JP6603774B1 - 地中杭破砕方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】都心等における利用にも耐えられるように、振動と騒音と粉塵の発生をより低減した地中杭破砕方法を提案すること等を目的とする。【解決手段】杭頭が露出された状態の地中杭に、地中杭の長さ方向に沿って杭頭から破砕薬装填孔及び衝撃吸収孔を穿孔する工程と、杭頭から、破砕薬装填孔に、破砕薬とセメントタンパーとを交互に、破砕薬が一定の間隔となるように、地中杭の長さ方向に沿って多段に挿入する工程と、多段に挿入された破砕薬を、杭頭から地中杭の底部に向けて順次に、0.025秒〜0.5秒の範囲の一定時間毎に、着火して破砕する工程と、を有する地中杭破砕方法とする。【選択図】図1

Description

本発明は、周囲環境への影響を低減した地中杭破砕方法に関する。
下記特許文献1には、従来の場所打鉄筋コンクリートの解体・撤去方法では、事前の掘削作業が必要であり、通常の杭間隔(約5m乃至8m程度)では、掘削後の杭間での解体機械の作業空間が狭小であること、さらに、掘削に伴う山留用切梁が作業空間を更に制限すること、等の事情が重って、非常に能率の悪い作業であることに着目した発明が開示されている。さらに、従来の解体方法では、長期間に亘り騒音を発生し、周辺住民への環境問題も発生する場合があった。
上記従来の問題点に鑑み、特許文献1では、地上からの作業のみで深い地中障害物を解体し、解体後の破砕片の搬出が容易に行なわれる施工性に優れた深い地中障害物の解体方法を提供する技術思想として、具体的には下記の手段が提案されている。
すなわち、当該文献による深い地中障害物の解体方法として、地中の深い個所に構築されて障害物に地上より鉛直の爆薬装填孔を穿孔し、次いで同孔に地上より多段に爆薬、雷管、タンピング材を挿入し、点火、爆発したのち爆発により瞬時に破砕した障害物の破砕片を周囲の土と同時に掘削、撤去する手法が開示されている。
そして、当該文献で提案された方法によれば、地中障害物の頭部を確認したのち、同地中障害物の中央に鉛直の爆薬装填孔を穿孔し、同穿孔中に爆薬、雷管、タンピング材を装填し、点火、爆発することによって障害物は爆発のエネルギーで瞬時に小塊状に破砕されることから、破砕された地中障害物の破砕片は掘削工事を行うことによって、容易に搬出されるものとなる。
上述のように、地中深くの硬い地盤(支持地盤)に設置された複数の杭を介した地上構造物が、従来、都心等における高層ビル等を建築する場合の主流であった。しかし、現在では、従来のような地中杭を用いることなく、地中深くの硬い支持地盤から地上構造物の地下バージョン(すなわち地下室)を直接接合して構築していく手法が採用されるようになっている。これにより、大深度の地下空間も有効利用が図られるようになる。
地下深くの硬い支持地盤から地上構造物を地下バージョンを構築するためには、まずは、取り壊すべき旧ビルディングの地下杭を除去して一掃し、地中の硬い地盤を露出させる必要がある。旧ビルディングの地下杭は、一般に鉄筋コンクリート等で形成されており、大型重機等が進入・作業できない程度の比較的狭い間隔で、複数本深く垂直に埋められているので、その除去には多大な労力を要する。
また、下記特許文献2には、地中杭破砕方法であって、杭頭が露出された状態の地中杭に、地中杭の長さ方向に沿って杭頭から破砕薬装填孔を穿孔する工程と、杭頭から、破砕薬装填孔に、破砕薬とセメントタンパーとを交互に、破砕薬が一定の間隔となるように、地中杭の長さ方向に沿って多段に挿入する工程と、多段に挿入された破砕薬を、杭頭から地中杭の底部に向けて順次に、0.025秒〜0.5秒の範囲の一定時間毎に、着火して破砕する工程と、を有することが開示されている。
特開平05−247939号公報 特開2017−125309号公報
特許文献1に記載された「地中の深い個所に構築された障害物に、地上から鉛直の爆薬装填孔を穿孔し、同孔に地上より爆薬、雷管、タンピングを装填して点火、爆発」させる方法では、大きな騒音と大きな振動とが発生することとなり、都心における現実の使用には耐えられない。
例えば、大きな騒音は近隣ビルに入居するオフィスや住人・通行人等からの苦情原因となるし、大きな振動は近隣ビルのエレベータを停止させる程度(例えば震度2等)にも達する。大きな騒音と大きな振動とは、クローラードリル等の穿孔機による杭への穿孔作業時のみではなく、火薬の爆発時にもより深刻な度合いで生じるものとなる。
さらに、鉄筋コンクリート等で構成された地中杭の破砕作業により、多大な粉塵が地上に放散されることが懸念される。一方で、都心等の工事現場等における周囲環境への配慮と規制は、ますます厳しく制約されるものとなってきている。特に、都心においては環境維持の観点から、爆発破砕を含む工事作業により生じる騒音・振動等に厳しい制約が設けられている。また、上記特許文献2に開示の方法においては、振動や発破音等の周辺環境へのさらなる低減を図るとともに、破砕効率をより向上させるべく、さらなる改善が期待されていた。
本発明は、上述の問題点に鑑み為されたものであり、都心等における利用にも耐えられるように、振動と騒音と粉塵の発生をより低減した地中杭破砕方法を提案すること等を目的とする。さらに好ましくは、周辺環境により配慮し、破砕効率を向上させた地中杭破砕方法を提案することを目的とする。
本発明の地中杭破砕方法は、杭頭が露出された状態の地中杭に、地中杭の長さ方向に沿って杭頭から破砕薬装填孔及び衝撃吸収孔(捨て孔)を穿孔する工程と、杭頭から、破砕薬装填孔に、破砕薬とセメントタンパーとを交互に、破砕薬が一定の間隔となるように、地中杭の長さ方向に沿って多段に挿入する工程と、多段に挿入された破砕薬を、杭頭から地中杭の底部に向けて順次に、0.025秒〜0.5秒の範囲の一定時間毎に、着火して破砕する工程と、を有することを特徴とする。
本発明の地中杭破砕方法は、好ましくは衝撃吸収孔が、前記杭頭の中央においてスリット形状であり、その深さは、前記地中杭の長さ方向に、前記破砕薬装填孔の深さ以上であることを特徴とする。
本発明の地中杭破砕方法は、さらに好ましくは衝撃吸収孔を穿孔する工程は、複数の円形状の孔を所定間隔だけ離間して連続的に形成することにより、前記孔間が崩れてスリット形状に形成される工程であることを特徴とする。
本発明の地中杭破砕方法は、さらに好ましくは円形状の孔の径は8〜12cmφであり、所定間隔は8〜12mmであることを特徴とする。
本発明の地中杭破砕方法は、好ましくは多段に挿入された破砕薬の間隔が、上段の破砕薬による破砕に起因して、下段の破砕薬による破砕の効果が阻害されない程度に設けられることを特徴とする。
本発明の地中杭破砕方法は、さらに好ましくは破砕薬を多段に挿入する工程と着火して破砕する工程との間に、杭頭に、ゴムシートと鉄板とガラ袋とを載置する工程をさらに有することを特徴とする。
本発明の地中杭破砕方法は、さらに好ましくは杭頭から破砕薬装填孔を穿孔する工程が、穿孔時に杭頭から地中杭の長さ方向に作業空間へと延伸されるアーム部が防音養生されたロックドリルで遂行されることを特徴とする。
本発明の地中杭破砕方法は、さらに好ましくは破砕薬が、薬剤の熱分解時に発生する水蒸気圧を利用して地中杭を破砕する蒸気圧破砕薬であることを特徴とする。
本発明の地中杭破砕方法は、さらに好ましくは多段に挿入された破砕薬を着火して破砕する工程が、杭頭から地中杭の底部に向けて各破砕薬が順次に0.25秒毎で着火されることを特徴とする。
本発明の地中杭破砕方法は、さらに好ましくは破砕薬が、酸化剤としての酸化銅と還元剤としてのアルミニウムとの金属粉のテルミット反応による発熱を利用し、結晶水としてカリウムミョウバンを蒸発させた水蒸気圧力を発生させるものであり、一段分の薬剤重量が0.5kg〜1kgであることを特徴とする。
本発明の地中杭破砕方法は、さらに好ましくは多段に挿入された破砕薬の間隔が、450mm〜500mmであることを特徴とする。
都心等における利用にも耐えられるような、振動と騒音と粉塵の発生をより低減した地中杭破砕方法を提案できる。さらに好ましくは、周辺環境により配慮し、破砕効率を向上させた地中杭破砕方法を提案でき、地下解体における工期短縮と環境に配慮した工法を実現できる。
本発明の地中杭破砕方法の一態様について(a)〜(g)の順に説明する図である。 杭頭1600mmφで長さ9150mmの地中杭に対する10段の破砕薬による破砕設計を説明する概要図である。 杭頭の直径1500mmφで長さ14030mmの地中杭に対する13段の破砕薬による破砕設計を説明する概要図である。 杭頭の直径1500mmφで長さ14000mmの地中杭に対する7段の破砕薬による破砕設計の比較検討を説明する概要図であり、紙面左側が「段発考慮なし」すなわち7段同時発破についての設計図であり、紙面右側が「段発考慮あり」すなわち上段から下段に向けて一段ずつ0.25秒ずつ遅延させて順次に発破する設計図である。 (a)セメントタンパーの外観並びに(b)ガンサイザーの外観及び(c)着火具(イグナイタ)の外観説明及び(d)それらの取り付け設置について説明する図である。 防音及び飛散防止の養生を垂直アーム部に装着したロックドリルの典型例を説明する図であり、(a)が外側周囲が全て養生されている状態を説明する図であり、(b)がオペレータ側に養生が欠落された視認窓を設けている状態を説明する図である。 ロックドリルのアーム部の養生の他の例を説明する図である。 (a)が試験破砕1回目(10m)55−100型(25ミリ秒×8セット(すなわち8段))の経過時間に対する変位速度を説明する図であり、(b)が試験破砕2回目(10m)55−200型(25ミリ秒×5セット(すなわち5段))の経過時間に対する変位速度を説明する図であり、(c)が試験破砕3回目(10m)55−100型(250ミリ秒×8セット(すなわち8段))の経過時間に対する変位速度を説明する図である。 図8に説明した(a)〜(c)の各試験破砕に対応する試験番号(1)〜(3)のガンサイザーパターンと、その準備作業について説明する図である。 ガンサイザーIC段発イグナイタの取り付けと脚線延長の方法について説明する図である。 地中杭の長さ方向において、破砕薬装填孔と平行に衝撃吸収孔(捨て孔)を設ける構成を説明する図である。 衝撃吸収孔の形成方法や形成結果等を説明する図である。 発破剤の挿入・配置パターンのバリエーションを説明する図である。 衝撃吸収孔を設けて発破させた場合における地中杭の周囲環境を測定した結果例を示す表である。
実施形態の地中杭破砕方法は、杭頭が露出された状態の地中杭(例えば直径1100mmφ〜1800mmφ)に、地中杭の長さ方向に沿って杭頭から破砕薬装填孔を穿孔する工程と、杭頭から、破砕薬装填孔に、破砕薬とセメントタンパーとを交互に、破砕薬が一定の間隔となるように、地中杭の長さ方向に沿って多段に挿入する工程と、多段に挿入された破砕薬を、杭頭から地中杭の底部に向けて順次に、0.025秒〜0.5秒の範囲の一定時間毎に、着火して破砕する工程と、を有することを特徴とする。
これにより、鉄筋コンクリート製の地中杭のコンクリート部分は、他の運搬可能なガレキ程度の大きさにまでほぼ完全に破砕することができる。従って、鉄筋部分のみを工事用カッター等で切断することにより、ショベルカー等を用いて周囲の土砂とともに除去し撤収することが可能となる。
また、杭頭から順次に破砕薬を着火していくので、杭頭から順次にコンクリートの破断面が形成されていくこととなる。破砕薬と破砕薬との間にはセメントタンパーで封印されて隔離されており、下段の破砕薬の破砕効果が阻害されることを回避できる。破砕薬による破砕は、水蒸気爆発等による瞬間的なガスの膨張現象を利用するものであるから、密閉空間における着火が好ましいものであり、ガスの逃げ道が予め形成されてる場合には、破砕効果が著しく低減されるものとなる。
この点、多段に形成された複数の破砕薬を全て一度に同時着火すれば、破砕効果は極めて高いことが期待される。すなわち多段に配置された各破砕薬が、各セメントタンパーにより破砕薬装填孔内にそれぞれ密閉されている状態で同時着火されれば、先行でガスが逃げる部位が形成されることがないからである。しかし、全ての破砕薬を同時着火すれば、一段当たりの破砕薬量を仮に約1kgとした場合に、全10段では約10kgの破砕薬が同時に着火されるものとなる。また、多段ではなく一段で破砕薬を装填する場合には、そもそもセメントタンパーを充填する必要はないが、この場合でも当該一段に装填された10kgの破砕薬が一度に発破されることとなる。
全10kgの破砕薬が同時に着火され破砕実行された場合には、その周辺に位置するビル等には大凡震度2に相当する程度の振動が発生し、その騒音も相当な程度に大きなものとなる。震度2程度の振動が発生すれば、当該近隣ビルのエレベータは停止し、入居者の業務等にも著しい支障を招来するものとなる。また、各種の法律規制の観点からもこれに抵触する懸念が大きくなる。このため、多段構成の全ての破砕薬の同時破砕は現実には極めて困難である。
この点、本願発明のように、杭頭から0.025秒〜0.5秒(最も好ましくは0.25秒)の範囲の所定の一定時間毎に、順次に一段ずつ着火していけば、振動と騒音の発生は時間的に分散されて、比較的小さなものとできる。10m範囲内で75dBの関係法令の規定範囲にも収まるものである。発明者の検討によれば、地中杭の破砕に起因する振動のピーク値からゼロになるのに要する時間は約0.5秒程度であり、0.5秒以内程度、最も好ましくは0.25秒で順次に着火しても、各種の規制要件を充分にクリアできる振動範囲内に収まるものとなる。
さらに、破砕効果の低減も杭頭からの順次着火で最小限に抑えることができる。破砕薬と破砕薬との間隔は、直近の上段の破砕薬が破砕した場合でも、コンクリートの亀裂がその直下の破砕薬に到達しない程度とすることがさらに好ましい。破砕薬同士の間隔があまりに小さければ、直近の上段の破砕薬が破砕した場合にコンクリートの亀裂が直下に到達し、それがガスの逃げ道となるので直下の破砕薬の破砕効果が低減される懸念が生じる。
着火には、時限式の着火装置であるICイグナイタを用いてもよい。ICイグナイタでは、内装コンデンサにより着火信号を受信してから現実に着火させるまでの遅延時間を任意に選択可能であるため、多段に装填された各破砕薬に同時に着火信号を伝送した場合でも、上段から下段に順次時間差を設けて発破させることが可能である。
図1は、実施形態の地中杭破砕方法の一態様について(a)〜(g)の順に説明する図である。図1において、(a)が飛散防止養生をしたロックドリルで破砕薬装填孔を杭頭に穿孔する様子を説明する図であり、(b)が杭頭から穿孔された破砕薬装填孔を説明する図であり、(c)が破砕薬(ガンサイザー)を破砕薬装填孔に装填する様子を説明する図であり、(d)がセメントタンパーを破砕薬装填孔に装填する様子を説明する図であり、(e)が7号砕石を破砕薬装填孔に装填する様子を説明する図であり、(f)が多段に破砕薬の装填が完了した杭頭に鉄砲現象回避の養生をする状態を説明する図であり、(g)が破砕が完了した地中杭に対して周囲の土砂等と共に地中杭をショベルカーで撤去する状態を説明する図である。図1(b)乃至図1(d)の工程は、装填する破砕薬の段数に応じて複数回繰り返すことができる。また、工程(e)は適宜省略してもよいし、装填する砕石の大きさを変更しても良い。
また、実施形態の地中杭破砕方法は、好ましくは多段に挿入された破砕薬の間隔が、上段の破砕薬による破砕に起因して、下段の破砕薬による破砕の効果が阻害されない程度に設けられることを特徴とする。
ここで、多段に挿入された破砕薬の間隔が、上段の破砕薬による破砕に起因して、下段の破砕薬による破砕の効果が阻害されない程度とは、典型的には、上段の破砕により生じた地中杭の亀裂が、その直下の破砕薬に到達しない程度であることを意味する。
仮に、破砕薬同士の間隔が充分に設けられていないか、または、その間に充填されるセメントタンパーの充填が不十分であった場合には、直近上段の破砕薬の破砕により生じた地中杭の亀裂が直下の破砕薬に到達する。この場合には、当該亀裂がガスの逃げ道となるので、当該直下の破砕薬の破砕効果が低減されてしまうものとなる。この場合には、再度、別途の穿孔作業により現在の破砕薬装填孔とは異なる追加の破砕薬装填孔を空けて破砕薬を装填・着火する等の作業が必要となってしまう懸念も生じ、工程の遅延が生じる。
換言すれば、地中杭の杭頭(典型的にはその中心部)から長さ方向(深さ方向)に沿って、多段に配置された各破砕薬は、破砕効果のみの観点からは全て同時に着火されて一度に破砕することが好ましく、これが発破業界における従来の常識であった。しかし、都心の工事現場等における周辺環境への配慮や、年々厳しくなる関係規制の観点からは、都心の限られた現場(例えば、周囲にオフィスビルが林立する中でのスクラップアンドビルドに関係する当該ビル一棟分の敷地)における同時着火による地中杭の一発破砕は現実的ではない。
本実施形態では、杭頭から順次に着火していくことで発生する振動や騒音を時間的に若干ずらしてこれを低減することに成功した。また、工事進捗の効率や破砕スループットを高める観点からは、あまりに時間間隔を空けすぎることは好ましくなく、一方で時間間隔を小さくし過ぎると振動等が大きくなる。従って、本発明では、破砕時の振動低減の研究・検討から、時間間隔を0.025秒〜0.5秒(最も好ましくは0.25秒)として、この時間だけずらして順次に着火するものである。
また、仮に、着火順序を本発明と真逆にして地中杭の底部から順次に遂行した場合には、下段の破砕薬によるコンクリート破砕が上方向へと進行し易くなることから、下段の破砕によりその直近上段の破砕薬の破砕ガスの逃げ道ができる可能性が大きくなり、破砕効果が低減されることが懸念される。これは、杭頭が大気中に露出されている一方、杭底は硬い支持地盤内に打ち込まれている地中杭の配置環境を慎重に検討すれば、理解できるものである。
図2は、杭頭の直径1600mmφで長さ9150mmの地中杭に対する10段の破砕薬による破砕設計を説明する概要図である。図2に示す例では、破砕薬の長さは350mmでありそれぞれ450mmの間隔を空けて、75mmφの破砕薬装填孔に対して10段に装填される。各段の装填薬量は0.5kgである。そして、25ミリ秒間隔で上段から下段方向に、すなわち図2のMS1からMS10までこの順に25ミリ秒間隔で順次発破する。
また、図3は、杭頭の直径1500mmφで長さ14030mmの地中杭に対する13段の破砕薬による破砕設計を説明する概要図である。図3に示す例では、破砕薬の間隔をそれぞれ550mmの間隔を空けて、75mmφの破砕薬装填孔に対して13段に装填される。各段の装填薬量は1.0kgである。そして、25ミリ秒間隔で、最も好ましくは上段から下段方向に順に0.25秒間隔で順次発破する。
また、図4は、杭頭の直径1500mmφで長さ14000mmの地中杭に対する7段の破砕薬による破砕設計の比較検討を説明する概要図であり、紙面左側が「段発考慮なし」すなわち7段同時発破についての設計図であり、紙面右側が「段発考慮あり」すなわち上段から下段に向けて一段ずつ0.25秒ずつ遅延させて順次に発破する設計図である。図4に示す例では、破砕薬の間隔をそれぞれ1000mmの間隔を空けて、65mmφ若しくは75mmφの破砕薬装填孔に対してそれぞれ7段に装填される。各段の装填薬量は1.0kgである。そして、25ミリ秒間隔で、最も好ましくは上段から下段方向に順に0.25秒間隔で順次発破する。
また、実施形態の地中杭破砕方法は、さらに好ましくは破砕薬を多段に挿入する工程と着火して破砕する工程との間に、杭頭に、ゴムシートと鉄板とガラ袋とを載置する工程をさらに有することを特徴とする。
ここで、ガラ袋とは中身が充填された巨大な土嚢ともいえる袋であり、重しの機能を有するものである。杭頭に、好ましくは順にゴムシートと鉄板とガラ袋とを載置した状態で、着火して破砕することにより、杭頭及びその周囲の土壌等から着火及び破砕に伴い発生する粉塵等の飛散・拡散(すなわち、鉄砲現象)を低減できるとともに、騒音の拡散をも確実に低減することができる。また、鉄筋コンクリート製地中杭の破砕片や小石等が、水蒸気圧力により飛散することも防止できるので、周囲環境や作業者等に対し、より高い安全性が確保できるものとなる。ゴムシートは、例えば8mm厚の黒色のものを使用できる。また、鉄板は、例えば22mm厚の1.5m×1.5mで重量500kgのものを使用できる。
下記数1乃至数3は、鉄砲現象を回避するためにどのように杭頭の養生をするべきか検討されたプロセス及びその結果について説明するものである。数1が、「ガンサイザーによるコンクリート杭破砕における鉄砲現象への防護対策について」の検討結果を説明するものであり、数2が「重さ2tの防護材の運動について」の検討結果を説明するものであり、数3が「鉄砲現象が発生した場合の防護材の運動について」の検討結果を説明するものである。
また、実施形態の地中杭破砕方法は、さらに好ましくは杭頭から破砕薬装填孔を穿孔する工程が、穿孔時に杭頭から地中杭の長さ方向に作業空間へと延伸されるアーム部が防音養生されたロックドリルで遂行されることを特徴とする。
ロックドリルは、従来、横方向のトンネルを深く採掘する場合等に用いられることが多かった。しかし、数十mm〜100mm超程度の直径の破砕薬装填孔を、鉄筋コンクリート製の地中杭に深く大深度で穿孔する場合にも用いることができることが、本発明者により明らかにされた。穿孔作業は、少なからず騒音が発生するとともに、場合によっては小さな破砕片を含む粉塵等も発生する。
このため、穿孔作業中に杭頭から上方に突出して配置されるロックドリルのアーム部を、好ましくはその最上部から杭頭の高さ(または露出地面の高さ)までに亘り、典型的には垂直に配置されたアーム部の高さ方向全てに亘り最下部が地面に当接するように、防音養生することが好ましい。防音養生には、ロックドリルの操作者から、アーム内部の任意所定箇所が視認により確認できるように、養生の欠落部を形成して視認窓を設けることがさらに好ましい。破砕薬装填孔は、杭頭から杭底に至るまで、例えば10000mm程度に亘って穿孔することもできる。
図6は、防音及び飛散防止の養生を垂直アーム部に装着したロックドリルの典型例を説明する図であり、(a)が外側周囲が全て養生されている状態を説明する図であり、(b)がオペレータ側に養生が欠落された視認窓を設けている状態を説明する図である。また、図7は、ロックドリルのアーム部の養生の他の例を説明する図である。
また、実施形態の地中杭破砕方法は、さらに好ましくは破砕薬が、薬剤の熱分解時に発生する水蒸気圧を利用して地中杭を破砕する蒸気圧破砕薬であることを特徴とする。
これにより、いわゆる火薬類取り締まり関係法令に抵触する懸念もなく、政令指定都市を含む都心部から郊外、はては山間部に至るまで比較的広い現場で実用に耐えられるものとできる。また、水蒸気圧による動的な破砕であるので、短い時間で比較的安全かつ瞬時に、破砕作業が遂行できるものとなる。
また、実施形態の地中杭破砕方法は、さらに好ましくは多段に挿入された破砕薬を着火して破砕する工程が、杭頭から地中杭の底部に向けて各破砕薬が順次に0.25秒毎で着火されることを特徴とする。
破砕により発生する振動は、そのピークから0.5秒程度でゼロにまで低減されることが本発明者の研究により明らかになった。このため、最も好ましくは、騒音のピークから半減するまでの時間に相当する0.25秒間隔で、次の下段の破砕薬に着火することがよい。
着火と同時に当該着火された破砕薬に起因する騒音(または騒音と振動)のピークが生じると仮定すれば、その0.25秒後には、当該騒音は半減していることとなるので、次の下段の破砕薬の騒音が続いて発生しても、騒音の重畳による過剰に大きな騒音とはならない。これにより、都心における周囲環境への種々の規制に対しても充分にこれを充足できるものとなる。
実施形態の地中杭破砕方法は、さらに好ましくは破砕薬が、酸化剤としての酸化銅と還元剤としてのアルミニウムとの金属粉のテルミット反応による発熱を利用し、結晶水としてカリウムミョウバンを蒸発させた水蒸気圧力を発生させるものであり、一段分の薬剤重量が0.5kg〜1kgであることを特徴とする。
酸化剤としての酸化銅と還元剤としてのアルミニウムとの金属粉のテルミット反応による発熱を利用し、結晶水としてカリウムミョウバンを蒸発させた水蒸気圧力を発生させる破砕薬は、本件発明者が所属する事業会社からガンサイザー(登録商標)の名称で市販されている。図5は、(a)セメントタンパーの外観並びに(b)ガンサイザーの外観及び(c)着火具(イグナイタ)の外観説明及び(d)それらの取り付け設置について説明する図である。
下記表1は、蒸気圧破砕薬剤ガンサイザーについて説明するものであり、1.ガンサイザーの製品説明として、(1)破砕薬剤、(2)着火具、(3)IC段発イグナイタの順に説明をしている。IC段発イグナイタは、各段に装填された破砕薬を所定の時間だけ遅延させてずらせて発破させることができる着火具である。
薬剤重量や大きさ等に応じて種々の型番のガンサイザー(登録商標)がラインアップされているが、地中杭1100mmφ乃至1800mmφ程度であれば、一段あたり0.5kg乃至1kgの薬剤重量のガンサイザー(登録商標)を用いることができる。すなわち55−50型のガンサイザー(登録商標)を、例えば9150mmの長さで1600mmφの地中杭の杭頭中央から、800mmピッチで10段装填することができる。
55−50型のガンサイザー(登録商標)の長さは350mmであるので、ガンサイザー(登録商標)の間隔は450mm離間していることとなる。すなわち、ガンサイザー(登録商標)同士の間隔である450mmの長さの破砕薬装填孔は、それぞれセメントタンパーと好ましくは7号砕石とで充填されることができる。そして、上段側から好ましくは0.25秒ずつずらして順次着火していくことで、振動や騒音を低減しつつ良好な破砕作業を遂行することが可能となる。表2は、ガンサイザーのバリエーションを説明するものである。(日本工機株式会社製品ホームページより抜粋)
実施形態の地中杭破砕方法は、さらに好ましくは多段に挿入された破砕薬の間隔が、450mm〜500mmであることを特徴とする。
破砕薬の間隔を450mm〜500mm程度に設けることで、上段の破砕により生じた亀裂等が直下の破砕薬に到達することなく、格段の破砕薬が有効に機能してスムースかつ効率的な破砕作業を遂行できるものとなる。換言すれば、450mm〜500mm程度の間隔にセメントタンパー等を充填することで、下段の破砕薬等をその直近上段の破砕薬の破砕から保護できる。一段分の破砕薬は、当該段の破砕薬より上部を破砕することが期待されているものである。また、多くの地中杭に対してこの間隔を適用可能であり、コストの低減とスムースな破砕作業とを両立できるものとなる。
ここで、0.025秒(25ミリ秒)間隔で、上段から下段へと順次連続的に発破しても振動や騒音が低減される理由についてさらに詳細に説明する。図8は、試験破砕における振動測定値(離隔距離10m)について説明する図である。図8(a)が試験破砕1回目(10m)55−100型(25ミリ秒×8セット(すなわち8段))の経過時間に対する変位速度を説明する図であり、図8(b)が試験破砕2回目(10m)55−200型(25ミリ秒×5セット(すなわち5段))の経過時間に対する変位速度を説明する図であり、図8(c)が試験破砕3回目(10m)55−100型(250ミリ秒×8セット(すなわち8段))の経過時間に対する変位速度を説明する図である。
また、図9は、図8に説明した(a)〜(c)の各試験破砕に対応する試験番号(1)〜(3)のガンサイザーパターンと、その準備作業について説明する図である。また、図10は、ガンサイザーIC段発イグナイタの取り付けと脚線延長の方法について説明する図である。
図8に示す各段発の時間間隔を0.025秒とした場合の発破実験結果から明らかなように、充分な振動や騒音の低減が期待できるものとなっている。振動・騒音の低減には一段分の振動等の自然低減を待って、次段を発破する方法(すなわち、0.25秒〜0.5秒ごとの順次発破)が、理論的には最も理解し易い。しかし、現実には、0.025秒ごとの発破(最少段発)でも図8の通りの結果がでているものであり、ピークが同じだと単純に振動力や騒音力が発破薬量に比例するのですが、ピークを少しでも(例えば0.025秒)ずらすと、図8のとおり一段発破の1.5倍前後の振動でおさまるものとなる。この原因については現時点では詳細不明であるが、逆位相の振動で打ち消し合っているのではないかと本件発明者は推測している。
(衝撃吸収孔(捨て孔)を設ける構成)
図11は、地中杭1000の長さ方向において、破砕薬装填孔2000と平行に衝撃吸収孔(捨て孔)2000を設ける構成を説明する図である。図11に示すように、衝撃吸収孔2000は、地中杭2000の杭頭の平面視の中央に長方形状に配置されており、その深さは破砕薬装填孔2000と同じか、それよりもやや深いものとすることが好ましい。
衝撃吸収孔2000は、すなわちスリット形状の空間(すなわち中空状態)として設けられるので、その周囲の杭に埋め込まれた発破剤が発破する場合に、衝撃吸収の機能を果たす。仮に、この衝撃吸収孔2000が無ければ、発破剤の振動や衝撃は地中杭から主に外部方向に向かって伝達される過程で次第に減衰するものと考えられるが、衝撃吸収孔2000の存在により、周囲から振動や衝撃がこの内部空間に向かうものとなる。そして、衝撃吸収孔2000内において周囲から伝達された衝撃や振動等が互いに弱めあうものと考えられる。
図12(a)は、衝撃吸収孔2000の形成方法を説明する図である。地中杭の杭頭から直接的にスリット形状で深く穿孔することは困難であるが、図12(a)に示すようにまず、複数のドリル孔2500を所定間隔tを空けて連続的に複数形成する。図12(a)では、直径9cmのドリル孔を4個直線状に連続に開けている例を示している。所定間隔tは8〜12mmの間であって好ましくは10mmとすることができる。これにより、ドリル孔2500の形成過程における振動や衝撃により、ドリル孔2500の間を形成する例えばt=10mmの壁が崩れて連続的に繋がり、最終的にはスリット形状となる。また、ドリル孔の径は厳密には破砕対象杭の直径とも関係するものではあるが、概ね8cm〜12cmの範囲の径とすることで、作業遂行上からも好ましくその衝撃低減効果も十分に得られる。
ここで、所定間隔tが小さすぎると、ドリル孔2500の形成過程において、孔間の壁の崩れが容易すぎるものとなるので、ドリル孔2500を地中杭の長さ方向に真っすぐに穿孔することができず、崩れた壁による隣接する既設のドリル孔の方へ曲折するものとなってしまう。これでは結果的にスリット形状の衝撃吸収孔2000を形成することができない。一方、所定間隔tが大きすぎると、複数のドリル孔2500間の壁が崩れなくなって繋がらず、やはりスリット形状とはならない。図12(b)は上述のようにして形成された衝撃吸収孔2000の一例を示す図である。
また、図12(c)に矢印で示すように、発破の衝撃や吸収は構造的に弱い方向に向かう傾向があると考えられるところ、衝撃吸収孔2000に向かう衝撃や振動は衝撃吸収孔2000内で互いに弱めあって、破砕対象となる地中杭の周囲環境への影響を極めて低減することが可能になる。さらに、地中杭の平面視における円周付近にはいわゆる腹筋(鉄筋)が配されていることから、当該腹筋により反射されて内向する振動等を、衝撃吸収孔2000において打ち消し合い減衰させることができる。ここで、破砕薬装填孔3000は任意の配置とすることができるが、図12(c)においては、MS1〜MS8までとして例示している。また、ドリル孔2500は、図12(d)に示すような支柱が中空で圧搾空気が送風されるドリルにより穿孔することができる。
また、図13は発破剤の挿入・配置パターンのバリエーションを説明する図である。図13においては、衝撃吸収孔2000を示していないが、地中杭の中心部を通る長さ方向に深く穿孔された平面視スリット形状として形成することができる。また、衝撃吸収孔2000内はその機能特性の観点から、発破剤は設けないことが好ましいが、例えば地下水が充填されていてもよい。
また、図14は、衝撃吸収孔2000を設けて発破させた場合における地中杭の周囲環境(振動レベル)を測定した結果例を示す表である。図14の表中においてSMBは、「Super Micro Blast」の略語である。図14において、75dB以下なら全く問題はなく100dB以上であれば実用は困難であると考えられるが、ほぼ良好な結果が得られていることが理解できる。衝撃吸収孔2000を設ける地中杭の発破工程によって、それまで周囲ビルのエレベータが停止するほどの大きな振動が発生し周囲へ伝達される懸念もあったが、このような懸念も払拭できるものとなる。なお、衝撃吸収孔2000を設ける構成は、既に上述して説明している発破剤の発破工程に先立ち事前に、衝撃吸収孔2000を穿孔・形成するだけでよいので、極めて簡単・容易でコストや工期の増大を招く虞もなく好ましいものである。
上述で説明した地中杭破砕方法は、実施例における具体的な数値等を例示した説明に限定されるものではなく、地中に本体部が深く埋設されていながらその一部が露出されている地中構造物の破砕作業や破壊作業に幅広く適用可能であり、当業者に自明かつ本発明の範囲内で、材料や工程内容やその順序・手順を適宜変更しアレンジすることが可能である。
本発明は、地中に埋め込まれた地中構造物の破砕等に好適である。
1000・・地中杭、2000・・衝撃吸収孔(捨て孔)、2500・・ドリル穿孔、3000・・破砕薬装填孔。

Claims (11)

  1. 杭頭が露出された状態の地中杭に、前記地中杭の長さ方向に沿って前記杭頭から破砕薬装填孔及び衝撃吸収孔を穿孔する工程と、
    前記杭頭から、前記破砕薬装填孔に、破砕薬とセメントタンパーとを交互に、前記破砕薬が一定の間隔となるように、前記地中杭の長さ方向に沿って多段に挿入する工程と、
    多段に挿入された前記破砕薬を、前記杭頭から前記地中杭の底部に向けて順次に、0.025秒〜0.5秒の範囲の一定時間毎に、着火して破砕する工程と、を有する
    ことを特徴とする地中杭破砕方法。
  2. 請求項1に記載の地中杭破砕方法において、
    前記衝撃吸収孔は、前記杭頭の中央においてスリット形状であり、その深さは、前記地中杭の長さ方向に、前記破砕薬装填孔の深さ以上である
    ことを特徴とする地中杭破砕方法。
  3. 請求項2に記載の地中杭破砕方法において、
    前記衝撃吸収孔を穿孔する工程は、複数の円形状の孔を所定間隔だけ離間して連続的に形成することにより、前記孔間が崩れてスリット形状に形成される工程である
    ことを特徴とする地中杭破砕方法。
  4. 請求項3に記載の地中杭破砕方法において、
    前記円形状の孔の径は8〜12cmφであり、前記所定間隔は8〜12mmである
    ことを特徴とする地中杭破砕方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の地中杭破砕方法において、
    前記多段に挿入された破砕薬の間隔は、上段の破砕薬による破砕に起因して、下段の破砕薬による破砕の効果が阻害されない程度に設けられる
    ことを特徴とする地中杭破砕方法。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の地中杭破砕方法において、
    前記破砕薬を多段に挿入する工程と前記着火して破砕する工程との間に、
    前記杭頭に、ゴムシートと鉄板とガラ袋とを載置する工程をさらに有する
    ことを特徴とする地中杭破砕方法。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の地中杭破砕方法において、
    前記杭頭から破砕薬装填孔を穿孔する工程は、
    穿孔時に前記杭頭から前記地中杭の長さ方向に作業空間へと延伸されるアーム部が防音養生されたロックドリルで遂行される
    ことを特徴とする地中杭破砕方法。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の地中杭破砕方法において、
    前記破砕薬は、薬剤の熱分解時に発生する水蒸気圧を利用して前記地中杭を破砕する蒸気圧破砕薬である
    ことを特徴とする地中杭破砕方法。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の地中杭破砕方法において、
    前記多段に挿入された破砕薬を着火して破砕する工程は、前記杭頭から前記地中杭の底部に向けて各破砕薬が順次に0.25秒毎で着火される
    ことを特徴とする地中杭破砕方法。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の地中杭破砕方法において、
    前記破砕薬は、酸化剤としての酸化銅と還元剤としてのアルミニウムとの金属粉のテルミット反応による発熱を利用し、結晶水としてカリウムミョウバンを蒸発させた水蒸気圧力を発生させるものであり、一段分の薬剤重量が0.5kg〜1kgである
    ことを特徴とする地中杭破砕方法。
  11. 請求項10に記載の地中杭破砕方法において、
    前記多段に挿入された破砕薬の間隔は、450mm〜500mmである
    ことを特徴とする地中杭破砕方法。
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