JP6627654B2 - フロロシリコーンゴム組成物及び輸送機のエンジン周辺用ゴム部品 - Google Patents
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Description
なお、本発明に関連する従来技術として、下記文献が挙げられる。
〔1〕
下記(A)〜(D)成分、
(A)フロロシリコーン生ゴム:100質量部、
(B)補強性シリカ:2〜100質量部、
(C)アルカリ金属塩化物、アルカリ土類金属塩化物、及び塩化アンモニウムから選ばれる少なくとも1種の塩化物:0.03〜1.8質量部、
(D)硬化剤:有効量
を含有してなるフロロシリコーンゴム組成物であって、
(A)成分のフロロシリコーン生ゴムが、下記平均組成式(1)
R 1 a R 2 b R 3 c SiO (4-a-b-c)/2 (1)
(式中、R 1 は3,3,3−トリフルオロプロピル基であり、R 2 は炭素数2〜8の非置換又は置換の一価脂肪族不飽和炭化水素基であり、R 3 は水酸基、炭素数1〜8の非置換の一価脂肪族飽和炭化水素基又は芳香族炭化水素基である。aは0.96〜1.01の正数、bは0.0001〜0.01の正数、cは0.96〜1.06の正数で、a+b+cは1.98〜2.02の正数である。)
で表されるトリフルオロプロピル基含有オルガノポリシロキサンであることを特徴とするフロロシリコーンゴム組成物。
〔2〕
(C)成分の塩化物が、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アンモニウムから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする〔1〕記載のフロロシリコーンゴム組成物。
〔3〕
〔1〕又は〔2〕に記載のフロロシリコーンゴム組成物の硬化物からなる輸送機のエンジン周辺用ゴム部品。
本発明のフロロシリコーンゴム組成物は、下記(A)〜(D)成分を含有してなるものである。
(A)フロロシリコーン生ゴム、
(B)補強性シリカ、
(C)アルカリ金属塩化物、アルカリ土類金属塩化物、及び塩化アンモニウムから選ばれる少なくとも1種の塩化物、
(D)硬化剤。
[(A)フロロシリコーン生ゴム]
(A)成分のフロロシリコーン生ゴムは、本組成物の主剤(ベースポリマー)であり、下記平均組成式(1)で表されるトリフルオロプロピル基含有オルガノポリシロキサンであることが好ましい。
R1 aR2 bR3 cSiO(4-a-b-c)/2 (1)
(式中、R1は3,3,3−トリフルオロプロピル基であり、R2は炭素数2〜8の非置換又は置換の一価脂肪族不飽和炭化水素基であり、R3は水酸基、炭素数1〜8の非置換の一価脂肪族飽和炭化水素基又は芳香族炭化水素基である。aは0.96〜1.01の正数、bは0.0001〜0.01の正数、cは0.96〜1.06の正数で、a+b+cは1.98〜2.02の正数である。)
a,b,cは正数で、aは0.96〜1.01の正数、好ましくは0.98〜1.00の正数であり、bは0.0001〜0.01の正数、好ましくは0.0002〜0.008の正数であり、cは0.96〜1.06の正数、好ましくは0.98〜1.00の正数であり、a+b+cは1.98〜2.02の正数、好ましくは1.99〜2.01の正数を満足する。
(B)成分の補強性シリカ(シリカ系充填剤)は、機械的強度の優れたシリコーンゴムコンパウンドを得るために必要とされる補強性充填剤である。通常は、必要とする物理強度、耐熱性などを考慮してBET法による比表面積が50〜380m2/gの範囲のものを選択する。このシリカ系充填剤としては、煙霧質シリカ(乾式シリカ)、沈降シリカ(湿式シリカ)双方使用可能である。また、必要に応じて、これらの表面を予めオルガノポリシロキサン、オルガノポリシラザン、クロロシラン、アルコキシシラン等で疎水化処理することも可能である。
(C)成分の塩化物は、アルカリ金属塩化物、アルカリ土類金属塩化物、及び塩化アンモニウムから選ばれる少なくとも1種である。(C)成分は本発明の根幹をなすものであり、アミン系老化防止剤によるシロキサン鎖のクラッキングを抑制する。塩化物中の塩化物イオンがアミンをトラップすることでアミンによるシロキサンクラッキングを抑制するものと考えられる。
(D)成分の硬化剤を、前記(A)成分のフロロシリコーン生ゴムと(B)成分の補強性シリカと(C)成分の塩化物の混合物に添加し、均一に混合することによりフロロシリコーンゴム組成物を調製し、この組成物を常法により加硫硬化させることでフロロシリコーンゴム硬化物を与えることができる。
これら有機過酸化物系硬化剤の配合量は、触媒量とすることができるが、前記(A)成分のフロロシリコーン生ゴム100質量部に対して、0.1〜2質量部、特に0.2〜1.5質量部とすることが好ましい。
この場合、白金系触媒は、(A)成分のフロロシリコーン生ゴムに対して白金系金属の質量換算で1〜2,000ppm程度用いることが好ましい。
R4 dHeSiO(4-d-e)/2 (3)
(式中、R4は炭素数1〜10の非置換又は置換の一価炭化水素基である。また、dは0.7〜2.1、eは0.001〜1.0で、かつd+eは0.8〜3.0を満足する正数である。)
で示され、1分子中に少なくとも2個、好ましくは3〜100個、より好ましくは3〜50個のケイ素原子結合水素原子を有するものが好適に用いられる。
下記式(4)で示されるフロロシリコーン生ゴム(ビニル基含有量;分子中のケイ素原子数に対して0.30モル%)100質量部に対してBET比表面積130m2/gの乾式シリカ(日本アエロジル(株)製、商品名:AEROSIL130)40質量部、及び分散剤としてジフェニルシランジオール10質量部を加えて2本ロールで均一に混練りし、150℃で4時間熱処理した後、2本ロールで釈解、可塑化し、ベースとなるフロロシリコーンベースコンパウンドAを得た。
比較として、上記ペーストの添加量をフロロシリコーンベースコンパウンドA100質量部に対し0.01質量部としたものを比較例1、上記ペーストを添加しないものを比較例2とした。
得られた各コンパウンドに、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)へキサン80質量%含有乾式シリカ(日本アエロジル(株)製、商品名:AEROSIL130)ペースト0.8質量部を添加し、2本ロールで均一に混合して、4種類のフロロシリコーンゴム組成物を得た。それぞれの配合量について下記表1にまとめた。
耐アミン性として、フロロシリコーンゴム組成物の硬化物におけるアミン浸漬中の圧縮永久ひずみを測定した。測定方法は、JIS K 6262:2013に準じた。即ち、得られたフロロシリコーンゴム組成物を165℃で10分間、加圧成形し、硬化させた後、200℃で4時間ポストキュアーして、直径13mm、厚さ6.3mmの圧縮永久ひずみ測定用小型円柱試験片を作製した。得られた試験片を、25%圧縮した状態でN,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミンの1質量%IRM903試験油に100℃/168時間浸漬し、その後冷却して圧縮永久ひずみを測定した。結果を表1に記載した。
下記式(5)で示されるフロロシリコーン生ゴム(ビニル基含有量;分子中のケイ素原子数に対して0.40モル%)100質量部に対して比表面積90m2/gの乾式シリカ(日本アエロジル(株)製、商品名:AEROSIL90G)40質量部、及び分散剤としてジフェニルシランジオール10質量部を加えて2本ロールで均一に混練りし、150℃で4時間熱処理した後、2本ロールで釈解、可塑化し、ベースとなるフロロシリコーンベースコンパウンドBを得た。
比較として、上記塩化リチウム粉末の添加量をフロロシリコーンベースコンパウンドB100質量部に対し2.0質量部としたものを比較例3とした。
得られた各コンパウンドに、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)へキサン80質量%含有乾式シリカ(日本アエロジル(株)製、商品名:AEROSIL130)ペースト0.8質量部を添加し、2本ロールで均一に混合して2種類のフロロシリコーンゴム組成物を得た。それぞれの配合量について下記表2にまとめた。
配合に使用した2本ロール(ハードクロムメッキ処理)の表面の錆びについて目視で観察した。結果を表2に記載した。
耐アミン性は、上記実施例1の評価法と同様にして得られた試験片を、25%圧縮した状態でN,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミンの1質量%IRM903試験油に100℃/168時間浸漬し、その後冷却して圧縮永久ひずみを測定した(条件A)。同時に、上記と同様にして得られた試験片を、アミンとして、N,N’−ビス(サリチリデン)−1,2−プロパンジアミンの10質量%エタノール溶液中に25℃で24時間浸漬した後、試験片を溶液から取り出して25℃で30分風乾した。風乾後、25%圧縮した状態で100℃/168時間乾燥機中に放置し、その後25℃まで冷却して圧縮永久ひずみを測定した(条件B)。結果を表2に記載した。
Claims (3)
- 下記(A)〜(D)成分、
(A)フロロシリコーン生ゴム:100質量部、
(B)補強性シリカ:2〜100質量部、
(C)アルカリ金属塩化物、アルカリ土類金属塩化物、及び塩化アンモニウムから選ばれる少なくとも1種の塩化物:0.03〜1.8質量部、
(D)硬化剤:有効量
を含有してなるフロロシリコーンゴム組成物であって、
(A)成分のフロロシリコーン生ゴムが、下記平均組成式(1)
R 1 a R 2 b R 3 c SiO (4-a-b-c)/2 (1)
(式中、R 1 は3,3,3−トリフルオロプロピル基であり、R 2 は炭素数2〜8の非置換又は置換の一価脂肪族不飽和炭化水素基であり、R 3 は水酸基、炭素数1〜8の非置換の一価脂肪族飽和炭化水素基又は芳香族炭化水素基である。aは0.96〜1.01の正数、bは0.0001〜0.01の正数、cは0.96〜1.06の正数で、a+b+cは1.98〜2.02の正数である。)
で表されるトリフルオロプロピル基含有オルガノポリシロキサンであることを特徴とするフロロシリコーンゴム組成物。 - (C)成分の塩化物が、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アンモニウムから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1記載のフロロシリコーンゴム組成物。
- 請求項1又は2記載のフロロシリコーンゴム組成物の硬化物からなる輸送機のエンジン周辺用ゴム部品。
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