JP6620456B2 - 情報処理システム、情報処理装置、ウェアラブル装置、及び、情報処理方法 - Google Patents

情報処理システム、情報処理装置、ウェアラブル装置、及び、情報処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、情報処理システム、情報処理装置、端末装置、及び、情報処理方法に関する。
従来、災害発生時、携帯端末利用者が所有する携帯端末への入力により、携帯端末利用者の安否を判定し、救援機関にメッセージを送信するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−84167号公報
特許文献1記載のシステムは、利用者の身体情報を取得していないので、利用者毎の最適な情報を提供することができない。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、利用者の身体情報を取得し、利用者毎の最適な情報を提供し、効率よく利用者を支援できる情報処理システム、情報処理装置、端末装置、及び、情報処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の情報処理システムは、ユーザーが利用する端末装置、及び、前記端末装置と通信可能な情報処理装置を備え、前記端末装置は、前記ユーザーの身体情報を取得する身体情報取得部と、前記端末装置の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、前記身体情報取得部により取得された身体情報と前記位置情報取得部が取得した位置情報とを含むユーザー情報を前記情報処理装置に送信するユーザー情報送信部と、を有し、前記情報処理装置は、前記端末装置が送信する前記ユーザー情報を受信するユーザー情報受信部と、前記ユーザー情報受信部により受信する前記ユーザー情報に基づき、前記ユーザーに提供する誘導サービス情報を生成する誘導サービス情報生成部と、前記誘導サービス情報生成部が生成する前記誘導サービス情報を前記端末装置に送信する誘導サービス情報送信部と、を有すること、を特徴とする。
本発明によれば、ユーザーの端末装置に対して、端末装置の位置、及び、ユーザーの身体情報を加味して生成される誘導サービス情報を送信できる。これにより、ユーザーに対して適切な誘導サービス情報を提供でき、多数のユーザーに対しても速やかに、効率よく支援できるという利点がある。例えば、災害発生時など避難や救難が必要とされる場合に、ユーザーを避難場所等に案内し誘導する誘導サービス情報を、提供できる。
また、本発明は、上記情報処理システムにおいて、前記誘導サービス情報は、前記ユーザーを所定の誘導場所に誘導するための情報であり、前記ユーザーの前記身体情報に応じて、前記誘導場所が変更されるように構成されていること、を特徴とする。
本発明によれば、誘導サービス情報により、ユーザーを、例えば、災害発生時の避難場所等、誘導場所に誘導することができる。誘導サービス情報は、誘導場所をユーザーの身体情報に応じて変更される構成であるため、ユーザーの身体情報に対応して適切な誘導を行うことができる。
また、本発明は、上記情報処理システムにおいて、前記端末装置は、前記ユーザーの身体に接触する生体接触部を備え、前記身体情報取得部は、前記生体接触部を介して生体情報を検出し、検出した前記生体情報を前記身体情報として取得し、前記情報処理装置が有する前記誘導サービス情報生成部は、前記ユーザー情報受信部により受信する前記ユーザー情報に含まれる前記身体情報に基づき前記誘導サービス情報を生成すること、を特徴とする。
本発明によれば、ユーザーの生体情報が端末装置から情報処理装置に送信され、生体情報に基づき誘導サービス情報が生成される。このため、ユーザーの身体の状態を反映した誘導サービス情報を、ユーザーに提供できる。また、端末装置のユーザーの身体の状態に関する情報を、情報処理装置で収集することができ、例えば災害発生時における人的被害の規模や状況の把握に有用な情報を得ることができる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、ユーザーが利用する端末装置と通信可能な情報処理装置であって、前記端末装置から、前記端末装置の位置を示す位置情報、及び、前記ユーザーの身体情報を含むユーザー情報を受信するユーザー情報受信部と、前記ユーザー情報受信部により受信する前記ユーザー情報に基づき、前記ユーザーに提供する誘導サービス情報を生成する誘導サービス情報生成部と、前記誘導サービス情報生成部が生成する前記誘導サービス情報を前記端末装置に送信する誘導サービス情報送信部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、ユーザーの端末装置に対して、端末装置の位置、及び、ユーザーの身体情報を加味して生成される誘導サービス情報を送信できる。これにより、ユーザーに対して適切な誘導サービス情報を提供でき、多数のユーザーに対しても速やかに、効率よく支援できるという利点がある。例えば、災害発生時など避難や救難が必要とされる場合に、ユーザーを避難場所等に案内し誘導する誘導サービス情報を、提供できる。
また、本発明は、上記情報処理装置において、前記端末装置を他の前記端末装置に関連付ける端末装置関連情報を有し、前記誘導サービス情報生成部は、前記端末装置に対応する前記誘導サービス情報に、前記端末装置関連情報により前記端末装置に関連付けられる他の前記端末装置に関する情報を含めること、を特徴とする。
本発明によれば、端末装置のユーザーに対して、関連付けられた他の端末装置のユーザーに関する情報を提供できる。
また、本発明は、上記情報処理装置において、前記誘導サービス情報生成部は、前記ユーザー情報受信部により前記端末装置から受信する前記ユーザー情報に基づいて、他の前記端末装置に対応する前記誘導サービス情報を生成すること、を特徴とする。
本発明によれば、端末装置のユーザーに対して、関連付けられた他の端末装置のユーザーの状況を反映した誘導サービス情報を提供できる。
また、本発明は、上記情報処理装置において、前記誘導サービス情報生成部は、前記情報処理装置用に定められた形態の位置情報を含む前記誘導サービス情報を生成すること、を特徴とする。
本発明によれば、端末装置が送信する位置情報に基づいて生成する誘導サービス情報に、情報処理装置用の形態の位置情報を含ませて端末装置に送信できる。このため、情報処理装置と端末装置の両方で、端末装置が送信する位置情報とは異なる形態の位置情報を、ユーザーの誘導に関する情報提供に利用できる。従って、端末装置が検出する位置情報の仕様の制約を受けることなく、ユーザーを誘導する情報提供に適した位置情報を使用できる。
また、本発明は、上記情報処理装置において、前記誘導サービス情報送信部は、前記端末装置に送信する誘導サービス情報を、予め指定される他の送信先に送信すること、を特徴とする。
本発明によれば、ユーザーに対して提供する誘導サービス情報を、避難先の施設に設定される装置や、救援を担当する機関が使用する装置等に提供することができ、誘導サービス情報をより効果的に活用できる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、情報処理装置と通信可能に接続される端末装置であって、前記端末装置のユーザーの身体情報を取得する身体情報取得部と、前記端末装置の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、前記身体情報取得部により取得された身体情報と前記位置情報取得部が取得した位置情報とを含むユーザー情報を前記情報処理装置に送信するユーザー情報送信部と、前記ユーザー情報送信部により送信する前記ユーザー情報に対応して、前記情報処理装置から送信される誘導サービス情報を受信する誘導サービス情報受信部と、前記ユーザーの身体に接触する生体接触部と、を備え、前記生体接触部が前記ユーザーの身体と接触した状態で利用可能に構成されること、を特徴とする。
本発明によれば、ユーザーの端末装置に対して、端末装置の位置、及び、ユーザーの身体情報を加味して生成される誘導サービス情報を送信できる。これにより、ユーザーに対して適切な誘導サービス情報を提供でき、多数のユーザーに対しても速やかに、効率よく支援できるという利点がある。例えば、災害発生時など避難や救難が必要とされる場合に、ユーザーを避難場所等に案内し誘導する誘導サービス情報を、提供できる。
また、本発明は、上記端末装置において、前記身体情報取得部は、前記生体接触部を介して生体情報を検出し、検出した前記生体情報を前記身体情報として取得すること、を特徴とする。
本発明によれば、ユーザーの身体に接触して検出される生体情報が端末装置から情報処理装置に送信され、生体情報に基づき誘導サービス情報が生成される。このため、ユーザーの身体の状態を反映した誘導サービス情報を、ユーザーに提供できる。また、この端末装置を情報処理装置と組み合わせて情報処理システムを構成した場合、端末装置のユーザーの身体の状態に関する情報を収集することができ、例えば災害発生時における人的被害の規模や状況の把握に有用な情報を得ることができる。
また、本発明は、上記端末装置において、前記ユーザーの身体に関する身体特徴情報を記憶する端末記憶部を備え、前記身体情報取得部は前記端末記憶部が記憶する身体特徴情報をもとに前記身体情報を取得すること、を特徴とする。
本発明によれば、ユーザーの身体に関する身体特徴情報を予め端末装置が記憶することにより、この身体特徴情報を反映した誘導サービス情報を、ユーザーに提供できる。例えば、身体特徴情報が、医療に関する情報を含む場合、個々のユーザーの医療に関するニーズに適した誘導サービス情報を、ユーザーに提供できる。
また、本発明は、上記端末装置において、前記位置情報取得部は、前記端末装置の位置を検出し、検出した位置を示す位置情報を生成すること、を特徴とする。
本発明によれば、端末装置の最新の位置を示す位置情報を情報処理装置に送信できるので、より適切な誘導サービス情報を、ユーザーに提供できる。
また、本発明は、上記端末装置において、前記誘導サービス情報受信部により受信する誘導サービス情報を表示する端末表示部を備え、前記端末表示部は、前記誘導サービス情報に含まれる位置情報を、前記情報処理装置用に定められた形態の位置情報として表示すること、を特徴とする。
本発明によれば、端末装置が送信する位置情報とは異なる形態の位置情報を、ユーザーの避難に関する情報提供に利用できる。従って、端末装置が検出する位置情報の仕様の制約を受けることなく、誘導場所に関する情報提供に適した位置情報を使用できる。
また、本発明は、上記端末装置において、電力を発生する発電部、及び、前記発電部で発生する電力を少なくとも前記ユーザー情報送信部及び前記誘導サービス情報受信部に供給する電力供給部を備えること、を特徴とする。
本発明によれば、端末装置が電力不足により停止する事態を回避し、災害時等における端末装置の可用性を高めることができる。
また、本発明は、上記端末装置において、前記端末装置の動きを検出する動き検出部を備え、前記ユーザー情報送信部は、前記動き検出部の検出結果を前記情報処理装置に送信すること、を特徴とする。
本発明によれば、端末装置を所持するユーザーに関する状態を、端末装置の動きに基づき間接的に検出することができ、このユーザーの状態を反映した誘導サービス情報を、ユーザーに提供できる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、ユーザーが利用する端末装置、及び、前記端末装置と通信可能な情報処理装置を用いる情報処理方法であって、前記端末装置により、前記ユーザーの身体情報を取得し、前記端末装置の位置を示す位置情報を取得し、前記身体情報と前記位置情報とを含むユーザー情報を前記情報処理装置に送信し、前記情報処理装置により、前記端末装置が送信する前記ユーザー情報を受信し、前記ユーザー情報に基づき、前記ユーザーに提供する誘導サービス情報を生成し、前記誘導サービス情報を前記端末装置に送信すること、を特徴とする。
本発明によれば、ユーザーの端末装置に対して、端末装置の位置、及び、ユーザーの身体情報を加味して生成される誘導サービス情報を送信できる。これにより、ユーザーに対して適切な誘導サービス情報を提供でき、多数のユーザーに対しても速やかに、効率よく支援できるという利点がある。例えば、災害発生時など避難や救難が必要とされる場合に、ユーザーを避難場所等に案内し誘導する誘導サービス情報を、提供できる。
また、上述した情報処理装置、端末装置がコンピューターを用いて構築される場合、上記形態は、その機能を実現するためのプログラム、あるいは当該プログラムを前記コンピューターで読み取り可能に記録した記録媒体等の態様で構成することも可能である。また、上記の情報処理方法は、情報処理方法を情報処理装置及び端末装置が実行するためのプログラムとして構成することができ、当該プログラムを前記コンピューターで読み取り可能に記録した記録媒体等の態様で構成することも可能である。記録媒体としては、フレキシブルディスクやHDD(Hard Disk Drive)、CD?ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、Blu?ray(登録商標) Disc、光磁気ディスク、不揮発性メモリーカード、画像表示装置の内部記憶装置(RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の半導体メモリー)、および外部記憶装置(USB(Universal Serial Bus)メモリー等)等、前記コンピューターが読み取り可能な種々の媒体を利用できる。
第1実施形態に係る誘導システムを示す図。 誘導システムの各装置の機能ブロック図であり、(A)はウェアラブル装置の機能ブロック図を示し、(B)はゲートウェイ装置の機能ブロック図を示す。 誘導システムの避難誘導サーバーの機能ブロック図。 UTMグリッド地図の一例を示す図。 UTMグリッド座標を説明する図であり、(A)はUTMグリッド座標と緯度・経度との関係を示し、(B)はUTMグリッド座標の構造を示す。 誘導システムの動作を示すフローチャート。 避難誘導サーバーの動作を示すフローチャート。 ウェアラブル装置における誘導サービス情報の表示例を示す図。 第2実施形態における誘導システムの動作を示すフローチャート。
[第1実施形態]
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明を適用した第1実施形態の誘導システム1(情報処理システム)の概略構成を示す図である。誘導システム1は、ユーザー7が装着するウェアラブル装置2(端末装置)、及び、ウェアラブル装置2と通信可能に接続される避難誘導サーバー5(情報処理装置)とを含む。ウェアラブル装置2と避難誘導サーバー5とは、後述するように相互にデータ通信可能であり、誘導システム1は、ユーザーに対し、避難誘導に役立つ情報を避難誘導サーバー5によって提供するシステムである。
ウェアラブル装置2は、ユーザー7が所持、或いは、身体または衣服を介して装着する端末装置であり、比較的小型の装置である。誘導システム1では、一人のユーザー7に対し1台のウェアラブル装置2が利用されることを想定する。
ウェアラブル装置2は、後述するように、現在位置を取得可能な位置取得機能、及びゲートウェイ装置3と近距離通信可能な通信機能を少なくとも具備する携帯型情報処理装置である。本実施形態では、ウェアラブル装置2が、ユーザー7の手首に装着可能な腕時計型であり、近年着目されるIoT(Internet of Things)に分類される装置である。
なお、ウェアラブル装置2の別態様としては、メガネ型、指輪型、又は衣服型などのユーザー7が装着可能な携帯型情報処理装置を広く適用可能である。
また、ウェアラブル装置2は、ユーザー7の身体に関する情報であって、医学的または生理学的な事柄に関する身体情報を取得する機能を有する。身体情報は、ユーザー7を避難場所に誘導する場合の避難場所の選定、及び/又は、ユーザー7の現在位置から避難場所までの避難経路の選定に影響を与える情報であって、ユーザー7本人の身体に由来する情報である。
本実施形態において、身体情報は、ウェアラブル装置2により計測、検出あるいは取得される情報を含む。例えば、ウェアラブル装置2が使用者の身体に対し計測または検出処理を行って得られるバイタル情報を含む。バイタル情報は、ユーザー7の身体に対する直接的または間接的な計測または検出により得られる情報を含み、生体情報(bio-information)、生体に関する医学的情報(medical-information)とも呼ぶことができる。より具体的には、バイタル情報は、狭義のバイタルサイン(脈拍、血圧、血中酸素濃度、体温)であってもよく、脳波、体脂肪率、血液型等を含む広義のバイタルサインであってもよい。
また、身体情報は、ウェアラブル装置2が過去に計測または検出したバイタル情報から統計的に得られる標準値または参考値を含んでもよい。また、身体情報は、ユーザー7の身体に対する計測または検出により得られる情報に限らず、例えば、位置情報から算出される使用者の移動速度を含んでもよい。
また、ウェアラブル装置2が取得する身体情報は、ウェアラブル装置2により計測、検出される情報の他、予め設定または入力される身体特徴情報を含んでもよい。身体特徴情報は、ユーザー7個人に関する情報であって、ユーザー7の身体(生体)、健康、医療に関する情報であれば、特に制限されない。例えば、ユーザーの身体(生体)に関する情報として、年齢、性別、身長、体重、体脂肪率、血液型等が挙げられる。また、身体特徴情報は、ユーザーが罹患している疾患(疾病)あるいは治療中の疾患に関する情報を含んでもよい。また、これらの疾病または既往症に対する治療内容に関する治療情報を含んでもよい。治療情報は、過去の治療または現在の治療により生じた身体的な特徴に関する治療情報等を含んでもよい。また、身体特徴情報は、ユーザーの障害あるいは既往症に関する情報を含んでもよい。治療情報は、例えば、ユーザーが継続的に必要とする治療(例えば、人工透析)に関する情報を含んでもよく、薬歴に関する情報を含んでもよい。また、治療情報は、例えば、心臓ペースメーカー、人工関節、人工肛門、整形外科治療用のボルトやプレート、クリップ、血管内ステント、人工水晶体等の身体内装具に関する情報、及び、体外に装着される装具に関する情報を含んでもよい。
誘導システム1を利用可能なユーザー7の数に特に制限はなく、複数のユーザー7が誘導システム1を使用できる。本実施形態では、2人のユーザー7(ユーザー7A、7B)が、それぞれウェアラブル装置2A、2Bを装着する場合を例示する。この場合、ユーザー7Aとユーザー7Bとを総称してユーザー7と呼び、ウェアラブル装置2Aとウェアラブル装置2Bとを総称してウェアラブル装置2と呼ぶ。
また、ユーザー7A、7Bは、それぞれ、ゲートウェイ装置3A、3Bを所持する。ゲートウェイ装置3A、3Bは、後述するようにスマートフォンや無線ルーター装置等の携帯型の装置であって無線通信機能を有する。ゲートウェイ装置3A、3Bを総称してゲートウェイ装置3と呼ぶ。
ウェアラブル装置2と避難誘導サーバー5とは、通信ネットワーク4を介して相互に通信を行う。通信ネットワーク4は、公衆回線網や専用線を含む広域通信回線により構成され、インターネット等のオープンなネットワークとすることができ、その一部または全部をクローズドなネットワークとしてもよい。通信ネットワーク4は、電話会社や携帯電話会社(通信キャリア)等の企業あるいは団体が設置するゲートウェイ装置、サーバー装置、ルーター装置等の図示しないネットワーク設備を含んでもよい。
本実施形態において、避難誘導サーバー5は、上述した通信設備等を介して通信ネットワーク4に接続される。
また、ウェアラブル装置2は、通信ネットワーク4に接続する中継装置4a、4bとの間で無線通信を実行することにより、通信ネットワーク4を介して避難誘導サーバー5に接続する。ウェアラブル装置2は、中継装置4a、4bと直接、無線通信を行ってもよいが、本実施形態では、ゲートウェイ装置3を介して中継装置4a、4bと通信する。
ゲートウェイ装置3は、ウェアラブル装置2と、通信ネットワーク4に接続された各装置(避難誘導サーバー5と災害通報サーバー6を含む)との間の通信を中継する装置である。ゲートウェイ装置3は、ウェアラブル装置2と近距離通信し、且つ、通信ネットワーク4に接続された装置と通信する通信機能、及び現在位置を取得可能な位置取得機能を少なくとも具備する。
図1には、ゲートウェイ装置3として、移動通信網を介して通信ネットワーク4にアクセス可能で、且つ、ユーザー7が携帯するスマートフォン(携帯型通信端末)を使用した場合を示す。
ユーザー7Aが所持するウェアラブル装置2Aとゲートウェイ装置3Aとは、近距離無線通信を実行する。ゲートウェイ装置3Aは、ウェアラブル装置2Aに対し、中継装置4aとゲートウェイ装置3Aとの間で形成される無線通信回線を提供する中継装置として機能する。このゲートウェイ装置3Aの機能によって、ウェアラブル装置2Aは、通信ネットワーク4に接続される避難誘導サーバー5等の各種装置との間でデータ通信を行える。ウェアラブル装置2Bについても同様に、中継装置4aに接続するゲートウェイ装置3Bが、ウェアラブル装置2Bに対して中継装置として動作する。
なお、ゲートウェイ装置3の別態様は以下の通りである。ゲートウェイ装置3は、スマートフォン以外の携帯型の通信装置、例えば、携帯電話機、又は無線ルーター等でも良い。また、ゲートウェイ装置3が、移動型の通信端末(例えば、飛行船又はドローン等の飛行物体、道路等を走行する車両)でも良いし、地面や建築物に固定設置される固定型の通信端末でも良い。また、これら移動型又は固定型の通信端末が、無線通信網の一部を構成する基地局でも良い。例えば、移動型の基地局は、飛行船又はドローン(無人飛行装置)として形成され、災害時等に災害エリアで使用され、移動通信網の復旧に利用され、また、無線LAN等の近距離通信エリアを適宜に構築可能である。固定型の基地局は、例えば、ビルの各階に設置され、無線LAN等の近距離通信エリアを適宜に構築できる。
また、ウェアラブル装置2が、中継装置4a、4bと無線通信を実行可能な通信機能を有する場合、ウェアラブル装置2Aと中継装置4a、ウェアラブル装置2Bと中継装置4bとがそれぞれ直接通信を行ってもよい。この場合、ウェアラブル装置2は、ゲートウェイ装置3の中継機能を利用せず、通信ネットワーク4を介して避難誘導サーバー5と通信を実行でき、ユーザー7はゲートウェイ装置3を所持しなくても本実施形態の機能を利用できる。
本実施形態において、近距離通信部15は、ユーザー情報送信部、及び、誘導サービス情報受信部に相当する。ゲートウェイ装置3がウェアラブル装置2の通信を中継する場合、近距離通信部15とゲートウェイ装置3(特に、ゲートウェイ装置3の通信部22及び近距離通信部25)とが協働して、ユーザー情報送信部、及び、誘導サービス情報受信部に相当するといえる。
誘導システム1は、通信ネットワーク4に通信接続される避難誘導サーバー5、災害通報サーバー6、及び避難施設端末8を備える。
避難誘導サーバー5は、災害が発生した場合に災害応急対策を行う防災機関に属するサーバーであり、ユーザー7を含む多数のユーザーに対し、通信ネットワーク4を含む通信網を介して避難誘導に役立つ情報を提供するサービス提供サーバーである。
誘導システム1が対象とする災害は、避難の必要が生じる災害であり、地震、風水害、及び火山噴火等の自然災害に限らず、戦争及びテロ等の人災、火災、及び遭難等の災害を含む。なお、列挙した全ての災害を対象とする場合に限らず、いずれか一つ以上を対象とした誘導システムでも良い。
誘導システム1は、避難誘導サーバー5によって、ユーザー7に対して誘導サービス情報を提供する。誘導サービス情報は、ユーザー7を誘導する情報であり、例えば、誘導する先の場所や位置を示す情報と、誘導する先までの経路、道順、移動手段等に関する情報とを含む。誘導サービス情報は、例えば、ユーザー7が避難をする場合、或いは、ユーザー7を避難させるために誘導する情報とすることができる。この場合、誘導サービス情報は、避難すべき避難先、及び、避難先までの避難経路を案内する情報を含む。避難誘導サーバー5が提供する誘導サービス情報は、全てのユーザー7に共通する情報であってもよいが、本実施形態では、避難誘導サーバー5がユーザー7A、7Bのそれぞれの状態に対応する誘導サービス情報を生成する。また、誘導サービス情報は、避難以外の目的でユーザー7を誘導する情報とすることも、勿論可能である。
災害通報サーバー6は、災害発生を通報する災害通報システムに属する通報サーバーであり、通信ネットワーク4を含む通信網を介して災害発生を報知する。例えば、災害通報サーバー6は、気象庁が配信する緊急地震速報及び津波情報、及び、国・地方公共団体が配信する災害・避難情報等を配信する。避難誘導サーバー5が上記の各種情報を配信する配信先は特に制限されず、本実施形態では少なくとも災害通報サーバー6を配信先とする。避難施設端末8は、ユーザー7が避難する避難先として利用可能な施設(避難施設)に設置される端末装置であり、例えば、避難施設を運営する職員等が使用できる。
図2は誘導システム1の各装置の機能構成を示すブロック図である。図2(A)はウェアラブル装置2の機能ブロック図であり、図2(B)はゲートウェイ装置3の機能ブロック図である。ウェアラブル装置2A、2Bは同一の構成を有し、ゲートウェイ装置3A、3Bも同様である。
ウェアラブル装置2は、制御部11、センサー部12、入力部13、記憶部14、近距離通信部15、表示部16、音声出力部17、及び位置取得部18を備える。
制御部11は、図示しないCPU、ROM及びRAM等を有するコンピューター構成を具備する。制御部11は、ROMに記憶した基本制御プログラム、及び、記憶部14に記憶するプログラムを実行することにより、各部の制御や演算処理を中枢的に行う情報処理部として機能する。
センサー部12(身体情報取得部)は、接触センサー12a及び動きセンサー12bを有する。接触センサー12a(生体接触部)は、装着者であるユーザー7のバイタル情報等を取得するセンサーを有する。本実施形態では、接触センサー12aは、ユーザー7の身体に接触して上述したバイタル情報の検出あるいは計測を行う。具体的には、ユーザー7の皮膚に接触して、バイタルサイン(脈拍、血圧、血中酸素濃度、体温等)を検出する。接触センサー12aは、例えば、ユーザー7の皮膚に対して光を照射し、光の吸収または反射に関する測定を行うことにより、脈拍や血中酸素濃度を検出する。最も単純な例としては、接触センサー12aはユーザー7の脈拍を検出する。また、接触センサー12aは温度センサーを備え、ユーザー7の体温を検出してもよい。また、接触センサー12aはユーザー7の脳波を検出する脳波センサーを具備してもよい。このように、接触センサー12aは、光センサーや温度センサーとして構成してもよいし、複数のセンサーを具備するセンサーユニットとしてもよい。
動きセンサー12b(動き検出部)は、ウェアラブル装置2の動きを検出するセンサーであり、例えば、加速度を検出する加速度センサー(重力センサーを含む)、角速度を検出する角速度センサーが挙げられる。また、動きセンサー12bは、地磁気を検出する地磁気センサー(方位センサーとも称する)であってもよい。また、動きセンサー12bは、加速度センサー、角速度センサー、及び地磁気センサーのうち2以上を統合した慣性センサーユニットとして構成してもよい。また、動きセンサー12bは気圧を検出する気圧センサー(高度センサーとも称する)を備えてもよい。
入力部13は、不図示の操作スイッチ、及び表示部16に設けられたタッチパネル等を備え、ユーザー7の操作を検出することにより、ユーザー7の指示を入力する。
記憶部14は、ウェアラブル装置2が各種処理を行うために必要な制御プログラムやデータを不揮発的に記憶する装置である。
近距離通信部15は、制御部11の制御の下、ゲートウェイ装置3等と近距離無線通信する装置であり、本実施形態では、Bluetooth(登録商標)、無線LAN、或いはZigBee(登録商標)の規格に従って通信する。
表示部16(端末表示部)は、液晶パネル又は有機EL(Electro-Luminescence)パネル、電子ペーパー等の表示デバイスを有し、制御部11の制御の下、ユーザー7等に対して各種の情報を表示する。音声出力部17は、アンプ及びスピーカーを有し、制御部11の制御の下、ユーザー7等に対して各種の音声を出力させる。
位置取得部18(位置情報取得部)は、ウェアラブル装置2の現在位置を示す位置情報を取得する。位置取得部18は、例えば、GPS(Global Positioning System)を利用して現在位置を検出し、位置情報を生成する。この場合、位置取得部18は、不図示のGPSアンテナを介してGPS衛星からの電波を受信し、緯度及び経度からなる現在位置を演算により取得する。なお、位置取得部18が位置を検出する構成を具備していなくてもよい。例えば、位置取得部18は、近距離通信部15によってゲートウェイ装置3が検出するゲートウェイ装置3の現在位置を取得してもよい。ウェアラブル装置2とゲートウェイ装置3はユーザー7が所持する端末であって、近距離通信部15で通信可能な距離に位置するので、ゲートウェイ装置3が検出する位置をウェアラブル装置2の位置とみなすことができる。
記憶部14は、位置検出ログ14a、センサー検出ログ14b、身体情報14c、ユーザー情報14d、及び、誘導サービス情報14eを記憶する。
位置検出ログ14aは、位置取得部18が検出または取得する位置のログである。位置検出ログ14aは、位置取得部18が取得した位置を示す情報を含んでもよいし、取得した位置と取得した日時や時刻とを対応付けた情報を含んでもよい。また、位置検出ログ14aは、位置取得部18が取得した位置を制御部11が統計的に処理した処理結果を含んでもよい。
センサー検出ログ14bは、センサー部12が備える接触センサー12a及び動きセンサー12bの検出または測定の結果(以下、検出結果という)のログである。センサー検出ログ14bは検出結果そのものを含んでもよいし、検出結果と検出した日時や時刻とを対応付けた情報を含んでもよい。また、センサー検出ログ14bは、制御部11がセンサー部12の検出結果を統計的に処理した処理結果を含んでもよい。センサー検出ログ14bは、ユーザー7のバイタル情報の変化や、ユーザー7の動き(加速度、角速度、進行方向(方位)、高度変化(気圧変化)等)に関する情報として利用できる。
また、制御部11は、接触センサー12a及び動きセンサー12bの検出結果から、ユーザー7の身体に関する医学的または生理学的な判定を行い、判定結果をセンサー検出ログ14bに含めて記憶部14に記憶させてもよい。例えば、制御部11が、接触センサー12aの検出結果、及び/又はセンサー検出ログ14bに含まれる過去の検出結果に基づき、ユーザー7の健康状態の良否を判定してもよい。また、制御部11が、接触センサー12aの検出結果、及び/又はセンサー検出ログ14bに含まれる過去の検出結果に基づき、接触センサー12aの検出結果に関する指標を求めてもよい。例えば、制御部11が、ユーザー7の標準的な脈拍数や血圧の範囲の指標を求めてもよい。
さらに、制御部11は、位置検出ログ14aに基づいてユーザー7の活動量を求め、求めた活動量に関する情報をセンサー検出ログ14bに含めて記憶部14に記憶させてもよい。
なお、制御部11が実行する活動量を求める処理等の上記の各種演算処理には、公知の手法を広く適用可能である。
身体情報14c及びユーザー情報14dは、制御部11が、避難誘導サーバー5に送信するために生成する情報である。制御部11は、センサー検出ログ14bに基づき身体情報14cを生成する。また、ユーザー情報14dは、身体情報14c及び位置検出ログ14aに基づいて制御部11が生成する情報である。つまり、ユーザー情報14dは位置検出ログ14aと身体情報14cとを含み、身体情報14cはセンサー検出ログ14bから生成される。身体情報14c、及びユーザー情報14dが含む情報は、位置検出ログ14aとセンサー検出ログ14bの全てを含んでもよいし、その一部の情報であってもよい。また、位置検出ログ14a及びセンサー検出ログ14bに基づき演算処理で生成される情報であってもよい。制御部11が生成する身体情報14c、及びユーザー情報14dの具体的な仕様は、予めウェアラブル装置2において設定されてもよいし、避難誘導サーバー5がウェアラブル装置2に送信するデータで指定されてもよい。また、ユーザー情報14dは、ユーザー7が避難時に使用する交通手段(徒歩、自転車、車など)、或いは、避難時に使用する車いすや杖等の補助装置に関する情報を含んでもよい。
さらに、ユーザー情報14dは、上述した身体特徴情報を含んでもよく、この場合、記憶部14は端末記憶部に相当する。身体特徴情報は、予め入力または設定され、記憶部14に記憶される。ここで、身体特徴情報を、ユーザー情報14dとは別の情報として記憶部14に記憶させることも勿論可能である。
誘導サービス情報14eは、ウェアラブル装置2が避難誘導サーバー5から受信する情報である。制御部11は、避難誘導サーバー5が送信する誘導サービス情報を、ゲートウェイ装置3を経由して受信すると、いったん記憶部14に誘導サービス情報14eとして記憶する。制御部11は、誘導サービス情報14eに基づき、避難先の場所や施設の名称、避難先の位置、避難先までの経路を示すテキストや地図等を、表示部16により表示する。
また、ウェアラブル装置2は発電部19を備え、発電部19で発電された電力を電源部20に出力する。発電部19には、ソーラー発電、熱発電、或いは、ユーザー7の手首等の動きで回転する回転錘の運動エネルギーを利用して発電する装置等の公知の装置を広く適用可能である。電源部20(電力供給部)はウェアラブル装置2の各部に動作電力を供給する。電源部20は、発電部19が発電する電力を蓄える二次電池またはキャパシターを備えてもよい。発電部19を備えることによって、ウェアラブル装置2は、災害時でも電源を喪失することなく継続して使用できる。
図2(B)に示すように、ゲートウェイ装置3は、制御部21、通信部22、入力部23、記憶部24、近距離通信部25、表示部26、音声入出力部27、及び位置取得部28を備える。
制御部21は、CPU、ROM及びRAM等を有するコンピューター構成を具備する。制御部21は、ROMに記憶した基本制御プログラム、及び、記憶部24に記憶するプログラムを実行することにより、各部の制御や演算処理を中枢的に行う情報処理部として機能する。
通信部22は、制御部21の制御の下、所定の無線通信網等の規格に従って通信を行う。これにより、ゲートウェイ装置3は、無線通信網を利用した各種サービス(電話、携帯電話会社からの緊急速報等)の利用、及び、無線通信網を介して通信ネットワーク4からの各種サービスの利用ができる。また、通信部22は、制御部21の制御の下、ウェアラブル装置2と通信ネットワーク4との間の通信を中継する。これによって、ウェアラブル装置2が通信ネットワーク4にアクセスし、通信ネットワーク4に接続された各種サーバーから各種のデータを受信できる。
入力部23は、不図示の操作スイッチ、及び表示部26に設けられたタッチパネル等を備え、ユーザー7の操作を検出することにより、ユーザー7の指示を入力する。
記憶部24は、ゲートウェイ装置3が各種処理を行うために用いる制御プログラムやデータを不揮発的に記憶する装置である。
近距離通信部25は、制御部21の制御の下、ウェアラブル装置2と近距離無線通信する装置であり、本実施形態では、Bluetooth、無線LAN、或いはZigBeeの規格に従って通信する。
表示部26は、液晶パネル又は有機ELパネル等の表示デバイスを有し、制御部21の制御の下、ユーザー7等に対して各種の情報を表示する。音声入出力部27は、マイク等の音声入力デバイス、及び、アンプ及びスピーカーを含む音声出力デバイスを有し、制御部21の制御の下、ユーザー7が発する音声を集音して検出し、ユーザー7等に対して各種の音声を出力させる。
位置取得部28は、GPSを利用して現在位置を取得する装置であり、不図示のGPSアンテナを介してGPS衛星からの電波を受信し、緯度及び経度からなる現在位置を演算により取得する。なお、本実施形態では、GPSを利用した場合を例示するが、GPS以外の位置取得方法を用いても良い。
図3は、避難誘導サーバー5の機能ブロック図である。
避難誘導サーバー5は、制御部50、記憶部55、通信部56、表示部57、及び入力部58を備える。なお、避難誘導サーバー5は、単一のサーバー装置により実現される構成に限定されない。例えば、以下に説明する避難誘導サーバー5の機能を複数のサーバー装置に分散して実装することも可能であり、装置構成を特定しない、いわゆるクラウドサーバーとして避難誘導サーバー5を実現することも可能である。
制御部50は、CPU、ROM及びRAM等を有するコンピューター構成を具備する。制御部50は、ROMに記憶した基本制御プログラム、及び、記憶部55に記憶するプログラムを実行することにより、各部の制御や演算処理を中枢的に行う情報処理部として機能する。
通信部56は、制御部50の制御の下、所定の無線通信網等の規格に従って通信を行う。通信部56は、通信ネットワーク4を介して災害通報サーバー6と通信を実行し、災害通報サーバー6(図1)が送信する災害発生の通知を受信する。また、通信部56は、通信ネットワーク4を介してゲートウェイ装置3と通信を実行することにより、ゲートウェイ装置3の中継機能を利用するウェアラブル装置2との間で通信する。通信部56は、ユーザー情報受信部、及び、誘導サービス情報送信部に相当する。
表示部57は、液晶パネルや有機ELパネル等の表示デバイスを有し、表示部57の制御の下、オペレーター等に対して各種の情報を表示する。
入力部58は、キーボード、マウス等の不図示の入力デバイスを備え、不図示のオペレーターの操作を検出する。
記憶部55は、避難誘導サーバー5が各種処理を行うために用いる制御プログラムやデータを不揮発的に記憶する装置である。記憶部55は、ユーザー情報55a、ユーザーDB55b、避難経路DB55c、ファミリー端末情報55d、誘導サービス情報55e、及び座標変換DB55fを記憶する。
ユーザー情報55aは、通信部56がウェアラブル装置2から受信するユーザー情報を、送受信制御部51の制御に従って記憶したデータである。
ユーザーDB(データベース)55bは、誘導システム1を使用するユーザー7に関する情報を格納するデータベースである。ユーザーDB55bは、ユーザー7を特定可能な情報を含み、例えば、ウェアラブル装置2に対し個別に割り当てられたIDを含む。ユーザーDB55bは、ユーザー7の氏名、住所、生年月日等の情報を含んでもよい。また、ユーザーDB55bは、ユーザー7に関する情報として、上述した身体情報14c(図2(A))に含まれるユーザーの身体に関する情報と同様の情報を有してもよい。
避難経路DB55cは、ユーザー7に対して避難先として案内できる避難施設、及び、避難施設までの避難経路を作成するために必要な情報を格納するデータベースである。避難経路DB55cは、それぞれの避難施設について、場所、名称、連絡先(電話番号、電子メールアドレス、SNS(Social Network Services)アカウント等)等の情報を含む。また、避難経路DB55cは、それぞれの避難施設について、提供可能な医療サービスの種類、または、種類と数量とを示す情報を含む。
また、避難経路DB55cは、避難経路を作成するための地図データを含む。この地図データは、ユーザー7が移動可能な道路及び交差点の位置と接続関係に関するデータを含む。また、道路については通行可能な車両の区分または歩道であるか否かを示すデータを含んでもよく、災害時に通行止めとなるよう行政により指定された道路であるか否かを示すデータを含んでもよい。また、それぞれの道路について、ユーザー7が徒歩または自転車で移動する場合の負荷を示すデータを含んでもよく、例えば負荷を数値化(スコア化)したデータを含んでもよい。この負荷のデータは、道路の勾配の大きさ、長さ、段差の大きさ、段差の数、歩行者専用または自転車専用の通行帯の有無等を示す各種のデータを含んでもよい。また、車いすや杖等の補助装置によりユーザー7が移動する場合の障害や通行しやすさを示すデータを含んでもよい。また、避難経路DB55cは、道路に限らず、橋梁、鉄道路線、鉄道駅、その他のランドマーク等に関する情報を含んでもよい。
制御部50は、上述したプログラムをCPUで実行することにより、送受信制御部51、ユーザー情報解析部52、及び誘導サービス情報生成部53として機能する。
送受信制御部51は、通信部56を制御して、ウェアラブル装置2、ゲートウェイ装置3及び災害通報サーバー6との間の通信を実行させる。送受信制御部51は、通信部56によってウェアラブル装置2からユーザー情報を受信した場合に、受信したユーザー情報を、ユーザー情報55aとして記憶部55に記憶させる。
ユーザー情報解析部52は、通信部56が受信し記憶部55に記憶されたユーザー情報55aを解析する。ユーザー情報解析部52は、ユーザー情報55aを送信したウェアラブル装置2を使用するユーザー7に関し、避難先の避難施設および避難経路に関する要件を抽出する。この要件は、例えば、避難先の避難施設が必要とする医療サービスの種類、ユーザー7が許容できる避難経路の負荷、ユーザー7が避難する場合の移動手段等である。
誘導サービス情報生成部53は、ユーザー情報解析部52が抽出した要件に対し適合度の高い避難施設および避難経路を決定し、決定した避難施設及び避難経路をユーザー7に案内する誘導サービス情報を生成して、記憶部55に誘導サービス情報55eとして記憶させる。
また、ユーザー情報解析部52は、通信部56により受信したユーザー情報を解析して、ユーザー7の位置を示す位置情報、及び、ユーザー7の身体に関する身体情報を抽出する。ユーザー情報解析部52は、抽出した位置情報及び身体情報を、ユーザー7のIDまたはウェアラブル装置2のIDに対応付けてユーザーDB55bに格納してもよい。
ファミリー端末情報55d(端末装置関連情報)は、誘導システム1で使用されるそれぞれのウェアラブル装置2について、関連情報を送信する送信先の端末として関連付ける他のウェアラブル装置2を指定する情報を含む。送受信制御部51は、ウェアラブル装置2に誘導サービス情報を送信する際に、この誘導サービス情報または関連する情報を、ファミリー端末情報55dで関連付けられる他のウェアラブル装置2に送信する。このため、ファミリー端末情報55dで関連付けられる複数のウェアラブル装置2を使用する複数のユーザー7は、互いの避難に関する情報を共有できる。例えば、ウェアラブル装置2Aとウェアラブル装置2Bとをファミリー端末情報55dで関連付けると、ユーザー7Aとユーザー7Bとは、誘導サービス情報の内容を共有できる。
誘導サービス情報55eは、上述のように誘導サービス情報生成部53が生成する避難に関する情報であり、送受信制御部51によってウェアラブル装置2に送信される。誘導サービス情報55eは、送信先のウェアラブル装置2にファミリー端末情報55dによって関連付けられた他のウェアラブル装置2に送信するための、形式や内容が一部異なる誘導サービス情報を含んでもよい。例えば、誘導サービス情報の本来の送信先であるウェアラブル装置2に対する誘導サービス情報55eは、避難施設及び避難経路をユーザー7に案内する避難に関する情報である。これに対し、ファミリー端末情報55dで関連付けられた他のウェアラブル装置2には、避難施設に関する情報のみを送信してもよい。
座標変換DB55fは、緯度及び経度からなる位置情報を、後述するUTMグリッド座標に変換する情報を記述したデータベースである。
誘導システム1は、災害発生時にユーザー7の正確な位置を通知し、且つ、正確な位置に基づく避難経路を提供することが望ましい。このため、災害時にユーザー7の位置を正確に特定できるように、UTMグリッド座標を利用する。
ここで、UTMグリッド座標について説明する。
UTMグリッドは、国際的にはMGRS(Military Grid Reference System)と呼ばれ、地球上の位置を特定する方法、及びこの方法により表現される位置情報の形態である。UTMグリッドを利用すると、後述するように、緯度及び経度で表す座標に比べて簡易な表現で位置を特定できるという利点がある。
図4は地図に対してUTMグリッドを適用したUTMグリッド地図の一例を示す図である。また、図5はUTMグリッド座標を示す説明図であり、図5(A)はUTMグリッド座標と緯度・経度との関係を示す図、図5(B)はUTMグリッド座標の構造を示す図である。
UTMグリッド地図は、ユニバーサル横メルカトル図法で作成された地図を、南北方向及び東西方向に所定の長さを単位として区分した地図である。UTMグリッド地図は、所定の間隔で南北方向及び東西方向に延びるグリッド(罫線)を有し、グリッドで区切られた領域(範囲)を、座標により特定する。この座標をUTMグリッド座標と呼ぶ。
典型的なUTMグリッドでは、対象の地域(地球上全体としてもよい)を100km四方で区切った最大の区分を有し、この区分された100km四方を、100m、10m、及び1mのいずれかの間隔のグリッドで区切る。UTMグリッド座標は、最大の区分に対して付与される5桁のエリアコードと、この区分における位置を特定する所定桁数のコードとを組み合わせた階層構造を有する。
100km四方の区分を特定する5桁のエリアコードは、例えば、図5(B)に例示する「53SME」である。このエリアコードが含む「53」は東西方向の位置を示す座標体番号である。エリアコードの「S」は、緯度方向(南北方向)を8度ごとに区切り、アルファベット1文字を割り当てたものである。エリアコードの「ME」は、100km四方を特定するUTM100Km平方地域コードであることを示す符号である。東西方向の座標体番号は経度の範囲(図の例では東経132-138°)に対応し、南北方向の位置を示す符号は、緯度方向を所定長さ(図の例では8°)毎に区切ったときの範囲に対応する。エリアコードは省略可能である。例えば日本全国を対象としてUTMグリッド座標で位置を表す場合、対象となる範囲が最大の区分である100km四方よりも大幅に大きいため、エリアコードを必要とする。これに対し、100km四方に収まる範囲内で位置を特定する場合には、どの位置も同じ5桁のエリアコードを有するので、エリアコードを省略できる。
100m、10m、または1m単位のグリッドで区分される四角形の領域は、南北方向の位置を示すn桁の数(nは整数)と、東西方向の位置を示すn桁の数とによって特定される。この2n桁の数の数を、MGRS座標と呼ぶこともある。例えば、図4において矢印で示す位置を含む領域のUTMグリッド座標は「886-355」である。また、図5(A)の例では、緯度及び経度で表される座標「北緯34°22′2.6″、東経133°55′43.4″」は、UTMグリッド座標で「53SME 015-034」と表現される。
グリッドの間隔が100mの場合、UTMグリッド座標はn=3の6桁の数で表される。また、グリッドの間隔が10mの場合、UTMグリッド座標はn=4の8桁の数で表され、グリッドの間隔が1mの場合のUTMグリッド座標はn=5の10桁の数で表される。
このように、UTMグリッド座標は、特定の位置(地点)を含むエリアを表し、その精度は、グリッドの間隔(100m、10m、または1m)で決定される。UTMグリッド座標の桁数が「015-034」のように6桁の場合は、100m四方のエリアを特定でき、言い換えれば精度は100mである。座標が8桁(4桁+4桁)の場合は10mの精度、10桁(5桁+5桁)の場合は1mの精度となる。座標の桁数を多くすれば高精度で位置を特定することができ、高精度が要求されない場合は座標の桁数を少なくできる。
緯度・経度で現在地を表記する場合、例えば、5桁の数を用いて表記する場合には、整数部分は3桁必要であるため、小数点以下は2桁となる。緯度・経度の1度は約111km(40000km/360度)に相当するので、小数点以下2桁では、約1.11kmの精度である。より高精度で位置を表記するためには多くの桁数を必要とし、例えば小数点以下を4桁(すなわち全体で7桁)まで使用すると約11mの精度となる。
つまり、緯度・経度で場所を指定する方法を採用する場合、ある程度の精度を求めると、緯度を示す7桁以上の数と経度を示す7桁以上の数とを含む桁数の多い文字列が必要とされる。このような桁数の多い文字列を人が口頭で連絡すると、伝達ミスを招くおそれがある。
上述した理由から、グリッド座標を用いることが、極めて有効である。特に、UTM座標値では、4桁+4桁の数の組み合わせによって、緯度・経度を7桁+7桁の数で表記する場合と同様の精度で位置を表すことができる。
UTMグリッド座標は、緯度及び経度により位置を表現する場合に比べて情報量が少なく、表現が単純であるという利点を有する。図5(A)、(B)の例では、エリアコード「53SME」を省略して座標を「015-034」と表すことができるが、この6桁の数により位置を100mの精度で特定できる。座標の構造が単純であるため、特に、人から人に伝達する場合の正確性・簡便性に優れ、例えば電話や無線等で位置を伝える場合に有用である。UTMグリッド地図、及びUTMグリッド座標を利用すれば、地名や住所表記を知らない人であっても、位置を容易に特定し把握できる。地名や住所表記は、難読地名や複雑な行政区分を有する地域では、地域外の人には難解である。このため、例えば、災害発生時に被災地域において救助活動等に従事する人が、被災地域の特定の位置を表す場合、地名や住所に頼らない方法を用いることが好ましい。特に、県内外から応援派遣が発生するような広域災害や救急救命の場合は、地名や住所を利用しない方法が好適である。UTMグリッド座標は、わずか数桁の数により確実に位置を表現できるので、位置を伝達する場合に非常に有効なツールということができる。
ユーザー情報55aに含まれる位置情報は、ウェアラブル装置2がGPS等を利用して検出した位置を示し、具体的には緯度と経度で表される位置情報である。ユーザー情報解析部52は、ユーザー情報55aに含まれる位置情報を座標変換DB55fに基づきUTMグリッド座標に変換する。
また、誘導サービス情報生成部53が避難経路を作成する場合に使用する避難経路DB55cは、UTMグリッド座標の情報を含む。より具体的には、避難先として使用可能な避難施設の位置、道路の位置、橋梁、鉄道路線、鉄道駅、その他のランドマーク等の位置を示すUTMグリッド座標を含む。
従って、誘導サービス情報生成部53は、ウェアラブル装置2の位置をUTMグリッド座標で特定し、このUTMグリッド座標に基づいて、ユーザー7に適した避難先を選択し、避難先までの避難経路を作成できる。
図6は、誘導システム1の動作を示すフローチャートである。図6(A)はウェアラブル装置2の動作を示し、図6(B)は避難誘導サーバー5の動作を示し、図6(C)は災害通報サーバー6の動作を示す。
図6に例示する動作において、避難誘導サーバー5は、災害通報サーバー6から災害発生の通知を受けて動作する。災害通報サーバー6は、気象観測システムにより自動的に通知される災害情報、或いは、人間による災害発生の情報の入力に基づいて、避難誘導サーバー5に対して災害発生を通知する(ステップS11)。
避難誘導サーバー5は、災害通報サーバー6からの通知を受信して災害発生を検出し(ステップS21)、ウェアラブル装置2に対する問合せ(ポーリング)を実行する(ステップS22)。ステップS22で避難誘導サーバー5がポーリングを実行する対象は、地域を限定することなく、例えば携帯通信キャリアの通信回線網に接続する全てのウェアラブル装置2を対象としてもよい。この場合、通信ネットワーク4を介して通信可能なウェアラブル装置2は、避難誘導サーバー5からのポーリングを受信する。また、避難誘導サーバー5は、通信ネットワーク4に接続される中継装置4a、4b或いは他の種類の中継装置を指定することで、特定の地域におけるウェアラブル装置2を対象としてポーリングを行ってもよい。この場合、例えば災害により被害発生が見込まれる地域、避難を要する地域に位置するウェアラブル装置2を対象として絞り込むことができ、より一層の効率向上が期待できる。
ウェアラブル装置2は、避難誘導サーバー5によるポーリングを受信すると(ステップS31)、ユーザー情報を送信するための処理を開始する。なお、ウェアラブル装置2は、センサー部12がユーザー7の身体に接触しているか否かを判定し、センサー部12がユーザー7の身体に接触している場合に後述する動作を実行してもよい。例えば、センサー部12がユーザー7の皮膚への接触を検出できない場合に、避難誘導サーバー5のポーリングに応答しない構成であってもよい。
ウェアラブル装置2は、ポーリングに応答して、身体情報を取得する(ステップS32)。ステップS32では、センサー部12による生体情報の検出、または身体情報14cの取得が行われる。また、ウェアラブル装置2は、位置情報を取得する(ステップS33)。ステップS33では、位置取得部18によりGPSを利用してウェアラブル装置2の位置を検出し、或いは、ゲートウェイ装置3等が検出する位置の位置情報を取得する。
ウェアラブル装置2は、ステップS32及びS33で取得した情報に基づきユーザー情報14dを生成し(ステップS34)、避難誘導サーバー5に送信する(ステップS35)。
避難誘導サーバー5は、ウェアラブル装置2が送信するユーザー情報を受信し(ステップS23)、受信したユーザー情報を解析することにより、ユーザー7に適した避難に関する情報を生成する誘導サービス情報生成処理を実行する(ステップS24)。その後、避難誘導サーバー5は、生成した誘導サービス情報をウェアラブル装置2に送信する(ステップS25)。
ウェアラブル装置2は、避難誘導サーバー5が送信する誘導サービス情報を受信して、記憶部14に誘導サービス情報14eとして記憶する(ステップS36)。ウェアラブル装置2は、誘導サービス情報14eに基づき誘導サービス情報14eに含まれる情報を表示する(ステップS37)。
図7は、図6(B)のステップS24で実行される誘導サービス情報生成処理を詳細に示すフローチャートである。
避難誘導サーバー5は、ユーザー情報55aに含まれる位置情報に基づき、避難経路DB55cを参照し、避難先として使用可能な避難施設のうち避難先の候補を抽出する(ステップS41)。ここで、避難誘導サーバー5は、ユーザー情報55aに含まれる位置情報をUTMグリッド座標に変換してから、ステップS41の処理を行ってもよい。
避難誘導サーバー5は、ユーザー情報55aに含まれる生体情報及び/又は身体情報に基づいて、避難先に関する医療上の要件を抽出する(ステップS42)。
避難誘導サーバー5は、ステップS41で抽出した避難先の候補から、ステップS42で抽出した要件を満たす避難施設を抽出する(ステップS43)。ステップS43では、複数の避難施設を抽出することができる。避難誘導サーバー5は、ステップS43で抽出したそれぞれ避難施設への避難経路を特定する(ステップS44)。ステップS43で複数の避難施設を抽出した場合や、ウェアラブル装置2の位置から1つの避難施設に向かう複数の避難経路が存在する場合、ステップS44では複数の避難経路が特定される。
避難誘導サーバー5は、ステップS44で特定した避難経路について、ユーザー7が避難する場合の適切性をスコア化し、ユーザー7に案内する避難先及び避難経路を決定する(ステップS45)。避難経路の適切性は、例えば、ユーザー7が実際に避難する場合の負荷が、過剰な負荷でないようにする観点でスコア化される。具体的には、ユーザー情報に含まれる位置情報が示す位置から避難施設までの距離、ユーザー7が使用する交通手段、避難経路に含まれる道路の勾配の大きさ、長さ、段差の大きさ、段差の数、歩行者専用または自転車専用の通行帯の有無等がスコア化される。また、災害により通行不能となる可能性が高い道路や橋梁を含むか否かもスコア化される。災害により通行不能となる可能性が高い道路や橋梁等に関する情報は、行政機関により作成される災害ハザードマップ等に基づき事前に設定され、避難経路DB55cに含まれる。また、避難経路に関する情報からスコアを求めるためのパラメーター、テーブル、演算式等は、避難経路DB55cに含めてもよい。ステップS45では、ステップS43で特定されたそれぞれの避難経路について、ユーザー7に対する負荷の大小を示すスコアが求められる。避難誘導サーバー5は、求めたスコアに基づいて避難経路を決定する。例えば、最も負荷が軽いことを示すスコアが付された避難経路に決定することができる。なお、避難経路をスコア化する処理において、ウェアラブル装置2が送信した位置情報と、避難施設とについて、距離等の相対的位置に関する演算処理や判定を行う場合、位置情報を、UTMグリッド座標ではなく緯度と経度で表してもよい。
その後、避難誘導サーバー5はステップS45で決定した避難経路および避難先を案内する誘導サービス情報を生成し(ステップS46)、図6(B)に戻る。
このように、誘導サービス情報生成処理では、ユーザー7の身体情報に基づいて誘導場所を選択し、変更して、ユーザー7に適した誘導サービス情報を生成して提供できる。例えば、ユーザー7の血液型に応じて、誘導する場所を変更することができる。また、バイタル情報に基づき、即時に医療サービスを必要とする人であると判断されるユーザー7に対しては、医療スタッフが常駐している場所(例えば、病院)への移動、避難を案内する誘導サービス情報を生成して送信できる。一方、バイタル情報に基づき、医療サービスを必要とする状態ではないと判断されるユーザー7に対しては、一般的な避難所への移動、避難を案内する誘導サービス情報を生成して送信できる。このように、避難誘導サーバー5及び誘導システム1は、ユーザー7の状態に対し臨機応変な対応を行って適切な誘導を行うことができる。
また、図7の誘導サービス情報生成処理で、避難誘導サーバー5は、ユーザー情報55aに基づいてユーザー7の健康、医療面における状態を検出し、ユーザー7の状態に好適な避難先および避難経路を決定する例を説明した。避難誘導サーバー5は、誘導サービス情報生成処理において、それぞれの避難施設の受け入れ状態を算出し、算出した受け入れ状態に基づき、誘導サービス情報が適切か否かを判定してもよい。適切でないと判定した場合、避難誘導サーバー5は、スコアに基づき他の避難先と避難経路とを案内する避難に関する情報を生成する構成としてもよい。例えば、避難誘導サーバー5が、それぞれの避難施設の被災状況を避難経路DB55cに反映する処理を、随時行ってもよい。また、避難誘導サーバー5が、それぞれの避難施設の受け入れ可能人数と、それぞれの避難施設を避難先として案内したユーザー7の人数とに適合するように、避難先を決定してもよい。この場合、被災地域において、避難施設の医療リソースの適正な配分を行うことができる。
図8は、ウェアラブル装置2における避難に関する情報の表示例を示す図であり、図8(A)は地図を表示する例を示し、図8(B)は進行方向を表示する例を示す。
ウェアラブル装置2は、図8(A)に示すように、避難誘導サーバー5から受信し記憶する誘導サービス情報14eに基づき、避難先の位置、及び、ウェアラブル装置2の現在位置から避難先までの避難経路を含む地図を、表示部16の表示画面に表示する。図8(A)の表示を行う場合、ウェアラブル装置2は、位置取得部18により現在位置を取得して、誘導サービス情報14eに含まれる地図に現在位置を重ねて表示してもよい。
また、図8(B)に示すように、ウェアラブル装置2は、避難経路に沿ってユーザー7が進むべき方向を示す矢印等の案内表示を行ってもよい。図8(B)の例では、ウェアラブル装置2の表示画面が比較的小さくても、避難施設への経路を適切に案内できるという利点がある。
図8(B)の表示を行う場合、ウェアラブル装置2は、位置取得部18により現在位置を取得し、取得した現在位置と誘導サービス情報14eとに基づき案内表示を行う。また、動きセンサー12bが備える地磁気センサーによりウェアラブル装置2の方向を検出して、案内表示を行ってもよい。
また、ウェアラブル装置2は、図8(A)、(B)に示すように、現在位置のUTMグリッド座標を表示することができる。例えば、避難誘導サーバー5が座標変換DB55fに基づきウェアラブル装置2の位置をUTMグリッド座標に変換し、変換したUTMグリッド座標を誘導サービス情報に含めて送信すると、ウェアラブル装置2は、誘導サービス情報14eに基づきUTMグリッド座標を表示できる。この場合、ウェアラブル装置2において座標をUTMグリッドに変換する処理を行う必要がない。ウェアラブル装置2の表示画面にUTMグリッド座標が表示されることで、例えば、ユーザー7が、ウェアラブル装置2の表示画面により自分の現在位置のUTMグリッド座標を知ることができる。従って、例えば、ユーザー7が電話により救助を求める場合に、現在位置を速やかに報せることができる。
なお、ウェアラブル装置2は、図8(A)、(B)に示すように避難経路を表示する場合に、制御部11が音声出力部17を制御して、UTMグリッド座標や避難経路を音声により案内しても良い。
以上説明したように、本実施形態の誘導システム1は、ユーザー7が利用するウェアラブル装置2、及び、ウェアラブル装置2と通信可能な避難誘導サーバー5を備える。ウェアラブル装置2は、ユーザー7の身体情報を取得するセンサー部12等の身体情報取得部と、ウェアラブル装置2の位置を示す位置情報を取得する位置取得部18とを備える。ウェアラブル装置2は、取得された身体情報と位置取得部18が取得した位置情報とを含むユーザー情報を、近距離通信部15によって、ゲートウェイ装置3を介して避難誘導サーバー5に送信する。避難誘導サーバー5は、ウェアラブル装置2が送信するユーザー情報を受信する通信部56を備える。避難誘導サーバー5は、通信部56により受信するユーザー情報に基づき、制御部50の誘導サービス情報生成部53により、ウェアラブル装置2に対応する避難に関する誘導サービス情報を生成する。制御部50は、生成した誘導サービス情報を、通信部56によりウェアラブル装置2に送信する。
避難誘導サーバー5は、ウェアラブル装置2から、ウェアラブル装置2の位置を示す位置情報、及び、ユーザー7の身体情報を含むユーザー情報を通信部56で受信する。避難誘導サーバー5は、通信部56により受信するユーザー情報に基づき、ウェアラブル装置2に対応する避難に関する誘導サービス情報を生成し、制御部50が生成する誘導サービス情報をウェアラブル装置2に送信する。
上記実施形態の情報処理方法は、ウェアラブル装置2により、ユーザー7の身体情報を取得し、ウェアラブル装置2の位置を示す位置情報を取得し、身体情報と位置情報とを含むユーザー情報を避難誘導サーバー5に送信する。そして、避難誘導サーバー5により、ウェアラブル装置2が送信するユーザー情報を受信し、ユーザー情報に基づき、ウェアラブル装置2に対応する避難に関する誘導サービス情報を生成し、誘導サービス情報をウェアラブル装置2に送信する。
誘導システム1及び誘導システム1の情報処理方法によれば、避難や救難が必要とされる場合に、ユーザー7のウェアラブル装置2に対して、ウェアラブル装置2の位置、及び、ユーザー7の身体情報を加味して生成される誘導サービス情報を送信できる。これにより、ユーザー7に対して適切な誘導サービス情報を提供でき、多数のユーザー7に対しても速やかに、効率よく支援できるという利点がある。
誘導システム1において、ウェアラブル装置2は、ウェアラブル装置2を装着するユーザー7の身体情報を取得するセンサー部12等の身体情報取得部と、ウェアラブル装置2の位置を示す位置情報を取得する位置取得部18とを備える。ウェアラブル装置2は、取得された身体情報と位置取得部18が取得した位置情報とを含むユーザー情報を避難誘導サーバー5に送信する。ウェアラブル装置2は、送信したユーザー情報に対応して、避難誘導サーバー5から送信される誘導サービス情報を受信する。また、ウェアラブル装置2は、ユーザー7の身体に接触する接触センサー12aを備え、接触センサー12aがユーザー7の身体と接触した状態で利用可能に構成されてもよい。この場合、ユーザー7が装着していないウェアラブル装置2に対して誘導サービス情報を送信する必要がなくなり、誘導システム1全体の動作の効率向上を図ることができる。
また、ウェアラブル装置2は、接触センサー12aを介して生体情報を検出し、検出した生体情報を身体情報として取得し、制御部50は、通信部56により受信するユーザー情報に含まれる身体情報に基づき誘導サービス情報を生成する。これにより、ユーザー7の生体情報がウェアラブル装置2から避難誘導サーバー5に送信され、生体情報に基づき誘導サービス情報が生成される。このため、ユーザー7の身体の状態を反映した誘導サービス情報を、ユーザー7に提供できる。また、ウェアラブル装置2のユーザー7の身体の状態に関する情報を、避難誘導サーバー5で収集することができ、例えば災害発生時における人的被害の規模や状況の把握に有用な情報を得ることができる。
また、避難誘導サーバー5は、ウェアラブル装置2を他のウェアラブル装置2に関連付けるファミリー端末情報55dを有する。制御部50は、ウェアラブル装置2に対応する誘導サービス情報に、ファミリー端末情報55dによりウェアラブル装置2に関連付けられる他のウェアラブル装置2に関する情報を含めることができる。具体的には、ステップS25(図6(B))でウェアラブル装置2に誘導サービス情報を送信する送信先のウェアラブル装置2に、ファミリー端末情報55dで関連付けられた他のウェアラブル装置2に対し、情報を送信できる。この場合、ウェアラブル装置2のユーザー7に対して、関連付けられた他のウェアラブル装置2のユーザー7に関する情報を提供できる。
関連付けられたウェアラブル装置2に送信する情報は、ステップS25で送信する誘導サービス情報と同じ情報であってもよい。また、ステップS25で誘導サービス情報を送信した送信先のウェアラブル装置2やユーザー7に関する情報を、誘導サービス情報に付加した情報であってもよい。つまり、制御部50は、通信部56によりウェアラブル装置2から受信するユーザー情報に基づいて、他のウェアラブル装置2に対応する誘導サービス情報を生成してもよい。この場合、ウェアラブル装置2のユーザー7に対して、関連付けられた他のウェアラブル装置2のユーザー7の状況を反映した誘導サービス情報を提供できる。
また、避難誘導サーバー5は、ウェアラブル装置2に誘導サービス情報を送信する場合に、この誘導サービス情報を、予め指定される他の送信先に送信してもよい。具体的には、ユーザー7が避難する避難先として決定した避難施設の避難施設端末8(図1)に、誘導サービス情報を送信してもよい。この場合、避難施設においては避難する予定のユーザー7に関する情報を得ることができる。ここで、避難施設端末8に送信される誘導サービス情報に、ユーザー情報55aのうち身体情報が含まれる場合、避難施設に対し、避難するユーザー7が必要とする医療サービスに関する情報を提供できる。従って、避難施設においてはユーザー7を受け入れる準備をより効率よく行うことができる。また、ユーザー7が到着すると見込まれる時刻にユーザー7が到着しない場合に、捜索活動を開始する等の対応が可能となる。
また、ウェアラブル装置2は、接触センサー12aを介して生体情報を検出し、検出した生体情報を身体情報として取得することができる。これにより、ユーザー7の身体に接触して検出される生体情報がウェアラブル装置2から避難誘導サーバー5に送信され、生体情報に基づき誘導サービス情報が生成される。このため、ユーザー7の身体の状態を反映した誘導サービス情報を、ユーザー7に提供できる。また、ウェアラブル装置2を避難誘導サーバー5と組み合わせて誘導システム1を構成した場合、ウェアラブル装置2のユーザー7の身体の状態に関する情報を収集でき、例えば災害発生時における人的被害の規模や状況の把握に有用な情報を得られる。
また、ウェアラブル装置2は、ユーザー7の身体に関する身体情報14cを記憶する記憶部14を備え、身体情報14cをもとに身体情報を取得することができる。この場合、ユーザー7の身体に関する情報を反映した誘導サービス情報を、ユーザー7に提供できる。例えば、身体特徴情報が、医療に関する情報を含む場合、個々のユーザー7の医療に関するニーズに適した誘導サービス情報を、ユーザー7に提供できる。また、ウェアラブル装置2は、位置取得部18によって検出した、ウェアラブル装置2の最新の位置を示す位置情報を避難誘導サーバー5に送信できるので、より適切な誘導サービス情報を、ユーザー7に提供できる。
また、制御部50は、避難誘導サーバー5用に定められた形態の位置情報、例えばUTMグリッド座標を含む誘導サービス情報を生成し、ウェアラブル装置2に送信する。これにより、ウェアラブル装置2が送信する位置情報に基づいて生成する誘導サービス情報に、避難誘導サーバー5用の形態の位置情報を含ませてウェアラブル装置2に送信できる。このため、避難誘導サーバー5とウェアラブル装置2の両方で、ウェアラブル装置2が送信する位置情報とは異なる形態の位置情報を、ユーザー7の避難に関する情報提供に利用できる。従って、ウェアラブル装置2が検出する位置情報の仕様の制約を受けることなく、避難に関する情報提供に適した位置情報を使用できる。
また、ウェアラブル装置2は、誘導サービス情報に基づき、表示部16の表示画面に、避難先や避難経路に関する表示を行うことができる。ここで、ウェアラブル装置2は、避難誘導サーバー5用に定められた形態の位置情報、例えばUTMグリッド座標を表示できる。このため、ウェアラブル装置2が送信する位置情報とは異なる形態の位置情報を、ユーザー7の避難に関する情報提供に利用できる。従って、ウェアラブル装置2が検出する位置情報の仕様の制約を受けることなく、避難に関する情報提供に適した位置情報を使用できる。
ウェアラブル装置2は、電力を発生する発電部19、及び、発電部で発生する電力を少なくとも近距離通信部15に供給する電源部20を備える。このため、ウェアラブル装置2が電力不足により停止する事態を回避し、災害時等におけるウェアラブル装置2の可用性を高めることができる。
また、ウェアラブル装置2は、動きを検出する動きセンサー12bを備え、動きセンサー12bの検出結果を含むユーザー情報を避難誘導サーバー5に送信できる。これにより、ウェアラブル装置2を所持するユーザー7に関する状態を、ウェアラブル装置2の動きに基づき間接的に検出することができ、このユーザー7の状態を反映した誘導サービス情報を、ユーザー7に提供できる。
[第2実施形態]
図9は、本発明を適用した第2実施形態における誘導システム1の動作を示すフローチャートであり、図9(A)はウェアラブル装置2の動作を示し、図9(B)は避難誘導サーバー5の動作を示す。
第2実施形態における誘導システム1の構成は、上記第1実施形態と共通であるため、誘導システム1の構成に関して図示及び説明を省略する。
第1実施形態では、避難誘導サーバー5がウェアラブル装置2に対しポーリングを行うことにより、ウェアラブル装置2がユーザー情報を避難誘導サーバー5に送信する構成を説明した。第2実施形態では、ウェアラブル装置2が動きセンサー12bの検出値に基づいて、避難誘導サーバー5にユーザー情報を送信する構成を示す。
ウェアラブル装置2は、動きセンサー12bによる検出を実行し、検出値を随時、センサー検出ログ14b(図2(A))に追記する。ウェアラブル装置2は、センサー検出ログ14bの解析を実行し(ステップS51)、センサー検出ログ14bの検出値または検出値の変化が、予め設定された通報条件に該当するか否かを判定する(ステップS52)。
通報条件は、動きセンサー12bの検出値、または検出値の変化について、ユーザー7が避難を求める状況に直面したと推定される条件であり、例えば、記憶部14に予め記憶される。例えば、ユーザー7が地震、豪雨、土砂災害、火山災害等の天災、交通事故等の事故に遭遇した場合、動きセンサー12bは災害や事故の影響によりウェアラブル装置2が動くことによる加速度や角速度を検出する。従って、動きセンサー12bの検出値または検出値の変化が、通報条件に該当するか否かに基づき、ユーザー7が避難を必要とするか否かを判定できる。
通報条件に該当しないと判定した場合(ステップS52;No)、ウェアラブル装置2はステップS51に戻って、センサー検出ログ14bの解析を、所定時間毎に実行する。また、通報条件に該当すると判定した場合(ステップS52;Yes)、ウェアラブル装置2は、ステップS32に移行する。ステップS32〜S37及びステップS23〜S25の動作は、図6及び図7を参照して説明した動作と同様である。
第2実施形態によれば、避難誘導サーバー5がポーリングを行わない場合であっても、ウェアラブル装置2の状況に対応して、ユーザー7が避難誘導サーバー5から誘導サービス情報の提供を受けることができる。このため、限局した災害や事故が発生した場合等に、ユーザー7が避難に関する支援を受けることができる。
また、ウェアラブル装置2は、入力部13に対する入力操作が避難を求める操作である場合に、動きセンサー12bの検出値または検出値の変化が通報条件に該当する場合(ステップS52;Yes)と同様の動作を行ってもよい。この場合、ユーザー7の操作により避難を求め、避難誘導サーバー5から、誘導サービス情報の提供を受けることができる。
なお、上述した各実施形態は、本発明の好適な実施形態を示すものであり、本発明を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上記各実施形態では、避難誘導サーバー5がウェアラブル装置2に提供する誘導サービス情報の具体的態様は任意であり、地図情報を含んでもよい。また、ウェアラブル装置2が記憶部14に地図情報を記憶し、この地図情報に基づき表示部16により地図を表示する構成としてもよい。この場合、避難誘導サーバー5が送信する誘導サービス情報に地図情報を含める必要がなく、送受信されるデータ量を抑制できるという利点がある。また、誘導サービス情報に含まれる避難先の情報は、避難先に予め割り当てられたコードとすることも可能であり、この場合、ウェアラブル装置2が、避難先のコードと、避難先の住所や連絡先に関する情報とを対応付けて、事前に記憶すればよい。また、例えば、上記各実施形態では、位置情報として、ウェアラブル装置2またはゲートウェイ装置3がGPSにより位置を検出する構成とした。本発明はこれに限定されず、例えば、WiFi(登録商標)による無線通信を行い、周辺のWiFi基地局との相対位置関係を求めることにより、ウェアラブル装置2またはゲートウェイ装置3の位置を検出してもよい。
また、例えば、ウェアラブル装置2は、ユーザー7の手首に装着可能な腕時計型に限らず、避難誘導サーバー5またはゲートウェイ装置3との通信が可能であり、画像を表示し、或いは画像をユーザーに視認させることが可能な構成であればよい。具体的には、メガネ型、指輪型、又は衣服型などの態様とすることができる。
また、図2(A)、(B)及び図3に示したウェアラブル装置2、ゲートウェイ装置3、及び避難誘導サーバー5の各装置の機能ブロックは、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される機能的構成を示し、誘導システム1を構成する各装置の具体的な実装形態は、上記のブロック図に制限されない。従って、機能ブロック図における各機能部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで複数の機能部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上記実施形態においてソフトウェアで実現されている機能の一部をハードウェアで実現してもよく、あるいは、ハードウェアで実現されている機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。その他、誘導システム1の他の各部の具体的な細部構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
1…誘導システム(情報処理システム)、2、2A、2B…ウェアラブル装置(端末装置)、3、3A、3B…ゲートウェイ装置、4…通信ネットワーク、5…避難誘導サーバー(情報処理装置)、6…災害通報サーバー、7、7A、7B…ユーザー、8…避難施設端末、11…制御部、12…センサー部(身体情報取得部)、12a…接触センサー(生体接触部)、12b…動きセンサー(動き検出部)、13…入力部、14…記憶部(端末記憶部)、14a…位置検出ログ、14b…センサー検出ログ、14c…身体情報(身体特徴情報)、14d…ユーザー情報、14e…誘導サービス情報、15…近距離通信部(ユーザー情報送信部、誘導サービス情報受信部)、16…表示部(端末表示部)、17…音声出力部、18…位置取得部(位置情報取得部)、19…発電部、20…電源部(電力供給部)、21…制御部、22…通信部、25…近距離通信部、50…制御部、51…送受信制御部、52…ユーザー情報解析部、53…誘導サービス情報生成部、55…記憶部、55a…ユーザー情報、55b…ユーザーDB、55c…避難経路DB、55d…ファミリー端末情報(端末装置関連情報)、55e…誘導サービス情報、55f…座標変換DB、56…通信部(ユーザー情報受信部、誘導サービス情報送信部)。

Claims (12)

  1. ユーザーが利用するウェアラブル装置、及び、前記ウェアラブル装置と通信可能な情報処理装置を備え、
    前記ウェアラブル装置は、
    表示部と、
    前記ユーザーの身体に接触する生体接触部と、
    前記生体接触部を介して検出された生体情報と予め入力される身体特徴情報とを含む前記ユーザーの身体情報を取得する身体情報取得部と、
    前記ウェアラブル装置の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、
    前記身体情報取得部により取得された前記身体情報と前記位置情報取得部が取得した前記位置情報とを含むユーザー情報を前記情報処理装置に送信するユーザー情報送信部と、
    を有し、
    前記情報処理装置は、
    前記ウェアラブル装置が送信する前記ユーザー情報を受信するユーザー情報受信部と、
    前記ユーザー情報受信部により受信する前記ユーザー情報に基づき、前記ユーザーを所定の誘導場所に誘導するための誘導サービス情報を生成する誘導サービス情報生成部と、
    前記誘導サービス情報生成部が前記ユーザー情報に基づいて生成する前記誘導サービス情報を前記ユーザー情報を送信した前記ウェアラブル装置に送信する誘導サービス情報送信部と、を有
    前記ウェアラブル装置の前記表示部は、前記誘導サービス情報に含まれる避難経路に沿って前記ユーザーが進むべき方向を示す案内表示を表示すること、
    を特徴とする情報処理システム。
  2. 前記誘導サービス情報は、前記ユーザーの前記身体情報に応じて、前記誘導場所が変更されるように構成されていること、
    を特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
  3. ユーザーの身体に接触する生体接触部を有するウェアラブル装置と通信可能な情報処理装置であって、
    前記ウェアラブル装置から、前記ウェアラブル装置の位置を示す位置情報、及び、前記生体接触部を介して検出された生体情報と予め入力される身体特徴情報とを含む前記ユーザーの身体情報を含むユーザー情報を受信するユーザー情報受信部と、
    前記ユーザー情報受信部により受信する前記ユーザー情報に基づき、前記ユーザーを所定の誘導場所に誘導するための誘導サービス情報を生成する誘導サービス情報生成部と、
    前記誘導サービス情報生成部が前記ユーザー情報に基づいて生成する前記誘導サービス情報を前記ユーザー情報を送信した前記ウェアラブル装置に送信する誘導サービス情報送信部と、
    を備えることを特徴とする情報処理装置。
  4. 前記ウェアラブル装置を他の前記ウェアラブル装置に関連付けるウェアラブル装置関連情報を有し、
    前記誘導サービス情報生成部は、前記ウェアラブル装置に対応する前記誘導サービス情報に、前記ウェアラブル装置関連情報により前記ウェアラブル装置に関連付けられる前記他のウェアラブル装置に関する情報を含めること、
    を特徴とする請求項3記載の情報処理装置。
  5. 前記誘導サービス情報生成部は、前記ユーザー情報受信部により前記ウェアラブル装置から受信する前記ユーザー情報に基づいて、前記他のウェアラブル装置に対応する前記誘導サービス情報を生成すること、
    を特徴とする請求項4記載の情報処理装置。
  6. 前記誘導サービス情報生成部は、前記情報処理装置用に定められた形態の位置情報を含む前記誘導サービス情報を生成すること、
    を特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  7. 前記誘導サービス情報送信部は、前記ウェアラブル装置に送信する前記誘導サービス情報を、予め指定される他の送信先に送信すること、
    を特徴とする請求項3から6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  8. 情報処理装置と通信可能に接続されるウェアラブル装置であって、
    表示部と、
    ユーザーの身体に接触する生体接触部と、
    予め入力された前記ユーザーの身体に関する身体特徴情報を記憶する端末記憶部と、
    前記生体接触部を介して検出された生体情報と前記身体特徴情報とを含む前記ユーザーの身体情報を取得する身体情報取得部と、
    前記ウェアラブル装置の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、
    前記身体情報取得部により取得された前記身体情報と前記位置情報取得部が取得した前記位置情報とを含むユーザー情報を前記情報処理装置に送信するユーザー情報送信部と、
    前記ユーザー情報送信部により送信する前記ユーザー情報に対応して、前記情報処理装置から送信される、前記ユーザー情報に基づいて生成される前記ユーザーを所定の誘導場所に誘導するための誘導サービス情報を受信する誘導サービス情報受信部と、を備え、
    前記生体接触部が前記ユーザーの身体と接触した状態で前記身体情報及び前記位置情報を取得
    前記表示部は、前記誘導サービス情報に含まれる避難経路に沿って前記ユーザーが進むべき方向を示す案内表示を表示すること、
    を特徴とするウェアラブル装置。
  9. 前記位置情報取得部は、前記ウェアラブル装置の位置を検出し、検出した位置を示す位置情報を生成すること、
    を特徴とする請求項8に記載のウェアラブル装置。
  10. 電力を発生する発電部、及び、前記発電部で発生する電力を少なくとも前記ユーザー情報送信部及び前記誘導サービス情報受信部に供給する電力供給部を備えること、
    を特徴とする請求項8または9に記載のウェアラブル装置。
  11. 前記ウェアラブル装置の動きを検出する動き検出部を備え、
    前記ユーザー情報送信部は、前記動き検出部の検出結果を前記情報処理装置に送信すること、
    を特徴とする請求項8から1のいずれか1項に記載のウェアラブル装置。
  12. ユーザーの身体に接触する生体接触部を有するウェアラブル装置、及び、前記ウェアラブル装置と通信可能な情報処理装置を用いる情報処理方法であって、
    前記ウェアラブル装置により、
    前記生体接触部を介して検出された生体情報と予め入力される身体特徴情報とを含む前記ユーザーの身体情報を取得し、
    前記ウェアラブル装置の位置を示す位置情報を取得し、
    前記身体情報と前記位置情報とを含むユーザー情報を前記情報処理装置に送信し、
    前記情報処理装置により、
    前記ウェアラブル装置が送信する前記ユーザー情報を受信し、
    前記ユーザー情報に基づき、前記ユーザーを所定の誘導場所に誘導するための誘導サービス情報を生成し、
    前記誘導サービス情報を前記ユーザー情報を送信した前記ウェアラブル装置に送信
    前記ウェアラブル装置により、前記誘導サービス情報に含まれる避難経路に沿って前記ユーザーが進むべき方向を示す案内表示を表示すること、
    を特徴とする情報処理方法。
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