、を用いたものに限らず、演出効果LED52a〜c、リールLED55等を用いて実行するものであっても良い。
以上のように、ナビ報知及びナビ演出では、遊技者にとって有利となる停止順が識別可能に報知される。このため、遊技者は、ナビ演出に従った停止順で停止操作を行うことにより、例えば、意図的に遊技者にとって有利な遊技状態に移行させること、遊技者にとって有利な遊技状態の終了を回避させること、意図的に有利な役を入賞させることができる。
次に、スロットマシン1の本体部の構造について、図8〜図18に基づいて説明する。図8は、本体部の構造を示す分解斜視図である。図9は、筐体の構造を示す斜視図である。図10は、筐体の構造を示す分解斜視図である。図11は、筐体を構成する各板材の構造を示す分解斜視図である。図12は、筐体の構造を示す正面図である。図13は、(A)は図12のA−A断面図、(B)は図12のB−B断面図である。図14は、図12のC−C断面図である。図15は、筐体から上板のみを取外す形態を示す分解斜視図である。図16は、筐体から底板のみを取外す形態を示す分解斜視図である。図17は、リールユニットが筺体に取付けられた状態を示す側断面図である。図18は、遊技制御基板と各フレーム(連結部材)との位置関係を示す概略図である。
図8に示すように、スロットマシン1の本体部は、筐体1aと、筐体1aの内部に配設される各種部品や装置(遊技制御基板ケース350、リールユニット2、ホッパーユニット34、オーバーフロータンク35、電源ボックス100等)とから主に構成されている。
図8〜図12に示すように、筐体1aは、木製の上板1A、左側板1B、右側板1C、底板1D、背板1Eにより前面が開口する箱状に形成されている。左側板1B及び右側板1Cの外面における上下方向の中央よりもやや下方位置には、凹状の把手部を構成する把手部材195L,195Rが取付けられている。底板1Dにおけるオーバーフロータンク35に対応する位置には、図示しないメダル回収装置にメダルを排出するためのメダル回収用穴196が形成されている。また、背板1Eの略中央位置には、図示しないメダル補給装置によりホッパータンク34aにメダルを補給するためのメダル補給穴199が設けられている。
特に図10及び図11に示すように、上板1Aの前側下縁には、第1フレーム301が取付けられ、上板1Aの左右側下縁には、第2フレーム302L,302Rが取付けられ、上板1Aの後側下縁には、第3フレーム303が取付けられる。第1フレーム301、第2フレーム302L,302R、第3フレーム303は、金属板を折り曲げ加工することにより形成されている。
第1フレーム301は、左右方向に延びる第1上板部301aと、第1上板部301aの左右両端から下方に折れ曲がる第1側板部301bと、を備えている。第2フレーム302L,302Rは、前後方向に延びる第2上板部302aと、第2上板部302aの外側面側から下方に折れ曲がる第2側板部302bと、第2上板部302aの背面側から下方に折れ曲がる第2背板部302cと、をそれぞれ備えており、第2上板部302aの前面側には、他の部分に比べて低くなるように折り曲げ加工された段部が形成されている。また、第2側板部302bの前面側には、他の部分に比べて内側に凹むように折り曲げ加工された段部が形成されている。第3フレーム303は、左右方向に延びる第3上板部303aと、第3上板部303aの背面側から下方に折れる第3背板部303cと、を備え、第3上板部303aの左右両端は、第3背板部303cよりも左右方向に突出しているとともに、他の部分に比べて低くなるように折り曲げ加工された段部となっている。
上板1Aには、第1フレーム301、第2フレーム302L,302R、第3フレーム303の順に取付けられる。詳しくは、第1フレーム301は、第1上板部301aが上板1Aの前側下縁に沿って配置され、左右方向の複数箇所でネジN1により上板1Aに対して固定される(図15参照)。
第2フレーム302L,302Rは、各第1側板部301bの内側における第1上板部301aの下面に第2上板部302aを重ねた状態で配置され、第1上板部301aと第2上板部302aとの上下に重なった部分がネジN1により上板1Aに対して固定される。尚、第2上板部302aの段部が第1上板部301aの下側に重なるため、第1上板部301aの板厚により第2上板部302aを上板1Aから離間させることなく設置することができるとともに、第2側板部302bの段部が第1側板部301bの内側に重なるため、第1側板部301bと第2側板部302bとの外面同士が面一となる。また、各第2上板部302aは、任意の位置でネジN1により上板1Aに対して固定される。
第3フレーム303は、各第2背板部302cの内側における第2上板部302aの下面に第3上板部303aの左右両端を重ねた状態で配置され、第2上板部302aと第3上板部303aとの上下に重なった部分がネジN1により上板1Aに対して固定される。尚、第3上板部303aの左右両端部、つまり段部が第2上板部302aの下側に重なるため、第2上板部302aの板厚により第3上板部303aを上板1Aから離間させることなく設置することができる。また、各第3上板部303aは、任意の位置でネジN1により上板1Aに対して固定されている。上板1Aに第1フレーム301、第2フレーム302L,302R、第3フレーム303が取付けられた状態にあっては、第1フレーム301、第2フレーム302L,302R、第3フレーム303が平面視矩形状に連結されている。
左側板1Bの前側内縁(前側右側面)には、第4フレーム304LがネジN2により取付けられ、左側板1Bの後側内縁(後側右側面)には、第5フレーム305LがネジN2により取付けられている。第4フレーム304Lは、縦長状の金属板で構成されており、上下の複数箇所に前面扉1bを軸支する軸部304aが形成されている。第5フレーム305Lは、左側板1Bの後側内縁に沿って上下方向に延びる縦長状の金属板で構成されており、左側板1Bの後側内縁にビスにより固定される第5側板部305aと、第5側板部305aの背面側から右方に折れ曲がる第5背板部305bと、から主に構成されている。第5背板部305bには、後述する上リール支持金具310を取付けるための被取付部305cが上下方向中央部よりも上方側に形成されている。
また、右側板1Cの前側内縁(前側左側面)には、第4フレーム304RがネジN2により取付けられ、右側板1Cの後側内縁(後側左側面)には、第5フレーム305RがネジN2により取付けられている。第4フレーム304Rは、縦長状の金属板で構成されており、上下の複数箇所に閉鎖時に前面扉1bの係止部が係止する被係止部が形成されている。尚、第5フレーム305Rは、第5フレーム305Lと略同一の構成となっている。
底板1Dの前側上縁には、第6フレーム306が取付けられ、底板1Dの左右側上縁には、第7フレーム307L,307Rが取付けられ、底板1Dの後側上縁には、第8フレーム308が取付けられる。第6フレーム306、第7フレーム307L,307R、第8フレーム308は、金属板を折り曲げ加工することにより形成されている。
第6フレーム306は、左右方向に延びる第6下板部306aと、第6下板部306aの左右両端から上方に折れ曲がる第6側板部306bと、を備えている。第7フレーム307L,307Rは、前後方向に延びる第7下板部307aと、第7下板部307aの外側面側から上方に折れ曲がる第7側板部307bと、第7下板部307aの背面側から上方に折れ曲がる第7背板部307cと、をそれぞれ備えており、第7下板部307aの前面側には、他の部分に比べて高くなるように折り曲げ加工された段部が形成されている。また、第7側板部307bの前面側には、他の部分に比べて内側に凹むように折り曲げ加工された段部が形成されている。第8フレーム308は、左右方向に延びる第8下板部308aと、第8下板部308aの背面側から上方に折れる第8背板部308cと、を備え、第8下板部308aの左右両端は、第8背板部308cよりも左右方向に突出しているとともに、他の部分に比べて高くなるように折り曲げ加工された段部となっている。
底板1Dには、第6フレーム306、第7フレーム307L,307R、第8フレーム308の順に取付けられる。詳しくは、第6フレーム306は、第6下板部306aが底板1Dの前側上縁に沿って配置され、左右方向の複数箇所でネジN3により底板1Dに対して固定されている。
第7フレーム307L,307Rは、各第6側板部306bの内側における第6下板部306aの上面に第7下板部307aを重ねた状態で配置され、第6下板部306aと第7下板部307aとの上下に重なった部分がネジN3により底板1Dに対して固定されている。尚、第7下板部307aの段部が第6下板部306aの上側に重なっているため、第6下板部306aの板厚により第7下板部307aを底板1Dから離間させることなく設置することができるとともに、第7側板部307bの段部が第6側板部306bの内側に重なっているため、第6側板部306bと第7側板部307bとの外面同士が面一となっている。また、各第7下板部307aは、任意の位置でネジN3により底板1Dに対して固定されている。
第8フレーム308は、各第7背板部307cの内側における第7下板部307aの上面に第8下板部308aの左右両端を重ねた状態で配置され、第7下板部307aと第8下板部308aとの上下に重なった部分がネジN3により底板1Dに対して固定されている。尚、第8下板部308aの左右両端部、つまり段部が第7下板部307aの上側に重なっているため、第7下板部307aの板厚により第8下板部308aを底板1Dから離間させることなく設置することができる。また、各第8下板部308aは、任意の位置でネジN3により底板1Dに対して固定されている。底板1Dに第6フレーム306、第7フレーム307L,307R、第8フレーム308が取付けられた状態にあっては、第6フレーム306、第7フレーム307L,307R、第8フレーム308が平面視矩形状に連結されている。
背板1Eの前面側上部には、左右方向に延びる金属製の上リール支持金具310と下リール支持金具311とが上下に離間して平行に配設されている。上リール支持金具310は、背板1Eの左右幅寸法とほぼ同じ長さを有する帯状の金属材からなり、その左右端部には押え片310a,310aが下向きに垂設されるとともに、その前面には押え爪310b,310bが形成されている。下リール支持金具311は、背板1Eの左右幅寸法よりもやや短寸の帯状の金属材からなり、背板1Eに固定される固定部311aと、固定部311aの上方が背板1Eから離間するように折り曲げられた上向き係止部311bと、を備えている。
次に、上板1A、左側板1B、右側板1C、底板1D、背板1Eの組付け形態について、図12〜図16に基づいて説明する。
筐体1aは、左側板1B及び右側板1Cと背板1Eとを組付けた後、上板1Aと底板1Dが組付けられる。尚、左側板1B及び右側板1Cに固定された第5フレーム305L,305Rの各第5背板部305bが背板1Eの前面側縁に対しネジN2により固定されることで左側板1B及び右側板1Cと背板1Eとが組付けられる(図16参照)。
尚、図10〜図16に示すように、上板1Aの下面における左右辺部、底板1Dの上面における左右辺及び後辺部、背板1Eの前面における左右側辺部には、連結(接合)される他の板の端部を嵌合可能な凹部が形成されており、板の端部同士が嵌合状態で連結されるようになっている。
図12及び図13に示すように、上板1Aは、左側板1B、右側板1C、背板1Eにより形成された空間の内側に第2フレーム302L,302Rの各第2側板部302b及び各第2背板部302cと第3フレーム303の第3背板部303cを挿入し、各ネジにより固定される。
詳しくは、図13(A)及び図14に示すように、第2フレーム302L,302Rにおける各第2背板部302cが第5フレーム305L,305Rの各第5背板部305bの前面側上端部に重ねて配置され、その部分が背板1Eに対してネジN5により固定される。また、図13(B)及び図14に示すように、第2フレーム302L,302Rにおける各第2側板部302bの前端(段部)が第1フレーム301の第1側板部301bを介して第4フレーム304L,304Rの内側に重ねて配置され、その部分が左側板1Bに対してネジN6により固定される。
また、図12〜図15に示すように、筐体1aが組み立てられた状態にあっては、第2フレーム302L,302Rにおける各第2側板部302bは、ネジN4により左側板1B及び右側板1Cに固定されており、第3フレーム303における第3背板部303cは、ネジN4により背板1Eに固定されている。尚、底板1Dは、上板1Aと略同一の取付形態であるため、底板1Dの取付形態の説明を省略する。
前述のように左側板1B及び右側板1Cと背板1Eとを組付けた際には、図14に示すように、上リール支持金具310の左端が背板1Eと第5フレーム305Lにおける被取付部305cとの間に配置され、前面側から螺挿されるネジN7により連結されている。尚、上リール支持金具310の右端も上リール支持金具310の左端と同様の構成により第5フレーム305Rにおける被取付部と固定されている(図示略)。
筐体1aが組み立てられた際には、隣接する第1フレーム301〜第8フレーム308同士がそれぞれ接続されて一の立体形状のフレーム体(例えば、図39参照)を構成するため、筐体1aの強度が向上する。また、リールユニット2を取付けるための上リール支持金具310は、左右の第5フレーム305L,305Rに跨って取付けられるため、一のフレーム体がさらに補強されている。
このように構成された筐体1aは、リールユニット2等の各種装置や前面扉1bを組付けた後(スロットマシン1を構成した後)、複数台のスロットマシン1を並設する遊技島に対して取付けられる。遊技島へのスロットマシン1の設置時には、特に筐体1aにおける上板1A及び底板1Dが遊技島に対して釘等によって固定される。故障時や機種変更時等における遊技島に対するスロットマシン1の交換時には、遊技島への設置時において釘孔等が形成された上板1Aや底板1Dのみを交換し、左側板1B,右側板1C,背板1Eについては再利用することがある。本実施例の筐体1aは、特に遊技島に設置する際に釘が打ち込まれる上板1Aや底板1Dを、左側板1B,右側板1C,背板1Eよりも交換し易い構造となっている。尚、本実施例では、上板1Aや底板1Dを交換可能とする説明をしたが、左側板1B,右側板1C,背板1Eの少なくともいずれか一つを交換可能としてもよい。
例えば、図15に示すように、上板1Aのみを筐体1aから取外す際には、第2フレーム302L,302Rの各第2側板部302bと左側板1B及び右側板1Cとを接続するネジN4、第3フレーム303の第3背板部303cと背板1Eとを接続するネジN4をそれぞれ取外すとともに、第2フレーム302L,302Rの各第2背板部302cと第5フレーム305L,305Rの各第5背板部305bとを接続するネジN5を取外し、第2フレーム302L,302Rの各第2側板部302bと第4フレーム304L,304Rとを接続するネジN6を取外せばよい。
また、例えば、図16に示すように、底板1Dのみを筐体1aから取外す際には、第7フレーム307L,307Rの各第7側板部307bと左側板1B及び右側板1Cとを接続するネジN4’、第8フレーム308の第8背板部308cと背板1Eとを接続するネジN4’をそれぞれ取外すとともに、第7フレーム307L,307Rの各第7背板部307cと第5フレーム305L,305Rの各第5背板部305bとを接続するネジN5’を取外し、第7フレーム307L,307Rの各第7側板部307bと第4フレーム304L,304Rとを接続するネジN6’を取外せばよい。
つまり、上板1Aまたは底板1Dを左側板1B、右側板1C、及び背板1Eに固定するネジ(ネジN4,N4’、ネジN5,N5’、ネジN6,N6’)のみを取外すだけで、上板1Aまたは底板1Dを取外すことができる。換言すれば、他のネジ(第1フレーム301〜第3フレーム303を上板1Aに固定するネジN1、第4フレーム304L,304R及び第5フレーム305L,305Rを左側板1B及び右側板1Cに固定するネジN2、第6フレーム306〜第8フレーム308に固定するネジN3)を取外す必要が無いため、筐体1aに対する上板1A及び底板1Dの交換作業が簡便になるとともに、交換が必要な最小限の板部材のみを交換でき、コストを削減することができる。
また、ネジN1〜ネジN7は、筐体1aの内側から取付けられ各板に螺入されており、前面扉1bを開放しないと取外せない構造であるため、筐体1aを分解(例えば、いずれかの板を取外すなど)して遊技制御基板40に対して不正行為を行うことを抑制できる。また、上板1Aを固定するネジN4,N5,N6の取外し方向、及び底板1Dを固定するネジN4’,N5’,N6’の取外し方向はそれぞれ異なる方向を向いているため、外部から筐体1aが更に分解し難くなっている。
また、ネジN5,N5’、ネジN6,N6’の取付方向側(筐体1aの内側)に第2フレーム302L,302Rの各第2側板部302b及び各第2背板部302c、第7フレーム307L,307Rの各第7側板部307b及び各第7背板部307cが配置されているため、上板1Aや底板1Dを取外す際に第5フレーム305L,305Rの各第5背板部305bや第4フレーム304L,304Rに引っ掛かることなく、取外しやすい。
また、上板1A、左側板1B、右側板1C、底板1D及び背板1E各々は、他の板部材に対し嵌合状態で接合されているとともに、上板1Aと背板1Eとを連結する第3フレーム303、背板1Eと左側板1B及び右側板1Cとを連結する第5フレーム305L,305R、背板1Eと底板1Dとを連結する第8フレーム308、底板1Dと左側板1B及び右側板1Cとを連結する第7フレーム307L,307Rは、連結する2つの板部材各々に対応する板部を有する断面L字形の金属フレームからなり、連結辺部を内側から被覆するように取付けられるため、個別に取外し可能な上板1A、左側板1B、右側板1C、底板1D及び背板1Eの接合部に外部から異物を進入させても筐体1a内部まで進入させることが困難な構造とされている。
次いで、リールユニット2及び遊技制御基板40の筐体1aへの取付け形態について、図17及び図18に基づいて説明する。
図17に示すように、リールユニット2におけるリール2L、2C、2Rは、リールボックス340に保持されており、リールボックス340の背面側上部には、上リール支持金具310の押え片310aに係止される金属製の上係止片341が設けられている。
また、リールボックス340の背面側における上下方向略中央部には、下リール支持金具311の上向き係止部311bに係止される金属製の下係止片342が左右方向に延びて形成されており、上向き係止部311bに下係止片342が挿入されることでリールユニット2が背板1Eに対して係止される(図17の下部拡大部参照)。また、リールボックス340の背面側下部には、筐体1aの背板1Eの内面に当接する凸条343が左右方向に突設されている。
よって、リールボックス340は、下係止片342を上向き係止部311bに上方から係止させた状態で、リールボックス340の上部を奥側に押し込み、上係止片341を押え片310aの前面に当接させた状態で、該押え片310aに回転可能に設けられた押え爪310bを上係止片341の前面側に配置される係止状態とすることにより、リールユニット2が背板1Eに対して係止される(図17の上部拡大部参照)。
また、リールボックス340の上面には、各リール2L,2C,2Rのリールモータ32L,32C,32R及びリールセンサ33L,33C,33Rと遊技制御基板40とを中継するリール中継基板と、各リール2L,2C,2RのリールLED55と演出制御基板90とを中継するリールLED中継基板と、を収納するリール中継基板ケース360が設置されている。
前述のように、筐体1aにおける一のフレーム体を構成する第1フレーム301〜第8フレーム308と、リールユニット2を支持する上リール支持金具310は、金属製、つまり導電性を有しており、一のフレーム体及び上リール支持金具310は接続されている。すなわち、リールユニット2は、上係止片341及び上リール支持金具310を介して一のフレーム体に接地されるため、静電気などによりリールユニット2(特にリール中継基板ケース360)に不具合が生じることを抑制できる。
リールユニット2の上方(背板1Eの前面上部)には、遊技制御基板40を収納する遊技制御基板ケース350が配設されている。詳しくは、遊技制御基板ケース350は、ベース部材とカバー部材とからなり、遊技制御基板40を収納した状態で開封不能に封止されており、ワンウェイネジ等により合成樹脂製の可動ベース351の前面に対して取外し不能に固着されている。また、第5フレーム305Lの第5背板部305bの上部には、上下方向を向く上下一対の回動軸320aを有する金属製の固定ベース320が前面側から取付けられており(図12〜図15参照)、上下一対の回動軸320aに対して可動ベース351の左側辺が回動自在に軸支された状態で取付けられている。
よって、可動ベース351に固着された遊技制御基板ケース350は、固定ベース320の回動軸320aを中心として回動可能に支持された可動ベース351を介して、遊技制御基板40が背板1Eの前面側に平行に配置される第1位置と、遊技制御基板40が左側板1Bの内面側に平行に配置される第2位置と、の間で回動可能に設けられる。特に図示しないが、第1位置において可動ベース351は背板1Eに設けられた係止爪により係止されることで、第1位置に保持されるようになっている。
このように遊技制御基板ケース350は、可動ベース351及び固定ベース320を介して一のフレーム体に接地されるため、静電気などによりスロットマシン1の遊技状態を制御する遊技制御基板40に不具合が生じることを抑制できる。
また、図18に示すように、固定ベース320は、遊技制御基板ケース350を第1位置に配置した状態において、遊技制御基板40と前後に重ならないように配置されている。具体的には、固定ベース320は、遊技制御基板40から左側に離間した位置に配置されることで、可動ベース351を回動しても遊技制御基板40に接触することが無いので、固定ベース320近傍に帯電した静電気が遊技制御基板40に及んで不具合が生じることを防止できる。
以上説明したように、本発明の実施例としてのスロットマシン1にあっては、各々を接続することにより一のフレーム体(例えば、筐体1aが組み立てられた際には、隣接する第1フレーム301〜第8フレーム308同士がそれぞれ接続されて一のフレーム体を構成する。図15、図16、図39参照。)を形成可能であり、導電性を有する複数のフレーム(例えば、第1フレーム301〜第8フレーム308)と、前記複数のフレームを介して組付けることで前面が開放された本体(例えば、筐体1a)を構成する複数の板部材(例えば、上板1A、左側板1B、右側板1C、底板1D、背板1E)と、筐体1aに設けられ電気部品を含む遊技部材(例えば、遊技制御基板40を収納する遊技制御基板ケース350/リール中継基板及びリールLED中継基板を収納するリール中継基板ケース360が設けられたリールボックス340)と、前記遊技部材を前記複数の板部材のうち少なくとも一の板部材(例えば、背板1E)に取付けるための取付部材(例えば、固定ベース320/上リール支持金具310)と、を備え、前記複数の板部材各々に対応するフレーム同士を接続することにより一のフレーム体を形成可能であり、前記取付部材は、導電性を有し、前記複数のフレームのうち少なくとも一のフレームに接している(例えば、第5フレーム305Lの第5背板部305bの上部には、上下方向を向く上下一対の回動軸320aを有する金属製の固定ベース320が前面側から取付けられている。図12〜図15参照。/上リール支持金具310の左端が第5フレーム305Lにおける被取付部305cに固定され、上リール支持金具310の右端が第5フレーム305Rにおける被取付部と固定されている。図14参照。)。
これによれば、上板1A、左側板1B、右側板1C、底板1D、背板1Eに対応する第1フレーム301〜第8フレーム308同士を接続(連結)して一のフレーム体を形成することにより複数の上板1A、左側板1B、右側板1C、底板1D、背板1Eが連結されるので筐体1aの強度が向上するとともに、遊技制御基板ケース350及びリール中継基板ケース360などの遊技部材を固定ベース320及び上リール支持金具310を介して導電性を有する一のフレーム体に接地できるため、静電気などにより遊技制御基板ケース350やリール中継基板ケース360に不具合が生じることを抑制できる。
また、板部材に取付けられる第1フレーム301〜第8フレーム308は、各板部材を組付けて筐体1aを構成した状態において互いに連結されることにより一のフレーム体が形成されるため、特に捻じれ等に強い構造の筐体1aを構成することができる。また、第1フレーム301〜第8フレーム308のうち一のフレームに接している遊技部材に生じた静電気を他のフレームに対して接地させることができるため、好適に除電することができる。
また、上リール支持金具310は、複数のうち互いに並設された第1フレーム(例えば、第5フレーム305L)と第2フレーム(例えば、第5フレーム305R)とに跨るように連結されている。これによれば、上リール支持金具310が一のフレーム体の一部を構成する、つまり、一のフレーム体を補強しているため、筐体1aの強度がより向上する。尚、取付部材は、第5フレーム305L,305R間に跨って取付けられることに限られず、並設されたフレーム間に取付けられればいずれのフレーム間に取付けられてもよい。
また、上板1A、左側板1B、右側板1C、底板1D、背板1Eは、個別に交換可能に設けられていることから、筐体1aを再使用する際に交換が必要な最小限の板部材のみを交換できるため、コストを削減することができる。
具体的には、例えば、上板1Aのみを交換する際には、上板1Aを左側板1B、右側板1C、及び背板1Eに固定するネジ(ネジN4、ネジN5、ネジN6)のみを取外すだけで、上板1Aを取外すことができる。つまり、他のネジ(第1フレーム301〜第3フレーム303を上板1Aに固定するネジN1、第4フレーム304L,304R及び第5フレーム305L,305Rを左側板1B及び右側板1Cに固定するネジN2、第6フレーム306〜第8フレーム308に固定するネジN3)を取外す必要が無いため、筐体1aに対する上板1Aの交換作業が簡便になるとともに、交換が必要な最小限の板部材(上板1A)のみを交換し、他の板部材(左側板1B、右側板1C、底板1D、背板1E)を再利用することで、製造コストを削減することができる。
また、第1フレーム301〜第8フレーム308を各板部材に接続するネジN1〜ネジN7は、筐体1aの内側から取付けられており、前面扉1bを開放しないと取外せない構造であるため、筐体1aを分解して遊技制御基板40を操作する等の不正行為を抑制できる。また、一の板部材を固定するネジの各取外し方向は、それぞれ異なる方向を向いており、一の板部材を取外す手間が掛かるため、外部から筐体1aが更に分解し難くなっている。
また、3つの板部材が接する角部(例えば、上板1A、背板1E、左側板1Bが接する左上後角部など)においては、3つのフレームのうちの1のフレーム(例えば、第2フレーム302L)に対し、2つの(例えば、第3フレーム303、第5フレーム305L)がそれぞれ別の部位で重なった状態でそれぞれ別のネジにより連結されている。具体的には、例えば、図15に示すように、上板1Aに取付けられた第2フレーム302Lの後端と第3フレーム303の左端とは互いに重なった状態で第1連結部が第1ネジにより連結され、第2フレーム302Lの後端と第5フレーム305Lの上端とは、互いに重なった状態で第1連結部とは異なる第2連結部が第1ネジとは異なる第2ネジにより連結されているので、上板1Aのみを交換する際に、第1連結部の連結を解除することなく、第2連結部の連結を解除することが可能となる。
尚、上板1A、背板1E、右側板1Cが接する右上後角部や、背板1E、左側板1B、底板1Dが接する左下後角部や、背板1E、右側板1C、底板1Dが接する右下後角部においても、上記のように3つのうちの1のフレームに対し2つがそれぞれ第1連結部と第2連結部各々で重なった状態でそれぞれ第1ネジと第2ネジとにより連結されているため、上記と同様の効果を奏する。
また、交換頻度の高い板部材(例えば、上板1A及び底板1D)に固定されるフレーム(第1フレーム301〜第3フレーム303、第6フレーム306〜第8フレーム308)は、交換頻度の低い板部材(例えば、左側板1B、右側板1C、背板1E)に固定されるフレーム(第4フレーム304L,304R及び第5フレーム305L,305R)よりも内側に配置されているため、交換頻度の高い板部材を交換する際に該板部材に固定されるフレームが、交換頻度の低い板部材やそのフレームに干渉しにくく、交換頻度の高い板部材の交換作業が交換頻度の低い板部材の交換作業に比べて簡便になっている。
また、遊技部材は、スロットマシン1の制御を行う制御部が設けられた制御基板(例えば、遊技制御基板40/リール中継基板及びリールLED中継基板)を収納する基板ケース(例えば、遊技制御基板ケース350/リール中継基板ケース360)である。これによれば、基板ケースが取付部材(例えば、固定ベース320/上リール支持金具310)を介して一のフレーム体に接地されるため、制御部に不具合が生じることを防止できる。
また、取付部材(例えば、固定ベース320)は、板部材(例えば、背板1E)に基板ケース(例えば、遊技制御基板ケース350)を取付けた状態において制御基板(例えば、遊技制御基板40)と重ならないように配置される。具体的には、固定ベース320は、遊技制御基板40から左側に離間した位置に配置されることで、遊技制御基板40に接触することが無く、また、遊技制御基板ケース350を第1位置に配置した状態でも固定ベース320の前側に重なることがないので、固定ベース320近傍に帯電した静電気が遊技制御基板40に及んで不具合が生じることを防止できる。
尚、前記実施例では、背板1Eのフレームは、左側板1B及び右側板1Cに取付けられた第5フレーム305L,305Rと兼用する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものでなく、例えば、第5フレーム305L,305Rのうち一方が背板1Eの前面側周縁に取付けられていてもよいし、背板1Eの前面側周縁部にも別途フレームを設け、そのフレームと他の板部材のそれぞれのフレームとを接続するようにしてもよい。つまり、筐体1aを構成する複数の板部材は、必ずしも対応するフレームを有していない板部材を含んでいてもよい。
また、本実施例では、フレーム(第1フレーム301〜第8フレーム308)を取付けた各々の板部材(上板1A、左側板1B、右側板1C、底板1D)を組付けることにより筐体1aを構成する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図39に示すように、各フレーム(第1フレーム301〜第8フレーム308)を組み立てて一のフレーム体を構成した後、該一のフレーム体に対して各々の板部材(上板1A、左側板1B、右側板1C、底板1D)を取付けることで筐体1aを構成できるようにしてもよい。
また、本実施例では、上板1A、左側板1B、右側板1C、底板1Dは第1フレーム301〜第8フレーム308を介して組付けることで筐体1aを構成する、つまり、上板1A、左側板1B、右側板1C、底板1D同士をネジなどの連結部材により直接連結していない形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上板1A、左側板1B、右側板1C、底板1D同士をネジなどの連結部材により直接連結するだけで箱状の筐体1aが構成できるようになっていてもよい。
また、本実施例では、一のフレーム体が第1フレーム301〜第8フレーム308により構成される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各板部材にフレームが一以上取付けられればよく、一のフレーム体を構成するフレームの数量は自由に変更できる。また、接続により形成された一のフレーム体の形状は、図39に示す形態に限定されるものではなく、任意に変形可能である。
また、本実施例では、各板部材は、各々の全周縁に沿って第1フレーム301〜第8フレーム308が取付けられることで強度を高めた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、必ずしも一の板部材の周縁にわたりフレームが取付けられなくてもよい。
また、本実施例では、第1フレーム301〜第8フレーム308は、一のフレームに対し2つの他のフレームが連結される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一のフレームに対し少なくとも1つの他のフレームが連結されていればよい。
また、本実施例では、3つの板部材が接する角部(例えば、上板1A、背板1E、左側板1Bが接する左上後角部など)においては、3つのフレームのうちの1のフレーム(例えば、第2フレーム302L)に対し、2つの(例えば、第3フレーム303、第5フレーム305L)がそれぞれ別の部位で重なった状態でそれぞれ別のネジにより連結される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、3つのフレームが重なった状態で1のネジにより連結されていてもよい。また、4以上のフレーム同士が重なった状態で連結されるようにしてもよい。また、本実施例では、第1フレーム301〜第8フレーム308は、各板部材に対しネジを介して取付けられる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、板部材に対しネジ以外の取付手段(例えば、ボルト、釘、接着(粘着)材など)により取付けられていてもよい。
また、本実施例では、第1フレーム301〜第8フレーム308は、金属製の部材にて構成される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、導電性を有していれば、金属材以外の材質、例えば、導電性を有する合成樹脂材等により構成されていてもよい。
また、本実施例では、遊技部材の一例として、遊技制御基板ケース350やリール中継基板ケース360を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら以外の遊技部材(例えば、ホッパーモータ34bや払出センサ34cが設けられたホッパーユニット34など)を適用してもよい。
また、本実施例では、遊技制御基板ケース350やリール中継基板ケース360などの遊技部材は、板部材である背板1Eに対し取付部材である上リール支持金具310や固定ベース320を介して取付ける形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、フレームの一部に遊技部材の取付部材(取付部)が予め一体的に設けられていてもよい。
また、本実施例では、固定ベース320が遊技制御基板40から左右方向に離間した位置に配置されていたが、固定ベース320と遊技制御基板40とが接触または遊技制御基板ケース350が第1位置や第2位置にあるときに前後または左右に重ならなければ、前後または上下に離間するように配置されていてもよい。
また、本実施例では、スロットマシン1の制御を行う制御部が設けられた制御基板として遊技制御基板40、リール中継基板及びリールLED中継基板を例示したが、本発明はこれに限られず、演出制御基板90や後述するスピーカ中継基板406などであってもよい。
次に、スピーカ装置400の構造について図19〜図21に基づいて説明する。図19は、(A)は第2扉部を背面側から見た分解斜視図、(B)はスピーカ装置の正面図である。図20は、スピーカ装置を正面側から見た分解斜視図である。図21は、スピーカ装置を背面側から見た分解斜視図である。
図19(A)に示すように、スピーカ装置400は、第2扉部1eの背面側に取付けられている。具体的には、第2扉部1eを構成する板部材の背面側には、複数の取付ボス1fが形成されており、スピーカ装置400の外縁には、取付ボス1fを挿入可能な複数の取付部400aが設けられており、各取付ボス1fに取付部400aを取付けた状態でネジN8により固定されている。尚、第2扉部1eを構成する板部材である前板1gにおいて、第1スピーカ53、54に対応する位置には、前後に貫通する複数の孔により構成される放音部202L,202Rが形成され(図1参照)、第2スピーカ58及び後述するダクト403に対応する位置には、前後に貫通する複数の孔により構成される放音部203A,203Bが形成されており(図1参照)、各放音部202L,202R、203A,203Bを介して第1スピーカ53、54及びスピーカ装置400(第2スピーカ58、ダクト403)からの音を遊技者側に放音できるようになっている。
図20及び図21に示すように、スピーカ装置400は、中空の箱体からなるエンクロージャ401と、音を出力可能な第2スピーカ58と、から主に構成される。エンクロージャ401は、前面枠401Aと背面枠401Bとから構成されている。前面枠401Aには、第2スピーカ58が取付けられるスピーカ取付穴402と、エンクロージャ401の内部空間と外部とに連通するダクト403が取付けられるダクト取付穴404と、第2流路構成部材201の一部を収納可能な凹部410(詳細は後述する)と、前述した取付部400aと、が形成されている。尚、前面枠401Aの前面には、後述する防振ゴム412が複数配設されている。また、背面枠401Bには、左右方向略中央部から後方に突出する突出部405と、スピーカ中継基板406が取付けられる基板取付穴407と、が形成されている。
前面枠401A及び背面枠401Bには、複数のリブ413A,413Bが形成されており、軽量化しながらも強度が高くなっており、これらリブ413A,413Bにより内部が複数の空間部に分割されている。また、前面枠401A及び背面枠401Bは、ネジN9により連結されることで一体化され、一体化された状態(エンクロージャ401が構成された状態)において前面枠401Aの後端縁及び背面枠401Bの前端縁との間が密封される。
エンクロージャ401は、特に図29に示すように、第2扉部1eの左右方向に亘り背面下部を被覆するように、かつ、筐体1aの前面開口を前面扉1bにより閉鎖した閉鎖状態において、背面側の一部が筐体1a側に配置されるように前板1gから背面側に突出するように設けられている(図29において、エンクロージャ401の後部は左側板1Bと右側板1Cの前端を結ぶ点線よりも筐体1a側に配置されている)。さらに、エンクロージャ401は、背面枠401Bの背面における左右方向の中央部から背面側に突出する突出部405を有していることから、エンクロージャ401の内部空間を大きく形成することができるため、音響を向上させることができる。尚、前面枠401A及び背面枠401Bの各リブ413A,413Bは、前面枠401Aと背面枠401Bとが組付けられた際に互いに接触しないようになっている。つまり、エンクロージャ401の内部空間は、各リブ413A,413Bにより遮断されることなく連通している。
スピーカ中継基板406は、基板取付穴407よりも大きな外形を有している。詳細は後述するが、スピーカ中継基板406は、矩形枠状のゴムリング420を介して基板取付穴407の背面側から取付けられるため、背面枠401Bとスピーカ中継基板406との間が隙間なく密封されるとともに、エンクロージャ401を分解しなくても外部からスピーカ中継基板406を取外すことができるため、スピーカ中継基板406や配線408,409のメンテナンスが簡便となっている。尚、スピーカ中継基板406の前面側には、第2スピーカ58の配線408がコネクタ接続され、スピーカ中継基板406の前面側には、前述した電源基板101に接続される配線409が基板取付穴407を介してコネクタ接続される。
このように、第2スピーカ58の配線408をエンクロージャ401の内部から外部に引き出すための孔部としての基板取付穴407を、配線408と配線409とをコネクタにより接続可能なスピーカ中継基板406により閉鎖できるようにするとともに、スピーカ中継基板406を背面枠401Bに対し着脱可能とすることで、基板取付穴407からの音漏れを防止しつつ、エンクロージャ401の内部の配線408と外部の配線409との接続及び解除を容易に行うことができる。
よって、第2スピーカ58を取付けた前面枠401Aと背面枠401Bとを組付ける際に、配線408を基板取付穴407から外部に引き出した状態で前面枠401Aと背面枠401Bとを組付けた後、スピーカ中継基板406を介して配線409と接続してから、スピーカ中継基板406を背面枠401Bに取付けて基板取付穴407を閉鎖することができるので、音漏れを防止しつつ組付け作業を簡素化できる。尚、本実施例では、基板取付穴407は背面枠401Bに形成されていたが、前面枠401A側に形成されていてもよい。また、配線408,409のいずれかは、スピーカ中継基板406に対し取外し不能に接続されていてもよい。
また、取付部400aは、前面側に開口する凹形状を成しており、各取付部400a内には、取付ボス1fの先端(後端)に取付けられるゴム製円柱形のボスキャップ411が収納されるようになっている。尚、本実施例では、ボスキャップ411がゴム製である形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、弾性を有する部材であれば、合成樹脂やバネ等であってもよい。
尚、スピーカ装置400は、第2スピーカ58の後方の本体部が箱状のエンクロージャ401内に収納されて一体化されたものであるため、第2スピーカ58の音出力部(コーン正面)から正面に出る音と背面に出る音とが効果的に遮断され、これにより音が打ち消しあうことが防止されることで、特に低音域の音質が効果的に向上されるようになっている。また、エンクロージャ401の内部に連通するダクト403が形成されており、背面からの音も利用して低音再生が行われることで、より音質が向上するようになっている。
また、エンクロージャ401は、第2扉部1eの左右方向に亘り背面下部を被覆するように設けられているとともに、第2スピーカ58の上方(エンクロージャ401の左側)には、上方に延設される延設部を有し、正面視略L字形状に形成されている。言い換えれば、エンクロージャ401の中央及び右側は、第1流路構成部材200、第2流路構成部材201、メダルセレクタ29等の周辺の部材との干渉を避けるために前記延設部よりも低く形成されている。つまり、エンクロージャ401は、第2扉部1eの取付け可能範囲において出来るだけ大きく形成されているため、音響を向上させることができる。
次に、筐体1aの下部に配置される各種部材について図22〜図28を参照して説明する。図22は、ホッパーユニット及びオーバーフロータンクの構造を示す分解斜視図である。図23は、載置台の構造を示す拡大斜視図である。図24は、オーバーフロータンクの構造を示す斜視図である。図25は、載置台とオーバーフロータンクの配置状態を示す拡大斜視図である。図26は、オーバーフロータンクの出し入れの状態を示す上面概略図である。図27は、図26のD−D断面図である。図28は、オーバーフロータンクにメダルが貯留される形態を示す概略断面図である。
図22に示すように、筐体1aの下部左側には、電源ボックス100が配置され、筐体1aの下部中央部には、ホッパーユニット34が配置され、筐体1aの下部右側には、オーバーフロータンク35が配置されている。ホッパーユニット34のホッパータンク34aは、載置台34dの上部に載置される。載置台34dの背面側には、電源基板101から電源をリールユニット2及び遊技制御基板40に供給する電源分岐基板102が筐体1aの背板1Eに固定されて配置されている。また、オーバーフロータンク35の背面側には、前述した満タンセンサ35aが筐体1aの背板1Eに固定されて配置されている(図23参照)。
図23に示すように、載置台34dは、中空の箱体を成し、前面中央部から上面中央部にかけて切り欠かれた開口部34eが形成されており、下面側左右端縁には、フランジ部34jが形成されている。載置台34dの上面の左右両端縁には、ホッパータンク34aを前後方向にスライド移動可能にガイドするガイド部34fが形成され、載置台34dの上面の背面側端縁には、ホッパータンク34aの後方への移動を規制する規制部34gが形成されている。ガイド部34fは、水平なガイド部34fと垂直な外側面34hとから正面視略L字形に形成されており、載置台34dの上面と左右のガイド部34fとにより形成された正面視コ字形をなすガイド溝を形成する。
よって、ホッパータンク34aは、該ホッパータンク34aの下部左右側辺に形成された前後方向を向くガイド片34m,34m(図22参照)をガイド溝に前方から差し込んで背面側に押し込み、後部が規制部34gに当接することにより、載置台34dの上部の設置位置に設置される。また、手前側に引き出すことで簡単に載置台34dから取外すことができる。尚、載置台34dは、筐体1aの底板1Dとフランジ部34jとがボルトナットなどにより固定されている。
図24に示すように、オーバーフロータンク35は、上部に開口する箱体であり、開口周縁部には、外側に張り出すフランジ部35bが形成されている。フランジ部35bにおける左側(載置台34d側)は、所定の厚みで形成されており、その外側面35c(左側面)は、垂直面となっている。また、オーバーフロータンク35の背壁部35dには、背板1Eから前方に突出する2つの棒状の満タンセンサ35aを挿入可能な貫通孔35eが左右に並んで形成されている。
尚、特に図示しないが、オーバーフロータンク35の底壁部にはメダル排出用開口が形成されており、該メダル排出用開口は図示しない開閉蓋により開閉できるようになっている。よって、遊技島がメダル自動回収装置を備える場合、開閉蓋を開放してメダル排出用開口及びメダル回収用穴196からメダルを落下させることができ、遊技島がメダル自動回収装置を備えない場合、開閉蓋を閉鎖してオーバーフロータンク35内にメダルを貯留させることができるようになっている。
オーバーフロータンク35は、前後にスライドさせることで筐体1aへの出し入れが可能となっている(特に図26参照)。図25〜図27に示すように、載置台34dと筐体1aの右側板1Cとの間に設けられたオーバーフロータンク設置部にオーバーフロータンク35を設置した状態にあっては、フランジ部35bの左側が右側のガイド部34fの外側面34hに近接または当接し(特に図27の左側の拡大部参照)、フランジ部35bの右側が筐体1aの右側板1Cに近接または当接し(特に図27の右側の拡大部参照)、フランジ部35bの後側が筐体1aの背板1Eに近接または当接するようになっている。
また、オーバーフロータンク設置部にオーバーフロータンク35を設置した状態において、載置台34dとオーバーフロータンク35との高さは略同一となり、ガイド部34fの上面とフランジ部35bの上面とが略面一となる。尚、筐体1aにオーバーフロータンク35を設置した際には、満タンセンサ35aが貫通孔35eを介してオーバーフロータンク35内に配置される。つまり、オーバーフロータンク設置部とは、貫通孔35eに挿入した満タンセンサ35aがタンク内部に貯留されたメダルを検出可能に配置され、かつ、オーバーフロータンク35のフランジ部35bの後端縁を背板1Eに近接または当接する位置に設けられる。
尚、ホッパータンク34aは、オーバーフロータンク35にメダルを排出する排出口34kが設けられており、排出口34kは、筐体1a内に設置したオーバーフロータンク35の上方に配置されるようになっている(図27及び図28参照)。
図28に示すように、オーバーフロータンク35をオーバーフロータンク設置部に設置した状態にあっては、載置台34d、右側板1C及び背板1Eとオーバーフロータンク35との間に大きな隙間が形成されないため、ホッパータンク34aから排出口34kを介して排出されるメダルが載置台34d、右側板1C及び背板1Eとオーバーフロータンク35との間から落下して底板1Dの上面におけるオーバーフロータンク35の周囲に散乱することを抑制できる。例えば、排出口34kから勢いよくメダルが排出された場合、オーバーフロータンク35を越えることがあるが、オーバーフロータンク35と右側板1Cとの間に隙間が形成されていないため、オーバーフロータンク35と右側板1Cとの間にメダルが落下することが抑制される。
また、載置台34d、右側板1C及び背板1Eにより左右の移動及び後方側への移動が規制されるため、ホッパーユニット34とオーバーフロータンク35とに位置ずれが生じることが抑制される。また、オーバーフロータンク35のフランジ部35bの上面、特に左右に位置するフランジ部35bの上面にメダルが載置されることがあるが、オーバーフロータンク35を筐体1aから引き出す際においても、載置台34d及び右側板1Cに近接または当接しているため、フランジ部35bの上面からメダルが落下し難い。
さらに、載置台34dにおけるガイド部34fの外側面34hと、フランジ部35bにおける左側(載置台34d側)の外側面35cとは、互いに垂直面であるため、外側面34h及び外側面35c同士を位置合わせしやすい。また、ガイド部34f及びフランジ部35bにおける左側は、所定の厚みで形成されており、筐体1aに設けられたオーバーフロータンク設置部にオーバーフロータンク35を設置した際には、上下方向の広い範囲で近接または当接するため、オーバーフロータンク35の設置時にオーバーフロータンク35が左右方向に大きく傾くことが抑制される。
以上説明したように、本発明の実施例としてのスロットマシン1にあっては、遊技媒体(例えば、メダル)を貯留するためのホッパータンク34aとホッパータンク34aに貯留された遊技媒体を払出すためのホッパーモータ34bとを有するホッパーユニット34と、ホッパーユニット34のホッパータンク34aからメダルを受け入れ可能なオーバーフロータンク35と、を備え、オーバーフロータンク35は、上面が開口する箱状に形成され、所定の設置部に設置した状態において、前記開口の周縁部(例えば、フランジ部35b)がホッパーユニット34に接するまたは近接する。これによれば、ホッパーユニット34のホッパータンク34aからオーバーフローしたメダルをオーバーフロータンク35にて受け入れる際にメダルが底板1Dの上面におけるオーバーフロータンク35の周囲に散乱してしまうことを抑制できる。
具体的には、ホッパータンク34aからメダルを受け入れ可能な位置(オーバーフロータンク設置部)にオーバーフロータンク35を設置した状態にあっては、オーバーフロータンク35のフランジ部35bとホッパーユニット34の載置台34dとが近接または当接するようになっているため、ホッパータンク34aからのメダルをオーバーフロータンク35にて受け入れる際にオーバーフロータンク35と載置台34dとの間に落下して筐体1a内に散乱することを抑制できる。
また、所定の設置部であるオーバーフロータンク設置部は、ホッパーユニット34と筐体1aの右側板1Cとの間に設けられ、オーバーフロータンク35は、オーバーフロータンク設置部に設置した状態において、オーバーフロータンク35のフランジ部35bが筐体1aの右側板1Cに当接するまたは近接する。これによれば、ホッパーユニット34のホッパータンク34aからのメダルをオーバーフロータンク35にて受け入れる際にメダルがオーバーフロータンク35と右側板1Cとの間に落下して筐体1a内に散乱してしまうことを抑制できる。
具体的には、オーバーフロータンク35を筐体1a内に設置した状態にあっては、載置台34d及び右側板1Cとオーバーフロータンク35との間に大きな隙間が形成されないため、ホッパータンク34aから排出口34kを介して排出されるメダルがオーバーフロータンク35の左右から落下して周囲に散乱することを抑制できる。
また、オーバーフロータンク35を筐体1a内に設置した状態にあっては、背板1Eとオーバーフロータンク35との間に大きな隙間が形成されないようになっている。これによれば、ホッパータンク34aから排出口34kを介して排出されるメダルがオーバーフロータンク35の後方から落下して周囲に散乱することを抑制できる。
また、ホッパーユニット34は、ホッパータンク34a及びホッパーモータ34bを設置するための載置台34dを有し、オーバーフロータンク35は、オーバーフロータンク設置部に設置した状態において、フランジ部35bが載置台34dに接するまたは近接する。これによれば、ホッパーユニット34のホッパータンク34aからのメダルをオーバーフロータンク35にて受け入れる際にメダルが周囲に散乱してしまうことを抑制できる。
具体的には、載置台34dとオーバーフロータンク35との高さは略同一となっている。すなわち、オーバーフロータンク35は、ホッパータンク34aよりも下方に位置することから、ホッパータンク34aの排出口34kをオーバーフロータンク35の上方に配置することができるため、ホッパータンク34aから排出口34kを介して排出されるメダルが載置台34dとホッパータンク34aとの間から落下して周囲に散乱することを抑制できる。
また、オーバーフロータンク35をオーバーフロータンク設置部に設置した状態において、オーバーフロータンク35のオーバーフロータンク設置部からの位置ずれを規制する規制手段(例えば、載置台34d、右側板1C及び背板1E、満タンセンサ35a及び貫通孔35e)を備えるため、オーバーフロータンク35が位置ずれしてホッパーユニット34との間に大きな隙間が形成されてしまうことを抑制できる。
具体的には、オーバーフロータンク35を筐体1a内に設置した状態にあっては、載置台34d、右側板1C、満タンセンサ35a及び貫通孔35eによりオーバーフロータンク35が左右に位置ずれすることが抑制されるとともに、背板1Eにより後方側への移動が規制されるため、オーバーフロータンク35が位置ずれすることを抑制できる。また、載置台34d及び右側板1Cにより案内されるため、オーバーフロータンク35の出し入れがしやすい。また、オーバーフロータンク35を筐体1aから引き出す際においても、載置台34d及び右側板1Cによりフランジ部35b上に載置されたメダルが落下し難くなっている。
また、オーバーフロータンク35をオーバーフロータンク設置部に設置した状態において、オーバーフロータンク35のフランジ部35bが、筐体1aに対し着脱可能に設けられるホッパータンク34aでなく、該ホッパータンク34aを載置するために筐体1aに固設された載置台34dに接するまたは近接するようになっている。つまり、載置台34dは常に筐体1aの同じ位置に固設されているため、オーバーフロータンク35をオーバーフロータンク設置部に設置する際に、フランジ部35bを載置台34dに接するまたは近接させやすい。
尚、前記実施例では、オーバーフロータンク35とホッパーユニット34の載置台34dとが近接または当接する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、オーバーフロータンク35のフランジ部35bとホッパーユニット34の一部とが接するまたは近接すればよく、例えば、オーバーフロータンク35のフランジ部35bがホッパータンク34aの本体の所定箇所や排出口34kなどと接するまたは近接するようになっていてもよい。
また、本実施例では、ホッパーユニット34と筐体1aの右側板1Cとの間を所定の設置部(オーバーフロータンク設置部)とする形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ホッパータンク34aからメダルを受け入れ可能な位置であれば自由に変更してもよい。
また、本実施例では、メダルの貯留部としてのホッパータンク34aとメダルを払出す払出装置としてのホッパーモータ34bや回転ディスク等を有するホッパーユニット34を払出ユニットの一例として適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、払出ユニットは、例えば、ホッパーユニット34のように載置台34dを含まないものであってもよい。
尚、図27に示すように、オーバーフロータンク35とホッパーユニット34の載置台34dとの離間距離L7(隙間)、オーバーフロータンク35と右側板1C又は背板1Eとの離間距離L8(隙間)、またはオーバーフロータンク35と背板1Eとの離間距離(図示略、隙間)は、メダルの直径以下(例えば、φ25mm以下)であることが好ましく、さらにはメダルの厚み以下(例えば、1.6mm以下)であることが好ましい。これによれば、オーバーフロータンク35の筐体1aへの出し入れの作業性を向上させるために、オーバーフロータンク35と載置台34d、右側板1C及び背板1Eを当接させない(離間させる)場合であっても、メダルが周囲に散乱することを極力抑えることができる。
また、本実施例では、ホッパータンク34aに設けられた排出口34kが、オーバーフロータンク35とホッパーユニット34の載置台34dとの接触部または近接部を超えてオーバーフロータンク設置部に設置したオーバーフロータンク35の上面開口(受入部)の直上に位置するようになっているので、排出口34kから排出されたメダルがよりフランジ部35bの上面に落下し難くなる。
また、オーバーフロータンク35の周縁部を構成するフランジ部35bの上面は、平坦面状に形成されていることで、メダルがフランジ部35bの上面に載置された状態でオーバーフロータンク35を筐体1aから引き出しても、フランジ部35bの上面のメダルをオーバーフロータンク35と一緒に筐体1aから容易に取り出すことができる。
次に、オーバーフロータンクの変形例について図38に基づいて説明する。図38は、オーバーフロータンクの変形例を示す概略断面図である。尚、前記実施例と同一構成部分については、前記実施例と同一符号を付してその説明を省略する。
図38に示すように、本変形例のオーバーフロータンク370の上部開口の周辺部には、オーバーフロータンク370の上部開口が上方に向けて拡大するように傾斜する傾斜面371が形成されている。これによれば、傾斜面371近傍に排出されるメダルをオーバーフロータンク370内に誘導することができ、メダルがオーバーフロータンク370上に載置されることを効果的に抑制できるため、オーバーフロータンク370を筐体1aから引き出す際にメダルが筐体1a内に散乱することを抑制できる。
また、本実施例では、オーバーフロータンク設置部にオーバーフロータンク35を設置した状態において、載置台34dとオーバーフロータンク35との高さは略同一となり、ガイド部34fの上面とフランジ部35bの上面とが略面一となる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、載置台34dとオーバーフロータンク35との間に大きな隙間が形成されなければ、載置台34dとオーバーフロータンク35との上下位置は異なっていてもよい。
また、例えば、オーバーフロータンク設置部にオーバーフロータンク35を設置した状態において、載置台34dのガイド部34fの上方にオーバーフロータンク35のフランジ部35bが配置される場合、またはオーバーフロータンク35のフランジ部35bの上方に載置台34dのガイド部34fが配置される場合において、ガイド部34fとフランジ部35bとが上下に重なるように配置されていれば、ガイド部34fとフランジ部35bとの間にメダルが落下可能な隙間が形成されていても、ガイド部34fとフランジ部35bとの間からメダルが落下することを抑制できる。
また、本実施例では、オーバーフロータンク35はホッパーユニット34と右側板1Cとの間に設けられたオーバーフロータンク設置部に設置可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ホッパーユニット34と左側板1Bとの間やホッパーユニット34と背板1Eとの間にオーバーフロータンク設置部を設けてもよい。尚、何れの場合においても、オーバーフロータンク設置部は、ホッパーユニット34の排出口34kに対応する位置に隣接していることになる。
また、本実施例では、オーバーフロータンク35をオーバーフロータンク設置部に設置した状態において、オーバーフロータンク35のフランジ部35bが右側板1Cや背板1Eに接するまたは近接する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくともホッパーユニット34に接するまたは近接するようになっていれば、必ずしも右側板1Cや背板1Eに接するまたは近接しなくてもよい。
また、本実施例では、オーバーフロータンク35は、ホッパータンク34aの排出口34kから溢れた(オーバーフローした)メダルを受け入れ可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ホッパータンク34aの排出口34kから図示しない排出装置を介して強制的に排出されるメダルを受け入れ可能であってもよい。また、メダル自動回収装置が設置されている場合、受け入れたメダルは必ずしも貯留しなくてもよい。
また、本実施例では、ホッパーユニット34及びオーバーフロータンク35は、筐体1aにおける底板1Dの上面に設置される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、底板1Dの上面以外の箇所(例えば、筐体1a内に底板1Dとは別個に設けられた設置板や、前面扉1bに設けられた設置板等)に設置されるものでもよい。
また、本実施例では、オーバーフロータンク35をオーバーフロータンク設置部に設置した状態において、オーバーフロータンク35のフランジ部35bが右側板1Cに接するまたは近接することで、オーバーフロータンク35の載置台34dから離れる方向への移動が規制される、つまり、右側板1Cがオーバーフロータンク35の載置台34dから離れる方向への移動を規制する規制手段を構成する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、右側板1Cとは別個にガイド部等を設けて規制手段を構成してもよい。
次に、スピーカ装置400とホッパーユニット34との関係性について図29〜図33に基づいて説明する。図29は、前面扉を閉じた状態を示す平面断面図である。図30は、図29のE−E断面図である。図31は、図29のF−F断面図である。図32は、図29のG−G断面図である。図33は、前面扉の平面断面図である。
図29に示すように、前面扉1bにより筐体1aの前面開口を閉鎖した閉鎖状態においては、前面扉1bとホッパーユニット34及び載置台34dとの間にスピーカ装置400が位置する。具体的には、エンクロージャ401は、筐体1aの前面開口を前面扉1bにより閉鎖した閉鎖状態において、該エンクロージャ401の後部が筐体1a側に配置されるとともに、背面枠401Bの背面における左右方向の中央部から背面側に突出する突出部405は、開口部34eを介して載置台34dの内部空間、つまり、他の部材が設置されない中空の内部空間Sに収容される。このように、内部空間Sだけでなく、筐体1aにおける電源ボックス100、載置台34d及びオーバーフロータンク35と筐体1aの前面開口との間にも、筐体1aの前面開口を前面扉1bにより閉鎖した閉鎖状態においてエンクロージャ401の後部を収容可能な収容部が設けられている。
また、閉鎖状態において、エンクロージャ401の背面における突出部405の左右に位置する部分(図29の拡大部参照)が載置台34dの前面から前方に寸法L1分離間しているとともに、突出部405の側面が開口部34eの側面から左右方向に寸法L2分離間している。
また、図30に示すように、前面扉1bを筐体1aに対して閉じた際には、エンクロージャ401の背面における突出部405の上方に位置する部分がホッパータンク34aの下部前面から前方に寸法L3分離間しているとともに、突出部405の上面がホッパータンク34aの前端縁から下方に寸法L4分離間している。また、エンクロージャ401の下面が底板1Dから上方に寸法L5分離間している。
すなわち、前面扉1bにより筐体1aの前面開口を閉鎖した閉鎖状態において、エンクロージャ401は、筐体1aに設けられたホッパータンク34a及び載置台34dを含む遊技部品や底板1Dに接触しないようになっている。これによれば、音の出力時にエンクロージャ401の振動がホッパータンク34a、載置台34d及び底板1Dに伝達されることで音響に影響が及ぶことを抑制できる。
また、第2扉部1eを構成する板材である前板1gと、エンクロージャ401の前面とは、離間寸法L6分離間している。詳しくは、図31に示すように、前述のように前面枠401Aの前面には防振ゴム412が複数配設されており、前板1gにエンクロージャ401を取付けた状態において、エンクロージャ401の前面が防振ゴム412の厚み分(寸法L6分)前板1gから後方に離間する。すなわち、音を出力時にエンクロージャ401の振動が前板1gに伝達されることで音響に影響が及ぶことを抑制できる。このように、防振ゴム412によりエンクロージャ401の振動が前板1gに伝達されることを抑制できるため、エンクロージャ401を、前板1gに近づけて配置することができ、エンクロージャ401が筐体1a側に大きく張り出すこと抑制できる。
尚、前述のように、各取付部400aと取付ボス1fとの間(エンクロージャ401と前板1gとの接続箇所)にもゴム製のボスキャップ411が配設されているため、エンクロージャ401の振動が前板1gに伝達されることを効果的に抑制できる。
図32及び図33に示すように、エンクロージャ401が第2扉部1eに取付けられた状態において、第2流路構成部材201の下部(メダル払出口9の近傍)は凹部410内に配置されている。言い換えれば、第2流路構成部材201の下部はエンクロージャ401により被覆されている。これによれば、エンクロージャ401を利用して、第2流路構成部材201内を流下するメダルに不正にアクセスすることを抑制できる。具体的には、例えば、前面扉1bのメダル払出口9を介してメダル払出流路の内側から第2流路構成部材201に孔をあけて針金などの異物を挿入しても、エンクロージャ401が邪魔になって異物を筐体1a側まで進入させることを困難とすることができる。また、エンクロージャ401を取外さなければ、第2流路構成部材201を取外すことができないため、例えば、第2流路構成部材201を取外してメダルセレクタ29に不正にアクセスすることを抑制できる。
尚、エンクロージャ401(凹部410)と第2流路構成部材201との間にも隙間が形成されているため、エンクロージャ401の振動が第2流路構成部材201に伝達されることで音響に影響が及ぶことを抑制できる。
また、図33の拡大部に示すように、エンクロージャ401の背面枠401Bにおける左側には、前後に貫通する基板取付穴407が形成されており、基板取付穴407の周囲を囲う矩形状のゴムリング420を介してスピーカ中継基板406が配設され、背面枠401Bとスピーカ中継基板406との間が隙間なく密封されるため、基板取付穴407から音漏れが生じて音響性能が低下することを防止できる。さらに、ゴムリング420によりエンクロージャ401とスピーカ中継基板406とが共振することを抑制できるため、音響性能が低下することを防止できる。
また、スピーカ中継基板406は、背面枠401Bの背面側(エンクロージャ401の外側)からネジN10により固定されるため、エンクロージャ401を分解しなくても外部からスピーカ中継基板406を取外すことができ、スピーカ中継基板406や配線408,409のメンテナンスが簡便となっている。
以上説明したように、本発明の実施例としてのスロットマシン1にあっては、前面が開放された筐体1aと、筐体1aの前面を開閉可能な前面扉1bと、音を出力可能な第2スピーカ58と、第2スピーカ58の背面側に空間部(音響用空間部)が形成されるように覆うエンクロージャ401と、を備え、エンクロージャ401は、前面扉1bの背面である前板1gから突出するように設けられ、筐体1aには、該筐体1aに設置される遊技部品(例えば、ホッパーユニット34等)または遊技部品の設置部材(例えば、載置台34d、あるいは遊技部品の取付部材)が配置されない空間であって、前面扉1bを閉鎖したときにエンクロージャ401が収容される収容部(例えば、載置台34dの内部空間Sや、筐体1aにおける電源ボックス100、載置台34d及びオーバーフロータンク35と筐体1aの前面開口との間に形成される空間部)が設けられている。
これによれば、前面扉1b側にエンクロージャ401の収納空間を設けることなく、筐体1a側の空間を利用してエンクロージャ401を筐体1a側に突出するように大きく設けることができるので、前面扉1bの前後寸法を長寸にすることなく、音響を向上させることができる。
尚、収容部は、筐体1aの内部空間全体ではなく、内部空間の一部に設けられる空間部であって、筐体1aの内部において、遊技部品、遊技部品の設置部材、筐体1aを構成する板部材などにより囲まれるように形成されるものである。よって、載置台34dの壁部により囲まれる内部空間Sや、筐体1aにおける電源ボックス100、載置台34d及びオーバーフロータンク35と筐体1aの板部材とにより囲まれるように筐体1aの下部に形成される空間部などが該当する。
また、筐体1aには、遊技部品としてメダルを払出すためのホッパーユニット34が設けられ、内部空間Sは、ホッパーユニット34の載置台34dに形成されている。これによれば、ホッパーユニット34の載置台34dを利用して内部空間Sを設けることができる。具体的には、ホッパーユニット34の載置台34dのデッドスペースである内部空間Sを利用してエンクロージャ401の突出部405を収納することができるため、筐体1a内の空間を有効に利用することができる。
また、載置台34dを利用して内部空間Sを設けることで、載置台34dを構成する壁部により周囲が囲まれるため、他の遊技部品や遊技部品の設置部材や取付部材等が設けられたり入り込んだりすることがない。
さらに、内部空間Sに突出部405が収容された状態において、突出部405の左右側方及び後方の壁部により囲まれた空間部が設けられるため、突出部405の振動が筐体1a全体に漏れることが抑制されるので、音響を向上させることができる。
さらに、前面扉1bの閉鎖状態において放音部203A,203Bから針金等の異物が不正に挿入された場合において、エンクロージャ401の内部空間を利用して筐体1aの奥側まで挿入させることが可能となってしまうが、エンクロージャ401の内部に複数のリブ403A,403Bが設けられていることで、異物を移動させて例えば基板取付穴407からエンクロージャ401の外部、つまり筐体1aの内部に進入させること等をより困難化することができる。
さらに、突出部405はホッパータンク34aの下方の内部空間Sに収容されるため、エンクロージャ401の内部に不正に挿入した異物をより筐体1aの奥側まで移動させることが可能となるが、仮にエンクロージャ401の壁部に孔をあけて異物をエンクロージャ401の外部、つまり筐体1aの内部に進入させたとしても、載置台34dの壁部、ホッパータンク34a及び底板1Dにより突出部405の周囲が覆われているため、エンクロージャ401から外部に送り出した異物を筐体1a内部まで送り出すことを困難化することができる。
また、第2スピーカ58から出力される音を放音する放音部203A,203Bを前面扉1bの前板1gに形成して前方、つまり、遊技者側に向けて放音可能とする場合でも、第2スピーカ58の背面側に大きなエンクロージャ401を設けることが可能となる。
また、前記収容部は、前面扉1bを閉鎖したときにエンクロージャ401と接しないように形成されているため、エンクロージャ401の振動が収容部に伝達されることで音響に影響が及ぶことを抑制できる。詳しくは、前面扉1bを筐体1aに対して閉じた状態において、エンクロージャ401は、ホッパータンク34a、載置台34d及び底板1D等の周辺の部材に接触しないようになっているため、音を出力時にエンクロージャ401の振動がホッパータンク34a、載置台34d及び底板1Dに伝達されることで音響に影響が及ぶことを抑制できる。
また、エンクロージャ401は、前面扉1bの左右方向にわたり前面扉1bにおける前板1gの背面下部を被覆するように設けられ、左右方向の一部が前面扉1bの背面からさらに突出するように形成されているため、エンクロージャ401内の空間部を大きく形成することができるので、音響を向上させることができる。
また、前面扉1bの背面には、メダルが流下する第2流路R2が設けられ、エンクロージャ401は、第2流路R2の少なくとも一部を被覆するように設けられている。これによれば、エンクロージャ401を利用して、第2流路R2を流下するメダルに不正にアクセスすることを抑制できる。
具体的には、エンクロージャ401が第2扉部1eに取付けられた状態において、第2流路R2を構成する第2流路構成部材201の下部は、エンクロージャ401の凹部410内に配置されている、つまり、エンクロージャ401は第2流路構成部材201の下部を被覆している。これによれば、例えば、前面扉1bのメダル払出口9を介して第2流路R2の内側から第2流路構成部材201に孔をあけて針金などの異物を挿入しても、エンクロージャ401が邪魔になって異物を筐体1a側まで進入させることを困難とすることができる。また、エンクロージャ401を取外さなければ、第2流路構成部材201を取外すことができないため、例えば、第2流路構成部材201を取外してメダルセレクタ29に不正にアクセスすることを抑制できる。
また、前述のように、前面枠401A及び背面枠401Bの各リブ413A,413Bは、前面枠401Aと背面枠401Bとが連結された際に各リブ413A,413B同士が接触しないようになっており、エンクロージャ401の内部空間は、各リブ413A,413Bにより遮断されることなく連通しているため、エンクロージャ401の内部空間を大きく利用して音響性能を向上させることができる。
尚、本実施例では、載置台34dにエンクロージャ401の一部である突出部405を収容可能な内部空間Sや、筐体1aにおける電源ボックス100、載置台34d及びオーバーフロータンク35の前方に設けられるエンクロージャ401の後部を収容可能な内部空間を収容部の一例とした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、収容部は、筐体1aにおいて遊技部品または遊技部品の設置部材が配置されない空間であればいずれの位置に設けられていてもよい。また、本実施例では、エンクロージャ401の一部である突出部405を収容可能な収容部として、遊技部品であるホッパータンク34aを載置するための載置台34dにより形成された内部空間Sを適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、内部空間Sのように、載置台34dを構成する壁部にて囲まれる空間部でなくてもよく、開放されたスペースであってもよい。
また、本実施例では、エンクロージャ401を収容可能な収容部として、エンクロージャ401の一部である突出部405を収容可能な内部空間Sを適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、エンクロージャ401全体を収容可能な収容部が設けられていてもよい。
また、本実施例では、エンクロージャ401を収容可能な収容部は、遊技部品であるホッパータンク34aを載置するための載置台34dにより形成された内部空間Sを適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ホッパータンク34a以外の遊技部品を設置するための設置部材などにより形成されていてもよい。
また、本実施例では、内部空間Sに収容可能な突出部405は、ダクト403に対応する位置に設けられる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2スピーカ58に対応する位置に形成されるものであってもよい。
以上説明したように、本発明の実施例としてのスロットマシン1にあっては、音を出力可能な第2スピーカ58と、第2スピーカ58の背面側に空間部が形成されるように覆うエンクロージャ401と、エンクロージャ401が取付けられる被取付部(例えば、前面扉1b(第2扉部1e)の前板1gの背面)と、を備え、エンクロージャ401を前記被取付部に取付けた状態において、エンクロージャ401と前記被取付部との間に防振ゴム412が設けられている。これによれば、エンクロージャ401の振動が被取付部に伝達されることで音響に影響が及ぶことを抑制できる。
具体的には、従来は、エンクロージャ401を直接前板1gの背面に設置すると、エンクロージャ401の振動が前板1gに伝達され音響性能が低下し、一方、エンクロージャ401を前板1gの背面から離間させて設置すると、前板1gの背面からの突出量が大となり、前面扉1bを閉鎖したときに筐体1a側のスペースを大きく占有してしまい、筐体1a内の空間を有効に利用できなかった。対して、本実施例のスロットマシン1にあっては、エンクロージャ401と前板1gの背面との間に防振ゴム412が設けられ、前板1gの背面にエンクロージャ401を取付けた状態において、エンクロージャ401の前面が防振ゴム412の厚み分後方に離間するため、音を出力時にエンクロージャ401の振動が前板1gの背面に伝達されることで音響に影響が及ぶことを抑制できるようになっている。したがって、エンクロージャ401を前板1gの背面にできるだけ近づけて配置することができるため、エンクロージャ401が筐体1a側に大きく張り出すこと抑制できる。
尚、本実施例において、各離間寸法L1〜L6は、例えば、音の出力に応じてエンクロージャ401が前板1g等に接触したり大きく振動しない程度の離間寸法(例えば、1mm〜10mm程度の範囲など)であればよい。また、寸法値は音の出力態様やエンクロージャ401の取付構造等に応じて種々に変更可能である。
また、エンクロージャ401は、ネジN8を用いて前面扉1bの背面に取付けるための取付部400aを有し、防振部材は、前面扉1bの背面と取付部400aとの間に設けられるため、エンクロージャ401の振動が前面扉1bの背面に伝達されることを抑制できる。
具体的には、前面扉1b(第2扉部1e)の背面には、エンクロージャ401を取付けるための複数の取付ボス1fが設けられており、エンクロージャ401の各取付部400aと各取付ボス1fとの間、つまりエンクロージャ401と前板1gとの接続箇所にゴム製のボスキャップ411が配設されているため、エンクロージャ401の振動が前面扉1bの背面に伝達されることを効果的に抑制できる。
また、エンクロージャ401は、エンクロージャ401と前板1gの背面との間に隙間が設けられるように前面扉1bの背面に取付けられる。具体的には、エンクロージャ401の前面が防振ゴム412の厚み分後方に離間するため、エンクロージャ401の振動が前板1gの背面に伝達されることを抑制できる。
また、前面が開放された筐体1aと、筐体1aの前面を開閉可能な前面扉1b(第2扉部1e)と、を備え、エンクロージャ401は、前面扉1bの左右方向にわたり背面を被覆するように設けられ、左右方向の一部が前記開閉扉の背面から突出するように形成されているため、エンクロージャ401内の空間部を大きく形成することができるので、音響を向上させることができる。
また、前板1gの背面には、メダルが流下する第2流路R2が設けられ、エンクロージャ401は、第2流路R2の少なくとも一部を被覆するように設けられている。これによれば、エンクロージャ401を利用して、第2流路R2を流下するメダルに不正にアクセスすることを抑制できる。
具体的には、エンクロージャ401が第2扉部1eに取付けられた状態において、第2流路R2を構成する第2流路構成部材201の下部は、エンクロージャ401の凹部410内に配置されている、つまり、エンクロージャ401は第2流路構成部材201の下部を被覆している。これによれば、エンクロージャ401を取外さなければ、第2流路構成部材201を取外すことができないため、例えば、第2流路構成部材201を取外してメダルセレクタ29に不正にアクセスすることを抑制できる。
尚、本実施例では、エンクロージャ401が取付けられる被取付部が前面扉1bにおける第2扉部1eの前板1gの背面または取付ボス1fである形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、エンクロージャはいずれの位置に設置されてもよく、例えば、前面扉1bにおける第1扉部1dや、筐体1a内に設置されていても構わない。
また、エンクロージャ401には、スピーカ中継基板406以外にも、他の基板や遊技に関連する部品等を取付けることが可能であり、この場合であっても、エンクロージャ401と取付ける部材との間に防振部材を介在させ、エンクロージャ401と取付ける部材との共振を防止することが好ましい。
また、本実施例では、防振部材の一例としてゴム材からなる防振ゴム412を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、振動の伝達を抑制できるものであれば、ゴム材以外の防振部材(例えば、ゲル状部材やバネ部材など)等も適用可能である。また、防振部材の硬度、形状、厚み、取付位置、取付数量なども、音の出力態様やエンクロージャ401の取付構造等に応じて種々に変更可能である。
また、本実施例では、防振ゴム412はエンクロージャ401と被取付部である前板1gの背面とに接するように設けられていたが、エンクロージャ401と被取付部のうち少なくともいずれか一方に取付けられていれば、他方との間に隙間が設けられていてもよいし、双方との間に隙間が設けられていてもよい。
また、本実施例では、第2スピーカ58は、前面扉1bの前板1gの下部に設けられた放音部203A,203Bから音を出力可能に設けられる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、前面扉1bの下部以外の位置や、筐体1aを構成する各板部材から外部に向けて音を出力可能に設けられていてもよい。この場合、これら前面扉1bの下部以外の位置や筐体1aを構成する各板部材がエンクロージャ401の被取付部となる。
さらに、第2スピーカ58は、前面扉1bや筐体1aの各板部材に設けた放音部を介して音を外部に放音可能に設けられるものに限定されるものではなく、前面扉1bや筐体1aの各板部材に対し音を出力可能、つまり、本体内部に出力可能に設けられていてもよい。
次に、メダルセレクタ29の周辺の構成について図34〜図37に基づいて説明する。図34は、メダルセレクタの周辺の構成を示す斜視図である。図35は、(A)はメダルセレクタの周辺の構成を示す分解斜視図、(B)はH方向視図である。図36は、第1流路及び第2流路を示す概略図である。図37は、第2流路を示す説明図である。
図34〜図37に示すように、前面扉1b(第2扉部1e)の背面におけるメダル投入部4の直下には、メダルセレクタ29が取外し自在に設けられている。特に図36に示すように、メダル投入部4から投入されたメダルは、メダルセレクタ29の上部に設けられた流入部から流入し、第1流路R1を下方に流下した後に左側に方向変換して左側部に設けられる第1流出部から流出し、第1流路構成部材200(メダルシュート)によりホッパータンク34aに誘導される。一方、大きさや厚みなどが正規なメダルとは異なるメダルが投入された場合や、メダルを投入可能な期間以外(例えば、クレジットが50以上の場合、ゲーム中、精算中など)に投入されたメダルは、第1流路R1に設けられた図示しない流路切替手段により流路が切り替えられることにより第2流出部から下方に流出し、第2流路構成部材201により構成される第2流路R2を流下してメダル払出口9に誘導される。
尚、第1流出部に対応する位置には第1流路構成部材200が設けられ、第2流出部に対応する位置には第2流路構成部材201が設けられている。また、第2流路構成部材201は、第2流路R2及びホッパーユニット34から払い出されたメダルをメダル払出口9に誘導する第3流路R3を構成する。
詳しくは、メダルセレクタ29は、左右に突出する取付軸29aを左右両側に上下2つずつ有しており、前面扉1bの背面に固定された取付部材204の溝部204aに上部の取付軸29aを係止させ、上部の取付軸29aを中心としてメダルセレクタ29の下側を前方側に回動させることにより、下部の取付軸29bが取付部材204の下部に設けられる係止部材207により係止されることで、前面扉1bの背面に取付けられる。つまり、上部の取付軸29aを中心としてメダルセレクタ29の下側を手前側(後方側)に引き出すことで前面扉1bの背面(取付部材204)から取外し可能となっている。これによれば、メダルセレクタ29に不具合(例えば、メダル詰まり)が生じた場合に取外すことができるため、メンテナンスが簡便となっている。
第2流路構成部材201は、第2流路R2を構成する部分(図36参照)がメダルセレクタ29の下方に配置され、第3流路R3を構成する部分(図36参照)が第2流路R2を構成する部分よりも右側に配置され、第2流路R2と第3流路R3が下流側(下側)で合流するように延びている。
第2流路構成部材201における第2流路R2を構成する部分の上端の左右には、左右方向に突出する軸部201aが形成されており、該軸部201aには、透光性を有する合成樹脂により形成されたカバー部材205が回動可能に取付けられている。カバー部材205は、立設した状態においてメダルセレクタ29を被覆する被覆状態となり、背面側に傾倒した状態においてメダルセレクタ29を開放する非被覆状態となる。
メダルセレクタ29は、取付部材204に対し回動させることにより着脱できる構造であるので、メダルセレクタ29における第2流出部と第2流路R2を形成する第2流路構成部材201の上端開口201dとの間に隙間が生じる構造であるが故に、カバー部材205は、メダルセレクタ29と第2流路構成部材201の上端開口201dとの間に形成される隙間を塞ぎ、該隙間からメダルが流出することを防止している。
また、近年においては、メダルセレクタ29から第1流路構成部材200を転動により流下するメダル(第1流路R1を流下するメダル)を、何らかのメダルリフト機構を備える不正装置にて取込んだ後、上方にリフトして第2流路構成部材201の上部開口201eまで搬送してメダル払出口9から返却する、つまり、メダル投入部4に投入された後、第1流路R1を流下してホッパータンク34aに貯留されることで本来スロットマシン1の内部に取込まれるはずのメダルを使い回すという不正行為が行われることがある。
しかしながら、本実施例のカバー部材205は、第1流路R1へ誘導されたメダルを不正に第2流路R2へ進入させることができないように、メダルセレクタ29と第2流路構成部材201の上端開口201dとの間に形成される隙間を被覆するため、第1流路R1を流下するメダルを不正装置にて取込んだとしても上端開口201dに排出することができないため、メダルをホッパータンク34aに貯留させることなくメダル払出口9から返却させて使い回すといった不正行為を抑制することができる。
尚、カバー部材205の被覆状態にあっては、カバー部材205とメダルセレクタ29の間に例えば針金などの工具を進入不能に隙間が小さくなるように形成されているため、メダルセレクタ29に外部からアクセスすることを抑制できるようになっている。また、カバー部材205は、透光性を有する合成樹脂により構成されているため、店員等がメンテナンスする際に、カバー部材205を開放せずにメダルセレクタ29の状態を確認することができる。
また、カバー部材205には、メダルセレクタ29における第1流路R1の下方の第2流出部に対応する部分に、後方側に膨出する膨出部205aが形成されており、膨出部205aの背面は、下側に向けて漸次前方側に傾斜するテーパ部205bとなっている。第1流路R1を流下するメダルの流路が第2流路R2側に切り替えられた場合、図37の矢印に示されるように、メダルが後下方に向けて流出するため、上端開口201dがメダルセレクタ29よりも後方に広がるように設けられているとともに、該メダルがメダルセレクタ29とカバー部材205との間に詰まることがないように空間を形成するために膨出部205aが設けられている。
これによれば、膨出部205a以外の箇所の後方側への膨出量を小さくできるため、メダルセレクタ29の周辺の構造をコンパクトにできるとともに、テーパ部205bによりメダルセレクタ29から排出されたメダルを滞留させることなく第2流路R2に誘導できるようになっている。
特に図34の拡大部に示すように、カバー部材205の左右下端には、軸部201aが挿通される孔部205cを有するアーム部205dが設けられている。また、第2流路構成部材201における軸部201aの後方側上方には、頭部が球面形状の突起部201bが形成されており、第2流路構成部材201における軸部201aの前方側上方には、前後方向に延びる突条部201cが形成されている。
カバー部材205の被覆状態においては、突起部201bがアーム部205dの背面側の端縁に接触し、カバー部材205が後方側に回動することを規制するとともに、突条部201cがカバー部材205の前端側下縁に接触し、カバー部材205が前方側に回動することを規制するため、カバー部材205の姿勢が安定するようになっている。
また、突起部201bは、頭部が球面形状を成しているため、カバー部材205を後方側に回転させるように力を加えると、アーム部205dが突起部201bを乗り上げて回動するようになっている。つまり、カバー部材205は、ドライバー等の道具を用いることなく被覆状態から非被覆状態に変化させることが可能であるため、メダルセレクタ29のメンテナンス性が向上する。
図36及び図37に示すように、前面扉1bの第1扉部1dの下縁には、左右方向に延びる金属製の扉フレーム206が取付けられている。詳しくは、扉フレーム206は、第1扉部1dの下部前面に沿って延びる固定部206aと、固定部206aの下端から後方側に略水平に延びる第1水平部206bと、第1水平部206bの後端から下方側に略垂直に延びる垂直部206cと、垂直部206cの下端から前方側に略水平に延びる第2水平部206dと、から構成されている。
扉フレーム206は、第1扉部1dと第2扉部1eとにより筐体1aの前面を閉鎖した状態において、第2水平部206dにより被覆状態のカバー部材205の上端を前面側から押えるように機能するとともに、第2扉部1eは、第1扉部1dの下端を前面側から押えるように機能する。つまり、カバー部材205を開放する(非被覆状態に変化させる)には、第2扉部1eを開放する必要がある(カバー部材205が被覆状態から非被覆状態への変化を規制する)ため、第1扉部1dと第2扉部1eとにより筐体1aの前面を閉鎖した状態において、カバー部材205を非被覆状態に変化させてメダルセレクタ29に不正にアクセスすることを抑制できる。
また、前述のように、筐体1aの上部、つまり第1扉部1dの背面側には、遊技制御基板40が配設されており、その下方には、第1扉部1dの背面側に近接するようにリールユニット2が配設されている。つまり、遊技制御基板40にアクセスするためには、第2扉部1eを開放した後、第1扉部1dを開放する必要があり、手間が掛かるため、遊技制御基板40に対する不正行為を抑制できる。
以上説明したように、本発明の実施例としてのスロットマシン1にあっては、前面が開放された筐体1aと、筐体1aの前面における所定領域(例えば、上部領域)を開閉可能な第1扉部1dと、筐体1aの前面における前記所定領域以外の領域(例えば、下部領域)を開閉可能な第2扉部1eと、を備え、第2扉部1eは、遊技媒体を投入可能なメダル投入部4と、メダル投入部4から投入された遊技媒体を選別して取込経路(例えば、第1流路R1)または返却経路(例えば、第2流路R2)に誘導するためのメダルセレクタ29と、メダルセレクタ29を被覆する被覆状態と被覆しない非被覆状態とに変化可能なカバー部材205と、を有し、第1扉部1dは、該第1扉部1dと前記第2扉部1eとにより筐体1aの前面を閉鎖した状態においてカバー部材205の被覆状態から非被覆状態への変化を規制する扉フレーム206を備える。これによれば、第1扉部1dと第2扉部1eとにより筐体1aの前面を閉鎖した状態において、カバー部材205を非被覆状態に変化させてメダルセレクタ29に不正にアクセスすることを抑制できる。
具体的には、扉フレーム206は、第1扉部1dと第2扉部1eとにより筐体1aの前面を閉鎖した状態において、被覆状態のカバー部材205の上端を背面側から押えるように機能し、第2扉部1eを開放しなければカバー部材205を被覆状態から非被覆状態への変化させることができないため、第1扉部1dと第2扉部1eとにより筐体1aの前面を閉鎖した状態において、カバー部材205を非被覆状態に変化させてメダルセレクタ29に不正にアクセスすることを抑制できる。
また、カバー部材205は、前記被覆状態において、第1流路R1へ誘導されたメダルを第2流路R2へ進入させることができないようにメダルセレクタ29を被覆するため、第1流路R1へ誘導されたメダルを第2流路R2に進入させて返却させるといった不正行為を抑制することができる。
具体的には、本実施例のカバー部材205は、第1流路R1へ誘導されたメダルを不正に第2流路R2へ進入させることができないように、メダルセレクタ29と第2流路構成部材201の上端開口201dとの間に形成される隙間を被覆するため、第1流路R1を流下するメダルを不正装置にて取込んだとしても上端開口201dに排出することができないため、メダルをホッパータンク34aに貯留させることなくメダル払出口9から返却させて使い回すといった不正行為を抑制することができる。
また、カバー部材205とメダルセレクタ29の間に例えば針金などの工具を進入不能に隙間が小さくなるように形成されているため、メダルセレクタ29に外部からアクセスすることを抑制できるようになっている。
また、カバー部材205の少なくとも一部は透過性部材にて形成されているため、カバー部材205を非被覆状態にしなくてもメダルセレクタ29を確認することが可能となる。具体的には、メダルセレクタ29では、メダル詰まり等のエラーが発生する場合があり、上記エラーの場合には、店員等がメダルセレクタ29の状態を確認する作業が生じるが、カバー部材205は、透光性を有する合成樹脂により構成されているため、店員等がメンテナンスする際に、カバー部材205を開放せずにメダルセレクタ29の状態を確認することができる。
また、カバー部材205は、道具を用いることなく被覆状態から非被覆状態に変化させることが可能であるため、メダルセレクタ29のメンテナンス性が向上する。具体的には、カバー部材205の被覆状態においては、突起部201bがカバー部材205におけるアーム部205dの背面側の端縁に接触し、カバー部材205が前方側に回動しており、突起部201bは、頭部が球面形状を成しているため、カバー部材205を後方側に回転させるように力を加えると、アーム部205dが突起部201bを乗り上げて回動するようになっている。つまり、カバー部材205は、ドライバー等の道具を用いることなく被覆状態から非被覆状態に変化させることが可能であるため、メダルセレクタ29のメンテナンス性が向上する。
また、第1扉部1dは、遊技の制御を行う遊技制御基板40が設けられ、第2扉部1eを開放しなければ開放することができないため、第1扉部1dを開放して遊技制御基板40にアクセスするためには第2扉部1eを開放する手間がかかるため、遊技制御基板40に対する不正行為を抑制できる。具体的には、筐体1aの上部、つまり第1扉部1dの背面側(第1扉部1dに対応する位置)に遊技制御基板40が配設されており、その下方には、第1扉部1dの背面側に近接するようにリールユニット2が配設されている。つまり、遊技制御基板40にアクセスするためには、第2扉部1eを開放した後、第1扉部1dを開放する必要があり、手間が掛かるため、遊技制御基板40に対する不正行為を抑制できる。
また、本実施例では、カバー部材205は、メダルセレクタ29の背面全域を被覆するように構成されていることで、メダルセレクタ29に対する不正行為を好適に抑制することができる。
また、第2扉部1eを開放するだけで、カバー部材205の開放規制が解除されて開放可能となるとともに、第2扉部1eを閉鎖することでカバー部材205の開放を規制することができるため、第2扉部1eの開閉操作とは別に規制及び解除操作を行う必要がないので、操作が容易になる。
また、カバー部材205は、第2流路構成部材201の上端に下部が軸支され、上部を背面側に回動させることで非被覆状態に変化するようになっているので、メダルセレクタ29のメダル詰まりを解消する際において、非被覆状態に変化させたカバー部材205がメダルの受け皿になるので、メダルの散乱を防止できる。
尚、本実施例では、第1扉部1dが筐体1aの前面開口の上部領域を開閉し、第2扉部1eが筐体1aの前面開口の下部領域を開閉する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1開閉扉及び第2開閉扉は筐体1aの前面開口を開閉でき、且つ第1開閉扉に取付けられた規制部材(例えば、扉フレーム206)によりカバー部材205の被覆状態が保持されるものであれば自由に設定してもよく、例えば、第1開閉扉が筐体1aの前面開口の下部領域を開閉し、第2扉部1eが筐体1aの前面開口の上部領域を開閉するようなものであってもよいし、第1開閉扉が筐体1aの前面開口の左部領域を開閉し、第2開閉扉が筐体1aの前面開口の右部領域を開閉するようなものであってもよい。
また、本実施例では、カバー部材205が左右方向の軸部201aを中心として回動する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、上下方向の軸を中心として回動するようになっていてもよいし、軸部を介すことなく回動可能に設けられていてもよい。
また、本実施例では、カバー部材205は被覆状態においてメダルセレクタ29の背面全域を被覆する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、メダルセレクタ29の少なくとも一部を被覆するものであってもよい。
また、本実施例では、カバー部材205は第2流路構成部材201に対し回動可能に設けられている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2流路構成部材201以外の箇所(例えば、メダルセレクタ29の取付部材204や前面扉1bの前板1gなど)に設けられていてもよい。
また、本実施例では、カバー部材205は被覆状態において第1扉部1dの扉フレーム206により開放が規制される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1扉部1dにおける扉フレーム206以外の部材や部位により開放が規制されるようにしてもよい。
また、本実施例では、第1開閉扉としての第1扉部1dは筐体1aの前面開口の上部領域を開閉可能であり、第2開閉扉としての第2扉部1eは前面開口の下部領域を開閉可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1開閉扉と第2開閉扉とは、前面開口の所定領域(例えば、左領域など)と所定領域以外の領域(例えば、右領域など)とをそれぞれ開閉可能であってもよい。
また、本実施例では、突起部201bによりカバー部材205の被覆状態を保持できるようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、カバー部の被覆状態を保持する部材を特段設けず、第1開閉扉及び第2開閉扉を閉鎖したときにカバー部が被覆状態となるようになっていてもよい。
また、カバー部材205の被覆状態を保持する突起部201bの頭部を球面形状とすることで、ドライバー等の道具を用いることなくカバー部材205を被覆状態から非被覆状態に変化させることが可能となっていたが、本発明は、これに限定されるものではなく、道具を用いることなくカバー部材205を被覆状態から非被覆状態に変化させることができればよく、例えば、カバー部材205に係止する係止状態と係止しない非係止状態とに変化可能な係止部を第2扉部1eに設け、該係止部の係止状態と非係止状態とを切り換えることによりカバー部材205の被覆状態を保持したり、カバー部材205の被覆状態の保持を解除するようにしてもよい。
次に、本実施例のメイン制御部41がコマンドを送信するための処理について、図40〜図45に基づいて説明する。
本実施例のメイン制御部41は、ゲームの開始時においては、当該ゲームの開始に伴い各種の制御状態(例えば、遊技状態やナビ報知が実行される状態か否か等)を更新し、更新された制御状態に基づいてゲームに関する制御(例えば、内部抽選やナビ報知、遊技者にとって有利な有利状態に関する抽選等)を行い、当該ゲームの終了時においては、当該ゲームの結果(例えば、各リールに停止した図柄の組合せ、有利状態に関する抽選の結果)に応じて各種の制御状態を維持または更新する。また、ゲームの開始時及び終了時に、その時点における各種の制御状態を特定可能な制御状態コマンドをサブ制御部91に対して送信する。尚、制御状態には、スロットマシン1の機種毎の遊技性や設計思想等に応じて固有に設定される複数種類の状態が含まれており、制御状態コマンドの個数は、当該制御状態の種類数に応じて設定されるようになっている。
図40に示すように、制御状態を特定可能な制御状態コマンドは、制御状態のうち、一単位のゲームの開始時とゲームの終了時とで内容が変化し得る制御状態を特定可能な制御状態コマンド1と、当該ゲームに固有であり、ゲームの開始時とゲームの終了時とで内容が変化することのない制御状態を特定可能な制御状態コマンド2と、を含む。
制御状態コマンド1には、メイン制御部41での遊技状態に関連する制御状態を特定可能な複数の遊技状態関連コマンドと、AT中すなわち遊技者にとって有利な有利状態としてATの制御が行われていることに関連する制御状態を特定可能な複数のAT関連コマンドAと、非AT中すなわちATの制御が行われていないことに関連する制御状態を特定可能な複数のAT関連コマンドBと、が含まれ、制御状態コマンド2には、当該ゲームに固有な制御状態を特定可能な複数のゲーム内固有情報コマンドが、含まれる。
また、遊技状態関連コマンドには、例えば、メイン制御部41での遊技状態を特定可能なコマンド、遊技状態が所定数のゲームが行われることに伴い移行されるものである場合に、当該ゲームで制御されている遊技状態が終了するまでの残りのゲーム数を特定可能なコマンド、遊技状態が所定の枚数のメダルが払出されることで移行されるものである場合に、当該ゲームで制御されている遊技状態が終了するまでの残りのメダルの枚数を特定可能なコマンド等が、含まれる。
また、AT関連コマンドAには、例えば、遊技者にとって有利な有利状態としてATに制御される権利の数を特定可能なコマンド、当該ゲームで制御されているATの制御が継続される残りのゲーム数を特定可能なコマンド等が、含まれる。
AT関連コマンドBには、例えば、前のATの制御が終了された後からATの制御が行われていない通常状態で行われる通常ゲームの累積数を特定可能なコマンド、通常状態で行われた通常ゲーム数が所定ゲーム数に達することで遊技者にとって有利な有利状態に制御される場合に、有利状態に制御されるまでの残りのゲーム数を特定可能なコマンド、ATに制御される権利が付与され当該ATの制御が開始されるまでの残りゲーム数の等が、含まれる。
ゲーム内固有情報コマンド群には、例えば、遊技者にとって有利な有利状態としてATに制御される権利を付与するか否かを決定するAT抽選の当選状況を特定可能なコマンド、ATに制御されるゲーム数の上乗せ状況を特定可能なコマンド、ゲームの開始時に内部抽選の結果に応じて決定される遊技者にとって有利な停止順を特定可能なコマンド、ゲームの開始時に内部抽選結果に応じて決定される演出(例えば、遊技の進行を所定期間にわたり遅延させるフリーズ状態、当該フリーズ状態においてリールを用いて行うリール演出、内部抽選結果を示唆する演出等)の種類を特定可能なコマンド、含まれる。
本実施例のメイン制御部41がサブ制御部91に対して送信する一のコマンドは、2バイト(1バイトの通信データ2つで1組)で構成され、1バイト目(MODE)はコマンドの分類を表し、2バイト目(EXT)はコマンドの内容を表すようになっている。制御状態コマンドに含まれる各コマンドについても、他のコマンドと同様に2バイトで構成されており、特に、図40に示すように、制御状態コマンドに含まれる一連の各コマンドのMODEは、送信される順番に対応する連続した数値(本実施例では、B0〜CF)に設定されている。
尚、本実施例で示すコマンドの形態(1バイトの通信データ2つで1組のコマンドをなす形態)は一例であって、他のデータ形態、例えば、一の通信データを2バイト以上とする形態、1つまたは3つ以上の通信データで一のコマンドを構成する形態、これらの形態の組合せた形態等、を用いても良い。また、本実施例では、制御状態コマンドに含まれる各コマンドのMODEは、初期値(B0)から順次加算処理(1を加算する処理)により得られる連続した数値であるが、加算処理以外の他の演算処理(四則演算等)により得られる数値であっても良い。
また、制御状態コマンドに含まれる各コマンドにおいてEXTとしてサブ制御部91に送信されることとなる具体的なコマンドの内容を示すデータは、上述のメイン処理及びタイマ割込処理(メイン)において実行される各種処理により、各データに対応するRAM41cの所定のデータアドレスの領域に設定されるようになっており、各データのデータアドレスは、MODEの値と同様に、送信される順番に対応する連続する数値となるように設定されており、初期値(制御状態コマンドのうち最初に送信されるコマンドのデータアドレス)から順次加算処理(1を加算する処理)を行うことにより得られるようになっている。尚、制御状態コマンドに含まれる各コマンドのデータアドレスにより特定されるRAM41cの所定領域には、コマンドの内容を示すデータが記憶され、当該データアドレスの領域を参照することで該当するデータを直接的に読み出すことができる構成であっても良いし、当該データアドレスを参照することで間接的に該当するデータを読み出せる構成、例えば、当該データアドレスにRAM41cの所定領域を示す第2のアドレスが記憶されており、第2のアドレスに従って所定領域をさらに参照することで、該当するデータを読み出すことができるような構成や、当該データアドレスを参照することで、該当するデータを演算することが可能となっており、演算の結果として当該データが得られる構成等であっても良い。当該データアドレスを参照することで間接的に該当するデータを読み出せる構成とすることで、例えば、連続する数値のデータアドレスの領域に当該データが記憶されない構成であっても、初期値に対する所定の演算処理(例えば、加算処理)により該当するデータを読み出すことが可能である。
次に、本実施例のメイン制御部41が実行するコマンドを送信するための処理であって、ゲームの開始時に実行するゲーム開始時送信コマンド設定処理について、図41〜図43に基づいて説明する。
メイン制御部41は、ゲームのスタート操作が行われたときに、当選番号設定処理を実行し、内部抽選の結果に応じて内部抽選の当選状況を特定可能な当選番号をRAM41cの所定領域に設定した後、停止順データ設定処理を実行して、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利な停止順を特定できる停止順データまたは遊技者にとって有利な停止順を特定できないが標準押し順(例えば、左第1停止)を特定できる停止順データをRAM91cの所定領域に設定する。その後、ゲーム開始時送信コマンド設定処理を実行して、当該ゲームの開始時における制御状態を特定可能な制御状態コマンド、内部抽選結果を特定可能な当選番号を含む内部当選コマンドを、サブ制御部91に対して送信するためにコマンドキューに設定する。
図41に示すように、ゲーム開始時送信コマンド設定処理では、まず、ゲームが開始されることに伴って複数の制御状態のうち該当する制御状態を更新する制御状態更新処理を実行する(Sa1)。制御状態更新処理では、制御状態のうち、例えば、遊技状態、所定の遊技状態が終了するまでの残りのゲーム数、所定の遊技状態が終了するまでの残りのメダルの枚数、通常ゲームの累積数等、前回のゲームの結果により定められている制御状態については、更新することなく維持する。また、例えば、ATに制御される権利の数、ATに制御される残りゲーム数等、ゲームの開始に伴って所定の条件が成立することで変化し得る制御状態については、所定の条件の成立状況に応じて更新する。また、例えば、AT抽選の当選状況、遊技者にとって有利な停止順、演出の種類等、ゲームの開始に伴って新たに決定される制御状態については、新たに設定する。
Sa1のステップにおいて制御状態更新処理を実行した後には、各制御状態を特定可能な制御状態コマンドに含まれる上述のコマンド群を一括してコマンドキューに設定する制御状態コマンド一括設定処理を実行する(Sa2)。
図42に示すように、制御状態コマンド一括設定処理では、RAM41cの所定領域に設定されているMODEの値を、初期値(本実施例では、制御状態コマンドに含まれる遊技状態関連コマンドのMODEであるB0)に設定する(Sb1)。また、RAM41cの所定領域に設定されているデータアドレスの値を、初期値(遊技状態関連コマンドのデータが記憶されている領域のアドレスの値)に設定する(Sb2)。また、RAM41cの所定領域に設定されている処理回数の値を、制御状態コマンド群に含まれるコマンドの個数に設定する(Sb3)。
その後、タイマ割込を禁止に設定して(Sb4)、タイマ割込を禁止した状態で、RAM41cの所定領域のMODEをコマンドキューに設定する(Sb5)。そして、データアドレスの値に対応するアドレスのRAM41cの領域に記憶されているデータを取得し、RAM41cの所定領域にEXTとして設定して(Sb6)、当該EXTをコマンドキューに設定する(Sb7)。
その後、タイマ割込待ち処理を実行する(Sb8)。タイマ割込待ち処理では、タイマ割込を許可に設定して、タイマ割込処理(メイン)が行われるまで待機し、タイマ割込処理(メイン)が終了した後に呼び出し元の処理に戻る。タイマ割込処理(メイン)では、後述するように、スロットマシン1への電力供給が停止することが検出されない場合に、当該タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に通常時コマンド送信処理を実行して、コマンドキューに設定されているデータ(コマンドを構成するMODE及びEXT)を1バイトずつサブ制御部91に対して送信するようになっている。よって、Sb8のステップにおいてタイマ割込待ち処理が実行されることで、通常コマンド送信処理が実行されることとなり、Sb5及びSb7のステップにおいてコマンドキューに設定されたMODE及びEXTのうち先に設定されたMODEが、コマンドの1バイト目としてサブ制御部91に対して送信されることとなる。
Sb8のステップにおけるタイマ割込待ち処理が終了した後には、再びタイマ割込待ち処理を実行する(Sb9)。これにより、タイマ割込処理(メイン)において実行される通常コマンド送信処理により、Sb5及びSb7のステップにおいてコマンドキューに設定されたMODE及びEXTのうち後に設定されたEXTが、コマンドの2バイト目としてサブ制御部91に対して送信されることとなり、Sb8及びSb9のステップによる2回のタイマ割込待ち処理が実行されることにより、一のコマンドを構成する1組のMODE及びEXTがサブ制御部91に対して送信されることとなる。
その後、RAM41cの所定領域のMODEの値に1加算し(Sb10)、RAM41cの所定領域のデータアドレスの値に1加算する(Sb11)。そして、RAM41cの所定領域の処理回数の値を1減算し(Sb12)、減算後の残りの処理回数の値が0であるか否かを判定して(Sb13)、制御状態コマンド群の全てのコマンドについてMODE及びEXTをコマンドキューに設定したか否かを判定する。
Sb13のステップにおいて残りの処理回数の値が0でないと判定した場合、すなわち制御状態コマンド群の全てのコマンドについてMODE及びEXTをコマンドキューに設定しておらず、未だコマンドキューに設定していないコマンドが残っている場合には、Sb4のステップに戻り、再びタイマ割込を禁止に設定した状態で、Sb5〜Sb7のステップの処理を行った後にSb10及びSb11のステップの処理を実行することで、未だコマンドキューに設定していないコマンドのMODE及びEXTをコマンドキューに順次設定する処理を繰り返し行う。
そして、Sb13のステップにおいて残りの処理回数が0であると判定した場合、すなわち制御状態コマンド群に含まれる全てのコマンドについてMODE及びEXTをコマンドキューに設定した場合には、制御状態コマンド一括設定処理を終了させて、呼び出し元のゲーム開始時コマンド送信処理に戻る。
ゲーム開始時コマンド送信処理では、Sa2のステップにおける制御状態コマンド一括設定処理が終了した後に、内部当選コマンド設定処理(第1の内部当選コマンド)を実行して(Sa3)、内部抽選結果に基づいて特別役の当選状況を特定可能な第1の内部当選コマンドのMODE及びEXTをRAM41cの所定領域に設定する。その後、RAM41cの所定領域のMODE及びEXTをコマンドキューに設定するコマンド設定処理を実行する(Sa4)。
コマンド設定処理では、図43に示すように、タイマ割込を禁止に設定し(Sc1)、RAM41cの所定領域のMODEをコマンドキューに設定した後、RAM41cの所定領域のEXTをコマンドキューに設定する(Sc2)。そして、Sc1のステップにおいて設定したタイマ割込の禁止を解除し(Sc3)、当該コマンド設定処理を終了して、ゲーム開始時送信コマンド設定処理に戻る。コマンド設定処理では、制御状態コマンド一括設定処理のように、一のコマンドを構成するMODE及びEXTをコマンドキューに設定した後にタイマ割込待ち処理を実行しないが、Sc3のステップにおいてタイマ割込の禁止が解除されることで、その後割込の行われる所定のタイミングでタイマ割込処理(メイン)が行われるので、コマンド設定処理のSc2のステップにおいてコマンドキューに設定されたMODE及びEXTは、Sc3のステップ後の所定のタイミングのタイマ割込処理(メイン)において通常コマンド送信処理が実行されることで、サブ制御部91に対して送信されることとなる。
Sa4のステップにおけるコマンド設定処理が終了した後、ゲーム開始時送信コマンド設定処理では、内部当選コマンド設定処理(第2の内部当選コマンド)を実行して(Sa5)、内部抽選結果に基づいて一般役の当選状況を特定可能な第2の内部当選コマンドのMODE及びEXTをRAM41cの所定領域に設定する。その後、コマンド設定処理を実行し(Sa6)、RAM41cの所定領域のMODE及びEXTをコマンドキューに設定する。Sa6のステップのコマンド設定処理においてコマンドキューに設定された第2の内部当選コマンドのMODE及びEXTは、Sa4におけるコマンド設定処理の場合と同様に、その後割込の行われる所定のタイミングでタイマ割込処理(メイン)において通常コマンド送信処理が実行されることで、サブ制御部91に対して送信されることとなる。
Sa6のステップにおいて内部当選コマンド設定処理(第2の内部当選コマンド)に対応するコマンド設定処理を実行した後、当該コマンド設定処理を終了させ、ゲーム開始時送信コマンド設定処理を終了させる。その後は、スタート操作が行われたことに伴いリール2L、2C、2Rの回転制御を行うなどゲームの進行状況に応じた制御を行う。
このように、本実施例のメイン制御部41は、第1のタイミングとしてスタートスイッチ7の操作がされたとき、すなわちゲームの開始時に、制御状態コマンド一括設定処理を実行して、制御状態コマンドに含まれる複数のコマンドをサブ制御部91に対して送信させるようになっている。
また、メイン制御部41は、制御状態コマンド一括設定処理において、制御状態コマンドに含まれる複数のコマンドを送信させる際には、割込み禁止した状態で一のコマンドを構成する1組のMODE及びEXTをコマンドキューに設定した後、タイマ割込処理(メイン)が1回行われるまで待機するタイマ割込待ち処理を2回連続して実行することで、2回続けてタイマ割込み処理(メイン)を実行させて、コマンドキューのMODE及びEXTをサブ制御部91に対して送信させることで、一のコマンドを構成する1組の単位データ(各1バイトのMODE及びEXT)を2つ続けて送信させるようになっている。
また、メイン制御部41は、制御状態コマンド一括設定処理において、制御状態コマンドに含まれる複数のコマンドを送信させる際には、一のコマンドについてMODE及びEXTをコマンドキューに設定した後にタイマ割込待ち処理を2回実行して、1組の単位データを送信させた後に、他の一のコマンドについて同様にMODE及びEXTをコマンドキューに設定してタイマ割込待ち処理を2回の実行する処理を行うことで、制御状態コマンドに含まれる複数のコマンドを送信させる際には、一のコマンドずつコマンドキューに設定して送信させるようになっている。
また、制御状態コマンドに含まれる複数のコマンドの各MODEは、初期値から1ずつ加算処理することで得られる連続する数値に設定されている。そして、メイン制御部41は、制御状態コマンド一括設定処理において、制御状態コマンドに含まれる複数のコマンドを送信させる際に、初期値から1ずつ加算処理した値を制御状態コマンドの各コマンドのMODEとしてコマンドキューに設定することで、制御状態コマンドに含まれる複数のコマンドは、MODEとして設定されている連続する数値の順番で、サブ制御部91に対して送信されるようになっている。
また、メイン制御部41は、ゲーム開始時送信コマンド設定処理において、制御状態コマンド一括設定処理を実行してスロットマシン1の機種毎に固有に設定され得る制御状態コマンドを全て送信させた後に、内部当選コマンド設定処理を実行してスロットマシン1の機種に関わらず共通して送信される内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信させ、その後、ゲームの進行状況に応じた制御を行うようになっているので、共通の内部当選コマンドが送信されたことに基づいてゲームの進行状況に応じた制御が開始されることを特定させることができるようになっている。これに対して、サブ制御部91は、共通の内部当選コマンドを受信することで、メイン制御部41側において、その後、ゲームの進行状況に応じた制御が行われることを特定し、その制御に応じた演出等の制御を開始させることができるようになっている。
次に、本実施例のメイン制御部41がゲームの終了時に所定のコマンドを送信するための処理について、図44に基づいて説明する。
メイン制御部41は、ゲームのスタート操作に伴い回転制御が開始されたリール2L、2C、2Rについて第3停止の操作が終了されたとき(第3停止の操作のストップスイッチが離されたとき)、すなわちゲームの終了時に、上述の制御状態コマンド及びゲームの結果に関連するコマンドをサブ制御部91に対して送信するためにコマンドキューに設定するゲーム終了時送信コマンド設定処理を実行する。
図44に示すように、ゲーム終了時送信コマンド設定処理では、まず、ドア開放検出スイッチ25の出力状態に基づいてドアコマンドのMODE及びEXTをRAM41cの所定領域に設定した後(Sd1)、コマンド設定処理を実行して(Sd2)、RAM41cの所定領域のMODE及びEXTをコマンドキューに設定する。
その後、制御状態更新処理を実行して(Sd3)、ゲームが終了すること及びゲームの結果に基づいて該当する制御状態を更新する。制御状態更新処理では、制御状態のうち、リール2L、2C、2Rに停止した図柄の組合せ、すなわちゲームの結果に応じて変化し得る制御状態、例えば、遊技状態、所定の遊技状態が終了するまでの残りのゲーム数、ATに制御される権利の数等については、当該ゲームの結果に応じて更新または維持し、所定の状態においてゲームが行われたことに伴い変化する制御状態、例えば、所定の遊技状態が終了するまでの残りのメダルの枚数、通常ゲームの累積数、ATに制御される残りゲーム数等については、該当する状態でゲームが行われたことに応じて1減算させるように更新または減算させることなく維持し、ゲームの結果や所定の状態でゲームが行われたことに関わらず変化することがない制御状態、例えば、AT抽選の当選状況、遊技者にとって有利な停止順、演出の種類等については変更することなく維持するように制御する。
Sd3のステップにおいて制御状態更新処理を行った後は、上述の制御状態コマンド一括設定処理を行い(Sd4)、Sd3のステップにおいて更新または維持された制御状態を特定可能な制御状態コマンド1及び制御状態コマンド2をサブ制御部91に対して送信させる。
その後、入賞ラインLNに揃った図柄の組合せに基づいてRAM41cの所定領域に設定された入賞番号を取得し、当該入賞番号に基づいて入賞番号コマンドのMODE及びEXTをRAM41cの所定領域に設定した後(Sd5)、コマンド設定処理を実行して(Sd6)、RAM41cの所定領域のMODE及びEXTをコマンドキューに設定する。その後、Sd5及びSd6のステップにおいて入賞番号コマンドをコマンドキューに設定するのと同様にして、ゲームの終了に伴い送信する所定のコマンド(例えば、払出枚数コマンド、遊技終了コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、エラーコマンド等)について、MODE及びEXTをRAM41cの所定領域に設定した後に、コマンド設定処理を実行して、MODE及びEXTをコマンドキューに設定する。そして、ゲームの終了に伴い送信する全てのコマンドについてMODE及びEXTをコマンドキューに設定した後には、当該ゲーム終了時送信コマンド設定処理を終了させる。その後は、ゲームの結果に応じてメダルの払出や再遊技の設定を行うなどゲームの進行状況に応じた制御を行う。
このように、本実施例のメイン制御部41は、第2のタイミングとしてリール2L、2C、2Rについて第3停止の操作が終了されたとき、すなわちゲームの終了時に、制御状態コマンド一括設定処理を実行して、制御状態コマンドに含まれる複数のコマンドをサブ制御部91に対して送信させるようになっている。
また、本実施例のメイン制御部41は、ゲーム終了時送信コマンド設定処理において、制御状態更新処理を実行して、ゲームの終了に伴い変化し得る制御状態を更新または維持する制御を行った後に、制御状態コマンド一括設定処理を実行することで、制御状態コマンド一括設定処理では制御状態更新処理により更新または維持された制御状態を特定可能な制御状態コマンドを送信させるようになっている。
また、メイン制御部41は、ゲーム終了時送信コマンド設定処理において、制御状態コマンド一括設定処理を実行してスロットマシン1の機種毎に固有に設定され得る制御状態コマンドを全て送信させた後に、入賞番号コマンド等のスロットマシン1の機種に関わらず共通して送信されるコマンドをサブ制御部91に対して送信させ、その後、ゲームの進行状況に応じた制御を行うようになっているので、入賞番号コマンド等の共通のコマンドが送信されたことに基づいてゲームの進行状況に応じた制御が開始されることを特定させることができるようになっている。これに対して、サブ制御部91は、共通のコマンドを受信することで、メイン制御部41側において、その後、ゲームの進行状況に応じた制御が行われることを特定し、その制御に応じた演出等の制御を開始させることができるようになっている。
次に、本実施例のメイン制御部41が実行するタイマ割込処理(メイン)について、図45に基づいて説明する。
図45に示すように、タイマ割込処理(メイン)では、まず、使用中のレジスタをスタック領域に退避する(Se1)。次いで、停電判定処理を行う(Se2)。停電判定処理では、電断検出回路48から電圧低下信号が入力されているか否かを判定し、電圧低下信号が入力されていれば、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていたか否かを判定し、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていた場合には、スロットマシン1への電力供給が停止されて停電が発生していると判定し、その旨を示す電断フラグをRAM41cの所定領域に設定する。
Se2のステップにおける停電判定処理の後、RAM41cの所定領域に電断フラグが設定されているか否かを判定し(Se3)、電断フラグが設定されていなければ、メイン処理により制御されるゲームの進行段階に応じて各種制御を行うための処理(例えば、カウンタの更新に関する処理、スイッチ類の入力判定に関する処理、リールモータの位相信号の更新に関する処理、コマンドの送信に関する処理等)を順次実行する。
タイマ割込処理(メイン)では、当該タイマ割込処理(メイン)において行う複数の処理の一つとして、コマンドキューに設定された各種コマンドをサブ制御部91に送信する通常時コマンド送信処理を実行する(Se4)。通常時コマンド送信処理では、コマンドキューに設定されているコマンドを構成する1バイトのMODEまたは1バイトのEXTであって、未送信のMODEまたはEXTのうち最初に設定されたものをコマンドキューの送信ポインタ値に基づいて特定して、特定したMODEまたはEXTを出力ポートから出力させた後、MODEまたはEXTを出力した旨をサブ制御部91に通知するためのストローブ信号を所定時間(本実施例では、10μs)出力させる。そして、送信ポインタ値を次の未送信のMODEまたはEXTを示す値に更新して、当該通常時コマンド送信処理を終了させる。これにより、タイマ割込処理(メイン)が行われる毎に、コマンドキューに設定されているMODEおよびEXTが1バイトずつサブ制御部91に対して送信されて、コマンドキューに残された未送信のMODEおよびEXTは、次回以降のタイマ割込処理(メイン)において送信されることとなる。
そして、タイマ割込処理(メイン)では、当該タイマ割込処理(メイン)において行う複数の処理が全て終了した後には、Se1のステップにおいてスタック領域に退避したレジスタを復帰させて、当該処理を終了させ、タイマ割込処理(メイン)が実行される前のメイン処理における処理に戻る。
また、Se3のステップにおいて、RAM41cの所定領域に電断フラグが設定されているか否かを判定し、電断フラグが設定されていると判定した場合には、電断処理前にコマンドキューに設定されている未送信の全てのMODE及びEXTをサブ制御部91に対して送信する電断時コマンド送信処理を実行する(Se6)。
電断時コマンド送信処理では、コマンドキューの送信ポインタ値に基づいて、未送信のMODEまたはEXTのうち最初に設定されたものを特定し、特定したMODEまたはEXTを出力ポートから出力させた後、ストローブ信号を出力させ、送信ポインタ値を次の未送信のMODEまたはEXTを示す値に更新する処理を繰り返し行って、停電判定処理において電断が検出された時点においてコマンドキューに設定されている未送信の全てのMODE及びEXTを1バイトずつ順次、サブ制御部91に対して送信させる。
そして、Se6のステップにおける電断時コマンド送信処理により、コマンドキューに設定されている未送信の全てのMODE及びEXTを送信させた後には、電断処理(メイン)を実行して、スロットマシン1への電力供給が再開されたときに電断前の制御状態に復帰可能とするための処理を行って、その後のゲームに関する制御等のメイン制御部41での処理を不能化する。
このように、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)において、電断が検出されない場合には、通常時コマンド送信処理を実行する一方で、電断が検出される場合には、電断時コマンド送信処理を実行して、コマンドキューに設定されているコマンドを構成するMODE及びEXTをサブ制御部91に対して送信するようになっている。
また、通常時コマンド送信処理では、コマンドキューに最初に設定された一のMODEまたはEXTのみがサブ制御部91に対して送信され、未送信のMODE及びEXTは、次回以降のタイマ割込処理(メイン)において送信されるのに対して、電断時コマンド送信処理では、コマンドキューに格納された未送信の全てのMODE及びEXTがサブ制御部91に対して送信され、未送信のMODE及びEXTが残ることがないようになっている。
本実施例では、メイン制御部41は、ゲームの制御を行うことが可能であり、ゲームの制御状態を示す制御状態コマンドを含む複数のコマンドを送信することが可能であり、これに対して、サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドの受信に応じてメイン制御部41側での制御状態を特定して、演出の制御を行うことが可能である。
このような構成では、サブ制御部91に対してメイン制御部41側の制御状態を詳細に把握させるために、メイン制御部41側において制御状態が変化する毎に変化した制御状態を示す制御状態をその都度送信するような構成とすると、メイン制御部41がコマンドの送信に係るプログラム容量が増大してしまうという問題がある。
これに対して、本実施例のメイン制御部41は、1単位のゲームにおける第1のタイミングとしてスタートスイッチ7の操作がされたとき、すなわちゲームの開始時と、第2のタイミングとしてリール2L、2C、2Rについて第3停止の操作が終了されたとき、すなわちゲームの終了時とに、メイン制御部41側でのゲームの制御状態を特定可能な複数種類のコマンドを含む制御状態コマンドをサブ制御部91に対して送信可能であり、制御状態コマンドには、第1のタイミングと第2のタイミングで変化しない制御状態、すなわち1単位のゲームのうち複数のタイミングにおいて変化することがない制御状態を特定可能な第1の制御状態コマンドとしての制御状態コマンド2と、第1のタイミングと第2のタイミングで変化し得る制御状態、すなわち1単位のゲームのうち複数のタイミングにおいて変化することがある制御状態を特定可能な第2の制御状態コマンドとしての制御状態コマンド1と、を含んでおり、メイン制御部41は、第1のタイミングにおいても第2のタイミングにおいても共通の制御状態コマンド一括設定処理を実行することで、制御状態コマンドに含まれる全てのコマンドを送信させるので、制御状態コマンドに基づいてサブ制御部91側でメイン制御部41側での制御状態を詳細に把握させつつ、メイン制御部41が制御状態コマンドを送信する際の処理を行うためのプログラム容量を削減することができる。
尚、本実施例では、第1の制御手段として遊技の制御を行うメイン制御部41が、第2の制御手段として演出の制御を行うサブ制御部91に対してコマンドを送信可能な構成であるが、第1の制御手段は、第2の制御手段に対してコマンド等の制御情報を送信する制御手段であり、第2の制御手段は、第1の制御手段から送信された制御情報に基づいて何らかの制御を行う制御手段であれば良く、第1の制御手段として遊技の制御以外の制御、例えば、演出の制御を行う制御手段を適用し、第2の制御手段として、例えば、第1の制御手段が演出の制御を行う制御手段である場合に、第1の制御手段から送信された制御情報に基づいて演出装置の制御を行う制御手段を適用しても良い。
また、本実施例では、メイン制御部41は、第1のタイミングとしてゲームの開始時と、第2のタイミングとしてゲームの終了時とに、共通の制御状態コマンド一括設定処理を実行することで、1単位ゲームにおける複数のタイミングで制御状態コマンドを送信させる構成であるが、メイン制御部41は、少なくとも1単位ゲームにおいて制御状態が変化する前後のタイミングを含む複数のタイミングで制御状態コマンドを送信させる構成であれば良く、ゲームの開始時以外や終了時以外の複数のタイミングを含む構成であっても良いし、ゲームの開始時及び終了時とその他のタイミングを含む構成、3つ以上の複数のタイミングを含む構成であっても良い。このような構成とすることで、サブ制御部91に対して制御状態が変化したことをより詳細に把握させられる。
また、本実施例では、制御状態の一種類である遊技者にとって有利な有利状態としてATの制御を適用しているが、遊技者にとって有利な有利状態として他の制御、例えば、ATに制御される権利を付与するか否かを決定する抽選に当選する確率が他の状態よりも高まる有利状態、ATに制御されるゲーム数を上乗せするか否かを決定する抽選に当選する確率が他の状態よりも高まる有利状態、内部抽選にて再遊技役が当選する確率が他の状態よりも高まる有利状態、内部抽選にて小役が当選する確率が他の状態よりも高まる有利状態を適用しても良く、このような構成においても、各有利状態に関する制御状態を、制御状態コマンドに含まれる複数のコマンドとしてメイン制御部41からサブ制御部91に対して送信する構成とすることで、サブ制御部91に対してメイン制御部41側の制御状態を詳細に把握させることができる。
本実施例のメイン制御部41は、1単位のゲームにおける第1のタイミング及び第2のタイミングにおいて制御状態コマンド一括設定処理を実行することで、1単位ゲームにおける複数のタイミングで制御状態コマンドを送信させる構成であり、第1のタイミングは、スタートスイッチ7の操作がされたとき、すなわちゲームの開始に伴うタイミングであり、第2のタイミングは、リール2L、2C、2Rについて第3停止の操作が終了されたとき、すなわちゲームの終了に伴うタイミングであるので、第2の制御手段であるサブ制御部91側でゲームの最初と最後に第1の制御手段であるメイン制御部41の制御状態を把握させることができる。
尚、本実施例では、メイン制御部41は、ゲームの開始に伴うタイミングである第1のタイミングとして、スタートスイッチ7の操作がされたときに、制御状態コマンド一括設定処理を実行して制御状態コマンドを送信させる構成であるが、第1のタイミングは、ゲームの開始時であれば良く、第1のタイミングとして、ゲームの開始に伴ってリール2L、2C、2Rの回転制御が開始されたタイミング、ゲームの開始に伴ってリール2L、2C、2Rが定速状態となり、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の受け付けが有効化されたタイミング、ゲームの開始に伴って行われた内部抽選の当選状況を特定可能な内部当選コマンドを送信した後のタイミング等のタイミングを適用しても良い。
また、本実施例では、メイン制御部41は、ゲームの終了に伴う第2のタイミングとしてリール2L、2C、2Rについて第3停止の操作が終了されたとき(第3停止のストップスイッチが押下された後、離されたとき)に、制御状態コマンド一括設定処理を実行して制御状態コマンドを送信させる構成であるが、第2のタイミングは、ゲームの終了時であれば良く、第2のタイミングとして、ゲームの開始に伴ってリール2L、2C、2Rの回転制御が開始されたタイミングや、ゲームの開始に伴ってリール2L、2C、2Rについて第3停止の操作が開始されたタイミング(第3停止のストップスイッチが押下されたとき)、ゲームの終了に伴い全てのリール2L、2C、2Rの停止制御が終了したタイミング、ゲームの終了に伴い全てのリール2L、2C、2Rが停止状態となったタイミング、リール2L、2C、2Rの第3停止の操作が行われてから次のゲームのスタート操作が行われるまでの間のタイミング(例えば、払出が行われるタイミング、再遊技の設定または賭数の設定が行われるタイミング等)等のタイミングを適用しても良い。
本実施例のメイン制御部41は、所定の条件が成立することで遊技者にとって有利な有利状態としてATに制御することが可能であるとともに、1単位のゲームにおける第1のタイミング及び第2のタイミングに、共通の制御状態コマンド一括設定処理を実行して、制御状態コマンドをサブ制御部91に対して送信可能な構成であって、制御状態コマンドには、第1のタイミングと第2のタイミングで変化し得る制御状態を特定可能な制御状態コマンド1が含まれ、当該制御状態コマンド1には、有利状態としてATに制御されている状態では1単位のゲーム毎に変化し得る一方で有利状態としてATに制御されている状態以外では1単位のゲーム毎に変化しない制御状態を特定可能なAT関連コマンドAを含んでおり、当該AT関連コマンドAについても共通の制御状態コマンド一括設定処理を実行することで、制御状態コマンドに含まれる複数種類のコマンドとして送信するので、第2の制御手段としてのサブ制御部91側で第1の制御手段としてのメイン制御部41の制御状態を詳細に把握しつつ、第1の制御手段としてのメイン制御部41が制御状態コマンドを送信する際のプログラム容量を削減することができる。
本実施例のメイン制御部41は、1単位のゲームにおける第1のタイミング及び第2のタイミングに、共通の制御状態コマンド一括設定処理を実行して、制御状態を特定可能な複数種類のコマンド含む制御状態コマンドをサブ制御部91に対して送信可能な構成であって、制御状態コマンドに含まれる各コマンドは、当該コマンドを構成するデータでありコマンドの分類を表すMODEとして、種類別に連続する番号が付されており、メイン制御部41は、一のタイミングで実行される制御状態コマンド一括設定処理において、MODEとして付されている連続する番号の順番で、制御状態コマンドに含まれる各コマンドをコマンドキューに設定して送信させるので、第2の制御手段としてのサブ制御部91側で制御状態コマンドが送信された順序が正常であるかを把握することができる。
本実施例のメイン制御部41は、制御状態コマンド一括設定処理において、制御状態コマンドに含まれる各コマンドを送信させる際に、初期値または初期値から各コマンドを送信させる毎に1加算処理して得られた値を、コマンドを構成するMODEとして設定するので、複数種類の制御状態コマンドを作成するためにデータテーブルのような比較的大きなデータを必要とせずに、初期値と加算用値のみで済むので、制御状態コマンドを作成するためのデータ容量を削減することができる。また、このような構成では、一般的にスロットマシン1の設計においては、スロットマシン1の機種等によってサブ制御部91に把握させる制御状態の種類の数が増減することとなるが、制御状態の種類の数に関わらず、制御状態コマンド一括設定処理において、初期値と加算用値のみで制御状態コマンドに含まれる各コマンドを作成することができる。
本実施例のメイン制御部41は、内部抽選結果を特定可能な内部当選コマンドとして、内部抽選結果として特別役の当選状況を特定可能な第1の内部当選コマンド及び一般役の当選状況を特定可能な第2の内部当選コマンドを内部当選コマンド設定処理において設定し、当該コマンドをサブ制御部91に対して送信可能である。内部当選コマンド設定処理では、ATに制御されているか否かに関わらず、内部抽選結果が報知対象役となったときに、報知対象役が当選した旨は特定できるが、遊技者にとって有利な停止順を特定することができないように、一般役に係る第2の内部当選コマンドを設定するようになっている。このため、メイン制御部41側でATに制御しているか否かに関わらず、第2の内部当選コマンドから内部抽選結果に応じた遊技者にとって有利な停止順が特定されることなく、ATに制御されているか否かに関わらず、共通の第2の内部当選コマンドを送信するので、第2の内部当選コマンドの送信に係る処理を簡素化できるとともに、サブ制御部91側に不正がなされても、ATに制御されていない状態で遊技者にとって有利な停止順がナビ演出により報知されてしまうことを防止できる。
尚、本実施例では、メイン制御部41は、内部当選により当選した報知対象役に応じて遊技者にとって有利なリール2L、2C、2Rの停止順をナビ報知により報知する構成であるが、メイン制御部41は、ナビ報知により、複数の異なる操作タイミングのうちのいずれかの操作タイミングで操作する操作態様、複数の操作順のうちのいずれかの操作順で操作する操作態様、これらの組合せによる操作態様を、ナビ報知により報知する構成であっても良く、このような構成においても、メイン制御部41は、メイン制御部41側でATに制御しているか否かに関わらず、報知対象役が当選した旨は特定できるが、遊技者にとって有利な操作態様を特定することができないように第2の内部当選コマンドを設定することで、第2の内部当選コマンドから内部抽選結果に応じた遊技者にとって有利な操作態様がサブ制御部91側で特定されることがない。
また、本実施例では、メイン制御部41がナビ報知を実行する報知対象役として、第1の報知対象役と、第2の報知対象役とを含み、メイン制御部41は、内部当選コマンド設定処理において、内部抽選結果が報知対象役となったときに、当該報知対象役が第1の報知対象役であるか第2の報知対象役であるかを特定できるように第2の内部当選コマンドを設定して、サブ制御部91に対して送信するので、内部抽選結果が報知対象役となったときに、サブ制御部91側で報知対象役が第1の報知対象役であるか第2の報知対象役であるかを特定でき、サブ制御部91は、報知対象役の種類に応じて異なる演出を行うことも可能となる。
また、本実施例のメイン制御部41は、ゲームの開始時に、ATの制御を行っており、ナビ報知が実行される状態において、内部抽選結果が報知対象役となったときに、遊技者にとって有利な停止順を特定できる停止順データをRAM91cの所定領域に設定する停止順データ設定処理を実行し、停止順データを含むコマンドを上述のゲーム開始時送信コマンド設定処理にて設定してサブ制御部91に対して送信させるので、ナビ報知が実行される状態においてサブ制御部91側で遊技者にとって有利な停止順を報知するナビ演出を行うことができる。
また、本実施例では、メイン制御部41がナビ報知を実行する報知対象役として、第1の報知対象役と第2の報知対象役とを含み、メイン制御部41は、停止順データ設定処理において、ナビ報知が実行される状態で内部抽選結果が第1の報知対象役となったときにも、第2の報知対象役となったときにも、すなわちナビ報知が実行される状態において内部抽選にて当選した報知対象役が異なる種類であっても、遊技者にとって有利な停止順が共通の場合に、該遊技者にとって有利な停止順を特定できる共通のナビ番号を含む停止順データを設定するので、停止順データの種類を削減することができる。
また、本実施例のメイン制御部41は、ゲームの開始時に、当該ゲームの制御状況に応じて遊技者にとって有利な停止順を特定できる停止順データをRAM91cの所定領域に設定する停止順データ設定処理を実行し、当該停止順データ設定処理において、ナビ報知が実行される状態では、内部抽選結果が報知対象役となったときに、遊技者にとって有利な停止順を特定できる停止順データを設定する一方で、ナビ報知が実行される状態以外の状態では、内部抽選結果が報知対象役となったときに、遊技者にとって有利な停止順を特定できないが標準押し順(例えば、左第1停止)を特定できる停止順データを設定するので、ナビ報知が実行される状態であるか否かに関わらず、内部抽選結果が報知対象役となったときに、停止順データを設定する処理を共通化することができる。
また、本実施例のメイン制御部41は、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が行われる毎に該当するリール2L、2C、2Rを段階的に停止させる構成であり、遊技者にとって有利な停止順は、全てのストップスイッチ8L、8C、8Rの操作、すなわち第3停止の操作が完了するよりも前に確定するようになっており、メイン制御部41は、遊技者にとって有利な停止順が確定したときに、確定した有利な停止順を特定可能な押し順特定コマンドを設定する押し順特定コマンド設定処理を実行し、設定した押し順特定コマンドをサブ制御部91に対して送信させる。押し順特定コマンド設定処理において、ナビ報知が実行される状態以外の状態において内部抽選結果が報知対象役となったときに、遊技者にとって有利な停止順が確定した段階、すなわち第1停止、第2停止の操作が行われたとき以降に、内部当選結果に応じた遊技者にとって有利な停止順を特定できる押し順特定コマンドを設定して送信するので、サブ制御部91に不正が施されても遊技者にとって有利な停止順が特定されることを防止しつつ、内部抽選結果が報知対象役となったときにサブ制御部91側で遊技者にとって有利な停止順で操作されたか否かに応じた演出を行うことができる。
尚、本実施例では、メイン制御部41は、押し順特定コマンド設定処理において、ナビ報知が実行される状態以外の状態において、報知対象役が当選した場合に、リール2L、2C、2Rの停止操作が行われて停止する役が確定したと判定されたときに、遊技者にとって有利な停止順を特定可能な押し順特定コマンドを設定し、当該押し順特定コマンドをサブ制御部91に対して送信する構成であるが、リール2L、2C、2Rの停止操作が行われて停止する役が確定した後に、遊技者にとって有利な停止順を特定可能なコマンドは、押し順特定コマンドとは別のコマンドでもあっても良く、例えば、内部抽選にて当選した報知対象役の種類を特定可能な別のコマンドを送信することで、当選した報知対象役の種類に基づいて遊技者にとって有利な停止順を特定可能とする構成であっても良いし、遊技者にとって有利な停止順を特定可能な別途コマンドを設ける構成であっても良い。このような構成においては、メイン制御部41は、停止する役が確定したときに、遊技者にとって有利な停止順を特定可能なコマンドを設定する処理を行う構成とすることで、メイン制御部41による遊技者にとって有利な停止順を特定可能な別途コマンド等の送信に係る負荷を削減することができる。
また、本実施例では、メイン制御部41は、内部抽選が行われたとき、各リール2L、2C、2Rの停止操作が行われたときに、停止順データ設定処理を実行して、遊技者にとって有利な停止順を特定可能な停止順データを含むコマンドをサブ制御部91に対して送信する構成であり、停止する役が確定した後には、押し順特定コマンド設定処理を実行する毎に、遊技者にとって有利な停止順を特定可能な押し順特定コマンドをサブ制御部91に対して送信する構成であるが、停止する役が確定した後に遊技者にとって有利な停止順を特定可能な押し順特定コマンドは、少なくとも停止する役が確定したときに一度送信される構成であれば良く、停止する役が確定して、遊技者にとって有利な停止順を特定可能な押し順特定コマンドを送信した後には、押し順特定コマンド設定処理を実行しない構成であっても良い。このような構成とすることで、メイン制御部41による押し順特定コマンドの送信に係る負荷を削減することができる。
また、本実施例では、メイン制御部41は、ナビ報知を行う状態において、内部抽選が行われたときに停止順データ設定処理を実行し、各リール2L、2C、2Rの停止操作が行われたときに、押し順特定コマンド設定処理を実行する構成であるが、ナビ報知を行う状態である場合には、内部抽選が行われたときに、停止順データ設定処理のみを実行する構成であっても良い。このような構成とすることで、ナビ報知を行う状態である場合に、メイン制御部41による押し順特定コマンドの送信に係る負荷を削減することができる。
本実施例のメイン制御部41は、スタート操作が行われたときに、内部抽選を行い、内部抽選結果に応じて内部抽選結果毎に各々異なる当選番号をRAM41cに設定し、設定された当選番号に応じて内部当選フラグの設定、ナビ報知、コマンド作成、リール2L、2C、2Rの停止制御等を行うとともに、内部抽選結果を特定可能な内部当選コマンドとして、特別役の当選状況を特定可能な第1の内部当選コマンド及び一般役の当選状況を特定可能な第2の内部当選コマンドを内部当選コマンド設定処理において設定し、設定された当該コマンドをサブ制御部91に対して送信する構成であり、内部当選結果として報知対象役が当選したときの当選番号として、所定の数値範囲からなる連続する数値が割り当てられており、内部当選コマンド設定処理では、ATに制御されていてナビ報知が実行される状態以外の状態において、RAM41cに設定された当選番号が、当該所定の数値範囲であるときに、報知対象役となった旨は特定できるが遊技者にとって有利な停止順を特定できない第2の内部当選コマンドを設定し、設定された第2の内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信するようになっている。これにより、メイン制御部41側でATに制御しているか否かに関わらず、第2の内部当選コマンドから内部抽選結果に応じた遊技者にとって有利な停止順が特定されることはないため、サブ制御部91側に不正がなされてもATに制御されていない状態で遊技者にとって有利な停止順がナビ演出により報知されてしまうことを防止できる。
また、内部抽選結果が報知対象役となったときに設定される当選番号として、所定の数値範囲からなる連続する数値を割り当て、メイン制御部41が、内部抽選結果が報知対象役であるか否かを、所定制御を行う際に用いられる当選番号が報知対象役に対して割り当てられた所定の数値範囲内にあるか否かにより判定することで、第2の内部当選コマンドを送信する際の処理を簡素化できる。
また、本実施例では、メイン制御部41がナビ報知を実行する報知対象役として、第1の報知対象役と、第1の報知対象役と、を含み、内部抽選結果が第1の報知対象役となったときの当選番号として、第1の数値範囲の連続する数値を割り当て、内部抽選結果が第2の報知対象役となったときの当選番号として、第2の数値範囲の連続する数値を割り当て、メイン制御部41が、内部抽選結果が報知対象役となったときに、当選番号が第1の数値範囲であるか、第2の数値範囲であるかに応じて、内部抽選結果が第1の報知対象役であるか、第2の報知対象役であるかを判定することで、内部当選コマンド設定処理において第2の内部当選コマンドを設定する処理を簡素化できる。
また、本実施例のメイン制御部41が、第1の状態及び第2の状態を含む複数の遊技状態に制御することが可能であり、各遊技状態で内部抽選において決定される報知対象役の種類が異なる構成とした場合に、遊技状態が第1の状態において内部抽選結果が報知対象役となったときの当選番号、及び遊技状態が第2の状態において内部抽選結果が報知対象役となったときの当選番号が、いずれも共通の数値範囲に割り当てられてられることで、内部当選コマンド設定処理において、第1の状態においても第2の状態においても内部抽選結果が報知対象役であるか否かを判定するための処理を共通化できる。
また、本実施例のメイン制御部41は、内部当選コマンド設定処理において、ATに制御していない状態において内部抽選結果が、報知対象役以外の役またははずれであるときには、該内部抽選結果に応じた当選番号を含む第2の内部当選コマンドを設定し、内部抽選結果が報知対象役であるときには、第1の数値範囲に含まれる一の当選番号を含み、内部抽選結果が報知対象役であるときには、第2の数値範囲に含まれる一の当選番号を含む第2の内部当選コマンドを設定することで、ATに制御していない状態において、内部抽選結果が、報知対象役であっても報知対象役以外の役またははずれであっても、内部抽選結果に対応する当選番号を含む第2の内部当選コマンドを送信することが可能となるので、内部抽選結果が報知対象役であるか否かかかわらず、第2の内部当選コマンドを作成して送信する処理を共通化することができる。
尚、ATに制御されている状態でないときには、内部抽選結果が報知対象役となったときに、報知対象役が当選した旨は特定できるが、遊技者にとって有利な停止順を特定することができないように一般役に係る第2の内部当選コマンドを設定する一方で、ATに制御されている状態であるときには、内部抽選結果が報知対象役となったときに、当選した報知対象役の種類に応じた当選番号を含む第2の内部当選コマンドを設定することで、ATに制御されている状態であるときには、当選した報知対象役の種類を特定可能な第2の内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信する構成であっても良い。このような構成では、ATに制御されている状態においては、第2の内部当選コマンドに含まれる当選番号から、報知対象役の種類に応じた遊技者にとって有利な停止順を特定できるので、サブ制御部91側で遊技者にとって有利な停止順をナビ演出により報知することができる。また、このような構成では、ATに制御されている状態においては、第2の内部当選コマンドに含まれる当選番号から内部抽選における抽選対象役の当選番号を特定できるので、内部当選した抽選対象役に含まれる入賞役の種類に応じた演出を行うことができる。
また、このような構成では、メイン制御部41は、停止順データ設定処理を実行せず、遊技者にとって有利な有利停止順を特定可能な停止順データを含むコマンドを送信しない構成としても良く、このような構成とすることで、ATに制御されている状態においては、第2の内部当選コマンドに含まれる当選番号から、報知対象役の種類に応じた遊技者にとって有利な停止順を特定でき、サブ制御部91側で遊技者にとって有利な停止順をナビ演出により報知することができるとともに、メイン制御部41による遊技者にとって有利な有利停止順を特定可能な停止順データを含むコマンドの送信に係る負荷を削減することができる。
尚、第1の報知対象役の当選番号と第2の報知対象役の当選番号とは、それぞれが連続する数値範囲に設定されている構成であれば、第1の報知対象役の当選番号が設定される第1の数値範囲と第2の報知対象役の当選番号が設定される第2の数値範囲とが連続する構成であっても良い。このような構成であっても、メイン制御部41は、内部抽選結果が報知対象役であるか否かを、所定制御を行う際に用いられる当選番号が報知対象役に対して割り当てられた所定の数値範囲内にあるか否かにより判定できるため、第2の内部当選コマンドを送信する際の処理を簡素化できる。
また、内部当選コマンド送信処理において、同じ送信用当選番号が設定される報知対象役のグループは、少なくとも、ATに制御されているか否かに関わらず、内部抽選結果が報知対象役となったときに、報知対象役が当選した旨は特定できるが、遊技者にとって有利な停止順を特定することができないようにすれば良く、一の遊技状態において抽選対象となる同じ種類の報知対象役のグループについては、一のグループ毎に遊技者にとって有利な役が一ずつ含まれるように複数のグループに分けて、分けられたグループ毎に異なる送信用当選番号を設定する構成としても良い。これにより、サブ制御部91側で複数のグループのうちいずれかのグループに属する報知対象役が当選したかを特定し、特定したグループに応じた演出を実行することが可能となる。
以上、本発明の実施例及び変形例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
前記実施例及び変形例では、本発明を遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるスロットマシンに適用した例について説明したが、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに適用しても良い。遊技球を遊技用価値として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、前記実施例で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えば、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであっても良い。すなわち、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンを適用しても良い。
また、前記実施例及び変形例では、本発明が遊技機の一例であるスロットマシン1に適用された例が示されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明を遊技領域に遊技球を発射することにより遊技を行うパチンコ遊技機等の他の遊技機に適用しても良い。