JP6632635B2 - 手術用パッド材 - Google Patents

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Description

本発明は、手術において使用される手術用パッド材に関し、特に、X線造影糸が配設されている手術用パッド材に関する。
外科手術の際には、体内組織の保護や隔離を目的として、また、血液あるいは体液等を吸収し、術野をクリアに保つことを目的として、手術用パッド材が用いられている。手術用パッド材としては、ガーゼ、不織布およびスポンジ等の物品が用いられている。これらの物品は、手術終了時には体内から取り除かれるが、手術中に血液等を吸収して目視では体内組織との区別が困難となってしまうため、体内に残留されてしまう恐れがある。そのため、これらの物品にX線造影糸を縫着や熱溶着したものが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。このように、X線造影糸を配設した物品を用いることで、手術終了時に手術部位をX線撮影することにより、体内残留の有無を確認するという手法を採ることができる。
特許第4253656号公報 特開2013−43066号公報
ところで、X線造影糸は、一般には低強度のため、X線造影糸の端部が露出していると、手術時に破損して体内に残ってしまう可能性がある。また、臓器に接触して傷つけ出血を起こす可能性もある。
そこで、本発明は、X線造影糸の脱落やX線造影糸端部の臓器への接触を防ぎ、安全性を向上させた手術用パッド材を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の手術用パッド材は、パッド材本体とX線造影糸とを含み、
前記X線造影糸は固定糸によって前記パッド材本体の表面に固定されており、
前記固定糸は、千鳥縫いで前記パッド材本体に縫着されており、
前記固定糸の縫着開始領域および縫着終了領域において、前記千鳥縫いの送り量は、0.25mm以上0.75mm未満の範囲内にあり、
前記固定糸を前記パッド材本体に縫着する際に、前記X線造影糸は、前記固定糸を千鳥縫いする針が刺さらないように配設され、
それによって、前記X線造影糸は、前記固定糸による前記千鳥縫いの縫い目のジグザグ部分で押さえる状態とされており、かつ前記千鳥縫いからの前記X線造影糸の切断端部のはみ出しが1mm以下となるように配設されていることを特徴とする。
前記手術用パッド材は、吸液膨張性材料で構成された手術用の圧排体であり、前記吸液膨張性材料を乾燥圧縮することによって形成されたパッド材本体とX線造影糸とを含むことが好ましい。
前記X線造影糸は、伸度が30〜900%の範囲内にあることが好ましい。
また、前記固定糸は、手術用縫合糸であることが好ましい。
本発明において、前記パッド材本体は、セルローススポンジであることが好ましい。
本発明によれば、X線造影糸の脱落を防ぎ、安全性を向上させた手術用パッド材を提供することができる。
図1は、本発明の手術用パッド材の一実施形態である圧排体の一例を示す斜視図である。 図2は、本発明の手術用パッド材の一実施形態である圧排体の製造方法の一例を示す模式図である。
本発明の手術用パッド材の一実施形態である圧排体について、例をあげて説明する。ただし、本発明は、以下の圧排体の例に限定および制限されない。例えば、手術用パッド材は、ガーゼおよび不織布等の布帛であってもよく、手術時の体液や血液の吸収、臓器の乾燥を防ぐことにも使用できる。なお、以下で参照する図面は、模式的に記載されたものであり、図面に描画された物体の寸法の比率などは、現実の物体の寸法の比率などとは異なる場合がある。図面相互間においても、物体の寸法比率等が異なる場合がある。
図1に、本発明の手術用パッド材の一実施形態に係る圧排体10の斜視図を示す。この圧排体10は、内視鏡手術等において好適に使用できる手術用の圧排体であり、スポンジ等の吸液膨張性材料で構成されている。圧排体10は、前記吸液膨張性材料を乾燥圧縮することによって形成された圧排体本体(パッド材本体)1とX線造影糸2とを含んでおり、X線造影糸2は固定糸3によって圧排体本体1の表面に固定されている。そして、固定糸3は、千鳥縫いで圧排体本体1に縫着されており、X線造影糸2は、前記千鳥縫いの縫い目の内側に配設されている。千鳥縫いとは、連続してジグザグに縫う縫い方である。
なお、前記吸液膨張性材料は乾燥後に圧縮しない状態でX線造影糸を固定糸で千鳥縫い縫着することや、乾燥前の湿潤状態でX線造影糸を固定糸で千鳥縫い縫着して、乾燥することもできる。
図2に、本発明の手術用パッド材の一実施形態である圧排体の製造方法の一例を示す。まず、圧排体本体1を用意し(図2(a))、圧排体本体1の表面にX線造影糸2を載置する(図2(b))。そして、X線造影糸2の上から、固定糸3で圧排体本体1に千鳥縫いを施す(図2(c))。このとき、X線造影糸2に針が刺さらないようにして、固定糸3による千鳥縫いの縫い目のジグザグ部分でX線造影糸2を押さえる(包み込む)状態とする。そして、千鳥縫いから出ているX線造影糸2を縫い際で切断して、前記千鳥縫いの縫い目の内側にX線造影糸2を配設した状態とする。このとき、X線造影糸2を引き伸ばし(図2(c)中の矢印)、この引き伸ばした状態で、千鳥縫いから出ているX線造影糸2を縫い際で切断すると、図2(d)に示すように千鳥縫いの内部にX線造影糸2の端部が入り込み、はみ出しがなくなる、または、はみ出し長さが短くなるため、好ましい。この場合、X線造影糸2は、伸度が30〜900%の範囲内にあることが好ましく、引き伸ばして切断し、千鳥縫いの縫い目の内側に端部を入り込ませるには、500〜800%の範囲内にあることが、より好ましい。このとき、伸度は、長さ200mmの試験片を5個以上用意し、テンシロン万能試験機を用いて、チャック間距離50mm、引張速度300mm/minで引張試験を行い、伸度(%)を測定して平均した値である。
X線造影糸2としては、造影剤としてX線非透過性の成分を含んだ合成繊維を用いることができる。前記造影剤としては、例えば硫酸バリウムを使用することができる。前記合成繊維を形成する合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、スチレン系エラストマー等があげられる。X線造影糸2は、モノフィラメントであってもマルチフィラメントであってもよいが、本発明においては、X線造影糸2として、例えば、スチレン系エラストマーのモノフィラメント造影糸を用いると、伸縮性があるため好ましい。一般的にマルチフィラメントのX線造影糸は、樹脂製の造影糸とカバーリング糸とから構成されており、伸縮性はモノフィラメント造影糸よりも小さい傾向にある。
本発明において、固定糸3は、手術用縫合糸であることが好ましい。通常、例えばミシン縫いの際に使用する糸は、糸の滑りを良くする為に、油剤が付着しており、医療用途として用いるには好ましいとはいえない。前記手術用縫合糸は、体内において使用されることが前提となっているものであるため、圧排体10の部材として好適に用いることができる。前記手術用縫合糸の構造としては、モノフィラメント縫合糸、ツイスト縫合糸(撚糸)、ブレイド(編糸)縫合糸があげられるが、柔らかく扱いやすいという点で、ブレイド縫合糸を好適に用いることができる。
固定糸3は、千鳥縫いで圧排体本体1に縫着される。前記千鳥縫いは、針振り幅を例えば1.5〜2.5mmの範囲内に、送り量(ピッチ)を0.25mm以上1.5mm以下の範囲内にすることが好ましい。送り量が小さすぎる(縫い目が細かすぎる)と、針や糸の太さによっては、縫い目の針孔によってセルローススポンジが破損してしまうおそれがある。一方、送り量が大きすぎると、X線造影糸が表面に多く露出することになるため、露出した前記X線造影糸が手術中に鉗子等の手術器具に引っ掛かってしまうおそれがある。そのため、送り量は前記範囲内にあることが好ましい。また、千鳥縫いの際の糸調子は1.8N以下とすることが好ましい。上糸の糸調子と下糸の糸調子とを、それぞれ個別に設定可能である場合は、上糸の糸調子は0.3〜1.8Nの範囲内にすることが好ましく、下糸の糸調子は0.3N以下とすることが好ましい。前記範囲内とすることによって、X線造影糸2の脱落を防ぐとともに、圧排体10の固定糸3の縫着部分における剛直化も軽減することができる。また、固定糸3の縫着開始領域5Aおよび縫着終了領域5Bにおいては、前記送り量を0.25mm以上0.75mm未満と小さくすることで、X線造影糸2の端部を千鳥縫いの縫い目の内側から出にくくすることができ、X線造影糸2端部の臓器への接触を防ぐことができる。前記縫着開始領域5Aおよび前記縫着終了領域5Bにおける送り量は、0.30mm以上0.50mm以下であることが好ましい。
送り量を調整する領域(縫着開始領域5Aおよび縫着終了領域5B)は、縫着開始位置4Aおよび縫着終了位置4Bから15mm以下であることが好ましく、3mm以上10mm以下であることがより好ましい。なお、送り量を調整する領域における送り量は、前記範囲内であれば、必ずしもその他の領域の送り量よりも小さくする必要はない。例えば、縫着開始領域5Aおよび縫着終了領域5Bの送り量が、他の部分の送り量と同じ送り量であってもよく、他の部分の送り量よりも大きい送り量となってもよい。
本発明においては、X線造影糸2は固定糸3によって圧排体本体1の表面に固定されているが、熱融着で固着された場合とは異なり、圧排体本体1に対して動くことができる。そのため、吸液によって圧排体本体1が膨張した際に、形状にゆがみや引き攣れを起こしにくい。また、X線造影糸2は、熱融着した場合のように折り曲げにくくならず、また、切れ易くもならないため、好ましい。
本発明において、圧排体本体1を形成する前記吸液膨張性材料は、セルローススポンジ等のセルロース多孔質体、ポリビニルアルコールスポンジ、ウレタンスポンジ、ガーゼであることが好ましい。特に、セルロースは生体に対する安全性の点で優れている。セルローススポンジは乾燥圧縮成型可能な素材であり、この乾燥圧縮されたセルローススポンジに水分を付与すれば吸水して膨張するので、この点からも好ましい材料である。
本発明において好適に用いることのできるセルローススポンジは、再生セルロース法、セルロース溶剤溶液法等の、従来からの製造プロセスで製造されるセルローススポンジをそのまま用いることができ、例えば、特許第3520511号公報に開示されたセルローススポンジが挙げられる。具体的には、セルロースを主成分とした溶解パルプから天然繊維を加えたビスコースを作製する。前記ビスコースに中性結晶芒硝を加えて混合し、混合物を作製する。前記混合物を成型型内に押し込み、または、シート状に排出し、加熱凝固させて、ブロック状、または、シート状セルローススポンジを得ることができる。また、セルローススポンジには、補強繊維として綿(コットン)、亜麻、ラミー、パルプを単独またはそれらを組合せて含むことも好ましく、これら補強繊維を含むことによりスポンジとしての強度が増し、リントを抑制することができるとともに、術後にトロカールから取り出す際に圧排体の破損、脱落を抑制することができる。
市販のセルローススポンジとしては、東レセルローススポンジ(東レ・ファインケミカル(株)製、商品名)等を使用することができる。このセルローススポンジ原反は、例えば、ブロック形状のものであり、これらをカットしたりあるいは打ち抜いたりして、本発明における吸液膨張性材料として用いられるセルローススポンジの大きさに形成することができる。
セルローススポンジは、セルロース自体が吸水性を備えているので、吸水性能を付与する特別な後加工等を行う必要がなく、後加工工程が増えることや後加工に用いる薬剤の安全性についてのリスク管理に伴うコスト増加を抑えることが可能となる。また、セルローススポンジは、リントの発生が少なく、手術時の取扱性に優れており、さらに切開部組織への固着が極めて少ないという特性を有するため手術終了時の回収も容易である。また、吸液膨張性を備えているので、外科手術時に手術対象の臓器とその近傍の臓器との間に挟み込み、手術野を確保するための圧排体として用いる際、同時に、臓器の保護および血液や体液の吸着等の効果も持たせることができる。
例えば、ブロック状セルローススポンジからシートを作製する場合、押し出し方向をZ軸方向とすると、製造工程上、これと直交する方向のうち、一方向において引張強度が小さくなることがある。この方向をY軸方向とし、Z軸方向およびY軸方向と直交する方向をX軸方向としたとき、Y軸方向を厚みとすると引っ張りに強いシートになる。ブロック状セルローススポンジの引張強度測定値は、例えば、X軸方向が9〜17N/cm、Y軸方向が4〜9N/cm、Z軸方向が9〜18N/cmである。このとき、引張強度は、7cm×2cm×1cmの試験片を10個以上用意し、テンシロン万能試験機を用いて、前記の5cm方向を引っ張る軸方向としてチャック間距離5cmで引張試験を行い、引張強度(N/cm)を測定し、平均した値である。
圧排体10は、標的臓器付近の臓器に手術器具が接触することを防ぎ、前記標的臓器付近の臓器を保護する。また、前記標的臓器付近の臓器を挙上し、圧排することも可能である。
また、本発明の圧排体10において、X線造影糸2は、造影効果が得られれば圧排体10のどこに配置しても良いが、臓器との接触が少ない部分へ配置することが好ましい。例えば、シート状の圧排体10を巻いた状態に形成して使用する場合には、圧排体10を巻いたときの巻き終わりの長手方向にX線造影糸2を配置することがより好ましい。X線造影糸2は、図1および図2においては、1本設けた状態を示しているが、本発明はこれに限定されず、複数本設けることもできる。X線造影糸2を複数本設けた場合の配置位置は、造影効果が得られればどのような位置でもよいが、圧排体10の長手方向または短手方向の両辺付近の位置に配置することがより好ましい。
(実施例1)
ブロック状セルローススポンジを用意した。具体的には、セルロースを主成分とした溶解パルプから天然繊維を加えたビスコースを作製し、前記ビスコースに中性結晶芒硝を加えて混合し、混合物を作製した。前記混合物を成型型内に押し込み、加熱凝固させて、ブロック状セルローススポンジを得た。得られたブロック状セルローススポンジをスライス状に切断し、打ち抜き加工して、110mm(短手方向)×150mm(長手方向)×0.6mm(厚み方向)のシート状のセルローススポンジを作製し、乾燥させて、乾燥セルローススポンジを得た。得られた乾燥セルローススポンジを圧縮してパッド材(圧排体)本体とした。
前記乾燥セルローススポンジの長手方向をミシン縫製方向とし、短手方向の両端部付近を縫着開始位置および縫着終了位置とした。そして、前記乾燥セルローススポンジの長手方向両辺から7mm内側にスチレン系モノフィラメントX線造影糸(ベルテック製、繊維径0.45mm)を配置させた。縫着開始位置および縫着終了位置を短手方向から5mm内側にして、工業用ミシン(JUKI製 LZ2284NA−7)で、針振り幅1.5mm、送り量(ピッチ)0.5mm、糸調子0.4N、縫い始めからの10mm(縫着開始領域)と縫い終わりまでの10mm(縫着終了領域)の送り量を0.5mmにして、X線造影糸を埋包することで縫い目の内側に配設しながら、前記ミシンにセットした固定糸で千鳥縫いを行った。前記固定糸としては、手術用縫合糸(松田医科工業販売 未滅菌ワヨラックス ポリエステル・ブレイド縫合糸 糸の太さ4−0)を用いた。
上記セルローススポンジの縫着開始位置および縫着終了位置において、千鳥縫いから出たX線造影糸を引き伸ばした。この引き伸ばした状態でX線造影糸を前記千鳥縫いの縫い際で切断すると、X線造影糸の切断端部が千鳥縫いの内部に配設した状態となり、前記千鳥縫いからのX線造影糸のはみ出しが1mm以下となったことを目視で確認した。このようにして、X線造影糸を表面に固定するとともに、X線造影糸が千鳥縫いの縫い目の内側に配設された圧排体を得た。なお、本実施例で用いたX線造影糸の伸度は710%であった。
得られた手術用パッド材は、吸水時にスポンジが膨らむことで、前記1mm以下のX線造影糸のはみ出し部分を包埋し、X線造影糸の端部部分に触れても引っ掛かりを感じなかった。すなわち、手術中のX線造影糸端部の臓器への接触を防ぐことができる、安全性を向上させた手術用パッド材が得られたといえる。
(実施例2)
千鳥縫いの際に、工業用ミシンの送り量(ピッチ)を0.25mmに変更し、縫着開始領域および縫着終了領域における送り量を0.5mmとした以外は、実施例1と同様の方法で圧排体を作製した。本実施例においても、X線造影糸の切断端部が、千鳥縫いの内部に配設された状態となり、前記千鳥縫いからの造影糸のはみ出しが1mm以下となったことが、目視で確認できた。
(実施例3)
千鳥縫いの際に、工業用ミシンの送り量(ピッチ)を1.25mmに変更し、縫着開始領域および縫着終了領域における送り量を0.5mmとした以外は、実施例1と同様の方法で圧排体を作製した。本実施例においても、X線造影糸の切断端部が、千鳥縫いの内部に配設された状態となり、前記千鳥縫いからの造影糸のはみ出しが1mm以下となったことが、目視で確認できた。
(実施例4)
千鳥縫いの際に、工業用ミシンの糸調子を0.8Nに変更した以外は、実施例1と同様の方法で圧排体を作製した。本実施例においても、X線造影糸の切断端部が、千鳥縫いの内部に配設された状態となり、前記千鳥縫いからの造影糸のはみ出しが1mm以下となったことが、目視で確認できた。
(実施例5)
千鳥縫いの際に、固定糸をシルク(松田医科製 未滅菌 絹縫製合糸 ブレイドシルク 糸の太さ4−0)、工業用ミシンの糸調子を1.0Nに変更した以外は実施例1と同様の方法で圧排体を作製した。本実施例においても、X線造影糸の切断端部が、千鳥縫いの内部に配設された状態となり、前記千鳥縫いからの造影糸のはみ出しが1mm以下となったことが、目視で確認できた。
(実施例6)
X線造影糸としてポリプロピレンマルチフィラメントX線造影糸(スペシャリティーファイバーズアンドマテリアル製 Micropake)を用いた以外は実施例1と同様の方法で圧排体を作製した。
上記圧排体の縫着開始位置および縫着終了位置において、千鳥縫いから出たX線造影糸を引き伸ばした。この引き伸ばした状態でX線造影糸を前記千鳥縫いの縫い際で切断して、X線造影糸の切断端部が千鳥縫いの内部に配設された状態となったことを目視で確認した。本実施例で用いたX線造影糸は、伸度は30%であり、実施例1で用いたX線造影糸と比較して伸度が小さく、縫い際により近い位置で切断する必要があった。このようにして、X線造影糸を表面に固定するとともに、X線造影糸が千鳥縫いの縫い目の内側に配設され、前記千鳥縫いからの造影糸のはみ出しが1mm以下となった圧排体を得た。
(実施例7)
X線造影糸として、スチレン系モノフィラメントX線造影糸(ベルテック製、繊維径0.65mm)を用い、針振り幅を2.3mm、送り量(ピッチ)を0.5mm、上糸の糸調子を0.4N、下糸の糸調子を0.09Nとした。縫着開始位置からの10mm(縫着開始領域)と縫着終了位置までの10mm(縫着終了領域)の送り量を0.5mmにした。他の条件は、実施例1と同様にして圧排体を作製した。本実施例においても、X線造影糸の切断端部が、千鳥縫いの内部に配設された状態となり、前記千鳥縫いからの造影糸のはみ出しが1mm以下となったことが、目視で確認できた。このようにして、X線造影糸を表面に固定するとともに、X線造影糸が千鳥縫いの縫い目の内側に配設された圧排体を得た。なお、本実施例で用いたX線造影糸の伸度は560%であった。
(実施例8)
千鳥縫いの際に、工業用ミシンの上糸の糸調子を1.6Nに変更した以外は、実施例7と同様の方法で圧排体を作製した。本実施例においても、X線造影糸の切断端部が、千鳥縫いの内部に配設された状態となり、前記千鳥縫いからの造影糸のはみ出しが1mm以下となったことが、目視で確認できた。
(実施例9)
千鳥縫いの際に、縫着開始位置からの10mm(縫着開始領域)と縫着終了位置までの10mm(縫着終了領域)の送り量を0.25mmに変更した以外は、実施例7と同様の方法で圧排体を作製した。本実施例においても、X線造影糸の切断端部が、千鳥縫いの内部に配設された状態となり、前記千鳥縫いからの造影糸のはみ出しが1mm以下となったことが、目視で確認できた。
(実施例10)
千鳥縫いの際に、縫着開始位置からの10mm(縫着開始領域)と縫着終了位置までの10mm(縫着終了領域)の送り量を0.375mmに変更した以外は、実施例7と同様の方法で圧排体を作製した。本実施例においても、X線造影糸の切断端部が、千鳥縫いの内部に配設された状態となり、前記千鳥縫いからの造影糸のはみ出しが1mm以下となったことが、目視で確認できた。
(実施例11)
千鳥縫いの際に、工業用ミシンの送り量(ピッチ)を0.375mmに変更し、縫着開始領域および縫着終了領域における送り量を0.5mmとした以外は、実施例7と同様の方法で圧排体を作製した。本実施例においても、X線造影糸の切断端部が、千鳥縫いの内部に配設された状態となり、前記千鳥縫いからの造影糸のはみ出しが1mm以下となったことが、目視で確認できた。
(実施例12)
千鳥縫いの際に、針振り幅を2.5mm、上糸の糸調子を0.9Nに変更した以外は、実施例10と同様の方法で圧排体を作製した。本実施例においても、X線造影糸の切断端部が、千鳥縫いの内部に配設された状態となり、前記千鳥縫いからの造影糸のはみ出しが1mm以下となったことが、目視で確認できた。
(比較例1)
実施例1と同様の方法で作製した乾燥セルローススポンジをパッド材(圧排体)本体とした。前記乾燥セルローススポンジの長手方向をミシン縫製方向とし、短手方向の両端部付近を縫着開始位置および縫着終了位置とした。そして、縫着開始位置および縫着終了位置を前記乾燥セルローススポンジの短手方向から5mm内側にして、長手方向の両辺から7mm内側のラインを、家庭用ミシン(マクロス社 タイニーミシン)でX線造影糸を用いて縫製した。前記ミシンの縫製においては、糸調子を1.3N、上糸を手術用縫合糸(松田医科工業販売 未滅菌ワヨラックス ポリエステル・ブレイド縫合糸 糸の太さ4−0)、下糸をスチレン系モノフィラメントX線造影糸(ベルテック製、繊維径0.65mm)とした。次に、縫着開始位置と縫着終了位置において、縫い際で上糸(手術用縫合糸)および下糸(X線造影糸)を切断して、X線造影糸をミシン縫製したセルローススポンジの圧排体を作製した。得られた圧排体において、下糸であるX線造影糸の切断端部は、縫い際で切断したものの、上糸から外れて露出していることを目視で確認した。
(比較例2)
下糸をポリプロピレンマルチフィラメントX線造影糸(スペシャリティーファイバーズアンドマテリアル製 Micropake)とした以外は、比較例1と同様の方法でX線造影糸をミシン縫製したセルローススポンジの圧排体を作製した。本比較例においても、X線造影糸の切断部が乾燥セルローススポンジから露出していることを目視で確認した。
(比較例3)
千鳥縫いの際に、縫着開始位置からの10mm(縫着開始領域)と縫着終了位置までの10mm(縫着終了領域)の送り量を0.75mmに変更した以外は、実施例7と同様の方法で圧排体を作製した。本比較例においては、初期の前記千鳥縫いからの造影糸のはみ出しが1mm以下であることが目視で確認できたが、縫着開始領域と縫着終了領域での縫製ピッチが大きく、使用時にX線造影糸の端部が千鳥縫いの縫い目の内側からはみ出してしまうおそれがあった。
以上、実施の形態の具体例として圧排体をあげて本発明を説明したが、本発明の手術用パッド材は、これらの具体例で記載されたもののみに限定されるものではなく、種々の態様が可能である。
10 圧排体(手術用パッド材)
1 圧排体本体(パッド材本体、吸液膨張性材料)
2 造影糸
3 固定糸
4A 縫着開始位置
4B 縫着終了位置
5A 縫着開始領域
5B 縫着終了領域

Claims (5)

  1. パッド材本体とX線造影糸とを含み、
    前記X線造影糸は、固定糸によって前記パッド材本体の表面に固定されており、
    前記固定糸は、千鳥縫いで前記パッド材本体に縫着されており、
    前記固定糸の縫着開始領域および縫着終了領域において、前記千鳥縫いの送り量は、0.25mm以上0.75mm未満の範囲内にあり、
    前記固定糸を前記パッド材本体に縫着する際に、前記X線造影糸は、前記固定糸を千鳥縫いする針が刺さらないように配設され、
    それによって、前記X線造影糸は、前記固定糸による前記千鳥縫いの縫い目のジグザグ部分で押さえる状態とされており、かつ前記千鳥縫いからの前記X線造影糸の切断端部のはみ出しが1mm以下となるように配設されていることを特徴とする手術用パッド材。
  2. 前記手術用パッド材は、吸液膨張性材料で構成された手術用の圧排体であり、前記吸液膨張性材料を乾燥圧縮することによって形成されたパッド材本体とX線造影糸とを含むことを特徴とする、請求項1記載の手術用パッド材。
  3. 前記X線造影糸は、伸度が30〜900%の範囲内にある、請求項1または2記載の手術用パッド材。
  4. 前記固定糸は、手術用縫合糸である、請求項1から3のいずれか一項に記載の手術用パッド材。
  5. 前記パッド材本体は、セルローススポンジである、請求項1から4のいずれか一項に記載の手術用パッド材。
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