以下では、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。従って、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態等は、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成要素については同じ符号を付している。
(実施の形態)
以下、実施の形態について、図1から図6を用いて説明する。
図1は、実施の形態に係る布団類収納装置1の構成の一例を示す斜視図である。
図2は、実施の形態に係る布団類収納装置1の構成の一例を示す上面図である。なお、以下では、奥行方向をX軸方向とし、左右方向をY軸方向とし、上下方向をZ軸方向とする。なお、以下では、Y軸方向のことを横方向とも呼ぶ。X軸、Y軸及びZ軸は、互いに直交している。また、以下では、上面図をZ軸プラス方向から見た図とし、側面図をY軸プラス方向から見た図とする。また、図2には、布団類収納装置1をZ軸プラス方向から見たときには見えないスライド用車輪221等(後述する図4A及び図4B参照)を破線で示している。
布団類収納装置1は、布団類を押し入れ又はクローゼット等(以下押し入れ等ともいう)に収納するために用いられる装置であり、布団類収納装置1自体も押し入れ等に収納される。布団類とは、例えば、敷布団、掛け布団、毛布又はシーツ等のことである。布団類収納装置1は、複数の布団掛け棒10と、複数の基台20と、複数の支持棒25と、複数の車輪26とを備える。
複数の布団掛け棒10は、複数の基台20のそれぞれに対応して設けられる。複数の布団掛け棒10のそれぞれは、対応する基台20の上面からコの字状に立設される。布団掛け棒10は、布団掛け部101及び102と、2つの柱状部103とを有する。コの字状とは、上方(Z軸プラス方向)へ延びる2つの柱状部103と、2つの柱状部103の上端で2つの柱状部103を繋ぐようにX軸方向に延びる布団掛け部101とからなる形状である。複数の布団掛け棒10は、2つの柱状部103の下端のみが基台20に接続され、その他の箇所は他の部材に接続されない片持ち構造を有する。複数の布団掛け棒10のそれぞれは、コの字により構成される面が互いに対向するように配置される。言い換えると、複数の布団掛け棒10のそれぞれは、コの字により構成される面同士が平行となるように並立している。布団掛け棒10は、布団掛け部101に加えて、2つの柱状部103の中央付近で2つの柱状部103を繋ぐようにX軸方向に延びる布団掛け部102を有する。2つの柱状部103の高さは、特に限定されず、布団類収納装置1が収納される場所に応じて設計される。例えば、布団類収納装置1が押し入れの下段に収納される場合には、2つの柱状部103の高さは、押し入れの下段の高さよりも低くなるように設計される。また、例えば、布団類収納装置1がクローゼットに収納される場合には、2つの柱状部103の高さは、クローゼットの高さよりも低くなるように設計される。なお、ここでは、複数の布団掛け棒10の高さは、それぞれ同じであるが、同じでなくてもよい。
布団掛け棒10には布団類を掛けることができる。布団掛け棒10が2つの布団掛け部101及び102を有することで、2つの布団類を2段に分けて1つの布団掛け棒10に掛けることができる。また、布団掛け棒10が布団掛け部102を有することで、布団掛け棒10の強度を向上させることができる。布団類は、布団掛け部101又は102においてU字状に折り曲げられて布団掛け棒10に掛けられる。なお、布団掛け棒10は布団掛け部102を有するが、布団掛け部102を有していなくてもよい。また、布団掛け棒10は、3つ以上の布団掛け部を有していてもよい。
複数の基台20は、長尺な板形状(例えばX軸方向に長い板形状)を有し、当該長尺な板形状の短手方向である横方向(Y軸方向)に並べられている。横方向は、言い換えると、基台20の長尺な板形状の長手方向と垂直な方向であり、かつ、当該長尺な板形状の面と平行な方向である。なお、上述したように、複数の布団掛け棒10は、複数の基台20のそれぞれに対応して設けられるため、複数の布団掛け棒10についても、横方向に並べられる。
複数の車輪26は、複数の基台20のうちの少なくとも2つの基台20の下面に設けられる。複数の車輪26は、例えば、複数の基台20のうち、横方向における両端部に位置する2つの基台20(後述する固定基台21)の下面に設けられる。例えば、Y軸プラス側の固定基台21に2つの車輪26が取り付けられ、Y軸マイナス側の固定基台21に2つの車輪26が取り付けられる。これにより、布団類収納装置1を移動させることができ、図3に示されるように、布団類収納装置1を押し入れ等に収納できる。また、複数の車輪26のそれぞれにストッパーが設けられていてもよい。これにより、布団掛け棒10に布団類が掛けられる際に、ストッパーによって複数の車輪26が移動しないようにすることができ、布団掛け棒10に布団類を安定して掛けることができる。
図3は、実施の形態に係る布団類収納装置1が押し入れに収納された状態を示す図である。布団類収納装置1は、布団掛け棒10に布団類を掛けたまま押し入れ等に収納することができ、また、押し入れ等から取り出すことができる。
個々の布団類が幾重かに折り畳んで積み重ねて押し入れ等に収納される場合には、特定の布団類を取り出すために、特定の布団類に重なっている他の布団類をいったん取り出すという手間がかかる。これに対して、布団類収納装置1が使用されることで、布団類収納装置1自体を押し入れ等から取り出し、それぞれ個別に布団掛け棒10に掛けられた複数の布団類のうちから、特定の布団類を容易に取り出すことができる。
また、個々の布団類が幾重かに折り畳んで積み重ねて押し入れ等に収納される場合には、折り畳んで積み重ねられた布団類周辺の通気性が悪く、湿気が溜まりカビが生える等、不衛生となる場合がある。これに対して、布団類収納装置1が使用されることで、それぞれ個別に布団掛け棒10に掛けられた複数の布団類の間の通気性を確保でき、また、各布団類についてもU字状に折り曲げられて布団掛け棒10に掛けられるため、U字状に折り曲げられた布団類の対向する面の間に空間ができ、当該空間においても通気性を確保できる。
また、個々の布団類が幾重かに折り畳んで積み重ねて押し入れ等に収納される場合には、押し入れ等を掃除する際に、全ての布団類を運び出すのに手間がかかる。また、一部の布団類を出し入れする場合であっても、腰をかがめる必要があり重労働となる。特に、旅館等では、布団類を出し入れする回数が膨大となっている。また、シーツ又は毛布は柔らかいため、折り畳まれた状態で運び出すのが難しく、運び出す際に折り畳まれて整えられた形状がくずれてしまうことがある。これに対して、布団類収納装置1が使用されることで、布団掛け棒10に掛けられた布団類を、形状がくずれないまま(言い換えると、布団掛け棒10に掛けられた状態のまま)、腰を何度もかがめることを要さずに即座に運び出すことができる。
また、近年、花粉又はPM(粒子状物質)等の影響を受けないように、布団類を室内で干すことが多くなってきている。これに対して、布団類収納装置1が使用されることで、布団類を掛けたまま布団類収納装置1を窓際等の太陽光の当たる場所に移動させることで、布団類収納装置1を布団類干し装置として利用でき、布団類を簡単に室内で干すことができる。また、布団類周辺の通気性を確保したまま布団類を干すことができる。
複数の基台20のうちの少なくとも1つは、横方向にスライド自在となっているスライド基台22である。例えば、複数の基台20のうち、横方向における両端部に位置する2つの基台20は、スライド自在となっていない固定基台21であり、横方向における2つの基台20(固定基台21)の間に位置する基台20は、スライド基台22である。ここでは、複数の基台20のうち3つがスライド基台22である。なお、スライド基台22の数は、1つ、2つ又は4つ以上であってもよい。なお、固定基台21の上面からコの字状に立設されている布団掛け棒10を固定布団掛け棒11とも呼び、スライド基台22の上面からコの字状に立設されている布団掛け棒10をスライド布団掛け棒12とも呼ぶ。固定布団掛け棒11は、固定基台21に対応して設けられ、スライド布団掛け棒12はスライド基台22に対応して設けられる。スライド基台22がスライドすることで、スライド基台22上に設けられたスライド布団掛け棒12もスライド基台22に合わせてスライドする。
固定基台21は、固定布団掛け棒11を固定するための部材であり、上面に固定布団掛け棒11が接続される。スライド基台22は、スライド布団掛け棒12を固定するための部材であり、上面にスライド布団掛け棒12が接続される。
複数の支持棒25は、横方向に延び、複数の基台20を下方から支持する。例えば、布団類収納装置1は、複数の支持棒25として、4つの支持棒25を備える。4つの支持棒25は、X軸方向に並べられて配置される。4つの支持棒25のうち、X軸方向の両端部に位置する2つの支持棒25(固定棒24とも呼ぶ)は、固定基台21を下方から支持し、また、固定基台21を固定する。2つの固定基台21と2つの固定棒24とが接続されることで、四角形の枠形状が形成される。4つの支持棒25のうち、X軸方向における2つの固定棒24の間に位置する2つの支持棒(レール23とも呼ぶ)は、スライド基台22を下方から支持する。レール23は、一端が一方の固定基台21(例えばY軸プラス側の固定基台21)に接続され、他端が他方の固定基台21(例えばY軸マイナス側の固定基台21)に接続されて、Y軸方向に延びる部材である。レール23は、例えば、円柱形状を有する。
スライド基台22は、複数の支持棒25のうちの1つの支持棒25(例えばレール23)上を転がる少なくとも1つの転がり部材を介して、当該1つの支持棒25(レール23)に支持される。転がり部材は、例えば、スライド用車輪221である。例えば、図2に示されるように、スライド基台22は、複数の支持棒25のうちの1つの支持棒25(レール23)上を移動する2つのスライド用車輪221を介して、当該1つの支持棒25(レール23)に支持される。例えば、2つのスライド用車輪221は、スライド基台22を上面視したときに、スライド基台22を横方向に二等分する仮想線(図2における一点鎖線)に対して対称に設けられる。
また、スライド基台22は、さらに、複数の支持棒25のうちの他の1つの支持棒25(他のレール23)上を移動する少なくとも1つのスライド用車輪221を介して、当該他の1つの支持棒25(他のレール23)に支持されてもよい。つまり、スライド基台22は、2つ以上のレール23に支持され、2つ以上のレール23のそれぞれについて、1つ以上のスライド用車輪221を介して支持されてもよい。スライド用車輪221及びその周辺の部材の構成について、図4A及び図4Bを用いて説明する。
図4Aは、実施の形態1に係るスライド用車輪221の構成の一例を示す上面図である。なお、図4Aでは、車輪固定部222も示している。
図4Bは、実施の形態1に係るスライド用車輪221の構成の一例を示す側面図である。なお、図4Bでは、車輪固定部222及び脱輪抑制部223も示している。
車輪固定部222は、その上面がスライド基台22本体の下面に取り付けられており、また、スライド用車輪221は、車輪固定部222に固定されている。これにより、スライド用車輪221がレール23上を移動することで、スライド用車輪221を固定している車輪固定部222が取り付けられたスライド基台22がレール23に沿ってスライド自在となる。なお、スライド用車輪221がレール23から脱輪しないように、脱輪抑制部223が設けられている。脱輪抑制部223は、車輪固定部222の下面に取り付けられており、レール23の下方(スライド用車輪221が嵌っている側とは反対側)を覆う形状を有する。これにより、スライド用車輪221が脱輪しそうになって、車輪固定部222(スライド基台22)ひいてはスライド布団掛け棒12が傾いたときに、脱輪抑制部223がレール23に引っかかって脱輪を抑制することができる。
スライド用車輪221は、図4A及び図4Bに示されるように、例えば、中央がくびれた形状(ディアボロ(独楽の一種)のような形状)を有する。このくびれた部分がレール23の円柱形状に対応しており、レール23とスライド用車輪221とが嵌って、スライド用車輪221がレール23上をスムーズに移動可能となっている。なお、スライド用車輪221及びレール23の形状は、特に限定されない。例えば、スライド用車輪221がタイヤ形状であってもよく、レール23にスライド用車輪221が嵌るような溝が設けられていてもよい。
なお、布団類収納装置1を構成する各部材の材料は特に限定されない。布団類収納装置1には、ある程度の重量を有する布団類が掛けられるため、各部材は、ある程度の強度を有しているとよく、各部材は、例えば、金属であってもよい。
次に、布団類収納装置1の使用状態について、図5を用いて説明する。
図5は、実施の形態に係る布団類収納装置1の使用状態を説明するための側面図である。図5では、各布団掛け棒10に布団類が掛けられた状態を示している。
図5に示されるように、各布団掛け棒10の間隔d1〜d4が等間隔となっていないことがわかる。これは、スライド布団掛け棒12が設けられたスライド基台22が複数の布団掛け棒10の相互間隔を調整可能とするように、横方向にスライド自在となっているためである。布団類収納装置1のユーザは、スライド布団掛け棒12を手動で操作することで、スライド布団掛け棒12が設けられたスライド基台22をスライドさせ、複数の布団掛け棒10の相互間隔を調整することができる。これにより、布団類の厚みに合わせて間隔を変えて使用することができる。例えば、厚い布団類が掛けられる場合には、間隔d2のように、布団掛け棒10の相互間隔を広くすることができる。
なお、布団類収納装置1は、さらに、紫外線発生器を備えていてもよい。これについて、実施の形態の変形例として、図6を用いて説明する。
図6は、実施の形態の変形例に係る布団類収納装置1の構成の一例を示す斜視図である。
布団類収納装置1は、例えば、複数の布団掛け棒10のうちの少なくとも1つの布団掛け棒10におけるコの字によって囲まれた空間に紫外線を照射する紫外線発生器30を備えていてもよい。例えば、紫外線発生器30は、複数の基台20のうちの少なくとも1つの基台20の上面に設けられてもよい。例えば、布団類収納装置1は、複数の布団掛け棒10のそれぞれに対応するように紫外線発生器30を複数備え、複数の紫外線発生器30は、それぞれ、対応する布団掛け棒10におけるコの字によって囲まれた空間に紫外線を照射する。ここでは、紫外線発生器30を模式的に直方体で示しているが、紫外線発生器30は、ランプ型であってもよいし、LED型であってもよい。コの字によって囲まれた空間とは、2つの柱状部103と、布団掛け部101とで囲まれた空間である。この空間は、布団掛け棒10に布団類が掛けられたときに、布団掛け棒10によってU字状に折り曲げられた布団類の対向する面の間にできる空間となる。
紫外線発生器30は、固定布団掛け棒11については、2つの柱状部103の間における固定基台21の上面に取り付けられ、スライド布団掛け棒12については、2つの柱状部103の間におけるスライド基台22の上面に取り付けられる。なお、紫外線発生器30は、柱状部103に取り付けられて、コの字によって囲まれた空間(側方)に紫外線を照射してもよい。また、紫外線発生器30は、布団掛け部101に取り付けられて、コの字によって囲まれた空間(下方)に紫外線を照射してもよい。
例えば、紫外線発生器30は、タイマーにより自動でオン又はオフする機能を有していてもよい。当該機能は、紫外線発生器30がマイコン等により制御されることで、実現できる。
例えば、紫外線発生器30は、電池駆動であってもよい。押し入れ等にコンセント等の電力を供給する装置がなくても、押し入れ等の中で紫外線発生器30を動作させることができるためである。
以上説明したように、本実施の形態に係る布団類収納装置1は、長尺な板形状を有し、当該長尺な板形状の短手方向である横方向に並べられた複数の基台20と、複数の基台20のそれぞれに対応して設けられた複数の布団掛け棒10と、横方向に延び、複数の基台20を下方から支持する複数の支持棒25と、複数の基台20のうちの少なくとも2つの基台20の下面に設けられた複数の車輪26と、を備える。複数の布団掛け棒10のそれぞれは、対応する基台20の上面からコの字状に立設され、コの字により構成される面が互いに対向するように配置され、複数の基台20のうちの少なくとも1つは、横方向にスライド自在となっているスライド基台22である。
スライド基台22は、横方向、つまり、複数の基台20が並べられた方向にスライド自在となっているため、布団掛け棒10に掛けられる布団類の厚みに応じて、スライド基台22上に設けられた布団掛け棒10(スライド布団掛け棒12)を自在にスライドさせて、複数の布団掛け棒10の相互間隔を自在に調整することができる。このため、様々な厚みの布団類を布団掛け棒10に容易に掛けることができ、また、布団類間の通気性も確保できる。また、布団類収納装置1には車輪26が設けられているため、様々な厚みの布団類を布団掛け棒10に掛けた後は、布団類を布団掛け棒10に掛けたまま布団類収納装置1ごと押し入れ等に収納できる。このように、本実施の形態に係る布団類収納装置1によれば、様々な厚みの布団類を容易に収納できる。
また、スライド基台22は、複数の支持棒25のうちの1つの支持棒25上を転がる少なくとも1つの転がり部材を介して、当該1つの支持棒25に支持されてもよい。
布団掛け棒10には、ある程度の重量を有する布団類が掛けられるため、スライド基台22のスライドに転がり部材を用いない場合と比べて、転がり部材を用いる場合には、スライドをスムーズなものとすることができる。例えば、スライド基台22のスライドに転がり部材を用いないものとして、1つの支持棒25(レール23)の外周に摺動自在に嵌合されるポールを用いて、当該ポールにスライド基台22を取り付けて当該ポールをスライドさせるものが考えられる。この場合、重力方向(Z軸マイナス方向)に布団類の重量による力が働いて、水平方向(Y軸方向)にスライド基台22をスライドさせる際に、当該力によるすべり摩擦がレール23とポールとの間に発生しスライド基台22をスライドしにくくなる。一方で、本実施の形態のように、転がり部材が用いられることで、スライド基台22に働く摩擦を、すべり摩擦よりもはるかに小さい転がり摩擦とすることができる。したがって、スライド基台22のスライドをよりスムーズなものとすることができる。
また、転がり部材は、スライド用車輪221であってもよい。
一般的には、車輪は複雑な機構を有しておらず、簡単に取り外すことができる。このため、スライド基台22をスライドさせるための転がり部材を容易に実現でき、また、布団類収納装置1のメンテナンス又は修理等が容易となる。
また、スライド基台22は、複数の支持棒25のうちの1つの支持棒25上を移動する2つのスライド用車輪221を介して、当該1つの支持棒25に支持されてもよい。
これによれば、スライド基台22が、1つのレール23に対して2つのスライド用車輪221を介して支持されるため、スライド基台22は、2点でレール23に支持されてスライド布団掛け棒12に対して安定した土台となり、スライド布団掛け棒12を安定して起立させることができる。例えば、スライド布団掛け棒12に対して、スライド基台22をスライドさせる方向(水平方向:Y軸方向)に力を掛けた際にスライド布団掛け棒12がぐらつく(傾く)場合のように、スライド布団掛け棒12が安定して起立していない場合、スライド布団掛け棒12が傾いた状態でスライド基台22がスライドすることになる。この場合、例えば水平方向にかけた力は、スライド布団掛け棒12が傾いている分、重力方向(Z軸マイナス方向)の力に変換され、水平方向の力が弱くなってしまい、スライド基台22をスムーズにスライドさせにくくなる。一方で、スライド布団掛け棒12が安定して起立している場合、スライド基台22をスライドさせる際に、スライド布団掛け棒12にかけた力を効率良くスライド基台22をスライドさせるための力に変換することができる。したがって、スライド基台22のスライドをよりスムーズなものとすることができる。
また、2つのスライド用車輪221は、スライド基台22を上面視したときに、スライド基台22を横方向に二等分する仮想線に対して対称に設けられてもよい。
これによれば、スライド基台22がレール23上で支持される点が偏らないため、スライド基台22はスライド布団掛け棒12に対して安定した土台となり、スライド布団掛け棒12を安定して起立させることができる。
また、スライド基台22は、複数の支持棒25のうちの1つの支持棒25上を移動する少なくとも1つのスライド用車輪221を介して、当該1つの支持棒25に支持され、複数の支持棒25のうちの他の1つの支持棒25上を移動する少なくとも1つのスライド用車輪221を介して、当該他の1つの支持棒25に支持されてもよい。
これによれば、スライド基台22が、2つのレール23のそれぞれに対して少なくとも1つのスライド用車輪221によって支えられるため、スライド基台22を安定して起立させることができる。この場合も、スライド基台22をスライドさせる際に、スライド布団掛け棒12にかけた力を効率良くスライド基台22をスライドさせるための力に変換することができ、スライド基台22のスライドをよりスムーズなものとすることができる。特に、スライド基台22が、2つのレール23のそれぞれに対して2つのスライド用車輪221によって支持される場合(例えば、図4A等に示されるように4点で支えられる場合)には、スライド布団掛け棒12をさらに安定して起立させることができ、スライド基台22のスライドをさらにスムーズなものとすることができる。
また、複数の布団掛け棒10は、片持ち構造を有していてもよい。
これによれば、布団掛け棒10は、その下方のみが基台20に接続されており、その上方は、他の部材に接続されていないため、布団類を布団掛け棒10に掛けやすくなる。
また、複数の基台20のうち、横方向における両端部に位置する2つの基台20は、スライド自在となっていない固定基台21であり、横方向における2つの基台の間に位置する基台は、スライド基台22であってもよい。
これによれば、固定基台21に設けられた布団掛け棒10(固定布団掛け棒11)に対して横方向に力をかけても、固定基台21はスライドしない。したがって、布団類収納装置1を移動させる際に、複数の基台20のうちの横方向における両端部に位置する2つの基台20のいずれかに設けられた固定布団掛け棒11に力をかけることで、布団類収納装置1を容易に移動させることができる。
また、布団類収納装置1は、さらに、複数の布団掛け棒10のうちの少なくとも1つの布団掛け棒10におけるコの字によって囲まれた空間に紫外線を照射する紫外線発生器30を備えていてもよい。
例えば、個々の布団類を幾重かに折り畳んで積み重ねて収納された場合、折り畳んで積み重ねられた布団類周辺の通気性が悪く、湿気が溜まりカビが生える等、不衛生となる場合がある。このような場合に、紫外線発生器を押し入れ等に設けたとしても、布団類は折り畳んで積み重ねられているため、局所的にしか布団類を除菌することができない。これに対して、布団掛け棒10に布団類を掛けて収納した場合、布団類はU字状に掛けられることになり、布団掛け棒10のコの字によって囲まれた空間(言い換えると、布団掛け棒10によってU字状に折り曲げられた布団類の対向する面の間の空間)が存在する。布団掛け棒10がコの字状であることでできる当該空間に対して、紫外線発生器30から紫外線を照射することで、布団類を広範囲にわたって除菌することができる。つまり、布団掛け棒10がコの字状であることでできる当該空間を紫外線による除菌のために有効に活用することができる。例えば、紫外線発生器30を動作させて、布団類収納装置1に布団類を掛けることで、天気又は季節等に関わらず屋内で布団類を干しながら、紫外線発生器30による紫外線によって、カビ、ダニ及び細菌等のハウスダストを除菌することができる。また、紫外線によって、数秒単位でハウスダストを除菌できるため、屋内で布団類を干しながらハウスダストを短時間で除菌することができる。
また、紫外線発生器30は、複数の基台20のうちの少なくとも1つの基台20の上面に設けられてもよい。
人が布団類を使用するとき(例えば、寝るために使うとき)、布団類は、人の頭が位置する箇所及び人の足が位置する箇所が汚れやすい。言い換えると、布団類の両端が汚れやすい。これに対して、布団掛け棒10に布団類を掛けて収納した場合、布団類はU字状に掛けられることになり、布団類の両端は、基台20付近の基台20上方に位置することになる。そこで、紫外線発生器30が基台20に設けられることで、汚れやすい布団類の両端を効果的に除菌することができる。
また、布団類収納装置1は、複数の布団掛け棒10のそれぞれに対応するように紫外線発生器30を複数備え、複数の紫外線発生器30は、それぞれ、対応する布団掛け棒10におけるコの字によって囲まれた空間に紫外線を照射してもよい。
これによれば、複数の布団掛け棒10のそれぞれごとに、掛けられた布団類を紫外線発生器30によって除菌することができる。
また、紫外線発生器30は、タイマーにより自動でオン又はオフする機能を有していてもよい。
これによれば、布団類収納装置1を用いて押し入れ等に収納された布団類の除菌を特定の時刻に紫外線発生器30を自動でオンして行ったり、紫外線発生器30を自動でオフして除菌を終了したりすることができる。例えば、紫外線発生器30のオフのし忘れを抑制でき、また、押し入れ等の中の布団類収納装置1に設けられた紫外線発生器30をわざわざオンしにいく手間を省くことができる。
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態に係る布団類収納装置1について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、転がり部材がスライド用車輪221である例について説明したが、転がり部材はスライド用車輪221でなくてもよい。例えば、転がり部材は、ベアリングボールであってもよい。例えば、レール23は、横方向(Y軸方向)に溝が形成された板形状を有していてもよく、複数のベアリングボールが溝内を転がるように溝に配置されていてもよい。例えば、スライド基台22は、スライド基台22の下面が複数のベアリングボールに接触しながら、複数のベアリングボールを介してスライドする。例えば、スライド基台22が複数設けられる場合には、レール23には、スライド基台22ごとに複数のベアリングボールが設けられる。
例えば、上記実施の形態では、転がり部材によって、スライド基台22がスライド自在となっていると説明したが、スライド基台22をスライド自在とするための機構はこれに限らない。
また、例えば、上記実施の形態では、布団類収納装置1は、2つのレール23を有すると説明したが、1つのレール23のみを有していてもよい。
また、例えば、上記実施の形態では、布団類収納装置1は、複数の布団掛け棒10のそれぞれに対応するように紫外線発生器30を複数備えていてもよいと説明したが、複数の布団掛け棒10のうちの一部の布団掛け棒10に対応するように紫外線発生器30を備えていてもよい。つまり、複数の布団掛け棒10のそれぞれごとに紫外線発生器30が設けられていなくてもよい。
また、例えば、上記実施の形態では、紫外線発生器30は、タイマーにより自動でオン又はオフする機能を有していてもよいと説明したが、タイマーにより自動でオン又はオフする機能を有していなくてもよい。
また、例えば、布団類収納装置1は、複数の車輪26を回転させるための電動機(モータ等)を備えていてもよい。例えば、布団類収納装置1は、電動アシスト機能を有していてもよい。この場合、人が布団類収納装置1を移動させる際に、あまり力をかけなくても容易に布団類収納装置1を移動させることができる。
また、例えば、布団類収納装置1は、スライド基台22をスライド自在とさせるための電動機(モータ等)を備えていてもよい。例えば、電動機によって、スライド基台22自体が移動させられたり、スライド用車輪221が回転させられたりしてもよい。例えば、スライド布団掛け棒12に重い布団類が掛けられた場合であっても、当該電動機によって、人の手を介さず容易にスライド基台22をスライドさせることができる。
その他、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。