JP6630739B2 - 検出装置の異常判定システム、および検出装置の異常判定方法 - Google Patents

検出装置の異常判定システム、および検出装置の異常判定方法 Download PDF

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Description

本発明は、回転軸の回転を検出する検出装置の異常判定システム、検出装置、検出装置の異常判定装置、および検出装置の異常判定方法に関する。
従来より、ロボットが備える回転軸の回転を検出するエンコーダなどの検出装置からの信号に基づきロボットの動作を制御する制御装置が知られている。
たとえば、特許第5271499号公報(特許文献1)には、エンコーダからの信号に基づきロボットの現在位置を検出し、ロボットの現在位置が動作領域の範囲外の位置である場合にロボットの駆動部への電力供給を遮断する制御装置が開示されている。
特許第5271499号公報
特許文献1に開示された制御装置によれば、エンコーダからの信号に基づきロボットの動作を制限することができるが、エンコーダの異常判定を精度良く行なうことについては何ら鑑みられていない。このため、エンコーダの異常判定を精度良く行なうことができず、ロボットが誤作動を引き起こしてしまう虞があった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、検出装置の異常判定を精度良く行なうことができる異常判定システムと、その異常判定システムに含まれる検出装置および異常判定装置と、検出装置の異常判定方法とを提供することである。
本発明は、可動装置が備える少なくとも一の回転軸の回転を検出する検出装置の異常判定システムである。異常判定システムは、検出装置と、検出装置からの信号に基づき検出装置が異常であるか否かを判定する異常判定装置とを備える。検出装置は、インクリメンタルエンコーダ部と、アブソリュートエンコーダ部とを同一筐体内に含む。インクリメンタルエンコーダ部は、回転軸の回転角度の変化分を示すインクリメンタル信号を出力する。アブソリュートエンコーダ部は、回転軸の絶対角度を示すアブソリュート信号を出力する。異常判定装置は、インクリメンタルエンコーダ部からのインクリメンタル信号で示された回転軸の回転角度の変化分に基づき回転軸の絶対角度を算出する。異常判定装置は、インクリメンタル信号から算出した回転軸の絶対角度と、アブソリュートエンコーダ部からのアブソリュート信号で示された回転軸の絶対角度との差が許容範囲外である場合に、検出装置が異常であると判定する。
この異常判定システムによれば、検出装置内のインクリメンタルエンコーダ部からのインクリメンタル信号で示された回転軸の回転角度の変化分に基づき回転軸の絶対角度が算出される。そして、インクリメンタル信号から算出された絶対角度と、検出装置内のアブソリュートエンコーダ部からのアブソリュート信号で示された回転軸の絶対角度との比較によって、検出装置が異常であるか否かが判定される。このように、検出方法の異なる2つの検出部を用いて検出装置の異常判定が行なわれるため、検出装置の異常判定を精度良く行なうことができる。さらに、検出装置内には、インクリメンタルエンコーダ部とアブソリュートエンコーダ部とが同一筐体内に含まれる。このため、検出方法の異なる2つの検出部をコンパクトにまとめて一緒に配置することができ、既設のエンコーダとの入れ替えも容易である。
好ましくは、インクリメンタルエンコーダ部は、パルスを含む差動信号をインクリメンタル信号として出力する。インクリメンタル信号においては、インクリメンタルエンコーダ部と異常判定装置との間の信号経路の異常が発生した場合、差動電圧が生じない。異常判定装置は、第1入出力部と、第2入出力部とを含む。第1入出力部は、インクリメンタルエンコーダ部からのインクリメンタル信号を極性反転することなく受信し、受信したインクリメンタル信号の差動電圧に基づきハイまたはローの信号を出力する。第2入出力部は、インクリメンタルエンコーダ部からのインクリメンタル信号を極性反転して受信し、受信したインクリメンタル信号の差動電圧に基づきハイまたはローの信号を出力する。異常判定装置は、第1入出力部からの信号と、第2入出力部からの信号とに基づき、信号経路の異常を検出する。
この異常判定システムによれば、インクリメンタルエンコーダ部から出力されるインクリメンタル信号の差動電圧を利用して、インクリメンタルエンコーダ部と異常判定装置との間の信号経路において発生した断線および短絡といった信号経路の異常を検出することができる。
好ましくは、インクリメンタルエンコーダ部は、パルスを含む差動信号をインクリメンタル信号として出力する。インクリメンタルエンコーダ部は、インクリメンタルエンコーダ部において電源異常が発生した場合に、インクリメンタル信号の出力状態をハイインピーダンス状態にすることでインクリメンタル信号の差動電圧を生じさせなくする。異常判定装置は、第1入出力部と、第2入出力部とを含む。第1入出力部は、インクリメンタルエンコーダ部からのインクリメンタル信号を極性反転することなく受信し、受信したインクリメンタル信号の差動電圧に基づきハイまたはローの信号を出力する。第2入出力部は、インクリメンタルエンコーダ部からのインクリメンタル信号を極性反転して受信し、受信したインクリメンタル信号の差動電圧に基づきハイまたはローの信号を出力する。異常判定装置は、第1入出力部からの信号と、第2入出力部からの信号とに基づき、インクリメンタルエンコーダ部で発生した電源異常を検出する。
この異常判定システムによれば、インクリメンタルエンコーダ部から出力されるインクリメンタル信号の差動電圧を利用して、インクリメンタルエンコーダ部において発生した電源異常を検出することができる。
好ましくは、可動装置は、複数の回転軸と、複数の回転軸のうちの少なくとも一の回転軸の回転によって動作するアームとを備える。異常判定装置は、検出装置が異常であると判定した場合、少なくとも一の回転軸が回転した状態でアームが動作する間、回転する少なくとも一の回転軸の中心からアームの先端部が最も遠くなる状態での先端部の移動速度を予測する。異常判定装置は、予測した先端部の移動速度が制限速度を超える場合に可動装置を駆動する駆動装置への電力供給を遮断する。
この異常判定システムによれば、一の回転軸が回転した状態、かつ回転する一の回転軸の中心からアームの先端部が最も遠くなる状態で先端部の移動速度が予測される。このため、先端部の移動速度を正確に予測することができ、また、実際の先端部の移動速度よりも速い移動速度が予測される。さらに、予測された先端部の移動速度が制限速度を超える場合に駆動装置への電力供給が遮断されるため、実際の先端部の移動速度が制限速度を超えることがなく、作業者の安全を確保することができる。
好ましくは、異常判定装置は、検出装置が異常であると判定した場合、二以上の回転軸が回転したときに駆動装置への電力供給を遮断する。
この異常判定システムによれば、検出装置が異常であると判定した場合、二以上の回転軸が回転したときに駆動装置への電力供給が遮断されるため、確実に一の回転軸が回転した状態でアームの先端部の移動速度を予測することができる。
好ましくは、アブソリュートエンコーダ部は、回転軸の回転に伴ない回転するディスクを用いて回転軸の絶対角度を検出する。インクリメンタルエンコーダ部は、アブソリュートエンコーダ部が回転軸の絶対角度の検出時に用いるディスクを用いて回転軸の回転角度の変化分を検出する。
この異常判定システムによれば、アブソリュートエンコーダ用のディスクとインクリメンタルエンコーダ用のディスクとが共通になるため、基板をコンパクトにすることができる。
本発明は、回転軸の回転を検出する検出装置である。検出装置は、インクリメンタルエンコーダ部と、アブソリュートエンコーダ部とを同一筐体内に備える。インクリメンタルエンコーダ部は、回転軸の回転角度の変化分を示すインクリメンタル信号を出力する。アブソリュートエンコーダ部は、回転軸の絶対角度を示すアブソリュート信号を出力する。
この検出装置によれば、インクリメンタルエンコーダ部により検出された回転軸の回転角度の変化分を示すインクリメンタル信号と、アブソリュートエンコーダ部により検出された回転軸の絶対角度を示すアブソリュート信号とを同一筐体から出力することができる。さらに、検出装置内には、インクリメンタルエンコーダ部とアブソリュートエンコーダ部とが同一筐体内に含まれる。このため、検出方法の異なる2つの検出部をコンパクトにまとめて一緒に配置することができ、既設のエンコーダとの入れ替えも容易である。
本発明は、回転軸の回転を検出する検出装置の異常判定装置である。異常判定装置は、算出部と、判定部とを備える。算出部は、検出装置が備えるインクリメンタルエンコーダ部からのインクリメンタル信号で示された回転軸の回転角度の変化分に基づき回転軸の絶対角度を算出する。判定部は、算出部により算出された回転軸の絶対角度と、検出装置が備えるアブソリュートエンコーダ部からのアブソリュート信号で示された回転軸の絶対角度との差が許容範囲外である場合に、検出装置が異常であると判定する。
この異常判定装置によれば、検出装置内のインクリメンタルエンコーダ部からのインクリメンタル信号で示された回転軸の回転角度の変化分に基づき回転軸の絶対角度が算出される。そして、算出された絶対角度と、検出装置内のアブソリュートエンコーダ部からのアブソリュート信号で示された回転軸の絶対角度との比較によって、検出装置が異常であるか否かが判定される。このように、検出方法の異なる2つの検出部を用いて検出装置の異常判定が行なわれるため、検出装置の異常判定を精度良く行なうことができる。
本発明は、回転軸の回転を検出する検出装置の異常判定方法である。異常判定方法は、算出ステップと、判定ステップとを含む。算出ステップは、検出装置が備えるインクリメンタルエンコーダ部からのインクリメンタル信号で示された回転軸の回転角度の変化分に基づき回転軸の絶対角度を算出する。判定ステップは、算出ステップで算出された回転軸の絶対角度と、検出装置が備えるアブソリュートエンコーダ部からのアブソリュート信号で示された回転軸の絶対角度との差が許容範囲外である場合に、検出装置が異常であると判定する。
この異常判定方法によれば、検出装置内のインクリメンタルエンコーダ部からのインクリメンタル信号で示された回転軸の回転角度の変化分に基づき回転軸の絶対角度が算出される。そして、算出された絶対角度と、検出装置内のアブソリュートエンコーダ部からのアブソリュート信号で示された回転軸の絶対角度との比較によって、検出装置が異常であるか否かが判定される。このように、検出方法の異なる2つの検出部を用いて検出装置の異常判定が行なわれるため、検出装置の異常判定を精度良く行なうことができる。
ロボットが動作する工場内のレイアウト構成の一例を示す図である。 上面および側面から見たロボットの機械構成を示す図である。 異常判定システムの全体構成を示す図である。 側面および正面から見たエンコーダディスクを示す図である。 回転軸が正転している場合のA相信号およびB相信号のパルス波形を示すタイミングチャートである。 回転軸が逆転している場合のA相信号およびB相信号のパルス波形を示すタイミングチャートである。 信号入力部の内部構成を説明するための図である。 第1レシーバを示す図である。 第1レシーバの真理値表を示す図である。 異常判定装置が実行するエンコーダ異常判定処理の一例を示すフローチャートである。 O軸のみ回転が許可された状態でのツールの移動速度の算出を説明するための図である。 異常判定装置が実行するエンコーダ異常時処理の一例を示すフローチャートである。 信号入力部の内部構成を説明するための図である。 第1レシーバおよび第2レシーバを示す図である。 第1レシーバおよび第2レシーバの真理値表を示す図である。 異常判定装置が実行する特定異常判定処理の一例を示すフローチャートである。
本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、参照する図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付してその説明は繰り返さない。
[工場内のレイアウト構成およびロボットの動作]
工場内のレイアウト構成およびロボット30の動作について、図1および図3を参照しながら説明する。図1は、ロボット30が動作する工場内のレイアウト構成の一例を示す図である。図3は、異常判定システム1の全体構成を示す図である。
図1に示すように、工場内には、コンベヤ領域が設けられている。コンベヤ領域には、荷物を搬送するコンベヤ26が設置されている。コンベヤ領域の両隣には、第1ステーションおよび第2ステーションが設けられている。第1ステーションには、コンベヤ26で搬送された荷物がロボット30によって積み付けられる第1パレットが設置されている。第2ステーションには、コンベヤ26で搬送された荷物がロボット30によって積み付けられる第2パレットが設置されている。
第1ステーションの付近にはロボット制御装置10が設置されている。ロボット制御装置10は、ロボット30の動作を制御する装置である。ロボット制御装置10は、領域監視機能と、角度監視機能と、エンコーダ確認機能とを有する。
領域監視機能とは、所定の領域内でのみロボット30が動作するようにロボット30の動作を制限する機能である。領域監視機能によれば、ロボット30が動作可能な領域(動作領域とも称する)のうち、監視中の動作領域(監視領域とも称する)の範囲内でロボット30が動作するようにロボット30の動作が制限される。具体的に、領域監視機能によれば、所定周期間隔(たとえば、10msec間隔)ごとに図3に示すサーボアンプ61への電力供給が遮断された場合が想定される。サーボアンプ61は、ロボット30が備える図3に示すモータ71を駆動して回転軸48を回転させる駆動装置であり、電力供給が遮断されると、いわゆるフリーラン状態でモータ71の回転軸48が惰性で回転する。領域監視機能によれば、所定周期間隔ごとにフリーラン状態で回転軸48が回転した後のロボット30の位置が予測され、予測されたロボット30の位置が監視領域内の位置でないと判定された場合、サーボアンプ61への電力供給が遮断される。
動作領域は、パソコン11を用いて作業者によって予め設定することができる。本実施の形態においては、コンベヤ領域に対応する動作領域と、コンベヤ領域および第1ステーションを含む領域に対応する動作領域と、コンベヤ領域および第2ステーションを含む領域に対応する動作領域とが予め設定されている。
たとえば、コンベヤ領域および第1ステーションを含む領域が監視領域となった場合、ロボット制御装置10の領域監視機能によって第1ステーション内でロボット30が動作するようにロボット30の動作が制限される。これにより、ロボット30がコンベヤ領域および第1ステーションを含む領域から外部に逸脱することがないため、作業者はコンベヤ領域および第1ステーションを含む領域の外側で安全に作業を進めることができる。
さらに、領域監視機能によれば、監視領域内に作業者などによる外部からの進入があった場合にも、サーボアンプ61への電力供給が遮断される。
角度監視機能とは、モータ71の回転軸48の回転を監視する機能である。具体的に、角度監視機能によれば、所定周期間隔(たとえば、10msec間隔)ごとに回転軸48の現在の絶対角度が検出される。そして、回転軸48の絶対角度が予め設定された制限範囲内にないと判定された場合、サーボアンプ61への電力供給が遮断される。また、角度監視機能によれば、所定周期間隔ごとにフリーラン状態で回転軸48が回転した後の絶対角度が予測され、予測された絶対角度が予め設定された制限範囲内にないと判定された場合、サーボアンプ61への電力供給が遮断される。なお、回転軸48の絶対角度の検出については後述する。
エンコーダ確認機能とは、ロボット30が認識している回転軸48の絶対角度と、実際の回転軸48の絶対角度とを校正するキャリブレーション機能である。具体的に、エンコーダ確認機能によれば、コンベヤ領域に設けられたエンコーダ確認スイッチ19の近辺にロボット30が存在するときに、図3に示すアブソリュートエンコーダ100によって検出された回転軸48の絶対角度と予めロボット制御装置10に記憶された実際の回転軸48の絶対角度とが比較される。そして、アブソリュートエンコーダ100によって検出された絶対角度と予め記憶された絶対角度との差が許容範囲内であれば、アブソリュートエンコーダ100によって検出された絶対角度は正しい値を示していると判断できる。この場合、図3に示すインクリメンタルエンコーダ200によって検出される回転軸48の回転角度の変化分(回転量,回転方向,相対角度,回転速度とも言える)に基づき算出される絶対角度を、アブソリュートエンコーダ100によって検出される絶対角度で校正する。一方、アブソリュートエンコーダ100によって検出された絶対角度と予め記憶された絶対角度との差が許容範囲外であれば、アブソリュートエンコーダ100によって検出された絶対角度が異常であると判定する。この場合、作業者がパソコン11またはロボット制御装置10に設けられた操作パネルなどを用いてアブソリュートエンコーダ100によって検出される絶対角度を校正する。
なお、後述のエンコーダ異常時処理で説明するように、エンコーダ確認機能は、ロボット30の動力が通電状態においてロボット制御装置10によってエンコーダ確認スイッチ19の近辺にロボット30を移動させて実現してもよいし、ロボット30の動力が非通電状態において作業者が手動でエンコーダ確認スイッチ19の近辺にロボット30を移動させて実現してもよい。また、エンコーダ確認スイッチ19の近辺にロボット30を移動させることなく、その場でパソコン11を用いてインクリメンタルエンコーダ200およびアブソリュートエンコーダ100を校正してもよい。
図1に示すように、ロボット制御装置10には、起動スイッチ12と、積付開始スイッチ13,14と、積付完了ランプ15,16と、領域無効化スイッチ17と、角度無効化スイッチ18とが結線によって接続されている(結線の図示は省略する)。
起動スイッチ12は、作業者がロボット30を起動させる際に操作するスイッチである。起動スイッチ12が操作されると、コンベヤ領域が監視領域となり、コンベヤ領域内でロボット30が起動する。
積付開始スイッチ13,14は、作業者がロボット30を動作させてコンベヤ26で搬送された荷物をパレットに積み付けさせる際に操作するスイッチである。積付開始スイッチ13が操作されると、コンベヤ領域および第1ステーションを含む領域が監視領域となり、コンベヤ領域および第1ステーションを含む領域内において、ロボット30がコンベヤ26で搬送された荷物を第1ステーションの第1パレットに積み付けを開始する。積付開始スイッチ14が操作されると、コンベヤ領域および第2ステーションを含む領域が監視領域となり、コンベヤ領域および第2ステーションを含む領域内において、ロボット30がコンベヤ26で搬送された荷物を第2ステーションの第2パレットに積み付けを開始する。
積付完了ランプ15,16は、ロボット30による積み付け作業が完了したことを点灯または点滅によって作業者に報知するランプである。領域無効化スイッチ17は、作業者がロボット制御装置10の領域監視機能を無効化させる際に操作するスイッチである。角度無効化スイッチ18は、作業者がロボット制御装置10の角度監視機能を無効化させる際に操作するスイッチである。
[ロボットの機械構成]
ロボットの機械構成について図2を参照しながら説明する。図2は、上面および側面から見たロボット30の機械構成を示す図である。なお、図2に示すロボット30の機械構成は一例であり、その他の機械構成を有するロボットであってもよい。
本実施の形態のロボット30は、いわゆる垂直多関節型ロボットであり、設置面に固定された円筒状の設置台40と、設置台40の上面に設けられた本体部35と、本体部35に接続された下アーム33と、下アーム33とともに本体部35に接続された支持アーム41と、支持アーム41に接続されたウェイト34と、下アーム33および支持アーム41に接続された上アーム32と、上アーム32に接続されたリンク43と、リンク43に接続されたツール31と、ツール31の先端に設けられたエンドエフェクタ44とを備えている。なお、図2において、エンドエフェクタ44の形状は簡略化して示されている。
本体部35は、設置台40に取り付けられたモータの回転軸(軸45に沿った回転軸)に接続されている。下アーム33は、本体部35に取り付けられたモータの回転軸(軸38に沿った回転軸)に接続されている。上アーム32は、支持アーム41に取り付けられたモータの回転軸(軸37に沿った回転軸)に接続されている。ツール31は、リンク43に取り付けられたモータの回転軸(軸42に沿った回転軸)に接続されている。なお、各モータおよび回転軸は、後述の図3に示すモータ71および回転軸48にそれぞれ対応する。また、図2においては、各モータおよび回転軸の図示は省略する。
以下では、説明の便宜上、軸45をR軸、軸38をO軸、軸37をD軸、および軸42をT軸と称する。また、下アーム33および上アーム32を単にアームとも称する。
本体部35は、回転軸の回転によってR軸を中心に回転する。本体部35の回転に伴ない、アームおよびエンドエフェクタ44が設置面と平行に移動する。
下アーム33は、回転軸の回転によってO軸を中心に回転する。上アーム32は、回転軸の回転によってD軸を中心に回転する。下アーム33のO軸周りの回転または上アーム32のD軸周りの回転に伴ない、エンドエフェクタ44がR軸に近づいたり遠のいたりする。たとえば、下アーム33および上アーム32が設置面と平行に近づくとR軸とエンドエフェクタ44との距離が次第に長くなり、下アーム33および上アーム32が設置面と垂直に近づくとR軸とエンドエフェクタ44との距離が次第に短くなる。
ウェイト34は、O軸およびD軸に掛かる負荷を軽減する。ウェイト34は、支持アーム41にボルト39で固定されているが、アームの回転に応じて移動する。
ツール31は、リンク43の機構によりフランジ面が常に下面を向いている。また、ツール31は、回転軸の回転によってT軸を中心に回転する。ツール31のT軸周りの回転に伴ない、エンドエフェクタ44が設置面に平行に回転する。
このように、ロボット30は、本体部35、アーム、およびツール31を動かすことによって、エンドエフェクタ44を所望の位置に移動させることができる。そして、エンドエフェクタ44は、搬送された荷物を掴んでパレットに積み付けることができる。
なお、ロボット30は、「可動装置」の一実施形態に対応する。回転軸48は、「回転軸」の一実施形態に対応する。下アーム33および上アーム32は、「アーム」の一実施形態に対応する。ツール31は、「先端部」の一実施形態に対応する。
[エンコーダ異常判定処理]
上記で説明したロボット30の各軸においては、後述の検出装置300が備えるアブソリュートエンコーダ100によって回転軸48の絶対角度が検出される。ロボット制御装置10は、アブソリュートエンコーダ100によって検出された回転軸48の絶対角度に基づきサーボアンプ61を制御してロボット30を動作させる。また、ロボット制御装置10は、アブソリュートエンコーダ100によって検出された回転軸48の絶対角度に基づき領域監視機能および角度監視機能を実現する。
ここで、アブソリュートエンコーダ100によって検出された回転軸48の絶対角度が実際の回転軸48の絶対角度と異なるといった異常(エンコーダ異常とも称する)が発生した場合、ロボット制御装置10が実際とは異なった検出値に基づきロボット30を制御することになり、ロボット30が誤作動を引き起こしてしまう虞がある。
そこで、本実施の形態においては、検出装置300内に、回転軸48の回転を検出する手段として、アブソリュートエンコーダ100の他にインクリメンタルエンコーダ200を追加した。そして、アブソリュートエンコーダ100およびインクリメンタルエンコーダ200といった検出方法の異なる2つの検出部を用いて検出装置300のエンコーダ異常の判定が行なわれる。すなわち、アブソリュートエンコーダ100によって検出された回転軸48の絶対角度と、インクリメンタルエンコーダ200の検出に基づき算出される回転軸48の絶対角度とが比較され、両者の差が許容範囲外であれば、アブソリュートエンコーダ100によって検出された回転軸48の絶対角度が実際の回転軸48の絶対角度と異なる可能性があり、この場合、エンコーダ異常であると判断される。
なお、検出装置300は、「検出装置」の一実施形態に対応する。以下、検出装置300のエンコーダ異常の判定について説明する。なお、図3では、ロボット30が有する複数の軸(R軸、O軸、D軸、およびT軸)のうちの一の軸に対して設けられた異常判定システム1についてのみ示している。その他の軸についても図3に示す異常判定システム1と同様の構成が設けられている。
図3に示すように、異常判定システム1は、モータ71の回転軸48の回転を検出する検出装置300と、検出装置300からの信号に基づき検出装置300が異常であるか否かを判定する異常判定装置50とを備える。なお、異常判定システム1は、「異常判定システム」の一実施形態に対応する。
モータ71は、たとえばギヤードモータであり、ロボット30の回転軸48を回転させる。
サーボアンプ61は、ロボット30の軸に設けられたモータ71に接続されており、ロボット制御装置10からの指令に基づきモータ71を駆動する。サーボアンプ61は、第1電磁開閉器62および第2電磁開閉器63を介して動力電源60に接続されている。第1電磁開閉器62および第2電磁開閉器63は、ロボット制御装置10によって通電と非通電とで切り替えられることにより開放と閉成とで切り替えられる。たとえば、第1電磁開閉器62および第2電磁開閉器63は、通電中は開放され、非通電中は閉成される。
第1電磁開閉器62および第2電磁開閉器63が閉成されると、動力電源60からの電力がサーボアンプ61に供給される。第1電磁開閉器62または第2電磁開閉器63が開放されると、サーボアンプ61に対する動力電源60からの電力供給が遮断される。なお、サーボアンプ61は、「駆動装置」の一実施形態に対応する。
検出装置300は、アブソリュートエンコーダ100と、インクリメンタルエンコーダ200とを備える。アブソリュートエンコーダ100およびインクリメンタルエンコーダ200は、エンコーダディスク47と、電源部46とを互いに共有している。電源部46は、外部から供給される直流電圧5Vの電圧を利用して、アブソリュートエンコーダ100およびインクリメンタルエンコーダ200の各々に電力を供給する。なお、電源部46に対して供給される外部電圧5Vは、一例であり、その他の電圧であってもよい。エンコーダディスク47は、開口する中心部に回転軸48が連結されており、回転軸48の回転に伴なって回転する。なお、エンコーダディスク47は、「ディスク」の一実施形態に対応する。
アブソリュートエンコーダ100は、第1LED101と、第1光センサ102と、第1信号処理回路103と、第1ドライバ104とを備える。
図4は、側面および正面から見たエンコーダディスク47を示す図である。図4に示すように、エンコーダディスク47の表面の内周側には、光が通過するスリットが等間隔に配列されたアブソリュートトラック110が周方向に形成されている。また、アブソリュートトラック110には、回転軸48の絶対角度が0度になる原点を示すパターンが形成されている。
図3に戻り、第1LED101は、アブソリュートトラック110の決められた位置に対して光を照射する。第1光センサ102は、アブソリュートトラック110に照射されてスリットを通過した光を検出する。
第1光センサ102は、アブソリュートトラック110を通過した光を検出すると、光の検出に応じた信号を第1信号処理回路103に出力する。第1信号処理回路103は、第1光センサ102から受けた信号に基づき、検出された光が通過したアブソリュートトラック110における位置と、アブソリュートトラック110に定められた原点位置とに基づき回転軸48の絶対角度を検出する。
第1信号処理回路103は、検出した回転軸48の絶対角度を示す信号(アブソリュート信号とも称する)を第1ドライバ104に出力する。第1ドライバ104は、第1信号処理回路103によって駆動されるとともに、第1信号処理回路103から受けたアブソリュート信号をRS485規格の通信によって異常判定装置50に出力する。なお、アブソリュートエンコーダ100は、「アブソリュートエンコーダ部」の一実施形態に対応する。
インクリメンタルエンコーダ200は、第2LED201と、第2光センサ202と、第2信号処理回路203と、第2ドライバ204とを備える。
図4に示すように、エンコーダディスク47の表面の外周側には、光が通過するスリットが等間隔に配列されたインクリメンタルトラック210がアブソリュートトラック110とは別に独立して周方向に形成されている。インクリメンタルトラック210は、A列およびB列の2重のパターンから成る。第2LED201は、インクリメンタルトラック210の決められた位置に対して光を照射する。第2光センサ202は、インクリメンタルトラック210に照射されてA列およびB列の各々のスリットを通過した光を検出する。
図3に戻り、第2光センサ202は、インクリメンタルトラック210を通過した光を検出すると、光の検出に応じた信号を第2信号処理回路203に出力する。第2信号処理回路203は、第2光センサ202から受けた信号に基づき、インクリメンタルトラック210のA列のスリットを通過した光の検出に対応する信号(A相信号とも称する)と、インクリメンタルトラック210のB列のスリットを通過した光の検出に対応する信号(B相信号とも称する)とを生成する。
ここで、A相信号およびB相信号について、図5および図6を参照しながら説明する。図5は、回転軸48が正転している場合のA相信号およびB相信号のパルス波形を示すタイミングチャートである。図6は、回転軸48が逆転している場合のA相信号およびB相信号のパルス波形を示すタイミングチャートである。
A相信号は、矩形のパルスを含む差動信号である。たとえば、図5および図6に示すように、A相信号は、信号Aおよび信号A’が互いに異なる極性を有する差動信号である。信号Aは、A列のスリットを通過した光が第2光センサ202によって検出されている間はパルスが立ち上がってハイ状態(図5の場合、パルスの電位がHになる状態、以下、H状態と言う)を維持する一方で、第2光センサ202によって光が検出されていない間はパルスが立ち下がってロー状態(図5の場合、パルスの電位がLになる状態、以下、L状態と言う)を維持する。信号A’は、A列のスリットを通過した光が第2光センサ202によって検出されている間はパルスが立ち下がってL状態を維持する一方で、第2光センサ202によって光が検出されていない間はパルスが立ち上がってH状態を維持する。
たとえば、図5に示すように、タイミングt2〜t4,t6〜t8の期間でA列のスリットを通過した光が第2光センサ202によって検出されている場合、信号AはH状態となり、信号A’はL状態となる。一方、第2光センサ202によって光が検出されないその他の期間では、信号AはL状態となるが、信号A’はH状態となる。
また、図6に示すように、タイミングt3〜t5,t7〜t9の期間でA列のスリットを通過した光が第2光センサ202によって検出されている場合、信号AはH状態となり、信号A’はL状態となる。一方、第2光センサ202によって光が検出されないその他の期間では、信号AはL状態となるが、信号A’はH状態となる。
A相信号と同様に、B相信号は、矩形のパルスを含む差動信号である。たとえば、図5および図6に示すように、B相信号は、信号Bおよび信号B’が互いに異なる極性を有する差動信号である。さらに、本実施の形態では、B相信号がA相信号に対して位相が90度ずれるようにA列のスリットおよびB列のスリットがそれぞれ配列されている。信号Bは、B列のスリットを通過した光が第2光センサ202によって検出されている間はパルスが立ち上がってH状態を維持する一方で、第2光センサ202によって光が検出されていない間はパルスが立ち下がってL状態を維持する。信号B’は、B列のスリットを通過した光が第2光センサ202によって検出されている間はパルスが立ち下がってL状態を維持する一方で、第2光センサ202によって光が検出されている間はパルスが立ち上がってH状態を維持する。
たとえば、図5に示すように、タイミングt3〜t5,t7〜t9の期間でB列のスリットを通過した光が第2光センサ202によって検出されている場合、信号BはH状態となり、信号B’はL状態となる。一方、第2光センサ202によって光が検出されていないその他の期間では、信号BはL状態となるが、信号B’はH状態となる。
また、図6に示すように、タイミングt2〜t4,t6〜t8の期間でB列のスリットを通過した光が第2光センサ202によって検出されている場合、信号BはH状態となり、信号B’はL状態となる。一方、第2光センサ202によって光が検出されていないその他の期間では、信号BはL状態となるが、信号B’はH状態となる。
また、図5に示すように、回転軸48が正転している場合、信号AがH状態からL状態に切り替わった後に信号BがH状態からL状態に切り替わる。たとえば、図5に示すように、タイミングt4で信号AがH状態からL状態に切り替わった後、タイミングt5で信号BがH状態からL状態に切り替わる。
また、図6に示すように、回転軸48が逆転している場合、信号AがH状態からL状態に切り替わった後に信号BがL状態からH状態に切り替わる。たとえば、図6に示すように、タイミングt5で信号AがH状態からL状態に切り替わった後、タイミングt6で信号BがL状態からH状態に切り替わる。
このように、A相信号およびB相信号においては、回転軸48の回転量に応じて発生するパルス数が異なる。さらに、回転軸48の回転方向に応じてA相信号のパルスの発生タイミングおよびB相信号のパルスの発生タイミングが異なる。これにより、A相信号およびB相信号は、発生したパルス数およびパルスの発生タイミングに応じて回転軸48の回転角度の変化分を示すことができる。なお、回転軸48の回転量および回転軸48の回転方向の変化分(相対角度,回転速度とも言える)は、「回転軸の回転角度の変化分」の一実施形態に対応する。また、A相信号およびB相信号をまとめてインクリメンタル信号とも称する。
図3に戻り、第2信号処理回路203は、インクリメンタル信号を第2ドライバ204に出力する。第2ドライバ204は、第2信号処理回路203によって駆動されるとともに、第2信号処理回路203から受けたインクリメンタル信号をRS422規格の通信によって異常判定装置50に出力する。なお、インクリメンタルエンコーダ200は、「インクリメンタルエンコーダ部」の一実施形態に対応する。
異常判定装置50は、受信部51と、信号入力部52と、算出部53と、第1処理部54と、第2処理部55とを備える。なお、異常判定装置50は、「異常判定装置」の一実施形態に対応する。
受信部51は、検出装置300のアブソリュートエンコーダ100からアブソリュート信号を受信する。そして、受信部51は、アブソリュート信号から検出した回転軸48の絶対角度を示す角度信号1を第1処理部54および第2処理部55のそれぞれに出力する。
信号入力部52は、検出装置300のインクリメンタルエンコーダ200からインクリメンタル信号を受信する。そして、信号入力部52は、インクリメンタル信号から検出した回転軸48の回転角度の変化分を示す信号を算出部53に出力する。
信号入力部52の構成について、図7を参照しながら説明する。図7は、信号入力部52の内部構成を説明するための図である。図7に示すように、信号入力部52は、インクリメンタル信号に含まれるA相信号(信号A,信号A’)を受信する第1A相レシーバ81aと、B相信号(信号B,信号B’)を受信する第1B相レシーバ81bとを含む。なお、第1A相レシーバ81aおよび第1B相レシーバ81bをまとめて第1レシーバとも称する。
図8は、第1レシーバを示す図である。なお、図8に示す第1レシーバは、第1A相レシーバ81aおよび第1B相レシーバ81bのそれぞれに対応する。図8に示すように、第1レシーバは、信号A(信号B)が入力されるVin1入力部と、信号A’(信号B’)が入力されるVin2入力部と、Vin1入力部とVin2入力部との間に接続された終端抵抗75とを有する。
さらに、第1レシーバは、Vin1入力部に入力された信号A(信号B)とVin2入力部に入力された信号A’(信号B’)との間に生じる差動電圧に基づきハイ(H)またはロー(L)の信号を出力するVout1出力部を有する。
図9は、第1レシーバの真理値表を示す図である。図9に示すように、差動電圧が−0.01Vを超える場合、第1レシーバからハイの信号が出力される。差動電圧が−0.2V〜−0.01Vの場合、所定の閾値電圧(たとえば、0V付近の電圧)以上であれば第1レシーバからハイの信号が出力され、閾値電圧未満であれば第1レシーバからローの信号が出力される。差動電圧が−0.2V未満の場合、第1レシーバからローの信号が出力される。このように、第1レシーバは、インクリメンタル信号の差動電圧に基づきハイまたはローの信号を出力する。特に、第1レシーバは、差動電圧が0V付近の電圧以上になるとハイの信号を出力するように構成されている。なお、図9の真理値表に示す差動電圧の値は一例であり、その他の値になる場合もある。
算出部53は、図9に示す真理値表に基づき第1レシーバ(第1A相レシーバ81a,第1B相レシーバ81b)から出力されるハイまたはローの信号に基づいて、回転軸48の回転角度の変化分を検出する。具体的に、算出部53は、第1A相レシーバ81aまたは第1B相レシーバ81bからの信号がローからハイに切り替えられたときに一のパルスを検出し、検出したパルス数を計数することによって回転軸48の回転量を算出する。さらに、算出部53は、第1A相レシーバ81aからの信号によって検出されたパルスと、第1B相レシーバ81bからの信号によって検出されたパルスとの発生タイミングの違いに応じて回転軸48の回転方向を判定する。そして、算出部53は、信号入力部52から受けた信号に示された回転角度の変化分(回転量,回転方向)に基づき回転軸48の絶対角度を算出する。なお、算出部53は、「算出部」の一実施形態に対応する。
図3に戻り、算出部53は、算出した回転軸48の絶対角度を示す角度信号2を第1処理部54および第2処理部55のそれぞれに出力する。
第1処理部54は、受信部51から受けた角度信号1に示された絶対角度と、算出部53から受けた角度信号2に示された絶対角度との差を算出し、両者の差が許容範囲外であるか否かを判定する。そして、第1処理部54は、角度信号1に示された絶対角度と角度信号2に示された絶対角度との差が許容範囲内である場合、検出装置300内のアブソリュートエンコーダ100およびインクリメンタルエンコーダ200がいずれも健全であると判定する。一方、第1処理部54は、角度信号1に示された絶対角度と角度信号2に示された絶対角度との差が許容範囲外である場合、検出装置300内のアブソリュートエンコーダ100およびインクリメンタルエンコーダ200の少なくとも一方が異常であると判定する。この場合、第1処理部54は、検出装置300がエンコーダ異常であると判定する。
第2処理部55は、受信部51から受けた角度信号1に示された絶対角度と、算出部53から受けた角度信号2に示された絶対角度との差を算出し、両者の差が許容範囲外であるか否かを判定する。そして、第1処理部54は、角度信号1に示された絶対角度と角度信号2に示された絶対角度との差が許容範囲内である場合、検出装置300内のアブソリュートエンコーダ100およびインクリメンタルエンコーダ200のいずれも健全であると判定する。一方、第2処理部55は、角度信号1に示された絶対角度と角度信号2に示された絶対角度との差が許容範囲外である場合、検出装置300内のアブソリュートエンコーダ100およびインクリメンタルエンコーダ200の少なくとも一方が異常であると判定する。この場合、第2処理部55は、検出装置300がエンコーダ異常であると判定する。なお、第1処理部54および第2処理部55は、「判定部」の一実施形態に対応する。また、第1処理部54および第2処理部55をまとめて処理部とも称する。
上記のような構成を有する異常判定システム1においては、検出装置300が備えるアブソリュートエンコーダ100およびインクリメンタルエンコーダ200といった検出方法の異なる2つの検出部を用いて異常判定装置50によってエンコーダ異常が検出される。
次に、異常判定装置50のエンコーダ異常判定処理について、図10のフローを参照しながら説明する。図10は、異常判定装置50が実行するエンコーダ異常判定処理の一例を示すフローチャートである。なお、図10に示すエンコーダ異常判定処理は、異常判定装置50が備える処理部(第1処理部54,第2処理部55)で実行される。
まず、処理部は、インクリメンタル信号に示された回転軸48の回転角度の変化分から算出された回転軸48の絶対角度を算出部53から取得する(S21)。処理部は、アブソリュート信号に示された回転軸48の絶対角度を受信部51から取得する(S22)。
処理部は、算出部53から取得した回転軸48の絶対角度と、受信部51から取得した回転軸48の絶対角度との差を算出する(S23)。処理部は、S23で算出した両者の差が許容範囲内である場合(S24でNO)、エンコーダ異常は発生していないと判断して本ルーチンを終了する。一方、処理部は、S23で算出した両者の差が許容範囲外である場合(S24でYES)、エンコーダ異常を検出し(S25)、本ルーチンを終了する。なお、S23の処理は、「算出ステップ」の一実施形態に対応する。また、S24およびS25の処理は、「判定ステップ」の一実施形態に対応する。
以上のように、異常判定システム1は、ロボット30の各回転軸48の回転を検出する検出装置300と、検出装置300からのアブソリュート信号およびインクリメンタル信号に基づきエンコーダ異常を検出する異常判定装置50とを備える。異常判定装置50によれば、検出装置300内のインクリメンタルエンコーダ200からのインクリメンタル信号で示された回転軸48の回転角度の変化分に基づき回転軸48の絶対角度が算出部53によって算出される。そして、算出部53によって算出された絶対角度と、検出装置300内のアブソリュートエンコーダ100からのアブソリュート信号に示された回転軸48の絶対角度との比較によって、処理部によりエンコーダ異常が発生しているか否かが判定される。このように、アブソリュートエンコーダ100およびインクリメンタルエンコーダ200といった検出方法の異なる2つの検出部を用いてエンコーダ異常の判定が行なわれるため、検出装置300の異常判定を精度良く行なうことができる。
さらに、検出装置300内には、インクリメンタルエンコーダ200とアブソリュートエンコーダ100とが同一筐体内に含まれる。このため、検出方法の異なる2つの検出部をコンパクトにまとめて一緒に配置することができ、既設のエンコーダとの入れ替えも容易である。
エンコーダディスク47は、アブソリュートエンコーダ100とインクリメンタルエンコーダ200とで共有している。そして、エンコーダディスク47には、アブソリュートトラック110およびインクリメンタルトラック210が互いに独立して形成されている。このように、アブソリュートエンコーダ100用のエンコーダディスクとインクリメンタルエンコーダ200用のエンコーダディスクとが共通になるため、基板をコンパクトにすることができる。さらに、アブソリュートトラック110およびインクリメンタルトラック210がエンコーダディスク47上で互いに独立して形成されることによって、一方のエンコーダ用の信号トラックにおける故障が他方のエンコーダの動作に影響を与えることはない。
受信部51からの角度信号1および算出部53からの角度信号2のそれぞれは、第1処理部54および第2処理部55のそれぞれに出力される。そして、第1処理部54および第2処理部55のそれぞれでエンコーダ異常の判定が行なわれる。このように、エンコーダ異常の判定が、2系統の処理部で行なわれて2重化されているため、エンコーダ異常の判定の信頼性を向上させることができる。
[エンコーダ異常時処理]
アブソリュートエンコーダ100によって検出された回転軸48の絶対角度と、インクリメンタルエンコーダ200の検出に基づき算出される回転軸48の絶対角度との差が許容範囲外となるエンコーダ異常が発生している場合、エンコーダ自身が故障しているのではなく、アブソリュートエンコーダ100、もしくはインクリメンタルエンコーダ200の校正がずれているだけの可能性がある。この場合、エンコーダ確認機能によってアブソリュートエンコーダ100、もしくはインクリメンタルエンコーダ200を校正する必要がある。ただし、エンコーダ異常が発生している場合、取得された回転軸48の絶対角度は信用することができないため、領域監視機能および角度監視機能を正常に機能させることができない。そこで、まず、作業者の手動によって領域監視機能および角度監視機能が無効化される。一方、アブソリュートエンコーダ100自体およびインクリメンタルエンコーダ200自体が故障しているわけではないため、アブソリュートエンコーダ100によって検出される回転軸48の回転角度の変化分とインクリメンタルエンコーダ200によって検出される回転軸48の回転角度の変化分との差が許容範囲内であるならば、取得された回転軸48の回転角度の変化分は信用することができる。そこで、以下で説明するエンコーダ異常時処理においては、アブソリュートエンコーダ100およびインクリメンタルエンコーダ200のそれぞれによって検出された回転軸48の回転角度の変化分(回転量,回転方向,相対角度,回転速度とも言える)が用いられる。以下、エンコーダ異常時処理について、具体的に説明する。
異常判定装置50の処理部は、エンコーダ異常判定処理によってエンコーダ異常を検出した場合、図示しない報知部を用いて作業者にエラー報知を行なう。作業者は、エラー報知を認識すると、領域監視機能および角度監視機能を無効化するため、領域無効化スイッチ17および角度無効化スイッチ18を操作する。これは、エンコーダ異常が発生している場合、領域監視機能および角度監視機能を正常に機能させることができないからである。これにより、作業者自身の行動によって領域監視機能および角度監視機能が無効化される。
そして、作業者は、ロボット制御装置10のエンコーダ確認機能を実現するため、ロボット制御装置10によってエンコーダ確認スイッチ19の近辺にロボット30を移動させる。
ここで、作業者の安全を確保するため、ロボット30がエンコーダ確認スイッチ19の近辺に移動する際には、ロボット30の移動速度、特にエンドエフェクタ44が設けられたアームの先端部であるツール31の移動速度を通常作業時の速度よりも低速に制限することが必要とされる。
ツール31の移動速度は、各回転軸48の絶対角度から算出できる。しかし、エンコーダ異常(校正ずれ)が発生している場合、取得された各回転軸48の絶対角度は信用できないため使用することができない。一方、エンコーダ異常が発生していても、取得された各回転軸48の回転角度の変化分は信用することができるため使用することができる。ツール31の移動速度は、R軸、O軸、およびD軸の回転速度と、各回転軸48の中心からツール31までの距離とからでも算出できる。各回転軸48の回転速度は、取得された回転軸48の回転角度の変化分から算出できるが、二以上の軸が同時に回転してしまうと、ツール31の移動速度を正確に算出することができない。
そこで、処理部は、一の回転軸48のみ回転した状態で回転軸48の回転速度を算出する。具体的に、処理部は、ロボット制御装置10によってエンコーダ確認スイッチ19の近辺にロボット30が移動する際、二以上の回転軸48が回転した場合、第1電磁開閉器62および第2電磁開閉器63を開放してサーボアンプ61への電力供給を遮断することでロボット30を停止させる。これにより、処理部は、一の回転軸48のみ回転した状態で回転軸48の回転速度を算出することができる。
一方、回転が許された回転軸48の中心からツール31までの距離は、ツール31の現在位置が分からないと算出することができない。このため、回転軸48の絶対角度を使用できないと、回転が許された回転軸48の中心からツール31までの距離を算出することができない。
そこで、処理部は、回転が許された回転軸48に沿った軸の中心からツール31が最も遠くなる状態を想定し、この場合の回転軸48に沿った軸の中心からツール31までの距離を用いてツール31の移動速度を予測(算出)する。
図11を参照しながら、異常判定装置50の処理部による移動速度の算出の一例を説明する。図11は、O軸のみ回転が許可された状態でのツール31の移動速度の算出を説明するための図である。
図11に示すように、実際はD軸によってアームが曲がった状態であるため、回転が許されたO軸の中心からツール31までの実際の距離はL0になる。この場合、ツール31の移動速度は、O軸の中心からツール31までの距離L0と、O軸の回転速度(角速度ω)との積からωL0となる。すなわち、ツール31の移動速度はO軸の中心からツール31までの距離によって変化する。
しかし、O軸の中心からツール31までの距離は、取得された回転軸48の回転角度の変化分から算出することができない。そこで、処理部は、O軸の中心からツール31が最も遠くなる状態を想定し、この場合のO軸の中心からツール31までの最大距離Lmaxを用いる。なお、このアームの最大距離Lmaxは、図示しない記憶部に予め記憶されている。ツール31の移動速度の算出においてアームの最大距離Lmaxを用いれば、ツール31の移動速度が最大となる最大移動速度を算出することができ、この最大移動速度を制限すればツール31の移動速度を低速に抑えることができる。
処理部は、取得された回転軸48の回転角度の変化分からO軸に沿った回転軸48の回転速度を算出することで角速度ωを取得し、角速度ωと、予め記憶しているアームの最大距離Lmaxとの積からツール31の最大移動速度ωLmaxを算出する。すなわち、このツール31の最大移動速度ωLmaxは、O軸のみの回転を許した場合にO軸の回転速度から予測されるツール31の最大移動速度となる。
そして、処理部は、ツール31の最大移動速度ωLmaxが制限速度を超える場合、第1電磁開閉器62および第2電磁開閉器63を開放してサーボアンプ61への電力供給を遮断することでロボット30を停止させる。この制限速度は、範囲内であれば作業者の安全を確保することができる速度に設定されている。なお、O軸に限らず、R軸のみ回転が許可された状態、あるいはD軸のみ回転が許可された状態においても、上述した方法でツール31の移動速度を算出すればよい。これにより、処理部は、ツール31の移動速度を低速に制限することができる。なお、回転が許された回転軸48の回転速度の算出には、インクリメンタル信号から取得した回転軸48の回転角度の変化分を用いてもよいし、アブソリュート信号から取得した回転軸48の回転角度の変化分を用いてもよい。
上記のように最大移動速度ωLmaxを制限速度内に抑えることで、ロボット30は、常に一の回転軸のみが回転した状態でツール31の移動速度が所定速度以下の低速に制限されながら、エンコーダ確認スイッチ19の近辺に移動する。そして、ロボット制御装置10のエンコーダ確認機能によってアブソリュートエンコーダ100およびインクリメンタルエンコーダ200が校正される。
次に、異常判定装置50のエンコーダ異常時処理について、図12のフローを参照しながら説明する。図12は、異常判定装置50が実行するエンコーダ異常時処理の一例を示すフローチャートである。なお、図12に示すエンコーダ異常時処理は、異常判定装置50が備える処理部(第1処理部54,第2処理部55)で所定周期間隔(たとえば、10msec間隔)ごとに実行される。
まず、処理部は、エンコーダ異常(校正ずれ)が発生したか否かを判定する(S31)。処理部は、エンコーダ異常が発生していない場合(S31でNO)、本ルーチンを終了する。一方、処理部は、エンコーダ異常が発生している場合(S31でYES)、二以上の回転軸48が回転したか否かを判定する(S32)。
処理部は、二以上の回転軸48が回転した場合(S32でYES)、サーボアンプ61への電力供給を遮断し(S33)、本ルーチンを終了する。一方、処理部は、二以上の回転軸48が回転していない場合(S32でNO)、ツール31の最大移動速度を算出する(S34)。このときの算出方法は、図11を参照しながら上記で説明した通りである。
処理部は、算出したツール31の最大移動速度が制限速度を超えるか否かを判定する(S35)。処理部は、ツール31の最大移動速度が制限速度を超える場合(S35でYES)、サーボアンプ61への電力供給を遮断し(S33)、本ルーチンを終了する。一方、処理部は、ツール31の移動速度が制限速度を超えない場合(S35でNO)、本ルーチンを終了する。
以上のように、異常判定装置50によれば、エンコーダ異常が発生した場合、一の回転軸48が回転した状態、かつ回転する一の回転軸48の中心からツール31が最も遠くなる状態でツール31の最大移動速度が予測される。このため、ツール31の最大移動速度を正確に予測することができ、また、実際のツール31の移動速度よりも速い最大移動速度が予測される。さらに、算出されたツール31の最大移動速度が制限速度を超える場合にサーボアンプ61への電力供給が遮断されるため、実際のツール31の移動速度が制限速度を超えることがなく、作業者の安全を確保することができる。
さらに、エンコーダ異常が発生した場合、二以上の回転軸48が回転したときにサーボアンプ61への電力供給が遮断されるため、確実に一の回転軸48が回転した状態でツール31の移動速度を予測することができる。
[特定異常判定処理]
以上、説明してきた検出装置300を以下で説明するように構成すれば、エンコーダ異常の他に、断線および短絡といった信号経路の異常、および電源異常などの異常(特定異常とも称する)を検出することもできる。
まず、アブソリュートエンコーダ100と受信部51との間の信号経路で発生した短絡および断線の判定について説明する。アブソリュートエンコーダ100と受信部51との間の信号経路において断線および短絡の少なくとも一方が発生した場合、第1ドライバ104と受信部51との通信が成立しない。
そこで、異常判定装置50の処理部は、第1ドライバ104と受信部51との通信が成立しない状態が長時間続いて制限時間を超えた場合、短絡および断線の少なくとも一方が発生していると判定する。
次に、アブソリュートエンコーダ100の内部で発生した電源異常の判定について説明する。アブソリュートエンコーダ100では、電源部46によって、第1信号処理回路103には3Vの電圧、第1ドライバ104には5Vの電圧が印可されている。なお、電源部46から第1信号処理回路103および第1ドライバ104のそれぞれに対して供給される電圧は、一例であり、その他の電圧であってもよい。電源部46は、第1信号処理回路103および第1ドライバ104に印可される電圧を監視している。そして、電源部46は、第1信号処理回路103において3Vの電源異常が発生した場合には、第1ドライバ104のイネーブル端子(図示は省略する)を制御して第1ドライバ104と受信部51との間の信号経路を遮断する。また、電源部46は、第1ドライバ104において5Vの電源異常が発生した場合には、ヒューズ(図示は省略する)を用いて第1ドライバ104を含む内部回路への電力供給を遮断して第1ドライバ104と受信部51との間の信号経路を遮断する。これにより、断線および短絡時と同様に、第1ドライバ104から受信部51への信号経路が遮断されて、第1ドライバ104と受信部51との通信が成立しなくなる。
そこで、異常判定装置50の処理部は、第1ドライバ104と受信部51との通信が確立しない状態が長時間続いて制限時間を超えた場合、電源異常などの特定異常が発生していると判定する。
次に、インクリメンタルエンコーダ200と信号入力部52との間の信号経路で発生した短絡および断線の判定について説明する。なお、インクリメンタルエンコーダ200の場合、アブソリュートエンコーダ100とは異なり正常時は常に通信が成立しているわけではなく、回転軸48の回転に応じたパルスの発生有無しか処理部は認識することができない。このため、インクリメンタルエンコーダ200においては、以下で説明する方法で短絡および断線が判定される。
まず、インクリメンタルエンコーダ200と信号入力部52との間の信号経路において断線または短絡が発生した場合、インクリメンタル信号はパルスが発生せず、かつ差動電圧が生じない状態となる。
ここで、図9を参照しながら説明したように、信号入力部52の第1レシーバは、差動電圧が0V付近になるとハイの信号を出力する。その一方で、信号入力部52は、差動電圧が0Vを大きく超える場合であってもハイの信号を出力する。すなわち、信号入力部52は、回転軸48が停止した状態で差動電圧が0Vを大きく超える場合であっても、短絡または断線が発生したことによって差動電圧が0V付近になる場合であっても、ともにハイの信号を出力することがある。このため、図7に示すように信号入力部52を構成した場合、処理部は、回転軸48が停止した状態なのか、短絡または断線が発生しているのかを判定できない。
そこで、短絡などの特定異常を検出するため、信号入力部52を図13に示す信号入力部52aのように構成した。
図13は、信号入力部52aの内部構成を説明するための図である。図13に示すように、信号入力部52aは、第1A相レシーバ81aおよび第1B相レシーバ81bの他に、インクリメンタル信号に含まれるA相信号(信号A,信号A’)を極性反転して受信する第2A相レシーバ82aと、B相信号(信号B,信号B’)を極性反転して受信する第2B相レシーバ82bとを含む。なお、第2A相レシーバ82aおよび第2B相レシーバ82bをまとめて第2レシーバとも称する。また、第1A相レシーバ81aが「第1入出力部」の一実施形態に対応する場合、第2A相レシーバ82aが「第2入出力部」の一実施形態に対応する。また、第1B相レシーバ81bが「第1入出力部」の一実施形態に対応する場合、第2B相レシーバ82bが「第2入出力部」の一実施形態に対応する。
図14は、第1レシーバおよび第2レシーバを示す図である。図14に示すように、第2レシーバは、信号A’(信号B’)が入力されるVin1入力部と、信号A(信号B)が入力されるVin2入力部と、Vin1入力部とVin2入力部との間に接続された終端抵抗75とを有する。すなわち、第1レシーバに入力されるインクリメンタル信号と、第2レシーバに入力されるインクリメンタル信号とは、極性が反転している。なお、第1レシーバおよび第2レシーバは、入力側であるVin1入力部とVin2入力部との間で終端抵抗75を共有している。
さらに、第2レシーバは、Vin1入力部に入力された信号A’(信号B’)とVin2入力部に入力された信号A(信号B)との間に生じる差動電圧に基づきハイ(H)またはロー(L)の信号を出力するVout2出力部を有する。
図15は、第1レシーバおよび第2レシーバの真理値表を示す図である。図15に示すように、差動電圧が0.2Vを超える場合、第2レシーバの出力からローの信号が出力される。差動電圧が0.01V〜0.2Vの場合、所定の閾値電圧(たとえば、0V付近の電圧)以上であれば第2レシーバからローの信号が出力され、閾値電圧未満であれば第2レシーバからハイの信号が出力される。差動電圧が0.01V未満の場合、第2レシーバの出力からハイの信号が出力される。このように、第2レシーバは、インクリメンタル信号の差動電圧に基づきハイまたはローの信号を出力する。特に、第2レシーバは、差動電圧が0V付近の電圧以上になるとローの信号を出力するように構成されている。なお、第1レシーバの真理値表については、図9で示した真理値表と同様である。また、図15の真理値表に示す差動電圧の値は一例であり、その他の値になる場合もある。
ここで、信号入力部52aの構成では、第1レシーバに入力されるインクリメンタル信号と、第2レシーバに入力されるインクリメンタル信号とで、極性が反転しているため、第1レシーバから出力される信号と第2レシーバから出力される信号とは、極性が反転するはずである。
そこで、処理部は、第1レシーバから出力される信号と第2レシーバから出力される信号とで極性が反転している場合には正常であると判定する一方で、第1レシーバから出力される信号と第2レシーバから出力される信号とが同じ極性である場合には特定異常などの異常が発生していると判定する。
具体的に、処理部は、第1レシーバおよび第2レシーバからともにハイの信号が出力された場合、特定異常などの異常が発生していると判定する。さらに、図15に示すように、第1レシーバおよび第2レシーバからともにハイの信号が出力された場合、第1レシーバおよび第2レシーバのいずれで受信したインクリメンタル信号においても差動電圧が0V付近になる。このため、処理部は、第1レシーバおよび第2レシーバからともにハイの信号が出力された場合、短絡および断線などの特定異常が発生していると判定する。一方、処理部は、第1レシーバおよび第2レシーバからともにローの信号が出力された場合、特定異常以外の異常、たとえばインクリメンタルエンコーダ200内での回路異常などが発生していると判定する。なお、信号入力部52aと処理部との間には算出部53が接続されているが、処理部は、算出部53を介して信号入力部52aからの信号を検出することができる。
次に、インクリメンタルエンコーダ200の内部で発生した電源異常の判定について説明する。インクリメンタルエンコーダ200では、電源部46によって、第2信号処理回路203には3Vの電圧、第2ドライバ204には5Vの電圧が印可されている。なお、電源部46から第2信号処理回路203および第2ドライバ204のそれぞれに対して供給される電圧は、一例であり、その他の電圧であってもよい。電源部46は、第2信号処理回路203および第2ドライバ204に印可される電圧を監視している。電源異常が発生した場合、インクリメンタル信号がどのような振る舞いで出力されるか予測不可能である。
そこで、電源部46は、第2信号処理回路203において3Vの電源異常が発生した場合には、第2ドライバ204のイネーブル端子(図示は省略する)を制御して第2ドライバ204と信号入力部52との間の信号経路を遮断する。また、電源部46は、第2ドライバ204において5Vの電源異常が発生した場合には、ヒューズ(図示は省略する)を用いて第2ドライバ204を含む内部回路への電力供給を遮断して第2ドライバ204と信号入力部52との間の信号経路を遮断する。これにより、第2ドライバ204からのインクリメンタル信号の出力状態がハイインピーダンス状態になり、第1レシーバおよび第2レシーバのそれぞれに設けられた終端抵抗75によってインクリメンタル信号の差動電圧が0V付近になる。このように、インクリメンタルエンコーダ200は、電源異常が発生した場合にインクリメンタル信号の出力状態をハイインピーダンス状態にすることでインクリメンタル信号の差動電圧を0V付近にし、短絡および断線時と同様に信号入力部52aによって電源異常を検出できるようにしている。
そして、異常判定装置50の処理部は、短絡および断線時と同様に図15に示す真理値表に基づいて、電源異常などの特定異常を検出する。
次に、異常判定装置50の特定異常判定処理について、図16のフローを参照しながら説明する。図16は、異常判定装置50が実行する特定異常判定処理の一例を示すフローチャートである。なお、図16に示す特定異常判定処理は、異常判定装置50が備える処理部(第1処理部54,第2処理部55)で実行される。
まず、処理部は、信号入力部52aからの信号を検出する(S11)。処理部は、検出した信号に基づき、第1レシーバから出力される信号と第2レシーバから出力される信号とで極性が反転しているか否かを判定する(S12)。
処理部は、第1レシーバから出力される信号と第2レシーバから出力される信号とで極性が反転している場合(S12でYES)、特定異常などの異常が発生していないと判断して、本ルーチンを終了する。一方、処理部は、第1レシーバから出力される信号と第2レシーバから出力される信号とで極性が反転していない場合(S12でNO)、第1レシーバおよび第2レシーバのそれぞれから出力される信号がハイの信号であるか否かを判定する(S13)。
処理部は、第1レシーバおよび第2レシーバのそれぞれから出力される信号がハイの信号である場合(S13でYES)、特定異常を検出し(S14)、本ルーチンを終了する。一方、処理部は、第1レシーバおよび第2レシーバのそれぞれから出力される信号がローの信号である場合(S13でNO)、特定異常以外のその他の異常を検出し(S15)、本ルーチンを終了する。
以上のように、インクリメンタルエンコーダ200と異常判定装置50との間の信号経路において断線および短絡の少なくとも一方が発生した場合、第2ドライバ204から出力されるインクリメンタル信号は差動電圧が生じずに0V付近になる。また、インクリメンタルエンコーダ200の内部において電源異常が発生した場合、電源部46によってインクリメンタル信号の出力状態がハイインピーダンス状態にされ、インクリメンタル信号の差動電圧は0V付近になる。一方、異常判定装置50の処理部は、第1レシーバから出力される信号と第2レシーバから出力される信号とで極性が反転していない場合、断線および短絡などの特定異常を検出することができる。このように、インクリメンタルエンコーダ200から出力されるインクリメンタル信号の差動電圧を利用して、インクリメンタルエンコーダ200において発生した断線、短絡、および電源異常などの特定異常を検出することができる。
[変形例]
以上、本発明における主な実施の形態を説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限られない。
本実施の形態においては、ロボット制御装置10がサーボアンプ61を制御してロボット30を動作させるとともに、領域監視機能、角度監視機能、およびエンコーダ確認機能を併せて有する構成について説明した。しかし、これに限らず、サーボアンプ61の制御によってロボットを動作させる機能はロボット制御装置10が有し、別の装置である動作制御装置(図示は省略する)が領域監視機能、角度監視機能、およびエンコーダ確認機能を有するものであってもよい。すなわち、ロボット制御装置10の制御によって動作させられたロボット30の動作を、動作制御装置が監視するものであってもよい。また、異常判定装置50は、ロボット制御装置10が備えてもよいし、動作制御装置が備えてもよい。
本実施の形態においては、異常判定装置50がロボット30の各モータ71の回転軸48のそれぞれに設けられていた。しかし、これに限らず、複数のモータ71の回転軸48に対して一の異常判定装置50のみを設けてもよい。そして、異常判定装置50は、各検出装置300からの信号を受けて、それぞれの信号に基づきエンコーダ異常判定処理を行なうように構成されてもよい。
本実施の形態においては、図12に示すエンコーダ異常時処理においてツール31の最大移動速度を算出および判定していた。しかし、ツール31に限らず、アームの先端部であれば他の部材の最大移動速度を算出および判定してもよい。たとえば、エンドエフェクタ44の中心部もしくはエンドエフェクタ44の先端の最大移動速度を算出および判定してもよい。
本実施の形態においては、第1レシーバおよび第2レシーバがインクリメンタル信号の差動電圧が0V付近になるとハイの信号を出力するように構成されていた。しかし、これに限らず、第1レシーバおよび第2レシーバがインクリメンタル信号の差動電圧が0V付近になるとローの信号を出力するように構成されてもよい。この場合、図16に示す特定異常判定処理においては、第1レシーバおよび第2レシーバからともにローの信号が出力された場合に特定異常が検出されることになる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 異常判定システム、10 ロボット制御装置、30 ロボット、47 エンコーダディスク、48 回転軸、50 異常判定装置、71 モータ、100 アブソリュートエンコーダ、200 インクリメンタルエンコーダ、300 検出装置。

Claims (10)

  1. 可動装置が備える少なくとも一の回転軸の回転を検出する検出装置の異常判定システムであって、
    前記検出装置と、
    前記検出装置からの信号に基づき前記検出装置が異常であるか否かを判定する異常判定装置とを備え、
    前記検出装置は、
    前記回転軸の回転角度の変化分を示すインクリメンタル信号を出力するインクリメンタルエンコーダ部と、
    前記回転軸の絶対角度を示すアブソリュート信号を出力するアブソリュートエンコーダ部とを同一筐体内に含み、
    前記インクリメンタルエンコーダ部は、
    パルスを含む差動信号を前記インクリメンタル信号として出力し、
    前記インクリメンタルエンコーダ部において電源異常が発生した場合に、前記インクリメンタル信号の出力状態をハイインピーダンス状態にすることで前記インクリメンタル信号の差動電圧を生じさせなくし、
    前記異常判定装置は、
    前記インクリメンタルエンコーダ部からの前記インクリメンタル信号で示された前記回転軸の回転角度の変化分に基づき前記回転軸の絶対角度を算出し、
    前記インクリメンタル信号から算出した前記回転軸の絶対角度と、前記アブソリュートエンコーダ部からの前記アブソリュート信号で示された前記回転軸の絶対角度との差が許容範囲外である場合に、前記検出装置が異常であると判定し、
    前記インクリメンタルエンコーダ部からの前記インクリメンタル信号を極性反転することなく受信し、受信した前記インクリメンタル信号の差動電圧に基づきハイまたはローの信号を出力する第1入出力部と、
    前記インクリメンタルエンコーダ部からの前記インクリメンタル信号を極性反転して受信し、受信した前記インクリメンタル信号の差動電圧に基づきハイまたはローの信号を出力する第2入出力部とを含み、
    前記第1入出力部からの信号と、前記第2入出力部からの信号とに基づき、前記インクリメンタルエンコーダ部で発生した電源異常を検出する、異常判定システム。
  2. 可動装置が備える少なくとも一の回転軸の回転を検出する検出装置の異常判定システムであって、
    前記検出装置と、
    前記検出装置からの信号に基づき前記検出装置が異常であるか否かを判定する異常判定装置とを備え、
    前記検出装置は、
    前記回転軸の回転角度の変化分を示すインクリメンタル信号を出力するインクリメンタルエンコーダ部と、
    前記回転軸の絶対角度を示すアブソリュート信号を出力するアブソリュートエンコーダ部とを同一筐体内に含み、
    前記可動装置は、
    複数の前記回転軸と、
    複数の前記回転軸のうちの少なくとも一の前記回転軸の回転によって動作するアームとを備え、
    前記異常判定装置は、
    前記インクリメンタルエンコーダ部からの前記インクリメンタル信号で示された前記回転軸の回転角度の変化分に基づき前記回転軸の絶対角度を算出し、
    前記インクリメンタル信号から算出した前記回転軸の絶対角度と、前記アブソリュートエンコーダ部からの前記アブソリュート信号で示された前記回転軸の絶対角度との差が許容範囲外である場合に、前記検出装置が異常であると判定し、
    前記検出装置が異常であると判定した場合、複数の前記回転軸のうちの一の前記回転軸のみの回転によって前記アームが動作する間、当該一の前記回転軸とは異なる他の前記回転軸の状態に関わらず、当該一の前記回転軸の中心から前記アームの先端部までの最大距離に基づき、当該一の前記回転軸の中心から当該先端部が最も遠くなる状態での前記先端部の移動速度を予測し、
    予測した前記先端部の移動速度が制限速度を超える場合に前記可動装置を駆動する駆動装置への電力供給を遮断する、異常判定システム。
  3. 前記インクリメンタルエンコーダ部は、パルスを含む差動信号を前記インクリメンタル信号として出力し、
    前記インクリメンタル信号においては、前記インクリメンタルエンコーダ部と前記異常判定装置との間の信号経路の異常が発生した場合、差動電圧が生じず、
    前記異常判定装置は、
    前記インクリメンタルエンコーダ部からの前記インクリメンタル信号を極性反転することなく受信し、受信した前記インクリメンタル信号の差動電圧に基づきハイまたはローの信号を出力する第1入出力部と、
    前記インクリメンタルエンコーダ部からの前記インクリメンタル信号を極性反転して受信し、受信した前記インクリメンタル信号の差動電圧に基づきハイまたはローの信号を出力する第2入出力部とを含み、
    前記第1入出力部からの信号と、前記第2入出力部からの信号とに基づき、前記信号経路の異常を検出する、請求項1または請求項2に記載の異常判定システム。
  4. 前記インクリメンタルエンコーダ部は、
    パルスを含む差動信号を前記インクリメンタル信号として出力し、
    前記インクリメンタルエンコーダ部において電源異常が発生した場合に、前記インクリメンタル信号の出力状態をハイインピーダンス状態にすることで前記インクリメンタル信号の差動電圧を生じさせなくし、
    前記異常判定装置は、
    前記インクリメンタルエンコーダ部からの前記インクリメンタル信号を極性反転することなく受信し、受信した前記インクリメンタル信号の差動電圧に基づきハイまたはローの信号を出力する第1入出力部と、
    前記インクリメンタルエンコーダ部からの前記インクリメンタル信号を極性反転して受信し、受信した前記インクリメンタル信号の差動電圧に基づきハイまたはローの信号を出力する第2入出力部とを含み、
    前記第1入出力部からの信号と、前記第2入出力部からの信号とに基づき、前記インクリメンタルエンコーダ部で発生した電源異常を検出する、請求項2または請求項3に記載の異常判定システム。
  5. 前記可動装置は、
    複数の前記回転軸と、
    複数の前記回転軸のうちの少なくとも一の前記回転軸の回転によって動作するアームとを備え、
    前記異常判定装置は、
    前記検出装置が異常であると判定した場合、複数の前記回転軸のうちの一の前記回転軸のみの回転によって前記アームが動作する間、当該一の前記回転軸とは異なる他の前記回転軸の状態に関わらず、当該一の前記回転軸の中心から前記アームの先端部までの最大距離に基づき、当該一の前記回転軸の中心から当該先端部が最も遠くなる状態での前記先端部の移動速度を予測し、
    予測した前記先端部の移動速度が制限速度を超える場合に前記可動装置を駆動する駆動装置への電力供給を遮断する、請求項1、請求項3、および請求項4のいずれかに記載の異常判定システム。
  6. 前記異常判定装置は、前記検出装置が異常であると判定した場合、二以上の前記回転軸が回転したときに前記駆動装置への電力供給を遮断する、請求項2または請求項5に記載の異常判定システム。
  7. 前記アブソリュートエンコーダ部は、前記回転軸の回転に伴ない回転するディスクを用いて前記回転軸の絶対角度を検出し、
    前記インクリメンタルエンコーダ部は、前記アブソリュートエンコーダ部が前記回転軸の絶対角度の検出時に用いる前記ディスクを用いて前記回転軸の回転角度の変化分を検出する、請求項1〜6のいずれかに記載の異常判定システム。
  8. 回転軸の回転を検出する検出装置の異常判定方法であって、
    前記検出装置が備えるインクリメンタルエンコーダ部は、
    パルスを含む差動信号をインクリメンタル信号として出力し、
    前記インクリメンタルエンコーダ部において電源異常が発生した場合に、前記インクリメンタル信号の出力状態をハイインピーダンス状態にすることで前記インクリメンタル信号の差動電圧を生じさせなくし、
    前記異常判定方法は、
    前記インクリメンタルエンコーダ部からの前記インクリメンタル信号で示された前記回転軸の回転角度の変化分に基づき前記回転軸の絶対角度を算出する算出ステップと、
    前記算出ステップで算出された前記回転軸の絶対角度と、前記検出装置が備えるアブソリュートエンコーダ部からのアブソリュート信号で示された前記回転軸の絶対角度との差が許容範囲外である場合に、前記検出装置が異常であると判定する判定ステップと、
    前記インクリメンタルエンコーダ部からの前記インクリメンタル信号を極性反転することなく受信し、受信した前記インクリメンタル信号の差動電圧に基づきハイまたはローの信号を出力する第1入出力ステップと、
    前記インクリメンタルエンコーダ部からの前記インクリメンタル信号を極性反転して受信し、受信した前記インクリメンタル信号の差動電圧に基づきハイまたはローの信号を出力する第2入出力ステップと、
    前記第1入出力ステップによる信号と、前記第2入出力ステップによる信号とに基づき、前記インクリメンタルエンコーダ部で発生した電源異常を検出するステップとを含む、異常判定方法。
  9. 可動装置が備える少なくとも一の回転軸の回転を検出する検出装置の異常判定方法であって、
    前記可動装置は、前記少なくとも一の回転軸の回転によって動作するアームを備え、
    前記異常判定方法は、
    前記検出装置が備えるインクリメンタルエンコーダ部からのインクリメンタル信号で示された前記回転軸の回転角度の変化分に基づき前記回転軸の絶対角度を算出する算出ステップと、
    前記算出ステップで算出された前記回転軸の絶対角度と、前記検出装置が備えるアブソリュートエンコーダ部からのアブソリュート信号で示された前記回転軸の絶対角度との差が許容範囲外である場合に、前記検出装置が異常であると判定する判定ステップと、
    前記検出装置が異常であると判定した場合、複数の前記回転軸のうちの一の前記回転軸のみの回転によって前記アームが動作する間、当該一の前記回転軸とは異なる他の前記回転軸の状態に関わらず、当該一の前記回転軸の中心から前記アームの先端部までの最大距離に基づき、当該一の前記回転軸の中心から当該先端部が最も遠くなる状態での前記先端部の移動速度を予測する予測ステップと、
    予測した前記先端部の移動速度が制限速度を超える場合に前記可動装置を駆動する駆動装置への電力供給を遮断する遮断ステップとを含む、異常判定方法。
  10. 可動装置が備える少なくとも一の回転軸の回転を検出する検出装置の異常判定システムであって、
    前記検出装置と、
    前記検出装置からの信号に基づき前記検出装置が異常であるか否かを判定する異常判定装置とを備え、
    前記検出装置は、
    前記回転軸の回転角度の変化分を示すインクリメンタル信号を出力するインクリメンタルエンコーダ部と、
    前記回転軸の絶対角度を示すアブソリュート信号を出力するアブソリュートエンコーダ部とを同一筐体内に含み、
    前記可動装置は、
    複数の前記回転軸と、
    複数の前記回転軸のうちの少なくとも一の前記回転軸の回転によって動作するアームとを備え、
    前記異常判定装置は、
    前記インクリメンタルエンコーダ部からの前記インクリメンタル信号で示された前記回転軸の回転角度の変化分に基づき前記回転軸の絶対角度を算出し、
    前記インクリメンタル信号から算出した前記回転軸の絶対角度と、前記アブソリュートエンコーダ部からの前記アブソリュート信号で示された前記回転軸の絶対角度との差が許容範囲外である場合に、前記検出装置が異常であると判定し、
    前記検出装置が異常であると判定した場合、二以上の前記回転軸が回転したときに前記可動装置を駆動する駆動装置への電力供給を遮断する、異常判定システム。
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