以下、本実施形態について説明するが、本実施形態は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。なお、以下に説明する実施形態では、情報処理システムおよび情報機器として、機器管理システム100および画像形成装置150を一例として説明する。
図1は、本実施形態による機器管理システム100を示す概略図である。図1に示すように、機器管理システム100は、情報機器を管理する機器管理サーバ110と、機器管理サーバ110により管理される情報機器としての画像形成装置150とを含み構成される。なお、図1には、2台の画像形成装置150a,150bが示されているが、機器管理サーバ110が管理する情報機器の数は、特に限定されるものではない。
図1には、機器管理サーバ110が管理する画像形成装置150が設置されたロケーションとして、官公庁、医療機関、教育機関、企業などの組織体のオフィス106a,106bが例示されている。画像形成装置150a,150bは、それぞれ、有線、無線あるいはこれらの混合のローカル・エリア・ネットワーク(LAN)104に接続される。LAN104は、さらに、ルータなどを介して、インターネットなどの公衆ネットワーク102へと接続されている。オフィス106a,106b内の画像形成装置150a,150bと、オフィス106a,106bから離間して設置される機器管理サーバ110とは、公衆ネットワーク102を介して接続される。
機器管理サーバ110は、特に限定されるものではないが、パーソナル・コンピュータ、ワークステーション、サーバ・コンピュータなどの汎用コンピュータとして構成され、機器管理に関するサーバ機能を提供する。なお、機器管理サーバ110は、該サーバ機能を有する物理サーバとして提供されてもよいし、該サーバ機能を有する仮想マシンを稼働させる物理サーバとして提供されてもよい。特定の実施形態において、機器管理サーバ110は、情報機器管理サービスを提供するサービス提供者側の拠点に設置されてもよい。あるいは、他の実施形態では、ローカル・エリア・ネットワーク104と機器管理サーバ110が設置されるネットワークとが、VPNや専用線などによるプライベート・ネットワークを介して接続されるような態様であってもよいし、機器管理サーバ110がLAN104上に設けられるような態様であってもよいし、特に限定されるものではない。
画像形成装置150は、特に限定されるものではないが、印刷処理やスキャナ処理を実行する複合機、プリンタなどの画像形成装置を挙げることができる。しかしながら、機器管理サーバ110により管理される対象としては、特に限定されるものではなく、スキャナなどの画像読取装置、ファクシミリなどの画像通信装置などを含む如何なる情報機器であってよい。
本実施形態による機器管理サーバ110は、公衆ネットワーク102を介して、画像形成装置150を利用するための機能をクラウドサービスとして提供する。本実施形態において、画像形成装置150を使用するトリガ(画像読取要求や印刷要求など)は、クラウドサービスから実施され、画像形成装置150は、クラウドサービスからの要求に応じて、各種画像処理(画像読取処理や印刷処理など)を実行するよう構成されている。
より具体的には、本実施形態において、機器管理サーバ110は、管理対象である画像形成装置150に対し、クラウドサービスとして、各種設定値を設定するための設定画面を規定するウェブ・コンテンツ・データを提供する。画像形成装置150は、ウェブ・ブラウザ機能を備えており、機器管理サーバ110から提供されるウェブ・コンテンツ・データを表示することにより、当該画像形成装置150の各種設定画面などのGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)を表示する。
上述したように、機器管理サーバ110から設定画面を規定するコンテンツ・データを提供する場合、機器管理サーバ110側で、画像形成装置150の機種に依存した画面を表示するため、機種依存の画面情報を機種毎に準備することが求められる。さらに、新規の機能を搭載した画像形成装置が導入される場合、機器管理サーバ110側で、新規機能に対応して新規アプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)を搭載することが求められる場合がある。
そこで、本実施形態による機器管理システム100では、複数の機種で共通の設定項目に関する共通設定画面に関しては、機器管理サーバ110が、該共通設定画面を規定する共通設定画面情報を保持する。一方で、画像形成装置150は、当該画像形成装置150の機種に対応した機種依存の設定項目に関する機種依存設定画面を規定する機種依存設定画面情報を記憶装置上で記憶する。画像形成装置150は、複数の機種で共通の設定項目に関する場合は、機器管理サーバ110に対し、共通設定画面情報を要求する。画像形成装置150は、一方、機種依存の設定項目に関する場合は、自身が備える記憶手段から機種依存設定画面情報を取得する。画像形成装置150は、画面遷移に応答して、機器管理サーバ110から取得した共通設定画面情報または記憶装置から取得した機種依存設定画面情報に基づき、共通設定画面または機種依存設定画面を表示する。
好適な実施形態においては、画像形成装置150の各種設定値については、共通的な設定項目に関するものについては、機器管理サーバ110上で保持することができる。画像形成装置150の機種に依存する設定項目については、画像形成装置150側で保持することができる。上記機種依存設定画面情報は、機種依存の設定項目への設定値の設定操作を受け付ける操作受付部を定義する情報と、設定操作に応答して機種依存の設定項目の設定値を設定する呼び出し(API呼び出し)を定義する情報とを含むことができる。
上記構成により、機器管理サーバ110と連携して設定画面の表示を行う画像形成装置150において、機種依存する設定値のAPIや設定画面を新規追加するに際して生じる、機種依存の設定画面やAPIを開発するためのサーバ側のメンテナンスコストの削減を図る。
以下、図2〜図17を参照しながら、本実施形態による機器管理システム100で実行される設定処理について、より詳細を説明する。
以下、図2および図3を参照しながら、まず、機器管理システム100を構成する装置のハードウェア構成について説明する。
図2は、本実施形態による機器管理サーバ110のハードウェア構成を示す図である。機器管理サーバ110は、汎用コンピュータなどとして構成されている。図2に示す機器管理サーバ110は、シングルコアまたはマルチコアのCPU(Central Processing Unit)12と、RAM(Random Access Memory)14と、ROM(Read Only Memory)16と、HDD(Hard Disk Drive)18と、入力装置20と、表示装置22と、通信インタフェース機器24とを含み構成される。
CPU12は、機器管理サーバ110内部の処理などの全体制御を行う。RAM14は、CPU12の作業領域を提供する。ROM16は、BIOS(Basic Input / Output System)などを記憶する。HDD18は、コンピュータ装置を制御するためのOS、後述する機能部を実現するためのプログラムや各種システム情報や各種設定情報を格納する。
入力装置20は、マウス、キーボード、タッチスクリーンパネルなどの入力装置である。表示装置22は、液晶ディスプレイ装置、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイなどの表示装置である。入力装置20および表示装置22は、操作者からの各種指示の入力を受け付けるためのユーザ・インタフェースを提供する。通信インタフェース機器24は、NIC(Network Interface Card)などの機器管理サーバ110をネットワーク102に接続させるインタフェース機器である。
本実施形態による機器管理サーバ110は、ROM16やHDD18からプログラムを読み出し、RAM14が提供する作業空間に展開することにより、CPU12の制御の下、後述する各部および各処理を実現する。
図3は、本実施形態による画像形成装置150のハードウェア構成を示す。画像形成装置150は、画像形成機能および画像読取機能を備えた画像形成装置として構成されている。図3に示す画像形成装置150は、コントローラボード50上に、シングルコアまたはマルチコアのCPU52と、ROM54と、CPU52の作業領域を提供するRAM56と、画像メモリ58と、通信インタフェース機器60とを備える。コントローラボード50には、さらに、操作パネル62と、スキャナ64と、プロッタ66とが接続される。
CPU52は、画像形成装置150内部の画像処理や設定値設定、ブラウザなどの動作を制御する。ROM54は、画像形成装置150を機能させるためのプログラムを格納する。RAM56は、CPU52の作業領域を提供し、ROM54またはHDDなどに格納されているプログラムを実行する。画像メモリ58は、スキャンや印刷での画像処理に利用する作業領域を提供する。通信インタフェース機器60は、IEEE802.11などの規格に従った無線LANアダプタやNICなどの画像形成装置150をネットワーク104に接続させるインタフェース機器である。
操作パネル62は、コントローラボード50と接続され、液晶パネルなどの表示装置と、タッチスクリーンパネルなどの入力装置とを備える。操作パネル62は、ブラウザ画面を表示し、操作者からの各種指示の入力を受付け、画面表示を行なうためのユーザ・インタフェースを提供する。スキャナ64は、コントローラボード50からの画像読取の実行指令に応答して、画像読取処理を実行する。プロッタ66は、コントローラボード50からの画像形成の実行指令に応答して、ホスト・コンピュータからの印刷データやスキャナ64により読み取られた画像読取データに基づき画像形成処理を実行する。
以下、図4〜図17を参照しながら、本実施形態による機器管理システム100における、画像形成装置の各種設定処理について、より詳細に説明する。図4は、本実施形態による機器管理システム100の構成を示すブロック図である。図4には、機器管理サーバ110が備えるモジュール構成210と、画像形成装置150が備えるモジュール構成250とが示されている。
機器管理サーバ110は、モジュール構成210として、ライフサイクル制御部212と、機器マッピング部214と、ジョブ制御部216と、機器情報管理部218と、通信インタフェース部220とを含み構成される。
ライフサイクル制御部212は、画像形成装置150やウェブサイトなどからの、画像形成装置150の設置、置換えまたは破棄の要求を受け付けて、情報機器のライフサイクル状態を管理する。
機器マッピング部214は、画像形成装置150に割り当てられている実デバイス識別子(以下、実デバイスIDと参照する。)と、画像形成装置150を管理するための論理デバイス識別子(以下、論理デバイスIDと参照する。)との関連付けを管理する。機器マッピング部214は、画像形成装置を新規に設置する際には、論理デバイスIDを採番し、当該新規の画像形成装置の実デバイスIDと紐付けて記憶する。機器マッピング部214は、設置済みの画像形成装置を破棄する際には、当該画像形成装置の論理デバイスIDを破棄する。機器マッピング部214は、画像形成装置を置換えする際には、置換え対象の画像形成装置の実デバイスIDに紐付いている論理デバイスIDを検索し、置換え後の新規の画像形成装置の実デバイスIDに紐付け直す。機器マッピング部214は、実デバイスIDから対応する論理デバイスIDの検索、および、論理デバイスIDから対応する実デバイスIDの検索を行う機能を提供する。
ジョブ制御部216は、ユーザから論理デバイスIDが指定されたジョブを受け付け、対応する画像形成装置150に対してジョブの実行要求を行う。機器管理サーバ110のジョブ制御部216は、本実施形態における、処理実行要求手段を構成する。
機器情報管理部218は、管理対象となる画像形成装置150の実デバイスID、カウンタ情報、設置場所、設定情報および機種を示す機種コードを管理する。説明する実施形態において、機器情報管理部218は、さらに、共通の設定項目に関する共通設定画面を規定する共通設定画面情報を保持し、複数の機種に共通した共通の設定項目の設定値を保持する。なお、本実施形態において、共通設定画面情報は、HTML(HyperText Markup Language)による文書やJavaScript(登録商標)によるスクリプトコードを含むウェブ・コンテンツ・データとして提供される。機器情報管理部218は、画像形成装置150からの共通設定画面を介した共通の設定項目への設定要求に応答して、設定要求にかかる設定値を設定することができる。機器情報管理部218は、本実施形態における、画面情報保持手段、設定値保持手段および設定手段を構成する。
通信インタフェース部220は、図2に示した通信インタフェース機器24を制御するソフトウェア・モジュールである。通信インタフェース部220は、上述したライフサイクル制御部212、機器マッピング部214、ジョブ制御部216および機器情報管理部218と、画像形成装置150との間で、ネットワーク102,104を介した通信を制御する。
画像形成装置150は、モジュール構成250として、通信インタフェース部252と、ジョブ制御部254と、設定値記憶部256と、コンテンツ記憶部258と、ブラウザ部260と、機器構成管理部266とを含み構成される。
通信インタフェース部252は、図3に示した通信インタフェース機器60を制御するソフトウェア・モジュールである。通信インタフェース部252は、ジョブ制御部254、設定値記憶部256およびブラウザ部260と、機器管理サーバ110との間で、ネットワーク102,104を介した通信を制御する。
ジョブ制御部254は、図3に示したスキャナ64およびプロッタ66を制御して、機器管理サーバ110からのジョブ実行の要求に応答して、スキャンや印刷などのジョブを実行する。ジョブ制御部254は、本実施形態において、処理実行制御手段を構成する。
設定値記憶部256は、トレイ設定などの初期設定の設定値を記憶する。設定値記憶部256は、特に機種依存の設定項目の設定値を記憶する。設定値記憶部256は、本実施形態における設定値記憶手段を構成する。
コンテンツ記憶部258は、当該画像形成装置150の機種に対応した機種依存の設定項目に関する機種依存設定画面を規定する機種依存設定画面情報を記憶する。なお、本実施形態において、機種依存設定画面情報は、HTMLコードやJavaScript(登録商標)によるスクリプトコードを含むウェブ・コンテンツ・データとして提供される。コンテンツ記憶部258は、画面情報記憶手段を構成する。
ここで、コンテンツ記憶部258に記憶されるウェブ・コンテンツ・データは、機種依存の設定項目への設定値の設定操作を受け付ける操作受付部(GUI部品)を定義する情報と、設定操作に応答して上記設定値記憶部256に機種依存の設定項目の設定値を設定する呼び出しを定義する情報(API)とを含み得る。なお、好適な特定の実施形態において、機種依存設定画面は、背景色、画像情報、文字情報および音声情報から選択された少なくとも1つの属性に差異を有することにより、機器管理サーバ110から提供される共通設定画面と区別されてもよい。
ブラウザ部260は、画像形成装置150上でウェブ・クライアントとして動作するウェブ・ブラウザであり、より詳細には、ネットワーク接続部262と、コンテンツ表示部264とを含み構成される。
ネットワーク接続部262は、ブラウザ機能の一部であり、機器管理サーバ110上のウェブ・サーバ機能や、画像形成装置150内のウェブ・サーバ機能に対しネットワーク接続を行う。ネットワーク接続部262は、遷移先のURL(Uniform Resource Locator:記憶位置識別情報)に対応して、共通設定項目の設定画面に関しては、機器管理サーバ110に対し、共通設定画面情報を要求し、機器管理サーバ110から共通設定画面情報のコンテンツ・データを取得する。ネットワーク接続部262は、機種依存の設定項目に関する設定画面に関しては、コンテンツ記憶部258に対し機種依存設定画面情報を要求し、コンテンツ記憶部258から機種依存設定画面情報のコンテンツ・データを取得する。ネットワーク接続部262は、本実施形態における要求手段および取得手段を構成する。
コンテンツ表示部264は、ブラウザ機能の一部であり、機器管理サーバ110から取得した、または、画像形成装置150内で取得した設定画面情報のコンテンツ・データに基づき、ウェブ・コンテンツの画面表示を行う。コンテンツ表示部264は、さらに、コンテンツ・データに含まれるJavaScript(登録商標)などによるスクリプトコードの処理を実行する。本実施形態によるコンテンツ表示部264は、画面遷移に応答して、機器管理サーバ110から取得した共通設定画面情報またはコンテンツ記憶部258から取得した機種依存設定画面情報に基づき、共通設定画面または機種依存設定画面を表示する。コンテンツ表示部264は、本実施形態における第1および第2表示手段を構成する。
機器構成管理部266は、画像形成装置150の周辺機器の接続状態などを検知しており、周辺機器の接続状態に応じてウェブ・コンテンツの差し替えを行う。例えば、画像形成装置150の特定の機能が有効ではない場合、その機能に対応する設定項目や選択肢が表示されないようにすることが望ましい。機器構成管理部266は、そのような場合に、特定の設定項目や選択肢を非表示としたウェブ・コンテンツ・データに変更したり、ウェブ・コンテンツ・データ内のスクリプトにデータを与えて、特定の設定項目や選択肢を非表示としたりすることができる。機器構成管理部266は、本実施形態において、周辺機器の接続状態に応じた機種依存の設定情報(設定項目や選択肢)が表示されるように機種依存設定画面情報を変更する変更手段を構成する。
以下、図5を参照して、機器管理サーバ110側および画像形成装置150側で保持される設定項目の設定値について説明する。図5は、本実施形態において、機器管理サーバ110側および画像形成装置150側でそれぞれ保持される設定項目の設定値を例示するテーブルである。機器管理サーバ110側では、図5(A)に示すように、日付時刻、省エネルギータイマー、ファームウェア更新といった、複数の機種の画像形成装置間で共通の設定項目の設定値を保持する。ここで、共通の設定にする理由は、各画像形成装置で同じ設定値を繰り返し設定する作業が効率的ではないため、機器管理サーバ110側に一括で保持させて画像形成装置150を制御することにより、メンテナンス性を向上させるためである。説明する実施形態において、図5(A)に示すような共通の設定項目の設定値は、機器管理サーバ110側の機器情報管理部218にて保持される。
これに対して、画像形成装置150側では、図5(B)に示すように、用紙トレイのサイズや紙種類、ハードディスク自動消去、高画質モードといった機種依存の設定項目の設定値を記憶する。ここで、機種依存の設定となる理由は、トレイの数、最大用紙サイズ、用紙種類、HDDの有無、高画質のスキャンや印刷ジョブの実行可否など、機種によって設定の選択肢および設定項目自体の両方または一方の有無が異なるためである。説明する実施形態において、図5(B)に示すような機種依存の設定項目の設定値は、画像形成装置150側の設定値記憶部256にて記憶される。
以下、図6〜図10を参照しながら、機器管理システム100で実行される各種設定処理およびその際の画面遷移について、より具体的に説明する。
図6は、本実施形態による機器管理システム100で実行される各種設定処理を示すシーケンス図である。なお、図6に示すシーケンス図においては、初期状態として、画像形成装置150に搭載されたブラウザ部260上で、機器管理サーバ110から取得された初期設定に関するトップページである初期設定一覧画面のコンテンツが表示されているものとする。
ステップS101では、ユーザにより、初期設定一覧画面上で、システム共通の設定画面である日付時刻設定画面が選択される。初期設定一覧画面のコンテンツ・データ内には、日付時刻設定画面に対応して機器管理サーバ110側のURLが記載されている。ステップS102では、コンテンツ表示部264は、日付時刻設定画面の選択に応答して、遷移先画面のURLを抽出する。ステップS103では、コンテンツ表示部264は、ネットワーク接続部262に対し、抽出されたURLが示す機器管理サーバ110上の日付時刻設定画面に対応するコンテンツへの遷移を要求する。
ステップS104およびステップS105では、ネットワーク接続部262は、通信インタフェース部252を介して、機器管理サーバ110に対しコンテンツ取得を要求する。ステップS106では、機器管理サーバ110の通信インタフェース部220は、コンテンツ取得の要求に応答して、機器情報管理部218から該当コンテンツを取得し、画像形成装置150に対しコンテンツを応答する。このコンテンツには、共通設定項目である日付時刻の設定値を設定するための日付時刻設定画面を定義する情報およびAPIが含まれる。ステップS107では、ネットワーク接続部262は、コンテンツを取得したことに応答して、コンテンツ表示部264に対し、コンテンツ表示を指示する。ステップS108では、コンテンツ表示部264は、日付時刻設定画面のコンテンツをブラウザ画面上に表示する。
ステップS109では、ユーザにより、初期設定一覧画面上で、機種依存の設定画面であるトレイ設定画面が選択される。初期設定一覧画面のコンテンツ・データ内には、トレイ設定画面に対応して当該画像形成装置150側のURLが記載されている。ステップS110では、コンテンツ表示部264は、ネットワーク接続部262に対し、URLが示す画像形成装置150上のトレイ設定画面に対応するコンテンツへの遷移を要求する。
ステップS111では、ネットワーク接続部262は、コンテンツ記憶部258から該当コンテンツを取得する。このコンテンツには、機種依存の設定項目であるトレイ設定の設定値を設定するためのトレイ設定画面を定義する情報およびAPIが含まれる。ステップS112では、ネットワーク接続部262は、コンテンツを取得したことに応答して、コンテンツ表示部264に対し、コンテンツ表示を指示する。ステップS113では、コンテンツ表示部264は、指示されたトレイ設定画面のコンテンツをブラウザ画面上に表示する。
ステップS114では、ユーザにより、トレイ設定画面上で、設定操作(例えば、用紙サイズA3を設定)が行われる。ステップS115では、コンテンツ表示部264は、設定操作に応答して、コンテンツ・データ内に含まれるスクリプトコードに従ってトレイ設定の設定値を設定するAPIを呼び出す。ステップS116では、コンテンツ表示部264は、API呼び出しに応答して、ネットワーク接続部262に対し、トレイ設定の設定値の設定を指示する。ステップS117では、ネットワーク接続部262は、トレイ設定の設定値の設定の指示に応答して、設定値記憶部256に対しトレイ設定の設定値を設定する。
なお、図6での説明においては、共通設定項目に対する設定操作の説明については、割愛したが、詳細は、後述する。
図7〜図9は、特定の実施形態において画像形成装置150のブラウザ画面上で表示される設定画面および画面間の遷移を説明する図である。図7〜図9において、符番300は、機器管理サーバ110上のコンテンツに基づく設定画面であることを表し、一方、符番350は、画像形成装置150上のコンテンツに基づく設定画面であることを表す。
基本的な、画面フローとしては、機器管理サーバ110側で保持されるコンテンツが表示され、次のページに遷移する毎に、機器管理サーバ110から次の画面のコンテンツが取得される、という流れとなる。そして、本実施形態においては、特定の画面のコンテンツが、機器管理サーバ110ではなく、画像形成装置150内で取得されることになる。
図7に示すように、初期設定一覧画面310は、機器管理サーバ110上のコンテンツに基づくものである。初期設定一覧画面310は、日付時刻設定を呼び出す日付時刻設定ボタン312aと、トレイ設定を呼び出すトレイ設定ボタン312bと、高画質設定を呼び出す高画質設定ボタン312cと、設定を反映するOKボタン316と、設定を破棄するキャンセルボタン318とを含む。
日付時刻設定は、複数の機種にわたり共通の設定項目であり、初期設定一覧画面310上で日付時刻設定ボタン312aが押下されると、同じく機器管理サーバ110上のコンテンツである日付時刻設定画面320へと遷移される。日付時刻設定画面320は、年、月、日、時および分を入力するためのテキストボックス322a〜322eと、設定を反映するOKボタン326と、設定を破棄するキャンセルボタン328とを含む。
これに対して、トレイ設定は、機種依存の設定項目であり、初期設定一覧画面310上でトレイ設定ボタン312bが押下されると、画像形成装置150のコンテンツ記憶部258に格納されるコンテンツであるトレイ設定画面360へと遷移される。
図10(A)は、画像形成装置150のウェブ・コンテンツを呼び出す例について説明する図である。図10(A)中のHTMLコードでは、ボタンにより設定項目一覧の画面表示が定義されている。図10(A)中のJavaScript(登録商標)のスクリプトコードでは、特定のボタンに対する操作に応答して、画像形成装置150側のURLへアクセスする処理が定義されている。図10(A)に示すようなHTMLコードおよびスクリプトコードにより、画像形成装置150側のウェブ・コンテンツを呼び出す画面遷移が定義される。
画像形成装置150は、機器管理サーバ110に対し、ブラウザを介してHTTP(HyperText Transfer Protocol)リクエストを送信して、図10(A)に示すようなHTMLコードおよびスクリプトコードを含む画面情報を取得し、初期設定一覧画面310を表示する。そして、初期設定一覧画面310上での特定の操作(例えばトレイ設定ボタン312bのクリック)に応答して、画面情報に含まれるスクリプトコードを実行することによって、画像形成装置150側のコンテンツ記憶部258から機種依存設定画面情報を取得し、機種依存設定画面(例えばトレイ設定画面360)に遷移させる。
再び、図7を参照すると、トレイ設定画面360は、各トレイの設定項目を示すラベル362a,362bと、GUI部品364a,364bと、設定を反映するOKボタン366と、設定を破棄するキャンセルボタン368とを含む。GUI部品364a,364bは、設定項目の現在設定されている設定値を示し、設定値を変更するために使用される。
図10(B)は、画像形成装置の機種依存のAPIを含むコンテンツを一例として説明する図である。図10(B)中のHTMLコードでは、機種依存となるトレイ設定の用紙サイズボタンの画面表示が定義されている。図10(A)中のスクリプトコードでは、特定のリストに対する操作に応答して、画像形成装置150に対して各用紙サイズに合わせたAPIを呼び出して、設定値を設定する処理が規定されている。図10(B)に示すようなHTMLコードおよびスクリプトコードにより、設定時の動作が定義される。
再び図7を参照すると、高画質設定は、同様に、機種依存の設定項目であり、初期設定一覧画面310上で高画質設定ボタン312cが押下されると、画像形成装置150上のコンテンツである高画質設定画面370へと遷移される。高画質設定画面370は、画質を選択するためのボタン372a〜372cと、設定を反映するOKボタン376と、設定を破棄するキャンセルボタン378とを含む。
なお、図7では、トレイ設定や高画質設定は、複数の機種共通で設定自体は存在するが、個々の選択肢については、例えば、A4機や、A3機などのハードウェア構成に依存しているため、機種依存である設定項目となっている。このような、設定項目自体は共通であるが選択肢が機種依存となる設定項目の場合は、初期設定一覧画面310が共通設定画面となり、機器管理サーバ110側のコンテンツとして提供され得る。
図8は、他の実施形態において画像形成装置150のブラウザ画面上で表示される設定画面を例示する。図8に示す例は、高画質設定自体が共通に存在せず、特定の機種群に固有の設定項目として存在する場合に対応したものである。このような設定項目自体が機種依存の場合は、機器管理サーバ110上の初期設定一覧画面330から、画像形成装置150上の機種固有の拡張初期設定一覧画面380に一旦遷移する。そして、拡張初期設定一覧画面380から、高画質設定画面370へ遷移するよう構成される。
図8において、日付時刻設定は、共通の設定項目であり、初期設定一覧画面330上の日付時刻設定ボタン332aが押下されると、機器管理サーバ110上の日付時刻設定画面320へ遷移する。これに対して、拡張初期設定は、機種依存であり、初期設定一覧画面330上の拡張初期設定ボタン332bが押下されると、画像形成装置150のコンテンツ記憶部258に記憶された拡張初期設定一覧画面380へ遷移する。拡張初期設定一覧画面380は、共に機種依存の設定項目である、高画質設定を呼び出すボタン382aと、HDD消去設定を呼び出すボタン382bとを含んでいる。図8の例において、高画質設定は、機種依存の設定項目であり、高画質設定ボタン382aが押下されると、画像形成装置150上の高画質設定画面370へと遷移される。
なお、説明する実施形態は、設定項目自体が機種に依存する場合、および、設定項目は共通であるが選択肢が機種に依存する場合の両方の場合に対応することが可能である。
図7および図8に示す例では、機器管理サーバ110上のコンテンツである共通設定画面と、画像形成装置150上のコンテンツである機種依存設定画面とは、特に外観上区別されていなかった。図9は、さらに他の実施形態による画像形成装置150のブラウザ画面上に表示される設定画面を示す。
図9に示すように、特定の実施形態では、共通設定画面310,320と、機種依存設定画面360,370とが容易に区別できるように、共通設定画面の背景色310a,320aと、機種依存設定画面の背景色360a,370aとが異なるようにしてもよい。さらに、機種依存設定画面の特定の位置(例えば右上)に、当該設定画面が対象とする設定項目が機種依存であることを示す機種アイコン表示360b,370bなどの画像情報を追加することもできる。さらに他の実施形態では、背景色および画像情報とともに、または、背景色および画像情報に代えて、特定の文字情報や音声を付すことにより、両者を判別できるようにしてもよい。これにより、画像形成装置150の置換えの際に、置換えによりいずれの画面が変化するのかをユーザに認識させ易くすることができる。
図11は、本実施形態による機器構成管理部266が保持する周辺機器の接続状態を表す周辺機器接続状態テーブルを示す。画像形成装置150は、起動時に、機器構成管理部266により、周辺機器の接続状態を検知し、検知した接続状態に応じて、図11に示すような周辺機器接続状態テーブルを更新する。周辺機器接続状態テーブルにおいて、大項目は、設定画面の単位に対応し、設定項目毎にアクティベート(活性化)の有効または無効の値が保持されている。同一の大項目内のすべての設定項目のアクティベートが無効の場合は、大項目のアクティベートが無効となる。図11に示すような周辺機器接続状態テーブルに基づいて、機器構成管理部266は、機種依存のコンテンツの設定項目や選択肢を表示したり非表示にしたりし、動的に変更することができる。
なお、コンテンツの変更の方法は、特に限定されるものではないが、各設定の組み合わせ毎にコンテンツを複数準備しておき、アクティベート状態が合致する組み合わせに対応するコンテンツを読み込むようにすることができる。例えば、トレイ設定画面では、バンクトレイ1およびバンクトレイ2が有効のため、これらの設定項目を有するコンテンツおよび設定APIのスクリプトコードのみが有効となり、バンクトレイ1のみの設定項目を有するコンテンツは無効とすることができる。
他の実施形態では、JavaScript(登録商標)などのスクリプトコードによりアクティベートの有効または無効の状態を読み込み、その有効または無効の状態に合うように、設定項目を非表示にしたり、設定項目のリストから選択肢の表示または非表示を動的に制御することにより画面表示することができる。
画像形成装置150は、様々なオプションが接続される可能性があるところ、機器構成管理部266による差し替え処理により、周辺機器の接続状態によって設定できない設定項目や選択肢がある場合に対処することができる。
以下、図12〜図17を参照しながら、画像形成装置150を置換えた場合の機器管理システム100の動作について説明する。以下、まず、図12〜図14を参照して、前提となる機器管理システム100における画像形成装置150の置換え処理について説明する。
図12は、本実施形態による機器管理システム100での画像形成装置150の置換え処理を示すシーケンス図である。図12に示す処理は、ステップS201で、ユーザにより、画像形成装置150のブラウザ部260を用いて、画像形成装置の置換え操作が行われたことに応答して、開始される。
図13は、画像形成装置150などで表示される画像形成装置の置換え、返却および変更を行うためのライフサイクル管理画面を示す。なお、説明する実施形態では、画像形成装置150のブラウザ部260で表示されるものとして説明を続けるが、特に限定されるものではない。他の実施形態では、機器管理サーバ110のウェブ・サーバ機能にアクセスする他の端末が備えるブラウザ上で表示されてもよい。
図13に示す発注画面400は、特定の画像形成装置に関する情報を示しており、特定の画像形成装置の置換え、返却または変更の操作を行うために用いられる。図13に示す発注画面400は、論理デバイスID(図13では単にデバイスIDとして示される。)、機種コード、設置場所などの情報を含むテーブル402と、変更を指示する変更ボタン404と、返却および置換えを指示する返却・置換えボタン406と、キャンセルボタン408とを含む。
発注画面400上でボタン404が押下されると、設置場所変更画面410へと遷移される。図13に示す設置場所変更画面410は、変更前の設置場所が示されるテキストボックス412と、変更後の設置場所を入力するためのテキストボックス414と、変更の実行の指示を受け付けるボタン416と、変更を取りやめるキャンセルボタン418とを含む。設置場所変更画面410上で、ユーザは、画像形成装置の設置場所の変更を行うことができる。
発注画面400上でボタン406が押下されると、返却・置換え画面420へと遷移される。図13に示す返却・置換え画面420は、返却または置換えにかかる特定の画像形成装置150の情報を示すテーブル422と、返却、同一機種での置換えおよび異なる機種での置換えの中から操作を選択するラジオボタン424と、操作を実行するOKボタン426と、返却および置換えを取りやめるキャンセルボタン428とを含む。返却・置換え画面420上で、ユーザは、画像形成装置の設置場所に対する返却・置換え操作を行うことができる。
再び図12を参照する。ここでは、異なる機種での置換えの操作が行われたものとして説明を続ける。ステップS202では、画像形成装置150は、機器管理サーバ110のライフサイクル制御部212に対し、置換え対象の実デバイスID(図12では機番として示す。)を指定した置換え要求を発行する。ステップS203では、ライフサイクル制御部212は、機器情報管理部218から、実デバイスIDに対応した設置場所や機種コードの情報を取得する。ステップS204では、ライフサイクル制御部212は、画像形成装置発注システムに対し、設置場所情報および機種コードとともに機器発注を通知する。
画像形成装置発注システムは、機器発注に応答して、新機器を発注し、新機器の実デバイスIDを返却する。このように、置換えが選択されると、画像形成装置発注システムに要求が通知される。なお、画像形成装置発注システムは、機器発注の要求に応答して実デバイスIDを返却する処理を自動で行う外部システムとして提供されてもよいし、メールなどで通知を受けて作業者が発注の上で新しい実デバイスIDを登録するような態様であってもよい。
ステップS205では、ライフサイクル制御部212は、機器マッピング部214に対し、マッピング情報の更新を要求する。ステップS206では、機器マッピング部214は、内部情報であるマッピング情報の更新を実行し、要求元の画像形成装置150に対して置換え完了を通知する。上記マッピング情報の更新により、従前の実デバイスIDが、新規に採番された実デバイスIDに置換えられる。ステップS207では、機器管理サーバ110からの置換え完了をユーザに対して通知する。
図14は、本実施形態による機器管理サーバ110上で管理されるデータのデータ構造を示す。図14(A)は、実デバイスID識別される画像形成装置の情報を管理する装置情報管理テーブルを示す。図14(A)に示すように、機器情報管理部218は、実デバイスID毎に、設置場所、機種コード、カウンタ情報および設定情報を管理する。機種コードは、機種固有のコード番号などであり、当該画像形成装置150が初回接続した際に通知される。設置場所は、画像形成装置の設置場所を示す情報である。設置場所は、初回発注時に管理者などにより登録される。設定情報は、本実施形態においては、機種共通の設定項目に関する初期設定情報である。カウンタ情報は、設置後に印刷やスキャンのジョブ実行数およびページ数を計数した情報である。
図14(B)は、論理デバイスIDおよび実デバイスIDのマッピング情報を管理するテーブルを示す。図14(B)に示すように、機器マッピング部214は、論理デバイスID毎に、機器状態、稼働実デバイスIDおよび設置予定実デバイスIDを管理する。機器状態は、機器のライフサイクル状態を示す情報であり、機器状態としては、特に限定されるものではないが、「未設置」、「稼働中」、「置換え中」などを挙げることができる。
稼動実デバイスIDは、稼動中の画像形成装置の実デバイスIDを示す。機器状態が「置換え中」であっても、実際に置換わるまでは、置換え前の従前の実デバイスIDを保持する。機器状態が「未設置」の場合は、空となる。設置予定実デバイスIDは、発送して設置予定の画像形成装置の実デバイスIDを保持する。機器状態が「未設置」または「置換え中」の場合に、設置予定の新しい実デバイスIDを保持する。機器状態が「稼働中」の場合は、空となる。
例えば、置換え前の画像形成装置150の実デバイスIDが「10001」であり、置換え後の画像形成装置150の実デバイスIDが「20001」であるとした場合は、図13に示すシーケンス図中のステップS206のマッピング更新では、以下の処理が行われる。すなわち、機器状態が「稼働中」から「置換え中」に変更され、稼動実デバイスIDは、「10001」から変更はなく、設置予定実デバイスIDが空から「20001」に更新ざれる。
なお、説明する実施形態では、実デバイスIDで置換え対象の画像形成装置150が指定されるものとして説明した。しかしながら、上述したように、実デバイスIDと、論理デバイスIDとは、機器マッピング部214により対応付けることができるので、実デバイスIDの代わりに、論理デバイスIDで置換え対象が指定されてもよい。
以下、図15〜図17を参照しながら、画像形成装置150を置換えた場合の機器管理システム100における各部の動作について説明する。図15および図16は、画像形成装置150の置換え前後での各種設定処理を示すシーケンス図である。ここで、置換え前の画像形成装置をA、置換え後の画像形成装置をBとして参照する。また、図15に示すシーケンス図において、初期状態として、機器管理サーバ110から取得された初期設定一覧画面のコンテンツが表示されているものとする。
まず、図15および図16の前半部分を参照しながら、画像形成装置の置換え前のシーケンスについて説明する。図15に示す処理は、ステップS301で、ユーザにより、初期設定一覧画面上で、共通設定画面が選択されたことに応答して開始される。初期設定一覧画面のコンテンツ・データ内には、共通設定画面に対応して機器管理サーバ110側のURLが記載されている。ステップS302では、コンテンツ表示部264は、共通設定画面の選択に応答して、遷移先画面のURLを抽出する。ステップS303では、コンテンツ表示部264は、ネットワーク接続部262に対し、論理デバイスIDを引数にして、抽出されたURLが示す機器管理サーバ110上の共通設定画面に対応するコンテンツへの遷移を要求する。
ステップS304およびステップS305では、ネットワーク接続部262は、通信インタフェース部252を介して、機器管理サーバ110に対しコンテンツ取得を要求する。ステップS306では、機器管理サーバ110の通信インタフェース部220は、機器情報管理部218に対し、論理デバイスIDを引数にして、コンテンツ取得を要求する。ステップS307では、機器情報管理部218は、機器マッピング部214から、指定された論理デバイスIDを引数にして、対応付けられる実デバイスIDを含むマッピング情報を取得する。
ステップS308では、機器情報管理部218は、取得した実デバイスIDを引数として、図14(A)に示す装置情報管理テーブルから設定情報を取得し、取得した設定情報に基づいて画像形成装置150にコンテンツを応答する。このコンテンツには、共通設定項目である設定項目の設定値を設定するための共通設定画面を定義する情報およびAPIが含まれ、画像形成装置150のブラウザ画面上に表示される。
ステップS309では、ユーザにより、共通設定画面上で、設定値の設定操作が行われる。ステップS310では、コンテンツ表示部264は、設定操作に応答して、論理デバイスIDおよび設定値を引数にして、ネットワーク接続部262に対し、共通設定項目の設定値変更を要求する。ステップS312およびS313では、ネットワーク接続部262は、論理デバイスIDおよび設定値を引数にして、通信インタフェース部252を介して、機器情報管理部218に対し、設定値変更を要求する。
ステップS314では、機器管理サーバ110の通信インタフェース部220は、機器情報管理部218に対し、論理デバイスIDおよび設定値を引数にして、設定値変更を要求する。ステップS315では、機器情報管理部218は、機器マッピング部214から、論理デバイスIDを引数として、対応する実デバイスIDを取得する。ステップS316では、機器情報管理部218は、実デバイスIDをキーとして、引数として受け取った設定値で設定情報を更新する。
図16に示すステップS401〜ステップS410で示す処理は、置換え前の画像形成装置Aが利用されている場合の機種依存設定の設定処理を示す。画像形成装置Aが利用されている場合、機種依存となるHDD自動消去の設定画面(ここで、HDD自動消去の機能は、画像形成装置Aは有するが、画像形成装置Bは有さないものとする。)のコンテンツが画像形成装置Aのコンテンツ記憶部258に記憶されている。
ステップS401では、ユーザにより、機種依存の設定画面であるHDD消去設定画面が選択される。ステップS402では、コンテンツ表示部264は、画面遷移先のURLを抽出する。ステップS403では、コンテンツ表示部264は、ネットワーク接続部262に対し、URLが示す画像形成装置150上のHDD消去設定画面に対応するコンテンツへの遷移を要求する。ステップS404では、ネットワーク接続部262は、コンテンツ記憶部258から該当コンテンツを取得する。ステップS405では、ネットワーク接続部262は、コンテンツ表示部264に対し、コンテンツ表示を指示する。ステップS406では、コンテンツ表示部264は、指示されたHDD消去設定画面をブラウザ画面上に表示する。
ステップS407では、ユーザにより、HDD消去設定画面上で、設定値の設定を行う操作が行われる。ステップS408では、コンテンツ表示部264は、設定操作に応答して、HDD消去設定の設定値(図16に示す例では、「有効:DOS方式」)を設定するAPIを呼び出す。ステップS409では、コンテンツ表示部264は、ネットワーク接続部262に対し、HDD消去設定の設定値設定を要求する。ステップS410では、ネットワーク接続部262は、設定値記憶部256に対し、HDD消去設定の設定値を設定する。
図17(A)は、画像形成装置150を置換える前の画面遷移を示す。初期設定一覧画面330は、機器管理サーバ110からのコンテンツに基づいて表示される。共通の日付時刻設定画面320も、機器管理サーバ110からのコンテンツを取得して表示され、設定値変更も機器管理サーバ110へと通知されて設定変更される。日付時刻設定画面320において、OKボタン326が押下されると初期設定一覧画面330に戻される。
初期設定一覧画面330上で拡張初期設定ボタン332bが押下されると、置換え前の画像形成装置Aの機種依存設定画面であるHDD消去設定画面390aが表示される。HDD消去設定画面390a上で、DOS方式ボタン392aが押下されると、DOS方式ボタン392aが反転表示になる。さらに、OKボタン396aが押下されると、画像形成装置150へ設定値設定の処理が呼び出され、HDD消去設定として、DOS方式が設定される。
引き続き、図15および図16の後半部分を参照して、画像形成装置の置換え後のシーケンスについて説明する。なお、共通設定項目については、置換え前後において変更はなく、図15に示すステップS301〜S316と同一の処理により、共通設定画面の表示および共通設定項目の設定値の更新が行われる。以下、図16の後半部分を参照しながら、置換えの前後において機器管理サーバ110上の動作に変更がないことを確認する。
図16に示すステップS501〜ステップS510で示す処理は、置換え後の画像形成装置Bが利用されている場合の機種依存設定の設定処理を示す。画像形成装置Aから画像形成装置Bに置換えられた場合、機種依存となる高画質モード設定画面(ここで、高画質モードが画像形成装置Aに無く、画像形成装置Bにあるものとする。)が画像形成装置Bのコンテンツがコンテンツ記憶部258に記憶されている。
ステップS501では、ユーザにより、機種依存の設定画面である高画質モード設定画面が選択される。ステップS502では、コンテンツ表示部264は、画面遷移先のURLを抽出する。ステップS503では、コンテンツ表示部264は、ネットワーク接続部262に対し、URLが示す画像形成装置150上の高画質モード設定画面に対応するコンテンツへの遷移を要求する。ステップS504では、ネットワーク接続部262は、コンテンツ記憶部258から該当コンテンツを取得し、ステップS505では、コンテンツ表示部264に対し、コンテンツ表示を指示する。ステップS506では、コンテンツ表示部264は、指示された高画質モード設定画面のコンテンツをブラウザ画面上に表示する。
ステップS507では、ユーザにより、高画質モード設定画面上で、設定値を設定する操作が行われる。ステップS508では、コンテンツ表示部264は、設定操作に応答して、高画質モード設定の設定値(図16に示し例では、高品質写真)を設定するAPIを呼び出す。ステップS509では、コンテンツ表示部264は、ネットワーク接続部262に対し、高画質モード設定の設定値の設定を要求する。ステップS510では、ネットワーク接続部262は、設定値記憶部256に対し高画質モード設定の設定値を設定する。
図17(B)は、画像形成装置150の置換え後の画面遷移について説明する。共通の初期設定一覧画面330は、置換え前と同じ画面であり、共通設定となる日付時刻設定画面320も置換え前と同じ画面遷移となる。初期設定一覧画面330の拡張初期設定ボタン332bが押下されると置換え後の画像形成装置Bの機種依存の設定画面390bが開かれる。画像形成装置Bには、HDD消去機能はなく、高画質設定があるため、高画質設定画面が表示される。高画質設定画面390b上で、高品質写真ボタン392bが押下されると、ボタン392bが反転表示となり、OKボタン396bされると、高品質写真の設定値を設定する設定値設定の処理により、高品質モード設定として高品質写真が設定される。
以上、図15〜図17を参照して説明したように、機器管理サーバ110上の共通設定に関する共通設定画面は、画像形成装置150が置換わっても特に変更なく、設定処理が行われる。さらに、機種依存の設定に関しても、画像形成装置150が機種依存した設定値、設定画面およびAPIを保持している。このため、機器管理サーバ110側では特に変更はなく、機器管理サーバ110側での開発や設定変更をすることなく機種依存の設定をブラウザベースのユーザ・インタフェースとして実現することができる。特に、設定値を設定するためのAPIは、リモート操作が禁止されている場合もある。本実施形態では、画像形成装置150内部でコンテンツが動作することため、リモート操作が禁止されていても問題は生じない。
以下、図18〜図21を参照しながら、変形例の実施形態による設定処理を実行する機器管理システムについて説明する。
上述した実施形態では、共通設定画面および機種依存設定画面は、それぞれ、異なる画面としてブラウザ部260のコンテンツ表示部264に表示されるものとして説明した。しかしながら、共通設定画面および機種依存設定画面の表示形態は、特に限定されるものではなく、コンテンツ表示部264は、共通設定画面および機種依存設定画面を結合した形で設定画面を表示することもできる。
図18および図19は、そのような結合した設定画面を表示する他の実施形態について説明する。図18は、他の実施形態による機器管理システム100で実行される設定処理を示すシーケンス図である。なお、トレイ設定画面を選択し、トレイ設定画面を表示するまでのステップS601〜ステップS608の処理は、図6に示したステップS101〜ステップS108の処理と同様であるため、説明を割愛する。
機器管理サーバ110から取得したコンテンツを表示すると、画面上の半分の該当する部分のみが表示された状態となる。ステップS609では、コンテンツ表示部264は、さらに、画像形成装置150上のコンテンツを取得することの要否を判定する。ステップS609で、画像形成装置150上のコンテンツを取得することが必要であると判定された場合は、ステップS610へ処理が進められる。ステップS610では、コンテンツ表示部264は、残り半分の画面を取得するため、スクリプトコードの処理により、画像形成装置150側のコンテンツを取得する処理が動作する。ステップS611では、ネットワーク接続部262は、コンテンツ記憶部258から画像形成装置150上の該当コンテンツを取得する。ステップS612では、ネットワーク接続部262は、コンテンツ表示部264に対し、残りの部分のコンテンツ表示を指示する。ステップS613では、コンテンツ表示部264は、残りの部分のコンテンツをブラウザ画面上に表示する。
ステップS608に示す共通設定画面を表示するステップと、ステップS613に示す種依存設定画面を表示するステップとを実行することにより、図19(A)に示すような共通設定画面および機種依存設定画面が結合された設定画面が表示される。
図19(A)は、機器管理サーバ110から取得した共通設定画面と、画像形成装置150内で取得した機種依存設定画面とを上下分割でそれぞれ表示する場合の結合された設定画面を例示する。例えば、トレイ1に対する用紙サイズ設定の場合、A4やA5など機種に共通したサイズについてのGUI部品432は、機器管理サーバ110側で保持することができる。一方、A3やハガキ、不定形は、一般的に機種依存のサイズとなるため、画像形成装置側で保持することが好ましい。図19(A)に示す設定画面は、このような場合に好適であり、上半分および下半分をフレーム分割し、一画面にマージして表示が行われる。図19(B)に示すHTMLコードは、一例であり、インラインフレーム(iframeタグ)を使用して、図19(A)に示すような結合した設定画面を定義するものであり、如何なる実装を採用することができる。
上述した実施形態では、画像形成装置150上のコンテンツへ遷移するか否かは、前画面のコンテンツ・データ内に遷移先として画像形成装置150のURLが記載されているか否かによって分岐した。しかしながら、前画面のコンテンツ・データ内に遷移先として画像形成装置150側のURLが記載されていなくとも、データ内の遷移先を示すURLを解析し、解析結果に基づいて、遷移先の設定画面を規定する画面情報が当該画像形成装置150に記憶されているかを判定することもできる。以下、そのような、データ内の遷移先を示すURLの解析結果に基づいて、遷移先画面の取得先を判定する好ましい実施形態について説明する。
図20は、他の実施形態による画像形成装置が実行するURLの解析により遷移先画面の取得先を判定する処理を示すフローチャートである。
図20に示す処理は、ステップS700から開始され、ステップS701では、コンテンツ表示部264は、表示中のコンテンツ上でユーザにより指定された設定画面への設定画面遷移を検出し、次の設定画面のURLを抽出する。ステップS702では、コンテンツ表示部264は、抽出したURL情報に基づいて、機器管理サーバ110側へのリクエストを発行する。この、リクエスト情報は、ブラウザ部260のネットワーク接続部262を経由することになる。ステップS703では、ネットワーク接続部262は、コンテンツ表示部264から受け取ったリクエスト情報に含まれるURLを解析し、ステップS704で、条件と比較することによって、取得先を判定し、処理を分岐させる。
ステップS704で、取得先が機器管理サーバ110であると判定された場合(取得先=機器管理サーバ)は、ステップS705へ処理が進められる。ステップS705では、ネットワーク接続部262は、そのままURLが示す通り機器管理サーバ110に対しリクエストを送信し、機器管理サーバ110上の次の設定画面のコンテンツを取得し、ステップS707で、本処理を終了する。
一方、ステップS704で、取得先が画像形成装置150であると判定された場合(取得先=画像形成装置)は、ステップS706へ処理が分岐される。ステップS706では、ネットワーク接続部262は、機器管理サーバ110側へ通知するはずであったリクエストの要求先を、画像形成装置150側へと変更し、当該画像形成装置150上の次の設定画面のコンテンツを取得する。そして、ステップS707で、本処理が終了する。
なお、ステップS704の取得先を判定する条件としては、例えば、URLのパスに「mfp」や「device」といった画像形成装置を示唆するURL記述が検出されることを条件とすることができる。これにより、機器管理サーバ110であったリクエスト先のアドレスを、画像形成装置150内に変更して転送することができる。図20に示す処理を適用することにより、一度ブラウザでの対応を行えば、それ以降のメンテナンスの必要性は無くなる。
以下、さらに、図21を参照しながら、機器管理サーバ110上のコンテンツから画像形成装置150上のコンテンツへと遷移した場合に、ブラウザ画面上での戻る操作に対処する好適な実施形態について説明する。
図21は、ブラウザ画面上での戻る操作に対処した処理を示すフローチャートである。図21に示す処理は、ステップS800から開始される。ステップS801では、コンテンツ表示部264は、サーバ上の共通設定画面のコンテンツを表示する。ステップS802では、ユーザ操作によって次の設定画面の選択を受け付ける。ステップS803では、コンテンツ表示部264は、次の設定画面が機器管理サーバ110上のコンテンツであるか否かを判定する。ステップS803で、次の設定画面が、機器管理サーバ110上のコンテンツであると判定された場合(YES)は、ステップS804へ処理が進められる。ステップS804では、コンテンツ表示部264は、機器管理サーバ110上から取得した次の設定画面のコンテンツを表示し、ステップS811で本処理を終了する。
一方、ステップS803で、機器管理サーバ110上のコンテンツではないと判定された場合(NO)は、ステップS805へ処理が進められる。ステップS805では、コンテンツ情報をコンテンツ記憶部258に保存する。このコンテンツ情報には、前画面の画面情報、設定API、およびそれまで操作してきた画面操作のヒストリを含むことができる。保存した後、ステップS806では、当該画像形成装置150上の次の設定画面のコンテンツを取得する。ステップS807で、当該画像形成装置150上の次の設定画面のコンテンツを表示する。
ステップS808では、戻るキーが押下されたか否かに応じて処理を分岐させる。ステップS808で、戻るキーが押下されたと判定された場合(YES)は、ステップS809へ処理が進められる。ステップS809では、コンテンツ表示部264は、コンテンツ記憶部258に保存したサーバ上のコンテンツを読み出す。ステップS810では、コンテンツ表示部264は、取得したサーバ上のコンテンツを表示し、最後に表示していた画面(ユーザから見ると前画面)を遷移前の状態に戻し、ステップS811で本処理を終了する。一方、ステップS808で、戻るキーが押下されなかったと判定した場合(NO)は、ステップS811へ処理を分岐し、本処理を終了する。
なお、戻る操作に関しては、上述した戻るキーの押下に限定されず、例えば、ポップアップ画面のように、機器管理サーバ110上のコンテンツの前面に画像形成装置のコンテンツを表示し、戻るキーの際に前面のコンテンツを非表示にするという技術に対して適用しても良いことは言うまでもない。
以上説明したように、本実施形態によれば、ネットワークを介して互いに接続される管理装置および情報機器を含む情報処理システムにおいて、共通設定に関する共通設定画面を規定する設定画面情報を、機種依存の設定画面情報から切り離して管理装置上で管理することを可能とし、機種依存の部分の変更に伴う管理装置側での負荷を軽減することが可能な情報処理システム、設定方法、情報機器およびプログラムを提供することができる。
なお、上記機能部は、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)などのレガシープログラミング言語やオブジェクト指向プログラミング言語などで記述されたコンピュータ実行可能なプログラムにより実現でき、ROM、EEPROM、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、ブルーレイディスク、SDカード、MOなど装置可読な記録媒体に格納して、あるいは電気通信回線を通じて頒布することができる。
これまで本発明の実施形態について説明してきたが、本発明の実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。