JP6601135B2 - Four-cycle engine crankcase structure - Google Patents
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Description
本発明は、典型的には自動二輪車等に好適な4サイクルエンジンのクランクケース構造に関する。 The present invention relates to a crankcase structure of a four-cycle engine that is typically suitable for a motorcycle or the like.
自動二輪車等の車両に搭載された並列多気筒エンジンにおいて、通常ではエンジン後部にエンジン懸架部が設けられる。例えば、特許文献1に記載される車両ではクランクケースの後側上下に複数のエンジン懸架部を持ち、これらのエンジン懸架部を介して車体フレームに搭載支持される。エンジン懸架部はエンジン駆動力を受けるため、特に後下側のエンジン懸架部には大きな荷重が作用する。
In a parallel multi-cylinder engine mounted on a vehicle such as a motorcycle, an engine suspension is usually provided at the rear of the engine. For example, the vehicle described in
しかしながら、従来のエンジンではエンジン懸架部の前方はオイルポンプ等の補機類が配設され、また、潤滑油の貯蔵部として機能しており、その部位は大きな空間となっている。このためエンジン懸架部の前方部位まわりは剛性を確保するのが容易でなく、そのままでは当該エンジンのクランクケースに対する高負荷が加わることで、その変形の要因となる。仮にクランクケースが変形すると、内部に配設される回転機構あるいは構造等における機械的損失(メカニカルロス)の増大や、ギヤ変速の際のシフトフィーリングの悪化等を誘発させる場合がある。一方、クランクケース内部には潤滑油通路や補機類等が配設されるため、それらとの関係による制約等から補強構造を設けることは必ずしも容易でない。 However, in the conventional engine, auxiliary machinery such as an oil pump is disposed in front of the engine suspension portion, and functions as a lubricating oil storage portion, which is a large space. For this reason, it is not easy to secure rigidity around the front portion of the engine suspension, and if it is left as it is, a high load is applied to the crankcase of the engine, which causes deformation. If the crankcase is deformed, there may be an increase in mechanical loss (mechanical loss) in a rotating mechanism or structure disposed inside, or deterioration of shift feeling during gear shift. On the other hand, since a lubricating oil passage, auxiliary machinery, and the like are disposed inside the crankcase, it is not always easy to provide a reinforcing structure due to restrictions due to the relationship with them.
本発明はかかる実情に鑑み、有効且つ効果的に剛性強化を図り得る4サイクルエンジンのクランクケース構造を提供することを目的とする。 The present invention has been made in view of the above circumstances, and an object of the present invention is to provide a crankcase structure for a four-cycle engine that can effectively and effectively increase the rigidity.
本発明の4サイクルエンジンのクランクケース構造は、上ケース及び下ケースに上下に分割されたクランクケースと、前記クランクケースに順次結合するシリンダブロック及びシリンダヘッドと、前記下ケースの下方に結合するオイルパンとを備えた4サイクルエンジンにおいて、前記下ケースに開設された前記オイルパン取付用の開口部側で、前記開口部をエンジン前後方向に繋ぐ補強壁を設け、前記補強壁は、エンジン幅方向で後輪駆動用のドライブスプロケットと同一側において該ドライブスプロケットと略平行に配置され、前記補強壁によって大小空間に区分けされた前記下ケースにおける前記補強壁を挟んで前記ドライブスプロケットとは反対側の区分けされた大きい空間にオイルポンプが配置されることを特徴とする。 The crankcase structure of a four-cycle engine according to the present invention includes a crankcase that is vertically divided into an upper case and a lower case, a cylinder block and a cylinder head that are sequentially coupled to the crankcase, and an oil that is coupled below the lower case. In a four-cycle engine including a pan, a reinforcing wall that connects the opening in the front-rear direction of the engine is provided on the side of the opening for attaching the oil pan provided in the lower case, and the reinforcing wall extends in the engine width direction. On the same side as the drive sprocket for driving the rear wheels, the drive sprocket is disposed substantially parallel to the drive sprocket, and is divided into large and small spaces by the reinforcing wall, and the opposite side of the drive sprocket across the reinforcing wall in the lower case. An oil pump is arranged in a large divided space .
また、本発明の4サイクルエンジンのクランクケース構造において、前記補強壁は、エンジン上下方向で前記開口部から、エンジン幅方向に延設された潤滑油メインギャラリまでを繋ぐことを特徴とする。 In the crankcase structure of a four-cycle engine according to the present invention, the reinforcing wall connects the opening in the vertical direction of the engine to the main lubricant gallery extending in the engine width direction.
また、本発明の4サイクルエンジンのクランクケース構造において、前記補強壁は、エンジン幅方向に隣接するクランクシャフト支持用の軸受相互間に配置されることを特徴とする。 In the crankcase structure of a four-cycle engine according to the present invention, the reinforcing wall is disposed between crankshaft supporting bearings adjacent to each other in the engine width direction.
また、本発明の4サイクルエンジンのクランクケース構造において、前記補強壁を挟んでエンジン幅方向で一方側にオイルポンプを配置すると共に、反対側にウォータポンプを配置し、前記補強壁には前記オイルポンプ及び前記ウォータポンプを連結する回転軸が貫通する孔が穿設されたことを特徴とする。 In the crankcase structure of a four-cycle engine according to the present invention, an oil pump is disposed on one side in the engine width direction across the reinforcing wall, and a water pump is disposed on the opposite side, and the oil wall is disposed on the reinforcing wall. A hole through which a rotary shaft connecting the pump and the water pump passes is formed.
本発明によれば、後輪の駆動力もしくは荷重と略平行に補強壁が設けられる。下ケースにおいて比較的大きな空間となっている部位に補強壁を設けることで、クランクケース特に下ケースが補強され、剛性が強化されたクランクケースにおいて荷重作用による変形が抑止されることで、シフトフィーリングの向上や、メカニカルロス及び騒音等の低減を図ることができる。 According to the present invention, the reinforcing wall is provided substantially parallel to the driving force or load of the rear wheel. By providing a reinforcing wall in a relatively large space in the lower case, the crankcase, in particular the lower case, is reinforced, and deformation due to the load action is suppressed in the crankcase with enhanced rigidity. It is possible to improve the ring and reduce mechanical loss and noise.
以下、図面に基づき、本発明におけるエンジンのクランクケース構造の好適な実施の形態を説明する。
図1は本発明の適用例としての自動二輪車100の主要部構成例を示す側面図、図2は車体に搭載されたエンジンまわりを示す正面図である。先ず、図1及び図2を用いて、自動二輪車100の主要部の構成について説明するが、一部については図示を省略する。なお、図1を含め、以下の説明で用いる図においては、必要に応じて車両の前方を矢印Frにより、車両の後方を矢印Rrにより示し、また、車両の側方右側を矢印Rにより、車両の側方左側を矢印Lにより示す。
Hereinafter, preferred embodiments of an engine crankcase structure according to the present invention will be described with reference to the drawings.
FIG. 1 is a side view showing a configuration example of a main part of a
図1及び図2において、自動二輪車100は鋼製あるいはアルミニウム合金材でなる車体フレーム101を有し、この車体フレーム101によってエンジンを始めとする構成部材もしくは部品を支持する。車体フレーム101の前部には、ステアリングヘッドパイプ102によって左右に回動可能に支持された左右2本のフロントフォーク103が設けられる。フロントフォーク103の上端にはステアリングブラケットを介してハンドルバーが固定される。フロントフォーク103の下部には前輪104が回転可能に支持されると共に、前輪104の上部を覆うようにフロントフェンダが取り付けられる。
1 and 2, a
車体フレーム101は、ステアリングヘッドパイプ102の後部に一体的に結合し、後方に向けて左右一対で二又状に分岐し、ステアリングヘッドパイプ102から後下方に拡幅しながら延設されるメインフレーム部101Aと、メインフレーム部101Aに溶着されて後下方に延設されるピボットフレーム部101Bとからなる所謂、ツインスパータイプのフレームとして構成される。メインフレーム部101A及びピボットフレーム部101Bは相互に結合し、全体として内側にスペースが形成された立体的構造を有し、そのスペース内方において車体フレーム101にエンジン10が搭載される。
The
車体フレーム101のピボットフレーム部101Bの上下方向中程にはピボット軸105を介して、スイングアームが上下方向に揺動可能に結合する。このスイングアームの後端には後輪106(二点鎖線により一部を略記する)が回転可能に支持される。車体フレーム101とスイングアームの間にはリヤショックアブソーバが装架されるが、特にリヤショックアブソーバの下端側はリンク機構を介して車体フレーム101及びスイングアームの双方に連結される。後輪106にはドリブンスプロケットが軸着し、エンジン10側のドライブスプロケットと後輪106のドリブンスプロケットの間に動力伝達用チェーンが巻回される。エンジン動力はそのチェーンを介して、ドライブスプロケットからドリブンスプロケットへ伝達され、これにより後輪106を回転駆動する。後輪106の直近周囲にはその前上部付近を覆うリヤフェンダが設けられる。
A swing arm is coupled via a pivot shaft 105 so as to be swingable in the vertical direction in the middle in the vertical direction of the
また、車体フレーム10の後部付近から後輪106の上方にかけて、後上りに適度に傾斜してシートレール107が後方へ延出し、このシートレール107によってシート(着座シート)が支持される。シートの前側にはタンクカバーによって覆われる燃料タンクが搭載される。
Further, from the vicinity of the rear part of the
車両外装において、車両の主に前部及び左右両側部はそれぞれカウリング(以下、単にカウルという)、この例ではアッパカウル、ボディカウル及びアンダカウル等が一体化して車両前部を覆うと共に、車両両側部がサイドカウルによって覆われる。また、車両後部ではシートまわりにシートカウルが被着する。 In the exterior of the vehicle, the front and left and right side portions of the vehicle mainly have cowlings (hereinafter simply referred to as cowls). In this example, the upper cowl, body cowl, and under cowl are integrated to cover the front of the vehicle, Covered by side cowl. A seat cowl is attached around the seat at the rear of the vehicle.
自動二輪車100の略車両中央部において、図1及び図2に示されるように車体フレーム101によってエンジン10が搭載支持される。エンジン10は本実施形態では水冷式多気筒の4サイクルガソリンエンジンを使用する。エンジン10は気筒が左右方向(車幅方向)に並設された並列多気筒エンジンであり、具体的には並列4気筒エンジンとし、左右方向に左から♯1〜♯4気筒(なお、以下の説明では単に「♯1」等として記載する)が配列される。図3は本実施形態におけるエンジン10の左側面図であり、図3をも参照して、左右に水平支持されるクランクシャフト(クランク軸)11を収容するクランクケース12の上方にシリンダブロック13、シリンダヘッド14及びシリンダヘッドカバー15が順次重なるように一体的に結合し、またクランクケース12の下部にはオイルパン16が付設される。なお、エンジン10のシリンダ軸線Zは前方に適度に傾斜して配置される。かかるエンジン10は複数のエンジンマウント(エンジン懸架部10Aとする、図3及び図4等を参照)を介して懸架されることで車体フレーム101の内側に一体的に結合支持され、それ自体で車体フレーム101の剛性部材として作用する。
As shown in FIGS. 1 and 2, the
また、クランクケース12の後部にはトランスミッションケース17が一体的に形成され、このトランスミッションケース17内には後述するカウンタシャフトや複数のトランスミッションギヤが配設される。エンジン10の動力はクランクシャフト11からトランスミッションを経て最終的に、その出力端であるドライブスプロケットへ伝達され、このドライブスプロケットが前述のように動力伝達用チェーンを介して後輪106(図1)を回転駆動する。
A
なお、クランクケース12とトランスミッションケース17は相互に一体的に結合し、全体としてエンジン10を含むエンジンユニットのケーシングアセンブリを構成する。このケーシングアセンブリの適所には後述するエンジン始動用のスタータモータやクラッチ装置等を始めとする複数の補機類が搭載もしくは結合し、これらを含めたエンジンユニット全体が車体フレーム101によって支持される。
Note that the
エンジン10には更に、エアクリーナ及び燃料供給装置からそれぞれ供給される空気(吸気)及び燃料でなる混合気を供給する吸気系、燃焼後の排気ガスをエンジン10から排出する排気系、エンジン10を冷却する冷却系及びエンジン10の可動部を潤滑する潤滑系、更にはそれらを作動制御する制御系(ECU;Engine Control Unit)が付属する。制御系の制御により複数の機能系が上述の補機類等と協働し、これによりエンジンユニット全体として円滑作動が遂行される。
The
各機能系について説明すると、先ず吸気系において各気筒ともシリンダヘッド14の後側に吸気口(インテークポート)が開口し、この吸気口に吸気管(インテークパイプ)を介してスロットルボディが接続される。スロットルボディにはその内部に形成されている吸気流路もしくは通路を、アクセル開度に応じて開閉するスロットルバルブが装着され、エアクリーナから送給されてくる空気の流量が制御される。この例では各気筒のスロットルバルブ軸が同軸に配置され、このスロットルバルブ軸を機械式又は電気もしくは電磁式に駆動するバルブ駆動機構を有する。
Each functional system will be described. First, an intake port (intake port) is opened on the rear side of the
一方、各スロットルボディにはスロットルバルブの下流側に燃料噴射用のインジェクタが配置され、これらのインジェクタに対して燃料ポンプによって燃料タンク内の燃料が供給される。この場合、各インジェクタはその上側にて車幅方向に横架されたデリバリパイプと接続され、燃料ポンプに接続されたデリバリパイプから燃料が配給されるようになっている。各インジェクタは上述の制御系の制御により所定タイミングでスロットルボディ内の吸気流路に燃料を噴射し、これにより各気筒のシリンダブロック13に対して所定空燃比の混合気が供給される。
On the other hand, each throttle body is provided with an injector for fuel injection downstream of the throttle valve, and fuel in the fuel tank is supplied to these injectors by a fuel pump. In this case, each injector is connected to a delivery pipe laid horizontally in the vehicle width direction on the upper side, and fuel is distributed from the delivery pipe connected to the fuel pump. Each injector injects fuel into the intake passage in the throttle body at a predetermined timing under the control of the control system described above, whereby a mixture of a predetermined air-fuel ratio is supplied to the
次に、排気系において各気筒ともシリンダヘッド14の前側にて排気口(エキゾーストポート)が開口し、この排気口に排気管(エキゾーストパイプ)18が接続される。各気筒の排気管18は排気口から一旦下方へ延出して、クランクケース12の下側で合流して一体化する。排気管18は後方へ延出して、その後端にはマフラ19が取り付けられる。
この場合、♯1気筒の排気管18と♯2気筒の排気管18が合流部20で合流し、♯3気筒の排気管18と♯4気筒の排気管18が合流部21で合流する。更に、合流部20及び合流部21が相互に合流することで、♯1〜♯4気筒の4本の排気管18がオイルパン16の略左下方にて単一の集合管22に集合する。集合管22は接続パイプ23を介してマフラ19に接続される。
Next, in each exhaust system, an exhaust port (exhaust port) is opened in front of the
In this case, the
また、冷却系においてシリンダブロック13及びシリンダヘッド14の周囲には冷却水が循環するように形成されたウォータジャケットが構成される。このウォータジャケットに送給される冷却水を冷却する熱交換器であるラジエータ24を装備する。ラジエータ24は走行風を当てることにより、内部を流通する冷却水の熱を放散させるが、この例ではラジエータ24は正面視で概略横長の矩形(長方形)形状を呈し、図1に示されるようにステアリングヘッドパイプ102の下部付近からシリンダブロック13の前方の排気管18の前側付近まで、後方に適度に傾斜して延設配置される。エンジン10のシリンダブロック13は正面視でラジエータ24によって略覆われる。なお、ラジエータ24は車体フレーム101等を利用して、それらの適所に支持される。
In the cooling system, a water jacket is formed around the
冷却系において本例では図3のようにクランクケース12の左側壁部に、後述のように例えばクランクケース12に内蔵のオイルポンプに連動駆動されるようにしたウォータポンプ25を有する。このウォータポンプ25とウォータジャケットは冷却水ホースにより相互に接続され、またウォータポンプ25とラジエータ24は別の冷却水ホースにより相互に接続される。ウォータポンプ25にはラジエータ24から、冷却された冷却水が冷却水ホースを介して供給される。ウォータポンプ25は、ラジエータ24で冷却された冷却水を吐出して、ウォータジャケット内を流通させ、これによりエンジンが冷却される。ウォータジャケット内を流通した冷却水は冷却水ホースを介して、ラジエータ24へ送給される。ラジエータ24ではエンジン10から送給された冷却水を冷却し、再び冷却水ホースを介してウォータポンプ25へ供給し、冷却系においてかかる冷却水循環が繰り返される。
In this example, the cooling system has a
更に、エンジンユニットの可動部に潤滑油を供給して、それらを潤滑するための潤滑系が構成される。この潤滑系には、クランクシャフト11まわりやシリンダヘッド14内に構成される動弁装置、そしてそれらを連結するカムチェーン、トランスミッション等々が含まれる。本実施形態において潤滑系に対して、クランクシャフト11の回転力を直接又は間接的に駆動源として駆動されるオイルポンプがクランクケース12に内蔵される。オイルポンプとしてトロコイドポンプ等を使用するが、このオイルポンプによりオイルパン16から吸い上げた潤滑油を潤滑系に送給する。なお、クランクケース12の前側下部にオイルフィルタ26(図1)が取り付けられ、潤滑油は潤滑系に送給される前にオイルフィルタ26によって浄化される。
Further, a lubricating system is configured to supply lubricating oil to the movable parts of the engine unit and lubricate them. This lubrication system includes a valve gear configured around the
ここで図4及び図5をも参照して、クランクケース12まわりの具体的構成例について説明する。図4はクランクケース12からクラッチカバー27(図1参照)を取り外した状態を示す右側面図、図5はクランクケース12を構成する上ケース28及び下ケース29のうち下ケース29の合せ面12Aを上方から見た平面図である。本実施形態ではクランクケース12は上ケース28及び下ケース29により上下に分割され、両者が閉合することでクランク室30が形成される。この場合、シリンダブロック13はクランクケース12と一体型であり、即ち上ケース28と一体成形される。また、クランクケース12の合せ面12Aにてクランクシャフト11及び変速入力軸であるカウンタシャフト31が軸支される。合せ面12Aは、図4に示されるように後上りに傾斜して設定される。
A specific configuration example around the
クランクケース12のクランク室30内には、クランクシャフト11及びクランクシャフト11と一体化したクランクウェブ32が、複数(本例では5つ)のジャーナル部33でジャーナル軸受34を介して合せ面12Aにて回転自在に軸支される。気筒に対応してクランクウェブ32相互間には、クランクピンを介してコネクティングロッド35が連結される。コネクティングロッド35の先端(小端部)にはピストンピンを介して、ピストンが揺動自在に取り付けられ、該ピストンはシリンダブロック13のシリンダボア内を上下に往復運動する。ピストンの往復運転によりクランクシャフト11が回転駆動される。
In the
トランスミッションケース17内において、クランクシャフト11の後方でこれと平行にカウンタシャフト31が合せ面12Aにて回転自在に軸支される。なお、カウンタシャフト31はベアリング36等を介して支持される。クランクシャフト11は、その一端(右側)がクラッチ室内に突出して設けられており、この端部にプライマリドライブギヤ37が軸着する。一方、カウンタシャフト31の一端(右側)には、プライマリドライブギヤ37と噛合するプライマリドリブンギヤ38が軸着し、クランクシャフト11の回転によりカウンタシャフト31を回転駆動することができるようになっている。カウンタシャフト31のクラッチ室側に突出した端部にクラッチ装置39が構成されており、このクラッチ装置39により、クランクシャフト11及びカウンタシャフト31間の動力接続・遮断が行われる。なお、クラッチ装置39のクラッチ軸は、カウンタシャフト31と同軸に配置される。
In the
トランスミッションケース17内において更に、カウンタシャフト31は、トランスミッションケース17に収容された変速装置(トランスミッション)の一部を構成する。カウンタシャフト31の略下方にドライブシャフト40が配置され、カウンタシャフト31及びドライブシャフト40上にはそれぞれ複数のトランスミッションギヤが列設される。これらのトランスミッションギヤはギヤシフト装置により噛合関係が選択的に設定され、これにより変速装置の所望の変速比が得られる。エンジン10の動力はクランクシャフト11からトランスミッションを経て最終的に、ドライブシャフト40の軸端に取り付けられたドライブスプロケット41(図3参照)へ伝達される。そして、前述したようにドライブスプロケット41が動力伝達用チェーンを介してドリブンスプロケット、従って後輪106を回転駆動する。
Further, in the
また、エンジン10において図4に示されるようにエンジン側面視でクランクシャフト11及びカウンタシャフト31のそれぞれ中心軸を結ぶ延長線Mとシリンダブロック13のシリンダ軸線Zとが鋭角θで交差するように、シリンダブロック13が後方へ傾斜して配置される。延長線Mは、クランクケース12の上ケース28及び下ケース29の合せ面12A上にあり、この合せ面12Aからのクランクシャフト11を通る垂線Pに対して、シリンダ軸線Zは後傾して設定される。
Further, as shown in FIG. 4, in the
また、図6に示されるようにシリンダブロック13の後面においてウォータジャケット42の下側には、シリンダブロック13のシリンダ軸線Z(図4参照)側に凹形状43が形成される。そして、この凹形状43にスタータモータ44が配置される。なお、シリンダブロック13の凹形状43は図6に示されるように、エンジン幅方向で略中央に設けられ、♯2気筒及び♯3気筒に略対応する。
更に、図3をも参照して、スタータモータ44の後方には上ケース28と一体でブリーザ室45が設けられている。ブリーザ室45はブリーザ室カバー46を有し(図3)、導入されたブローバイガスを気液分離して、その分離した気体を吸気系に還流させるようにしている。
Further, as shown in FIG. 6, a
Further, referring also to FIG. 3, a
ここで、図5を参照してスタータモータ44の出力軸44aは左右方向、即ちクランクシャフト11と平行に配置されると共に右方に延出し、出力軸44a及びクランクシャフト11間でクランクシャフト11と平行に延設された駆動力伝達シャフト48に軸着されたトルクリミッタ47と噛合する。トルクリミッタ47は、スタータモータ44からクランクシャフト11側へのトルクのみを伝達し、クランクシャフト11側からスタータモータ44側へのトルクを遮断するように構成されている。トルクリミッタ47は複数のアイドルギヤ49を介してクランクシャフト11と接続し、この場合、最終段のアイドルギヤ49Aが、クランクシャフト11の右端部に軸着されたワンウェイクラッチ50に噛合する。スタータモータ44が作動すると、トルクリミッタ47及びアイドルギヤ49等を介してクランクシャフト11が強制的に回転されることで、エンジン10を始動させることができる。
Here, referring to FIG. 5, the
さて、上記構成でなるエンジン10において、本発明では特に図7及び図8に示されるように下ケース29において、オイルパン16を取り付けるための開口部51が開設されている。そして、下ケース29の開口部51側、即ち下ケース29の下部側において、開口部51をエンジン前後方向に跨ぐように繋ぐ補強壁52を設けている。補強壁52は、ドライブシャフト40の軸端に取り付けられているドライブスプロケット41とはエンジン幅方向で同一側(左側)に配置される。
Now, in the
ここで、下ケース29にはクランクシャフト11の回転力を直接又は間接的に駆動源として回転駆動されるオイルポンプ53を備える。この場合、オイルポンプ53はエンジン幅方向(左右方向)に沿って配置された回転軸を持ち、ウォータポンプ25とは連結軸54を介して同軸に連結される。オイルポンプ53及びそれに対する駆動源との動力的接続関係において、クランクシャフト11の回転力を直接又は間接的に利用することができるが、例えばチェーン等を介してオイルポンプ53の回転軸をドライブシャフト40と連結し、その回転力によりオイルポンプ53を駆動することができる。あるいはまた、例えば連結軸54の途中適所にスプロケットを軸着させ、このスプロケットとチェーン等を介して連結軸54をクランクシャフト11と連結し、その動力でウォータポンプ25及びオイルポンプ53を駆動するようにしてもよい。
Here, the
潤滑系において、オイルポンプ53はオイルストレーナを介して、オイルパン16内の潤滑油を吸い上げ、潤滑を要するエンジン内各部に潤滑油を圧送する。この場合、オイルポンプ53から吐出された潤滑油は、潤滑油通路を通ってオイルクーラに供給され、オイルクーラを通った潤滑油は更に、潤滑油通路を通ってオイルフィルタ26に供給される。オイルフィルタ26で浄化された潤滑油は、クランクケース12(下ケース29)に形成された潤滑油通路を介してメインギャラリ55に供給される。メインギャラリ55は図7及び図8のように、下ケース29の左右方向に略その全幅に亘って延設され、下ケース29の開口部51から上方へ所定距離隔てた位置、即ち開口部51よりも所定距離だけ高い高さ位置で、クランクシャフト11等と平行に形成される。メインギャラリ55からは、クランクシャフト11や動弁装置等を含む潤滑系へ潤滑油を送給するために複数の潤滑油通路が分岐する。
In the lubrication system, the
図8等に示されるように下ケース29には、上ケース28との間でクランクシャフト11のジャーナル部33を支持するための複数、この例では5つのジャーナル軸受34(図5をも参照)を構成する軸受部56が一体に形成される。軸受部56は、クランクシャフト11のジャーナル部33に対応して、♯1〜♯4気筒の気筒間隔おいて左右方向(エンジン幅方向)に沿って配設される。補強壁52は、エンジン上下方向で開口部51から、エンジン幅方向に延設された潤滑油のメインギャラリ55までを繋ぐように形成される。
As shown in FIG. 8 and the like, the
また、補強壁52は、エンジン幅方向に隣接するクランクシャフト11支持用の軸受部56相互間に配置される。本例では図8等に示されるように補強壁52は、♯2気筒に対応して相互に隣接する2つの軸受部56の間で前後方向に延設される。
The reinforcing
補強壁52を挟んでエンジン幅方向で一方側(右側)にオイルポンプ53が配置される共に、反対側(左側)にウォータポンプ25が配置される。そして、補強壁52には図7のようにオイルポンプ53及びウォータポンプ25を連結する回転軸である連結軸54が貫通する孔57が穿設される。
An
本発明に係るエンジン10のクランクケース構造において、先ず下ケース29の開口部51側で開口部51をエンジン前後方向に跨ぐように繋ぐ補強壁52を有する。
エンジン10において、エンジン懸架部10A(図3、図4等参照)の前方に図7あるいは図8に示されるように後輪106を駆動するドライブスプロケット41にかかる駆動力もしくは荷重と略平行に補強壁52が設けられる。下ケース29において比較的大きな空間となっている部位に補強壁52を設けることで、クランクケース12特に下ケース29が補強される。これにより剛性が強化されたクランクケース12において荷重作用による変形が抑止されることで、シフトフィーリングの向上や、メカニカルロス及び騒音等の低減を図ることができる。
In the crankcase structure of the
In the
また、補強壁52は、エンジン幅方向でドライブスプロケット41と同一側に配置される。
補強壁52をこのように配置することで、後輪106を駆動するための動力伝達用チェーンの張力に対して、効率よく荷重を受けることができる。補強壁52はドライブスプロケット41に比較的近い位置に配置されるため、後輪駆動荷重によるモーメントを小さく抑えることができ、この点でも、クランクケース12の変形が抑止される。
The reinforcing
By arranging the reinforcing
また、補強壁52は、下ケース29の下端の開口部51からメインギャラリ55までを繋ぐように形成される。
補強壁52はメインギャラリ55と相俟って、比較的大きな空間となっている部位に面で構成される箱状を呈する立体構造を構築し、下ケース29の剛性を大幅に向上することができる。
The reinforcing
The reinforcing
また、補強壁52は、クランクシャフト支持用の軸受部56相互間に配置される。
軸受部56と干渉しないように補強壁52を設けることで、その高さ方向寸法を最大限確保し、クランクケース12の剛性を向上することができる。
The reinforcing
By providing the reinforcing
また、補強壁52の両側に配置されるオイルポンプ53及びウォータポンプ25連結する軸連結軸54が貫通する孔57が穿設される。
補強壁52を設けても、周辺の補機類等を効率よく配置することができ、剛性強化を図りながらスペースを有効活用することができる。
Further, holes 57 through which the
Even if the reinforcing
以上、本発明を種々の実施形態と共に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
上記実施形態において部材の配置関係に関してエンジン幅方向で右又は左を規定する例を説明したが、それらの左右関係は上記の場合と反対にしてもよい。
As mentioned above, although this invention was demonstrated with various embodiment, this invention is not limited only to these embodiment, A change etc. are possible within the scope of the present invention.
In the above embodiment, the example of defining the right or left in the engine width direction with respect to the arrangement relationship of the members has been described. However, the left-right relationship may be reversed from the above case.
10 エンジン、10 エンジン懸架部、11 クランクシャフト、12 クランクケース、13 シリンダブロック、14 シリンダヘッド、15 シリンダヘッドカバー、16 オイルパン、17 トランスミッションケース、18 排気管、19 マフラ、20,21 合流部、22集合管、24 ラジエータ、25 ウォータポンプ、26 オイルフィルタ、28 上ケース、29 下ケース、30 クランク室、31 カウンタシャフト、32 クランクウェブ、33 ジャーナル部、34 ジャーナル軸受、35 コネクティングロッド、37 プライマリドライブギヤ、38 プライマリドリブンギヤ、39 クラッチ装置、40 ドライブシャフト、41 ドライブスプロケット、42 ウォータジャケット、43 凹形状、44 スタータモータ、44a 出力軸、45 ブリーザ室、46 ブリーザ室カバー、47 トルクリミッタ、49 アイドルギヤ、50 ワンウェイクラッチ、51 開口部、52 補強壁、53 オイルポンプ、54 連結軸、55 メインギャラリ、56 軸受部、57 孔、100 自動二輪車。
10 engine, 10 engine suspension, 11 crankshaft, 12 crankcase, 13 cylinder block, 14 cylinder head, 15 cylinder head cover, 16 oil pan, 17 transmission case, 18 exhaust pipe, 19 muffler, 20, 21 junction, 22 Collecting pipe, 24 radiator, 25 water pump, 26 oil filter, 28 upper case, 29 lower case, 30 crank chamber, 31 counter shaft, 32 crank web, 33 journal part, 34 journal bearing, 35 connecting rod, 37 primary drive gear , 38 Primary driven gear, 39 Clutch device, 40 Drive shaft, 41 Drive sprocket, 42 Water jacket, 43 Concave shape, 44
Claims (4)
前記下ケースに開設された前記オイルパン取付用の開口部側で、前記開口部をエンジン前後方向に繋ぐ補強壁を設け、
前記補強壁は、エンジン幅方向で後輪駆動用のドライブスプロケットと同一側において該ドライブスプロケットと略平行に配置され、
前記補強壁によって大小空間に区分けされた前記下ケースにおける前記補強壁を挟んで前記ドライブスプロケットとは反対側の区分けされた大きい空間にオイルポンプが配置されることを特徴とする4サイクルエンジンのクランクケース構造。 In a four-cycle engine comprising a crankcase that is divided into an upper case and a lower case, a cylinder block and a cylinder head that are sequentially coupled to the crankcase, and an oil pan that is coupled below the lower case,
On the side of the opening for attaching the oil pan established in the lower case, a reinforcing wall is provided to connect the opening in the longitudinal direction of the engine ,
The reinforcing wall is disposed substantially parallel to the drive sprocket on the same side as the drive sprocket for driving the rear wheels in the engine width direction,
A crank for a four-cycle engine, wherein an oil pump is disposed in a large space separated from the drive sprocket across the reinforcing wall in the lower case divided into large and small spaces by the reinforcing wall. Case structure.
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