JP6602291B2 - 新規糖転移酵素遺伝子及びその使用 - Google Patents
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Description
かかる状況の下、本発明が解決しようとする課題は、フラボン、特にフラボン4’−グルコシドの7位の水酸基に糖を特異的に転移する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドとその使用を提供することである。
すなわち、本発明は以下の通りのものである。
(a)配列番号1又は配列番号5の塩基配列からなるポリヌクレオチド;
(b)配列番号1又は配列番号5の塩基配列と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリジェント条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドであって、フラボンの7位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(c)配列番号2又は配列番号6のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(d)配列番号2又は配列番号6のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、フラボンの7位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;及び
(e)配列番号2又は配列番号6のアミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ、フラボンの7位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
からなる群から選ばれるポリヌクレオチド。
(f)配列番号3の塩基配列からなるポリヌクレオチド;
(g)配列番号3の塩基配列と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリジェント条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドであって、フラボンの4’位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(h)配列番号4のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(i)配列番号4のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、フラボンの4’位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;及び
(e)配列番号4のアミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ、フラボンの4’位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
からなる群から選ばれるポリヌクレオチドを含有する、前記[7]に記載のベクター。
(f)配列番号3の塩基配列からなるポリヌクレオチド;
(g)配列番号3の塩基配列と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリジェント条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドであって、フラボンの4’位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(h)配列番号4のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(i)配列番号4のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、フラボンの4’位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;及び
(e)配列番号4のアミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ、フラボンの4’位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
からなる群から選ばれるポリヌクレオチドが導入された、前記[12]に記載の植物若しくはその子孫又はそれらの部分若しくは組織。
前記[9]に記載の非ヒト宿主を培養し又は生育させ、そして
該非ヒト宿主からフラボンの7位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質を採取する、
を含む、フラボンの7位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質の製造方法。
前記[9]に記載の非ヒト宿主を培養し又は生育させ、そして
該非ヒト宿主から、7位の水酸基に糖が付加されたフラボンを採取する、
を含む、7位の水酸基に糖が付加されたフラボンの製造方法。
また、本発明により、7位の水酸基に糖が付加したフラボン、特に4’位及び7位の両方の水酸基に糖が付加したフラボンの製法、及び該製法によって得られたフラボンを含む組成物も提供される。
(b)配列番号1又は配列番号5の塩基配列と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリジェント条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドであって、フラボンの7位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(c)配列番号2又は配列番号6のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(d)配列番号2又は配列番号6のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、フラボンの7位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;及び
(e)配列番号2又は配列番号6のアミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ、フラボンの7位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
からなる群から選ばれるポリヌクレオチドに関する。
本明細書中、用語「ストリジェント条件」とは、ポリヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドと、ゲノムDNAとの選択的かつ検出可能な特異的結合を可能とする条件である。ストリンジェント条件は、塩濃度、有機溶媒(例えば、ホルムアミド)、温度、及びその他公知の条件の適当な組み合わせによって定義される。すなわち、塩濃度を減じるか、有機溶媒濃度を増加させるか、又はハイブリダイゼーション温度を上昇させるかによってストリンジェンシー(stringency)は増加する。さらに、ハイブリダイゼーション後の洗浄の条件もストリンジェンシーに影響する。この洗浄条件もまた、塩濃度と温度によって定義され、塩濃度の減少と温度の上昇によって洗浄のストリンジェンシーは増加する。したがって、用語「ストリンジェント条件」とは、各塩基配列間の「同一性」の程度が、例えば、全体の平均で約80%以上、好ましくは約90%以上、より好ましくは約95%以上、さらに好ましくは97%以上、最も好ましくは98%以上であるような、高い同一性を有する塩基配列間のみで、特異的にハイブリダイズするような条件を意味する。「ストリンジェント条件」としては、例えば、温度60℃〜68℃において、ナトリウム濃度150〜900mM、好ましくは600〜900mM、pH6〜8であるような条件を挙げることができ、具体例としては、5×SSC(750mMNaCl、75mMクエン酸三ナトリウム)、1%SDS、5×デンハルト溶液50%ホルムアルデヒド、及び42℃の条件でハイブリダイゼーションを行い、0.1×SSC(15mMNaCl、1.5mMクエン酸三ナトリウム)、0.1%SDS、及び55℃の条件で洗浄を行うものを挙げることができる。
また、本発明に係るDNAは、当業者に公知の方法、例えば、ホスホアミダイド法等により化学的に合成する方法、植物の核酸試料を鋳型とし、目的とする遺伝子のヌクレオチド配列に基づいて設計したプライマーを用いる核酸増幅法などによって得ることができる。
あるいは短縮されたアミノ酸配列からなる酵素をコードするDNAを得るには、例えば、目的とするアミノ酸配列より長いアミノ酸配列、例えば、全長アミノ酸配列をコードするDNAを所望の制限酵素により切断し、その結果得られたDNA断片が目的とするアミノ酸配列の全体をコードしていない場合は、不足部分の配列からなるDNA断片を合成し、連結すればよい。
宿主としては、原核生物又は真核生物を用いることがきる。原核生物としては細菌、例えば、エシェリヒア(Escherichia)属に属する細菌、例えば、大腸菌(Escherichia coli)、バシルス(Bacillus)属微生物、例えば、バシルス・スブシルス(Bacillus subtilis)など常用の宿主を用いることができる。真核生物としては、下等真核生物、例えば、真核微生物、例えば、真菌である酵母又は糸状菌が使用できる。
(f)配列番号3の塩基配列からなるポリヌクレオチド;
(g)配列番号3の塩基配列と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリジェント条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドであって、フラボンの4’位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(h)配列番号4のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(i)配列番号4のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、フラボンの4’位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;及び
(j)配列番号4のアミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ、フラボンの4’位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
からなる群から選ばれるポリヌクレオチドを含有してもよい。これらのポリヌクレオチドは、フラボンの4’位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードするものであり、国際公開第WO2013/108794(特許文献11)に詳しく記載されている。
植物細胞内でポリヌクレオチドを構成的に発現させるプロモーターの例としては、カリフラワーモザイクウィルスの35S RNAプロモーター、rd29A遺伝子プロモーター、rbcSプロモーター、mac-1プロモーター等が挙げられる。また、組織特異的な遺伝子発現のためには、その組織で特異的に発現する遺伝子のプロモーターを用いることができる。
発現ベクターの作製は、制限酵素、リガーゼなどを用いて常法に従って行うことができる。また、発現ベクターによる宿主の形質転換も常法に従って行うことができる。
本明細書では、ネモフィラ由来のフラボン、特にフラボン4’−グルコシドの7位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードする遺伝子について述べているが、本発明に係るポリヌクレオチドは、ネモフィラ由来の遺伝子に限定されるものではなく、フラボン、特にフラボン4’−グルコシドの7位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードする遺伝子の起源としては植物でも動物でも微生物であってもよく、フラボンの4’位の水酸基に糖を転移する活性を有している限り、起源を問わず、植物における花色の変更に利用可能である。
さらに、本発明のポリヌクレオチドに加え、上述のフラボンの4’位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドを植物に導入してもよい。これにより、4’位と7位の両方の水酸基に糖が付加されているフラボンを植物内で効率的に生合成させることが可能となる。
また、本発明の製造方法により製造された7位の水酸基に糖が付加されたフラボン、特に4’位と7位の両方の水酸基に糖が付加されたフラボンは、食品、医薬品、化粧品の製造方法などの用途に使用することができる。
[実施例1:ネモフィラ花弁におけるフラボンの4’位と7位の水酸基に糖を転移する活性の検出]
ネモフィラ(Nemophila menziesii)の花弁を、以下のように定義した発達段階に分けて採取し、液体窒素で凍らせ、−80℃冷凍庫で保存した:
ステージ1:色が付いていない堅く閉じたつぼみ(約2−5mm);
ステージ2:有色の堅く閉じたつぼみ(約2−5mm);
ステージ3:有色の閉じたつぼみ、がく片がちょうど開こうとしているつぼみ(約5−10mm);
ステージ4:花弁が開こうとしているつぼみ(約10−15mm)
ステージ5:完全にひらいた花
アントシアニンが生合成される前の花弁のステージ1と2で、フラボン糖転移酵素活性が検出されることが期待される。そこで、ステージ1と2の花弁を用いて、花弁抽出液を調製した。250mgの花弁サンプル(−80℃で保存していたステージ1と2のサンプル125mgずつ)を液体窒素中で乳鉢ですりつぶし、2.0mlの抽出バッファー(組成;リン酸カリウム緩衝液(pH7.5):100mM、ジチオスレイトール(DTT):1mM、ポリビニルピロリドン40:50mg/ml、スクロース:100mg/ml)を加えて、縣濁した。得られた縣濁物を遠心分離(10000rpm、4℃、10分間)し、回収した上清に30%の飽和濃度となるように硫酸アンモニウムを加えた。4℃で1時間撹拌した後、遠心分離(10000rpm、4℃、10分間)して上清を回収した。得られた上清に硫酸アンモニウムを飽和濃度70%となるように添加し、4℃で1時間撹拌した後、遠心分離(10000rpm、4℃、10分間)して沈澱を得た。この沈澱を500μlの溶出バッファー(組成;TrisHCl(pH7.5):2.5mM、DTT:1mM、アミジノファニルメタンスルフォニルフルオライド塩酸(APMSF):10μM)に溶かし、NAP−5Colums Sephadex G−25 DNA Grade(GE Healthcare社)を用いて脱塩することにより、硫酸アンモニウムを取り除いた。この液を「花弁抽出液」とした。遠心分離には、Avanti HP−26XP(ローター:JA−2)を使用した(BECKMAN COULTER社)。
40μlの花弁抽出液、2μlの50mM UDP−グルコース、20μlの1M TrisHCl(pH7.5)、5μlの1mM アピゲニン(0.1%TFAを含む50%アセトニトリル水溶液に溶解)を混合し、水で反応体積200μlになるように氷上で調整した反応液を、30℃で20分間保持した。その後、200μlの停止バッファー(0.1%TFAを含む90%アセトニトリル水溶液)を加えて反応を停止させ、反応液を高速液体クロマトグラフィー(Prominence(島津製作所))にて分析した。検出器は島津PDA SPD−M10AVPを用い330nmでフラボンを検出した。カラムはShim−Pack ODS 150mm*4.6mm(島津製作所)を用いた。溶出には、A液(0.1%TFA水溶液)とB液(0.1%TFAを含む90%メタノール水溶液)を用いた。両者の8:2の混合液から3:7の混合液までの10分間の直線濃度勾配とそれにつづく6分間3:7の混合液による溶出を行なった。流速は0.6ml/分とした。コントロールとして、花弁抽出液を100℃20分で熱処理した花弁抽出液を用いて同じ条件下で酵素反応させた反応液を用いた。
その結果、アピゲニン4’,7−ジグルコシド精製品やアピゲニン7−グルコシド標品と同じ保持時間・吸収極大を示すフラボンに加え、アピゲニン7−グルコシドと近い保持時間を示すフラボンが生合成された(図1参照)。UDP−グルコースを加えずに酵素反応させたときには、アピゲニン以外のピークは検出されなかった。
ネモフィラ花弁におけるアピゲニン4’,7−ジグルコシドの生合成経路を考慮すると、アピゲニン4’,7−ジグルコシドが生合成される過程で、アピゲニン4’−グルコシドとアピゲニン7−グルコシドが中間成生物として生合成されることが期待される(図2参照)。このことから、実施例1において検出されたアピゲニン7−グルコシドと近い保持時間を示すフラボンは、アピゲニン4’−グルコシドであると判断された(図1参照)。アピゲニン4’−グルコシドの保持時間・吸収極大を決定することができた。
これらの結果より、ネモフィラ花弁には、UDP−グルコースに依存したフラボンの4’位と7位の水酸基にそれぞれ糖を転移する活性を有するタンパク質が存在することが明らかとなった。フラボン4’,7−ジグルコシド生合成経路として、1つの酵素によってフラボンの4’位及び7位の水酸基の配糖化が行われる経路、フラボンの4’位の水酸基の配糖化が行われた後に7位の水酸基の配糖化が行われる経路、そしてフラボンの7位の水酸基の配糖化が行われた後に4’位の水酸基の配糖化が行われる経路が存在する可能性が考えられる(図2参照)。これまでに、フラボンの4’位及び/又は7位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードする遺伝子としてNmGT3及びNmGT4(特許文献12)が、フラボンの4’位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードする遺伝子としてNmGT8(特許文献11、配列番号3)が取得されている。
<totalRNAの単離>
Plant RNAeasy Kit(QIAGEN社)を用い、製造者に推奨されているプロトコールに従い、ネモフィラのステージ1と2の花弁からtotalRNAを単離した。
<ネモフィラの花弁由来のcDNAの発現解析>
30μgのネモフィラの花弁由来totalRNAの逆転写反応を行った後、均一化cDNAライブラリーを作製した。作製したライブラリーをエマルジョンPCRによって、クローンごと増幅した後、ゲノムシークエンサーFLX(Roche Diagnostics Japan株式会社)により塩基配列の決定を行った。その得られた配列データの中からリンドウのアントシアニン3’−糖転移酵素の遺伝子配列と同一性を示す配列を抽出した。これらの配列をアミノ酸配列に翻訳してアセンブルすることによって、糖転移酵素をコードする候補遺伝子を得た。
実施例3では糖転移酵素候補遺伝子の配列が30種得られた。その内20個の遺伝子(NmGT10〜29)について完全長cDNA配列を取得するための実験を行った。
完全長cDNA配列の取得は、GeneRacer Kit(invitrogen社)を用いて、製造者に推奨されているプロトコールに従って行った。実施例3で得られたcDNA部分配列の中からそのクローンに特異的な領域を選び、この領域の配列をもとにしてRACE用プライマーを設計し、RACE PCRによって5’,3’末端配列を得た。この配列をもとに、完全長cDNA配列を増幅するためのプライマーを設計し、ネモフィラcDNAを鋳型にして、KOD−plus polymerase(TOYOBO社) を用いて、製造者に推奨されているプロトコールに従い、反応体積50μlでPCR反応を行った(94℃で2分間保持し、94℃15秒間、55℃30秒間、68℃で2分間のサイクルを30サイクル繰り返した後、4℃で保持した)。ネモフィラのcDNAは、SuperScriptII Reverse Transcriptase(invitrogen社)を用いて、実施例2で単離したtotal RNAを鋳型にして、製造者に推奨されているプロトコールに従って合成した。このPCR生成物を用いて、pET SUMO TA Cloning Kit(invitrogen)を用いて、製造者に推奨されているプロトコールに従って、NmGT遺伝子の完全長を含むプラスミド(pET SUMO−NmGT10〜29)を取得した。プラスミドに挿入された塩基配列を解析し、フラボン4’−グルコシドの7位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードする遺伝子の候補遺伝子(NmGT10〜29)の中から完全長cDNA配列を取得した。pET SUMO−NmGT10〜29は、実施例5以下で大腸菌発現コンストラクトとして活用する。
<糖転移酵素の大腸菌での発現>
pET SUMO−NmGT10〜29を、One Shot BL21(DE3)(invitorgen)を用いて、製造者に推奨されているプロトコールに従い、大腸菌株BL2へ導入し、形質転換大腸菌を取得した。この大腸菌をOvernight Express Autoinduction System1(Novagen社)を用いて、製造者に推奨されているプロトコールに従い、培養した。調製した培養液2mlで、形質転換大腸菌をOD600値が0.5になるまで37℃で培養した(約4時間)。この大腸菌液を前培養液として、50mlの培養液に加え、25℃で一晩本培養した。
一晩本培養した大腸菌液を遠心分離(3000rpm、4℃、15分間)し、集菌した菌体を5mlのソニックバッファー(組成;TrisHCl(pH7.0):2.5mM、ジチオスレイトール(DTT):1mM、アミジノファニルメタンスルフォニルフルオライド塩酸(APMSF):10μM)に懸濁し、超音波処理により大腸菌を粉砕した後、遠心分離(15000rpm、4℃、10分間)して、上清を回収した。その上清を粗酵素液とした。遠心分離には、Avanti HP−26XP(ローター:JA−2)を使用した(BECKMAN COULTER社)。
80μlの粗酵素液、2μlの50mM UDP−グルコース、20μlの1M TrisHCl(pH7.5)、1μlの2mMのアピゲニン4’−グルコシド(0.1%TFAを含む50%アセトニトリル水溶液に溶解)を混合し、水で反応体積200μlになるように氷上で調整した反応液を30℃で30分間保持した。その後、200μlの停止バッファー(0.1%TFAを含む90%アセトニトリル水溶液)を加えて反応を停止させ、反応液を高速液体クロマトグラフィー(Prominence(島津製作所))にて分析した。検出器は島津PDA SPD−M10AVPを用い330nmでフラボンを検出した。カラムはShim−Pack ODS 150mm*4.6mm(島津製作所)を用いた。溶出には、A液(0.1%TFA水溶液)とB液(0.1%TFAを含む90%メタノール水溶液)を用いた。両者の8:2の混合液から3:7の混合液までの10分間の直線濃度勾配とそれにつづく6分間3:7の混合液による溶出を行なった。流速は0.6ml/分とした。コントロールとして、インサートを挿入しないpET SUMOベクターを導入した大腸菌の粗酵素液を用いて同じ条件化で酵素反応させた反応液を用いた。
その結果、NmGT22について、基質以外のピークがみられた。
実施例6以降は、NmGT22(配列番号1)又はそのホモログであるNmGT22−II(配列番号5)について記載する。
<糖転移酵素の大腸菌での発現とタンパク質精製>
実施例5で記載したpET SUMO−NmGT22を導入した大腸菌株BL2をOvernight Express Autoinduction System1(Novagen社)を用いて、製造者に推奨されているプロトコールに従い、培養した。調製した培養液8mlで、形質転換大腸菌をOD600値が0.5になるまで37℃で培養した(約4時間)。この大腸菌液を前培養液として、200mlの培養液に加え、25℃で一晩本培養した。
一晩本培養した大腸菌液を遠心分離(1000×g、4℃、10分間)し、集菌した菌体を20mlの抽出液(組成;緩衝液(KCl:300mM、KH2PO4:50mM、イミダゾール:5mM)(pH8.0)、アミジノファニルメタンスルフォニルフルオライド塩酸(APMSF):10μM)に懸濁し、超音波処理により大腸菌を粉砕した後、遠心分離(1400×g、4℃、20分)して、上清を回収した。その上清を0.45μmフィルターに通し、Profinia(Bio−Rad)を用いて、製造者に推奨されているプロトコールに従って、His−Tag精製した。得られた精製タンパク質溶液を、centrifugal Filters(Ultracel−10K)(Amicon Ultra社)を用いて、遠心分離(7500×g、4℃、15分間)し、その濃縮されたタンパク質溶液を「NmGT22タンパク質溶液」とした。遠心分離には、Avanti HP−26XP(ローター:JA−2)を使用した(BECKMAN COULTER社)。
10μlのタンパク質溶液、2μlの50mM UDP−グルコース、10μlの1MTrisHCl(pH7.5)、1μlの2mMアピゲニン4’−グルコシド(0.1%TFAを含む50%アセトニトリル水溶液に溶解)を混合し、水で反応体積100μlになるように氷上で調整した反応液を30℃で20分間保持した。その後、100μlの停止バッファー(0.1%TFAを含む90%アセトニトリル水溶液)を加えて反応を停止させ、反応液を高速液体クロマトグラフィー(Prominence(島津製作所))にて分析した。検出器は島津PDA SPD−M10AVPを用い330nmでフラボンを検出した。カラムはShim−Pack ODS 150mm*4.6mm(島津製作所)を用いた。溶出には、A液(0.1%TFA水溶液)とB液(0.1%TFAを含む90%メタノール水溶液)を用いた。両者の8:2の混合液から3:7の混合液までの10分間の直線濃度勾配とそれにつづく6分間3:7の混合液による溶出を行なった。流速は0.6ml/分とした。
本発明のNmGT22遺伝子が、植物内でフラボン4’−グルコシドの7位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードすることを確かめるため、NmGT22とNmGT8を共発現させたタバコ培養細胞(BY―2)におけるフラボンの4’位及び7位の水酸基の配糖化の有無を評価する。
NmGT22とNmGT8を植物で共発現させるためのバイナリーベクターpSPB6261を構築し、BY−2へ導入した。
導入したコンストラクトpSPB6261では、基本骨格としてpBINPLUS(vanEngel et al.,Transgenic Reserch 4,p288)を、NmGT22遺伝子とNmGT8遺伝子を発現させるプロモーターとしてEl235Sプロモーター(Mitsuhara et al.,(1996)Plant Cell Physiol.37,p49)を、ターミネーターとしてHSPターミネーター(Plant Cell Physiol(2010)51,328−332)を使用した。
BY−2の形質転換は下記の方法で行った。まず、BY−2を、100mlのBY−2培養液体培地(組成;無機十種(NH4NO3:1.65g/L、KNO3:1.9g/L、KH2PO4:170mg/L、H3BO3:6.2mg/L、MnSO4・4H20:22.3mg/L、ZnSO4・7H2O:8.6mg/L、Kl:0.83mg/L、Na2MoO4・2H20:、0.25mg/LCuSO4・5H2O:0.025mg/L、CoCl2・6H2O:0.025mg/L)、CaCl2・H2O:440mg/L、MgSO4・7H2O:370mg/L、Fe−EDTA:42.1mg/L、Sucrose:30g/L、Myo−inositol:100mg/L、Thiamin−HCl:1mg/L、2,4−シクロロフェノキシン酢酸:0.2mg/L)(pH5.7)で培養し、OD550値が1.3になるまで27℃で培養した(約3日間)。このBY−2培養液3mlに5mlのYEP培地(組成;BactoTM Yeast Extract:10g/L、BactoTM Peptone:10g/L、NaCl:5g/L)(pH7.0)で、OD550値が1.7になるまで28℃で培養したpSPB6261を導入したアグロバクテリウム溶液50μlと1.5μlの20mMアセトシリンゴンを加えて、さらに2日半27℃で培養した。2日半培養したBY−2とアグロバクテリウムの共培養液を遠心分離(800rpm、15℃、1分)し、上澄み液を除去した細胞層に10mlの洗浄培地(組成;無機十種(NH4NO3:1.65g/L、KNO3:1.9g/L、KH2PO4:170mg/L、H3BO3:6.2mg/L、MnSO4・4H20:22.3mg/L、ZnSO4・7H2O:8.6mg/L、Kl:0.83mg/L、Na2MoO4・2H20:、0.25mg/LCuSO4・5H2O:0.025mg/L、CoCl2・6H2O:0.025mg/L)、CaCl2・H2O:440mg/L、MgSO4・7H2O:370mg/L、Fe−EDTA:42.1mg/L、Sucrose:30g/L、Myo−inositol:100mg/L、Thiamin−HCl:1mg/L、2,4−シクロロフェノキシン酢酸:0.2mg/L、カルベニシリンニナトリウム)(pH5.7)を加えて懸濁した。この懸濁作業を5回繰り返し、BY−2とアグロバクテリウムの共培養液からアグロバクテリウムを除去した。遠心分離には、himacCF16RX(ローター:T4SS31)を使用した(HITACHI社)。このBY−2培養液1mlを、カナマイシンを含んだ選択培地(組成;無機十種(NH4NO3:1.65g/L、KNO3:1.9g/L、KH2PO4:170mg/L、H3BO3:6.2mg/L、MnSO4・4H20:22.3mg/L、ZnSO4・7H2O:8.6mg/L、Kl:0.83mg/L、Na2MoO4・2H20:、0.25mg/LCuSO4・5H2O:0.025mg/L、CoCl2・6H2O:0.025mg/L)、CaCl2・H2O:440mg/L、MgSO4・7H2O:370mg/L、Fe−EDTA:42.1mg/L、Sucrose:30g/L、Myo−inositol:100mg/L、Thiamin−HCl:1mg/L、2,4−シクロロフェノキシン酢酸:0.2mg/L、カルベニシリンニナトリウム、カナマイシン:100mg/L)(pH5.7)にまき、NmGT22及びNmGT8が導入された組換えBY−2を選抜した。
選抜されたBY−2の細胞塊を用いて、NmGT22遺伝子の発現解析を行った。totalRNA単離は実施例3に記載した方法で取得し、cDNA合成は実施例4に記載した方法で行った。逆転写PCR反応は、cDNAを鋳型として、ExTaq polymarase(Takara社)を用いて、製造者に推奨されているプロトコールに従い、反応体積30μlで行った(94℃で2分間保持し、94℃で1分、55℃で1分、72℃で2分間保持のサイクルを25サイクル繰り返した後、4℃で保持した)。NmGT22の完全長cDNAが特異的に増幅するようなプライマー(フォワードプライマー:ATGGAATGCAAAAATCCAGATTC、リバースプライマー:CTAGGTAATAAATCTGAAATTATTG)を設計した。反応産物をアガロースゲル電気泳動で解析したところ、完全長cDNAに相当する1432bのバンドが検出されたことから、BY−2においてNmGT22遺伝子が転写されていることが確認された。
完全長cDNANmGT8と完全長cDNANmGT22について転写産物が合成されたBY―2系統を選抜するため、さらにNmGT8についても同様の発現解析を行った(フォワードプライマー:ATGGAGAAAAAAACTATT、リバースプライマー:CTATTTCCAACCATCCAG、完全長cDNA:1425b)。こうして得られた完全長cDNANmGT8と完全長cDNANmGT22について転写産物が確認されたBY―2系統について、NmGT8及びNmGT22の基質であるアピゲニンを付与する実験を行った。
対照として、遺伝子を導入していないBY−2、フラボンの水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードする遺伝子としてNmGT8遺伝子のみを導入したBY―2についても同様にしてアピゲニン付与実験を行った。そのBY−2培養液を遠心分離(3000rpm、15℃、15分)して取り出した細胞層を液体窒素中で乳鉢ですりつぶし、2mlの抽出バッファー(組成;1%HClを含むメタノール)を加えて、1晩常温で放置した。その細胞抽出液を遠心分離(3000rpm、15℃、15分)して回収した上清を、デシケーターを用いて200μlまで濃縮した。遠心分離には、himacCF16RX(ローター:T4SS31)を使用した(HITACHI社)。その細胞抽出液を、さらに遠心分離(15000rpm、15℃、15分)して、回収した上清を0.22μlフィルターに通して、高速液体クロマトグラフィー(Prominence(島津製作所))にて分析した。遠心分離には、MX−205(ローター:AR015−24)を使用した(TOMY社)。高速液体クロマトグラフィーの検出器は島津PDA SPD−M10AVPを用い330nmでフラボンを検出した。カラムはShim−Pack ODS 150mm*4.6mm(島津製作所)を用いた。溶出には、A液(0.1%TFA水溶液)とB液(0.1%TFAを含む90%メタノール水溶液)を用いた。両者の8:2の混合液から3:7の混合液までの10分間の直線濃度勾配とそれにつづく6分間3:7の混合液による溶出を行なった。流速は0.6ml/分とした。対照として、遺伝子を導入していないBY−2、フラボンの水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードする遺伝子としてNmGT8のみを導入した組換えBY−2についても同様にして、アピゲニン付与実験を行い、細胞抽出液の分析を行った(図9)。
NmGT8とNmGT22を導入した組換えBY−2から得た細胞抽出液において、NmGT8のみを導入したBY−2から得た細胞抽出液において検出されたアピゲニン4’−グルコシドが検出されなかった。このことから、NmGT22は、NmGT8によってBY−2内で生合成されたアピゲニン4’−グルコシドを基質にして、アピゲニン4’−グルコシドの7位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質として機能していることが示唆された。NmGT22とNmGT8を共発現させることによって、植物内にフラボン4’,7−ジグルコシドを生合成させることが可能となる。
<NmGT22遺伝子のバラにおける発現用コンストラクトの作製>
本発明のNmGT22遺伝子が、植物内でフラボン4’−グルコシドの7位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードすることを確かめるため、NmGT22とNmGT8を共発現させたバラにおけるフラボンの4’位及び7位の水酸基の配糖化の有無を評価する。バラは元来フラボンを生合成しないため、トレニアフラボン合成酵素も共に発現させた。
NmGT22とNmGT8とトレニアフラボン合成酵素を植物で共発現させるためのバイナリーベクターpSPB6269を構築し、バラ(品種リタパヒューメラ)へ導入した。導入したコンストラクトpSPB6269は、バイナリーベクターpBINPLUS(vanEngel et al.,Transgenic Reserch 4,p288)を基本骨格とし、トレニアフラボン合成酵素遺伝子、NmGT22遺伝子、及びNmGT8遺伝子それぞれの発現カセットを有する。各遺伝子を発現させるプロモーターとして、El235Sプロモーター(Mitsuhara et al.,(1996)Plant Cell Physiol.37,p49)を用いた。
カナマイシンを含む選択培地でシュートを形成し、発根が見られた個体を馴化し、組換えバラの葉を用いて、実施例7に記載した方法と同様にして、遺伝子発現解析を行った。その結果、バラにおいてNmGT22遺伝子が転写されていることが確認された。
完全長cDNAトレニアフラボン合成酵素と完全長cDNANmGT8と完全長cDNANmGT22について転写産物が合成されたバラ系統を選抜するため、さらにトレニアフラボン合成酵素とNmGT8についても同様の発現解析を行った(トレニアフラボン合成酵素:フォワードプライマー:ATGGACACAGTCTTAATCAC、リバースプライマー:TCAAGCACCCGATATTGTG、完全長cDNA:1539b。NmGT8フォワードプライマー:ATGGAGAAAAAAACTATT、リバースプライマー:CTATTTCCAACCATCCAG、完全長cDNA:1425b)。こうして得られた完全長cDNAトレニアフラボン合成酵素と完全長cDNANmGT8と完全長cDNANmGT22について転写産物が確認されたバラ系統について、花弁の色素分析を行った。0.2gの完全にひらいた花の花弁を24時間以上凍結乾燥させ、スパチュラで細かく砕き、4mlの抽出バッファー(組成;0.1%TFAを含む50%アセトニトリル水溶液)を加えて、20分間超音波下で処理した。その花弁抽出液を、さらに遠心分離(15000rpm、15℃、15分)して、回収した上清を0.22μlフィルターに通して、高速液体クロマトグラフィー(Prominence(島津製作所))にて分析した。遠心分離には、MX−205(ローター:AR015−24)を使用した(TOMY社)。高速液体クロマトグラフィーの検出器は島津PDA SPD−M10AVPを用い330nmでフラボンを検出した。カラムはShim−Pack ODS 150mm*4.6mm(島津製作所)を用いた。溶出には、A液(0.1%TFA水溶液)とB液(0.1%TFAを含む90%メタノール水溶液)を用いた。両者の8:2の混合液から0:10の混合液までの90分間の直線濃度勾配とそれにつづく5分間0:10の混合液による溶出を行なった。流速は0.6ml/分とした。対照として、遺伝子を導入していないバラ、トレニアフラボン合成酵素とNmGT8のみを導入した組換えバラについても同様にして、花弁の色素分析を行った(図10)。
トレニアフラボン合成酵素とNmGT8のみを導入した組換えバラにおいては、フラボン4’−グルコシド(アピゲニン4’−グルコシド、トリセチン4’−グルコシド)が検出されたが、フラボン4’,7−ジグルコシドは検出されなかった(図10)。一方で、トレニアフラボン合成酵素とNmGT8とNmGT22を導入した組換えバラでは、アピゲニン4’,7−ジグルコシドとトリセチン4’,7−ジグルコシドが検出された(図10)。フラボン4’,7−ジグルコシドは、生合成されたフラボン・フラボノール化合物のうち6.20%を占めていることが分かった。残りの93.80%は、対照のバラからも得られたフラボン・フラボノール化合物であることから、バラ内在活性、導入したトレニアフラボン合成酵素とNmGT8によって生合成された、フラボン7−グルコシドやフラボン4’―グルコシドなどであることが示唆された(図10)。
トレニアフラボン合成酵素とNmGT8とNmGT22を導入した組換えバラにおいて、トレニアフラボン合成酵素とNmGT8のみを導入した組換えバラから検出されなかったフラボン4’,7−ジグルコシドが検出されたことから、NmGT22は、NmGT8によってバラ花弁内で生合成されたフラボン4’−グルコシドを基質にして、フラボン4’−グルコシドの7位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質として機能していることが示唆された。NmGT22とNmGT8を共発現させることによって、植物内にフラボン4’,7−ジグルコシドを生合成させることが可能となる。
実施例3、実施例4と同様にして、NmGT22と塩基配列において98%の同一性を示す配列(NmGT22−II(配列番号5))を取得した。
実施例4に記載した方法で、pET SUMO−NmGT22−IIを作製し、実施例6に記載した方法で酵素活性測定を行った。その結果、NmGT22−IIは、NmGT22と同様、フラボン4’−グルコシドの7位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質であることが明らかとなった。また、フラボンに対する基質特異性についても、NmGT22−IIは、NmGT22と同じ傾向を示した。NmGT22−IIは系統樹においてもNmGT22と非常に近い位置にあり、NmGT22−IIとNmGT22の間のアミノ酸配列の同一性は99%であった(図8、図11)。
Claims (20)
- 以下の(a)〜(e):
(a)配列番号1又は配列番号5の塩基配列からなるポリヌクレオチド;
(b)配列番号1又は配列番号5の塩基配列と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリジェント条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドであって、フラボンの7位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(c)配列番号2又は配列番号6のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(d)配列番号2又は配列番号6のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、フラボンの7位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;及び
(e)配列番号2のアミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ、フラボンの7位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
からなる群から選ばれるポリヌクレオチド。 - 配列番号1又は配列番号5の塩基配列からなるポリヌクレオチドである、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
- 配列番号2又は配列番号6のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチドである、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
- 配列番号1又は配列番号5の塩基配列と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリジェント条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドであって、フラボン4’−グルコシドの7位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドである、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
- 配列番号2又は配列番号6のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、フラボン4’−グルコシドの7位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドである、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
- 配列番号2又は配列番号6のアミノ酸配列に対して95%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ、フラボン4’−グルコシドの7位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドである、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドによりコードされたタンパク質。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドを含有するベクター。
- さらに、以下の(f)〜(i):
(f)配列番号3の塩基配列からなるポリヌクレオチド;
(g)配列番号3の塩基配列と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリジェント条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドであって、フラボンの4’位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(h)配列番号4のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(i)配列番号4のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、フラボンの4’位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;及び
(e)配列番号4のアミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ、フラボンの4’位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
からなる群から選ばれるポリヌクレオチドを含有する、請求項8に記載のベクター。 - 請求項8又は9に記載のベクターが導入された非ヒト宿主。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドを用いてフラボンの7位の水酸基に糖を付加する方法。
- 前記フラボンがフラボン4’−グルコシドである、請求項11に記載の方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドが導入された、植物若しくはその子孫又はそれらの部分若しくは組織。
- さらに、以下の(f)〜(j):
(f)配列番号3の塩基配列からなるポリヌクレオチド;
(g)配列番号3の塩基配列と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリジェント条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドであって、フラボンの4’位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(h)配列番号4のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(i)配列番号4のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、フラボンの4’位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;及び
(j)配列番号4のアミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ、フラボンの4’位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
からなる群から選ばれるポリヌクレオチドが導入された、請求項13に記載の植物若しくはその子孫又はそれらの部分若しくは組織。 - 切花である、請求項13又は14に記載の植物の部分。
- 請求項15に記載の切花を用いた切花加工品。
- 以下の工程:
請求項10に記載の非ヒト宿主を培養し又は生育させ、そして
該非ヒト宿主からフラボンの7位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質を採取する、
を含む、フラボンの7位の水酸基に糖を転移する活性を有するタンパク質の製造方法。 - 前記フラボンがフラボン4’−グルコシドである、請求項17に記載の方法。
- 以下の工程:
請求項10に記載の非ヒト宿主を培養し又は生育させ、そして
該非ヒト宿主から、7位の水酸基に糖が付加されたフラボンを採取する、
を含む、7位の水酸基に糖が付加されたフラボンの製造方法。 - 前記フラボンが4’位の水酸基にも糖が付加されている、請求項19に記載の方法。
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