(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係るリールスタンド10とそれを装着することができるスピニングリール200について説明する。
スピニングリール200は、図1に示すように釣竿Rに取り付けられる。スピニングリール200は、釣竿Rの長手方向(図1の左右方向)に沿った軸回りに釣り糸を巻き取るリールであって、ハンドル211を備えたリール本体212と、リール本体212の前部に回転自在に支持されたロータ213と、ロータ213の前部に配置され、釣り糸を巻き取るためのスプール214と、を備える。スピニングリール200は、ハンドル211を回すことによってロータ213が回転し、スプール214に釣糸を巻き取るようにするための機構をリール本体212の内部に備えている。
リール本体212は、釣竿Rに装着される前後に長い取付部212cと、内部に巻き取り機構を収納したリールボディ212aと、取付部212cとリールボディ212aとを連結する脚部212bとを有している。リール本体212は、たとえば合成樹脂製又はアルミニウム合金やマグネシウム合金などの合金製である。
図2に示すように、リール本体212の左右両側には、ハンドル211が着脱可能に装着されるハンドル装着軸(図示せず)を保護する円筒状の保護部220a、220bが突出して形成されている。ハンドル211は、ユーザの好みにより左右のハンドル装着軸のいずれかに装着可能であり、図2では保護部220aの側のハンドル装着軸に装着されている。ハンドル211が装着されていない側の保護部220bには、ハンドル装着軸を保護するキャップ222が装着されている。
図2の円内に記載したキャップ222の断面図に示すように、キャップ222には雄ネジ223が形成されている。保護部220a、220bにはその内側に図示しない雌ネジが形成されており、キャップ222の雄ネジ223と螺合可能である。
リールスタンド10は、キャップ222を外した保護部220bに装着し延伸させた状態で使用する。具体的には、図3に示すように釣竿Rと、延伸させた状態のリールスタンド10の接地部28とを地面Gに接地させる。延伸させたリールスタンド10は、ロータ213が地面Gから離間して配置されるようにスピニングリール200を支持可能である。この状態では、釣糸が引っ張られてもロータ213は図中に点線で示す円内で回転し、地面Gに接触することはない。
図4を参照してリールスタンド10について説明する。なお、以下のリールスタンドの説明において「後」とは、スピニングリールに装着したときにスピニングリールに向く側又は方向であり、「前」とはその反対側、即ちスピニングリールに装着したときに地面等に接地する側又は方向である。
図4(a)、(b)に示すように、リールスタンド10は第1部材11と第2部材21とを有する。図4(a)、(b)では、第1部材11と第2部材21との結合関係を理解しやすくするため第1部材11を断面図で示している。なお以降の図においても、同様の理由で第1部材を断面図で示している。第1部材11と第2部材21は例えば合成樹脂製である。
第1部材11は、中心軸(円筒軸)Sに沿って前方にいくほど外径が小さくなるテーパを有する円筒形の棒状部材(棒材)である。第1部材11は、円筒形の収容空間17が内部に形成されている。第1部材11の前端部(第2端部)13の中央部は円形に開口して収容空間17に通じており、その開口部の内側には雌ネジ15が形成されている。
図4(b)に示すように、第1部材11の後端部(第1端部)12の収容空間17に面した側(収容空間17の底面)の中央部に円孔16が設けられており、その内側に雌ネジ(第1係合部)14が形成されている。後端部12には、スピニングリール200の保護部220bの雌ネジに螺着するための装着ネジ18が後方に突出して設けられている。ハンドル211を装着するハンドル装着軸と干渉しないようにするため、装着ネジ18はその中央部に貫通孔を有している。装着ネジ18のピッチと外径は、キャップ222の雄ネジ223のピッチと外径と同じである。
第2部材21は、中心軸Sと同軸上に配置される中実の円筒形の棒材である。第2部材21の後端部(第1端部)22の外周には、雄ネジ(第2係合部)24と、それに隣接する雄ネジ25が形成されている。雄ネジ24と雄ネジ25は、同じ外径とピッチを有している。雄ネジ24と雄ネジ25の間に、雄ネジ24、25よりも径の大きい円板状のストッパ26が形成されている。雄ネジ24は、雌ネジ14と螺合可能であり、雄ネジ25は、雌ネジ15と螺合可能である。第2部材21の前端には、接地部28が形成されている。即ち、第2部材21は接地部28を除いた部分である。接地部28は、前端が半球状に突出して接地し易いように形成されている。接地部28の側部29には、ユーザが手で第2部材21を回しやすいように、滑り止めの溝が設けられている。
リールスタンド10をスピニングリールスタンドとして使用しないときは、ユーザが第2部材21の接地部28を手で持って右回りに回転させ、雄ネジ24を第1部材11の雌ネジ14と螺合させる。これにより、図4(a)に示すように、リールスタンド10は第2部材21の大部分が第1部材11の収容空間17に収容された、収容状態(第2状態)に調節される。収容状態では、リールスタンド10はその長さが使用時(延伸状態)よりも短縮された短縮状態である。
リールスタンド10をスピニングリールスタンドとして使用するときは、ユーザが収容状態の第2部材21を左回りに回転させて雄ネジ24と雌ネジ14との螺合を解除し、第2部材21を前方に引き出してさらに左回りに回転させ、第2部材21の雄ネジ25を第1部材11の雌ネジ15と螺合させる。ストッパ26が第1部材11の前端部13の後端に当接するまで第2部材21を左回転すると、図4(b)に示すように、第2部材21を前方へ延出させた延伸状態(第1状態)に調節される。この状態では、リールスタンド10はスピニングリール200を支持するスタンドとして使用するために適切な長さとなる。そしてスピニングリール200のキャップ222を外し、リールスタンド10の装着ネジ18を保護部220bの内側に形成された雌ネジと螺合させて、スピニングリールスタンドとして使用する。
このようにリールスタンド10は、スピニングリールスタンドとして使用しないときは第2部材21を第1部材11の収容空間17に収容することでコンパクトになり、持ち運びに便利である。スピニングリールスタンドとして使用するときには、第2部材21を左回りに回転させるだけで容易に延伸させることができ、スピニングリール200に螺合装着してスタンドとして用いることができる。また、第1部材11と第2部材21とを係合する係合部がそれぞれ第1部材11と第2部材21とに形成されているので、係合部材が紛失するおそれがない。
(実施の形態2)
図5を参照して、実施の形態2に係るリールスタンド30を説明する。リールスタンド30は、リールスタンド10にスプリング(付勢部材)40を備えた形態である。
図5(a)、(b)に示すように、リールスタンド30は第1部材31と第2部材41とを有する。第1部材31は、前端にいくほど外径が小さくなるテーパを有する円筒形の棒材である。第1部材31は、前端部(第2端部)33が円形に開口した円筒形の収容空間37が内部に形成されている。リールスタンド10と異なり、リールスタンド30の前端部33は開口部内側に雌ネジを有していない。図5(b)に示すように、第1部材31の後端部(第1端部)32の収容空間37に面した側の中央部に円孔36が設けられており、その内側に雌ネジ(第1係合部)34が形成されている。後端部32には、装着ネジ38が後方に突出して設けられている。装着ネジ38の構造と機能はリールスタンド10の装着ネジ18と同じである。
第2部材41は、中心軸Sと同軸上に配置される中実の円筒形の棒材である。第2部材41の後端部(第1端部)42の外周には、雄ネジ(第2係合部)44が形成されている。雄ネジ44から前方に離間した位置に、前端部33の開口よりも大きな径を有する円板状のストッパ46が形成されている。第2部材41の前端には、側部49を有する接地部48が形成されている。即ち、第2部材41は接地部48を除いた部分である。接地部48の構造と機能はリールスタンド10の接地部28と同じである。
第1部材31の収容空間37の底面35とストッパ46との間に、スプリング40が配置されている。スプリング40の巻き径は雌ネジ34の径よりも大きく、後端側は底面35に当接している。スプリング40の前端側はストッパ46と当接し、第2部材41を中心軸(伸縮軸)S前方方向に付勢する。
リールスタンド30をスピニングリールスタンドとして使用しないときは、ユーザが雄ネジ44を第1部材31の雌ネジ34に螺合させる。これにより、図5(a)に示すように、第2部材41の大部分が第1部材31の収容空間37に収容された、収容状態となる。収容状態では、リールスタンド30はその長さが使用時(延伸状態)よりも短縮されている。スプリング40は、収容状態において最も圧縮された状態となる。
リールスタンド30をスピニングリールスタンドとして使用するときには、収容状態から第2部材41を左回りに回転させて雄ネジ44と雌ネジ34との螺合を解除する。すると図5(b)に示すように、スプリング40の付勢力により、ストッパ46が第1部材31の前端部33の後端面に当接するまで、第2部材41が前方に押し出される。この状態が第2部材41を前方へ延出させた延伸状態である。そして装着ネジ38を、スピニングリール200の保護部220bの内側に形成された雌ネジと螺合させて、スピニングリールスタンドとして使用する。
リールスタンド30の利点はリールスタンド10の利点と同じである。構造的には、スプリング40を配置した分だけ第2部材41の延伸可能長さがリールスタンド10の第2部材21の延伸可能長さよりも小さくなる。しかし収容状態から延伸状態にするときに、雄ネジ44と雌ネジ34との螺合を解除するだけでスプリング40の付勢力によって自動的に延伸状態となる。そのため、リールスタンド10よりも延伸状態にするための操作が容易である。
(実施の形態3)
図6を参照して、実施の形態3に係るリールスタンド50を説明する。
図6(a)、(b)に示すように、リールスタンド50は第1部材51と第2部材61とを有する。第1部材51は、中心軸Sに沿って前端にいくほど外径が小さくなるテーパを有する円筒形の棒材である。第1部材51は、前端部(第2端部)53が開口した円筒形の収容空間57が内部に形成されている。前端部53の開口部内側には、雌ネジ(第1係合部)55が形成されている。第1部材51の後端部(第1端部)52には、装着ネジ58が後方に突出して設けられている。装着ネジ58の構造と機能はリールスタンド10の装着ネジ18と同じである。
第2部材61は、中心軸Sと同軸上に配置される中実の円筒形の棒材である。第2部材61の後端部(第1端部)62の外周には、雄ネジ64が形成されている。第2部材61の後端には、雄ネジ64よりも径が大きい円板状のストッパ66が形成されている。第2部材61の前端部(第2端部)63には、雄ネジ64と同じ外径とピッチを有する雄ネジ(第2係合部)65が形成されている。雄ネジ65は、雌ネジ55と螺合可能である。第2部材61の前端には、側部69を有する接地部68が形成されている。即ち、第2部材61は接地部68を除いた部分である。接地部68の構造と機能はリールスタンド10の接地部28と同じである。
リールスタンド50をスピニングリールスタンドとして使用しないときは、ユーザが第2部材61を右回りに回転させ、雄ネジ65を第1部材51の雌ネジ55と螺合させる。これにより、図6(a)に示すように、第2部材61の前端部63を除く部分が収容空間57に収容された収容状態となる。
リールスタンド50をスピニングリールスタンドとして使用するときは、第2部材61を左回りに回転させて雄ネジ65と雌ネジ55との螺合を解除し、第2部材61を前方に引き出してさらに左回りに回転させ、第2部材61の雄ネジ64を第1部材51の雌ネジ55と螺合させる。ストッパ66が第1部材51の前端部53の後端に当接するまで第2部材61を左回転すると、図6(b)に示すように、第2部材61を前方へ延出させた延伸状態となる。そして装着ネジ58を、スピニングリール200の保護部220bの内側に形成された雌ネジと螺合させて、スピニングリールスタンドとして使用する。
リールスタンド50の利点はリールスタンド10の利点と同じである。構造的には、リールスタンド10の第1部材11の雌ネジ14が不要となり、収容空間57をリールスタンド10の収容空間17よりも深くすることができる。そのため、第2部材61の延伸可能長さを第2部材21の延伸可能長さより大きくすることができる。逆に、第2部材61の延伸可能長さをより大きくする必要がない場合、図示しないが第1部材51の長さは第1部材11よりも小さくすることができ、よりコンパクトとなる。
(実施の形態4)
図7を参照して、実施の形態4に係るリールスタンド70を説明する。リールスタンド70は、リールスタンド50にスプリング(付勢部材)80を備えた形態である。
図7(a)、(b)に示すように、リールスタンド70は第1部材71と第2部材81とを有する。第1部材71は、中心軸Sに沿って前端にいくほど外径が小さくなるテーパを有する円筒形の棒材である。第1部材71は、前端部(第2端部)73が円形に開口した円筒形の収容空間77が内部に形成されている。前端部73の開口部の内側には雌ネジ(第1係合部)75が形成されている。第1部材71の後端部(第1端部)72には、装着ネジ78が後方に突出して設けられている。装着ネジ78の構造と機能はリールスタンド10の装着ネジ18と同じである。
第2部材81は、中心軸Sと同軸上に配置される中実の円筒形の棒材である。第2部材81の後端部(第1端部)82には、前端部73の開口よりも大きな径を有する円板状のストッパ86が形成されている。第1部材71の収容空間77の底面76とストッパ86との間に、スプリング80が配置されている。スプリング80は、後端側が底面76と当接し、前端側がストッパ86と当接し、第2部材81を中心軸S方向前方に付勢する。リールスタンド50と異なり、後端部82には雄ネジは形成されていない。
第2部材81の前端部(第2端部)83には、雄ネジ(第2係合部)85が形成されている。また第2部材81の前端には、側部89を有する接地部88が形成されている。即ち、第2部材81は接地部88を除いた部分である。接地部88の構造と機能はリールスタンド10の接地部28と同じである。
リールスタンド70をスピニングリールスタンドとして使用しないときは、ユーザが雄ネジ85を第1部材71の雌ネジ75に螺合させる。すると、図7(a)に示すように、第2部材81の前端部83を除く部分が第1部材71の収容空間77に収容された収容状態となる。スプリング80は、収容状態において最も圧縮された状態となる。
リールスタンド70をスピニングリールスタンドとして使用するときは、収容状態から第2部材81を左回りに回転させて雄ネジ85と雌ネジ75との螺合を解除する。すると図7(b)に示すように、スプリング80の付勢力により、ストッパ86が第1部材71の前端部73の後端面に当接するまで、第2部材81が前方に押し出される。この状態が第2部材81を前方へ延出させた延伸状態である。そして装着ネジ78を、スピニングリール200の保護部220bの内側に形成された雌ネジと螺合させて、スピニングリールスタンドとして使用する。
リールスタンド70の利点はリールスタンド50の利点と同じである。構造的には、スプリング80を配置した分だけ第2部材81の延伸可能長さがリールスタンド50の第2部材61の延伸可能長さよりも小さくなる。しかし収容状態から延伸状態にするときに、雄ネジ85と雌ネジ75との螺合を解除するだけでスプリング80の付勢力によって自動的に延伸状態となる。そのため、リールスタンド50よりも延伸状態にするための操作が容易である。
(実施の形態5)
図8を参照して、実施の形態5に係るリールスタンド90を説明する。
図8(a)、(b)に示すように、リールスタンド90は第1部材91と第2部材101とを有する。なお、図8(a)はリールスタンド90をスピニングリールスタンドとして使用しない収容状態であり、第2部材101は前後方向が第1部材91の前後方向とは逆の向きに収容されている。図8(b)はリールスタンド90をスピニングリールスタンドとして使用する延伸状態であり、第2部材101が第1部材91の前後方向と同じ前後方向で配置されている。
第1部材91は、中心軸(円筒軸)Sに沿って前端にいくほど外径が小さくなるテーパを有する円筒形の棒材である。第1部材91は、前端部(第2端部)93が円形に開口した円筒形の収容空間97が内部に形成されている。前端部93の開口部内側には、雌ネジ95が形成されている。前端部93の前端面は中央部が陥凹して凹部99を形成している。
第1部材91の後端部(第1端部)92の中央部には円形の開口が設けられており、その内側に雌ネジ(第1係合部)94が形成されている。雌ネジ94と雌ネジ95とは、同じピッチと内径を有している。後端部92には、装着ネジ98が後方に突出して設けられている。
第2部材101は、中心軸Sと同軸上に配置される中実の円筒形の棒材である。図8(b)に示すように、第2部材101の後端部(第1端部)102の外周には、雄ネジ105が形成されている。雄ネジ105は、第1部材91の雌ネジ95と螺合可能である。第2部材101の前端部(第2端部)103の外周には、雄ネジ(第2係合部)104が形成されている。図8(a)に示すように、雄ネジ104は、第1部材91の雌ネジ94と螺合可能である。雄ネジ104と雄ネジ105とは、同じピッチと外径を有している。
リールスタンド90の接地部118は、第2部材101と螺着及び取り外し可能となっており、図8(a)、(b)では取り外した状態の断面図で示している。断面図に示すように、接地部118はその後端面に開口した孔に形成された雌ネジ117を有しており、雌ネジ117は第2部材101の雄ネジ104と雄ネジ105のいずれにも螺合可能である。図8(a)に示すように、第2部材101を収容したときは、接地部118は雄ネジ105に螺合させる。また図8(b)に示すように、第2部材101を延伸したときは、接地部118は雄ネジ104に螺合させる。接地部118は側部119を有し、その機能はリールスタンド10の接地部28と同じである。
第2部材101は、雄ネジ105の前方に隣接してストッパ106が設けられている。ストッパ106は、第1部材91の前端部93の外径とほぼ同じ外径を有する円板である。ストッパ106は、前面中央部に突出した凸部107が形成されている。凸部107の形状は、第1部材91の前端部93の凹部99の陥凹形状と相補的な凸形状を有している。
リールスタンド90をスピニングリールスタンドとして使用しないときは、図8(a)に示すように、第2部材101を第1部材91の前後方向と前後逆向きにして、雄ネジ104を第1部材91の雌ネジ94と螺合させることにより、収容状態とする。このとき、ストッパ106の凸部107が第1部材91の凹部99に受容されて安定化される。
またリールスタンド90をスピニングリールスタンドとして使用するときは、図8(b)に示すように、第2部材101をいったん外して第1部材91の前後方向に向きを合わせて、雄ネジ105を第1部材91の雌ネジ95と螺合させることにより、延伸状態とする。このとき、ストッパ底面108の外周部が第1部材91の前端部93の前端外周部と当接して安定化される。そして装着ネジ98を、スピニングリール200の保護部220bの内側に形成された雌ネジと螺合させて、スピニングリールスタンドとして使用する。
リールスタンド90の利点は、リールスタンド10の利点と同じである。
(実施の形態6)
図9を参照して、実施の形態6に係るリールスタンド130を説明する。リールスタンド130は、リールスタンド50の第2部材61の雄ネジ64を全円筒周面に設けた構造である。
図9に示すように、リールスタンド130は第1部材131と第2部材141とを有する。第1部材131は、前端にいくほど外径が小さくなるテーパを有する円筒形の棒材である。第1部材131は、前端部(第2端部)133が円形に開口した円筒形の収容空間137が内部に形成されている。前端部133の開口部の内側には、雌ネジ135が形成されている。第1部材131の後端部(第1端部)132には、装着ネジ138が後方に突出して設けられている。
第2部材141は、中心軸Sと同軸上に配置される中実の円筒形の棒材である。第2部材141には、その後端部(第1端部)142から前端部(第2端部)143にわたって雄ネジ(第2係合部)144が全円筒周面に形成されている。第2部材141の後端に、前端部133の開口よりも大きな径を有する円板状のストッパ146が形成されている。第2部材141の前端には、側部149を有する接地部148が形成されている。即ち、第2部材141は接地部148を除いた部分である。接地部148の構造と機能はリールスタンド10の接地部28と同じである。
リールスタンド130を使用しないときは、第2部材141を第1部材131の最も奥まで回転させて収容する。これにより、図9(a)に示すように、第2部材141の前端部143を除く部分が第1部材131の収容空間137に収容された収容状態となる。
リールスタンド130をスピニングリールスタンドとして使用するときは、第2部材141を回転させてストッパ146が前端部133の底面に当接するまで引き出す。これにより、図9(b)に示すように、第2部材141を前方へ延出させた延伸状態となる。そして装着ネジ138を、スピニングリール200の保護部220bの内側に形成された雌ネジと螺合させて、スピニングリールスタンドとして使用する。なお、リールスタンド130は、必ずしもストッパ146が前端部133の底面に当接するまで引き出す必要はなく、スピニングリール200を支持できる途中の位置まで第2部材141を引き出した延伸状態で使用してもよい。
リールスタンド130の利点はリールスタンド10の利点と同じである。さらに、第2部材141を任意の延伸位置で安定させることができる。そのため、スピニングリール200の大きさに合わせて、リールスタンド130の長さを任意に調節してスピニングリール200を支持することができる。
リールスタンド10、30、50、70、90、130の製造方法は任意である。図面では、各リールスタンドの第1部材や第2部材と接地部はそれぞれが一体成形物のように図示したが、1つの部材を複数の部品から構成してもよい。このようにすることにより、他の部材を組み合わせた後に接着や螺合等の方法で接合して製造することができる。
例えば、リールスタンド30において、第1部材31を、後端部32とその他の部分(胴部)とに分けて製造し、第2部材41やスプリング40を胴部に組み合わせたのちに後端部32を接合してもよい。あるいは、第2部材41と接地部48とを別々に製造し、スプリング40と第2部材41を第1部材31と組み込んだ後に接地部48を螺合や接着により接合してもよい。
また、リールスタンド10において、第1部材11の円筒部に部分的に開口を設け、ストッパ26のない第2部材21を第1部材11に挿入した後、円筒部の開口からストッパ26を形成又は取り付けてもよい。
(変形例)
上記実施の形態1から6では、第1部材及び第2部材ともに円筒形(中実又は中空)とした。しかし形状は円筒形に限定されず、任意である。例えば角柱状でもよい。また長さ方向にテーパを有していなくともよく、径に変化があってもよい。また第2部材は中実としたが、中空でもよい。
上記実施の形態1から6では、第2部材は第1部材と同じ円筒形部材とした。しかし第2部材は第1部材と同じ形状でなくともよく、第1部材の内部に少なくとも一部が収容可能であり、また第1部材の内部から延伸可能な形状であればよい。
ストッパはいずれも円板状としたが、ストッパの役割(脱落防止)を果たせばよいのであって、その形状は限定されない。また全周に設ける必要はなく、円周の一部に設けてもよい。
なお、リールスタンド10では、雄ネジ24と雄ネジ25がストッパ26を挟んで形成されている。雄ネジ24と雄ネジ25が同じ外径とピッチを有するため、延伸状態にするときに第2部材21を左回りに回転させすぎると、第2部材21全体が第1部材11から脱落するおそれがあり、ストッパ26はそれを防止している。この第2部材21の脱落を防止するため、雄ネジ25の外径を雄ネジ24の外径よりも小さくして段差を設けてもよい(図示せず)。この場合、雄ネジ25と螺合する雌ネジ15の径を雄ネジ25の外径と合わせて小さくすればよい。このような構成であれば、段差がストッパの役割を果たすため、ストッパ26を設ける必要がなくなる。
上記実施の形態1から6では、第1部材と第2部材との係合は雄ネジと雌ネジとの螺合係合とした。しかし係合のための別部材を用いない係合方法は任意である。例えば、凸部とそれに係合可能な凹部とで係合させてもよい(図示せず)。この場合、凸部を係合位置と解除位置に変位させて係合とその解除をさせるようにしておけばよい。あるいは、凸部と凹部との間の嵌合摩擦力を利用した嵌合係合としてもよい。このようにしても係合部材を別に設ける必要がなく、係合部材が紛失することを防ぐことができる。