JP6609977B2 - ノズルプレート、インクジェットヘッド、インクジェット装置およびノズルプレートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ノズルプレート、インクジェットヘッド、インクジェット装置、およびノズルプレートの製造方法に関するものである。
ディスプレイや半導体集積回路は、基板上に複数層の電子材料膜をパターニングし、積層することで製造されている。従来ではフォトリソグラフィ技術によって高精細なパターニングを行っているが、近年、このプロセスを印刷プロセスにて実現しようとするプリンテッドエレクトロニクス分野が注目されている。
プリンテッドエレクトロニクス分野で用いる印刷プロセスとして、インクジェット法はその一つである。インクジェット技術は、画像形成装置向けに広く利用された技術分野である。しかし、プリンテッドエレクトロニクスとして用いるインクジェット装置の仕様として従来技術では対応できない課題も多い。
特に静電吐出型インクジェット記録装置においては、個別に仕切られたノズル孔に電極を形成し、この電極に吐出電圧を印加することにより、ノズル孔から吐出する液滴を制御する必要がある。
さらに、ノズル孔内に形成した電極に外部から高電圧を印加して安定した液滴の吐出を行うためには、ノズル孔内の電極とそれに接続する配線を形成し、配線とノズル孔内の電極を低抵抗に接続する事が必要である。
特許文献1のインクジェット記録装置の記録ヘッドは、ノズル溝に吐出電極を設けた基板に絶縁板の蓋を貼り合せることによってノズル孔を形成して、吐出電極の下面に基板を貫通する接続穴を形成し、この接続穴を通して吐出電極に対して接続する電圧印加用配線を形成している。また別の実施形態としてノズル孔内の吐出電極をノズル孔の先端から延長し、ノズル外に引き回して接続部を形成し配線接続するよう構成している。
特許文献2のインクジェットヘッドは、流路溝の側壁を形成する圧電物質に電圧を印加するための電極が形成され、それぞれの電極に個別に接続された導電線が形成された1対の上部基板と下部基板のうち少なくとも一方の基板の接続端部を貼合せ面に対して鈍角あるいは曲面で面取りすることにより半田などを用いて上下の対向する電極を接合しやすくするよう構成している。
しかしながら、特許文献1のインクジェット記録装置では、ノズル孔内に形成した数十nmから数百nmの膜厚の吐出電極とノズルプレート裏面に形成した電圧印加用電極の接触面積は吐出電極の膜厚と吐出電極の裏面における幅の積になるため非常に小さい面積となり、接触抵抗を十分低くすることができず、吐出電圧の上昇を招き、接続不良および断線の原因になる。
特許文献2のインクジェットヘッドは、電極及び流路を形成した上下の基板を電気的に接続するためのものであり、ノズル孔内の電極とノズルに垂直な平面を確実に接続することができない。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、吐出電圧の均一化を図ることにより、液滴の不吐出による不良発生を防止することが可能なノズルプレートを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るノズルプレートは、一の面に溝が形成された第1のプレート部と、該第1のプレート部における前記溝が形成された面と接合された第2のプレート部とを備えるノズルプレートであって、前記溝は、液滴を吐出する吐出口と、該吐出口と反対側の供給孔とを形成するとともに、前記液滴の流路となるノズル孔を形成し、前記第1のプレート部及び前記第2のプレート部は、前記供給孔側の面の少なくとも一部に第1の電極部を有し、前記第1のプレート部は、前記溝における前記第2のプレート部と対向する面に形成された第2の電極部を有するとともに、前記第1の電極部と前記第2の電極部とが接続する接続領域を有し、前記接続領域は、前記供給孔に向かって拡径されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、吐出電圧の均一化を図ることにより、液滴の不吐出によるノズルプレートの不良発生を防止することができる。
本発明の一実施形態に係るノズルプレートの構成の一例を示す概略図である。 図1で示したノズルプレート100を2A−2A’断面で切断する様子を示す図である。 ノズルプレート100の2A−2A’断面で切断した断面図である。 本発明の一実施形態に係るノズルプレートの製造工程を示す工程斜視図である。 本発明の一実施形態に係るノズルプレートの製造工程を示す工程斜視図である。 本発明の一実施形態に係るノズルプレートの製造工程を示す工程斜視図である。 本発明の一実施形態に係るノズルプレートの製造工程を示す工程斜視図である。 本発明の一実施形態に係るノズルプレートの製造工程を示す工程斜視図である。 本発明の一実施形態に係るノズルプレートの製造工程を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るノズルプレートの製造方法の流れの一例を示したフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るノズルプレートの構成の一例を示す概略図である。 本発明の一実施形態(変形例1)に係る図で、ノズルプレート100を7A−7A’断面で切断する様子を示す図である。 本発明の一実施形態(変形例1)に係る図で、ノズルプレート100の7A−7A’断面で切断した断面図である。 本発明の一実施形態(変形例2)に係る図で、ノズルプレート100を8A−8A’断面で切断する様子を示す図である。 本発明の一実施形態(変形例2)に係る図で、ノズルプレート100の8A−8A’断面で切断した断面図である。 本発明の一実施形態に係るインクジェットヘッドの構成の一例を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係るインクジェットヘッドの構成の一例を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係るインクジェットヘッドの構成の一例を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係るインクジェットヘッドの構成の一例を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係るインクジェットヘッドの構成の一例を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係る液滴吐出装置の全体斜視図の一例である。 本発明の一実施形態に係る液滴吐出装置のコントローラのハードウエア構成図の一例である。 本発明の一実施形態に係る液滴吐出装置のコントローラの機能ブロック図の一例である。
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態に係るノズルプレートについて説明する。まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係るノズルプレートの概要について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るノズルプレートの構成の一例を示す概略図である。なお、図1において、Z軸は鉛直方向を示している。また、X軸及びY軸は互いに直交し、尚且つ、Z軸に対し直交するよう配置された3次元直交座標系となっている。
ノズルプレート100は、プレート部101、ノズル孔102、表面電極103、傾斜部104、ノズル内電極105、吐出口106を備える。さらに、表面電極103は、外部の電圧印加手段110、コントローラ120に接続されている。
プレート部101には、吐出口106に連通するノズル孔102が設けられている。ノズル孔102は、吐出口106から液滴を吐出する際の液滴の流路となる。図1において、プレート部101には4つのノズル孔102が設けられているが、ノズル孔102の数はこれに限定されるものではない。
プレート部101の材料としては、SiOガラス、硼珪酸ガラス等の酸化物ガラス基板、クォーツ、サファイア、Si等の単結晶基板などが利用できる。プリンテッドエレクトロニクス用インクジェット装置に用いるインクジェットヘッド及びノズルプレートは、配線、半導体膜、絶縁膜などの目的に応じて、様々なインクの膜厚を制御して形成する必要があるため、多様なインク物性に対応しなければならない。また、インクの溶剤も水系、有機溶剤系、酸性インク等、多岐に渡るため、インクジェットヘッドの材質には、化学的耐久性が要求される。よって、本発明のノズルプレートでは、化学的、物理的な耐久性が良好で、かつ表面の平面性及び平滑性の高い基板を必要とする。
プレート部101における吐出口106が設けられた面(以下、吐出面とする)と正対するもう一方の表面(以下、電極面とする)には、表面電極103が設けられている。表面電極103には、外部の電圧印加手段110から所定の電圧が印加され、印加された電圧により液滴の吐出を行う。また、ノズル孔102の内部の壁面には、ノズル内電極105が設けられている。なお、表面電極102とノズル内電極105の形成領域又は形成方法については、後述する。
プレート部101における電極面には、ノズル孔102の内部に向けて傾斜する傾斜部104が設けられている。傾斜部104には、表面電極103及びノズル内電極105の双方が設けられている。
ここで、図2(a)(b)を用いて、ノズルプレート100におけるノズル孔102付近の構造について詳説する。
図2(a)は、図1で示したノズルプレート100を2A−2A’断面で切断する様子を示す図であり、図2(b)は、ノズルプレート100の2A−2A’断面で切断した断面図の一例である。
図2(b)に示すように、ノズルプレート100のプレート部101は、ノズル孔102を介して、第1のプレート部201と第2のプレート部202とを有する。
第1のプレート部201における電極面には、傾斜部104が設けられている。
第1のプレート部201において、ノズル内電極105は、第2のプレート部202と正対する領域である液滴の流路に相当する箇所と傾斜部104とを覆っている。
第2のプレート部202は、第2のプレート部202の電極面である平坦な面に表面電極103を有する。
一方で、第1のプレート部201において、表面電極103は、第1のプレート部201の傾斜部104を含む電極面に形成されている。つまり、第1のプレート部201において、表面電極103とノズル内電極105は、傾斜部104でオーバーラップすることにより、ノズル内電極105と表面電極103の接触面積を大きくすることができるため、接触抵抗を小さくすることができる。
ノズルプレート100に形成された傾斜部104の形状は、傾斜角(図2(b)のarctan(a/b))と溝深さ(図2(b)のb)を調整することにより変形させることができる。傾斜角(図2(b)のarctan(a/b))の形成方法については、後述する。
次に、本発明の一実施形態に係るノズルプレートの製造方法について、図3〜図5を用いて説明する。
図3(a)〜(c)及び図4(a)〜(c)は、本発明の一実施形態に係るノズルプレートの製造工程を示す工程斜視図である。さらに、図5は、本発明の一実施形態に係るノズルプレートの製造工程の一例を示したフローチャートである。
図3(a)に示すように、プレート部101を構成する第1の基板301の表面に、フォトリソグラフィープロセスによって所望のパターンの溝部302を形成する。(図5のステップS1)
第1の基板301の材料としては、SiOガラス、硼珪酸ガラス等の酸化物ガラス基板、クォーツ、サファイア、Si等の単結晶基板などが利用できる。
フォトマスクのパターンを転写する材料としては感光性レジストの他、Ni等の金属膜を利用してもよい。例えば、感光性レジストの塗布、露光、現像により、マスクパターンを形成した後、基板をエッチングすることにより、所望の形状を得ることができる。
エッチング方法としては、反応性イオンエッチング(RIE)などのドライエッチングや酸などを用いたウェットエッチングが利用できる。マスクパターンとエッチング条件により、溝の形状を制御することが可能である。
なお、フォトマスクの溝パターンのピッチは、ノズルプレートのノズルピッチとなる。フォトマスクの溝パターンの数及びピッチを調整することにより、所望のノズルプレート作成することができる。
また、溝部302の幅は、0.2μmから100μmが好ましく、特に液滴の詰まりが無く安定した吐出を行うためには1μm以上が好ましく、ノズルから液滴の漏れを防止し、良好なメニスカスを形成するためには50μm以下が好ましい。
さらに、溝部302の溝深さは、0.2μmから50μmが好ましい。0.2μm以下では、ノズル作製における研磨時、及び印刷時における液滴吐出によりノズルが詰まり易くなり、50μm以上では加工時間が非常に長くなるため生産性が悪くなる。
溝幅/溝深さ比は、20/1から1/2が好ましく、良好なメニスカスを形成し吐出を安定させるためには10/1から1/1が特に好ましい。
次に、図3(b)に示すように、溝部302の所定の部分に溝部302と同様の方法で傾斜部104を形成する。(図5のステップS2)傾斜部104は、溝部302内で所定の間隔で設けられている。
ノズルプレート100に形成された傾斜部104の形状は、加工条件により傾斜角(図2(b)のarctan(a/b))と溝深さ(図2(b)のb)を調整することにより変形させることができる。ここで、a/bは、0.2から5の範囲であることが好ましい。
ICP−RIE(誘導結合プラズマ−リアクティブイオンエッチング)などの異方性ドライエッチング法により溝の傾斜角を調整するためには、レジストのエッチング速度と加工するガラス基板のエッチング速度の比を調整することにより傾斜角を調整することができる。またレジストの断面形状をテーパ状にしてガラス基板とともにレジストをエッチングすることにより傾斜角を調整することもできる。
なお、図5のステップS1とステップS2において、溝部302を形成した後、傾斜部104(図3では200)を形成しているが、ステップS1とステップS2の処理を同時に行なっても良い。その際には、第1の基板301のエッチング工程において、溝部302の所定の間隔で傾斜部104が設けられるように、マスクパターンとエッチング条件を制御することにより、溝部302と傾斜部104を形成する。
次に、図3(c)に示すように、溝部302及び傾斜部104を覆うようにノズル内電極105を形成する。(図5のステップS3)
溝部302及び傾斜部104にノズル内電極105を形成する場合、溝部302及び傾斜部104を形成した後に、フォトリソグラフィープロセスによって溝部302及び傾斜部104の表面にノズル内電極105として電極膜を形成する。電極膜としてはPt、Au、Ag、Cu、Ni、Cr、Mo、W、Nb、Ta等の金属や合金、ITO、ATO、AZO等の透明導電性酸化物の単層或いは多層膜をスパッタリングや真空蒸着により50nm〜1μm程度成膜した後、酸によるウェットエッチングまたは反応性イオンエッチング(RIE)などのドライエッチングによりパターニングすることができる。
溝部302及び傾斜部104におけるノズル内電極105の形成範囲および電極膜の材質については、上記に限られるものではない。なお、ノズル内電極105を吐出孔106の先端まで形成させると、メニスカス形成時に電極が露出し、液滴を飛翔、付着させるために対向して設置させる基板が導電性または基板上に金属などの導電性パターンがあらかじめ形成してある絶縁性基板の場合に、吐出電極から印加した吐出電圧によって電極−基板間で放電が生じるため、液滴の飛散、ノズルの破壊が生じる恐れがある。そのため、ノズル内電極105は、吐出口106の先端から一定距離を挟んで形成されることが好ましい。
次に、図4を用いて、ノズル内電極105が形成された第1の基板301を用いてノズルプレート100を完成させるまでの工程を説明する。
図4(a)〜(c)は、本発明の一実施形態に係るノズルプレートの製造工程を示す工程斜視図(その2)である。
図4(a)に示すように、第1の基板301の溝加工を施した面と、当該溝加工を施していない第2の基板303の平坦な表面とを接合する(図5のステップS4)。第2の基板303の表面は一様に平坦であるので、第1の基板301との精密な位置合わせは不要である。接合方法としては、熱融着、接着剤、陽極接合、直接接合、プラズマ活性化低温接合等の既存の技術を利用できる。
そして、図4(b)に示すように、第1の基板301と第2の基板303とを接合した接合板304を、第1の基板301の溝302の配列方向に対する仮想線である切断線305に沿って垂直に切断する。(図5のステップS5)このとき、切断線305は、傾斜部104が露出するように切断位置及び研磨量を調整する。
切断にはレーザーダイシング装置、ダイヤモンドダイシング装置等の既存の装置が利用できる。切断面を平滑化するために精密研磨装置等で研磨を行ってもよい。切断及び研磨後の接合板304の長さが流路長となるので、切断幅及び研磨量を変えることで基本的に流路長を自由に設定できる。
また、切断、研磨時に発生する基板の欠片が吐出孔に入り込むのを防止するために、吐出孔内にホットメルト系ワックスを充填し切断、研磨後にワックスを除去することにより吐出孔の詰りを無くすことができる。
次に、図4(c)に示すように、上記切断された接合板304における切断面のうち、傾斜部104が設けられた側の表面に表面電極103を形成する(図5のステップS6)。表面電極103は、外部電源と接続することによりノズル孔102内部に形成したノズル内電極105に吐出電圧を印加することができる。
表面電極103は、Pt、Au、Ag、Cu、Ni、Cr、Mo、W、Nb、Ta等の金属や合金、ITO、ATO、AZO等の透明導電性酸化物の単層或いは多層膜をスパッタリングや真空蒸着により50nm〜1μm程度の電極膜として成膜される。
また、フォトリソグラフィープロセスによって、ノズル孔102毎に独立して表面電極103を接続するようパターニングすることによって、液滴を吐出したいノズル孔102のノズル内電極105に電圧を印加することも可能である。これにより、ノズル孔102からの液滴の吐出をノズル孔毎に制御することができる。
なお、表面電極103の材料および形成方法は、上記に限られるものではなく、ノズル内電極105と同様の材料及び形成方法であってもよい。
上記ステップS1〜ステップS6までの工程を経て、ノズルプレート100を作成することができる。
このように、本発明の一実施形態に係るノズルプレート及びノズルプレートの製造方法について説明したが、各工程の処理方法は、上記記載に限られるものではない。
必要があれば適宜研磨や洗浄の工程を入れてもよい。また、ステップS5の後、ノズルプレート100の表面を撥液処理してもよい。さらに、ステップS5の後、吐出口周りをザグリ加工してもよい。
さらに、溝部302はストレート形状であるが、これに限定する必要はなく溝幅が徐々に変わるテーパ形状、あるいは切断する場所によってノズルプレート毎に異なる径の吐出口を製造するために多段的に溝幅が変化する多段形状であってもよい。
好ましくは、図6に記載のように、吐出口106近傍のノズル孔102の溝幅より供給孔107の溝幅を大きくすることにより、表面電極103とノズル内電極105の接触面積を増大させ、接触抵抗を小さくすることができる。
なお、表面電極103をノズル毎に短絡して形成する場合には、供給孔107の溝幅は、ノズルピッチと同程度まで大きくすることが可能であるが、各ノズル内電極105に独立に接続した表面電極103を形成する場合は、クロストーク等を考慮して供給孔107の溝幅をやや小さく形成する必要がある。
ノズルプレート100におけるノズル孔102の数及びピッチは、ステップS1で作成される溝部302の数及びピッチで決まるが、溝部302はフォトリソグラフィープロセスで作成することによって、ノズル孔102の数を増大しピッチの幅を狭くしても高精度に作成が可能である。また、レーザ穿孔プロセス等と異なりノズル数を増大させても一括で加工できるため、生産性に影響しない。このため、高密度化に有利である。
さらに、ステップS1〜ステップS3においてノズル孔102の形状が決定される。加工精度は概ねエッチング精度で決まるが、溝部302のアスペクト比(溝幅a/溝の深さb)は最小でも1程度なので高精度な加工が可能である。
また、ノズル孔102の流路長は、ステップS5で決まるが、切断幅を調整することにより、流路長を自由に設定可能である。
吐出口106に連通するノズル孔102の内壁及び切断後の吐出口106の周りの材質は、化学的耐久性に優れた誘電体材料から構成されていることが好ましい。例えば、ノズルプレートを酸化物材料で作製することは好ましい。特に、SiOガラスは好適である。珪酸塩ガラス、硼珪酸塩ガラス等も好ましい。単結晶シリコンで構造体を作製した後に熱処理等によりノズル流路を含む表面にSiO膜を形成してもよい。吐出のエネルギーとして静電気力を利用する場合には、高い絶縁性が要求されるので、SiOガラス、サファイア、クォーツなどで作製することは特に好ましい
(変形例1)
次に、本発明の一実施形態に係るノズルプレート100の形状を変形させた別の実施形態(変形例1)について説明する。
図7(a)は、本発明の一実施形態(変形例1)に係るノズルプレート100を示す図であり、図7(b)は、ノズルプレート100の7A−7A’断面で切断した断面図の一例である。
図7(b)に示すように、ノズルプレート100において凹部401が設けられている。
変形例1におけるノズルプレートの製造方法は、図4〜図6で示した処理の方法とは、図5のステップS2におけるフォトマスクのパターンが異なるが、その他の工程においては同様の処理を行う。
ステップS2で溝部302の底部に傾斜部104を形成する際に、等方性エッチングであるプラズマエッチングやフッ酸等を使ったウェットエッチングを行うとレジスト端部から横方向と縦方向に等方的エッチングが進行するためパターン端部は深さ方向に円弧状に形成される。その後の切断及び研磨によって円弧状の凹部401を露出させる。
図7(b)において、bは溝部302の底部に形成する凹部401のエッチング深さであり、エッチング液組成、濃度及びエッチング時間によって制御することが可能である。図7(b)において、aはbと同様にエッチング液組成、濃度及びエッチング時間に加えて切断後の研磨量によって制御することが可能である。
(変形例2)
さらに、本発明の一実施形態に係るノズルプレートの形状を変形させた別の実施形態(変形例2)について説明する。
図8(a)は、本発明の一実施形態(変形例2)に係るノズルプレート100を示す図であり、図8(b)はノズルプレート100の8A−8A’断面で切断した断面図の一例である。
変形例2では、図3〜図5に記載の製造方法で第1のプレート部に傾斜部及びノズル内電極を形成した点は同様であるが、第2のプレート部にも第1のプレート部と同様の方法で傾斜部及びノズル内電極を形成した。傾斜部及び電極及び少なくとも傾斜部の一部が重なり合うように貼合せを行い、切断、研磨することにより溝の上下面両方にテーパを形成することができる。
(インクジェットヘッド)
次に、本発明の一実施形態に係るノズルプレートを搭載したインクジェットヘッドについて説明する。
図9は、本発明の一実施形態に係るインクジェットヘッドの構成の一例を示す概略図である。なお、図9において、Z軸は鉛直方向を示している。また、X軸及びY軸は互いに直交し、尚且つ、Z軸に対し直交するよう配置された3次元直交座標系となっている。なお、図9に示すインクジェットヘッドは駆動手段として静電気力を利用する場合のものである。
インクジェットヘッド600は、ノズルプレート100から吐出される液滴を用いて、テーブル606上に載置された吐出対象物605に描画を行うものである。
インクジェットヘッド600は、プレートホルダー601と、電圧印加手段602と、位置調整手段603と、プレートホルダー601のノズル孔102に液滴を供給する流路に接続する液室604と、ノズルプレート100とを備える。さらに、インクジェットヘッド600は、外部のコントローラ120に接続されている。
プレートホルダー601は、本発明の一実施形態に係るノズルプレート100を当該インクジェットヘッド600に接着させるためのものである。
電圧印加手段602は、高電圧パルスアンプにより実現され、外部のコントローラ202からの駆動信号に基づいて、ノズルプレート100内の電極に電圧を印加するものである。そして、液室604から供給された液滴に対してノズルプレート内の電極から電荷を印加され、電荷を有する液滴がノズルプレート100の吐出口106から静電気力により吐出され、吐出された液滴はテーブル606上に載置された描画対象物605上に着弾する。
位置調整手段603は、ノズルプレート100の吐出面と描画対象物との間の間隔や平行度を調節するためのものである。図9では、位置調整手段603とプレートホルダー601とが接続されているが、位置調整手段603とプレートホルダー601は一体として形成されても良い。
なお、インクジェットヘッド600の構成は、上記に限定されるものではなく、ノズルプレートのノズル面のクリーニング機構等を設けても良い。
ここで、ノズルプレート100を接着したプレートホルダー601の作製方法および構造について説明する。
図10(a)に示す複数の吐出口106を有するノズルプレート100の吐出面にフッ素系撥液材料をスピンコートする。その後、60[℃]30[分]オーブンで乾燥し、表面を撥液処理する。そして、同10(b)に示す流路プレート701には、メタルマスクを介し電極702としてMoをDCスパッタリングにより200[nm]成膜した。このとき電極702と電気的に接続されている電極膜703が液室604の内壁に成膜される。図10(c)に示す液滴注入プレート705には、外部から液滴を液室604に注入するための液滴注入口704が設けられている。そして、ノズルプレート100を流路プレート701上に設けられているアライメントマークに沿ってUV硬化樹脂で接着し、更にその上に液滴注入プレート705をUV硬化樹脂で接着し、図10(d)に示すプレートホルダー601を作製した。
流路プレート701は、ノズルプレート100に接合され、かつノズルプレート100との間でノズル孔102に連通する液室やリザーバ等のインク流路が形成された液室形成プレートに相当するプレートである。そして、駆動手段によりノズル先端に形成されるメニスカスに力を加えることにより液滴を選択された吐出口106から吐出するように構成されている。
なお、液滴は、図10における液滴注入口704から液室604に予め注入しておいてもよく、液滴注入口704にチューブを介してインクタンクと連通しインクをインクタンクから吐出室604に送液してもよい。
(液滴吐出装置)
次に、本発明の一実施形態に係るノズルプレート及びインクジェットヘッドを搭載した液滴吐出装置について説明する。
図11は、本発明の一実施形態に係る液滴吐出装置の一例を示した全体斜視図である。なお、図11において、Z軸は鉛直方向を、θ軸は鉛直方向に対する回転方向を、それぞれ示している。また、X軸及びY軸は互いに直交し、尚且つ、Z軸に対し直交するよう配置された3次元直交座標系となっている。
図11に示す液滴吐出装置800は、本発明の一実施形態に係るインクジェットヘッド600を用いて、吐出対象物605に対して所定の液滴吐出を行うものである。本発明の一実施形態に係る液滴吐出装置800を用いて電子デバイス等を製造するために必要となる高精度なパターニングを行うことができる。
液滴吐出装置800は、定盤801、XYZθステージ802、吸着テーブル803、ガントリ804、ガントリZステージ805、ノズルヘッドユニット806、ワークギャップ測定部807、カメラユニット808、X軸ガイドレール809、Y軸ガイドレール810、X軸直線移動可能ステージ811、Y軸直線移動可能ステージ812、除振台813、コントローラ120により主に構成されている。
定盤801には、XYZθステージ802を往復可能に取付けられるためのX軸ガイドレール809及びY軸ガイドレール810、ガントリZステージ805を鉛直方向に往復移動可能に取り付けるためのガントリ804と、周囲の振動が伝わらないように除振台1813と、が備わっている。
XYZθステージ802のX軸方向には、定盤801に固定されたX軸ガイドレール809に沿って往復移動可能なX軸直線移動可能ステージ811が備わっている。XYZθステージ802のY軸方向には、定盤801に固定されたY軸ガイドレール810に沿って往復移動可能なY軸直線移動可能ステージ812が備わっている。XYZθステージ802のZ軸方向には、XYZθステージ802と吸着テーブル803との間に、Z軸方向に沿って往復移動可能なZ軸直線移動可能ステージが備わっている。XYZθステージ802のθ軸方向には、XYZθステージ802と吸着テーブル803との間に、回動(正逆方向に円運動することを意味する)可能な回転ステージが備わっている。
吸着テーブル803は、XYZθステージ802に固定されており、吐出対象物605を吸着によって固定して載置するためのテーブルである。例えば、吸着テーブル803と吐出対象物605との間を減圧ないしは真空に近い状態にすることによって、吐出対象物605を固定できるように構成されている。例えば、吸着テーブル表面には、減圧ないし真空状態にするための複数の空気孔が設けられていて、この複数の空気孔は、これらに連結するパイプを通じて吸引手段として真空ポンプ等に連結・接続されている。
ガントリ805は、門型構造であり、XYZθステージ802及び吸着テーブル803を跨ぐように定盤801に固定されている。ガントリ804には、ガントリZステージ805がZ軸方向に往復移動可能に取り付けられている。ガントリZステージ805には、ノズルヘッドユニット806と、カメラユニット808とが取り付けられている。
ガントリZステージ805は、例えば、サーボ機構を備えたリニアモータ等の制御可能な駆動手段により、Z軸方向に往復移動可能に構成されている。ガントリZステージ805は、駆動手段を介して、所定の制御量に基づいてノズルヘッドユニット806及びカメラユニット808が所定のZ軸座標に位置するように制御される。
ノズルヘッドユニット806は、本発明の一実施形態に係るノズルプレート100とインクジェットヘッド600、液滴を吐出するための吐出機構が備わっている。吐出機構から吐出される液滴は、例えば、電子デバイスを作成するための機能性材料の塗布液である。なお、液滴の種類や状態については、特に限定されるものではなく、インクや粘着液などであってもよい。
ワークギャップ測定部807は、ノズルヘッドユニット806と吸着テーブル803との間の距離(以下、ワークギャップとする)を測定するためのものである。
なお、ワークギャップは、ノズルヘッドユニット806と吸着テーブル803に載置された吐出対象物605との間の距離であってもよい。
ワークギャップ測定部807は、一例として、ノズルヘッドユニット806の四隅に取付けられている。
カメラユニット808には、吸着テーブル803に載置された吐出対象物605の印刷面に対してZ軸方向に沿って垂直に、及びXYZθステージ802の移動範囲内で吐出対象物を撮像・観察できるように構成された撮像手段である。なお、撮像手段としては、一般的にアライメントカメラに用いるCCDカメラ又は上記機能を発揮する同等の撮像手段でもよい。
XYZθステージ802のX軸方向には、定盤801に固定されたX軸ガイドレール809に沿って往復移動可能なX軸直線移動可能ステージ811が備わっている。X軸直線移動可能ステージ811は、例えばサーボ機構を備えたリニアモータ等の制御可能な駆動手段により、X軸方向に往復移動可能に構成されている。X軸直線移動可能ステージ811は、駆動手段を介して、吸着テーブル803が所定のX軸座標に位置するように制御されるようになっている。この場合のX軸の位置精度としては、高精細な電子デバイスを製造するためにはサブミクロンから10μmまでの精度を有することが好ましい。
XYZθステージ802のY軸方向には、定盤801に固定されたY軸ガイドレール810に沿って往復移動可能なY軸直線移動可能ステージ812が備わっている。Y軸直線移動可能ステージ812は、例えば、サーボ機構を備えたリニアモータ等の制御可能な駆動手段により、Y軸方向に往復移動可能に構成されている。Y軸直線移動可能ステージ812は、駆動手段を介して、吸着テーブル803が所定のY軸座標に位置するように制御されるようになっている。この場合のY軸の位置精度としては、高精細な電子デバイスを製造するためにはサブミクロンから10μmの精度を有することが好ましい。
XYZθステージ802のZ軸方向には、XYZθステージ802と吸着テーブル803との間に、Z軸方向に沿って往復移動可能なZ軸直線移動可能ステージが備わっている。
XYZθステージ802のθ軸方向には、XYZθステージ802と吸着テーブル803との間に、回動(正逆方向に円運動することを意味する)可能な回転ステージが備わっている。この回転ステージは、例えば、サーボ機構を備えたリニアモータ等の制御可能な駆動手段により、所定の回転軸方向に回動可能に構成されている。また、回転ステージは、駆動手段を介して、所定の制御量に基づいて吸着テーブル803が所定のθ位置に制御されるようになっている。この場合のθ軸は、吐出対象物605を載置した際の初期操作に用いることを主としている。
コントローラ120は、液滴吐出装置800の動作を制御するものである。ここで、図12を用いて、液滴吐出装置800が備えるコントローラ120のハードウエア構成の一例について説明する。
コントローラ120は、CPU901、ROM(Read Only Memory)902、RAM(Random Access Memory)903、通信インターフェース904を備える。
CPU901は、後述するROM902に記憶されているプログラム等を実行するためのものである。
ROM902は、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリである。ROM902は、後述にて詳細に説明するが、算出機能及び制御機能を発現するためのCPU901によって実現されるプログラムや、算出機能及び制御機能を発現するための関係データが予め記憶する。
RAM903は、プログラムやデータの展開用メモリとして用いる書き込み及び読み出し可能なメモリである。
通信インターフェース904は、外部機器と通信を行うためのインターフェースであり、通信インターフェース904を介して外部機器と通信可能である。通信インターフェース904は、有線通信または無線通信により外部機器と通信を行う。
次に、図12に示すコントローラ120が備えるCPU901により実現される機能について説明する。
図13は、CPU901により実現される機能の一例を説明した図である。
CPU901により実現される機能は、液滴吐出指示部1001、XYZθステージ移動指示部1002、ガントリZステージ移動指示部1003、ワークギャップ測定指示部1004を含む機能である。
液滴吐出指示部1001は、ノズルヘッドユニット806に対して、液滴の吐出のタイミングや液滴の吐出量等に関する液滴の吐出に関わる情報を指示する。
XYZθステージ移動指示部1002は、XYZθステージ802の各軸方向に対する移動を制御するものである。
ガントリZステージ移動指示部1003は、ガントリZステージ805のZ軸方向に対する移動を制御するものである。
ワークギャップ測定指示部1004は、ワークギャップ測定部807におけるワークギャップの測定に関する動作を制御するものである。
なお、CPU801により実現される機能については、通信インターフェイス804を介して通信を行う外部機器により実現されてもよい。
以下、本発明のノズルプレート及びその製造方法の実施例、及び当該実施例におけるノズルプレートを搭載した液滴吐出装置を用いた液滴の吐出結果について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
基材としてSiOガラス基板(40[mm]角、板厚1.1[mm])を2枚準備した。各SiOガラス基板を、洗浄、乾燥後、更にUV−オゾン処理を90[℃]で10分間行った。SiOガラス基板1枚にフォトレジストをスピンコートし、所定のフォトマスクを介して露光、現像し、基板上にレジストパターンを形成した。パターンとして幅2[μm]の溝を長さ30[mm]、ピッチ255[μm]で128本形成した。(図5のステップS1)そして、40[%]HF溶液でガラス基板をエッチングして深さ2[μm]の溝を形成した。
流水洗浄後、レジストを剥離した。次に、各溝内に幅2[μm]長さ100[μm]のパターンを1[mm]ピッチで配置したフォトマスクを介して同様に露光、現像及び前記溝に重ね合わせて露光、現像を行い、レジストパターンを形成した。次にICP−RIE(誘導結合プラズマ−リアクティブイオンエッチング)装置を用いてCF/H(ガス流量比50/50)の混合ガスを流しながらRF電力を印加しガラスのエッチングを行い、溝底部に深さ5[μm]の穴を形成した。(図5のステップS2)
次にモリブデンターゲットを用いてDCマグネトロンスパッタリング法により膜厚200[nm]のモリブデン薄膜を形成した、次に各溝内に幅2[μm]、長さ700[μm]の細長いノズル内電極用フォトマスクを介して同様に露光、現像及びエッチングを行い、溝底部にノズル内電極を形成した。(図5のステップS3)
溝加工及び溝内にノズル内電極105を形成したSiOガラス基板の加工面ともう1枚のSiOガラス基板の表面とを合わせ、Ar+H還元ガス雰囲気中1150[℃]で30分加熱して接合した。(図5のステップS4)
精密切断機により1mmピッチで切断後、液滴供給孔の傾斜部分の長さがノズルプレート上面から5μmとなるように両面を研磨し、縦2.2[mm]、横40[mm]、厚さ0.7[mm]のノズルプレートが得られた。(図5のステップS5)
そして、作成したノズルプレートの傾斜部分が設けられた面に対して、メタルマスクを介しモリブデンをDCマグネトロンスパッタリング法により膜厚200[nm]の表面電極103を生成した。(図5のステップS6)
(実施例2−6)
上記実施例1と同様のプロセスにより、実施例2−6に係るノズルプレートを作製した。各実施例の異なる点は、溝部302が有する傾斜部305の形状を変化させた点である。実施例2−6に係るノズルプレートの傾斜部205の形状は、表1に示す通りである。傾斜部の形状は、フォトマスクのパターンとエッチング条件を変化させることにより調整した。
(比較例1)
実施例1と同様に、各SiOガラス基板を、洗浄、乾燥後、更にUV−オゾン処理を90[℃]で10分間行った。SiOガラス基板1枚にフォトレジストをスピンコートし、所定のフォトマスクを介して露光、現像し、基板上にレジストパターンを形成した。パターンとして2[μm]の溝を長さ30[mm]、ピッチ255[μm]で128本形成した。(図5のステップS1)
次に、40[%]HF溶液でガラス基板をエッチングして深さ2[μm]の溝を形成した。
次にモリブデンターゲットを用いてDCマグネトロンスパッタリング法により膜厚200[nm]のモリブデン薄膜を形成した、次に各溝内に幅2[μm]、長さ700[μm]の細長いノズル内電極用フォトマスクを介して同様に露光、現像及びエッチングを行い、溝底部にノズル内電極を形成した。(図5のステップS3)
溝加工及び溝内にノズル内電極を形成したSiOガラス基板の加工面ともう1枚のSiOガラス基板の表面とを合わせ、Ar+H還元ガス雰囲気中1150[℃]で30分加熱して接合した。(図5のステップS4)
精密切断機により1mmピッチで切断後、液滴供給孔の傾斜部分の長さがノズルプレート上面から5μmとなるように両面を研磨し、縦2.2[mm]、横40[mm]、厚さ0.7[mm]のノズルプレートが得られた。(図5のステップS5)
下記の表1に実施例1〜6及び比較例1で作製したノズルプレートの傾斜部の形状と上面電極とノズル内電極の接続状態を評価した結果を示す。接続状態の評価方法として、全部で128本のノズルのうち、液滴吐出時の液滴が吐出されない不良ノズルの本数を接続不良数として示す。
基板は熱酸化膜付きシリコン基板、液滴はハリマ化成製の金ナノペーストNPG−Jを使用した。印加電圧700V、50Hzの矩形波でインクジェットヘッドを駆動し、ステージ速度は1mm/sで走査した。
その結果、実施例1〜6のノズルプレートを用いて液滴を吐出した場合、ノズルピッチが255μmの間隔で連続吐出された液滴のドット(着弾)が分離して観察された。ドット半径2.8μm、ドット高さ110nm、吐出量14fLであった。
実施例1〜5のノズルプレートを用いて液滴を吐出した場合、液滴の粘度によらず、全てのノズルで1[pL]未満の微小液滴を均一に吐出することに成功した。また、ミストやサテライトも発生せず、高品質な描画をすることができた。
実施例6のノズルプレートを用いて液滴を吐出した場合、液滴が吐出されない不良ノズルが、実施例1〜5と比較し、若干多く存在する結果となった。
一方、比較例1のノズルプレートを用いて液滴を吐出した場合は、接続不良数が極めて多く使用不可能であり、所望の描画像を得ることが出来なかった
したがって、本発明の一実施形態に係るノズルプレートのノズル孔に設けた傾斜を所望の形状に変化させることで、ミストやサテライトが発生せず、微小な液滴を均一に安定して吐出することができる。
さらに、ノズルプレートのノズル孔に設けた傾斜を所望の形状に変化させることで、より精度の高い描画を行うことが可能となる。
100 ノズルプレート
101 プレート部
102 ノズル孔
103 表面電極
104 傾斜部
105 ノズル内電極
106 吐出口
107 供給口
110 電圧印加手段
120 コントローラ
201 第1のプレート部
202 第2のプレート部
301 第1の基板
302 溝部
303 第2の基板
304 接合部
305 切断線
401 凹部
501 第2の傾斜部
600 インクジェットヘッド
601 プレートホルダー
602 電圧印加手段
603 位置調整手段
604 液室
605 吐出対象物
606 テーブル
701 流路プレート
702 電極
703 電極膜
704 液滴注入口
705 液滴注入プレート
800 液滴吐出装置
801 定盤
802 XYZθステージ
803 吸着テーブル
804 ガントリ
805 ガントリZステージ
806 ノズルヘッドユニット
807 ワークギャップ測定部
808 カメラユニット
809 X軸ガイドレール
810 Y軸ガイドレール
811 X軸直線移動可能ステージ
812 Y軸直線移動可能ステージ
813 除震台
901 CPU
902 ROM
903 RAM
904 通信インターフェース
1001 液滴吐出指示部
1002 XYZθステージ移動指示部
1003 ガントリZステージ移動指示部
1004 ワークギャップ測定指示部
特開平11−10885 特開平4−310746

Claims (9)

  1. 一の面に溝が形成された第1のプレート部と、該第1のプレート部における前記溝が形成された面と接合された第2のプレート部とを備えるノズルプレートであって、
    前記溝は、液滴を吐出する吐出口と、該吐出口と反対側の供給孔とを形成するとともに、前記液滴の流路となるノズル孔を形成し、
    前記第1のプレート部及び前記第2のプレート部は、前記供給孔側の面の少なくとも一部に第1の電極部を有し、
    前記第1のプレート部は、前記溝における前記第2のプレート部と対向する面に形成された第2の電極部を有するとともに、前記第1の電極部と前記第2の電極部とが接続する接続領域を有し、
    前記接続領域は、前記供給孔に向かって拡径されていることを特徴とするノズルプレート。
  2. 前記吐出口の開口径は、前記供給孔の開口径に比べて小さいことを特徴とする請求項1に記載のノズルプレート。
  3. 前記接続領域は、前記第1のプレート部の内部方向に凹となる円弧状であることを特徴とする請求項1または2に記載のノズルプレート。
  4. 前記接続領域は、平坦な形状であることを特徴とする請求項1または2に記載のノズルプレート。
  5. 前記第1のプレート部における前記接続領域は、前記拡径が始まる地点から、前記第1のプレート部における前記供給孔が形成された面の垂直方向に対して、前記拡径が最大となる地点までの長さを前記接続領域の深さ(a)とし、前記拡径が始まる地点から、前記第1のプレート部における前記供給孔が形成された面の水平方向に対して、前記拡径が最大となる地点までの長さを前記接続領域の長さ(b)としたとき、前記深さ(a)/長さ(b)が0.2から5の範囲であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のノズルプレート
  6. 前記第2のプレート部は、前記第1のプレート部と対向する面に、前記ノズル孔を形成する第2の溝を有し、前記第2の溝における前記第1のプレート部と対向する面に前記第2の電極部が形成されているとともに、当該第2のプレート部に形成された前記第1の電極部と、当該第2のプレート部に形成された前記第2の電極部とが接続する第2の接続領域を有し、
    前記第2の接続領域は、前記供給孔に向かって拡径されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のノズルプレート。
  7. 少なくとも、
    請求項1乃至のいずれか1項に記載のノズルプレートと、
    記ノズル孔に接続され、前記ノズル孔に前記液滴を供給する一以上の流路と、
    を備えていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  8. 少なくとも、
    請求項記載のインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドを駆動するための駆動部と
    前記インクジェットヘッドから吐出される液滴を用いてパターンが描画される描画対象物を保持し、前記インクジェットヘッドに対してXYZ方向に相対的に移動する移動部と、
    前記描画対象物に対するパターン描画に基づいて、前記駆動部と前記移動部の動作を制御する制御部と
    を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
  9. 請求項1乃至6のいずれかに記載のノズルプレートの製造方法であって、
    前記第1のプレート部となる第1の基板の一の面に溝部を形成する第1の溝部形成工程と、
    前記溝部に対して更に深い部分を形成し、浅い部分を第1の溝部、深い部分を第2の溝部としたときに、前記第1の溝部から前記第2の溝部への方向に向かって徐々に深さが大きくなる傾斜部を形成する第2の溝部形成工程と、
    前記第1の溝部及び前記傾斜部に前記第2の電極部を形成する第2の電極部形成工程と、
    前記第1の基板における前記溝部が形成された面に対して、前記第2のプレート部となる第2の基板を接合する接合工程と、
    前記第1の溝部が形成された任意の箇所であり、前記溝部の長手方向と垂直な方向において切断し、かつ、切断された前記第1の溝部と隣接する前記第2の溝部が形成された任意の箇所であり、前記溝部の長手方向と垂直な方向において切断する切断工程と、
    前記切断された面における前記第2の溝部側の面において、前記第1の基板の少なくとも一部及び前記第2の基板の少なくとも一部に、前記第1の電極を形成する第1の電極部形成工程と、
    を有することを特徴とするノズルプレートの製造方法。
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