JP6611271B2 - 動画品質制御装置、ビットレート選択方法、及びプログラム - Google Patents

動画品質制御装置、ビットレート選択方法、及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP6611271B2
JP6611271B2 JP2017134163A JP2017134163A JP6611271B2 JP 6611271 B2 JP6611271 B2 JP 6611271B2 JP 2017134163 A JP2017134163 A JP 2017134163A JP 2017134163 A JP2017134163 A JP 2017134163A JP 6611271 B2 JP6611271 B2 JP 6611271B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bit rate
throughput
qoe
video
estimated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017134163A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019016961A (ja
Inventor
拓人 木村
隆文 奥山
存史 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2017134163A priority Critical patent/JP6611271B2/ja
Publication of JP2019016961A publication Critical patent/JP2019016961A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6611271B2 publication Critical patent/JP6611271B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Two-Way Televisions, Distribution Of Moving Picture Or The Like (AREA)
  • Data Exchanges In Wide-Area Networks (AREA)

Description

本発明は、ネットワークを介した動画配信において、配信される動画データのビットレートを選択する技術に関連するものである。
近年のモバイルネットワークの普及に伴い、モバイルネットワークを介したアプリケーションやサービスが多数提供されている。その中でも代表的なサービスが動画配信サービスである。
近年の動画配信サービスは、再生開始待ち時間低減のため、動画データを全てダウンロードしてから再生するという形式ではなく、動画データをダウンロードしながら同時に再生するという配信形態をとっていることが多い。この配信形態はプログレッシブダウンロード(PDL)型と呼ばれており、Youtube(登録商標)やNetflix(登録商標)をはじめとした多くの動画配信サービスで利用されている方式である。
PDL型動画配信の中でも、近年ではAdaptive Bitrate (ABR)方式が広く利用されている。図1の(a)に、ABR方式の模式図を示す。図示するように、ABR方式では、配信サーバは動画データを一定時間ごとのデータ(チャンクと呼ばれる)に分割し、それぞれ何パターンかの条件で再エンコードして保存しておく。図中では、500kbps、1000kbps、2000kbpsで再エンコードされた状態を一例として示している。再生クライアントは、準備されたビットレートの中から、どのビットレートで受信するかを、各チャンクを受信するタイミングごとに決定することができる。図中では、再生クライアントが500kbps、1000kbps、2000kbps、500kbps、2000kbpsの順に受信した様子を表している。
ABRはPDL方式の一つであるため、受信しながら再生を行うが、再生を行うには、再生データの受信が完了している必要がある。ABRでは、この受信が完了し、バッファに格納されたデータをバッファデータと呼ぶ。図1の(b)では、前述のビットレート系列を選択したときのバッファ長時系列の一例を示している。なお、バッファ長は、バッファに格納されたデータの再生時間長である。まず、図示のとおり、バッファ長は0の状態から開始し、チャンクの受信が完了すると、チャンクの秒数分だけバッファ長が補填される。そして、バッファ長が一定値を超えると、再生が開始される。この値は再生プレイヤーによって異なる値が設定されるが、図1(b)に示す例では、1チャンク分のデータがバッファに蓄積された時点で再生が開始されるものとした。再生が始まると、バッファ長は徐々に減少しながら、同時に次のチャンクの受信を開始する。図1(b)に示す例では、2チャンク目に1チャンク目よりもビットレートの高いチャンクを選択しているため、より受信に時間がかかっている。3チャンク目の受信はより高いビットレートのため、一般的には受信により時間がかかる。そのため、その時のスループットが低い場合には、バッファ長が0となり、停止が発生する可能性がある。この例では、3チャンク目の受信中にバッファが枯渇した様子を表している。
一般的に高いビットレートで、停止が少ないほど体感品質(QoE)は高くなる。しかし、この例で示したように、高いビットレートを選択するほど、停止のリスクが上昇するため、ビットレートの選択は適切に行う必要がある。
ビットレートを決定するアルゴリズムは、ビットレート選択アルゴリズムと呼ばれている。ビットレート選択アルゴリズムは、その時のバッファ長やスループット系列を入力として、次に選択するチャンクのビットレートを出力する。しかし、不適切なビットレート選択アルゴリズムは、体感品質(QoE)の劣化を招いてしまう可能性がある。例えば、最低ビットレートを選び続けた場合、再生停止を防ぐことはできるものの、画質が劣化してしまうため、QoEは劣化する。一方、最高ビットレートを選び続けても、画質は向上するものの、再生停止が発生し、QoEは劣化する。
ABR型動画配信のQoEは、どのビットレートを選んだか、結果としてどの程度停止が発生したかという情報を元にして決定される。既に様々なモデルが提案されているが、2017年、それらの知見を元にして、ITU-Tで標準化が完了した(非特許文献1)。
ITU-T Recommendation P.1203, "Parametric bitstream-based quality assessment of progressive download and adaptive audiovisual streaming services over reliable transport," Nov. 2016. A. H. Zahran, J. Quinlan, D. Raca, C. J. Sreenan, E. Halepovic, R. K. Sinha, R. Jana, and V. Gopalakrishnan, "OSCAR: An Optimized Stall- cautious Adaptive Bitrate Streaming Algorithm for Mobile Networks,"in Proc. ACM Workshow on Mobile Video, 2016, pp. 2:1-2:6. X. Yin, A. Jindal, V. Sekar, and B. Sinopoli, "A Control-Theoretic Approach for Dynamic Adaptive Video Streaming over HTTP," in Proc. ACM SIGCOMM. ACM, 2015, pp. 325-338. T.-Y. Huang, R. Johari, N. McKeown, M. Trunnell, and M. Watson,"A Buffer-based Approach to Rate Adaptation: Evidence from a Large Video Streaming Service," in Proc. ACM SIGCOMM, 2014, pp. 187- 198.
これまでに提案されているビットレート選択制御方式(非特許文献2、3、4)には、以下で説明する2つの課題がある。
一つ目の課題は、ITU-Tで規定されたQoEの定義に基づく制御を実現できないことである。既存の方式は、独自に定義した効用関数の値を元に制御を行っているため、その制御を適用することが必ずしもITU-Tで規定されたQoEを最大化することにつながるとは限らない。また、ITU-T規定のQoEは平均再生停止間隔や忘却効果など、従来考慮していなかった要素を考慮したモデルとなっているため、既存の方式の目的関数を置き換えるだけで適用することもできない。
二つ目の課題は、通信のトラヒック量が増大してしまうという点である。トラヒック量が多くなることは、配信事業者、ネットワーク事業者、ユーザそれぞれにとってデメリットをもたらす。配信事業者にとっては、トランジット量が高くなるため、サービス維持にかかる費用が高くなってしまう。ネットワーク事業者にとっては、増え続ける動画トラヒックに対応して設備を増強するため、CAPEXが増加してしまう。ユーザにとっては、月あたりのデータ通信量制限に引っかかってしまう可能性が高くなる。容易に推定可能なトラヒック量削減方式として、最低ビットレートを選び続ける方式が考えられる。この方式は、トラヒック量を削減することはできるものの、QoEを同時に管理することはできない。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、動画配信サービスを利用する際に、ITU-Tで規定されたQoEに基づく制御を行いながら、トラヒック量を抑えることを可能とする技術を提供することを目的とする。
開示の技術によれば、 動画配信サービスにおいて配信サーバから配信される動画データのビットレートを選択する動画品質制御装置であって、
前記配信サーバから動画データをダウンロードする際のスループットを推定するスループット推定手段と、
前記スループット推定手段により推定されたスループットに基づいて、選択可能な複数のビットレート系列のそれぞれに対するQoEを推定し、推定されたQoEが所与の目標値以上となり、かつ、トラヒック量が最小となるビットレート系列におけるビットレートを選択するビットレート選択手段とを備え、
前記ビットレート選択手段は、計算対象のビットレート系列の各ビットレートと、チャンク長とを掛けた値の和により前記トラヒック量を算出する
ことを特徴とする動画品質制御装置が提供される。
開示の技術によれば、動画配信サービスを利用する際に、ITU-Tで規定されたQoEに基づく制御を行いながら、トラヒック量を抑えることが可能となる。
ABR方式を説明するための図である。 本発明の実施の形態におけるシステム構成図である。 動画再生装置300の処理動作の概要を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の形態における装置のハードウェア構成図である。 使用する記号をまとめた図である。 実施例1におけるビットレート選択ユニット202が実行する処理手順に対応する擬似コードである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態(本実施の形態)を説明する。以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られるわけではない。例えば、再生停止状態の推定方法として、以下で説明する方法以外の方法を使用してもよい。
(実施の形態の概要)
本実施の形態では、上述した2つの課題を解決するために、新たなビットレート選択制御方式を使用する。本実施の形態におけるビットレート選択制御方式では、QoEの目標値が与えられ、後述する動画再生装置300が、そのQoE目標値を達成するビットレート系列のうち、最もトラヒック量が少なくすむビットレート系列を選択する。
まず、第一の課題を解決するために、あるビットレート系列を選択したとき、初期時刻t0からh秒後(hは事前に決められているものとする)のQoEを、全てのビットレート系列パターンについて計算する。
より具体的には、まずt0からh秒後までの各時刻のスループットの値を推定し、各時刻のスループットの値を有する推定スループット系列を得る。次に推定スループット系列とビットレート系列から、再生停止状態の予測を行う。最後に、ビットレート系列と再生停止状態から、QoEの計算を行う。そして、得られたビットレート系列とQoEの組み合わせの中から、QoEが目標値以上となる系列のみを選び出す。このような制御により、ITU-Tで規定されたQoEの定義に基づく制御が実現される。
次に、第二の課題を解決するために、得られたビットレート系列群(QoEが目標値以上となる系列群)から、最もトラヒック量が少なくなるビットレート系列を選択する。トラヒック量は、ビットレート系列の各ビットレートとチャンクサイズとを掛けた値の和で計算する。そして、選ばれたビットレート系列の先頭要素を選択ビットレートとする。なお、先頭要素を選択することは一例である。
上記のようにビットレート系列を選択することで、過剰な品質を抑えながら、トラヒック量を抑えたビットレート選択が実現される。
所与と仮定したQoE目標値は、配信事業者が設定してもよいし、ユーザが設定してもよい。例えば、QoE=2.5にすれば、ユーザ全体の50%が普通以上だと感じる品質を実現でき、QoE=3.5にすれば、ユーザ全体の90%が普通以上だと感じる品質を実現することができる。また、QoE=5.0にすれば、与えられたネットワーク品質の中でQoEが最高になる動画配信を実現することも可能となる。
(システム構成)
図2に、本発明の実施の形態におけるシステム構成例を示す。図2に示すように、本実施の形態のシステムは、動画再生装置300と配信サーバ400を有する。動画再生装置300と配信サーバ400との間はネットワークで接続される。
配信サーバ400は、図1を参照して説明したようなABR方式の動画配信を実行するサーバである。動画再生装置300は、配信サーバ400から配信される動画データ(チャンク)を受信し、再生するとともに、ビットレート選択処理を実行する。
図2に示すとおり、動画再生装置300は、動画再生部100とビットレート選択部200を有する。動画再生部100は、動画再生ユニット101と、ユーザインターフェース102を有し、ビットレート選択部200は、スループット推定ユニット201と、ビットレート選択ユニット202を有する。
動画再生装置300の処理動作の概要を図3のフローチャートを参照して説明する。ユーザインターフェース102から視聴要求を受け付ける(ステップS1)と、動画再生ユニット101から、ビットレート選択ユニット202に対してビットレート選択要求を行う(ステップS2)。当該ビットレート選択要求には、動画再生ユニット101における現在のバッファ長とこれまでのスループット系列(時系列のスループットの実績値)が含まれ、これらがビットレート選択ユニット202に対して入力として与えられる。
ビットレート選択ユニット202は、後述するアルゴリズムに従ってビットレートを決定し、動画再生ユニット101に通知する(ステップS3)。動画再生ユニット101は、配信サーバ400に対して、ビットレート選択ユニット202により決定されたビットレートのチャンクの要求を行い、受信したチャンクを再生する(ステップS4)。再生においては、図1(b)に示したように、チャンクの受信、バッファへの格納、再生が順次行われる。
動画再生ユニット101からビットレート選択ユニット202へのビットレート選択要求は、各チャンクの受信完了ごとに行ってもよいし、一定チャンク数受信完了ごと、もしくは一定時間経過ごとに行ってもよい。
なお、図2に示す構成は、1つの装置(動画再生装置300)に動画再生部100とビットレート選択部200を備えることとしているが、これは一例に過ぎない。例えば、動画再生部100を動画再生装置300とし、ビットレート選択部200を動画再生装置300とは別の装置としてもよい。この場合、動画再生装置300と、ビットレート選択部200としての別の装置はネットワークにより接続される。この別の装置を動画品質制御装置と称してもよい。また、図2に示す動画再生装置300を動画品質制御装置と称してもよい。
上述した各装置(図2に示す動画再生装置300、動画再生部100のみを含む動画再生装置300、別の装置)はいずれも、コンピュータに、本実施の形態で説明する処理内容を記述したプログラムを実行させることにより実現可能である。すなわち、当該装置が有する機能は、コンピュータに内蔵されるCPUやメモリ等のハードウェア資源を用いて、当該装置で実施される処理に対応するプログラムを実行することによって実現することが可能である。上記プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(可搬メモリ等)に記録して、保存したり、配布したりすることが可能である。また、上記プログラムをインターネットや電子メール等、ネットワークを通して提供することも可能である。
図4は、本実施の形態における上記装置のハードウェア構成例を示す図である。図4の装置は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置150、補助記憶装置152、メモリ装置153、CPU154、インタフェース装置155、表示装置156、及び入力装置157等を有する。
当該装置での処理を実現するプログラムは、例えば、CD−ROM又はメモリカード等の記録媒体151によって提供される。プログラムを記憶した記録媒体151がドライブ装置150にセットされると、プログラムが記録媒体151からドライブ装置150を介して補助記憶装置152にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体151より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置152は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
メモリ装置153は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置152からプログラムを読み出して格納する。CPU154は、メモリ装置153に格納されたプログラムに従って当該装置に係る機能を実現する。インタフェース装置155は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。表示装置156はプログラムによるGUI(Graphical User Interface)等を表示する。入力装置157はキーボード及びマウス、ボタン、又はタッチパネル等で構成され、様々な操作指示を入力させるために用いられる。
(ビットレート選択処理の詳細)
以下、ビットレート選択部200が実行するビットレート選択処理を詳細に説明する。以下では、ビットレートの選択を1チャンク単位で行う場合の例を実施例1として説明し、ビットレートの選択をh0チャンク単位で行う場合の例を実施例2として説明する。
(実施例1:ビットレートの選択を1チャンク単位で行う場合)
まず、実施例1におけるビットレート選択部200が実行するビットレート選択処理について説明する。説明時に使用する記号をまとめて図5に示すとともに、以下に記載する。これらの記号の定義は実施例2でも同様である。
なお、明細書本文における使用可能文字の関係から、図5に示した各記号は、明細書本文では下記のとおりの文字を使用して表現する。以下、「・記号:意味」を記載している。以下に示すように、例えば、「平均」については、文字の頭にバーを付ける代わりに、aveの文字を付けて表現している。なお、各閾値、目標値は、予めビットレート選択部200に格納される。
・t : 時刻
・bt : 時刻tにおけるバッファ長
・r : 選択ビットレート系列
・ri : i番目のチャンクの選択ビットレート
・li : i番目のチャンク長
・ct : 時刻t-1からtにおける実測スループット
・~ct : 時刻t-1からtにおける予測スループット
・xt : 時刻tで受信するなら1,そうでなければ0をとる変数
・yt : 時刻tで受信しきれなかったビット量
・nt : 時刻tまでに受信が始まったチャンク数
・pt : 時刻tで再生中なら1, 停止中なら0をとる変数
・sd t : 時刻tまでの累計停止間隔
・sl t : 時刻tまでの累計停止時間
・sn t : 時刻tまでの累計停止回数
・sd ave : 平均停止間隔
・sl ave : 平均停止時間
・sn : 停止回数
・Tlow : バッファ長の下限を表す閾値
・Thigh : バッファ長の上限を表す閾値
・L : 動画長
・N : 動画のチャンク数
・h : 予測ホライズン
・f(r, sn, sd ave, sl ave): QoEを求める関数
・qt : 時刻tにおけるQoE
・Tq : QoE目標値
・Tb : バッファ長閾値
なお、上記の「時刻tで受信しきれなかったビット量」とは、時刻t-1から時刻tまでの間に受信を開始したチャンクの内、時刻tにおいて受信が完了していないデータのビット量を指す。また、「累計停止間隔」とは、停止間隔の累計時間を意味する。例えば3回停止が発生し、1回目が1秒~5秒、2回目が10秒〜13秒、3回目が15秒〜20秒であった場合、停止間隔は5秒、2秒なので、累計停止間隔は7秒となる。停止回数が2回未満の場合、この値は0となる。
現在の時刻をt0としたとき、スループット推定ユニット201は、t0+h秒までのスループットを推定する。推定された結果は、t0秒からt0+h秒までの1秒毎の推定スループットからなるスループット系列である。また、ここでのスループットは、動画再生装置300が配信サーバ400から配信される動画データをダウンロードする際のスループットである。なお、スループットはネットワーク品質の一例であり、ネットワーク品質としてスループット以外の指標を使用してもよい。スループットを推定する方式は任意のものを利用してよい。例えば、調和平均を用いて以下の式によって逐次的に計算できる。
Figure 0006611271
上記の式において、cは予め定められた正の整数である。また、スループット推定ユニット201は、過去のネットワーク品質情報を用いて将来のスループットを計算してもよい。得られたスループット系列は、ビットレート選択ユニット202に渡される。
次に、ビットレート選択ユニット202は、推定されたスループットである~ctを利用して、ビットレートの選択を行う。本実施例では、選択可能なビットレート系列に対してqt0+h、bt0+hを計算し、qt0+h≧Tqかつbt0+h≧Tbとなる系列のうち、最もトラヒック量が少ない系列の要素のビットレートを選択する。このとき、hは十分大きな値としてもよいし、数十秒程度の値にしてもよい。また、hを十分大きくした場合、バッファ長の条件(bt0+h≧Tb)を削ってもよい。
図6に、ビットレート選択ユニット202が実行する処理手順に対応する擬似コードを示す。以下、当該擬似コードに従って、ビットレート選択ユニット202が実行する処理内容を説明する。
1行目では、以下の式に従って、候補ビットレート系列r^の初期化を行う。
r^={rmin, rmin, … , rmin}
ここで、rminは、用意されたビットレート群の中で最も低いビットレートである。例えば図1に示したように500kbps、1000kbps、2000kbpsのビットレート群があった場合には、rmin = 500kbpsとなる。
2行目〜11行目では、選択可能なrについてそれぞれ処理が実行される。例えば、500kbps、1000kbps、2000kbpsのビットレート群があるとして、t0秒からt0+h秒までの間に、3回のビットレート選択を行うとすると、選択可能なrとは、 {500kbps, 500kbps, 500kbps}、{1000kbps, 500kbps, 500kbps}、...、{2000kbps, 2000kbps, 2000kbps}などのビットレートの組み合わせになる。例えば、{1000kbps, 500kbps, 500kbps}は、最初に1000kbpsのチャンクを選択し、次に500kbpsのチャンクを選択し、その次に500kbpsのチャンクを選択することを意味する。
3行目では、次の式に従って各変数が初期化される:t=t0, x0=1, n0=1, p0=0, y0=0, b0=0, sl 0 =0, sd 0 =0, sn 0 =0。
4行目〜7行目では、時間を1秒づつ進めながら、各変数が更新される。5行目のcalculateの処理内容は下記のとおりである。
xtは、下記の式に示すとおり、直前のバッファ長が閾値Thighを超えているかどうかで判定される。
Figure 0006611271
判定の結果、xt=0の場合、その時刻ではチャンクの受信を行わないため、各変数は次のように更新される:nt= nt-1, pt=1, yt=0, bt= bt-1, sn t = s n t-1, sl t = s l t-1, sd t = s d t-1
判定の結果、xt=1の場合、ntは、時刻tまでにチャンクを最後まで受信可能な場合、時刻tまでにチャンクを一つも受信しきれない場合、時刻tまでに1つ以上のチャンクを受信可能な場合の3つの場合に分けて計算する。
まず、補助変数として以下の式に示すようにgi,t, hi,tを導入する。gi,tは、時刻tにおいてi番目のチャンクまで受信完了したときの、t-1からtまでに受信したビット量を表し、hi,tは、時刻tにおいてi番目のチャンクまで受信完了したときのバッファ長を表す。
Figure 0006611271
Figure 0006611271
gi,t, hi,tを利用して、ntは以下のようにして算出される。
Figure 0006611271
上記の右辺の式における1番目(最上段)は、時刻tまでにチャンクを最後まで受信可能な場合に対応し、2番目(中断)は、時刻tまでにチャンクを一つも受信しきれない場合に対応し、3番目(最下段)は、時刻tまでにチャンクを1つ以上受信可能な場合に対応する。3番目の式は、ビット量が予測スループットよりも小さく、かつ、バッファ長が、バッファ長の上限以下となる最大のチャンク数mをntとするものである。
次に、ytを計算する。ytは、チャンク受信中にバッファ長がThighに達したときは0となり、それ以外のときは受信を開始したビット量とネットワーク帯域(予測スループット)の差で表される。すなわち、ytは以下の式で計算される。
yt =max(gnt,t - ~ct, 0)
なお、上記の式の中の「gnt,t」の添字において、ntをntと表記している。再生状態を表すptは、再生開始 (再開)前かつバッファ長が閾値に達していないとき、及びバッファが枯渇したときには0となり、それ以外のときには1となるため、以下のように計算される。
Figure 0006611271
バッファ長btは、再生状態と受信するチャンク数に応じて以下のように計算される。
Figure 0006611271
再生状態を表すsn t, sl t, sd t,は下記のように更新される。ただし、Δx= xt - xt-1とする。
sn t =max(Δx, 0)+ s n t-1
sl t =1- xt + s l t-1
sd t = max(-Δx, 0)・(t+1-max{i|xi = 0})+ s d t-1
図6の6行目では、時刻を1だけ進める。tがt0+hに達すると、t0+hでの各変数の値が得られる。
続いて、8行目ではまず、以下の式に従ってQoEを求めるために必要な値を算出する。
Figure 0006611271
次に、以下の式に従ってqt0+hを求める。
qt0+h = f(r, sn, sd ave,sl ave)
上記の関数f()として、例えば、ITU-T規定のQoE算出のためのモデルを使用することができる。また、ITU-T規定のモデル以外のモデルを使用してもよい。
9行目では、「時刻t0+hにおけるQoEが閾値以上、かつ、バッファ長が閾値以上、かつ、現在対象としている選択ビットレート系列rが、現在の候補ビットレート系列r^と比較して、トラヒック量が少ない」かどうかを判定し、全て満たす場合には、10行目で、現在対象としている選択ビットレート系列rで候補ビットレート系列r^を更新する。
3〜11行目が各rについて計算され、13行目において、候補ビットレート系列の(nt-1+1)番目の要素である
Figure 0006611271
を最終的な選択ビットレートとして出力する。(nt-1+1)番目の要素とする理由は、nt-1番目の要素は受信が開始されているので、その次の要素を配信サーバに要求するチャンクのビットレートとするためである。ただし、複数チャンク受信完了ごとにビットレート選択要求が出される場合、
Figure 0006611271
を先頭要素とした複数のビットレート系列を返してもよい。
例えば、最終的にr^=(500,1000,2000,1000,500)となり、nt-1=2であるとすると、nt-1+1=3番目の2000が出力される。また、2チャンク受信完了ごとにビットレート選択要求を出す場合、3番目と4番目の要素である2000、1000が出力される。
(実施例2: ビットレートの選択をh0チャンク単位で行う場合)
実施例1におけるビットレート選択を実行する場合、探索空間が広くなるため、再生クライアントである動画再生装置300の処理能力の大きさによっては実時間内に探索が終わらなくなる可能性がある。そのため、ビットレートの選択を1チャンク単位ではなく、h0(h0>1)チャンク単位で行った場合の実施例を実施例2とする。本実施例における擬似コードは実施例1と同様だが、最終的に返す値は配列
Figure 0006611271
とする。すなわち、候補ビットレート系列r^の(nt-1+1)番目、(nt-1+2)番目、….. (nt-1+ h0)番目の要素が返される。
(実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、ITU-T規定のQoEに基づき、過剰な品質を抑えながら、トラヒック量をできる限り抑えることが可能となる。そのため、QoEを適切な基準に保ちながら、動画配信事業者はトランジット料金を抑えることが可能になり、ネットワーク事業者はCAPEXを抑えることが可能となり、ユーザは月あたりに利用可能なデータ通信量を節約することが可能となる。
(実施の形態のまとめ)
以上、説明したように、本実施の形態によれば、動画配信サービスにおいて配信サーバから配信される動画データのビットレートを選択する動画品質制御装置であって、
前記配信サーバから動画データをダウンロードする際のスループットを推定するスループット推定手段と、
前記スループット推定手段により推定されたスループットに基づいて、選択可能な複数のビットレート系列のそれぞれに対するQoEを推定し、推定されたQoEが所与の目標値以上となり、かつ、トラヒック量が最小となるビットレート系列におけるビットレートを選択するビットレート選択手段と
を備えることを特徴とする動画品質制御装置が提供される。
実施の形態における動画再生装置300、スループット推定ユニット201、ビットレート選択ユニット202はそれぞれ、動画品質制御装置、スループット推定手段、ビットレート選択手段の例である。
前記ビットレート選択手段は、前記推定されたQoEが所与の目標値以上となり、かつ、動画再生部におけるバッファ長が所与の閾値以上となり、かつ、トラヒック量が最小となるビットレート系列におけるビットレートを選択することとしてもよい。
前記ビットレート選択手段は、例えば、計算対象のビットレート系列におけるビットレートと、当該ビットレートの動画データサイズとを掛けることにより前記トラヒック量を算出する。
以上、本実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
100 動画再生部
101 動画再生ユニット
102 ユーザインターフェース
200 ビットレート選択部
201 スループット推定ユニット
202 ビットレート選択ユニット
300 動画再生装置
400 配信サーバ
150 ドライブ装置
151 記録媒体
152 補助記憶装置
153 メモリ装置
154 CPU
155 インタフェース装置
156 表示装置
157 入力装置

Claims (5)

  1. 動画配信サービスにおいて配信サーバから配信される動画データのビットレートを選択する動画品質制御装置であって、
    前記配信サーバから動画データをダウンロードする際のスループットを推定するスループット推定手段と、
    前記スループット推定手段により推定されたスループットに基づいて、選択可能な複数のビットレート系列のそれぞれに対するQoEを推定し、推定されたQoEが所与の目標値以上となり、かつ、トラヒック量が最小となるビットレート系列におけるビットレートを選択するビットレート選択手段とを備え、
    前記ビットレート選択手段は、計算対象のビットレート系列の各ビットレートと、チャンク長とを掛けた値の和により前記トラヒック量を算出する
    ことを特徴とする動画品質制御装置。
  2. 前記ビットレート選択手段は、前記推定されたQoEが所与の目標値以上となり、かつ、動画再生部におけるバッファ長が所与の閾値以上となり、かつ、トラヒック量が最小となるビットレート系列におけるビットレートを選択する
    ことを特徴とする請求項1に記載の動画品質制御装置。
  3. 動画配信サービスにおいて配信サーバから配信される動画データのビットレートを選択する動画品質制御装置が実行するビットレート選択方法であって、
    前記配信サーバから動画データをダウンロードする際のスループットを推定するスループット推定ステップと、
    前記スループット推定ステップにより推定されたスループットに基づいて、選択可能な複数のビットレート系列のそれぞれに対するQoEを推定し、推定されたQoEが所与の目標値以上となり、かつ、トラヒック量が最小となるビットレート系列におけるビットレートを選択するビットレート選択ステップとを備え、
    前記ビットレート選択ステップにおいて、前記動画品質制御装置は、計算対象のビットレート系列の各ビットレートと、チャンク長とを掛けた値の和により前記トラヒック量を算出する
    ことを特徴とするビットレート選択方法。
  4. 前記ビットレート選択ステップにおいて、前記動画品質制御装置は、前記推定されたQoEが所与の目標値以上となり、かつ、動画再生部におけるバッファ長が所与の閾値以上となり、かつ、トラヒック量が最小となるビットレート系列におけるビットレートを選択する
    ことを特徴とする請求項に記載のビットレート選択方法。
  5. コンピュータを、請求項1又は2に記載の動画品質制御装置における各手段として機能させるためのプログラム。
JP2017134163A 2017-07-07 2017-07-07 動画品質制御装置、ビットレート選択方法、及びプログラム Active JP6611271B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017134163A JP6611271B2 (ja) 2017-07-07 2017-07-07 動画品質制御装置、ビットレート選択方法、及びプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017134163A JP6611271B2 (ja) 2017-07-07 2017-07-07 動画品質制御装置、ビットレート選択方法、及びプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019016961A JP2019016961A (ja) 2019-01-31
JP6611271B2 true JP6611271B2 (ja) 2019-11-27

Family

ID=65356997

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017134163A Active JP6611271B2 (ja) 2017-07-07 2017-07-07 動画品質制御装置、ビットレート選択方法、及びプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6611271B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020158093A1 (ja) * 2019-02-01 2020-08-06 株式会社Nttドコモ 制御装置及び通信装置
US20240007691A1 (en) 2020-11-05 2024-01-04 Nippon Telegraph And Telephone Corporation Throughput estimation apparatus, throughput estimation method and program
WO2022201225A1 (ja) * 2021-03-22 2022-09-29 日本電信電話株式会社 制御装置、制御方法及びプログラム
WO2024116385A1 (en) * 2022-12-01 2024-06-06 Nippon Telegraph And Telephone Corporation Video player, video playback method, and program

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5035224B2 (ja) * 2008-12-02 2012-09-26 沖電気工業株式会社 ネットワーク機器、及びネットワーク情報の推定方法
EP2525587B1 (en) * 2011-05-17 2017-07-05 Alcatel Lucent Method for streaming video content, node in a network for monitoring video content streaming
CN114422833A (zh) * 2012-07-10 2022-04-29 Vid拓展公司 由无线发射/接收单元执行的方法及无线发射/接收单元
US10193662B2 (en) * 2014-09-19 2019-01-29 Panasonic Intellectual Property Corporation Of America Router, terminal, and congestion control method for router and terminal
JP6276206B2 (ja) * 2015-01-30 2018-02-07 日本電信電話株式会社 帯域割り当て制御装置及び帯域割り当て制御方法
US10681416B2 (en) * 2015-02-04 2020-06-09 Nippon Telegraph And Telephone Corporation Quality-of-experience optimization system, quality-of-experience optimization apparatus, recommend request apparatus, quality-of-experience optimization method, recommend request method, and program

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019016961A (ja) 2019-01-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6611271B2 (ja) 動画品質制御装置、ビットレート選択方法、及びプログラム
Karagkioules et al. Online learning for low-latency adaptive streaming
CN110198495B (zh) 一种视频下载和播放的方法、装置、设备和存储介质
WO2017094847A1 (ja) 体感品質最適化装置、ネットワーク品質推定装置、モバイル端末、体感品質最適化方法、ネットワーク品質推定方法、及びプログラム
Lekharu et al. Deep learning based prediction model for adaptive video streaming
US12047658B2 (en) Control apparatus, control method, and program
CN103428107B (zh) 一种基于缓存下溢概率估计的自适应码流切换方法及系统
WO2016185998A1 (ja) Abr配信方式のコンテンツ配信の配信制御装置および配信制御方法
CA3168479C (en) Method for playing on a player of a client device a content streamed in a network
WO2021181681A1 (ja) 数理モデル導出装置、数理モデル導出方法及びプログラム
JP6907958B2 (ja) 推定装置、推定方法及びプログラム
US9979765B2 (en) Adaptive connection switching
Kim et al. Content-aware rate adaptation scheme to improve stability in HTTP Adaptive Streaming
US11871061B1 (en) Automated adaptive bitrate encoding
CN115988267A (zh) 一种基于dash的视频码率自适应调整方法及系统
JP6517342B2 (ja) 配信レート選択装置、配信レート選択方法、及びプログラム
JP6640067B2 (ja) 配信制御装置、配信制御方法及びプログラム
JP7040232B2 (ja) 視聴行動推定装置、視聴行動推定方法及びプログラム
Zhang et al. Modeling and analyzing live streaming performance
CN113179224A (zh) 用于内容分发网络的流量调度方法及装置
CN114025190A (zh) 多码率调度方法和多码率调度装置
US20190245749A1 (en) Optimizing cloud resources for abr systems
JP2022524733A (ja) マルチサーバ通信システムにおけるダウンロード制御
WO2022190263A1 (ja) 情報処理装置、分析方法およびプログラム
WO2023181205A1 (en) Video player, video playback method, and program

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181016

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190418

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190507

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190708

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191023

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191025

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6611271

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150