JP6609099B2 - 放射線検出装置、及び放射線検出シート - Google Patents

放射線検出装置、及び放射線検出シート Download PDF

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Description

本発明は、医療画像診断装置、非破壊検査装置、分析装置等に用いられる放射線検出シート、放射線検出装置に関する。特に、放射線の中ではX線のエネルギー領域、10keV以降150keV以下で更に有効であり、X線撮像装置に用いられるX線から光への変換用のシンチレータシートやそれを用いたX線検出装置に関するものである。但し、本発明において、放射線にはX線以外にも、γ線等の放射線も含むものとする。放射線を検出する検出器としては、1画素のものもあるが、本発明では1次元のラインセンサーや2次元のフラットパネルセンサーに有効に用いられるものである。これらの検出器では光検出部があり、それには非晶質シリコンや結晶シリコンが主に用いられる。
近年の結晶シリコンを用いたCMOS技術や非晶質シリコンや酸化物を用いたTFT技術の進歩により、さまざまな放射線検出器、特に2次元フラットパネルセンサーが提案され、医療画像分野や非破壊検査分野においても大面積で高速なデジタル検出器が開発されてきている。
このフラットパネルセンサーは放射線照射後、もしくは照射しながら、瞬時にディスプレー上に表示出来るものであり、画像がデジタル情報として取り出せる為、データの保管や加工、伝送に便利である特徴があり、広く用いられる様になっている。
特に医療画像分野で用いられるフラットパネルセンサーでは分解能を反映するMTF(Modulation Transfer Function:変調伝達関数)値特性やS/N比を表すDQE(Detective Quantum Efficiency:検出量子効率)値が重要な指標となっている。どちらの値も大きい方が、即ち1に近い方が、フラットパネルセンサーの特性が良いことを示す。
フラットパネルセンサーには放射線を光に変換させて、その光を光センサーで読み取り、画像化するタイプのものが一般的である。この放射線を光に変換させる層をシンチレータ層と呼んでおり、GOS(Gd2O2S:Tb)シートやCsI(CsI:Tl)針状結晶膜が一般的に用いられている。GOSシートはGd2O2S:Tbの蛍光体粉末を有機バインダーと共にシート状に加工したものであり、普通はセンサー側とは反対側にAlの反射膜を付けて、発光輝度を向上させている。CsI針状結晶膜はCsIと発光中心となる付活剤であるTlIを共蒸着させてCsI:Tlの針状結晶が多数成長した針状結晶膜を用いている。この針状結晶膜には光を針状結晶方向に効率良く伝搬させる能力があるため、発光した光が横方向にボケることを低減出来る。CsI針状結晶膜は光センサー上に直接成長させてから、その上にAl反射膜を形成したり、それとは逆に反射膜付きの基板にCsI針状結晶膜を成長させてから、光センサー基体にそれを張り付ける方法が採られている。
また、放射線を光に変換させないで、直接電気信号に変換する、所謂直接変換タイプも開発されている。放射線を直接電気信号に変える材料は半導体材料であり、シリコンや非晶質セレン、カドミウムテルルなどが用いられている。
図2に従来の一般的な放射線検出装置を示す。図示はしていないが、この場合放射線源は図の上部、即ち反射層15より図面上にある。図中、21がシンチレータ層であり、その放射線源側には反射層15が隣接して設置してあり、放射線源と反対側には基板17に複数の光センサー18が設けられた光センサー層16が設置されている。この図面には光センサーの保護層や各層間の接着層などは省略してある。
DQE値を向上させる為には、シンチレータ層21の膜厚を厚くして放射線のストッピング、即ち吸収率を上げる方法が一般的に取られている。しかしながら、シンチレータ層21を厚くすると、発光した光がセンサーに到達する前に拡散して広がる度合いが大きくなり、MTF値が低下してしまう問題点があった。
一方、MTF値の向上にはシンチレータ層21の厚みを薄くして、光の散乱影響を低減する方法がある。しかしながらこの方法では放射線のストッピング能力が低下し、その結果としてDQE値が低下してしまっていた。
DQE値を向上させる方法として、センサー側のノイズを低減させることも重要であるが、センサーノイズに対してシンチレータ光が十分にある場合には効果は少ない。
放射線検出装置は当然MTFが良い、即ち大きい方が好ましいが、MTFを向上させる一般的な方法は、上述のようにシンチレータ層を薄くすることである。薄くすることによりシンチレータ層での光の拡散が大きくならない内に光センサーに検出させることが出来る。しかし、この方法ではシンチレータ層が薄くなりX線が十分に吸収されない問題が発生する。X線の吸収が十分でないとDQEが低下することになる。
またMTFを向上させる別の方法として、特許文献1には付活剤の濃度が放射線の入射側で高く、光センサー側で低いことを特徴とする放射線検出装置が開示されている。また、特許文献2にはこれとは逆にシンチレータにおける光センサー側の位置には、シンチレータにおける放射線入射側とは反対側の領域での付活剤濃度よりも付活剤濃度が高い高付活剤濃度領域が設けられる、放射線画像検出装置が開示されている。
特開2008−51793号広報 特開2012−159393号広報
上記特許文献1や特許文献2ではMTFを向上させるのに異なる賦活剤分布が記述されているが、DQEを向上させる手法に関しては開示されていない。また、一般的にはMTFを上げる簡単な手法はAl等の反射膜を無くすことが有効である。しかしながら反射膜を無くすことによりDQEなどが低下するか否かは開示されていない。
そこで、本発明は、MTFとDQEを同時に向上させた放射線検出装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための本発明の放射線検出装置は、基板と該基板に設けられた光を電気信号に変換する複数の光センサーとからなる光センサー層と、該光センサー層上に配置されたシンチレータ層と、該シンチレータ層上に配置された反射層とを有し、該反射層側から放射線が入射される放射線検出装置であって、前記シンチレータ層が膜厚方向に変換効率の分布を有し、前記シンチレータ層の放射線入射側25%領域の平均変換効率を基準の100とし、光センサー層側25%領域の平均変換効率をxとし、変換効率低下率を100−xとした場合に
0.375≦変換効率低下率/(100−反射層の反射率(%))<3.7
であることを特徴とする。
本発明により、放射線検出装置のMTF値を低下させることなく、DQE値を向上させることが出来る。
本発明は、特に放射線入射方向から反射層、シンチレータ、光センサーの順に並んでいる構成の放射線検出装置に有効である。また、放射線を1個1個数えるフォトンカウンティング方式の検出装置よりは、一定時間のシグナルを積算してからデジタル化する積算タイプの検出装置に有効である。
本発明の放射線検出装置の代表的な構成を示す図である。 従来の一般的な放射線検出装置の構成を示す図である。 放射線検出装置のシミュレーションに用いたX線スペクトルを示す図である。 各シンチレータ副層で吸収されるX線エネルギー分布を示す図である。
本発明の放射線検出装置は、基板と該基板に設けられた光を電気信号に変換する複数の光センサーとからなる光センサー層と、該光センサー層上に配置されたシンチレータ層と、該シンチレータ層上に配置された反射層とを有し、該反射層側から放射線が入射される放射線検出装置であって、前記シンチレータ層が膜厚方向に変換効率の分布を有し、前記シンチレータ層の放射線入射側25%領域の平均変換効率を基準の100とし、光センサー層側25%領域の平均変換効率をxとし、変換効率低下率を100−xとした場合に
0.375≦変換効率低下率/(100−反射層の反射率(%))<3.7
であり、かつ、前記反射層の反射率が50%以下、前記変換効率低下率が60%以上75%以下であることを特徴とする。
ここで、変換効率とは(発光効率×受変換効率)であるが、発光スペクトルが同一の場合は光変換効率が同じになるので、変換効率の増減は発光効率の増減に相当する。発光効率とは、あるエネルギーの放射線の1個に対して放出される光のフォトン数に比例するものである。この発光効率を1MeVのγ線で数値化したものをLight Yieldと呼ぶ場合もある。また、発光効率は同じでも発光スペクトルが異なれば、光センサーに誘起させるシグナル強度も異なって来る。これは光センサーの感度が光スペクトル依存を有するからである。以上から変換効率とは(発光効率)×(光変換効率)と表現することが可能である。
本発明ではシンチレータ層の放射線入射側25%領域(放射線入射側の表面から膜厚方向に25%以内の領域。例えば、膜厚が100μmであれば、放射線検出素子入射側の表面を含む厚さ25μmの層を仮定するとき、その層のことを放射線入射側25%領域とする)での変換効率を100と規格化して、他の領域での変換効率を定義するものとする。この場合、放射線入射側25%領域の平均をとるものとする。また、変換効率低下率とは、シンチレータ層の光センサー層側25%領域(光センサー層側の表面から膜厚方向に25%以内の領域)での平均変換効率をxとした場合、100−xを意味するものとする。
変換効率は幾つかの方法で測定することが可能である。例えば、放射線入射側から表面25%領域だけ研磨や切断等の方法により切り出し放射線を照射して、光センサーで計測する方法であるとか、放射線励起と紫外線励起では発光量に概ね線型の相関がある事を利用し、膜を断面方向に切り出し、顕微鏡下で紫外線を切り出した断面に照射して、発光量を顕微鏡で計測する方法によって測定可能である。
本発明における放射線入射側及び光センサー層側の25%領域の平均変換効率は、以下のようにして求める。
1)放射線入射側(あるいは光センサー層側)から表面25%領域だけ取り出す。取り出し方法は、研磨や切断等の方法でも良いし、もしくはその25%領域だけ成膜したシンチレータを用いる事も可能である。サイズは5mm□以上ある事が好ましい。
2)切り出したシンチレータ膜を光センサーの上に置き所望のX線を照射して輝度を計測する。ここで所望とは、X線撮像に利用するX線スペクトルの事であり、医療分野ではRQA5など、IEC規格に記載されている。また光センサー直上でなくても、光ファイバーを通して発光した量を計測してもよい。なお、測定回数は出来れば3回以上ある事が好ましく、その場合測定値を単純平均して平均変換効率とする。
反射層の反射率は、反射率計測器により計測することが出来る。反射層のシンチレータ側に保護層や接着層がある場合には、その層も含めて計測して反射率とする。
本発明の放射線検出装置の代表的な構成を図1を用いて説明する。図1ではシンチレータ層21が4つに分かれており、上から、即ち放射線入射側からシンチレータ副層11、12、13、14となる。各シンチレータ副層は異なる材料から構成されていても良いが、ここでは代表例としてCsI:Tl針状結晶膜を用いて説明する。シンチレータ副層11〜14の順に発光中心であるTlの濃度が低下しており、発光効率が低下する様に設計されている。図1中、シンチレータ層21の上部には反射層15があり、反対側には基板17に複数の光センサー18が設けられた光センサー層16が設置されている。この図面には光センサーの保護層や各層間の接着層などは省略してある。
本発明における光センサーとしては、リニア光センサー、エリア光センサーなどを用いることができるが、一般的なフォトダイオードを配列させたものをマトリックス駆動などで読みだす方法によるセンサーの他、CCDやCMOSセンサーを用いることもできる。
本発明において、光センサーを設けるための基板としては、一般的にはガラスやSiが用いられるが、所望の放射線検出装置が得られるものであれば材料はこれらに限定されない。
また、シンチレータ層と光センサー層との間には、ポリイミドやSiN、SiO2などの保護膜や接着剤が設けられていてもよく、材料はこれらに限らない。またシンチレータ層と反射層との間も同様な材料を用いることができる。反射層の放射線入射側には通常基板や保護層があるが、基板は放射線を透過させ易い材料である事が好ましく、例えばカーボン系材料、アルミニウム、ポリイミドなどの有機材料が利用可能である。また、場合によっては放射線検出器とX線光源の間に散乱X線を遮断するグリッドが用いられることもある。
本発明を説明するために、シミュレーションによりDQEとMTFがどの様に変化するか以下に示す。
(シミュレーションの前提)
光センサーは画素ピッチ100μmで、全体で256×256画素とする。光センサーノイズは無視出来る程度に小さいとする。シンチレータはCsIを主成分とし、全体で640μmとする。これは充填率100%を仮定した値であり、針状結晶の充填率が80%である時は、800μmに相当する。シンチレータ層は4つのシンチレータ副層からなっており、各厚みを160μmとする。シンチレータ層の上には反射率RR%の反射層があるとする。
放射線とシンチレータは光電変換を介して発光する。発光した光はシンチレータ層を上下に伝搬するが、伝搬の広がりを光センサー面に到達するPSF(Point Spread Function)で表現する。PSFはガウス分布で表現出来ると仮定し、PSFの半値幅Wは下記の式で表現出来るものとする。
W=0.4×L0.5 ....(式1)
ここで、Lは発光点から光センサー面までの距離(mm)である。
各画素には平均1600個の放射線が照射されるものとする。計算に用いる放射線はX線であり、RQA5という規格のX線スペクトルを用いた。そのスペクトルを図3に示す。X線は概ね30keV〜70keVのエネルギーに分布している。
シンチレータはエネルギーに応じた発光強度を示すものとする。即ち60keVのX線1フォトンを全て発光に変換出来た際には、30keVのX線1個を全て発光に変換出来た場合より、2倍のフォトンを生成するものとする。これは一般的なシンチレータで近似的に正しい現象である。
X線を吸収すると特性X線が発生したり散乱されたりするが、ここでは簡単のためX線の散乱は十分小さいとし、特性X線が出た場合のEscape、即ち系外に出てしまう確率は図1のシンチレータ副層11と14でのみ計算する。系外に特性X線で出た場合には、残りのエネルギーが光電変換で光に変換出来るものとする。それ以外の特性X線は、最初に光電変換を起こした位置で再度光電変換を起こすものとする。特性X線が出る確率は吸収端以上のエネルギーを有するX線が入射した場合に89%とする。残りの11%はオージェ電子の放出によりエネルギー緩和が起きるとする。そうすると図4に示す様に、各シンチレータ副層11〜14で吸収されるエネルギー分布が実線で表される。
発光した光はシンチレータ層内部や接着層等で吸収される場合もあるが、ここでは吸収は無視している。
MTFの計算は、1つの画素にRQA5のスペクトルを有するX線を照射させ、各シンチレータ副層で発光した光が伝搬してセンサー面に到達した光を合計した面内分布であるPSFをフーリエ変換して求めた。DQEの計算は、センサー全面にRQA5のスペクトルを有するX線を照射させた場合のNNPS(Normalized Noise Power Spectrum)を計算して求めた。
例として、放射線にX線を用い、X線源・反射層・シンチレータ層・光センサー層の順に並んでいる構成の放射線センサーのDQEとMTFを前記の方法で計算した。
基準となるDQEとMTFを出す為に、変換効率がシンチレータ層の膜厚方向に対して均一である場合(変換効率の低下率0%)を計算した。また、最も放射線入射側に位置するシンチレータ副層(第1副層)の変換効率を100とし、第1副層から第4副層の各シンチレータ副層の変換効率を、第1副層からそれぞれ100、90、80、70とした例(変換効率の低下率30%)、100、80、60、40とした例(変換効率の低下率60%)、100、75、50、25とした例(変換効率の低下率75%)、100、70、40、10とした例(変換効率の低下率90%)を計算した。また、各々について、反射率を100%、80%、50%、20%、0%の5種類を計算した。
上記した条件の結果について、表1にDQEの値を、表2にMTFの値をまとめて示す。ここで、DQE、MTFの値は代表例として2LP/mmの値を示している。LPはLine Pairの略である。
Figure 0006609099
Figure 0006609099
ここで、変換効率低下率とは、上述のように、シンチレータ層の中で放射線入射側25%の領域での単位放射線強度当たりの平均変換効率を100とし、光センサー層側25%の領域での単位放射線強度当たりの平均変換効率をxとした場合、100−xを意味することとする。但し、本シミュレーションでは、X線入射側の第1副層を規格化の標準として100としている。つまり、放射線入射側25%の領域は第1副層の中にあるものとする。放射線単位当たりとは、例えば50keVのX線1photonのことであっても構わないし、他のエネルギーのX線でも構わない。しかし、実際に使用するX線エネルギーに近いことが望ましい。
その結果、変換効率低下率が0である一般的な放射線検出器では反射率が下がるとDQEは下がり、MTFは向上することが判る。これは、反射率が下がった際に、センサー近傍で光電変換を起こしたX線のシグナルが強調されるためにノイズが大きくなってDQEが低下すること、また反射でボケた発光がセンサーに届く率が下がってMTFが向上することが原因と考えられる。
一方、変換効率を制御して変換効率低下率を有するシンチレータ層の場合には、適度に変換効率を低下させるとDQEが向上することが判る。MTFは変換効率の低下があると下がるが、反射率を適度に下げればMTFとDQEの双方が向上する領域があることが判明する。尚、比較対象は、変換効率低下率0%、反射率が100%の放射線検出器である。具体的には、変換効率低下率が30%であると、反射率が20〜100%でDQEが向上し、変換効率低下率が60〜75%であると、反射率に関わらずDQEが向上し、変換効率低下率が90%であると、反射率が50%より小さければDQEが向上する。一方、MTFは、変換効率低下率が30〜60%であると、反射率が80%以下であればMTFが向上し、変換効率低下率が75〜90%であると、反射率が50%以下であればMTFが向上する。これらのことから、変換効率低下率が30%のとき、反射率を20%以上80%以下にすれば、MTFとDQEの双方が向上し、変換効率低下率が60%のとき、反射率を80%以下にすれば、MTFとDQEの双方が向上する。同様に、変換効率低下率が75%のとき、反射率を50%以下にすれば、MTFとDQEの双方が向上し、変換効率低下率が90%のとき、反射率を50%より小さくすれば、MTFとDQEの双方が向上する。加えて、変換効率低下率が90%のとき、反射率を50%であれば、DQEを維持したままMTFが向上する。
これらを整理して数式に表す。変換効率低下率が30%のとき、MTFとDQEの双方が向上する範囲は、変換効率低下率/(100−反射率(%))が0.375以上1.5以下である。また、変換効率低下率が60%のとき、MTFとDQEの双方が向上する範囲は、変換効率低下率/(100−反射率(%))が0.6以上3.0以下である。また、変換効率低下率が75%のとき、MTFとDQEの双方が向上する範囲は、変換効率低下率/(100−反射率(%))が0.75以上1.5以下である。また、変換効率低下率が90%のとき、MTFとDQEの双方が向上する、もしくは、DQEを維持したままMTFが向上する範囲は、変換効率低下率/(100−反射率(%))が0.9以上1.8以下である。また、変換効率低下率が30%、反射率0%であればDQEが向上するため、変換効率低下率/(100−反射率(%))が0.375以上であればMTFとDQEの双方が向上もしくは、DQEを維持したままMTFが向上すると考えられる。一方、変換効率低下率が75%のとき、反射率が80%のときのMTFの低下量は小さいため、変換効率低下率が75%のとき、反射率が80%より小さければMTFも向上すると考えられる。よって、変換効率低下率/(100−反射率(%))が3.75より小さければMTFとDQEの双方が向上すると考えられる。
以上のことから、0.375≦変換効率低下率/(100−反射率(%))<3.7とすることにより、MTFとDQEの双方が向上もしくは、DQEを維持したままMTFが向上することが判る。尚、変換効率低下率/(100−反射率(%))を1.8以下にすることがより好ましい。
これをCsIを母材として発光中心(賦活剤)をTlとした(CsI:Tl)シンチレータ層に適応させようとした場合には、放射線入射側でのTl濃度を約1mol%程度(±0.3mol%)に、光センサー層側のTl濃度を0.3mol%程度以下、0.02mol%程度以上にすることが好ましい。このように、本発明においてシンチレータ層がCsI:Tlである場合、放射線入射側25%領域の少なくとも一部においてTlの濃度が1±0.3mol%であり、光センサー側25%領域の少なくとも一部においてTlの濃度が0.02mol%以上0.3mol%以下であることが好ましい。これを実施する具体的方法としては、例えば、CsIを入れた坩堝を715℃に保持し、TlIを入れた坩堝をX℃に保持した場合、Xを下げればTl濃度も輝度も低下することを利用する。例えば、Xが300℃の場合2mol%で輝度1(この輝度を基準とする)、250℃の場合0.4mol%で輝度0.8、200℃の場合0.05mol%で輝度0.6、175℃の場合0.02mol%で輝度0.4になる。但し、濃度と輝度の関係は、基板温度にも影響される。
なお、上記においては、シンチレータ層が発光効率の異なる4つのシンチレータ副層からなる例を説明したが、これに限らず、シンチレータ層の発光効率が膜厚方向に徐々に変化するようなものであってもよい。
上記では発光中心としてTlの例を示したが、Tlの代わりにInを用いる事も可能である(CsI:In)。この場合も発光効率を低下させるにはInの添加濃度を下げる事により達成出来る。
また、発光効率の低減量を大きくしたり反射率の低減を大きくすると、センサーに到達する光量が減っていく。光センサーにも依存するが、センサーノイズが比較的大きい場合にはあまり光量を低減させる事は不利な場合があり、この場合には変換効率低下率は30%以内、反射率50%以上であれば、更に好ましい。
また、同じ様な効果はどの様なシンチレータにも当てはまるが、例えばCsBr系やRbI系のシンチレータで利用可能である。
本発明の放射線検出装置は、放射線を1個1個数えるフォトンカウンティング方式の検出装置よりも、一定時間のシグナルを積算してからデジタル化する積算タイプの検出装置に有効である。
上述のシンチレータ層を基板上に配置し、その上にさらに反射層を配置してシート状の放射線検出シートを作製することができる。かかる放射線検出シートのシンチレータ層を光センサーのパネルと張り合わせて放射線検出装置を作製したり、このシンチレータ層をレンズ光学系で撮像して用いることができる。
11、12、13、14 シンチレータ副層
15 反射層
16 光センサー層
17 基板
18 光センサー
21 シンチレータ層

Claims (5)

  1. 基板と該基板に設けられた光を電気信号に変換する複数の光センサーとからなる光センサー層、シンチレータ層、及び反射層、をこの順に有し、該反射層側から放射線が入射される放射線検出装置であって、前記シンチレータ層が膜厚方向に変換効率の分布を有し、前記シンチレータ層の放射線入射側25%領域の平均変換効率を基準の100とし、光センサー層側25%領域の平均変換効率をxとし、変換効率低下率を100−xとした場合に
    0.375≦変換効率低下率/(100−反射層の反射率(%))<3.7
    であり、かつ、前記反射層の反射率が50%以下、前記変換効率低下率が60%以上75%以下であることを特徴とする放射線検出装置。
  2. 前記シンチレータ層がCsI:Tlであり、前記放射線入射側25%領域の少なくとも一部においてTlの濃度が1±0.3mol%であり、前記光センサー層側25%領域の少なくとも一部においてTlの濃度が0.02mol%以上0.3mol%以下である、請求項1に記載の放射線検出装置。
  3. 前記放射線がX線である、請求項1または2に記載の放射線検出装置。
  4. 前記シンチレータ層は、母材と賦活剤とを有し、
    前記シンチレータ層は、前記賦活剤の濃度が互いに異なる、少なくとも4つの領域を有し、
    前記少なくとも4つの領域のうちの第1の領域における前記賦活剤の濃度は、前記第1の領域より前記光センサー層に近い位置に設けられた第2の領域における前記賦活剤の濃度よりも高い、請求項1〜のいずれか一項に記載の放射線検出装置。
  5. 前記シンチレータ層における、前記賦活剤の濃度が、前記光センサー層に近づくにつれて低くなっている請求項に記載の放射線検出装置。
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