JP6629458B2 - 香味提供装置 - Google Patents

Description

本発明は、電子エアロゾル供給システムと可燃性喫煙品とを含む、喫煙品と共に使用する香味提供装置（ｆｌａｖｏｕｒ ｄｅｌｉｖｅｒｙ ｄｅｖｉｃｅ）に関する。

紙巻タバコや葉巻タバコ、シガリロのような可燃性喫煙品は、タバコの燃焼に基づくものであることが多いが、ハーブ等の他の植物材料が使用されることもある。タバコ又は植物材料の基本的な味、香り及び風味は、喫煙中に消費者が知覚する喫煙品の全体的な香味として提供されてもよいが、提供される香味を変えるために、例えばメントールのような付加的な香味料を添加することが知られている。香味料を取り込むための様々な構成、例えば、喫煙品が喫煙のために点火されるときの加熱作用によって、又は消費者の手の圧力下でカプセルが潰されることによって、或いはテープを引き裂く機械的な作用によって、吸引空気流中に蒸気として放出される香味を含ませるという構成が知られている。

近年、香味の供給は、可燃性喫煙品から電子タバコ等のエアロゾル供給システムに引き継がれてきている。一般的に、電子タバコは、典型的にはニコチンを含む組成物（ｆｏｒｍｕｌａｔｉｏｎ）を包含する原料液体（ｓｏｕｒｃｅ ｌｉｑｕｉｄ）用の容器、又は、タバコ由来製品のような固体用の容器を有しており、この容器から、熱による気化又はその他の手段等によりエアロゾルが生成される。したがって、エアロゾル供給システムのためのエアロゾル源は、容器からの原料液体の一部に結合された加熱素子を含むことができる。使用者が装置を吸引すると、加熱素子が作動して少量の原料液体が気化し、使用者が吸引するためのエアロゾルに変換される。より詳細には、このような装置には、通常、システムの吸い口から離れて配置された一つ以上の空気入口穴が設けられている。使用者が吸い口を吸うと、空気が入口穴を通りエアロゾル源を通過する。エアロゾル源に、そして吸い口の開口に通ずる空気流路があり、エアロゾル源を通過した空気が空気流路に沿って吸い口の開口へと流れ続け、エアロゾル源からのエアロゾルの幾らかを空気に随伴させるようになっている。エアロゾル随伴空気は、使用者による吸引のために吸い口の開口を通ってエアロゾル供給システムから流出する。このようなシステムへの香味料の取込みは簡単である。すなわち、生成されたエアロゾルが、加熱素子の加熱によって気化された揮発性香味成分を含むように、香味料を原料液体に含ませればよい。広範囲の香味が利用可能であるため、電子タバコは従来のタバコの味を提供しない場合もあるが、むしろ他の香味のみからなる味を提供する場合もある。幾つかのシステムでは、消費者が異なる原料液体を一緒にブレンドすることを可能にし、その後、電子タバコにそのブレンドをセットし、香味をカスタマイズすることを可能にする。

しかしながら、一般に、可燃性喫煙品及び他のエアロゾル供給システムのいずれにおいても、香味料は、タバコ又は原料液体に対する香味料の割合に応じたレベルで各吸引パフに存し、吸引されたエアロゾル流内に気化によって全てが消費されるまで供給される。これは、タバコ又は原料液体が消費される前であることもある。香味が存在し、その後になくなることがあるが、消費者は経験した香味のレベル及び持続時間を制御できない。

したがって、香味提供についての消費者による制御を可能にする手段に関心が持たれている。

本書に記載の幾つかの実施形態における第１の態様によれば、喫煙品によって生成されるエアロゾル流に香味を添加するための香味提供装置が提供され、この装置は、電源に接続されるように構成された電気的な加熱素子と、加熱素子からの熱を受けるよう配置された香味料供給材（ｆｌａｖｏｕｒａｎｔ ｐｒｏｖｉｄｅｒ）の一部分とを備え、香味料供給材は、担体材料（ｓｕｂｓｔｒａｔｅ ｍａｔｅｒｉａｌ）に保持された香味材料（ｆｌａｖｏｕｒａｎｔ ｍａｔｅｒｉａｌ）を含み、香味材料が蒸気を形成することができ、担体材料が加熱下において軟化可能である。また、この装置においては、加熱素子への電力の供給によって香味料供給材に熱が加えられ、担体材料の少なくとも一部分が軟化すると共に、香味材料の少なくとも一部分が蒸気として放出されるようになっている。

喫煙品は可燃性喫煙品とすることができ、香味提供装置は、電源を備える、可燃性喫煙品のための喫煙品ホルダに設けられるよう構成され得る。或いは、喫煙品は、電源を備える電子エアロゾル供給システムとしてもよく、香味提供装置は、前記電子エアロゾル供給システムに設けられるように構成される。

香味提供装置は、加熱素子を支持する支持部材をさらに備えてもよく、支持部材は、電子エアロゾル供給システム又は喫煙品ホルダに収容された電源に加熱素子を接続するよう構成された電気接点を支持する。或いは、加熱素子は電磁誘導による電力の供給を受けるよう構成されてもよい。

香味提供装置は、香味料供給材の一つ以上の別の部分をさらに備えてもよい。この香味料供給材の一つ以上の別の部分は、支持部材の相対する表面のそれぞれに配置されることができる。香味提供装置は、電力が個別に供給されるように構成された一つ以上の別の加熱素子をさらに備えてもよい。そして、香味提供装置は、加熱素子の各々からの熱を受けるよう配置された、香味材料の個々独立の部分を備えてもよい。

担体材料はワックス材料を含んでもよい。

担体材料の少なくとも一部分を軟化させるために加熱素子に電力を供給することは、前記担体材料の少なくとも一部を溶融するために十分な熱を与えるために電力を供給することを含むとよい。

本書に記載の幾つかの実施形態における第２の態様によれば、電子エアロゾル供給システム、電子エアロゾル供給システムの構成要素、又は喫煙品ホルダが提供され、かかる電子エアロゾル供給システム、電子エアロゾル供給システムの構成要素、又は喫煙品ホルダは、電子エアロゾル供給システム又は喫煙品ホルダにおける電源と電気的に接触させる位置において前記第１の態様による香味提供装置を受けるためのソケットを備え、このソケットから、香味提供装置により放出される香味材料が、電子エアロゾル供給システム又は喫煙品ホルダを通るエアロゾル流の空気流路に流入することが可能となっている。

ソケットは、使用者が香味提供装置を取り外して交換することができるように構成されているとよい。

電子エアロゾル供給システム、電子エアロゾル供給システムの構成要素、又は喫煙品ホルダは、電源に対する電気的な加熱素子の接続の断切を行うよう動作可能である外部の使用者駆動型スイッチを備えているとよい。或いは又は追加的に、電子エアロゾル供給システム、電子エアロゾル供給システムの構成要素、又は喫煙品ホルダは、電源から加熱素子への電力の供給を制御するように、メモリに記憶されたコンピュータコードを実行するよう構成されたコンピュータプロセッサを備えてもよく、任意であるが、メモリに記憶させるために更新コンピュータコードを受信するように構成されたデータ送受信器をさらに備えてもよい。

また、第１の態様による香味提供装置は、電源から加熱素子への電力の供給を制御するように、メモリに記憶されたコンピュータコードを実行するよう構成されたコンピュータプロセッサと、メモリに記憶させるために更新コンピュータコードを受信するように構成されたデータ送受信器とをさらに備えてもよい。

本書に記載の幾つかの実施形態における第３の態様によれば、記憶装置が提供され、この記憶装置は、コンピュータプロセッサによって実行可能であるコンピュータコードであって、請求項１〜６のいずれか一項に記載の香味提供装置から、電子エアロゾル供給システム又は可燃性喫煙品により生成されるエアロゾル流に香味を添加することに関連する制御パラメータを入力することを使用者に促すユーザインタフェースを表示させること、及び、電子エアロゾル供給システム、電子エアロゾル供給システムの構成要素、喫煙品ホルダ又は香味提供装置におけるデータ送受信器に、制御パラメータを表すデータを送信すること、をコンピュータ装置に行わせるよう動作可能であるコンピュータコードを記憶することができる。

本書に記載の幾つかの実施形態における第４の態様によれば、喫煙品によって生成されたエアロゾル流に香味を添加する方法が提供され、この方法は、電気的な加熱素子と、この電気的な加熱素子からの熱を受けるように配置された香味料供給材の一部分とを備える香味提供装置であり、香味料供給材が、担体材料に保持された香味材料を含み、香味材料が蒸気を発生させることができ、担体材料が加熱下で軟化可能である、香味提供装置を、電子エアロゾル供給システム又は喫煙品ホルダに配置するステップと、使用者が電子エアロゾル供給システム又は喫煙品ホルダを吸引している間、電子エアロゾル供給システム又は喫煙品ホルダにおける電源から電力を前記加熱素子に供給し、この電力の供給によって前記香味料供給材に熱を加えて、担体材料の少なくとも一部を軟化させると共に、香味材料の少なくとも幾らかを蒸気として放出させるステップと、放出された蒸気を、電子エアロゾル供給システム又は喫煙品ホルダを通る空気流路内を流れるエアロゾル流に提供するステップとを含む。

この方法は、コンピュータ装置から、電子エアロゾル供給システム、喫煙品ホルダ又は香味提供装置におけるデータ送受信器に制御パラメータデータを送信するステップと、電子エアロゾル供給システム、喫煙品ホルダ又は香味提供装置における、制御パラメータデータに従ってコンピュータコードを実行するコンピュータプロセッサを用いて、加熱素子への電力の供給を制御するステップとを更に含んでもよい。

本書に記載の幾つかの実施形態における第５の態様によれば、電子タバコによって生成される吸引可能な空気流に香味を添加するための香味提供装置が提供され、この香味提供装置は、支持部材と、支持部材に設けられた電気的な加熱素子と、この香味提供装置が電子タバコ内に挿入されたときに、電子タバコにおけるバッテリーと電気的な加熱素子との間を電気接続するように構成された、支持部材に設けられた電気接点と、電気的な加熱素子を覆うように支持部材上に配置された香味料供給材の一部分であって、該香味料供給材が、マトリックス材料に保持された香味材料を含み、香味材料が蒸気を形成することができ、マトリックス材料が加熱された場合に溶融することができる、香味料供給材の一部分とを備え、電気的な加熱素子への電力の供給が、香味材料に熱を加え、マトリックス材料を溶融すると共に、香味料供給材の蒸気を放出するようになっている。

特定の実施形態のこれら対応及び別の態様は、添付の特許請求の範囲の独立項及び従属項に記載されている。従属項における特徴は互いに組み合わされ、また、請求項において明示的に記載されたもの以外の組合せにおいて互いに独立した請求項の特徴と組み合わされ得ることを理解されたい。さらに、本書に記載の手段は、以下に示すような特定の実施形態に限定されるものではなく、本書に提示される特徴の任意の適切な組合せを含み、それを考慮するものである。例えば、香味提供装置は、後述する様々な特徴のうちの任意の一つ以上を適宜含む、本書に記載された手段に従って提供されてもよい。

以下、様々な実施形態を、添付図面を参照して例のみとして詳細に説明する。

本発明の実施形態が具現化され得る例示的なエアロゾル供給システムの概略図を示している。 例示的な香味提供装置が組み込まれた例示的なエアロゾル供給システムの一部の概略縦断面図を示している。 第１の例示的な香味提供装置の平面図を示している。 第２の例示的な香味提供装置の断面図を示している。 第３の例示的な香味提供装置の断面図を示している。 第４の例示的な香味提供装置の断面図を示している。 別の例示的な香味提供装置の平面図を示している。 更に別の例示的な香味提供装置の断面図を示している。 例示的な香味提供装置を収容するエアロゾル供給システムにおける例示的なカートリッジアセンブリ要素の端面図を示している。 例示的な香味提供装置を収容するエアロゾル供給システムの別の例示的なカートリッジアセンブリ要素の端面図を示している。 香味提供装置を含む第１の例示的なエアロゾル供給システムの概略図を示している。 香味提供装置を含む第２の例示的なエアロゾル供給システムの概略図を示している。 香味提供装置を含む第３の例示的なエアロゾル供給システムの概略図を示している。 香味提供装置が組み込まれた第１の例示的な喫煙品ホルダの縦断面図を示している。 香味提供装置が組み込まれた第２の例示的な喫煙品ホルダの縦断面図を示している。

特定の例及び実施形態の態様及び特徴について、本書において論じられ説明されている。しかし、特定の例及び実施形態における幾つかの態様及び特徴は、従来一般に具現化されている場合もあり、それらは簡略化するために詳細には説明しない。したがって、詳細に説明していない本書で論じた装置及び方法の態様及び特徴は、そのような態様及び特徴を具現化するための任意の従来技術に従って具現化され得ることは理解されよう。

本開示の態様は、喫煙品に関する。本開示の文脈において、この用語は、可燃性喫煙品（例えば、紙巻タバコ、葉巻タバコ、シガリロ、又は、タバコ若しくは他の植物材料の燃焼に基づくその他の物品）と、例えば電子エアロゾル供給システムのような電子喫煙品との両方を含む。

本開示の幾つかの態様は、ｅタバコ（ｅ−ｃｉｇａｒｅｔｔｅ）のような電子エアロゾル供給システムに関する（但し、これに限定されない）。以下の説明を通して、「ｅタバコ」又は「電子タバコ」という用語が使用されることがある。しかしながら、この用語は、エアロゾル（蒸気）供給システム及び電子エアロゾル（蒸気）供給システムと互換的に使用されてもよいことは理解されよう。

図１は、幾つかの実施形態が適用可能であるｅタバコ１０等のエアロゾル／蒸気供給システムの非常に概略的な図である（正確な縮尺ではない）。ｅタバコは、破線で示された長手方向軸線に沿って延びる略円筒形の形状を有し、二つの主要な構成要素、すなわち本体２０とカートリッジアセンブリ３０とを備える。

カートリッジアセンブリ３０は、例えばニコチンを含む、エアロゾルを生成する液体組成物を含有する原料液体を収容する容器３８と、エアロゾルを生成するために原料液体を加熱するための加熱素子又はヒーター４０とを含む。原料液体及びヒーター４０は、総称してエアロゾル源と称することができる。カートリッジアセンブリ３０はさらに、使用者がヒーター４０によって生成されたエアロゾルを吸引するための開口部を有する吸い口３５を含む。吸引用のエアロゾルは、エアロゾル流又は吸引可能な空気流として説明することができる。原料液体は、一例として、約１〜３％のニコチンと５０％のグリセロールとを含み、残りは概ね同量の水とプロピレングリコールとを含み、場合によっては他の成分も含む。

本体２０は、ｅタバコ１０に電力を供給するための再充電可能な電池又はバッテリー５４（以下「バッテリー」と称する）と、ｅタバコを全体的に制御するためのプリント回路基板（ＰＣＢ）２８及び／又は電子回路とを含んでいる。使用時において、恐らくは空気圧センサ（図示せず）によって検出された圧力変化に応答して回路基板２８によって制御されつつ、ヒーター４０がバッテリー５４から電力を受け取ると、ヒーター４０は加熱位置で原料液体を蒸発させてエアロゾルを発生させ、次いで、このエアロゾル流が吸い口３５の開口部を通って使用者によって吸引される。使用者が吸い口を吸うと、エアロゾルは、エアロゾル源を吸い口の開口部に接続する空気チャンネル（図１には示されていない）に沿ってエアロゾル源から吸い口３５に運ばれる。

この特定の例では、本体２０及びカートリッジアセンブリ３０は、図１に示すように長手方向軸線に平行な方向に分離することによって互いに取外し可能であるが、装置１０が使用される際、本体２０とカートリッジアセンブリ３０との間の機械的及び電気的な接続を可能とするための係合装置２１，３１（例えば、ねじ又はバヨネット接続具）を協働させることによって、本体２０及びカートリッジアセンブリ３０は互いに結合される。カートリッジアセンブリ３０に接続するために使用される本体２０上の電気的コネクタインタフェースは、本体２０がカートリッジアセンブリ３０から取り外されたときに本体２０を充電装置（図示せず）に接続するためのインタフェースとしても機能することができる。充電装置の他端は、ｅタバコの本体２０内のバッテリー５４を充電又は再充電するために、外部電源、例えばＵＳＢソケットに差し込むことができる。他の実施形態では、例えば、カートリッジアセンブリ３０に接続されたままでバッテリー５４を充電することができるように、別個の充電インタフェースを設けてもよい。

ｅタバコ１０には、空気入口用の一つ以上の穴（図１には示されていない）が設けられている。本体２０の外壁にある（しかし、他の例ではカートリッジアセンブリ３０の外壁にある）これらの穴は、ｅタバコ１０を通って吸い口３５への空気流路に接続している。空気流路は、本体２０内の圧力検出領域（図１には示されていない）を含み、そして、この空気流路は、本体２０からカートリッジアセンブリ３０の中に、加熱素子４０の周りの領域へと接続して、使用者が吸い口３５を吸うと、空気は、一つ以上の空気入口穴を通って空気流路に引き込まれるようにしている。この空気流（又はその結果生じる圧力変化）は、空気流路と連通する圧力センサ（図１には示されていない）によって検出され、この圧力センサは（回路基板２８の動作を通して）ヒーター４０を作動させ、原料液体の一部を蒸発させてエアロゾルを生成する。空気流は空気流路を流れ、ヒーター４０の周りの領域の蒸気と結合し、得られたエアロゾル（空気流と凝縮蒸気の組合せ）は、ヒーター４０の領域から使用者により吸引される吸い口３５に接続する空気流路に沿ってエアロゾル流として運ばれる。

幾つかの例では、取外し可能なカートリッジアセンブリ３０は、原料液体の供給がなくなったときに廃棄され、必要に応じて別のカートリッジアセンブリと交換される。他の例では、より多くの原料液体を再充填することもできる。本体２０は、例えば、一連の取外し可能な使い捨てカートリッジアセンブリに接続することによって１年以上の動作を可能とするために、バッテリーの再充電によって再使用可能とすることもできる。

エアロゾル供給システム１０は香味提供装置２５をさらに含む。この例では、香味提供装置２５はカートリッジアセンブリ３０内に配置されている。この装置は、後述するように、制御可能な態様でエアロゾル流に香味を付与ないしは提供するように動作する。したがって、この装置は、空気流路と空気流が連通するように配置され、もってこの装置によって提供された香味が、空気流路を通って流れる空気中に取り込まれ、それにより、口を介して使用者に送られるエアロゾル流に取り込まれるようになっている。香味提供装置は、空気流の方向に関してヒーター４０及びリザーバー３８の上流又は下流に配置されるとよい。したがって、香味は、エアロゾルが生成される前に空気流に、又は一度生成されたエアロゾル流に提供され得る。前者の場合、香味提供装置は、カートリッジアセンブリ３０の代わりに本体（バッテリー）部分２０内に配置されてもよい。香味提供装置は、いずれかの部分の恒久的な構成要素、特に、カートリッジアセンブリ３０が使捨て可能であることが意図されている場合には、カートリッジアセンブリ３０として組み込むことができる。或いは、香味提供装置は、必要に応じて使用者がｅタバコの一つの部分又は他の部分に挿入する別個の消耗要素であって、香味が消費されたとき又は異なる香味が所望されるときに交換される消耗要素としてもよい。そのような場合、香味提供装置は、ｅタバコの二つの部分が分離されたときのアクセスを容易にするために、係合要素２１，３１に隣接する位置でｅタバコ内に収容されると便利である。例えば、カートリッジアセンブリ３０又は本体２０が、係合要素から離れた別の場所で分離可能に構成されている場合、又はアクセススロット又は出入口が、ｅタバコの外壁を通して香味提供装置を挿入するために設けられている場合、他の位置も用いられ得る。

図２は、図１のものと同様の例示的なｅタバコの、その中央部分を通る概略縦断面図を示している。このｅタバコは、カートリッジアセンブリ３０と本体２０とが接続されるが、それらは別個の構成で示されている。この例では、カートリッジアセンブリ３０及び本体２０の側壁３２，２２は、押し嵌め（スナップ嵌め、バヨネット接続又はねじ接続もまた使用され得る）を可能にするような形状である。これにより、係合要素２１，３１が係合し、本体２０内のバッテリー５４と、ヒーター４０と、カートリッジアセンブリ３０内の香味提供装置２５との間が電気的に接続される。本体２０の側壁２２は、矢印Ａで示される空気の流入を可能にする一対の穴２４（より多い又はより少ない穴も使用され得る）を有する。穴は、本体２０内に配置されたチャンネル５６の中央空気流路の第１部分に接続し、この第１部分は、カートリッジアセンブリ３０と本体２０が結合されたときにカートリッジアセンブリ３０内に配置された空気流チャンネル５６の第２の部分に結合されて、吸い口までの連続的な空気流チャンネル５６（その中の空気の流れは矢印Ａで示されている）を形成するようになっている。ヒーター４０は空気流チャンネル内に配置され、使用者が吸い口を吸って穴２４を通して空気を引き込んだ場合に、空気はヒーターを横切って吸引され、蒸発した原料液体を収集することができるようになっている。ヒーター４０は、例えば、（加熱素子の材料及び構造に依存する）ウィッキング現象によって、ｅタバコの容器（図２には示されていない）からの原料液体の供給を受ける。吸引によって生じる空気圧の変化が検出され、（回路基板２８の制御の下で）バッテリー５４からヒーター４０に電力が供給されて、エアロゾル流を生成するのに必要な加熱及び蒸発が行われる。

また、加熱のための電力は、バッテリー５４から香味提供装置２５に供給される。この例では、装置２５は、空気流チャンネル５６の側壁に、カートリッジアセンブリ３０の接続端部に隣接して配置されているので、流れている空気に香味を直接放つことができ、また、カートリッジアセンブリ３０が本体２０から分離された場合に、使用者によって容易に挿入したり取り外したりすることもできる。香味料Ｆは、バッテリー５４から電流が加えられている状態で香味提供装置２５から、蒸発した形で放出され、空気流路５６内に直接提供され、空気流Ａによって取り出される。香味料は、エアロゾルが生成されるヒーター４０に空気流チャンネル５６に沿って運ばれ、ひいてはエアロゾル流に取り込まれる。

この例では、香味提供装置は、空気流チャンネル５６に直接配置されて示されていることに留意されたい。これは必須ではなく、代替的に、装置は、空気流チャンネルとは別個のチャンバ、スロット又は他の開口部に配置されてもよいが、香味料をエアロゾル流に移すために空気流が通じている必要がある。

図３は、香味提供装置２５の第１の例を示す平面図である。装置２５は支持部材６０を備え、この支持部材６０は、好適には平板状であるが、例えばｅタバコの特定の構成内でより効率的に取り付けられよう別の構成を有してもよい。例えば、空気流チャンネルを取り囲むように管状又はリング状であってもよい。電気絶縁性であるべき支持部材６０は、例えば繊維ガラス基板から形成されてもよいが、他の材料が用いられてもよい。二つ以上の電気コネクタ６２が支持部材６０の表面上に形成されて、装置２５がｅタバコに挿入された場合に、電気コネクタがｅタバコのバッテリー（図１及び図２のバッテリー５４のようなもの）と電気的に接続する他のコネクタと電気的に接触するようになっている。電気コネクタ６２は、支持部材６０上に又は支持部材６０内に配置された加熱素子６４に電力を供給するためのコネクタである。図３は、支持部材６０の全域にわたって設けられた蛇行形状の巻線を有する加熱素子６４を示しているが、他の素子は、ジグザグ状、湾曲状、螺旋状、直線状又は他の形状を有してもよく、及び／又は、二つ以上の個々独立の加熱素子が任意の形状又はパターンで設けられてもよい。

香味料供給材又は香味料供給材６６が、加熱素子６４によって機能される領域の少なくとも一部を覆うよう、支持部材６０の表面上に層として配置されている。香味料供給材は、中で香味材料を担持するマトリックス材料ないしは担体材料を含む。香味材料は、空気流によって移送されエアロゾル流に取り込まれるようにも、ガス又は液滴のいずれかとして蒸気の形態をとることができる任意の加香材料であってもよい。したがって、香味料は揮発性物質である可能性がある。蒸気状態は、典型的な室温で存在してもよく、又は熱の作用下で液体又は固体の香味材料から形成されてもよい。マトリックス材料又は担体材料は、室温で固体状態又はほぼ固体状態（例えばガム状又はペースト状）を有すると共に、取り込まれた香味材料を保持することができる任意の適切な材料とすることができる。例えば、香味材料は、マトリックス材料との混合物（例えば、マトリックス材料に混合された液体香味料）に形成されてもよく、又は（例えば、任意の公知の技術によってマイクロカプセル中に）カプセル化され、マトリックス材料に混合されたカプセルであってもよく、又は、マトリック材料は、格子構造と、格子間内に（例えば、液体材料の槽にマトリックス材料を浸漬することによって）注入又は沈着された香味材料とで形成されてもよい。さらに、マトリックス材料は、加熱されると状態を変化させる特性を有し、その結果、加熱素子によって加えられた熱により、マトリックス材料は、ある状態から別の状態に、特に、固体状態又はゲル状態から液体状態の方へ又は液体状態に全体的に又は部分的に遷移される。加熱され、それによって軟化したマトリックス材料は、そこから蒸気状態の香味材料を放出することができる。幾つかの場合においては、マトリックス材料は、液体状態に向かう変化のみ（固体がより少なくなる）が必要であり、幾つかの場合においては、マトリックス材料は液体になり、すなわち溶融する。本開示の文脈において、マトリックス材料は、加熱下で軟化して香味材料を放出するとみなし、ここで、軟化とは、固体が少なくなり、液体又は液体に近い状態になることをいう。必要とされる軟化の量（程度）は、香味料の揮発性と、香味料がマトリックス材料に保持される態様とに部分的に依存する。より高い揮発性を有する香味料は、例えばマトリックスの格子間を通して、又は蒸気圧が十分に高い場合には周囲のマトリックス材料を壊すことによって、僅かに軟化したマトリックスから放出され得る。より低い揮発性の場合は、放出されるべき香味料についてのマトリックスの溶融を必要とするかもしれない。幾つかの香味料は、放出のために、マトリックス材料の構造の完全崩壊、分解その他の劣化を必要とし、これは溶融によって達成され得る。「軟化」という用語は、これらの様々な変化の全てをカバーすることを意図しており、より少ない固体形態への完全な又は部分的な熱誘導状態変化がマトリックスから香味料を放出するために加熱素子によって提供されることを示している。香味料は、可能ならば、蒸気をマトリックス材料から放逐することができる加熱作用の下で、マトリックス材料から直接気化されることができる。或いは、マトリックス材料及び／又はカプセル化材料を軟化させることにより、香味料を、まだ蒸発させる液体として、又は直接蒸気状態へと、放出させることができる。

マトリックス又は担体に適した材料としては、ワックス（典型的には親油性及び非多孔性のもの；例えば、蜜蝋等の動物性ワックス、モンタンワックス等の鉱物ワックス、パラフィンワックス等の石油ワックス、ポリエチレンワックスやポリプロピレンワックス等のポリオレフィンワックス、及び、カンデリラワックスやカルナバワックス、キャスターワックス、ダイズワックス等の植物性ワックス）、ゼラチン、アルギン酸塩・ガム（キサンタンガム等）及びデンプンが挙げられる。マトリックス材料の目的は、典型的な室温（例えば１５℃〜３０℃）でのマトリックス材料からの香味材料の損失が最小限（ゼロ又は非常に低い）になるように香味材料を保持することである一方、熱がマトリックス材料を軟化させるために適用されると香味材料を蒸気として放出するようにすることである。２５℃〜７０又は８０℃、２５℃〜６０℃、３０℃〜７０℃、３０℃〜８０℃、４０℃〜７０℃、又は４０℃〜８０℃の範囲の温度が、香味材料の必要な放出を生じさせるのに適しているが、正確な温度は、マトリックス材料のタイプ及び香味材料のタイプを基準にして選択される。例えば、より高い温度、例えば８０℃〜１００℃が使用され得る。加熱素子と、バッテリーから加熱素子への電流の供給は、香味料供給材にとって所望の温度に達するよう適切なレベルに加熱するように構成することができる。加熱は、使用者が吸引する際に、香味料がエアロゾル流に送り込まれる時間スケール内で達成されるべきであり、したがって、好ましくは、かなり迅速であるべきである。例えば、香味料供給材の必要な加熱は、吸引の開始時間と同時に、又は吸引開始時間の０．５秒以内に開始されるとよい。他の構成では、例えば使用者制御下で、吸引開始時間に先立ってヒーターを作動させて、使用者が吸引すると直ぐに香味を高めることができる。加熱のための電流は、一定の持続時間（吸引の間で可変であってもよいが、吸引の開始時には約１秒間、典型的には３秒の持続時間とするとよい）で供給され、加熱後、マトリックス材料は冷却され、通常の室温状態へと硬化／再凝固され、残余の香味材料を保持するようになっている。パフ間の香味材料の喪失を避けるために、比較的迅速に冷却することができるマトリックス材料が好ましい場合がある。吸引の後半で放出される香味料は、効果的に使用者に送達されず、実際には廃棄されるので、所期の吸引時間（例えば３秒）未満の加熱が香味材料を保存するために好ましいこともある。

香味料供給材６６の層の厚さは、単一の装置で提供することが望まれる香味材料の総量に基づく要因に関して、そして、加熱素子６４から香味料供給材の外面へどのくらい迅速に熱を送ることができるかによって（この迅速性は香味料供給材の熱的特性に基づく要因によって決定される）、選択することができる。

香味料供給材の層は、材料の形態及び必要な厚さを考慮して、任意の適当な態様で支持部材６０に適用することができる。ペースト、ガム又はワックスのようなより厚い材料は展延技術によって、例えば支持部材の表面上に香味料供給材の一部分を射出又は付着させ、支持部材を展延ブレードを通過させ又はローラー間を移動させることによって、塗布することができる。その材料は、加熱されてそれを僅かに軟化させ、展延を助けることができるが、温度は香味材料が放出される温度より低く保たれるべきである。他の例では、香味料供給材は、支持部材上に噴霧、塗装又は印刷し、乾燥させて必要な層を形成することができる液体（例えば、液体マトリックス材料に懸濁させたカプセル化香味料を含む）として調製されてもよい。所望の厚さを得るために複数の層を適用してもよい。或いは、液体又は半液体組成物を用いた場合、支持部材は、香味料供給材の容器に、最初に支持部材の一方の表面に香味料の一部を付着させる面のみ浸漬させ、又は香味料の一部が支持部材の両面に必要とされる場合にはその縁部を浸漬させてもよい。さらに別の例では、香味料の一部を、支持部材の表面に接着させることができる固体又は半固体の硬質又は可撓性のタブレット又はロゼンジに成形することもできる。

香味料は、エアロゾル空気流に（香味提供装置は、所望であれば香味提供装置を使用することができるが、原料液体から与えられる任意の香味に加えて）味及び／又は香りを加えることを意図したものである。本書で使用される場合、「香料」及び「香味料」という用語は、成人消費者用の製品において所望の味または香りをつけるために（現地の規制によって許可される場合に）使用することができる材料のことをいう。これらの材料は、抽出物（例えば、カンゾウ、アジサイ、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メンソール、ニホンハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ウィンターグリーン、サクランボ、ベリー、モモ、リンゴ、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、はちみつエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、ウイキョウ、ピーマン、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、又はハッカ属の任意の種からのハッカ油等）、香味強化剤、苦味収容体部位遮断剤、感覚収容体部位活性化剤若しくは感覚収容体部位刺激剤、糖および／または代替糖（例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、又はマンニトール）、並びに他の添加物（例えば、チャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、又は息清涼剤）を含んでいてもよい。これらは、模造品、合成材料又は天然材料、或いはこれらの混合物であってもよい。これらは、香味蒸気を発することのできる、油、液体または粉末等、任意の適切な形態をとることができる。

図４は、香味提供装置の一例を示す断面図である。この例では、支持部材６０の外面に加熱素子６４が形成されている。これは、例えば、プリント回路基板を製造するための任意の従来技術を用いて抵抗線を形成することによって行われ得る。他の技術も好適に用いることができる。加熱素子６４は、その端部が導電要素６５によってコネクタ６２に接続されている。なお、導電要素６５は、明瞭化のために、支持部材６０内を通るように示されているが、加熱素子６４及びコネクタ６２と共に、可能であれば単一の製造工程で、表面に好適に形成され得る。続いて、香味料供給材６６の一部分が、加熱素子６４の上部を覆うようにして層として付着される。

図５は、さらなる例示的な香味提供装置を示す断面図である。この例では、加熱素子６４は、その表面上ではなく、支持部材６０の厚さの内側に配置されている。このような構造は、例えば、繊維ガラス基板又は他の基板の２つの層の間に抵抗線を挟むことによって製造することができる。加熱素子６４は、導電要素６５によって支持部材６０の表面上のコネクタ６２に接続される。香味提供装置が使用されることが意図されているｅタバコの構造、及び電気的な接続部と空気流チャンネルの相対的位置に応じて、香味料供給材６６の一部分を支持部材６０のいずれかの表面に形成することもできる。図５は、電気コネクタ６２と同じ面に形成された香味料供給材の部分６６を示しているが、反対側の面に形成されてもよい。例えば、ｅタバコの電気コネクターを、香味料供給材が露出している空気流路の部分から離れた香味提供装置の側面と接続するように構成することが好適である場合もある。

図６は、香味提供装置の別の例を示す断面図である。この例は、支持部材６０内に加熱素子６４が配置された図５と同じ構造を有する。図５の例と異なる点は、香味料供給材６６の一部分が支持部材６０の両面に形成されていることである。この構成は、空気流チャンネルを流れる空気又はエアロゾルが香味提供装置の両側を通過して、香味料供給材の両方の部分から放出された香味蒸気を収集するように構成されたｅタバコにおいて使用され得るものである。これは、例えば、単一の装置によって運ばれる香味料の量を２倍にすることができ、又は加熱効果が香味料供給材の一部分の表面により迅速に達することができるようにその部分を二つのより薄い層に分割することを可能にする。或いは、支持部材が十分に薄い場合、及び／又は、加熱素子が支持部材の厚さ方向を通して両側の香味料供給材に十分な熱エネルギーを伝えるのに十分な、良好な熱伝導性を有する場合には、表面支持型加熱素子を有する装置でもその支持部材の両側に香味料供給材の一部分を適用してもよい。

いかなる実施形態においても、電気コネクタ６２を、支持部材６０のいずれかの面に適宜配置することができ、或いは、一対のコネクタ６２を、一方のコネクタ６２が支持部材６０の第１の面にあり且つ他方のコネクタ６２が支持部材６０の第２の面にあるように配置することができる。或いは、コネクタ６２の一方又は両方を、支持部材６０の一つ以上の縁部に配置してもよい。ｅタバコ内の好ましい位置でコネクタとの接続を行う接続部を形成するためには、どのような位置が使用されてもよい。

図３〜図６の装置例は、単一の加熱素子を有する。別の例では、二つ以上の個々独立の加熱素子が設けられてもよい。複数の加熱素子が、加熱レベル全体の制御を向上させ、ひいては任意の所与の時間に行われる香味料放出のレベル全体の制御を向上させるために、同じ香味料供給材の一部分を機能させ、選択に応じて個々に又は一緒にアドレス可能であってもよい。或いは、香味料供給材の個別の部分が、個別の加熱素子によって加熱されるように配置されてもよい。その場合、第１の部分が消費された後に第２の部分が香味料を提供することができるように、加熱素子は、順次アドレス（作動）されるように構成されるとよい。代替として、加熱素子は、必要に応じて選択された部分から香味料を放出するように、消費者の選択に従って個々に作動されてもよい。この態様では、一つ以上の香味料を単一の香味提供装置から送出することができる。

加熱素子は、支持部材の両面を機能させるように、又は支持部材の同じ表面の異なる領域を機能させるように配置され得る。したがって、香味料供給材の様々な部分は、加熱素子に対応して支持部材に適用され得る。加熱素子は、図４のように支持部材の表面上に設けてもよいし、図５及び図６のように支持部材の厚さの内側に設けてもよい。

図７は、二つの加熱素子を有する第１の例示的な装置を示す平面図である。この例では、対応する電気コネクタ６２ａ，６２ｂを有する二つの加熱素子６４ａ，６４ｂが、支持部材６０の同じ表面上に並べて配置されている。各表面は、対応する香味料供給材の部分６６ａ，６６ｂを有する。これらの部分は、異なる香味料とすることができ、或いは、同じ香味料とすることもできる。

図８は、二つの加熱素子を有する第２の例示的な装置を示す断面図である。この例では、対応する電気コネクタ６２ａ、６２ｂを有する二つの加熱素子６４ａ，６４ｂは、支持部材６０の両面に一つずつ配置されている。各表面は対応の香味料供給材の部分６６ａ，６６ｂを有し、これらの部分は、同じ香味料とすることができ、或いは、異なる香味料とすることもできる。

これらの設計構造は、支持部材の片面又は両面に配置された任意の数の個々独立の加熱素子を設けるように拡張することができる。各加熱素子は、香味料供給材の個別の部分を機能させることができ、又は香味料供給材の単一部分が二つ以上の加熱素子をカバーすることもできる。

さらに別の設計構造では、香味提供装置は、加熱素子と、この加熱素子と接する香味提供材料の一部分とを備え、支持部材は有していない。加熱素子が、例えば硬質又は弾性を有するワイヤから形成されたもの、又は適当な厚さの金属から打ち抜かれ又は切断されたものであり、大いに自己支持されるように構成されている場合、支持部材を必要としないことがある。加熱素子は、香味料供給材の表面コーティング（例えば、加熱素子を香味料供給材の液体組成物に浸漬することによって形成されるもの）を有してもよく、又は香味料供給材の固体又は半固体の部分の周りに被覆され若しくは巻き付けられ、又は挿入されてもよい。加熱素子の端部は、電子タバコ内のソケットコネクタに挿入してバッテリーとの必要な電気接続を形成するための電気コネクタとして形成され得る。

電子タバコは、香味提供装置を受け入れて保持し収容すると共に、加熱素子の電気コネクタに必要な電気接続を行い、電子タバコのバッテリから加熱素子に電力を供給するために、ソケット、凹部、開口部、キャビティ、受け部又はその他の同様なものを有している。ソケットは、香味提供装置が使用者によって取り外されて別の装置と交換され得るように、構成されるとよく、又は、香味提供装置は、使捨てカートリッジアセンブリ内の非交換部品として設けられてもよい（この場合、香味提供装置へのアクセスは必要なく、アクセス不能位置においてアセンブリの内側で密閉され得る）。香味提供装置を収容するためにはいかなる構成をも利用することができる。

図９は、カートリッジアセンブリ３０内の香味提供装置についての第１の構成例を示す概略図であり、これは、カートリッジアセンブリの内部を見た状態での、本体（バッテリー）部分から取り外されたカートリッジアセンブリの端面図として示されている。また、全ての構成要素が示されているわけではない。カートリッジアセンブリ３０は、外壁３２によって境界が定められた円形の断面を有し、その内部には空気流チャンネル５６が略中央に形成されている。エアロゾル源の加熱素子４０は、チャンネルの内部に見ることができる。香味提供装置２５は、空気流チャンネルの一方の側にあるソケット内に挿入される。香味提供装置２５の反対側の端部を受け把持する一対の互いに対面するＵ字形のトラック（軌道）７０ａ，７０ｂが設けられている。装置２５をこれらのトラック７０ａ，７０ｂに滑り込ませることができ、トラック７０ａ，７０ｂは、電気接続が行われる受入れ位置に装置２５を案内する。トラック７０ａ，７０ｂは、香味提供装置２５上の電気コネクタに接続するための電子タバコの電気コネクタを形成するように導電性（例えば金属製の導電材料から作られる）であってもよいし、電気コネクタが設けられてもよいし、香味提供装置２５を、電子タバコの他の部分に設けられた電気コネクタと接触させる位置に案内するような形状にされてもよい。図示されるように、トラック７０ａ，７０ｂは、空気が香味提供装置２５の両面に沿って流れることができるように、香味提供装置２５を空気流チャンネル５６の隣り合う壁から離して保持する。したがって、装置２５は、必要に応じて、各表面に香味料供給材の一部分を持たせることができる。或いは、トラック７０ａ，７０ｂは、空気が一方の表面のみに沿って流れることができるように、空気流チャンネル壁と略同一平面上に装置２５を保持してもよい。

図１０は、カートリッジアセンブリ３０内の香味提供装置の第２の構成例を示す概略図であり、これも端部図で示されている。この構成は、香味提供装置２５を図９の例と同様の場所に保持する。空気流チャンネルの側壁に浅い凹部７２があり、そこに香味提供装置２５を押し入れることができる。カートリッジアセンブリの一部に対して一端が取り付けられた弾性的な偏倚式又はばね付勢式のアーム７４が、凹部７２上を延びており、装着された装置２５を押圧しそれを所定の位置に保持するようになっており、これは、加入者識別モジュール（ＳＩＭ）が携帯電話内で保持される態様と同様である。例えば、湾曲された金属から形成されたアーム７４は、それ自体が適切な形状とされた場合には電気コネクタを形成することができ、そうでない場合にはコネクタがアーム上に設けられてもよく、或いは、カートリッジアセンブリ２５内の電気コネクタと接する正規の位置に装置２５を単純に保持させてもよい。

図９及び図１０の両方の例では、香味提供装置は、取り外されたカートリッジアセンブリの開放端から容易にアクセス可能であり、したがって、必要に応じて、使用者はそれを取り外して交換することができる。これらの例は限定的なものではなく、香味提供装置を受け入れ、保持し、接続するための任意の代替的な構成を必要に応じて用いることができる。多くの代替案は当業者には容易に理解されよう。

使用者が香味提供の制御を行うために、香味提供装置の加熱素子に、エアロゾル源のヒーターへの電力の供給とは独立して電力を供給することができる電源を設けることができる。加熱素子及びヒーターが、吸引によって生じる空気圧の変化に応答してバッテリーから同時に電力を受け取った場合、香味材料が全て放出されるまで、香味はパフごとに一定の態様で提供される。加熱素子の電力供給をヒーターの電力供給から切り離し、それを独立にすることにより、香味を、使用者が所望するように、例えば各パフで又は数回のパフのみで、より多くの量又はより少ない量で供給することができる。

この制御は様々な方法で実施することができる。簡単な例は、電子タバコの外部のスイッチであり、使用者が望む任意の吸引中に、香味を加えるようそのスイッチを作動させることができる。電力は、スイッチが作動されると常に加熱素子に供給され、スイッチが作動されなくなると供給されないようにすることができる。或いは、スイッチは、使用者が望むように加熱素子をオンにするように作動させることができるが、まだオフにされていなければ、香味提供装置が長時間オンのままにならないように、吸引の終わりに（エアロゾル源への電力供給を制御するために用いられる圧力センサによって検出される）電力供給は自動的に終了される。これは過熱を避けるために安全性を向上させ、実際に必要とされる時間香味の放出を限定するので、香味料は浪費されない。この構成の延長として、スイッチは、圧力センサによって吸引が検出されない限り、加熱素子をオンにするように操作されることができないように構成することもできる。この態様においては、加熱素子は、使用者が電子タバコを吸引している間のみ作動させることができる。

スイッチは、タッチセンサ式スイッチ、プッシュボタン、トグルスイッチ、スライドスイッチ等の任意の適切な形式をとることができる。スイッチは、電子タバコの任意の外側部分に配置することができるが、それは、使用者が吸引中に電子タバコを保持する際にススッチを容易に操作することができる位置であるが、偶発的な操作を避けるためにスイッチを操作するために意図的な行為が必要とされる位置とすることが好ましい。スイッチがバッテリーを収容する本体部分に設けられている場合、スイッチは使捨て可能なカートリッジアセンブリの部分に含まれず、長寿命にすることができる。しかし、望まれる場合にはカートリッジアセンブリ上に配置されてもよい。

図１１は、香味提供装置を操作するためのスイッチを有するよう構成された電子タバコを概略的に示す概要図である。図１の例と同様に、電子タバコ１０は、本体部分２０に接続可能であるカートリッジアセンブリ３０を含む、このカートリッジアセンブリ３０は、容器３８及びヒーター４０からなるエアロゾル源と、香味提供装置２５とを収容している。本体２０は、バッテリーと、圧力センサを備えたＰＣＢ２８とを収容している。カートリッジアセンブリ３０を本体２０に接続することにより、二つの部分間に電気的な接続が形成され、バッテリーからヒーター４０及び香味提供装置２５に電力を供給することができるようになっている。ＰＣＢ２８は、圧力センサによって検出された圧力変化に応答して（図示しない回路を介して）ヒーターへの電力の供給を制御する。本体２０は、本体内の回路におけるスイッチ７８を作動させる、本体の外面上に設けられた使用者が操作可能な外部スイッチ又はボタン７６をさらに備える。スイッチ７８が閉じられると、電力は、バッテリー５４から香味提供装置２５の加熱素子に供給される。ＰＣＢは、この回路に接合されてもよく、上述したように、圧力センサが吸引を検出する時間中だけスイッチ７８を閉じることができるように、さらなる制御を可能とするよう適宜構成されてもよい。そうしない場合には、ＰＣＢはスイッチ７８を開位置に維持して、香味提供装置の加熱素子が動作しないようにする。

スイッチ操作式の香味提供装置は、使用者に、任意のパプにおいて香味を添加するか否かの選択を使用者に委ね、より長い時間又はより短い時間スイッチを閉じ続けることによって、パフ毎の香味の量の制御を行うことができる。しかし、加熱素子の動作に対するプログラム可能な制御を提供することによって、より高度な制御レベルを達成することができる。

図１２は、プログラム可能な制御のために構成された例示的な電子タバコの非常に単純化した（正確な縮尺ではない）説明図である。電子タバコ１０は、図１１の例と同じ構成要素を含み、本体部分２０内のバッテリー５４が、回路を介してカートリッジアセンブリ３０内の香味提供装置２５に電力を供給する。電子タバコ１０における構成要素の全体的な動作制御を可能とするＰＣＢ２８は、バッテリー５４から香味提供装置２５への電力の供給を制御する。ＰＣＢ２８は、マイクロプロセッサ７８と、マイクロプロセッサ７８によって実行可能なコンピュータコードを有するメモリ７９とを含み、バッテリーが香味提供装置の一つ以上の加熱素子を動作させる態様及びタイミングを制御する。制御は、次のような制御パラメータに従うものとすることができる。すなわち、どの加熱素子を作動させるか（一つ以上ある場合）、加熱素子をどのパフで作動させるか（例えば、全てパフか、交互のパフか、電子タバコのオンにした後の最初の一つ、二つ又は三つのパフか等）、どの程度の電力を供給するか（加熱素子がどの程度加熱されて香味がどの程度放出されるかを制御するため）、どの程度の時間、初期のパフに電力を供給するか、等の制御パラメータに従うものとすることができる。

使用者がこれらのパラメータをカスタマイズすることを可能にするために、記憶されたコンピュータコードを更新又は再プログラムすることができる。ＰＣＢ２８は、コンピュータ装置８２の送受信要素８４と無線通信するように構成されたデータ送受信要素８０を含む。送受信要素は、無線通信経路８１を確立するように構成されている。これは、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）、無線周波数通信又は赤外線信号等の任意の適当な無線方法によって行うことができる。コンピュータ装置８２は、使用者の入力を受けることができ、この情報を無線通信経路８１を介して送信することができる任意のデバイス（携帯電話、スマートフォン、タブレットデバイス、スマートウォッチ、ラップトップコンピュータまたはデスクトップコンピュータ等（これらに限定しない））とすることできる。コンピュータ装置８２には、香味提供装置２５のプログラミングを可能とするために、適切なソフトウェア（例えば、インターネットからダウンロード可能であるもの、又は、使用者が有する電子タバコの型式に従って使用者によってインストールされるもの）が提供される。コンピュータ装置８２のディスプレイ８３は、制御パラメータを構成するために適切な情報を入力するよう使用者に促すユーザインタフェースを提示する。例えば、利用可能な香味のリストを選択のために提示してもよく、使用者は、香味を追加するためにどのパフを選択し、各選択されたパフにおいて希望の香味レベルを入力してもよい。これは、例えば、最大値と最小値との間の香味レベルの選択を可能にするスライド制御によって行われてもよく、その場合、コンピュータ装置８２及び／又はＰＣＢ２８のマイクロプロセッサ７８は、選択されたレベルを、その香味レベルを提供するのに必要とされる電力量に変換する。パラメータが全て使用者が満足するものに設定されると、例えば、ユーザインタフェース上の「了」又は「保存」制御の使用者操作に応答して、そのパラメータを表すデータがコンピュータ装置８２から通信経路８１を介して電子タバコ１０に転送される。そのデータは、電子タバコ１０のその後の使用中に、マイクロプロセッサ７８による実行のためにメモリ７９に記憶される。

制御の目的で、データ送受信要素はデータ受信専用に構成されてもよい。しかし、電子タバコは、送信のためにも構成されている場合、例えば、香味提供装置がまさに終了しようとしているとき（例えば、装置が使用開始された時から香味を放出するよう提供された加熱料から見積もって、香味の全てが放出されている場合）を通知するために、使用者の装置に通信することができる。また、電子タバコは、コンピュータ装置が適切な制御パラメータをプログラムするよう使用者に促すことができるように、インストールされた香味提供のタイプ又は型式をコンピュータ装置に自動的に通知することができる。これを達成するために、香味提供装置２５は、回路を介してマイクロプロセッサ７８によって読取り可能なソフトウェア又は回路に埋め込まれた識別コードを備えるとよい。これがない場合、使用者は、例えば、ユーザインタフェースによって提示されるリストから装置タイプを選択することによって、装置タイプをコンピュータ装置に入力することができる。その場合、コンピュータ装置は、特定の香味提供装置に関連するパラメータのプログラミングのため適切なユーザインタフェースを提示することができる。

或いはまた、電子タバコを、有線接続を介してコンピュータ装置にプログラミングするように構成してもよい。図１３は、そのような構成の非常に単純化した（正確な縮尺ではない）説明図である。電子タバコ１０は、データ転送ケーブル８５を差し込むことができるデータソケット８６を有しており、電子タバコ１０をコンピュータ装置８２（この例ではデスクトップコンピュータシステム）に接続することができるようになっている。どのようなデータ転送プロトコルでも用いられ得るが、データ転送は、例えば、ＵＳＢ又はイーサネット（登録商標）を介したものとすることができる。好適には、データソケット８６は、電子タバコのバッテリーを充電するための充電ソケットとしても具現化することができ、これには例えばＵＳＢポートが有効である。そうしない場合には、システムは、図１２に関して説明したものと同じ又は同様の態様で作動され得る。コンピュータ装置は、使用者による所望の制御パラメータの入力のためのユーザインタフェースを提示するためにソフトウェアを有し、これらはデータケーブル８５を介して電子タバコのメモリに転送される。

なお、ＰＣＢ（又は他の電子機器）及びその構成要素の機能は、必要に応じてソフトウェア、ハードウェア及びファームウェアの任意の組み合わせを使用して達成され得ることに留意されたい。

以上、電子タバコ、又は他のエアロゾル及び蒸気供給システムに関して、本発明の実施形態を説明してきたが、これに限定されない。幾つかの実施形態が、タバコ消費に基づくような従来一般の可燃性喫煙品に香味を加えるために使用することができる。

これを実現するために、可燃性喫煙品のためのホルダを提供することが提案されており、使用者は、従来のシガレットホルダの仕方で、このホルダを通して吸引して可燃性喫煙品を消費し、この場合、このホルダは、例えば、上述した例のいずれかのような香味提供装置を収容し動作させることができる。

図１４は、可燃性喫煙品ホルダ１００の一例を示す単純化した概略断面図である。成形プラスチック又は他の材料から作製され得るホルダ１００は、実質的に管状構造であり、その中央孔は、可燃性喫煙品の端部における開口部１０２（可燃性喫煙品１０４が消費されるべく挿入される開口部）と、吸い口１３５との間で延びる空気流路１５６を形成している。可燃性喫煙品１０４がホルダ１００に挿入されて火が着けられると、使用者は吸い口を吸う。これによって、可燃性喫煙品のタバコロッド１０６に空気が引き込まれ、そこで、その空気は、通常の態様で、燃焼するタバコから放出された煙、ニコチン及びその他の成分を収集する。これは、可燃性喫煙品のフィルター１０８を通して（フィルターレスの場合には、単に可燃性喫煙品の端部から流出）、ホルダ１００内の空気流路１５６に引き入れられ、その結果、使用者は吸い口を通してその空気を吸引する。この空気流Ａは電子タバコのエアロゾル流に対応し、この開示の目的のために、これらの用語は置換え可能である。

ホルダ１００は、香味提供装置２５が挿入され得るように構成され、装置２５上の香味材料部分６６から放出される香味Ｆがホルダを通る空気流によって取り込まれ、それによって可燃性喫煙品からの送出ガスに香味を添加するようになっている。ホルダ１００は、その側壁に、香味提供装置を挿入することができるスロット１０１を有する。スロット１０１は、香味提供装置２５から放出された香味が空気流路１５６に連通する位置に香味提供装置２５を受け入れて保持する空気流路１５６の側面に設けられた、凹部の形態のソケット１０３にアクセスすることができる。代替的に、ホルダは、香味提供装置を他の任意の適切な態様で受け入れて保持するように構成され設計されてもよい。ホルダ１００には、電子タバコの例に関して上述したものと同様の、バッテリー１５４及びＰＣＢ１２８又は他の制御電子機器（幾つかの実施形態では、使用者がホルダ１００を通して吸引したときを検出するための圧力検出器を含む）が設けられている。電気接点及び回路は、香味提供装置２５の加熱素子に電力を供給するために、装着された香味提供装置２５をバッテリー１５４に接続する。ＰＣＢ及びそのマイクロプロセッサ１７８は、メモリ１７９内のコンピュータコードに記憶された制御パラメータに従って加熱を制御する。パラメータは、前述したものと同様に、送受信要素１８０によってコンピュータ装置から受信されたデータアップデートを通して、使用者の好みに従ってプログラム又は更新されてもよい。バッテリーを再充電するためのソケット１８６が設けられている。これも、前述したものと同様に、コンピュータ装置への有線接続を介してメモリ１７９に制御パラメータ又は他のデータを提供することができる。

この例のようなホルダの場合、従来の可燃性喫煙品に完全に、使用者の好みや要望で香味を添加することができる。これは、使用者が変更することができない所定のレベルにどのパフにも香味を含ませるよう、タバコ材料又はフィルター材料への香味料の単純な添加よりも、相当に洗練された香味の添加を可能とする。

或いは、図１１の電子タバコのスイッチ操作機能と同様に、ホルダをスイッチ操作式の香味制御用に構成することもできる。

図１５は、スイッチを用いて構成されたホルダの一例を示す概略断面図である。ホルダ１００は、バッテリー１５４を香味提供装置２５の加熱素子に接続するように動作する、ホルダの外壁上に配置されたスイッチ１７６（前述したような任意の所望の形式のもの）を有しており、加熱及び香味の放出を可能としている。電子タバコの例に関して説明したように、加熱素子の動作を、安全上の理由から、そして香味を保存するために、使用者がホルダ１００を通して吸引している時間だけ限定するために、可能ならば圧力センサを有する制御電子機器１２８を含めることができる。このタイプのホルダは、スイッチを操作するだけで、使用者が可燃性喫煙品のいずれかのパフに香味を加えることを可能にし、香味提供装置は、必要に応じていつでも香味を変えるために取り替えられ得る。

さらに、可燃性喫煙品の代わりに電子エアロゾル供給システム（電子タバコ等）に香味を保持し加えるために、香味提供装置を含むように構成された喫煙品ホルダを用いてもよい。したがって、「喫煙品ホルダ」とは、可燃性喫煙品、電子エアロゾル供給システム、又はその両方を保持するように構成されたホルダを含むものをいう。

なお、電子タバコ又は喫煙品ホルダではなく、香味提供装置上の加熱素子の動作を直接制御するＰＣＢ又は他の電子機器の機能を提供することも可能であることに留意されたい。プロセッサ、メモリ、及びデータ送受信器は、支持部材上に取り付けられ、適切な回路及び電力供給源が設けられてもよい。これにより、香味提供装置のコスト及び複雑さが増し、場合によってはサイズが大きくなるが、香味提供制御用に構成されていないＰＣＢを有する電子タバコと共に本装置を使用することが可能になる。例えば、使用者は、使捨てカートリッジアセンブリ構成要素を、電子タバコの既存の再使用可能な本体構成要素を保ちながら香味提供装置を受け入れるように構成されたものと交換することができる。

以上述べてきた例は全て、香味提供装置から香味を放出するために従来一般の抵抗による電気加熱を利用してきた。この装置は一つ以上の加熱素子を有し、この加熱素子は、その温度が上昇するように加熱素子を流れる電流を生成するために、ワイヤやリード線等によって電源（バッテリー）に接続可能となっている。生成される熱量は、加熱素子の電気抵抗とそれを流れる電流の量又はその両端に印加される電圧（電位差）に依存する。

代替として、香味提供装置は、加熱素子内で熱を発生させるために誘導加熱（誘導的な加熱）を使用することができる。誘導加熱は、典型的には、金属から作られた導電性材料を電磁誘導によって加熱することを可能にする現象である。したがって、電磁石を通過する高周波交流電流を生成するために電子発振器が設けられる。そして、電磁石は、高速の交番磁場を生成し、これは加熱される対象物、この場合は香味提供装置の加熱素子を貫くように配置される。磁場は、導電性材料に渦電流を発生させ、この電流は、材料の抵抗によって熱を発生させる。したがって、誘導加熱もまた、材料の電気抵抗から熱を発生させるために電流を必要とするが、その電流は、電源から印加される電位差によって得られる電流ではなく、外部磁場によって生成される渦電流である。

したがって、バッテリーのような電源に電気的に接続する電気接点を有する加熱素子の構成は、バッテリー又は他の電源から電力を受ける関連の電子発振器によって駆動される電磁石の磁場範囲内に配置された加熱素子と置き換えられ得る。上述した例では、加熱素子のための電気接点を含むが、誘導加熱においては、このような物理的接触は必要とされず、加熱素子と電源との間の接続は、発振器と電磁石（又は必要な磁場を生成するための他の構成）とによって提供される。加熱素子への電力の供給は、抵抗加熱の例において電力を供給する物理的な電気接続部を通る直流電流の代わりに、渦電流を生成するための磁場の印加を含むものとなる。二つ以上の加熱素子を含む構成では、（例えば、加熱素子毎に電磁石を設けることによって）磁場生成をセグメント化して、それらの加熱素子を、対応する電磁石の作用によって個々に作動されるようにすることができる。

本書で説明される様々な実施形態は、特許請求される特徴の理解および教示を助けるためにのみ提示されている。これらの実施形態は、実施形態の代表例としてのみ提供されており、網羅的及び／又は限定的なものではない。本書で説明される利点、実施形態、例、機能、特徴、構造及び／又は他の側面は、請求項で定義された本発明の範囲を制限するもの、或いは請求項の均等物に対する制限と考えられるべきではないこと、並びに特許請求する発明の範囲を逸脱することなく、他の実施形態が使用されてもよく、変更が行われてもよいことを理解されたい。本発明の様々な実施形態は、本書で具体的に説明したもの以外の、開示されている要素、構成、特徴、部品、ステップ、手段等の適切な組み合わせを適切に含んでも、これらのみからなっていても、或いは実質的にこれらのみからなっていてもよい。また、本開示は、特許請求の範囲に現在は記載されていないが将来記載され得る他の発明を含み得る。

Claims (20)

1. 喫煙品によって生成されるエアロゾル流に香味を添加するための香味提供装置であって、
   電源に接続されるように構成された電気的な加熱素子と、
   前記加熱素子を支持する支持部材であり、電子エアロゾル供給システム又は喫煙品ホルダに収容された電源に前記加熱素子を接続するよう構成された電気接点を支持する支持部材と、
   前記加熱素子からの熱を受けるよう、前記支持部材の表面の一部を覆う層として配置された香味料供給材の一部分と
   を備え、
   前記香味料供給材が、担体材料に保持された香味材料を含み、
   前記香味材料が蒸気を形成することができ、前記担体材料が加熱下において軟化可能であり、
   前記加熱素子への電力の供給によって前記香味料供給材に熱が加えられ、前記担体材料の少なくとも一部分が軟化し、前記香味材料の少なくとも一部分が蒸気として放出されるようになっている、香味提供装置。
2. 前記喫煙品が可燃性喫煙品であり、当該香味提供装置が、前記電源を備える、前記可燃性喫煙品のための喫煙品ホルダに設けられるよう構成されている、請求項１に記載の香味提供装置。
3. 前記喫煙品が、前記電源を備える電子エアロゾル供給システムであり、当該香味提供装置が、前記電子エアロゾル供給システムに設けられるように構成されている、請求項１に記載の香味提供装置。
4. 前記加熱素子が電磁誘導による電力の供給を受けるよう構成されている、請求項１〜３のいずれか一項に記載の香味提供装置。
5. 香味料供給材の一つ以上の別の部分をさらに備える、請求項１〜４のいずれか一項に記載の香味提供装置。
6. 前記香味料供給材の一つ以上の別の部分が、前記支持部材の相対する表面のそれぞれに配置されている、請求項５に記載の香味提供装置。
7. 電力が個別に供給されるように構成された一つ以上の別の加熱素子をさらに備える、請求項１〜６のいずれか一項に記載の香味提供装置。
8. 前記加熱素子の各々からの熱を受けるよう配置された、香味材料の個々独立の部分を備える、請求項７に記載の香味提供装置。
9. 前記担体材料がワックス材料を含む、請求項１〜８のいずれか一項に記載の香味提供装置。
10. 前記担体材料の少なくとも一部分を軟化させるために前記加熱素子に電力を供給することは、前記担体材料の少なくとも一部を溶融するために十分な熱を与えるために電力を供給することを含む、請求項１〜９のいずれか一項に記載の香味提供装置。
11. 電子エアロゾル供給システム、電子エアロゾル供給システムの構成要素、又は喫煙品ホルダであって、
    前記電子エアロゾル供給システム又は前記喫煙品ホルダにおける電源と電気的に接触させる位置において請求項１〜１０のいずれか一項に記載の香味提供装置を受けるためのソケットを備え、
    前記ソケットから、前記香味提供装置により放出される香味材料が、前記電子エアロゾル供給システム又は前記喫煙品ホルダを通るエアロゾル流の空気流路に流入することが可能となっている、電子エアロゾル供給システム、電子エアロゾル供給システムの構成要素、又は喫煙品ホルダ。
12. 使用者が前記香味提供装置を取り外して交換することができるように前記ソケットが構成されている、請求項１１に記載の電子エアロゾル供給システム、電子エアロゾル供給システムの構成要素、又は喫煙品ホルダ。
13. 前記電源に対する前記電気的な加熱素子の接続の断切を行うよう動作可能である外部の使用者駆動型スイッチを備える、請求項１１又は１２に記載の電子エアロゾル供給システム、電子エアロゾル供給システムの構成要素、又は喫煙品ホルダ。
14. 前記電源から前記加熱素子への電力の供給を制御するように、メモリに記憶されたコンピュータコードを実行するよう構成されたコンピュータプロセッサを備える、請求項１１又は１２に記載の電子エアロゾル供給システム、電子エアロゾル供給システムの構成要素、又は喫煙品ホルダ。
15. 前記メモリに記憶させるために更新コンピュータコードを受信するように構成されたデータ送受信器をさらに備える、請求項１４に記載の電子エアロゾル供給システム、電子エアロゾル供給システムの構成要素、又は喫煙品ホルダ。
16. 前記電源から前記加熱素子への電力の供給を制御するように、メモリに記憶されたコンピュータコードを実行するよう構成されたコンピュータプロセッサと、前記メモリに記憶させるために更新コンピュータコードを受信するように構成されたデータ送受信器とをさらに備える、請求項１〜１０のいずれか一項に記載の香味提供装置。
17. コンピュータプロセッサによって実行可能であるコンピュータコードであって、
    請求項１〜１０及び１６のいずれか一項に記載の香味提供装置から、電子エアロゾル供給システム又は可燃性喫煙品により生成されるエアロゾル流に香味を添加することに関連する制御パラメータを入力することを使用者に促すユーザインタフェースを表示させること、及び、
    電子エアロゾル供給システム、電子エアロゾル供給システムの構成要素、喫煙品ホルダ又は香味提供装置におけるデータ送受信器に、前記制御パラメータを表すデータを送信すること
    をコンピュータ装置に行わせるよう動作可能であるコンピュータコード
    を記憶する記憶装置。
18. 喫煙品によって生成されたエアロゾル流に香味を添加する方法であって、
    電気的な加熱素子と、前記加熱素子を支持する支持部材であり、電子エアロゾル供給システム又は喫煙品ホルダに収容された電源に前記加熱素子を接続するよう構成された電気接点を支持する支持部材と、前記電気的な加熱素子からの熱を受けるように配置された香味料供給材の一部分とを備える香味提供装置であり、前記香味料供給材が、担体材料に保持された香味材料を含み、前記香味材料が蒸気を発生させることができ、前記担体材料が加熱下で軟化可能である、香味提供装置を、電子エアロゾル供給システム又は喫煙品ホルダに配置するステップと、
    使用者が前記電子エアロゾル供給システム又は前記喫煙品ホルダを吸引している間、前記電子エアロゾル供給システム又は前記喫煙品ホルダにおける前記電源から電力を前記加熱素子に供給し、この電力の供給によって前記香味料供給材に熱を加えて、前記担体材料の少なくとも一部を軟化させると共に、前記香味材料の少なくとも幾らかを蒸気として放出させるステップと、
    放出された前記蒸気を、前記電子エアロゾル供給システム又は前記喫煙品ホルダを通る空気流路内を流れるエアロゾル流に提供するステップと
    を含む方法。
19. コンピュータ装置から、前記電子エアロゾル供給システム、前記喫煙品ホルダ又は前記香味提供装置におけるデータ送受信器に制御パラメータデータを送信するステップと、
    前記電子エアロゾル供給システム、前記喫煙品ホルダ又は前記香味提供装置における、前記制御パラメータデータに従ってコンピュータコードを実行するコンピュータプロセッサを用いて、前記加熱素子への電力の供給を制御するステップと
    を含む、請求項１８に記載の方法。
20. 電子タバコによって生成される吸引可能な空気流に香味を添加するための香味提供装置であって、
    支持部材と、
    前記支持部材に設けられた電気的な加熱素子と、
    当該香味提供装置が前記電子タバコ内に挿入されたときに、前記電子タバコにおけるバッテリーと前記電気的な加熱素子との間を電気接続するように構成された、前記支持部材に設けられた電気接点と、
    前記電気的な加熱素子を覆うように前記支持部材上に配置された香味料供給材の一部分であって、該香味料供給材が、マトリックス材料に保持された香味材料を含み、前記香味材料が蒸気を形成することができ、前記マトリックス材料が加熱された場合に溶融することができる、香味料供給材の一部分と
    を備え、
    前記電気的な加熱素子への電力の供給が、前記香味材料に熱を加え、前記マトリックス材料を溶融すると共に、香味料供給材蒸気を放出するようになっている、香味提供装置。

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