JP6626290B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技が可能な遊技機に関する。
従来、遊技機として、擬似リールを用いて擬似遊技演出を行うスロットマシンにおいて、通常リールと擬似リールとの処理を一部共通化することで、制御を行うプロセッサが使用する使用メモリ領域を節約するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−16100号公報
しかしながら、特許文献1にあっては、プロセッサ(処理手段)が使用する使用メモリ領域(データ記憶手段)を削減することはできても、制御の状況によっては、処理に利用可能な未使用のメモリ領域である未使用記憶容量(リソース)が不足して処理を実行できなくなる場合がある。そのようなリソースが不足していることは、処理を実行できなくなるまで表面化しないので、処理を実行できなくなる前にリソースが不足している記憶状態であることを把握できないという問題がある。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、処理手段が処理に使用するデータのデータ記憶手段における記憶状態を把握することができる遊技機を提供することを目的とする。
手段1の遊技機は、
可変表示が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
少なくとも可変表示に関する処理をプログラムに基づいて実行する処理手段(例えば、演出制御用CPU120がプログラムに従って制御動作を行う部分)と、
データを記憶可能なデータ記憶手段(例えば、RAM122が演出制御用CPU120のワークエリアを提供する部分)と、
前記処理手段が実行可能なプログラムであって、前記処理手段が処理に使用するデータの前記データ記憶手段における記憶状態(例えば、リソース残量)が、予め定められた出力条件(例えば、リソースが不足する状態となる前のレベル1の30%以下の状態となっている場合や、直近5回の変動表示においてリソース残量が短期的に減少する傾向にあることでリソースが不足する可能性がある場合や、20回前、15回前、10回前、5回前、今回の変動表示の比較的長い期間においてリソース残量が連続して減少する傾向にあることでリソースが不足する可能性がある場合等)を満たしているか否かを判定する判定プログラム(例えば、RCプログラム)を記憶可能な判定プログラム記憶手段(例えば、ROM121がRCプログラムを記憶している部分)と、
前記判定プログラムの実行によって前記出力条件が満たされていると判定された場合に、その旨の外部出力信号を出力可能な出力手段(例えば、演出制御用CPU120が図13に示すリソースチェック処理のS116で外部出力データ出力処理を実行して外部出力信号を出力する部分)と、
を備え、
前記出力条件は、前記データ記憶手段の記憶容量のうち、前記処理手段が未使用である未使用記憶容量が複数の判定タイミングにおいて減少していること、または、前記処理手段が使用している使用記憶容量が複数の判定タイミングにおいて増加していること、である傾向出力条件を含み、
前記処理手段は、
前記判定プログラムの実行による判定を、可変表示を開始するタイミングにおいて行い、可変表示中においては行わず、
前記判定プログラムの実行による判定として、前記判定タイミングの期間が第1期間である第1傾向判定と、前記判定タイミングの期間が前記第1期間よりも長い第2期間である第2傾向判定とを実行することにより、前記傾向出力条件が成立していることを判定し、
前記出力手段は、前記判定プログラムの実行による判定結果にもとづいて、前記傾向出力条件が成立していると判定されるときに前記外部出力信号を出力する、
ことを特徴としている
この特徴によれば、処理手段が処理に使用するデータのデータ記憶手段における記憶状態を把握することができる。
手段の遊技機は、手段1に記載の遊技機であって、
前記判定プログラム(例えば、RCプログラム)を実行する前記処理手段(例えば、演出制御用CPU120がRCプログラムを実行する部分)は、予め定められた判定タイミングにおいて判定を行う(例えば、演出制御用CPU120が図13に示すリソースチェック処理のS100にて変動開始コマンドを受信したと判定したとき等にリソース残量をチェックして判定を行う部分)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、判定の処理負荷を低減できる。
手段の遊技機は、手段に記載の遊技機であって、
前記出力条件は、前記データ記憶手段(例えば、RAM122)の記憶容量のうち、前記処理手段(例えば、演出制御用CPU120)が未使用である未使用記憶容量が複数の判定タイミングにおいて減少していること、または、前記処理手段が使用している使用記憶容量が複数の判定タイミングにおいて増加していること、である傾向出力条件を含む(例えば、直近5回の変動表示においてリソース残量が短期的に減少する傾向にあることでリソースが不足する可能性がある場合、または、変形例において、直近5回の変動表示においてリソース使用量が短期的に増加する傾向にあることでリソースが不足する可能性がある場合に外部出力信号を出力する部分)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、未使用記憶容量が不足する前に未使用記憶容量が不足することを把握できる。
手段の遊技機は、手段に記載の遊技機であって、
前記判定プログラム(例えば、RCプログラム)を実行する前記処理手段(例えば、演出制御用CPU120がRCプログラムを実行する部分)は、前記傾向出力条件による判定として、前記判定タイミングの期間が第1期間(例えば、変動開始コマンドを1回受信する毎の期間)である第1傾向判定(例えば、演出制御用CPU120が図13に示すリソースチェック処理のS103にて第1傾向判定処理を実行する部分)と、前記判定タイミングの期間が前記第1期間よりも長い第2期間(例えば、変動開始コマンドを5回受信する毎の期間)である第2傾向判定(例えば、演出制御用CPU120が図13に示すリソースチェック処理のS108にて第2傾向判定処理を実行する部分)と、の少なくともいずれか一方を実行可能である(例えば、第1傾向判定条件と第2傾向判定条件のいずれか一方が成立しているときに、外部出力信号の出力を実行する部分)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、傾向出力条件による判定精度を高めることができる。
手段の遊技機は、手段に記載の遊技機であって、
前記判定プログラム(例えば、RCプログラム)を実行する前記処理手段(例えば、演出制御用CPU120がRCプログラムを実行する部分)は、前記第1傾向判定(例えば、演出制御用CPU120が図13に示すリソースチェック処理のS103にて第1傾向判定処理を実行する部分)と前記第2傾向判定(例えば、演出制御用CPU120が図13に示すリソースチェック処理のS108にて第2傾向判定処理を実行する部分)の双方を実行し、前記第1傾向判定と前記第2傾向判定のいずれか一方により、連続して未使用記憶容量が減少していると判定された場合(例えば、連続してリソース残量が減少していると判定した場合)、または、連続して使用記憶容量が増加していると判定された場合(例えば、変形例において連続してリソース使用量が増加していると判定した場合)に、前記出力条件を満たしていると判定する(例えば、演出制御用CPU120が図13に示すリソースチェック処理のS114にて第1条件成立フラグ、第2条件成立フラグ、第3条件成立フラグのいずれかがセットされているか否かを判定する部分)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、未使用記憶容量が不足する多様な傾向に対応することができ、判定精度を高めることができる。
手段の遊技機は、手段に記載の遊技機であって、
前記判定プログラム(例えば、RCプログラム)を実行する前記処理手段(例えば、演出制御用CPU120がRCプログラムを実行する部分)は、前記第1傾向判定(例えば、演出制御用CPU120が図13に示すリソースチェック処理のS103にて第1傾向判定処理を実行する部分)と前記第2傾向判定(例えば、演出制御用CPU120が図13に示すリソースチェック処理のS108にて第2傾向判定処理を実行する部分)の双方を実行し、前記第1傾向判定と前記第2傾向判定のいずれにおいても、連続して未使用記憶容量が減少していると判定された場合(例えば、連続してリソース残量が減少していると判定した場合)、または、連続して使用記憶容量が増加していると判定された場合(例えば、変形例において連続してリソース使用量が増加していると判定した場合)に、前記出力条件を満たしていると判定する(例えば、変形例において、第1傾向判定条件と第2傾向判定条件の双方の条件が共に成立しているときにのみ、外部出力信号の出力を実行する部分)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、短期間だけの未使用記憶容量の減少または使用記憶容量の増加によって、無用に出力が実行されてしまうことを防ぐことができる。
手段の遊技機は、手段1〜手段のいずれかに記載の遊技機であって、
前記出力条件は、前記データ記憶手段(例えば、RAM122)の記憶容量のうち、前記処理手段(例えば、演出制御用CPU120)が未使用である未使用記憶容量が予め定められている閾値以下(例えば、リソース残量がレベル1の閾値以下)、または、前記処理手段が使用している使用記憶容量が予め定められている閾値以上(例えば、変形例におけるリソース使用量が所定のレベルの閾値以上)となっている閾値条件を含む
ことを特徴としている。
この特徴によれば、未使用記憶容量が閾値以下または使用記憶容量が閾値以上となっていることを確実に把握できる。
手段の遊技機は、手段1〜手段のいずれかに記載の遊技機であって、
前記データ記憶手段(例えば、RAM122)の記憶容量のうち、前記処理手段(例えば、演出制御用CPU120)が未使用である未使用記憶容量(例えば、リソース残量)、または、前記処理手段が使用している使用記憶容量(例えば、変形例におけるリソース使用量)を特定する特定手段(例えば、演出制御用CPU120が図13に示すリソースチェック処理のS101にて未使用のメモリ領域を合算してリソース残量を特定する部分、または、変形例において使用中のメモリ領域を合算してリソース使用量を特定する部分)を備え、
前記出力手段(例えば、演出制御用CPU120が図13に示すリソースチェック処理のS116で外部出力データ出力処理を実行して外部出力信号を出力する部分)は、前記特定手段にて特定された未使用記憶容量、または、使用記憶容量を出力可能である(例えば、外部出力信号にリソースバッファ1,2のデータが含まれて出力される部分)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、データ記憶手段の未使用記憶容量または使用記憶容量を把握することができる。
手段の遊技機は、手段1〜手段のいずれかに記載の遊技機であって、
遊技の進行に支障をきたさない内部エラー(例えば、リセット時エラー、サウンドエラー及びVDPエラー)の発生を判定するエラー判定手段(例えば、演出制御用CPU120が図9に示す内部エラーチェック処理を実行して内部エラーの発生を判定する部分)を備え、
前記出力手段(例えば、演出制御用CPU120が図13に示すリソースチェック処理のS116で外部出力データ出力処理を実行して外部出力信号を出力する部分)は、前記エラー判定手段によって判定された内部エラーの発生を出力可能である(例えば、外部出力信号に内部エラー種別データが含まれて出力される部分)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技の進行に支障をきたさないことで表面化しない内部エラーの発生も把握できる。
尚、本発明は、本発明の請求項に記載された発明特定事項のみを有するものであって良いし、本発明の請求項に記載された発明特定事項とともに該発明特定事項以外の構成を有するものであっても良い。
パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。 パチンコ遊技機の回路構成例を示すブロック図である。 演出制御コマンドを例示する図である。 変動パターンを例示する図である。 表示結果判定テーブルを示す説明図である。 (A)は、大当り種別判定テーブルの構成例を示す図であり、(B)は、各種大当りの内容を示す図である。 遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 (A)は、リソースバッファ1の構成例を示す図であり、(B)は、リソースバッファ2の構成例を示す図であり、(C)は、リソース残量閾値テーブルを示す図である。 外部出力される外部出力データの一例を示す図である。 リソースチェック処理の一例を示す図である。
本発明に係る遊技機を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。尚、以下の説明にて、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を後方(背面)側として説明する。尚、本実施例でパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。尚、フローチャートの各ステップの説明にて、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。また、本実施例で『実行』と『実施』とは同義である。
図1は、本実施例のパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機1(以下、遊技機と略記する場合がある)は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤2(ゲージ盤)と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠3(台枠)とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。遊技領域には、遊技球が打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。例えば、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。尚、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDで点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示器4Aにて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはともに、例えば方形状に形成されている。尚、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよいし、これら「00」〜「99」を示す各セグメントが、「00」〜「99」を視認不能にランダムに配置された表示器により変動表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2の遊技領域の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄(飾り図柄ともいう)が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。そして、第1特別図柄表示器4Aでの第1特図の変動と第2特別図柄表示器4Bでの第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて演出図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、演出表示装置5の「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aでの第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bでの第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、演出図柄の変動表示中に変動表示が仮停止するようにしても良い。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は8種類に限定されず、「大当り」となる組合せや「はずれ」となる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
演出図柄の変動表示が開始された後、確定演出図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5R、または、演出図柄表示エリア5L,5C,5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の演出図柄表示エリア5Lなど)にて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。即ち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。本実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の青色表示とする。
尚、以下の説明では、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでの表示を保留表示と総称することがある。
図1に示す例では、保留記憶表示エリアとともに、第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上部と下部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。尚、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態にて、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する所定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)し易くする。このように、大入賞口は、遊技球が通過(進入)し易く遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、開放状態となった特別可変入賞球装置7の大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、他の入賞口(例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口)を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、特別可変入賞球装置7の大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7の大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、更に遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域下方の遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や貸し出しによって払い出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1での遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの出力信号を入力可能とする機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、外部に各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81,82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。即ち、演出制御基板12は、演出表示装置5の表示動作や、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などの点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ(音番号や音量レベル等)などに基づき、スピーカ8L,8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などの点灯/消灯駆動を行う処理回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。尚、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。
図3は、本実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。尚、図3に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じた値であればよい。
コマンド8001Hは、第1特別図柄表示器4Aでの変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示器4Bでの変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドであり、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、変動表示結果通知コマンドであり、変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。尚、コマンド8C00Hは、「はずれ」となる旨の事前決定結果を示すコマンドである。コマンド8C01Hは、「大当り」で大当り種別が「確変大当りA」となる旨を通知するコマンドである。コマンド8C02Hは、「大当り」で大当り種別が「確変大当りB」となる旨を通知するコマンドである。コマンド8C03Hは、「大当り」で大当り種別が「非確変大当り」となる旨を通知するコマンドである。
コマンド8F00Hは、演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、その時点の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態にて、大入賞口が開放状態となったこと及び大入賞口が開放状態である期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態にて、大入賞口が開放状態から閉鎖状態となったこと及び大入賞口が閉鎖状態である期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
尚、大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態のラウンドの実行回数(例えば「1」〜「16」または「1」〜「5」)に対応したEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口への入賞によって第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口への入賞によって第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101(Read Only Memory 101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102(Random Access Memory 102)と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103(Central Processing Unit 103)と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105(Input/Outputport 105)とを備えて構成される。以下、Read Only MemoryはROM、Central Processing UnitはCPU、Random Access MemoryはRAMと、Input/OutputportはI/Oといずれも略記する。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御するための各種処理が実行される。
主基板11では、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4等の各種乱数値の数値データが、カウント可能に制御される。尚、乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR4の一部または全部を示す数値データをカウントできるものであればよく、乱数回路104にてカウントしない乱数値については、CPU103が、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することでカウントするようにすればよい。
図4は、本実施例の変動パターンを示している。本実施例では、図4に示すような複数の変動パターンが予め用意されている。具体的に、本実施例では、変動表示結果が「はずれ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンである大当り変動パターンや、演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合のリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。尚、本実施例では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けても良い。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ…といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けても良い。
図4に示すように、本実施例におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、本実施例におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。
尚、本実施例では、前述したようにスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために予め用意された複数の判定テーブルや設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図4に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図5は、ROM101に記憶される表示結果判定テーブルの構成例を示している。本実施例では、表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1特図と第2特図とで個別の表示結果判定テーブルを用いるようにしても良い。
表示結果判定テーブルは、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bの特図ゲームにおいて確定特別図柄が導出表示される前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
本実施例の表示結果判定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「はずれ」の特図表示結果に割り当てられている。
表示結果判定テーブルでは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に対して判定用データが割り当てられている。具体的に、本実施例では、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率(本実施例では約1/300)に比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる(本実施例では約1/30)。即ち、表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、判定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
尚、ROM101には、大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照される大当り種別判定テーブルや、乱数値MR3に基づいて変動パターンを、前述した図4に示す変動パターンのいずれかに決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されている。
図6(A)に示す設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「確変大当りA」と「確変大当りB」の大当り種別に対する判定値の割当てが異なっている。つまり、変動特図が第2特図である場合には、ラウンド数の少ない「確変大当りB」の大当り種別に割り当てがなく、第2特図の変動表示では「確変大当りB」が発生しないようにすることで、時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態中に、得られる賞球が少ない「確変大当りB」が頻発して遊技興趣が低下してしまうことを防止できるようになっている。尚、図6(A)に示す設定例は一例に過ぎず、図6(A)に示す以外の大当り種別を設けるようにしても良いし、それぞれの大当りの決定割合や決定の有無等は、適宜に設定すれば良い。
また、ROM101に記憶されている変動パターン判定テーブルとしては、「大当り」とすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、「はずれ」にすることが事前決定されたときに使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。尚、本実施例では、はずれのときよりも大当りとなるときの方がリーチの変動パターンが決定されやすくなり、リーチが発生した場合の方が大当りなる可能性(信頼度や期待度)が高くなるとともに、同じリーチの変動パターンであっても、ノーマルリーチよりもスーパーリーチの方が大当りなる可能性(信頼度や期待度)が高く、同じスーパーリーチであってもスーパーリーチβの変動パターンの方が、確変大当りなる可能性(信頼度や期待度)が高くなるように、大当り用変動パターン判定テーブルとはずれ用変動パターン判定テーブルにおいて、各変動パターンに対応する判定値が設定されている。
尚、はずれ用変動パターン判定テーブルは、合計保留記憶数や時短状態に対応した複数のテーブルを含んでおり、保留記憶数や時短状態に応じて、合計保留記憶数が2〜4個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−2)や、合計保留記憶数が5〜8個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−3)や、短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−4)を、合計保留記憶数や遊技状態(時短状態)に応じて決定することで、合計保留記憶数が多くなる程、短い変動パターンが実行され易い、つまり、単位時間当りの変動回数が高まることで、無駄な始動入賞の発生を防ぐことが可能であるとともに、時短制御中(時短状態中)では、時短制御が実行されていないときよりも、短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−4)が多く決定されて単位時間当りの変動回数が高まることで、次の大当りまでの期間を短縮でき、遊技者の連荘感を向上できるようになっている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板からのバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存され、再度の電源投入にて、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータ等の遊技の進行状態を示すデータを引き継ぐようにすればよい。
このようなRAM102には、遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、図示しない遊技制御用データ保持エリアが設けられている。遊技制御用データ保持エリアは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない第1特図を用いた特図ゲームの保留データとして、乱数値MR1、乱数値MR2、乱数値MR3を示す数値データなどを記憶する第1特図保留記憶部と、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない第2特図を用いた特図ゲームの保留データとして、乱数値MR1、乱数値MR2、乱数値MR3を示す数値データなどを記憶する第2特図保留記憶部と、普図保留記憶部と、特図プロセスフラグ等の遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている遊技制御フラグ設定部と、遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている遊技制御タイマ設定部と、遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている遊技制御カウンタ設定部と、遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている遊技制御バッファ設定部とを備えている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5での表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行するVDP(ビデオディスプレイプロセッサ)等を含む表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種処理が実行される。例えば、これら演出動作を制御するための処理として、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信処理、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部、例えば、デバッグ時に使用されるデバッグ用端末(例えば、インサーキット・エミュレータ)等の外部機器に、図12に示すシリアル通信データの形態の外部出力信号を出力する外部出力データ出力処理(図13参照)なども行われる。
尚、演出制御基板12の側でも、主基板11と同様に、例えば、各種演出の実行、非実行や、演出の種別等を決定するための各種の乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。また、ROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のテーブルデータ、例えば、各種演出の実行、非実行や、演出の種別等を決定するための複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各変動パターンに対応する演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
また、ROM121には、図9に示すリソースチェック処理を行うためのRC(リソースチェック)プログラムや、内部エラーチェック処理を行うためのEC(エラーチェック)プログラムが格納されており、これらRC(リソースチェック)プログラムやEC(エラーチェック)プログラムにもとづいてリソースチェック処理や内部エラーチェック処理を演出制御用CPU120が実行する。尚、本実施例では、上記したRC(リソースチェック)プログラムやEC(エラーチェック)プログラムをROM121に格納(記憶)する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの少なくともいずれか一方のプログラムを、演出制御用CPU120の内部ROM等に格納(記憶)するようにしても良い。
演出制御パターンのうち、特図変動時演出制御パターンは、各変動パターンに対応して、特別図柄の変動が開始されてから確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出等の様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。
また、RAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図示しない演出制御用データ保持エリアが設けられている。演出制御用データ保持エリアは、演出動作状態や主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている演出制御フラグ設定部と、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマやカウンタが設けられている演出制御タイマ設定部や演出制御カウンタ設定部と、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている演出制御バッファ設定部とを備えている。
尚、本実施例では、演出制御バッファ設定部の所定領域に、第1特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1−1」〜「1−4」に対応した領域)と、第2特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「2−1」〜「2−4」に対応した領域)が設けられ、その時点の保留記憶の状況を特定可能な保留記憶バッファを構成するデータが記憶されており、該保留記憶バッファのデータに基づいて、第1保留記憶表示エリア5Dと第2保留記憶表示エリア5Uの保留表示が表示される。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時の状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図7のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図7に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S12)。この後、所定の情報出力処理を実行する(S13)。
次に、乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S14)。この後、図8に示す特別図柄プロセス処理を実行する(S15)。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄表示器20での表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bの可動翼片の傾動動作設定などを行う普通図柄プロセス処理が実行される(S16)。その後、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信(出力)する(S17)。
図8は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理では、まず、始動入賞判定処理を実行する(S21)。その後、遊技制御フラグ設定部に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S22〜S29の処理のいずれかを選択して実行する。
S21の始動入賞処理では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bによる第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、乱数値MR1、MR2、MR3を抽出して、第1始動入賞である場合には、第1特図保留記憶部の空きエントリの最上位に格納し、第2始動入賞である場合には、第2特図保留記憶部の空きエントリの最上位に格納する。
S22の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。特別図柄通常処理では、保留データの有無などに基づいて特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、乱数値MR1を示す数値データに基づき、変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。更に、変動表示結果に対応して確定特別図柄(大当り図柄やはずれ図柄のいずれか)が設定される。そして、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S23の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。そして、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S24の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。尚、特別図柄の変動経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S25の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S26の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態にてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。具体的には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を、「非確変大当り」または「確変大当りA」である場合には、「16回」に設定する。一方、大当り種別が「確変大当りB」である場合には、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「5回」に設定する。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S27の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S28の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S29の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知するエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
尚、大当り終了処理では、遊技制御バッファ設定部に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当りA」、「確変大当りB」のいずれであったかを特定する。そして、特定した大当り種別が「非確変大当り」ではないと判定された場合には、確変制御を開始するための設定(確変フラグのセット)を行う。
また、特定した大当り種別が「非確変大当り」である場合には、時短制御を開始するための設定(時短フラグのセットと時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(本実施例では「100」)を時短回数カウンタにセット)を行う。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。先ず、演出制御用CPU120は、電源が投入されると、図9に示すメイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S51)。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理によりタイマ割込フラグをセットする。メイン処理で、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、まず、コマンド解析処理を行う(S54)。コマンド解析処理では、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドが、どのコマンド(図3参照)であるのか解析する。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。そして、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S55)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理(S56)、図13に示す、リソースが不足する状態または不足する前段階の状態であるかリソースが不足する状態となる可能性が高い状態であるか否かを判定するリソースチェック処理(S57)、所定の内部エラーが発生しているか否かを判定する内部エラーチェック処理(S58)を実行した後、S52に移行する。
図10は、演出制御メイン処理の演出制御プロセス処理(S55)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、先ず、演出表示装置5の第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uでの保留記憶表示を、保留記憶バッファの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する(S72)。
その後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS73〜S79のうちのいずれかの処理を行う。各処理においては、以下のような処理を実行する。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理で変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S74)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S74):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S75):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S76):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S77)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S77):変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S78)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S78):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S79)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S79):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
次に、RAM122の演出制御バッファ設定部に設定され、リソースチェック処理(S57)において使用されるリソースバッファ1、リソースバッファ2、並びにリソース残量閾値テーブルについて説明する。
リソースバッファ1は、後述する第1傾向判定処理(S103)において判定に使用されるバッファであり、図11(A)に示すように、番号1〜番号5までの5つの格納領域に、直近5回前までの変動開始コマンドを受信した時点のリソース残量が格納可能とされている。
つまり、番号5のエントリには、1回前に変動開始コマンドを受信した時点において特定したリソース残量が格納され、番号4のエントリには、2回前に変動開始コマンドを受信した時点において特定したリソース残量が格納され、番号3のエントリには、3回前に変動開始コマンドを受信した時点において特定したリソース残量が格納され、番号2のエントリには、4回前に変動開始コマンドを受信した時点において特定したリソース残量が格納され、番号1のエントリには、5回前に変動開始コマンドを受信した時点において特定したリソース残量が格納されている。よって、新たに変動開始コマンドを受信した場合には、番号2のエントリに格納されているリソース残量が番号1のエントリにシフトされ、番号3のエントリに格納されているリソース残量が番号2のエントリにシフトされ、番号4のエントリに格納されているリソース残量が番号3のエントリにシフトされ、番号5のエントリに格納されているリソース残量が番号4のエントリにシフトされ、該受信時に特定されたリソース残量が番号5のエントリに格納される。
また、リソースバッファ2は、後述する第2傾向判定処理(S108)において判定に使用されるバッファであり、図11(B)に示すように、番号1〜番号5までの5つの格納領域に、5回の変動開始コマンドを受信した毎に特定されたリソース残量が格納可能とされている。
つまり、番号5のエントリには、変動表示5回毎のチェックタイミングに直近になった時点のリソース残量が格納され、番号4のエントリには、チェックタイミングに2回前になった時点のリソース残量が格納され、番号3のエントリには、チェックタイミングに3回前になった時点のリソース残量が格納され、番号2のエントリには、チェックタイミングに4回前になった時点のリソース残量が格納され、番号1のエントリには、チェックタイミングに5回前になった時点のリソース残量が格納されている。よって、変動表示5回毎のチェックタイミングに新たになった場合には、番号2のエントリに格納されているリソース残量が番号1のエントリにシフトされ、番号3のエントリに格納されているリソース残量が番号2のエントリにシフトされ、番号4のエントリに格納されているリソース残量が番号3のエントリにシフトされ、番号5のエントリに格納されているリソース残量が番号4のエントリにシフトされ、該新たなチェックタイミングにおいて特定されたリソース残量が番号5のエントリに格納される。
また、リソース残量閾値テーブルには、後述するS111やS112の判定において使用される各レベル(レベル1、レベル2)に該当するリソース残量の閾値が、図11(C)に示すように、レベル1(注意)とレベル2(警告)とに対応付けて記憶されている。
次に、S57において実行される本実施例のリソースチェック処理について、図13を用いて説明する。
リソースチェック処理において演出制御用CPU120は、まず、変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否か、つまり、変動開始コマンドを受信した変動開始時であるか否かを判定する(S100)。尚、本実施例では、変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かにより変動開始時であるか否かを判定しているが、演出制御プロセスフラグの値が、演出図柄変動開始処理に対応する値になっているか否かにより、変動開始時であるか否かを判定するようにしても良い。
変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合には、当該処理を終了する。一方、変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU120が制御処理に使用できるメモリ領域のうち、未使用のメモリ領域を合算してリソース残量を特定する(S101)。
そして、リソースバッファ1を更新する(S102)。具体的には、前記したように、リソースバッファ1の番号2〜5のエントリに格納されているリソース残量データを、番号1〜4のエントリにシフト移動させるとともに、番号5のエントリに、S101において新たに特定したリソース残量のデータを格納する。
次いで、更新後のリソースバッファ1に格納されている各リソース残量データにもとづいて、短期間傾向判定である第1傾向判定処理を実行する(S103)。具体的には、第1傾向判定条件である、リソースバッファ1に格納されている各リソース残量が、それぞれの直前のエントリに記憶されているリソース残量よりも減少していることが満たされているか否かにより、第1傾向判定条件が成立しているか否かを判定する(S104)。つまり、各番号Nのエントリに格納されているリソース残量をSR(N)で表すと、SR(1)>SR(2)>SR(3)>SR(4)>SR(5)の関係が成立するか否かを判定する。
第1傾向判定条件が成立していない場合には、S106に進む。一方、第1傾向判定条件が成立している場合には、第1条件成立フラグをセットした後(S105)、S106に進む。
S106では、傾向判定2の判定タイミング、つまり、新たに開始される変動表示が、営業開始からの変動表示回数として5の倍数となる変動表示であるか否かを判定する。尚、これら営業開始からの変動表示回数として5の倍数となる変動表示であるか否かは、営業開始時点からの変動表示回数が累積加算される変動表示カウンタの値により判定しても良いし、「5」の判定値がセットされる判定タイミングカウンタを設けておき、1の変動表示が開始される毎に1を減算更新していき、該判定タイミングカウンタが0となったときに傾向判定2の判定タイミングであると判定するとともに、判定タイミングカウンタに「5」を再セットするようにしても良い。
傾向判定2の判定タイミングでない場合には、S111に進む。一方、傾向判定2の判定タイミングである場合には、リソースバッファ2を更新する(S107)。
具体的には、前記したように、リソースバッファ2の番号2〜5のエントリに格納されているリソース残量データを、番号1〜4のエントリにシフト移動させるとともに、番号5のエントリに、S101において新たに特定したリソース残量のデータを格納する。
次いで、更新後のリソースバッファ2に格納されている各リソース残量データにもとづいて、長期間傾向判定である第2傾向判定処理を実行する(S108)。具体的には、第2傾向判定条件である、リソースバッファ2に格納されている各リソース残量が、それぞれの直前のエントリに記憶されているリソース残量よりも減少していることが満たされているか否かにより、第2傾向判定条件が成立しているか否かを判定する。つまり、各番号Nのエントリに格納されているリソース残量をLR(N)で表すと、LR(1)>LR(2)>LR(3)>LR(4)>LR(5)の関係が成立するか否かを判定する。
第2傾向判定条件が成立していない場合には、S111に進む。一方、第2傾向判定条件が成立している場合には、第2条件成立フラグをセットした後(S110)、S111に進む。
S111においては、S101において特定した、その時点のリソース残量が、図11(C)のリソース残量閾値テーブルにおいてレベル1に対応付けて記憶されている閾値である30%以下であるか否か、つまり、リソース残量が注意の必要なレベル1の閾値よりも低い状態であるか否かを判定する。
その時点のリソース残量がレベル1の閾値以下ではない場合には、S114に進む。一方、その時点のリソース残量がレベル1の閾値以下である場合には、S112に進んで、その時点のリソース残量が該当するレベルを特定する。具体的には、その時点のリソース残量がレベル2の閾値である10%以下である場合には、レベル2と特定し、その時点のリソース残量が10%以下ではない場合には、レベル1と特定する。そして、第3条件成立フラグをセットした後(S113)、S114に進む。
S114では、第1条件成立フラグ、第2条件成立フラグ、第3条件成立フラグのいずれかがセットされているか否かを判定し、第1条件成立フラグ、第2条件成立フラグ、第3条件成立フラグのいずれもセットされていない場合には、当該処理を終了する。
一方、第1条件成立フラグ、第2条件成立フラグ、第3条件成立フラグのいずれかがセットされている場合には、S115に進んで、セットされている条件成立フラグ(第1条件成立フラグ、第2条件成立フラグ、第3条件成立フラグのいずれか)をクリアした後、外部出力データ出力処理を実行する(S116)。
この外部出力データ出力処理においては、図12に示すデータヘッダAを含む所定フォーマットのシリアルデータが出力される。具体的には、所定ビット長のデータヘッダAに続いて、リソースバッファ1,2のデータを含むバッファデータと、S112にて特定したレベルのデータである閾値判定結果と、第1傾向判定条件が満たされているか否かの判定結果である傾向判定1結果と、第2傾向判定条件が満たされているか否かの判定結果である傾向判定2結果と、を含むシリアルデータを外部出力する。
このように外部出力データ出力処理において外部出力されるシリアルデータにより、外部端末においては、閾値判定結果、傾向判定1結果、傾向判定2結果のいずれの判定結果がなされたことを特定できるとともに、その時点のリソースバッファ1,2のデータについても把握できるようになる。
つまり、本実施例では、リソース残量が、リソースが不足する状態となる前のレベル1の30%以下の状態となっている場合や、直近5回の変動表示においてリソース残量が短期的に減少する傾向にあることでリソースが不足する可能性がある場合や、20回前、15回前、10回前、5回前、今回の変動表示の比較的長い期間においてリソース残量が連続して減少する傾向にあることでリソースが不足する可能性がある場合のいずれかの場合において、上記したデータヘッダAが付与されたシリアルデータが外部出力されることで、これらリソースが不足する可能性があることを、リソースが不足して動作に異常が生じる前に外部機器において把握することができる。
次に、S58の内部エラーチェック処理について説明すると、内部エラーチェック処理においては、本実施例においては、3つの内部エラーが発生しているか否かを判定する。尚、本実施例では、3つの内部エラーを判定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら判定する内部エラーの数や種類は、適宜に決定すれば良い。
3つの内部エラーは、具体的には、リセット時エラー、サウンドエラー及びVDPエラーである。リセット時エラーは、メモリが破壊されずにリセットが実行されたときに、所定時間が経過しても主基板11からいずれのコマンドも送信されてこない場合に判定されるエラーである。また、サウンドエラーは、音声制御基板13に搭載されている音声制御用プロセッサがサウンドエラーコマンドを出力していることにより判定されるエラーである。また、VDPエラーは、表示制御部123に含まれるVDPがVDPエラーコマンドを出力していることにより判定されるエラーである。
尚、本実施例では、VDPと音声制御用プロセッサとを個別の集積回路(IC)とした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらVDPと音声制御用プロセッサとが単一の集積回路(IC)とされていても良い。
また、サウンドエラーは、スピーカ8L,8Rから音声が出力されないエラーや異常な音声が出力されるエラーを含む。また、遊技に関する音声を出力中に遊技者が気付かないような微細なノイズ等が生じてしまうようなエラーであって、遊技の進行に支障をきたすことはないが、正常な動作ではないエラーを含む。このようにサウンドエラーには、異常が発生したことが一見して分かるエラーのみならず、遊技の進行に支障をきたさないことで表面化しないエラー(遊技者が気付かないエラー等)を含む。
また、VDPエラーは、演出表示装置5において画像の表示が行われないエラー(全く画像が表示されないブラックアウト画面になるエラー等)や異常な表示画面になるエラー(動画の表示中に該動画がフリーズするエラー等)を含む。また、遊技に関する画像を表示中に遊技者が気付かないような微細なノイズ等が生じてしまうようなエラーであって、遊技の進行に支障をきたすことはないが、正常な動作ではないエラーを含む。このようにVDPエラーには、異常が発生したことが一見して分かるエラーのみならず、遊技の進行に支障をきたさないことで表面化しないエラー(遊技者が気付かないエラー等)を含む。
これらの内部エラーの発生が内部エラーチェック処理にて特定された場合には、図12に示すように、該特定されたエラーの種別に対応する内部エラー種別データに、データヘッダBが付加されたシリアルデータが外部出力されることで、これら内部エラーの発生と発生した内部エラーの種別とを外部端末等において把握することができる。
尚、本実施例では、内部エラーの種別だけを外部出力しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、サウンドエラーやVDPエラーについて、エラーの状況を示すステータスデータがエラーコマンドに含まれる場合には、これらステータスデータについても、内部エラーの種別データとともに外部出力するようにしても良い。
以上、本実施例のパチンコ遊技機1によれば、演出制御用CPU120が図13に示すリソースチェック処理のS116で外部出力データ出力処理を実行して外部出力信号を出力することで、演出制御用CPU120が処理に使用するRAM122のリソース状態を把握することができる。
また、本実施例によれば、演出制御用CPU120が図13に示すリソースチェック処理のS100にて変動開始コマンドを受信したと判定したとき等にリソース残量をチェックして判定を行うことで、判定の処理負荷を低減できる。
また、本実施例によれば、直近5回の変動表示においてリソース残量が短期的に減少する傾向にあることでリソースが不足する可能性がある場合に外部出力信号を出力することで、リソースが不足する前にリソースが不足することを把握できる。
また、本実施例によれば、第1傾向判定条件と第2傾向判定条件のいずれか一方が成立しているときに、外部出力信号の出力を実行することで、傾向出力条件による判定精度を高めることができる。
また、本実施例によれば、演出制御用CPU120が図13に示すリソースチェック処理のS114にて第1条件成立フラグ、第2条件成立フラグ、第3条件成立フラグのいずれかがセットされているか否かを判定することで、リソースが不足する多様な傾向に対応することができ、判定精度を高めることができる。
また、本実施例によれば、変形例において、第1傾向判定条件と第2傾向判定条件の双方の条件が共に成立しているときにのみ、外部出力信号の出力を実行することで、短期間だけの未使用記憶容量の減少によって、無用に出力が実行されてしまうことを防ぐことができる。
また、本実施例によれば、リソース残量がレベル1の閾値以下となったときに外部出力信号の出力を実行することで、リソースが閾値以下となっていることを確実に把握できる。
また、本実施例によれば、外部出力信号にリソースバッファ1,2のデータが含まれて出力されることで、リソース残量を把握することができる。
また、本実施例によれば、外部出力信号に内部エラー種別データが含まれて出力されることで、遊技の進行に支障をきたさないことで表面化しない内部エラーの発生も把握できる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、第1傾向判定条件と第2傾向判定条件のいずれか一方が成立しているときに、外部出力信号の出力を実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他の条件が成立したときに外部出力信号の出力を実行する形態であっても良い。例えば、変形例として、第1傾向判定条件と第2傾向判定条件の双方の条件が共に成立しているときにのみ、外部出力信号の出力を実行するようにすることで、短期間だけのリソース残量の減少によって、無用に外部出力が実行されてしまうことを防ぐことができるようにしても良い。
また、前記実施例では、リソース残量が少なくなったとき、つまり、外部出力信号を出力する所定の条件成立がしたときに、デバッグ時に使用されるデバッグ用端末等の外部機器に対して外部出力信号を出力するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、所定の条件成立がしたときに、演出表示装置5にリソース残量が少なくなったことを示す報知表示を行うようにしても良い。尚、リソースの状態を可視化するようにしても良い。
また、前記実施例では、リソース残量が、リソースが不足する状態となる前のレベル1の30%以下の状態となっている場合や、直近5回の変動表示においてリソース残量が短期的に減少する傾向にあることでリソースが不足する可能性がある場合や、20回前、15回前、10回前、5回前、今回の変動表示の比較的長い期間においてリソース残量が連続して減少する傾向にあることでリソースが不足する可能性がある場合のいずれかの場合において、外部出力信号を出力するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、リソースが不足する状態となる前のレベル1の30%以下の状態となっている場合のみ外部出力信号を出力するようにしても良い。つまり、図13に示すリソースチェック処理のS114において、第3条件成立フラグのみを判定の対象としても良い。
また、前記実施例では、第1傾向判定条件と第2傾向判定条件のいずれか一方が成立しているときに、外部出力信号の出力を実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1傾向判定条件または第2傾向判定条件の一方のみが成立したか否かを判定するようにし、第1傾向判定条件または第2傾向判定条件が成立しているときに、外部出力信号の出力を実行するようにしても良い。
また、前記実施例では、第1傾向判定条件と第2傾向判定条件の2種類の傾向判定条件を用いて判定をしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、3種類やそれ以上の種類の傾向判定条件を用いて判定をしても良い。
また、前記実施例では、リソース残量を示すリソースバッファ1,2のデータを含むバッファデータが外部出力信号に含まれた状態で出力されるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、リソース残量を示すバッファデータ等を含めずに外部出力信号を出力しても良い。また、リソース残量が少なくなったときに、外部出力信号を出力しない態様にしても良く、例えば、リソース残量が少なくなった時点を記録しておいて、リソース残量が少なくなったときには、外部出力信号をせず、その後の任意の操作でリソース残量が少なくなった時点を記録した外部出力信号を出力するようにしても良い。
また、前記実施例では、リソース残量を特定する5回のタイミングにおいてリソース残量が減少する傾向にあることでリソースが不足する可能性があると判定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、リソース残量を特定するタイミングは6回以上あっても良いし、或いは5回よりも少ない回数(2回〜4回)であっても良い。
また、前記実施例では、リソース残量を特定する5回のタイミングにおいてリソース残量が減少する傾向にあることでリソースが不足する可能性があると判定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、リソース残量を特定するタイミングをパチンコ遊技機1の機種や使用状況等に応じて変更可能としても良い。例えば、デバッグ用端末等の外部機器を接続したときに、作業者がリソース残量を特定するタイミングや回数を任意に設定できるようにしても良い。また、予告演出を実行中の期間やデモ演出を実行中の期間等の各期間において、リソース残量を特定するタイミングや回数を任意に設定できるようにしても良い。
また、前記実施例では、リソース残量を特定する5回のタイミングにおいてリソース残量が減少する傾向にあることでリソースが不足する可能性があると判定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他の方法によりリソースが不足する可能性があるか否かを判定しても良い。例えば、リソース残量を特定したときに、前回特定したリソース残量と今回特定したリソース残量とを比較して、リソース残量が減少しているときには、判定用のフラグ値に「1」を加算するようにし、この判定を繰り返して、判定用のフラグ値が「5」になったとき、つまり、5回連続してリソース残量が減少しているときにリソースが不足する可能性があると判定しても良い。
また、前記実施例では、リソース残量に関わらず、常に5回のタイミングにおいてリソース残量が減少する傾向にあることでリソースが不足する可能性があると判定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、リソース残量によって該リソース残量を特定するタイミングの回数を変更しても良い。例えば、リソース残量が30%以上あるときには、リソース残量が減少する傾向にあることを判定しないようにし、リソース残量が30%未満であるときには、5回のタイミングにおいてリソース残量が減少する傾向にあることでリソースが不足する可能性があると判定し、リソース残量が20%未満であるときには、3回のタイミングにおいてリソース残量が減少する傾向にあることでリソースが不足する可能性があると判定し、リソース残量が10%未満であるときには、2回のタイミングにおいてリソース残量が減少する傾向にあることでリソースが不足する可能性があると判定しても良い。つまり、リソース残量が少なくなるに連れて、リソースが不足する可能性があると判定する条件をシビアにしても良い。尚、リソース残量が30%以上あるときには、20回前、15回前、10回前、5回前、今回の変動表示の比較的長い期間においてリソース残量が連続して減少する傾向にあることでリソースが不足する可能性があると判定し、リソース残量が30%未満であるときには、直近5回の変動表示においてリソース残量が短期的に減少する傾向にあることでリソースが不足する可能性があると判定しても良い。つまり、リソース残量が少なくなるに連れて、傾向判定条件をシビアにしても良い。
また、前記実施例では、内部エラーチェック処理(S58)を実行するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、内部エラーチェック処理を実行しない形態、つまり、所定の内部エラーが発生しているか否かを判定しなくても良い。また、所定の内部エラーが発生していると判定しても各種エラーコマンドを出力しない形態としても良い。
また、前記実施例では、図13に示すリソースチェック処理のS111やS112の判定において使用されるリソース残量の閾値がレベル1(注意)とレベル2(警告)との2段階としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、リソース残量の閾値がレベル1またはレベル2のいずれか1つであっても良い。尚、リソース残量の閾値がレベルは、3段階以上のレベルを用いて判定しても良い。
また、前記実施例では、リソース残量をチェックするタイミングが変動開始時とした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動開始時以外のタイミングにリソース残量をチェックするようにしても良い。例えば、変動終了時にリソース残量をチェックしても良いし、始動入賞時にリソース残量をチェックしても良い。また、予告演出等のリソース残量が少なくなるような演出の実行開始時や実行中や終了時に所定期間毎にリソース残量をチェックしても良い。また、変動表示や演出等に関係なく、一定時間毎に定期的にリソース残量をチェックしても良い。
また、前記実施例では、リソース残量をチェックするときに、リソース(メモリ)の容量のうちの残量となる部分を所定の割合(百分率(パーセント))で特定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、リソース残量をチェックするときに、リソースの容量(例えば、メガバイト数)で特定するようにしても良い。
また、前記実施例では、リソースの残量(未使用記憶容量)をチェックするようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、リソースの使用量(使用記憶容量)をチェックするようにしても良い。例えば、変形例において、連続してリソース使用量が増加していると判定した場合に、外部出力信号を出力するようにしても良い。また、直近5回の変動表示においてリソース使用量が短期的に増加する傾向にあることでリソースが不足する可能性がある場合に、外部出力信号を出力するようにしても良い。また、20回前、15回前、10回前、5回前、今回の変動表示の比較的長い期間においてリソース使用量が連続して増加する傾向にあることでリソースが不足する可能性がある場合に、外部出力信号を出力するようにしても良い。また、リソース使用量が所定のレベルの閾値以上である場合に、外部出力信号を出力するようにしても良い。また、演出制御用CPU120がリソースチェック処理にて使用中のメモリ領域を合算してリソース使用量を特定し、特定したリソース使用量のデータが外部出力信号に含まれた状態で出力されるものであっても良い。
尚、リソースの使用量(使用記憶容量)をチェックすることで、リソースが不足する可能性があるか否かを判定するよりも、リソースの残量(未使用記憶容量)をチェックすることで、リソースが不足する可能性があるか否かを判定することが好ましい。例えば、パチンコ遊技機1の動作中においてメモリ等のリソースを50%以上使用する場合には、リソース使用量の値よりもリソース残量の値の方が小さい値となる。つまり、RC(リソースチェック)プログラムが使用するメモリバッファにおいて、リソース残量の値を格納した方が、リソース使用量の値を格納するよりも、RCプログラムが使用するメモリバッファの容量を小さくでき、リソースを消費しないで済むようになる。尚、パチンコ遊技機1の動作中においてメモリ等のリソースを50%以上使用しない場合には、リソースの使用量(使用記憶容量)をチェックするようにしても良く、リソース使用量の値を格納した方が、リソース残量の値を格納するよりも、RCプログラムが使用するメモリバッファの容量を小さくでき、リソースを消費しないで済むようになる。
また、前記実施例では、RC(リソースチェック)プログラムやEC(エラーチェック)プログラムをROM121に格納(記憶)した状態で製造工場から出荷されるパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも製造工場において、デバッグ時に使用されるデバッグ用端末等が接続されて検査等を行うときに、RCプログラムやECプログラムをROM121に格納可能であるパチンコ遊技機1であれば良く、製造工場から出荷されるときには、ROM121からRCプログラムやECプログラムが消去されるものであっても良い。
また、前記実施例では、パチンコ遊技機1にデバッグ用端末等が接続されているか否かに関わらず、演出制御プロセス処理において、リソースチェック処理(S57)や内部エラーチェック処理(S58)を実行するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1にデバッグ用端末等が接続されている場合にのみ、リソースチェック処理(S57)や内部エラーチェック処理(S58)を実行し、パチンコ遊技機1にデバッグ用端末等が接続されていない場合には、リソースチェック処理(S57)や内部エラーチェック処理(S58)を実行しないようにしても良い。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、変動時間及びリーチ演出の種類等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU103は、1つ目のコマンドでは、例えば、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。
尚、CPU103の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、前記実施例では、遊技球を打球発射装置により遊技領域よりも下方から打ち出す形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前記打球発射装置をパチンコ遊技機1における遊技領域の上方位置に設けることによって、遊技球を遊技領域の上方位置から打ち出すようにしても良い。
また、前記実施例では、大当り遊技において大入賞口の開放を実施することで多くの遊技球を獲得できる大当りのみを発生させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、確変大当りBを、ラウンド遊技における大入賞口の開放時間を著しく短くして、大入賞口が開放したことを遊技者に認識されないようにして、該確変大当りBの発生により、突然に確変状態となったように見せる突確大当りとしても良い。尚、これら確変大当りBを突確大当りとする場合には、該確変大当りBの大当り遊技における大入賞口の開放パターンと同一の開放パターンにて大入賞口を開放する小当りを設けるようにして、確変大当りBや小当りの発生後の遊技状態が、高確状態であるのか、或いは低確状態にあるのかが不明な状態(いわゆる潜伏状態)が発生するようにしても良い。
また、前記実施例では、始動入賞口を、第1始動入賞口と第2始動入賞口の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、始動入賞口を1つのみとしても良いし、始動入賞口を3以上としても良い。
また、前記実施例では、特別図柄を、第1特図と第2特図の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特別図柄を1つのみとしても良いし、特別図柄を3以上としても良い。
また、前記実施例では、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ表示結果となる最終停止図柄を含む複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、表示結果となる最終停止図柄を含めずに複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するものであっても良い。つまり、表示結果となる最終停止図柄は、変動表示に用いられる特別図柄と異なる図柄であっても良い。
前記遊技者にとって有利な状態とは、遊技者が多くの遊技媒体を獲得できる遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り等)や、獲得できる遊技媒体の期待値が異なる複数種類の特定遊技状態(ラウンド数が異なる大当り等)や、通常遊技状態よりも賞球払出の条件が成立しやすくなる高ベース状態(時短状態)や、前記特定遊技状態となる確率が高い高確率遊技状態(高確率状態)や高確低ベース状態(潜伏確変状態)、特別リーチ状態(例えば、スーパーリーチ等)、当該変動パターンが大当り変動パターンに基づく変動パターンである状態等が含まれる。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な演出表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該演出表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
1 パチンコ遊技機
4A 第1特別図柄表示器
4B 第2特別図柄表示器
5 演出表示装置
11 主基板
12 演出制御基板
100 遊技制御用マイクロコンピュータ
120 演出制御用CPU

Claims (1)

  1. 可変表示が可能な遊技機であって、
    少なくとも可変表示に関する処理をプログラムに基づいて実行可能な処理手段と、
    データを記憶可能なデータ記憶手段と、
    前記処理手段が実行可能なプログラムであって、前記処理手段が処理に使用するデータの前記データ記憶手段における記憶状態が、予め定められた出力条件を満たしているか否かを判定する判定プログラムを記憶可能な判定プログラム記憶手段と、
    前記判定プログラムの実行によって前記出力条件が満たされていると判定された場合に、その旨の外部出力信号を出力可能な出力手段と、
    を備え、
    前記出力条件は、前記データ記憶手段の記憶容量のうち、前記処理手段が未使用である未使用記憶容量が複数の判定タイミングにおいて減少していること、または、前記処理手段が使用している使用記憶容量が複数の判定タイミングにおいて増加していること、である傾向出力条件を含み、
    前記処理手段は、
    前記判定プログラムの実行による判定を、可変表示を開始するタイミングにおいて行い、可変表示中においては行わず、
    前記判定プログラムの実行による判定として、前記判定タイミングの期間が第1期間である第1傾向判定と、前記判定タイミングの期間が前記第1期間よりも長い第2期間である第2傾向判定とを実行することにより、前記傾向出力条件が成立していることを判定し、
    前記出力手段は、前記判定プログラムの実行による判定結果にもとづいて、前記傾向出力条件が成立していると判定されるときに前記外部出力信号を出力する、
    ことを特徴とする遊技機。
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