JP6615471B2 - 発振器 - Google Patents

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Description

本発明は、水晶振動子とヒーター回路用の抵抗体を含む発振器に関する。
電子機器には、一定の周期の安定した発振信号を供給し続けるタイミングデバイスが用いられている。このようなタイミングデバイスとして、水晶振動子を用いた水晶発振器(単に発振器と呼ぶ)が広く普及している。
水晶振動子は、例えばリード端子を介して発振器の基板に接続されている。また、水晶振動子は所定の周波数温度特性を有するため、水晶振動子を安定して動作させるために、金属パッケージ内に封止され、水晶振動子を加温し、一定温度に保つためのヒーター回路用の抵抗体を有する発振器が利用されている(特許文献1)。
特開2005−143060号公報
ところで、発振器の中には、抵抗体が水晶振動子に対向するように基板の主面に設けられたものがある。かかる発振器において水晶振動子に効率良く熱を伝えるために、熱伝導シート、シリコーン等を介して抵抗体と熱的に接触させるが、水晶振動子を基板側に押し付ける際に、リード端子で基板に接続された水晶振動子が抵抗体と接触してしまい、電気的なショート(短絡)が発生する恐れがある。
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、水晶振動子が抵抗体に接触してショートすることを防止可能な発振器を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様においては、基板と、前記基板の主面に空隙を挟んで対向し、リード端子を介して前記基板と接続された水晶振動子と、前記水晶振動子に対向するように前記主面に設けられたヒーター回路用の抵抗体と、前記水晶振動子に対向し、かつ前記抵抗体よりも前記水晶振動子側へ突出するように、前記主面に設けられた突出部品と、を備える発振器を提供する。
前記抵抗体が、前記主面に互いに離間するように複数設けられ、前記突出部品は、前記抵抗体同士の間に位置してもよい。
前記突出部品は、前記複数の抵抗体の中で離間距離が最も小さい前記抵抗体同士の間に位置してもよい。
前記突出部品は、前記リード端子の周囲に複数設けられていてもよい。
前記突出部品は、前記水晶振動子の中心に対向するように設けられた第1突出部品と、前記第1突出部品から半径方向へ離間すると共に、環状に設けられた複数の第2突出部品と、を含んでもよい。
前記突出部品は、電極を有さない部品であってもよい。
本発明によれば、水晶振動子が抵抗体に接触してショートすることを防止可能な発振器を提供できるという効果を奏する。
第1の実施形態に係る水晶発振器1の構成の一例を示す図である。 図1のA−A矢視図である。 比較例に係る水晶発振器900の構成を示す図である。 第2の実施形態に係る水晶発振器1の構成の一例を示す図である。 第3の実施形態に係る水晶発振器1の構成の一例を示す図である。
<第1の実施形態>
(水晶発振器の構成)
図1及び図2を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る発振器の一例である水晶発振器1の構成について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る水晶発振器1の構成の一例を示す図である。図2は、図1のA−A矢視図である。
水晶発振器1は、携帯機器等の様々な電子機器に搭載可能であり、所定周波数の安定した発振信号を供給し続けるタイミングデバイスである。図1に示すように、水晶発振器1は、水晶振動子10と、基板20と、抵抗体30と、突出部品40とを有する。
基板20は、矩形形状のプリント基板である。基板20の主面21(上面)には、各種の電子部品が実装される回路配線が形成されている。主面21には、ヒーター回路を構成する抵抗体30が実装されている。
水晶振動子10は、図1に示すように、基板20の主面21に空隙を挟んで対向している。水晶振動子10は、基板20と連結されているリード端子12を有する。リード端子12は、水晶振動子10の底面11から基板20に向かって延出している。リード端子12は、底面11の中央側に複数(図2に示すように5個)設けられている。リード端子12の先端側は、基板20の主面21と裏面22との間に形成された貫通孔を通過して、裏面22にて半田にて固定されている。なお、本実施形態では、水晶振動子10は、金属製の容器の中に振動子が収容、封止された構成となっている。
抵抗体30は、電圧の供給に伴い流れる電流に応じて発熱する発熱素子である。抵抗体30は、水晶振動子10を加熱する機能を有する。抵抗体30は、水晶振動子10に対向するように主面21に設けられている。具体的には、抵抗体30は、水晶振動子10の底面11の真下に、空隙を挟んで設けられている。
本実施形態においては、水晶振動子10を効果的に加熱するために、底面11の真下に抵抗体30が複数(図2に示すように4個)設けられている。4個の抵抗体30は、5個のリード端子12の周囲に、互いに離間するように主面21に配置されている。
突出部品40は、図1に示すように、水晶振動子10に対向し、かつ抵抗体30よりも水晶振動子10側へ突出するように、主面21に設けられている。突出部品40は、水晶振動子10の真下に位置し、水晶振動子10の底面11を接触した状態で支持する。これにより、突出部品40は、水晶振動子10を主面21から所定の高さに保持する機能を有する。この結果、水晶振動子10(特に、底面11)が、外力を受けても、主面21に実装された抵抗体30に接触することを防止できる。なお、突出部品40が底面11に接触することとしたが、これに限定されず、例えば突出部品40と底面11との間に若干の隙間が存在してもよい。
突出部品40は、例えば金属製であり、主面21の回路配線と接触しない位置に設けられている。また、突出部品40は、図1に示すように複数設けられている。これにより、水晶振動子10を安定して支持できる。具体的には、図2に示すように、水晶振動子10の中心に対向するように設けられた突出部品40−aと、突出部品40−aから半径方向へ離間すると共に、環状に設けられた複数(4個)の突出部品40−bとが、主面21に設けられている。
突出部品40−aは、水晶振動子10の中央側に配置された5個のリード端子12よりも中央側に位置する。4個の突出部品40−bは、5個のリード端子12の周囲に配置されている。4個の突出部品40−bは、円周方向において約90度間隔で配置されている。
突出部品40−aは、図2を見ると分かるように、4個の突出部品40−bからの距離が等しくなるように配置されている。これにより、水晶振動子10をより安定した状態で支持できる。突出部品40−bは、抵抗体30同士の間に位置する。これにより、水晶振動子10に外力が発生しても、水晶振動子10が4個の抵抗体30のいずれかと接触することを効果的に防止できる。
また、突出部品40は、抵抗体30の近くに配置され、抵抗体30が発した熱を水晶振動子10に伝達する機能も有する。特に、図2において4個の突出部品40−bのうちの突出部品40−aの左右に位置する2個の突出部品40−bは、4個の抵抗体30の中で離間距離が最も小さい抵抗体30同士の間に位置する。具体的には、離間距離が小さい2個の抵抗体30の中心を結ぶ線上に、突出部品40−bが位置する。かかる場合には、2個の抵抗体30が発熱した際の熱を、突出部品40が効率良く水晶振動子10に伝達できるので、水晶振動子10を効果的に加熱できる。
突出部品40−a及び突出部品40−bは、それぞれ直方体の形状を成している。突出部品40−a、40−bは、平らな上面で水晶振動子10の底面11に接触している。突出部品40−a、40−bの大きさは、ここでは同一であるが、異なってもよい。また、突出部品40−a、40−bの形状は、直方体に限定されず、例えば円柱形状であってもよい。
突出部品40−a、40−bは、圧力によって破損に至るような電極を有さない部品である。これにより、水晶振動子を基板側に押し付けたとしても、突出部品の破片によって主面21の回路がショートすることが無い。
また、突出部品40−a、40−bは、基板の主面21に水晶振動子10を取り付ける前に、他の電子部品と同様に予め主面21に実装されている。かかる場合には、水晶振動子10の取付け時の追加工数が発生しないため、水晶発振器1を容易に製造できる。
なお、水晶振動子10と抵抗体30の間には、熱伝導シート等が設けられていてもよい。かかる場合に、突出部品40の高さは、熱伝導シートの厚みよりも大きい。
(第1の実施形態における効果)
図3に係る比較例と対比しながら、第1の実施形態に係る水晶発振器1の効果について説明する。
図3は、比較例に係る水晶発振器900の構成を示す図である。比較例においては、水晶振動子910は、空隙を挟んで対向する基板920とリード端子912を介して連結しているが、本実施形態とは異なり突出部品40が設けられていない。かかる比較例において、水晶振動子910を基板側に押し付けた場合、水晶振動子910が基板920の主面921上の抵抗体930に接触して電気的にショートする恐れがある。例えば、水晶振動子910を下方に押し下げる力が作用すると、水晶振動子910の金属製の容器の底面911が抵抗体930の端子に接触して、ショートが発生する。
これに対して、第1の実施形態に係る水晶発振器1においては、基板20の主面21に、抵抗体30よりも水晶振動子10側へ突出した突出部品40が設けられている。これにより、水晶振動子10に基板20側に押し付ける外力が作用しても、突出部品40が水晶振動子10の底面11を支持することで、水晶振動子10の底面11が主面21上の抵抗体30に接触することを防止できるので、ショートの発生を防止できる。
<第2の実施形態>
図4を参照しながら、第2の実施形態に係る水晶発振器1の構成について説明する。図4は、第2の実施形態に係る水晶発振器1の構成の一例を示す図である。
第2の実施形態においては、突出部品40の配置状態が第1の実施形態と異なる。図2と図4を対比すると分かるように、第2の実施形態の突出部品40−c及び突出部品40−dは、第1の実施形態の突出部品40−a及び突出部品40−bを90度回転させた向きに配置されている。
具体的には、第1の実施形態の4個の突出部品40−bは、長手方向が水晶振動子10の半径方向とほぼ一致するように配置されている。これに対して、第2の実施形態の4個の突出部品40−dは、長手方向が水晶振動子10の半径方向と直交する接線方向とほぼ一致するように配置されている。上記以外の構成は、第1の実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
第2の実施形態でも、第1の実施形態と同様に、突出部品40−c及び突出部品40−dが、水晶振動子10の底面11を支持する。これにより、水晶振動子10の底面11が、基板20側に押し付ける外力を受けても、基板20の主面21上の抵抗体30に接触することを防止できるので、ショートの発生を防止できる。
<第3の実施形態>
図5を参照しながら、第3の実施形態に係る水晶発振器1の構成について説明する。図5は、第3の実施形態に係る水晶発振器1の構成の一例を示す図である。
第3の実施形態においては、第1の実施形態の水晶振動子10の中央に対向する突出部品(図3の突出部品40−a)が設けられていない。一方で、5個のリード端子12の周囲に4個の突出部品40−eが設けられている。
そして、図5に示すように、2個の抵抗体30の間に2個の突出部品40−eが略ハ字状に、2組配置されている。そして、4個の突出部品40−eの各々が抵抗体30の近傍に設けられていることで、突出部品40−eが、抵抗体30が発した熱を水晶振動子10に効率的に伝達することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
1 水晶発振器
10 水晶振動子
11 底面
12 リード端子
20 基板
21 主面
30 抵抗体
40 突出部品

Claims (5)

  1. 基板と、
    前記基板の主面に空隙を挟んで対向し、リード端子を介して前記基板と接続された水晶振動子と、
    前記水晶振動子に対向するように前記主面に設けられたヒーター回路用の抵抗体と、
    前記水晶振動子に対向し、かつ前記抵抗体よりも前記水晶振動子側へ突出するように、前記主面に互いに離れて設けられた複数の突出部品と、
    を備え
    前記突出部品は、前記リード端子の周囲に設けられている、発振器。
  2. 前記抵抗体が、前記主面に互いに離間するように複数設けられ、
    前記突出部品は、前記抵抗体同士の間に位置する、
    請求項1に記載の発振器。
  3. 前記突出部品は、前記複数の抵抗体の中で離間距離が最も小さい前記抵抗体同士の間に位置する、
    請求項2に記載の発振器。
  4. 前記突出部品は、
    前記水晶振動子の中心に対向するように設けられた第1突出部品と、
    前記第1突出部品から半径方向へ離間すると共に、環状に設けられた複数の第2突出部品と、を含む、
    請求項1からのいずれか1項に記載の発振器。
  5. 前記突出部品は、電極を有さない部品である、
    請求項1からのいずれか1項に記載の発振器。

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