まず、本実施の形態において利用されるリソースバインディング情報について説明する。
スマート端末におけるアプリケーションの実行には、一般的に、マニフェスト情報が必要とされる。スマート端末のプラットフォーム(OS(Operating System)等)は、アプリケーションのコードが実行される前に、当該アプリケーションのマニフェスト情報を管理している必要が有る。マニフェスト情報は、他のアプリケーションからの呼び出される条件を示す情報(以下「被呼び出しリソースバインディング情報」という。)を例えば、テキスト形式で含む情報である。Android(登録商標)プラットフォームでは、インテントフィルタ(Intent−Filter)情報が被呼び出しリソースバインディング情報に該当する。これに対し、他のアプリケーションを呼び出す側が有する、呼び出し対象のアプリケーションの条件を示す情報を、本実施の形態では、「呼び出しリソースバインディング情報」という。Android(登録商標)プラットフォームでは、インテント(Intent)情報が呼び出しリソースバインディング情報に該当する。インテント情報は、例えば、他のアプリケーションの呼び出し側に記述され、インテントフィルタ情報は、呼び出される側のアプリケーションに記述される。なお、呼び出しリソースバインディング情報及び被呼び出しリソースバインディング情報を区別しない場合、「リソースバインディング情報」という。
他のアプリケーションの呼び出し様式として、直接呼び出し様式と、候補呼び出し様式とが有る。直接呼び出し様式とは、呼び出し対象のアプリケーションを明確にして、当該アプリケーションを直接的に呼び出す様式である。候補呼び出し様式とは、呼び出し対象のアプリケーションの候補に対する条件を指定して、条件に合致するアプリケーションのうちのいずれかを呼び出す様式である。Android(登録商標)プラットフォームでは、明示的インテントが直接呼び出し様式に該当し、暗黙的インテントが候補呼び出し様式に該当する。条件に合致するアプリケーションが複数有る場合、例えば、これらのアプリケーションがユーザに通知され、ユーザによって選択されたアプリケーションが起動される。
図1は、明示的インテントを説明するための図である。図1において、(1)は、「com.compose.xxmail.Main」という識別情報(名前)が、呼び出し対象のアプリケーションの条件として明示的に指定されたインテント情報である。この場合、(2)に示されるように、当該名前を含むインテントフィルタ情報に対応するアプリケーションが呼び出される。なお、(2)において、「aaaa」という文字列は、実際には「android(登録商標)」という文字列である。この点は、図2の(2)及び(3)においても同様である。
一方、図2は、暗黙的インテントを説明するための図である。図2において、(1)は、「CATEGORY_APP_EMAIL」という条件(カテゴリ)が、呼び出し対象のアプリケーションに対する条件として指定されたインテント情報である。この場合(2)又は(3)に示されるように、当該条件(カテゴリ)に合致するインテントフィルタ情報に対応するアプリケーションが呼び出し候補となる。
なお、呼び出しリソースバインディング情報のうち、図1の(1)や図2の(1)に示した部分の情報(すなわち、呼び出しに直接関わる情報)を、特に「呼び出し様式情報」という。また、被呼び出しリソースバインディング情報のうち、図1の(2)や図2の(2)、(3)等に示される部分の情報(すなわち、被呼び出しに直接関わる情報)を、特に「被呼び出し様式情報」という。
マニフェスト情報(被呼び出しリソースバインディング情報)の形式及び構成等は、プラットフォーム(例えば、Android(登録商標)、iPhone(登録商標)プラットフォーム、Webプラットフォーム等)に応じて異なるが、いずれのプラットフォームにおけるマニフェスト情報も、おおよそ以下のような情報を含む。
・アプリケーションの名前
・アプリケーションのバージョン情報
・アプリケーションのエンドポイント情報
・被呼び出し様式情報
・リソースアクセスのパーミッション情報
・ビルドAPIバージョン情報
呼び出しリソースバインディング情報の形式及び構成等も、プラットフォームに応じて異なる。Android(登録商標)プラットフォームでの呼び出しリソースバインディング情報は、Intentと呼ばれ、iPhoneプラットフォームの呼び出しリソースバインディング情報は、URL Schemesと呼ばれ、Webプラットフォームの呼び出しリソースバインディング情報は、Web−ActivityやWeb−Intentsと呼ばれる。呼び出しリソースバインディング情報は、いずれのプラットフォームに関してもプログラムの中にコーディングされる。上記以外のプラットフォームにも、呼び出しリソースバインディング情報、被呼び出しリソースバインディング情報に相当する情報は存在する。
以下、上記を前提知識として、本実施の形態について説明する。
図3は、第1の実施の形態における情報処理システムの構成例を示す図である。図3おいて、情報処理システム1は、1以上のスマート端末10、1以上の無線AP搭載デバイス20、及びアプリストアシステム50等を含む。
無線AP搭載デバイス20は、Wi−Fi(登録商標)又はBluetooth(登録商標)等の無線通信のアクセスポイント(以下、「無線AP」という。)を搭載した機器である。無線AP搭載デバイス20の一例として、プリンタ、プロジェクタ、ストレージ、電子掲示板、ヘルスメータ、又は各種の家電製品等が挙げられる。
スマート端末10は、無線通信が可能な情報処理装置である。例えば、スマートフォン、タブレット端末等がスマート端末10として利用されてもよい。
アプリストアシステム50は、スマート端末10に対して、各種のアプリケーション(以下、「アプリ」という。)を配信するサービス(以下、「アプリストアサービス」という。)を提供するコンピュータシステムである。スマート端末10は、無線又は有線のネットワークN1を介してアプリストアシステム50に接続し、アプリの配信を受けることができる。
なお、スマート端末10に搭載されているプラットフォームに応じて、アプリの実行形式が異なる。したがって、プラットフォーム毎に、アプリストアシステム50との紐付けが予め行われている。無線AP搭載デバイス20の製造会社は、無線を介して自社のデバイスを利用してもらうためのアプリを、プラットフォーム毎のアプリストアシステム50から提供する。
図4は、第1の実施の形態におけるスマート端末のハードウェア構成例を示す図である。図4において、スマート端末10は、CPU101、メモリ102、補助記憶装置103、タッチパネル104、及び無線通信装置105等を有する。
補助記憶装置103は、スマート端末10にインストールされたプログラム等を記憶する。メモリ102は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置103からプログラムを読み出して記憶する。CPU101は、メモリ102に記憶されたプログラムにしたがってスマート端末10に係る機能を実現する。
タッチパネル104は、入力機能と表示機能との双方を備えた電子部品であり、情報の表示や、ユーザからの入力の受け付け等を行う。タッチパネル104は、表示装置111及び入力装置112等を含む。
表示装置111は、液晶ディスプレイ等であり、タッチパネル104の表示機能を担う。入力装置112は、表示装置111に対する接触物の接触を検出するセンサを含む電子部品である。なお、接触物とは、タッチパネル104の接触面(表面)に接触する物体をいう。斯かる物体の一例として、ユーザの指や専用又は一般のペン等が挙げられる。無線通信装置105は、無線通信を行うために必要とされる電子部品である。
なお、無線AP搭載デバイス20も、CPUやメモリ等を有している。
図5は、第1の実施の形態におけるスマート端末の機能構成例を示す図である。図5に示されるように、スマート端末10は、無線接続制御部121、データ送受信部122、ビーコン解析部123、アプリ抽出部124、アプリ実行管理部125、コンテンツ管理部126、格納リソースバインディング情報管理部127、及び出現リソースバインディング情報管理部128等を有する。これら各部は、スマート端末10にインストールされた1以上のプログラムが、CPU101に実行させる処理により実現される。
格納リソースバインディング情報管理部127は、スマート端末10にインストールされている各アプリの被呼び出しリソースバインディング情報を、例えば、補助記憶装置103を用いて管理する。
無線接続制御部121は、無線AP搭載デバイス20等との無線通信を制御する。データ送受信部122は、無線通信を介してデータの送受信を行う。
ビーコン解析部123は、データ送受信部122によって受信されたビーコンのデータフレームから被呼び出しリソースバインディング情報を抽出する。ビーコン解析部123は、抽出された被呼び出しリソースバインディング情報を、出現リソースバインディング情報管理部128に通知する。出現リソースバインディング情報管理部128は、通知された被呼び出しリソースバインディング情報を、例えば、補助記憶装置103に記憶して管理する。
アプリ抽出部124は、起動中のアプリから発信された呼び出しリソースバインディング情報が示す条件に合致する被呼び出しリソースバインディング情報を、格納リソースバインディング情報管理部127及び出現リソースバインディング情報管理部128を介して取得する。アプリ抽出部124は、取得した被呼び出しリソースバインディング情報を、アプリ実行管理部125に通知する。
アプリ実行管理部125は、アプリの起動(呼び出し)等を行う。例えば、アプリ実行管理部125は、アプリ抽出部124から通知された被呼び出しリソースバインディング情報に基づいて、起動中のアプリから発信された呼び出しリソースバインディング情報に対応するアプリを起動する。
コンテンツ管理部126は、スマート端末10にインストールされている各アプリの実行形式ファイル等を管理する。
図5には、また、スマート端末10にインストールされているアプリの一例として、ストアアプリ、オフィスアプリ、及びデバイス専用アプリ等が示されている。
ストアアプリは、アプリストアシステム50と通信することで、スマート端末10のユーザにアプリストアサービスを提供するアプリである。オフィスアプリは、ワープロ、表計算、プレゼンテーションに関するアプリ等、職場における業務等に利用されるアプリである。デバイス専用アプリは、特定の無線AP搭載デバイス20を無線通信を介して制御するアプリである。
図6は、第1の実施の形態における無線AP搭載デバイスの機能構成例を示す図である。図6において、無線AP搭載デバイス20は、デバイス制御部21、通信制御部22、リモート制御部23、及び情報設定部24等を有する。これら各部は、無線AP搭載デバイス20にインストールされたプログラムが、無線AP搭載デバイス20のCPUに実行させる処理により実現される。
デバイス制御部21は、無線AP搭載デバイス20の動作を制御する。リモート制御部23は、無線通信等を介して受信される要求等に応じた処理を実行する。通信制御部22は、ビーコンの発信や、無線通信の制御等を行う。情報設定部24は、無線AP搭載デバイス20に関するアプリの被呼び出しリソースバインディング情報を、ビーコンのデータフレームに対して設定する
図7、図8、及び図9は、第1の実施の形態におけるビーコンのデータフレームへの情報の設定例を示す図である。
図7は、1つのデータフレームに、1つ以上のプラットフォーム毎のマニフェスト情報の全部が設定される例を示す。各マニフェスト情報には、被呼び出しリソースバインディング情報が含まれる。
図8は、1つのデータフレームに、1つ以上のプラットフォーム毎のマニフェスト情報のサブセットである被呼び出しリソースバインディング情報の全部が設定される例を示す。また、プラットフォーム毎の被呼び出しリソースバインディング情報の構成は、共通でなくてもよいことが示されている。
図9は、1つのデータフレームに、1つ以上のプラットフォーム毎のマニフェスト情報のサブセットである、被呼び出し様式情報とアプリのエンドポイント情報とが設定される例を示す。
以下、スマート端末10が実行する処理手順について説明する。図10は、第1の実施の形態における第1の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
スマート端末10は、無線AP搭載デバイス20の一例であるプリンタデバイスと、無線AP搭載デバイス20の一例であるプロジェクタデバイスとのそれぞれから発信されるビーコンの双方が検出されるエリアに所在しているとする。したがって、スマート端末10のデータ送受信部122は、プリンタデバイスからのビーコンと、プロジェクタデバイスとのビーコンとを受信する(S101、S103)。ビーコン解析部123は、受信されたそれぞれのビーコンのデータフレームから、当該スマート端末10のプラットフォームに対応する被呼び出しリソースバインディング情報を抽出し、抽出した被呼び出しリソースバインディング情報を出現リソースバインディング情報管理部128に通知する(S102、S104)。出現リソースバインディング情報管理部128は、通知された被呼び出しリソースバインディング情報を、例えば、メモリ102もしくは補助記憶装置103に記憶する。
図11は、第1の実施の形態におけるプリンタデバイスのビーコンのデータフレームとプロジェクタデバイスのビーコンのデータフレームとの一例を示す図である。
図11の(1)は、プリンタデバイスのビーコンのデータフレームの一例を示す。当該データフレームには、デバイス専用アプリの一例であるプリンタデバイス専用アプリのマニフェスト情報(被呼び出しリソースバインディング情報)が、プラットフォームごとに含まれている。(2)は、プロジェクタデバイスのビーコンのデータフレームの一例を示す。当該データフレームには、デバイス専用アプリの一例であるプロジェクタデバイス専用アプリのマニフェスト情報(被呼び出しリソースバインディング情報)がプラットフォームごとに含まれている。
一方、スマート端末10のユーザが、オフィスアプリの利用開始指示をスマート端末10に入力すると(S111)、アプリ実行管理部125は、オフィスアプリの起動をコンテンツ管理部126に要求する(S112)。コンテンツ管理部126は、オフィスアプリの実行形式ファイルを補助記憶装置103から取得して、オフィスアプリを起動する(S113)。続いて、アプリ実行管理部125は、オフィスアプリの実行を管理する(S114)。
その後、ユーザの操作等に応じて、オフィスアプリが、プリンタデバイスに情報を出力するために、プリンタデバイス専用アプリに対する呼び出しリソースバインディング情報を発信すると(S115)、アプリ実行管理部125は、当該呼び出しリソースバインディング情報をアプリ抽出部124に通知する。
アプリ抽出部124は、格納リソースバインディング情報管理部127及び出現リソースバインディング情報管理部128のそれぞれから、当該呼び出しリソースバインディング情報に対応する被呼び出しリソースバインディング情報の取得を試みる(S116、S118)。ここでは、格納リソースバインディング情報管理部127及び出現リソースバインディング情報管理部128の双方から該当する被呼び出しリソースバインディング情報が取得できたとする(S117、S119)。なお、アプリ抽出部124は、アプリ実行管理部125から通知される呼び出しリソースバインディング情報に応じ、格納リソースバインディング情報管理部127だけ、又は出現リソースバインディング情報管理部128だけにアクセスするようにしてもよい。
続いて、アプリ抽出部124は、被呼び出しリソースバインディング情報の取得結果に基づいて、呼び出しリソースバインディング情報に対応するアプリがスマート端末10にインストールされているか否かを判定する(S130)。ここでは、該当する被呼び出しリソースバインディング情報が格納リソースバインディング情報管理部127からも取得できたため、アプリ抽出部124は、当該アプリがスマート端末10にインストール済みであると判定する。
そこで、アプリ抽出部124は、格納リソースバインディング情報管理部127から取得された被呼び出しリソースバインディング情報をアプリ実行管理部125に通知する。アプリ実行管理部125は、当該被呼び出しリソースバインディング情報に対応するプリンタデバイス専用アプリの起動をコンテンツ管理部126に要求する(S141)。コンテンツ管理部126は、プリンタデバイス専用アプリの実行形式ファイルを補助記憶装置103から取得して、プリンタデバイス専用アプリを起動する(S142)。このように、オフィスアプリがスマート端末10に実行させる処理が、或る被呼び出しリソースバインディング情報の示す条件を満たす場合に、当該被呼び出しリソースバインディング情報に係るアプリが起動される。
続いて、アプリ実行管理部125は、プリンタデバイス専用アプリの実行を管理する(S143)。その結果、スマート端末10のユーザが利用するアプリが、オフィスアプリからプリンタデバイス専用アプリに移行する。
続いて、起動されたプリンタデバイス専用アプリは、プリンタデバイスと接続して、オフィスアプリが処理対象としている情報をプリンタデバイスに出力する(S144、S145)。
続いて、スマート端末10にプリンタデバイス専用アプリがインストールされていない場合について説明する。
図12は、第1の実施の形態における第2の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。図12中、図10と同一ステップには同一ステップ番号を付し、その説明は省略する。
図12では、アプリ実行管理部125から通知された呼び出しリソースバインディング情報に対応する被呼び出しリソースバインディング情報が、格納リソースバインディング情報管理部127から取得できなかった例を示す(S117a)。一方、出現リソースバインディング情報管理部128からは、該当する被呼び出しリソースバインディング情報を取得することができる(S119)。
アプリ抽出部124は、被呼び出しリソースバインディング情報の取得結果に基づいて、呼び出しリソースバインディング情報に対応するアプリがスマート端末10にはインストールされていないと判定する(S130a)。
そこで、アプリ抽出部124は、出現リソースバインディング情報管理部128から取得された被呼び出しリソースバインディング情報に含まれているプリンタデバイス専用アプリの識別情報(名前、バージョン情報等)を指定して、プリンタデバイス専用アプリのダウンロードをコンテンツ管理部126に要求する(S131)。コンテンツ管理部126は、スマート端末10のプラットフォームに紐づけられているアプリストアシステム50へアクセスして、プリンタデバイス専用アプリをダウンロードする(S132、S133)。プラットフォームに紐付けられているアプリストアシステム50とは、例えば、そのアドレス情報(URL)が予めプラットフォームのソースコードに記述されているアプリストアシステム50である。但し、当該アドレス情報は、プラットフォームのソースコードとは別に補助記憶装置103等に記憶されていてもよい。
この際、コンテンツ管理部126は、ユーザにダウンロードの許可を求めてもよい。また、ステップS119において、複数の被呼び出しリソースバインディング情報が取得された場合には、ストアアプリを介してそれぞれの被呼び出しリソースバインディング情報に対応するアプリがユーザに提示され、ダウンロード対象がユーザによって選択されてもよい。例えば、複数の機種のプリンタデバイスからのビーコンが検知されている場合において、オフィスアプリが発信した呼び出しリソースバインディング情報が、候補呼び出し様式に従う場合、複数の被呼び出しリソースバインディング情報が取得される可能性が有る。また、一つのプリンタデバイスからのビーコン内に、機能のレベルが相互に異なる複数種類のプリンタデバイス専用アプリの被呼び出しリソースバインディング情報が含まれていてもよい。
コンテンツ管理部126は、ダウンロードしたプリンタデバイス専用アプリをスマート端末10にインストールする。その結果、プリンタデバイス専用アプリの実行形式ファイルがコンテンツ管理部126によって管理される。また、プリンタデバイス専用アプリの被呼び出しリソースバインディング情報が、格納リソースバインディング情報管理部127に通知され、格納リソースバインディング情報管理部127によって管理される。
インストールが完了すると、コンテンツ管理部126は、インストールの完了をアプリ抽出部124に通知する(S134)。続いて、ステップS141以降が実行される。
上述したように、第1の実施の形態によれば、無線AP搭載デバイスからのビーコンには、当該無線AP搭載デバイス20を制御可能なアプリに対する被呼び出しリソースバインディング情報が含まれており、スマート端末10は、当該被呼び出しリソースバインディング情報を抽出して管理する。そして、スマート端末10において利用されているアプリ(ここでは、オフィスアプリ)からの呼び出しリソースバインディング情報に対応する被呼び出しリソースバインディング情報が抽出され、当該被呼び出しリソースバインディング情報に対応するアプリが起動される。
したがって、無線AP搭載デバイス20のビーコンが発信されているエリアにおいて、ユーザのコンテキスト(オフィスアプリの操作等)に沿って、ユーザが周辺の無線AP搭載デバイス20の存在を知らなくても、ユーザのスマート端末10は、該デバイスを必要とした時に、当該無線AP搭載デバイス20を利用することができる。その結果、不要な(例えば、ユーザの意図しない)コンテンツがスマート端末10に配信されるのを抑制可能とすることができる。
更に、具体的には、本実施の携帯によれば、或るエリアに初めて位置するユーザでも、当該エリアにおいて発信されている各ビーコンに含まれているSSIDと無線AP搭載デバイス20との対応を、ユーザは知らなくても、当該ビーコンを発している無線AP搭載デバイス20を利用することができる。すなわち、ユーザは、無線AP搭載デバイス20を意識せずに、ユーザが利用中のアプリがプリンタと連携することが必要となったタイミングで、プリンタデバイス専用アプリが起動対象とされる。この際、プリンタデバイス専用アプリがスマート端末10にインストールされていなければ、自動的にインストールが行われる。したがって、ユーザは、特段の操作を行うことなく、オフィスアプリの情報をプリンタデバイスに出力することができる。
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では第1の実施の形態と異なる点について説明する。第2の実施の形態において、特に言及されない点については、第1の実施の形態と同様でもよい。
図13は、第2の実施の形態におけるスマート端末の機能構成例を示す図である。図13中、図5と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
図13において、スマート端末10は、更に、デバイス接続管理部129を有する。デバイス接続管理部129は、スマート端末10にインストールされたプログラムが、CPU101に実行させる処理により実現される。
デバイス接続管理部129は、無線AP搭載デバイス20との通信を開始したデバイス専用アプリの通信状態を監視する。デバイス接続管理部129は、当該デバイス専用アプリの通信が終了したことを検知すると、当該デバイス専用アプリの実行の停止をアプリ実行管理部125に要求すると共に、当該通信の終了をデータ送受信部122に通知する。
図14は、第2の実施の形態における処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。図14中、図10と同一ステップには同一ステップ番号を付し、その説明は省略する。
例えば、プリンタデバイス専用アプリがプリンタデバイスとの通信を開始すると、その通信を仲介しているデータ送受信部122は、当該プリンタデバイス専用アプリを認識し、当該プリンタデバイス専用アプリの識別情報を、デバイス接続管理部129に通知する(S151)。
デバイス接続管理部129は、出現リソースバインディング情報管理部128を定期的に監視して、プリンタデバイス専用アプリが無線通信中であるか否かを確認する。具体的には、デバイス接続管理部129は、データ送受信部122から通知された識別情報を含む被呼び出しリソースバインディング情報の有無を出現リソースバインディング情報管理部128に定期的に問い合わせる。当該被呼び出しリソースバインディング情報が、出現リソースバインディング情報管理部128によって管理されていれば(S152)、デバイス接続管理部129は、プリンタデバイス専用アプリが無線通信中であると判定する。
一方、データ送受信部122は、例えば、スマート端末10の移動により、今まで受信されていたビーコンのいずれかが受信されなくなると、これまで当該ビーコンに含まれていた被呼び出しリソースバインディング情報を指定して、当該ビーコンが受信されなくなったことを、出現リソースバインディング情報管理部128に通知する(S154)。出現リソースバインディング情報管理部128は、当該被呼び出しリソースバインディング情報を、メモリ102もしくは補助記憶装置103から削除する(S153)。すなわち、当該被呼び出しリソースバインディング情報が、管理対象から除外される。
デバイス接続管理部129は、データ送受信部122から通知された識別情報を含む被呼び出しリソースバインディング情報が出現リソースバインディング情報管理部128の管理対象から除外されたこをと検知すると(S155)、当該識別情報に係るプリンタデバイス専用アプリの実行の停止をアプリ実行管理部125に要求する(S156)。アプリ実行管理部125は、当該要求に応じ、プリンタデバイス専用アプリの実行を停止する(S157)。デバイス接続管理部129は、また、プリンタデバイス専用アプリに関する通信の終了をデータ送受信部122に通知する(S158)。その結果、データ送受信部122は、当該通信に使用していたリソースを解放する。
上述したように、第2の実施の形態によれば、無線通信が出来なくなった無線AP搭載デバイス20に対応するデバイス専用アプリは、自動的に停止される。また、当該デバイス専用アプリの通信に使用されていたリソースも自動的に解放される。その結果、スマート端末10の省電力化を期待することができる。
次に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態では第1の実施の形態と異なる点について説明する。第3の実施の形態において、特に言及されない点については、第1の実施の形態と同様でもよい。
図15は、第3の実施の形態におけるスマート端末の機能構成例を示す図である。図15中、図5と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
図15において、スマート端末10は、更に、安全リソースバインディング情報管理部130を有する。安全リソースバインディング情報管理部130は、スマート端末10にインストールされたプログラムが、CPU101に実行させる処理により実現される。
安全リソースバインディング情報管理部130は、安全性が確認された無線AP搭載デバイス20の識別情報(以下、「デバイスID」という。)と、当該無線AP搭載デバイス20に対応するデバイス専用アプリの被呼び出しリソースバインディング情報がとの組を、例えば、補助記憶装置103を用いて管理する。
図16は、第3の実施の形態における第1の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。図16には、例えば、図10のステップS145に続いて実行される処理手順が示されている。すなわち、図16の処理手順の開始時において、プリンタデバイス専用アプリとプリンタデバイスとの通信が行われているとする。
スマート端末10と現在通信中のプリンタデバイスは安全であると判断したユーザによる所定の操作により、当該プリンタデバイスの登録指示がスマート端末10に入力されると(S161)、安全リソースバインディング情報管理部130は、現在通信中のプリンタデバイスに関する情報の登録をデータ送受信部122に要求する(S162)。データ送受信部122は、当該プリンタデバイスのデバイスIDと、当該プリンタデバイスから受信されるビーコンに含まれている被呼び出しリソースバインディング情報との組を安全リソースバインディング情報管理部130に通知する(S163)。なお、デバイスIDの一例として、BSID、SSID(Service Set Identifier)、UUID(Universally Unique Identifier)等が挙げられる。これらの識別情報は、ビーコン等から抽出可能である。安全リソースバインディング情報管理部130は、当該デバイスIDと当該被呼び出しリソースバインディング情報とを対応付けて、例えば、補助記憶装置103に記憶する。
なお、上記では、安全リソースバインディング情報管理部130への登録が無線AP搭載デバイス20との通信中に実行される例を示したが、例えば、通信履歴が記憶され、通信履歴からの選択により、安全リソースバインディング情報管理部130への登録が行われてもよい。
図17は、第3の実施の形態における第2の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。図17中、図10と同一ステップには同一ステップ番号を付し、その説明は省略する。図17では、図16の実行後に、ユーザ(スマート端末10)が、改めて図16の実行時のエリアに進入した状況を想定する。
ステップS119に続いて、アプリ抽出部124は、アプリ実行管理部125から通知された呼び出しリソースバインディング情報に対応する被呼び出しリソースバインディング情報及びデバイスIDの対を、安全リソースバインディング情報管理部130から取得する(S121、S122)。
続いて、アプリ抽出部124は、ステップS130を実行する。ここで、ステップS116〜S122において複数の被呼び出しリソースバインディング情報が取得されている場合には、ステップS122において取得された、デバイスIDに対応付けられている被呼び出しリソースバインディング情報が優先的に選択されてもよい。
続いて、アプリ抽出部124は、選択された被呼び出しリソースバインディング情報を、アプリ実行管理部125に通知する。この際、ステップS122において取得された、当該被呼び出しリソースバインディング情報に対応付けられているデバイスIDが通知される。アプリ実行管理部125は、当該デバイスIDを指定して、当該被呼び出しリソースバインディング情報に対応するプリンタデバイス専用アプリの起動をコンテンツ管理部126に要求する(S141a)。コンテンツ管理部126は、プリンタデバイス専用アプリの実行形式ファイルを補助記憶装置103から取得して、プリンタデバイス専用アプリを起動する(S142a)。この際、コンテンツ管理部126は、通知されたデバイスIDを起動対象のプリンタデバイス専用アプリに通知する。続いて、アプリ実行管理部125は、プリンタデバイス専用アプリの実行を管理する(S143a)。その結果、スマート端末10のユーザが利用するアプリが、オフィスアプリからプリンタデバイス専用アプリに移行する。
起動されたプリンタデバイス専用アプリは、通知されたデバイスIDに係るプリンタデバイスと接続して、オフィスアプリが処理対象としている情報をプリンタデバイスに出力する(S144a、S145a)。すなわち、過去において、ユーザによって安全性が確認されたプリンタデバイスが優先的に利用対象として選択される。
上述したように、第3の実施の形態によれば、安全性の高い無線AP搭載デバイス20を優先的に利用することができる。
次に、第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態では第1の実施の形態と異なる点について説明する。第4の実施の形態において、特に言及されない点については、第1の実施の形態と同様でもよい。
図18は、第4の実施の形態における無線AP搭載デバイスの機能構成例を示す図である。図18中、図6と同一部分には、同一符号を付し、その説明は省略する。
図18において、無線AP搭載デバイス20は、更に、データ配信部25及び配信アプリ記憶部26を有する。
データ配信部25は、アプリやコンテンツの配信サービスを提供する。配信アプリ記憶部26は、配信対象のアプリ又はコンテンツを記憶する。例えば、当該無線AP搭載デバイス20をスマート端末10に利用させるためのデバイス専用アプリやコンテンツ等が配信アプリ記憶部26に記憶されている。
なお、第4の実施の形態において、情報設定部24は、ビーコンのデータフレームに対して、例えば、図19に示されるような情報を設定する。
図19は、第4の実施の形態におけるビーコンのデータフレームへの情報の設定例を示す図である。図19には、1つのデータフレームに1つ以上のプラットフォーム毎の呼び出しリソースバインディング情報(呼び出し様式情報とアプリのエンドポイント情報)が含まれている例が示されている。
図20は、第4の実施の形態における処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
スマート端末10のデータ送受信部122が、無線AP搭載デバイス20からのビーコンを受信すると(S201)、ビーコン解析部123は、受信されたビーコンのデータフレームに設定されている情報のうち、当該スマート端末10のプラットフォームに対応する情報を抽出する。
図21は、第4の実施の形態におけるビーコンのデータフレームの一例を示す図である。図21に示されるように、第4の実施の形態では、図19に示した形式に準拠する形式で、ストアアプリに対する呼び出しリソースバインディング情報と拡張情報とがデータフレームに含まれている。拡張情報は、ストアアプリに渡される情報である。図21では、無線AP搭載デバイス20のデータ配信部25によって提供される配信サービスにアクセスするためのアドレス情報が拡張情報の一例として示されている。
ビーコン解析部123は、抽出された情報が呼び出しリソースバインディング情報である場合には、当該呼び出しリソースバインディング情報を、出現リソースバインディング情報管理部128ではなく、アプリ実行管理部125に通知する(S202)。ここでは、拡張情報も通知される。アプリ実行管理部125は、当該呼び出しリソースバインディング情報及び拡張情報を、アプリ抽出部124に通知する。
なお、ビーコン解析部123は、既に呼び出しリソースバインディング情報を抽出したビーコンと同じビーコンがデータ送受信部122によって受信された場合、ステップS202を実行しないようにしてもよい。そうすることで、ビーコンが受信されるたびにステップS202以降が実行されるのを回避することができる。ビーコンの同一性は、ビーコンに含まれているデバイスID等に基づいて判定されてもよい。
当該呼び出しリソースバインディング情報及び拡張情報の通知を受けたアプリ抽出部124は、ステップS211〜S220において、図10のステップS116〜S130と同様の処理手順を実行する。但し、各ステップにおいて指定されるパラメータは、図10とは異なる。すなわち、ここでは、ストアアプリに対する呼び出しリソースバインディング情報に対応する被呼び出しリソースバインディング情報の取得が実行される。ここで、ストアアプリは、既に、スマート端末10にインストールされている。一方、ストアアプリに対する被呼び出しリソースバインディング情報を含むビーコンは受信されていない。したがって、格納リソースバインディング情報管理部127からのみ該当する被呼び出しリソースバインディング情報が取得される。その結果、アプリ抽出部124は、当該呼び出しリソースバインディング情報に対応するアプリ(ストアアプリ)が、スマート端末10にインストールされていると判定する。
続く、ステップS221〜S223において、図10のステップS141〜S143と同様の処理手順が実行される。但し、各ステップにおいて指定されるパラメータは、図10とは異なる。すなわち、ここでは、ストアアプリに対する呼び出しリソースバインディング情報及び拡張情報(アドレス情報)が指定される。その結果、ストアアプリが起動される。ストアアプリの起動の際、アプリ実行管理部125は、ストアアプリに対して、無線AP搭載デバイス20の配信サービスに対するアドレス情報を通知する。なお、ユーザには、スマート端末10に対して特段の操作を行っていないのにも拘わらず、或るエリアへの進入を契機にストアアプリが起動されたように見える。
ストアアプリは、ビーコンの発信元の無線AP搭載デバイス20のデータ配信部25と通信して、例えば、当該無線AP搭載デバイス20に対応するデバイス専用アプリの配信を受けることができる(S224、S225)。なお、拡張情報であるアドレス情報には、配信を受けるアプリの識別情報まで含まれていてもよい。この場合、当該アドレス情報に対応するアプリがダウンロードされる。
ストアアプリは、配信されたデバイス専用アプリを、コンテンツ管理部126に通知する(S231)。コンテンツ管理部126は、当該デバイス専用アプリのインストールを実行する。その過程において、コンテンツ管理部126は、当該デバイス専用アプリに添付されている、当該デバイス専用アプリに対する被呼び出しリソースバインディング情報を格納リソースバインディング情報管理部127に通知する(S232)。格納リソースバインディング情報管理部127は、当該被呼び出しリソースバインディング情報を、例えば、補助記憶装置103に記憶する。
続いて、ストアアプリが、当該デバイス専用アプリに対する呼び出しリソースバインディング情報を発信すると(S233)、ステップS234〜S246において、図10のステップS116〜S145と同様の処理手順が実行される。但し、ここで起動されるのは、当該呼び出しリソースバインディング情報に対応するデバイス専用アプリである。また、ここで、当該デバイス専用アプリは、スマート端末10にインストールされている。一方、当該デバイス専用アプリに対する被呼び出しリソースバインディング情報を含むビーコンは受信されていない。したがって、格納リソースバインディング情報管理部127からのみ当該呼び出しリソースバインディング情報に対応する被呼び出しリソースバインディング情報が取得される。その結果、アプリ抽出部124は、当該呼び出しリソースバインディング情報に対応するアプリ(当該デバイス専用アプリ)が、スマート端末10にインストールされていると判定する。
また、ステップS244には、当該デバイス専用アプリが、必要に応じて、自らに関連するコンテンツを参照する処理が示されている。当該コンテンツは、例えば、当該デバイス専用アプリのインストールに伴って、コンテンツ管理部126に対して登録される。
なお、ストアアプリは、無線AP搭載デバイス20のデータ配信部25によって管理されているアプリ又はコンテンツの版数と、コンテンツ管理部126によって管理されているアプリ又はコンテンツの版数とを比較して、版数が異なる場合に、アプリ又はコンテンツの配信を受けてもよい。その結果、ユーザは、最新のアプリ又はコンテンツを利用することができる。
上述したように、第4の実施の形態によれば、スマート端末10が、或る無線AP搭載デバイス20の無線電波の到達範囲に進入することを契機にして、ユーザが特段の操作を行わなくても、当該無線AP搭載デバイス20をスマート端末10経由で利用可能とすることができる。
次に、第5の実施の形態について説明する。第5の実施の形態では第4の実施の形態と異なる点について説明する。第5の実施の形態において、特に言及されない点については、第4の実施の形態と同様でもよい。
図22は、第5の実施の形態におけるスマート端末の機能構成例を示す図である。図22において、スマート端末10は、インストールアプリを有する。インストールアプリは、プログラムをスマート端末10へインストールするのに必要な特権を有するアプリである。本実施の形態では、検知された無線AP搭載デバイス20とスマート端末10とを、USB3.0のコードケーブルで接続可能とするためのデバイスドライバがインストール対象とされる。
一方、第5の実施の形態において、無線AP搭載デバイス20のデータ配信部25は、当該デバイスドライバを配信する。すなわち、当該無線AP搭載デバイス20の配信アプリ記憶部26には、当該デバイスアプリが記憶されている。
図23は、第5の実施の形態における処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。図23中、図20と同一又は対応するステップには同一ステップ番号を付し、その説明は省略する。
図23では、ステップS201において、図24に示されるようなデータフレームを含むビーコンが受信される。
図24は、第5の実施の形態におけるビーコンのデータフレームの一例を示す図である。図24に示されるように第4の実施の形態では、図19に示した形式に準拠する形式で、ストアアプリに対する呼び出しリソースバインディング情報と、拡張情報とが含まれている。拡張情報としては、データ配信部25によって提供される配信サービスにアクセスするためのアドレス情報の他に、当該ビーコンの送信元の無線AP搭載デバイス20とUSB3.0で接続するためのデバイスドライバのファイル名が含まれている。
ステップS201に続いて、ステップS202〜S243が実行される。なお、第5の実施の形態において、無線AP搭載デバイス20のデータ配信部25から配信されるのは、図24の拡張情報に示されているファイル名に係るデバイスドライバである。
なお、ストアアプリは、無線AP搭載デバイス20のデータ配信部25によって管理されているデバイスドライバの版数と、コンテンツ管理部126によって管理されているデバイスドライバの版数とを比較して、版数が異なる場合に、デバイスドライバの配信を受けてもよい。その結果、ユーザは、最新のデバイスドライバを利用することができる。
また、ステップS233において、ストアアプリは、インストールアプリに対する呼び出しリソースバインディング情報を発信する。その結果、ステップS234〜S243において、インストールアプリが起動される。
インストールアプリは、起動されると、コンテンツ管理部126によって管理されているデバイスドライバのファイルを参照して、当該デバイスドライバのインストールを実行する(S251、S252)。なお、インストールアプリは、インストール実施前に、デバイスドライバのインストールの許可をユーザに求めてもよい。
その後、ユーザが、スマート端末10と無線AP搭載デバイス20とをUSB3.0ケーブルで接続した後に、当該無線AP搭載デバイス20を利用する或るアプリ(以下、「対象アプリ」という。)の利用開始指示をスマート端末10に入力する。その結果、ステップS262〜S264において、図10のステップS112〜S114と同様の処理手順が実行されて、対象アプリが起動される。なお、対象アプリは、起動に応じ、対象アプリに関するコンテンツを参照してもよい(S265)。
対象アプリが、無線AP搭載デバイス20と通信を行う際には、データ送受信部122を介して、デバイスドライバが利用される(S271〜S273)。すなわち、当該通信は、USB3.0ケーブルを介して実行される。その結果、性能の安定した有線ネットワークを介して当該無線AP搭載デバイス20の利用が可能となる。なお、デバイスドライバをインストールする必要の有る別の例として、FPGA(field-programmable gate array)やGPU(Graphics Processing Unit)デバイス等が挙げられる。
上述したように、第5の実施の形態によれば、デバイスドライバに関して、第4の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
次に、第6の実施の形態について説明する。第6の実施の形態では第4の実施の形態と異なる点について説明する。第6の実施の形態において、特に言及されない点については、第4の実施の形態と同様でもよい。
図25は、第6の実施の形態における情報処理システムの構成例を示す図である。図25中、図3と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
図25では、ネットワークN1にコンテキスト支援システム60が接続されている。コンテキスト支援システム60は、スマート端末10又はスマート端末10のユーザのコンテキスト(状況)に応じたサービス(以下、「コンテキスト支援サービス」という。)を提供するコンピュータシステムである。コンテキストの一例として、場所、時間等が挙げられる。
図25には、また、無線AP搭載デバイス20の代わりに、ビーコン発信デバイス30が配置された例が示されている。ビーコン発信デバイス30は、Wi−Fi(登録商標)の様なアクセスポイントを持たないが、ビーコンを発信するデバイスをいう。例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)デバイスが、ビーコンデバイスの一例として挙げられる。その他の近距離無線通信を可能なデバイスが、ビーコン発信デバイス30として利用されてもよい。また、無線AP搭載デバイス20が、ビーコン発信デバイス30として利用されてもよい。なお、ビーコン発信デバイス30は、コンテキスト支援サービスを提供するために利用される。
図26は、第6の実施の形態におけるスマート端末の機能構成例を示す図である。図26中、図5と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
図26において、スマート端末10は、コンテキスト支援アプリを有する。コンテキスト支援アプリは、コンテキスト支援システム60と通信することで、コンテキスト支援システム60をスマート端末10のユーザに提供するアプリである。コンテキスト支援アプリは、例えば、アプリストアシステム50によりスマート端末10に配信されたアプリである。
図27は、第6の実施の形態における処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
ステップS301及びS302は、ビーコンの発信元がビーコン発信デバイス30である点を除いて、図20のステップS201及びS202と同様の処理である。すなわち、スマート端末10のデータ送受信部122が、ビーコン発信デバイス30からのビーコンを受信すると(S301)、ビーコン解析部123は、受信されたビーコンのデータフレームに設定されている情報のうち、当該スマート端末10のプラットフォームに対応する情報を抽出する。
図28は、第6の実施の形態におけるビーコンのデータフレームの一例を示す図である。図28に示されるように、第6の実施の形態では、プラットフォーム毎に、コンテキスト支援アプリに対する呼び出しリソースバインディング情報がデータフレームに含まれている。
ビーコン解析部123は、抽出された情報が呼び出しリソースバインディング情報であるため、当該呼び出しリソースバインディング情報を、アプリ実行管理部125に通知する(S302)。
続くステップS311〜S323では、図20のステップS211〜S223と同様の処理手順が実行される。その結果、コンテキスト支援アプリが起動される。したがって、ユーザには、或るビーコン発信デバイス30に近付くと、自動的にコンテキスト支援アプリが起動されたように見える。なお、アプリ実行管理部125は、コンテキスト支援アプリの起動の許可をユーザに求めてもよい。
コンテキスト支援アプリは、起動されると、データ送受信部122を介してコンテキスト支援システム60との通信を実行する(S331、S332)。この際、コンテキスト支援システム60に対して、ビーコン発信デバイス30のデバイスIDが通知されてもよい。または、ビーコンのデータフレームに、ビーコン発信デバイス30の設置場所の識別情報(エリア情報)が含まれており、当該エリア情報がコンテキスト支援システム60に通知されてもよい。
例えば、コンテキスト支援アプリは、コンテキスト支援システム60と通信を介して、そのエリアに適したコンテンツをコンテキスト支援システム60からダウンロードして表示する。一例として、或る店舗の前にビーコン発信デバイス30が設置されており、当該店舗に関するコンテンツが表示されてもよい。
上述したように、第6の実施の形態によれば、ビーコン発信デバイス30への近接に応じて、ユーザのコンテキストに適したサービスを自動的に提供することができる。
次に、第7の実施の形態について説明する。第7の実施の形態では第6の実施の形態と異なる点について説明する。第7の実施の形態において、特に言及されない点については、第6の実施の形態と同様でもよい。
図29は、第7の実施の形態における情報処理システムの構成例を示す図である。図29中、図25と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
図29では、Aサービスシステム60a、Bサービスシステム60b、及びCサービスシステム60cが、ネットワークN1に接続されている。Aサービスシステム60aは、Aサービスを提供するコンピュータシステムである。Bサービスシステム60bは、Bサービスを提供するコンピュータシステムである。Cサービスシステム60cは、Cサービスを提供するコンピュータシステムである。なお、Aサービス、Bサービス、Cサービス等は、例えば、コンテキスト支援サービスのようなサービスであってもよい。
図29では、また、スマート端末10が、複数のビーコン発信デバイス30のビーコンの到達範囲内に所在する例が示されている。ビーコン発信デバイス30a、30b、30cは、順番に、Aサービス、Bサービス、Cサービスに対応したビーコン発信デバイス30である。
図30は、第7の実施の形態におけるスマート端末の機能構成例を示す図である。図30中、図26と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
図30において、スマート端末10は、フィルタ部131及び受信ポリシー記憶部132を更に有する。フィルタ部131は、スマート端末10にインストールされたプログラムが、CPU101に実行させる処理により実現される。受信ポリシー記憶部132は、例えば、補助記憶装置103等を用いて実現可能である。
フィルタ部131は、ビーコン解析部123によって、アプリ実行管理部125又は出現リソースバインディング情報管理部128に通知される情報について、受信ポリシー記憶部132に記憶されている受信ポリシーに基づいて、有効性の判定を行う。受信ポリシーとは、当該スマート端末10において有効な呼び出しリソースバインディング情報を示す情報である。
スマート端末10は、また、Aサービスアプリ、Bサービスアプリ、及びCサービスアプリを有する。Aサービスアプリ、Bサービスアプリ、及びCサービスアプリは、順番に、Aサービス、Bサービス、Cサービスに対応するアプリである。
図31は、第7の実施の形態における処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。図31中、図27と同一又は対応するステップには同一ステップ番号を付し、その説明は省略する。
スマート端末10のデータ送受信部122が、3つのビーコン発信デバイス30からのそれぞれのビーコンを受信すると(ステップS301a、S301b、S301c)、ビーコン解析部123は、受信されたビーコンのデータフレームに設定されている情報のうち、当該スマート端末10のプラットフォームに対応する情報を抽出する。ビーコン解析部123は、抽出された情報をフィルタ部131に通知する(S302a、S302b、S302c)。なお、ステップS301a、S301b、及びS301cは、必ずしも、同時に実行されるとは限らない。
図32は、第7の実施の形態におけるビーコンのデータフレームの一例を示す図である。図32において、(1)は、ビーコン発信デバイス30aからのビーコンのデータフレームを示す。当該データフレームには、Aサービスアプリに対する呼び出しリソースバインディング情報が含まれている。(2)は、ビーコン発信デバイス30bからのビーコンのデータフレームを示す。当該データフレームには、Bサービスアプリに対する呼び出しリソースバインディング情報が含まれている。(3)は、ビーコン発信デバイス30cからのビーコンのデータフレームを示す。当該データフレームには、Cサービスアプリに対する呼び出しリソースバインディング情報が含まれている。
続いて、フィルタ部131は、ビーコン解析部123から通知された呼び出しリソースバインディング情報を、受信ポリシー記憶部132に記憶されている受信ポリシーと照合して、当該呼び出しリソースバインディング情報の有効性を判定する。
図33は、受信ポリシーの構成例を示す図である。図33には、(1)〜(3)の3つの例が示されている。
(1)は、リバースドメインネームスペースでフィルタリングを実施する場合に対応する受信ポリシーの例である。リバースドメインネームは、アプリの名前情報やアプリのエンドポイント情報に活用されている名前の付け方である。例えば「jp.b-service.apps.contact」は、(1)の1番目のレコードの「jp.b-service.apps」の名前空間内の名前に該当する。「com.b-service.apps.contact」は、(1)の2番目のレコードの「jp.b-service.apps」の名前空間外の名前に該当する。(1)では、いずれのレコードについても、リバースドメインネームの空間内の名前が、受信対象とされること(有効であること)が示されている。(1)のような受信ポリシーが採用される場合、呼び出しリソースバインディング情報に含まれている名前が、リバースドメインネームと照合されることで、当該呼び出しリソースバインディング情報の有効性が判定される。
(2)は、ビーコンを発信するビーコン発信デバイス30に関する個体識別情報や提供サービスの識別情報等に対する正規表現によって、フィルタリングを実施する場合に対応する受信ポリシーの例である。「正規表現処理」の項目が「有効」であるレコードが、フィルタリングに利用される。(2)のような受信ポリシーが採用される場合、呼び出しリソースバインディング情報に含まれている識別情報が、正規表現と照合されることで、当該呼び出しリソースバインディング情報の有効性が判定される。
(3)は、(1)の受信ポリシーと(2)の受信ポリシーとを組み合わせてフィルタリングを実施する場合に対応する受信ポリシーの例である。(3)の1番目のレコードは、(1)の1番目のレコードと、(2)の1番目のレコードとを論理積で組み合わせることが示されている。この場合、双方のレコードに関して受信すべきと判定された場合に、受信すべきであると判定される。一方、(3)の2番目のレコードは、(1)の2番目のレコードと、(2)の2番目のレコードとを論理和で組み合わせることが示されている。この場合、少なくともいずれか一方のレコードに関して受信すべきと判定された場合に、有効であると判定される。
なお、受信ポリシーの構成は、図33に示した例に限定されない。例えば、スマート端末10がスリープ状態か否かや、スマート端末10がジオフェンスという仮想的な地理的境界線の内に位置するか外に位置するかや、又はそれらの優先順位等を用いてフィルタリングが行われてもよい。
フィルタ部131は、受信ポリシーフィルタに基づいて、有効であると判定された呼び出しリソースバインディング情報を、アプリ実行管理部125に通知する(S303)。
ステップS311以降は、当該呼び出しリソースバインディング情報に関して実行される。図31では、Bサービスアプリに対する呼び出しリソースバインディング情報が受信された例が示されている。したがって、Bサービスアプリが起動されて、Bサービスがユーザに提供される。
上述したように、第7の実施の形態によれば、複数のビーコンが受信される状況であっても、ビーコンに含まれている呼び出しリソースバインディング情報を、受信ポリシーに基づいてフィルタリングすることで、ユーザの意図に沿ったサービスを自動的に提供することができる。
なお、上記の各実施の形態において、ビーコンのデータフレームには、例えば、図34に示されるように情報が設定されてもよい。
図34は、ビーコンのデータフレームへの情報のその他の設定例を示す図である。図34は、1つのデータフレームに、1つのプラットフォーム毎の被呼び出しリソースバインディング情報(マニフェスト情報のサブセットの被呼び出し様式情報とアプリのエンドポイント情報に相当する)と、呼び出しリソースバインディング情報(呼び出し様式情報とアプリのエンドポイント情報に相当する)とが含まれている例が示されている。このようなデータフレームを含むビーコンが受信された場合、ビーコン解析部123又はフィルタ部131は、呼び出しリソースバインディング情報についてはアプリ実行管理部125に通知し、被呼び出しリソースバインディング情報については出現リソースバインディング情報管理部128に通知する。
なお、上記の各実施の形態のうち、2以上の実施の形態が組み合わされた実施されてもよい。
また、アプリ以外のプログラムが、上記各実施の形態に適用されてもよい。
なお、上記各実施の形態において、被呼び出しリソースバインディング情報は、被呼び出し条件情報の一例である。ビーコン解析部123は、抽出部の一例である。アプリ実行管理部125は、呼出部の一例である。コンテンツ管理部126は、取得部の一例である。安全リソースバインディング情報管理部130は、記憶処理部の一例である。アプリ抽出部124は、選択部の一例である。フィルタ部131は、判定部の一例である。呼び出しリソースバインディング情報は、呼び出し対象情報の一例である。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。