JP6606032B2 - 輻輳通知装置、および、輻輳通知方法 - Google Patents
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Description
このように、IP網を相互接続するときには、複数の事業者間でパケット内のパラメータの記述方法などの詳細をあらかじめ決めておく必要がある。そこで、ENUMを相互接続するときの共通インタフェースが非特許文献1において提案されている。
図6は、ENUMシステムにおける各信号の経路を示す。
図面左側の自網には、各電話端末を収容する電話網18,19と、その電話網18,19からの呼信号(SIP信号)を中継する自網SIPサーバ11と、自網SIPサーバ11からのENUMクエリを受け、SIP信号の接続先を含めたENUMアンサを応答する自網ENUMサーバ10とがそれぞれ配置されている。この自網ENUMサーバ10は、接続先情報13aを提供するENUM権威サーバ13と、その接続先情報13aのコピーであるキャッシュ12aを提供するENUMキャッシュサーバ12とで構成される。
図面右側の他網も同様に、電話網28,29と、他網SIPサーバ21と、他網ENUMサーバ20とがそれぞれ配置されている。
また、ENUMキャッシュサーバ12は自網SIPサーバ11からENUMクエリを受け付け、ENUM権威サーバ13や適切な他網ENUMサーバ20にENUMクエリを転送し、目的の接続先情報を含むENUMアンサを自網SIPサーバ11に応答する。この際、接続先情報はENUMキャッシュサーバ12のキャッシュ12aにも保存される。これにより、次回の同一のENUMクエリ(同一番号の問い合わせ)に対して、ENUMキャッシュサーバ12がキャッシュ12aから読み込むことで、ENUM権威サーバ13や他網ENUMサーバ20の負荷を軽減できる。
(1)[実線矢印]は、自網(電話網18)→自網(電話網19)の信号を示す。自網SIPサーバ11は、電話網18から発呼のSIP信号を受けると、そのSIP信号のあて先を尋ねるENUMクエリを自網ENUMサーバ10(ENUM権威サーバ13)に送信する。そして、自網SIPサーバ11は、ENUM権威サーバ13が接続先情報13aから検索した結果をENUMクエリへの応答として受けると、その応答が示す送信先が自網(電話網19)であることを確認し、SIP信号を自身が収容する電話網19へと転送する。
ENUMキャッシュサーバ12は、SIP信号のあて先を収容する(つまり、番号管理元の)他網ENUMサーバ20にENUMクエリを転送することで、SIP信号のあて先が電話網29であることを取得する。ENUMキャッシュサーバ12は、ENUMクエリへの応答として、他網ENUMサーバ20から通知された送信先を自網SIPサーバ11に通知する。
そして、自網SIPサーバ11は、ENUMキャッシュサーバ12から通知された送信先が他網(電話網29)であることを確認し、SIP信号を電話網29が収容される他網SIPサーバ21へと転送する。
他網ENUMサーバ20は、SIP信号のあて先を収容する(つまり、番号管理元の)自網ENUMサーバ10(ENUM権威サーバ13)にENUMクエリを転送することで、SIP信号のあて先が電話網19であることを取得する。他網ENUMサーバ20は、ENUMクエリへの応答として、ENUM権威サーバ13から通知された送信先を他網SIPサーバ21に通知する。
そして、他網SIPサーバ21は、他網ENUMサーバ20から通知された送信先が電話網19であることを確認し、SIP信号を電話網19が収容される自網SIPサーバ11へと転送する。
そこで、自網ENUMサーバ10(ENUM権威サーバ13、ENUMキャッシュサーバ12)は、自身が受信するENUMクエリの量を減らす(または一切受信しない)ように、受信規制により自身を保護する。これにより、ENUMクエリに対して普段は充分な処理能力を有している自網ENUMサーバ10を、突発的な負荷に対して適切に保護することができる。
つまり、本発明は、電話番号を含むENUMクエリを受信し、その電話番号に対応する接続先情報を応答するENUMサーバとして構成される輻輳通知装置であって、
前記輻輳通知装置が属する自網とは別の網に位置する対向サーバである他網ENUMサーバから受信する前記ENUMクエリに関する負荷を監視し、その負荷が輻輳状態を示す所定水準を超過したときに、自網の輻輳状態を示す輻輳通知を生成する監視部と、
前記受信したENUMクエリへの応答として前記生成された輻輳通知を前記対向サーバに通知することで、前記対向サーバに対してこれからの前記ENUMクエリの送信規制を促す他網輻輳通知部と、を備えており、
前記監視部は、前記対向サーバからの送信を許容する上限のENUMクエリ数として、他網ごとの輻輳前のクエリ数比で配分したENUMクエリ数を含めて、前記輻輳通知を生成することを特徴とする。
前記輻輳通知装置が属する自網とは別の網に位置する対向サーバである他網ENUMサーバから受信する前記ENUMクエリに関する負荷を監視し、その負荷が輻輳状態を示す所定水準を超過したときに、自網の輻輳状態を示す輻輳通知を生成する監視部と、
前記受信したENUMクエリへの応答として前記生成された輻輳通知を前記対向サーバに通知することで、前記対向サーバに対してこれからの前記ENUMクエリの送信規制を促す他網輻輳通知部と、を備えており、
前記監視部は、輻輳している電話番号帯の接続先情報を含めて、前記輻輳通知を生成することを特徴とする。
自網ENUMサーバ10は、キャッシュ部51と、監視部52と、権威部53とを各処理部として有する。自網ENUMサーバ10の記憶部には、処理部が扱うデータとして、統計情報61と、輻輳通知設定ファイル62と、自網輻輳通知内容ファイル63と、他網輻輳通知内容ファイル64と、輻輳通知対応ファイル65とが格納されている。
なお、自網ENUMサーバ10などのENUMシステムの各装置は、それぞれCPU(Central Processing Unit)と、メモリと、ハードディスクなどの記憶手段(記憶部)と、ネットワークインタフェースとを有するコンピュータとして構成される。
このコンピュータは、CPUが、メモリ上に読み込んだプログラム(アプリケーションや、その略のアプリとも呼ばれる)を実行することにより、各処理部により構成される制御部(制御手段)を動作させる。
つまり、輻輳状況を対向サーバに通知することにより、対向サーバの再送の抑止や、他事業者に対する状況共有が可能となり、輻輳状態からの円滑な復旧を図ることができる。
輻輳通知をする場合、監視部52は、自網輻輳通知内容ファイル63を参照して、輻輳通知の内容を決定する。そして、監視部52は、作成した輻輳通知について、キャッシュ部51および権威部53にそれぞれ通知するように輻輳通知要求を出す。
以上説明した各処理部(キャッシュ部51、監視部52、権威部53)は、図1に示したように1台のサーバに集約してもよいし、別々のサーバに分散させて構成してもよい。
S101として、対向サーバは、自網ENUMサーバ10にENUMクエリを送信する。しかし、自網ENUMサーバ10には輻輳が発生してしまい(S111)、ENUMクエリに応答することができない。緊急措置として、自網ENUMサーバ10は、以降の受信規制を開始する(S112)。そのため、対向サーバからのENUMクエリの再送(S102,S103)は受信規制により受信されなくなる。
そして、輻輳が緩和され、自網ENUMサーバ10側の受信規制(S112〜S113)と、対向サーバ側の送信規制(S104〜S105)とが解除された後、通常通り対向サーバから自網ENUMサーバ10へのENUMクエリ(S106)と、その応答(S115)とが送信可能となる。
自網輻輳通知内容ファイル63は、輻輳通知(S114)を作成するための設定ファイルである。自網輻輳通知内容ファイル63は、通知対象の設定項目ごとに、その通知可否(通知許可(Y)/通知不可(N))と、その通知内容がとりうる値である設定値とを対応付けて構成される。
なお、通知可否(Y/N)や通知内容について、対向サーバごとに異なる設定としてもよい。例えば、通知する情報(IPアドレス)は自網側(自網SIPサーバ11)に見せるものと他網側(他網ENUMサーバ20)に見せるもので異なる可能性がある。また、「輻輳度合い」は内部情報として他網に出さない設定や、「上限qps」、「抑制時間」は事業者の規模によって適切な値とする設定など、通知する設定を事業者ごとに変えてもよい。
設定項目「抑制時間」は、対向サーバに送信規制を依頼する秒数が指定される。秒数経過後は規制を解除可能となるが、輻輳が継続している場合は輻輳通知を再送することで、送信規制の延長も可能である。何秒規制するかは、各事業者間であらかじめ協議の上決定される。
設定項目「迂回先情報」は、迂回先の自網ENUMサーバ10のIPアドレスが1つ以上指定される(迂回処理の詳細は図5)。
設定項目「輻輳番号帯」は、輻輳している電話番号帯が指定される。固定電話の場合、電話番号の上の桁が広い地域を、下の桁が狭い地域を示す。したがってより広い地域を指定する際は03****(東京)、狭い地域を指定する際は042259(武蔵野市)などが指定されるなど、一定の基準値以上のクエリがきている番号帯が指定される。また、基準値は番号帯のピーク時のクエリ数の何倍か、などで設定される。
DNSのTXTレコード=ns1.exmaple.com. IN TXT 「level=2, time=60, qps=100, number=0422**」
なお、「ns1.exmaple.com.」は自網のドメイン名である。
このように、輻輳の具体的な内容とその影響を対向サーバに通知することで、他事業者は自網の輻輳を把握し、余計な再送を抑えるなどの適切な対策を行うことができる。例えば、輻輳度合いが深刻であるほど、対向サーバは送信規制の内容を強化(規制時間の延長など)する。
設定項目「迂回方法」は、受信した輻輳通知に「迂回先情報」が指定されているときに、下記のいずれかの動作を行うものである。
・迂回しない:送信上限までは規定のENUMサーバに送信し、上限以上は迂回せずに破棄する。換言すると、他網が指定した「迂回先情報」を無視して迂回しないことで、他網からの輻輳通知にそのまま従わない設定も許容する。これは、事業者が異なると、運用ポリシも異なることもあるためである。
・規制上限以上のクエリを迂回する:送信上限までは規定のENUMサーバに送信し、上限以上は迂回先のサーバに送信する。
・すべて迂回:すべての送信クエリを、指定のあった迂回先サーバに送信する。
輻輳通知設定ファイル62は、輻輳通知(S114)をするか否かを判定するときに参照される設定ファイルである。輻輳通知設定ファイル62には、例えば、以下の設定項目が記載される。
(1)S112の受信規制とS114の輻輳通知とを行う契機を決定する設定項目(トリガに列挙された各設定項目)
(2)前記(1)のトリガに列挙された各設定項目についての輻輳通知の規制値。この規制値を現在値が超過したときに輻輳通知を行う。
(3)前記(2)のトリガに列挙された各設定項目についての輻輳通知を解除するときの規制解除値。この規制解除値を現在値が下回ったときに輻輳通知を解除する。
(4)輻輳通知の輻輳が解除されたことを別途対向サーバに通知する(ON)か否か(OFF)を示す輻輳解除通知
(5)受信規制の制御方法
「マニュアル」とは、コマンド入力により輻輳通知をする設定を意味する。
「CPU使用率」とは、自網ENUMサーバ10自身の装置のCPUの使用率である。
「正常クエリ数」とは、正常なENUMアンサ(RFC1035におけるRCODE=0,3)のカウント数である。
「異常クエリ数」とは、異常なENUMアンサ(RFC1035におけるRCODE=0,3以外)のカウント数である。
・呼数密度制御:対向サーバに対して、qpsで送信上限を指定する。
・%制御:対向サーバに対して、現状の呼量の何%かで送信上限を指定する。本方式をとる場合、輻輳通知内容ファイルの上限qpsは、送信上限の%が指定される。
・全規制:対向サーバに対して、送信停止を指定する。
なお、本実施形態は、輻輳通知の機構を適用する対象として、DNSサーバ上に構築されたENUMサーバを例示したが、ENUMサーバを用いないDNSサーバに輻輳通知の機構を適用してもよいし、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)サーバなどの任意のサーバに対して輻輳通知の機構を適用してもよい。
11 自網SIPサーバ
12 ENUMキャッシュサーバ
12a キャッシュ
13 ENUM権威サーバ
13a 接続先情報
14 LB
18 電話網
19 電話網
20 他網ENUMサーバ
21 他網SIPサーバ
28 電話網
29 電話網
51 キャッシュ部(自網輻輳通知部)
52 監視部
53 権威部(他網輻輳通知部)
61 統計情報
62 輻輳通知設定ファイル
63 自網輻輳通知内容ファイル
64 他網輻輳通知内容ファイル
65 輻輳通知対応ファイル
Claims (6)
- 電話番号を含むENUMクエリを受信し、その電話番号に対応する接続先情報を応答するENUMサーバとして構成される輻輳通知装置であって、
前記輻輳通知装置が属する自網とは別の網に位置する対向サーバである他網ENUMサーバから受信する前記ENUMクエリに関する負荷を監視し、その負荷が輻輳状態を示す所定水準を超過したときに、自網の輻輳状態を示す輻輳通知を生成する監視部と、
前記受信したENUMクエリへの応答として前記生成された輻輳通知を前記対向サーバに通知することで、前記対向サーバに対してこれからの前記ENUMクエリの送信規制を促す他網輻輳通知部と、を備えており、
前記監視部は、前記対向サーバからの送信を許容する上限のENUMクエリ数として、他網ごとの輻輳前のクエリ数比で配分したENUMクエリ数を含めて、前記輻輳通知を生成することを特徴とする
輻輳通知装置。 - 電話番号を含むENUMクエリを受信し、その電話番号に対応する接続先情報を応答するENUMサーバとして構成される輻輳通知装置であって、
前記輻輳通知装置が属する自網とは別の網に位置する対向サーバである他網ENUMサーバから受信する前記ENUMクエリに関する負荷を監視し、その負荷が輻輳状態を示す所定水準を超過したときに、自網の輻輳状態を示す輻輳通知を生成する監視部と、
前記受信したENUMクエリへの応答として前記生成された輻輳通知を前記対向サーバに通知することで、前記対向サーバに対してこれからの前記ENUMクエリの送信規制を促す他網輻輳通知部と、を備えており、
前記監視部は、輻輳している電話番号帯の接続先情報を含めて、前記輻輳通知を生成することを特徴とする
輻輳通知装置。 - 前記監視部は、あらかじめ登録されている自身の前記輻輳通知装置と同じ網内に配備されている他の輻輳通知装置の所在を迂回先情報とし、前記輻輳通知に含めて生成することで、その通知先の前記対向サーバに対して、前記自身の輻輳通知装置から前記他の輻輳通知装置へ前記ENUMクエリを迂回して送信するように促すことを特徴とする
請求項1または請求項2に記載の輻輳通知装置。 - 前記監視部は、自網の輻輳状態の輻輳度合いを前記輻輳通知に含めて生成することで、その通知先の前記対向サーバに対して、これからの前記ENUMクエリの前記送信規制の度合いを決定させることを特徴とする
請求項1または請求項2に記載の輻輳通知装置。 - 電話番号を含むENUMクエリを受信し、その電話番号に対応する接続先情報を応答するENUMサーバとして構成される輻輳通知装置の輻輳通知方法であって、
前記輻輳通知装置は、監視部と、他網輻輳通知部とを備えており、
前記監視部は、前記輻輳通知装置が属する自網とは別の網に位置する対向サーバである他網ENUMサーバから受信する前記ENUMクエリに関する負荷を監視し、その負荷が輻輳状態を示す所定水準を超過したときに、自網の輻輳状態を示す輻輳通知を生成し、
前記生成された輻輳通知は、前記対向サーバからの送信を許容する上限のENUMクエリ数として、他網ごとの輻輳前のクエリ数比で配分したENUMクエリ数を含み、
前記他網輻輳通知部は、前記受信したENUMクエリへの応答として前記生成された輻輳通知を前記対向サーバに通知することで、前記対向サーバに対してこれからの前記ENUMクエリの送信規制を促すことを特徴とする
輻輳通知方法。 - 電話番号を含むENUMクエリを受信し、その電話番号に対応する接続先情報を応答するENUMサーバとして構成される輻輳通知装置の輻輳通知方法であって、
前記輻輳通知装置は、監視部と、他網輻輳通知部とを備えており、
前記監視部は、前記輻輳通知装置が属する自網とは別の網に位置する対向サーバである他網ENUMサーバから受信する前記ENUMクエリに関する負荷を監視し、その負荷が輻輳状態を示す所定水準を超過したときに、自網の輻輳状態を示す輻輳通知を生成し、
前記生成された輻輳通知は、輻輳している電話番号帯の接続先情報を含み、
前記他網輻輳通知部は、前記受信したENUMクエリへの応答として前記生成された輻輳通知を前記対向サーバに通知することで、前記対向サーバに対してこれからの前記ENUMクエリの送信規制を促すことを特徴とする
輻輳通知方法。
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