JP6610936B2 - ディスクブレーキパッドおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明のディスクブレーキパッドは、バックプレートが、熱硬化性樹脂を引張り弾性率が150GPa以上の繊維からなる繊維集合体により強化した繊維強化樹脂層Aと、熱硬化性樹脂を引張り弾性率が150GPa未満の繊維以外の繊維からなる繊維集合体により強化した繊維強化樹脂層Bからなり、少なくとも1層の繊維強化樹脂層Aと、少なくとも1層の繊維強化樹脂層Bが厚さ方向に積層された複合繊維強化樹脂からなる。
上記のバックプレートの作製にあたっては、高強度の繊維強化樹脂層A:1A(繊維強化樹脂層C:1C)を形成する繊維強化樹脂体と、変形が容易な繊維強化樹脂層B:1B(繊維強化樹脂層D:1D)を形成する繊維強化樹脂体を各々作製しておき、この繊維強化樹脂体を積層するとともに、各層を接着剤等で接着することで製造することができる。しかしながら、この方法においては、多層の場合に接着の手間が増加するとともに、層間で剥離が生じる虞がある。
表1および表2に示す繊維を有する繊維強化樹脂層からなる繊維強化樹脂製バックプレートを備えた実施例1〜4および比較例1〜8のディスクブレーキパッド試料を作製した。表1において、実施例1〜4および比較例3〜7のディスクブレーキパッド試料は、バックプレートが厚さ3mmの2層の異なる繊維強化樹脂層により構成されたディスクブレーキパッド試料であり、第1層が摩擦材が配置される側に配置され、第2層が他方側に配置され構成されている。また、比較例1および2のディスクブレーキパッド試料は、バックプレートが厚さが6mmの単層の繊維強化樹脂層により構成されたディスクブレーキパッド試料である。比較例8のディスクブレーキパッド試料は、バックプレートが厚さが6mmの従来の鋼板(単層)からなるディスクブレーキパッド試料である。
車速65km/h、減速度0.35Gの制動を50回繰り返し、ブレーキ温度が500℃まで昇温するサイクルを50回繰り返した後、バックプレート部の外観の欠陥(折損、欠け、クラック)の有無を確認し、バックプレート部の折損、欠け、クラックの発生が無いものを「○」、バックプレート部の折損は無いが、欠けまたはクラックが発生したものを「△」、バックプレート部が折損を「×」として耐久性、強度を評価した。この評価結果を表1および表2に示す。
SAE規格J2521(Noise squeal matrix dynamometer test)に従って70dB以上のブレーキ鳴きの発生率を評価した。ここで、鳴き発生率については下記の計算式により求め、鳴き発生率が1%未満のものを「○」、鳴き発生率が1%以上〜5%未満のものを「△」、鳴き発生率が5%以上のものを「×」として評価した。この評価結果についても表1および表2に併せて示す。
鳴き発生率(%)=70dB以上の鳴き発生回数(回)/制動回数(回)×100
第1実施例において、実施例1のディスクブレーキパッド試料の第1層で用いた繊維強化樹脂層を繊維強化樹脂層A、実施例1のディスクブレーキパッド試料の第2層で用いた繊維強化樹脂層を繊維強化樹脂層Bとし、これらの繊維強化樹脂層の配置を変えて表3に示す実施例5〜6のディスクブレーキパッド試料を作製した。これらのディスクブレーキパッド試料についても第1実施例と同様にして、試験後の外観の観察、鳴き発生率の測定を行った。これらの結果を表3に示す。また、表3には第1実施例における実施例1のディスクブレーキパッド試料の結果を併せて示す。
11 バックプレートの摩擦材が配置される側面
12 バックプレートの他方の側面
1A 繊維強化樹脂層A
1B 繊維強化樹脂層B
1C 繊維強化樹脂層C
1D 繊維強化樹脂層D
2 摩擦材
3 中間層
Claims (14)
- 熱硬化性樹脂を含む摩擦材とバックプレートとを備え、前記バックプレートの一方の側面に前記摩擦材が配置されるディスクブレーキパッドにおいて、
前記バックプレートが、
熱硬化性樹脂を引張り弾性率が150GPa以上の繊維からなる繊維集合体により強化した繊維強化樹脂層Aと、
熱硬化性樹脂を引張り弾性率が150GPa未満の繊維からなる繊維集合体により強化した繊維強化樹脂層Bからなり、
少なくとも1層の前記繊維強化樹脂層Aと、少なくとも1層の前記繊維強化樹脂層Bが厚さ方向に積層された複合繊維強化樹脂からなるディスクブレーキパッド。 - 前記バックプレートが、前記バックプレートの摩擦材が配置される側面に、前記繊維強化樹脂層Aおよび前記繊維強化樹脂層Bのうちの一方の繊維強化樹脂層が配置され、前記バックプレートの他方の側面に前記繊維強化樹脂層Aおよび前記繊維強化樹脂層Bのうちの他方の繊維強化樹脂層が配置されて積層された複合繊維強化樹脂からなる請求項1に記載のディスクブレーキパッド。
- 前記バックプレートが、3層以上の繊維強化樹脂層で形成され、前記バックプレートの摩擦材が配置される側面および前記バックプレートの他方の側面に前記繊維強化樹脂層Aおよび前記繊維強化樹脂層Bのうちの一方の繊維強化樹脂層が配置され、かつ前記バックプレートの摩擦材が配置される側面および前記バックプレートの他方の側面以外の中間層に少なくとも1層の前記繊維強化樹脂層Aおよび前記繊維強化樹脂層Bのうちの他方の繊維強化樹脂層が配置されて積層された複合繊維強化樹脂からなる請求項1に記載のディスクブレーキパッド。
- 前記繊維強化樹脂層Aの熱硬化性樹脂と、前記繊維強化樹脂層Bの熱硬化性樹脂が同じ熱硬化性樹脂からなる請求項1〜3のいずれかに記載のディスクブレーキパッド。
- 前記バックプレートの一方の側面に、前記摩擦材が結着されたディスクブレーキパッドにおいて、前記摩擦材に含まれる熱硬化性樹脂と、前記バックプレートの摩擦材が配置される側面に配置される前記繊維強化樹脂層Aの熱硬化性樹脂または前記繊維強化樹脂層Bに含まれる熱硬化性樹脂が、相互に化学結合を形成している請求項1〜4のいずれかに記載のディスクブレーキパッド。
- 前記バックプレートの一方の側面に、前記摩擦材が熱硬化樹脂を含有する中間層を介して結着されたディスクブレーキパッドにおいて、前記中間層に含まれる熱硬化性樹脂と、前記バックプレートの摩擦材が配置される側面に配置される前記繊維強化樹脂層Aの熱硬化性樹脂または前記繊維強化樹脂層Bに含まれる熱硬化性樹脂が、相互に化学結合を形成している請求項1〜4のいずれかに記載のディスクブレーキパッド。
- 熱硬化性樹脂を含む摩擦材とバックプレートとを備え、前記バックプレートの一方の側面に前記摩擦材が配置されるディスクブレーキパッドにおいて、
前記バックプレートが、
熱硬化性樹脂が繊維集合体により強化され400MPa以上の曲げ強さを有する繊維強化樹脂層Cと、
熱硬化性樹脂が繊維集合体により強化され400MPa未満の曲げ強さを有する繊維強化樹脂層Dとからなり、
少なくとも1層の前記繊維強化樹脂層Cと、少なくとも1層の前記繊維強化樹脂層Dが厚さ方向に積層された複合繊維強化樹脂からなるディスクブレーキパッド。 - 前記バックプレートの摩擦材が配置される側面に、前記繊維強化樹脂層Cおよび前記繊維強化樹脂層Dのうちの一方の繊維強化樹脂層が配置され、前記バックプレートの他方の側面に前記繊維強化樹脂層Cおよび前記繊維強化樹脂層Dのうちの他方の繊維強化樹脂層が配置されて積層された複合繊維強化樹脂からなる請求項7に記載のディスクブレーキパッド。
- 前記バックプレートが、3層以上の繊維強化樹脂層で形成され、前記バックプレートの摩擦材が配置される側面および前記バックプレートの他方の側面に前記繊維強化樹脂層Cおよび前記繊維強化樹脂層Dのうちの一方の繊維強化樹脂層が配置され、かつ前記バックプレートの摩擦材が配置される側面および前記バックプレートの他方の側面以外の中間層に少なくとも1層の前記繊維強化樹脂層Cおよび前記繊維強化樹脂層Dのうちの他方の繊維強化樹脂層が配置されて積層された複合繊維強化樹脂からなる請求項7に記載のディスクブレーキパッド。
- 前記繊維強化樹脂層Cの熱硬化性樹脂と、前記繊維強化樹脂層Dの熱硬化性樹脂が同じ熱硬化性樹脂からなる請求項7〜9のいずれかに記載のディスクブレーキパッド。
- 前記バックプレートの一方の側面に、前記摩擦材が結着されたディスクブレーキパッドにおいて、前記摩擦材に含まれる熱硬化性樹脂と、前記バックプレートの摩擦材が配置される側面に配置される前記繊維強化樹脂層Aの熱硬化性樹脂または前記繊維強化樹脂層Bに含まれる熱硬化性樹脂が、相互に化学結合を形成している請求項7〜10のいずれかに記載のディスクブレーキパッド。
- 前記バックプレートの一方の側面に、前記摩擦材が熱硬化樹脂を含有する中間層を介して結着されたディスクブレーキパッドにおいて、前記中間層に含まれる熱硬化性樹脂と、前記バックプレートの摩擦材が配置される側面に配置される前記繊維強化樹脂層Aの熱硬化性樹脂または前記繊維強化樹脂層Bに含まれる熱硬化性樹脂が、相互に化学結合を形成している請求項7〜10のいずれかに記載のディスクブレーキパッド。
- 熱硬化性樹脂組成物を含む摩擦材組成物を予備成形した予備成形体と、
引張り弾性率が150GPa以上の繊維からなる繊維集合体と、
引張り弾性率が150GPa未満の繊維からなる繊維集合体と、
熱硬化性樹脂組成物を用意し、
前記引張り弾性率が150GPa以上の繊維からなる繊維集合体と、前記引張り弾性率が150GPa未満の繊維からなる繊維集合体を積層した、繊維集合体積層物に前記熱硬化樹脂を含浸し、硬化させて繊維強化樹脂からなるバックプレートを形成しておき、
熱成形金型の型孔に前記予備成形体を挿入し、
次いで、前記予備成形体に接して前記繊維強化樹脂からなるバックプレートを配置し、
熱成形金型により前記予備成形体を熱成形して摩擦材を形成するとともに、前記繊維強化樹脂からなるバックプレートと前記摩擦材の固着を行うディスクブレーキパッドの製造方法。 - 熱硬化性樹脂組成物を含む摩擦材組成物を予備成形した予備成形体と、
引張り弾性率が150GPa以上の繊維からなる繊維集合体と、
引張り弾性率が150GPa未満の繊維からなる繊維集合体と、
熱硬化性樹脂組成物を用意し、
熱成形金型の型孔に前記予備成形体を挿入し、
次いで、前記予備成形体に接して前記引張り弾性率が150GPa以上の繊維からなる繊維集合体および前記引張り弾性率が150GPa未満の繊維からなる繊維集合体を積層して配置し、
さらに、積層した繊維集合体に接して前記熱硬化性樹脂組成物を配置し、
熱成形金型により前記予備成形体を熱成形して摩擦材を形成するとともに、
積層した繊維集合体に前記熱硬化性樹脂組成物を含浸し熱硬化させて、繊維強化樹脂からなるバックプレートを形成するとともに、積層した繊維集合体に含浸された熱硬化性樹脂組成物により、前記繊維強化樹脂からなるバックプレートと前記摩擦材の固着を行う、ディスクブレーキパッドの製造方法。
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