JP6620415B2 - コークス乾式消火設備の集塵方法及びコークス乾式消火設備の集塵装置 - Google Patents
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コークス乾式消火設備においては、赤熱コークスを冷却塔に装入する際に多量の粉塵及び排ガスが発生するため、従来から粉塵の集塵方法について種々検討されている。
これら特許文献2,3に記載された方法では、赤熱コークス装入時の粉塵を効率良く集塵することができるが、粉塵とともに吸引される排ガス中に可燃性ガスが存在した場合には、この可燃性ガスが集塵ダクト内で異常燃焼してしまうおそれがあった。
ここで、高温の排ガスを冷却する手段として、例えば特許文献5〜7には、高温のガスをミスト冷却する方法が提案されている。
さらに、特許文献7においては、転炉において溶銑を装入する際に、別系統の集塵装置を起動させて、粉塵の含有量が多い高温の排ガスを吸引するとともに、高温の排ガスを冷却水によって冷却することが開示されている。この場合、2系統の集塵装置を用いることから、設備が大掛かりとなり、初期コストが増大してしまうといった問題があった。
また、コークス原料のばらつきやコークス炉の操業条件によっては、コークス炉から窯出しされた赤熱コークスの中に未乾留コークスが存在し、この未乾留コークスの燃焼によって、粉塵の発生量や可燃性ガスの発生量が増加することがある。特に、老朽化したコークス炉においては、未乾留コークスが残存しやすく、粉塵の発生量や可燃性ガスの発生量が増加する傾向にあった。このような場合であっても、赤熱コークス装入時の粉塵を安定して集塵することが求められている。
さらに、発生する粉塵量が増大することから、冷却時に集塵ダクト内に堆積する堆積ダストの量が多くなり、安定して操業を行うことができないおそれがあった。
この場合、1回の前記赤熱コークスの装入時に発生する堆積ダスト量に対して、体積比で2倍以上10倍以下の洗浄水を洗浄用ノズルから噴射することにより、前回の赤熱コークスの装入時に発生した堆積ダストを、次回の赤熱コークスの装入前に洗浄除去することができ、安定して集塵を行うことができる。
この場合、排出ゲートが吊り下げ板方式とされ、前記赤熱コークスの装入時には排ガスの吸引によって閉止される構造とされているので、排出ゲートの開閉機構を設ける必要がなく、安定して堆積ダストを含む洗浄水を排出することができる。
この場合、前記洗浄用ノズルは、洗浄水の衝突位置が前記集塵フードと前記集塵ダクトとの連結部の集塵方向下流側領域となるように、配置されているので、堆積ダストが発生しやすい箇所に向けて洗浄水が噴射されることになり、堆積ダストを効率的に洗浄することができる。
この場合、集塵ダクトの底部に存在する堆積ダストに対して洗浄水を衝突させることができ、堆積ダストを効率的に洗浄することができる。
この場合、噴射された洗浄水が飛散することが抑制され、集塵ダクトの底部に沿って洗浄水が流れるようになり、堆積ダストを効率的に洗浄することができる。
本実施形態であるコークス乾式消火設備1の集塵装置10は、コークス乾式消火設備1の冷却塔3の装入口から赤熱コークスを装入する際に発生する粉塵を排ガスとともに集塵するものである。なお、この排ガスには、可燃性ガスが含まれる。
本実施形態では、図2及び図3に示すように、集塵ダクト20は概略円筒状をなしており、円筒面の一部に上述の連結部17が形成されている。
また、集塵ダクト20の集塵方向F上流側端部には、図5及び図6に示すように、吊り下げ板方式の排出ゲート21が設けられている。なお、排出ゲート21の外側には、ガイド部22が設けられている。
この排出ゲート21は、図6に示すように、赤熱コークスの装入時に粉塵を集塵する際には、その空気圧によって閉止され(図6(a)参照)、赤熱コークス装入時以外は自由に開放される(図6(b)参照)構成とされている。
この散水用ノズル23は、連結部17から集塵方向F下流側の集塵ダクト20の中心に向けて散水するように配置されており、具体的には、噴射角度θ1が集塵ダクト20の中心軸Oに対して10°以上30°以下の範囲となるように設定されている。
この散水用ノズル23のうち、集塵ダクト20内に突出した部分には、例えば、ステンレス鋼等からなる保護管25が配設されている。
具体的には、散水制御部24は、赤熱コークス装入時に集塵ダクト20内にミスト散水し、集塵ダクト20内の排ガスの温度を、排ガスに含まれる可燃ガスの自己着火温度未満、かつ、集塵フィルタ部13での露点温度を超えるように、散水用ノズル23からの散水量を調整する構成とされている。
この洗浄用ノズル27は、図4及び図8に示すように、集塵ダクト20の集塵方向F下流側から集塵方向F上流側に向けて洗浄水を噴射するように配置されている。具体的には、洗浄用ノズル27は、集塵ダクト20の上部に配置され、その俯角θ2が40°以上70°以下の範囲内に設定されている。
そして、洗浄用ノズル27は、洗浄水の衝突位置が、集塵フード11と集塵ダクト20との連結部17の集塵方向F下流側領域となるように、位置調整されている。
赤熱コークスを、コークス乾式消火設備1の冷却塔3に装入するために、装入ホッパー5とともに、集塵フード11を装入口の上方に配置する。
ここで、赤熱コークス装入時においては、散水用ノズル23から集塵ダクト20内にミスト散水する。このとき、散水制御部24により、集塵ダクト20内の排ガスの温度を、排ガスに含まれる可燃ガスの自己着火温度未満、かつ、集塵方向F下流側に設けられた集塵フィルタ部13での露点温度を超えるように、散水用ノズル23からの散水量を調整する。
なお、二流体ノズルからなる散水用ノズル23においては、エア流量QA(Nl/min)と散水量QW(Nl/min)との比QA/QWを100以上とする。
そこで、本実施形態では、赤熱コークスの装入が終了し、次の赤熱コークス装入までの間に、集塵ダクト20内の堆積ダストを洗浄除去する。
ここで、洗浄用ノズル27から噴射される洗浄水量は、1回の赤熱コークスの装入時に発生する堆積ダスト量に対して、体積比で2倍以上10倍以下に設定されている。
また、赤熱コークス装入を装入していない時には、洗浄用ノズル27から洗浄水を噴射することにより、集塵ダクト20内の堆積ダストを水洗除去しているので、集塵ダクト20に堆積ダストが多量に堆積することを抑制でき、集塵を安定して行うことができる。
また、本実施形態では、洗浄用ノズル27を集塵ダクト20の上部に配置し、その俯角θ2を40°以上70°以下の範囲内に設定しているので、集塵ダクト20の底部に存在する堆積ダストに対して洗浄水を衝突させることができ、堆積ダストを効率的に洗浄することができる。
さらに、本実施形態では、洗浄用ノズル27として、噴角が10°以上30°以下の範囲内とされた扇状ノズルを用いているので、噴射された洗浄水が飛散することが抑制され、集塵ダクト20の底部に沿って洗浄水が流れるようになり、堆積ダストを効率的に洗浄することができる。
さらに、本実施形態では、散水用ノズル23の噴射角度θ1が集塵ダクト20の中心軸Oに対して10°以上30°以下の範囲内に設定されているので、集塵ダクト20内を流れる排ガスに対して確実にミスト散水することができ、排ガスの冷却を効率的に行うことができる。
さらに、本実施形態では、この散水用ノズル23のうち、集塵ダクト20内に突出した部分には、例えば、ステンレス鋼等からなる保護管25が配設されているので、散水用ノズル23の劣化が抑制されることになり、散水用ノズル23の寿命延長を図ることができる。
例えば、図1及び図2に示すコークス乾式消火設備に設けられた集塵装置として説明したが、これに限定されることはなく、他の構造のコークス乾式消火設備に適用したものであってもよい。
さらに、図4においては洗浄用ノズルを3つ配設したものが例示されているが、これに限定されることはなく、洗浄用ノズルの個数に限定はない。同様に、散水用ノズルの個数についても特に限定はない。
また、本実施形態では、集塵ダクトを円筒状に形成したものとして説明したが、これに限定されることはなく、矩形筒状等の他の形状の集塵ダクトであってもよい。
10 コークス乾式消火設備の集塵装置
11 集塵フード
13 集塵フィルタ部
17 連結部
20 集塵ダクト
21 排出ゲート
23 散水用ノズル
24 散水制御部
25 保護管
27 洗浄用ノズル
Claims (7)
- 赤熱コークスの消火を行うコークス乾式消火設備において、前記赤熱コークスの装入時に発生する粉塵を排ガスとともに集塵するコークス乾式消火設備の集塵方法であって、
前記赤熱コークスの装入時には、前記粉塵を含む排ガスが導入される集塵ダクト内にミスト散水し、前記排ガスの温度を、前記排ガスに含まれる可燃ガスの自己着火温度未満とするとともに、
前記赤熱コークスの装入が終了し、次の赤熱コークス装入までの間に、洗浄用ノズルから洗浄水を噴射し、前記集塵ダクト内の堆積ダストを水洗除去する構成とされ、
前記集塵ダクトは、集塵方向上流側から集塵方向下流側に向けて漸次上方に向かうように、水平線に対して1°以上5°以下の範囲で傾斜して配置されており、
前記集塵ダクトの集塵方向下流側から集塵方向上流側に向けて洗浄水を噴射し、前記集塵ダクトの集塵方向上流側端部に設けられた排出ゲートから前記洗浄水を排水することを特徴とするコークス乾式消火設備の集塵方法。 - 前記洗浄用ノズルから噴射される洗浄水量を、1回の前記赤熱コークスの装入時に発生する堆積ダスト量に対して、体積比で2倍以上10倍以下とすることを特徴とする請求項1に記載のコークス乾式消火設備の集塵方法。
- 赤熱コークスの消火を行うコークス乾式消火設備において、前記赤熱コークスの装入時に発生する粉塵を集塵するコークス乾式消火設備の集塵装置であって、
前記赤熱コークスの装入口に配設された集塵フードと、この集塵フードに連結された集塵ダクトと、この集塵ダクトの集塵方向下流側に配設された集塵フィルタ部と、前記集塵ダクト内にミスト散水する散水用ノズルと、前記集塵ダクト内の堆積ダストを水洗除去する洗浄用ノズルと、を有し、
前記集塵ダクトの側面に前記集塵フードとの連結部が形成されており、
前記集塵ダクトは、集塵方向上流側から集塵方向下流側に向けて漸次上方に向かうように、水平線に対して1°以上5°以下の範囲で傾斜して配置されており、
前記洗浄用ノズルは、前記集塵ダクトの集塵方向下流側から集塵方向上流側に向けて洗浄水を噴射するように配置されており、
前記集塵ダクトの集塵方向上流側端部には、前記洗浄水を排出する排出ゲートが設けられていることを特徴とするコークス乾式消火設備の集塵装置。 - 前記排出ゲートは、吊り下げ板方式とされており、前記赤熱コークスの装入時には排ガスの吸引によって閉止される構造とされていることを特徴とする請求項3に記載のコークス乾式消火設備の集塵装置。
- 前記洗浄用ノズルは、前記洗浄水の衝突位置が前記集塵フードと前記集塵ダクトとの連結部の集塵方向下流側領域となるように、配置されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のコークス乾式消火設備の集塵装置。
- 前記洗浄用ノズルは、前記集塵ダクトの上部に配置され、その俯角が40°以上70°以下の範囲内に設定されていることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載のコークス乾式消火設備の集塵装置。
- 前記洗浄用ノズルは、噴角が10°以上30°以下の範囲内とされた扇状ノズルであることを特徴とする請求項3から請求項6のいずれか一項に記載のコークス乾式消火設備の集塵装置。
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