JP6632435B2 - 体内埋め込み型医療装置用の給電装置及び体内埋め込み型医療装置 - Google Patents

体内埋め込み型医療装置用の給電装置及び体内埋め込み型医療装置 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、ペースメーカー等の体内埋め込み型医療装置に給電するための、体内埋め込み型医療装置用の給電装置、及び、体内埋め込み型医療装置に関する。
従来から、疾患治療のために体内に医療装置を埋め込むことが行われている。例えば、不整脈の治療のために、心臓のペースメーカーを体内に埋め込むことがある。このようなペースメーカーは、一般的に制御装置を駆動する電池を内蔵しており、制御装置により制御される電気パルスを、リード線を介して心筋に伝達する構造となっているが、電池が消耗した場合には交換する必要があった。この際には体内からペースメーカーを取出して、電池交換をしなければならず、患者に大きな負担となる。そのため、充電可能な二次電池を内蔵し、ペースメーカーを体内に埋め込んだまま、体外から二次電池に充電可能とした構造が開発されている。
例えば、下記特許文献1には、磁石を固着した大ギアと、大ギアに歯合する小ギアを有する発電機と、整流回路と、電力を充電する二次電源とを内包した、ペースメーカー等に応用可能な生体内電子機器が記載されている。また、体外には、交流電源に接続されたコイルを有する磁界発生装置が配置されており、該磁界発生装置により生じた回転磁界が、生体内電子機器の磁石に同期して大ギヤを回転させると共に、小ギヤを回転させて発電機により発電し、その電力が整流回路を介して二次電源に充電される。
上記生体内電子機器は、その内部に大小のギヤからなる機械的な発電構造が配置されているが、体外から電磁誘導により電力を供給するワイヤレス給電法を用いた構造もある。このような構造として、下記特許文献2には、内部にワイヤループが配置されると共に、充電可能な内部バッテリを有するペースメーカーが記載されている。また、体外から電力を充電する充電器は、中空のディスク状カプセルを有しており、同カプセルの内壁を回るように、複数のワイヤループが延在されている。なお、引用文献2の図1を参照すると、充電器内のワイヤループは、ペースメーカー内の制御装置やリード線の外周側に配置されるように、大きく巻回されている。そして、ペースメーカーが配置された体表面に充電器を接触させて、交流電流を印加すると、充電器のワイヤループから磁束が生じて、ペースメーカー内のワイヤループに電流が誘導され、ペースメーカー内の内部バッテリが充電される。
特許第3743152号公報 特表2009−529975号公報
上記特許文献1の場合、生体内電子機器内の発電機を十分に発電すべく、体外に配置される磁界発生装置のコイルからの磁界を大きくすると、ペースメーカーに用いられる制御装置やリード線等に、誤作動等の悪影響を与えるおそれがあった。更に生体内電子機器内には、大小のギヤからなる機械的な発電構造が配置されているため、機器のコンパクト化を図りにくい。
一方、上記特許文献2の場合、充電器内のワイヤループは、ペースメーカー内の制御装置やリード線の外周側に配置されているので、充電器のワイヤループからの磁束が、ペースメーカー内のワイヤループのみならず、制御装置やリード線にも伝わり、それらの誤作動等のおそれがある。
したがって、本発明の目的は、給電コイルからの磁束の幅を狭めて、体内に埋め込まれる医療装置本体の受電コイル以外の部分に、磁気による影響を及ぼしにくくすることができる、体内埋め込み型医療用装置用の給電装置及び体内埋め込み型医療装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一つは、体内に埋め込まれる医療装置本体に電力を給電するための、体内埋め込み型医療装置用の給電装置であって、前記医療装置本体に設けられた受電コイルに体外から電磁誘導により無線給電する給電コイルを有しており、前記給電コイルは、導線がヘリカル巻されて筒状に形成された筒状コイルと、磁性材料からなると共に、前記筒状コイルの外周を囲むように配置された環状のリング部材とを有することを特徴とする。
本発明に係る埋め込み型医療装置用の給電装置においては、前記給電コイルは、筒状をなすコイルケースに収容されており、前記コイルケースは、その外部から軸方向端面を見たときに、前記筒状コイルの内側を通して、体表面上に設けたマーカーを視認可能となるように構成されていることが好ましい。
本発明に係る埋め込み型医療装置用の給電装置においては、前記コイルケースの少なくとも一端面が透明部材で構成され、及び/又は、前記コイルケースの前記筒状コイルの軸心に整合する部分が貫通空間となっていることが好ましい。
本発明のもう一つは、体内埋め込み型医療装置であって、体内に埋め込まれる医療装置本体と、前記医療装置本体に体外から給電を行う給電装置とを備え、前記医療装置本体は、受電コイルと、該受電コイルによって発生する電力を蓄える二次電池と、該二次電池によって駆動される駆動装置とを有し、前記給電装置は、前記受電コイルに電磁誘導により無線給電する給電コイルを有しており、前記給電コイルは、導線がヘリカル巻されて筒状に形成された筒状コイルと、磁性材料からなると共に、前記筒状コイルの外周を囲むように配置された環状のリング部材とを有することを特徴とする。
本発明に係る体内埋め込み型医療装置においては、前記医療装置本体の、前記二次電池及び前記駆動装置は、磁気を遮断するシールドケースに収容されており、前記受電コイルは、前記シールドケースの外側において、同シールドケースとの間に電気絶縁体を介在させて、前記医療装置本体と一体に構成されていることが好ましい。
本発明に係る体内埋め込み型医療装置においては、前記医療装置本体は、Ti又はTi合金からなる本体ケースを有し、該本体ケースの内側に前記シールドケースが配置されており、前記受電コイルは、前記シールドケースに収容されずに、前記本体ケースに収容されていることが好ましい。
本発明によれば、給電装置を構成する給電コイルは、導線がヘリカル巻されて筒状に形成された筒状コイルと、磁性材料からなると共に、筒状コイルの外周を囲むように配置された環状のリング部材とを有するので、給電コイルからの磁束の幅を狭くすることができ、体内に埋め込まれる医療装置の受電コイル以外の部分に、磁気による影響を及ぼしにくくすることができる。
本発明に係る体内埋め込み型医療装置用の給電装置、及び、体内埋め込み型医療装置の、一実施形態を示す断面説明図である。 同給電装置及び医療装置の概略構成を示すブロック図である。 同医療装置の一部断面説明図である。 同医療装置の使用方法の一例を示しており、人体の正面側から見た場合の説明図である。 同医療装置の使用方法の一例を示しており、人体の平面側(頭頂側)から見た場合の説明図である。 同給電装置及び医療装置を構成する受電コイルを示しており、(a)は電気絶縁体ない場合の斜視図、(b)は斜視図である。 同受電コイルを示しており、(a)は断面図、(b)は平面図である。 同給電装置及び医療装置を構成する給電コイルを示しており、(a)は分解斜視図、(b)は斜視図である。 同給電コイルを示しており、(a)は断面図、(b)は平面図である。 同給電コイルの斜視図である。 (a)は本発明における給電コイルの作用説明図、(b)は従来の給電コイルの作用説明図である。 本発明に係る体内埋め込み型医療装置の、他の実施形態を示す一部断面説明図である。 実施例の給電コイル及び比較例の給電コイルに、交流電流を印加した場合における、コイル中心からの距離と磁束密度との関係を示すグラフである。
以下、図1〜11を参照して、本発明に係る体内埋め込み型医療装置用の給電装置、及び、体内埋め込み型医療装置の、一実施形態について説明する。
図1及び図2に示すように、この実施形態における体内埋め込み型医療装置10(以下、単に「医療装置10」という)は、体内に埋め込まれる医療装置本体15と、該医療装置本体15に体外から給電を行う給電装置50とを有している。なお、この実施形態の場合、前記給電装置50が、本発明における体内埋め込み型医療装置用の給電装置をなしている。
また、この実施形態における医療装置10は、心不全等の治療のために、体内に埋め込まれるペースメーカーに適用される。ただし、医療装置10としては、ペースメーカーのみならず、例えば、人工心臓や、人工補助心臓、人工腎臓、その他の人工臓器に適用することができ、体内埋め込み型の医療機器であれば、特に限定はされない。
図1及び図2に示すように、医療装置本体15(以下、「装置本体15」という)は、受電コイル30と、該受電コイル30によって発生する電力を蓄える二次電池40と、該二次電池40によって駆動される駆動装置41とを有している。
また、装置本体15は、Ti又はTi合金なる本体ケース20と、該本体ケース20の内側に配置された、磁気を遮断するシールドケース25とを有している。図3を併せて参照すると、この実施形態における本体ケース20は、この実施形態の場合、直線状に延びる隔壁21と、曲面状の周壁22とを有する箱状をなしている。
更に図1及び図3に示すように、この実施形態におけるシールドケース25は、一側部が開口した箱状をなしており、その内部に、二次電池40や、各種回路部品43が実装された基板42を有する駆動装置41が収容されている。
上記シールドケース25は、透磁率の高い材料、例えば、Feや、フェライト、Fe−Si−B系のアモルファス金属、ミューメタル、Fe−Ni系合金(パーマロイ)、Fe−Co系合金、ケイ素鋼、フェライト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼等を用いることができる。また、シールドケース25が、金属材料で形成されている場合には、導電率も高い材料であることが好ましい。
透磁率の高い材料でシールドケース25が形成されると、シールドケース25を磁気が通過しやすくなるため、後述する給電装置50の給電コイル55や受電コイル30からの磁気が、シールドケース25に引き寄せられるように通過して(図1の磁束線B1,B2参照)、二次電池40や駆動装置41への磁気の影響を抑制可能となっている(この効果については、後述の作用効果の説明において詳述する)。
なお、上記シールドケース25においては、受電コイル30の導線32の端部を、駆動装置41の基板42と接続させるために、一側部が開口しており、この開口した一側部を、受電コイル30に隣接させて配置されている(図1参照)。ただし、図1及び図3に示すように、シールドケース25の開口した一側部に、シールドケース25と同様の上記材料からなり、受電コイル30の導線32の端部を挿通可能な挿通孔を設けた、シールド板26を介在させてもよい。また、シールドケースの受電コイル側の一側部に、導線挿通用の挿通孔を設けて閉塞した形状とし、シールドケースの他側部を開口させた形状としてもよく、シールドケース25の形状に特に限定はない。
更に図3に示すように、前記本体ケース20の、前記隔壁21に隣接した位置には、リード接続部27が連設されている。このリード接続部27の内部には、後述するリード48,49を接続するための一対のコネクター28,28が並列して配置されている。なお、リード接続部27は透明樹脂で形成されており、一対のコネクター28,28を外部から視認可能となっている。
なお、上記本体ケースやシールドケースの形状や構造は一例であり、特に限定されない。例えば、リード接続部を本体ケースに一体的に形成して、本体ケース内に、コネクターを配置して、リードを接続するようにしてもよい。また、本体ケースの壁部を、例えば、Tiやそれ以外の金属からなる多層構造等としてもよい(この実施形態については後述する)。
一方、図6及び図7に示すように、この実施形態における受電コイル30は、円筒状をなした芯体31と、該芯体31の外周に、導線32をヘリカル巻されて円筒状に形成されてなるコイル部材33とを有しており、これらが電気絶縁体35によって覆われた構造をなしている。ここでは図7(a)に示すように、コイル部材33の外側(径方向外側)を電気絶縁体35が覆うと共に、芯体31の内側(径方向内側)にも電気絶縁体35が充填されるようになっており、受電コイル30全体が電気絶縁体35に埋設されたような構造となっている。また、電気絶縁体35の外周は、円柱形状をなしている。
そして、図1及び図3に示すように、この実施形態における受電コイル30は、シールドケース25には収容されずに、本体ケース20に収容されており、かつ、シールドケース25の外側において、同シールドケース25との間に、電気絶縁体35を介在させて、装置本体15と一体となるように、生体適合性を有する接着剤等を介して固着されている。
なお、この実施形態の受電コイル30は、装置本体15と一体化されているが、装置本体15と別体であってもよい。また、上述したように、この実施形態の受電コイル30の内側には、電気絶縁体35が充填されているが、受電コイル30の内側は空隙としてもよい。なお、受電コイル30の内側には、受電コイルによって受電効率を低下させる部材が配置されていないことが好ましい。
更に図6(b)に示すように、前記電気絶縁体35の所定位置には、一対の取出し孔35a,35aが形成されており、該取出し孔35aから導線32の端部が引き出されており、該導線32は、後述する整流及びレギュレータ回路44に接続されている(図2参照)。
また、図7(a)に示すように、この実施形態における導線32は密巻きれると共に、多層巻きされている(ここでは2層巻)。ただし、導線32は隙間をあけてヘリカル巻してもよく、また、一層巻や三層以上の多層巻としてもよく、特に限定はない。また、導線32の線径は、0.05〜0.15mmであることが好ましく、0.08〜0.12mmであることがより好ましい。更に、前記コイル部材33の外径は、4〜15mmであることが好ましく、5〜10mmであることがより好ましい。また、コイル部材33の軸方向長さは、1〜5mmであることが好ましく、2〜3mmであることがより好ましい。
一方、前記芯体31は、外径が2〜13mmであることが好ましく、3〜8mmであることがより好ましい。また、芯体31の厚さは、0.5〜1.5mmであることが好ましく、0.8〜1.2mmであることがより好ましい。また、芯体31の軸方向長さは、1〜5mmであることが好ましく、2〜3mmであることがより好ましい。
また、この実施形態の芯体31は円筒状をなしているが、芯体としては、円筒状のみならず、中実の円柱状や、中空の角筒状、中実の角柱状等であってもよく、特に限定はされない。更に芯体31の材料としては、例えば、フェライトや、Fe、酸化鉄、酸化Cr、Ni、アモルファス、パーマロイ等の強磁性材料を用いることができる。この材料の中でも、比透磁率μ(μ/μ)が、10〜500のものを用いることが好ましく、100〜200のものを用いることがより好ましい。なお、μは透磁率、μは真空の透磁率である。
また、電気絶縁体35は、その外径が5〜15mmであることが好ましく、軸方向長さは2〜5mmであることが好ましい。また、電気絶縁体35の材料としては、例えば、シリコーンゴムや、エポキシ樹脂等を用いることができる。
上記シールドケース25内には、二次電池40や、トランジスタや集積回路、抵抗、コンデンサ等の、各種回路部品43が実装された基板42を有する駆動装置41が配設されている(図1及び図3参照)。図2に示すように、この実施形態における装置本体15は、受電コイル30に接続された整流及びレギュレータ回路44と、該整流及びレギュレータ回路44及び二次電池40に接続された充電回路45と、二次電池40に接続された制御回路46と、該制御回路46に接続された通信回路47とを有している。
前記整流及びレギュレータ回路44は、整流回路とレギュレータ回路とを併せ持つものであって、受電コイル30により受電した交流電流を、所定の直流電圧に変換して、該直流電圧を充電回路45に供給する。また、充電回路45は、整流及びレギュレータ回路44から供給された直流電圧を適宜制御して二次電池40に充電する。
一方、前記制御回路46は、二次電池40に接続されると共に、前記一対のコネクター28,28を介して、リード48,49に接続されている。各リード48,49は、その先端が図示しない電極を介して、心臓5の心房や心室に接続されている。そして、心臓5の心房や心室の心電が、リード48,49やコネクター28を介して制御回路46に入力され(センシング)、該心電データに基づいて、制御回路46が心臓5に不整脈等があるかどうかを判断し、不整脈等があった場合には、制御回路46から電気信号を発信して、該電気信号を、コネクター28を介してリード48,49に伝達することで、心臓5の心房や心室が電気刺激される(ペーシング)。
また、制御回路46に接続された通信回路47は、アンテナ47aに接続されており、制御回路46に入力された心電データや、センシングデータ、ペーシングデータ、或いは、二次電池40の充電情報等を、アンテナ47aを介して外部モニター等の外部機器に送信したり、又は、外部から、制御回路46や二次電池40等の制御信号を受信する。
上記のうち、制御回路46や通信回路47、リード48,49が、本発明における「駆動装置」を構成している。なお、この実施形態の医療装置10では、ペースメーカーとしても用いられるため、心臓に電気信号を伝達するリード48,49が必要となっているが、医療装置を、他の人工臓器等に用いる場合には、例えば、医療用チューブや、ポンプ、ポンプで駆動されるモーター、フィルター、センサー等を、駆動装置の構成部材としてもよい。なお、リード48,49は、上述したシールドケース25内には配置されておらず、その基端部が装置本体15のリード接続部27のコネクター28,28に接続されている。すなわち、本発明において、駆動装置が「シールドケースに収容され」とは、必ずしも駆動装置の全部がシールドケースに収容されている態様のみならず、駆動装置の一部がシールドケースに収容されている態様も含むことを意味する。
なお、以上説明した、装置本体15を構成する、整流及びレギュレータ回路44、充電回路45、制御回路46、通信回路47等は、あくまでも一例であり、その他の回路を配置しても勿論よい。
また、図4に示すように、体内に埋め込まれた装置本体15を、人体の正面側から見た場合には、装置本体15にコネクター28を介して接続されたリード48,49は、コネクター28から延びる部分が、装置本体15の外周を回り込むように屈曲した後、装置本体15を通過すると共に、静脈7内に挿入されて心臓5の心房や心室に接続される。このように装置本体15を人体正面側から見た場合には、リード48,49が受電コイル30に近接するように見えるが(図4参照)、実際にはリード48,49は受電コイル30に近接しない位置となっている。すなわち、図5に示すように、人体を平面方向から見たときに(頭頂方向から見たときに)、リード48,49は、装置本体15の背面側において、装置本体15から次第に離れるように、緩やかな山型状をなすように湾曲して、静脈7に挿入されるようになっているので、リード48,49が受電コイル30から離反した位置となり、リード48,49が給電装置50の給電コイル55や受電コイル30からの磁界による影響を受けないようになっている。
ところで、電池交換式のペースメーカーにおいては、一般的にヨウ化リチウム電池等の全固体一次電池が用いられているが、この実施形態における前記二次電池40としては、例えば、固体電解質に、リン酸リチウム、ガラスセラミックス(Li11)等を用いた全固体二次電池を用いることが好ましい。なお、全固体二次電池は、単位面積あたりの電池容量が全固体一次電池に比べて、各段に大きくなると言われている。仮に、全固体一次電池と全固体二次電池の性能が同じであるとしても、10年間使用可能な全固体一次電池に対して、1年に1回の充電で全固体二次電池を使用しようとすると、全固体二次電池の大きさは、全固体一次電池に比べて1/10の寸法にできる。もし、全固体二次電池の性能が、全固体一次電池の2倍であれば、その寸法を1/20にすることができる。
また、二次電池40としては、電圧が3.0〜3.5Vで、容量が120mAh以上であることが好ましい。
次に、本発明における体内埋め込み型医療装置用の給電装置について説明する。図1に示すように、この実施形態における体内埋め込み型医療装置用の給電装置50(以下、単に「給電装置50」という)は、上記装置本体15に設けられた受電コイル30に体外から電磁誘導により無線給電する給電コイル55を有している。
図8〜10に示すように、この給電コイル55は、導線61がヘリカル巻されて筒状に形成された筒状コイル60と、磁性材料からなると共に、筒状コイル60の外周を囲むように配置された環状のリング部材70とを有している。
この実施形態における導線61は、所定隙間をあけてヘリカル巻されて、円筒状をなした筒状コイル60を形成しているが、密巻きしても勿論よい。なお、導線61の線径は、0.1〜1.0mmであることが好ましく、0.2〜0.5mmであることがより好ましい。また、筒状コイル60の外径は、10〜50mmであることが好ましく、20〜30mmであることがより好ましい。更に、筒状コイル60の軸方向長さは、10〜50mmであることが好ましく、20〜30mmであることがより好ましい。また、筒状コイル60の、隣接する導線61,61どうしの隙間は、0.05〜0.5mmであることが好ましく、0.1〜0.2mmであることがより好ましい。
一方、前記リング部材70は、この実施形態の場合、所定長さで伸びる円環状をなしているが、角形状をなした環状であってもよく、筒状コイル60の外周全部を囲むことが可能であればよい。
そして、筒状コイル60の外周に磁性材料からなるリング部材70を配置することで、図11(b)に示すリング部材なしのものと比べて、図11(a)に示すように、給電コイル55の磁束密度Bがほぼ変わらないにも関わらず、磁束の幅Wが狭くなるという効果が得られる(なお、この効果については、後述の作用効果の説明において詳述する)。
また、この実施形態では、図9(a)に示すように、リング部材70の軸方向先端と、前記筒状コイル60の軸方向先端とがほぼ一致するように、筒状コイル60の外周にリング部材70が配置されている。ただし、筒状コイル60の先端よりも、リング部材70の先端の方が出っ張って配置されていてもよく、特に限定はされない。
更に、この実施形態では、リング部材70の内側に配置された筒状コイル60の導線61の両端部が、リング部材70の軸心に直交するように、リング部材70の軸方向他端側から外径方向に向けて引き出されている(図9(a)参照)。ただし、筒状コイル60の導線61の両端部は、リング部材70の軸方向に沿って引き出すようにしてもよく、特に限定はされない。
また、リング部材70は、外径が20〜60mmであることが好ましく、25〜35mmであることがより好ましい。更に、リング部材70の厚さは、0.5〜10mmであることが好ましく、1〜5mmであることがより好ましい。また、リング部材70の軸方向長さは、10〜50mmであることが好ましく、20〜30mmであることがより好ましく、筒状コイル60の全長をカバーできる長さであることが好ましい。この実施形態では、リング部材70の長さが筒状コイル60の長さとほぼ同じで、筒状コイル全体をカバー可能となっているが(図9(a)参照)、リング部材70を筒状コイル60よりも長くしたり短くしたりしてもよい。
また、この実施形態のリング部材70は、その内周が筒状コイル60の外周に当接する寸法とされているが、リング部材70の内周と、筒状コイル60の外周との間に、所定隙間を設けてもよい。この場合の隙間としては、0.5〜3mmであることが好ましく、1〜2mmであることがより好ましい。
上記リング部材70は磁性材料からなるが、例えば、Feや、酸化鉄、フェライトや、酸化Cr、Ni、アモルファス、パーマロイ等の強磁性材料を用いることができる。この材料の中でも、比透磁率μ(μ/μ)が、50以上のものを用いることが好ましく、100〜5000のものを用いることがより好ましく、100〜500のものを用いることが最も好ましい。なお、μは透磁率、μは真空の透磁率である。リング部材70の比透磁率μが50未満では、上述した給電コイル55の磁束分布の幅狭効果を得にくくなり、5000を超えると、磁束を幅狭にする効果が飽和するので、好ましくない。
また、図9(a)に示すように、リング部材70及び筒状コイル60を有する給電コイル55は、筒状をなすコイルケース80に収容されており、該コイルケース80は、その外部から軸方向端面を見たときに、筒状コイル60の内側を通して、体表面2(皮膚の表面)上に設けたマーカー3(図1参照)を視認可能となるように構成されている。
この実施形態のコイルケース80は略円筒状をなし、その軸心が筒状コイル60やリング部材70の軸心と整合するように同軸状に配置されており、リング部材70の外側(径方向外側)及び筒状コイル60の内側(径方向内側)をカバーするように、給電コイル55を収容している。また、コイルケース80は、筒状コイル60の軸心に整合する部分が貫通空間81をなしており、コイルケース80の軸方向基端側から、貫通空間81を通して、体表面上のマーカー3を視認可能となっている(図9(a)参照)。
更に、コイルケース80の軸方向先端側(体表面2に当接する端部側)の外周には、R状に出っ張った外周端部83が形成されており、給電コイル55を患者の体表面2に当接したときに、患者の体表面に安定して配置できるようになっている。また、コイルケース80は、その少なくとも一端面が透明部材85で閉塞されていてもよい。この実施形態では、コイルケース80の軸方向先端側の内周に、前記貫通空間81の先端側開口を閉塞する透明部材85が取付けられており、コイルケース80の軸方向基端側から、透明部材85を通して、体表面2上のマーカー3を視認可能となっている(図9(a)参照)。なお、この透明部材85は、コイルケース80の軸方向基端側開口を閉塞するように取付けてもよい。
更に、この実施形態の場合、透明部材85の、筒状コイル60の軸心に整合する中央位置には、体表面2上のマーカー3との位置合わせ用の、マーカー86が設けられている。この実施形態におけるマーカー86は、円形状をなしているが(図9(b)参照)、例えば、×印等であってもよく、特に限定はされない。
更に、コイルケース80の軸方向基端側には、外部に連通する取出し孔80aが形成されている(図9(a)参照)。この取出し孔80aから、筒状コイル60の導線61の端部がケース外部に引き出され、インバータ回路87を介して電源88に接続されている(図2参照)。なお、電源88から供給される電流は、インバータ回路87によって所定の電圧及び周波数の交流電流に変換されて、筒状コイル60へと供給されるようになっている。
また、コイルケース80の外径(外周端部83を除く筒状部外径)は、25〜65mmであることが好ましく、30〜50mmであることがより好ましい。更に、コイルケース80の内径は、20〜60mmであることが好ましく(リング部材70の外径20〜60mmと同じであることが好ましい)、30〜40mmであることがより好ましい。また、コイルケース80の軸方向長さは、10〜50mmであることが好ましく、20〜40mmであることがより好ましい。
上記のコイルケース80の材料としては、例えば、シリコーンゴムや、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ナイロン等の絶縁材料で透明な樹脂を用いることができる。
次に、上記構成からなる医療装置10及び給電装置50の作用効果について説明する。
この実施形態の医療装置10を構成する装置本体15は、体内に埋め込まれてペースメーカーとして用いられるものであって、そのリード接続部27に接続されたリード48,49が、静脈7を通して心臓5の心房や心室に接続される(図4参照)。また、装置本体15が埋め込まれたときに、受電コイル30が配置された箇所には、受電コイル30の位置が把握できるように、体表面2上にマーカー3を付しておく(図1参照)。
そして、図2に示すように、心臓5の心房や心室の心電が、リード48,49やコネクター28を介して制御回路46に入力されて(センシング)、心臓5に不整脈等があるかどうかが判断され、不整脈等があった場合には、制御回路46から電気信号を発信し、該電気信号がコネクター28を介してリード48,49に伝達されて、心臓5の心房や心室が電気刺激されて(ペーシング)、心臓5の不整脈等が是正される。
その後、装置本体15の動作によって、二次電池40が消耗した場合には、給電装置50により充電する。この際には、図1に示すように、給電装置50のコイルケース80の軸中心を、体表面2上に設けたマーカー3に整合させて、給電装置50の一端部を体表面2上に当接させる。この状態では、装置本体15側の受電コイル30と、給電装置50側の給電コイル55とが、軸心どうしがほぼ一致した状態でもって、体表面2を介して間接的に対向配置される。
このとき、この実施形態においては、図9(a)に示すように、給電装置50を構成するコイルケース80は、その外部から軸方向端面を見たときに、筒状コイル60の内側を通して、体表面2上に設けたマーカー3を視認可能となるように構成されているので、コイルケース80の軸中心を、体表面2上のマーカー3に位置合わせしやすくなり、正確かつスムーズに給電装置50の一端部を体表面2上の所定位置に当接させることができる。
更にこの実施形態においては、コイルケース80の少なくとも一端面が透明部材85で構成されていると共に、コイルケース80の、筒状コイル60の軸心に整合する部分が貫通空間81となっているので、コイルケース80の外部から軸方向端面を見たときの、体表面2上のマーカー3の視認性を高めることができ、マーカー3に対するコイルケース80の位置合わせの精度を、より向上させることができる。
また、この実施形態においては、図9や図10に示すように、透明部材85の中央位置に、体表面2上のマーカー3との位置合わせ用の、マーカー86が設けられているので、体表面2上のマーカー3に対して、透明部材85の中央位置をしっかりと位置合わせすることができる。
上記のように、給電装置50のコイルケース80の軸中心を、体表面2上のマーカー3に位置合わせして、給電装置50の一端部を体表面2に当接させ、装置本体15側の受電コイル30と給電装置50側の給電コイル55とを対向して配置させる(図1参照)。その後、給電装置50側の電源88をONにすることで、インバータ回路87を介して変換された交流電流が、給電装置50の筒状コイル60の導線61に供給される。
すると、給電装置50側の給電コイル55に磁界が発生して、その磁束が、図1に示すように、装置本体15側の受電コイル30へと電磁誘導されて無線給電される。そして、受電コイル30が受電した交流電流が、整流及びレギュレータ回路44へ供給され、同整流及びレギュレータ回路44によって、所定の直流電圧に変換されて充電回路45へ供給されるので、該充電回路45を通じて二次電池40を充電することができる(図2参照)。
そして、この給電装置50及び医療装置10においては、給電コイル55は、筒状コイル60の外周を囲むように、磁性材料からなる環状のリング部材70が配置された構造となっているので、給電コイル55の端面から流出する磁束の幅W(図11(a)参照)を狭くすることができる。
すなわち、図11(b)には、ヘリカル巻した筒状コイル60の外周に、リング部材70が配置されていない給電コイル55Aが示されている。これに対して、図11(a)に示すように、筒状コイル60の外周を囲むように環状のリング部材70を配置した給電コイル55は、その磁束密度Bが、給電コイル55Aの磁束密度Bとほぼ変わらないにも関わらず、磁束の幅Wが、給電コイル55Aの磁束の幅Wよりも狭くすることができる。これは、給電コイル55の外側に配置されたリング部材70によって、給電コイル55から生じる磁気が、磁性材料からなり比透磁率μが高いリング部材70へと導かれやすくなって、同リング部材70を通過するような傾向になるため、磁束の広がりが抑制されるからだと考えられる。
このように、この給電装置50や医療装置10においては、前記給電コイル55は、筒状コイル60の外周を囲むように、磁性材料からなる環状のリング部材70が配置されているので、給電コイル55の磁束の幅Wを狭くすることができ、体内に埋め込まれる装置本体15に対して、受電コイル30以外の部分、例えば、駆動装置41の回路部品43やリード48,49に、磁気による影響を及ぼしにくくすることができる。
また、この医療装置10においては、受電コイル30を有しており、この受電コイル30を利用して、給電装置50によって体外から給電を行う構造となっている。すなわち、医療装置10は、上記特許文献1の生体内電子機器のように、内部に大小のギヤからなる機械的な発電構造を有する構造に比べて、機械的な構造を必要とせずに二次電池40を充電することができるので、医療装置10のコンパクト化を図ることができ、患者の負担軽減を図ることができる。
更に、この実施形態における医療装置10では、装置本体15の、二次電池40及び駆動装置41は、磁気を遮断するシールドケース25に収容されており、受電コイル30は、シールドケース25の外側において、同シールドケース25との間に電気絶縁体35を介在させて、装置本体15と一体に構成されている。
この場合、給電装置50によって、受電コイル30を介して無線給電する際に、給電コイル55からの磁束が、シールドケース25の壁部に引き寄せられるように通過する。ここでは、図1に示すように、給電コイル55から二次電池40や駆動装置41側へ向かう磁束(図1中、給電コイル55の左側の磁束)であって、給電コイル55の軸心から離れた磁束B1は、シールドケース25の、体表面2側に配置された壁部25aに引き寄せられて通過し、給電コイル55の軸心寄りの磁束B2は、シールドケース25の、体表面2とは離れた位置の壁部25bに引き寄せられて通過することとなる。
このように、給電コイル55からの磁束が、シールドケース25の壁部に引き寄せられるように通過するので、二次電池40や駆動装置41の各種回路部品43等への磁気による影響を抑制することができる。
また、受電コイル30は、シールドケース25の外側において、同シールドケース25との間に電気絶縁体35を介在させて、装置本体15と一体に構成されているので、医療装置10をよりコンパクト化することができ、また、医療装置10を体内に埋め込むときにも、比較的容易に埋め込むことが可能となる。
更にこの実施形態の医療装置10においては、装置本体15は、Ti又はTi合金からなる本体ケース20を有し、該本体ケース20の内側にシールドケース25が配置されており、受電コイル30は、シールドケース25に収容されずに、本体ケース20に収容された構造をなしている。これによれば、生体適合性の高いTi又はTi合金からなる本体ケース20内に、受電コイル30が収容されているので、コンパクトで、取扱いやすく埋め込み作業性のよい、体内埋め込み型の医療装置10を得ることができる。
図12には、本発明に係る体内埋め込み型医療装置の、他の実施形態について説明する。
この実施形態における体内埋め込み型医療装置10A(以下、単に「医療装置10A」という)は、本体ケース20Aの構造が前記実施形態と異なっている。
すなわち、この実施形態における本体ケース20Aは、その壁部が、外層23aと、この外層23aの内側に配置された内層23bとを有する二層構造をなしている。前記外層23aは、Ti又はTi合金で形成されている。一方、内層23bは、Tiよりも電気抵抗が低い金属、例えば、Cu、Al、Ni、Fe、Znや、それらの合金を用いることができる。その結果、本体ケース20内への磁束磁気の侵入を遮断可能となっている。なお、Fe合金の中でも、ステンレスは電気抵抗がTiよりも大きいので好ましくない。また、外層23aの内側に、上記のCu、Al、Ni、Fe、Zn等の金属からなるメッキを施してもよい。
また、図12に示すように、前記本体ケース20Aの周壁22の、前記隔壁21に対向する位置には、略円弧状をなした凹部24が形成されている。この凹部24に、受電コイル30の電気絶縁体35が嵌合して、受電コイル30が、本体ケース20Aの外側において、本体ケース20Aとの間に、電気絶縁体35を介在させて、本体ケース20と一体となるように構成されている。前記凹部24の位置や形状等は一例であり、特に限定はされないが、コネクター28に接続されるリード48,49とはなるべく離れた位置であることが好ましい。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で、各種の変形実施形態が可能であり、そのような実施形態も本発明の範囲に含まれる。
図1や図3と同様の構造をなした給電装置及び体内埋め込み型医療装置を製造した。
(体内埋め込み型医療装置の製造)
受電コイル30を構成する芯体31は、フェライトで形成されており、外径が7mm、厚さが0.2mm、軸方向長さは5mmである。また、コイル部材33は、線径0.08mmの導線32を2層で100回巻回して形成されたものであって、その外径は7.16m(内径は7mm)、軸方向長さは5mmである。更に、電気絶縁体35は、シリコーン樹脂で形成されており、その外径は10mm、軸方向長さは6mmである。
また、装置本体15を構成するシールドケース25は、フェライトで形成されており、本体ケース20はTiで形成されている。更に、二次電池40は、電圧が3.2V、容量が150mAhの全固体二次電池である。
(給電装置の、実施例の製造)
給電コイル55を構成する筒状コイル60は、線径0.8mmの導線61を、0.2mmの隙間をあけてヘリカル巻してなるものであって、その外径は30mm、軸方向長さは30mmである。また、その外周に配置されるリング部材70は、比透磁率μが5000のFeで形成されたものであって、外径は48mm、厚さは2.5mm、軸方向長さは30mmである。更に、コイルケース80は、ポリカーボネートで形成されており、その外径は50mm、軸方向長さは40mmである。
(給電装置の、比較例の製造)
給電装置の比較例として、前記実施例の給電装置に対して、リング部材70がない以外は同様の構造、すなわち、図11(b)に示す給電コイル55Aを有する、比較例の給電装置を製造した。
(磁束密度の比較実験)
上記の実施例の給電装置、及び、比較例の給電装置について、1Aの交流電流を印加して、コイル中心からの距離に対する磁束密度の変化を測定した。その結果が図13に示されている。
同図13に示すように、実施例の給電装置、及び、比較例の給電装置は、両者ともに、コイル中心からコイル端(15mm)をやや超えた位置までは(約18mm)、ほぼ同じ磁束密度であり、かつ、その磁束密度の変化(波形)もほぼ同じ傾向となっている。しかし、コイル中心から約18mmを超えたあたりから磁束密度に差異が生じ、リング部材なしの比較例の給電装置よりも、リング部材ありの実施例の給電装置の方が、磁束密度が低下している。このことから、実施例の給電装置の方が、比較例の給電装置よりも、コイル中心から離れた位置では、磁束の幅が狭くなることが分かる。したがって、装置本体15の駆動装置41の回路部品43等に、磁気による影響を及ぼしにくくすることができることが把握できた。
また、実施例の給電装置によって、装置本体15の二次電池40を充電することが確認できた。なお、この実施例の二次電池40のように、例えば、電圧が3.2V、容量が150mAhの全固体二次電池を用いた場合において、0.4W、200mAで充電した際には、おおむね45分で充電することが可能となる。
2 体表面
3 マーカー
10,10A 体内埋め込み型医療装置(医療装置)
15 医療装置本体(装置本体)
20,20A 本体ケース
25 シールドケース
30 受電コイル
31 芯体
32 導線
33 コイル部材
35 電気絶縁体
40 二次電池
41 駆動装置
48,49 リード
50 体内埋め込み型医療装置用の給電装置(給電装置)
55,55A 給電コイル
60 筒状コイル
61 導線
70 リング部材
80 コイルケース
81 貫通空間
85 透明部材

Claims (3)

  1. 体内に埋め込まれる医療装置本体に電力を給電するための、体内埋め込み型医療装置用の給電装置であって、
    前記医療装置本体に設けられた受電コイルに体外から電磁誘導により無線給電する給電コイルを有しており、
    前記給電コイルは、導線がヘリカル巻されて筒状に形成された筒状コイルと、
    磁性材料からなると共に、前記筒状コイルの外周を囲むように配置された環状のリング部材とを有しており、
    前記給電コイルは、筒状をなすコイルケースに収容されており、
    前記コイルケースは、前記筒状コイルの軸心に整合する貫通空間と、この貫通空間の、軸方向の一端側の開口を閉塞する透明部材とを有しており、前記透明部材には、体表面上に設けたマーカーとの、位置合わせ用のマーカーが設けられており、
    前記コイルケースの外部から軸方向の一端を見たときに、前記貫通空間を通して、前記透明部材の前記位置合わせ用のマーカー、及び、前記体表面上に設けたマーカーを視認可能となるように構成されていることを特徴とする、体内埋め込み型医療装置用の給電装置。
  2. 体内に埋め込まれる医療装置本体と、
    前記医療装置本体に体外から給電を行う給電装置とを備え、
    前記医療装置本体は、受電コイルと、該受電コイルによって発生する電力を蓄える二次電池と、該二次電池によって駆動される駆動装置とを有し、
    前記給電装置は、前記受電コイルに電磁誘導により無線給電する給電コイルを有しており、
    前記給電コイルは、導線がヘリカル巻されて筒状に形成された筒状コイルと、
    磁性材料からなると共に、前記筒状コイルの外周を囲むように配置された環状のリング部材とを有しており、
    前記医療装置本体の、前記二次電池及び前記駆動装置は、磁気を遮断するシールドケースに収容されており、該シールドケースは、一側部が開口した箱状をなしており、
    前記受電コイルは、前記シールドケースの開口した一側部に隣接して配置され、前記シールドケースの外側において、同シールドケースとの間に電気絶縁体を介在させて、前記医療装置本体と一体に構成されていることを特徴とする体内埋め込み型医療装置。
  3. 前記医療装置本体は、Ti又はTi合金からなる本体ケースを有し、該本体ケースの内側に前記シールドケースが配置されており、
    前記受電コイルは、前記シールドケースに収容されずに、前記本体ケースに収容されている、請求項2記載の体内埋め込み型医療装置。
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