JP6613051B2 - 送風装置 - Google Patents

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本発明は、吹出口に連通する送風路を構成する壁部材と、送風路を介して空気を吹出口へ送風するファンとを備える送風装置に関する。
エアコンなどの空気調和機には、静電気による埃の付着やカビの発生を抑える防汚コーティングを施したものがある。例えば、特許文献1の空気調和機は、熱交換器や結露皿に電荷移動型触媒を塗布している。また、特許文献2の空気調和機は、吸込みパネルに帯電防止性の塗料を塗布している。また、特許文献3の送風ファンは、防カビ塗料を塗布している。また、特許文献4の送風機は、多翼式羽根に埃付着防止のためのコーティング膜を形成している。さらに、特許文献5の空気調和機は、露受皿に附溜した水滴により雑菌が発生することを防止すべく、抗菌成分を含む塗料を塗布している。
特開2010−32110号公報 特開平8−247526号公報 特開平5−346238号公報 特許第5619408号公報 特開2008−202860号公報
埃などの付着を抑制する防汚コーティングを部材に施す場合に、防汚コーティングの密着度を高める方法として、例えば、部材の表面にシボ加工処理や不規則な凹凸を設けて表面を粗加工する処理が施される。しかし、部材の表面の凹凸が送風抵抗を増加させる要因となり、また表面の凹凸に埃が付着するおそれがある。また、特許文献1〜5の空気調和機等にあっては、コーティングの密着度を向上させつつ、送風抵抗を低減して送風能力を向上させる点については考慮されていない。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、防汚膜の密着度を向上させつつ、送風抵抗を低減して送風能力を向上させることができる送風装置を提供することを目的とする。
本発明に係る送風装置は、吹出口に連通する送風路を構成する壁部材と、前記送風路を介して空気を前記吹出口へ送風するファンとを備える送風装置において、前記壁部材は、送風路面に所定の表面処理を施してあり、さらに、前記表面処理が施された壁部材に防汚膜を形成してあり、前記壁部材は、前記表面処理として、前記送風路面に微細な凹凸を形成すべく、合成樹脂に繊維素材を含有して形成してあり、前記表面処理は、送風方向に細長溝を形成するヘアライン処理であり、前記細長溝の深さは、送風方向の上流側よりも下流側を深くしてあることを特徴とする。
本発明に係る送風装置は、前記表面処理は、送風方向に細長溝を形成するヘアライン処理であることを特徴とする。
本発明に係る送風装置は、前記細長溝の深さは、送風方向の上流側よりも下流側を深くしてあることを特徴とする。
本発明に係る送風装置は、送風方向に前記防汚膜を塗布してあることを特徴とする。
本発明によれば、防汚膜の密着度を向上させつつ、送風抵抗を低減して送風能力を向上させることができる。
本実施の形態の送風装置としての空気調和機の側面側から見た内部構成の一例を示す説明図である。 本実施の形態の空気調和機の正面側から見た内部構成の一例を示す説明図である。 本実施の形態のキャビネットの断面構造の一例を示す説明図である。 本実施の形態のキャビネットの表面処理に係るガラス繊維の送風路面側から見た配向の一例を示す模式図である。 本実施の形態のキャビネットの表面処理に係るガラス繊維の断面側の配向の一例を示す模式図である。 本実施の形態のキャビネットを形成するための金型のゲートの位置の一例を示す模式図である。 交差する二方向にゲートを配置した場合のガラス繊維の配向の一例を示す模式図である。 本実施の形態のキャビネットの表面処理に係るヘアライン処理の一例を示す模式図である。 本実施の形態のキャビネットの断面側から見たヘアライン処理の一例を示す模式図である。 本実施の形態のキャビネットでの防汚コーティング液の塗布方法の第1実施例を示す説明図である。 本実施の形態のキャビネットでの防汚コーティング液の塗布方法の第2実施例を示す説明図である。 本実施の形態のキャビネットの断面側から見た第2実施例による防汚膜の一例を示す模式図である。 本実施の形態のキャビネットでの防汚コーティング液の塗布方法の第3実施例を示す説明図である。
以下、本発明を実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本実施の形態の送風装置としての空気調和機100の側面側から見た内部構成の一例を示す説明図である。送風装置は、吹出口に連通する送風路を構成する壁部材と、送風路を介して空気を吹出口へ送風するファンとを備えるものであればよく、例えば、エアコンなどの空気調和機、空気清浄機、除湿機などを含む。以下では、送風装置の一例として空気調和機100について説明する。
図1に示すように、空気調和機100は、一面が開口した箱体1、箱体1の開口部分に装着される前面パネル2、箱体1の中央部付近に配置された円柱状のファン20を備える。箱体1の上面には、吸気口3を設けてあり、吸気口3とファン20との間には、フィルタ10及び熱交換器11を配置してある。箱体1の前面下方には、吹出口4を設けてある。吹出口4に連通する送風路を構成する壁部材として、キャビネット30、下部ドレンパン40、ルーバ50、上部ドレンパン60などを備える。
ファン20が、図中符号Aで示す方向に回転することにより、キャビネット30、下部ドレンパン40、ルーバ50及び上部ドレンパン60などで構成される送風路内を図中符号Rで示す方向に送風され、吹出口4から空気が吹き出される。キャビネット30は、送風路面31を有し、下部ドレンパン40は、送風路面41を有し、ルーバ50は、送風路面51、52を有し、上部ドレンパン60は、送風路面61を有する。送風路は、壁部材の送風路面で囲まれる空間である。キャビネット30、下部ドレンパン40、ルーバ50及び上部ドレンパン60は、それぞれの送風路面に後述の所定の表面処理を施すとともに、後述の防汚膜を形成してある。図1では、所定の表面処理を施すとともに、防汚膜を形成してあることを示すため、模様を付している。また、ファン20のブレードの表面にも、所定の表面処理を施すとともに、防汚膜を形成してある。
図2は本実施の形態の空気調和機100の正面側から見た内部構成の一例を示す説明図である。図2では、簡便のため、キャビネット30が見えるように他の部品を割愛している。図2に示すように、キャビネット30の送風路面31(模様を付している箇所)には、所定の表面処理を施すとともに、防汚膜を形成してある。以下では、所定の表面処理及び防汚膜について、壁部材としてキャビネット30について説明するが、下部ドレンパン40、ルーバ50及び上部ドレンパン60についても同様である。また、簡便のため、キャビネット30を模式的に矩形状の平板として説明する。
図3は本実施の形態のキャビネット30の断面構造の一例を示す説明図である。キャビネット30の送風路面31には、所定の表面処理71を施してあり、表面処理71が施されたキャビネット30に防汚膜72を形成してある。所定の表面処理71は、例えば、防汚膜72の密着度を向上させるべく表面に施された微細な凹凸を形成する処理であり、かつ当該凹凸の高低差が送風抵抗の増加を抑制することができる程度の寸法である。これにより、防汚膜72の密着度を向上させつつ、送風抵抗を低減して送風能力を向上させることができる。以下、所定の表面処理71、防汚膜72の詳細について説明する。
所定の表面処理71の第1実施例として、キャビネット30に前述の所定の表面処理を施すべく、キャビネット30は、合成樹脂に繊維素材を含有して形成してある。繊維素材は、例えば、ガラス繊維とすることができるが、これに限定されるものではなく、カーボン繊維を用いてもよい。以下の説明では、繊維素材としてガラス繊維を挙げて説明する。合成樹脂は、例えば、PS(ポリスチレン)、HIPS(耐衝撃性ポリスチレン)、ABS樹脂などを用いることができ、また、下部ドレンパン40、上部ドレンパン60には、耐薬ABSなどを用いてもよい。
ガラス繊維の断面形状は、例えば、長方形状、楕円形状などであり、ガラス繊維は、細長状の形状をなす。キャビネット30は、例えば、ガラス繊維を含有した合成樹脂を射出成型機に抽出することにより形成することができる。ガラス繊維を含有させることにより、キャビネット30の送風路面31には、微細な凹凸(例えば、凹凸の高低差が数十nm程度)を形成することができ、防汚膜72の密着度を向上させることができる。また、表面処理71の凹凸を微細にするので、例えば、30nm〜60nm程度の膜厚の防汚膜72を形成した場合に、防汚膜72の凹凸も微細にすることができ、送風抵抗を低減して送風能力を向上させることができる。
次に、所定の表面処理71の第2実施例について説明する。図4は本実施の形態のキャビネット30の表面処理71に係るガラス繊維301の送風路面31側から見た配向の一例を示す模式図である。図4では、簡便のため、ガラス繊維301を細線状で示す。図4中符号Rで示す矢印は、キャビネット30を空気調和機100内に装着した状態においてファン20で送風される風の方向(送風方向)を示す。また、符号Bで示す矢印は、ガラス繊維301の配向方向を示す。なお、ガラス繊維301は模式的に示すものであり、ガラス繊維301の数は図4に示すものよりも多い。
図4に示すように、送風方向Rにガラス繊維を配向してある。送風方向Rにガラス繊維を配向してあるとは、細長状のガラス繊維の長手方向(配向方向)Bが送風方向Rと一致又は略一致する状態をいう。ここで、略一致とは、例えば、送風方向Rと配向方向Bとのなす角度が、例えば、45度未満とすることができる。
図5は本実施の形態のキャビネット30の表面処理71に係るガラス繊維301の断面側の配向の一例を示す模式図である。図5では、簡便のため、ガラス繊維301を細長の長方形状で示す。図5に示すように、キャビネット30の送風路面31には、ガラス繊維301の一部が突出した状態となっており、かかる突出箇所が、微細な凹凸を有する表面処理71を施した部分となる。図5に示すように、ガラス繊維301の配向方向B(長手方向)が送風方向Rを向くので、ファン20により送出される空気がガラス繊維301に当たる際の面積を小さくすることができ、ガラス繊維301による送風抵抗の増加を抑制することができる。
図6は本実施の形態のキャビネット30を形成するための金型のゲートの位置の一例を示す模式図である。ガラス繊維301をキャビネット30の送風方向Rに配向させるためには、キャビティ(金型の凹型)への入口であるゲートを、キャビネット30における送風方向Rの上流側に配置する。これにより、ガラス繊維301を含有した合成樹脂がゲートからキャビティへ流入する際に(図6中符号Cで示す)、ガラス繊維301が合成樹脂の流れの方向、すなわち送風方向Rに沿って並ぶようにすることができ、当該並ぶ方向、すなわち配向を送風方向Rに揃えることができる。
図7は交差する二方向にゲートを配置した場合のガラス繊維の配向の一例を示す模式図である。図7において、例えば、ゲートは、上辺側の位置と、左辺側の位置に設けたとする。図7は、上述の第1実施例に相当する。図7に示すように、各ゲートから流入した合成樹脂の流れに沿ってガラス繊維が配向し、中央付近で流れが合流するため、ガラス繊維の配向方向Bは、一方向に配列した状態とはならず、ランダムな方向を向くことになる。このため、ファンにより送出される空気がガラス繊維に当たる際の面積が比較的大きくなるものの、防汚膜72の密着度を向上させることができる。さらに、図4、図5に示した第2実施例によれば、ファン20により送出される空気がガラス繊維301に当たる際の面積を小さくすることができ、防汚膜72の密着度を向上しつつ、ガラス繊維301による送風抵抗の増加を抑制することができる。
次に、所定の表面処理71の第3実施例について説明する。図8は本実施の形態のキャビネット30の表面処理71に係るヘアライン処理の一例を示す模式図である。図8に示すように、所定の表面処理71は、キャビネット30における送風方向Rに細長溝310を形成するヘアライン処理である。図8において、実線は、細長溝の山の部分311(嶺)を示し、破線は谷の部分312を示す。谷の部分312を挟んで両側の山の部分311で細長溝310を構成している。なお、細長溝310は模式的に示すものであり、細長溝310の数は図8に示すものよりも多い。
ヘアライン処理は、例えば、金型のキャビティ(凹型)及びコア(凸型)の少なくとも一方の表面に細長溝を形成するとともに、細長溝の方向をキャビネット30における送風方向Rに一致又は略一致するようにすればよい。ヘアライン処理の細長溝310の深さは、例えば、100μm程度とすることができる。
キャビネット30の送風方向Rに細長溝310を形成してあるので、例えば、送風方向Rと交差(例えば、90度で交差)する方向に細長溝を形成する場合と比較して、空気が細長溝に当たる際の面積を少なくすることができ、防汚膜72の密着度を向上させつつ、送風抵抗を低減して送風能力を向上させることができる。
次に、所定の表面処理71の第4実施例について説明する。図9は本実施の形態のキャビネット30の断面側から見たヘアライン処理の一例を示す模式図である。細長溝310の深さ(図9中符号dで示す、山の部分311と谷の部分312との高低差)は、送風方向Rの上流側よりも下流側を深くしてある。
細長溝310の深さは深いほど送風抵抗が増加するが、防汚膜72の密着度は向上する。そこで、キャビネット30における送風方向Rの下流側(例えば、吹出口4に近い部分)では、ユーザが直接キャビネット30の表面に触れることができることを考慮して、防汚膜72の密着度を向上させるべく細長溝310の深さを深くする。
一方、キャビネット30における送風方向Rの上流側では、ユーザが直接キャビネット30の表面に触れることがないので、ユーザが防汚膜72に触れることにより防汚膜72が剥がれるおそれもないことから、送風抵抗の低減を優先して、細長溝310の深さを浅くする。これにより、防汚膜72の密着度を向上させつつ、送風抵抗を低減して送風能力を向上させることができる。
次に、防汚膜72(防汚コーティングとも称する)について説明する。キャビネット30の所定の表面処理71が施された表面に防汚膜72を形成するには、防汚コーティング液を塗布する。防汚コーティング液は、例えば、アモルファス型過酸化チタンを主成分とする透明液を用いることができる。アモルファス型過酸化チタンを主成分とする防汚膜72は、静電気反発(造膜表面の電荷反発)を利用して汚れを落とすことができる。なお、防汚コーティング液は、これに限定されるものではない。
防汚コーティング液のチタニア粒子が、キャビネット30などの壁部材に強固に造膜されるのは、ペルオキソ基(過酸化基)が空気中のO2又は壁部材表面のOH基などと脱水縮合結合により接着するためである。防汚膜72を完全密着させるためには、ペルオキソ基を完全離脱させる必要があるが、ペルオキソ基の完全離脱には高温かつ長時間の加熱、あるいはUV照射が必要である。しかし、合成樹脂からなる壁部材では、耐熱温度が高くないため、高温による加熱を行うことができない。しかし、本実施の形態によれば、前述の所定の表面処理71(第1実施例から第4実施例のいずれか1つ)を施すことにより、脱水縮合結合を用いる防汚コーティング液を塗布して密着度を向上させた防汚膜72を形成することができる。
次に、防汚コーティング液の塗布方法について説明する。図10は本実施の形態のキャビネット30での防汚コーティング液の塗布方法の第1実施例を示す説明図である。図10に示すように、キャビネット30の所定の表面処理71が施された表面に防汚コーティング液を塗布する場合、キャビネット30における送風方向Rに防汚コーティング液を塗布して防汚膜72を形成する。
防汚膜72(防汚コーティング液)の塗布は、例えば、刷毛又はスプレー等で行うことができる。キャビネット30の送風路面31に防汚膜72を塗布する場合に、塗布する面積が広いため、塗り始めの位置をずらしながら同じ方向に複数回塗る必要があるとき、キャビネット30における送風方向Rと平行に防汚膜を複数回塗布する。図10の例では、符号丸1、丸2、丸3で示す矢印の順番に3回平行に塗布している。
仮に送風方向Rと交差(例えば、90度で交差)する方向に防汚膜を複数回塗布した場合には、防汚膜が重なった部分が送風方向Rに対して交差する状態で段差となり、送風抵抗が増加する。図10に示すように、送風方向Rに防汚膜72(防汚コーティング液)を塗布することにより、防汚膜72が重なった部分の段差が送風方向Rと同じ方向になるため、送風抵抗の増加を抑制することができる。
図11は本実施の形態のキャビネット30での防汚コーティング液の塗布方法の第2実施例を示す説明図であり、図12は本実施の形態のキャビネット30の断面側から見た第2実施例による防汚膜72の一例を示す模式図である。図11に示すように、第2実施例では、符号丸1で示す矢印の方向、すなわち、キャビネット30における送風方向Rの下流側であって、送風方向Rと交差(例えば、90度交差)する方向に防汚コーティング液を塗布する。次に、キャビネット30における送風方向Rと平行に、符号丸2、丸3、丸4で示す矢印の順番に3回平行に塗布する。
図12は、図11で示す方法で防汚コーティング液を塗布した場合の防汚膜72の状態を示す。図12に示すように、防汚膜72は、キャビネット30における送風方向Rの上流側よりも下流側を厚くしてある(図12中、符号tが防汚膜72の厚み)。防汚膜72の厚みを厚くすると埃が付着しにくくなり防汚機能が向上する。
そこで、キャビネット30における送風方向Rの上流側では風速が比較的速く、風がキャビネット30に当たる力も強く埃を除去しやすいのに対し、送風方向Rの下流側では風速が比較的遅く、風がキャビネット30に当たる力も弱く埃を除去しにくくなることを考慮して、送風方向Rの上流側よりも下流側の防汚膜72の厚みtを厚くすることにより、風速の低下を補って防汚機能(ほこりの付着防止)を向上させることができる。
図13は本実施の形態のキャビネット30での防汚コーティング液の塗布方法の第3実施例を示す説明図である。図13に示すように、キャビネット30を空気調和機100内に装着する場合、キャビネット30と嵌合する嵌合部材81、82、83、84があるとする。このような場合、部品同士の嵌合部分(図13において細かい破線で示す部分)に防汚膜72を塗布する。これにより、部品同士の嵌合部分に埃が付着することを防止することができる。なお、嵌合部材81、82、83、84は、上述の表面処理71を施してあるものとする。
また、送風路を構成する壁部材であっても、空気調和機100を壁などに設置した状態で、例えば、表面が鉛直方向になる壁部材の当該表面には、防汚膜72を形成しなくてもよい。埃が落ちやすいからである。これにより、コストを削減することができる。
上述の実施の形態では、空気調和機について説明したが、本実施の形態は、空気調和機に限定されるものではなく、空気清浄機、除湿機などの吹出口に連通する送風路を構成する壁部材と、送風路を介して空気を吹出口へ送風するファンとを備える送風装置であれば提供することができる。
本発明の上述の各実施例で記載されている技術特徴は、お互いに組み合わせて新しい技術方案を形成することができる。
本実施の形態の送風装置(100)は、吹出口(4)に連通する送風路を構成する壁部材(30、40、50、60)と、前記送風路を介して空気を前記吹出口へ送風するファン(20)とを備える送風装置において、前記壁部材は、送風路面に所定の表面処理(71)を施してあり、さらに、前記表面処理が施された壁部材に防汚膜(72)を形成してあることを特徴とする。
本実施の形態にあっては、壁部材(30、40、50、60)は、送風路面(31、41、51、52、61)に所定の表面処理(71)を施してあり、表面処理が施された壁部材に防汚膜(72)を形成してある。所定の表面処理は、例えば、防汚膜の密着度を向上させるべく表面に施された微細な凹凸を形成する処理であり、かつ当該凹凸の高低差が送風抵抗の増加を抑制することができる程度の寸法である。これにより、防汚膜の密着度を向上させつつ、送風抵抗を低減して送風能力を向上させることができる。
本実施の形態の送風装置(100)は、前記壁部材(30、40、50、60)は、合成樹脂に前記表面処理のための繊維素材(301)を含有して形成してあることを特徴とする。
本実施の形態にあっては、壁部材(30、40、50、60)に所定の表面処理(71)を施すべく、壁部材は、合成樹脂に繊維素材(301)を含有して形成してある。繊維素材は、例えば、ガラス繊維である。合成樹脂は、例えば、PS(ポリスチレン)、HIPS(耐衝撃性ポリスチレン)、ABS樹脂、耐薬ABSなどである。壁部材は、例えば、繊維素材を含有した合成樹脂を射出成型機に抽出することにより形成することができる。繊維素材を含有させることにより、壁部材の表面には、微細な凹凸を形成することができ、防汚膜の密着度を向上させつつ、送風抵抗を低減して送風能力を向上させることができる。
本実施の形態の送風装置(100)は、送風方向に前記繊維素材(301)を配向してあることを特徴とする。
本実施の形態にあっては、送風方向に繊維素材(301)を配向してある。送風方向に繊維素材を配向してあるとは、細長状の繊維素材の長手方向が送風方向と一致又は略一致する状態をいう。繊維素材を壁部材の送風方向に配向させるためには、キャビティ(金型の凹型)への入口であるゲートを、壁部材における送風方向の上流側に配置することにより、繊維素材を含有した合成樹脂がゲートからキャビティへ流入する際に、繊維素材が流れの方向、すなわち送風方向に沿って並ぶようにすることができ、当該並ぶ方向、すなわち配向を送風方向に揃えることができる。繊維素材の長手方向が送風方向を向くので、空気が繊維素材に当たる際の面積を小さくすることができ、繊維素材による送風抵抗の増加を抑制することができる。
本実施の形態の送風装置(100)は、前記表面処理(71)は、送風方向に細長溝(310)を形成するヘアライン処理であることを特徴とする。
本実施の形態にあっては、所定の表面処理(71)は、壁部材における送風方向に細長溝(310)を形成するヘアライン処理である。ヘアライン処理は、金型のキャビティ(凹型)及びコア(凸型)の少なくとも一方の表面に細長溝を形成するとともに、細長溝の方向を壁部材における送風方向に一致又は略一致するようにすればよい。ヘアライン処理の細長溝の深さは、例えば、100μm程度とすることができる。壁部材の送風方向に細長溝を形成してあるので、例えば、送風方向と交差(例えば、90度で交差)する方向に細長溝を形成する場合と比較して、空気が細長溝に当たる際の面積を少なくすることができ、防汚膜の密着度を向上させつつ、送風抵抗を低減して送風能力を向上させることができる。
本実施の形態の送風装置(100)は、前記細長溝(310)の深さは、送風方向の上流側よりも下流側を深くしてあることを特徴とする。
本実施の形態にあっては、細長溝(310)の深さは、送風方向の上流側よりも下流側を深くしてある。細長溝の深さは深いほど送風抵抗が増加するが、防汚膜の密着度は向上する。そこで、壁部材における送風方向の下流側(例えば、吹出口に近い部分)では、ユーザが直接壁部材の表面に触れることができることを考慮して、防汚膜の密着度を向上させるべく細長溝の深さを深くする。一方、壁部材における送風方向の上流側では、ユーザが直接壁部材の表面に触れることがないので、ユーザが防汚膜に触れることにより防汚膜が剥がれるおそれもないことから、送風抵抗の低減を優先して、細長溝の深さを浅くする。これにより、防汚膜の密着度を向上させつつ、送風抵抗を低減して送風能力を向上させることができる。
本実施の形態の送風装置(100)は、送風方向に前記防汚膜(72)を塗布してあることを特徴とする。
本実施の形態にあっては、壁部材(30、40、50、60)における送風方向に防汚膜(72)を塗布してある。防汚膜の塗布は、例えば、刷毛又はスプレー等で行うことができる。壁部材の送風路面に防汚膜を塗布する場合に、塗布する面積が広いため、塗り始めの位置をずらしながら同じ方向に複数回塗る必要があるとき、壁部材における送風方向と平行に防汚膜を複数回塗布する。仮に送風方向と交差(例えば、90度で交差)する方向に防汚膜を複数回塗布した場合には、防汚膜が重なった部分が送風方向に対して交差する状態で段差となり、送風抵抗が増加する。送風方向に防汚膜を塗布することにより、防汚膜が重なった部分の段差が送風方向と同じ方向になるため、送風抵抗の増加を抑制することができる。
本実施の形態の送風装置(100)は、前記防汚膜(72)は、送風方向の上流側よりも下流側を厚くしてあることを特徴とする。
本実施の形態にあっては、防汚膜(72)は、壁部材(30、40、50、60)における送風方向の上流側よりも下流側を厚くしてある。防汚膜の厚みを厚くすると埃が付着しにくくなり防汚機能が向上する。そこで、壁部材における送風方向の上流側では風速が比較的速く、風が壁部材に当たる力も強く埃を除去しやすいのに対し、送風方向の下流側では風速が比較的遅く、風が壁部材に当たる力も弱く埃を除去しにくくなることを考慮して、送風方向の上流側よりも下流側の防汚膜の厚みを厚くすることにより、風速の低下を補って防汚機能(ほこりの付着防止)を向上させることができる。
3 吸気口
4 吹出口
10 フィルタ
11 熱交換器
20 ファン
30 キャビネット
40 下部ドレンパン
50 ルーバ
60 上部ドレンパン
31、41、51、52、61 送風路面
71 表面処理
72 防汚膜
301 ガラス繊維
310 細長溝
311 山の部分
312 谷の部分
81、82、83、84 嵌合部材

Claims (2)

  1. 吹出口に連通する送風路を構成する壁部材と、前記送風路を介して空気を前記吹出口へ送風するファンとを備える送風装置において、
    前記壁部材は、
    送風路面に所定の表面処理を施してあり、
    さらに、前記表面処理が施された壁部材に防汚膜を形成してあり、
    前記壁部材は、
    前記表面処理として、前記送風路面に微細な凹凸を形成すべく、合成樹脂に繊維素材を含有して形成してあり、
    前記表面処理は、
    送風方向に細長溝を形成するヘアライン処理であり、
    前記細長溝の深さは、送風方向の上流側よりも下流側を深くしてあることを特徴とする送風装置。
  2. 送風方向に前記防汚膜を塗布してあることを特徴とする請求項1に記載の送風装置。
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