JP6621452B2 - 濃度比推定装置、濃度比推定方法、及びプログラム - Google Patents

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本発明は、濃度比推定装置、濃度比推定方法、及びプログラムに関する。
従来、性ホルモン濃度の一例であるテストステロン濃度のコルチゾール濃度に対する比(以下、「濃度比」という。)は疲労度と相関関係があることが知られている。このため、濃度比はオーバートレーニングを判定するための指標として用いられることがある。例えば、非特許文献1には、濃度比が3.5×10−3以下である場合、あるいは、トレーニング開始後の濃度比が、トレーニング開始前の濃度比より30%以上低下している場合、被験者がオーバートレーニングであると判定されることが記載されている。
Adlercreutz H、外8名、"Effect of training on the plasma anabolic and catabolic steroid hormones and their response during physical exercise"、1986年、Int J Sports Med、7:27-28
性ホルモン濃度のコルチゾール濃度に対する比は、被験者の体液から、分析装置を用いて計測される。体液は、例えば、血液、尿、及び唾液である。このため、性ホルモン濃度のコルチゾール濃度に対する比を計測するためには、被験者から体液を採取したり、分析装置を用意したりする手間が発生せざるをえず、簡易に計測することができなかった。したがって、例えばトレーニングの最中に被験者がオーバートレーニングであるか否かを定量的に判定するのが困難であるという課題があった。
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、簡易に性ホルモン濃度のコルチゾール濃度に対する比を推定することができる濃度比推定装置、濃度比推定方法、及びプログラムを提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明に係る濃度比推定装置は、コルチゾール濃度に対する性ホルモン濃度の比を推定する濃度比推定装置であって、対象者の自律神経活動と相関のある自律神経活動指標値の変化率を算出する演算部と、自律神経活動指標値の変化率とコルチゾール濃度に対する性ホルモン濃度の比とが負の相関を有するように、前記演算部により算出された変化率から、コルチゾール濃度に対する性ホルモン濃度の比を推定する推定部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る濃度比推定装置は、コルチゾール濃度に対する性ホルモン濃度の比を推定する濃度比推定装置であって、対象者の情動に変化を与える刺激を、対象者に呈示する刺激提示部と、前記刺激が呈示される前の前記対象者の自律神経活動指標値である呈示前自律神経活動指標値と、前記刺激の呈示中における前記対象者の前記自律神経活動指標値である呈示中自律神経活動指標値とを非侵襲的に計測する計測部と、前記対象者のコルチゾール濃度に対する性ホルモン濃度の比を推定する推定部とを備え、前記推定部は、前記呈示中自律神経活動指標値の前記呈示前自律神経活動指標値からの変化率が第1値の場合の前記対象者のコルチゾール濃度に対する性ホルモン濃度の比の推定値よりも、前記呈示中自律神経活動指標値の前記呈示前自律神経活動指標値からの変化率が第1値よりも大きい第2値の場合の前記対象者のコルチゾール濃度に対する性ホルモン濃度の比の推定値が小さな値となるように、前記対象者のコルチゾール濃度に対する性ホルモン濃度の比を推定することを特徴とする。
また、本発明に係る濃度比推定方法は、コルチゾール濃度に対する性ホルモン濃度の比を推定する濃度比推定方法であって、対象者の自律神経活動と相関のある自律神経活動指標値の変化率を算出するステップと、自律神経活動指標値の変化率とコルチゾール濃度に対する性ホルモン濃度の比とが負の相関を有するように、前記算出された変化率から、コルチゾール濃度に対する性ホルモン濃度の比を推定するステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る濃度比推定方法は、コルチゾール濃度に対する性ホルモン濃度の比を推定する濃度比推定方法であって、対象者の情動に変化を与える刺激を、対象者に呈示するステップと、前記刺激が呈示される前の前記対象者の自律神経活動指標値である呈示前自律神経活動指標値と、前記刺激の呈示中における前記対象者の前記自律神経活動指標値である呈示中自律神経活動指標値とを非侵襲的に計測するステップと、前記対象者のコルチゾール濃度に対する性ホルモン濃度の比を推定するステップと、を含み、前記推定するステップは、前記呈示中自律神経活動指標値の前記呈示前自律神経活動指標値からの変化率が第1値の場合の前記対象者のコルチゾール濃度に対する性ホルモン濃度の比の推定値よりも、前記呈示中自律神経活動指標値の前記呈示前自律神経活動指標値からの変化率が第1値よりも大きい第2値の場合の前記対象者のコルチゾール濃度に対する性ホルモン濃度の比の推定値が小さな値となるように、前記対象者のコルチゾール濃度に対する性ホルモン濃度の比を推定することを特徴とする。
また、本発明に係るプログラムは、上述のいずれかの濃度比推定装置としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
本発明によれば、簡易に性ホルモン濃度のコルチゾール濃度に対する比を推定することができる。
ヘッドホンからの刺激音の出力前及び出力中に脈波計によって計測された指尖脈波の一例を示す図である。 刺激を呈示する前の脈波の振幅値の平均値を正規化した場合の、刺激を呈示しているときの振幅値の割合を示す。 脈波の振幅値の変化率と性ホルモン/テストステロン濃度比との相関関係を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る濃度比推定装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る濃度比推定方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る濃度比推定装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係るオーバートレーニング判定方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係るオーバートレーニング判定方法の他の例を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態に係るトレーニング効果判定方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態に係るトレーニング効果判定方法の他の例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
まず、発明者らが発見した、指尖脈波と、性ホルモン濃度のコルチゾール濃度に対する比との相関関係について説明する。以降において、「性ホルモン濃度のコルチゾール濃度に対する比」を「性ホルモン/コルチゾール濃度比」と称することがある。なお、オーバートレーニングと相関がある性ホルモンは、男性ホルモン(テストステロン)に限られるが、今回発見した指尖脈波と、性ホルモン濃度のコルチゾール濃度に対する比との相関関係については、男性ホルモンに限らず女性ホルモン(エストロゲン)についても成り立つと期待されるので、ここでは一般化して「性ホルモン濃度のコルチゾール濃度に対する比との相関関係」として説明する。
発明者らが行った実験では、自律神経活動を変化させるための刺激を20人の被験者に対して3回ずつ呈示し、該呈示の前および該呈示の最中それぞれにおいて被験者の自律神経活動指標値を計測した。本実験では、ヘッドホンから刺激音を出力することによって該ヘッドホンを装着した被験者に刺激を呈示した。刺激音は、例えば、爪等が黒板を引っ掻くときに発生した音である。本実験では、自律神経活動指標値は、末梢血管の容積を示す指尖脈波の振幅値である。発明者らは、被験者の指に脈波計を装着することによって指尖脈波を計測した。
また、本実験では、該20人の被験者それぞれから唾液を採取し、唾液中の性ホルモン/コルチゾール濃度比を計測した。なお、実験では被験者を男性とし、性ホルモンとしてテストステロンを用いた。
図1は、ヘッドホンからの刺激音の出力前及び出力中に脈波計によって計測された被験者の脈波の一例を示す図である。図1に示すように、多くの被験者において、刺激の呈示前に比べて、刺激の呈示中における脈波の振幅値が小さくなる傾向があることが見出された。
図2は、刺激の呈示前における脈波の振幅値の平均値に対する、刺激の呈示中における振幅値の割合を示す図である。発明者らは、刺激の呈示中における脈波の振幅値から、刺激の呈示前の脈波の振幅値の平均値を減じた値を積分した値を、刺激の呈示中において脈波が計測された時間で除した値を振幅値の減少度合いに対応する値x(以降、「変化率x」という。)として算出した。なお、振幅値の変化率xは、式(1)で示される。式(1)において、Tは、刺激の呈示中において脈波が計測された時間(例えば、60秒間)である。F(t)は刺激の呈示中の時刻tにおける脈波の振幅値である。Faveは、刺激の呈示前の振幅値の所定の時間(例えば、10秒間)の平均値である。
Figure 0006621452
図3は、脈波の振幅値の変化率と、テストステロン濃度のコルチゾール濃度に対する比との関係を示すグラフである。テストステロンは性ホルモンの一例である。以降において、「テストステロン濃度のコルチゾール濃度に対する比」を「テストステロン/コルチゾール濃度比」と称することがある。縦軸は、被験者の唾液から計測したテストステロン/コルチゾール濃度比である。横軸は、脈波の振幅値の変化率である。図3から、脈波の振幅値の変化率が大きくなるほど、テストステロン/コルチゾール濃度比が小さくなるという傾向が読み取れる。このようにして、発明者らは、脈波の振幅値を一例とする自律神経活動指標値と、テストステロン/コルチゾール濃度比を一例とする性ホルモン/コルチゾール濃度比との間に負の相関関係があることを見出した。
自律神経活動指標値と性ホルモン/コルチゾール濃度比との間の相関関数は、実験結果から導出することができる。相関関数は、実験の環境、条件等によって異なるが、一例を式(2)に示す。式(2)においてT/CORTは、テストステロン/コルチゾール濃度比である。xは、上述の式(1)により算出された振幅値の変化率である。本発明では、このようにして導出された負の相関関係若しくは相関関数を用いてテストステロン/コルチゾール濃度比を算出する。
T/CORT=−0.00115×x+0.0864 式(2)
(第1の実施形態)
図4は、第1の実施形態に係る濃度比推定装置1の構成例を示す図である。図4に示すように、濃度比推定装置1は、入力部11と、指標値記憶部12と、演算部13と、推定部14、出力部15とを備える。濃度比推定装置1によって性ホルモン/コルチゾール濃度比を推定される対象者は、刺激呈示装置3によって刺激を呈示される。濃度比推定装置1は、計測装置4から出力された情報を入力する。濃度比推定装置1は提示装置5に情報を出力する。
刺激呈示装置3は、自律神経活動を変化させるための刺激を対象者に呈示する。該刺激は、人間の情動価を変動させる音、画像・映像、光等である。該刺激は、例えば、爪等が黒板を引っ掻くときに発生する音、又は該音に信号処理を施して作成した音であってもよい。刺激は、爪等が黒板を引っ掻くときに発生する音に限らず人間の情動価を変動させる音、例えば不快な気持ちにさせる音、不安な気持ちにさせる音、心地よい気持ちにさせる音等、人間の情動に何らかの変化を与える音であればよい。刺激が画像・映像である場合は、不快な印象を与える画像・映像や、不安や恐怖を感じさせる画像・映像、心地よい気持ちを感じさせる画像・映像等を用いればよい。刺激が光である場合は、光の色や刺激の呈示間隔等によって、人間に安心感を与えたり、不安感を与えたりする刺激を用いればよい。刺激呈示装置3は、所定の時間(例えば、1分以上)、刺激音を呈示する。該所定の時間は、少なくとも、刺激を提示された人間の情動価の変化に伴う生体反応(生体信号)の変化を検出できる程度の長さ以上であればよい。
計測装置4は、対象者の自律神経の活動の活発さを示す指標値である自律神経活動指標値を計測する。具体的には、計測装置4は、対象者への刺激の呈示前に該対象者の自律神経活動指標値を呈示前自律神経活動指標値として計測し、対象者への刺激の呈示中に該対象者の自律神経活動指標値を呈示中自律神経活動指標値として計測する。また、計測装置4は、計測した呈示前自律神経活動指標値及び呈示中自律神経活動指標値を濃度比推定装置1に出力する。自律神経活動指標値は、例えば、末梢血管の容積を示す指尖脈波の振幅値、血圧、瞳孔径等である。本実施形態では、自律神経活動指標値が指尖脈波の振幅値である例について、以下説明する。
計測装置4は、例えば、指尖脈波の振幅値を計測する公知の脈波計により構成することができる。具体的には、計測装置4は、刺激呈示装置3が対象者への刺激の呈示前における所定の期間に、呈示前自律神経活動指標値の一例として呈示前指尖脈波を計測し、刺激呈示装置3が該対象者への刺激の呈示中における所定の期間に、呈示中自律神経活動指標値の一例として呈示中指尖脈波を計測する。また、計測装置4は、計測した呈示前指尖脈波及び呈示中指尖脈波を濃度比推定装置1に出力する。
濃度比推定装置1が備える各構成について詳細に説明する。
入力部11は、濃度比推定装置1から出力された呈示前自律神経活動指標値及び呈示中自律神経活動指標値を入力する。本実施形態では、入力部11は、濃度比推定装置1から出力された呈示前指尖脈波及び呈示中指尖脈波を入力する。
指標値記憶部12は、半導体記憶デバイス及び磁気記憶デバイス等の任意の記憶デバイスを含んでもよいし、複数の種類の記憶デバイスを含んでもよい。指標値記憶部12は、刺激呈示装置3による対象者への刺激の呈示前に、計測装置4によって計測された呈示前自律神経活動指標値を記憶する。本実施形態では、指標値記憶部12は、呈示前自律神経活動指標値として呈示前指尖脈波を記憶する。
演算部13は、入力部11によって入力された、対象者へ刺激が呈示される前の自律神経活動指標値である呈示前自律神経活動指標値と、前記刺激の呈示中における前記対象者の前記自律神経活動指標値である呈示中自律神経活動指標値とを取得する。そして、演算部13は、呈示中自律神経活動指標値の呈示前自律神経活動指標値からの変化率を演算する。変化率は、例えば、呈示中自律神経活動指標値の、呈示前自律神経活動指標値の平均値からの差の平均値とすることができる。すなわち変化率は、呈示中自律神経活動指標値の、呈示前自律神経活動指標値の平均値からの差を呈示中自律神経活動指標値が計測されている期間で積分し、該期間で除した値とすることができる。
本実施形態では、上述のように、呈示前自律神経活動指標値は、対象者への刺激の呈示前における該対象者の呈示前指尖脈波の振幅値、つまり、刺激呈示前の所定時間区間における時刻毎の指尖脈波の振幅値からなる時系列データである。また、呈示中自律神経活動指標値は、対象者への刺激の呈示中における該対象者の呈示中指尖脈波の振幅値、つまり、刺激呈示中の所定時間区間における時刻毎の指尖脈波の振幅値からなる時系列データである。そのため、演算部13は、呈示前指尖脈波の振幅値の時系列データと、呈示中指尖脈波の振幅値の時系列データとを計測装置4から取得する。そして、演算部13は、呈示前指尖脈波の振幅値の時系列データと、呈示中指尖脈波の振幅値の時系列データとに基づいて、振幅値の変化率を演算する。例えば、演算部13は、呈示前指尖脈波の振幅値の平均値、つまり、呈示前指尖脈波の時系列データから振幅値の平均値を演算する。そして、演算部13は、呈示中指尖脈波の時系列データ中の各振幅値と、呈示前指尖脈波の振幅値の平均値との差の積分値を呈示中指尖脈波が呈示されている期間で除した値を振幅値の変化率として演算する。
推定部14は、変化率と性ホルモン/コルチゾール濃度比とが負の相関を有するように、演算部13によって演算された変化率に基づいて性ホルモン/コルチゾール濃度比を推定する。具体的には、推定部14は、演算部13によって変化率が演算されると、当該変化率に対して性ホルモン/コルチゾール濃度比の推定結果が負の相関となるように、つまり、変化率が大きいほど性ホルモン/コルチゾール濃度比の推定結果が小さいことを示すように、あるいは、変化率が小さいほど性ホルモン/コルチゾール濃度比の推定結果が大きいことを示すように性ホルモン/コルチゾール濃度比を推定する。言い換えれば、推定部14は、変化率が第1値であるときの性ホルモン/コルチゾール濃度比の推定結果よりも、変化率が第1値よりも大きい第2値のときの性ホルモン/コルチゾール濃度比の推定結果のほうが小さな値をとるように、性ホルモン/コルチゾール濃度比を推定する。例えば、上述の式(2)によって表される負の相関関数を用いて性ホルモン/コルチゾール濃度比を推定する。
出力部15は、推定部14によって推定された性ホルモン/コルチゾール濃度比を提示装置5に出力する。
提示装置5は、推定部14によって推定され、出力部15によって出力された性ホルモン/コルチゾール濃度比を提示する。提示装置5は、性ホルモン/コルチゾール濃度比、あるいは該濃度比に対応する任意の指標(例えば、疲労度)をディスプレイに表示してもよい。また、提示装置5は、性ホルモン/コルチゾール濃度比を示す音声をスピーカで出力してもよい。
次に、濃度比推定装置1による濃度比推定方法について、図5を参照して説明する。図5は、濃度比推定方法の一例を示すフローチャートである。
まず、入力部11により、刺激呈示装置3による対象者への刺激の呈示前に、計測装置4が計測した該対象者の呈示前指尖脈波を入力する。
次に、指標値記憶部12により、刺激呈示装置3による対象者への刺激の呈示前に、計測装置4が計測し、入力部11が入力した該対象者の呈示前指尖脈波を記憶する(ステップS11)。
次に、刺激呈示装置3により、所定の時間、対象者に刺激が呈示されると、入力部11により、計測装置4が計測した該対象者の呈示中指尖脈波を入力する(ステップS13)。
次に、演算部13により、ステップS11で記憶された呈示前自指尖脈波と、ステップS13で取得された呈示中指尖脈波とに基づいて、性ホルモン/コルチゾールの変化率を算出する(ステップS14)。
次に、推定部14により、ステップS13で算出された性ホルモン/コルチゾールの変化率に基づいて、性ホルモン/コルチゾールの変化率から性ホルモン/コルチゾール濃度比を推定する(ステップS15)。
次に、出力部15により、性ホルモン/コルチゾール濃度比を提示装置5に出力する(ステップS16)
なお、上述した濃度比推定装置1として機能させるためにコンピュータを好適に用いることができ、そのようなコンピュータは、濃度比推定装置1の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを該コンピュータのデータベースに格納しておき、該コンピュータのCPUによってこのプログラムを読み出して実行させることで実現することができる。
また、プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD−ROMやDVD−ROMなどの記録媒体であってもよい。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、濃度比推定装置1は、対象者の自律神経活動と相関のある自立神経活動指標値に基づいて性ホルモン/コルチゾール濃度比を推定する。そのため、従来のように体液を用いて該比を計測する場合に比べて、濃度比推定装置1は、迅速に性ホルモン濃度のコルチゾール濃度に対する比を推定することができる。また、自律神経活動指標値は非侵襲的に計測されるため、濃度比推定装置1は、簡易に性ホルモン/コルチゾール濃度比を推定することができる。
また、第1の実施形態によれば、濃度比推定装置1は、呈示中自律神経活動指標値の呈示前自律神経活動指標値からの変化率に基づいて性ホルモン/コルチゾール濃度比を推定する。発明者らの実験によれば、該変化率は性ホルモン/コルチゾール濃度比との間に負の相関関係が成り立つという自然法則が見出されており、そのため、正確に性ホルモン/コルチゾール濃度比を推定することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図6は、第2の実施形態に係る濃度比推定装置2の構成例を示す図である。図6に示すように、濃度比推定装置2は、濃度比推定部10と、出力部15と、濃度比記憶部16と、判定部17とを備える。濃度比推定部10は、第1の実施形態の濃度比推定装置1と同様に、入力部11と、指標値記憶部12と、演算部13と、推定部14とを備える。また、第1の実施形態と同様に、濃度比推定装置2によって性ホルモン/コルチゾール濃度比を推定される対象者は、刺激呈示装置3によって刺激を呈示される。また、濃度比推定装置2は、計測装置4から出力された情報を入力する。濃度比推定装置2は提示装置5に情報を出力する。なお、第1の実施形態と同様の構成ブロックについては同一の参照符号を付して、適宜、説明を省略する。
本実施形態では、第1の実施形態と同様の方法で推定した「性ホルモン/コルチゾール濃度比」に基づいてオーバートレーニング状態を推定する。既述の通り、オーバートレーニングと相関性があるのは性ホルモンの中でも男性ホルモン(テストステロン)であるため、本実施形態の対象者は男性とする。対象者が男性である場合、性ホルモン濃度はテストステロン濃度に相当する。したがって、濃度比推定部10によって推定された性ホルモン/コルチゾール濃度比は、テストステロン/コルチゾール濃度比に相当する。
濃度比推定部10は、男性の対象者の性ホルモン/コルチゾール濃度比、すなわちテストステロン/コルチゾール濃度比を推定する。濃度比推定部10による推定の詳細な方法は第1の実施形態と同様である。
濃度比記憶部16は、濃度比推定部10によって推定されたテストステロン/コルチゾール濃度比を記憶する。
判定部17は、濃度比推定部10によって推定されたテストステロン/コルチゾール濃度比に基づいて、対象者がオーバートレーニングであるか否かを判定する。
一例では、判定部17は、対象者によるトレーニングの開始後に計測された該対象者の自律神経活動指標値に基づいて、濃度比推定部10によって推定されたテストステロン/コルチゾール濃度比が、第1閾値以下であるか否かを判定する。第1閾値は、トレーニングを中断すべき程度に対象者が疲労していると見込まれる、テストステロン/コルチゾール濃度比である。第1閾値は、例えば、3.5×10−3である。判定部17は、テストステロン/コルチゾール濃度比が第1閾値以下である場合、対象者がオーバートレーニングであると判定する。
他の例では、判定部17は、濃度比推定部10によって、対象者について異なる時間に計測された自律神経活動指標値それぞれに基づいて推定された2つのテストステロン/コルチゾール濃度比のうち、前に計測された濃度比(以下、「前濃度比」という。)に対する、後に計測された濃度比(以下、「後濃度比」という。)に基づいて、対象者がオーバートレーニングであるか否かを判定する。前濃度比は対象者のトレーニング開始前に取得され予め濃度比記憶部16に記憶されているものとし、後濃度比はトレーニング開始後に取得される。
具体的には、判定部17は、後濃度比が推定されると、当該後濃度比の濃度比記憶部16に記憶された前濃度比に対する低下率を算出する。判定部17は、低下率が第2閾値以上であるか否かを判定する。第2閾値は、トレーニングを中断すべき程度に対象者が疲労していると見込まれる低下率であり、例えば、30%である。判定部17は、低下率が第2閾値以上であると判定した場合、対象者がオーバートレーニングであると判定する。
出力部15は、判定部17によって対象者がオーバートレーニングであると判定されると、対象者にトレーニングの中断を提案することを示す中断情報を提示装置5に出力する。中断情報は、例えば、「休憩してください」、「トレーニングを中断してください」という情報である。あるいは、トレーニング開始後の複数の異なる時間についてそれぞれ後濃度比を推定し、後濃度比が推定される度に判定部17による判定処理が行われるものとして出力部15は、判定部17によって対象者がオーバートレーニングであると判定された場合は、中断情報に加えて濃度比推定部10で推定されたテストステロン/コルチゾール濃度比(後濃度比)を提示装置5へ出力し、オーバートレーニングでないと判定された場合は、濃度比推定部10で推定されたテストステロン/コルチゾール濃度比(後濃度比)のみを提示装置5へ出力してもよい。結果として、提示装置5には、トレーニング開始後のテストステロン/コルチゾール濃度比の時間推移が表示され、オーバートレーニングであると判定されると中断情報が重畳して表示されるようになる。
提示装置5は、出力部15から出力された中断情報を提示する。提示装置5は、中断情報をディスプレイに表示してもよいし、中断情報を示す音声をスピーカで出力してもよい。あるいは、提示装置5は、出力部15から出力されたテストステロン/コルチゾール濃度比を時系列的にディスプレイに表示していき、中断情報に対応するテストステロン/コルチゾール濃度比を表示する際に注意を促す視覚効果とともにディスプレイに表示してもよい。視覚効果は、例えば表示画面の背景色の色を変えたり、点滅させたりする視覚効果でもよいし、「トレーニングを中止してください」等のテキストメッセージを表示する視覚効果でもよい。
続いて、濃度比推定装置2による濃度推定方法におけるオーバートレーニングを判定する処理の一例について、図7を参照して説明する。図7は、濃度推定方法におけるオーバートレーニングを判定する処理の一例を示すフローチャートである。
まず、濃度比推定部10により、対象者のテストステロン/コルチゾール濃度比を推定する(ステップS21)。ステップS21における濃度比推定部10による処理の詳細は、第1の実施形態における濃度比推定装置1の処理の詳細と同様である。
次に、判定部17により、テストステロン/コルチゾール濃度比が第1閾値未満であるか否かを判定する(ステップS22)。
ステップS22において、テストステロン/コルチゾール濃度比が第1閾値以上であると判定された場合には、濃度比推定装置2は処理を終了する。
ステップS22において、テストステロン/コルチゾール濃度比が第1閾値未満であると判定された場合には、出力部15により、提示装置5に中断情報を出力する(ステップS23)。なお、提示装置5は、出力部15から出力された中断情報を提示することができる。
次に、濃度比推定装置2による濃度推定方法におけるオーバートレーニングを判定する処理の他の例について、図8を参照して説明する。図8は、オーバートレーニングを判定する処理の他の例を示すフローチャートである。
まず、濃度比推定部10により、トレーニング開始前の対象者のテストステロン/コルチゾール濃度比を推定し、推定した濃度比を前濃度比として濃度比記憶部16に記憶する(ステップS31)。
次に、対象者のテストステロン/コルチゾール濃度比を推定する(ステップS32)。ここで推定されたテストステロン/コルチゾール濃度比を後濃度比とする。ステップS31とステップS32とにおける濃度比推定部10による処理の詳細は、第1の実施形態における濃度比推定装置1の処理の詳細と同様である。
次に、判定部17により、後濃度比と、濃度比記憶部16に記憶された前濃度比を用いて、後濃度比の前濃度比に対する低下率を算出する(ステップS33)
次に、判定部17により、低下率が第2閾値以上であるか否かを判定する(ステップS34)。
ステップS34において、低下率が第2閾値未満であると判定された場合には、濃度比推定装置2はトレーニングが継続されるか否かを判定する(ステップS35)。
ステップS35において、トレーニングが継続される場合はステップS32に戻り、さらに所定時間経過後の後濃度比の推定を行う。トレーニングが継続されない場合は、処理を終了する。
一方、ステップS34において、低下率が第2閾値以上であると判定された場合には、出力部15により、提示装置5に中断情報を出力する(ステップS36)。なお、提示装置5は、出力部15から出力された中断情報を提示することができる。
なお、上述した濃度比推定装置2として機能させるためにコンピュータを好適に用いることができ、そのようなコンピュータは、濃度比推定装置2の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを該コンピュータのデータベースに格納しておき、該コンピュータのCPUによってこのプログラムを読み出して実行させることで実現することができる。
また、プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD−ROMやDVD−ROMなどの記録媒体であってもよい。
以上説明したように、第2の実施形態によれば、対象者の自律神経活動と相関のある自立神経活動指標値に基づいて推定された性ホルモン/コルチゾール濃度比に基づいて、該対象者がオーバートレーニングであるか否かを判定する。そのため、従来のように体液を用いて計測された該比に基づいてオーバートレーニングであるか否かを判定する場合に比べて、迅速に性ホルモン濃度のコルチゾール濃度に対する比を推定することができる。また、自律神経活動指標値は非侵襲的に計測されるため、濃度比推定装置2は、簡易に性ホルモン/コルチゾール濃度比を推定し、これに伴い簡易にオーバートレーニングか否かを判定することができる。
なお、第1実施形態において、濃度比推定装置1は、刺激呈示装置3を刺激呈示部として備えてもよい。この場合、濃度比推定装置1の刺激呈示部が対象者に刺激を呈示する。また、濃度比推定装置1は、計測装置4を計測部として備えてもよい。この場合、濃度比推定装置1の計測部が対象者の指尖脈波を計測する。同様にして、第2の実施形態において、濃度比推定装置2の濃度比推定部10は、刺激呈示装置3を刺激呈示部として備えてもよい。また、濃度比推定部10は、計測装置4を計測部として備えてもよい。
また、第1実施形態において、濃度比推定装置1は、提示装置5を提示部として備えてもよい。この場合、濃度比推定装置1の提示部がコルチゾール濃度を提示する。同様にして、第2の実施形態において、濃度比推定部10は、提示装置5を提示部として備えてもよい。
また、第2の実施形態のオーバートレーニング判定方法において、既に濃度比が記憶されていると判定された場合、濃度比記憶部16が新たに推定された濃度比を記憶せずに、判定部17が後濃度比の前濃度比に対する低下率を算出するとしたが、これに限られない。例えば、濃度比記憶部16は、濃度比推定部10によって推定されるたびに濃度比を記憶してもよい。この場合、判定部17は、濃度比記憶部16に記憶されている複数の濃度比のうち2つの濃度比を抽出する。そして、判定部17は、2つの濃度比のうち、前に計測された指尖脈波に基づいて推定された前濃度比と、後に計測された指尖脈波に基づいて推定された後濃度比とに基づいて、上述のようにオーバートレーニングを判定する。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図9は、第3の実施形態に係る濃度比推定装置3の構成例を示す。図9に示すように、濃度比推定装置3は、濃度比推定部100と、出力部15と、濃度比記憶部16と、判定部17と、低下率記憶部18とを備える。濃度比推定部100は、第1の実施形態の濃度比推定装置1が備える、入力部11と、指標値記憶部12と、演算部13と、推定部14とを備える。なお、第1の実施形態における性ホルモン濃度推定装置1と同様の構成ブロックについては同一の参照符号を付して、適宜、説明を省略する。
本実施形態では、第1の実施形態と同様の方法で推定した「性ホルモン/コルチゾール濃度比」に基づいてトレーニング効果を推定する。既述の通り、トレーニング効果と相関性があるのは性ホルモンの中でも男性ホルモン(テストステロン)であるため、本実施形態の対象者は男性とする。対象者が男性である場合、性ホルモンはテストステロンに相当する。したがって、濃度比推定部100によって推定された性ホルモン/コルチゾール濃度比濃度比は、テストステロン/コルチゾール濃度比に相当する。
判定部17は、推定部14によって推定された、トレーニング開始前の性ホルモン/コルチゾール濃度比(以下、「前濃度比」という)とトレーニング開始から所定時間経過後の性ホルモン/コルチゾール濃度比(以下、「後濃度比」という)の前濃度比に対する低下率を算出する。低下率記憶部18は、判定部17で得た低下率を当該低下率に対応するトレーニング時期を特定する情報とともに記憶する。トレーニング時期を特定する情報とは、例えば該トレーニングを行った日時である。
さらに、判定部17は、異なる2つの時期に行われたトレーニングにおいて推定された濃度比に基づいて対象者のトレーニング効果を判定する。具体的には、判定部17は、低下率記憶部18に記憶された過去に行われたトレーニングについて算出された低下率と、今回のトレーニングにおいて判定部17で算出された低下率とに基づいて対象者のトレーニング効果を判定する。
一例では、判定部17は、過去のトレーニングにおいて算出した低下率を基準とする、今回のトレーニングにおいて算出した低下率の増減値を、トレーニング効果を示す指標として算出する。具体的には、判定部17は、過去のトレーニングについて算出したテストステロン濃度の低下率よりも今回のトレーニングについて算出したテストステロン濃度の低下率のほうが小さいほどトレーニング効果が高いと判定する。低下率が小さくなっているということは、トレーニングの時間経過に伴う疲労度が小さくなっているということであり、疲労しにくくなっているということは、トレーニングにより効果が出ていると推定されるからである。
判定部17は、前回のトレーニングからの差分が大きいほど、トレーニング効果が高くなるようにトレーニング効果を示す指標を算出してもよい。具体的には、判定部17は、前回のトレーニングにおける前濃度比に対する、後濃度比の低下率を第1低下率とし、今回のトレーニングにおける前濃度比に対する、後濃度比の低下率を第2低下率とし、第1低下率よりも第2低下率が小さいときにトレーニング効果が高いと判定する。さらに具体的には、判定部17は、第1低下率と第2低下率の差分が第1値のときのトレーニング効果よりも、第1低下率と第2低下率の差分が第1値よりも大きい第2値のときのトレーニング効果の方が、トレーニング効果が大きくなるように、トレーニング効果を判定する。
あるいは、判定部17は、算出された低下率の差分を所定の閾値と比較し、所定の閾値以上であればトレーニング効果が高いことを示す指標を指標として算出し、所定の閾値以下であればトレーニング効果が低いことを示す指標として算出してもよい。トレーニング効果を示す指標は、数値で示されてもよいし、「高」、「中」、「低」等の段階により示されてもよい。
出力部15は、推定部14によって推定されたトレーニング効果を示す指標を提示装置5に出力する。
提示装置6は、出力部15から出力されたトレーニング効果を示す指標を提示する。提示装置6は、トレーニング効果を示す指標をディスプレイに表示してもよいし、トレーニング効果を示す指標に対応する音声をスピーカで出力してもよい。トレーニング効果を示す指標に対応する音声とは、例えば「トレーニング効果が高いです」である。このような情報をテキストメッセージとして表示する構成としてもよい。
次に、濃度比推定装置3による濃度比推定方法のトレーニング効果を判定する処理の一例について、図10を参照して説明する。図10は、濃度比推定方法のトレーニング効果を判定する処理の一例を示すフローチャートである。
まず、濃度比推定部100が対象者のトレーニング開始前のテストステロン/コルチゾール濃度比とトレーニング開始後(開始から所定時間経過後、例えばトレーニング終了時でもよい)のテストステロン/コルチゾール濃度比を推定する(ステップS41)。推定された濃度比をそれぞれ前濃度比、後濃度比とする。ステップS41において濃度比推定部100が濃度比を推定する方法の詳細は、第1の実施形態における濃度比推定装置1による濃度比推定方法と同様である。
次に、判定部17は、後濃度比の前濃度比に対する低下率を算出し(ステップS42)、トレーニング時期を特定する情報と対応付けて低下率記憶部18に記憶する(ステップS43)。
判定部17は、低下率記憶部18に記憶された過去のトレーニングにおいて算出された低下率と、ステップS42で計算した現在のトレーニングにおいて算出された低下率とに基づいて、トレーニング効果を判定する(ステップS44)。具体的には、判定部17は、過去のトレーニングについて取得したテストステロン/コルチゾール濃度比の低下率よりも今回のトレーニングについて取得したテストステロン/コルチゾール濃度比の低下率の方が小さければ、トレーニング効果が高いと判定する。あるいは、判定部17は、今回のトレーニングについて算出した低下率から過去のトレーニングについて算出した低下率を減じた値(低下率の差分)が大きいほどトレーニング効果が高いと判定する。
次に、出力部15は、ステップS44で判定されたトレーニング効果を提示装置6に出力する(ステップS45)。
以上説明したように、第3の実施形態によれば、トレーニング回ごとの、テストステロン/コルチゾール濃度比の低下率に基づいて、該対象者のトレーニング効果を判定する。そのため、従来のように体液を用いて計測された濃度比に基づいて判定する場合に比べて、迅速にトレーニング効果を判定することができる。また、自律神経活動指標値は非侵襲的に計測されるため、性ホルモン濃度推定装置2は、簡易に濃度比を推定し、これに伴い簡易にトレーニング効果を判定することができる。
上述の実施形態は代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換ができることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
1,2 濃度比推定装置
3 刺激呈示装置
4 計測装置
5 提示装置
10 濃度比推定部
11 入力部
12 指標値記憶部
13 演算部
14 推定部
15 出力部
16 濃度比記憶部
17 判定部
18 低下率記憶部

Claims (15)

  1. コルチゾール濃度に対する性ホルモン濃度の比を推定する濃度比推定装置であって、
    対象者の自律神経活動と相関のある自律神経活動指標値の変化率を算出する演算部と、
    自律神経活動指標値の変化率とコルチゾール濃度に対する性ホルモン濃度の比とが負の相関関係を有するように、前記演算部により算出された変化率から、コルチゾール濃度に対する性ホルモン濃度の比を推定する推定部と、
    を備えることを特徴とする、濃度比推定装置。
  2. 前記対象者に刺激を呈示する刺激呈示部をさらに備え、
    前記演算部は、対象者へ刺激が呈示される前の自律神経活動指標値である呈示前自律神経活動指標値と、前記刺激の呈示中における前記対象者の前記自律神経活動指標値である呈示中自律神経活動指標値とを取得し、前記呈示中自律神経活動指標値の前記呈示前自律神経活動指標値からの変化率を算出することを特徴とする、請求項1に記載の濃度比推定装置。
  3. 前記変化率は、前記呈示中自律神経活動指標値の、前記呈示前自律神経活動指標値の平均値からの差を前記呈示中自律神経活動指標値が計測されている期間で積分した値を前記期間で除した値であることを特徴とする、請求項2に記載の濃度比推定装置。
  4. 前記呈示前自律神経活動指標値と前記呈示中自律神経活動指標値を非侵襲的に計測する計測部をさらに備えることを特徴とする、請求項3に記載の濃度比推定装置。
  5. 前記自律神経活動指標値は、前記対象者の指尖脈波の振幅値であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の濃度比推定装置。
  6. コルチゾール濃度に対する性ホルモン濃度の比を推定する濃度比推定装置であって、
    対象者の情動に変化を与える刺激を、対象者に呈示する刺激提示部と、
    前記刺激が呈示される前の前記対象者の自律神経活動指標値である呈示前自律神経活動指標値と、前記刺激の呈示中における前記対象者の前記自律神経活動指標値である呈示中自律神経活動指標値とを非侵襲的に計測する計測部と、
    前記対象者のコルチゾール濃度に対する性ホルモン濃度の比を推定する推定部と、を備え、
    前記推定部は、前記呈示中自律神経活動指標値の前記呈示前自律神経活動指標値からの変化率が第1値の場合の前記対象者のコルチゾール濃度に対する性ホルモン濃度の比の推定値よりも、前記呈示中自律神経活動指標値の前記呈示前自律神経活動指標値からの変化率が第1値よりも大きい第2値の場合の前記対象者のコルチゾール濃度に対する性ホルモン濃度の比の推定値が小さな値となるように、前記対象者のコルチゾール濃度に対する性ホルモン濃度の比を推定することを特徴とする、濃度比推定装置。
  7. 前記性ホルモン濃度は、テストステロン濃度であって、
    前記比に基づいて前記対象者がオーバートレーニングであるか否かを判定する判定部をさらに備えることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の濃度比推定装置。
  8. 前記判定部は、前記対象者によるトレーニング開始後に計測された前記自律神経活動指標値に基づいて推定された前記比が、第1閾値以下であるか否かを判定し、前記比が前記第1閾値以下である場合に、前記対象者がオーバートレーニングであると判定することを特徴とする、請求項7に記載の濃度比推定装置。
  9. 前記判定部は、前記対象者についてトレーニング開始前に計測された前記自律神経活動指標値それぞれに基づいて推定された2つの前記比のうち、前に計測された前記自律神経活動指標値に基づく比に対する、トレーニング開始後に計測された前記自律神経活動指標値に基づいて算出された前記比の低下率が第2閾値以上であるか否かを判定し、前記低下率が前記第2閾値以上である場合に、前記対象者がオーバートレーニングであると判定することを特徴とする、請求項7に記載の濃度比推定装置。
  10. 前記性ホルモン濃度は、テストステロン濃度であって、
    異なる2つの時期に行われたトレーニングにおいて推定された前記比に基づいて前記対象者のトレーニング効果を判定する判定部をさらに備えることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の濃度比推定装置。
  11. 前記判定部は、前記異なる2つの時期に行われたトレーニングのうち前に行われたトレーニングにおいて、該トレーニング開始前に計測された前記自律神経活動指標値に基づいて推定された前記比に対する、該トレーニング開始後に計測された前記自律神経活動指標値に基づいて推定された前記比の低下率を第1低下率とし、
    前記異なる2つの時期に行われたトレーニングのうち後に行われたトレーニングにおいて、該トレーニング開始前に計測された前記自律神経活動指標値に基づいて推定された前記比に対する、該トレーニング開始後に計測された前記自律神経活動指標値に基づいて推定された前記比の低下率を第2低下率として、
    前記第1低下率よりも前記第2低下率が小さいときにトレーニング効果が高いと判定することを特徴とする請求項10記載の濃度比推定装置。
  12. 前記判定部は、第1低下率と第2低下率の差分が第1値のときのトレーニング効果よりも、第1低下率と第2低下率の差分が第1値よりも大きい第2値のときのトレーニング効果の方が、トレーニング効果が大きくなるように、前記トレーニング効果を判定することを特徴とする請求項10記載の濃度比推定装置。
  13. コルチゾール濃度に対する性ホルモン濃度の比を推定する濃度比推定方法であって、
    対象者の自律神経活動と相関のある自律神経活動指標値の変化率を算出するステップと、
    自律神経活動指標値の変化率とコルチゾール濃度に対する性ホルモン濃度の比とが負の相関関係を有するように、前記算出された変化率から、コルチゾール濃度に対する性ホルモン濃度の比を推定するステップと、
    を含むことを特徴とする、濃度比推定方法。
  14. コルチゾール濃度に対する性ホルモン濃度の比を推定する濃度比推定方法であって、
    対象者の情動に変化を与える刺激を、対象者に呈示するステップと、
    前記刺激が呈示される前の前記対象者の自律神経活動指標値である呈示前自律神経活動指標値と、前記刺激の呈示中における前記対象者の前記自律神経活動指標値である呈示中自律神経活動指標値とを非侵襲的に計測するステップと、
    前記対象者のコルチゾール濃度に対する性ホルモン濃度の比を推定するステップと、を含み、
    前記推定するステップは、前記呈示中自律神経活動指標値の前記呈示前自律神経活動指標値からの変化率が第1値の場合の前記対象者のコルチゾール濃度に対する性ホルモン濃度の比の推定値よりも、前記呈示中自律神経活動指標値の前記呈示前自律神経活動指標値からの変化率が第1値よりも大きい第2値の場合の前記対象者のコルチゾール濃度に対する性ホルモン濃度の比の推定値が小さな値となるように、前記対象者のコルチゾール濃度に対する性ホルモン濃度の比を推定することを特徴とする、濃度比推定方法。
  15. 請求項1か9のいずれか一項に記載の濃度比推定装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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