JP6625000B2 - 圧力緩衝装置 - Google Patents
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Description
本発明は、バルブによる流路の開閉動作の安定性を高めることを目的とする。
また、かかる目的のもと、本発明は、流体を収容するシリンダと、前記シリンダに対するロッドの所定方向の相対移動に伴って前記流体が流れる第1流路、および前記ロッドの前記所定方向とは逆方向の相対移動に伴って前記流体が流れる第2流路を形成する流路形成部と、前記流路形成部にて前記第1流路の第1流路口と前記第2流路の第2流路口との間に形成され、環状に突出する内側環状部と、前記流路形成部にて前記第1流路口および前記第2流路口よりも半径方向外側に形成され、環状に突出する外側環状部と、前記第2流路の前記第2流路口を開閉するバルブと、前記内側環状部よりも半径方向外側であって前記外側環状部よりも半径方向内側にて、前記バルブを前記流路形成部に押し付ける押付部材と、を備え、前記押付部材は、楕円形状に形成されている圧力緩衝装置である。
<第1実施形態>
[油圧緩衝装置1の構成・機能]
図1は、第1実施形態の油圧緩衝装置1の全体図である。
なお、以下の説明において、図1に示す油圧緩衝装置1の長手方向は、「軸方向」と称する。また、軸方向における下側は、「一方側」と称し、油圧緩衝装置1の上側は、「他方側」と称する。また、図1に示す油圧緩衝装置1の左右方向は、「半径方向」と称する。そして、半径方向において、中心軸側は、「半径方向内側」と称し、中心軸に対して離れる側は、「半径方向外側」と称する。
第1実施形態の油圧緩衝装置1(圧力緩衝装置の一例)は、オイル(流体の一例)を収容するシリンダ11(シリンダの一例)と、シリンダ11に対するロッド20(ロッドの一例)の一方側(所定方向の一例)の相対移動に伴ってオイルが流れる圧側油路412(第1流路の一例)、およびロッド20の他方側(逆方向の一例)の相対移動に伴ってオイルが流れる伸側油路413(第2流路の一例)を形成するバルブシート41(流路形成部の一例)と、バルブシート41にて圧側油路412の第1他方側油路口P1(第1流路口の一例)と伸側油路413の第2他方側油路口P2(第2流路口の一例)との間に形成され、環状に突出する内側ラウンド部415R(内側環状部の一例)と、バルブシート41にて第1他方側油路口P1および第2他方側油路口P2よりも半径方向外側に形成され、環状に突出する外側ラウンド部416R(外側環状部の一例)と、伸側油路413の第2他方側油路口P2を開閉する第1バルブ431(バルブの一例)と、内側ラウンド部415Rよりも半径方向外側であって外側ラウンド部416Rよりも半径方向内側にて、第1バルブ431をバルブシート41に押し付ける押付バルブ433(押付部材の一例)と、を備える。
以下、これらの構成について詳述する。
シリンダ部10は、シリンダ11と、シリンダ11の半径方向外側に設けられる外筒体12と、外筒体12のさらに半径方向外側に設けられるダンパケース13とを有している。また、シリンダ部10は、ダンパケース13の一方側に設けられる底蓋14と、シリンダ11の他方側に設けられるオイルシール15とを有している。
また、シリンダ11は、他方側であってオイルシール15よりも一方側に、シリンダ開口11Hを有している。シリンダ開口11Hは、シリンダ11(第2油室Y2)と後述する連絡路Lとをオイルが流通可能に接続する。
また、外筒体12は、減衰力可変部50との対向位置に、外筒体開口部12Hを有している。外筒体開口部12Hは、連絡路Lと後述する接続流路部材52とをオイルが流通可能に接続する。
また、ダンパケース13は、減衰力可変部50との対向位置に、ケース開口部13Hを有している。ケース開口部13Hは、減衰力可変部50とリザーバ室Rとをオイルが流通可能に接続する。
ロッド20は、軸方向に長く延びる棒状の部材である。ロッド20は、一方側にてピストン部30に接続する。また、ロッド20は、他方側にて図示しない連結部材等を介して車体側に接続する。
ピストン部30は、ピストンボディ31と、ピストンボディ31の軸方向の他方側に設けられたピストンバルブ32と、ピストンバルブ32とロッド20の一方側端部との間に設けられるスプリング33とを有する。そして、ピストン部30は、シリンダ11内のオイルを第1油室Y1と第2油室Y2とに区画する。
ピストンバルブ32は、ロッド20を通すロッド孔32Hが形成された略円盤状の部材である。ピストンバルブ32は、ピストンボディ31の他方側に設けられる。そして、ピストンバルブ32は、ピストン油路口311の他方側を開閉する。
スプリング33は、一方側にてピストンバルブ32に接触し、他方側にてロッド20に接続する。そして、スプリング33は、ピストンバルブ32をピストンボディ31に向けて押し付ける。
ボトムバルブ部40は、バルブシート41と、バルブシート41の一方側に設けられる圧側バルブ部42と、バルブシート41の他方側に設けられる伸側バルブ部43と、軸方向に設けられる固定部材44と、を有する。そして、ボトムバルブ部40は、第1油室Y1とリザーバ室Rとを区分する。
なお、ボトムバルブ部40のバルブシート41、圧側バルブ部42、伸側バルブ部43および固定部材44については、後に詳しく説明する。
減衰力可変部50は、ソレノイド部51と、接続流路部材52と、バルブ部53とを有する。
ソレノイド部51は、図示しない制御部による制御に基づいて、プランジャ51Pを進退移動させる。
接続流路部材52は、内側に接続流路52Rを有する略円筒状に形成される部材である。そして、接続流路部材52は、半径方向内側にてケース開口部13Hに接続し、半径方向外側にてバルブ部53に対向する。
なお、第1実施形態においては、バルブ部53によってオイルの流れを絞ることにより、油圧緩衝装置1における減衰力を主に発生させている。
図3(A)および(B)は、第1実施形態のボトムバルブ部40の部分断面図である。
(バルブシート41)
図2に示すように、バルブシート41は、半径方向内側に形成される貫通孔41Hと、貫通孔41Hの半径方向外側に形成される圧側油路412と、圧側油路412の半径方向外側に形成される伸側油路413とを有する。また、バルブシート41は、他方側に形成される保持構造部414と、他方側に形成される内側構造部415と、他方側に形成される外側構造部416とを有する。また、バルブシート41は、一方側に形成されるリザーバ流路部417を有する。
そして、圧側油路412は、油圧緩衝装置1の圧縮行程時に、第1油室Y1とリザーバ室Rとの間でのオイルの流れを可能にする(図1参照)。
そして、伸側油路413は、油圧緩衝装置1の伸張行程時に、リザーバ室Rと第1油室Y1との間でのオイルの流れを可能にする(図1参照)。
なお、図3(B)に示すように、内側ラウンド部415Rの半径方向内側の端部は、第1端部E1と呼ぶ。また、内側ラウンド部415Rの半径方向外側の端部は、第2端部E2と呼ぶ。
第2傾斜部T2は、第2他方側油路口P2側から内側ラウンド部415Rの第2端部E2にかけて傾斜する傾斜面を形成する。
なお、図3(B)に示すように、外側ラウンド部416Rの半径方向内側の端部は、第3端部E3と呼ぶ。また、外側ラウンド部416Rの半径方向外側の端部は、第4端部E4と呼ぶ。
第4傾斜部T4は、外側ラウンド部416Rの第4端部E4から半径方向外側に向けて傾斜する傾斜面を形成する。
図2に示すように、圧側バルブ部42は、圧側バルブ421と、圧側バルブ421の一方側に設けられる圧側環座422とを有する。
圧側バルブ421は、半径方向内側に固定部材44を通す開口部421Hを有する円盤状の金属板である。また、圧側バルブ421は、複数(本実施形態では3枚)設けられる。そして、図3(A)に示すように、圧側バルブ421の外周は、第1一方側油路口P3よりも半径方向外側であって第2一方側油路口P4の半径方向内側まで形成される。
以上のように構成される圧側バルブ421は、第1一方側油路口P3を開閉し、第2一方側油路口P4を常に開放する。
図2に示すように、圧側環座422は、半径方向内側に固定部材44を通す開口部422Hを有する円盤状の金属板である。圧側環座422の外径は、圧側バルブ421よりも小さい。そして、圧側環座422は、圧側バルブ421が一方側に向けて変形する際の変形領域を確保する。
図2に示すように、伸側バルブ部43は、バルブシート41の他方側に設けられる第1バルブ431と、第1バルブ431の他方側に設けられる第2バルブ432と、第2バルブ432の他方側に設けられる押付バルブ433と、押付バルブ433の他方側に設けられる伸側環座434と、を有する。
なお、第1バルブ431の外周は、外側ラウンド部416Rよりも半径方向外側に位置していても良い。
第1バルブ油路口431Mは、半径方向において第1他方側油路口P1に対応した位置に形成される。そして、第1バルブ油路口431Mは、複数設けられる。また、第1バルブ油路口431Mは、第1他方側油路口P1に対向して設けられる。なお、第1実施形態の第1バルブ油路口431Mは、周方向に沿った円弧状の開口によって形成している。
なお、第2バルブ432の外周は、外側ラウンド部416Rよりも半径方向外側に位置していても良い。
第2バルブ油路口432Mは、半径方向において第1他方側油路口P1および第1バルブ油路口431Mに対応した位置に形成される。そして、第2バルブ油路口432Mは、第1バルブ油路口431Mに対向して設けられる。なお、第1実施形態の第2バルブ油路口432Mは、複数の円形状の開口によって形成している。
押付バルブ油路口433Mは、半径方向において、第1他方側油路口P1、第1バルブ油路口431Mおよび第2バルブ油路口432Mに対応した位置に形成される。そして、押付バルブ油路口433Mは、第2バルブ油路口432Mに対向して設けられる。なお、第1実施形態の押付バルブ油路口433Mは、周方向に沿った円弧状の開口によって形成している。
図2に示すように、固定部材44は、一方側に設けられるボルト441と、他方側に設けられるナット442とを有する。そして、固定部材44は、圧側バルブ部42と伸側バルブ部43とを、それぞれバルブシート41に固定する。
図4は、第1実施形態の油圧緩衝装置1の動作説明図である。なお、図4(A)は伸張行程時におけるオイルの流れを示し、図4(B)は圧縮行程時におけるオイルの流れを示す。
まず、油圧緩衝装置1の伸張行程時における動作を説明する。
図4(A)に示すように、伸張行程時において、ロッド20は、シリンダ11に対して他方側に移動する。このとき、ピストンバルブ32は、ピストン油路口311を塞いだままである。そして、ピストン部30の他方側への移動によって、第2油室Y2の容積は、減少する。そして、第2油室Y2のオイルは、シリンダ開口11Hから連絡路Lに流れ出る。
図4(B)に示すように、圧縮行程時において、ロッド20は、シリンダ11に対して一方側に相対移動する。ピストン部30においては、第1油室Y1と第2油室Y2との差圧によって、ピストン油路口311を塞ぐピストンバルブ32が開く。そして、第1油室Y1のオイルは、ピストン油路口311を通って第2油室Y2に流れ出る。ここで、第2油室Y2にはロッド20が配置されている。そのため、第1油室Y1から第2油室Y2に流れ込むオイルは、ロッド20の進入体積分だけ過剰になる。従って、このロッド20の進入体積分に相当する量のオイルは、シリンダ開口11Hから連絡路Lに流出する。
図5は、変形例1の押付バルブ433の説明図である。
変形例1の油圧緩衝装置1では、押付バルブ433の構造が、第1実施形態とは異なる。
図5に示すように、変形例1の押付バルブ433(押付部材の一例)の端部433Eは、内側ラウンド部415R(内側環状部の一例)の半径方向外側であって外側ラウンド部416R(外側環状部の一例)の半径方向内側に位置している。すなわち、押付バルブ433の端部433Eは、第3端部E3よりも半径方向内側に位置する。
<変形例2>
変形例2の油圧緩衝装置1では、押付バルブ433の構造が、第1実施形態とは異なる。図6(A)〜図6(C)に示すように、変形例2の押付バルブ433(押付部材の一例)は、多角形状に形成している。これらのように、多角形状の押付バルブ433によって、第1バルブ431および第2バルブ432(図3(A)参照)を、内側ラウンド部415Rに押し付けるようにして良い。
さらに、押付バルブ433aの頂点部a1は、半径方向において第1端部E1と第2端部E2との間(内側ラウンド部415R上)に位置するように形成しても良い。
さらに、押付バルブ433bの頂点部b1は、半径方向において第1端部E1と第2端部E2との間(内側ラウンド部415R上)に位置するように形成しても良い。
さらに、押付バルブ433cの頂点部c1は、半径方向において第1端部E1と第2端部E2との間(内側ラウンド部415R上)に位置するように形成しても良い。
なお、説明のために、図7(A)に示す変形例3の押付バルブ433は、「押付バルブ433d」と呼ぶ。また、図7(B)に示す変形例4の押付バルブ433は、「押付バルブ433e」とする。
図7(A)に示すように、押付バルブ433d(押付部材の一例)は、楕円形状に形成されている。そして、押付バルブ433dの長手方向の端部d1(端部の一例)は、内側ラウンド部415Rよりも半径方向外側であって、外側ラウンド部416Rよりも半径方向内側に位置する。つまり、押付バルブ433dの長手方向の端部d1は、半径方向において第3端部E3よりも半径方向内側に位置するように形成している。
さらに、押付バルブ433dの端部d1は、半径方向において第1端部E1と第2端部E2との間(内側ラウンド部415R上)に位置するように形成しても良い。
図7(B)に示すように、押付バルブ433e(押付部材の一例)は、円環部e1と、円環部e1の半径方向外側にて半径方向に突出する複数の脚部e2(突出部の一例)とを有している。
そして、押付バルブ433eの脚部e2の半径方向外側の端部e21(端部の一例)は、内側ラウンド部415Rよりも半径方向外側であって、外側ラウンド部416Rよりも半径方向内側に位置する。つまり、押付バルブ433eの脚部e2の半径方向外側の端部e21は、半径方向において第3端部E3よりも半径方向内側に位置するように形成している。
さらに、押付バルブ433eの脚部e2の半径方向外側の端部e21は、半径方向において第1端部E1と第2端部E2との間(内側ラウンド部415R上)に位置するように形成しても良い。
図8は、第2実施形態の油圧緩衝装置1の全体図である。
なお、第2実施形態において、第1実施形態と同様の部材については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
第2実施形態の油圧緩衝装置1(圧力緩衝装置の一例)は、オイル(流体の一例)を収容する第1シリンダ61(シリンダの一例)と、第1シリンダ61に対するロッド20(ロッドの一例)の一方側(所定方向の一例)の相対移動に伴ってオイルが流れる圧側油路412(第1流路の一例)、およびロッド20の他方側(逆方向の一例)の相対移動に伴ってオイルが流れる伸側油路413(第2流路の一例)を形成するバルブシート41(流路形成部の一例)と、バルブシート41にて圧側油路412の第1他方側油路口P1(第1流路口の一例)と伸側油路413の第2他方側油路口P2(第2流路口の一例)との間に形成され、環状に突出する内側ラウンド部415R(内側環状部の一例)と、バルブシート41にて第1他方側油路口P1および第2他方側油路口P2よりも半径方向外側に形成され、環状に突出する外側ラウンド部416R(外側環状部の一例)と、伸側油路413の第2他方側油路口P2を開閉する第1バルブ431(バルブの一例)と、内側ラウンド部415Rよりも半径方向外側であって外側ラウンド部416Rよりも半径方向内側にて、第1バルブ431をバルブシート41に押し付ける押付バルブ433(押付部材の一例)と、を備える。
以下、これらの構成について詳述する。
Claims (2)
- 流体を収容するシリンダと、
前記シリンダに対するロッドの所定方向の相対移動に伴って前記流体が流れる第1流路、および前記ロッドの前記所定方向とは逆方向の相対移動に伴って前記流体が流れる第2流路を形成する流路形成部と、
前記流路形成部にて前記第1流路の第1流路口と前記第2流路の第2流路口との間に形成され、環状に突出する内側環状部と、
前記流路形成部にて前記第1流路口および前記第2流路口よりも半径方向外側に形成され、環状に突出する外側環状部と、
前記第2流路の前記第2流路口を開閉するバルブと、
前記内側環状部よりも半径方向外側であって前記外側環状部よりも半径方向内側にて、前記バルブを前記流路形成部に押し付ける押付部材と、
を備え、
前記押付部材は、多角形状に形成されている圧力緩衝装置。 - 流体を収容するシリンダと、
前記シリンダに対するロッドの所定方向の相対移動に伴って前記流体が流れる第1流路、および前記ロッドの前記所定方向とは逆方向の相対移動に伴って前記流体が流れる第2流路を形成する流路形成部と、
前記流路形成部にて前記第1流路の第1流路口と前記第2流路の第2流路口との間に形成され、環状に突出する内側環状部と、
前記流路形成部にて前記第1流路口および前記第2流路口よりも半径方向外側に形成され、環状に突出する外側環状部と、
前記第2流路の前記第2流路口を開閉するバルブと、
前記内側環状部よりも半径方向外側であって前記外側環状部よりも半径方向内側にて、前記バルブを前記流路形成部に押し付ける押付部材と、
を備え、
前記押付部材は、楕円形状に形成されている圧力緩衝装置。
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