JP6612104B2 - マイクロプレート - Google Patents

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本発明は、マイクロプレートリーダー内で、被分析試料を変動磁場に曝露することが可能なマイクロプレートに関する。
培養細胞などの生物試料は、磁場の影響を受けることにより、試料中に含まれるイオンの濃度が変化するなどの状態変化が生じることが知られている。このような磁場の影響を検証することを目的に、たとえば特許文献1に開示されているような磁場発生装置により試料を磁場に曝露する前後において、分析装置であるマイクロプレートリーダーにより試料を分析することによって、磁場の影響を受けた試料の状態変化が調べられている。
特許文献1の磁場発生装置100は、図4に示されるように、永久磁石101と、永久磁石101に対して被検体102を移動させるためのXYステージ103および駆動装置104とを備えている。磁場発生装置100は、被検体102を永久磁石101に対して移動させることにより、被検体102を変動磁場に曝露することができる。
特開2004−186519号公報
しかし、特許文献1の磁場発生装置は、マイクロプレートリーダーとは別に設けられているので、被分析試料は、磁場発生装置によって変動磁場に曝露された後、マイクロプレートリーダー内に導入されて分析されるまでの間に、温度変化などの環境変化に曝されることになる。被分析試料は、このような環境変化に曝されるとその状態が変化してしまうので、磁場の影響のみを正確に検証することができない。
本発明は、上述した問題に鑑みなされたもので、被分析試料に及ぼす変動磁場の影響をより正確に検証するために、マイクロプレートリーダー内で被分析試料を変動磁場に曝露することが可能なマイクロプレートを提供することを目的とする。
本発明のマイクロプレートは、マイクロプレートリーダーにより被分析試料を分析するために、被分析試料を収容し、マイクロプレートリーダーに挿入されるマイクロプレートであって、マイクロプレート本体と、前記マイクロプレート本体に設けられ、前記被分析試料を収容するウェルと、前記マイクロプレート本体に設けられ、前記ウェルに収容された前記被分析試料を変動磁場に曝露するために、前記変動磁場を生成する変動磁場生成装置とを備えることを特徴とする。
また、前記変動磁場生成装置が、磁場を生成する磁性体と、前記ウェルに収容された前記被分析試料に対して相対的に前記磁性体を移動させるための磁性体移動機構とを備えることが好ましい。
また、前記磁性体移動機構が、前記被分析試料に対して相対的に前記磁性体を移動させる駆動部と、前記駆動部の動作を制御する制御部とを備え、前記制御部が、タイマーを備え、所定の時間間隔で前記駆動部が動作するように、前記駆動部の動作を制御することが可能であることが好ましい。
また、前記磁性体移動機構が、前記ウェルに収容された前記被分析試料に対して前記磁性体が近接したことを検知する近接検知手段と、前記ウェルに収容された前記被分析試料に対して前記磁性体が近接したことを前記マイクロプレートリーダーのユーザに通知するための通知装置とを備えることが好ましい。
また、前記磁性体移動機構が、前記被分析試料に対して相対的に前記磁性体を移動させる駆動部と、前記駆動部の動作を制御する制御部とを備え、前記駆動部が、駆動力を発生するモータと、前記モータの駆動力により回転する雄ネジ部と、前記モータの駆動力を前記雄ネジ部に伝達するギヤ装置と、前記磁性体が取り外し可能に取り付けられ、前記雄ネジ部と螺合する雌ネジ部が設けられ、前記雄ネジ部の回転により移動する磁性体支持部とを備えることが好ましい。
また、前記マイクロプレートリーダーが蛍光分析装置、発光分析装置または吸光分析装置であることが好ましい。
本発明によれば、被分析試料に及ぼす変動磁場の影響をより正確に検証するために、マイクロプレートリーダー内で被分析試料を変動磁場に曝露することが可能なマイクロプレートを提供することができる。
本発明の実施形態に係るマイクロプレートの蓋体を取り除いた状態を示す上面図である。 図1のマイクロプレートの駆動部の一部を拡大した上面図である。 図1のマイクロプレートの磁性体が移動した状態を示す図であり、(a)は、磁性体が被分析試料から最も離間した状態を示す上面図であり、(b)は、磁性体が被分析試料に最も近接した状態を示す上面図である。 従来の磁場発生装置の概略図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るマイクロプレートについて説明する。ただし、以下に示す実施形態は、あくまで一例であり、本発明のマイクロプレートは、以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明のマイクロプレートは、マイクロプレートリーダーにより被分析試料を分析するために、被分析試料を収容し、マイクロプレートリーダーに挿入されて使用される。マイクロプレートリーダーは、被分析試料の励起光、透過光、化学発光などを検出することによって、被分析試料中の成分の定量分析などを行なう分析装置である。より具体的には、マイクロプレートリーダーは、蛍光分析装置、発光分析装置または吸光分析装置である。分析対象である被分析試料としては、たとえば、培養細胞、動物組織、生物胚、卵細胞、精細胞、植物組織、微生物、線虫、ショウジョウバエなどの生物試料や、化学物質、鉱物結晶などの非生物試料などが挙げられる。マイクロプレートリーダーの検出対象となる光の種類や分析対象となる被分析試料の種類は特に限定されないが、蛍光収率の高いRhod−4(Ca蛍光指示薬)などの試料を分析する際には、マイクロプレートリーダーは、励起光である蛍光を検出する蛍光分析装置であることが好ましい。
本発明の実施形態に係るマイクロプレート1は、図1に示されるように、マイクロプレート本体2と、被分析試料を収容するウェル31と、変動磁場を生成する変動磁場生成装置4とを備えている。マイクロプレート1が、ウェル31および変動磁場生成装置4を備えることにより、マイクロプレート1が挿入されるマイクロプレートリーダー内で、ウェル31に収容された被分析試料を、変動磁場生成装置4が生成する変動磁場に曝露することができる。したがって、マイクロプレートリーダーによる分析において、本実施形態のマイクロプレート1を用いることにより、マイクロプレートリーダーの外部の環境に曝すことなく被分析試料を分析することができるので、磁場が被分析試料に及ぼす影響をより正確に検証することができる。マイクロプレート1は、マイクロプレートリーダーに挿入可能な形状および大きさに形成されるが、たとえば標準化された市販のマイクロプレートと同じ形状および大きさに形成されることにより、より多くの種類の市販のマイクロプレートリーダーに挿入して使用することができるので、その汎用性が向上する。
マイクロプレート本体2は、ウェル31および変動磁場生成装置4が設けられる部材である。本実施形態では、マイクロプレート本体2は、図1に示されるように、略平板状の底面部21と、底面部21の周縁から立設する側面部22とを備え、上部が開口し、長手方向Xおよび短手方向Yを有する略矩形で浅い箱形のトレー状に形成されている。マイクロプレート本体2の箱形の内部には、マイクロプレート本体2の短手方向Yに延び、複数(8つ)のウェル31を有する試料チャンバ3が取り外し可能に設けられる試料チャンバ収容区画2Aと、変動磁場生成装置4が設けられる変動磁場生成装置収容区画2Bとを備えている。試料チャンバ収容区画2Aおよび変動磁場生成装置収容区画2Bは互いに、底面部21と略平行な方向に沿って隣接して配置されており、それによって試料チャンバ3(およびウェル31)および変動磁場生成装置4は互いに、底面部21と略平行な方向に沿って隣接して設けられる。したがって、光源や光の検出器がマイクロプレートの鉛直方向上下に配置されるマイクロプレートリーダーにおいて、分析時の光の通路を変動磁場生成装置4が遮ることがない。また、試料チャンバ収容区画2Aは、本実施形態では、変動磁場生成装置収容区画2Bからの距離が異なる位置に複数(2つ)設けられているので、変動磁場生成装置4からの距離の異なる位置に試料チャンバ3(およびウェル31)を複数設けることができる。変動磁場生成装置4からの距離が異なれば被分析試料が曝露される変動磁場の大きさが異なるので、複数の被分析試料を異なる大きさの変動磁場に同時に曝露することができ、変動磁場の強弱が被分析試料に与える影響を同時に検証することができる。マイクロプレート本体2は、任意で、図示しない蓋体によって上部の開口が閉じられるように構成されてもよい。なお、マイクロプレート本体2は、ウェル31および変動磁場生成装置4を設けることができれば、上述した実施形態に限定されることはなく、たとえば試料チャンバ収容区画2Aが、1つまたは3つ以上であってもよいし、試料チャンバ収容区画2Aが、ウェル31を1つずつ収容するように構成されていてもよい。
マイクロプレート本体2は、マイクロプレート1が全体としてマイクロプレートリーダーに挿入可能な形状および大きさに形成されていればよく、マイクロプレート本体2の形状および大きさは特に限定されることはない。また、マイクロプレート本体2の構成材料としては、マイクロプレート本体2がウェル31および変動磁場生成装置4を支持できる強度を有していれば、特に限定されることはなく、たとえばポリスチレン、ポリカーボネートのような樹脂材料、アルミナ、チタニアなどのセラミックス材料などが用いられる。
ウェル31は、マイクロプレート本体2に設けられ、被分析試料を収容する部材である。本実施形態では、ウェル31は、図1に示されるように、複数(8つ)が一列に並んで一体となって試料チャンバ3を形成し、試料チャンバ3がマイクロプレート本体2の試料チャンバ収容区画2Aに取り外し可能に取り付けられることによって、マイクロプレート本体2に設けられている。したがって、本実施形態のマイクロプレート1では、試料チャンバ3(およびウェル31)を取り換えることにより被分析試料を交換できるので、引き続く分析において、マイクロプレート本体2および変動磁場生成装置4を再利用することができる。ただし、ウェル31は、マイクロプレート本体2に設けられれば、上述した実施形態に限定されることはなく、たとえばマイクロプレート本体2に一体となって設けられてもよい。また、ウェル31は、被分析試料を収容することができ、マイクロプレート本体2に設けることができれば、その形状、大きさ、材質は特に限定されることはなく、たとえば公知のウェルと同等の物とすることができる。
変動磁場生成装置4は、マイクロプレート本体2に設けられ、ウェル31に収容された被分析試料を変動磁場に曝露するために、その変動磁場を生成する装置である。ここで、変動磁場という用語は、時間的に磁束密度や磁界の向きが変化する動的な磁場を意味する用語として用いられ、その変化は、連続的であってもよいし、断続的であってもよい。変動磁場生成装置4は、本実施形態では、図1に示されるように、磁場を生成する磁性体41と、ウェル31に収容された被分析試料に対して相対的に磁性体41を移動させるための磁性体移動機構42とを備えている。本実施形態の変動磁場生成装置4は、磁性体移動機構42により磁性体41を被分析試料に対して相対的に移動させることにより、被分析試料に対して、連続的に変化する変動磁場を生成することができる。変動磁場生成装置4は、このように磁性体41と磁性体移動機構42とを別々に備えることにより、磁性体41を自在に選択し、変更することができるので、変動磁場の大きさを種々選択し、容易に変更することができる。ただし、変動磁場生成装置4は、マイクロプレート本体2に設けられ、変動磁場を生成することができれば、上述の実施形態に限定されることはなく、たとえば、電磁石を備え、電磁石に流す電流の大きさを変化させることにより変動磁場を生成するように構成されてもよい。
磁性体41は、磁場を生成する部材である。磁性体41は、図1に示されるように、後述する磁性体移動機構42の磁性体支持部43dに取り外し可能に取り付けられる。磁性体41は、磁場を生成することができれば、特に限定されることはないが、たとえばフェライト、ネオジウム、サマリウムコバルトなどの永久磁石や電磁石などを採用することができる。また、磁性体41の出力レベルも、特に限定されることはなく、必要な磁場を生成できるように適宜設定することができる。磁性体41は、本実施形態では、図1に示されるように、1つのウェル31(図中、最も下側のウェル)に対応する位置にのみ1つだけ設けられているが、必要な磁場に応じて適宜設けることが可能であり、たとえば複数のウェル31に対応する位置に複数設けられてもよい。
磁性体移動機構42は、ウェル31に収容された被分析試料に対して相対的に磁性体41を移動させるように構成されている。磁性体移動機構42は、本実施形態では、後に詳述するように、被分析試料に対して磁性体41を移動させるように構成されている。このように、磁性体移動機構42が、被分析試料に対して磁性体41を移動させるように構成されることにより、被分析試料が変動磁場に曝露される前でも、曝露されている間も、さらに磁性体41が離間した後でも、マイクロプレートリーダーに対する被分析試料の位置が固定されるので、被分析試料の分析を継続して行なうことができる。ただし、磁性体移動機構42は、被分析試料に対して相対的に磁性体41を移動させるように構成されていればよく、磁性体41に対して被分析試料を移動させるように構成されてもよい。
磁性体移動機構42は、図1に示されるように、被分析試料に対して相対的に磁性体41を移動させる駆動部43と、駆動部43の動作を制御する制御部44とを備えている。
駆動部43は、図1に示されるように、駆動力を発生するモータ43aと、モータ43aの駆動力により回転する雄ネジ部43bと、モータ43aの駆動力を雄ネジ部43bに伝達するギヤ装置43cと、雄ネジ部43bの回転により移動する磁性体支持部43dとを備えている。モータ43aは、正逆回転可能に構成され、入手が容易な市販の電池などのモータ用電源43eにより駆動力を発生する。モータ43aのシャフト431aは、図2に示されるように、マイクロプレート本体2に回転可能に軸支され、ギヤ装置43cのピニオンギヤ431cが固定されている。雄ネジ部43bは、マイクロプレート本体2の底面部21に対して略平行で、マイクロプレート本体2の長手方向Xに沿ってモータ43a側からウェル31側に延びるように、マイクロプレート本体2に回転可能に軸支されている。ギヤ装置43cは、モータ43aのシャフト431aに固定されたピニオンギヤ431cと、雄ネジ部43bのモータ43a側の一端側に固定された平歯車434cと、ピニオンギヤ431cと平歯車434cの間にそれぞれ歯が噛み合うように連続的に配置され、マイクロプレート本体2に回転可能に軸支された2つの2段ギヤ432c、433cとを備えている。本実施形態の駆動部43では、モータ43aにより駆動力が発生してモータ43aのシャフト431aが回転すると、ピニオンギヤ431c、2つの2段ギヤ432c、433cおよび平歯車434cが回転することによって雄ネジ部43bが回転して、磁性体支持部43dが移動する。
磁性体支持部43dは、図1および図2に示されるように、ギヤ装置43cにより伝達されたモータ43aの駆動力により雄ネジ部43bが回転することによって、マイクロプレート本体2の底面部21に対して略平行な方向で、マイクロプレート本体2の長手方向Xに沿うように、ウェル31およびウェル31に収容された被分析試料に対して近接する方向および/または離間する方向に移動する。磁性体支持部43dは、表面が略矩形の略平板状に形成され、その平板表面が試料チャンバ3の複数のウェル31の並ぶ方向に対して略平行で、マイクロプレート本体2の底面部21に対して略垂直になるように配置されている。磁性体支持部43dは、その平板表面に磁性体41が取り外し可能に取り付けられる。磁性体支持部43dはさらに、雄ネジ部43bと螺合する雌ネジ部43fが設けられるとともに、マイクロプレート本体2の底面部21側に図示しない切欠き部が設けられている。その切欠き部に対して、マイクロプレート本体2の底面部21に、その表面から略垂直に立設し、長手方向Xに沿って延びる複数(7つ)のガイド部23が設けられている。磁性体支持部43dは、雌ネジ部43fが雄ネジ部43bと螺合することによって、雄ネジ部43bから移動のための推進力を得て、切欠き部がガイド部23と係合することによって、ガイド部23に案内されて、マイクロプレート本体2の長手方向Xに沿って移動する。磁性体支持部43dは、雄ネジ部43bおよびガイド部23に対応する複数の位置で支持されながら移動するので、試料チャンバ3に対して傾斜することなく直進することができる。したがって、本実施形態の変動磁場生成装置4は、磁性体支持部43dの傾斜による磁場の変動がもたらされることなく、モータ43aの駆動力に応じた変動磁場を生成することができる。
制御部44は、図1に示されるように、モータ用電源43eからモータ43aに送られる電力を調整することにより、駆動部43の動作を制御する。制御部44は、ON−OFF切換可能な電源スイッチ44aを備え、ユーザが電源スイッチ44aをONすることにより、入手が容易な市販の電池などの制御部用電源44dにより作動して、駆動部43の動作を制御する。制御部44は、駆動部43を制御することによって、駆動部43のさまざまな動作を可能にする。たとえば、制御部44は、被分析試料から最も離間した第1位置(図3(a))と、被分析試料に最も近接した第2位置(図3(b))との間で磁性体41が往復移動するように、駆動部43を制御することができる。また、制御部44は、モータ43aに送られる電力の極性を切換可能な正逆切換スイッチ44bを備え、ユーザが正逆切換スイッチ44bを切り換えることにより、モータ43aの回転方向を切り換えることができ、磁性体41の移動方向を切り換えることができる。制御部44はさらに、図1に示されるように、タイマー44eを備え、所定の時間間隔で駆動部43が動作するように、駆動部43の動作を制御することが可能である。したがって、たとえば磁性体41の往復運動の間の時間を所定の時間に設定することで、所定の時間間隔で被分析試料を変動磁場に曝露することができる。また、制御部44は、タイマーモードと常時ONモード(メンテナンスモード)とを切換えるモード切換スイッチ44cを備え、タイマー44eにより定められた所定の時間間隔で駆動部43が動作するタイマーモードと、常に駆動部43が動作する常時ONモードとに切り換えができるように構成されている。マイクロプレート1は、マイクロプレートリーダーに挿入されて分析される間は操作することができないが、このようなタイマーモードや常時ONモードを実行できるので、自動で所望の変動磁場を生成することができる。ただし、制御部44は、駆動部43の動作を制御できれば、本実施形態に限定されることはなく、マイクロプレートリーダーの外部から操作できるように構成されていてもよい。
磁性体移動機構42はさらに、図1に示されるように、ウェル31に収容された被分析試料に対して磁性体41が近接したことを検知する近接検知手段45と、ウェル31に収容された被分析試料に対して磁性体41が近接したことをマイクロプレートリーダーのユーザに通知するための通知装置46とを備えている。近接検知手段45は、本実施形態では、マイクロプレート本体2の試料チャンバ収容区画2Aに設けられた磁気式近接センサ45aと、磁性体支持部43dに設けられた磁石45bとを備え、磁気式近接センサ45aが磁石45bの近接を検知することにより、被分析試料に対して磁性体41が近接したことを間接的に検知するように構成されている。また、通知装置46は、本実施形態では、近接検知手段45が、被分析試料に磁性体41が近接したことを検知した時に、マイクロプレートリーダーの外部でユーザが聴覚的に認識可能な音が発生するように構成された音発生装置(たとえばスピーカー)が用いられている。このように、被分析試料に磁性体41が近接したことを通知装置46の音により通知されるので、マイクロプレートリーダーの外部において磁性体41が被分析試料に近接したことを認識することができる。特に、マイクロプレートリーダーでは、ノイズの原因となる外部光の内部への侵入が遮断されて、外部から内部を見ることができないようになっているので、音による通知は、このようなマイクロプレートリーダーにおいて有効である。ただし、近接検知手段45は、被分析試料に磁性体41が近接したことを検知することができれば、本実施形態に限定されることはなく、たとえば誘導形近接センサや静電容量形近接センサなどの他のセンサを用いたものであってもよい。また、通知装置46は、被分析試料に磁性体41が近接したことをユーザに通知することができれば、本実施形態に限定されることはなく、無線の通信手段などによってマイクロプレートリーダーの外部に通知するなど、他の通知手段が用いられてもよい。
つぎに、本実施形態のマイクロプレート1を用いて、マイクロプレートリーダーで被分析試料を分析することにより、変動磁場が被分析試料に及ぼす影響を調べる際のマイクロプレート1の動作を図3(a)および図3(b)を参照して説明する。ただし、以下の説明は、あくまで一例であり、本発明のマイクロプレートを限定するものではない。
まず、ユーザは、図3(a)に示されるように、被分析試料を収容したウェル31(試料チャンバ3)をマイクロプレート本体2の試料チャンバ収容区画2Aに取り付ける。つぎに、ユーザは、電源スイッチ44aをONにして、制御部44を作動させる。このとき、タイマー44eが所定の時間(たとえば1〜5分)に設定されているので、まだ駆動部43は動作せず、磁性体41は、被分析試料から最も離間した第1位置に保持される(図3(a)の状態)。そして、ユーザは、マイクロプレート1を図示しないマイクロプレートリーダーに挿入して、被分析試料の分析を行なう。これにより、磁場の影響を受けていない、またはほとんど受けていない状態の被分析試料の状態を分析することができる。
タイマーで設定した所定の時間が経過すると、駆動部43が作動して、モータ43aのシャフト431aが一方向に回転する。そして、モータ43aのシャフト431aの回転力が、ギヤ装置43cを介して雄ネジ部43bに伝達されて、雄ネジ部43bが一方向に回転する。雄ネジ部43bが回転することにより、磁性体41が取り付けられた磁性体支持部43dが試料チャンバ3に向かって前進移動し、磁性体41が、被分析試料に最も近接する第2位置まで移動する(図3(b)の状態)。被分析試料は、磁性体41が第1位置から第2位置に移動する間に徐々に大きくなる磁場に曝露されて、磁性体41が第2位置にあるときに最大の磁場に曝露される。このとき、磁性体支持部43dは、マイクロプレート本体2のガイド部23によってガイドされながら移動するので、試料チャンバ3の延びる方向(図3中、上下方向)に対して略平行な状態を維持することができる。したがって、磁性体支持部43dの傾斜(図3中、時計方向または反時計方向の回転)による磁場の変動(被分析試料と磁性体41との間の距離の変動)が生じることがなく、駆動部43の動作と磁性体41の移動が正確にリンクするので、被分析試料が曝露される変動磁場の大きさを駆動部43の動作により正確に制御することができる。
磁性体41が第2位置に達すると(図3(b)の状態)、近接検知手段45が、被分析試料に磁性体41が近接したことを検知して、検知信号を制御部44に送信する。このとき制御部44は、通知装置46に対してブザー音を発するように命令信号を送信するとともに、駆動部43に対してモータ43aに供給される電力の極性を反転するように命令信号を送信する。命令信号を受けた通知装置46がブザー音を発すると、ユーザは、被分析試料に磁性体41が近接したことを認識することができる。その一方で、命令信号を受けて、供給される電力の極性が反転されたモータ43aのシャフト431aは、一方向とは逆の他方向に回転して、磁性体支持部43dが、試料チャンバ3から離間する方向に後退移動する。
磁性体支持部43dが後退移動して、磁性体41が第1位置まで達すると(図3(a)の状態)、磁性体支持部43dがマイクロプレート本体2の壁24に当接するので、制御部44は、モータ43aが受けるトルクを検知して、駆動部43に対してモータ43aへの電力供給を停止するように命令信号を送信する。命令信号を受けて電力供給が停止されたモータ43aのシャフト431aは回転を停止するので、磁性体支持部43dの移動が停止して、磁性体41は第1位置で停止する。このとき、タイマー44eが所定の時間に設定されているので、その所定時間内に駆動部43が動作することがなく、磁性体41は、第1位置で保持される(図3(a)の状態)。ユーザは、この状態で被分析試料の分析を行なうことで、変動磁場に曝露された後の被分析試料の状態を分析することができる。これにより、被分析試料をマイクロプレートリーダーの外部の環境に曝すことなく、変動磁場への曝露前後で被分析試料の分析を行なうことができるので、被分析試料に及ぼす変動磁場の影響をより正確に検証することができる。
タイマー44eに設定された所定の時間が経過すると、制御部44は、駆動部43に対してモータ43aに再び反転した極性の電力を供給するように命令信号を送信する。再び反転した極性の電力の供給を受けたモータ43aのシャフト431aは、他方向とは逆の一方向への回転を再開して、磁性体41は、上述した往復移動を繰り返す。ユーザは、磁性体41が第1位置まで再度戻ってきたときに、被分析試料の分析を行なうことで、再度変動磁場に曝露された被分析試料の受けた影響を検証することができる。
上述した説明では、磁性体41が第1位置および第2位置の間を1回往復移動する毎に、被分析試料を分析する例について説明したが、検証しようとする変動磁場の影響に応じて曝露条件は適宜設定することが可能であり、たとえば、磁性体41が複数回往復した後にまとめて、被分析試料を分析してもよいし、磁性体41の移動途中に、被分析試料を分析してもよい。特に、本実施形態のマイクロプレート1では、図1に示されるように、被分析試料が収容されるウェル31と変動磁場生成装置4とが、マイクロプレート本体2の底面部21に対して略平行な方向に沿って隣接して配置されているので、変動磁場生成装置4がマイクロプレートリーダーの入射光および検出光の光路を遮ることがなく、被分析試料の磁場への曝露および分析を同時に行なうことができる点で有利である。
また、上述した説明では、マイクロプレート1において被分析試料を変動磁場に曝露する操作と、マイクロプレートリーダーにおいて被分析試料を分析する操作とを別々に行なう例について説明した。本実施形態のマイクロプレート1は、汎用的な形状および大きさに形成され、マイクロプレートリーダーとは独立して操作可能であるので、多くの種類のマイクロプレートリーダーに適用可能である点で有利である。ただし、マイクロプレートにおける変動磁場への曝露と、マイクロプレートリーダーにおける分析とを連動させて自動で操作するようにしても構わない。
1 マイクロプレート
2 マイクロプレート本体
21 底面部
22 側面部
23 ガイド部
24 壁
2A 試料チャンバ収容区画
2B 変動磁場生成装置収容区画
3 試料チャンバ
31 ウェル
4 変動磁場生成装置
41 磁性体
42 磁性体移動機構
43 駆動部
43a モータ
431a シャフト
43b 雄ネジ部
43c ギヤ装置
431c ピニオンギヤ
432c、433c 2段ギヤ
434c 平歯車
43d 磁性体支持部
43e モータ用電源
43f 雌ネジ部
44 制御部
44a 電源スイッチ
44b 正逆切換スイッチ
44c モード切換スイッチ
44d 制御部用電源
44e タイマー
45 近接検知手段
45a 磁気式近接センサ
45b 磁石
46 通知装置
X 長手方向
Y 短手方向

Claims (5)

  1. マイクロプレートリーダーにより被分析試料を分析するために、被分析試料を収容し、マイクロプレートリーダーに挿入されるマイクロプレートであって、
    マイクロプレート本体と、
    前記マイクロプレート本体に設けられ、前記被分析試料を収容するウェルと、
    前記マイクロプレート本体に設けられ、前記ウェルに収容された前記被分析試料を変動磁場に曝露するために、前記変動磁場を生成する変動磁場生成装置と
    を備え
    前記変動磁場生成装置が、
    磁場を生成する磁性体と、
    前記ウェルに収容された前記被分析試料に対して相対的に前記磁性体を移動させるための磁性体移動機構と
    を備えたマイクロプレート。
  2. 前記磁性体移動機構が、
    前記被分析試料に対して相対的に前記磁性体を移動させる駆動部と、
    前記駆動部の動作を制御する制御部とを備え、
    前記制御部が、タイマーを備え、所定の時間間隔で前記駆動部が動作するように、前記駆動部の動作を制御することが可能である請求項記載のマイクロプレート。
  3. 前記磁性体移動機構が、
    前記ウェルに収容された前記被分析試料に対して前記磁性体が近接したことを検知する近接検知手段と、
    前記ウェルに収容された前記被分析試料に対して前記磁性体が近接したことを前記マイクロプレートリーダーのユーザに通知するための通知装置と
    を備えた請求項または記載のマイクロプレート。
  4. 前記磁性体移動機構が、
    前記被分析試料に対して相対的に前記磁性体を移動させる駆動部と、
    前記駆動部の動作を制御する制御部とを備え、
    前記駆動部が、
    駆動力を発生するモータと、
    前記モータの駆動力により回転する雄ネジ部と、
    前記モータの駆動力を前記雄ネジ部に伝達するギヤ装置と、
    前記磁性体が取り外し可能に取り付けられ、前記雄ネジ部と螺合する雌ネジ部が設けられ、前記雄ネジ部の回転により移動する磁性体支持部と
    を備えた請求項のいずれか1項に記載のマイクロプレート。
  5. 前記マイクロプレートリーダーが蛍光分析装置、発光分析装置または吸光分析装置である請求項1〜のいずれか1項に記載のマイクロプレート。
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