JP6624954B2 - 電気化学フローセル - Google Patents

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Description

本発明は、電気化学フローセルに関し、特にイオン交換膜を有している電気化学フローセルに関する。
作用電極及び比較電極を有している電気化学フローセルにおいては、一般的に比較電極(「基準電極」又は「参照電極」と言われる場合もある)は一定の電位を維持するために移動度が近い陰イオンと陽イオンを有する内部液を隔膜でサンプル液に接する構造を有している。液絡部の材料として多孔性膜を用いることが多い。また、ゲルやスリーブを液絡部として用いる場合もある。いずれにせよ、陰イオンと陽イオンが隔膜を移動することで液絡部の電圧降下を無視できる構成となっているが、内部液は流出するし、内部液も液絡部もサンプル液も汚染されやすいことになる。また、上記の液絡部と内部液を有するために小型化やシート状に出来ない。そこで、上述の比較電極の課題に対し様々な電気化学フローセルが提案されている。
図15は、従来技術に係る電気化学フローセルを示す説明図である。図15において、201は比較電極、202は対極、203は作用極、204はセルボディである。また、図16は、従来技術に係る電気化学フローセルの比較電極の内部構造を示す図である。205は銀ロッド、206は比較電極ボディ、207は液絡部、208は比較電極内部液、209は電極内部液挿入口、210はリード線である。
この従来技術に係る電気化学フローセルは、特開平3−162662公報に記載されている発明である。この従来技術に係る電気化学フローセルは、図15に示すように、比較電極201、白金からなる対極202、白金からなる作用極203、及び、上下に2分割した構造を持つセルボディ204から構成されている。このうち比較電極201の構造を詳細に示したものが図16である。図16に示すように、銀ロッド205はあらかじめ1M HClI中で電気分解し、表面にAgClの皮膜を形成したものをエポキシ樹脂で比較電極ボディ206に固定している。また、銀ロッド205には、外部との電気的導通を確保するためのリード線210が接続されている。液格部207には、テフロン(登録商標)系の陽イオン交換樹脂であるナフィオン(登録商標)を用いると共に、エポキシ樹脂で比較電極ボディ206に接着してある。比較電極内部液208には、飽和KCl水溶液を用いている。比較電極内部液208を補充、交換するために、比較電極ボディ206には、電極内部液挿入ロ209が設けられている。また、比較電極201は、Ag−AgCl電極である。
そして、以上の構成の電気化学フローセルによって、サンプル液が静止している場合でも、流動している場合のいずれにおいても比較電極の電位が安定するので、基準電極として用いることができる。
ところで、この従来技術に係る電気化学フローセルでは、比較電極内部液208をある程度の分量を保持する必要があるために、比較電極ボディ206を小さくすることができない。また、比較電極ボディ206の液格部207の断面積を小さくすると電気抵抗が増し基準電極として適さなくなる。したがって、電気化学フローセル全体を小型化することは不可能である。また、液絡部を有し内部液の流出により、サンプル液が内部液に汚染される、あるいは、内部液の枯渇で電極寿命が尽きてしまうという問題がある。
特開平3−162662公報
本発明は、上記課題を解決するために、内部液の流出と汚染を無くし、かつ、電気化学フローセルの全体を小型化することが容易な構造を有する電気化学フローセルを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、アンペロメトリー又はポテンシオメトリーによる電気化学計測に用いる電気化学フローセルにおいて、前記電気化学フローセルは、セルボディ、イオン交換膜シート及び比較電極、並びに、作用電極又は半導体センサ素子を有し、前記セルボディは、内部に水平方向に延びるように形成されると共に、サンプル液が注入される流路が設けられ、前記イオン交換膜シートは、前記セルボディの内部に、水平方向に沿って、かつ、第1の面が前記流路に面するように配置され、前記比較電極は、前記セルボディの内部に、前記イオン交換膜シートの前記第1の面に背向する第2の面に対向するように配置され、前記作用電極又は前記半導体センサ素子は、前記イオン交換膜シートの前記第1の面に対向するように配置されていることを特徴とする電気化学フローセルである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記セルボディは、水平方向に沿った分割面において分割可能な上部セルボディ部と下部セルボディ部とを備え、前記電気化学フローセルは、水平方向に沿って、かつ、前記上部セルボディ部と前記下部セルボディ部との間に介在するように配置されると共に、前記流路となる流路パターンが形成されたパッキングシートをさらに有することを特徴とする電気化学フローセルである。
請求項3に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記イオン交換膜シートは、フッ素系カチオン交換膜シートとアニオン交換膜シートを貼り合わせてなることを特徴とする電気化学フローセルである。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記電気化学フローセルは、水平方向に沿って、かつ、前記イオン交換膜シートと前記下部セルボディ部との間に介在するように配置されると共に、内部液を貯留するための貯留パターンが形成された別のパッキングシートと、配線パターンを備えると共に、前記比較電極が前記配線パターン上に形成されたフレキシブルプリント配線板と、前記別のパッキングシートの前記貯留パターンに貯留された内部液とをさらに有し、前記電気化学フローセルは、前記下部セルボディ部、前記フレキシブルプリント配線板、前記別のパッキングシート、前記イオン交換膜シート、前記パッキングシート、前記上部セルボディ部の順に積層され、前記作用電極は、前記上部セルボディ部の下面に、かつ、前記パッキングシートの前記流路パターン内に露出するように配置されていることを特徴とする電気化学フローセルである。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記上部セルボディ部の下面に、かつ、前記パッキングシートの前記流路パターン内に露出するように配置された指示電極をさらに有していることを特徴とする
電気化学フローセルである。
請求項6に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記半導体センサ素子は、イオン感応性電界効果トランジスタであり、配線パターンを備えると共に、前記半導体センサ素子が前記配線パターン上に形成された別のフレキシブルプリント配線板をさらに有し、前半導体センサ素子は、前記パッキングシートの前記流路パターン内に露出するように配置されていることを特徴とする電気化学フローセルである。
請求項1に記載の発明によれば、サンプル液が注入される流路及びイオン交換膜シートを水平方向に沿って設ける一方、内部液を浸出させる液絡を設けていないので、サンプル液の汚染が防止できる。また、従来の大きな比較電極を使用しないので、サンプル液の貯留に必要な空間が薄いものとなり、電気化学フローセルによる微量サンプルの計測とセルの小型化が非常に容易になる。
請求項2に記載の発明によれば、パッキングシートを流路パターンの形成に利用するので、流路を薄いものとすることができ、流路の配置に必要な空間が非常に小さいものとなり、電気化学フローセルの小型化が非常に容易になる。
請求項3に記載の発明によれば、フッ素系カチオン交換膜シートとアニオン交換膜シートとを利用することによって、多くに溶媒に対して不溶性であり、強酸化剤や強塩基に対して強い耐性を持つ。よって、様々な種類のサンプル液に適用可能となる。くわえて、導電特性が良いイオン交換膜が得られる。
請求項4に記載の発明によれば、別のパッキングシートの貯留パターンに内部液を貯留することによって、サンプル液に加えて内部液も非常に薄い空間に貯留されるので、電気化学フローセルの小型化が非常に容易になる。
請求項5に記載の発明によれば、指示電極を上部セルボディ部に設けるので、指示電極を流路パターン内に露出する構造が容易に簡便なものになる。
請求項6に記載の発明によれば、イオン感応性電界効果トランジスタ(ISFET)を半導体センサ素子として利用とするので、内部液を設けるための空間が不要となり、電気化学フローセルの小型化が非常に容易になる。
本発明の第1の実施の形態に係る電気化学フローセルの切断部端面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る電気化学フローセルの分解切断部端面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る電気化学フローセルの斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係る電気化学フローセルの切断部端面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る電気化学フローセルの切断部端面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る電気化学フローセルの分解切断部端面図である。 本発明の第4の実施の形態に係る電気化学フローセルの切断部端面図である。 本発明の第5の実施の形態に係る電気化学フローセルの切断部端面図である。 本発明の第5の実施の形態に係る電気化学フローセルの分解切断部端面図である。 本発明の第3、第4及び第5の実施の形態に係る電気化学フローセルで用いたセンサ構成部材を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。 本発明の第3及び第4の実施の形態に係る電気化学フローセルで用いた比較電極構成部材を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。 本発明の第1乃至第4の実施の形態に係る電気化学フローセルで用いたイオン交換膜を示す図であり、(a)は第1、第2及び第4の実施の形態に係るものの平面図、(b)は第1、第2及び第4の実施の形態に係るものの正面図、(c)は第3の実施の形態に係るものの平面図、(d)は第3の実施の形態に係るものの正面図である。切断部端面図である。 本発明の各実施の形態に係る電気化学フローセルで用いたゴムパッキングを示す図であり、(a)は肉薄ゴムパッキングの平面図、(b)は肉薄ゴムパッキングの正面図、(c)は肉厚ゴムパッキングの平面図、(d)は肉厚ゴムパッキングの正面図である。 ISFETを用いたポテンシオメトリック電気化学フローセルにおける動作原理の説明図である。 従来技術に係る電気化学フローセルを示す説明図である。 従来技術に係る電気化学フローセルの比較電極の内部構造を示す図である。
以下に、本発明の各実施の形態に係る電気化学フローセルを図面に基づいて説明する。なお、各実施の形態を示す図面においては、配線パターン、イオン交換膜シート、ISFET(イオン感応性電界効果トランジスタ。以下の説明においては、すべて「ISFET」と記載する)など各構成部材の厚みなどを誇張して記載している。
まず、ISFETを用いた電気化学フローセルの動作原理について、図14に基づいて説明する。図14は、ISFETを用いたポテンシオメトリック電気化学フローセルにおける動作原理の説明図である。図14において、160はISFET、164は比較電極、165はドレイン電極、166はソース電極、167はP型基板、168はゲート絶縁膜、169は溶液である。
センサとなるISFET160は、Nチャンネル型のISFETである。ISFETは、Ion‐Sensitive Field‐Effect Transistorという英語名の略称であり、絶縁膜ゲートトランジスタであるMOSFETの構造をセンサに応用したものである。ゲート絶縁膜は、イオンに対して感応性があり、ISFETでは絶縁膜をこの性質を積極的に利用することで高性能なpHセンサを実現するものである。ISFET160のゲート電極は、P型基板167の表面に作られた薄いゲート絶縁膜168の上に電解質の溶液169が接し、さらにこの溶液に比較電極164が接した構造からなっている。ISFETのデバイス動作は、この絶縁膜の下に形成される電荷チャンネルを利用するものであ。すなわち、上下2つのN型半導体層を形成し、それぞれをドレイン電極165とソース電極166とし、この間に電圧を引加する。この系において、電圧の印加でチャンネルという電流通路、つまりがN型半導体層間に電子の流れが形成されると、伝導電流が流れることになる。
この構造において、溶液169中で水素イオン濃度が増すと、P型半導体の主なキャリアである正孔はこれに反発してゲート絶縁膜168から遠ざかり、これとは反対に、通常はP型層内に少数派として存在する電子がゲート直下に引き寄せられる。その結果、ドレイン電極165とソース電極166との間にチャンネルという電流通路が形成される。このように、ゲート絶縁膜168に沿って蓄積した電子をこの図の上下方向へ流れるキャリア通路をゲート絶縁膜168に加えられるゲート電極の電位により制御できるのである。つまり、ゲート電極の電位によってドレイン電極165とソース電極166との間の電流をコントロールすることができる電位応答型センサとなる。したがって、水素イオン濃度が高いほどNチャネル層が厚くなって電流が多く流れるので、この電流値によってイオン濃度を検知できる。以上がISFETを用いた電気化学フローセルの動作原理である。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電気化学フローセルの切断部端面図である。図1において、10は3極型アンペロメトリック電気化学フローセル、20は下部セルボディ部、21は上部セルボディ部、26はインレットノズル、27は貫通孔、28はアウトレットノズル、29は貫通孔、30は比較電極構成部材、31は比較電極、32は配線パターン、33は外部接続端子、36は下側被覆部、37は上側被覆部、38は矩形状部、39は開口部、40は作用電極、41は露出部、42は指示電極、43は露出部、50はセルボディ、60はイオン交換膜シート、61は流路パッキングシート、62は内部液貯留パターン、63はシール用パッキングシート、64は流路パターンである。また、図2は、本発明の第1の実施の形態に係る電気化学フローセルの分解切断部端面図である。図2で用いた符号は、すべて図1と同じものを示す。さらに、図3は、本発明の第1の実施の形態に係る電気化学フローセルの斜視図である。図3において、22、23、24及び25は締め付けネジ、34及び35は外部接続端子であり、その他の符号は図1と同じものを示す。
図3に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る3極型アンペロメトリック電気化学フローセル10は、全体が略直方体形状に形成されている。セルボディ50は、下部セルボディ部20と上部セルボディ部21とで構成されており、セルボディ50の側面から比較電極構成部材30の一部が突出して水平方向に延びている。比較電極構成部材30の先端部には、外部接続端子33、34及び35が設けられており、外部装置に電気的に接続される。また、下部セルボディ部20及び上部セルボディ部21は、略直方体形状にそれぞれ形成されている。上部セルボディ部21の上面に開口した4つのネジ用開口部にねじ込んだ締め付けネジ22、23、24及び25によって両者が一体化されている。すなわち、締め付けネジ22、23、24及び25は、上部セルボディ部21から下部セルボディ部20の図示していないネジ穴まで達しており、上部セルボディ部21と下部セルボディ部20との間に配置した各部材を後述する内部液等が漏出しない程度に強く締め付けている。
さらに、下部セルボディ部20と上部セルボディ部21との間に配置されている部材について説明する。図11は、本発明の第3及び第4の実施の形態に係る電気化学フローセルで用いた比較電極構成部材を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。図11において、38a、38b、38c及び38dはネジ用開口部であり、その他の符号は図1と同じものを示す。また、図12は、本発明の第1乃至第4の実施の形態に係る電気化学フローセルで用いたイオン交換膜を示す図であり、(a)は第1、第2及び第4の実施の形態に係るものの平面図、(b)は第1、第2及び第4の実施の形態に係るものの正面図、(c)は第3の実施の形態に係るものの平面図、(d)は第3の実施の形態に係るものの正面図である。図12において、60a、60b、60c及び60dはネジ用開口部、65はイオン交換膜シート、65a、65b、65c及び65dはネジ用開口部、66aはインレット用開口部、66bはアウトレット用開口部であり、その他の符号は図1と同じものを示す。さらに、図13は、本発明の各実施の形態に係る電気化学フローセルで用いたゴムパッキングを示す図であり、(a)は肉薄ゴムパッキングの平面図、(b)は肉薄ゴムパッキングの正面図、(c)は肉厚ゴムパッキングの平面図、(d)は肉厚ゴムパッキングの正面図である。図13は、本発明の各実施の形態に係る電気化学フローセルで用いたゴムパッキングを示す図であり、(a)は肉薄ゴムパッキングの平面図、(b)は肉薄ゴムパッキングの正面図、(c)は肉厚ゴムパッキングの平面図、(d)は肉厚ゴムパッキングの正面図である。図13において、61a、61b、61c及び61dはネジ用開口部、62a、62b、62c及び62dはネジ用開口部であり、その他の符号は図1と同じものを示す。
図2に示すように、3極型アンペロメトリック電気化学フローセル10は、下部セルボディ部20の上に、比較電極構成部材30、流路パッキングシート61、イオン交換膜シート60、シール用パッキングシート63、上部セルボディ部21をこの順序で積層している。比較電極構成部材30は、図1及び図11に示すように、上部セルボディ部21と下部セルボディ部20とによって直接挟持されている矩形状部38、並びに、矩形状部38から水平方向に延びる配線パターン32、並びに、配線パターン32を覆う下側被覆部36及び上側被覆部37で構成されている。矩形状部38並びに下側被覆部36及び上側被覆部37は、ガラスエポキシなどのリジッドな基板の材料で形成されている。なお、ポリイミドなどのフレキシブルプリント配線板の材料で形成することも可能である。ただし、矩形状部38並びに下側被覆部36及び上側被覆部37の柔軟性が高いと、3極型アンペロメトリック電気化学フローセル10の使用時にサンプル液が浸出する場合があるので、矩形状部38の下面側にリジッドな矩形板材を貼り付けて使用することが望ましい。
比較電極構成部材30の矩形状部38は、上面の中心部に矩形形状の開口部39が形成されており、開口部39には比較電極31が露出している。比較電極31は、配線パターン32の矩形状部38側の先端部に形成されており、Ag−AgClから形成されている電極である。3極型アンペロメトリック電気化学フローセル10の使用時には、開口部39を介して後述する内部液に接した状態となる。さらに、配線パターン32の外側、すなわち矩形状部38とは反対側の先端部には、上側被覆部37が設けられていない領域があり、この領域に外部接続端子33、34及び35が設けられている。外部接続端子33、34及び35は、所定間隔で平行に延びるように形成されており、外部装置との電気的接続に供される。なお、外部接続端子は、必要に応じて2つ、又は、4つ以上設けてもよい。くわえて、矩形状部38の四隅の近傍には、ネジ用開口部38a、38b、38c及び38dが設けられている。ネジ用開口部38a、38b、38c及び38dは、締め付けネジ22、23、24及び25をそれぞれ挿通するために形成されたものである。
流路パッキングシート61は、ゴムを材料とするものであり、図13(a)及び(b)に示すように、略矩状のシートとして形成されている。また、その中央付近には、内部液貯留パターン62が形成されている。内部液貯留パターン62は、流路パッキングシート61を略長円形状に開口したスリット状のパターンであり、流路パターン64と同じ形状になされている。すなわち、内部液貯留パターン62に貯留されている流路パターン64に注入されているサンプル液に対向するようにして、酸度を正確に、かつ、速やかに計測できるようにしている。また、流路パッキングシート61の四隅の近傍には、ネジ用開口部61a、61b、61c及び61dが設けられている。ネジ用開口部61a、61b、61c及び61dは、締め付けネジ22、23、24及び25をそれぞれ挿通するために形成されたものである。
シール用パッキングシート63は、ゴムを材料とするものであり、図13(c)及び(d)に示すように、略矩状のシートとして形成されている。その中央付近には、スリット状の流路パターン64が形成されている。流路パターン64は、酸度を計測する際に、図1に示すインレットノズル96から注入されたサンプル液を一時的に貯留するためのものである。さらに、注入されたサンプル液を純水等によってアウトレットノズル98から押し出して洗浄できるような構成となっている。すなわち、流路パターン64は、シール用パッキングシート63を略長円形状に開口したスリット状のパターンであり、インレットノズル96及び上部セルボディ部21を垂直に貫く貫通孔97の下側の開口部と、アウトレットノズル98及び上部セルボディ部21を垂直に貫く貫通孔99の下側の開口部とに連通している。また、シール用パッキングシート63は、酸度の計測に十分な量のサンプル液を流路パターン64に一時的に貯留できるように流路パッキングシート61よりもやや厚みが大きくなっている。なお、流路パッキングシート61及びシール用パッキングシート63は、用途に応じて肉厚を適宜変更することが可能である。
イオン交換膜シート60は、従来技術に係る電気化学フローセルの液絡に相当するものであり、図12(a)及び(b)に示すように、略矩状のシートとして形成されている。また、イオン交換膜シート60の四隅の近傍には、ネジ用開口部60a、60b、60c及び60dが設けられている。ネジ用開口部60a、60b、60c及び60dは、締め付けネジ22、23、24及び25をそれぞれ挿通するために形成されたものである。さらに、イオン交換膜シート60は、陽イオン交換膜であるフッ素系カチオン交換膜と陰イオン交換膜であるアニオン膜を貼り合わせて形成した複合イオン交換膜である。フッ素系カチオン交換膜としては、ナフィオン(前述の登録機商標)又はフレミオン(旭硝子株式会社の登録商標)が好ましいが、ナフィオンは幅広いpH領域で一定の電位を安定的に保持し、比較電極の応答も速くなるので、特に好ましいと言える。さらに、多くに溶媒に対して不溶性であり、強酸化剤や強塩基に対して強い耐性を持つ。よって、様々な種類のサンプル液に適用可能となる。
図1に戻って説明する。作用電極40は、略円柱形状に形成されており、インレットノズル76とアウトレットノズル78との間となる上部セルボディ部21の中央付近を垂直に貫いている。作用電極40の下端部近傍の露出部41は、流路パターン64に面している。また、露出部41は、計測の精度を向上させるために、上方の部分よりも径を大きく形成している。指示電極42(「対極」又は「カウンター電極」と言われる場合もある)も同様に、略円柱形状に形成されており、上部セルボディ部21の中央付近を垂直に貫いている。作用電極40の下端部近傍の露出部41は、流路パターン64に面している。また、露出部43は、計測の精度を向上させるために、上方の部分よりも径を大きく形成している。以上の構成によって、アンペロメトリーによる酸度の計測を行うものである。
以上のように、本発明の第1の実施の形態に係る3極型アンペロメトリック電気化学フローセル10によれば、サンプル液が注入されるシール用パッキングシート63の流路パターン64、及び、イオン交換膜シート60を水平方向に沿って設ける一方、内部液を浸出させる液絡を設けていないので、サンプル液の汚染が防止できる。また、サンプル液の貯留に必要な空間が薄いものとなり、電気化学フローセルによる微量サンプルの計測とセルの小型化が非常に容易になる。また、シール用パッキングシート63を流路パターンの形成に利用するので、流路を薄いものとすることができ、流路の配置に必要な空間が非常に小さいものとなり、電気化学フローセルの小型化が非常に容易になる。さらに、イオン交換膜シート60としてフッ素系カチオン交換膜シートとアニオン交換膜シートとを利用することによって、多くに溶媒に対して不溶性であり、強酸化剤や強塩基に対して強い耐性を持つ。よって、様々な種類のサンプル液に適用可能となる。くわえて、導電特性が良いイオン交換膜が得られる。また、流路パッキングシート61の内部液貯留パターン62に内部液を貯留することによって、サンプル液に加えて内部液も非常に薄い空間に貯留されるので、電気化学フローセルの小型化が非常に容易になる。さらに、指示電極42を上部セルボディ部21に設けるので、指示電極42を流路パターン内に露出する構造が容易に簡便なものになる。くわえて、締め付けネジ22、23、24及び25を取り外すことによって、簡単に各構成部材を分解できるので、一部の構成部材の洗浄や交換を行うことが非常に容易である。
続けて、本発明の第2の実施の形態に係る電気化学フローセルについて説明する。図4は、本発明の第2の実施の形態に係る電気化学フローセルの切断部端面図である。図4において、11は2極型アンペロメトリック電気化学フローセル、44は作用電極、45は 露出部、51はセルボディ、71は上部セルボディ部、76はインレットノズル、77は貫通孔、78はアウトレットノズル、79は貫通孔であり、その他の符号は図1と同じものを示す。
本発明の第2の実施の形態に係る2極型アンペロメトリック電気化学フローセル11は、セルボディ51の上部セルボディ部71の構成が3極型アンペロメトリック電気化学フローセル10のものと異なる。すなわち、上部セルボディ部71は、インレットノズル76とアウトレットノズル78との間に作用電極44のみを設けており、指示電極がない2極型となっている。なお、流路パターン64に面しているインレットノズル76の貫通孔77、アウトレットノズル78の貫通孔79、及び、作用電極44の露出部45は、3極型アンペロメトリック電気化学フローセル10のものと同じ構成である。
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係る2極型アンペロメトリック電気化学フローセル11は、指示電極に係る効果を除き、本発明の第1の実施の形態に係る3極型アンペロメトリック電気化学フローセル10と同じ効果を奏する。
さらに、本発明の第3の実施の形態に係る電気化学フローセルについて説明する。図5は、本発明の第3の実施の形態に係る電気化学フローセルの切断部端面図である。図5において、12はポテンシオメトリック電気化学フローセル、52はセルボディ、68は支持基板、80はセンサ構成部材、81はISFET、82は配線パターン、83は素子接続端子、84は外部接続端子、86は下側被覆部、87は上側被覆部、89は開口部、90は下部セルボディ部、91は上部セルボディ部、96はインレットノズル、97は貫通孔、98はアウトレットノズル、99は貫通孔、100は比較電極構成部材、101は比較電極、102は電極接続部、103は配線パターン、104は外部接続端子、105は上側被覆部、106は下側被覆部、107は矩形状部、108はモールド樹脂であり、その他の符号は図1と同じものを示す。また、図6は、本発明の第3の実施の形態に係る電気化学フローセルの分解切断部端面図である。図6において、69aはインレット用開口部、69bはアウトレット用開口部、88は矩形状部であり、その他の符号は図5と同じものを示す。さらに、図10は、本発明の第3、第4及び第5の実施の形態に係る電気化学フローセルで用いたセンサ構成部材を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。図10において、85は外部接続端子、87a、87b、87c及び87dはネジ用開口部であり、その他の符号は図5及び図6と同じものを示す。
本発明の第3の実施の形態に係るポテンシオメトリック電気化学フローセル12は、第1及び第2の実施の形態とは異なり、ポテンシオメトリーによって酸度を計測するものである。すなわち、図5及び図6に示すように、ポテンシオメトリック電気化学フローセル12は、半導体センサ素子としてISFETを用いるものであり、さらに内部液を必要としない構成を有している。ポテンシオメトリック電気化学フローセル12のセルボディ52は、下部セルボディ部90と上部セルボディ部91とからなる。上部セルボディ部91は、インレットノズル96及びアウトレットノズル98を設けているが、作用電極及び指示電極を設けない構成としている。なお、インレットノズル96の貫通孔97、及び、アウトレットノズル98の貫通孔99、並びに、図示していないネジ穴は、3極型アンペロメトリック電気化学フローセル10の上部セルボディ部21と形状及び配置を同じものとしている。
以上の上部セルボディ部91に対して、下部セルボディ部90は、3極型アンペロメトリック電気化学フローセル10の下部セルボディ部20とは大きく異なっている。すなわち、下部セルボディ部90は、矩形枠形状に形成されており、内側にセンサ構成部材80がはめ込まれている。なお、図示していないネジ穴は、3極型アンペロメトリック電気化学フローセル10の下部セルボディ部20と形状及び配置を同じものとしている。センサ構成部材80は、図5及び図10に示すように、上部セルボディ部91と下部セルボディ部90とによって直接挟持されている矩形状部88、並びに、矩形状部88から水平方向に延びる配線パターン82、並びに、配線パターン82を覆う下側被覆部86及び上側被覆部87、配線パターン82に接続されたISFET81、ISFET81を覆うモールド樹脂108で構成されている。矩形状部88並びに下側被覆部36及び上側被覆部37は、ポリイミドなどのフレキシブルプリント配線板の材料で形成されている。なお、ガラスエポキシなどのリジッドな基板の材料で形成することも可能である。
センサ構成部材80の矩形状部88は、図6及び図10に示すように、上面の中心部に矩形形状の開口部89が形成されており、開口部89にはISFET81が露出している。ISFET81は、配線パターン82の矩形状部88側の先端部に接続されており、前述の図14に基づいて述べた原理にしたがって動作する。また、3極型アンペロメトリック電気化学フローセル10のような内部液を必要としないので、シール用パッキングシート63の流路パターン64に直接に面した状態となる。さらに、配線パターン82の外側、すなわち矩形状部88とは反対側の先端部には、上側被覆部37が設けられていない領域があり、この領域に外部接続端子84及び85、並びに、図示していない外部接続端子が設けられている。外部接続端子84及び85、並びに、図示していない外部接続端子は、所定間隔で平行に延びるように形成されており、外部装置との電気的接続に供される。なお、外部接続端子は、必要に応じて2つ、又は、4つ以上設けてもよい。くわえて、矩形状部38の四隅の近傍には、ネジ用開口部88a、88b、38c及び88dが設けられている。ネジ用開口部88a、88b、88c及び88dは、図示していない4つの締め付けネジをそれぞれ挿通するために形成されたものである。モールド樹脂108は、ISFET81を所定位置に保持しつつ保護すると共に、サンプル液の漏出を防止する役割も併せ持つ。
比較電極構成部材100は、3極型アンペロメトリック電気化学フローセル10の比較電極構成部材30と異なり、シール用パッキングシート63の流路パターン64の上側に位置しており、各部分の配置も上下逆、つまり水平面に対して対称な位置となる。すなわち、比較電極構成部材100の矩形状部107では、比較電極101が下面に露出している。比較電極101は、配線パターン103の矩形状部38側先端の電極接続部102に形成されており、Ag−AgClから形成されている電極である。また、3極型アンペロメトリック電気化学フローセル10とは異なり、内部液に接しておらず、イオン交換膜シート65に直接した状態となる。また、配線パターン103の外側、すなわち矩形状部107とは反対側の先端部には、下側被覆部106が設けられていない領域があり、この領域に外部接続端子104、及び、図示していない2つの外部接続端子が設けられている。外部接続端子104、及び、図示していない2つの外部接続端子は、所定間隔で平行に延びるように形成されており、外部装置との電気的接続に供される。なお、外部接続端子は、必要に応じて2つ、又は、4つ以上設けてもよい。くわえて、矩形状部38の四隅の近傍には、図示していない4つの締め付けネジをそれぞれ挿通する図示していない4つのネジ用開口部が設けられている。
また、比較電極構成部材100において、矩形状部107並びに下側被覆部106及び上側被覆部105は、ポリイミドなどのフレキシブルプリント配線板の材料で形成されている。なお、ガラスエポキシなどのリジッドな基板の材料で形成することも可能である。くわえて、矩形状部107はフレキシブルプリント配線板であるので、イオン交換膜シート65と直接接する構成にするとサンプル液が漏出する可能性がある。そこで、矩形状部107にリジッドな樹脂を材料とする支持基板68を貼り付けている。支持基板68は、比較電極101を囲む矩形枠形状に形成されており、図示していない4つの締め付けネジを締め上げたときに、イオン交換膜シート65に密着するので、サンプル液の漏出を防止することが可能である。また、矩形状部107及び支持基板68には、サンプル液を流路パターン64に注入するための経路を確保するために、インレットノズル96の貫通孔97、及び、アウトレットノズル98の貫通孔99に対応する部位にインレット用開口部69a及び アウトレット用開口部69bが形成されている。同様に、イオン交換膜シート65にも、図6及び図12(c)及び(d)に示すように、インレット用開口部66a及びアウトレット用開口部66bが形成されている。
以上のように、本発明の第3の実施の形態に係るポテンシオメトリック電気化学フローセル12は、ISFET81をセンサとするので、内部液を設けるための空間が不要となり、電気化学フローセルの小型化が非常に容易になり、特に薄型化することに適しているので、少量のサンプル液で酸度を計測することが容易になる。また、内部液を設けないので、液絡を介して浸出した内部液によってサンプル液が汚染させることがない。また、4つの締め付けネジを取り外すことによって、簡単に各構成部材を分解できるので、一部の構成部材の洗浄や交換を行うことが非常に容易である。
続けて、本発明の第4の実施の形態に係る電気化学フローセルについて説明する。図7は、本発明の第4の実施の形態に係る電気化学フローセルの切断部端面図である。図7において、13はポテンシオメトリック電気化学フローセル、53はセルボディ、92は下部セルボディ部、110は比較電極構成部材、111は比較電極、112は電極接続部、113は配線パターン、114は外部接続端子、115は下側被覆部、116は上側被覆部、117は矩形状部、118及び119は支持基板、120はセンサ構成部材、121はISFET、122は外部接続端子、123は素子接続側端部、124は絶縁被覆、125及び126は貫通孔であり、その他の符号は図5と同じものを示す。
本発明の第4の実施の形態に係るポテンシオメトリック電気化学フローセル13は、第3の実施の形態に係るポテンシオメトリック電気化学フローセル12とセンサ構成部材と比較電極構成部材との配置を逆にしたものである。すなわち、セルボディ53の上部セルボディ部91の下には、上から順に、下部セルボディ部92及び支持基板119、センサ構成部材120、シール用パッキングシート63、イオン交換膜シート60、支持基板118、比較電極構成部材110が配置されている。また、矩形状部107及び支持基板68には、サンプル液を流路パターン64に注入するための経路を確保するために、インレットノズル96の貫通孔97、及び、アウトレットノズル98の貫通孔99に対応する部位にインレット用開口部69a及びアウトレット用開口部69bが形成されている。さらに、下部セルボディ部92、センサ構成部材120の矩形状部107及び支持基板119には、サンプル液を流路パターン64に注入するための経路を確保するために、インレットノズル96の貫通孔97、及び、アウトレットノズル98の貫通孔99に対応する部位に貫通孔126及び貫通孔125が形成されている。
くわえて、図7に表すように、矩形状部107の貫通孔126及び貫通孔125が貫いている部位には、配線パターンを配置しておらず絶縁被覆124のみが現れている。その理由は配線パターンがサンプル液や洗浄水に接触することを避けるためであり、図7に現れていない素子接続側端部123及び絶縁被覆124の別の部位に配線パターンが配置されており、外部接続端子122に連続している。また、図示していない2つの外部接続端子が設けられている。同様に、ISFET121も、貫通孔126及び貫通孔125が貫いている部位を避けるように配置されている。支持基板118、並びに、比較電極構成部材110の比較電極111、電極接続部112、配線パターン113、外部接続端子114、下側被覆部115、上側被覆部116及び矩形状部117は、第3の実施の形態に係るポテンシオメトリック電気化学フローセル12の比較電極構成部材100の対応する各部分と同じ形状及び構造である。また、図示していない4つの締め付けネジは、上部セルボディ部91から支持基板118まで達している。
以上のように、本発明の第4の実施の形態に係るポテンシオメトリック電気化学フローセル13は、内部液を設けるための空間が不要となり、電気化学フローセルの小型化が非常に容易になり、特に薄型化することに適しているので、少量のサンプル液で酸度を計測することが容易になる。また、内部液を設けないので、液絡を介して浸出した内部液によってサンプル液が汚染させることがない。また、4つの締め付けネジを取り外すことによって、簡単に各構成部材を分解できるので、一部の構成部材の洗浄や交換を行うことが非常に容易である。
さらに、本発明の第5の実施の形態に係る電気化学フローセルについて説明する。図8は、本発明の第5の実施の形態に係る電気化学フローセルの切断部端面図である。図8において、14はポテンシオメトリック電気化学フローセル、54はセルボディ、67は固定イオン交換膜シート、130は比較電極構成部材、131は比較電極、132は電極接続部、133は配線パターン、134は外部接続端子、135は上側被覆部、136は下側被覆部、137は支持基板であり、その他の符号は図5と同じものを示す。また、図9は、本発明の第5の実施の形態に係る電気化学フローセルの分解切断部端面図である。図9において用いた符号は、すべて図8と同じものを示す。
本発明の第5の実施の形態に係るポテンシオメトリック電気化学フローセル14では、固定イオン交換膜シート67は、独立した構成部材ではなく、比較電極構成部材130及び支持基板137と一体のものとしている。すなわち、固定イオン交換膜シート67は、比較電極構成部材130に貼り付けられた支持基板137に対して貼り付けられており、比較電極131の表面全体を覆っている。よって、固定イオン交換膜シート67は、ポテンシオメトリック電気化学フローセル13を組み立てた状態において、流路パターン64から完全に隔離された状態となる。また、セルボディ54は、ポテンシオメトリック電気化学フローセル12のセルボディ52よりも固定イオン交換膜シートの厚みの1枚分だけ高さが低くなる。なお、比較電極構成部材130の電極接続部132、配線パターン133、外部接続端子134、下側被覆部135及び上側被覆部136は、第3の実施の形態に係るポテンシオメトリック電気化学フローセル12の比較電極構成部材100の対応する各部分と同じ形状及び構造である。また、図示していない4つの締め付けネジは、上部セルボディ部91から下部セルボディ部90まで達している。
以上のように、本発明の第の実施の形態に係るポテンシオメトリック電気化学フローセル14は、固定イオン交換膜シート67を比較電極構成部材130及び支持基板137と一体のものとしているので、イオン交換膜シートが常に正しい位置に正確に配置でき、サンプル液と直接接することを防止できる。また、少量のサンプル液で酸度を計測することが容易になる。さらに、内部液を設けないので、液絡を介して浸出した内部液によってサンプル液が汚染させることがない。また、4つの締め付けネジを取り外すことによって、簡単に各構成部材を分解できるので、一部の構成部材の洗浄や交換を行うことが非常に容易である。
なお、本発明は以上に説明した内容に限定されるものではなく、例えばセルボディの形状や、インレット用開口部又はアウトレット用開口部の配置、流路パターンの形状などを変更してもよい。また、流路パターンを形成したゴムパッキングに代えて、流路パターンを形成した樹脂シートの両面の縁辺領域を中央付近よりも肉薄に形成し、この縁辺領域に環状のゴムパッキングを貼り付けたとしてもよい。また、最適な流路設計のために、パッキングシートの材質や厚さを変更することができる。さらに、以上の各実施の形態に係る電気化学フローセルの構成を適宜組み合わせるなど各請求項に記載した範囲を逸脱しない限りにおいて種々の変形を加えることが可能である。
10 3極型アンペロメトリック電気化学フローセル
11 2極型アンペロメトリック電気化学フローセル
12 ポテンシオメトリック電気化学フローセル
13 ポテンシオメトリック電気化学フローセル
14 ポテンシオメトリック電気化学フローセル
20 下部セルボディ部
21 上部セルボディ部
22 締め付けネジ
23 締め付けネジ
24 締め付けネジ
25 締め付けネジ
26 インレットノズル
27 貫通孔
28 アウトレットノズル
29 貫通孔
30 比較電極構成部材
31 比較電極
32 配線パターン
33 外部接続端子
34 外部接続端子
35 外部接続端子
36 下側被覆部
37 上側被覆部
38 矩形状部
38a ネジ用開口部
38b ネジ用開口部
38c ネジ用開口部
38d ネジ用開口部
39 開口部
40 作用電極
41 露出部
42 指示電極
43 露出部
44 作用電極
45 露出部
50 セルボディ
51 セルボディ
52 セルボディ
53 セルボディ
54 セルボディ
60 イオン交換膜シート
60a ネジ用開口部
60b ネジ用開口部
60c ネジ用開口部
60d ネジ用開口部
61 流路パッキングシート
61a ネジ用開口部
61b ネジ用開口部
61c ネジ用開口部
61d ネジ用開口部
62 内部液貯留パターン
62a ネジ用開口部
62b ネジ用開口部
62c ネジ用開口部
62d ネジ用開口部
63 シール用パッキングシート
64 流路パターン
65 イオン交換膜シート
65a ネジ用開口部
65b ネジ用開口部
65c ネジ用開口部
65d ネジ用開口部
66a インレット用開口部
66b アウトレット用開口部
67 固定イオン交換膜シート
68 支持基板
69a インレット用開口部
69b アウトレット用開口部
71 上部セルボディ部
76 インレットノズル
77 貫通孔
78 アウトレットノズル
79 貫通孔
80 センサ構成部材
81 ISFET
82 配線パターン
83 素子接続端子
84 外部接続端子
85 外部接続端子
86 下側被覆部
87 上側被覆部
88 矩形状部
88a ネジ用開口部
88b ネジ用開口部
88c ネジ用開口部
88d ネジ用開口部
89 開口部
90 下部セルボディ部
91 上部セルボディ部
92 下部セルボディ部
96 インレットノズル
97 貫通孔
98 アウトレットノズル
99 貫通孔
100 比較電極構成部材
101 比較電極
102 電極接続部
103 配線パターン
104 外部接続端子
105 上側被覆部
106 下側被覆部
107 矩形状部
108 モールド樹脂
110 比較電極構成部材
111 比較電極
112 電極接続部
113 配線パターン
114 外部接続端子
115 下側被覆部
116 上側被覆部
117 矩形状部
118 支持基板
119 支持基板
120 センサ構成部材
121 ISFET
122 外部接続端子
123 素子接続側端部
124 絶縁被覆
125 貫通孔
126 貫通孔
130 比較電極構成部材
131 比較電極
132 電極接続部
133 配線パターン
134 外部接続端子
135 上側被覆部
136 下側被覆部
137 支持基板
160 ISFET
164 比較電極
165 ドレイン電極
166 ソース電極
167 P型基板
168 ゲート絶縁膜
169 溶液
201 比較電極
202 対極
203 作用極
204 セルボディ
205 銀ロッド
206 比較電極ボディ
207 液絡部
208 比較電極内部液
209 電極内部液挿入口
210 リード線

Claims (6)

  1. アンペロメトリー又はポテンシオメトリーによる電気化学計測に用いる電気化学フローセルにおいて、
    前記電気化学フローセルは、セルボディ、イオン交換膜シート及び比較電極、並びに、作用電極又は半導体センサ素子を有し、
    前記セルボディは、内部に水平方向に延びるように形成されると共に、サンプル液が注入される流路が設けられ、
    前記イオン交換膜シートは、前記セルボディの内部に、水平方向に沿って、かつ、第1の面が前記流路に面するように配置され、
    前記比較電極は、前記セルボディの内部に、前記イオン交換膜シートの前記第1の面に背向する第2の面に対向するように配置され、
    前記作用電極又は前記半導体センサ素子は、前記イオン交換膜シートの前記第1の面に対向するように配置されていることを特徴とする電気化学フローセル。
  2. 前記セルボディは、水平方向に沿った分割面において分割可能な上部セルボディ部と下部セルボディ部とを備え、
    前記電気化学フローセルは、水平方向に沿って、かつ、前記上部セルボディ部と前記下部セルボディ部との間に介在するように配置されると共に、前記流路となる流路パターンが形成されたパッキングシートをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の電気化学フローセル。
  3. 前記イオン交換膜シートは、フッ素系カチオン交換膜シートとアニオン交換膜シートを貼り合わせてなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電気化学フローセル。
  4. 前記電気化学フローセルは、水平方向に沿って、かつ、前記イオン交換膜シートと前記下部セルボディ部との間に介在するように配置されると共に、内部液を貯留するための貯留パターンが形成された別のパッキングシートと、
    配線パターンを備えると共に、前記比較電極が前記配線パターン上に形成されたフレキシブルプリント配線板と、
    前記別のパッキングシートの前記貯留パターンに貯留された内部液とをさらに有し、
    前記電気化学フローセルは、前記下部セルボディ部、前記フレキシブルプリント配線板、前記別のパッキングシート、前記イオン交換膜シート、前記パッキングシート、前記上部セルボディ部の順に積層され、
    前記作用電極は、前記上部セルボディ部の下面に、かつ、前記パッキングシートの前記流路パターン内に露出するように配置されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の電気化学フローセル。
  5. 前記上部セルボディ部の下面に、かつ、前記パッキングシートの前記流路パターン内に露出するように配置された指示電極をさらに有していることを特徴とする請求項4に記載の電気化学フローセル。
  6. 前記半導体センサ素子は、イオン感応性電界効果トランジスタであり、
    配線パターンを備えると共に、前記半導体センサ素子が前記配線パターン上に形成された別のフレキシブルプリント配線板をさらに有し、
    前半導体センサ素子は、前記パッキングシートの前記流路パターン内に露出するように配置されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の電気化学フローセル。
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