JP6628767B2 - スパークプラグ - Google Patents

スパークプラグ Download PDF

Info

Publication number
JP6628767B2
JP6628767B2 JP2017140802A JP2017140802A JP6628767B2 JP 6628767 B2 JP6628767 B2 JP 6628767B2 JP 2017140802 A JP2017140802 A JP 2017140802A JP 2017140802 A JP2017140802 A JP 2017140802A JP 6628767 B2 JP6628767 B2 JP 6628767B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resistor
metal
metal layer
layer
conductive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017140802A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019021567A (ja
Inventor
一輝 田中
一輝 田中
裕則 上垣
裕則 上垣
啓一 黒野
啓一 黒野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Spark Plug Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2017140802A priority Critical patent/JP6628767B2/ja
Priority to DE102018117394.6A priority patent/DE102018117394B4/de
Publication of JP2019021567A publication Critical patent/JP2019021567A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6628767B2 publication Critical patent/JP6628767B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01TSPARK GAPS; OVERVOLTAGE ARRESTERS USING SPARK GAPS; SPARKING PLUGS; CORONA DEVICES; GENERATING IONS TO BE INTRODUCED INTO NON-ENCLOSED GASES
    • H01T13/00Sparking plugs
    • H01T13/40Sparking plugs structurally combined with other devices
    • H01T13/41Sparking plugs structurally combined with other devices with interference suppressing or shielding means
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01TSPARK GAPS; OVERVOLTAGE ARRESTERS USING SPARK GAPS; SPARKING PLUGS; CORONA DEVICES; GENERATING IONS TO BE INTRODUCED INTO NON-ENCLOSED GASES
    • H01T13/00Sparking plugs
    • H01T13/20Sparking plugs characterised by features of the electrodes or insulation
    • H01T13/34Sparking plugs characterised by features of the electrodes or insulation characterised by the mounting of electrodes in insulation, e.g. by embedding
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01TSPARK GAPS; OVERVOLTAGE ARRESTERS USING SPARK GAPS; SPARKING PLUGS; CORONA DEVICES; GENERATING IONS TO BE INTRODUCED INTO NON-ENCLOSED GASES
    • H01T13/00Sparking plugs
    • H01T13/20Sparking plugs characterised by features of the electrodes or insulation
    • H01T13/38Selection of materials for insulation
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01TSPARK GAPS; OVERVOLTAGE ARRESTERS USING SPARK GAPS; SPARKING PLUGS; CORONA DEVICES; GENERATING IONS TO BE INTRODUCED INTO NON-ENCLOSED GASES
    • H01T13/00Sparking plugs
    • H01T13/40Sparking plugs structurally combined with other devices
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01TSPARK GAPS; OVERVOLTAGE ARRESTERS USING SPARK GAPS; SPARKING PLUGS; CORONA DEVICES; GENERATING IONS TO BE INTRODUCED INTO NON-ENCLOSED GASES
    • H01T21/00Apparatus or processes specially adapted for the manufacture or maintenance of spark gaps or sparking plugs
    • H01T21/02Apparatus or processes specially adapted for the manufacture or maintenance of spark gaps or sparking plugs of sparking plugs

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Spark Plugs (AREA)

Description

本発明は、スパークプラグに関するものである。
特許文献1には、スパークプラグの一例が開示されている。特許文献1で開示されるスパークプラグは、筒状の絶縁体(絶縁碍子)と、絶縁体の内側に保持される中心電極と、中心電極との間で火花放電ギャップを形成する接地電極と、中心電極の基端側において絶縁体の内側に保持される抵抗体(レジスタ)と、を備える。
特開2016−100271号公報
特許文献1で開示されるスパークプラグは、絶縁体の内部に抵抗体を配置することで、中心電極から発生する電波雑音を抑制している。更に、抵抗体の両側に密着させた形で導電性シール層(導電性ガラスシール部)を配置することで、絶縁体内のシール性を高めつつ、中心電極への導電路を確保している。
しかし、このように抵抗体に密着させて導電性シール層を設けた構成とすると、導電性シール層が抵抗体への酸素供給源となり得る場合に、抵抗体において酸化が進展してしまい、抵抗体の抵抗値が増大する虞がある。そこで、特許文献1のスパークプラグは、抵抗体(レジスタ)の酸化を抑えるために、導電性シール層(導電性ガラスシール部)内にイオン化傾向の高い金属やカーボンからなる還元剤を含有させている。このように構成すると、導電性シール層(導電性ガラスシール部)内に散在する還元剤によって抵抗体(レジスタ)への酸素供給をある程度抑えることができ、酸化抑制効果が生じ得る。
しかし、特許文献1のスパークプラグは、抵抗体(レジスタ)の端面全体が導電性シール層(導電性ガラスシール部)に広く密着しているため、導電性シール層から抵抗体への酸素の移動を十分に遮断することはできない。特に、導電性シール層の端部近傍(抵抗体に密着する領域の近傍)から抵抗体に移動しようとする酸素は、内部に散在する還元材によっては、遮断されにくい。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、内部に抵抗体を介在させたスパークプラグにおいて、抵抗体の酸化をより効果的に抑制し得る構成を提供することを目的とするものである。
本発明の第1態様のスパークプラグは、
軸線の方向に延びる貫通孔を有する絶縁体と、
前記貫通孔の一端側で保持される中心電極と、
前記貫通孔の他端側で保持される端子金具と、
前記貫通孔内において前記中心電極と前記端子金具との間に配置され、炭素を含有してなる抵抗体と、
前記貫通孔内において前記中心電極と前記抵抗体との間に配置され、前記中心電極と前記抵抗体とを電気的に接続する導電性シール層と、
を有するスパークプラグであって、
前記貫通孔内において前記中心電極と前記抵抗体との間に配置され、少なくとも一部が前記抵抗体と接触する金属層を有し、
前記金属層は、前記抵抗体に含まれる炭素よりも酸素との反応性が高い金属材料を主成分としてなる。
このスパークプラグは、導電性シール層と抵抗体との間に金属層が介在し、抵抗体に接触するように配置されるため、導電性シール層と抵抗体とが接触する領域を減らす又は無くすことができ、導電性シール層に含まれる酸素が抵抗体へと直接的に移動しにくくなる。更に、金属層は、抵抗体に含有される炭素よりも酸素との反応性が高い金属材料を主成分とする層であるため、導電性シール層に含まれる酸素が金属層を通って抵抗体に移動しようとしても、金属層内の金属材料と反応して捕獲されやすい。ゆえに、抵抗体への酸素供給が抑えられ、抵抗体に含まれる炭素の酸化を確実に抑制することができる。
第1態様のスパークプラグにおいて、金属材料は、少なくとも、Mg、Al、Zn、Fe、Niのいずれかからなる金属を含んでいてもよい。
Mg、Al、Zn、Fe、Niは酸素との反応性がより高いため、金属層内でより効果的に酸素を捕獲し得る。
本発明の第2態様のスパークプラグは、
軸線の方向に延びる貫通孔を有する絶縁体と、
前記貫通孔の一端側で保持される中心電極と、
前記貫通孔の他端側で保持される端子金具と、
前記貫通孔内において前記中心電極と前記端子金具との間に配置され、炭素を含有してなる抵抗体と、
前記貫通孔内において前記中心電極と前記抵抗体との間に配置され、前記中心電極と前記抵抗体とを電気的に接続する導電性シール層と、
を有するスパークプラグであって、
前記貫通孔内において前記中心電極と前記抵抗体との間に配置され、少なくとも一部が前記抵抗体と接触する金属層を有し、
前記金属層は、前記導電性シール層に含まれる導電材のうちの主となる金属よりも酸素との反応性が低い金属材料を主成分としてなる。
このスパークプラグは、導電性シール層と抵抗体との間に金属層が介在し、抵抗体に接触するように配置されるため、導電性シール層と抵抗体とが接触する領域を減らす又は無くすことができ、導電性シール層に含まれる酸素が抵抗体へと直接的に移動しにくくなる。更に、金属層の主成分である金属材料は、導電性シール層に含まれる導電材のうちの主となる金属よりも酸素との反応性が低いため、導電性シール層内の酸素が金属層に向かって移動しにくくなり、導電性シール層内の酸素が金属層を透過して抵抗体に向かうことを抑制する効果を生じさせ得る。ゆえに、抵抗体への酸素供給が抑えられ、抵抗体に含まれる炭素の酸化を確実に抑制することができる。
なお、「導電性シール層に含まれる導電材のうちの主となる金属」とは、導電性シール層に含まれる導電材の中で最も体積含有率(体積%)が大きい金属を意味する。導電性シール層内に導電材として複数種類の金属が含まれる場合、それら複数種類の金属の中で導電性シール層内での体積含有率が最も大きい種類の金属が「導電性シール層に含まれる導電材のうちの主となる金属」に該当する。また、導電性シール層内に導電材として一種類の金属が含まれる場合、その一種類の金属が「導電性シール層に含まれる導電材のうちの主となる金属」に該当する。
第2態様のスパークプラグにおいて、金属材料は、少なくとも、Au、Pt、Pd、Agのいずれかからなる金属を含んでいてもよい。
Au、Pt、Pd、Agは酸素との反応性がより低いため、導電性シール層から金属層への酸素の移動をより効果的に抑制し得る。
第1態様及び第2態様のいずれのスパークプラグも、抵抗体における金属層側の端面は、80%以上の領域が金属層と接触していることが、より望ましい。
このように、抵抗体の金属層側の端面において、80%以上に及ぶ広い領域が金属層と接触していれば、抵抗体への酸素供給を抑制する効果が一層高くなる。
第1態様及び第2態様のいずれのスパークプラグも、貫通孔内において端子金具と抵抗体との間に配置され、端子金具と抵抗体とを電気的に接続する第2の導電性シール層と、端子金具と抵抗体との間に配置され、少なくとも一部が抵抗体と接触する第2の金属層と、を有していてもよい。
この場合、第1態様のスパークプラグにおいて、第2の金属層は、第2の導電性シール層に含まれる導電材のうちの主となる金属よりも酸素との反応性が低い金属材料を主成分としてなるものであってもよい。
また、第2態様のスパークプラグにおいて、第2の金属層は、抵抗体に含まれる炭素よりも酸素との反応性が高い金属材料、又は、第2の導電性シール層に含まれる導電材のうちの主となる金属よりも酸素との反応性が低い金属材料を主成分としてなるものであってもよい。
なお、「第2の導電性シール層に含まれる導電材のうちの主となる金属」とは、第2の導電性シール層に含まれる導電材の中で最も体積含有率(体積%)が大きい金属を意味する。第2の導電性シール層に導電材として複数種類の金属が含まれる場合、それら複数種類の金属の中で第2の導電性シール層内での体積含有率が最も大きい種類の金属が「第2の導電性シール層に含まれる導電材のうちの主となる金属」に該当する。また、導第2の導電性シール層内に導電材として一種類の金属が含まれる場合、その一種類の金属が「第2の導電性シール層に含まれる導電材のうちの主となる金属」に該当する。
このようにすれば、抵抗体の両側で酸素供給を抑制することができ、抵抗体内の炭素の酸化をより一層抑えることができる。
本発明によれば、内部に抵抗体を介在させたスパークプラグにおいて、抵抗体の酸化をより効果的に抑制し得る。
第1実施形態のスパークプラグの一例を示す断面概略図である。 図1のスパークプラグの一部を拡大して具体的に例示する拡大断面図である。 図1のスパークプラグの製造の流れを示すフローチャートである。 図3の製造手順のうち、抵抗体の基材の製造の流れを示すフローチャートである。
A.第1実施形態
A1.スパークプラグの基本構成
図1は、本発明の第1実施形態としてのスパークプラグ1の全体構成を示す断面概略図である。図2は、図1で示すスパークプラグ1のうちの電気的接続部付近を拡大して示す拡大断面図である。図2では、主体金具7などの図示は省略している。図1、図2において図示されたラインCLは、スパークプラグ1の中心軸を示している。図1、図2において図示された断面は、中心軸CLの位置で中心軸CLに沿って切断した切断面である。
以下の説明では、中心軸CLのことを「軸線CL」とも呼び、中心軸CLと平行な方向を「軸線方向」とも呼ぶ。また、軸線方向を前後方向とし、軸線方向において発火部側(火花放電間隙g側)をスパークプラグ1の前側とし、軸線方向において端子金具5が突出する側を後ろ側とする。なお、軸線方向において発火部側をスパークプラグ1の先端側とも呼び、軸線方向において発火部とは反対側を後端側とも呼ぶ。
スパークプラグ1は、絶縁体3と、中心電極4と、端子金具5と、主体金具7と、電気的接続部60と、接地電極8と、を備える。
主体金具7は、略円筒形状をなしており、絶縁体3の一部を収容しつつ保持するように形成されている。主体金具7における先端方向の外周面にはネジ部9が形成されており、このネジ部9を利用して図示しない内燃機関のシリンダヘッドにスパークプラグ1が装着される。
絶縁体3は、主体金具7の内周部に滑石10及びパッキン11を介して保持されており、前端部付近が主体金具7の前端面から突出した状態で、主体金具7に固定されている。貫通孔2は、絶縁体3の前端部と後端部との間で貫通して形成された軸孔であり、軸線CLの方向に延びている。貫通孔2は、絶縁体3における前端側で中心電極4を保持する小径部12と、小径部12の後方側で電気的接続部60を収容する中径部14とを有する。小径部12及び中径部14はいずれも、内周面が軸線CLを中心とする円筒面となっており、小径部12の内周面の径(内径)よりも中径部14の内周面の径(内径)のほうが大きくなっている。また、小径部12と中径部14の間には、後方側となるにつれて内周面の径が大きくなるように後方側に向かって拡径するテーパ状の第一段部13が、貫通孔2の一部として設けられている。絶縁体3は、機械的強度、熱的強度、電気的強度等を有する材料であることが望ましく、このような材料として、例えば、アルミナを主体とするセラミック焼結体が挙げられる。
中心電極4は、貫通孔2の一端側(前端側)で保持されつつ前端側の一部が絶縁体3の前端面から突出した形態で露出する構成をなす。中心電極4は、主体金具7と絶縁された状態で保持されている。中心電極4は、後端側にフランジ部17が形成され、フランジ部17よりも外径が小さい軸状部分がフランジ部17の前側に連結された構成で小径部12に収容されている。フランジ部17は、貫通孔2の第一段部13に係止している。中心電極4は、熱伝導性及び機械的強度等を有する材料で形成されることが望ましく、例えば、インコネル(商標名)等のNi基合金で形成される。中心電極4の軸心部は、Cu又はAgなどの熱伝導性に優れた金属材料により形成されてもよい。
接地電極8は、一端が主体金具7の前端面に接合され、途中で略L字に曲げられて、その先端部が中心電極4の前端部(先端部)と間隙を介して対向するように形成されている。接地電極8は、中心電極4を形成する材料と同様の材料により形成される。
中心電極4と接地電極8とが対向する面には、白金合金及びイリジウム合金等により形成される貴金属チップ29,30が設けられている。各貴金属チップ29,30の間には、火花放電間隙gが構成されている。なお、中心電極4及び接地電極8の一方又は両方の貴金属チップを省略してもよい。
端子金具5は、中心電極4と接地電極8との間で火花放電を行なうための電圧を、外部から中心電極4に印加するために用いられる。端子金具5は、貫通孔2の他端側(後端側)で保持され、一部が絶縁体3の後端部よりも後方側に突出して配置されている。端子金具5の前端部20の表面は凹凸状に構成され、例えば、前端部20の外周面にはローレット加工が施されている。前端部20の表面がローレット加工などによる凹凸構造となっていると、端子金具5と電気的接続部60との密着性が良好になり、その結果、端子金具5と絶縁体3とが強固に固定される。端子金具5は、例えば、低炭素鋼等で形成され、その表面にNi金属層がメッキ等で形成されている。
電気的接続部60は、貫通孔2の内部において中心電極4と端子金具5との間に配置されている。電気的接続部60は、貫通孔2の内部で中心電極4と端子金具5とを電気的に接続し、これらを導通させる導通経路として機能する。電気的接続部60は、抵抗体63、第1シール層61、第2シール層62、第1金属層64、第2金属層65、を備える。
抵抗体63は、導電性を有し、端子金具5と中心電極4との間における電気抵抗として機能する。抵抗体63は、電気抵抗として機能することにより、火花放電時の電波雑音(ノイズ)の発生を抑制する。抵抗体63は、ガラス粉末と、炭素を含む導電性粉末と、を含有する抵抗体組成物を焼結して形成された抵抗材によって形成されている。
第1シール層61及び第2シール層62は、貫通孔2の内部をシールする層である。第1シール層61及び第2シール層62は、ホウケイ酸ソーダガラス等のガラス粉末と、Cu、Fe等の金属粉末とを含むシール粉末を焼結して形成することができる。
第1シール層61は、導電性シール層の一例に相当し、貫通孔2内において絶縁体3と中心電極4とを封着固定する。第1シール層61は、貫通孔2内において中心電極4と抵抗体63との間(具体的には、中心電極4と第1金属層64との間)に配置され、中心電極4と第1金属層64とを電気的に接続し、中心電極4と抵抗体63の間の導通経路として機能する。第2シール層62は、第2の導電性シール層の一例に相当し、貫通孔2内において絶縁体3と端子金具5とを封着固定する。第2シール層62は、貫通孔2内において端子金具5と抵抗体63との間(具体的には、端子金具5と第2金属層65との間)に配置され、端子金具5と第2金属層65とを電気的に接続し、端子金具5と抵抗体63の間の導通経路として機能する。
第1金属層64は、金属層の一例に相当し、例えば導電性金属のバルク体として構成されている。図1のように第1金属層64は、貫通孔2内において中心電極4と抵抗体63との間に設けられ、少なくとも一部が抵抗体63と接触する構成で配置されている。図2の例では、第1金属層64は、第1シール層61と抵抗体63との間に介在しており、第1金属層64の軸線方向一方側の面(前端面)は第1シール層61に接触し、第1金属層64の軸線方向他方側の面(後端面)は抵抗体63に接触する。第1金属層64は、抵抗体63に含まれる炭素よりも酸素との反応性が高い金属材料を主成分としてなる。第1金属層64の主成分は、例えば、第1シール層61に含まれる導電性金属(本構成では、例えばCu、Fe等)よりもイオン化傾向が高い金属とすることができ、Mg、Al、Zn、Fe、Niのいずれかの金属を用いることが望ましい。なお、第1シール層61に含まれる導電材がCu、Fe等以外の導電性金属である場合、この導電性金属よりもイオン化傾向の高い金属によって第1金属層64を構成すればよい。また、第1シール層61に複数種類の導電性金属が含まれる場合、そのうちの最もイオン化傾向の高い金属よりもイオン化傾向の高い金属によって第1金属層64を構成すればよい。
抵抗体63における第1金属層64側の端面63Aは、80%以上の領域が第1金属層64と接触する。具体的には、抵抗体63に接触する第1金属層64の面積Saと、抵抗体63に接触する第1シール層61の面積Sb(例えば、第1金属層64の周囲から入り込んで端面63Aに接触する面積)との和Scに対するSaの割合、即ち、(Sa/Sc)×100(%)は、80%以上であるとよい。なお、図2の例では、Sbが0であり、(Sa/Sc)×100が100%となっている。
第2金属層65は、第2の金属層の一例に相当し、例えば導電性金属のバルク体として構成され、図1のように貫通孔2内において端子金具5と抵抗体63との間に設けられ、少なくとも一部が抵抗体63と接触する構成で配置されている。図2の例では、第2金属層65は、第2シール層62と抵抗体63との間に介在しており、第2金属層65の軸線方向一方側の面(前端面)は抵抗体63に接触し、第2金属層65の軸線方向他方側の面(後端面)は第2シール層62に接触する。第2金属層65は、抵抗体63に含まれる炭素よりも酸素との反応性が高い金属材料を主成分としてなる。第2金属層65の主成分は、例えば、第2シール層62に含まれる導電性金属(本構成では、例えばCu、Fe等)よりもイオン化傾向が高い金属とすることができ、Mg、Al、Zn、Fe、Niのいずれかの金属を用いることが望ましい。なお、第2シール層62に含まれる導電材がCu、Fe等以外の導電性金属である場合、この導電性金属よりもイオン化傾向の高い金属によって第2金属層65を構成すればよい。また、第2シール層62に複数種類の導電性金属が含まれる場合、そのうちの最もイオン化傾向の高い金属よりもイオン化傾向の高い金属によって第2金属層65を構成すればよい。
抵抗体63における第2金属層65側の端面63Bは、80%以上の領域が第2金属層65と接触する。具体的には、抵抗体63に接触する第2金属層65の面積Sdと、抵抗体63に接触する第2シール層62の面積Se(例えば、第2金属層65の周囲から入り込んで端面63Bに接触する面積)との和Sfに対するSdの割合、即ち、(Sd/Sf)×100(%)は、80%以上であるとよい。なお、図2の例では、Seが0であり、(Sd/Sf)×100が100%となっている。第2金属層65の主成分は、第1金属層64の主成分と同一であってもよく、異なっていてもよい。
A2.製造方法
次に、図3、図4を参照し、スパークプラグ1の製造方法を簡単に説明する。
図3で示すように、スパークプラグ1を製造する場合、抵抗体63の基材を作成する(S105)。抵抗体63の基材の作製は、図4のような流れで行うことができる。
図4の例では、抵抗体63の基材を作成する場合、まず、材料を湿式ボールミルによって混合する(S205)。この材料とは、セラミック粉末、導電材、バインダである。セラミック粉末は、例えば、ZrO及びTiOを含むセラミック粉末である。導電材は、例えば、カーボンブラックである。バインダ(有機バインダ)は、例えば、ポリカルボン酸等の分散剤である。これらの材料に溶媒としての水を加えて湿式ボールミルを用いて攪拌して混合する。このとき、各材料は混合されるが、各材料の分散度合いは比較的低い。
次に、混合後の各材料を、高速剪断ミキサによって分散させる(S210)。高速剪断ミキサとは、ブレード(攪拌羽根)による強力な剪断力によって材料を大きく分散させながら混合するミキサである。高速剪断ミキサは、例えば、アキシャルミキサ(Axial mixer)である。そして、S210の工程で得られた材料を、すぐにスプレードライ法によって造粒する(S215)。そして、S215の造粒工程で得られた粉体にガラス(粗粒ガラス粉末)に水を加えて混合し(S220)、この混合後の材料を乾燥させる乾燥工程(S225)を行うことで、抵抗体63の基材が完成する。
図4のような流れで抵抗体63の基材の作製工程(図3のS105)を行った後、図3で示すS110のように、絶縁体3(絶縁碍子)の貫通孔2(軸孔)に中心電極4を挿入し(S110)、S110に続いて、導電性ガラス粉末を貫通孔2(軸孔)に充填して圧縮する(S115)。この圧縮は、例えば、貫通孔2に棒状の冶具を挿入し、堆積した導電性ガラス粉末を押すことによって実現する。導電性ガラス粉末の層は、後工程を経て、第1シール層61(導電性ガラスシール層)となる。導電性ガラス粉末は、例えば、銅粉末とホウケイ酸カルシウムガラス粉末とを混合した粉末である。
次に、第1金属層64の材料となる金属粉末を貫通孔2(軸孔)に充填して圧縮する(
S120)。この圧縮は、例えば、貫通孔2に棒状の冶具を挿入し、堆積した金属粉末を押すことによって実現する。この金属粉末の層は、後工程を経て第1金属層64となる。S120の工程の後、抵抗体63の基材(粉体)を、貫通孔2に充填して圧縮する(S125)。この工程によって形成される粉末の層は、後工程を経て、抵抗体63となる。S125において抵抗体63の基材を充填した後には、第2金属層65の材料となる金属粉末を貫通孔2に充填して圧縮する(S130)。S130において用いられる金属粉末は、S120で用いた金属粉末と同じ粉末であってもよく、材料が異なっていてもよい。この金属粉末の層は、後工程を経て第2金属層65となる。S130の工程の後、導電性ガラス粉末を貫通孔2に充填して圧縮する(S135)。S135によって形成される粉末の層は、後工程を経て、第2シール層62となる。S135において用いられる導電性ガラス粉末は、S115で用いた導電性ガラス粉末と同じ粉末であってもよく、材料が異なっていてもよい。なお、S130,S135における圧縮方法は、S115、S120における圧縮方法と同じ方法である。
次に、端子金具5の一部を貫通孔2に挿入して、絶縁体3全体を加熱しながら端子金具5側から所定の圧力を加える(S140)。この加熱圧縮工程によって、貫通孔2に充填された各材料が圧縮及び焼成されて、貫通孔2内に、第1シール層61と、第1金属層64と、抵抗体63と、第2金属層65と、第2シール層62とが形成される。
次に、主体金具7に接地電極(接地電極となるべき部材)を接合し(S145)、絶縁体3を主体金具7に挿入し(S150)、主体金具7を加締める(S155)。この加締め工程によって、絶縁体3が主体金具7に固定される。次に、主体金具7に接合された接地電極(接地電極となるべき部材)の先端が曲げ加工され、接地電極8が完成する(S160)。その後、ガスケット(図示略)が主体金具に取り付けられ(S165)、スパークプラグ1が完成する。
A3.第2態様
次に、第2態様を説明する。第2態様は、第1金属層64及び第2金属層65の材料が第1態様と異なる点以外は第1態様と同様である。即ち、第1金属層64及び第2金属層65以外の部分は、図1で示す各部分と同一の構成をなし、同一の機能を有する。第2態様のスパークプラグを構成する各部分の形態は図1、図2と同様であるため、以下では、図1、図2を参照して説明する。
第2態様のスパークプラグ1も、軸線CLの方向に延びる貫通孔2を有する絶縁体3と、貫通孔の一端側で保持される中心電極4と、貫通孔の他端側で保持される端子金具5と、貫通孔2内において中心電極4と端子金具5との間に配置され、炭素を含有してなる抵抗体63と、貫通孔2内において中心電極4と抵抗体63との間に配置され、中心電極4と抵抗体63とを電気的に接続する第1シール層61(導電性シール層)と、貫通孔2内において中心電極4と抵抗体63との間に配置され、少なくとも一部が抵抗体63と接触する第1金属層64(金属層)と、貫通孔2内において端子金具5と抵抗体63との間に配置され、端子金具5と抵抗体63とを電気的に接続する第2シール層62(第2の導電性シール層)と、端子金具5と抵抗体63との間に配置され、少なくとも一部が抵抗体63と接触する第2金属層65(第2の金属層)と、を有する。
第1金属層64は、金属層の一例に相当し、例えば導電性金属のバルク体として構成され、貫通孔2内において中心電極4と抵抗体63との間に設けられ、少なくとも一部が抵抗体63と接触する構成で配置されている。図2の例では、第1金属層64は、第1シール層61と抵抗体63との間に介在しており、第1金属層64の軸線方向一方側の面(前端面)は第1シール層61に接触し、第1金属層64の軸線方向他方側の面(後端面)は抵抗体63に接触する。第1金属層64は、第1シール層61(導電性シール層)に含まれる導電材よりも酸素との反応性が低い金属材料を主成分としてなる。第1金属層64の主成分は、第1シール層61(導電性シール層)に含まれる導電材のうちの主となる金属(例えば、Cu、Fe等)よりもイオン化傾向の低い金属であり、第1金属層64の主成分は、例えば、Au、Pt、Pd、Agのいずれかの金属とすることができる。なお、第1シール層61に含まれる導電材において主となる金属がCu、Fe以外の導電性金属である場合、この導電性金属よりもイオン化傾向の低い金属によって第1金属層64を構成すればよい。第1シール層61に導電材として複数種類の金属が含まれる場合、それら複数種類の金属の中で第1シール層61内での体積含有率(体積%)が最も大きい種類の金属が「主となる金属」に該当する。第1シール層61内に導電材として一種類の金属が含まれる場合、その一種類の金属が「主となる金属」に該当する。なお、第1シール層61に導電材として複数種類の金属が含まれる場合、第1シール層61に含まれる全導電材において第1金属層64よりもイオン化傾向の高い金属の割合が50%以上であることが望ましい。また、第1シール層61に複数種類の導電性金属が含まれる場合、そのうちの最もイオン化傾向の低い金属よりもイオン化傾向の低い金属によって第1金属層64を構成してもよい。
抵抗体63における第1金属層64側の端面63Aは、80%以上の領域が第1金属層64と接触する。この例でも、抵抗体63に接触する第1金属層64の面積Saと、抵抗体63に接触する第1シール層61の面積Sb(例えば、第1金属層64の周囲から入り込んで端面63Aに接触する面積)との和Scに対するSaの割合、即ち、(Sa/Sc)×100(%)は、80%以上であるとよい。なお、図2の例では、Sbが0であり、(Sa/Sc)×100が100%となっている。
第2金属層65は、第2の金属層の一例に相当し、例えば導電性金属のバルク体として構成され、貫通孔2内において端子金具5と抵抗体63との間に設けられ、少なくとも一部が抵抗体63と接触する構成で配置されている。図2の例では、第2金属層65は、第2シール層62と抵抗体63との間に介在しており、第2金属層65の軸線方向一方側の面(前端面)は抵抗体63に接触し、第2金属層65の軸線方向他方側の面(後端面)は第2シール層62に接触する。第2金属層65は、第2シール層62(第2の導電性シール層)に含まれる導電材のうちの主となる金属(例えば、Cu、Fe等)よりも酸素との反応性が低い金属材料を主成分としてなる。第2金属層65の主成分は、第2シール層62(第2の導電性シール層)に含まれる導電材よりもイオン化傾向の低い金属であり、例えば、Au、Pt、Pd、Agのいずれかの金属とすることができる。なお、第2シール層62に含まれる導電材において主となる金属がCu、Fe以外の導電性金属である場合、この導電性金属よりもイオン化傾向の低い金属によって。第2金属層65を構成すればよい。第2シール層62に導電材として複数種類の金属が含まれる場合、それら複数種類の金属の中で第2シール層62内での体積含有率(体積%)が最も大きい種類の金属が「主となる金属」に該当する。第2シール層62内に導電材として一種類の金属が含まれる場合、その一種類の金属が「主となる金属」に該当する。なお、第2シール層62に導電材として複数種類の金属が含まれる場合、第2シール層62に含まれる全導電材において第2金属層65よりもイオン化傾向の高い金属の割合が50%以上であることが望ましい。また、第2シール層62に複数種類の導電性金属が含まれる場合、そのうちの最もイオン化傾向の低い金属よりもイオン化傾向の低い金属によって第2金属層65を構成してもよい。
抵抗体63における第2金属層65側の端面63Aは、80%以上の領域が第1金属層64と接触する。この例でも、抵抗体63に接触する第2金属層65の面積Sdと、抵抗体63に接触する第2シール層62の面積Se(例えば、第2金属層65の周囲から入り込んで端面63Bに接触する面積)との和Sfに対するSdの割合、即ち、(Sd/Sf)×100(%)は、80%以上であるとよい。なお、図2の例では、Seが0であり、(Sd/Sf)×100が100%となっている。第2金属層65の主成分は、第1金属層64の主成分と同一であってもよく、異なっていてもよい。
A4.効果
第1態様のスパークプラグ1は、第1シール層61(導電性シール層)と抵抗体63との間に第1金属層64(金属層)が介在し、抵抗体63に接触するように配置されるため、第1シール層61(導電性シール層)と抵抗体63とが接触する領域を減らす又は無くすことができ、第1シール層61(導電性シール層)に含まれる酸素が抵抗体63へと直接的に移動しにくくなる。更に、第1金属層64(金属層)は、炭素よりも酸素との反応性が高い金属材料を主成分とする層であるため、第1シール層61(導電性シール層)に含まれる酸素が第1金属層64(金属層)を通って抵抗体63に移動しようとしても、第1金属層64(金属層)内の金属材料と反応して捕獲されやすい。ゆえに、抵抗体63への酸素供給が抑えられ、抵抗体63に含まれる炭素の酸化を確実に抑制することができる。
第1態様のスパークプラグ1では、金属材料は、少なくとも、Mg、Al、Zn、Fe、Niのいずれかからなる金属を含んでいる。Mg、Al、Zn、Fe、Niは酸素との反応性がより高いため、第1金属層64(金属層)内でより効果的に酸素を吸収し得る。
第2態様のスパークプラグ1も、第1シール層61(導電性シール層)と抵抗体63との間に第1金属層64(金属層)が介在し、抵抗体63に接触するように配置されるため、第1シール層61(導電性シール層)と抵抗体63とが接触する領域を減らす又は無くすことができ、第1シール層61(導電性シール層)に含まれる酸素が抵抗体63へと直接的に移動しにくくなる。更に、第1金属層64(金属層)の主成分である金属材料は、第1シール層61(導電性シール層)に含まれる導電材のうちの主となる金属よりも酸素との反応性が低いため、第1シール層61(導電性シール層)内の酸素が第1金属層64(金属層)に向かって移動しにくくなり、第1シール層61(導電性シール層)内の酸素が第1金属層64(金属層)を透過して抵抗体63に向かうことを抑制する効果を生じさせ得る。ゆえに、抵抗体63への酸素供給が抑えられ、抵抗体63に含まれる炭素の酸化を確実に抑制することができる。
第2態様のスパークプラグ1において、金属材料は、少なくとも、Au、Pt、Pd、Agのいずれかからなる金属を含んでいる。Au、Pt、Pd、Agは酸素との反応性がより低いため、第1シール層61(導電性シール層)から第1金属層64(金属層)への酸素の移動をより効果的に抑制し得る。
第1態様及び第2態様のいずれのスパークプラグ1も、抵抗体63における第1金属層64(金属層)側の端面63Aは、80%以上の領域が第1金属層64(金属層)と接触している。このようにすることで、抵抗体63への酸素供給を抑制する効果が一層高くなる。
第1態様及び第2態様のいずれのスパークプラグ1も、貫通孔2内において端子金具5と抵抗体63との間に配置され、端子金具5と抵抗体63とを電気的に接続する第2シール層62(第2の導電性シール層)と、端子金具5と抵抗体63との間に配置され、少なくとも一部が抵抗体63と接触する第2金属層65(第2の金属層)と、を有する。そして、第2金属層65(第2の金属層)は、抵抗体63に含まれる炭素よりも酸素との反応性が高い金属材料、又は、第2シール層62(第2の導電性シール層)に含まれる導電材のうちの主となる金属よりも酸素との反応性が低い金属材料を主成分としてなる。このようにすることで、抵抗体63の両側で酸素供給を抑制することができ、抵抗体63内の炭素の酸化をより一層抑えることができる。
A5.評価試験
次に、本発明の効果を検証するために行った試験の結果について説明する。
検証試験に用いる実施例1〜12として、12種類のスパークプラグを用意した。12種類のスパークプラグは、図1、図2で示すスパークプラグ1と同様の構成とした。
実施例1〜6のスパークプラグは、第1金属層64及び第2金属層65を構成する材料の元素(以下、導電バルク元素ともいう)が異なるだけで、それ以外は同一である。第1金属層64及び第2金属層65を構成する材料の元素(導電バルク元素)は、実施例1、7、8、9はAuであり、実施例2は、Pdであり、実施例3は、Agであり、実施例4、10、11、12は、Alであり、実施例5は、Znであり、実施例6は、Niである。
実施例7〜9は、上述した(Sa/Sc)×100の割合、及び(Sd/Sf)×100の割合、(以下、これらをバルク被覆面積と総称する)を異ならせた点が実施例1と異なり、それ以外は実施例1と同様である。実施例1〜6は、(Sa/Sc)×100の割合、及び(Sd/Sf)×100の割合、即ち、バルク被覆面積は、いずれも50%で同一である。実施例10〜12は、(Sa/Sc)×100の割合及び(Sd/Sf)×100の割合(バルク被覆面積)を異ならせた点が実施例4と異なり、それ以外は実施例4と同様である。
また、実施例と比較するための比較例1,2を用意した。比較例1,2は、図1の構成から、第1金属層64及び第2金属層65を除き、それぞれの位置が第1シール層61、第2シール層62とされている構成である。但し、比較例1,2では、第1シール層61及び第2シール層62において、特許文献1(特開2016−100271号公報)と同様の特徴を付加し、ガラスシール層内に導電材(Al)と炭素(C)とを含有させた。炭素(C)は、1%含有させた。なお、比較例1,2は、同一の試験体(スパークプラグ)を用いており、試験条件のみを異ならせている。また、実施例1〜12の第1シール層61及び第2シール層62は、ガラス材の内部に導電材としてCuを含有させている。
このような実施例1〜12、及び比較例1,2について、抵抗値変化率の評価を以下のように行った。
比較例1に関しては、温度350℃の加熱炉内において、放電電圧25kV、周波数30kHzの条件で試験体(比較例1)を100時間放電させる放電試験を行った。そして、この放電試験前後における中心電極4と端子金具5との間の電気抵抗を測定し、その変化率(抵抗値変化率)を算出した。一方、比較例2、及び実施例1〜12については、温度400℃の加熱炉内において、放電電圧30kV、周波数30kHzの条件で各試験体(比較例2、実施例1〜12)を100時間放電させる放電試験を行った。そして、この放電試験前後における中心電極4と端子金具5との間の電気抵抗を測定し、その変化率(抵抗値変化率)を算出した。その結果を、表1、表2、表3、表4で示す。なお、抵抗値変化率Rcは、試験前の電気抵抗値R1、試験後の電気抵抗値R2から以下の式に基づいて算出される。
Rc=100×(R2−R1)/R1
表1は、比較例1、2に関する情報をそれぞれ示し、表2は、実施例1〜6に関する情報をそれぞれ示す。実施例1〜6は、第1金属層64、第2金属層65の材料のみを変更したものである
Figure 0006628767
Figure 0006628767
表1から明らかなように、比較例の試験体(スパークプラグ)は、比較例1のような比較的緩い試験条件で試験を行ったときには抵抗値変化率が抑えられるが、比較例2のようにより厳しい試験条件で試験を行ったときには抵抗値変化率が大きく増大してしまうことになる。このように、比較例の構造は、厳しい条件下では十分な性能を確保することができないため、更なる改善が求められる。
これに対し、実施例1〜6の各試験体は、表2から明らかなように、比較例2と同様の厳しい試験条件で試験を行った場合でも、比較例2の試験結果と比較して抵抗値変化率が大きく抑制されている。しかも、実施例1〜6のいずれの材料においても、第1金属層64、第2金属層65を設けたスパークプラグ1は、これらを設けないスパークプラグ(比較例2)と比較して抵抗値変化率が抑制されている。この結果から、第1金属層64、第2金属層65を設けることにより、より厳しい条件下でも抵抗体63の電気抵抗の上昇を抑制できることが確認された。実施例4〜6において抵抗体63の電気抵抗の上昇を抑制できた理由は、第1金属層64及び第2金属層65が、抵抗体63の炭素よりも酸素との反応性が高い金属材料を主成分とする層であるため、第1シール層61又は第2シール層62に含まれる酸素が抵抗体63に移動しようとしたとき、第1金属層64又は第2金属層65内の金属材料と反応して捕獲され、抵抗体63の抑制されたものと考えられる。また、実施例1〜3において抵抗体63の電気抵抗の上昇を抑制できた理由は、第1金属層64及び第2金属層65が、シール層(第1シール層61又は第2シール層62)の導電材よりも酸素との反応性が低い金属材料を主成分とする層であるため、第1シール層61又は第2シール層62に含まれる酸素が第1金属層64及び第2金属層65に入り込みにくく、抵抗体63への酸素移動をブロックする効果が高いためと考えられる。
表3は、実施例1、7、8、9を比較して示す。
Figure 0006628767
実施例1、7、8、9のいずれも、比較例2と比較して有利な効果が確認され、実施例8、9のように、バルク被覆面積が80%以上であれば、抵抗値変化率の効果が一層顕著となることが確認された。
表4は、実施例4、10、11、12を比較して示す。
Figure 0006628767
実施例4、10、11、12のいずれも、比較例2と比較して有利な効果が確認され、実施例11、12のように、バルク被覆面積が80%以上であれば、抵抗値変化率の効果が一層顕著となることが確認された。
第1態様に対応する実施例11、12の結果、及び、第2態様に対応する実施例8、9の結果を踏まえると、第1態様及び第2態様のいずれの場合でも、抵抗体63の金属層側の端面において、80%以上の領域が金属層と接触していることが、抵抗値変化率を顕著に抑制する上で望ましいといえる。
<他の実施形態>
本発明は、本明細書の実施形態の各態様や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現できる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、先述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、先述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことができる。その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除できる。変更例としては、例えば、以下のようなものが該当する。
第1実施形態の各態様の説明では、第2の金属層(第2金属層65)が設けられた構成を例示したが、第2金属層65が設けられていなくてもよい。この場合、第2シール層62が金属層を介さずに抵抗体に接触していればよい。
第1実施形態の各態様の説明では、抵抗体63の端面63Aの全体が第1金属層64に接触し、第1シール層61に接触していないが、第1シール層61の一部が端面63Aに接触していてもよい。同様に、第2シール層62の一部が端面63Bに接触していてもよい。
第2態様のスパークプラグに含まれる第1金属層64及び第2金属層65のように酸素との反応性が低い金属材料を主成分として構成する場合、板状の金属材料によって第1金属層64や第2金属層65を構成してもよい。この場合、上述した製造方法におけるS120やS130の工程(図3)では、金属粉末の代わりに金属固体を充填すればよい。
1…スパークプラグ
3…絶縁体
4…中心電極
5…端子金具
61…第1シール層(導電性シール層)
62…第2シール層(第2の導電性シール層)
63…抵抗体
63A…端面(抵抗体における金属層側の端面)
64…第1金属層(金属層)
65…第2金属層(第2の金属層)

Claims (6)

  1. 軸線の方向に延びる貫通孔を有する絶縁体と、
    前記貫通孔の一端側で保持される中心電極と、
    前記貫通孔の他端側で保持される端子金具と、
    前記貫通孔内において前記中心電極と前記端子金具との間に配置され、炭素を含有してなる抵抗体と、
    前記貫通孔内において前記中心電極と前記抵抗体との間に配置され、前記中心電極と前記抵抗体とを電気的に接続する導電性シール層と、
    を有するスパークプラグであって、
    前記貫通孔内において前記中心電極と前記抵抗体との間に配置され、少なくとも一部が前記抵抗体と接触する金属層と、
    前記貫通孔内において前記端子金具と前記抵抗体との間に配置され、前記端子金具と前記抵抗体とを電気的に接続する第2の導電性シール層と、
    前記端子金具と前記抵抗体との間に配置され、少なくとも一部が前記抵抗体と接触する第2の金属層と、
    を有し、
    前記金属層は、前記抵抗体に含まれる炭素よりも酸素との反応性が高い金属材料を主成分としてなり、
    前記第2の金属層は、前記第2の導電性シール層に含まれる導電材のうちの主となる金属よりも酸素との反応性が低い金属材料を主成分としてなる、
    スパークプラグ。
  2. 軸線の方向に延びる貫通孔を有する絶縁体と、
    前記貫通孔の一端側で保持される中心電極と、
    前記貫通孔の他端側で保持される端子金具と、
    前記貫通孔内において前記中心電極と前記端子金具との間に配置され、炭素を含有してなる抵抗体と、
    前記貫通孔内において前記中心電極と前記抵抗体との間に配置され、前記中心電極と前記抵抗体とを電気的に接続する導電性シール層と、
    を有するスパークプラグであって、
    前記貫通孔内において前記中心電極と前記抵抗体との間に配置され、少なくとも一部が前記抵抗体と接触する金属層を有し、
    前記金属層は、前記導電性シール層に含まれる導電材のうちの主となる金属よりも酸素との反応性が低い金属材料を主成分としてなる、
    スパークプラグ。
  3. 前記貫通孔内において前記端子金具と前記抵抗体との間に配置され、前記端子金具と前記抵抗体とを電気的に接続する第2の導電性シール層と、
    前記端子金具と前記抵抗体との間に配置され、少なくとも一部が前記抵抗体と接触する第2の金属層と、
    を有し、
    前記第2の金属層は、前記抵抗体に含まれる炭素よりも酸素との反応性が高い金属材料、又は、前記第2の導電性シール層に含まれる導電材のうちの主となる金属よりも酸素との反応性が低い金属材料を主成分としてなる、
    請求項2に記載のスパークプラグ。
  4. 前記金属層の金属材料は、少なくとも、Mg、Al、Zn、Fe、Niのいずれかからなる金属を含む、
    請求項1に記載のスパークプラグ。
  5. 前記金属層の金属材料は、少なくとも、Au、Pt、Pd、Agのいずれかからなる金属を含む、
    請求項2又は請求項3に記載のスパークプラグ。
  6. 前記抵抗体における前記金属層側の端面は、80%以上の領域が前記金属層と接触する、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のスパークプラグ。
JP2017140802A 2017-07-20 2017-07-20 スパークプラグ Active JP6628767B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017140802A JP6628767B2 (ja) 2017-07-20 2017-07-20 スパークプラグ
DE102018117394.6A DE102018117394B4 (de) 2017-07-20 2018-07-18 Zündkerze

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017140802A JP6628767B2 (ja) 2017-07-20 2017-07-20 スパークプラグ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019021567A JP2019021567A (ja) 2019-02-07
JP6628767B2 true JP6628767B2 (ja) 2020-01-15

Family

ID=64952019

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017140802A Active JP6628767B2 (ja) 2017-07-20 2017-07-20 スパークプラグ

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6628767B2 (ja)
DE (1) DE102018117394B4 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS561756B2 (ja) * 1973-11-12 1981-01-14
JPS5746634B2 (ja) 1974-05-10 1982-10-04
JPS5146628A (ja) * 1974-10-17 1976-04-21 Nippon Denso Co Teikoirisupaakupuragu
DE4306402A1 (de) 1993-03-02 1994-09-08 Bosch Gmbh Robert Elektrisch leitende Dichtungsmasse für Zündkerzen
JP6612499B2 (ja) * 2014-11-25 2019-11-27 株式会社デンソー スパークプラグ
JP2018032521A (ja) * 2016-08-24 2018-03-01 株式会社Soken 内燃機関用のスパークプラグ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019021567A (ja) 2019-02-07
DE102018117394A1 (de) 2019-01-24
DE102018117394B4 (de) 2024-05-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5414896B2 (ja) スパークプラグ
EP3312952B1 (en) Spark plug
JP5385427B2 (ja) 点火プラグ、及び、点火装置
JP5795129B2 (ja) 点火プラグ
JP5134633B2 (ja) 内燃機関用スパークプラグ及びその製造方法
EP2565639A1 (en) Ammonia gas sensor
JP5650179B2 (ja) スパークプラグ
CN103004040B (zh) 火花塞及其制造方法
EP3104475B1 (en) Spark plug
JP6628767B2 (ja) スパークプラグ
JP6419747B2 (ja) スパークプラグ
JP6087991B2 (ja) スパークプラグ
JP6612499B2 (ja) スパークプラグ
CN106025801B (zh) 火花塞
EP3312953A1 (en) Spark plug
US10431961B2 (en) Spark plug
WO2018079089A1 (ja) 点火プラグ
JP2021150199A (ja) スパークプラグ
JP5752329B1 (ja) スパークプラグ
US20170110854A1 (en) Spark plug

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180820

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190517

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190604

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190722

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191126

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191203

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6628767

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250