JP6604343B2 - 予熱ガス吹込み方法、高炉操業方法および酸素高炉の操業方法 - Google Patents

予熱ガス吹込み方法、高炉操業方法および酸素高炉の操業方法 Download PDF

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Description

本発明は、高炉操業において、安定した低還元材比操業を実施するための高炉シャフト部への予熱ガス吹込み装置および予熱ガス吹込み方法に関する。
近年、CO排出量の増加による地球温暖化が問題となっており、製鉄業においてもCO排出量の抑制は重要な課題である。これを受け、最近の高炉操業では低還元材比(低RAR)操業が推進されている。しかしながら、RAR(Reduction Agent Ratio:銑鉄1t製造当たりの、吹込み燃料と炉頂から装入されるコークスの合計量)を低下させることは吹込み燃料やコークスの燃焼量を低減することであるので、原理的に羽口からの送風量を低減させることになる。この結果、炉内ガス量は減少し、また炉内ガスの有する熱量も減少する。
高炉へ装入される装入物は、高炉内を上昇する炉内ガスにより昇温されるが、炉内ガスの有する熱量が減少すると炉上部において装入物の昇温が遅れ、順調な還元が達成されなくなるおそれがある。加えて、特にシャフト上部で温度低下が生じると、シャフト上部の内壁に炉内ガスに含まれる亜鉛化合物などが付着する、いわゆる壁付きが助長され、これが炉内ガスの流れを阻害して、高炉内の風圧変動や、高炉内の装入物の降下異常などの炉況不調を招く。また、炉上部の温度が低下して100℃を下回るような場合には、炉頂ガス中の水分が炉頂ガス配管内に結露し、配管内壁の耐火物の劣化や配管腐食といった問題が生じることもある。
高炉操業においては、上述したような各種炉況不調、特に炉上部の昇温不良を回避するには、以下のような対策が採られる。
(1)羽口からの送風中の酸素富化率を下げ、炉内ガス量を増加させることで熱流比を下げ、炉内ガス温度を上昇させる。
(2)羽口からの微粉炭などの燃料吹込み量を増加させることで熱流比を下げ、炉内ガス温度を上昇させる。
(3)還元効率を下げ、還元材比を高くする。
しかしながら、上記(1)の対策は、高炉の生産量低下に繋がるため望ましくない。上記(2)の対策は、羽口からの燃料の吹込み能力に余裕がある場合はよいが、燃料の吹込み能力の限界近くで操業している高炉では、燃料吹込み量を増加させることができない。また、燃料吹込み量を増加させた場合には、炉内ガス量が増えて高炉の生産量を低下させるので、酸素富化を同時に実施する必要がある。しかし、使用できる酸素量にも供給能力上の制限があるので、いつでも採用できる対策にならない。上記(3)の対策は、還元効率を下げて操業することになり、CO排出量の削減という本来の目的に逆行する。このように、高炉において低RAR操業を行なう場合、通常の操業範囲内での操業条件の変更により各種炉況不調、特に炉上部の昇温不良を回避することは困難である。
炉上部の昇温不良の対策として、特許文献1には、バーナーが設置されたガス吹込み部を高炉シャフト部に4本以上設け、バーナーによって加熱された高温ガスを高炉シャフト部から吹込むことで炉上部の昇温不良を解消させる方法が開示されている。
特開2011−106799号公報
例えば、吹抜けなどの発生により高炉の炉頂圧が変動した場合、シャフト部に設置したガス吹込み部から炉内ガス、鉱石、コークス等が逆流するおそれがある。ガス吹込み部にバーナーを設置した場合、炉内ガスやコークスなどがバーナー部分まで逆流し、重大な問題を発生させる。安全性の観点からは、予熱ガス発生装置と高炉本体とは直接接続されていない方が好ましい。また、逆流防止としてバーナーと高炉との間に、遮断弁を設けることも考えられるが、800℃以上の高温環境下で動作可能な遮断弁は非常に高価であり、この高価な設備を4ヵ所以上のガス吹込み部の各々に設置する必要があり、設備コストが上昇するという課題があった。
このような課題を解決する本発明の特徴は、以下の通りである。
(1)高炉ガスを昇圧する昇圧機と、昇圧された高炉ガスを燃焼して予熱ガスを生成する燃焼炉と、前記燃焼炉で生成された予熱ガスを貯留するレシーバータンクと、前記燃焼炉および前記レシーバータンクを接続する予熱ガス流路と、前記予熱ガス流路を遮断する遮断弁と、を有し、前記レシーバータンクは、高炉シャフト部の円周方向に設置された複数のガス吹込みノズルに接続されている、高炉シャフト部への予熱ガス吹込み装置。
(2)前記遮断弁と前記燃焼炉との間に、前記予熱ガスの温度、圧力および組成の少なくとも1つを測定するセンサが設けられている、(1)に記載の高炉シャフト部への予熱ガス吹込み装置。
(3)高炉ガスを回収し、前記高炉ガスを昇圧し、昇圧された前記高炉ガスを燃焼炉で燃焼して予熱ガスを生成し、前記予熱ガスを、レシーバータンクへ搬送し、前記レシーバータンクに搬送された前記予熱ガスを高炉シャフト部の円周方向から高炉内へ吹込む、予熱ガス吹込み方法であって、前記予熱ガスの温度、組成および圧力の少なくとも1つを測定し、前記予熱ガスの温度、組成および圧力の少なくとも1つの異常が検出された場合に、前記レシーバータンクへの前記予熱ガスの搬送を停止する、予熱ガス吹込み方法。
(4)前記高炉の炉頂圧力および炉頂温度の少なくとも1つを測定し、予め定められた閾値を超える炉頂圧力または炉頂温度が検出された場合に、前記レシーバータンクへの前記予熱ガスの搬送を停止する、(3)に記載の予熱ガス吹込み方法。
本発明に係る高炉シャフト部への予熱ガス吹込み装置および予熱ガス吹込み方法では、燃焼炉およびレシーバータンクを接続する予熱ガス流路に遮断弁を設け、予熱ガスの吹き込みを制御する。これにより、ガス吹込みノズルごとに遮断弁を設けることなく、ガス吹込みノズルから逆流する炉内ガス、鉱石、コークス等が燃焼炉に到達することを防止できるので、設備コストの上昇を抑制できる。
高炉10と、本実施形態に係る予熱ガス吹込み装置30を示す断面模式図である。 オフライン実験装置60を示す模式図である。
以下、発明の実施形態を通じて本発明を説明する。図1は、高炉10と、本実施形態に係る予熱ガス吹込み装置30を示す断面模式図である。図1に示すように、高炉10の炉下部には複数の羽口14が設けられ、複数の羽口14から補助還元材16と熱風17とが高炉内に吹込まれて高炉操業が実施される。
高炉10の炉頂部から排出される高炉ガスGは、ダストキャッチャー22で粗粒ダストが除去され、湿式除塵機24で細粒ダストが除去され、炉頂ガス発電装置26で高炉ガスGの圧力が電気として回収された後に系外28へ排出される。
高炉10には8つのガス吹込みノズル19が設けられている。8つのガス吹込みノズル19は、シャフト部18の炉周方向に等間隔となるように設けられている。ガス吹込みノズル19には、遮断弁が設けられておらず、開放された状態になっている。何れかのガス吹込みノズル19の近傍には、高炉10の炉内圧力および炉内温度を測定するセンサ20が設けられている。さらに、高炉10の炉頂にも炉頂圧力および炉頂温度を測定するセンサ21が設けられている。
本実施形態に係る予熱ガス吹込み装置30は、昇圧機32と、燃焼炉34と、レシーバータンク38と、遮断弁36とを有する。昇圧機32は、高炉ガスGを昇圧して高圧ガスを生成する。燃焼炉34は、高圧ガスを燃焼して、予熱ガスを生成する。レシーバータンク38は、シャフト部18を囲むように設けられた環状管であって、燃焼炉34で生成された予熱ガスを貯留する。遮断弁36は、弁を遮断状態と開放状態とに切り替えることができ、開放状態では燃焼炉34からレシーバータンク38への予熱ガスの搬送を許容し、遮断状態では燃焼炉34からレシーバータンク38への予熱ガスの搬送を停止する。
さらに、予熱ガス吹込み装置30は、回収流路40と、高圧ガス流路42と、予熱ガス流路44と、センサ48と、センサ50とを有する。回収流路40は、高炉ガスGの一部を回収する流路であって、高炉10の炉頂部とダストキャッチャー22とを接続する流路から分岐された流路である。高圧ガス流路42は、昇圧機32と燃焼炉34とを接続する流路である。予熱ガス流路44は、燃焼炉34とレシーバータンク38とを接続する流路である。センサ48は、回収流路40に設けられ、高炉ガスGの組成、ダスト濃度、温度、圧力を測定する。また、センサ50は、予熱ガス流路44の遮断弁36と燃焼炉34との間に設けられ、予熱ガスの温度、圧力および組成を測定する。
予熱ガス吹込み装置30では、まず、ダストキャッチャー22に導入される前の高炉ガスGの一部が回収され、回収流路40を通じて、昇圧機32に搬送される。昇圧機32では、高炉ガスGが高炉の炉内圧力以上に昇圧されて高圧ガスが生成される。高圧ガスは、高圧ガス流路42を通じて燃焼炉34に搬送される。燃焼炉34では、高圧ガスに支燃ガス46が導入されて、高炉ガスG中にダストの一部として含まれる炭素が燃焼されて予熱ガスが生成される。
センサ50は、燃焼炉で生成された予熱ガスの温度、圧力および組成の少なくとも1つを測定する。センサ50で測定された予熱ガスの温度、圧力および組成の少なくとも1つが予熱ガスとして好ましい範囲内でなく異常と検出された場合に、遮断弁36の弁が遮断状態となり、レシーバータンク38への予熱ガスの搬送が停止される。異常と検出された予熱ガスは、例えば、不図示の流路を通じて系外28へ放散される。一方、予熱ガスの異常が解消されると遮断弁36の弁が開放状態となり、予熱ガスは、燃焼炉34からレシーバータンク38へ搬送される。本実施形態において、センサ48およびセンサ50は、例えば、温度を測定する温度センサ、圧力を測定する圧力センサおよび組成を測定する赤外線ガス分析センサを含むセンサである。
レシーバータンク38は、高炉シャフト部18の周囲を囲むように設けられた環状管であって、8つガス吹込みノズル19のそれぞれに接続されている。レシーバータンク38では、搬送された予熱ガスを貯留するとともに、当該レシーバータンク38を通じて、8つのガス吹込みノズル19から予熱ガスの吹込みが行われる。本実施形態において、レシーバータンク38は、予熱ガスのリザーバーとして機能するのに十分な容量を有している。このようなレシーバータンク38を用いることで、予熱ガスの圧力や組成の均一性を高めることができる。また、燃焼炉34が高炉10から離れた位置に設置されたとしても、レシーバータンク38を通じて、均一な流量で8つのガス吹込みノズルから予熱ガスを高炉内に吹込むことができる。なお、レシーバータンク38の容量は、3〜15秒程度の吹込みができる容量とすることが好ましい。レシーバータンク38の容量が小さすぎると、燃焼炉34で生成した予熱ガスの圧力や組成の均一性が悪くなるので好ましくない。また、レシーバータンク38の容量が大きすぎると、高炉でのトラブル時に遮断弁36が動作した後も、予熱ガスが高炉内に入り続けることになるので好ましくない。
また、レシーバータンク38は、高炉シャフト部18の周囲を囲むように設けられているので、レシーバータンク38から高炉シャフト部に設けられたガス吹込みノズル19までの流路は、8つのガス吹込みノズル間でほぼ等しくなる。これにより、レシーバータンク38からそれぞれのガス吹込みノズル19までの圧力損失の差を小さくすることができ、ガス吹込みノズル19から吹込まれる予熱ガスの流量をさらに均一にできる。本実施形態では、ガス吹込みノズル19には遮断弁が設けられていないので、ガス吹込みノズル19を通じた高炉内への予熱ガスの吹き込みは、遮断弁36によって制御される。すなわち、遮断弁36の弁が開放状態にされている場合に、ガス吹込みノズル19から高炉内に予熱ガスが吹込まれ、遮断弁36の弁が遮断状態にされている場合に、高炉内への予熱ガスの吹込みが停止される。
ガス吹込みノズル19から高炉内に予熱ガスを吹込むには、予熱ガスの圧力が、吹込む位置における高炉10の炉内圧力より高いことが必要である。高炉内に予熱ガスを吹込むには、予熱ガスの圧力を高炉の炉内圧力よりも0.02〜0.10MPa以上高くすればよい。高炉の炉内圧力は、センサ20によって測定できるので、予熱ガスとして好ましい圧力は、センサ20によって測定される圧力に0.02〜0.10MPa以上を加えた圧力になる。
昇圧機32で昇圧させる圧力は、センサ48によって測定された高炉ガスGの圧力と、上記予熱ガスとして好ましい圧力とから定めることができる。回収される高炉ガスGは、高炉の炉頂ガス圧(通常0.20〜0.25MPa)を維持している。このため、高炉ガスGを用いることで、昇圧機32では軽度に昇圧させるだけで、ガス吹込みノズル19から高炉内に予熱ガスを吹込むための圧力を確保できる。
また、ガス吹込みノズル19から高炉内に吹込む予熱ガスの温度が吹込む位置の炉内ガス温度より低いと高炉内を逆に冷やしてしまう。このため、予熱ガスの温度は、吹込む位置における高炉の炉内温度よりも高いことが必要である。このため、予熱ガスの温度を500℃以上、より好ましくは800℃以上にすることが好ましい。一方、予熱ガス流速などにも依存するが、予熱ガスの温度を1000℃以上にすると高炉内のステーブへの熱負荷が大きくなるのでステーブ破損が懸念される。このため、予熱ガスの温度を1000℃未満にすることが好ましい。予熱ガスの温度は、センサ48によって測定される高炉ガスGの温度、高炉ガスGに含まれるダスト濃度等に基づいて燃焼炉34の燃焼が制御され、これにより好ましい温度範囲内になるように制御される。
ガス吹込みノズル19から高炉内に吹込む予熱ガスが酸素を含有すると、高炉内で還元中の鉄酸化物(Fe、FeO)を再酸化してしまう。このため、酸素濃度の低い予熱ガスを用いることが好ましく、酸素を含まない予熱ガスを用いることがより好ましい。したがって、燃焼炉34に供給する支燃ガス46の酸素は、ダストを含む高炉ガス組成から算出される燃焼に必要な理論酸素量を1以下にすることが好ましい。
さらに、ガス吹込みノズル19から高炉内への予熱ガスの吹込みは、常時行ってもよく、また、センサ21によって測定される炉頂温度が低下した場合にのみ行ってもよい。炉頂温度が低下したときに予熱ガスの吹込みを行う場合に、例えば、炉頂温度が所定温度以下(例えば、110℃以下)になった場合に、ガス吹込みノズル19から予熱ガスの吹込みを行うとしてもよい。
予熱ガスの吹込み量は、炉頂温度を概ね100℃以上に維持できるようなガス吹込み量とすればよい。例えば、RAR470kg/t相当の高炉操業では、800℃の予熱ガスを100Nm/t吹込むことによって、炉上部の温度を100℃以上に維持でき、これにより炉上部の昇温不良を解消できる。
また、高炉内において吹抜けが発生し、炉頂圧力や炉頂温度が急激に上昇した場合に、高炉内からガス吹込みノズル19を通じて炉内ガス、鉱石、コークス等の逆流が発生する。このため、センサ21で、炉頂圧力または炉頂温度の少なくとも1つを測定し、予め定められた閾値を超える炉頂圧力または炉頂温度が検出された場合に、遮断弁36の弁を遮断状態にし、レシーバータンク38への予熱ガスの搬送を停止する。これにより、炉内ガス、鉱石、コークス等の逆流によって燃焼炉34が破損することを防止できる。
本実施形態において、高炉10のシャフト部18の炉周方向に等間隔となるよう8つのガス吹込みノズル19を設けた例を示したが、これに限らない。ガス吹込みノズル19の設置数や設置形態は特に限定しないが、炉周方向において等間隔で複数箇所に設けることが好ましい。特に、少なくとも、炉周方向において等間隔でn箇所(但し、nは4以上の偶数)に設け、予熱ガスの吹き込み総量に応じて、前記n箇所のガス吹込みノズル19のなかから、予熱ガスの吹込みを行うガス吹込みノズル19を炉周方向に等間隔に選択することが好ましい。この場合のガス吹込みノズル19の等間隔での設置数は4、8、16、32、64などである。なお、実際の設備では、ガス吹込みノズル19を炉周方向に等間隔に設けることは、炉体冷却構造等との関係から困難な場合があるので、ガス吹込みノズル19を設置する位置は、炉周方向に等間隔でなくてもよい。
また、ガス吹込みノズル19の設置位置は、シャフト部18の中部から上部の範囲内が好ましく、特に、炉口半径をRとし、ストックラインからの深さがRとなる位置をp、シャフト部下端からの高さがシャフト部全高の1/3となる位置をpとしたとき、炉高方向において位置pと位置pとの間にガス吹込みノズル19を設置し、このガス吹込みノズル19から予熱ガスを吹込むことが好ましい。ガス吹込みノズル19の設置位置が高すぎると、高炉原料によって形成される鉱石層またはコークス層が堆積されておらず、その荷重が小さいので、予熱ガスを吹込むことで高炉原料が撹拌され、流動化が生じてしまい高炉原料の降下の安定性が損なわれるので好ましくない。一方、ガス吹込みノズル19の設置位置が下すぎると、予熱ガスの吹込みが高炉内の軟化融着帯にかかる可能性が高くなるので好ましくない。
また、本実施形態に係る高炉シャフト部への予熱ガス吹込み装置30および予熱ガス吹込み方法では、高炉内に吹込む予熱ガスを、高炉ガスGを用いて生成している。このように、高炉ガスGを用いることで、高炉ガスGの圧力および温度を利用できるので、昇圧機32で高圧ガスを生成させるためのエネルギーおよび燃焼炉34で予熱ガスを生成するためのエネルギーを少なくできる。
また、通常の高炉操業では10〜30kg/t(炭素濃度20〜30質量%)のダストが高炉ガスGとともに排出されているので、当該ダストを燃焼炉34で予熱ガスを生成するための燃料の一部として使用できる。仮に、ダスト排出量原単位が25kg/t(炭素濃度25質量%)であったとすると、22.9kg/tのCO排出量を削減できるので、高炉の低RAR操業にも寄与できる。また、炭素を燃焼させる分、高炉ガスGの循環量を少なくできるので、燃焼用の酸素量も減らすことができる。
高炉ガスG以外のガスを高炉ガスGとともに燃焼炉34に導入し、炉内に吹き込むための予熱ガスを得てもよい。高炉ガスG以外のガスとしては、例えば、湿式除塵機24よりも下流側から抜き出した高炉ガスを用いることができる。すなわち、図1に破線で示すように、湿式除塵機24と炉頂ガス発電装置26との間から抜き出した高炉ガスまたは/および炉頂ガス発電装置26の下流側から抜き出した高炉ガスを、昇圧機32で昇圧して燃焼炉34に導入する。湿式除塵機24で処理された高炉ガスを使用する場合は、より清浄なガスを使用することになるので、高圧ガス流路42、予熱ガス流路44や燃焼炉34でのダストの影響を受けにくく、より安定した予熱ガスの吹込みが実施できる。しかしながら、ダストキャッチャー22および湿式除塵機24で高炉ガスGの圧力が低下するので、昇圧機32で高圧ガスを生成させるためのエネルギーが多く必要となる。なお、高炉ガスG以外のガスとして、例えば、製鉄所のガスホルダーに貯蔵されている高炉発生ガス(Bガス)、または高炉発生ガスとコークス炉発生ガス(Cガス)の混合ガスなどを用いることもできる。
本実施形態に係る高炉シャフト部への予熱ガス吹込み装置30では、燃焼炉34とレシーバータンク38を接続する予熱ガス流路44に遮断弁36を設けて予熱ガスの吹込みを制御する。このように、予熱ガス流路44に遮断弁36を設けることによって遮断弁を1つに集約でき、仮に、高炉内で吹抜けが発生してガス吹込みノズル19から炉内ガス、鉱石、コークス等が逆流しても遮断弁36の弁を遮断状態にすることで燃焼炉34に、炉内ガス、鉱石、コークス等が到達することを防止できる。特に、800℃以上の高温環境下に設置可能な遮断弁は非常に高価であることから、本実施形態に係る高炉シャフト部へのガス吹込み装置を用いることで遮断弁36の設置数を少なくでき、これにより、高炉10を含む高炉シャフト部への予熱ガス吹込み装置30全体の設備コストの上昇を抑制できる。
また、本実施形態に係る高炉シャフト部への予熱ガス吹込み装置30では、昇圧機32、燃焼炉34で温度、圧力および組成が調整された予熱ガスを、レシーバータンク38を介してシャフト部18の円周方向に設置された8つのガス吹込みノズル19から高炉内に吹込むので、ガス吹込みノズル19ごとに予熱ガスの温度、圧力および組成を調整する必要がなく、高炉内に吹込む予熱ガスの温度、圧力および組成の調整が容易になる。さらに、8つのガス吹込みノズル19ごとに温度、圧力および組成を測定するセンサを設ける必要もないので、実施形態に係る高炉シャフト部へのガス吹込み装置を用いることで、高炉10を含む高炉シャフト部への予熱ガス吹込み装置30全体の設備コスト削減に寄与できる。
なお、本実施形態では、高炉シャフト部への予熱ガス吹込み装置30および予熱ガス吹込み方法を一般的な熱風高炉に適用した例を示したが、これに限らない。例えば、本実施形態に係る予熱ガス吹込み装置30および予熱ガス吹込み方法を、羽口14から常温の純酸素を高炉内に吹込むことにより溶銑を製造する酸素高炉に適用してもよい。酸素高炉においても高炉内のガス流量が減少し、炉上部の昇温不良が発生する場合があるので、本実施形態に係る予熱ガス吹込み装置30および予熱ガス吹込み方法を適用させて、炉上部の昇温不良を解消させてもよい。
[実験例]
図2は、オフライン実験装置60を示す模式図である。図2に示すオフライン実験装置60を用いて、本実施形態に係る高炉シャフト部への予熱ガス吹込み装置の検証実験を実施した。
オフライン実験装置60は、バルブユニット62と、燃焼炉68と、予熱ガス流路70と、センサ72と、制御装置74と、遮断弁76と、ブリード流路78と、試験高炉90とから構成される。バルブユニット62は、支燃ガス64と可燃ガス66とを、流量を制御しながら燃焼炉68へ吹込む。燃焼炉68は、支燃ガス64および可燃ガス66を用いて燃焼させ、予熱ガス80を生成する。
予熱ガス流路70は、燃焼炉68と試験高炉90とを接続する流路である。予熱ガス流路70には、センサ72と、ブリード流路78と、遮断弁76とが、試験高炉90に向けて順に設けられている。センサ72は、予熱ガス80の温度、酸素濃度および圧力を測定し、当該測定値を制御装置74に出力する。
制御装置74は、遮断弁76の動作を制御する。制御装置74は、センサ72から予熱ガスの温度、圧力および酸素濃度の測定値を取得すると、制御装置74に予め記憶された予熱ガスとして好ましい範囲内か否かを判断する。制御装置74は、センサ72によって測定された予熱ガスの温度、圧力および組成が予熱ガスとして好ましい範囲内である場合に、予熱ガスの吹込み適合判定を「適合」とし、遮断弁76の弁を開放状態に維持する。これにより、予熱ガス80は、遮断弁76を通過し、試験高炉90に吹込まれる。一方、制御装置74は、センサ72によって測定された予熱ガスの温度、圧力および組成の少なくとも1つが予熱ガスとして好ましい範囲内でない場合に、吹込み判定を「不適合」とし、遮断弁76を動作させ、弁を遮断状態に切り替える。
ブリード流路78は、遮断弁76の動作に連動し、遮断弁76の弁が開放状態の場合にブリード流路78は遮断状態になり、遮断弁76の弁が遮断状態の場合にブリード流路78が開放される。これにより、吹込み判定が「適合」となった予熱ガス80は、遮断弁76を通過して試験高炉90に吹込まれる一方で、吹込み判定が「不適合」になった予熱ガス80は、ブリード流路78から排出される。このように動作するオフライン実験装置60を用いて行なった実験条件と実験結果を表1に示す。
本実験において、予熱ガスとして好ましい範囲を、温度が1000℃未満であって、酸素濃度が0.10質量%未満であって、圧力が0.25MPaより高いとした。発明例1から発明例4は、制御装置74を用いて遮断弁76の動作を制御した実験例である。比較例1は、制御装置74を組入れずに行った実験例である。
発明例1における予熱ガス80は、温度が800℃、酸素濃度が0.01質量%以下、圧力が0.4MPaであり、予熱ガスとしてこのましい範囲を満足するので、制御装置74は、吹込み適合判定を「適合」として、遮断弁76を開放状態に維持した。このため、発明例1では、予熱ガス80が試験高炉90に吹込まれた。
発明例2は、予熱ガス80の温度が1000℃より高く、発明例3は、予熱ガス80の酸素濃度が0.10質量%より高く、発明例4は、予熱ガス80の圧力が0.25MPaより低く、いずれも予熱ガスとして好ましい範囲を満足しない。この場合に、制御装置74は、吹込み適合判定を「不適合」として、遮断弁76を動作させて弁を遮断状態に切り替えるので、発明例2〜発明例4においては、試験高炉90への予熱ガス80の吹込みが停止され、当該予熱ガス80は、ブリード流路78から放出された。
一方、比較例1は、予熱ガス80の温度が1030℃以上であって、予熱ガスとして好ましい範囲を満足しない。しかしながら、比較例1には、制御装置74が組入れられていないので、当該予熱ガス80は、試験高炉90に吹込まれた。1000℃以上の予熱ガスがシャフト部から吹込まれると、高炉内のステーブへの熱負荷が大きくなり、ステーブ破損による高炉の操業トラブルが発生するおそれがあるので、実機の安定操業に影響及ぼす安全性の低い構成であるといえる。これらの実験から、本実施形態に係る高炉シャフト部への予熱ガス吹込み装置および予熱ガス吹込み方法を用いることで、試験高炉90へ適切な予熱ガスの吹込みが実証され、実機においてもシャフト部から適切な予熱ガス吹込んで炉上部の昇温不良を解消させつつ、予熱ガス流路70に設けた遮断弁76によって高炉操業の安全性を維持できることが確認された。
10 高炉
14 羽口
16 補助還元材
17 熱風
18 シャフト部
19 ガス吹込みノズル
20 センサ
21 センサ
22 ダストキャッチャー
24 湿式除塵機
26 炉頂ガス発電装置
28 系外
30 予熱ガス吹込み装置
32 昇圧機
34 燃焼炉
36 遮断弁
38 レシーバータンク
40 回収流路
42 高圧ガス流路
44 予熱ガス流路
46 支燃ガス
48 センサ
50 センサ
60 オフライン実験装置
62 バルブユニット
64 支燃ガス
66 可燃ガス
68 燃焼炉
70 予熱ガス流路
72 センサ
74 制御装置
76 遮断弁
78 ブリード流路
80 予熱ガス
90 試験高炉

Claims (4)

  1. 高炉ガスを回収し、
    前記高炉ガスを昇圧し、
    昇圧された前記高炉ガスを燃焼炉で燃焼して予熱ガスを生成し、
    前記予熱ガスを、レシーバータンクへ搬送し、
    前記レシーバータンクに搬送された前記予熱ガスを高炉シャフト部の円周方向から高炉内へ吹込む、予熱ガス吹込み方法であって、
    前記予熱ガスの温度、組成および圧力の少なくとも1つを測定し、
    前記予熱ガスの温度、組成および圧力の少なくとも1つの異常が検出された場合に、前記レシーバータンクへの前記予熱ガスの搬送を停止する、予熱ガス吹込み方法。
  2. 前記高炉の炉頂圧力および炉頂温度の少なくとも1つを測定し、
    予め定められた閾値を超える炉頂圧力または炉頂温度が検出された場合に、前記レシーバータンクへの前記予熱ガスの搬送を停止する、請求項に記載の予熱ガス吹込み方法。
  3. 高炉炉下部の羽口から空気を吹込む高炉操業方法であって、
    請求項1または請求項2に記載の予熱ガス吹込み方法で高炉シャフト部の円周方向から高炉内に予熱ガスを吹込む、高炉操業方法。
  4. 高炉炉下部の羽口から酸素を吹込む酸素高炉の操業方法であって、
    請求項1または請求項2に記載の予熱ガス吹込み方法で高炉シャフト部の円周方向から高炉内に予熱ガスを吹込む、酸素高炉の操業方法。
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