JP6613120B2 - 波長変換装置、それを用いた光源装置、およびそれを用いた情報取得装置 - Google Patents

波長変換装置、それを用いた光源装置、およびそれを用いた情報取得装置 Download PDF

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Description

本発明は、光パルスの波長変換装置に関し、特に、非線形導波路を用いた光パルスの波長変換技術に関するものである。
近年の分子イメージングにおいて、短パルス光を励起光として用いることによって非染色で観察を行う技術の開発が進められている。特に、観察対象に短パルス光を照射し、それにより散乱される光の強度を検出することによって分子種を選別したイメージングを行う研究が盛んに行われている。これらの分子イメージングでは、例えば、コヒーレントアンチストークスラマン散乱(Coherent Anti−stokes Raman Scattering, CARS)光を検出することにより観察を行う。あるいは、誘導ラマン散乱(Stimulated Raman Scattering, SRS)光を検出することにより観察を行う。この際、観察対象に照射する励起光としては、観察対象の固有振動数に対応した光周波数を有する同期された周波数が異なる2つの光パルスを用いる。
このような周波数が異なる2つの光パルスは、非線形導波路内を光パルスが伝搬する際に生じる非線形効果を利用した波長変換によって得ることができる。例えば、非特許文献1には、狭いスペクトル線幅で高出力の光パルスを得る波長変換技術が公開されている。非特許文献1では、非線形ファイバ内での四光波混合を利用したファイバ光パラメトリックオシレータ(Fiber Optical Parametric Oscillator, FOPO)を波長変換装置として用いている。
四光波混合による波長変換では、シード光パルスより長波長のアイドラー光パルスと短波長のシグナル光パルスとが同時に発生する。FOPOでは、そのいずれかの光パルスを出力パルスとして取り出す。そして、取り出されなかったアイドラー光パルスおよびシグナル光パルスは非線形導波路へとフィードバックされ、シード光パルスと同期して再度非線形導波路に導入される。この、シード光パルスと同期される光パルスを、以下では「共振光パルス」と呼ぶ。
このような非線形イメージングにおいてSN比を向上させるためには、光源として使用する光パルスのピーク強度を高くする必要がある。しかし、光パルスのピーク強度を高めるためにパルスエネルギーを大きくすると被検体へのダメージが増加してしまう。したがって、光パルスのエネルギーを抑えつつ、高ピーク強度の光パルスを生成するためには、使用する光パルスの時間幅を短くすることが必要となる。
Optics Express,Vol.22,No.18,pp.21921−21928,3 September 2014
光パルスを含めた波の一般的な性質として、その時間幅Δtとスペクトル幅Δωとは互いに反比例し、同時に縮小できないことが知られている。このため、時間幅の短い出力パルスをFOPOから得るためには、FOPO内で共振する共振光パルスのスペクトル線幅を広くする必要がある。しかし、共振光パルスのスペクトル線幅が広いと、FOPOを構成する媒質の群速度分散によって共振光パルスの時間幅が伸長してしまう。その結果、シード光パルス電場による相互位相変調(Cross−Phase modulation、XPM)によって共振光パルスのスペクトル形状が歪み、出力パルスのスペクトル形状が歪んでしまうという課題がある。本発明は、このような課題を解決するためのものであり、光パルスのエネルギーを抑えつつ、スペクトル形状に歪みが少ない高ピーク強度の光パルスを生成できる波長変換装置を得ることを目的とする。
本発明に係る波長変換装置は、第1の波長を有する第1の光パルスを導入する合波部と、合波部から導入された第1の光パルスを、光パラメトリックによって波長変換する非線形導波路と、波長変換された光パルスの一部を取り出す取り出し部と、取り出し部で取り出されなかった波長変換された光パルスを、共振光パルスとして合波部にフィードバックするフィードバック部と、共振光パルスの群遅延分散の少なくとも一部を補償することにより、共振光パルスの時間幅を圧縮するパルス圧縮部とを備え、パルス圧縮部は、第1の光パルスの時間幅をΔt、共振光パルスのスペクトル幅をΔω、共振器が共振光パルスに与える群遅延分散の総和をD、パルス圧縮部が共振光パルスに与える群遅延分散をD、共振光パルスの第1の光パルスに対するウォークオフ量をtwoとするとき、後述の式(2)が満たされるように、共振光パルスの時間幅を圧縮することを特徴とする。
本発明に係る波長変換装置を用いることにより、スペクトル形状に歪みが少ない高ピーク強度の光パルスを生成することが可能となる。
XPM(相互位相変調)による共振光パルスの光周波数変化を示す模式図である。 パルス圧縮によりXPMの影響が低減されることを説明する模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る波長変換装置の構成を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る波長変換装置におけるパルス圧縮部により、XPMの影響が低減されることを示すシミュレーション結果である。 本発明の第2の実施形態に係る波長変換装置の構成を示す模式図である。 本発明の第5の実施形態に係る波長変換装置におけるパルス圧縮部の構成を示す模式図である。 本発明の第8の実施形態に係る波長変換装置の構成を示す模式図である。 本発明の第11の実施形態に係る光源装置の構成を示す模式図である。 本発明の第12の実施形態に係る情報取得装置の構成を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下で説明する図面において、同じ機能を有するものは同一の符号を付し、その説明を省略又は簡潔にすることもある。
(第1の実施形態)
まず、本発明の技術的特徴の概略について、図1および図2を用いて説明する。本発明は、FOPO等の共振器(以下、単に「共振器」という)内において共振する共振光パルスの群遅延分散の一部または全部を補償するパルス圧縮部を、共振器内に有することを特徴としている。パルス圧縮部は、後述するように、例えば共振光パルスに対して正の分散を持つ共振器内に、共振光パルスに対して負の分散を与えるファイバや回折格子を用いた圧縮器、チャープファイバブラッググレーティング(CFBG)等を挿入することにより得られる。このように、パルス圧縮部が共振光パルスの群遅延分散の一部または全部を補償することにより、共振器内の非線形導波路における共振光パルスの時間幅を圧縮することができる。なお、共振器が共振光パルスに対して負の分散を与える場合は、正の分散を与えるパルス圧縮部を用いることで、同様の効果を得ることができる。
本実施形態では特に、非線形導波路の光入力端における共振光パルスのスペクトル幅Δωと、共振器が共振光パルスに与える群遅延分散の総和Dとの関係が下式(1)
Figure 0006613120
を満たす場合において、下式(2)で表されるパルス圧縮条件、
Figure 0006613120
を満たすような、Dとは逆符号の群遅延分散Dを、パルス圧縮部によって与える。ここで、Δtは、シード光パルスの非線形導波路中での時間幅である。また、ウォークオフtwoは、非線形導波路中でのシード光パルスと共振光パルスの群速度の違いを起因として非線形導波路の光入力端から光出射端までの間に共振光パルスに生じる、シード光パルスに対する共振光パルスのタイミングの変化量である。ウォークオフtwoは、非線形導波路の長さL、非線形導波路内でのシード光パルスの群屈折率nおよび共振光パルスの群屈折率n、真空中の光速度cを用いて、
Figure 0006613120
で表される。
非線形導波路内においては、フィードバックされた共振光パルスとシード光パルスとが同期して伝搬する。このとき、シード光パルスの電場E(t)によるXPMによって共振光パルスの光周波数変化が起こる。図1は、XPMによる共振光パルスの光周波数変化を示す模式図である。図1の横軸は時間を表す。XPMによる共振光の周波数変化量δω(t)は、下式(4)に示すようにシード光パルスの強度|E(t)|の時間変化に比例する。
Figure 0006613120
つまり、シード光パルス強度の時間変化量が大きいほど、共振光パルスの周波数変化量δω(t)が大きくなる。シード光パルスの時間波形が図1に示すように単ピークである場合は、シード光パルスの前半部分(t>0)では共振光の周波数変化量δω(t)が正の値となり、後半部分(t<0)では負の値となる。そして、|E(t)|がピーク値の半値になる時刻t0.5付近において、共振光の周波数変化量δω(t)の絶対値は最大となる。図1には、光パルスの前半部分に存在するパルスの立ち上がりの半値点t0.5 と、光パルスの後半部分に存在するパルスの立ち下がりの半値点t0.5 を示している。共振光パルスは時間的な広がりを有するため、共振光パルスの時間幅の各時刻における周波数変化量δω(t)は一様ではなく、共振光パルスのスペクトルに歪みや広がりが生じてしまう。
図2は、パルス圧縮によりXPMの影響が低減されることを説明する模式図である。上式(1)を満たす条件において、パルス圧縮部が無い場合、非線形導波路の光入力端にフィードバックされた共振光パルスの時間幅(半値全幅)Δtは、図2(a)に示すように、共振器が持つ分散の総和Dにより、
Figure 0006613120
となる。また、上式(2)のパルス圧縮条件を満たさない従来のパルス圧縮部を挿入した場合には、非線形導波路の光入力端における共振光パルスの時間幅Δtは、
Figure 0006613120
となる。いずれの場合においても、図2(a)に示すように、非線形導波路の光入力端における共振光パルスの時間幅Δtは、シード光パルスの時間幅Δtとウォークオフtwoの差Δt−twoより大きくなる。このような場合、t0.5 、t0.5 、に共振光パルスが重なるため、共振光パルスのスペクトルの歪みが大きくなってしまう。
アイドラー光パルスおよびシグナル光パルスは、非線形導波路内での共振光パルスの増幅または共振光パルスとシード光パルスからの波長変換によって得られるため、共振光パルスのスペクトル歪みは、そのまま出力パルスのスペクトル歪みとなる。
一方、本実施形態では、Dが上式(2)に示すパルス圧縮条件を満たすように、共振光パルスに群遅延分散を与えるパルス圧縮部を有しているので、
Figure 0006613120
となる。このため、図2(b)に示すように、非線形導波路中でt0.5 、t0.5 に共振光パルスが重なることが無くなる。その結果XPMが低減され、共振光スペクトルの歪みが低減される。
このように、本実施形態では、共振器内に上式(2)のパルス圧縮条件を満たすような分散を与えるパルス圧縮部を挿入することにより、スペクトル幅の広い共振光パルスにおいても非線形導波路内でのXPMによるスペクトル歪みを低減することができる。その結果、スペクトル幅が広くスペクトル形状に歪みの少ない出力光パルスを生成することができ、これを圧縮することによりピーク強度の高い光パルスを得ることができる。
以下、本発明の第1の実施形態における波長変換装置の構成例について、図3および図4を用いて説明するが、本発明は以下に説明する実施形態の構成等によって何ら限定されるものではない。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る波長変換装置の構成を示す模式図である。図3に示す波長変換装置300は、非線形導波路302、第1光導波路303、取り出し部304、フィードバック部305、合波部306、第2光導波路307、第3光導波路309を含む。ここで、非線形導波路302、第1光導波路303、取り出し部304、フィードバック部305、合波部306、第2光導波路307は、この順番で接続されて光共振器を構成している。導入部301は、シード光パルスを光共振器に導入する。また、光共振器内にはパルス圧縮部308が挿入されている。
導入部301から導入されたシード光パルスは、合波部306を通り、第2光導波路307によって非線形導波路302に導かれる。シード光パルスは、非線形導波路302内部で光パラメトリック過程を引き起こし、アイドラー光パルスおよびシグナル光パルスに波長変換される。シード光パルスはこのように非線形導波路302内部において波長変換されるものであればよく、その波長およびスペクトル分布等は特に限定されない。発生したアイドラー光パルスおよびシグナル光パルスは、第1光導波路303によって取り出し部304に導かれ、取り出し部304でアイドラー光パルスおよびシグナル光パルスの一方または両方の一部が共振器の外部に取り出される。そして、第3光導波路309を伝搬し出力される。第3光導波路309の後は、シード光パルスと共振光パルスとはXPMを生じないよう、空間に出力される、あるいは波長フィルタやWDMカプラを用いて分離される。一方、外部に取り出されなかったアイドラー光パルスおよびシグナル光パルスは、共振光パルスとしてフィードバック部305によって合波部306へ導かれる。共振光パルスは、合波部306によってシード光パルスと同期して重ね合わされ、再度第2光導波路307によって非線形導波路302に導かれる。
共振光パルスは、このような導波の過程で、第1光導波路303、フィードバック部305、第2光導波路307、および第3光導波路309において分散を受ける。途中に挿入されるパルス圧縮部308は、この分散の全部または一部を補償することによって、非線形導波路302の光入力端における共振光パルスの時間幅を圧縮(短く)している。
次に、本実施形態の波長変換装置300の各構成要素の機能について、より具体的に説明する。なお、以下で挙げる数値は一例を示すものであって、本実施形態はこれらの数値に限定されるものではない。導入部301はシングルモードファイバ等からなり、シード光パルスとなる波長が例えば1035nm、繰り返し周波数が10MHz、パルスエネルギーが2nJ、パルスの時間幅が3.3psの光パルスを合波部306へ導入する。波長変換装置300へのシード光パルスの導入は、シード光源の出力ファイバと導入部301を融着することにより行う。シード光パルスが空間系を伝搬している場合は、レンズを用いて導入部301へカップリングしてもよい。また、ミラー等の光学系を用いて空間系から合波部306へ直接シード光パルスを導入することにより、導入部301に光ファイバを用いた際に引き起こされる非線形過程を低減してもよい。この場合、当該ミラー等の光学系が導入部301となる。あるいは、導入部301が合波部306に含まれているとしてもよい。なお、本発明では、シード光源からの光パルスの時間幅は、0.8ps以上20ps以下が好ましく、さらに1ps以上15ps以下が好ましい。
非線形導波路302には非線形係数の高い光ファイバを用いる。本実施形態では、ゼロ分散波長が1054nm、2次分散定数が1.64×10−3ps/m、3次分散定数が6.55×10−5ps/m、4次分散定数が−9.40×10−8ps/mの20cmのフォトニック結晶ファイバを用いる。このファイバは、上記シード光パルスに対して、中心波長が824nm、帯域幅が6nmの光パラメトリックゲインを実現する。また、このファイバは、波長が1035nmの光パルスと波長が824nmの光パルスの間に1.4psのウォークオフを与える。
第1光導波路303は、非線形導波路302から出力される波長800nm以上900nm以下のシグナル光パルスを取り出し部304へ導波する。本実施形態では第1光導波路303として10cmのシングルモードファイバを用いるが、これに限定されるものではなく、第1光導波路303は共振光パルスを導波する導波路であればよい。また、第1光導波路303に光ファイバを用いた際に発生する非線形過程が問題となる場合は、非線形導波路302から取り出し部304まで空間系によって導波してもよい。この場合、共振光パルスが伝搬する空間部分が第1光導波路303となる。
取り出し部304には、波長800nm以上900nm以下の光を2つに分割するファイバカプラを用い、シグナル光パルスの一部を共振光パルスとしてフィードバック部305に導く。取り出し部304は、ビームスプリッタ等の空間光学系でもよい。また、WDMやダイクロイックミラーによってアイドラー光パルスを取り出し、シグナル光をフィードバック部305に導波することも可能である。
フィードバック部305には、FOPOの繰り返し周波数をシード光パルスの繰り返し周波数と一致させるために長さを調節した光ファイバを用いる。本実施形態においては、10mのシングルモードファイバを用いる。繰り返し周波数の微調整のため、フィードバック部305には遅延ラインを入れてもよい。合波部306での共振光パルスの偏光がシード光パルスの偏光と一致しない場合、フィードバック部305には偏光を制御する素子を挿入することにより共振光パルスとシード光パルスの偏光を一致させてもよい。フィードバック部305に用いるシングルモードファイバの波長800nm以上900nm以下の光に対する分散パラメータは、−100ps/nm/km程度であり、群速度分散に換算すると35ps/km程度となる。そのため、10mのシングルモードファイバを用いる本実施形態において、フィードバック部305は共振光パルスに対し0.35ps程度の群遅延分散を与える。共振光パルスは6nm(17THz)の帯域幅を持っており、この共振器構成は上式(1)を満たす。結果として、フィードバック部305の分散により共振光パルスは6ps程度まで時間幅が広がり、シード光パルスの時間幅3.3psからウォークオフ1.4psを引いた値よりも大きくなる。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る波長変換装置におけるパルス圧縮部により、XPMの影響が低減されることを示すシミュレーション結果である。図4(a)は、非線形導波路302の光入力端(入口)における共振光パルスのスペクトルを示している。パルス圧縮部がない場合には、図4(b)の破線fに示すように、非線形導波路302の出力端(出口)における共振光パルスのスペクトルに歪みが生じる。本実施形態では共振光から光カプラで出力パルスを取り出すため、このスペクトル歪みはそのまま出力パルスのスペクトル歪みとなる。なお、本実施形態の構成においては、説明を簡単にするため、第1光導波路303および第2光導波路307が共振光に与える分散量は小さく、フィードバック部305が共振光に与える分散量と比べて無視できるものとする。また、本実施形態では、第1光導波路303、第2光導波路307、および第3光導波路309において生じるXPMは非線形導波路302において生じるXPMに比べて無視できるものとする。ただし、これに限定されるものではない。
合波部306は、波長800nm以上900nm以下の共振光パルスと導入部301から導入される波長1035nmのシード光パルスとを同期する。本実施形態ではWDMを用いるが、ダイクロイックミラーを用いて空間系で結合してもよい。
第2光導波路307は、合波部306で合波された光パルスを非線形導波路302へ導波する。本実施形態では、第2光導波路307として10cmのシングルモードファイバを用いるが、これに限定されるものではなく、第2光導波路307は共振光パルスとシード光パルスを導波する導波路であればよい。また、合波部306から非線形導波路302まで空間系によって導波してもよい。この場合、シード光パルスおよび共振光パルスが伝搬する空間部分、および、シード光パルスおよび共振光パルスを非線形導波路302へ導入するレンズなどの素子が、第2光導波路307となる。第2光導波路307には偏光を制御する素子を挿入することにより、非線形導波路302における波長変換が最も効率よく起こる偏光にレーザーパルスの偏光を合わせてもよい。
パルス圧縮部308は、フィードバック部305が共振光パルスに与える群遅延分散と逆符号の群遅延分散を共振光パルスに与える部分である。パルス圧縮部308は、第1光導波路303、フィードバック部305、第2光導波路307のいずれかに挿入してもよいし、非線形導波路302と第1光導波路303の間、または第2光導波路307と非線形導波路302の間に挿入してもよい。上式(2)より、本実施形態においてパルス圧縮部308が与えるべき分散量を求めると、−0.46ps以上−0.24ps以下となる。本実施形態では、波長800nm以上900nm以下の光パルスに対して100ps/nm/kmの分散を与える10mの中空ファイバをフィードバック部305に挿入することにより、共振光パルスに−0.35ps程度の群遅延分散を与える。その結果、フィードバック部305とパルス圧縮部308が共振光パルスに与える分散量の和は0psとなり、共振光パルスの非線形導波路302の光入力端における時間幅は、フーリエ変換限界の時間幅(0.13ps)程度となる。この共振光パルスの時間幅Δtは、シード光パルスの時間幅Δtの3.3psからウォークオフtwoの1.4psを引いた値よりも小さく、図4(b)の実線fに示すように、XPMによるスペクトル歪みが低減される。
このように、パルス圧縮部308の挿入により非線形導波路302の光入力端における共振光パルスの時間幅を圧縮することができる。その結果、XPMによる共振光パルスのスペクトル歪みを抑制しながらシード光パルスからスペクトル幅が6nmのシグナル光パルスへの波長変換を行うことが可能となる。また、パルス圧縮部308として共振光パルスに対して負分散を与える光ファイバを用いることによって、ファイバの長さの調整により与える分散量を容易に調整できると同時に、空間系を用いないコンパクトな構成とすることが可能となる。
以上のように、本実施形態では、共振光パルスに群遅延分散を与えることにより非線形導波路の光入力端における共振光パルスの時間幅を圧縮するパルス圧縮部を共振器内に備えている。これにより、光パルスのエネルギーを抑えつつ、スペクトル形状に歪みが少ない高ピーク強度の光パルスを生成できる波長変換装置を得ることができる。
なお、本実施形態においては、上式(2)が満たされることが望ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。本実施形態では、非線形導波路の光入力端における共振光パルスの時間幅がより圧縮されるように、共振光パルスの群遅延分散の一部または全部が補償されてさえいれば、共振光パルスのスペクトル形状の歪みをより抑制することができる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態における波長変換装置について図5を用いて説明する。図5は、本発明の第2の実施形態に係る波長変換装置の構成を示す模式図である。
本実施形態は、第1の実施形態と比較して、フィードバック部305が、透過波長を制限する波長フィルタ501を有している点が異なっている。その他については第1の実施形態と同じであるので説明は省略する。
図5に示す波長フィルタ501は、光パラメトリックゲイン帯域よりも狭いスペクトル幅(例えば4nm)の出力パルスを得るため、フィードバック部305における透過波長を制限するためのものである。波長フィルタ501での波長選択により、非線形導波路302の光入力端における共振光パルスのスペクトル幅も4nmとなる。このとき、フィードバック部305が付与する0.35psの分散による共振光パルスの時間幅は4ps程度であり、シード光パルスよりも時間幅が長くなる。この場合においても、第1の実施形態と同様のパルス圧縮部308の挿入により非線形導波路302の光入力端における時間幅はフーリエ変換限界のパルス幅(0.20ps)程度となり、XPMによる共振光のスペクトル歪みを抑制することができる。
以上のように、本実施形態では、フィードバック部が、共振光パルスの波長を制限する波長フィルタを有している。これにより、第1の実施形態では光パラメトリックゲインの帯域で決まっていた出力パルスのスペクトル線幅を任意のスペクトル線幅に制御することが可能となる。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態における波長変換装置について説明する。本実施形態の構成は、図1に示す第1の実施形態と同様の構成である。本実施形態は、第1の実施形態と比較して、パルス圧縮部308が、共振光パルスに対して正の群速度分散を与える光ファイバを含んでいる点が異なっている。その他については第1の実施形態と同じであるので説明は省略する。
本実施形態では、フィードバック部305の長さを調整し、合波部306で波長1350nm以上1450nm以下のアイドラー光パルスをシード光パルスと同期させることによって、アイドラー光パルスを共振光パルスとする。取り出し部304として光カプラの代わりにWDMやダイクロイックミラーを使用し、波長800nm以上900nm以下のシグナル光パルスを出力として取り出し、アイドラー光パルスのみをフィードバック部305に導入してもよい。この場合、発生するシグナル光パルスをエネルギーロスなく取り出すことができる。
フィードバック部305として、共振光パルスを伝搬するシングルモードファイバを使用する。これらのファイバは一般的に波長1350nm以上1450nm以下の光パルスに対して負分散を付与する。この場合、パルス圧縮部308として分散補償ファイバなど、波長1350nm以上1450nm以下の光パルスに対して正分散を与えるファイバを、長さを調節して使用する。その結果、非線形導波路302の光入力端における共振光パルスの時間幅Δtが上式(7)を満たすように共振光パルスを圧縮することができる。
以上のように、本実施形態では、パルス圧縮部が、共振光パルスに対して正の群速度分散を与える光ファイバを含んでいる。これにより、共振器から負の群遅延分散を受ける波長の光パルスを共振光パルスとして用いることができる。なお、本実施形態は、第1、第2の実施形態と組み合わせて実施することも可能である。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態における波長変換装置について説明する。本実施形態の構成は、図1に示す第1の実施形態と同様の構成である。本実施形態は、第1の実施形態と比較して、パルス圧縮部308が、チャープミラーを用いた光学系を含んでいる点が異なっている。その他については第1の実施形態と同じであるので説明は省略する。
本実施形態では、シード光パルスとして、第1の実施形態と同じ波長、エネルギー、パルス時間幅で、第1の実施形態よりも高い、例えば25MHzの繰り返し周波数を有する光パルスを合波部306へ導入する。フィードバック部305としては、6m程度の長さのシングルモードファイバを用いる。このファイバが共振光パルスに与える分散は群速度分散に換算すると35ps/km程度となる。そのため、本実施形態においてフィードバック部305は、共振光パルスに対して0.21ps程度の群遅延分散を与えることとなり、非線形導波路302の光入力端における共振光パルスの時間幅は3.5psとなる。
パルス圧縮部308として、第1の実施形態で用いた負の分散を共振光パルスに与えるファイバの代わりに、共振光パルスを一度空間系に射出しチャープミラーを反射させることにより、共振光パルスに負の分散を付与する。上式(2)より、本実施形態においてパルス圧縮部308が与えるべき分散量は、−0.32ps以上−0.10ps以下である。本実施形態では、チャープミラーとして1回の反射で175fsの分散を与えるチャープミラーを用い、計80回の反射により−0.14psの分散を付与する。その結果、非線形導波路302の光入力端における共振光パルスのパルス幅は1.2ps程度まで圧縮される。この共振光パルスの時間幅Δtはシード光パルスの時間幅Δtの3.3psからウォークオフtwoの1.4psを引いた値よりも小さく、XPMによるスペクトル歪みが低減される。
以上のように、本実施形態では、パルス圧縮部が、チャープミラーを用いた光学系を含んでいる。これにより、チャープミラーの反射回数を変えることで、付与できる分散量が容易に調整できる。また、チャープミラーの設計により、群遅延分散だけでなく高次の分散も制御可能となる。さらに、空間系の光路長を変えることによりFOPOの繰り返し周波数の調整も容易となる。なお、本実施形態は、第1乃至第3の実施形態と組み合わせて実施することも可能である。
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態における波長変換装置について図6を用いて説明する。図6は、本発明の第5の実施形態に係る波長変換装置におけるパルス圧縮部の構成を示す模式図である。本実施形態の構成は、図1に示す第1の実施形態と同様の構成である。本実施形態は、第1の実施形態と比較して、パルス圧縮部308が、回折格子を用いた光学系を含んでいる点が異なっている。その他については第1の実施形態と同じであるので説明は省略する。
本実施形態では、パルス圧縮部308として、第1の実施形態で用いた負の分散を共振光パルスに与えるファイバの代わりに、図6に示すような回折格子601を用いることにより、共振光に負の分散を付与する。回折格子601として溝本数1200/mmの回折格子を用い、一枚目の回折格子への入射角を71度、回折格子対の間隔を7.3cmとすることにより、−0.21psの分散を共振光に付与する。その結果、非線形導波路302の光入力端における共振光パルスの時間幅は、130fsに圧縮される。この共振光パルスの時間幅Δtはシード光パルスの時間幅Δtの3.3psからウォークオフtwoの1.4psを引いた値よりも小さく、XPMによるスペクトル歪みが低減される。
以上のように、本実施形態では、パルス圧縮部が、回折格子を用いた光学系を含んでいる。ここで、パルス圧縮部は、1組の回折格子対と折り返しミラーを用いた構成でもよい。これにより、回折格子対の間隔を変えることにより付与できる分散量が容易に調整できる。また、回折格子対と折り返しミラーの距離を変えることによりFOPO繰り返し周波数の調整も容易となる。なお、本実施形態は、第1乃至第4の実施形態と組み合わせて実施することも可能である。
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態における波長変換装置について説明する。本実施形態の構成は、図1に示す第1の実施形態と同様の構成である。本実施形態は、第1の実施形態と比較して、パルス圧縮部308がファイバブラッググレーティングを含んでいる点が異なっている。その他については第1の実施形態と同じであるので説明は省略する。
本実施形態では、フィードバック部305は、19m程度の長さのシングルモードファイバを用いる。パルス圧縮部308として、第1の実施形態で用いた負の分散を共振光パルスに与えるファイバの代わりに、サーキュレータとチャープファイバブラッググレーティング(CFBG)を用いて共振光パルスに負の群遅延分散を付与する。
以上のように、本実施形態では、パルス圧縮部が、ファイバブラッググレーティングを含んでいる。これにより、ファイバブラッググレーティングの設計を調整することで、群遅延分散のみならず共振光パルスの高次の位相分散も、空間系を用いることなく制御することが可能となる。なお、本実施形態は、第1乃至第5の実施形態と組み合わせて実施することも可能である。
(第7の実施形態)
本発明の第7の実施形態における波長変換装置について図3を用いて説明する。第1の実施形態では、主に、非線形導波路302において発生するXPMを抑制する方法について説明した。本実施形態では、更に、非線形導波路302以外の導波路において発生するXPMを抑制する方法について説明する。本実施形態の構成は第1の実施形態と同じである。
第1の実施形態では、共振光パルスに対するXPMは、主に非線形導波路302において生じるものとした。そして、上式(2)および(3)のパルス圧縮条件は、非線形導波路302において共振光パルスの時間幅が圧縮されるように規定した。しかし、非線形導波路302以外のXPMが無視できないような導波路においては、共振光パルスの時間幅が広がってしまうと、共振光パルスのスペクトルに歪みが生じてしまう。そこで、本実施形態では、非線形導波路302以外の導波路においても共振光パルスの時間幅が圧縮されるようにパルス圧縮条件を規定する。具体的には、上式(3)のウォークオフtwoの代わりに、例えば第1光導波路303、および第3光導波路309における共振光パルスのシード光パルスに対するウォークオフの項を含めた下式(8)を用いる。
Figure 0006613120
すなわち、非線形導波路302の光入力端から第3光導波路309の光出力端までを、シード光パルスと共振光パルスとが重なって伝搬する場合に、ウォークオフ量twoが上式(8)で与えられる。ここで、下付きの添字「NL」、「1」、「3」は、それぞれ、非線形導波路302、第1光導波路303、第3光導波路309に関する定数であることを示している。なお、取り出し部304の長さは十分短いため、取り出し部304におけるウォークオフは、第1光導波路303に含まれるとした。本実施形態のパルス圧縮部308は、上式(8)を用いたパルス圧縮条件が、非線形導波路302の光入力端において満たされるように、共振光パルスに群遅延分散を与える。これにより、非線形導波路302の光入力端から第3光導波路309の光出力端までにおける共振光パルスの時間幅を圧縮し、XPMによる共振光パルスのスペクトル歪みを抑制することができる。
あるいは、上式(8)の代わりに、更に第2光導波路307におけるウォークオフの項を含めた下式(9)を用いてもよい。この場合、パルス圧縮部308は、上式(9)を用いたパルス圧縮条件が、合波部306(または第2光導波路307の光入力端)において満たされるように、共振光パルスに群遅延分散を与える。
Figure 0006613120
すなわち、合波部306から第3光導波路309の光出力端までを、シード光パルスと共振光パルスとが重なって伝搬する場合に、ウォークオフ量twoが上式(9)で与えられる。ここで、下付きの添字「2」は、第2光導波路307に関する定数であることを示している。なお、合波部306の長さは十分短いため、合波部306におけるウォークオフは、第2光導波路307に含まれるとした。これにより、合波部306から第3光導波路309の光出力端までにおける共振光パルスの時間幅を圧縮し、XPMによる共振光パルスのスペクトル歪みを抑制することができる。
パルス圧縮条件が、上式(9)を満たす場合の一例を以下に示す。シード光パルスとして、波長が1035nm、繰り返し周波数が10MHz、パルスエネルギーが4nJ、パルスの時間幅が6.6psの光パルスを用いるとする。そして、第1光導波路303、第2光導波路307、第3光導波路309においてXPMが生じるとする。なお、取り出し部304においてシード光パルスと共振光パルスが取り出されることにより、フィードバックされる光パルスの光強度が十分小さくなるので、フィードバック部305におけるXPMは無視できるほど小さい。第1光導波路303、第2光導波路307、第3光導波路309としては、第1の実施形態と同様、それぞれ10cmのシングルモードファイバ(Corning, HI−1060)を用いる。また、シングルモードファイバの分散値は、980nmにおいて、−53ps/nm/kmであるとする。このとき、10cmのシングルモードファイバは、波長1035nmのシード光パルスと波長824nmの共振光パルスとの間に、およそ1.12psのウォークオフtwoを与える。また、第1の実施形態で述べたように、20cmの非線形導波路302は、およそ1.40psのウォークオフを与える。したがって、合波部306から第3光導波路309の光出力端までにおけるウォークオフtwoの総量は、4.76(=1.40+3×1.12)psとなる。
一方で、本実施形態のパルス圧縮部308は、合波部306における共振光パルスの時間幅を、第1の実施形態と同様に、フーリエ変換限界の時間幅(0.13ps)程度に圧縮する。したがって、共振光パルスの時間幅Δtは、シード光パルスの時間幅Δtの6.6psからウォークオフtwoの総量4.76psを引いた値よりも小さくなるので、図4(b)の実線fに示すように、XPMによるスペクトル歪みが低減される。また、パルス圧縮条件が、上式(8)を満たす場合でも同様に、XPMによるスペクトル歪みが低減される。
以上のように、本実施形態では、第1光導波路および第3光導波路におけるウォークオフの項を更に含むパルス圧縮条件が、非線形導波路の光入力端において更に満たされるように、共振光パルスの時間幅を圧縮する。これにより、非線形導波路の光入力端から第3光導波路の光出力端までにおける共振光パルスの時間幅を圧縮し、XPMによる共振光パルスのスペクトル歪みを抑制することができる。
あるいは、第2光導波路におけるウォークオフの項を更に含むパルス圧縮条件が、合波部(または第2光導波路の光入力端)において更に満たされるように、共振光パルスの時間幅を圧縮する。これにより、合波部から第3光導波路の光出力端までにおける共振光パルスの時間幅を圧縮し、XPMによる共振光パルスのスペクトル歪みを抑制することができる。なお、本実施形態は、第1乃至第6の実施形態と組み合わせて実施することも可能である。
(第8の実施形態)
本発明の第8の実施形態における波長変換装置について図7を用いて説明する。図7は、本発明の第8の実施形態に係る波長変換装置300bの構成を示す模式図である。図7に示す波長変換装置300bは、図3に示す第1の実施形態の波長変換装置300と比較して、第1光導波路303と非線形導波路302との間に、シード光パルスを増幅する光増幅器700を備えている点が異なっている。その他については第1の実施形態と同じであるので説明は省略する。図7に示す光増幅器700は、レーザーダイオード702、ポンプ光導波路703、ポンプコンバイナ704、第4光導波路705、および光増幅ファイバ706を備えて構成される。
光増幅ファイバ706は、1035nmのシード光パルスを増幅する。光増幅ファイバ706としては、例えばYbDF(イッテルビウム添加ファイバ)を用いることができる。あるいは、波長帯に応じて光増幅ファイバ706の代わりに、ErDF(エルビウム添加ファイバ)等の種類の異なる希土類添加ファイバを用いてもよい。また、半導体光増幅器等を用いてもよい。レーザーダイオード702は、光増幅ファイバ706を励起するためのポンプ光を発生する。ポンプ光導波路703は、ポンプ光をポンプコンバイナ704へ導波する。ポンプコンバイナ704は、ポンプ光とシード光パルスおよび共振光パルスとを合波する。第4光導波路705は、合波されたポンプ光とシード光パルスおよび共振光パルスを非線形導波路302へ導波する。本実施形態では、光増幅ファイバ706の長さは80cm、第4光導波路705の長さは10cmとする。
本実施形態では、このように光増幅器700を備えているので、導入部301が導入するシード光パルスのエネルギーを、第1の実施形態と比較して小さくすることができる。例えば、シード光パルスとして、波長が1035nm、繰り返し周波数が10MHz、パルスエネルギーが0.5nJ、パルスの時間幅が6.6psの光パルスを導入する。シード光パルスのパルスエネルギーがこのように小さいので、合波部306から第4光導波路705の光出力端までは、シード光パルスと共振光パルスの間に生じるXPMは無視できるほど小さい。また、光増幅ファイバ706では、シード光パルスが増幅されてパルスエネルギーが4nJと大きくなるが、光増幅ファイバ706のコア径が10μmと大きいために、光増幅ファイバ706において生じるXPMも同様に無視できるほど小さい。非線形導波路302へと導波されたシード光パルスと共振光パルスは、非線形導波路302において生じるパラメトリック利得によって、シード光パルスから共振光パルスへとエネルギー遷移する。
このように、本実施形態では、第2光導波路307および光増幅器700におけるXPMが無視できるので、例えば、上式(8)を用いることができる。そして、合波部306から第3光導波路309の光出力端までにおける共振光パルスの時間幅を圧縮することができる。第1光導波路303、第2光導波路307、第3光導波路309として、第1の実施形態と同じものを用いるとする。また、第1の実施形態で述べたように、20cmの非線形導波路302は、およそ1.40psのウォークオフを与える。このとき、合波部306から第3光導波路309の出力端までにおいて与えられるウォークオフtwoの総量は、3.64(=1.40+2×1.12)psとなる。
一方で、本実施形態のパルス圧縮部308は、合波部306における共振光パルスの時間幅を、第1の実施形態と同様に、フーリエ変換限界の時間幅(0.13ps)程度に圧縮する。したがって、共振光パルスの時間幅Δtは、シード光パルスの時間幅Δtの6.6psからウォークオフtwoの総量3.64psを引いた値よりも小さくなるので、図4(b)の実線fに示すように、XPMによるスペクトル歪みが低減される。
以上のように、本実施形態では、第2光導波路と非線形導波路との間に接続されて第1の光パルスを増幅する光増幅器を更に備えている。これにより、第2光導波路307におけるXPMが無視できるので、合波部(または第2光導波路の光入力端)から第3光導波路の光出力端までにおける共振光パルスの時間幅を圧縮し、XPMによる共振光パルスのスペクトル歪みを抑制することができる。なお、本実施形態は、第1乃至第7の実施形態と組み合わせて実施することも可能である。
(第9の実施形態)
本発明の第9の実施形態における波長変換装置について図7を用いて説明する。第8の実施形態では、シード光パルスのパルスエネルギーが小さく、第2光導波路307および光増幅器700におけるXPMが無視できる場合について説明した。これに対し、本実施形態では、シード光パルスのパルスエネルギーが大きく、第2光導波路307および光増幅器700におけるXPMが無視できない場合について説明する。本実施形態の構成は第8の実施形態と同じである。
本実施形態では、シード光パルスとして、波長が1035nm、繰り返し周波数が10MHz、パルスエネルギーが4nJ、パルスの時間幅が16psの光パルスを導入する。シード光パルスのパルスエネルギーがこのように大きいと、第2光導波路307および光増幅器700において発生するXPMの影響が無視できなくなる。そこで、本実施形態では、第2光導波路307および光増幅器700においても共振光パルスの時間幅が圧縮されるようにパルス圧縮条件を規定する。具体的には、上式(8)のウォークオフtwoの代わりに、第2光導波路307および光増幅器700におけるウォークオフの項を更に含めた下式(10)を用いる。
Figure 0006613120
すなわち、光増幅器700を、シード光パルスと共振光パルスとが重なって伝搬する場合に、ウォークオフ量twoが上式(10)で与えられる。ここで、下付きの添字「4」、「A」は、それぞれ、第4光導波路705、光増幅ファイバ706に関する定数であることを示している。本実施形態のパルス圧縮部308は、上式(10)を用いたパルス圧縮条件が、合波部306において満たされるように、共振光パルスに群遅延分散を与える。これにより、合波部306から第3光導波路309の光出力端までにおける共振光パルスの時間幅を圧縮し、XPMによる共振光パルスのスペクトル歪みを抑制することができる。
例えば、第1光導波路303、第2光導波路307、第3光導波路309として、第1の実施形態と同じものを用いるとする。また、第4光導波路705および光増幅ファイバ706の分散値は、980nmにおいて、−50ps/nm/kmであるとする。10cmの第4光導波路705および80cmの光増幅ファイバ706は、およそ10psのウォークオフを与える。また、第1の実施形態で述べたように、20cmの非線形導波路302は、およそ1.40psのウォークオフを与える。したがって、合波部306から第3光導波路309の光出力端までにおけるウォークオフtwoの総量は、14.76(=1.40+3×1.12+10.00)psとなる。
一方で、本実施形態のパルス圧縮部308は、合波部306における共振光パルスの時間幅を、第1の実施形態と同様に、フーリエ変換限界の時間幅(0.13ps)程度に圧縮する。したがって、共振光パルスの時間幅Δtは、シード光パルスの時間幅Δtの16psからウォークオフtwoの総量14.76psを引いた値よりも小さくなるので、図4(b)の実線fに示すように、XPMによるスペクトル歪みが低減される。
以上のように、本実施形態では、合波部306におけるウォークオフの項を更に含むパルス圧縮条件が、合波部306において更に満たされるように、共振光パルスの時間幅を圧縮する。これにより、合波部306から第3光導波路の光出力端までにおける共振光パルスの時間幅を圧縮し、XPMによる共振光パルスのスペクトル歪みを抑制することができる。
(第10の実施形態)
本発明の第10の実施形態における波長変換装置について図7を用いて説明する。第8の実施形態では、光増幅器700におけるXPMが無視できる場合について説明した。一方、第9の実施形態では、光増幅器700におけるXPMが無視できない場合について説明した。これに対し、本実施形態では、光増幅器700におけるXPMが部分的に無視できる場合について説明する。本実施形態の構成は第8の実施形態と同じである。
本実施形態では、シード光パルスとして、波長が1035nm、繰り返し周波数が10MHz、パルスエネルギーが0.5nJ、パルスの時間幅が12psの光パルスを導入する。本実施形態では、シード光パルスのパルスエネルギーはこのように小さいが、光増幅器700を構成する光増幅ファイバ706の光出力端側では、シード光パルスが増幅されるにつれ、シード光パルスと共振光パルスの間のXPMは大きくなってしまう。そこで、本実施形態では、光増幅ファイバ706の光出力端側において部分的に発生するXPMの項が含まれるようにパルス圧縮条件を規定する。具体的には、上式(8)のウォークオフtwoの代わりに、光増幅ファイバ706におけるウォークオフの項Δtwoを含めた下式(11)を用いる。
Figure 0006613120
すなわち、光増幅器700の光増幅ファイバ706を、シード光パルスと共振光パルスとが重なって伝搬する場合に、ウォークオフ量twoが上式(11)で与えられる。ここで、光増幅器において第1の光パルスを増幅する光増幅ファイバの、第1の光パルスに対する群屈折率をnpA、共振光パルスに対する群屈折率をnrA、長さをL、真空中の光速度をcとした。光増幅ファイバ706におけるウォークオフの項Δtwoは、光増幅ファイバ706の入力端から出力端までの全長においてXPMが発生する場合に最大値L|nrA−npA|となり、XPMが発生しない場合に最小値0となる。パルス圧縮部308は、上式(11)を用いたパルス圧縮条件が、光増幅部中の光増幅ファイバ706において満たされるように、共振光パルスに群遅延分散を与える。これにより、光増幅ファイバ706から第3光導波路309の光出力端までにおける共振光パルスの時間幅を圧縮し、XPMによる共振光パルスのスペクトル歪みを抑制することができる。
例えば、第1光導波路303、第2光導波路307、第3光導波路309として、第1の実施形態と同じものを用いるとする。また、光増幅ファイバ706の分散値は、980nmにおいて、−50ps/nm/kmであるとする。そして、80cmの光増幅ファイバ706のうちの入力端側から20cmでは、シード光パルスは十分に増幅されておらずXPMは無視できるほど小さく、一方、残りの60cmではおよそ6.5psのウォークオフを与えるとする。また、第1の実施形態で述べたように、20cmの非線形導波路302は、およそ1.40psのウォークオフを与える。したがって、合波部306から第3光導波路309の光出力端までにおけるウォークオフtwoの総量は、10.14(=1.40+2×1.12+6.5)psとなる。
一方で、本実施形態のパルス圧縮部308は、光増幅ファイバ706における共振光パルスの時間幅を、第1の実施形態と同様に、フーリエ変換限界の時間幅(0.13ps)程度に圧縮する。したがって、共振光パルスの時間幅Δtは、シード光パルスの時間幅Δtの12psからウォークオフtwoの総量10.14psを引いた値よりも小さくなるので、図4(b)の実線fに示すように、XPMによるスペクトル歪みが低減される。
以上のように、本実施形態では、ウォークオフtwoは、光増幅ファイバにおいて第1の光パルスを増幅する光増幅ファイバにおける部分的なウォークオフΔtwoの項を更に含んでいる。これにより、光増幅ファイバの光入力端から第3光導波路の光出力端までにおける共振光パルスの時間幅を圧縮し、XPMによる共振光パルスのスペクトル歪みを抑制することができる。
(第11実施形態)
本発明の第11の実施形態における光源装置について図8を用いて説明する。図8は、本発明の第11の実施形態に係る光源装置800の構成を示す模式図である。図8に示す本実施形態の光源装置800は、第1乃至第10の実施形態の波長変換装置300又は300bに対し、更にレーザー801、分波部802、第2パルス圧縮部803、第2合波部804を備えて構成される。
レーザー801は、第1の波長を有する光パルスを出力する。レーザー801としては、例えば第1の波長として1035nmの光パルスを出力するYbファイバモード同期レーザーが利用できる。レーザー801からの出力パルスは、光カプラ等を用いた分波部802によって2つの光パルスに分岐される。分岐された光パルスは、それぞれLD(Laser Diodo)等によって励起されたYbドープファイバによって増幅される。増幅された光パルスのうちの1つはシード光パルスとして波長変換装置300に入力される。波長変換装置300は、1035nmのシード光パルスを、中心波長750nm以上900nm以下のシグナル光パルスに波長変換する。これにより、スペクトル形状の歪みが少ない高ピーク強度のシグナル光パルスが得られる。さらに、シグナル光パルスの位相分散を第2パルス圧縮部803で補償することによって、時間幅が130fsの短パルス出力を得ることも可能となる。なお、波長変換装置300から出力されるシグナル光パルスの時間幅が十分に短い場合は、第2パルス圧縮部803は省略してもよい。このシグナル光パルスは、分波部802によって分離されたもう一方の波長1035nmの光パルスとWDM等の第2合波部804によって同期して合波される。このようにして、分子イメージングに用いられる2波長パルス光同期光源が可能となる。
以上のように、本実施形態の光源装置では、第1乃至第10の実施形態の波長変換装置を備えている。そして、波長変換装置を用いて第1の波長を有する光パルスを波長変換することにより得られる光パルスと、第1の波長を有する光パルスとを同期して出力する。例えば、中心波長750nm以上900nm以下のシグナル光パルスを、第1の波長1035nmの光パルスから生成する。このとき、2つの光パルスの繰り返し周波数は完全に一致するため、繰り返し周波数を制御する装置を必要とすることなく2波長パルス同期光源が実現できる。なお、ここでは2波長パルス同期光源を例としたが、3つ以上の光パルス同期光源にも、第1乃至第10の実施形態に記載の波長変換装置を用いることができる。
(第12の実施形態)
本発明の第12の実施形態における情報取得装置について図9を用いて説明する。図9は、本発明の第12の実施形態に係る情報取得装置900の構成を示す模式図である。図9に示す本実施形態の情報取得装置900は、第1乃至第10の実施形態の波長変換装置300又は300bに対し、更に光検出器908を備えて構成される2光子顕微鏡システムである。光検出器908は、波長変換装置300又は300bから出力され、被検体を介して伝搬する光を検出する。
例えばYbファイバモード同期レーザーからの波長1035nmの出力パルスを、第1乃至第10の実施形態に記載の波長変換装置300又は300bに導入する。そして、中心波長が750nm以上900nm以下、スペクトル幅が6nmで、スペクトル形状の歪みが少ない高ピーク強度のシグナル光パルス出力を得る。
得られたシグナル光パルスは、ビームコリメータ901、Xスキャンミラー902、Yスキャンミラー903を経由し、ダイクロイックミラー904、対物レンズ905によりステージ906に固定された被検体907に集光照射される。被検体907では、光パルスを集光照射した部分において2光子吸収に起因する蛍光が起こる。この蛍光は対物レンズ905によって取りこまれ、ダイクロイックミラー904を透過して光検出器908で検出される。
このとき、Xスキャンミラー902を駆動すると、集光点が被検体907内部をX方向へスキャンすることができ、Yスキャンミラー903を駆動すると、集光点が被検体907内部をX方向と垂直なY方向へスキャンすることができる。従って、Xスキャンミラー902、Yスキャンミラー903によって集光点を被検体907上で走査すれば、二次元画像を取得することができる。
さらに、一回の二次元スキャン終了後、ステージ906を動かして集光点を光軸方向に所定距離だけ移動させ、同様の2次元スキャンを繰り返すことで、被検体907の三次元画像を得ることが可能となる。なお、第1乃至第10の実施形態の波長変換装置300又は300bに替えて、第11の実施形態の光源装置800を用いることも可能である。
以上のように、本実施形態の情報取得装置では、第1乃至第10の実施形態の波長変換装置からの出力、または第11の実施形態の光源装置からの出力を光源として使用する。そして、波長変換装置または光源装置から出力されて、被検体を介して伝搬する光を検出する光検出器を備えている。これにより、パルス幅を狭くすることによってピーク強度を高くし、高いSN比での情報取得を行うことができる2光子顕微鏡を得ることが可能となる。
なお、本実施形態では、光パルスを被検体に照射し、被検体にて反射・透過または発光する光の少なくとも1つを検出し、被検体の情報を取得する情報取得装置として、2光子顕微鏡を例にとって説明した。しかし、これに限定されるものではなく、誘導ラマン散乱顕微鏡、内視鏡などの情報取得装置にも、本実施形態と同様に第1乃至第10の実施形態のいずれかに記載された波長変換装置や、第11の実施形態に記載された光源装置を用いることができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態に記載の構成は、一例を示したものであり、本発明を適用可能な波長変換装置、光源装置、および情報取得装置は、上記実施形態の説明に用いた図に限定されるものではない。また、上記実施形態に記載の構成は、組み合わせて実施することも可能である。本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
また、本発明においては、上式(2)が満たされることが望ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。本発明では、共振光パルスの時間幅がより圧縮されるように、共振光パルスの群遅延分散の一部または全部が補償されてさえいれば、共振光パルスのスペクトル形状の歪みをより抑制することができる。
301 導入部
302 非線形導波路
303 第1光導波路
304 取り出し部
305 フィードバック部
306 合波部
307 第2光導波路
308 パルス圧縮部
501 波長フィルタ
601 回折格子
700 光増幅器
800 光源装置
801 レーザー
802 分波部
803 第2パルス圧縮部
804 第2合波部
900 情報取得装置
901 ビームコリメータ
902 Xスキャンミラー
903 Yスキャンミラー
904 ダイクロイックミラー
905 対物レンズ
906 ステージ
907 被検体
909 光検出器

Claims (19)

  1. 第1の波長を有する第1の光パルスを導入する合波部と、
    前記合波部から導入された前記第1の光パルスを、光パラメトリックによって波長変換する非線形導波路と、
    前記波長変換された光パルスの一部を取り出す取り出し部と、
    前記取り出し部で取り出されなかった前記波長変換された光パルスを、共振光パルスとして前記合波部にフィードバックするフィードバック部と、
    前記共振光パルスの群遅延分散の少なくとも一部を補償することにより、前記共振光パルスの時間幅を圧縮するパルス圧縮部と、を備え、
    前記パルス圧縮部は、前記第1の光パルスの時間幅をΔt、前記共振光パルスのスペクトル幅をΔω、共振器が前記共振光パルスに与える群遅延分散の総和をD、前記パルス圧縮部が前記共振光パルスに与える群遅延分散をD、前記非線形導波路における前記共振光パルスの前記第1の光パルスに対するウォークオフをtwoとするとき、下式のパルス圧縮条件
    Figure 0006613120
    が満たされるように、前記共振光パルスの時間幅を圧縮することを特徴とする波長変換装置。
  2. 請求項1に記載の波長変換装置において、
    前記取り出し部と前記非線形導波路とを接続する第1光導波路と、
    前記合波部と前記非線形導波路とを接続する第2光導波路と、を更に備え、
    前記パルス圧縮部は、前記非線形導波路、前記フィードバック部、前記第1光導波路および前記第2光導波路を含む共振器が前記共振光パルスに与える群遅延分散の総和とは逆符号の群遅延分散を前記共振光パルスに与えることにより、前記非線形導波路における前記共振光パルスの時間幅を圧縮することを特徴とする波長変換装置。
  3. 請求項1に記載の波長変換装置において、
    前記取り出し部と前記非線形導波路とを接続する第1光導波路と、
    前記合波部と前記非線形導波路とを接続する第2光導波路と、を更に備え、
    前記パルス圧縮部は、前記非線形導波路、前記フィードバック部、前記第1光導波路および前記第2光導波路を含む共振器が前記共振光パルスに与える群遅延分散の総和とは逆符号の群遅延分散を前記共振光パルスに与えることにより、前記合波部における前記共振光パルスの時間幅を圧縮することを特徴とする波長変換装置。
  4. 請求項1に記載の波長変換装置において、
    前記取り出し部と前記非線形導波路とを接続する第1光導波路と、
    前記第1の光パルスを増幅し前記非線形導波路と接続する光増幅部と、
    前記合波部と前記光増幅部とを接続する第2光導波路と、を更に備え、
    前記パルス圧縮部は、前記フィードバック部、前記第1光導波路、前記第2光導波路および前記光増幅部を含む共振器が前記共振光パルスに与える群遅延分散の総和とは逆符号の群遅延分散を前記共振光パルスに与えることにより、前記非線形導波路の光入力端における前記共振光パルスの時間幅を圧縮することを特徴とする波長変換装置。
  5. 請求項1に記載の波長変換装置において、
    前記取り出し部と前記非線形導波路とを接続する第1光導波路と、
    前記第1の光パルスを増幅し前記非線形導波路と接続する光増幅部と、
    前記合波部と前記光増幅部とを接続する第2光導波路と、を更に備え、
    前記パルス圧縮部は、前記フィードバック部、前記第1光導波路、前記第2光導波路および前記光増幅部を含む共振器が前記共振光パルスに与える群遅延分散の総和とは逆符号の群遅延分散を前記共振光パルスに与えることにより、前記光増幅部中で前記共振光パルスの時間幅を圧縮することを特徴とする波長変換装置。
  6. 第1の波長を有する第1の光パルスを導入する合波部と、
    前記合波部から導入された前記第1の光パルスを、光パラメトリックによって波長変換する非線形導波路と、
    前記波長変換された光パルスの一部を取り出す取り出し部と、
    前記取り出し部で取り出されなかった前記波長変換された光パルスを、共振光パルスとして前記合波部にフィードバックするフィードバック部と、
    前記共振光パルスの群遅延分散の少なくとも一部を補償することにより、前記共振光パルスの時間幅を圧縮するパルス圧縮部と、を備え、
    前記パルス圧縮部は、前記第1の光パルスの時間幅をΔt、前記共振光パルスのスペクトル幅をΔω、共振器が前記共振光パルスに与える群遅延分散の総和をD、前記パルス圧縮部が前記共振光パルスに与える群遅延分散をD、前記第1の光パルスと前記共振光パルスとが重なって伝搬する部分での前記共振光パルスの前記第1の光パルスに対するウォークオフをtwoとするとき、下式のパルス圧縮条件
    Figure 0006613120
    が満たされるように、前記共振光パルスの時間幅を圧縮することを特徴とする波長変換装置。
  7. 請求項6に記載の波長変換装置において、
    前記取り出し部と前記非線形導波路とを接続する第1光導波路と、
    前記第1の光パルスを増幅し前記非線形導波路と接続する光増幅部と、
    前記合波部と前記光増幅部とを接続する第2光導波路と、
    前記取り出し部からの出力端をなす第3光導波路と、を更に備え、
    前記第1の光パルスと前記共振光パルスとが重なって伝搬する部分は、前記合波部と前記第1光導波路と前記第2光導波路と前記光増幅部と前記非線形導波路と前記取り出し部と前記第3光導波路であることを特徴とする波長変換装置。
  8. 請求項6に記載の波長変換装置において、
    前記取り出し部と前記非線形導波路とを接続する第1光導波路と、
    前記合波部と前記非線形導波路とを接続する第2光導波路と、
    前記取り出し部からの出力端をなす第3光導波路と、を更に備え、
    前記第1の光パルスと前記共振光パルスとが重なって伝搬する部分は、前記合波部と前記第1光導波路と前記第2光導波路と前記非線形導波路と前記取り出し部と前記第3光導波路であることを特徴とする波長変換装置。
  9. 請求項6に記載の波長変換装置において、
    前記第1の光パルスと前記共振光パルスとが重なって伝搬する部分は、少なくとも前記合波部と前記非線形導波路と前記取り出し部であることを特徴とする波長変換装置。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の波長変換装置において、
    前記パルス圧縮部が、前記フィードバック部に挿入されていることを特徴とする波長変換装置。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の波長変換装置において、
    前記フィードバック部が、前記共振光パルスの波長を制限する波長フィルタを有することを特徴とする波長変換装置。
  12. 請求項1から11のいずれか1項に記載の波長変換装置において、
    前記パルス圧縮部が、前記共振光パルスに対して負の群速度分散を与える光ファイバを含むことを特徴とする波長変換装置。
  13. 請求項1から11のいずれか1項に記載の波長変換装置において、
    前記パルス圧縮部が、前記共振光パルスに対して正の群速度分散を与える光ファイバを含むことを特徴とする波長変換装置。
  14. 請求項1から13のいずれか1項に記載の波長変換装置において、
    前記パルス圧縮部が、チャープミラーを用いた光学系を含むことを特徴とする波長変換装置。
  15. 請求項1から14のいずれか1項に記載の波長変換装置において、
    前記パルス圧縮部が、回折格子を用いた光学系を含むことを特徴とする波長変換装置。
  16. 請求項1から15のいずれか1項に記載の波長変換装置において、
    前記パルス圧縮部が、ファイバブラッググレーティングを含むことを特徴とする波長変換装置。
  17. 請求項1から16のいずれか1項に記載の波長変換装置と、前記第1の波長を有する前記第1の光パルス出力するレーザーと、を備えることを特徴とする光源装置。
  18. 請求項1から16のいずれか1項に記載の波長変換装置と、前記波長変換装置から出力され、被検体を介して伝搬する光を検出する光検出器と、を備えることを特徴とする情報取得装置。
  19. 請求項17に記載の光源装置と、前記光源装置から出力され、被検体を介して伝搬する光を検出する光検出器と、を備えることを特徴とする情報取得装置。
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