JP6616706B2 - 可搬式コンテナ及び可搬式コンテナの取扱い方法 - Google Patents
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Description
具体的には、図1及び図2に示すように、可搬式コンテナ1は、内容器10と、外容器30と、内蓋20と、外蓋40と、固定部材35と、を備える。以下、可搬式コンテナ1の各構成について説明する。
外容器30は、図5に示すように、本実施形態ではステンレス材により形成されるとともに、有底の略直方体で形成されている。外容器30は、長方形板状の底板30aと、底板30aの外周縁から立ち上がる4つの側壁30b〜30eと、を備える。4つの側壁30b〜30eは、底板30aを囲むように長方形筒状をなす。底板30aと側壁30b〜30eとの連結部、及び4つの側壁30b〜30e間の連結部は、それぞれ丸みを帯びた形状をなす。外容器30の上側には、上方に開口する開口部31が形成されている。この開口部31を介して、内容器10が出し入れされる。
固定部材35は、図1および図2に示すように、いわゆるパッチン錠で、外容器30における互いに対向する一対の短手辺に沿った側壁30b,30dの外面にそれぞれ設けられている。すなわち、固定部材35は、外容器30における長手方向に対向して位置する。固定部材35は、操作部35bと、係止部材35aと、を備える。係止部材35aは、図1に示すように、長方形状に線材により形成されている。係止部材35aの長方形状の短辺側の一方は、操作部35bに回転可能に連結されている。係止部材35aの両長辺側の線材は屈曲している。作業者の操作部35bの回転操作により、係止部材35aを移動可能に構成している。
なお、図2の右半分に示すように、二点鎖線で示す係止部材35aを外蓋40に係止させ外容器30に外蓋40を固定する。
また、図2に示すように、外容器30における一対の側壁30b,30dには、操作部35bに対応する位置に、作業者によって把持される取手37が設けられている。
内容器10は、高温乾燥時に内容器10が到達する温度(例えば120℃)への高耐熱性を有し、かつ内容器10に食品が収納(充填)されたときに内容器10が変形しない程度の高剛性を有する樹脂により形成される。より具体的には、内容器10は、JIS K 7161に準拠して測定した引っ張り強度が50MPa以上であり、JIS K 7171に準拠して測定した曲げ強度が50MPa以上であり、かつJIS K 7191に準拠して測定した1.8MPaの荷重を加えたときの荷重たわみ温度が100℃以上である樹脂により形成されることが好ましい。本実施形態では、内容器10は、液晶ポリマー(LCP:Liquid Crystal Polymer)により形成される。具体的には、液晶ポリマーとして、例えば、ヒドロキシ安息香酸ポリエステル樹脂が採用されてもよい。
以下の表にて、各種樹脂の引っ張り強度、曲げ強度及び荷重たわみ温度について示す。
LCP:液晶ポリマー(リキッド クリスタル ポリマー)
PP:ポリ プロピレン
PC:ポリ カーボネイト
PAR:ポリ アリレート
PEN:ポリ エチレン ナフタレート
PBT:ポリ ブチレン テレフタレート
PES:ポリ エーテル サルフォン
PPS:ポリ フェニレン サルファイド
PEEK:ポリ エーテル エーテル ケトン
すなわち、内容器10は、液晶ポリマーに代えて、ポリプロピレン(非強化ポリプロピレンを除く)、ポリカーボネイト、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド又はポリエーテルエーテルケトンにより形成されてもよい。より好ましくは、内容器10は、液晶ポリマーに代えて、ポリプロピレン(非強化ポリプロピレンを除く)、ポリカーボネイト、ポリアリレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド又はポリエーテルエーテルケトンにより形成されてもよい。
また、図6に示すように、内容器10における開口部11側の縁部には凹部15が形成されている。凹部15は、縦リブ14が形成される一対の側壁10b,10dに形成されている。凹部15は、図3に示すように、底板10aの厚さ方向に延びる側面15bと、側面15bに直交する設置面15aとを備える。凹部15は、内容器10の内部空間側及び上方に向かって開口している。この設置面15aは、平面状に形成されている。
また、図6に示すように、内容器側フランジ部12の上面には、減圧溝12cが形成されている。
図4に示すように、内容器側フランジ部12における内容器側張出部13に隣接する部分には、複数の凸部12aが形成されている。各凸部12aは、先端が平面状をなす半球状に形成されている。複数の凸部12aは、内容器側フランジ部12と内容器側張出部13との境界線に沿って配列されている。
内蓋20は、透明樹脂、例えば、ポリエーテルサルホン(PES:polyethersulfone)により形成されている。内蓋20は、図2に示すように、内容器10の開口部11を覆う長方形板状で形成されている。図7に示すように、内蓋20の各角部は丸みを帯びている。また、内蓋20は、長方形板状をなす本体部22aと、本体部22aの外周に環状に形成される内蓋側フランジ部22bと、内蓋側フランジ部22bから外側に向かって張り出した内蓋側張出部22cと、を備える。図3に示すように、内蓋側フランジ部22bは、本体部22aよりも下方に位置する。内蓋側フランジ部22bの下面には、内蓋20の外周縁部に沿って凹部23が形成されている。内容器10に内蓋20を被せた際、内容器10における内容器側フランジ部12の先端部12bは、内容器側張出部13がない辺において、内蓋20の凹部23に嵌まる。このとき、内容器10の先端部12bの外側には内蓋側フランジ部22bが位置する。このため、内蓋側フランジ部22bに指をかけて内蓋20を容易に取り外すことができる。
内蓋側張出部22cは、一対の長手辺に沿った内蓋側フランジ部22bに対応する部位に設けられる。すなわち、内蓋側張出部22cは、内蓋20における短手方向に対向して位置する。図1に示すように、内容器10に内蓋20が被された際、内蓋側張出部22cは、内容器側張出部13に重なるように形成されている。
具体的には、シール部材25は、図3の時計回りに90°回転した略断面L字状に形成される装着部25aと、シール保持部24の先端面に向けて延びる鍔部25bと、内容器10の内容器側フランジ部12に当接する止水部25cと、を備える。装着部25aの内周面は、シール保持部24の外周面に接触する。
鍔部25bは、装着部25aの端部(シール保持部24の先端に隣接する端部)からシール保持部24の先端面に沿って形成されている。鍔部25bは、図9に示すように、シール部材25の各角部を除く領域に形成されている。また、装着部25aの内周面には、上記シール保持部24の凹部24aに嵌まる台形形状の嵌合凸部25dが形成されている。
止水部25cは、図3に示すように、装着部25aの外周において、止水部25cの先端側に向かうにつれてシール保持部24に向かうように湾曲している。内蓋20を内容器10に被せた状態で、シール部材25における止水部25cの先端部は、内容器10の内容器側フランジ部12の上面に密接する。これにより、内蓋20を被せた内容器10内に水分を含む異物が浸入することが抑制される。
凸リブ26は、図7に示すように、内蓋20の上面に、内蓋20の4つの角部に対応した円弧状に形成されている。凸リブ26は、シール保持部24の外周側に位置する。
外蓋40は、図1に示すように、本実施形態では、ステンレス材により形成される。外蓋40は、内蓋20と同様に、略長方形板状で形成されている。具体的には、外蓋40は、長方形板状の本体部41と、本体部41の下面の外周縁部に沿って本体部41の厚さ方向に立設する立設縁部42と、本体部41の上面に位置し、固定部材35の係止部材35aが係止する一対の係止金具46と、を備える。
図3に示すように、外蓋40を内蓋20の上面へ重ねたとき、外蓋40の立設縁部42は、内蓋側フランジ部22bの上面に当接する。また、内蓋20と外蓋40との間には閉空間A1が形成されている。
図1と図2に示すように、内蓋20を被せた内容器10は、外容器30内へ収納して外蓋40を被せられる。
内蓋20を被せた内容器10を外容器30へ収納する際、内容器10は外容器30と略同形状で、図6に示すように、長方形板状の底板10aと、底板10aの外周縁から立ち上がる4つの側壁10b〜10eから形成され、かつ、外容器30内に収納可能に外容器30より小さいサイズで形成されているため、内容器10の長手辺側を外容器30の短手辺側にして収納することはできず、内容器10の長手辺側と外容器30の長手辺側を一致させて収納することとなる。そのため確実に、可搬式コンテナ1の長手辺側には内容器10の内容器側張出部13が位置し、短手辺側には外容器30の取手37及び固定部材35を位置させることができる。
したがって、対向する長手辺にも短手辺にも把持する部材が存在するので、対向する長手辺もしくは短手辺のどちらからでも把持し、可搬式コンテナ1を持ち運ぶことができる。また、可搬式コンテナ1を棚等へ収納した際に長手辺もしくは短手辺のどちらからでも、引っ張り出すことができる。
また、内容器10は耐久性の高い樹脂にて製作されているので、内容器10の底板10aと側壁10b〜10eは薄くすることができ、内容器10へと移動する熱は少なくなり、食品を内容器10へ収納した直後の食品の温度変化は小さくなる。
開口部31では外蓋40と外容器30は、内蓋20と内容器10を挟んでおり、外蓋40と外容器30は接触することがないので、より強く内蓋20を内容器10へ引き付けることができる。したがって、外蓋40と外容器30に挟まれる内蓋側フランジ部22b及び内容器側フランジ部12へ確実に圧縮力を伝え、内蓋20に備えるシール部材25をより強く圧縮変形させて止水性を高く保持することができる。
本実施形態では、図11に示すように、異物検査装置としてX線を利用して異物を検出するX線異物検出機110が採用されている。X線異物検出機110では、金属、ガラス、樹脂などの異物を検出可能である。
X線異物検出機110は、例えば、X線発生器111と、ラインセンサ114と、コンベア122と、表示部112と、画像処理部113と、を備える。コンベア122は、電動式ベルトコンベアであって、探知対象(本実施形態では、食品が収納された内蓋20付き内容器10)を、第1の作業台131の近傍から第2の作業台132の近傍まで、X線発生器111とラインセンサ114との間を経て搬送する。
X線発生器111は、コンベア122の上方に位置し、コンベア122によって搬送される探知対象にX線を照射する。ラインセンサ114は、コンベア122内におけるX線発生器111に対向する位置に設けられ、X線発生器111からのX線を受光して探知対象を撮影する。画像処理部113は、ラインセンサ114によって撮影された画像を解析して異物の有無を判断するとともに、その画像を表示部112に表示する。画像処理部113は、異物がある旨判断すると、表示部112を通じて作業者にその旨を通知してもよい。
なお、異物検査装置としてX線異物検出機110に代えて、例えば、送信コイル及び受信コイルを備えた金属検出機を利用してもよい。金属検出機では、金属製の異物のみ検出可能である。
次に、図12のフローチャートに従って、作業者による可搬式コンテナ1の取り扱い方法について説明する。なお、この取り扱い方法は、一例であって、これ以外の取り扱い方法にて可搬式コンテナ1が使用されてもよい。
まず、作業者は、内容器10及び内蓋20を準備し、その内容器10に食品を入れたうえで、その内容器10に内蓋20を被せる(S1:充填ステップ)。この充填ステップS1は、例えば、図11に示される第1の作業台131上で作業者によって行われる。このとき、内蓋20にシール部材25を取り付けてもよい。その際、シール部材25の硬度を、シール部材25を取り付けた内蓋20を内容器10に被せた際に、内容器10の内容器側張出部13と、内蓋20の内蓋側フランジ部22bとが接触しない程度の硬さにすることが好ましい。本実施形態では、内蓋20は透明であるため、作業者は、内蓋20を通じて内容器10内の食品を視認可能である。なお、作業者は、内容器10を運ぶ際には、一対の内蓋側張出部22cと内容器側張出部13とを重ねて把持する。
次に、異物が無いと判定された内蓋20付き内容器10は、外容器30内に収納される(S3:収納ステップ)。この収納ステップS3は、例えば、図11に示される第2の作業台132上で作業者によって行われる。なお、異物が有ると判定された内蓋20付き内容器10は、外容器30へ収納せずに異物混入の原因が作業者によって分析される。
次に、収納ステップS3を経た外容器30には外蓋40が被され、固定部材35により可搬式コンテナ1が一体化される(S4:一体化ステップ)。具体的には、作業者は、外容器30の各係止部材35aを、それに対応する係止金具46に係止したうえで、操作部35bを操作する。これにより、外蓋40、外容器30、内蓋20及び内容器10が一体化される。このとき、外蓋40の立設縁部42と外容器30の開口部31側の縁部との間には、内蓋側フランジ部22b及び内容器側フランジ部12を挟みつつ圧縮力が発生する。
次に、一体化された可搬式コンテナ1は、第2の作業台132から搬送コンテナ車130内へ収納される(S5:収納ステップ)。可搬式コンテナ1は、搬送コンテナ車130に収納された状態で、給食センター等の搬送元から、学校などの搬送先に搬送される(S6:搬送ステップ)。
以後、搬送コンテナ車130が搬送先に到着した後、搬送コンテナ車130から可搬式コンテナ1が下ろされる。そして、例えば、搬送先が学校の例では、可搬式コンテナ1は、各教室前まで搬送されたうえで、各教室の配膳台に乗せられる。そして、教室内の配膳台にて可搬式コンテナ1における固定部材35の係止を外し、内容器10及び外容器30から外蓋40及び内蓋20は外され、内容器10内の食品は食器へと盛り付けられて配膳される。なお、内容器10を外容器30から取り出して、内容器10内の食品を食器へと盛り付けてもよい。配膳が終了すると、外蓋40及び内蓋20は、内容器10及び外容器30に再び被せられて、固定部材35により係止することで、可搬式コンテナ1は一体化される。その一体化された可搬式コンテナ1は再び搬送コンテナ車130に収納され、搬送コンテナ車130は搬送元に戻される。搬送元にて、搬送コンテナ車130から可搬式コンテナ1を下ろした後、操作部35bの操作を通じて、外容器30の各係止部材35aを係止金具46から外して、外容器30及び内容器10から外蓋40及び内蓋20を外し、さらに外容器30から内容器10を取り出し、さらに内蓋20からシール部材25を取り外し、各部材に分解する。そのうえで、各部材が洗浄機へ投入されて洗浄される。各部材は、洗浄機にて50℃〜60℃のお湯で洗浄される。洗浄機にて洗浄された各部材は、一例として洗浄された搬送コンテナ車130へ収納され、搬送コンテナ車130ごと乾燥、消毒されて保管される。各部材は、例えば搬送コンテナ車130へ90℃〜120℃の高温熱風を流入させて循環させることにより、乾燥される。
内容器10を保管する際、複数の内容器10を積み重ねることができる。具体的には、図10に示すように、複数の内容器10である第1の内容器101と第2の内容器102とを積み重ねる場合について説明する。
まず、第1の内容器101の底板10aを第2の内容器102内に挿入していく。このとき、第1の内容器101の向きを、第2の内容器102に合わせる。第1の内容器101の3つの縦リブ14の先端は、第2の内容器102の凹部15の設置面15aに当接する。これにより、第1の内容器101は、両側壁10b,10dのそれぞれの3つの縦リブ14を介して第2の内容器102に対して安定して位置する。このとき、第2の内容器102の内部空間は、第1の内容器101の縦リブ14間の空間を通じて外部に連通している。これと同様に、3つ以上の内容器10を積み重ねてもよい。
図7〜図9に示す内蓋20を保管する際、複数の内蓋20を積み重ねることができる。この場合、第1の内蓋20の凸リブ26が第2の内蓋20のシール保持部24の外周側に嵌まり込む。よって、第1の内蓋20を第2の内蓋20に安定的に積み重ねることができる。
以上、説明した一実施形態によれば、以下の効果を奏する。
この構成によれば、内容器10は樹脂から形成されるため、内容器10に食品を収納した状態で、その内容器10を異物検査装置に通して食品内の異物を検出可能である。
また、内容器10は、内容器10に食品が収納(充填)されたとき、かつ食品が収納(充填)された内容器10を持ったときに内容器10が変形しない程度の剛性を有する樹脂からなる。よって内容器10の板厚を薄く形成することができ、内容器の小型化、ひいては可搬式コンテナ1の小型化を達成することができる。これにより、可搬式コンテナ1の体積に対する内容器10の収納容積の効率を向上させることができるとともに、内容器10を軽くすることができ、可搬式コンテナ1の運搬が容易となる。さらに、内容器10の板厚を薄く形成することで、例えばX線異物検出機110を使用する場合はX線が透過する際の抵抗が低下し、異物を確実かつ安定して検出することができる。
さらに、内容器10の耐久性を高めるための補強リブが不要となるため、可搬式コンテナ1の大型化をいっそう抑制することができる。
また、内容器10は、洗浄後の高温熱風による乾燥時に内容器10が到達する温度(例えば、120℃)への耐熱性を有する樹脂からなる。よって、乾燥時の高温熱風により内容器10が変形することがない。
上記のように、内容器10の樹脂を、引っ張り強度、曲げ強度及び荷重たわみ温度の各々の特性値を満足することができる樹脂を用いることで、乾燥時の高温熱風に耐える耐熱性と、食品を収納した時に変形しない程度の剛性をもった内容器を備えた可搬式コンテナを製作することができる。そうすることにより、内容器を小型化し、ひいては、可搬式コンテナを小型化することができる。
この構成によれば、固定部材35により内蓋20、内容器10、外容器30及び外蓋40が一体化されることで、外蓋40と外容器30の間に内蓋20と内容器10を、より確実に保持して運搬することができる。
この構成によれば、内容器側フランジ部12によって、内容器10の開口部11側の縁部と外容器30の開口部31側の縁部との間の隙間が塞がれる。よって、内容器10の熱がこの隙間から外部に逃げることが抑制され、可搬式コンテナ1の保温性が向上する。
さらに、内容器10は、その内容器側フランジ部12のみが外容器30に接触する。このため、内容器10及び外容器30の接触面積を最小限に留めることができる。従って、内容器10から外容器30に熱が伝わりづらく、可搬式コンテナ1の保温性が向上する。
この構成によれば、作業者は、内容器側フランジ部12を把持して、内容器10を外容器30から容易に取り出すことができる。
この構成によれば、固定部材35によって、内容器側フランジ部12及び内蓋側フランジ部22bが密着することで、内容器10及び内蓋20の間での止水性を向上させることができる。しかも内容器側フランジ部12及び内蓋側フランジ部22bが密着することで、シール部材25を必要以上に圧縮変形させることがない。そのため、シール部材25の有無又は状態に関わらず、固定部材35の操作荷重のばらつきを低減することができる。
また、内容器側フランジ部12及び内蓋側フランジ部22bを重ねて把持することで把持する厚みが増す。よって、内容器10及び内蓋20を持ちやすくなる。また、内容器10及び内蓋20を持つとき、内蓋20が内容器10から外れることを防止することができる。
この構成によれば、外容器30は、2層構造で構成されて、断熱層32aが形成される。よって、可搬式コンテナ1の保温性が向上する。
また、内筒32i及び外筒32oは、開口部31側で、例えば溶接により連結されているため、洗浄時に断熱層32a内に水が浸入しない。
この構成によれば、閉空間A1により可搬式コンテナ1の保温性が向上する。
この構成によれば、作業者は、内容器側張出部13を把持することで、いっそう容易に内容器10を外容器30から容易に取り外すことができる。
この構成によれば、内容器側張出部13が湾曲することで、内容器側張出部13を手指にて支持した際、その手指が、外容器30の開口部31側の縁部と内容器側フランジ部12との間から離れるため、その手指がそれらの間に挟まることを防止することができる。
また、内容器側張出部13は固定部材35が存在しない外容器30の側壁30c、30eに対応して設けられるため、内容器側張出部13と固定部材35とは異なる位置となる。よって、固定部材35(例えばパッチン錠)の係止部材35aは内容器側張出部13を回避するような形状とする必要がない。
この構成によれば、第1の内容器101は、複数の縦リブ14を介して第2の内容器102に安定して位置する。このとき、第2の内容器102の内部空間は、第1の内容器101の縦リブ14間の空間を通じて外部に連通している。これにより、容器乾燥時この空間を通じて、第2の内容器102内に付着した水分を外部に逃がすことができ、早く乾燥させることができる。
この構成によれば、第1の内蓋20の凸リブ26が第2の内蓋20のシール保持部24の外周側に嵌まり込む。よって、第1の内蓋20を第2の内蓋20に安定的に積み重ねることができる。また、この際、シール部材25が圧縮されることがないため、シール部材25の耐久性を高めることができる。
この構成によれば、作業者の手指が凸部12aに当たることで、手指が凸部12aを超えることが抑制され、これにより、外容器30の開口部31側の縁部と内容器側フランジ部12との間に指が挟まることを防止することができる。
従って、止水性を確保するためにシール部材25の硬度を高く設定しつつ、内蓋20が取り付けられた内容器10が把持されたときに、止水部25cが圧縮変形することで止水性を高めることができる。
また、内蓋20を内容器10から取り外す際には、内容器10の先端部12bと、内蓋20の内蓋側フランジ部22bとの間に隙間があるため、その隙間に指を入れることで容易に内蓋20を内容器10から取り外し可能となる。
この構成によれば、可搬式コンテナ1を外蓋40、外容器30、内蓋20及び内容器10からなる保温性の高い構造としつつ、必要最小限のステップにて内容器10内の食品について異物検査を行うことができる。また、上述のように、可搬式コンテナ1は取り扱いが容易であるため、各ステップの作業を円滑に行うことができる。
この構成によれば、内蓋側張出部22cを内容器側張出部13とともに把持することで厚みが増し、内容器側フランジ部12を持つよりも持ち易くなる。また、外容器30から内容器10および内蓋20を取り出す際にも、取り出し易い。
また、内蓋側張出部22cを内容器側張出部13とともに把持することで、内容器側フランジ部12を持つよりも内容器10および内蓋20の密着性が高まり、止水性が高まる。
さらに、内蓋側張出部22cは内容器側張出部13より小さく、また内蓋側張出部22cと内容器側張出部13の間に隙間ができるため、内蓋側フランジ部22bに指をかけるよりも、さらに内蓋20を取り外し易い。
また、シール部材25には止水部25cが設けられることで、シール部材25と内容器10との密着面積を増大させることができる。よって、シール部材25によるシール性を向上させることができる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
また、縦リブ14の数は適宜変更可能であり、例えば、各側壁10b,10dに2つずつの縦リブ14が設けられてもよいし、4つ以上ずつの縦リブ14が設けられてもよい。また、各側壁10c,10eに縦リブ14が設けられてもよい。
また、上記実施形態における固定部材35を省略してもよい。この場合、内蓋20及び外蓋40の自重により、内蓋20及び外蓋40によって内容器10及び外容器30が閉じた状態が維持されてもよい。
また、内蓋20におけるシール保持部24、シール部材25及び凸リブ26を省略してもよい。
また、内容器側張出部13は、内容器10が外容器30に収納されたとき、固定部材35が存在しない外容器30の側壁30c、30eに対応して設けられていたが、固定部材35が存在する外容器30の側壁30b、30dに対応して設けられていてもよい。また、内容器側張出部13は、内容器側フランジ部12の全周に亘って設けられていてもよい。さらに、内容器側張出部13を省略してもよい。この場合でも、内容器側フランジ部12を把持することで、外容器30から内容器10を取り出し可能である。
また、内蓋20と外蓋40との間に形成される閉空間A1に断熱部材を設けてもよいし、この閉空間A1を省略してもよい。
10…内容器
10a…底板
10b〜10e…側壁
11…開口部
12…内容器側フランジ部
12a…凸部
12b…先端部
12c…減圧溝
13…内容器側張出部
14…縦リブ(リブ)
15…凹部
15a…設置面
15b…側面
20…内蓋
22a…本体部
22b…内蓋側フランジ部
22c…内蓋側張出部
23…凹部
24…シール保持部
24a…凹部
25…シール部材
25a…装着部
25b…鍔部
25c…止水部
25d…嵌合凸部
26…凸リブ
27…凸部
30…外容器
30a…底板
30b〜30e…側壁
31…開口部
32a…断熱層
32i…内筒
32o…外筒
35…固定部材
35a…係止部材
35b…操作部
37…取手
40…外蓋
41…本体部
42…立設縁部
46…係止金具
101…第1の内容器
102…第2の内容器
110…X線異物検出機
111…X線発生器
112…表示部
113…画像処理部
114…ラインセンサ
122…コンベア
130…搬送コンテナ車
131…第1の作業台
132…第2の作業台
Claims (15)
- 開口部が形成されるとともに、収容物が収納される内容器と、
開口部が形成されるとともに、前記内容器を収納する外容器と、
前記内容器の前記開口部を覆う内蓋と、を備え、
前記内容器は、洗浄後の高温熱風による乾燥時に前記内容器が到達する温度への耐熱性を有し、かつ前記内容器に前記収容物が収納されたときに前記内容器が変形しない程度の剛性を有する樹脂からなり、
前記内容器を形成する前記樹脂は、引っ張り強度が50MPa以上であり、曲げ強度が50MPa以上であり、かつ1.8MPaの荷重を加えたときの荷重たわみ温度が100℃以上である、
ことを特徴とする可搬式コンテナ。 - 前記内容器を形成する前記樹脂は、液晶ポリマーである、
ことを特徴とする請求項1に記載の可搬式コンテナ。 - 前記内蓋の上面に重なる外蓋と、
前記外容器の側壁の外面に設けられ、前記内蓋に重なる前記外蓋に係止することで、前記内蓋、前記内容器、前記外容器及び前記外蓋を一体化する固定部材と、を備える、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の可搬式コンテナ。 - 前記内容器は、前記内容器の前記開口部側の縁部から外側に延び、前記外容器の前記開口部側の縁部に当接する内容器側フランジ部を備える、
ことを特徴とする請求項3に記載の可搬式コンテナ。 - 前記内容器側フランジ部は、前記内容器が前記外容器に収納された状態で前記外容器よりも外側に延びる、
ことを特徴とする請求項4に記載の可搬式コンテナ。 - 前記内蓋は、前記内蓋の外周側に設けられ、前記内容器側フランジ部に重なる内蓋側フランジ部を備え、
前記固定部材は、前記外容器に対して前記外蓋を引き付けることで、前記外容器及び前記外蓋の間で、前記内容器側フランジ部及び前記内蓋側フランジ部を密着させる、
ことを特徴とする請求項5に記載の可搬式コンテナ。 - 前記外容器は、
有底の内筒と、
前記内筒の外周側に位置する有底の外筒と、を備え、
前記内筒及び前記外筒は前記外容器の前記開口部側で連結され、
前記内筒と前記外筒との間には断熱層が設けられる、
ことを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の可搬式コンテナ。 - 前記内蓋と前記外蓋との間には閉空間が形成されている、
ことを特徴とする請求項3から6の何れか一項に記載の可搬式コンテナ。 - 前記内容器側フランジ部は、前記内容器に前記内蓋を被せた状態において、前記内蓋側フランジ部よりも外側に延びる内容器側張出部を備える、
ことを特徴とする請求項6に記載の可搬式コンテナ。 - 前記固定部材は、前記外容器の内部空間を挟んで互いに対向する位置に2つ設けられ、
前記内容器側張出部は、前記内容器が前記外容器に収納されたとき、前記固定部材が存在しない前記外容器の側壁の外面に対応して設けられるとともに、前記内容器の外側に向かうにつれて前記内容器の底部に向かうように湾曲する、
ことを特徴とする請求項9に記載の可搬式コンテナ。 - 前記内容器は、
前記内容器の側壁の外面に前記内容器の内部空間を挟んで位置し、前記内容器の底板の厚さ方向に延びるリブを備え、
複数の前記内容器である第1の内容器と第2の内容器とが積み重ねられる際、前記第1の内容器の前記リブが前記第2の内容器の前記開口部側の縁部に当接するように形成される、
ことを特徴とする請求項1から10の何れか一項に記載の可搬式コンテナ。 - 前記内蓋は、
前記内蓋の下面における外周側の縁部に沿って形成されるシール保持部と、
前記シール保持部に保持され、前記内容器及び前記内蓋の間の隙間に位置するシール部材と、
前記内蓋の上面に形成される凸リブと、を備え、
複数の前記内蓋である第1の内蓋と第2の内蓋とが積み重ねられる際、前記第1の内蓋における前記凸リブは、前記第2の内蓋における前記シール部材の外側に位置するように形成される、
ことを特徴とする請求項1から11の何れか一項に記載の可搬式コンテナ。 - 前記内容器側フランジ部は、
前記内容器側フランジ部の裏面に形成され、前記内容器が前記外容器に収納されたとき、前記外容器の前記開口部側の縁部より外側に位置する凸部を備える、
ことを特徴とする請求項4から6、9、10の何れか一項に記載の可搬式コンテナ。 - 前記内容器及び前記内蓋の間の隙間に位置するシール部材を備え、
前記シール部材の硬度は、前記内容器に前記内蓋を被せたとき、前記内容器の前記開口部と前記内蓋とが離間するように設定される、
ことを特徴とする請求項1から13の何れか一項に記載の可搬式コンテナ。 - 請求項1から14の何れか一項に記載の可搬式コンテナの取扱い方法であって、
前記内容器に前記収容物を収納したうえで前記内蓋を被せる充填ステップと、
前記充填ステップを経た前記内容器について、異物を検出する異物検査装置を通じて前記内容器内の異物の有無を判定する異物検査ステップと、
前記異物検査ステップにおいて異物が混入されていないと判定された前記内容器を、前記外容器内に収納する収納ステップと、を有する、
ことを特徴とする可搬式コンテナの取扱い方法。
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