JP6616494B2 - 光学積層フィルムおよび偏光イメージングセンサ - Google Patents

光学積層フィルムおよび偏光イメージングセンサ Download PDF

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Description

本発明は、偏光の状態を検出可能にする光学積層フィルム、および、この光学積層フィルムを用いる偏光イメージングセンサに関する。
被写体からの光の偏光の状態を検出する偏光イメージングセンサが知られている。
この偏光イメージングセンサによれば、物体の面の傾き、判別が困難な形状および境界の明確化、物体に掛かった応力の状態の検出など、通常の白黒画像またはカラー画像では得られない情報を得ることができる。
そのため偏光イメージングセンサは、検査、医療、運転補助、操作、セキュリティー等、様々な分野での利用が考えられる。
このような偏光イメージングセンサとしては、例えば、特許文献1に記載される偏光解析装置が知られている。
この偏光解析装置は、位相差が一定で遅相軸方向が異なる複数の波長板領域を有する波長板アレイと、通過する偏光の偏光軸方向が異なる複数の偏光板領域を有する偏光板アレイとを、波長板アレイが前面で、偏光板アレイが後面となるように重ね合わせ、それらを通過した光の強度分布を受光素子アレイで測定し、受光素子アレイによる出力画像の濃度の変動パターンを解析することで、入射した光の偏光の状態を検出する。
特許第4153412号公報
特許文献1に記載される偏光イメージングセンサによれば、偏光板アレイと波長板アレイと受光素子アレイとを組み合わせることにより、偏光板の回転機構等の駆動部を無くすことができ、小型で、かつ、高速で被写体からの光の偏光情報が得られる。
その反面、特許文献1に記載される偏光イメージングセンサは、通過する偏光の偏光軸方向が異なる複数の偏光板領域を有する偏光板アレイを用いている。このような偏光軸がパターニングされた偏光板アレイは、作製が困難で生産性が悪く、また、汎用性も低い。さらに、偏光軸がパターニングされた偏光板アレイは、偏光軸の方向を、小さな角度差で細かく設定することも困難であるため、ある程度以上は、偏光の状態の検出精度の向上も困難である。
本発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決することにあり、構成が簡単で、かつ、生産性が良好で汎用性が高い部品を用いて、偏光の状態を検出することを可能にする光学積層フィルム、ならびに、この光学積層フィルムを用いる偏光イメージングセンサを提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明の光学積層フィルムは、パターン光学異方性層を有する第1の位相差板と、パターン光学異方性層を有する第2の位相差板と、偏光軸が一方向の偏光板と、を有し、
第1の位相差板のパターン光学異方性層および第2の位相差板のパターン光学異方性層は、位相差は一定で、さらに、同一面内で複数の帯状領域に分割されており、
さらに、第1の位相差板のパターン光学異方性層および第2の位相差板のパターン光学異方性層は、1つの帯状領域内における遅相軸の方向は一致し、かつ、それぞれの帯状領域における遅相軸の方向は全て異なる、複数の帯状領域からなる単位を、複数、有し、かつ、
第1の位相差板のパターン光学異方性層の帯状領域と第2の位相差板のパターン光学異方性層の帯状領域とが、面方向において、互いに交差して配置され、第1の位相差板、第2の位相差板および偏光板の順番で積層されることを特徴とする光学積層フィルムを提供する。
このような本発明の光学積層フィルムにおいて、第1の位相差板のパターン光学異方性層および第2の位相差板のパターン光学異方性層は、同じ単位を、帯状領域の配列方向に繰り返し有するのが好ましい。
また、第1の位相差板のパターン光学異方性層および第2の位相差板のパターン光学異方性層は、単位における帯状領域の遅相軸の方向が、帯状領域の配列方向に向かって、順次、変わるのが好ましい。
また、第1の位相差板のパターン光学異方性層の帯状領域と、第2の位相差板のパターン光学異方性層の帯状領域とが、面方向において直交するのが好ましい。
また、第1の位相差板と第2の位相差板とが、異なる位相差板であるのが好ましい。
また、第1の位相差板および第2の位相差板は、一方がλ/4板で、他方がλ/2板であるのが好ましい。
また、第1の位相差板のパターン光学異方性層および第2の位相差板のパターン光学異方性層は、単位における帯状領域の遅相軸の方向が、帯状領域の配列方向に対して、0°から180°まで変わるのが好ましい。
さらに、第1の位相差板のパターン光学異方性層および第2の位相差板のパターン光学異方性層が、液晶性化合物を含むのが好ましい。
また、本発明の偏光イメージングセンサは、本発明の光学積層フィルムと、イメージセンサとを有することを特徴とする偏光イメージングセンサを提供する。
本発明によれば、簡易な構成で、かつ、生産性の良好な汎用性の高い部品を用いて、入射した光の偏光の状態を検出できる。
図1は、本発明の偏光イメージングセンサの一例を概念的に示す斜視図である。 図2は、図1に示す偏光イメージングセンサの偏光検出フィルタを概念的に示す正面図および側面図である。 図3は、図2に示す偏光検出フィルタを分解した概念図である。 図4は、図2に示す偏光検出フィルタの製造方法の一例を説明するための概念図である。 図5は、本発明の偏光イメージングセンサによる直線偏光の検出結果の一例を示す図である。 図6は、本発明の偏光イメージングセンサによる円偏光の検出結果の一例を示す図である。
以下、本発明の光学積層フィルムおよび偏光イメージングセンサについて、添付の図面に示される好適な実施例を基に、詳細に説明する。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、「直交」および「平行」とは、本発明が属する技術分野において許容される誤差の範囲を含むものとする。例えば、「直交」および「平行」とは、厳密な直交あるいは平行に対して±10°未満の範囲内であることなどを意味し、厳密な直交あるいは平行に対しての誤差は、5°以下であることが好ましく、3°以下であることがより好ましい。
また、「直交」および「平行」以外で表される角度、例えば、15°や45°等の具体的な角度についても、本発明が属する技術分野において許容される誤差の範囲を含むものとする。例えば、本発明においては、角度は、具体的に示された厳密な角度に対して、±5°未満であることなどを意味し、示された厳密な角度に対する誤差は、±3°以下であるのが好ましく、±1°以下であるのが好ましい。
Re(λ)は、波長λにおける面内のレターデーションを表す。Re(λ)はAxometry(Axometric社製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。なお、本明細書では、測定波長について特に付記がない場合は、測定波長は550nmである。
図1に、本発明の光学積層フィルムを利用する、本発明の偏光イメージングセンサの一例の概略斜視図を示す。
図1に示す偏光イメージングセンサ10は、基本的に、偏光検出フィルタ12と、イメージセンサ14とを有して構成される。偏光検出フィルタ12は、本発明の光学積層フィルムである。図2に概念的に示すように、偏光検出フィルタ12は第1位相差板20と、第2位相差板24と、偏光板26とを有する。
偏光イメージングセンサ10は、偏光検出フィルタ12に入射して、透過した光を、イメージセンサ14で測光することにより、入射した光の偏光状態を検出するものである。
イメージセンサ14は、CCD(Charge-Coupled Device)センサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ、フォトダイオードなど、受光素子(光電変換素子)を二次元的に配列してなる公知のイメージセンサが、全て、利用可能である。
図1に示す偏光イメージングセンサ10は、偏光検出フィルタ12とイメージセンサ14とを密着して配置しているが、本発明は、これに限定はされない。
例えば、偏光検出フィルタ12とイメージセンサ14との間に公知の光学系を配置して、偏光検出フィルタ12を透過した光をイメージセンサ14の受光面に結像するようにしてもよく、また、偏光検出フィルタ12を透過した光を拡大あるいは縮小できるようにしてもよい。
図2に、本発明の偏光検出フィルタ12の一例を概念的に示す。なお、図2において、上側は正面図、下側は側面図である。正面図とは、偏光検出フィルタ12を、測定する光の入射側から見た図である。また、図2は、偏光検出フィルタ12の一例を概念的に示すものであり、後述する帯状領域の数(複数の帯状領域からなる単位の数)は、図2に示す数に限定はされない。
図2に示すように、偏光検出フィルタ12は、第1位相差板20と、第2位相差板24と、偏光板26とを有する。偏光検出フィルタ12は、光入射面側から、第1位相差板20と、第2位相差板24と、偏光板26とを、この順番で積層し、貼合層28によって貼り合わせた構成を有する。
図示例においては、一例として、第1位相差板20は、パターン光学異方性層20Aと支持体20Bとを有するλ/4板である。第2位相差板24は、パターン光学異方性層24Aと支持体24Bとを有するλ/2板である。偏光板26は、直線偏光板である。
なお、パターン光学異方性層20Aの形成材料によっては、第1位相差板20は、支持体20Bを有さなくてもよい。同様に、パターン光学異方性層24Aの形成材料によっては、第2位相差板24は、支持体24Bを有さなくてもよい。
貼合層28は、第1位相差板20と第2位相差板24、および、第2位相差板24と偏光板26を貼り合わせるものである。
貼合層28は、対象となる板状物(シート状物)を貼り合わせられる物であれば、公知の各種の材料からなるものが利用可能であり、貼り合わせる際には流動性を有し、その後、固体になる、接着剤からなる層でも、貼り合わせる際にゲル状(ゴム状)の柔らかい固体で、その後もゲル状の状態が変化しない、粘着剤からなる層でも、接着剤と粘着剤との両方の特徴を持った材料からなる層でもよい。従って、貼合層28は、光学透明接着剤(OCA(Optical Clear Adhesive))、光学透明両面テープ、紫外線硬化型樹脂等、光学装置および光学素子でシート状物の貼り合わせに用いられる公知のものを用いればよい。
あるいは、貼合層28で貼り合わせるのではなく、第1位相差板20と、第2位相差板24と、偏光板26とを積層して、枠体や治具等で保持して、本発明の光学積層フィルムを構成してもよい。
図3に、偏光検出フィルタ12を分解して示す。
図3に示すように、第1位相差板20のパターン光学異方性層20Aは、同一面内において遅相軸が複数の帯状領域に分割されている。具体的には、パターン光学異方性層20Aは、同じ幅の直線状の領域である、第1帯状領域20a〜第12帯状領域20lの12個の帯状領域を有する。図3において、各帯状領域の矢印は、パターン光学異方性層20Aおよびパターン光学異方性層24Aの遅相軸の方向を示している。
第1位相差板20は、λ/4板であり、パターン光学異方性層20Aの第1帯状領域20a〜第12帯状領域20lは、位相差は一定であるが、各帯状領域において、遅相軸の方向が全て異なる。すなわち、第1位相差板20のパターン光学異方性層20Aは、遅相軸の方向が異なる複数の帯状領域に分割されたパターン光学異方性を有する。
図示例においては、第1位相差板20のパターン光学異方性層20Aにおいて、第1帯状領域20a〜第12帯状領域20lは、各帯状領域の配列方向すなわち帯状領域の長手方向と直交する方向に対して、0〜180°まで、15°刻みで、遅相軸が変化している。なお、0°は180°と等しい。
以下の説明では、第1位相差板20および第2位相差板24において、『帯状領域の配列方向』を『基準方向』とも言う。
すなわち、第1位相差板20において、第1帯状領域20aは基準方向に対して0°傾いた遅相軸を有する。第2帯状領域20bは基準方向に対して15°傾いた遅相軸を有する。第3帯状領域20cは基準方向に対して30°傾いた遅相軸を有する。第4帯状領域20dは基準方向に対して45°傾いた遅相軸を有する。第5帯状領域20eは基準方向に対して60°傾いた遅相軸を有する。第6帯状領域20fは基準方向に対して75°傾いた遅相軸を有する。第7帯状領域20gは基準方向に対して90°傾いた遅相軸を有する。第8帯状領域20hは基準方向に対して105°傾いた遅相軸を有する。第9帯状領域20iは基準方向に対して120°傾いた遅相軸を有する。第10帯状領域20jは基準方向に対して135°傾いた遅相軸を有する。第11帯状領域20kは基準方向に対して150°傾いた遅相軸を有する。さらに、第12帯状領域20lは基準方向に対して165°傾いた遅相軸を有する。
第1位相差板20のパターン光学異方性層20Aは、この第1帯状領域20a〜第12帯状領域20lの12個の帯状領域を1つの単位として、この第1帯状領域20a〜第12帯状領域20lからなる単位を、複数、基準方向に繰り返し形成した構成を有する。
なお、本発明において、1つの単位を構成する帯状領域の数は、図示例の12個に限定はされず、後述する隣接する帯状領域における遅相軸の角度差等に応じて、適宜、設定すればよい。また、本発明において、パターン光学異方性層20Aは、1つの単位において、図示例のように、遅相軸の方向が0〜180°まで変わるのが好ましい。以上の点に関しては、第2位相差板24のパターン光学異方性層24Aも同様である。
図3に示すように、第2位相差板24のパターン光学異方性層24Aも、同一面内において遅相軸が複数の帯状領域に分割されている。具体的には、パターン光学異方性層24Aは、同じ幅の直線状の領域である、第1帯状領域24a〜第12帯状領域24lの12個の帯状領域を有する。
第2位相差板24は、λ/2板であり、パターン光学異方性層24Aの第1帯状領域24a〜第12帯状領域24lは、位相差は一定であるが、各帯状領域において、遅相軸の方向が全て異なる。すなわち、第2位相差板24も、遅相軸が帯状領域に分割されたパターン光学異方性を有する。
図示例においては、第2位相差板24のパターン光学異方性層24Aの第1帯状領域24a〜第12帯状領域24lも、基準方向(各領域の配列方向)に対して、0〜180°まで、15°刻みで、遅相軸が変化している。
すなわち、第2位相差板24において、第1帯状領域24aは基準方向に対して0°傾いた遅相軸を有する。第2帯状領域24bは基準方向に対して15°傾いた遅相軸を有する。第3帯状領域24cは基準方向に対して30°傾いた遅相軸を有する。第4帯状領域24dは基準方向に対して45°傾いた遅相軸を有する。第5帯状領域24eは基準方向に対して60°傾いた遅相軸を有する。第6帯状領域24fは基準方向に対して75°傾いた遅相軸を有する。第7帯状領域24gは基準方向に対して90°傾いた遅相軸を有する。第8帯状領域24hは基準方向に対して105°傾いた遅相軸を有する。第9帯状領域24iは基準方向に対して120°傾いた遅相軸を有する。第10帯状領域24jは基準方向に対して135°傾いた遅相軸を有する。第11帯状領域24kは基準方向に対して150°傾いた遅相軸を有する。さらに、第12帯状領域24lは基準方向に対して165°傾いた遅相軸を有する。
第2位相差板24のパターン光学異方性層24Aは、この第1帯状領域24a〜第12帯状領域24lの12個の帯状領域を1つの単位として、この第1帯状領域24a〜第12帯状領域24lからなる単位を、複数、基準方向に繰り返し形成した構成を有する。
偏光板26は、一方向の偏光軸を有する直線偏光板であり、ヨウ素化合物を含む吸収型偏光板やワイヤーグリッドなどの反射型偏光板等の一般的な直線偏光板が利用可能である。なお、偏光軸とは、透過軸と同義である。
図示例において、偏光板26は、偏光板26内に矢印で示すように、一例として、第1位相差板20の基準方向に一致する偏光軸を有する。
図2に示すように、図示例の偏光検出フィルタ12は、一例として、第1位相差板20、第2位相差板24および偏光板26は同サイズの正方形状の平面形状を有する。また、第1位相差板20と第2位相差板24とで、各帯状領域の幅は等しい。
さらに、図2および図3に示すように、第1位相差板20と第2位相差板24とは、互いのパターン光学異方性層の帯状領域を直交して配置される。すなわち、第1位相差板20と第2位相差板24とは、互いの基準方向を直交して配置される。従って、第1位相差板20の1個の帯状領域は、第2位相差板24の第1帯状領域24a〜第12帯状領域24lの全てと、繰り返し交差する。他方、第2位相差板24の1個の帯状領域は、第1位相差板20の第1帯状領域20a〜第12帯状領域20lの全てと繰り返し交差する。
これにより、偏光検出フィルタ12は、正面すなわち光の入射方向から見た際に、第1位相差板20の1つの単位と第2位相差板24の1つの単位とによって、第1位相差板20の第1帯状領域20a〜第12帯状領域20lと、第2位相差板24の第1帯状領域24a〜第12帯状領域24lとの、それぞれの交差によって形成された、面方向に144個の矩形の領域が形成されたような状態となる。
以下の説明では、第1位相差板20の1個の帯状領域と、第2位相差板24の1個の帯状領域との交差によって形成された、1個の矩形の領域を、『交差領域』とも言う。
偏光イメージングセンサ10においては、イメージセンサ14の1個もしくは複数の受光素子によって、交差領域を通過した光を受光して、測光する。
前述のように、偏光イメージングセンサ10においては、偏光検出フィルタ12の第1位相差板20のパターン光学異方性層20Aは、第1帯状領域20a〜第12帯状領域20lの12個の帯状領域からなる単位が、基準方向に繰り返し形成される。また、偏光検出フィルタ12の第2位相差板24のパターン光学異方性層24Aは、第1帯状領域24a〜第12帯状領域24lの12個の帯状領域からなる単位が、基準方向に繰り返し形成される。
偏光イメージングセンサ10(偏光検出フィルタ12)においては、交差して積層された第1位相差板20のパターン光学異方性層20Aの1つの単位と、第2位相差板24のパターン光学異方性層24Aの1つの単位とによって、偏光イメージングセンサ10の1画素が形成される。すなわち、図示例においては、第1位相差板20の第1帯状領域20a〜第12帯状領域20lと、第2位相差板24の第1帯状領域24a〜第12帯状領域24lとの、それぞれの交差によって形成された、12×12の144個の交差領域で、偏光イメージングセンサ10の1画素が構成される。
従って、偏光イメージングセンサ10においては、イメージセンサ14の画素数、第1位相差板20および第2位相差板24における単位の繰り返し数(パターン光学異方性層における単位の数)および帯状領域の長さに応じて、偏光を検出可能な画素数が決定し、偏光を検出する画像が得られる。
前述のように、第1位相差板20はλ/4板であり、パターン光学異方性層20Aの第1帯状領域20a〜第12帯状領域20lは、遅相軸の方向が、全て異なる。また、第2位相差板24は、λ/2板であり、同様に、パターン光学異方性層24Aの第1帯状領域24a〜第12帯状領域24lは、遅相軸の方向が、全て異なる。
従って、偏光イメージングセンサ10の1画素において、面内に形成された144個の交差領域は、全て、第1位相差板20の遅相軸と第2位相差板の遅相軸との組み合わせが、全て互いに異なる。
そのため、偏光検出フィルタ12の1画素に同じ偏光状態の光が入射して、第1位相差板20および第2位相差板24を透過すると、光は、透過した交差領域の遅相軸の組み合わせに応じた偏光になる。すなわち、第1位相差板20および第2位相差板24を透過した光は、面方向に、透過した交差領域に応じて、最大、144種の異なる偏光になる。
さらに、この最大144種の異なる偏光状態の光が、直線偏光板である偏光板26を透過すると、透過光量は、各光の偏光状態と偏光板26の偏光軸の方向とに応じた光量になり、光量分布が形成される。
第1位相差板20および第2位相差板24を透過した光の偏光の状態は、偏光検出フィルタ12に入射した光の偏光状態によって異なる。すなわち、偏光検出フィルタ12の1つの画素に入射して、第1位相差板20、第2位相差板24および偏光板26を透過した光の光量分布は、偏光検出フィルタ12に入射した光の偏光の状態に応じた特定のパターンを持つ。
従って、偏光検出フィルタ12の1つの画素に入射して、偏光板26を透過した光をCCDセンサ等のイメージセンサ14で測光して、モノクロ画像あるいはカラー画像として再生し、濃度パターン(色濃度パターン)を検出することにより、偏光検出フィルタ12の1画素に入射した光の偏光状態を検出できる。例えば、予め、各種の偏光状態の光を偏光検出フィルタ12の1画素に入射してイメージセンサ14で光量を測定して、もしくは、シミュレーションおよび/または計算を行って、偏光状態に対応する濃度の変動パターンを知見しておき、テーブル化しておけば、偏光検出フィルタ12の1画素に入射した光の偏光状態を検出できる。
前述のように、偏光イメージングセンサ10では、第1位相差板20および第2位相差板24のパターン光学異方性層は、12個の帯状領域を1つの単位とするものであり、1つの単位における第1位相差板20の1個の帯状領域と第2位相差板24の1個の帯状領域との交差位置である12×12=144個の交差領域が、1画素となる。偏光検出フィルタ12では、12個の帯状領域で形成される単位が、基準方向に繰り返し形成されるため、二次元的に偏光状態を計測することができる。
つまり、偏光イメージングセンサ10は、各場所における偏光状態や、場所による偏光状態の差などを、1回の偏光で測定することができる。
すなわち、本発明の光学積層フィルムである偏光検出フィルタ12、および、本発明の偏光イメージングセンサ10によれば、遅相軸が複数の帯状領域に分割されたパターン光学異方性を有する2枚の位相差板、および、偏光軸のパターニング等を行わない一般的な直線偏光板という、生産性が良好で汎用性が高い部品を用い、これらを積層しただけの簡易な構成で、入射した光の偏光の状態を検出できる。
図示例の第1位相差板20のパターン光学異方性層20Aおよび第2位相差板24のパターン光学異方性層24Aは、共に、1つの単位において、帯状領域の遅相軸の方向が、基準方向(領域の配列方向)に向かって、基準方向に対して15°ずつ、順次(連続的)に、変化しているが、本発明はこれに限定はされない。
すなわち、第1位相差板20および第2位相差板24のパターン光学異方性層は、1つの単位において隣接する帯状領域の遅相軸の方向の角度差は、15°超であっても、15°未満であってもよい。
また、第1位相差板20および第2位相差板24のパターン光学異方性層は、1つの単位における帯状領域の遅相軸の方向の角度変化は、15°刻みのように一定幅での変化ではなく、基準方向に向かって5°→10°→20°…のように、異なる角度で変化してもよい。さらに、第1位相差板20および第2位相差板24のパターン光学異方性層は、1つの単位における帯状領域の遅相軸の方向の角度は、図示例の0°→15°→30°…のように、順次、変化するのではなく、0°→60°→15°…のように、遅相軸の角度が重複しないようにランダムに変化してもよい。
1つの単位において隣接する帯状領域の遅相軸の方向の角度差(角度の刻み幅)が小さい程、高精度な偏光の検出が可能になる。その反面、前述のように、偏光イメージングセンサ10では、偏光検出フィルタ12の1つの交差領域がイメージセンサの1個もしくは複数個の受光素子に相当し、第1位相差板20および第2位相差板24の1つの単位で偏光イメージングセンサ10の1画素が構成されるので、隣接する帯状領域の遅相軸の方向の角度差が小さい程、偏光イメージングセンサ10の空間分解能が低下する。
従って、第1位相差板20および第2位相差板24の帯状領域の遅相軸の方向の角度差は、偏光イメージングセンサ10に要求される偏光検出の精度と空間分解能とに応じて、適宜、設定すればよい。
本発明者らの検討によれば、1つの単位において、第1位相差板20および第2位相差板24の基準方向に隣接する帯状領域の遅相軸の方向の角度差は、5°以内が好ましく、2°以内が好ましく、1°未満がより好ましい。また、第1位相差板20および第2位相差板24の各帯状領域の遅相軸の方向は、1つの単位において、基準方向に向かって、一定間隔で、順次(連続的に)、角度が変化するのが好ましい。
第1位相差板20および第2位相差板24の基準方向に隣接する帯状領域の遅相軸の角度差を5°以内とし、かつ、同じ角度差で、基準方向に向かって、順次、変化する構成とすることにより、非常に高精度な偏光の検出が可能になると共に、偏光に応じたイメージセンサ14の出力画像のパターン解析も簡易にできる。
また、上記条件を満たすことにより、第1位相差板20と第2位相差板24との位置ズレが生じても光量分布は変わらず、偏光検出フィルタ12とイメージセンサ14との位置ズレが生じた場合でも、光量分布全体がズレるだけであり、偏光の検出精度の低下を最小限に抑えられる。言い換えれば、上記条件を満たすことにより、第1位相差板20と第2位相差板24との位置合わせ、および、偏光検出フィルタ12とイメージセンサ14との位置合わせに掛かる負担を、大幅に低減できる。
また、図示例の偏光イメージングセンサ10では、第1位相差板20および第2位相差板24は、共に、第1帯状領域20a〜第12帯状領域20lからなる単位と、第1帯状領域24a〜第12帯状領域24lからなる単位という、同じ単位を繰り返し形成しているが、本発明は、これに限定はされない。
すなわち、第1位相差板20および/または第2位相差板24は、互いに異なる単位を含んでもよい。
例えば、第1位相差板20および/または第2位相差板24において、或る単位は図示例のように15°刻みで基準方向に対する遅相軸の角度が変化し、別の単位は30°刻みで基準方向に対する遅相軸の角度が変化し、さらに別の単位は7.5°刻みで基準方向に対する遅相軸の角度が変化するような構成であってもよい。あるいは、第1位相差板20および/または第2位相差板24において、或る単位は図示例のように12個の帯状領域を有し、別の単位は30個の帯状領域を有し、さらに別の単位は45個の帯状領域を有するような構成であってもよい。
前述のように、偏光イメージングセンサ10においては、1個の交差領域を透過した光を、イメージセンサ14の1個もしくは複数の受光素子で測光する。
従って、第1位相差板20および第2位相差板24における帯状領域の幅は、イメージセンサ14の受光素子のサイズあるいは受光素子のサイズの整数倍となるのが好ましい。
また、画素ピッチや、偏光検出フィルタ12とイメージセンサ14との間に光学系を有する場合には、第1位相差板20および第2位相差板24における帯状領域の幅は、イメージセンサ14の受光素子のサイズに加え、配置する光学系に応じて、適宜、設定すればよい。
なお、一般的なイメージセンサの1個の受光素子は正方形であるため、イメージセンサの画素と交差領域との対応が容易になる点で、第1位相差板20および第2位相差板24における帯状領域の幅は、全て同じであるのが好ましいが、異なる複数の幅の帯状領域を有してもよい。
なお、帯状領域の幅は、第1位相差板20と第2位相差板24とで、同じでも異なってもよい。
さらに、帯状領域の数、1個の単位を構成する帯状領域の数、および、パターン光学異方性層を構成する単位の数は、第1位相差板20と第2位相差板24とで、同じでも異なってもよい。
前述のように、第1位相差板20は、λ/4板である。λ/4板(λ/4機能を有する板)とは、ある特定の波長の直線偏光を円偏光に(または、円偏光を直線偏光に)変換する機能を有する板である。より具体的には、所定の波長λnmにおける面内レターデーション値がRe(λ)=λ/4(または、この奇数倍)を示す板である。この式は、可視光域のいずれかの波長(例えば、550nm)において達成されていればよい。なお、第1位相差板20がλ/4板であるとは、第1位相差板20のパターン光学異方性層20Aの各帯状領域と支持体20Bとの組み合わせが、全て、λ/4板であることを意図する。
第1位相差板20のパターン光学異方性層20Aの各帯状領域において、波長550nmの面内レターデーションRe(550)は特に限定はないが、115〜165nmが好ましく、120〜150nmがより好ましく、125〜145nmがさらに好ましい。なお、第1位相差板20が支持体20Bなどのパターン光学異方性層20A以外の他の層を含んでいる場合であっても、第1位相差板20全体で上記面内レターデーションの範囲を示すのが好ましい。
また、第2位相差板24は、λ/2板である。λ/2板は、特定の波長λnmにおける面内レターデーションRe(λ)がRe(λ)=λ/2を満たす板のことをいう。この式は、可視光域のいずれかの波長(例えば、550nm)において達成されていればよい。なお、第2位相差板24がλ/2板であるとは、第2位相差板24のパターン光学異方性層24Aの各帯状領域と支持体24Bとの組み合わせが、全て、λ/2板であることを意図する。
第2位相差板24のパターン光学異方性層24Aの各帯状領域において、波長550nmの面内レターデーションRe(550)は特に限定はないが、255〜295nmが好ましく、260〜290nmがより好ましく、265〜285nmがさらに好ましい。同様に、第2位相差板24が支持体24B等などのパターン光学異方性層24A以外の他の層を含んでいる場合であっても、第2位相差板24全体で上記面内レターデーションの範囲を示すのが好ましい。
図示例の偏光検出フィルタ12においては、光の入射側となる第1位相差板20がλ/4板で、第2位相差板がλ/2板であるが、本発明は、これに限定はされない。
すなわち、光入射側となる第1位相差板20をλ/2板とし、第2位相差板24をλ/4板としてもよく、あるいは、第1位相差板20および第2位相差板24を共にλ/4板とするなど、第1位相差板20および第2位相差板24を同じ位相差板としてもよい。あるいは、第1位相差板20および第2位相差板24として、λ/8板や5λ/8板など、λ/4板およびλ/2板以外の位相差板を用いてもよい。
ただ、本発明者らの検討によれば、検出精度を高くできる点で、第1位相差板20の面内レターデーションReはλ/8〜3λ/8で、かつ、第2位相差板24の面内レターデーションReは、第1位相差板20の面内レターデーションReよりも大きいのが好ましい。
第1位相差板20のパターン光学異方性層20Aおよび第2位相差板24のパターン光学異方性層24Aは、液晶性化合物を含むのが好ましい。
第1位相差板20のパターン光学異方性層20Aおよび第2位相差板24のパターン光学異方性層24Aが、液晶性化合物を含むことにより、帯状領域の幅、および、帯状領域における遅相軸の方向を、高精度かつ高い分解能で制御できる。例えば、容易に、隣接する帯状領域における遅相軸の角度差を1°未満にできる。
液晶性化合物を含むパターン光学異方性層の形成方法としては、例えば、液晶性化合物を配向状態で固定化する方法が挙げられる。このとき、液晶性化合物を固定化する方法としては、上記液晶性化合物として不飽和二重結合(重合性基)を有する液晶性化合物を用い、重合させて固定化する方法等が好適に例示される。例えば、不飽和二重結合(重合性基)を有する液晶性化合物を含むパターン光学異方性層形成用組成物を支持体上に直接または配向膜を介して塗布して、電離放射線の照射により硬化(重合)させ、液晶性化合物を固定化する方法が挙げられる。なお、パターン光学異方性層は単層構造であっても、積層構造であってもよい。
液晶性化合物に含まれる不飽和二重結合の種類は特に制限されず、付加重合反応が可能な官能基が好ましく、重合性エチレン性不飽和基または環重合性基が好ましい。より具体的には、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基などが好ましく挙げられ、(メタ)アクリロイル基がより好ましい。
一般的に、液晶性化合物はその形状から、棒状タイプと円盤状タイプに分類できる。さらにそれぞれ低分子と高分子タイプがある。高分子とは一般に重合度が100以上のものを指す(高分子物理・相転移ダイナミクス,土井正男著,2頁,岩波書店,1992)。本発明では、いずれの液晶性化合物を用いることもできる。2種以上の棒状液晶性化合物、2種以上の円盤状液晶性化合物、または棒状液晶性化合物と円盤状液晶性化合物との混合物を用いてもよい。上述の液晶性化合物の固定化のために、重合性基を有する棒状液晶性化合物または円盤状液晶性化合物を用いてパターン光学異方性層を形成することが好ましい。なお、液晶性化合物は1分子中に重合性基を2以上有することが好ましい。液晶性化合物が2種類以上の混合物の場合には、少なくとも1種類の液晶性化合物が1分子中に2以上の重合性基を有していることが好ましい。
棒状液晶性化合物としては、例えば、特表平11−513019号公報の請求項1や特開2005−289980号公報の段落[0026]〜[0098]に記載のものを好ましく用いることができ、ディスコティック液晶性化合物としては、例えば、特開2007−108732号公報の段落[0020]〜[0067]や特開2010−244038号公報の段落[0013]〜[0108]に記載のものを好ましく用いることができるが、これらに限定されない。
パターン光学異方性層における面内レターデーションを上記範囲内とするために、液晶性化合物の配向状態を制御することがある。このとき、棒状液晶性化合物を用いる場合には、棒状液晶性化合物を水平配向した状態で固定化するのが好ましく、ディスコティック液晶性化合物を用いる場合には、ディスコティック液晶性化合物を垂直配向した状態で固定化するのが好ましい。なお、本発明において、「棒状液晶性化合物が水平配向」とは、棒状液晶性化合物のダイレクタと層面が平行であることをいい、「ディスコティック液晶性化合物が垂直配向」とは、ディスコティック液晶性化合物の円盤面と層面が垂直であることをいう。これらは、厳密に水平、垂直であることを要求するものではなく、それぞれ正確な角度から±20°の範囲であることを意味するものとする。この正確な角度からの範囲は、±5°以内であることが好ましく、±3°以内であることがより好ましく、±2°以内であることがさらに好ましく、±1°以内であることが最も好ましい。
また、液晶性化合物を水平配向、垂直配向状態とするために、水平配向、垂直配向を促進する添加剤(配向制御剤)を使用してもよい。添加剤としては各種公知のものを使用できる。
上述のパターン光学異方性層の形成方法としては、以下の好適な態様が例示されるが、これらに限定されることなく、各種公知の方法を用いて形成できる。
第1の好適態様は、液晶性化合物の配向を制御する複数の作用を利用し、その後、外部刺激(熱処理等)によりいずれかの作用を消失させて、所定の配向制御作用を支配的にする方法である。上記の方法としては、例えば、配向膜による配向制御能と、液晶性化合物中に添加される配向制御剤の配向制御能との複合作用により、液晶性化合物を所定の配向状態とし、それを固定して一方の位相差領域を形成した後、外部刺激(熱処理等)により、いずれかの作用(例えば配向制御剤による作用)を消失させて、他の配向制御作用(配向膜による作用)を支配的にし、それによって他の配向状態を実現し、それを固定して他方の位相差領域を形成する。この方法の詳細については、特開2012−008170号公報の段落[0017]〜[0029]に記載があり、その内容は本明細書に参照として取り込まれる。
第2の好適態様は、パターン配向膜を利用する態様である。この態様では、互いに異なる配向制御能を有するパターン配向膜を形成し、その上に、液晶性化合物を配置し、液晶性化合物を配向させる。液晶性化合物は、パターン配向膜のそれぞれの配向制御能によって、互いに異なる配向状態を達成する。それぞれの配向状態を固定することで、配向膜のパターンに応じて第1位相差板20および第2位相差板24のパターン光学異方性層の各帯状領域のパターンが形成される。パターン配向膜は、印刷法、ラビング配向膜に対するマスクラビング、光配向膜に対するマスク露光等を利用して形成することができる。大掛かりな設備が不要である点や製造容易な点で、光配向膜に対するマスク露光を利用する方法や、印刷法を利用する方法が好ましい。この方法の詳細については、特開2012−032661号公報の段落[0166]〜[0181]に記載があり、その内容は本明細書に参照として取り込まれる。
第3の好適態様としては、例えば、配向膜中に光酸発生剤を添加する態様である。この例では、配向膜中に光酸発生剤を添加し、パターン露光により、光酸発生剤が分解して酸性化合物が発生した領域と、発生していない領域とを形成する。光未照射部分では光酸発生剤はほぼ未分解のままであり、配向膜材料、液晶性化合物、および必要に応じて添加される配向制御剤の相互作用が配向状態を支配し、液晶性化合物を、その遅相軸がラビング方向と直交する方向に配向させる。配向膜へ光照射し、酸性化合物が発生すると、その相互作用はもはや支配的ではなくなり、ラビング配向膜のラビング方向が配向状態を支配し、液晶性化合物は、その遅相軸をラビング方向と平行にして平行配向する。配向膜に用いられる光酸発生剤としては、水溶性の化合物が好ましく用いられる。使用可能な光酸発生剤の例には、Prog. Polym. Sci.,23巻、1485頁(1998年)に記載の化合物が含まれる。光酸発生剤としては、ピリジニウム塩、ヨードニウム塩およびスルホニウム塩が特に好ましく用いられる。この方法の詳細については、特願2010−289360号明細書に記載があり、その内容は本明細書に参照として取り込まれる。
パターン光学異方性層の厚さは特に限定されないが、第1位相差板20および第2位相差板24を薄くできる点で、1〜5μmが好ましく、1〜4μmがより好ましく、1〜3μmが特に好ましい。
本発明の光学積層フィルムである偏光検出フィルタ12に用いられる位相差板には、パターン光学異方性層以外の層が含まれていてもよい。
例えば、図示例の偏光検出フィルタ12において、第1位相差板20は透明な支持体20Bを有し、第2位相差板24は透明な支持体24Bを有する。つまり、両位相差板は、透明な支持体と、支持体上に配置されたパターン光学異方性層を有する構成であってもよい。支持体を備えることにより、位相差板の機械的強度が向上する。
支持体20Bおよび24Bを形成する材料としては、例えば、ポリカーボネート系ポリマー、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等の(メタ)アクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリ交差領域ルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマーなどが挙げられる。
また、支持体の形成材料としては、熱可塑性ノルボルネン系樹脂を好ましく用いることができる。熱可塑性ノルボルネン系樹脂としては、日本ゼオン社製のゼオネックス、ゼオノア、JSR社製のアートン等が挙げられる。
また、支持体を形成する材料としては、トリアセチルセルロースに代表される、セルロース系ポリマー(以下、セルロースアシレートという)も好ましく用いることができる。
支持体の厚さは特に制限されないが、第1位相差板20および第2位相差板24を薄くできる点で、15〜100μmが好ましく、20〜80μmがより好ましく、40〜60μmが特に好ましい。
なお、支持体には、種々の添加剤(例えば、光学的異方性調整剤、波長分散調整剤、微粒子、可塑剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤、剥離剤、など)を加えることができる。
また、必要に応じて、第1位相差板20の支持体20Bとパターン光学異方性層20Aとの間、および/または、第2位相差板24の支持体24Bとパターン光学異方性層24Aとの間に、配向膜を設けてもよい。配向膜を設けることにより、パターン光学異方性層中の液晶性化合物の配向方向の制御がより容易となる。
配向膜は、一般的にはポリマーを主成分とする。配向膜用ポリマー材料としては、多数の文献に記載があり、多数の市販品を入手することができる。利用されるポリマー材料は、ポリビニルアルコールまたはポリイミド、および、その誘導体が好ましい。特に、変性または未変性のポリビニルアルコールが好ましい。本発明に使用可能な配向膜については、WO01/88574A1号公報の43頁24行〜49頁8行、特許第3907735号公報の段落[0071]〜[0095]に記載の変性ポリビニルアルコールを参照することができる。なお、配向膜には、通常、公知のラビング処理が施される。つまり、配向膜は、通常、ラビング処理されたラビング配向膜であることが好ましい。
配向膜の厚さは、薄い方が好ましいが、パターン光学異方性層を形成するための配向能の付与、および、支持体の表面凹凸を緩和して均一な膜厚のパターン光学異方性層を形成するという観点からはある程度の厚みが必要となる。具体的には、配向膜の厚さは、0.01〜10μmであることが好ましく、0.01〜1μmであることがより好ましく、0.01〜0.5μmであることがさらに好ましい。
また、本発明では光配向膜を利用することも好ましい。光配向膜としては特に限定はされないが、WO2005/096041号の段落[0024]〜[0043]に記載のものやRolic echnologies社製の商品名LPP−JP265CPなどを用いることができる。
以下、図4の概念図を参照して、光配向膜を用いる第1位相差板20および第2位相差板24の製造方法の好ましい一例を説明する。なお、両位相差板の作製方法は、同じであるので、以下の説明は、第1位相差板20を代表例として行う。
まず、支持体20Bの表面に、スピンコート等の公知の方法で、光配向膜を形成するための組成物を塗布し、乾燥し、光配向膜となる光異性化組成物層Lを形成する。
次いで、光配向膜となる光異性化組成物層Lを形成した支持体20Bを、一方向に直線的に移動する移動ステージ30に載置する。
また、支持体20Bの上方に、支持体20Bと互いの端辺を一致して、支持体20Bを覆わないように遮光板32を固定する。これにより、移動ステージ30を遮光板32側に移動した際に、移動量だけ、支持体20B(光異性化組成物層L)が遮光板32の下方に隠れるようにする。
さらに、遮光板32よりも上方に、支持体20Bに対面して、ワイヤーグリッド偏光板などの直線偏光板34を、中心を回転軸として回転可能に設ける。直線偏光板34の回転は、UV(紫外線)透過性の回転ステージ等を用いる公知の方法で行えばよい。
また、光異性化組成物層Lを配向させる光、例えばUVを、直線偏光板34を通して、光異性化組成物層Lに照射するように、光源を配置する。
この状態で、まず、直線偏光板34を通してUVを光異性化組成物層Lに照射する。このUVの照射によって、直線偏光板34の偏光軸の方向に応じて、光異性化組成物層Lが配向する。
次いで、所定の角度、例えば、1°、直線偏光板34を回転し、かつ、帯状領域の幅と同じ距離、移動ステージ30を矢印x方向すなわち遮光板32に向かって移動させる。従って、光異性化組成物層Lは、帯状領域の幅だけ、遮光板32によってUVから遮光される。その後、再度、直線偏光板34を通してUVを光異性化組成物層Lに照射し、光異性化組成物層Lを配向させる。
次いで、同様に、例えば、1°、直線偏光板34を回転し、かつ、帯状領域の幅と同じ距離、移動ステージ30を矢印x方向に移動させ、再度、直線偏光板34を通してUVを組成物の層Lに照射し、光異性化組成物層Lを配向させる。
以下、同様に、直線偏光板34の所定角度の回転、矢印x方向への移動ステージ30の移動、およびUVの照射を、繰り返し行って、支持体20Bの表面に光配向膜を形成する。
このようにして光配向膜を形成したら、パターン光学異方性層20Aとなる液晶組成物を塗布、乾燥して、紫外線照射等によって硬化して、第1位相差板20を作製する。
周知のように、光配向膜となる光異性化組成物の配向は、最後に照射された偏光に応じたものになる。従って、このように光配向膜を形成して、パターン光学異方性層20Aを形成することにより、図3に示すように、遅相軸の方向が、順次、変化する複数の帯状領域を有するパターン光学異方性層20Aを形成できる。
前述のように、第1位相差板20および第2位相差板24を透過した光は、偏光板26を通過して、イメージセンサ14に入射して、測光される。
偏光板26は、一方向の偏光軸を有し、自然光を特定の直線偏光に変換する機能を有する直線偏光板であればよく、吸収型偏光板を利用することができる。
偏光板26の種類には特に限定はなく、前述のように、一般的に用いられている偏光板26が、各種、利用可能である。従って、例えば、ヨウ素系偏光板、二色性染料を利用した染料系偏光板、および、ポリエン系偏光板の、いずれも用いることができる。ヨウ素系偏光板、および染料系偏光板は、一般に、ポリビニルアルコールにヨウ素または二色性染料を吸着させ、延伸することで作製される。
なお、図示例では、偏光板26の偏光軸は、λ/4板である第1位相差板20の基準方向(帯状領域の配列方向)に一致しているが、本発明において、偏光板26の偏光軸の方向は、一方向であれば、例えば、基準方向と直交する方向や、基準方向に対して45°の方向など、どの方向であってもよい。
偏光板26を通過した光は、イメージセンサ14に入射して、測光される。前述のように、イメージセンサ14は、CCDセンサ、CMOSセンサ、フォトダイオードなど、受光素子を二次元的に配列してなる公知のイメージセンサである。
なお、本発明の偏光イメージングセンサ10においては、第1位相差板20および第2位相差板24のパターン光学異方性層における帯状領域の交差によって形成される多数の交差領域を有し、個々の交差領域毎にイメージセンサ14による測定を行う。前述のように、イメージセンサ14の受光素子は、1素子が1個の交差領域に対応しても、複数素子が1個の交差領域に対応してもよい。従って、イメージセンサ14の受光素子数は、偏光検出フィルタ12が有する全ての交差領域の数以上であるのが好ましい。
以上、本発明の光学積層フィルムおよび偏光イメージングセンサについて詳細に説明したが、本発明は、以上の例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の変更や改良を行ってもよいのは、もちろんである。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使試薬、使用量、物質量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の要旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例]
<支持体の作製>
下記の材料をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
(セルロースアセテート溶液組成)
・酢化度60.7〜61.1%のセルロースアセテート 100質量部
・トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
・ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 336質量部
・メタノール(第2溶媒) 29質量部
・1−ブタノール(第3溶媒) 11質量部
別のミキシングタンクに、下記のレターデーション上昇剤(A)16質量部、メチレンクロライド92質量部およびメタノール8質量部を投入し、加熱しながら攪拌して、レターデーション上昇剤溶液を調製した。
セルロースアセテート溶液474質量部にレターデーション上昇剤溶液25質量部を混合し、充分に攪拌してドープを調製した。レターデーション上昇剤(A)の添加量は、セルロースアセテート100質量部に対して、6.0質量部であった。
得られたドープを、バンド延伸機を用いて流延した。バンド上でのフィルムの膜面温度が40℃となってから、フィルムを70℃の温風で1分乾燥し、さらに、フィルムを140℃の乾燥風で10分乾燥し、残留溶剤量が0.3質量%のトリアセチルセルロースフィルムを作製した。
このフィルムを、支持体とする。
<光配向膜用組成物の調製>
<<重合体>>
撹拌機、温度計、滴下漏斗および還流冷却管を備えた反応容器に、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン100質量部、メチルイソブチルケトン500質量部、および、トリエチルアミン10質量部を仕込み、室温で混合した。
次いで、脱イオン水100質量部を滴下漏斗より30分かけて反応容器内の溶液に滴下した後、得られた溶液を還流下で混合しつつ、80℃で6時間反応させた。反応終了後、溶液から有機相を取り出し、0.2質量%硝酸アンモニウム水溶液により有機相を洗浄後の水が中性になるまで、有機相を洗浄した。その後、減圧下で溶媒および水を留去することにより、エポキシ基含有ポリオルガノシロキサンを粘調な透明液体として得た。
このエポキシ基含有ポリオルガノシロキサンについて、1H−NMR(Nuclear Magnetic Resonance)分析を行ったところ、化学シフト(δ)=3.2ppm付近にオキシラニル基に基づくピークが理論強度どおりに得られ、反応中にエポキシ基の副反応が起こっていないことが確認された。このエポキシ基含有ポリオルガノシロキサンの重量平均分子量Mwは2,200、エポキシ当量は186g/モルであった。
次に、100mLの三口フラスコに、上記で得たエポキシ基含有ポリオルガノシロキサン10.1質量部、アクリル基含有カルボン酸(商品名「アロニックスM−5300」、東亜合成社製、アクリル酸ω−カルボキシポリカプロラクトン(重合度n≒2))0.5質量部、酢酸ブチル20質量部、特開2015−26050号公報の合成例1の方法で得られた桂皮酸誘導体1.5質量部、および、テトラブチルアンモニウムブロミド0.3質量部を仕込み、得られ反応溶液を90℃で12時間撹拌した。
反応終了後、反応溶液と等量(質量)の酢酸ブチルで希釈し、3回水洗した。
得られた溶液を濃縮し、酢酸ブチルで希釈する操作を2回繰り返し、最終的に、光配向性基を有するポリオルガノシロキサン(重合体)を含む溶液を得た。この重合体の重量平均分子量Mwは9,000であった。また、1H−NMR分析の結果、重合体中のシンナメート基を有する成分は23.7質量%であった。
<<光配向膜用組成物>>
酢酸ブチルを溶媒として、先に作製した重合体、ならびに、下記の化合物D1および化合物D2を、以下の量で添加し、光配向膜用組成物を調製した。
(光配向膜用組成物)
・酢酸ブチル 100質量部
・重合体 4.35質量部
・化合物D1 0.48質量部
・化合物D2 1.15質量部
<パターン光学異方性層用塗布液1の調製>
下記組成のパターン光学異方性層用塗布液1を調製した。
(パターン光学異方性層用塗布液1)
・メトキシエチルアクリレート 211質量部
・下記の棒状液晶性化合物の混合物 100質量部
・下記のモノマー 5質量部
・下記の重合開始剤 6質量部
・下記の界面活性剤 0.25質量部
棒状液晶性化合物の混合物
モノマー
重合開始剤
界面活性剤
<光異性化組成物層の形成>
先に作製した支持体上に、先に調製した光配向膜用組成物をスピンコート法によって塗布した。その後、光配向膜用組成物が塗布された支持体を100℃のホットプレート上で5分間乾燥して溶剤を除去し、厚さ0.2μmの光異性化組成物層を形成した。
<光配向膜の形成>
移動ステージ(ALS−305−CM、中央精機社製)と、回転ステージ(SGSP−60YAW−0B、シグマ光機社製)と、遮光板と、ワイヤーグリッド偏光板(商品コード#46−636、エドモンド社製)と、紫外線照射機(EX250−W、HOYA−SCOTT社製)とを用いて、光配向膜を、次のように作製した。
図4に概念的に示すように、作製した光異性化組成物層付きの支持体を、移動ステージ上に置き、移動ステージ上に遮光板を固定して配置した。遮光板は、支持体と互いの端辺を一致して、支持体を覆わないように設けた。これにより、移動ステージを遮光板側に移動した際に、移動量だけ支持体の光異性化組成物層が遮光板の下方に隠れるようにした。
さらに、移動ステージ上に回転ステージを固定して配置し、その回転ステージ上にワイヤーグリッド偏光板を置き、回転できるようにした。ワイヤーグリッド偏光板は、移動ステージの移動方向に偏光軸を一致させた。
ワイヤーグリッド偏光板を通して紫外線を30mJ/cm2照射した。その後、移動ステージを15μm、移動させ、ワイヤーグリッド偏光板を5°回転させた。その後、同様に紫外線を照射した。これ以降、移動ステージの15μm移動、偏光板の5°回転、紫外線照射を、移動ステージの全稼動距離が21mmになるまで繰り返し行って支持体の上に光配向膜を形成した。すなわち、繰り返し回数は1400回である。
<位相差板1(λ/2板)の作製(パターン光学異方性層1の形成)>
このようにして形成した光配向膜上に、先に調製したパターン光学異方性層用塗布液1をスピンコート法によって塗布した。
その後、パターン光学異方性層用塗布液1が塗布された支持体を90℃のホットプレート上で2分乾燥して、パターン光学異方性層となる組成物の層を形成した。その後、60℃に保ち、紫外線を照射(500mJ/cm2)して配向を固定し、膜厚1.8μmのパターン光学異方性層1を形成して、位相差板1を作製した。
<位相差板2(λ/4板)の作製(パターン光学異方性層2の形成)>
パターン光学異方性層用塗布液1の調製において、メトキシエチルアクリレート(溶媒量)を533.68質量部に変更した以外は、同様にしてパターン光学異方性層用塗布液2を調製した。
このパターン光学異方性層用塗布液2を用いた以外は、パターン光学異方性層1同様にして、パターン光学異方性層2を形成し、位相差板2を作製した。
位相差板1および位相差板2は、共に、基準方向に対して0〜180°の範囲で遅相軸の角度が5°間隔で変化する36本の帯状領域を有する。すなわち、位相差板1および位相差板2では、この36本の帯状領域が1つの単位となる。従って、位相差板1および位相差板2を、帯状領域を直交して配置することで形成される36×36の交差領域が、偏光イメージングセンサにおける1画素に対応するものであり、その光量分布により、その画素での偏光状態を検出できる。
また、位相差板1と位相差板2ともに、36本の帯状領域からなる単位が38回繰り返して形成されていることより、38×38画素で撮影可能な偏光イメージングセンサを作製できる。
<パターン光学異方性層の確認>
作製した位相差板1のパターン光学異方性層1および位相差板2のパターン光学異方性層2を、偏光顕微鏡(ECLIPSE E600−POL)で観察した。
その結果、両パターン光学異方性層には、図3に示されるように、15μm幅で、遅相軸の方向が、基準方向(移動ステージの移動方向)に対して、0°から180°まで5°間隔で連続的に変化する帯状領域が、長手方向と直交する方向に連続的に、繰り返し形成されていることが確認できた。
<正面位相差の測定>
正面位相差を測定するため、支持体に光配向膜となる厚さ0.2μmの光異性化組成物層を形成し、この光異性化組成物層に、ワイヤーグリッド偏光板を回転させずに、紫外線を1回照射(30mJ/cm2)した以外は、同様に、光配向膜を形成した。
その後、同様に、パターン光学異方性層用塗布液1およびパターン光学異方性層用塗布液2を塗布、乾燥、紫外線硬化し、膜厚が1.8μmのパターン光学異方性層1を有する位相差板1−2、および、膜厚が0.9μmのパターン光学異方性層2を有する位相差板2−2を作製した。
Axometry(Axometric社製)を用いて、それぞれの位相差板の正面位相差を測定した。その結果、位相差板1−2の正面位相差は275nm、位相差板2−2の正面位相差は138nmであった。
<偏光イメージングセンサの作製>
このようにして作製した位相差板1および位相差板2、ならびに、ワイヤーグリッド偏光板フィルタ(商品コード#33−082、エドモンド社製)を用いて、偏光検出フィルタを作製した。
偏光検出フィルタは、位相差板2(λ/4板)を第1位相差板とし、位相差板1(λ/2板)を第2位相差板として、位相差板2と位相差板1とワイヤーグリッド偏光板とを、この順に粘着剤で貼合し、偏光検出フィルタを作製した。この時、第1位相差板と第2位相差板とは、帯状領域が直交するようにした。
その後、USB(Universal Serial Bus)カメラ(UI−1490LE−M、プロリンクス社製)の受光面上に上記偏光検出フィルタを粘着剤で貼合し、偏光イメージングセンサを作製した。この時、ワイヤーグリッド偏光板フィルタ側が、受光素子と隣接するようにした。
前述のように、位相差板2および位相差板1は、偏光イメージングセンサの1画素に対応する、36本の帯状領域からなる1つの単位が38回、繰り返し形成されている。従って、この偏光イメージングセンサ(偏光検出フィルタ)は、38×38=1444画素の偏光イメージングセンサである。
<偏光測定の確認>
面光源(LED(Light Emitting Diode)ビューワープロ、フジフイルム社製)上に直線偏光板を1枚置き、直線偏光板の透過光を作製した偏光イメージングセンサで撮影した。その結果、偏光イメージングセンサの各画素の光量分布が図5と同様になったことを確認した。
また、直線偏光板を円偏光板にした以外は同様に撮影を行い、偏光イメージングセンサの各画素の光量分布が図6と同様になっていることを確認した。
これにより、本発明の偏光イメージングセンサで、光の偏光状態の検出が可能なことを確認できた。
以上の結果より、本発明の効果は明らかである。
10 偏光イメージングセンサ
12 偏光検出フィルタ
14 イメージセンサ
20 第1位相差板
20A パターン光学異方性層
20B 支持体
20a,24a 第1帯状領域
20b,24b 第2帯状領域
20c,24c 第3帯状領域
20d,24d 第4帯状領域
20e,24e 第5帯状領域
20f,24f 第6帯状領域
20g,24g 第7帯状領域
20h,24h 第8帯状領域
20i,24i 第9帯状領域
20j,24j 第10帯状領域
20k,24k 第11帯状領域
20l,24l 第12帯状領域
24 第2位相差板
24A パターン光学異方性層
24B 支持体
26 偏光板
28 貼合層
30 移動ステージ
32 遮光板
34 直線偏光板
L 光異性化組成物層

Claims (9)

  1. パターン光学異方性層を有する第1の位相差板と、パターン光学異方性層を有する第2の位相差板と、偏光軸が一方向の偏光板と、を有し、
    前記第1の位相差板の前記パターン光学異方性層および前記第2の位相差板の前記パターン光学異方性層は、位相差は一定で、さらに、同一面内で複数の帯状領域に分割されており、
    さらに、前記第1の位相差板の前記パターン光学異方性層および前記第2の位相差板の前記パターン光学異方性層は、1つの前記帯状領域内における遅相軸の方向は一致し、かつ、それぞれの前記帯状領域における遅相軸の方向は全て異なる、複数の前記帯状領域からなる単位を、複数、有し、かつ、
    前記第1の位相差板の前記パターン光学異方性層の帯状領域と前記第2の位相差板の前記パターン光学異方性層の帯状領域とが、面方向において、互いに交差して配置され、前記第1の位相差板、前記第2の位相差板および前記偏光板の順番で積層されることを特徴とする光学積層フィルム。
  2. 前記第1の位相差板の前記パターン光学異方性層および前記第2の位相差板の前記パターン光学異方性層は、同じ前記単位を、前記帯状領域の配列方向に繰り返し有する請求項1に記載の光学積層フィルム。
  3. 前記第1の位相差板の前記パターン光学異方性層および前記第2の位相差板の前記パターン光学異方性層は、前記単位における帯状領域の遅相軸の方向が、前記帯状領域の配列方向に向かって、順次、変わる、請求項1または2に記載の光学積層フィルム。
  4. 前記第1の位相差板のパターン光学異方性層の帯状領域と、前記第2の位相差板のパターン光学異方性層の帯状領域とが、面方向において直交する請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学積層フィルム。
  5. 前記第1の位相差板と前記第2の位相差板とが、異なる位相差板である請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学積層フィルム。
  6. 前記第1の位相差板および前記第2の位相差板は、一方がλ/4板で、他方がλ/2板である請求項5に記載の光学積層フィルム。
  7. 前記第1の位相差板のパターン光学異方性層および前記第2の位相差板の前記パターン光学異方性層は、前記単位における帯状領域の遅相軸の方向が、前記帯状領域の配列方向に対して、0°から180°まで変わる請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学積層フィルム。
  8. 前記第1の位相差板のパターン光学異方性層および前記第2の位相差板のパターン光学異方性層が、液晶性化合物を含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学積層フィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学積層フィルムと、イメージセンサとを有することを特徴とする偏光イメージングセンサ。
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