JP6599845B2 - 補綴心臓弁用エラストマー製リーフレット - Google Patents

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Description

本発明は医療用インプラントに用いられる材料に関し、より具体的には、蛇行繊維を含む延伸ポリテトラフルオロエチレン(expanded polytetrafl uoroethylene:ePTFE)膜とエラストマーとを含む複合材料の少なくとも1つの層を含むリーフレットに関する。前記エラストマーは、前記ePTFE膜の細孔の全て又は実質的に全てに存在していてもよい。
人工心臓弁はインビボ(in vivo)で少なくとも10年は使用できることが望ましい。斯かる長期耐性のために、人工心臓弁は少なくとも4億サイクル以上に亘って十分な耐性を示すことが好ましい。弁、より具体的には心臓弁リーフレットは、穴や開裂等の形成を含む構造劣化への耐性を示すと共に、石灰化や血栓症等の生物学的な悪影響への耐性も示さなければならない。
フッ素ポリマー、例えば延伸及び非延伸形態のポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene:PTFE)、修飾PTFE、及びPTFEのコポリマーは、優れて不活性であると共に、生体適合性も良好である等、数々の所望の特性を示すことから、人工心臓弁の理想的な候補材料である。加えて、PTFE及び延伸PTFE(ePTFE)は、心臓弁リーフレットの形成にも利用されてきた。しかし、PTFEは屈曲を繰り返すと硬化し、流動性能が許容し得ないほど悪化しうることが示されている。材料中の穴や開裂の形成による不具合も認められている。これまで種々のポリマー材料が補綴心臓弁リーフレットとして用いられてきた。これらのポリマー製リーフレットの効果及び穴形成による不具合は、通常はインプラント後2年以内に発生する。リーフレットの厚みを増してリーフレットの耐性を向上しようとする試みもなされたが、これにより弁の血流力学性能が許容範囲を下回ってしまう、即ち、開放弁を通じた圧力低下があまりに高くなってしまうという結果となった。また、従来のリーフレットはシワを生じ、これが心臓弁の不具合を招く部位となる可能性もあった。
このように、本技術分野では依然として、心臓弁の開放配置及び閉鎖配置間のサイクル実施時の耐性に優れ、シワの発生が低減された、リーフレットを含む生体適合性の人工心臓弁が求められている。
一態様によれば、ヒト患者における血流の方向を調節するための人工弁が提供される。斯かる人工弁は、これらに限定されるものではないが、心臓弁又は静脈弁を含む。
本明細書で提供される態様では、強度特性を実質的に維持しつつも顕著な伸長を示すフッ素ポリマー膜を使用する。斯かるフッ素ポリマー膜は、蛇行繊維を有することを特徴とする。
他の態様によれば、患者内の血流の方向を調節するための人工弁であって、蛇行繊維を有する少なくとも1つの延伸フッ素ポリマー膜と、エラストマーとを含む複合材料の少なくとも1つの層を有するリーフレットを含む人工弁が提供される。ある態様では、エラストマーはフッ素ポリマー膜の細孔の全て又は実質的に全ての中に存在する。斯かるフッ素ポリマー膜は、実質的に蛇行繊維のみからなる微細構造を有していてもよい。ある態様によれば、斯かる延伸フッ素ポリマー膜は、複数の蛇行繊維を含む。更に、フッ素ポリマーはポリテトラフルオロエチレンであってもよい。斯かるリーフレットは複合材料の単層から形成されてもよく、多層から形成されてもよい。加えて、斯かるリーフレットは支持構造体に作動式に連結され、支持構造体に対して開放配置と閉鎖配置との間で移動可能に構成されることにより、心臓弁を形成していてもよい。斯かるリーフレットはその弾力性によって、シワの発生を低減しつつ、弁開閉時に屈曲することが可能である。斯かる複合材料から形成されたリーフレットは、少なくとも1億サイクルに亘って駆動した後でも、視認しうる穴、開裂、又は層間剥離の兆候を示さず、その他の変化も呈しない。
他の態様によれば、患者の血流の方向を調節するための埋込可能な人工弁であって、人工弁を通じた血流を実質的に阻止する閉鎖配置と、人工弁を通じた血流を許容する開放配置との間で回転可能であるリーフレットを含む人工弁が提供される。斯かるリーフレットは、蛇行繊維を有する少なくとも1つの延伸フッ素ポリマー膜と、エラストマーとを含む複合材料の少なくとも1つの層から構成される。斯かるエラストマーは、延伸フッ素ポリマー膜の細孔の全て又は実質的に全ての中に存在する。更に、斯かる延伸フッ素ポリマー膜は、実質的に蛇行繊維のみからなる微細構造を含んでいてもよい。斯かる延伸フッ素ポリマー膜は、複数の蛇行繊維を含んでいてもよい。ある態様によれば、フッ素ポリマーがポリテトラフルオロエチレンである。斯かるリーフレットは、人工弁の開放配置及び閉鎖配置において、シワの発生が低減されてなる。加えて、斯かるリーフレットは、従来の方式により硬性又は軟性の支持構造体に連結され、心臓弁を形成していてもよい。
本明細書で提供される態様は、患者の血流の方向を調節するための埋込型人工弁のリーフレットを形成する方法であって、蛇行繊維を有する少なくとも1つの延伸フッ素ポリマー膜と、エラストマーとを含む複合材料を提供した上で、軸方向の縫い目を付されてなり、当該縫い目により規定された始点及び終点を有する前記複合材料のシートを巻回することにより、複合材料の少なくとも1つの層を、複合材料の(複数の)追加の層と接触させることを含む方法を提供する。斯かるエラストマーは、延伸フッ素ポリマー膜の細孔の全て又は実質的に全ての中に存在していてもよい。ある態様によれば、斯かるリーフレットはその軸方向に弾性特性を有する。フッ素ポリマーはポリテトラフルオロエチレンであってもよい。また、斯かる延伸フッ素ポリマー膜は、実質的に蛇行繊維のみからなる微細構造を含んでいてもよい。他の態様によれば、延伸フッ素ポリマー膜は複数の蛇行繊維を含む。
他の態様によれば、患者の血流の方向を調節するための埋込型人工弁であって、支持構造体及びリーフレットを含むと共に、当該リーフレットが、蛇行繊維を有する少なくとも1つの延伸フッ素ポリマー膜とエラストマーとを含む複合材料を含む少なくとも1つの層から形成される。斯かる延伸フッ素ポリマー膜は複数の細孔を有し、エラストマーは当該細孔の全て又は実質的に全ての中に存在する。加えて、リーフレットは支持構造体に対して相対的に移動可能であり、閉鎖配置と開放配置との間で回転可能である。斯かるリーフレットは、開放配置及び閉鎖配置の双方において、シワの発生が低減されてなる。ある態様によれば、フッ素ポリマーはポリテトラフルオロエチレンである。斯かる延伸フッ素ポリマー膜は、実質的に蛇行繊維のみからなる微細構造を含んでいてもよい。斯かる延伸フッ素ポリマー膜は複数の蛇行繊維を含んでいてもよい。
他の態様によれば、少なくとも約30%のひずみを生じるまで伸長されると剛性が増加する複合材料を含む少なくとも1つの層を有するリーフレットを含む人工弁が提供される。斯かる複合材料は、少なくとも1つの延伸フッ素ポリマー膜とエラストマーとを含む。斯かる延伸フッ素ポリマー膜は蛇行繊維を含んでいてもよい。また、斯かる延伸フッ素ポリマー膜は、複数の蛇行繊維を含んでいてもよい。ある態様によれば、斯かる延伸フッ素ポリマー膜は複数の細孔を有し、エラストマーが実質的に全ての細孔内に存在する。
リーフレットを形成する方法の一態様は、少なくとも約30%のひずみを生じるまで伸長されると剛性が増加する複合材料を提供すると共に、軸方向の縫い目を付されてなり、当該縫い目により規定された始点及び終点を有する前記複合材料のシートを巻回することにより、複合材料の少なくとも1つの層を、複合材料の(複数の)追加の層と接触させることを含む。斯かる複合材料は、少なくとも1つの延伸フッ素ポリマー膜とエラストマーとを含み、ある態様によれば、蛇行繊維を含んでいてもよい。
斯かる複合材料により形成されるリーフレットは、支持構造体に対して作動式に連結され、支持構造体に対して閉鎖配置と開放配置との間で移動可能とされることにより、心臓弁を形成していてもよい。
本明細書で提供される態様に係るリーフレットは、心臓弁が開放配置と閉鎖配置との間で循環するに従い生じるシワが低減されてなる。
本明細書で提供される態様によれば、フッ素ポリマー膜の細孔の全て又は実質的に全ての中に、エラストマーが存在していてもよい。
他の態様によれば、リーフレットの所望の特性を強化する目的で、延伸フッ素ポリマー膜の細孔内に、或いはリーフレットを形成する複合材料の層間に、更なる材料が導入されていてもよい。
図1は、一態様に係る理想的な蛇行繊維の例を模式的に示す図である。
図2は、フルオロエラストマーを除去した一態様に係るリーフレット表面の10000×での走査型電子顕微鏡写真(scanning electron micrograph:SEM)である。
図3Aは、一態様に係るサンプルの回復不能ひずみエネルギー密度を模式的に示す図である。
図3Bは、図3Aのサンプルの回復可能ひずみエネルギー密度を模式的に示す図である。
図3Cは、図3Aのサンプルの総ひずみエネルギー密度を模式的に示す図である。
図4は、実施例1に従い作成された一態様に係るサンプルの百分率回復不能ひずみエネルギー密度を模式的に示す図である。
図5は、一態様に係る複合体の最大強度方向と直角の方向における応力対ひずみを模式的に示す図である。図中、接線の交点は、一態様に係る複合体の終点を表す。
図6は、円柱形状に切削された一態様に係る支持構造体を模式的に示す図である。
図7は、一態様に係る略円柱形状のマンドレルを模式的に示す図である。
図8は、一態様に係るマンドレルの支持構造体の位置を模式的に示す図である。
図9A及び9Bは、一態様に係る弁のそれぞれ閉止位置及び開放位置を示す上面図である。 同上。
以下、図面に例示されている実施形態及びその説明で使われる具体的文言について述べる。但し、それによって本発明の範囲が限定されることは意図されておらず、例示されている方法及び装置の改変及び更なる修正、並びに下記に例示される本発明の原理の更なる応用は、本発明が属する分野の当業者により通常想起されることが企図されているものと理解される。
別段の定義がない限り、本明細書で使用する専門用語及び科学用語は全て、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。図面においては、明瞭にする目的で、線、層、及び領域の厚さを誇張して表示する場合がある。全ての図を通じて、同様の要素は同様の数字で表す。
本明細書で使用する「蛇行繊維」という用語は、一方向に曲がってから別の方向に曲がる複数の小繊維(fibril)を意味する。
本明細書で使用する「制御された退縮」という用語は、結果的に物品に肉眼で見える折り目、ヒダ、シワがなくなるような方法で、加熱するか、溶媒で湿らすか、他の適切な手段を使用するか、又はこれらを組み合わせることにより、物品の長さを少なくとも一方向に短くすることを指す。
また、「シワの発生」という用語は、リーフレットを形成する本来はシワを有さない複合材料を屈曲又は湾曲させた時の、複合材料の外観も指す。
本明細書で使用する「シワを有さない」という用語は、複合材料を屈曲又は湾曲させる前に当該複合材料にシワがないことを表すことが意図されている。
本明細書で使用する「吸収(する、させた)」という用語は、ePTFE等の多孔質材料の細孔の少なくとも一部分を少なくとも部分的に充填する任意の手段を表すことが意図されている。
本明細書で使用する「伸張」又は「伸張した、伸張された」という用語は、力が加わることに応答して長さが増加することを表すことが意図されている。
本明細書で使用する「リーフレット」という用語は、血流方向を調節するための人工弁の一構成要素を表すことが意図されている。本発明の実施形態によるリーフレットは、蛇行繊維を有する延伸フッ素ポリマー膜と、エラストマーとを含む1層以上の複合材料で形成される。
本明細書で使用する「弾性」という用語は、力が加わると伸張し、力が解放されると、材料の退縮力により材料のおおよその原寸法に戻る材料特性を指す。
本明細書で使用する「剛性の増加」という用語は、いったん停止点に到達した後の更なる伸張に対する抵抗力の増加を指す。
本明細書で使用する「ノード」及び「繊維(fibril)」という用語は、延伸フッ素ポリマー膜の分野で知られている通り、延伸フッ素ポリマー膜の構造をなす要素の特定の特徴的形状を指す。
一実施形態では、フッ素ポリマー膜の強度特性を実質的に保持しながら大きな伸張率を示すフッ素ポリマー膜を利用する。このような膜は、図1に例示されている理想的な蛇行繊維等の蛇行繊維を特徴的に有する。図1の略図が示す通り、蛇行繊維は、第1矢印10の方向へと概ね一方向に湾曲又は屈曲した後、第2矢印20の方向へと概ね別の方向に湾曲又は屈曲する。図1に例示されている蛇行状繊維の振幅、頻度、及び周期性は変化してよいものと理解される。一実施形態では、フッ素ポリマー膜は延伸フッ素ポリマー膜である。延伸フッ素ポリマーの非限定的な例として、延伸PTFE、延伸修飾PTFE、及びPTFEの延伸コポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。延伸性PTFEブレンド、延伸性修飾PTFE、及びPTFEの延伸コポリマーに関する特許が出願されており、その例として、Brancaに対する米国特許第5,708,044号明細書、Baillieに対する米国特許第6,541,589号明細書、Sabolらに対する米国特許第7,531,611号明細書、Fordに対する米国特許出願第11/906,877号明細書、及びXuらに対する米国特許出願第12/410,050号明細書が挙げられる。
比較的直線状の繊維を蛇行繊維の形にすることにより、圧縮方向と反対の方向に力が加わった時に実質的に直線状になることから、高い伸張率が実現する。蛇行繊維の作成を実現する手法とは、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を熱で誘導して、制御された退縮を起こすこと、イソプロピルアルコール、Fiuorinert(登録商標)(ミネソタ州セントポールの3M社から市販されている完全フッ素化溶媒)等の溶媒で物品を湿らすこと、又はこれら二手法の組み合わせである。機械的圧縮時に発生するものとは異なり、物品が退縮しても、ePTFEに目に見えるヒダ、折り目、シワは発生しない。また、既知の方法とは異なり、非常に薄い膜に退縮を施すこともできる。退縮工程中、繊維の形状が蛇行状になるだけでなく、繊維の幅が増加し得る。
前駆体材料は、二軸延伸ePTFE膜であってよい。一実施形態では、例えば、Bacinoらに対する米国特許第7,306,729号明細書に概説されている教示内容に従って製造された材料は、特に孔が小さい物品が所望される場合に適切な前駆体膜である。この膜は、実質的に繊維のみからなる微細構造を有し得る。前駆体膜は、無定形にロックされていても(amorphously locked)、されていなくてもよい。前駆体膜は、少なくとも部分的な充填、コーティング、吸収等により、追加材料(例えばエラストマー系材料)と組み合わされていてもよい。
最終品の所望の伸張量を規定する目的で、退縮工程中、前駆体膜が一以上の方向に拘束されてよい。伸張量は、退縮量と直接の関連があり、退縮量で測定される。
一実施形態では、熱と溶媒のどちらか一方又は両方を加える前に、一軸テンターフレーム(tenter frame)において、前駆体膜の幅より狭い距離の位置にレールを配置することにより退縮を実現できる。二軸テンターフレームを使用する場合は、グリップ、ピン、その他の適切な取り付け手段の組のどちらか一方又は両方を、前駆体膜の寸法より小さい距離の位置に同様に配置すればよい。これらの退縮手段が、上記のHouse特許及びSowinski特許で教示されている機械的圧縮とは異なることを理解すべきである。延伸フッ素ポリマー膜は、退縮時に蛇行繊維を有する。このように退縮した膜は、蛇行繊維を特徴的に有し、実質的にシワを有さない。幾つかの好ましい実施形態では、退縮した膜は、実質的に蛇行繊維のみからなる微細構造を有してよい。少なくとも一実施形態では、フッ素ポリマー膜は複数の蛇行繊維を含む。本明細書で使用する「複数の蛇行繊維」という語句は、下記で教示する通り、視野範囲内のフッ素ポリマー膜に2以上、5以上、10以上、又は15以上の蛇行繊維が存在することを表すことが意図されている。
退縮の前、退縮中、又は退縮後に、少なくとも1つのエラストマー系材料を前駆体膜に添加して、複合材料を形成してよい。このようなエラストマー系材料が存在しない場合、蛇行繊維を有するフッ素ポリマー品は、伸張後に顕著な回復を示さない。適切なエラストマー系材料として、PMVE−TFE(パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン)コポリマー、PAVE−TFE(パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)−テトラフルオロエチレン)コポリマー、シリコーン、ポリウレタン等が挙げられるが、これらに限定されない。なお、PMVE−TFEとPAVE−TFEはフルオロエラストマーである。他のフルオロエラストマーも適切なエラストマー系材料である。結果として得られる退縮品は、フッ素ポリマー膜の強度特性を実質的に保持しつつ高い伸縮率を有するだけでなく、回復不能ひずみエネルギー密度パーセントが低いという追加特性も有する。上記の退縮品は、約90%未満、約85%未満、約80%未満、約70%未満、約60%未満、及びそれ以下(これらの値の間の全てのパーセント値を含む)という回復不能ひずみエネルギー密度パーセントを示し得る。
一実施形態では、上記のように、蛇行繊維を有する延伸フッ素ポリマー膜と、エラストマーとを含む複合材料が、心臓弁のリーフレット材料を形成する。この複合材料は実質的にシワを有さない。単層又は複数層の延伸フッ素ポリマー膜と、複数の種類のエラストマー系材料を使用することは、本開示の範囲に含まれるとみなされることを理解すべきである。所望されるリーフレット特性を増強するため、延伸フッ素ポリマー膜の細孔の中及び/又は複合材料の層間に追加材料を組み込んでもよい。フッ素ポリマー膜は、当該フッ素ポリマー膜の強度特性を実質的に保持しながら、著しい伸張率を示す。
複合材料は、高サイクル数の屈曲性インプラント用途(例えば心臓弁リーフレット)で必要とされる性能特性を、幾つかの重要な方法で提供する。例えばエラストマーを含めることにより、ePTFEのみの材料に通常見られる硬化が解消又は低減され、リーフレットの疲労特性が改善される。加えて、エラストマーを組み込むことにより、性能低下を招くおそれのある永続的なひずみ変形(シワ、たたみ目等の発生)が材料に生じる可能性が低下する。
本明細書に記載の実施形態の複合材料は、伸張を示すだけでなく、高い伸張率(随意に、所定の伸張率)を達成した後に劇的な剛性増加も示す。結果として、劇的な剛性増加により更なる伸張が抑制される点まで、複合材料を伸張させることができる。複合材料は、圧力又は力の著しい増加との連動でのみ更なる伸張が発生する点である、停止点を有する。複合材料は、少なくとも約30%のひずみ、少なくとも約35%のひずみ、少なくとも約40%のひずみ、少なくとも約45%のひずみ、少なくとも約50%のひずみ、少なくとも約55%のひずみ、及びそれ以上のひずみを生じるまで伸張した時に、剛性の増加を示す。
上記の通り、延伸フッ素ポリマー膜内の全部又は実質的に全部の細孔をエラストマーが占有するように、エラストマーを延伸フッ素ポリマー膜と組み合わせてよい。本明細書で使用する「実質的に全部の細孔」という用語は、延伸フッ素ポリマー(ePTFE)膜の全部又は実質的に全部の細孔の少なくとも一部分にエラストマーが存在することを表すことが意図されている。フッ素ポリマー膜の全部又は実質的に全部の細孔にエラストマーを存在させることにより、異物が不要に複合材料に組み込まれ得る空間が減少する。このような異物の一例がカルシウムである。例えば心臓弁リーフレットで使われる複合材料にカルシウムが取り込まれると、サイクル中に機械的損傷が発生する可能性があり、その結果、リーフレットに穴が形成され血行動態が悪化することになる。他方、延伸フッ素ポリマー膜の細孔内及び/又はリーフレットを形成する複合材料の層間に追加の望ましい材料を組み込めば、リーフレットの所望の特性を増強することが可能であり、こうした追加材料の組み込みは本発明の範囲に入るとみなされる。
複合材料で作られたリーフレットは、積層物又はリーフレットの所望の厚さと複合材料の所望の層数に応じて、様々な構成に組み立てることができる。幾つかの実施形態によれば、リーフレットを単層の複合材料で構成してもよく、複数層の複合材料で構成してもよい。複数層で構成すれば、耐久性が強化され、リーフレットに対する損傷縮小が増加する。リーフレットの最大層数は、少なくとも部分的にはリーフレットの所望の厚さによって決まる。複合材料の層数に対するリーフレットの厚さ(μm)の比は、約5未満である。加えて、従来の方法で剛性又は弾性のフレームにリーフレットを取り付けてよく、これにより例えば心臓弁を形成してよい。
リーフレット内部に弾性が存在するので、心臓弁が開放配置と閉鎖配置間の循環を繰り返した時のシワの発生が大幅に減少する。リーフレットの弾性特性はリーフレットの軸線方向に存在してよい。「リーフレットの軸線方向」とは、リーフレットの基部からリーフレットの自由端に向かう方向を意味する。加えて、リーフレットは、軸線方向でない他の単一方向又は複数方向の弾性特性を有してよい。したがって、本発明の複合材料で形成されたリーフレットは、心臓弁の開放と閉鎖により屈曲し湾曲する時のシワ発生の減少を示す。加えて、リーフレットの弾性により加速が弱まり、リーフレットにかかる力が減少するので、リーフレットの寿命が延びる。こうした複合材料で形成されたリーフレットは、穴、裂け目、及び層間剥離の目に見える徴候を示さず、リーフレットを少なくとも1億サイクル作動させた後に性能が変化せず、少なくとも2億サイクル作動させた後でも性能が変化しない。
更に、リーフレットの弾性特性により、屈曲特性が向上し閉鎖応力が減少する。屈曲特性とは、概して、循環的開閉で変形が誘発され、この変形時にリーフレットの構造内に形成されるシワ及び/又はたたみ目の質的な量を指す。
上記で概説した種々の実施形態に加えて、下記に例示する幾つか特定の実施例を参照することにより、更なる理解が得られるが、下記実施例は単に例示目的で提供されるものであり、特に明記されない限り、網羅的であることも制限的であることも意図されていない。
試験方法
幾つかの方法と機器について下記で説明するが、当業者が適切と判断する任意の方法又は機器を代わりに利用してもよいことを理解すべきである。
質量、厚さ、及び密度
膜サンプルを型により打ち抜いて約2.54cm×約15.24cmの長方形断面を形成し、重量(Mettler-Toledo化学天秤、モデルAG204を使用)と厚さ(Kafer Fz1000/30スナップゲージを使用)を測定した。これらのデータを用いて、式:p=m/(w*l*t)により密度を計算した(ここでp=密度(g/cm3)、m=質量(g)、w=幅(cm)、l=長さ(cm)、t=厚さ(cm)である)。3つの測定値の平均を報告した。
膜のマトリクス引張り強度(MTS)
平面グリップと0.445kNロードセルを備えたIMSTRON122引張り試験機を用いて、引張り破断荷重を測定した。ゲージ長は約5.08cm、クロスヘッド速度は約50.8cm/分であった。サンプルの寸法は約2.54cm×約15.24cmであった。最高強度の測定では、サンプルの寸法の長い方を最高強度方向に向けた。直交MTSの測定では、サンプルの寸法の長い方を最高強度方向に対して垂直に向けた。各サンプルについて、Mettler Toledo Scale Model AG204で重量を測定してから、Kafer FZ1000/30スナップゲージを用いて厚さを測定したが、厚さ測定に適した任意の適切な手段を代わりに使用してもよい。次に、サンプルを引張り試験機で個別に試験した。各サンプルの3つの異なる断面を測定した。3つの最大荷重(すなわちピーク力)測定値の平均を報告した。次式により長手方向及び横方向のマトリクス引張り強度(MTS)を計算した。MTS=(最大荷重/断面積)*(PTFEの容積密度)/(多孔質膜の密度)(PTFEの容積密度は約2.2g/cm3を採用した。)
複合材料の引張り強度
3500gのロードセルを備えたRSA3動的機械分析器(デラウェア州ニューカッスル、ティー・エイ・インスツルメント)を用いて、複合材料の引張り試験を実施した。20mm長ゲージに13mm×39mmの長方形サンプルを取り付け、1000%/分の速度で歪ませた。最高強度の測定では、サンプルの寸法の長い方を最高強度方向に向けた。直交引張り強度の測定では、サンプルの寸法の長い方を最高強度方向に対して垂直に向けた。少なくとも3つの測定値の平均を報告した。
伸張試験
退縮品の伸張率を測定するには、例えば、引張り試験機を手動で用いる、筒状物品に内圧を加えるなど、引張り力の任意の適切な応用を使用してよい。本明細書に提示する実施形態では、伸張する全方向に毎秒約10%の割合で伸張させた。最終長さから初期長さを減算し、初期長さで除算したパーセント値を伸張率として報告した。3つの測定値の平均を報告した。
回復不能ひずみエネルギー密度パーセント
3500gのロードセルを備えたRSA3動的機械分析器(デラウェア州ニューカッスル、ティー・エイ・インスツルメント)を用いて、複合材料の回復不能ひずみエネルギー密度パーセントを測定した。13mm×39mmの長方形サンプルを切り取り、寸法の長い方が最高強度方向を向くようにした。ゲージ長20mmの膜/繊維テンショングリップ内にサンプルを取り付けた。サンプルが200mm/分の速度で50%のひずみまで伸張した後、200mm/分の速度で直ちに初期変位に戻るように、グリップをプログラムした。荷重値と変位値を収集し、応力値とひずみ値に変換してグラフ化した。回復不能ひずみエネルギー密度は、図3Aに網掛け表示されている、伸張曲線と回復曲線の間の第1エリア101で表される。回復可能ひずみエネルギー密度は、図3Bに網掛け表示されている第2エリア102で表される。
サンプルの回復不能ひずみエネルギー密度パーセントとは、図3Aに示す伸張曲線と回復曲線の間の第1エリア101を、図3Cに示すひずみ0%〜50%の伸張曲線より下の第3エリア103(直交線の網掛け部分)で除算し、100%を掛けた値と定義される。少なくとも3つの測定値の平均を報告した。
50%のひずみより前にサンプルが破断した場合は、50%の破断ひずみで別のサンプルを試験して回復不能ひずみエネルギー密度を計算する。サンプルが小さすぎるために20mmグリップ分離に対応できず、グリップ内に充分な材料を収めてグリップ内のサンプルの滑りを防止できない場合には、初期グリップ分離に対するクロスヘッド速度の比率が10分に等しいことを条件として、クロスヘッド速度とグリップ分離の別の組み合わせを使用してよい。
走査型電子顕微鏡法
繊維を特定するのに適した倍率を選択して走査型電子顕微鏡写真を作成した。本明細書の教示事項に従って物品が退縮している場合、蛇行繊維を特定するには退縮方向に伸張させる必要があり得る。蛇行繊維の数を特定するには、7ミクロン×7ミクロンのサンプル視野を用いる。
エラストマーの除去
エラストマーが実質的に充填された細孔を有する多孔質フッ素ポリマーリーフレットの場合、所望の特性を測定又は検査するために、適切な溶剤を用いてエラストマーを溶解又は分解させ、洗い流してよい。
例えば、実施例1に記載のリーフレットのフッ素エラストマー成分を部分的又は実質的に除去して、ePTFE構造のSEM画像を作成することができる。サンプルが収縮しないようにして95gのFluorinert Electronic Liquid FC-72(ミネソタ州セントポール、3M社)に浸し、撹拌せずに液体を吸収させる。約1時間後、このフッ素化溶剤を捨てて95gの新しい溶剤と交換する。最初の4サイクルは約1時間、5回目のサイクルは約24時間かけて、計5回の浸漬サイクルを繰り返す。
エラストマー除去を促進する目的で、超音波洗浄器(例えばBranson 200 Ultrasonic Cleaner (Model-B200))を用いてサンプルを振り動かしてもよい。
上記のように延伸フッ素ポリマー膜とエラストマー系材料とを有する複合材料から、ポリマーリーフレットを有する心臓弁を形成し、拡張可能な金属バルーン支持構造体に連結し、下記工程に従って心臓弁を構築した。図9Aと図9Bは、それぞれ閉鎖位置と開放位置にある一実施形態による弁800の上面図である。弁800は、支持構造体1001と、支持構造体1001に連結された3つのリーフレット802とを含む。
金属バルーン拡張型構造物の形をした支持構造体1001は、外径25.4mm、壁厚0.502mmの、焼き戻し処理した316LVMステンレススチール管の一定長さをレーザー加工したものである。管にパターンを切り込み、図6の平面図に図示されているように円柱状に切断したステントフレーム(このフレームも支持構造体1001と称する)を形成した。形成した支持構造体1001には、複数の小型閉鎖セル1002と、複数の大型閉鎖セル1003と、複数のリーフレット閉鎖セル1004が含まれていた。なお、図6が平面図であるために、複数のリーフレット閉鎖セル1004のうちの1つは開放セルとして表示されている。小型閉鎖セル1002と、大型閉鎖セル1003と、リーフレット閉鎖セル1004は、支持構造体1001の環形状を形成する列に概ね沿って配置される。支持構造体1001には6本の支柱1005があり、図6に示すように、その一部分はほぼ放物形状をしている。
次に、支持構造体1001を電解研磨し、その結果、各表面から0.025mmの材料が除去されて端部が丸くなった。リーフレット材料と接触することになる支持構造体1001の隅を、回転式サンダーで丸くした。支持構造体1001に粗面処理を施して、疲労耐久性能を損なわずに支持構造体1001に対するリーフレットの接着性を高めた。支持構造体1001を水ですすいだ後、当業者に一般に知られている方法でプラズマ洗浄処置を施した。PF5080(3M、米国ミネソタ州セントポール)に溶解させた4%フルオロエラストマー溶液に支持構造体1001を浸し、静置して空気乾燥させた。Changらに対する米国特許第7,462,675号明細書に概説されている教示内容に従って、フルオロエラストマーを調製した。この他のフルオロエラストマーも適切であり得、これらはChangらに対する米国特許出願公開第2004/0024448号明細書に記載されている。
フルオロエラストマーは、約65〜70重量パーセントのパーフルオロメチルビニルエーテルと、それと相補的な約35〜30重量パーセントのテトラフルオロエチレンから本質的になる。
次に、二軸延伸ePTFEの膜層にフルオロエラストマーを吸収させた複合材料を作製した。より具体的には、ePTFE膜層は、米国特許第7,306,729号明細書で概説されている教示内容に従って製造されたものである。上記の方法に従ってePTFE膜を試験した。使用した二軸延伸ePTFE膜は、無定形にロックされておらず、以下の特性を有していた。厚さ=0.0025mm、密度=0.236g/cc、最大強度方向のマトリクス引張り強度=386MPa、最大強度方向と直交する方向のマトリクス引張り強度=218MPa、最大強度方向の最大荷重時の伸張率=24%、最大強度方向と直交する方向の最大荷重時の伸張率=38.1%。複合材料内のフルオロエラストマーの重量パーセントは約74%であった。
この膜は、本実施例において上述のフルオロエラストマーを吸収させたものである。このフルオロエラストマーは、PF5080(3M、ミネソタ州セントポール)に溶解させて約4%濃度にしたものである。(ポリエチレン剥離フィルムで支えられた)ePTFE膜にマイヤーバーで溶液を塗布し、対流式オーブンに入れて乾燥させた。
20mm幅の細長い複合材料を丸めてファイバー状にし、図6の支持構造体1001の各ステントフレーム柱1006の周りにらせん状に巻き付けた。らせん状に巻かれた複合材料ファイバーがクッション部材となり、支持構造体の一部分とリーフレットの間に配置されて、支持構造体とリーフレット間の直接接触に関連する応力を最小化する。
アルミニウムを機械加工して、図7に示す概ね円筒形のマンドレル1101を製作した。マンドレル1101は、第1端1102と、反対側の第2端1103とを含む。マンドレル1101の外面1104は、不規則な浅いポケット1105を幾つか有し、これらのポケットの各々は概して、弁の完成組立品(図示せず)の接合面(図示せず)を形成するためのものである。
マンドレル1101に、ポケット通気穴1107と表面通気穴1108の形で0.5mm径の通気穴48個を開けた。不規則な浅いポケット1105の各々の底部に配置された12個のポケット通気穴1107は、不規則な浅いポケット1105を通過して、マンドレル1101の中心を走る中央の空洞1106に通じている。マンドレル1101の外面1104に分散して配置された36個の表面通気穴1108は、外面1104を通過して中央の空洞1106に通じている。このポケット通気穴1107と表面通気穴1108により、後続ステップにおいて、閉じ込められた空気が成形工程時に弁から排気できるようになる。
ePTFE膜とフルオロエラストマーのエラストマー系複合材料を下記のように作製した。本実施例における上述のフルオロエラストマーを、コポリマー3重量部と溶媒97重量部の比率でフッ素化溶媒(Fluorinert(登録商標)Electronic Liquid FC-72、ミネソタ州セントポール、3M社)に溶かした。ライン速度約1.8m/分、溶液塗布速度約96g/分で動作する連続的スロットダイコーティング工程を利用して、ロールから送られるePTFE膜に上記溶液を吸収させた。
使用した二軸延伸ePTFE膜は、無定形にロックされておらず、以下の特性を有していた。厚さ=0.0025mm、密度=0.236g/cc、最大強度方向のマトリクス引張り強度=386MPa、最大強度方向と直交する方向のマトリクス引張り強度=218MPa、最大強度方向の最大荷重時の伸張率=24%、最大強度方向と直交する方向の最大荷重時の伸張率=38.1%。
溶液を吸収したePTFE膜を、加熱された一軸テンターフレーム(フレームの長さ方向が膜の最大強度方向に対応する)のクランプで拘束して、加熱された2.4m長さのチャンバーに送り込んだ。
加熱されたチャンバーに進入する100mm幅の吸収pPTFE膜に対応する位置にテンターフレームのレールを配置し、熱せられた複合材料が加熱により収縮して約56mm幅でチャンバーから排出できるようにした。加熱チャンバー内の滞留時間を約45秒となるようにライン速度が設定され、材料の最高温度が約180℃に達して、実質的に全部のフッ化溶媒が除去された。
この吸収工程により、コポリマーが少なくとも部分的に膜の細孔に浸透し、膜の表面にコポリマーの被膜を作成することができた。
このエラストマー系複合材料の応力は約43MPaであった。図5に、ひずみに対する応力をプロットした応力ひずみ曲線を示す。応力ひずみ曲線111は、伸張に到達した時点(本明細書では停止点112と称する)の傾斜の変化による変曲点を示している。図5では、2本の接線の交点が複合材料の停止点112(約45%)を表す。接線の交差する点は交点50で表される。停止点112の概算値は下記の方法で決定できる。図5の第1の線60が示すように、曲線に接する直線を引くことにより、停止点112に到達する前の応力ひずみ曲線111の傾きを概算できる。図5の第2の線70が示すように、応力ひずみ曲線111に接する直線を引くことにより、停止点を越えた応力ひずみ曲線111の傾きを概算できる。2本の接線の交点に対応するひずみが、当該複合材料の停止点112の概算値である。本明細書に提示する実施形態の他の材料(膜、リーフレット等)の応力ひずみ曲線にも、同じ手法を適用できることを理解すべきである。
マンドレル1101の外周に4層の上記エラストマー系複合材料を巻き付けた。エラストマー系複合材料の、48個の各通気穴の上部位置を、先のとがったピンセットで突き刺した。
柱に複合材料ファイバーを巻き付けた金属バルーン拡張型構造物である支持構造体1001を、エラストマー系複合材料とマンドレル1101の上に滑り込ませて、図8のように位置づけた。
前述の0.025mm厚のフルオロエラストマー膜を取得した。このフルオロエラストマー膜の3mm幅の細長片を、支持構造体1001のリーフレット閉鎖セル1004の上に配置した。幅10mm、15mm、20mmの別の細長いフルオロエラストマー膜を、各ステントフレーム柱1006の上に連続的に配置した。マンドレル1101と、前に取り付けた全ての構成部品とに、更なる8層のエラストマー系複合材料を巻き付けた。
ePTFEとポリイミドとを含み、厚さが約0.004mmの犠牲複合材料を、マンドレルと、前に取り付けた構成部品とに巻き付けた。裏に接着剤の付いたポリイミドテープを用いて、マンドレルの両端にePTFE/ポリイミド複合材料を付着させ、長手方向の継ぎ目を密閉した。
次に、前に取り付けた構成部品を有するマンドレル1102を圧力容器内に設置し、中央の空洞1106が大気に通じる配管となるようにした。中央の空洞1106は、第1端1102からマンドレル1101の軸方向に伸び、上記の計48個のポケット通気穴1107と表面通気穴1108とに連通する。
約414KPa(60psi)のヘリウム圧を圧力容器に印加して、ePTFEフルオロエラストマー複合材料をマンドレル1101と支持構造体1001とに押し付けた。圧力容器を加熱し、約55分後にマンドレル内部が約264℃に達した時点で加熱を停止した。熱を除去し、圧力容器を静置して室温まで冷ました。この工程で、ePTFEフルオロエラストマー複合材料の層間及び複合材料と支持構造体1001とが熱により接合した。圧力を解放し、圧力容器からマンドレルを取り出した。マンドレル1101から弁組立体を滑らせて外し、犠牲ePTFEポリイミド複合材料を取り外した。
ePTFE/エラストマー複合材料の、支持構造体1001の上側リング近くの位置に水平の切り込みを入れた。3つのリーフレットの各々に0.76mm厚FEPフィルムの小シートを押し当て、弁が閉鎖形状となるように止血鉗子を用いて小シートを所定位置に固定した。弁を180℃のオーブンに入れて、この位置を保持したまま15分間静置した。
FEPシートを除去した後、弁リーフレットを最終長さに合わせてカットし、余分なePTFE/エラストマー複合材料を支持構造体の周囲で切り整えた結果、リーフレット802を表示している図9A、9Bの弁800を得た。
リアルタイムのパルスデュプリケータを用いて、弁800を横切る典型的な解剖学的圧力と流れを測定することにより、弁800におけるリーフレット802の性能の特性を評価し、この弁800に関する初期即ち「疲労ゼロ」のデータセットを生成した。次に、弁800を高速疲労試験機に移し、約2億サイクル作動させた。
下記の工程で流れ性能の特性を評価した。
弁800をシリコーン製の環状リングに嵌め込み、引き続きリアルタイムパルスデュプリケータで弁800を評価できるようにした。
嵌め込んだ弁800を、リアルタイム左心流パルスデュプリケータシステム内に配置した。この流体流パルスデュプリケータシステムはVSI Vivitro Systems社(カナダ国ブリティッシュコロンビア州ビクトリア)から提供され、以下の構成部品を備えていた。スーパーポンプサーボパワー増幅器、部品番号SPA3891;スーパーポンプヘッド、部品番号SPH5891B、シリンダ面積38.320cm2;弁ステーション/固定具;波形発生器TriPack、部品番号TP2001;センサインタフェース、部品番号VB2004;センサ増幅部品、部品番号AM9991;矩形波電磁流量計(カロライナメディカルエレクトロニクス社、米国ノースカロライナ州イーストベンド)。
一般に、流体流パルスデュプリケータシステムでは、固定変位量のピストンポンプを用いて、試験対象の弁800を通過する所望の流体流量を発生させる。
この心臓流体流パルスデュプリケータシステムを調整して、所望の流量、平均圧、及び擬似脈拍を生成するようにした。試験対象の弁800を、約5〜20分間反復動作させた。
心室圧、大動脈圧、流量、ポンプピストン位置を含む、試験期間中の圧力データと流量データを測定し回収した。
本実施形態の弁800は、圧力低下が5.2mmHg、EOAが2.97、逆流率が14.4%であった。
本実施例のリーフレット802の耐久性を、Dynatek Dalta DC 7000 Controllerで駆動する高速疲労試験機(ミズーリ州ガリーナのDynatekが提供する6位置心臓弁耐久性試験機、部品番号M6)で評価した。この高速疲労試験機は、毎分約780サイクルの典型的サイクル速度で弁800を通して流体を排水する。試験中、調整済みストロボライトを用いて弁800を目視検査することができた。リーフレット802を2億サイクル動作させて試験したが、リーフレット802に穴、引き裂き、層間剥離の目視可能な徴候はなかった。
リーフレット802の1つを支持構造体1001から切り取った。上記の試験方法に記載の通りにエラストマーを除去した。なお、蛇行繊維を露出させるには、リーフレット802からエラストマーを完全に除去する必要はない。リーフレット802の表面を倍率10,000×で撮影したSEMを図2に示す。構造を開いて繊維がより明瞭に見えるようにするため、リーフレット802を弛緩長さから23%伸張させた。蛇行繊維、即ち蛇行形状で伸びている繊維の存在を露呈するに足る充分な量のエラストマーを除去した。
リーフレット802の回復不能ひずみエネルギー密度パーセントは約86.6%と判定され、この数字は図4の伸張曲線と回復曲線に囲まれた領域で表されており、リーフレット802の弾性特性を示している。加えて、リーフレット802の極限引張り強度は53MPaと判定された。
本発明をその具体的な態様に則して説明してきたが、更なる改変を加えてもよいことが理解しうるであろう。本願は、概ね本発明の原理に従い、且つ、本明細書からの逸脱を含む、本発明の任意の変形、使用、或いは適用も、本発明が属する技術分野での知識又は慣例に含まれる限り、また、上述した主要な特徴に適用しうる限り、また、本発明の範囲及び添付の特許請求の範囲に属する限り、包含することを意図している。

Claims (59)

  1. リーフレットを含む人工弁であって、前記リーフレットが、複合材料を含む少なくとも1つの層から形成され、ここで前記複合材料が、蛇行繊維を有する少なくとも1つの延伸フッ素ポリマー膜と、前記少なくとも1つの延伸フッ素ポリマー膜に吸収されたエラストマーとを含み、ここで前記少なくとも1つの延伸フッ素ポリマー膜は、シワを生じないように維持された退縮状態にあり、ここで前記蛇行繊維は、一方向に曲がってから別の方向に曲がるように構成されると共に、圧縮方向と反対の方向に力が加わった時に実質的に直線状になるように構成される、人工弁。
  2. 前記延伸フッ素ポリマー膜が複数の細孔を含むと共に、前記エラストマーが前記細孔内に存在する、請求項1に記載の人工弁。
  3. 前記フッ素ポリマーがポリテトラフルオロエチレンである、請求項1に記載の人工弁。
  4. 前記複合材料の層数に対する前記リーフレットの厚さ(μm)の比が約5未満である、請求項1に記載の人工弁。
  5. 前記複合材料が実質的にシワを有さない、請求項1に記載の人工弁。
  6. 前記延伸フッ素ポリマー膜が、蛇行繊維の微細構造を含む、請求項1に記載の人工弁。
  7. 前記リーフレットの軸線方向に弾性特性が存在する、請求項1に記載の人工弁。
  8. 前記エラストマーが、パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレンコポリマー、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)−テトラフルオロエチレンコポリマー、シリコーン及びポリウレタンからなる群より選択される、請求項1に記載の人工弁。
  9. 前記リーフレットが支持構造体に作動式に連結されると共に、前記支持構造体に対して閉鎖配置と開放配置との間で移動可能である、請求項1に記載の人工弁。
  10. リーフレットを含む人工弁であって、前記リーフレットが、前記人工弁を通じた血流を実質的に阻止する閉鎖配置と、前記人工弁を通じた血流を許容する開放配置との間で回転可能であると共に、前記リーフレットが、蛇行繊維を有する少なくとも1つの延伸フッ素ポリマー膜とエラストマーとを含む複合材料を含む少なくとも1つの層を含み、ここで前記少なくとも1つの延伸フッ素ポリマー膜は、シワを生じないように維持された退縮状態にあり、ここで前記蛇行繊維は、一方向に曲がってから別の方向に曲がるように構成されると共に、圧縮方向と反対の方向に力が加わった時に実質的に直線状になるように構成され、ここで前記延伸フッ素ポリマー膜が複数の細孔を含み、且つ、前記エラストマーが細孔内に存在する、人工弁。
  11. 前記複合材料が実質的にシワを有さない、請求項10に記載の人工弁。
  12. 前記フッ素ポリマーがポリテトラフルオロエチレンである、請求項10に記載の人工弁。
  13. 前記延伸フッ素ポリマー膜が、蛇行繊維の微細構造を含む、請求項10に記載の人工弁。
  14. 前記リーフレットが支持構造体に作動式に連結されると共に、前記支持構造体に対して閉鎖配置と開放配置との間で移動可能である、請求項10に記載の人工弁。
  15. 前記複合材料の層数に対する前記リーフレットの厚さ(μm)の比が約5未満である、請求項10に記載の人工弁。
  16. 前記リーフレットの軸線方向に弾性特性が存在する、請求項10に記載の人工弁。
  17. 前記エラストマーが、パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレンコポリマー、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)−テトラフルオロエチレンコポリマー、シリコーン及びポリウレタンからなる群より選択される、請求項10に記載の人工弁。
  18. 人工弁のリーフレットを形成する方法であって、蛇行繊維を有する少なくとも1つの延伸フッ素ポリマー膜とエラストマーとを含む複合材料のシートを提供し、ここで前記少なくとも1つの延伸フッ素ポリマー膜は、シワを有さないように維持された退縮状態にあり、ここで前記蛇行繊維は、一方向に曲がってから別の方向に曲がるように構成されると共に、圧縮方向と反対の方向に力が加わった時に実質的に直線状になるように構成され、ここで前記複合材料のシートを巻回することにより、前記複合材料の少なくとも1つの層を、前記複合材料の1又は2以上の追加の層と接触させて接着することにより、複合材料のシートの長手方向に沿った継ぎ目を形成することを含む方法。
  19. 前記延伸フッ素ポリマー膜が複数の細孔を含むと共に、前記エラストマーが細孔内に存在する、請求項18に記載の方法。
  20. 前記フッ素ポリマーがポリテトラフルオロエチレンである、請求項18に記載の方法。
  21. 前記延伸フッ素ポリマー膜が、蛇行繊維の微細構造を含む、請求項18に記載の方法。
  22. 前記エラストマーが、パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレンコポリマー、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)−テトラフルオロエチレンコポリマー、シリコーン及びポリウレタンからなる群より選択される、請求項18に記載の方法。
  23. 支持構造体及びリーフレットを含む人工弁であって、前記リーフレットが、複合材料を含む少なくとも1つの層から形成され、ここで前記複合材料が、蛇行繊維を有する少なくとも1つの延伸フッ素ポリマー膜と、前記少なくとも1つの延伸フッ素ポリマー膜に吸収されたエラストマーとを含み、ここで前記少なくとも1つの延伸フッ素ポリマー膜は、シワを生じないように維持された退縮状態にあり、ここで前記蛇行繊維は、一方向に曲がってから別の方向に曲がるように構成されると共に、圧縮方向と反対の方向に力が加わった時に実質的に直線状になるように構成され、ここで前記リーフレットが前記支持構造体に対して閉鎖配置と開放配置との間で移動可能であり、且つ、前記リーフレットが、前記人工弁を通じた血流を実質的に阻止する閉鎖配置と、人工弁を通じた血流を許容する開放配置との間で回転可能である、人工弁。
  24. 前記延伸フッ素ポリマー膜が複数の細孔を含むと共に、前記エラストマーが細孔内に存在する、請求項23に記載の人工弁。
  25. 前記複合材料が実質的にシワを有さない、請求項23に記載の人工弁。
  26. 前記フッ素ポリマーがポリテトラフルオロエチレンである、請求項23に記載の人工弁。
  27. 前記延伸フッ素ポリマー膜が、蛇行繊維の微細構造を含む、請求項23に記載の人工弁。
  28. 前記リーフレットの軸線方向に弾性特性が存在する、請求項23に記載の人工弁。
  29. 前記エラストマーが、パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレンコポリマー、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)−テトラフルオロエチレンコポリマー、シリコーン及びポリウレタンからなる群より選択される、請求項23に記載の人工弁。
  30. リーフレットを含む人工弁であって、前記リーフレットが、複合材料を含む少なくとも1つの層から形成され、前記複合材料が、少なくとも約30%のひずみを生じるまで伸長されると剛性の増加を生じると共に、蛇行繊維を有する少なくとも1つの延伸フッ素ポリマー膜と、前記少なくとも1つの延伸フッ素ポリマー膜に吸収されたエラストマーとを含み、ここで前記少なくとも1つの延伸フッ素ポリマー膜は、シワを生じないように維持された退縮状態にあり、ここで前記蛇行繊維は、一方向に曲がってから別の方向に曲がるように構成されると共に、圧縮方向と反対の方向に力が加わった時に実質的に直線状になるように構成される、人工弁。
  31. 前記複合材料が、少なくとも約40%のひずみを生じるまで伸長されると剛性の増加を生じる、請求項30に記載の人工弁。
  32. 前記複合材料が、少なくとも約45%のひずみを生じるまで伸長されると剛性の増加を生じる、請求項30に記載の人工弁。
  33. 前記複合材料が、少なくとも約50%のひずみを生じるまで伸長されると剛性の増加を生じる、請求項30に記載の人工弁。
  34. 前記延伸フッ素ポリマー膜が、蛇行繊維の微細構造を含む、請求項30に記載の人工弁。
  35. 前記延伸フッ素ポリマー膜が複数の細孔を含むと共に、エラストマーが細孔内に存在する、請求項30に記載の人工弁。
  36. 前記フッ素ポリマーがポリテトラフルオロエチレンである、請求項30に記載の人工弁。
  37. 前記複合材料の層数に対する前記リーフレットの厚さ(μm)の比が約5未満である、請求項30に記載の人工弁。
  38. 前記複合材料が実質的にシワを有さない、請求項30に記載の人工弁。
  39. 前記リーフレットの軸線方向に弾性特性が存在する、請求項30に記載の人工弁。
  40. 前記エラストマーが、パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレンコポリマー、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)−テトラフルオロエチレンコポリマー、シリコーン及びポリウレタンからなる群より選択される、請求項30に記載の人工弁。
  41. 前記リーフレットが支持構造体に作動式に連結されると共に、前記支持構造体に対して閉鎖配置と開放配置との間で移動可能である、請求項30に記載の人工弁。
  42. リーフレットを含む人工弁であって、前記リーフレットが、前記人工弁を通じた血流を実質的に阻止する閉鎖配置と、前記人工弁を通じた血流を許容する開放配置との間で回転可能であると共に、複合材料を含む少なくとも1つの層を含み、前記複合材料が、少なくとも約30%のひずみを生じるまで伸長されると剛性の増加を生じると共に、少なくとも1つの延伸フッ素ポリマー膜とエラストマーとを含み、前記延伸フッ素ポリマー膜が複数の細孔を含むと共に、前記エラストマーが細孔内に存在し、ここで前記少なくとも1つの延伸フッ素ポリマー膜は、蛇行繊維を含むと共に、シワを生じないように維持された退縮状態にあり、ここで前記蛇行繊維は、一方向に曲がってから別の方向に曲がるように構成されると共に、圧縮方向と反対の方向に力が加わった時に実質的に直線状になるように構成される、人工弁。
  43. 前記複合材料が実質的にシワを有さない、請求項42に記載の人工弁。
  44. 前記フッ素ポリマーがポリテトラフルオロエチレンである、請求項42に記載の人工弁。
  45. 前記延伸フッ素ポリマー膜が、蛇行繊維の微細構造を含む、請求項42に記載の人工弁。
  46. 前記延伸フッ素ポリマー膜が複数の蛇行繊維を含む、請求項42に記載の人工弁。
  47. 前記リーフレットが、支持構造体に作動式に連結されると共に、前記支持構造体に対して閉鎖配置と開放配置との間で移動可能である、請求項42に記載の人工弁。
  48. 支持構造体及びリーフレットを含む人工弁であって、前記リーフレットが、複合材料を含む少なくとも1つの層から形成され、前記複合材料が、少なくとも約30%のひずみを生じるまで伸長されると剛性の増加を生じると共に、少なくとも1つの延伸フッ素ポリマー膜と、前記少なくとも1つの延伸フッ素ポリマー膜に吸収されたエラストマーとを含み、ここで前記少なくとも1つの延伸フッ素ポリマー膜は、蛇行繊維を含むと共に、シワを生じないように維持された退縮状態にあり、ここで前記蛇行繊維は、一方向に曲がってから別の方向に曲がるように構成されると共に、圧縮方向と反対の方向に力が加わった時に実質的に直線状になるように構成され、ここで前記リーフレットが、前記支持構造体に対して閉鎖配置と開放配置との間で移動可能であると共に、前記人工弁を通じた血流を実質的に阻止する閉鎖配置と、前記人工弁を通じた血流を許容する開放配置との間で回転可能である、人工弁。
  49. 前記延伸フッ素ポリマー膜が複数の細孔を含むと共に、前記エラストマーが細孔内に存在する、請求項48に記載の人工弁。
  50. 前記複合材料が実質的にシワを有さない、請求項48に記載の人工弁。
  51. 前記フッ素ポリマーがポリテトラフルオロエチレンである、請求項48に記載の人工弁。
  52. 前記延伸フッ素ポリマー膜が、蛇行繊維の微細構造を含む、請求項48に記載の人工弁。
  53. 前記延伸フッ素ポリマー膜が複数の蛇行繊維を含む、請求項48に記載の人工弁。
  54. 前記リーフレットの軸線方向に弾性特性が存在する、請求項48に記載の人工弁。
  55. 前記エラストマーが、パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレンコポリマー、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)−テトラフルオロエチレンコポリマー、シリコーン及びポリウレタンからなる群より選択される、請求項48に記載の人工弁。
  56. リーフレットを含む人工弁であって、前記リーフレットが、複合材料を含む少なくとも1つの層から形成され、前記複合材料が、少なくとも1つの延伸フッ素ポリマー膜とエラストマーとを含み、ここで前記少なくとも1つの延伸フッ素ポリマー膜は、蛇行繊維を有する退縮フッ素ポリマー膜であり、ここで前記延伸フッ素ポリマー膜は、複数の細孔を含み、前記エラストマーが細孔内に存在し、且つ、前記延伸フッ素ポリマー膜は、シワを生じないように維持された退縮状態にあり、ここで前記蛇行繊維は、一方向に曲がってから別の方向に曲がるように構成されると共に、圧縮方向と反対の方向に力が加わった時に実質的に直線状になるように構成され、ここで前記リーフレットが、開放配置と閉鎖配置との間で回転可能に構成されてなる、人工弁。
  57. 前記延伸フッ素ポリマー膜が、蛇行繊維の微細構造を含む、請求項56に記載の人工弁。
  58. 前記延伸フッ素ポリマー膜が複数の蛇行繊維を含む、請求項56に記載の人工弁。
  59. 前記フッ素ポリマーがポリテトラフルオロエチレンである、請求項56に記載の人工弁。
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