JP6617000B2 - エアゾール容器用噴射ボタン - Google Patents
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Description
本発明においては、まず第一に内容物の噴射又は噴霧がソフトなもの、即ちソフトな噴霧を実現できる噴射ボタンに関するものである。
下記特許文献1に記載の発明においては、噴霧粒子を小さくし、かつ、その噴射の勢いを弱めるノズルおよびこれを用いた噴霧容器、噴霧製品の提供をその課題とする。
このようなスリットを備えているため、内容物がスリットを通過するときに通路抵抗と振動を受けて内容物を微細な粒子で、かつソフトに噴霧できるものとなる。
この特許文献2に添付の図4に、その典型的な従来の押しボタンの構造が開示されており、筒体形状の噴口部の内部に円柱形状のチップが内蔵された形態のものである。
その構成は、エアゾール内容物の流路となるハウジングの小径円筒部に焼結体を介装しており、この連続した多孔の焼結体によって流量を抑制するとともに異物の混入を防止し、その取付位置によってスプレーパターンのソフト化やアフタードローの改良を図るようにしたものである。
その構成は、底面略中央部にエアゾール容器の噴射用ステムと嵌合できるステム嵌合部を有し、このステム嵌合部から噴口に向かって流通路が形成され、この流通路の出口部に噴口部材が設けられている。 この噴口部材は有底筒体形状を有し、その内部には有底部から起立するように環状の環状壁が形成され、この環状壁の内部がエアゾール容器の内容物が貯留する貯留室となっている。この貯留室の開口部に前記流通路の出口が対面する。
これを実現するために、上記第1従来例のようなスリットを設けるのでもなく、上記第2従来例のような円柱形状のチップを内蔵するのでもなく、或いは上記第3従来例のような多孔焼結体を利用するのでもなく、より簡易な構成を噴口部自体に採用することによってソフトな噴霧を実現するために、上記第4従来例を本願出願人は提案したのである。
より詳しくは、上記第4従来例に係る噴射ボタンを、エアゾール容器の内容物として「パウダー入りの制汗剤」用として使用する場合、その噴霧パターンはストレートであるために、噴霧の的が狭くなり、その的の部分のみが冷たく感じる、という問題が生じるのである。
更に、この第4従来例の場合には、噴口部材の内部に設けた環状壁によって形成された貯留室内にパウダーが貯留してしまい、パウダー詰りの原因にもなっていたのであった。
これにより、例えば、パウダー入り制汗剤をエアゾール容器の内容物とした場合、ソフトな噴霧を実現し、且つ、一部に冷感が集中することなく、広範囲に渡り程良い冷感を感じさせることができるのである。
というのも、当該突出部の端面は、噴射ボタンの内部の流通路の出口部に対面しているからであり、その端面への粉粒体の蓄積等を防止することができるからである。
図1は、本発明の一実施形態に係る噴射ボタンを図示しており、その(A)が斜視図、その(B)が中央縦断面図、その(C)が要部拡大図である。
当該エアゾール容器については図示していないが、内部に噴射される内容物が収容され、容器の上端部には開閉バルブが備えられ、この開閉バルブから上方に向って噴射用ステムが延長し、この噴射用ステムが押下されることによって当該ステムの吐出口から内部の内容物が噴射される。
この噴射ボタン10は、その全体形状が、上方部分に向かって外径が徐々に小さくなる略円柱形状を有しており、その底面の略中央部には、上記のエアゾール容器の上端部に設けられている噴射用ステムと嵌合するステム嵌合部11が設けられ、このステム嵌合部11から略鉛直上方に縦方向通路12が延長し、この縦方向通路12の中間部から横方向に横方向通路13が連続する。
この流通路の出口部に噴口部材20が配置されるのである。
この小径通路15の内径は、横方向通路13の内径よりも小さく、同様に縦方向通路12の内径よりも小さく形成されている。
この横方向通路13の出口部に上記の通り噴口部材20が配置される。
この有底部の内部には、その略中央部から内側方向に向けて突出部23が設けられており、この突出部23の端面23tは、前記横方向通路13の出口と対面している。
即ち、これら複数の噴口26は、上記突出部23の回りに円環状に配列されている。
これについては後の図2で詳説する。
即ち、噴口部材20は、その軸芯線が水平面と平行でなく、斜めに傾斜しており、少し上方に向いた状態に形成している。
これは使用者の使い勝手を良好にするためである。
この図に示した通り、本発明に係る噴口部材20は、その全体が有底略筒形態を有しており、この有底部20bが内容物の噴射側に配置される。
この突出部23の端面23tは、前記した通り、噴射ボタン20の横方向通路13の出口と対向することとなる。
更に、個々の噴口26においては、その噴口26の出口の噴口部材20の軸芯線X側に遮蔽部26sを設けている。
その結果、噴口26が設けられる有底部20bは傾斜面にて形成されている関係上、その噴口26の出口部には、遮蔽部26sが形成されることとなるのである。
この事情は、それぞれの噴口26において同じであり、その結果、環状に設けられている複数の噴口26からは、円環状に広がるように内容物は外部に噴霧されることとなるのである。
本発明に係る噴射ボタンの外径形状及びサイズは任意に設計変更することができる。
略円柱形状でなく、四角柱形状であってもよいし、その他の横断面多角形の角柱形状であってもよい。
流通路の構成も、上記実施形態のような縦方向通路と横方向通路の構成でなくともよく、ステム嵌合部から噴口に至るまでに通路が形成されていればよい。
縦方向通路と横方向通路との成す角度は、直角でなくともよく、任意の角度に設定することができる。
この際には、横方向通路も水平に形成することになる。
ここで、突出部の端部と横方向通路の出口を対面させたが、突出部の端部の端面を平面に或いは外方に突出する突状に、例えば外向きに湾曲する曲面に形成することにより、例えば内容物としてパウダー等の粉粒体を含有するものにあっては、その粉粒体の堆積や蓄積を防止することができるものである。
また、円環状に穿設された噴口の数も自由に設定することができる。
その有底部の傾斜面の角度も自由に設計変更することができる。
当該有底部の外形形状も、上記実施形態のような略円錐台形状でなく、略円錐形形状に形成するのも自由である。
11 ステム嵌合部
12 縦方向通路
13 横方向通路
15 小径通路
20 噴口部材
22b 有底部
20s 傾斜面
23 突出部
26 噴口
26s 遮蔽部
X 軸芯線
Claims (4)
- エアゾール容器の上端部に設けられた噴射用ステムに装着する噴射ボタンであって、この噴射ボタンには複数の噴口が環状に設けられて環状の噴霧パターンを形成することができる噴射ボタンにおいて、
この噴射ボタンは、底面略中央部に前記ステムと嵌合するステム嵌合部(11)を有し、
このステム嵌合部(11)から噴口(26)に向かって流通路(12, 13)が形成され、流通路(12, 13)の出口部には噴口部材(20)が設けられ、
この噴口部材(20)は有底筒体形状を有し、その有底部(20b)が噴射側に位置し、
この噴口部材(20)の内部には前記有底部(20b)の略中央から起立する突出部(23)が形成され、この突出部(23)の端部が前記流通路(12, 13)の出口と対面し、
この噴口部材(20)の有底部(20b)は、外側に突出する円錐又は円錐台形状に形成され、
この有底部(20b)の前記突出部(23)の回りで且つ傾斜する側面に複数の噴口(26)を環状に穿設し、
当該噴口(26)の出口の有底部中心側の一部に遮蔽部(26s)が設けられ、
前記噴口(26)の前記遮蔽部(26s)以外の内径が前記噴口部材(20)の前記突出部(23)の周りの半径方向の間隔よりも小さく形成されていることを特徴とするエアゾール容器用噴射ボタン。 - 前記筒体形状を有する噴口部材(20)の軸芯線(X)が水平に対して傾斜し、前記噴口部材(20)が斜め上方に向いていることを特徴とする請求項1に記載のエアゾール容器用噴射ボタン。
- 前記流通路(12, 13)が、前記ステム嵌合部(11)から鉛直上方に延長する縦方向通路(12)と、この縦方向通路(12)に接続する横方向通路(13)とからなり、この横方向通路(13)の出口部に噴口部材(20)が位置し、
この横方向通路(13)の縦方向通路(12)側の内径よりも、この横方向通路(13)の出口側通路の内径を大きく形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のエアゾール容器用噴射ボタン。 - 前記噴口部材(20)の内部に設けた突出部(23)の端面の外形形状を平面又は外方に膨出する凸状面としたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のエアゾール容器用噴射ボタン。
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JP2017077892A JP2017077892A (ja) | 2017-04-27 |
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