JP6627654B2 - フロロシリコーンゴム組成物及び輸送機のエンジン周辺用ゴム部品 - Google Patents

フロロシリコーンゴム組成物及び輸送機のエンジン周辺用ゴム部品 Download PDF

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Description

本発明は、フロロシリコーンゴム組成物及びフロロシリコーンゴム硬化物からなる輸送機のエンジン周辺用ゴム部品に関する。
シリコーンゴム組成物は、作業のしやすさ、成形性、また成形後の耐熱性、耐寒性、耐候性、電気絶縁性等の性質に優れており、種々の分野で使用されている。特に、ベースポリマーの主鎖が側鎖置換基として3,3,3−トリフルオロプロピル基を有する(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシロキサン単位の繰返し構造から実質的になるフロロシリコーン生ゴムを主剤とするフロロシリコーンゴム組成物は、耐溶剤性にも優れた性質を有しており、輸送機器部品、石油関連機器部品としてのダイヤフラム、O−リング、オイルシール材等として広く使用されている。
しかしながら、上記フロロシリコーンゴム組成物の硬化物からなるフロロシリコーンゴムは、ガソリン燃料やオイルに含有されている老化防止剤、防さび剤であるアミン類に対しては、シロキサン主鎖がクラッキングしてしまい、ゴム成形物の初期物性を保てなくなる。このようなアミンとしては、各種ポリエーテルアミン、アルコールアミン、アルキルアミン等が挙げられる。フロロシリコーンゴムについては、過去に、耐燃料油性、アミン性老化防止剤耐久性の改善努力がなされてきた。しかし、これらの方法をもってしても、フロロシリコーンゴムについては、アミンに接触したときのクラッキングを十分に抑制することは困難である。
なお、本発明に関連する従来技術として、下記文献が挙げられる。
特開平07−252421号公報 特開平05−186700号公報 特開2000−26735号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、輸送機用の燃料、潤滑油や作動油などに含まれたアミン系老化防止剤等に接触した場合でも、物性低下の少ないフロロシリコーンゴム(硬化物)を与えるフロロシリコーンゴム組成物、特にはミラブル型のフロロシリコーンゴム組成物、及び該組成物の硬化物からなる輸送機のエンジン周辺用ゴム部品を提供することを目的とする。
なお、ミラブル型の組成物とは、室温(25℃)において自己流動性のない非液状(ペースト又は固体状)であって、ロールミル等の混練手段によってせん断応力下に均一に混合することができる組成物を意味する。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、特定の塩化物をフロロシリコーンゴム組成物中に所定量添加することで、アミン系老化防止剤等との接触による該組成物の硬化物であるフロロシリコーンゴムの物性低下が抑制されることを知見し、本発明をなすに至った。
なお、本発明において、フロロシリコーンゴムとは、主剤となるベースポリマーの直鎖状ジオルガノポリシロキサンにおいて、主鎖を構成するジオルガノシロキサン単位のほとんど(例えば90モル%以上、特には95モル%以上)が、(3,3,3−トリフルオロプロピル)オルガノシロキサン単位からなり、ケイ素原子に結合する非置換又は置換の一価炭化水素基全体のほぼ50モル%が3,3,3−トリフルオロプロピル基であって、分子中のケイ素原子数とほぼ同等数の3,3,3−トリフルオロプロピル基を分子中に有するという特殊な分子構造のベースポリマーを主剤とする組成物の硬化物からなるシリコーンゴムを意味するものであって、この特殊な分子構造のベースポリマーを主剤とするものである点において、ジメチルポリシロキサン等をベースポリマーとする通常の組成物の硬化物からなるシリコーンゴムとは、性状、物性の点で本質的に異なるものである。
即ち、本発明は、下記のフロロシリコーンゴム組成物、及び該組成物の硬化物からなる輸送機のエンジン周辺用ゴム部品を提供するものである。
〔1〕
下記(A)〜(D)成分、
(A)フロロシリコーン生ゴム:100質量部、
(B)補強性シリカ:2〜100質量部、
(C)アルカリ金属塩化物、アルカリ土類金属塩化物、及び塩化アンモニウムから選ばれる少なくとも1種の塩化物:0.03〜1.8質量部、
(D)硬化剤:有効量
を含有してなるフロロシリコーンゴム組成物であって、
(A)成分のフロロシリコーン生ゴムが、下記平均組成式(1)
1 a 2 b 3 c SiO (4-a-b-c)/2 (1)
(式中、R 1 は3,3,3−トリフルオロプロピル基であり、R 2 は炭素数2〜8の非置換又は置換の一価脂肪族不飽和炭化水素基であり、R 3 は水酸基、炭素数1〜8の非置換の一価脂肪族飽和炭化水素基又は芳香族炭化水素基である。aは0.96〜1.01の正数、bは0.0001〜0.01の正数、cは0.96〜1.06の正数で、a+b+cは1.98〜2.02の正数である。)
で表されるトリフルオロプロピル基含有オルガノポリシロキサンであることを特徴とするフロロシリコーンゴム組成物。

(C)成分の塩化物が、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アンモニウムから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする〔1〕記載のフロロシリコーンゴム組成物。

〔1〕又は〔2〕に記載のフロロシリコーンゴム組成物の硬化物からなる輸送機のエンジン周辺用ゴム部品。
本発明のフロロシリコーンゴム組成物は、アミン系老化防止剤等に接触しても物性低下の少ないフロロシリコーンゴム成形品(硬化物)を与えるものであって、該フロロシリコーンゴム成形品は、特に、輸送機のエンジン周辺用ゴム部品等の用途に好適に使用できるものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のフロロシリコーンゴム組成物は、下記(A)〜(D)成分を含有してなるものである。
(A)フロロシリコーン生ゴム、
(B)補強性シリカ、
(C)アルカリ金属塩化物、アルカリ土類金属塩化物、及び塩化アンモニウムから選ばれる少なくとも1種の塩化物、
(D)硬化剤。
なおここで、生ゴムとは、室温(25℃)における粘度で、1,000,000mPa・s以上、特には10,000,000mPa・s以上の非常に高粘ちょうな液状であるか、或いは自己流動性のない非液状(ペースト又は固体状)である高重合体であることを意味する。なお、本発明において粘度は、JIS K7117−1:1999に記載の回転粘度計(BL型、BH型、BS型、コーンプレート型、レオメータ等)によって測定することができる。
以下、各成分について記述する。
[(A)フロロシリコーン生ゴム]
(A)成分のフロロシリコーン生ゴムは、本組成物の主剤(ベースポリマー)であり、下記平均組成式(1)で表されるトリフルオロプロピル基含有オルガノポリシロキサンであることが好ましい。
1 a2 b3 cSiO(4-a-b-c)/2 (1)
(式中、R1は3,3,3−トリフルオロプロピル基であり、R2は炭素数2〜8の非置換又は置換の一価脂肪族不飽和炭化水素基であり、R3は水酸基、炭素数1〜8の非置換の一価脂肪族飽和炭化水素基又は芳香族炭化水素基である。aは0.96〜1.01の正数、bは0.0001〜0.01の正数、cは0.96〜1.06の正数で、a+b+cは1.98〜2.02の正数である。)
ここで、上記式(1)中、R1は3,3,3−トリフルオロプロピル基である。R2は炭素数2〜8の非置換又は置換の一価脂肪族不飽和炭化水素基であり、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基が挙げられ、特にビニル基であることが好ましい。R3は水酸基、炭素数1〜8の非置換の一価脂肪族飽和炭化水素基又は芳香族炭化水素基であり、具体的には、水酸基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基等が挙げられる。なお、R3が分子鎖末端のケイ素原子に結合するものである場合には、該末端であるR3の一部は水酸基(シラノール基)であってもよい。
a,b,cは正数で、aは0.96〜1.01の正数、好ましくは0.98〜1.00の正数であり、bは0.0001〜0.01の正数、好ましくは0.0002〜0.008の正数であり、cは0.96〜1.06の正数、好ましくは0.98〜1.00の正数であり、a+b+cは1.98〜2.02の正数、好ましくは1.99〜2.01の正数を満足する。
このオルガノポリシロキサンにおいて、一価脂肪族不飽和炭化水素基であるR2は、1分子中に少なくとも2個有することが好ましく、また、分子中のケイ素原子数に対して0.01〜1モル%含有することが好ましく、特に0.02〜0.5モル%含有することが好ましく、また、R2は主鎖の末端にあっても、側鎖にあっても、末端と側鎖の両方にあってもよい。一価脂肪族不飽和炭化水素基が0.01モル%よりも少ないと、硬化剤を入れても、目標の硬さまで十分に硬化しない、或いは加硫速度が遅くなる場合があり、1モル%よりも多いと、ゴム硬度が実用以上に上昇したり、ゴムが脆くなって、引張強度、引裂き強度等の機械的強度が低下したりする場合がある。
このオルガノポリシロキサンは、主鎖を構成するジオルガノシロキサン単位のほとんど(例えば90モル%以上、特には95モル%以上)が、(3,3,3−トリフルオロプロピル)オルガノシロキサン単位、特には(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシロキサン単位からなり、ケイ素原子に結合する非置換又は置換の一価炭化水素基全体の45〜52モル%、より好ましくは48〜51モル%、更に好ましくは49.5〜50モル%が3,3,3−トリフルオロプロピル基であって、分子中のケイ素原子数とほぼ同等数の3,3,3−トリフルオロプロピル基を分子中に有する、実質的に直鎖状のトリフルオロプロピル基含有オルガノポリシロキサン生ゴムであることが好ましい。
また、このオルガノポリシロキサンの分子鎖末端は、例えば、トリメチルシロキシ基、ジメチルフェニルシロキシ基、ビニルジメチルシロキシ基、(3,3,3−トリフルオロプロピル)ジメチルシロキシ基、トリビニルシロキシ基等のトリオルガノシロキシ基や、ヒドロキシジメチルシロキシ基、(3,3,3−トリフルオロプロピル)ヒドロキシメチルシロキシ基、ヒドロキシフェニルメチルシロキシ基、ヒドロキシビニルメチルシロキシ基等のヒドロキシジオルガノシロキシ基などで封鎖されていることが好ましい。
また、このオルガノポリシロキサンの数平均重合度は、通常、1,000〜8,000、好ましくは2,000〜6,000である。重合度が小さすぎると、低粘度になりロール加工性が著しく悪化してしまう、或いは成型時に気泡を巻き込んでしまう場合があり、また重合度が大きすぎると、シリカ充填剤を添加することが非常に困難になり、更に高粘度過ぎて成型が困難になる場合がある。ここで、数平均重合度は、例えば、トルエンを展開溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析におけるポリスチレン換算の数平均重合度等として求めることができる。
上記式(1)で表されるオルガノポリシロキサンは、例えば、特開昭62−174260号公報に記載されているように、下記式(2)
Figure 0006627654
で示されるシロキサンオリゴマーを開始剤として、(トリフルオロプロピル)メチルシロキサン環状3量体の開環重合によって得ることができる。
[(B)補強性シリカ]
(B)成分の補強性シリカ(シリカ系充填剤)は、機械的強度の優れたシリコーンゴムコンパウンドを得るために必要とされる補強性充填剤である。通常は、必要とする物理強度、耐熱性などを考慮してBET法による比表面積が50〜380m2/gの範囲のものを選択する。このシリカ系充填剤としては、煙霧質シリカ(乾式シリカ)、沈降シリカ(湿式シリカ)双方使用可能である。また、必要に応じて、これらの表面を予めオルガノポリシロキサン、オルガノポリシラザン、クロロシラン、アルコキシシラン等で疎水化処理することも可能である。
シリカ系充填剤の添加量は、(A)成分のフロロシリコーン生ゴム100質量部に対し、2質量部未満では少なすぎて十分な補強効果が得られない場合があり、100質量部より多くすると加工性が悪くなる場合があり、また、得られるシリコーンゴムの物理特性が低下する場合があるので、2〜100質量部、好ましくは5〜60質量部である。
[(C)塩化物]
(C)成分の塩化物は、アルカリ金属塩化物、アルカリ土類金属塩化物、及び塩化アンモニウムから選ばれる少なくとも1種である。(C)成分は本発明の根幹をなすものであり、アミン系老化防止剤によるシロキサン鎖のクラッキングを抑制する。塩化物中の塩化物イオンがアミンをトラップすることでアミンによるシロキサンクラッキングを抑制するものと考えられる。
塩化物としては、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどのアルカリ金属塩化物、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩化物、塩化アンモニウムなどが例示できるが、塩化アンモニウム、塩化リチウムが望ましく、塩化アンモニウムが特に好ましい。
(C)成分の添加法としては、上記(A)フロロシリコーン生ゴムと(B)補強性シリカとを用いたフロロシリコーンベースコンパウンドを調製する際に添加してもよいし、このフロロシリコーンベースコンパウンドに他の成分と共に添加してもよい。添加形態は、十分にすり潰して添加或いは水に溶かして添加するのが望ましい。更に水に溶かしたものに(B)成分の補強性シリカ等の充填材を加えてペースト化したものを添加することも可能である。
(C)塩化物の添加量は、前記(A)成分のフロロシリコーン生ゴム100質量部に対して0.03〜1.8質量部であり、好ましくは0.04〜1.5質量部である。配合量が上記範囲未満では(C)成分の添加効果がなく、上記範囲を超えると、装置が金属製の場合、錆びるなど、工程上の問題が大きくなる。
[(D)硬化剤]
(D)成分の硬化剤を、前記(A)成分のフロロシリコーン生ゴムと(B)成分の補強性シリカと(C)成分の塩化物の混合物に添加し、均一に混合することによりフロロシリコーンゴム組成物を調製し、この組成物を常法により加硫硬化させることでフロロシリコーンゴム硬化物を与えることができる。
この場合、加硫硬化にあたっては、従来公知の硬化触媒、好ましくは有機過酸化物を用いることができる。有機過酸化物として、具体的には、ベンゾイルパーオキサイド、オルトメチルベンゾイルパーオキサイド、パラメチルベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド、tert−ブチルパーベンゾエートなどのパーオキシエステル、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどのパーオキシケタール、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)へキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)−3−へキシンなどの多価ジアルキルパーオキサイド等が挙げられ、好ましくは2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)へキサンが挙げられる。これらは1種類を単独でも2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
これら有機過酸化物系硬化剤の配合量は、触媒量とすることができるが、前記(A)成分のフロロシリコーン生ゴム100質量部に対して、0.1〜2質量部、特に0.2〜1.5質量部とすることが好ましい。
また、硬化剤として、白金系触媒と、ケイ素原子に直結した水素原子(SiH基)を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを併用する付加反応硬化剤を用いることもできる。
白金系触媒の例としては、白金元素単体、白金化合物、白金複合体、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール化合物、アルデヒド化合物、エーテル化合物、各種オレフィン類とのコンプレックス等が挙げられ、中でも塩化白金酸とオレフィン類との錯体が好ましい。
この場合、白金系触媒は、(A)成分のフロロシリコーン生ゴムに対して白金系金属の質量換算で1〜2,000ppm程度用いることが好ましい。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば、下記平均組成式(3)
4 deSiO(4-d-e)/2 (3)
(式中、R4は炭素数1〜10の非置換又は置換の一価炭化水素基である。また、dは0.7〜2.1、eは0.001〜1.0で、かつd+eは0.8〜3.0を満足する正数である。)
で示され、1分子中に少なくとも2個、好ましくは3〜100個、より好ましくは3〜50個のケイ素原子結合水素原子を有するものが好適に用いられる。
ここで、R4の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基、トリフルオロプロピル基等の炭素数1〜10、特に1〜6のものが挙げられる。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は特に制限されず、直鎖状、環状、分岐鎖状、三次元網状(樹脂状)構造のいずれであってもよく、また、1分子中のケイ素原子の数(即ち、重合度)は、通常、3〜70個、好ましくは5〜50個である。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンとして、具体的には、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とC65SiO3/2単位とからなる共重合体等が挙げられ、好ましくは両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンである。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、(A)成分のフロロシリコーン生ゴム中の一価脂肪族不飽和炭化水素基1個に対して、該オルガノハイドロジェンポリシロキサン中のSiH基を0.5〜5個、特に0.8〜4個の比率で供給できる量を用いることが好ましい。
本発明のフロロシリコーンゴム組成物には、必要に応じて、粉砕石英、珪藻土等の非補強性シリカ、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック、炭酸カルシウム等の充填剤、難燃性向上剤、受酸剤、熱伝導性向上剤等の添加剤や、アルコキシシラン、ジフェニルシランジオール、カーボンファンクショナルシラン、両末端シラノール基封鎖低分子シロキサン等の分散剤などを添加してもよい。
本発明のフロロシリコーンゴム組成物には、更に上記成分に加え、任意成分として本発明の効果を妨げない範囲で必要に応じ、セリウム化合物や、酸化鉄等の耐熱性向上剤、老化防止剤、着色剤、離型剤等のシリコーンゴム組成物における公知の添加剤を添加することができる。
本発明のフロロシリコーンゴム成形物(ゴム硬化物)を得るためのフロロシリコーンゴム組成物は、上記した成分を2本ロール、バンバリーミキサー、ドューミキサー(ニーダー)などのゴム混練り機を用いて均一に混合することにより得ることができる。
フロロシリコーンゴム組成物の成形方法に特に制限はなく、圧縮成形、移送成形、射出成形、押出成形、カレンダー成形等の一般のゴム成形法に準じて所望の形状に成形でき、O−リング、ダイヤフラム、パッキン、ガスケット等のゴム成形品とすることができる。この場合、硬化は120〜400℃、特に120〜200℃で1〜30分間、特に5〜20分間程度とすることができ、また、必要に応じ、180〜250℃、特に190〜220℃で1〜10時間、特に2〜8時間程度二次加硫してもよい。
本発明で得られる成形物は、輸送機のエンジン周りで、燃料油やオイルに接するゴム部品に使用されることが推奨される。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1,2、比較例1,2]
下記式(4)で示されるフロロシリコーン生ゴム(ビニル基含有量;分子中のケイ素原子数に対して0.30モル%)100質量部に対してBET比表面積130m2/gの乾式シリカ(日本アエロジル(株)製、商品名:AEROSIL130)40質量部、及び分散剤としてジフェニルシランジオール10質量部を加えて2本ロールで均一に混練りし、150℃で4時間熱処理した後、2本ロールで釈解、可塑化し、ベースとなるフロロシリコーンベースコンパウンドAを得た。
Figure 0006627654
次に、水/乾式シリカ(日本アエロジル(株)製、商品名:AEROSIL130)/塩化アンモニウム=11/1/3の割合で混合し、ペースト化した塩化アンモニウムペーストを得た。このペースト0.5質量部又は0.2質量部をフロロシリコーンベースコンパウンドA100質量部に添加し、2本ロールで均一分散させ、コンパウンドを得た(実施例1,2)。
比較として、上記ペーストの添加量をフロロシリコーンベースコンパウンドA100質量部に対し0.01質量部としたものを比較例1、上記ペーストを添加しないものを比較例2とした。
得られた各コンパウンドに、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)へキサン80質量%含有乾式シリカ(日本アエロジル(株)製、商品名:AEROSIL130)ペースト0.8質量部を添加し、2本ロールで均一に混合して、4種類のフロロシリコーンゴム組成物を得た。それぞれの配合量について下記表1にまとめた。
[耐アミン性測定]
耐アミン性として、フロロシリコーンゴム組成物の硬化物におけるアミン浸漬中の圧縮永久ひずみを測定した。測定方法は、JIS K 6262:2013に準じた。即ち、得られたフロロシリコーンゴム組成物を165℃で10分間、加圧成形し、硬化させた後、200℃で4時間ポストキュアーして、直径13mm、厚さ6.3mmの圧縮永久ひずみ測定用小型円柱試験片を作製した。得られた試験片を、25%圧縮した状態でN,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミンの1質量%IRM903試験油に100℃/168時間浸漬し、その後冷却して圧縮永久ひずみを測定した。結果を表1に記載した。
Figure 0006627654
※圧縮永久ひずみは、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミンの1質量%IRM903試験油に浸漬した100℃/168時間後の値である。
[実施例3、比較例3]
下記式(5)で示されるフロロシリコーン生ゴム(ビニル基含有量;分子中のケイ素原子数に対して0.40モル%)100質量部に対して比表面積90m2/gの乾式シリカ(日本アエロジル(株)製、商品名:AEROSIL90G)40質量部、及び分散剤としてジフェニルシランジオール10質量部を加えて2本ロールで均一に混練りし、150℃で4時間熱処理した後、2本ロールで釈解、可塑化し、ベースとなるフロロシリコーンベースコンパウンドBを得た。
Figure 0006627654
次に、塩化リチウム粉末0.8質量部をフロロシリコーンベースコンパウンドB100質量部に添加し、2本ロールで十分に分散させ、コンパウンドを得た(実施例3)。
比較として、上記塩化リチウム粉末の添加量をフロロシリコーンベースコンパウンドB100質量部に対し2.0質量部としたものを比較例3とした。
得られた各コンパウンドに、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)へキサン80質量%含有乾式シリカ(日本アエロジル(株)製、商品名:AEROSIL130)ペースト0.8質量部を添加し、2本ロールで均一に混合して2種類のフロロシリコーンゴム組成物を得た。それぞれの配合量について下記表2にまとめた。
[2本ロールの錆び]
配合に使用した2本ロール(ハードクロムメッキ処理)の表面の錆びについて目視で観察した。結果を表2に記載した。
[耐アミン性測定]
耐アミン性は、上記実施例1の評価法と同様にして得られた試験片を、25%圧縮した状態でN,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミンの1質量%IRM903試験油に100℃/168時間浸漬し、その後冷却して圧縮永久ひずみを測定した(条件A)。同時に、上記と同様にして得られた試験片を、アミンとして、N,N’−ビス(サリチリデン)−1,2−プロパンジアミンの10質量%エタノール溶液中に25℃で24時間浸漬した後、試験片を溶液から取り出して25℃で30分風乾した。風乾後、25%圧縮した状態で100℃/168時間乾燥機中に放置し、その後25℃まで冷却して圧縮永久ひずみを測定した(条件B)。結果を表2に記載した。
Figure 0006627654

Claims (3)

  1. 下記(A)〜(D)成分、
    (A)フロロシリコーン生ゴム:100質量部、
    (B)補強性シリカ:2〜100質量部、
    (C)アルカリ金属塩化物、アルカリ土類金属塩化物、及び塩化アンモニウムから選ばれる少なくとも1種の塩化物:0.03〜1.8質量部、
    (D)硬化剤:有効量
    を含有してなるフロロシリコーンゴム組成物であって、
    (A)成分のフロロシリコーン生ゴムが、下記平均組成式(1)
    1 a 2 b 3 c SiO (4-a-b-c)/2 (1)
    (式中、R 1 は3,3,3−トリフルオロプロピル基であり、R 2 は炭素数2〜8の非置換又は置換の一価脂肪族不飽和炭化水素基であり、R 3 は水酸基、炭素数1〜8の非置換の一価脂肪族飽和炭化水素基又は芳香族炭化水素基である。aは0.96〜1.01の正数、bは0.0001〜0.01の正数、cは0.96〜1.06の正数で、a+b+cは1.98〜2.02の正数である。)
    で表されるトリフルオロプロピル基含有オルガノポリシロキサンであることを特徴とするフロロシリコーンゴム組成物。
  2. (C)成分の塩化物が、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アンモニウムから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1記載のフロロシリコーンゴム組成物。
  3. 請求項1又は2記載のフロロシリコーンゴム組成物の硬化物からなる輸送機のエンジン周辺用ゴム部品。
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