JP5455196B2 - ブレーキ用摩擦材およびその製造方法 - Google Patents
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(1)必須の層として、繊維基材と有機結合材とを含む第1層と、繊維基材と摩擦調整材と有機結合材とを含む第2層とを有し、繊維基材と有機結合材とを含む第3層を上記第1層と第2層との間に有し、これらの層が焼成炭化されているブレーキ用摩擦材であって、
3層構造の第1層と第3層の厚みが全体の厚みの20〜50%であり、第3層の厚みが全体の厚みの5〜30%であり、
第3層におけるガラス繊維および/または生体溶解性無機繊維の割合が30〜50体積%であることを特徴とするブレーキ用摩擦材、
(2)上記(1)に記載のブレーキ用摩擦材を製造する方法において、
繊維基材と有機結合材とを含む第1層の材料と、繊維基材と摩擦調整材と有機結合材とを含む第2層の材料とを、繊維基材と有機結合材とを含む第3層の材料を上記第1層の材料と第2層の材料との間に介在させて、一体成形して積層体を得、得られた積層体を焼成炭化することを特徴とするブレーキ用摩擦材の製造方法、および
(3)焼成炭化が、積層体を無荷重下又は荷重下に真空、還元性ガス又は不活性ガスの雰囲気中で550〜1300℃の温度で処理することにより行われる上記(2)に記載のブレーキ用摩擦材の製造方法
を提供するものである。
先ず本発明のブレーキ用摩擦材について説明する。
本発明のブレーキ用摩擦材は、必須の層として第1層と第2層とを有し、任意の層として第3層を上記第1層と第2層との間に有するものである。
(a)高温におけるフェードを防止でき、十分に大きい圧縮変形特性を有し、実用的なブレーキフィーリングを得ることができる。
(b)従来の鋼板製プレッシャプレートを、繊維基材と有機結合材とを含む第1層に置き換えたことにより、車両のバネ下重量を軽減することができる。
本発明のブレーキ用摩擦材の製造方法は、上述の本発明のブレーキ用摩擦材を製造する方法に関するものであり、繊維基材と有機結合材とを含む第1層の材料と、繊維基材と摩擦調整材と有機結合材とを含む第2層の材料とを、必要に応じて、繊維基材と有機結合材とを含む第3層の材料を上記第1層の材料と第2層の材料との間に介在させて、一体成形して積層体を得、得られた積層体を焼成炭化することを特徴とする。
実施例1(2層構造のブレーキ用摩擦材)
第1層の材料および第2層の材料として表1に示すものを表1に示す割合で用い、最終的に得られるブレーキ用摩擦材の全体の厚みに対する第1層の厚みが10%、20%、30%、50%および70%になるように金型内で第1層の材料と第2層の材料とを積層し、ホットプレス法にて180℃で300秒間、圧縮成形することにより、一体成形して、5種類の積層体を得た。
このようにして得られた5種類のブレーキ用パッド(A)〜(E)のフェード耐久性試験および圧縮変形性試験を下記の方法により行った。
[すりあわせ]
初速度150km/h⇒50km/h 液圧3MPa イニシャル温度120℃(ローター表面深さ1.0mm)
[フェード試験]
初速度240km/h⇒90km/h 減速度0.8G 出力一定試験
ブレーキ開始温度:100℃ ブレーキインターバル30秒
ローターサイズ φ350 ロータ材質:FC250(鋳鉄)
試験方法:JIS D4413準拠 常温、300℃高温試験
試験サンプル:ブレーキパッド(面積93cm2、全厚16mm)
試験結果の「@4MPa」とは試験前のパッド厚みに対する荷重4MPaでのパッド圧縮変形量(常温試験)を百分率(%)で表わしたものである。
また、「常温・300℃比」とは荷重4MPaでの圧縮変形量(%)を300℃/常温の比として求めたデータである。
(1)本実施例で得られた5種のブレーキパッドのうち、第1層の厚みがそれぞれ20%、30%、50%であるブレーキパッド(B)、(C)、(D)は、フェード耐久性試験においてピストン押圧面破壊がなく、トルク受け部圧壊もないので、フェード耐久性に優れており、また圧縮変形性試験において4MPaにおける圧縮変形量が0.50%、0.46%、0.40%であって、圧縮変形性に優れている。これに対して、第1層の厚みが10%であるブレーキパッド(A)は、圧縮変形性試験において4MPaにおける圧縮変形量が0.52%であって、圧縮変形性は優れているが、フェード耐久性試験において、トルク受け部圧壊はないが、ピストン押圧面破壊があり、フェード耐久性に劣っており、また第1層の厚みが70%であるブレーキパッド(E)は、圧縮変形性およびフェード耐久性に問題はないが、制動部の厚みが全厚16mmに対して4.8mmしかないため、十分な摩耗代を確保できず商品性が欠落する。
(2)単層の第2層からなるブレーキ用摩擦材を鋼板製プレッシャプレートに接合した比較例1のものは、4MPaにおける圧縮変形量が0.21%であり、圧縮変形性に劣っていた。
6種類の3層構造のブレーキパッド(F)〜(K)を下記の方法で作製した。
第1層、第2層および第3層のそれぞれの材料として表2に示すものを表2に示す割合で用い、最終的に得られるブレーキ用摩擦材の全体の厚みに対する第1層の厚みを20%一定とし、第3層の厚みがそれぞれ5%、20%、30%、30%、30%および30%となり、第1層と第3層の合計厚みがそれぞれ25%、40%、50%、50%、50%および50%になるように金型内で第1層の材料、第2層の材料および第3層の材料を、第3層が第1層と第2層との間になるように積層し、ホットプレス法にて180℃で300秒間圧縮成形することにより、一体成形して、6種類の積層体を得た。
(1)本実施例で得られた、第1層と第2層との間に第3層を有する3層構造のブレーキパッド(F)、(G)、(H)、(I)、(J)、(K)は、圧縮変形性試験において、4MPaにおける圧縮変形量が0.40〜1.60の範囲内にあり、圧縮変形性に優れており、またブレーキ液温度が107〜130℃の範囲内にあり、実施例1で得られた第3層を有しない2層構造のブレーキパッド(D)におけるブレーキ液温度142℃よりもはるかに低く、優れたブレーキ液温度低下効果を示した。
Claims (3)
- 必須の層として、繊維基材と有機結合材とを含む第1層と、繊維基材と摩擦調整材と有機結合材とを含む第2層とを有し、繊維基材と有機結合材とを含む第3層を上記第1層と第2層との間に有し、これらの層が焼成炭化されているブレーキ用摩擦材であって、
3層構造の第1層と第3層の厚みが全体の厚みの20〜50%であり、 第3層の厚みが全体の厚みの5〜30%であり、
第3層におけるガラス繊維および/または生体溶解性無機繊維の割合が30〜50体積%であることを特徴とするブレーキ用摩擦材。 - 請求項1に記載のブレーキ用摩擦材を製造する方法において、
繊維基材と有機結合材とを含む第1層の材料と、繊維基材と摩擦調整材と有機結合材とを含む第2層の材料とを、繊維基材と有機結合材とを含む第3層の材料を上記第1層の材料と第2層の材料との間に介在させて、一体成形して積層体を得、得られた積層体を焼成炭化することを特徴とするブレーキ用摩擦材の製造方法。 - 焼成炭化が、積層体を無荷重下又は荷重下に真空、還元性ガス又は不活性ガスの雰囲気中で550〜1300℃の温度で処理することにより行われる請求項2に記載のブレーキ用摩擦材の製造方法。
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