JP6601455B2 - エンジンの制御方法および装置、並びにエンジンの排出粒子数検出方法および装置 - Google Patents
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Description
(1−1)エンジンの全体構成
図1は、本発明の一実施形態にかかるエンジンの全体構成を概略的に示すシステム図である。本図に示されるエンジンは、走行用の動力源として車両に搭載された4サイクルのガソリン直噴エンジンであり、エンジン本体1と、エンジン本体1に導入される吸気が流通する吸気通路28と、エンジン本体1から排出される排気ガスが流通する排気通路29とを備えている。
エンジンが冷間始動された直後のように、触媒温度がかなり低くなる条件においては、この低温の触媒を早期に活性化させるために、点火時期を遅角化して排気ガスを高温化させる(つまり高温の排気ガスにより触媒を加熱する)触媒暖機制御が実行される。以下では、この触媒暖機制御の詳細について、図3、図4のフローチャートおよび図5のタイムチャートを参照しつつ説明する。
以上説明したとおり、実施形態では、スートの発光である輝炎を光学的に検出してKL値(より詳しくはKLθmax)を求め、求めたKL値から推定されるPNの大小に基づいてインジェクタ15からの燃料噴射を制御している。この実施形態に代表される本発明は、スートの個数(PN)を簡便に特定するために本願発明者が行った研究に基づいてなされたものである。以下、この研究の内容について詳しく説明する。
(a)供試エンジンおよび実験条件
実験では、量産ガソリンエンジンをベースとした単気筒の可視化エンジンを用いた。この可視化エンジンの構造を図6に、諸元を表1に、実験条件を表2にそれぞれ示す。図6に示すように、可視化エンジンでは、石英ガラス製のシリンダブロック(以下、ガラスライナという)が用いられており、このガラスライナを通じてエンジンの内部(燃焼室)が外部から観察できるようになっている。
PNの計測にあたっては、粒径分布が分かる高速応答微粒子粒度分布計(Cambustion製、DMS500)を用いて、排気通路を通過する粒径23〜1000nmの粒子状物質の個数を計測した。なお、計測の対象となる粒径が23〜1000nmであるのは、欧州規制(Euro6)に対応したものである。
(a)触媒暖機運転時の微粒子発生原因
実験にあたっては、6噴孔タイプの量産インジェクタ(各噴孔の位置は上述した実施形態のものと同様)を用いて、18MPaの燃圧により2段に分けて燃料を噴射した。具体的には、1段目の燃料噴射の開始時期を吸気行程の終期であるBTDC190°CA(圧縮上死点から190°クランク角を早めた時期)に固定した上で、2段目の燃料噴射の開始時期を圧縮行程内で種々変化させた。また、1段目および2段目の噴射量の割合は50:50とした。そして、各条件下でエンジンを運転し、1ccあたりの粒子状物質の個数(PN)と、図示平均有効圧力(IMEP)の変動率である燃焼変動率とを測定し、その結果を図7のグラフにまとめた。なお、以下では、1段目の燃料噴射の開始時期を1st・SOI、2段目の燃料噴射の開始時期を2nd・SOIと表記する。2nd・SOIの時期は、(i)BTDC70°CA、(ii)BTDC60°CA、(iii)BTDC55°CA、(iv)BTDC50°CA、(v)BTDC45°CAのいずれかに設定される。
図9に示したとおり、ピストン壁面への噴霧衝突位置付近から輝炎が確認されたが、輝炎の観察だけでは、PNとの定量的な紐づけをすることは難しい。そこで、輝炎を2色法によりKL値として定量化し、そのKL値とPNとの関係性を調査した。なお、輝炎を定量化するために、HottelとBroughtonによって提唱された手法を用いて、2色法計測を行った。これは、上記(1)の実施形態で説明したのと同様の手法であり、輝炎からの放射光を2分光して得られる2つの異なる波長成分の輝度からスートの温度(輝度温度)を求め、その輝度温度を用いた演算処理の結果として、KL値と火炎温度(スートの加熱減である火炎の温度)とを同時に求める光学的手法である。なお、2色法計測にあたっては、高速度カラーカメラを用いて輝炎を撮影し、その撮影画像を2色温度計測ソフト(三井オプトロニクス製、HS-Thermera ver4.87)に導入して解析を行った。輝炎の波長は燃焼火炎の波長とは異なるため、輝炎の輝度を火炎と区別して特定することが可能である。
上記(b)の結果より、筒内のKL値とPNとを定量的に紐づけることができた。また、上記(a)の可視化結果より、噴霧のピストン壁面付着によるプール燃焼が、PN発生の主要因であることが推測された。そこで、2段目の噴射燃料がピストン壁面に付着する量を低減することを狙って、噴霧の改善および多段噴射化を行い、PN低減を図った。それぞれの噴射条件を表3に示す。
上記のとおり、噴霧の改善および多段噴射化により、KL値が低減することがわかった。次に、さらなる最適化を行うことを目的に、表3で示した噴射条件に従ってCFDによる計算を行った。その結果を図15に示す。なお、図15の縦軸はピストン壁面への燃料の付着量である。
これまでのモデルエンジンを用いた燃焼実験結果に基づいて、実施例3に概ね対応する噴霧条件を適用したエンジンを実際の車両に搭載して試験を行い、図16(a)(b)に示す結果を得た。これによれば、NEDC試験モード走行時において、改善前と比較して66%のPN低減効果が得られることが確認された。
本研究で得られた結論を以下にまとめる。
次に、本願発明者による上述した研究の成果に基づいて、図1〜図5に示した実施形態の作用効果について説明する。
上記実施形態では、噴射パターン1〜3のいずれかが選択されている状態で、KL値(KLθmax)から推定されるPNが閾値α未満であることが確認された場合には、選択されている現在の噴射パターンを維持するようにしたが、例えば、推定されたPNが閾値αよりも十分に小さいような場合には、最終段の燃料噴射(噴射パターン1,2の場合は2段目の燃料噴射F2a,F2b、噴射パターン3の場合は3段目の燃料噴射F3c)のタイミングを規定よりさらに遅角したとしても、PN<αの関係を維持できる可能性がある。そこで、このような場合の対応として、PN<αの関係をKL値のセンシングにより確認しながら、最終段の燃料噴射のタイミングを徐々に遅角させることが提案される。このようにすれば、PN<αを保証しながら最終段の燃料噴射のタイミングをできる限り遅角側に設定できるので、燃焼安定性をさらに改善することができる。また、燃焼安定性が改善されると、点火時期のさらなる遅角化が可能になるので、その遅角化によって触媒暖機性能をさらに向上させることが可能である。
2 気筒
5 ピストン
15 インジェクタ
31 触媒コンバータ
50 ECU(演算部、噴射制御部)
SN3 光学センサ
Claims (7)
- 気筒内に燃料を噴射するインジェクタを備えたエンジンを制御する方法であって、
前記気筒内に存在する粒子状物質の発光である輝炎を光学的に検出する第1のステップと、
前記第1のステップで検出された輝炎を2色法により分析してKL値を求める第2のステップと、
前記第2のステップで求められたKL値に基づいて前記粒子状物質の個数を推定する第3のステップと、
前記第3のステップで推定された粒子状物質の個数が大きい場合は小さい場合に比べて、前記粒子状物質の個数が抑制される態様で前記インジェクタから燃料を噴射させる第4のステップとを含み、
前記第2のステップでは、前記輝炎からの放射光を2分光して得られる2つの異なる波長成分の輝度を測定し、各輝度の値から特定される輝度温度に基づいてクランク角ごとに前記KL値を求め、
前記第3のステップでは、前記クランク角ごとのKL値のピーク値が大きいほど前記粒子状物質の個数が大きいものと推定する、ことを特徴とするエンジンの制御方法。 - 請求項1に記載のエンジンの制御方法において、
前記第4のステップでは、前記第3のステップで推定された粒子状物質の個数が大きい場合は小さい場合に比べて、ピストン壁面への燃料の付着量が減少するように前記インジェクタからの燃料噴射を制御する、ことを特徴とするエンジンの制御方法。 - 請求項2に記載のエンジンの制御方法において、
前記インジェクタは、触媒の温度が低い触媒暖機運転中に、圧縮行程を含む複数のタイミングで燃料を噴射するように制御され、
前記第4のステップでは、前記第3のステップで推定された粒子状物質の個数が大きい場合は小さい場合に比べて、前記インジェクタからの燃料の噴射圧力を上昇させる、ことを特徴とするエンジンの制御方法。 - 請求項2または3に記載のエンジンの制御方法において、
前記インジェクタは、触媒の温度が低い触媒暖機運転中に、圧縮行程を含む複数のタイミングで燃料を噴射するように制御され、
前記第4のステップでは、前記第3のステップで推定された粒子状物質の個数が大きい場合は小さい場合に比べて、圧縮行程中の最も遅いタイミングで噴射される燃料の量を減らし、かつ当該燃料よりも前に噴射される燃料の量を増やす、ことを特徴とするエンジンの制御方法。 - 気筒内に燃料を噴射するインジェクタを備えたエンジンを制御する装置であって、
前記気筒内に存在する粒子状物質の発光である輝炎を光学的に検出する光学センサと、
前記光学センサにより検出された輝炎を2色法により分析してKL値を求めるとともに、求めたKL値に基づいて前記粒子状物質の個数を推定する演算部と、
前記演算部により推定された粒子状物質の個数が大きい場合は小さい場合に比べて、前記粒子状物質の個数が抑制される態様で前記インジェクタから燃料を噴射させる噴射制御部とを備え、
前記演算部は、前記輝炎からの放射光を2分光して得られる2つの異なる波長成分の輝度を測定し、各輝度の値から特定される輝度温度に基づいてクランク角ごとに前記KL値を求め、このクランク角ごとのKL値のピーク値が大きいほど前記粒子状物質の個数が大きいものと推定する、ことを特徴とするエンジンの制御装置。 - エンジンから排出される粒子状物質の個数を検出する方法であって、
前記エンジンの気筒内に存在する粒子状物質の発光である輝炎を光学的に検出する第1のステップと、
前記第1のステップで検出された輝炎を2色法により分析してKL値を求める第2のステップと、
前記第2のステップで求められたKL値に基づいて前記粒子状物質の個数を推定する第3のステップとを含み、
前記第2のステップでは、前記輝炎からの放射光を2分光して得られる2つの異なる波長成分の輝度を測定し、各輝度の値から特定される輝度温度に基づいてクランク角ごとに前記KL値を求め、
前記第3のステップでは、前記クランク角ごとのKL値のピーク値が大きいほどエンジンから排出される前記粒子状物質の個数が大きいものと推定する、ことを特徴とするエンジンの排出粒子数検出方法。 - エンジンから排出される粒子状物質の個数を検出する装置であって、
前記エンジンの気筒内に存在する粒子状物質の発光である輝炎を光学的に検出する光学センサと、
前記光学センサにより検出された輝炎を2色法により分析してKL値を求めるとともに、求めたKL値に基づいて前記粒子状物質の個数を推定する演算部とを備え、
前記演算部は、前記輝炎からの放射光を2分光して得られる2つの異なる波長成分の輝度を測定し、各輝度の値から特定される輝度温度に基づいてクランク角ごとに前記KL値を求め、このクランク角ごとのKL値のピーク値が大きいほどエンジンから排出される前記粒子状物質の個数が大きいものと推定する、ことを特徴とするエンジンの排出粒子数検出装置。
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