JP6604778B2 - 樹脂微粒子および分散液 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂微粒子および分散液に関する。
分散剤は、分散質と分散媒の界面に吸着することで、分散媒中への分散質の分散を安定化する機能を有するものである。
一般に、分散剤は、高分子より構成される高分子分散剤や、界面活性剤などから構成される低分子分散剤、シリカやアパタイトなどの固体分散剤に分類される。
なかでも、高分子分散剤は、高分子鎖の運動性に由来する分散質表面への多点吸着能や、分散媒との親和性部位を含む高分子鎖による排除体積効果により、分散安定化効果に優れている。そして、高分子分散剤は、化粧品、医薬品、食品添加剤、工業薬品など、広範囲にわたって用いられている。
分散媒の主成分が水である場合、高分子分散剤や低分子分散剤、固体分散剤などを適宜用いることができるが、分散媒の主成分が有機溶剤である場合は、静電反発作用の効果が限定されるため、特に、高分子分散剤が有効となる場合が多い。
特許文献1では、炭化水素溶媒もしくはシリコーンオイル中で溶媒に不溶な粒子成分を分散安定可能な高分子分散剤を含む分散液が開示されている。
また、特許文献2では、シリコーンオイル中に非水性極性溶媒を分散させるための乳化剤として、架橋エラストマーのシリコーンポリエーテルを用いたエマルションが開示されている。
特開2002−256133号公報 特開2001−192459号公報
しかしながら、分散媒・分散質ともに主に有機溶剤及び疎水性溶剤からなる分散系においては、特許文献1及び2に記載の高分子分散剤を用いても、十分な分散安定化効果を得ることができなかった。
この要因としては、分散媒・分散質ともに主に有機溶剤及び疎水性溶剤からなる分散系のため、イオン性基による電気的界面吸着作用が限定されることから、高分子分散剤が分散質表面へ吸着することが困難になることが考えられる。また、分散媒中での排除体積効果による分散維持を意図した親分散媒ユニットは、側鎖長が長く、嵩高い場合が多いため、親分散質ユニットの側鎖が分散質表面へ作用が遮蔽されることが想定される。さらに、排除体積効果による斥力を充分に得られない系では、分散質同士が容易に接触してしまい、分散安定性が低いことが想定される。
そのため、分散媒・分散質ともに主に有機溶剤及び疎水性溶剤からなる分散系においては、これらを考慮して分散安定性の高い分散剤を設計する必要があった。本発明は、分散媒中で分散質の分散安定化を高めることが可能な樹脂微粒子を提供することを目的とする。また、本発明は、上記樹脂微粒子を有し、分散媒中で分散質の分散安定化が向上する分散液を提供することを目的とする。
上記に基づき、発明者等が鋭意検討した結果、下記に示す樹脂微粒子において、特に、分散媒・分散質ともに主に有機溶剤及び疎水性溶剤からなる分散系において高い分散安定性を示すことを見出した。
すなわち、本発明は、下記式(1)で示される第のユニットおよび下記式(2)で示される第のユニットを有する共重合体の架橋物を含有する樹脂微粒子であって、
前記第一のユニットの側鎖長の平均値s1と前記第二のユニットの側鎖長の平均値s2の比(s2/s1)が、1.0以上4.0以下であり、
前記樹脂微粒子乾燥時の体積平均粒径をd1とし、前記樹脂微粒子のアセトンによる膨潤時の体積平均粒径をd2としたとき、
d1が、10nm以上500nm以下であり、
d1/d2が、0.5以上0.8以下である
ことを特徴とする樹脂微粒子に関する。
Figure 0006604778
(式(1)中、R1水素原子またはメチル基を表す。R2、R3、R4、R5およびR6それぞれ独立して炭素数1以上3以下のアルキル基を表す。xは1以上3以下の整数であり、yは括弧内の構造の繰り返し数を示し、前記共重合体におけるyの重合度は、1以上である。)
Figure 0006604778
(式(2)中、R7水素原子またはメチル基を表す。R8メチル基を表す。R9水素原子または炭素数1以上3以下のアルキル基を表す。mは1以上3以下の整数である。m=1または3のとき、nは0であり、m=2のとき、nは0または1である。zは1以上の整数である。)
また、本発明は、分散媒、分散質、樹脂微粒子を含む分散液であって、前記樹脂微粒子は上記樹脂微粒子であることを特徴とする分散液に関する。
本発明は、分散媒中で分散質の分散安定化を高めることが可能な樹脂微粒子を提供することができる。また、本発明は、上記樹脂微粒子を有し、分散媒中で分散質の分散安定化が向上する分散液を提供することができる。
排除体積効果による分散安定化メカニズムの模式図である。 粒子状分散剤を用いることによる分散質接触阻害効果の模式図である。 本発明の樹脂微粒子の模式図である。 本発明の樹脂微粒子の乾燥時の模式図である。 本発明の樹脂微粒子の膨潤時の模式図である。 本発明の実施例および比較例における分散安定性試験結果のグラフである。
(樹脂微粒子)
本発明の樹脂微粒子について説明する。
本発明の樹脂微粒子は、式(1)で示される第一のユニットと式(2)で示される第二のユニットを有する共重合体の架橋物を含有する樹脂微粒子である。そして、樹脂微粒子は、下記(1)〜(5)の特徴を有することにより、粒子状分散剤として用いることができる。
特徴(1):共重合体の架橋物を含有する樹脂微粒子
分散剤が粒子状であることの分散安定性に対するメリットを図1及び、図2を用いて説明する。図1に示すように、排除体積効果は、分散質同士が近づいた際、分散剤の親分散媒基濃度上昇による分散系内の濃度不均一を抑制すべく、分散媒が分散質界面に流れ込み、これにより分散質間に斥力が発生して分散安定性を保持するものである。その際に、分散剤の親分散媒基が少ないなどの理由により、流れ込む分散媒量が少ない場合、充分な斥力を発揮できず、分散質同士が衝突して、分散破壊に至る。これに対し、図2のように、分散剤が粒子状である場合は、充分な斥力が得られないような場合でも、粒子状分散剤が分散質同士の接触を物理的に阻害するので、分散安定を維持することができる。
式(1)で示される第一のユニットと式(2)で示される第二のユニットを有する共重合体は架橋することで粒子状にすることができる。共重合体を架橋する方法は特に限定するものではないが、例えば、ジビニルベンゼンなどの架橋剤を用いることができる。
本発明の式(1)で示される第一のユニットと式(2)で示される第二のユニットを有する共重合体の架橋物を含有する樹脂微粒子の模式図を図3に示す。粒子の中心部は共重合体が架橋され、運動性が束縛されているので、硬質粒子の挙動を示し、図2に示すような、分散質滴同士の接触を物理的に阻害することで分散安定を発現する。また、粒子の外側部は共重合体が架橋されていない、もしくは架橋による束縛が弱いので、運動性を有し、図1に示すような、排除体積効果による斥力で分散安定を発現する。つまり、中心部の硬質粒子の挙動を示す部位と外側部の運動性を有する部位が共存することで高い分散安定性を発現し、その存在比率により分散剤としての特性が決定する。
樹脂微粒子は乾燥時には、図4に示すように運動性を有する部位は収縮しているので、乾燥時の粒径により、中心部の硬質粒子の挙動を示す部位の粒径が求まる。また、共重合体の良溶媒であるアセトン中では図5に示すように、外側部の運動性を有する部位が伸びきるので、アセトン中の膨潤粒径を測定することで樹脂微粒子全体の粒径が求まる。そこで、乾燥時の体積平均粒径は樹脂微粒子をTEM観察することにより、アセトンによる膨潤時の体積平均粒径は溶媒をアセトンとして、DLSにより各々測定した。
この比率について鋭意検討した結果、乾燥時の体積平均粒径をd1とし、アセトンによる膨潤時の体積平均粒径をd2としたとき、d1/d2が0.5以上0.8以下の範囲において、高い分散安定性を発現することを見出した。d1/d2が0.8よりも大きい場合は、外側部の運動性を有する部位の割合が少なすぎるので、排除体積効果を発現しにくくなる。d1/d2が0.5よりも小さい場合は、中心部の硬質粒子の挙動を示す部位の割合が少なすぎるので、物理的接触阻害の効果を発現しにくくなる。d1/d2は特に限定するものではないが、樹脂微粒子中の架橋剤量などにより制御することができる。
特徴(2):第一のユニット
下記式(1)の構造を有するユニットであって、分散媒への親和性を有する。
Figure 0006604778
(式(1)中、R1は水素原子またはメチル基を表す。R2、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立して炭素数1以上3以下のアルキル基を表す。xは1以上3以下の整数であり、yは括弧内の構造の繰り返し数を示し、前記共重合体におけるyの重合度は、1以上である。)
式(1)に示す構造において、yは1以上500以下、より好ましくは3以上200以下であることが好ましい。yが3以上であれば、より好適に分散媒中への分散性を確保することができる。一方、yが500以下であると、側鎖が嵩高過ぎずに重合反応が促進されて、好ましい。さらに、yが200以下であれば、重合反応の阻害の程度が小さく、好適に高分子分散剤を得ることができる。同様に、共重合体におけるyの重合度についても、1以上500以下、より好ましくは3以上200以下であることが好ましい。
特徴(3):第二のユニット
下記式(2)の構造を有するユニットであって、分散質への親和性を有する。
Figure 0006604778
(式(2)中、R7は水素原子またはメチル基を表す。R8はメチル基を表す。R9は水素原子または炭素数1以上3以下のアルキル基を表す。mは1以上3以下の整数であり、nはm=1もしくは3のときは0であり、m=2のときは0もしくは1である。zは1以上の整数である。)
具体的には式(2−1)〜(2−5)の構造をとることができる。
Figure 0006604778
式(2)(より具体的には式(2−1)〜(2−5))に示す構造において、zは1以上500以下、より好ましくは3以上200以下であることが好ましい。zが3以上であれば、より好適に分散質への親和性を確保することができる。一方、zが500以下であると、側鎖が嵩高過ぎず、重合反応が効率的に進むため好ましい。zが200以下であれば、重合反応の阻害の程度が小さく、好適に共重合体を得ることができる。
特徴(4):ユニットの側差長比率
本発明の樹脂微粒子中の共重合体に含まれる第一のユニットの側鎖長の平均値s1と第二のユニットの側鎖長の平均値s2との比(s2/s1)は1.0以上4.0以下であることを特徴とする。ここで側鎖長とは、ポリマー主鎖に結合しているカルボニル炭素を起点とし、側鎖末端までの長さであり、また、側鎖中に分岐を有する場合、分岐した長さのうち最も長い結合長を側鎖長とする。
側鎖長比率(s2/s1)は、第一のユニットと第二のユニットの側鎖を最も伸ばした場合の長さの比率に相当することから、第一のユニットおよび第二のユニットがそれぞれ分散媒および分散質との相互作用に関連するパラメータである。
本発明において側鎖長は、側鎖を構成する各元素の共有結合半径の合計値とする。例えば、H−結合長は32pm、C−結合長は75pm、O−結合長は63pm、Si−結合長は116pmとして算出する。式(1)において、R1〜R6をメチル基、x=3、y=3とした下記式(1)’の構造の場合、側鎖長は合計で、2246pmとなる。
Figure 0006604778
側鎖長比率(s2/s1)が1.0以上とは、第一のユニットの側鎖長と第二のユニットの側鎖長とが同等以上の側鎖長を持つ場合である。このようなユニットの組合せであれば、第一のユニット側鎖による第二のユニット側鎖の分散質吸着効果を遮蔽することなく、作用することが可能となる。また、側鎖長比率(s2/s1)が4.0以下とは、第一のユニットの側鎖長と第二のユニットの側鎖長とが4倍以下の側鎖長を持つ場合である。このようなユニットの組合せであれば、第二のユニット側鎖による第一のユニット側鎖の分散媒への分散効果を阻害することがなく、作用することができる。
側鎖長比率(s2/s1)のより好ましい範囲としては、1.2以上3.0以下である。この範囲であれば、より第二のユニットによる分散質への吸着作用が効果的となり、同時に第二のユニットによる第一のユニットへの阻害が限定されるため、より高い分散安定効果を発現する高分子粒子を得ることができる。
特徴(5):粒径
本発明の樹脂微粒子は、乾燥時の体積平均粒径d1が10nm以上500nm以下の粒子状であることを特徴とする。前述の通り、本発明の樹脂微粒子の特徴の一つは、分散質同士の接触を物理的に遮蔽することにある。この時、粒径が小さすぎると接触阻害性が充分に確保できないので、樹脂微粒子の粒径は10nm以上であることが必要で、好ましくは40nm以上である。また、高分子粒子の粒径が大きすぎると、吸着できる分散質の液滴も大きくなる。分散質の液滴径が大きすぎる場合は、分散質滴同士の接触を抑制できても、分散質液滴が沈降してしまうので好ましくなく、この観点から、樹脂微粒子の粒径は500nm以下であることが必要で、好ましくは200nm以下である。
本発明の樹脂微粒子の乾燥時の体積平均粒径は、樹脂微粒子をTEM観察することにより測定する。
上記(1)〜(5)を全て満たすことで、分散媒に親和性のある第一のユニットと分散媒に親和性のある第二のユニットを有する共重合体の架橋物を含有する樹脂微粒子において、第二のユニットの側鎖が、第一のユニットの側鎖に遮蔽されることなく分散質表面に吸着し、同時に第二のユニットによる第一のユニットへの阻害が限定され、さらに分散質同士の接触を物理的に阻害することができるので、高い分散安定効果を有する。
また、本発明の共重合体における第一のユニットの含有モル分率と、第二のユニットの含有モル分率の合計が0.60以上であることが好ましく、より好ましくは0.80以上である。共重合体における第一のユニットと第二のユニットの各モル分率の合計が0.60以上であると、共重合体における親分散媒基と親分散質基の割合が大きいため、分散媒および分散質への親和力が大きくなり、分散剤としての機能が十分に発揮される。
本発明の共重合体に含まれる第一のユニットの含有モル分率は、0.20以上0.95以下であることが好ましい。第一のユニットの含有モル分率が0.20以上であると、親分散媒基の量が十分で、分散性を十分に維持することができる。一方、第一のユニットの含有モル分率が0.95以下であると、親分散質ユニットである第二のユニットが作用する量が多くなるため、分散質表面に吸着することが容易となり、高い分散性能を得ることができる。
第一のユニットの含有モル分率のより好ましい範囲としては、0.40以上0.80以下である。この範囲であれば、第一のユニットによる分散媒への分散効果をより高めることができ、同時に第二のユニットによる分散質表面への吸着性を上げることができるため、より高い分散安定効果を有する共重合体を得ることができる。
また、本発明の共重合体において、式(2)に示す第二のユニットの含有モル分率は、0.05以上0.8以下であることが好ましく、より好ましくは0.10以上0.60以下である。第二のユニットの含有モル分率が上記範囲内であれば、第二のユニットが分散質側へ作用する機能がより効果的となる。
また、第一のユニットもしくは第二のユニットとして、それぞれ複数種のユニットを含んでもよい。例えば、第一のユニットとして、式(1)においてR1〜R6をメチル基、x=3、y=3とした上記式(1)’と、式(1)において、R1〜R6をメチル基、x=2、y=2とした下記式(1)”を両方含んでもよい。その場合、側鎖長s1は、共重合体に含まれる式(1)’と式(1)”のモル分率から加重平均により算出する。例えば、式(1)’と式(1)”がモル比7:3で存在している場合、式(1)’の側鎖長は2246pm、式(1)”の側鎖長は1738pm、なので、加重平均をとると、2094pmとなる。
Figure 0006604778
また、本発明の樹脂微粒子中の共重合体において、第一もしくは第二のユニット以外のユニットを含んでもよいが、最も側鎖長の長いユニットが第二のユニットであることが好ましい。第一もしくは第二のユニット以外のユニットの側鎖長が最も長い場合、その長い側鎖が第一もしくは第二のユニットの側鎖の作用を阻害し、分散剤としての機能が低下する可能性がある。第一もしくは第二のユニット以外のユニットの側鎖長が第一もしくは第二のユニットの側鎖よりも短い場合は、側鎖の阻害作用はほとんどないため、樹脂微粒子に追加したい機能に応じて、適宜選択することができる。
(樹脂微粒子の製法)
本発明の樹脂微粒子は、特に制限されず、公知の方法により得ることができる。本発明の樹脂微粒子を得るのに好適な方法として、例えば、ミニエマルション重合や乳化重合、分散重合等が挙げられる。また、架橋構造を形成する方法は、特に制限されず、公知の方法を用いることができる。例えば、上記のミニエマルション重合や乳化重合、分散重合の際に、架橋剤を共存してラジカル重合を行うことで架橋する方法や、電子線やγ線を照射する方法などが挙げられる。
(分散液)
次に、本発明の分散液について説明する。
本発明の分散液は、分散剤として本発明の上記樹脂微粒子、主に有機溶剤及び、疎水性溶剤からなる分散媒および分散質を有することを特徴とする。ここで、「主に有機溶剤及び疎水性溶剤からなる」とは、分散媒および分散質に含まれる液体成分のうち、80質量%以上が有機溶剤及び疎水性溶剤であることを特徴とする。有機溶剤としては、公知の一般的な有機溶剤を使用することができ、例えばアセトンが挙げられる。また、疎水性溶剤とは、公知一般的な疎水性溶剤を使用することができ、例えば、ヘキサン、ヘキサデカン、液体CO2や超臨界CO2などが挙げられる。有機溶剤としてアセトンと、疎水性溶剤としてヘキサン、ヘキサデカン、液体CO2や超臨界CO2より選択される少なくとも1種を用いて分散液を形成する場合、アセトンと、ヘキサン、ヘキサデカン、液体CO2、超臨界CO2は相互に分配するため、分散媒及び分散質ともに、アセトンと、ヘキサン、ヘキサデカン、液体CO2、超臨界CO2の混合液となる。本発明の樹脂微粒子は、樹脂微粒子を形成する共重合体の第二のユニットが分散質に吸着し、第一のユニットが分散媒親和性を持つことで分散安定性を発揮する。第二のユニットは親アセトン性を、第一のユニットが疎水性を示すことから、分散質と分散媒のアセトンと疎水性溶剤の体積比は
分散媒においては、アセトンの体積量が疎水性溶剤の体積量よりも少なく、
分散質においては、アセトンの体積量が疎水性溶剤の体積量よりも多い、
という関係を満たすことが好ましい。
主に有機溶剤からなる分散質が含まれる分散液においては、分散質内に、例えば、高分子などを溶解させうることから、分散液を樹脂微粒子の造粒場として用いることができる。この造粒場において造粒される樹脂微粒子は、水系造粒場では実現できない粒子表面の疎水化が実現可能であるため、樹脂微粒子の機能化を図ることができる。したがって、前記分散質には、分散剤以外の高分子化合物や無機化合物、有機溶剤以外の有機物を含んでもよい。例えば、分散質中に高分子化合物を溶解させた後に、分散媒中に高分子化合物を含む分散質液滴を分散させ、分散質中の有機溶剤を除去することで、樹脂微粒子を得ることができる。
以下、本発明における高分子粒子の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
(評価方法)
<共重合体の共重合比>
樹脂微粒子中の共重合体の共重合比は、13C DD/MAS NMRを用いて測定した。樹脂微粒子を固体NMR測定用試料管に充填し、13C DD/MAS NMRスペクトルを測定することで共重合体中に含まれるユニット比率を算出した。
<樹脂微粒子の粒径>
樹脂微粒子のアセトンによる膨潤粒径は動的光散乱(DLS)を用いて測定した。得られた樹脂微粒子をアセトン中に分散させ、DLSを用いて体積平均粒径を測定した。また、樹脂微粒子の乾燥時の体積平均粒径はTEM観察により測定した。
<分散安定性評価>
樹脂微粒子の分散安定性評価は、各実施例および比較例に示す分散質、分散媒の組合せにおいて実施した。樹脂微粒子を含む分散液に撹拌機もしくはホモジナイザーを用いて一定時間撹拌し、分散媒中に分散質の微小液滴を形成させる。その後、撹拌を停止してから、分散液が白濁した状態を維持できる時間を測定することで分散安定性評価を行った。
(重合事例−1から重合事例−23)
<樹脂微粒子の作製>
(共重合体の事例)
表1に記載の第一のモノマー(第一のユニットを形成)と表2に記載の第二のモノマー(第二のユニットを形成)(計50mmol、精製なし)とを表3に記載の組合せにて、重合開始剤としてラウロックス(0.365mmol)と、架橋剤としてジビニルベンゼン所定量(0.1、0.3、0.5、1.0、2.0g)共に溶媒であるトルエン45g中に溶解させ、油相を形成した。純水300ccに界面活性剤としてドデシル硫酸ナトリウム0.3gを添加して水相を形成した。油相を水相に添加して、超音波ホモジナイザーを照射することで懸濁液を形成し、冷却管付の三つ口フラスコに導入した。200ccmのN2で30分間バブリングを行った後、スターラーで撹拌しながら、75℃に加熱することで重合を行った。7時間後、加熱を止め、フラスコを大気開放することで重合終了とした。得られた試料をエバポレーターによりトルエンを除去し、限外濾過により未反応モノマーを除去することで樹脂微粒子の水分散体を得た。その後、水分散体を凍結乾燥することで、樹脂微粒子を取出した。
(重合事例−24)
ジビニルベンゼン量を0.5g、トルエン量を50g、ドデシル硫酸ナトリウム量を0.9gに変更した以外は、重合事例−1から重合事例−23と同様の方法によって樹脂微粒子を取出した。
(重合事例−25)
ジビニルベンゼン量を0.5g、トルエン量を30g、ドデシル硫酸ナトリウム量を0.2gに変更した以外は、重合事例−1から重合事例−23と同様の方法によって樹脂微粒子を取出した。
(重合事例−26)
ジビニルベンゼン量を1.0g、トルエン量を20g、ドデシル硫酸ナトリウム量を0.15gに変更した以外は、重合事例−1から重合事例−23と同様の方法によって樹脂微粒子を取出した。
(重合事例−27)
ジビニルベンゼン量を0.5g、トルエン量を5g、ドデシル硫酸ナトリウム量を0.10gに変更した以外は、重合事例−1から重合事例−23と同様の方法によって樹脂微粒子を取出した。
Figure 0006604778
Figure 0006604778
Figure 0006604778
(実施例)
表4に記載の樹脂微粒子の分散安定性評価を行った。樹脂微粒子は、主に分散質を構成する有機溶剤であるアセトンの重量に対して5質量%を添加し、超音波ホモジナイザーにより分散させた(その後、水を含む分散液においては、水を添加する。)。その後、主に分散媒を構成する疎水性溶剤であるヘキサンもしくはヘキサデカンおよびヘキサンを加えることで2相分離液を作製した。この2相分離液をホモジナイザーを用いて15000rpmで撹拌することで白濁した分散液を形成した。また、主に分散媒を構成する疎水性溶剤としてCO2を用いる場合は、撹拌機構を備えた耐圧容器内に上記分散剤を含む有機溶剤を導入し、CO2ボンベから昇圧ポンプを用いて耐圧容器内を加圧することで2相分離液を作製した。この2相分離液を撹拌モーターを用いて耐圧容器内部の撹拌羽根を1000rpmで撹拌することで白濁した分散液を形成した。分散安定性評価結果については、表4下に記載のように、撹拌停止後から分散液が白濁した状態を維持できる時間を3種類に分類して記載した。
Figure 0006604778
(比較例)
比較例として、表5に記載の重合事例と分散液の組合せにおいて、実施例と同様に、高分子分散剤の分散安定性試験を行った。
Figure 0006604778
図6に、d1/d2が0.62となる樹脂微粒子(重合事例1〜12、17〜23)を用いた、ヘキサン−アセトン−水系分散液における分散安定性試験結果をまとめて図示した。縦軸に共重合体の側鎖長比率(共有結合半径より算出した側鎖長比率)、横軸に共重合体に含まれる第一のユニットの含有モル分率とした。図6から、側鎖長比率が本発明の規定範囲を満たすことで分散安定性が改善されることが判る。
表6に、重合事例12〜16の樹脂微粒子をヘキサン−アセトン−水系分散液における分散安定性試験結果を示し、d1/d2と分散安定性の関係をまとめた。表6から、d1/d2が本発明の規定範囲を満たすことで分散安定性が改善されることが判る。
Figure 0006604778
本発明の樹脂微粒子は、主に有機溶剤及び疎水性溶剤からなる分散媒・分散質から構成される分散液を分散安定化することができため、例えば、樹脂微粒子の製造に利用可能であり、ケミカルトナーやインクジェットインクに含まれる機能性バインダーの製造に利用することができる。

Claims (7)

  1. 下記式(1)で示される第のユニットおよび下記式(2)で示される第のユニットを有する共重合体の架橋物を含有する樹脂微粒子であって、
    前記第一のユニットの側鎖長の平均値s1と前記第二のユニットの側鎖長の平均値s2の比(s2/s1)が、1.0以上4.0以下であり、
    前記樹脂微粒子乾燥時の体積平均粒径をd1とし、前記樹脂微粒子のアセトンによる膨潤時の体積平均粒径をd2としたとき、
    d1が、10nm以上500nm以下であり、
    d1/d2が、0.5以上0.8以下である
    ことを特徴とする樹脂微粒子。
    Figure 0006604778
    (式(1)中、R1水素原子またはメチル基を表す。R2、R3、R4、R5およびR6それぞれ独立して炭素数1以上3以下のアルキル基を表す。xは1以上3以下の整数であり、yは括弧内の構造の繰り返し数を示し、前記共重合体におけるyの重合度は、1以上である。)
    Figure 0006604778
    (式(2)中、R7水素原子またはメチル基を表す。R8メチル基を表す。R9水素原子または炭素数1以上3以下のアルキル基を表す。mは1以上3以下の整数である。m=1または3のとき、nは0であり、m=2のとき、nは0または1である。zは1以上の整数である。)
  2. 前記共重合体における前記第一のユニットの含有モル分率が0.20以上0.95以下である請求項1に記載の樹脂微粒子。
  3. 前記共重合体における前記第一のユニットの含有モル分率が0.40以上0.80以下である請求項2に記載の樹脂微粒子。
  4. 前記共重合体における側鎖長比率(s2/s1)が1.2以上3.0以下である請求項13のいずれか項に記載の樹脂微粒子。
  5. 分散媒、分散質および樹脂微粒子を含む分散液であって、
    前記樹脂微粒子が、請求項14のいずれか1項に記載の樹脂微粒子であることを特徴とする分散液。
  6. 前記分散液が、前記分散媒および前記分散質ともにアセトンおよび疎水性溶剤を含む請求項5に記載の分散液。
  7. 前記疎水性溶剤が、ヘキサン、ヘキサデカン、液体CO2 および超臨界CO 2 からなる群より選択される少なくとも1種を含む請求項6に記載の分散液。
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