JP6599348B2 - 磁気自己組織化のためのシステム及び方法 - Google Patents

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Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、2014年2月26日付で出願された「不均質材料特性を含むコンストラクト及びそれを製造する方法」と題される米国仮特許出願番号第61/944,787号、及び2014年8月1日付で出願された「可変磁覚ゲルの誘導型磁性自己組織化(Guided and magnetic self−assembly of tunable magnetoceptive gels)」と題される米国仮特許出願番号第62/032,130号に基づき、それらの利益を主張し、それらを参照により本明細書に援用する。
[連邦政府資金による研究開発の記載]
本発明は、全米科学財団によって与えられたCAREER Award番号第1150733号、並びに国立衛生研究所によって与えられたR01EB015776−01A1、R15HL115556、及びR21HL112114のもと政府援助により行われた。米国政府は、本発明に関して一定の権利を有する。
本開示は、概して、ビルディングブロックの自己組織化(self−assembly)、より具体的には安定ラジカルを含む磁性ビルディングブロックの誘導型自己組織化に対するシステム及び方法に関する。
自己組織化は、様々な微細構造で作られた不均質な機能性システムの並列製造に対する有望で非侵襲的な戦略である。流体力、表面エネルギー、磁気力、重力、静電力、又は毛管力等の原理を利用するいくつかの自己組織化研究が複数の用途に対して提示されてきた。これらの自己組織化方法は、超並列であることが多いため、ロボットアッセンブリ等の決定論的な方法よりも安価で迅速である。しかしながら、組織化の精度及び収率は自己組織化の確率的な特性のため連続したピック・アンド・プレイス・アッセンブリ(serial pick−and−place assembly)ほど高くはない。上記アッセンブリの収率を上げるため、組織化領域内で過剰な数の構成要素が使用された。したがって、ほとんどの流動性自己組織化方法で微細構造の冗長な大量加工が必要とされ、高収率の決定論的な組織化及び高スループットの自己組織化の利益が合わさった効率的で安価な自己組織化方法の開発に対するいまだ対処されていない要求がある。
一般的に、磁気を使用する微細成分の操作戦略は汎用性が高く、非接触で安価である。これらの戦略の大半において、磁性のマイクロメートルスケール又はナノメートルスケールのビーズを使用する。商業上の磁気ビーズは、ポリマーシェルにカプセル化されたニッケル及びコバルト等の少量の他の元素と共に、主に酸化鉄で作られる。重金属中毒のリスクについて、臨床用途におけるかかる磁気ビーズの使用及び放出を証明しなければならない。
したがって、生物学的用途に対する重金属を含む可能性のない代替的なビーズの開発が必要とされている。
本発明は、磁気ビルディングブロックの自己組織化に対するシステム及び方法を提供することによって、上述の欠点を克服する。本開示のある一つの実施形態によれば、磁気ビルディングブロックの自己組織化方法は、液体培地に複数のビルディングブロックを分散させる工程であって、前記複数のビルディングブロックが各々複数の安定ラジカルを含む工程と、前記複数のビルディングブロックの少なくとも一部と相互作用する磁場を確立する工程と、複数のビルディングブロックの一部を前記液体培地における第1の位置から前記液体培地における第2の位置へと前記磁場により誘導する工程と、第2の位置と近接する前記複数のビルディングブロックの一部を第1のコンストラクト(construct)へと組織化する工程と、前記複数の安定ラジカルの少なくとも一部を中和するために前記第1のコンストラクトを少なくとも1つの抗酸化剤で処理する工程を含む。
ある一つの態様では、上記方法は、前記複数のビルディングブロックを前記複数の安定ラジカルを含む組成物中でインキュベートする工程を含む。
別の態様では、前記複数のビルディングブロックの一部を前記コンストラクトへと組織化する工程が、前記第1のコンストラクトを含む前記ビルディングブロックの各々を共に架橋する工程をさらに含む。例えば、ビルディングブロックの自己組織化に続いて、架橋性ポリマーを含む組成物をビルディングブロック上に被覆し、組織化されたコンストラクトを形成してもよい。その後、前記ポリマーを共に架橋することによって、ビルディンブロック間の架橋を形成し、組織化されたコンストラクトを安定化してもよい。
さらに別の態様では、前記複数のビルディングブロックは少なくとも1つの核酸、タンパク質、細胞及び組織を含む。核酸、タンパク質、細胞、又は組織は、ビルディングブロック上に被覆されてもよく、又はそれに組み込まれてもよい。
さらなる態様では、前記複数のビルディングブロックは、鉄、ニッケル、及びコバルトを本質的に含まない。ある一つの例では、前記複数のビルディングブロックが100万分の約100部(ppm)未満の鉄、ニッケル、及びコバルトを含む場合、その複数のビルディングブロックは鉄、ニッケル及びコバルトを本質的に含まないとしてもよい。別の例では、複数のビルディングブロックが約1ppm未満の鉄、ニッケル、及びコバルトを含む場合、その複数のビルディングブロックは鉄、ニッケル及びコバルトを本質的に含まないとしてもよい。さらに別の例では、複数のビルディングブロックが10億分の約1部(ppb)未満の鉄、ニッケル、及びコバルトを含む場合、その複数のビルディングブロックは鉄、ニッケル及びコバルトを本質的に含まないとしてもよい。
さらに別の態様では、前記複数のビルディングブロックの各々の密度は、前記複数のビルディングブロックが前記液体培地の表面に浮くように、前記液体培地の密度未満である。
ある一つの態様では、前記複数のビルディングブロックは、前記第1の画分と第2の画分の間の浮力に差があるように、少なくとも、第1の密度を有するビルディングブロックの第1の画分と、第1の密度とは異なる第2の密度を有するビルディングブロックの第2の画分とを含む。
別の態様では、上記方法は、前記第1のコンストラクトを第1の液相に浸漬する工程と、第1の液相の上部に第2の液相を形成する工程と、複数のビルディングブロックの少なくとも第2の部分を含む第2のコンストラクトを組織化する工程であって、前記第2のコンストラクトが前記第1のコンストラクトの相対的に上にある第2の液相中に組織化される工程と、前記第1の液相及び前記第2の液相の少なくとも1つを移動することによって、前記第1のコンストラクト上に前記第2のコンストラクトを積層して3次元構造を形成する工程をさらに含む。
さらに別の態様では、前記液体培地は前記複数のビルディングブロックに対する表面張力及び抵抗力を減少するための界面活性剤を含む。
さらなる態様では、複数の安定ラジカルを含む前記複数のビルディングブロックは常磁性である。
本開示の別の実施形態によれば、磁性ビルディングブロックの自己組織化に対するシステムは、液体培地と、液体培地を含有するための貯蔵器と、液体培地中に分散させるための複数のビルディングブロックであって、各々が複数の安定ラジカルを含む複数のビルディングブロックと、前記貯蔵器に対して確立された磁場であって、前記複数のビルディングブロックが前記液体培地中に分散されると、前記複数のビルディングブロックの少なくとも一部と相互作用する前記磁場であって、前記液体培地の第1の位置から前記液体培地の第2の位置へと前記複数のビルディングブロックの一部を誘導して前記第2の位置に近接する前記複数のビルディングブロックの一部を第1のコンストラクトへと組織化するように操作可能である前記磁場と、前記第1のコンストラクトを処理して少なくとも前記複数の安定ラジカルの一部を中和するための抗酸化剤を含む組成物、を備える。
ある一つの態様では、液体培地は前記複数のビルディングブロックに対する表面張力及び抵抗力を減少するための界面活性剤を含む。
別の態様では、前記複数のビルディングブロックは少なくとも1つの核酸、タンパク質、細胞、及び組織を含む。
さらに別の態様では、前記複数のビルディングブロックは本質的に鉄、ニッケル、及びコバルトを含まない。
さらなる態様では、前記複数のビルディングブロックが前記液体培地の表面に浮くように、前記複数のビルディングブロックの各々の密度は前記液体培地の密度未満である。
ある一つの態様では、前記複数のビルディングブロックは、前記第1の画分と前記第2の画分との間の浮力が異なるように、少なくとも、第1の密度を有するビルディングブロックの第1の画分及び前記第1の密度とは異なる第2の密度を有するビルディングブロックの第2の画分を含む。
別の態様では、前記システムは磁場を確立するための永久磁石をさらに含む。
さらに別の態様では、複数の安定ラジカルを含む前記複数のビルディングブロックは常磁性である。
さらなる態様では、前記システムは、前記第1のコンストラクトを含む前記複数のビルディングブロックの一部を架橋するための、少なくとも1つの紫外光源をさらに備える。
本開示のさらなる別の実施形態によれば、磁性ビルディングブロックの自己組織化方法は、複数の安定ラジカルを含む組成物中で複数のビルディングブロックをインキュベートする工程と、液体培地を含む貯蔵器に上記複数のビルディングブロックを分散させる工程と、永久磁石によって前記磁場を確立する工程であって、前記磁場が前記複数のビルディングブロックの少なくとも一部を包含する工程と、前記複数のビルディングブロックの一部を前記液体培地の第1の位置から前記液体培地の第2の位置へと前記磁場により誘導する工程と、前記第2の位置に近接する前記複数のビルディングブロックの一部を第1のコンストラクトへと組織化する工程と、前記第1のコンストラクトを含む前記複数のビルディングブロックの一部を架橋する工程、及び少なくとも1つの抗酸化剤で前記第1のコンストラクトを処理して前記複数の安定ラジカルの少なくとも一部を中和する工程、を含む。前記複数のビルディングブロックが前記液体培地の表面に浮くように、前記複数のビルディングブロックの各々の密度が前記液体培地の密度未満である。
本開示のさらなる実施形態によれば、ビルディングブロックの自己組織化方法は、常磁性液体培地中に複数のビルディングブロックを分散させる工程と、前記常磁性液体培地と相互作用する磁場を確立する工程と、前記複数のビルディングブロックの一部を前記液体培地の第1の位置から前記常磁性液体培地の第2の位置へと前記磁場により誘導する工程と、前記第2の位置に近接する前記複数のビルディングブロックの一部を第1のコンストラクトへと組織化する工程とを含む。
本発明の上記の態様及び他の態様、並びに利点は、以下の記載から明らかとなる。本明細書では、本発明の好ましい実施形態の説明として示される、本明細書の一部をなす添付の図面が参照される。しかしながら、かかる実施形態は、必ずしも本発明の全ての範囲を表すものではなく、したがって特許請求の範囲及び本明細書における本発明の範囲の解釈のため参照される。
UV光架橋による細胞カプセル化ヒドロゲルの微細加工に対するシステムの例の略図である。50μlのゲル前駆体溶液をガラススライド上にピペットで移した後、UV光(500mW、ゲルの上50mmの高さ)に20秒間暴露した。異なるパターンを有するいくつかの種類のフォトマスクを用いた。 円形(左上)、三角(右上)、ジグザグ形(左下)、及びL形(右下)のビルディングブロックを含む4つの実施例群のビルディングブロックの例の平面図を示す略図である。 ダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水(DPBS)中のOptiPrep(20〜30(v/v)%)及びTween−80(0.001(v/v)%)で構成される液体貯蔵器で永久NdFeB磁石を使用するヒドロゲルビルディングブロックの誘導型常磁性自己組織化に対するシステムの例の略図である。組織化に続いて、微量の前駆体溶液をアッセンブリに射出する。二次UV架橋を行って全体的な形状を安定化させる。ビタミンE処理を適用して、組織化されたヒドロゲルの磁気を切り、順にヒドロゲルにカプセル化される細胞の生存率を増す。 磁石と液体培地の表面との間の距離の関数としてのビルディングブロックの操作の略図である。 磁石と液体培地の表面の間の1mm、2mm及び3mmの速度距離(velocity distances)の棒グラフである。単一のPEGDMAゲルを磁石の中心から1.5cm離して置いた。一旦磁石が固定されると、磁石の中心に向かうゲルの運動が記録された。磁石とゲルの間の垂直距離が制御された(1mm、2mm、及び3mm)。ゲルの最初と最後の位置の間の距離を経過時間で除して平均速度を計算した。ゲルの磁化に200mg ml−1の4−アミノ−TEMPOが使用された。 種々のビタミンEインキュベーション時間に対するビルディングブロックの平均速度を示す棒グラフである。60分間のビタミンEインキュベーションに関し、6つのゲルのうち2つのみが動いた。 アンチヘルムホルツ配置(すなわち、同じ極が向き合う配置)の2つの永久NdFeB磁石を使用するラジカル溶液中のヒドロゲルの浮揚自己組織化に対するシステムの例の立体視の略図である。ラジカル溶液(χ培地)とゲル(χ対象物)の磁化率(magnetic susceptibility)の正の差がゲルの浮揚組織化を導く。 アンチヘルムホルツ配置(すなわち、同じ極が向き合う配置)の2つの永久NdFeB磁石を使用するラジカル溶液中のヒドロゲルの浮揚自己組織化に対するシステムの例の立体視の略図である。ラジカル溶液(χ培地)とゲル(χ対象物)の磁化率(magnetic susceptibility)の正の差がゲルの浮揚組織化を導く。 10時間〜15時間にわたって、PBS中、0mg ml−1、10mg ml−1、30mg ml−1、又は150mg ml−1の4−アミノ−TEMPOの安定ラジカルを含む溶液に浸漬した20%PEGDMAビルディングブロックに対する磁場強度の関数としての振幅を示す電子常磁性共鳴(EPR)スペクトルである。ビルディングブロックは、直径3mm及び高さ1.5mmを有する円筒であった。 図2Aで分析されたビルディングブロックの画像である。ビルディングブロックは、ラジカル濃度に依存する変色を示した。 10時間〜15時間にわたって、PBS中、0mg ml−1、10mg ml−1、30mg ml−1、又は150mg ml−1の4−アミノ−TEMPOの安定ラジカルを含む溶液に浸漬した50%PEGDMAビルディングブロックに対する磁場強度の関数としての振幅を示すEPRスペクトルである。ビルディングブロックは、直径3mm及び高さ1.5mmを有する円筒であった。 図2Cで分析されたビルディングブロックの画像である。ビルディングブロックは、ラジカル濃度に依存する変色を示した。 10時間〜15時間にわたって、PBS中、0mg ml−1、10mg ml−1、30mg ml−1、又は150mg ml−1の4−アミノ−TEMPOの安定ラジカルを含む溶液に浸漬した5%GelMAビルディングブロックに対する磁場強度の関数としての振幅を示すEPRスペクトルである。ビルディングブロックは、直径3mm及び高さ1.5mmを有する円筒であった。 図2Eで分析されたビルディングブロックの画像である。ビルディングブロックは、ラジカル濃度に依存する変色を示した。 PBS中、0mg ml−1、10mg ml−1、30mg ml−1、又は150mg ml−1の4−アミノ−TEMPOの安定ラジカルを含む安定ラジカル溶液に一晩浸漬した後の20%PEGDMA、50%PEGDMA、及び5%GelMAのビルディングブロックに対するラジカル濃度の関数としてのスピン密度の比較を示す棒グラフである。エラーバーは平均からの標準偏差を表す。 ビルディングブロック試料s1、s2、及びs3に対する磁場強度の関数としての振幅を示すEPRスペクトルである。試料s1は、安定ラジカル溶液に浸漬されたPEGDMAヒドロゲルビルディングブロックであった。試料s2は、安定ラジカル溶液に浸漬した後、PBS(ビタミンEを含まない)に移したPEGDMAヒドロゲルビルディングブロックであった。試料s3は、安定ラジカル溶液に浸漬した後、0.5mg ml−1のビタミンEを含む溶液に移した、PEGDMAヒドロゲルビルディングブロックであった。 試料s1、s2、及びs3に対するスピン密度を示す棒グラフである。台形則を使用して図2HのEPRスペクトルを統合することによってコンピューターでスピン密度を計算した。個々の群をつなぐ水平線は、統計学的な有意差(p<0.05)を表す。エラーバーは平均からの標準偏差を表す。 30分間に亘るPBS中に10mg ml−1、30mg ml−1、又は150mg ml−1の4−アミノ−TEMPOの安定ラジカルを含む溶液に浸漬したヒドロゲルビルディングブロックに対する安定ラジカル濃度の関数としての磁化時間のプロットである。 30分間、PBS中に10mg ml−1、30mg ml−1、又は150mg ml−1の4−アミノ−TEMPOの安定ラジカルを含む溶液に浸漬したヒドロゲルビルディングブロックに対する安定ラジカル濃度の関数としての15秒以内の磁場への初期暴露で磁気応答性(magnetically responsive)であったヒドロゲルビルディングブロックの画分(%)のプロットである。 30分間、PBS中に10mg ml−1、30mg ml−1、又は150mg ml−1の4−アミノ−TEMPOの安定ラジカルを含む溶液に浸漬したヒドロゲルビルディングブロックに対する安定ラジカル濃度の関数としての1分以内の磁場への初期暴露で磁気応答性であったヒドロゲルビルディングブロックの画分(%)のプロットである。 30分間、PBS中に4−アミノ−TEMPOの安定ラジカルを含む溶液に浸漬した20%PEGDMAヒドロゲルビルディングブロックに対する時間の関数としての磁場への初期暴露の後に磁気応答性であったヒドロゲルビルディングブロックの画分(%)のプロットである。 30分間、PBS中に4−アミノ−TEMPOの安定ラジカルを含む溶液に浸漬した50%PEGDMAヒドロゲルビルディングブロックに対する時間の関数としての磁場への初期暴露の後に磁気応答性であったヒドロゲルビルディングブロックの画分(%)のプロットである。 30分間、PBS中に4−アミノ−TEMPOの安定ラジカルを含む溶液に浸漬した5%GelMaヒドロゲルビルディングブロックに対する時間の関数としての磁場への初期暴露の後に磁気応答性であったヒドロゲルビルディングブロックの画分(%)のプロットである。 1日間の10mg ml−1の4−アミノ−TEMPOの安定ラジカルを含む溶液中の20%PEGDMAヒドロゲルビルディングブロックの浸漬後の経過時間の関数としての磁化時間のプロットである。 1日間の30mg ml−1の4−アミノ−TEMPOの安定ラジカルを含む溶液中の20%PEGDMAヒドロゲルビルディングブロックの浸漬後の経過時間の関数としての磁化時間のプロットである。 1日間の150mg ml−1の4−アミノ−TEMPOの安定ラジカルを含む溶液中の20%PEGDMAヒドロゲルビルディングブロックの浸漬後の経過時間の関数としての磁化時間のプロットである。 図3D、図3E、及び図3Fによるデータに対してフィットさせた指数曲線を示す経過時間に対する関数としての磁気応答性ゲル(magnetic responsive gels)の割合のプロットである。 本開示によるビルディングブロックから組織化されたコンストラクトの一連の画像である。パネルa及びbはPEGDMA及びGelMAヒドロゲルで構成される棒状のアッセンブリである。パネルcはPEGDMAのテトリス様のアッセンブリである。パネルdはGelMAの正方形のアッセンブリである。パネルeはPEGDMAの花様のアッセンブリである。パネルf〜hはPEGDMAヒドロゲルの六角形のアッセンブリである。パネルi〜kはPEGDMAヒドロゲルのより複雑なアッセンブリである。パネルl〜nはPEGDMAとGelMAの両方を含む不均質なアッセンブリである。パネルo〜qはショ糖浸出マクロ多孔性及びナノ多孔性のPEGDMAゲルを含む不均質多孔性アッセンブリである。パネルr〜tは質量密度に不均質性を有する(グラスバブルカプセル化軽PEGDMAゲル及びより重いPEGDMAゲル共に)アッセンブリである。 3つの連続する時点、t、t、及びtでのコンストラクトの自己組織化を示す一連の画像である。スケールバーは1mmを表す。 3層のマクロ多孔性(x形)及びナノ多孔性(o形)の50%PEGDMAゲルで構成される3D不均質ゲルの側面図である。 図4Cのゲルの上部平面図である。ゲルの断面は5mm×5mmである。 標準及びマクロ多孔性のゲルに関するヤング率、終局応力、及び終局歪を示す棒グラフである。エラーバーは平均の標準誤差を示す。 標準(実線)、マクロ多孔性(破線)及び複合体(点線)のヒドロゲルビルディングブロックに対する圧縮歪みの関数としての圧縮応力のプロットである。 PEGDMA20%(左)及びPEGDMA50%ゲル(右)の常磁性アッセンブリの画像である。 ビルディングブロックの自己組織化用の貯蔵器の別の実施形態の略図である。円形のウェルは、異なる群のビルディングブロックに対して開始位置を提供する。 30mg ml−1の4−アミノ−TEMPOに30分間浸漬した対照群(a control group)(安定ラジカルなし)及びラジカル群について、0日、3日、及び6日(上から下)で示されるGelMAヒドロゲルにカプセル化された3T3細胞の明視野(対照)及び蛍光画像を含む一連の画像である。 0日、1日、3日、5日、7日の細胞懸濁物の体積に対する添加された安定ラジカル懸濁物の体積の体積対体積の比(体積/体積)の関数としてのMTT(3−[4,5−ジメチルチアゾール−2−イル]−2,5ジフェニルテトラゾリウムブロミド)アッセイの結果を示す棒グラフである。ヒストグラムは、安定ラジカルの存在下での細胞の増殖を示した。陽性対照はラジカルを含まない細胞を表す。陰性対照は、MTT試薬のみである。全ての結果を陰性対照に関して正規化した。エラーバーは平均の標準誤差を表す。各群の棒グラフについて左から右へ、0日、1日、3日、5日、及び7日。 0日、3日、5日、及び7日後の細胞成長を示す棒グラフである。ヒドロゲルビルディングブロックを30mg ml−1の4−アミノ−TEMPOを含む安定ラジカル溶液に30分間浸漬した後、1%、5%、10%、又は50%のビタミンEを含む抗酸化剤溶液に暴露した。エラーバーは平均からの標準誤差を表す。各群の棒グラフについて左から右へ、1%ビタミンE、5%ビタミンE、10%ビタミンE、及び50%ビタミンE、陰性対照、陽性対照、及びラジカル対照。 図5Cに対応する細胞生存率の%変化を示す棒グラフである。各群の棒グラフについて左から右へ、1%ビタミンE、5%ビタミンE、10%ビタミンE、及び50%ビタミンE。 0日、1日、3日、5日及び7日後の細胞成長を示す棒グラフである。ヒドロゲルビルディングブロックを10mg ml−1、30mg ml−1、又は150mg ml−1の4−アミノ−TEMPOを含む安定ラジカル溶液に浸漬し、ビタミンE用液(100%(体積/体積))に暴露した。図の説明中、「10r」等の「r」による標識は、10mg ml−1を含む安定ラジカル溶液中に浸漬されたヒドロゲルに対応し、「rv」による標識は浸漬後にビタミンEに暴露されたゲルに対応する。結果は、高濃度のラジカル、例えば、150mg ml−1(及び30分間のインキュベーション)について、ビタミンEは細胞の回復をそれほど補助しないことを示した。エラーバーは平均からの標準誤差を表す。各群の棒グラフについて左から右へ、10r、10rv、30r、30rv、150r、150rv、陽性対照、陰性対照。 図5Eに対応する細胞生存率における%変化を示す棒グラフである。各群の棒グラフについて左から右へ、10mg ml−1、30mg ml−1、及び150mg ml−1の4−アミノ−TEMPO。 3T3カプセル化GelMAヒドロゲルビルディングブロックの正方形(左)、棒状形状(中央)、及びL形(右)のコンストラクトの一連の蛍光画像である。スケールバーは200μmを表す。明確にするため画像を反転した。 安定ラジカルを含まない対照試料に対する心筋細胞カプセル化GelMAヒドロゲルビルディングブロックの一連の蛍光画像である。細胞をマウス抗−α−アクチニン(サルコメアの)及び抗GATA−4で染色した。アクチン細胞骨格をファロイジンで可視化し、核対比染色としてDAPIを使用した。全ての画像を10日で示した。スケールバーは200μmを表す。明確にするため画像を反転した。 安定ラジカル及びビタミンE暴露ゲルの倍率40倍の試料に対する心筋細胞カプセル化GelMAヒドロゲルビルディングブロックの一連の蛍光画像である。細胞をマウス抗−α−アクチニン(サルコメアの)及び抗GATA−4で染色した。アクチン細胞骨格をファロイジンで可視化し、核対比染色としてDAPIを使用した。全ての画像を10日で示した。スケールバーは100μmを表す。明確にするため画像を反転した。 3T3カプセル化GelMAヒドロゲルビルディングブロックの免疫細胞化学染色を示す一連の蛍光画像である。ヒドロゲルを10mg ml−1の4−アミノ−TEMPO(左上、右上)又は30mg ml−1の4−アミノ−TEMPO(左下、右下)のいずれかを含む安定ラジカル溶液に浸漬した後、ビタミンEを含む溶液に浸漬した。GelMAヒドロゲル中の細胞をKi67核増殖特異的マーカーで染色した。ファロイジン Alexa Flour 647及びDAPIは、それぞれ細胞の細胞骨格及び核を示す。左上及び左下の画像は、ファロイジン及びKi67により、右上及び右下の画像はDAPI及びKi67による。スケールバーは100μmである。 10mg ml−1、30mg ml−1、90mg ml−1、及び150mg ml−1の4−アミノ−TEMPOを含む種々の濃度の安定ラジカル溶液とインキュベートした3T3細胞の生存率、並びに1%、2%、5%、10%、及び50%を含む細胞懸濁物の体積に対するラジカル溶液の体積対体積比の範囲について示す棒グラフである。種々の濃度の安定ラジカルとのインキュベーションの直後に3T3細胞の生存率を分析するため、MTTアッセイを行った。 アンチヘルムホルツ配置の2つの磁石によって作り出された磁場ノルム(輪郭)及び流速密度(矢印)のシミュレーションに対するヒートマップである。 図6Bは、アンチヘルムホルツ配置の永久NdFeB磁石(同じ極が向かい合う)で構成される磁石セットアップに入れる前のラジカル溶液貯蔵器における1×1cmの20%PEGDMAヒドロゲルの画像である。図6Cは、アンチヘルムホルツ配置(同じ極が向かい合う)の永久NdFeB磁石で構成される磁石セットアップに入れた後の図6Bのヒドロゲルの画像である。 図6Dは、図6Cの磁石セットアップに入れる前のガドリニウム(Gd)溶液中の非ラジカル化(左)及びラジカル化(右)された1×1cmのヒドロゲルの画像である。図6Eは、図6Cの磁石セットアップに入れた後の図6Dのヒドロゲルの画像である。 図6Fは、図6Cの磁石セットアップに入れる前のGd溶液中の非ラジカル化及びラジカル化された1×1mmのヒドロゲルの画像である。図6Gは、図6Cの磁石セットアップに入れた後の図6Fのヒドロゲルの画像である。 Gd及びラジカル溶液における500μmのポリスチレンビーズの浮揚誘導型自己組織化に対する時間の関数としての組織化領域を示すプロットである。エラーバーは、平均からの標準偏差を表す。 図6Iは、ラジカル溶液中での組織化の前に撮影された図6Hのシステムの画像である。図6Jは、ラジカル溶液中での組織化後に撮影した図6Hのシステムの画像である。 本開示による浮揚(levitation)に対するシステムの例の概要である。 ビーズと懸濁液の間の密度差(pビーズ−p)の範囲に対するアンチヘルムホルツ配置の2つの磁石間の距離の関数としての分析的平衡の高さのプロットである。矢印の方向で密度差が増加する。懸濁液は、0.141M Gdであり、2つの磁石間のギャップ=26mm、底部磁石の上面中心における磁場大きさ=0.375Tである。 浮揚自己組織化の高さに対するアンチヘルムホルツ配置の2つの磁石の間の距離の効果を示す棒グラフである。磁石は、チャンバー底面及び上面と接触した。1.5cm、2.6cm及び3.6cmを含む距離の範囲について実験を行った。組織化されたビルディングブロックの最も高い点と最も低い点を平均することによって浮揚高さを計算した。 時間の関数として組織化されたビーズ(ビルディングブロック)の数を示すプロットである。全ての実験で45個のビーズを貯蔵器に入れた。
また、上で議論されたように、様々な状況において、様々な構成成分の自己組織化に対するシステム及び方法を提供することが有用な可能性がある。ある一つの態様では、自己組織化のプロセスは、長さスケールの範囲にわたって、単純な機能性パターンと複雑な機能性パターンの両方を生み出す場合がある。例えば、マイクロスケールパターンを生み出す自己組織化プロセスは、本質的に共通している。これらのプロセスは、オプトエレクトロニクス、微細加工、センサー、組織工学、コンピュテーション等の多様な分野における使用について、実験室で再現されてきた。しかしながら、多くの自己組織化プロセスは、生体系と適合性でない可能性のある構成成分を含む。ある一つの例では、磁気操作及び組織化に対するビーズ又は他の材料は、1又は複数の重金属を含む場合がある。これらの重金属は、生体組織又は生物と非適合性であると知られている場合がある。代替的には(又は追加的には)、生態系に対する重金属の影響は未知又は予測不可能な可能性があり、それに関して大規模な臨床試験が関与し、重金属材料を含むシステム及び方法の実施を遅延又は阻止する場合がある。さらなる要因として生じ得る様々な他の挑戦が考慮される。
磁性自己組織化のための開示されるシステム及び方法の使用は、これら及び他の問題に対処し得る。ある一つの実施形態では、安定ラジカルを使用して、磁性可変ゲル又は他の磁覚材料の自己組織化を誘導してもよい。本明細書では、「磁覚(magnetoceptive)」の用語は、形状及び組成によって不均質で複雑な構造へとプログラムされ得る任意の磁気応答性材料又は成分を指す。磁覚材料として、約100マイクロメートル(μm)〜約1ミリメートル(mm)のオーダーの寸法を有する構造が挙げられる。しかしながら、ある実施形態では、磁覚材料として、約1μm〜約1cmのオーダーの寸法を有する構造が挙げられる。
本開示によるシステム及び方法は、単純、複雑、均質、及び不均質の構造の組織化に対する駆動機構としてのフリーラジカルの常磁性を利用してもよい。ある一つの態様では、上記構造は、永久磁石、電磁石、一時磁石、又はそれらの組み合わせによって作られる磁場の存在下で組織化され得る。ある実施形態では、最終構造の全体的な磁気的痕跡(magnetic signature)は、ビタミンE等の抗酸化剤への暴露によって後に減少されるか、又は排除され得る。本開示の実施形態は、材料特性における不均質性(例えば、多孔性、弾性率、及び質量密度)、ボトムアップ組織工学、微小構成成分の浮揚組織化及び選択的組織化等と共にソフトシステムの製造を容易にし得る。
生体内(in vivo)において、機能単位中の細胞は、細胞外マトリクス及び所定の空間的分布を伴う隣接細胞を含む三次元(3D)微小環境に包埋され得る。組織の機能性は、これらの構成成分から起因し、それらの相対的な空間配置によって影響を受ける場合がある。天然の組織及び3D培養条件の細胞と比較すると、二次元(2D)単層で培養された細胞は、遺伝子発現プロファイルに著しい相違を呈する場合がある。そのため、2Dシステムは、複雑な3D組織環境を有効に表さない可能性がある。したがって、本開示は、細胞培養のための3D構造の磁性自己組織化に対するシステム及び方法を提供し得る。ある一つの実施形態では、安定ラジカルを含む磁気的に調節可能なマイクロコンポーネント(magnetically tunable microcomponents)は、外部磁場の補助により自己組織化され得る。安定ラジカルの磁気感受性は、抗酸化剤であるビタミンEへの暴露によりクエンチ(quenched)(すなわち、減少又は排除)され得る。上記アプローチを使用して、3Dにおいて、多孔性、弾性率、及び質量密度等の特有の不均質な材料特性を有する複雑なコンストラクトの自己組織化を誘導してもよい。
ある実施形態では、本開示は、少なくとも約2週間の期間にわたって磁場に応答する(磁気的に活性)ヒドロゲル及び他の磁覚材料を提供する。材料の磁覚特性は、磁化が必要でなくなった場合、抗酸化剤処理の使用によって制御され得る。得られた材料又は組織化された構造物は、磁性ナノ粒子(MNP)が臨床用途のため物理的な放出機構(例えば、生体の腎臓による)によって排除される必要がある他のシステムと比較して、磁性粒子を含まない場合がある。さらに、磁気的に活性な安定ラジカルを使用して、磁覚材料を選択的に浮揚させ、マイクロスケールの対象物の3D自己組織化を誘導するため、微小環境の磁気的痕跡を変更してもよい。
磁覚材料の製造の基礎となり、これらの構成成分を様々な構造物への自己組織化を誘導する原理は、図面を参照することにより、またTasoglu,S.et al.,Nat.Commun.5:4702(2014)を参照することによってさらに理解され得る。
ここで、図1A〜図1Dに説明される第1の実施形態によれば、様々な構造への組織化のためのビルディングブロックの作製に対するシステム100は、組成物104を支持するためのステージ102を備えてもよい。組成物104は、メタクリル化ゼラチン(GelMA)、ポリエチレングリコールジメタクリレート(PEGDMA)等の1又は複数の架橋性ポリマーを含む液体溶液として最初に提供され得る。ポリマーの架橋は、光又は熱の適用、1又は複数の化学物質の添加等によって行われてもよい。さらに、組成物104は、細胞、磁性粒子、成長因子、培地成分等、又はそれらの組み合わせ等の1又は複数の追加の成分106を含んでもよい。紫外(UV)光源108、約100μm〜約100mmのオーダーの寸法を有する複数のマイクロゲル又はビルディングブロック112を提供するための1又は複数のパターン化されたマスク110を使用して組成物104の少なくとも一部を架橋するため、システム100を使用してもよい(図1B)。ビルディングブロック112は、マスク110の設計を変化させることによって多様な形状及びサイズで提供され得ることが理解される。達成され得るビルディングブロック112のプロファイルの例として、円形114、三角形116、スキューテトロミノ118、及びL−テトロミノ120が挙げられる。一般的に、図1Bに説明されるビルディングブロック112は、円筒形ビルディングブロック112に対応する円形114を有する三次元プリズム、三角形プリズム形のビルディングブロック112に対応する三角形116等であってもよい。
ある一つの態様では、ビルディングブロック112は、ビルディングブロック112を1又は複数の安定ラジカルを含む溶液に潜水、浸漬、又はインキュベートすることによって常磁性化又はラジカル化を経てもよい。ある一群の安定ラジカルの例として、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシ(4−アミノ−TEMPO)及びその誘導体が挙げられる。他の一群の安定ラジカルの例として、2−(3−カルボキシプロピル)−4,4−ジメチル−2−トリデシル−3−オキサゾリジニロキシ(5−ドキシル−ステアリン酸)等のドキシルラジカル、2,2−ジフェニル−1−ピクリルヒドラジル等のピクリルヒドラジルラジカルが挙げられる。その後、ビルディングブロック112は、磁石122(図1C)のガイドにより自己組織化されてもよい。磁石のある一つの例は、永久ネオジム(NdFeB)磁石である。しかしながら、他の種類の磁石を使用してビルディングブロック112を誘導してもよい。
図1Cを参照すると、ある実施形態では、構造物中のビルディングブロック112又はコンストラクト(construct)124への自己組織化は、貯蔵器126において行われてもよい。貯蔵器126は、水溶液又は他の液体培地128によって満たされてもよい。液体培地128の一例として、密度調整剤及び界面活性物質又は界面活性剤が挙げられる。密度調整剤の一例として、ノルウェー国オスローのAXIS−SHIELD製のOptiPrepTM密度勾配培地(density gradient medium)等のイオジキサノール溶液が挙げられる。他の好適な密度調整剤として、溶液128の密度を増加して、ビルディングブロック112を貯蔵器126において溶液128の表面に浮かせる任意の材料又は組成物が挙げられる。例えば、液体培地128中に複数のビルディングブロック112を分散させる際に、複数のビルディングブロック112の各々が液体培地128の表面上又は表面で浮いてもよい。ある一つの態様では、該表面は、液体培地の空気、別の気体組成物、又は鉱物油等の別の液体組成物との界面であってもよい。別の態様では、ビルディングブロック112は、液体培地128の表面下に部分的又は完全に潜水されてもよい。
界面活性物質の例として、ポリソルベート80等の非イオン界面活性剤が挙げられる。他の好適な界面活性物質として、溶液128の表面張力又は溶液128におけるビルディングブロック112に対する抵抗力を減少する任意のアニオン性、カチオン性、非イオン性及び双性イオン性の材料又は組成物が挙げられる。ある一つの態様では、界面活性物質を含む溶液128は、溶液128におけるビルディングブロック112のより速い動作を可能とし得る。ある一つの態様では、磁石122とビルディングブロック112の間の距離が減少すると、ビルディングブロック112の平均速度が増加し得る(図1D及び図1E)。
図1Cに説明される例では、コンストラクト124は、一群のビルディングブロック112a、一群のビルディングブロック112b、一群のビルディングブロック112c、一群のビルディングブロック112d、及び一群のビルディングブロック112eを含むビルディングブロック112の組み合わせの各々1つを含む。コンストラクト124の全体的な形状を安定化するため、磁石122を使用してビルディングブロック112の誘導された自己組織化の後、二次架橋を行ってもよい。ある一つの態様では、組織化の後、コンストラクト124の磁化を「切る」(すなわち、消磁)すること、組織工学用途のための細胞増殖に対するフリーラジカルの可能性のある影響を最小化すること、又はそれらの組み合わせに有用な場合がある。したがって、組織化されたコンストラクトを二次架橋の後に抗酸化剤溶液に浸漬してもよい(図1C及び図1F)。
抗酸化剤は、不対状態を排除するため電子を受け取る又は供給することによってフリーラジカルを中和してもよい。一般的に、抗酸化剤はフリーラジカルを非フリーラジカル分子へと中和するプロセスにおいてフリーラジカルになる。フリーラジカル形態の抗酸化剤は、通常、中和されたフリーラジカルよりも反応性が乏しい。抗酸化剤分子は、不対電子の電荷を分配できるように非常に大きいか、別の抗酸化剤によって容易に中和されるか、フリーラジカル状態を終了する別の機構を有するか、又はそれらの組み合わせであってもよい。
フリーラジカルは、ミリボルト(mV)の一電子還元電位によって列挙されてもよい。各ラジカルの還元形態は、より高い電位を有するフリーラジカルを中和(還元)することができる。ヒドロキシルラジカル(OH)は、約2300mVの最も高い電位の一つを有し、最も破壊性(還元性)が高い場合がある。抗酸化剤の一例として、約480mVのラジカル反応電位を有する(+)−α−酢酸トコフェロール(すなわち、ビタミンE)が挙げられる。他の抗酸化剤の例として、それぞれ約282mV及び約920mVの反応電位を有する、ビタミンC(アスコルビン酸塩)及びグルタチオンが挙げられる。ある一つの態様では、細胞膜における脂質過酸化の連鎖反応の終了に効果的な抗酸化剤であることから、ビタミンEを使用することが有用な場合がある。他の実施形態では、種々の抗酸化剤が所与の反応性酸素種又は反応性窒素種を中和するのにより効果的な場合があるため、ビタミンE、ビタミンC、グルタチオン、ガンマ−トコフェロール、メラトニン、リコピン等の組み合わせ等の複数の抗酸化剤を使用して、抗酸化剤処理の有効性を高めてもよい。
ある一つの態様では、ビルディングブロック112が組織化されると、得られたコンストラクト124は毛管力、ヒドロゲルビルディングブロック等の場合であればビルディングブロック112の付着により組織化されたままである場合がある。さらに、組織化の後、二次架橋を行って、コンストラクト124の幾何学を安定化してもよい。二次架橋及び組織化ゲルの安定化の後、抗酸化剤処理を行ってもよい。したがって、抗酸化剤処理は、組織化されたコンストラクト124の幾何学に影響を与えなくてもよい。
別の例では、安定ラジカルを利用して、懸濁液の磁化率を改変し、ビーズ、ヒドロゲル、又は他の同様のビルディングブロックの浮揚自己組織化(levitational self−assembly)を誘導してもよい。図1G及び図1Hを参照すると、浮揚自己組織化に対するシステム140は、培地144で満たされた容器142を備えてもよい。複数のビルディングブロック146を容器142に添加してもよい。ある一つの態様では、培地144、ビルディングブロック146、又はそれらの組み合わせは、1又は複数の磁気応答性成分(magnetically responsive components)を含んでもよい。例えば、1又は複数の安定ラジカル、ガドリニウムイオン(Gd3+)、マンガンイオン(Mn2+)等、又はそれらの組み合わせを含む培地144を提供することが有用な場合がある。培地144が磁気応答性成分を含む場合、未処理の又は実質的に安定ラジカル若しくは他の磁気応答性材料を含まないビルディングブロック146を提供することが有用な場合がある。
図1Gによれば、ビルディングブロック146は、培地144よりも大きな密度を有してもよく、そのため最初は容器142の底で静止してもよい。システム140は、アンチヘルムホルツ配置に配置された一対の磁石148をさらに備えてもよい。磁石の適用又は活性化により、ビルディングブロック146が制御された方式で浮くことにより、結果的にビルディングブロック146のコンストラクト150への自己組織化をもたらす。
ヒドロゲルの磁化を特性評価するため、電子スピン共鳴(EPR)測定を行ってもよい。図2A〜図2Iに関して、20%(重量/体積)PEGDMAヒドロゲルを含む円筒形ビルディングブロックを作製した。その後、ビルディングブロックをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)溶液、又は10mg ml−1、30mg ml−1、又は150mg ml−1のいずれかの安定ラジカル溶液を含む安定ラジカル溶液のいずれかにおいてインキュベート(浸漬)した。ある一つの態様では、EPR強度又はスピン密度は、ヒドロゲルビルディングブロック中のラジカル吸収量の指標を提供し得る。図2A及び図2Bを参照すると、安定ラジカル溶液の濃度が増加するにつれて、EPR強度又はスピン密度も同様に増加した。ヒドロゲルの常磁性化の多様性を示すため、50%PEGDMA及び5%GelMAに対してEPR測定を行った(図2C〜図2F)。検査した試料の結果は、50%PEGDMAゲルが最も大きなスピン密度を有し、最も高いラジカル吸収量を示した。図2B、図2D、及び図2Fに示されるように、浸漬したヒドロゲルは、安定ラジカルの濃度に対応する顕著な変色を示した。さらに、全てのビルディングブロックのEPRスペクトルは、ラジカル濃度が増加するにつれてスピン密度の増加を示した。
ある一つの態様では、ラジカル溶液の濃度が10mg−mL−1から150mg−mL−1へと増加するにつれて移行が観察され得る。EPRスペクトルは、10mg−mL−1において3つのシングレットピークを示し、ラジカル濃度が増加すると、シングレットピークは30mg ml−1で左右のシングレットピークの間で融合し始め、150mg−mL−1で対称性のシングレットピークへと形成される。4−アミノ−TEMPOの濃度が高いと、単位体積当たりのスピン数は増加され、スピンはPEGDMAゲル中に局在化される。さらに、観察されるスペクトルは広がり、これはスピンプローブ(すなわち、4−アミノ−TEMPO)の高局所濃度の指標の可能性があるパターンである。異なる環境(例えば、異なるポリマー種及び分子量を有する操作されたヒドロゲル)又は異なるラジカル濃度では、スピンプローブのアラインメント特性はスピンプローブの局在により異なる場合がある。例えば、スピンラベルされたシクロデキストリンを、ポリエチレングリコール(PEG)及びシクロデキストリン(b−CD)を含むヒドロゲルビルディングブロックの架橋点に組み込んだ。スピン標識ヒドロゲルビルディングブロックのEPRスペクトルを、b−CD、PEG鎖の長さ、ゲル構造に捕捉された溶媒の性質、及び温度に対するPEGの比の関数として調査した。ここで、20%PEGDMA、50%PEGDMA、及び5%GelMAのヒドロゲルビルディングブロックについて、シングレットのパターン変化に関わらず、EPRスペクトル下の面積の増加が示され、捕捉されたラジカル量の増加及びヒドロゲルの磁気応答性の増加を示した。
図2Gを参照すると、安定ラジカルを含む溶液に一晩浸漬した後のスピン密度の比較は、50%PEGDMAが最も高いスピン密度を示したことを明らかにした。常磁性を切るため、ヒドロゲルビルディングブロックを、ビタミンEを含む抗酸化剤溶液で処理した。図2Hに示されるように、抗酸化剤溶液で処理した試料のスピン密度は、元の試料と比較して著しく減少し(図2I)、フリーラジカルの量が抗酸化剤であるビタミンEへの暴露によって著しく減少又は中和されることを示している。
異なるポリマーで作製されたビルディングブロックに対するアプローチの汎用性を示すため、PEGDMA及びGelMAで構成されるラジカル化ビルディング単位の磁気応答性を評価した。ある一つの態様では、ヒドロゲルを濃度範囲にわたって安定ラジカルを含む溶液中でインキュベート又は浸漬することが有用な場合がある。図3A〜図3Iに示すように、ヒドロゲルビルディングブロックを10mg ml−1、30mg ml−1、又は150mg ml−1の4−アミノ−TEMPOの溶液中でインキュベートした。製造及びインキュベーションに続いて、ラジカル化されたヒドロゲルビルディングブロックをNdFeB永久磁石の側に置いた。図3Aに示すように、磁化時間の測定(すなわち、磁場に応答してヒドロゲルビルディングブロックが移動するのを観察するまでの経過時間)を行った。15秒及び1分の期間、磁場に暴露した後、磁気応答性ヒドロゲルを計数した(図3B及び図3C)。結果は、90%超のビルディングブロックが1分以内に磁気応答性になったことを示した。さらに、ヒドロゲルビルディングブロックの磁場応答性の寿命を判定した。0時間、2時間、5時間、8時間、及び24時間を含むインキュベーション時間の範囲について、磁気応答性ヒドロゲルビルディングブロックの割合を計算した(図3D〜図3F)。結果は、5%のGelMAビルディングブロックは、20%又は50%のPEGDMAビルディングブロックのいずれかと比較してより長い時間磁気応答性を維持することを示す(図3J)。図3G〜図3Iに示すように、安定ラジカル溶液中のヒドロゲルビルディングブロックの浸漬時間を1又は複数の日まで増加した。磁化時間及び対応する偏差は、安定ラジカル溶液の濃度が増加するにつれて減少し、ビルディングブロックが浸漬時間、ラジカル溶液の濃度、又はそれらの組み合わせの増加によって磁場に対してより応答性になった可能性があることを示した。
常磁性の特性評価及び定量に続いて、ヒドロゲルを磁場の誘導によって液体培地と空気の界面で不均質なパターンへと自己組織化する。ここで、図4Aを参照すると、様々なコンストラクトがPEGDMA及びGelMAのヒドロゲルで構成されるビルディングブロックから作製され得る。ある一つの態様では、ビルディングブロックのポリマー濃度の変化は、懸濁する液体培地と個々のビルディングブロックの間の接触角を変化させ、それにより組織化されたコンストラクトの構成におけるビルディングブロック間にメニスカスを形成する場合がある。これは、同様に、液体表面の曲率及び毛管力の勾配に影響を及ぼす可能性がある(図4G)。ある一つの態様では、ビルディングブロックを組成物によってプログラム化して、異なるポリマーから製造されたビルディングブロックで構成される不均質なコンストラクトを提供してもよい(図4Aのパネルi〜n)。別の実施形態では、マクロ多孔性ヒドロゲルビルディングブロックをショ糖浸出(Park,et al.,Biotechnol.Bioeng.106,138−148,(2010))によって作製し、ナノ多孔性ヒドロゲルと共に複雑な形状へと組織化してもよい(パネルo〜q)。さらに別の態様では、ガラスバブル(密度=0.46g cm−3)をビルディングブロックにカプセル化して、通常のガラスバブルを含まないビルディングブロックよりも低い密度のゲルを製造してもよい。パネルr〜tに示されるように、様々な質量密度を有する不均質なアッセンブリ(ガラスバブルカプセル化軽PEGDMAゲル及びより重いPEGDMAゲルを共に)もまた作製され得る。
多様なマイクロスケールのビルディングブロックの組織化の操作及び誘導に関する本開示の動的な方向の制御可能性を実証するため、テトロミノビルディングブロックから組織化されたnコンストラクトを図1Cの貯蔵器126に類似する貯蔵器を使用して作製した。ジグザグ、棒状、正方形、T−ポリオミノを含む様々な形状のビルディングブロックは、図4Hに示される貯蔵器内の様々な開始場所又はウェル(wells)に分散され、図4Bに示されるように組織化を経時的にモニターした。
最終的な形状の制御は、浸漬溶液に含まれる安定ラジカルの量に依存し得る。理論的には、過剰量の安定ラジカルは、ビルディングブロックの磁化率を増幅することにより、各ビルディングブロックと永久磁石間の距離に関わらず、磁場の存在下でより大きな反応を提供し得る。これは、個々のビルディングブロックの動きに対する制御の減少(多数のブロックが同時に高磁場強度へと移動する)をもたらす場合がある。このアプローチは、(誘導されていない)自己組織化に有用な可能性がある。一方、安定ラジカルの限定された使用は、個々のビルディングブロックの制御を可能とする場合がある。さらに、抗酸化剤による処理に先立って、フリーラジカルが細胞又は他の生体材料に対して有し得るいかなる可能性のある悪影響も減少するため、フリーラジカルの濃度を減少することが有用な場合がある。別の態様では、組織化されたコンストラクトの最終の全体形状を安定化するため、貯蔵器の液体を排出した後、二次架橋を行って各ビルディングブロックを互いにコンストラクトへと付着させることが有用な場合がある。
複数の複雑な破損モードを有する3D軟材料(3D soft materials)は、衝撃の間の軟組織代用物の動的応答を調べるためといった組織工学における、又は異なるヤング率を有する構成成分の駆動又は伝達をもたらすためのソフトロボティックにおけるいくつかの用途を有する場合がある。ある実施形態では、本開示は、3D構造物の製造を可能とし得る。例えば、ビルディングブロックは、最初に2Dコンストラクトへと組織化されてもよい。次に、液体培地を排出するか、あるいはコンストラクトを残して貯蔵器から回収してもよい。その後、二次架橋工程を行ってコンストラクトを安定化してもよい。さらに、ビタミンE又は別の抗酸化剤を使用してコンストラクトを処理し、少なくとも一部、上記コンストラクトに存在する安定ラジカルを中和してもよい。次の工程では、胚で検査した鉱物油及び新しい液体培地を、上記コンストラクトを含む貯蔵器に順次添加してもよい。この工程は、新しい液体培地が第1の液相の上部に第2の液相を形成しながら、貯蔵器の底部の第1の液相(すなわち、鉱物油)中にコンストラクトを浸漬したままにすることを可能とし得る。次に、別のセットのビルディングブロックを第2のコンストラクトに自己組織化することは、第1(先)のコンストラクトが組織化された位置で又はそのあたりで行われてもよい。すなわち、第2のコンストラクトは、第1のコンストラクトの相対的に上の第2の液相中で組織化されてもよい。その後、両方の液相を貯蔵器から排出して第1のコンストラクトの上に第2のコンストラクトを積層してもよい。このプロセスを1回又は複数回繰り返して、図4C及び図4Dのような3層以上の積層構造を提供してもよい。
ある一つの態様では、機械圧縮試験を行って、20%PEGDMAゲル(通常)、ショ糖浸出マクロ多孔性(sucrose−leached macroporous)20%PEGDMAゲル及び複合ゲルのヤング率を判定してもよい(図4E)。圧縮応力対圧縮歪曲線図(図4F)は、複合ビルディングブロックは2つの明確な破損を示す場合があることを示し、これは、特に通常ゲル及びマクロ多孔性ゲルの終局歪と一致する。
Figure 0006599348
さらに、破損歪における終局応力(τ)比、すなわち、上記数1に示す式は、図4Fに示される複合ビルディングブロックにおける通常ゲル及びマクロ多孔性ゲルの断面積の比のオーダーであり、これは、4つのカラム(通常の円筒形ゲル)が複合ゲル内で最初に破損した可能性があり、その後、残りのマクロ多孔性構造物が二次破損まで複合ゲルの完全性を保持することを示す。
細胞カプセル化ヒドロゲルの組織化及びコード化は、再生医学、細胞に基づく薬学研究及び組織工学を含むいくつかの分野で幅広い用途を有する場合がある。本開示の実施形態は、複雑な組織の微小環境に対する高レベルの制御を提供し得る。この目的のため、細胞生存率及び増殖に対する安定ラジカルの効果を評価した。図5Aを参照すると、GelMAヒドロゲルにカプセル化された3T3細胞の明視野及び蛍光画像を対照群(安定ラジカルなし)、及び30mg ml−1の4−アミノ−TEMPOの溶液に30分間浸漬した安定ラジカル群について0日、3日、及び6日に画像化した。結果は、安定ラジカル含有群を含む全てのヒドロゲル群で3T3細胞が増殖したことを示した(図5J)。さらに、MTT(3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド)分析を行って、ラジカル及びビタミンEの存在下での細胞の増殖を調べた(図5B〜図5F)。0日、1日、3日、5日及び7日の細胞懸濁液の体積に対する添加したラジカル懸濁液の体積の体積対体積比(体積/体積)の関数として細胞成長をプロットし、安定ラジカルの存在下での細胞の増殖を示した(図5B及び図5K)。
安定ラジカル(30mg ml−1の4−アミノ−TEMPOで30分間)によるヒドロゲルビルディングブロックの常磁性化(浸漬)の後、細胞懸濁液の体積に対するビタミンE溶液の体積の比の範囲に亘るビタミンE溶液へのビルディングブロックの暴露は、50%(体積/体積)超のビタミンE溶液について細胞増殖の増加をもたらした(図5C及び図5D)。別の態様では、細胞生存率及び増殖に対する安定ラジカル効果を、ビタミンE溶液を100%(体積/体積)で一定に保ったまま、10mg ml−1、30mg ml−1、及び150mg ml−1の4−アミノ−TEMPOを含む安定ラジカル濃度の範囲について細胞生存率を評価することによって測定した。結果は、より大きな濃度の安定ラジカルに対しては、ビタミンEは細胞の回復を有意に補助し得ないことを示した。
ラジカル充填ヒドロゲルビルディングブロックのより速い駆動は、より高濃度のラジカルを必要とする場合があり、同様に、ビタミンEによってクエンチ又は中和することがより困難な場合がある。細胞成長及び機能性は、高濃度のラジカル(150mg ml−1の4−アミノ−TEMPO)をヒドロゲルの磁化に利用する場合に顕著に減少される場合がある。ある一つの態様では、正方形、棒状、及びL形のコンストラクトへの組織化の後の3T3細胞の生存率を図5Gに示す。さらに、初代の心筋細胞を単離し、図5H及び図5Iに示されるGelMaヒドロゲルビルディングブロックにカプセル化した。結果は、心筋細胞は、10日におけるラジカル暴露及びビタミンE回復の後、表現型特性(phenotypic properties)及び機能性を保ち得ることを示す。
別の態様では、本開示は、安定ラジカルを使用するビルディングブロックの浮揚誘導型(levitational and guided)自己組織化に対するシステム及び方法を提供し得る。ガドリニウム(Gd3+)及びマンガン(Mn+2)のイオン塩の水溶液をビーズ及び粒子の浮揚に使用することができる。ある一つの態様では、軟質及び硬質の対象物の浮揚誘導型自己組織化におけるラジカルの使用を調べた。ビルディングブロックを浮揚させるため、アンチヘルムホルツ配置(同様の極が向かい合う)の2つの永久NdFeB磁石を備える磁気セットアップを製造した。磁気セットアップによって作り出される磁場ノルム(輪郭)及び束密度(矢印)の模擬実験(図6A)が、磁場は対照軸の中心で最小に達し得ることを示す(図6K及び図6L)。
適用される磁場Bの下、常磁性溶液に懸濁された比較的反磁性のヒドロゲルビルディングブロックに対して、等式(1)は、磁力Fを与え、等式(2)はヒドロゲルビルディングブロックに作用する重量Fの力を与える。
Figure 0006599348
これらの等式では、Xは常磁性培地の無次元化磁化率(the non−dimensional magnetic susceptibility)であり、Xgelは懸濁されたヒドロゲルビルディングブロックの無次元化磁化率であり、μ=4π×10−7=4(N・A−2)は自由空間の透磁率であり、V(m)はヒドロゲルビルディングブロックの体積であり、Pgel(kg・m−3)はヒドロゲルビルディングブロックの密度であり、P(kg・m−3)は常磁性液体培地の密度であり、gは重力のベクターである。ヒドロゲルビルディングブロックはその体積を通して均一な密度分布及び磁化率を有すると仮定される。重力F(浮力の効果について較正される)は、常に、地球の中心に向くか、それから離れ、この力の大きさは常磁性培地及びヒドロゲルビルディングブロックの密度が浮揚実験の持続時間にわたって一定のままである限り、貯蔵器内でのヒドロゲルビルディングブロックの位置に依存しない。相対的に反磁性のヒドロゲルビルディングブロックに作用する磁力、Fは最小の磁場Bに向き、この力の大きさは磁場におけるヒドロゲルビルディングブロックの位置に依存する。一次的な場合(すなわち、ヒドロゲルビルディングブロックが磁力と重力とが釣り合う平衡点に達する前)では、慣性力(すなわち、等式(3)の左の項)、及びヒドロゲルビルディングブロックの移動速度と相関する抵抗力Fの等式5は、等式3に記載されるように有効となる。平衡では、抵抗力及び慣性力は消滅し、ヒドロゲルビルディングブロックに作用する磁力及び重力は互いに釣り合う(等式4)。
Figure 0006599348
3Dにおけるアンチヘルムホルツ配置の2つの同一の長方形の永久磁石間の磁場を説明する正確な解析方程式は、かなり複雑である。z軸が重力g=(0,0,−g)のベクターの方向と一致する3Dデカルト座標系では、力の平衡は、これらの力の均衡が互いにz軸のみに沿うことから、等式8を得るため単純化する。
Figure 0006599348
Figure 0006599348
ある実施形態で使用される磁石(NdFeB、5cm×5cm×2.5cm)により、Bは底部の磁石表面で最大+B(z=0)から磁石の上部表面で最小−B(z=d)までz(底部の磁石表面からの距離)と共に実質的に直線形に変化し、磁石間に分離がある場合、dはおよそ45mm未満であるかそれに等しい。この直線性により、中心線に沿った磁場は、等式10により近似され得る。
Figure 0006599348
ヒドロゲル単位に対して作用する重力と磁力が互いに釣り合いをとる(等式11)、2つの磁石間の平衡点Zeq(m)を見つけるため、磁場(等式10)に対する陽関数表示(The explicit expression)を使用して等式8を解く。
Figure 0006599348
対象物と周囲の培地の間の距離の関数としての釣り合い高度を図S13にプロットする。
ある一つの例では、図6Bに示されるように1cm×1cm×1.5mmの20%PEGDMAヒドロゲルをラジカル溶液に懸濁し、図6Cに示されるように貯蔵器を磁気セットアップに入れると、ラジカル溶液の常磁性によりヒドロゲルビルディングブロックの浮揚をもたらす。ラジカルと従来使用されるイオン塩の両方の存在下での競合効果を説明するため、非ラジカル化ヒドロゲルビルディングブロック(図6D、左のゲル)、及びラジカル化ヒドロゲルビルディングブロック(図6D、右のゲル)を含む2つの試料を作製し、ガドリニウム(Gd)溶液に入れた。著しい磁気的痕跡(magnetic signature)を有しない非ラジカル化ヒドロゲルビルディングブロックは、Gd溶液の常磁性により浮揚する。一方、ラジカル化ヒドロゲルビルディングブロックは、ラジカルの常磁性化とGdイオン塩の間の相殺効果により浮揚しない(図6E)。
別の態様では、より小さい、各種の複数のヒドロゲルビルディングブロック(ラジカル化及び非ラジカル化)を使用して、ゲルの選択的組織化を実証した。ラジカル化ヒドロゲルビルディングブロックは、ラジカルの常磁性化とGdイオン塩の間の相殺効果のため浮揚せず、一方、Gd溶液の常磁性により非ラジカル化ヒドロゲルビルディングブロックは浮揚され、組織化される(図6F及び図6G)。さらに、500μmのポリスチレンビーズを使用して、Gd及びラジカル溶液における組織化領域の時間的変化を定量した(図6H)。ラジカル溶液中での組織化の前(図6I)及び後(図6J)にスナップ写真を撮影した。2つの磁石間の距離の増加は、ラジカル溶液中でのビーズの浮揚高さの増加をもたらした(図6M及び図6N)。
ある一つの態様では、本開示は、形状、色、並びに質量密度、弾性率、及び多孔性等の材料の特性によって相互に識別可能な多成分構造物をパターン化するシステム及び方法を提供し得る。ある一つの態様では、構造物又はコンストラクトは、常磁性により気液界面で又は反磁性によりラジカル培地内で様々なビルディングブロックの自己組織化を誘導することにより作製され得る。
ある実施形態では、永久磁石に基づくアプローチは、幅広い適応性、並びに多方面にわたる自己組織化システム及び方法を提供し得る。ある一つの態様では、外部電源又は電力は省略されてもよい。別の態様では、永久磁石による磁場勾配パターンの作製及び貯蔵器に由来する成分の自己組織化の誘導は、比較的単純であり、安価な場合がある。さらに別の態様では、各構成成分の初期の浸漬ラジカル濃度に基づいて、磁化率及び磁場に対する応答が操作され得る。さらに、構成成分の大きさ及び組成を変化させてもよく、これは、浮遊する構成成分に及ぶ抵抗力に影響を与え、同様に構成成分の駆動速度に影響する。したがって、いくつかの構成成分を永久磁石によって並行して操作してもよい。さらなる態様では、提示される誘導型の磁気自己組織化戦略(magnetic self−assembly strategy)は、接触しない方法で不均質な密度、弾性率、及び多孔性を有する機能性三次元(3D)構造への長さスケールが変化する材料の配列、配置及びパターン化を可能とし得る。
別の態様では、浮揚組織化のため、(例えば、ヒドロゲルのポリマー割合を変更することによって)密度を調整してもよく、これは、3D空間において異なる浮揚高さでビルディングブロックを平衡化するのに使用され得る。さらに、密度は、3Dでの平衡定位を変更するため、ビルディングブロック内で空間的に不均質な方式で操作されてもよい。さらに別の態様では、反磁性の浮揚及び常磁性の駆動に対し、組織化は、それぞれ液体中、並びに液体及び空気の界面で行われ得ることから、対象物は固体表面と接触する必要がない場合がある。さらに、流体培地は、スティクション(stiction)、接触付着、乾燥摩擦、及び帯電を排除する。さらなる態様では、浮揚組織化は、完全に閉鎖されたチャンバー又はシステムの内部で行われてもよい。
ある実施形態では、永久磁石システムを使用して一定の磁力線が作られる。さらに、永久磁石システムは、空間的に一定であり、ヒドロゲル又はビーズの浮揚高さを規定する最小磁場強度位置(minimum magnetic field strength location)を提供し得る。交流を使用することにより、磁場は、方向及び強度、また最小磁場強度位置を変更し得る。磁場の変更は、経時的に浮揚高さを変更する等の新たな性能を付加し得る。ある一つの態様では、磁場の変更は、Neel緩和(Neel relaxation)により超常磁性粒子を加熱し、局在化された加熱スポットを作り出すため使用されてきた。ある実施形態では、磁場の変更は、ヒドロゲル又はビーズを浮揚させる同様の性能を提供し得る。追加的に(又は代替的に)、永久磁石は、一般的には持ち運びが可能であり、安価に製造でき、磁場セットアップの変更と比較して追加の外部機器を必要としない場合がある。
ある実施形態では、フリーラジカルによる微小成分の磁化は、染色、細胞カプセル化、マクロ多孔性の操作等の様々な技術と適合性があってもよい。ある一つの態様では、これらの技術は、磁化のためのゲルのラジカル暴露の前に行われてもよい。別の態様では、MNPカプセル化ヒドロゲルビルディングブロックは、架橋に先立ってMNPをプレポリマー溶液及び細胞懸濁液と混合することによって製造されてもよい。しかしながら、後の加工工程の間、細胞又は他の材料をMNPに暴露し得ることから、ビルディングブロックをラジカルで選択的に飽和させるのに有用な場合がある。別の態様では、安定ラジカルをしみ込ませたヒドロゲルは、UVによる製造から得られたフリーラジカルによって磁化されたヒドロゲルと比較して、より安定で強固な駆動を可能とし得る。ある実施形態では、ラジカルは、シェル又はカプセルにカプセル化されてもよい。さらに、シェル又はカプセルを操作して、細胞とラジカルの間の相互作用を調節してもよい。
以下は、本発明を実施するための具体的な実施形態の例である。実施例は説明の目的で提供されるにすぎず、本発明の範囲を限定することを何ら意図するものではない。使用される数字(例えば、量、温度等)に関する精度を確実にするための努力が成されてきたが、いくつかの実験誤差及び偏差は当然許容されるべきである。
マイクロゲルビルディングブロックの製造のため、PBS(Gibco;1ml)にポリ(エチレングリコール)1000ジメタクリレート(PEGDMA、Polysciences,Inc.、20%、50%(重量/体積))を溶解してPEGDMAマイクロゲルプレポリマー溶液を作製した。その後、光開始剤(PI)である2−ヒドロキシ−1−(4−(ヒドロキシエトキシ)フェニル)−2−メチル−1−プロパノン(1%、重量/体積、Irgacure 2959;CIBA Chemicals)をプレポリマー溶液に添加した。40μlのPEGDMAプレポリマー溶液を、95×15mm Pyrexの再利用可能なペトリ皿(Fisher Scientific)の裏側のスペーサー(カバーガラス25×25mm、厚さ:150μm)の間にピペットで移した。別のカバーガラスを液滴の上に置いた。フォトマスク(1×1mm、正方形)をUV光とプレポリマー液滴の間のカバーガラスに設置した。UV光(6.9W cm−2、マイクロゲルの上50mmの高さ)を30秒間適用することによってマイクロゲルを製造した。その後、フォトマスク及びカバーガラスを除き、正方形のPEGDMAマイクロゲルをカバーガラス上に形成した。かみそり(American Safety Razor、American Line)を使用して、マイクロゲルをPBSで満たしたアッセンブリチャンバーに移した。
PBS(Gibco、1ml)中にゼラチンメタクリレート凍結乾燥粉末(5%(重量/体積))を溶解することによって、GelMAマイクロゲルプレポリマー溶液を作製した。その後、PIである2−ヒドロキシ−1−(4−(ヒドロキシエトキシ)フェニル)−2−メチル−1−プロパノン(0.5%、重量/体積、Irgacure 2959;CIBA Chemicals)をプレポリマー溶液に添加した。40μlのGelMAプレポリマー溶液の液滴を、80×15mm Pyrexの再利用可能なペトリ皿(Fisher Scientific)の裏側のスペーサー(カバーガラス25×25mm、厚さ:150μm)の間にピペットで移した。別のカバーガラスをプレポリマー液滴に置いた後、フォトマスク(1×1mm、正方形)をUV光とプレポリマー液滴の間のカバーガラスに設置した。UV光(2.9W cm−2、マイクロゲルの上50mmの高さ)を30秒間適用することによってマイクロゲルを製造した。その後、フォトマスク及びカバーガラスを除き、正方形のGelMAマイクロゲルをカバーガラス上に形成した。かみそりを使用して、マイクロゲルをPBSで満たしたアッセンブリチャンバーに移した。
EPR測定用のラジカル化したPEGDMAヒドロゲルビルディングブロックの製造のため、中心に空洞(直径3mm、円形)を有するポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)成形型(PMMA、高さ1.5mm、3×3cm、正方形)の下にカバーガラスを置いた。その後、PEGDMAプレポリマー溶液(1%PIを含むPEGDMA1000、2つの状況、すなわちPBSに20%及び50%(重量/体積)溶解した)を成形型に満たすことによって円筒形のPEGDMAゲルを製造した。その後、別のカバーガラスをPMMA成形型に置いた。UV光(6.9W cm−2、成形型の上50mmの高さ)を30秒間適用した。PBS(Gibco、1ml)に安定ラジカル粉末を溶解することによって、安定ラジカル4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(4−アミノ−Tempo、Sigma、10mg、30mg ml−1、150mg)溶液を作製した。その後、カバーガラスを除去した後、固体の円筒形PEGDMAゲルを得た。安定ラジカル溶液(1mlのPBSに10mg、30mg、150mgを溶解)。その後、4つの円筒型PEGDMAヒドロゲルを以下の実験、(i)対照:PEGDMAヒドロゲルを1mlのPBSで満たした35×10mmPyrexの再利用可能なペトリ皿(Fisher Scientific)に10時間入れる、(ii)実験A:PEGDMAヒドロゲルを10mg ml−1の安定ラジカル溶液で満たしたペトリ皿に10時間入れる、(iii)実験B:PEGDMAヒドロゲルを30mg ml−1の安定ラジカル溶液で満たしたペトリ皿に10時間入れる、(iv)実験C:PEGDMAヒドロゲルを150mg ml−1の安定ラジカル溶液で満たしたペトリ皿に10時間入れる、により、対照群と実験群に分けた。その後、4つのPEGDMAヒドロゲルをEPR測定用のチューブに入れた。本項及び次項で10時間は一晩のインキュベーションを指すことに留意されたい。
EPR用のビタミンE処理PEGDMAヒドロゲルビルディングブロックの製造のため、中心に空洞(直径3mm、円形)を有するPMMA成形型(高さ1.5mm、3×3cm、正方形)の下にカバーガラスを置いた。PEGDMAプレポリマー溶液(1%PIを含むPEGDMA1000、PBSに50%(重量/体積)溶解した)を成形型に満たすことによって円筒形のPEGDMAゲルを製造した。その後、別のカバーガラスをPMMA成形型に置いた。光架橋性PEGDMAプレポリマー溶液内での架橋を達成するため、UV光(6.9W cm−2、成形型の上50mmの高さ)を30秒間適用した。カバーガラスを除去した後、固体の円筒形PEGDMAゲルを得た。安定ラジカル(4−アミノ−Tempo、Sigma)溶液(1ml PBS中に溶解した10mg、30mg、150mg)。PEGDMAヒドロゲルを以下の対照群と実験群に分けた。すなわち、(i)実験:150mg ml−1の安定ラジカル溶液で満たした35×10mmPyrexの再利用可能なペトリ皿(Fisher Scientific)に10時間にわたってPEGDMAヒドロゲルを入れる。その後、PEGDMAヒドロゲルを取り出し、1mlのPBSで3回洗浄し、PBS(Sigma)に溶解した0.05%(重量/体積)水溶性ビタミンE((+)−α−酢酸トコフェロール、Sigma)にさらに10時間浸漬した。(ii)対照A:150mg ml−1の安定ラジカル溶液で満たしたペトリ皿に10時間にわたってPEGDMAヒドロゲルを入れる。(iii)対照B:PBSで満たした35×10mmペトリ皿に10時間にわたってPEGDMAヒドロゲルを入れる。
PEGDMAゲル組織化に対し、ヒドロゲルの常磁性浮動のための培地を20%(体積/体積)OptiPrep(OptiPrep Density Gradient Medium、Sigma、PBSとの混和)を使用して作製した。その後、0.001%(体積/体積)Tween−80(Tween 80の粘稠液、Sigma)を上記溶液に添加した。GelMAヒドロゲル組織化に対し、ヒドロゲルの常磁性浮動のための培地を30%(体積/体積)OptiPrep(OptiPrep Density Gradient Medium、SIGMA、PBSとの混和)を使用して作製した。その後、0.001%(体積/体積)Tween−80(Tween 80の粘稠液、SIGMA)を上記溶液に添加した。
細胞生存率及び増殖アッセイのため、加湿された37℃の5%COを含有する雰囲気において、10%ウシ胎児血清(Invitrogen)、及び1%ペニシリン−ストレプトマイシン(Gibco)混合物で補足したダルベッコ改変イーグル培地(Dulbecco’s modified Eagle’s medium)(Invitrogen)中でNIH 3T3細胞を培養した。
MTT(Mw=414)生存率アッセイ(Invitrogen)のため、1ml当たり10細胞の密度(1ウェル当たり総容量100μlの細胞懸濁液)で細胞を96ウェルプレートに蒔いた。安定ラジカル4−アミノ−TEMPO溶液を10mg ml−1、30mg ml−1、90mg ml−1、及び150mg ml−1の濃度で作製した。4時間後、細胞が付着すると、安定ラジカル溶液を種々の量(1%、2%、5%、10%、及び20%(体積/体積))でウェルに添加した。細胞を安定ラジカル溶液と共に37℃で30分インキュベートした。30分後、全ての試料について、安定ラジカルを含有する細胞培養培地をウェルから吸引した。陽性対照試料は、安定ラジカルとインキュベートしなかった試料であった。その後、新しい培養培地及びMTT試薬(10%(体積/体積))を全てのウェルに添加し、2時間インキュベートした。2時間の終わりに得られたホルマザンを100μlのMTT可溶化試薬SDS(Mw=288)に溶解した。次の日にBMG FLUOstar Galaxy−Multi−functional Microplate Readerにより誘導されたホルマザン色素の吸光度を測定した。各試料について全ての判定を6回繰り返し行い、3つの独立した実験を実施した。細胞に対する4−アミノ−TEMPO溶液の添加後0日、1日、3日、5日及び7日にMTT増殖アッセイを行った。
細胞に対する安定ラジカルの潜在的な悪影響を回復するため、ビタミンE処理を行った。滅菌PBS中のビタミンE溶液を0.5mg ml−1の最大溶解度で作製した。安定ラジカルのインキュベーションの後、1%、5%、10%及び50%(体積/体積)等の種々の体積比でビタミンE溶液をウェルに添加し、細胞を30分間インキュベートした。30分後、ビタミンE含有培養培地を吸引し、MTTアッセイを行った。
安定ラジカルのインキュベーションの30分後にウェルに100%(体積/体積)ビタミンE溶液を添加することによって、さらなるビタミンE処理を行った。3T3細胞の生存率に対するビタミンE処理の効果を0日、1日、3日、5日及び7日についてMTTアッセイにより分析した。
3T3細胞のカプセル化及び生/死アッセイのため、マイクロゲルの製造に使用したカバースライドを、先に記載されるように3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート(TMSPMA、Sigma)で被覆した。20%(重量/体積)PEGDMA(2%(重量/体積)PI)によりカバースライド上に二次コーティングを塗布した。GelMA5%(重量/体積)プレポリマー溶液を最初にPBS中にPI0.5%(重量/体積)を溶解することによって作製した。PIが完全に溶解すると、凍結乾燥ゼラチンメタクリレート5%(重量/体積)を添加し、80℃で溶解した。カプセル化工程の直前に、1ml当たり5×10細胞の細胞密度で室温(RT)にてプレポリマー溶液に3T3細胞を再懸濁した。40μlのプレポリマー溶液中の細胞懸濁液をTMSPMA及びPEGDMA被覆ガラススライドに置き、UV光2.6mW cm−2(Omnicure S2000)のもと25秒間にわたって光架橋を行った。1×1mm細胞カプセル化ヒドロゲルを得た。細胞を搭載したヒドロゲルをPBSで洗浄してあらゆる残留プレポリマー溶液を除去し、培養培地に浸漬し、インキュベーター(5%CO、37℃)で4時間培養した。4時間のインキュベーション時間の後、細胞を30mg ml−1 5%(体積/体積)の安定ラジカル溶液と共に30分間インキュベートし、洗浄した。生/死生存率アッセイ(Molecular Probes、Invitrogen)を0日目の試料に対して行った。細胞培地を除去し、150μlの生/死アッセイ試薬をマイクロゲルの表面に添加し、37℃で20分間インキュベートした。20μlの供給された2mMエチジウムホモダイマー−1(EthD−1、Molecular Probes)ストック溶液を10mlの滅菌PBSに添加してボルテックスを行うことによって生/死色素を作製した。その後、5μlの供給された4mMカルセインAMストック溶液をEthD−1溶液と合わせ、再度ボルテックスを行った。生存しているカプセル化細胞をカルセインAMにより緑色に標識し、死細胞をEthD−1リンカーにより赤色に標識した。倒立型蛍光顕微鏡(Carl−Zeiss AXIO)を使用して蛍光画像を撮影した。カプセル化細胞の生存率をImage J ITCN(Image based tool for counting nuclei:核計数のための画像によるツール)細胞計数プラグインにより定量した。
免疫細胞化学染色のため、3T3細胞カプセル化ゲルを4%パラホルムアルデヒドで室温にて20分間固定し、洗浄した。室温で少なくとも2時間、1%仔ウシ血清アルブミン(BSA)(Sigma)中0.3%Triton−X 100(Sigma)によりゲルを透過処理した。ウサギ抗Ki67(Ab16667、Abcam)で4℃にて一晩ゲルを染色した。洗浄工程の後、室温で2時間に亘り二次抗体ヤギ抗ウサギAlexa Fluor 564(A11011、Invitrogen)と共にゲルをインキュベートした。核対比染色としてDAPIを使用した。洗浄後、ヒドロゲルを蛍光顕微鏡(Carl−Zeiss AXIO)のもとで可視化した。
ラット心臓の解剖及び心筋細胞の単離のため、完全成長培地を、ダルベッコ改変イーグル培地(Gibco)、10%ウマ血清(Gibco)、2.5%仔ウシ血清(Gibco)、100U ml−1ペニシリン及び100mg ml−1ストレプトマイシン(Gibco)で構成した。0.1%(重量/体積)II型コラゲナーゼ酵素(270U mg−1、Worthington Biochemical)を使用して、心臓組織の小片を単一の細胞に分離した。新生仔心筋細胞の単離のため1日齢又は2日齢のSprague−Dawleyラットを使用した。ハーバード大学医学大学院の動物実験委員会の承認されたプロトコル第04821号に従ってマウスを解剖した。氷冷ハンクス平衡塩類溶液(HBSS)緩衝液(Ca2+及びMg2+不含、Corning Cellgro)中で心臓を濯いで血液細胞成分を除去した。心臓をハサミで1mm〜2mmの小片に刻んで氷冷HBSS中に入れた。低速シェーカーで4℃にて15時間〜18時間、氷冷HBSS中0.1%(重量/体積)精製トリプシン(Gibco)に細かく刻んだ心室を入れた。完全成長培地を添加してトリプシン消化を阻害し、37℃で5分間待った。消化のため、心臓組織片をコラゲナーゼ溶液と共に37℃でインキュベートした。コラゲナーゼと共に5回(各10分間)インキュベーションを行い、最初の細胞懸濁物を吸引して死細胞及び損傷した細胞、細胞片並びに血液細胞を除去した。収集した細胞懸濁物を70μmの細胞ストレーナーに通した。細胞を1,000r.p.m.で5分間遠心分離し、コラゲナーゼを除去した。温かい完全成長培地に再懸濁した後、心筋細胞を富化するため細胞を60分間予備的に播種した。細胞を計数した後、細胞懸濁液を1mlのGELMAプレポリマー溶液中1×10細胞の濃度に調整した。
心臓細胞のカプセル化のため、心筋細胞のカプセル化及びマイクロゲルの製造の前に、TMSPMA及び20%(重量/体積)PEGDMA被覆ガラススライドを作製した。GelMA3%(重量/体積)プレポリマー溶液を最初にPBS中にPI0.1%(重量/体積)を溶解することによって作製した。PIが完全に溶解すると、凍結乾燥ゼラチンメタクリレート3%(重量/体積)を添加し、80℃で溶解した。初代心筋細胞を計数した後、カプセル化工程の直前にGelMA3%(重量/体積)プレポリマー溶液に1ml当たり10×10細胞の細胞密度で再懸濁した。40μlのプレポリマー溶液中の細胞懸濁液をTMSPMA及びPEGDMA被覆ガラススライドに置き、UV光2.9mW cm−2(Omnicure S2000)のもと25秒間にわたって光架橋を行った。1×1mm細胞カプセル化ヒドロゲルをUVフォトマスクによって得た。細胞積載ヒドロゲルをPBSで洗浄してあらゆる残留プレポリマー溶液を除去し、培養培地に浸漬した後、インキュベーター(5%CO、37℃)で4時間培養した。4時間のインキュベーション時間の後、細胞を10mg ml−1及び30mg ml−1の5%(体積/体積)の安定ラジカル4−アミノ−TEMPO溶液と30分間インキュベーションし、その後洗浄した。
ビタミンE処理のため、安定ラジカルのインキュベーションの後、培養培地中0.5mg ml−1ビタミンE溶液を100%(体積/体積)濃度でウェルに添加した後、30分間インキュベートした。30分後、ビタミンE含有培養培地を吸引し、カプセル化された細胞をさらに10日間培養した。
免疫細胞化学染色のため、心筋細胞カプセル化ヒドロゲルを4%パラホルムアルデヒドにより室温で20分間固定し、PBSで洗浄した。ゲルを1%BSA(Sigma)でブロックし、0.3%Triton−X 100(Sigma)により室温で2時間透過処理した。細胞をマウス抗−α−アクチン(サルコメア、A7811、Sigma)及びウサギ抗GATA−4(ab5245、Abcam)により4℃で一晩染色した。試料を洗浄し、二次ヤギ抗マウスAlexa Fluor488抗体及びヤギ抗ウサギAlexa Fluor 568抗体(Life Technologies)に対して室温で2時間洗浄及び染色した。アクチン細胞骨格をAlexa Fluor 647ファロイジン(Life Technologies)で可視化し、DAPIを核対比染色として使用した。洗浄後、Leica SP8 X倒立型共焦点顕微鏡(X inverted confocal microscope)(Leica)により、ヒドロゲルを可視化した。
浮揚実験に対するゲル製造のため、90%(重量/体積)熱分解黒鉛粉末を20%(重量/体積)PEGDMAプレポリマー溶液に添加し、1分間ボルテックスを行うことにより熱分解黒鉛包埋PEGDMAヒドロゲル(Pyrolytic graphite−embedded PEGDMA hydrogel)を作製した。プレポリマー溶液をガラス製のカバーガラスに置いた1×1cm形のPMMA成形型にピペットで移した。その後、別のカバーガラスを成形型の上に置いた。上記セットアップを最適化したパラメーターで、すなわちセットアップと光源の間5cm、6.9W cm−2のUV強度で30秒の架橋時間、UV光に暴露した。その後、ゲルをレーザーカッター(アリゾナ州スコッツデールのVersaLaser)によって製造されたPMMAチャンバーに入れ、エポキシ(2 Ton、透明エポキシ、In DevTube)により組織化した。OptiPrepと混合したPBSを常磁性培地のプレ溶液として作製した。その後、300mg ml−1の安定ラジカルをプレ溶液に添加し、1.8Mのラジカル溶液を形成してゲルに対して浮揚環境を提供した。
別の実施例では、2つの熱分解性黒鉛を包埋した正方形のPEGDMAゲルを製造した。2つの1×1cmのゲルを0.6M(左のゲル)及び6Mのラジカル溶液(右のゲル)において別々に一晩インキュベートした。磁化後、ゲルを取り出し、浮揚のためPMMAチャンバーにおいて0.16MのGd溶液に入れた。PBSにガドリニウム塩を添加し、1分間ボルテックスした後、80℃のオーブンで20分間インキュベートすることによってGd溶液を作製した。
さらに別の実施例では、90%(重量/体積)熱分解性黒鉛粉末を20%(重量/体積)PEGDMAプレポリマー溶液に添加し、1分間ボルテックスを行うことによって熱分解性黒鉛包埋PEGDMAヒドロゲルを作製した。その後、混合したプレポリマー溶液を600μmのスペーサーにピペットで移した後、カバーガラスで覆った。フォトマスク(1×1mm 正方形の形状)をカバーガラスに置いた。セットアップ全体を最適化したパラメーターで、すなわちセットアップと光源の間5cm、6.9W cm−2のUV強度で25秒の架橋時間、UV光に暴露した。個々の塊の正方形のPEGDMAゲルを取り出した。10個のゲルを青色で染色し、6Mのラジカル溶液中でインキュベートしたのに対し、別の10個のゲルを黄色で染色し、0.6Mのラジカル溶液中でインキュベートした。いずれの場合も、上記ゲルを一晩インキュベートした。磁化後、浮揚のためPMMAチャンバーにおいて0.191MのGd溶液にゲルを入れた。PBSにガドリニウム塩を添加し、1分間ボルテックスした後、80℃のオーブンで20分間インキュベートすることによってGd溶液を作製した。
ヒドロゲル染色のため、ヒドロゲルの製造に続き、1%(重量/体積)色素(Procion、Mx dye)溶液をヒドロゲルの上部にピペットで移した。30分後、ヒドロゲルを含むカバーガラスをPBSで2回穏やかに洗浄した。色素は小分子で構成され、ポリマーとのわずかな相互作用を有する。色素は、組織化プロセスの間ヒドロゲルにおいて十分な時間留まるように十分な相互作用を示した。
EPR測定用のラジカル化GelMaヒドロゲル製造のため、カバーガラスを中心に空洞(直径3mm、円形)を有するPMMA成形型(高さ1.5mm、3cm×3cmの正方形)の下に置いた。GelMAプレポリマー溶液を(5%重量/体積、PBSに溶解した)を成形型に充填することによって円筒形のGelMAゲルを製造した。その後、別のカバーガラスをPMMA成形型に置いた。UV光(6.9W/cm、成形型の上50mmの高さ)を30分間適用して、光架橋性GelMAプレポリマー溶液中の架橋を達成した。カバーガラスを除去した後、固体の円筒形PEGDMAゲルを得た。安定ラジカル(4−アミノ−Tempo、SIGMA)溶液(10mg、30mg、150mgを1mlのPBSに溶解)を作製した。その後、4つの円筒形GelMaヒドロゲルを対照群と実験群に分けた。すなわち、(i)対照:GelMAヒドロゲルを1mlのPBSで満たした35mm×10mmのPyrexの再利用可能なペトリ皿(Fisher Scientific)に10時間入れる、(ii)実験A:GelMAヒドロゲルを10mg/mlの安定ラジカル溶液で満たしたペトリ皿に10時間入れる、(iii)実験B:GelMAヒドロゲルを30mg/mlの安定ラジカル溶液で満たしたペトリ皿に10時間入れる、(iv)実験C:GelMAヒドロゲルを150mg/mlの安定ラジカル溶液で満たしたペトリ皿に10時間入れる。その後、4つのGelMAヒドロゲルを電子スピン共鳴(EPR)測定用チューブに入れた。
EPR用のゲルの成形型製造のため、円筒形ゲル用成形型を設計し、レーザーカッター(アリゾナ州スコッツデールのVersaLaserTM)により製造した。PMMA(高さ1.5mm、3cm×3cmの正方形)をレーザーカッターによりカットし、中心に直径3mmの円筒形の空洞を形成した。
正方形ゲル用の成形型を設計し、レーザーカッター(アリゾナ州スコッツデールのVersaLaserTM)により製造した。PMMA(高さ1.5mm、2cm×2cmの正方形)をレーザーカッターによりカットし、中心に1cmの正方形の空洞を形成した。
常磁性組織化に対するチャンバーの製造のため、異なる形状を有する全てのチャンバー及びチャネルを2層の3mmのPMMAと1層の150μmの厚さの両面粘着剤(DSA)で構築し、レーザーカッター(VersaLaserTM、アリゾナ州スコッツデール)によってカットした。チャンバー及びチャネルをPBS及び0.001%体積/体積のTween 80溶液に溶解した20%体積/体積のOptiPrepで満たした。染色し、ラジカル化したヒドロゲルを1つずつ組織化して、ゲルの上に置いた異なるネオジム磁石(1.2×2.4cm、カリフォルニア州のK&J Magnetics)により異なる形状を形成した。セルティック形のチャンバーは、長方形のチャネルに接続された3つの円形貯蔵器で構成された。渦巻き状のチャンバーは、中央の正方形のチャネルに接続された4つの円形貯蔵器で構成された。爪状のチャンバーは、左の長方形のチャネルに収束する3つの円形貯蔵器で構成された。木の枝型のチャンバー(the tree branches−shaped chamber)は、左の長方形のチャネルに収束する5つの円形貯蔵器で構成された。
ガラスバブルをカプセル化するより軽いゲルの製造のため、50%重量/体積のガラスバブル(3M(商標)、Glass Bubbles S38HS)を50%重量/体積PEGDMAプレポリマー溶液(1%重量/体積の光開始剤(PI)を含む、Irgacure 2959、CIBA Chemicals)に添加した。40μlのPEGDMAプレポリマー溶液を95mm×15mmのPyrexの再利用可能なペトリ皿(Fisher Scientific)の裏側のスペーサー(カバーガラス25×25mm、厚さ150μm)にピペットで移した。別のカバーガラスを液滴の上に置いた。フォトマスク(1mm×1mm、正方形)をUV光とプレポリマー液滴の間のカバーガラス上にセットした。UV光(2.9W/cm、マイクロゲルの上50mmの高さ)を20秒適用することによってマイクロゲルを製造した。その後、フォトマスク及びカバーガラスを除去し、正方形の象牙色のPEGDMAミクロゲルを形成した。
ヒドロゲルの機械的特性に対する不均質な多孔性の効果を評価するため、ADMET eXpert 2600二重カラム検査機(米国マサチューセッツ州ノーウッド)を使用して圧縮検査を行った。下記の各条件の6つの試料を機械的検査に対して作製した。
マクロ多孔性PEGDMAの製造のため、2%(重量/体積)PIを含む90%(重量/体積)ショ糖包埋PEGDMAプレポリマー溶液を2つのカバーガラスの間に置いた300μmの厚さのDSA成形型(空洞形)に注いだ。セットアップを、最適化されたパラメーター、すなわち光源とセットアップの間の高さ5cm、6.9W/cmの強度、及び40秒の架橋時間の下でUV光(360nm〜480nm)に暴露した。その後、全てのゲルをPBSに漬け、PBSを2時間の間、10分毎に交換した。ショ糖が浸出し、マクロ多孔性PEGDMAゲル(横断面領域の幅4.5mm)が形成された後、ゲルを食用色素で1時間染色した。
ナノ多孔性PEGDMAゲルの製造のため、1%(重量/体積)PIを50%(重量/体積)PEGDMAプレポリマー溶液に添加した。その後、80μlのプレポリマー溶液を300μmの厚さのスペーサーにピペットで移し、カバーガラスで覆った。円形のフォトマスクをカバーガラス上に置いた。セットアップ全体を、最適化されたパラメーター、すなわち光源とセットアップの間の高さ5cm、6.9W/cmの強度、及び30秒の架橋時間の下でUV光(360nm〜480nm)に暴露した。その後、円形ゲル(横断面領域の幅1mm)を食用色素で1時間染色した。
複合ゲルの製造のため、マクロ多孔性及びナノ多孔性の両方のPEGDMAゲルを、染色後30分間、30mg/mlの4−アミノ−TEMPO溶液中に保持した。ネオジム磁石を使用して、X形状のマクロ多孔性PEGDMAゲルを4つの円形50%(重量/体積)ナノ多孔性PEGDMAゲルと組織化した。組織化プロセスの後、組織化されたゲルが貯蔵器の底に落ち着くまで、スイミング溶液(swimming solution)を非常にゆっくりとピペットで取り出した(1回に300μl、ゲルの可能性のある分解を防止する)。40μlの50%(重量/体積)PEGDMAプレポリマー溶液を組織化されたゲル上にピペットで移し、二次架橋を行った。架橋ゲルを第1層として10mlのPBSによって被覆した後、第2層としてさらに10mlの鉱物油(Sigma−Aldrich)で覆った。先の組織化の上の同じ領域で同じ組織化を繰り返した。その後、アッセンブリが結束するまで鉱物油及びPBSの液層を注意深くピペットで取り出した。40μl、50%(重量/体積)PEGDMAプレポリマー溶液を、600μmのスペーサーに置いた組織化ゲルに添加した。その後、別の架橋を行った。残留物を除去した後、複合ゲルを長方形(横断面領域の幅4.5mm)に切り取った。
全てのヒドロゲル試料を0.2mm/分の速度で破損するまで圧縮した。最初の5%〜20%の歪領域の圧縮応力−歪曲線の初期線形領域の傾きとしてヤング率を特定した。
ゲルと磁石の間の距離の範囲に対する単一の磁化ヒドロゲルについての平均速度の測定のため、20%(重量/体積)PEGDMAプレポリマー溶液を作製した。その後、1%(重量/体積)PIをプレポリマー溶液に添加した。混合した溶液を80℃のオーブンで20分間〜30分間、PEGDMAとPIがよく溶解するまでインキュベートした。200μlの作製したプレポリマー溶液を600μmの厚さのスペーサーにピペットで移し、プレポリマー溶液の上にカバーガラスを置き、サンドイッチ様のセットアップを形成した。セットアップ全体を2.6W/cm UVに30秒間暴露した。1mm×1mmの正方形のフォトマスクをヒドロゲルの形状の調整に使用した。ゲル化の後、ヒドロゲルスライドを1.2M(200mg/ml)の4−アミノ−TEMPO溶液中で30分間インキュベートした。その後、PBSで3回スライドを洗浄し、赤色食用色素(Procion(登録商標) MX Dye、030 Fire Engine Red)で1時間スライドを染色した。磁化し、染色された小さなヒドロゲルビルディングブロックを選び、OptiPrep及びPBSと混合した培地上に置いた。表面にゲルを保持するための培地の作製は、80%(体積/体積)PBSに20%(体積/体積)OptiPrepを添加することによって達成された。永久磁石を固定するための実験に使用するセットアップを3mm厚さのPMMAによって製造した。磁石の底表面とペトリ皿の間の距離を1cmに設定した。直径8.5cm、円形のペトリ皿を使用した。3つの異なる垂直距離、すなわち1mm、2mm、及び3mmを磁石とヒドロゲルの間に設定した。1mmの高さ(全培地の0.9cmの高さ)は、51.04mlの培地をペトリ皿に満たすことによって制御された。2mmの高さ(全培地の0.8cmの高さ)は、45.37mlの培地をペトリ皿に満たすことによって制御された。3mmの高さ(全培地の0.7cmの高さ)は、39.7mlの培地をペトリ皿に満たすことによって制御された。各実験に対し、ヒドロゲルを1.5cmの距離(磁石の中心から測定して)に置いた。磁石を挿入した(また固定した)後、その常磁性特性により磁化ヒドロゲルは磁石へと徐々に移動し始めた。その過程を記録することにより、平均速度を得た。6回繰り返した後、移動時間(磁石を固定した時t=0)を得て、平均速度及びその標準偏差を計算した後、チャートにプロットした。
ビタミンE処理磁化ヒドロゲルの平均速速度を測定するため、20%(重量/体積)PEGDMAプレポリマー溶液を作製した。その後、1%(重量/体積)PIをプレポリマー溶液に添加した。混合した溶液を80℃のオーブンで20分間〜30分間、PEGDMAとPIがよく溶解するまでインキュベートした。200μlの作製したプレポリマー溶液を600μmの厚さのスペーサーにピペットで移し、カバーガラスをプレポリマー溶液に置いて、サンドイッチ様のセットアップを形成した。セットアップ全体を2.6W/cm UVに30秒間暴露した。1mm×1mmの正方形フォトマスクをヒドロゲルの形状を調整するため使用した。ゲル化の後、ヒドロゲルスライドを1.2M(200mg/ml)の4−アミノ−TEMPO溶液中、30分間インキュベートした。その後、スライドをPBSで3回洗浄し、赤色の食用色素(Procion MX Dye、030 Fire Engine Red)で1時間スライドを染色した。先の実験の粘度分析と異なり、フリーラジカルに対するビタミンEの効果を調査するため、30分間、1時間、及び2時間(合計3つのスライド)に亘る染色の後、0.5mg/mlのビタミンEをゲルスライドにピペットで移した。ビタミンE処理の後、ヒドロゲルビルディングブロックをOptiPrep及びPBSと混合した培地の上に置いた。表面上にゲルを保持するための培地の作製は、80%(体積/体積)PBSに20%(体積/体積)OptiPrepを添加することによって達成された。磁石と培地の表面の間の距離を1mmに設定した。各実験に対し、ヒドロゲルを1.5cmの距離(磁石の中心から測定して)に置いた。6回繰り返した後、移動時間(磁石を固定した時t=0)を得て、平均速度及びその標準偏差を計算した後、チャートにプロットした。ラジカル溶液中でのビーズの浮揚に対し、3mmの厚さのPMMAを使用して1.5cm、2.6cm、及び3.6cmの高さのチャンバーを製造した。45個のポリスチレンビーズ(ChromoSpheresTM Red Polymer Microspheres)を最初にOptiPrep溶液(OptiPrepTM Density Gradient Medium、SIGMA)に入れた。その後、本発明者らは、全てのビーズがほぼ底に沈むまで、PBSをOptiPrepに添加し続けた。1.8M(300mg/ml)の安定ラジカルを上記溶液に添加し、十分にボルテックスを行って、溶液中に4−アミノ−TEMPOが溶解するまで80℃のオーブンに30分間入れた。その後、ビーズ及び4−アミノ−TEMPO溶液を種々の高さのPMMAチャンバー(各チャンバーにビーズ45個)にピペットで移した。その後、貯蔵器を磁気デバイスに入れ、ビーズの動きを記録した。画像分析の後、ビーズの最も外側を通る線によって囲まれる長方形の領域として規定される組織化領域を計算した。1.5cmの高さのチャンバーについて、組織化領域をt=0秒、15秒、30秒、45秒、60秒、105秒、135秒、165秒、及び180秒において計算した。2.6cmの高さのチャンバーについて、組織化領域を0秒、30秒、70秒、100秒、130秒、150秒、190秒、220秒、250秒、及び300秒において計算した。3.6cmの高さのチャンバーについて、組織化領域をt=0秒、30秒、55秒、75秒、100秒、120秒、150秒、180秒、240秒、270秒、300秒、330秒、360秒(磁石の間にチャンバーが固定された時をt=0)において計算した。
本発明は、1又は複数の好ましい実施形態に関して記載されているが、明らかに述べられているものの他に、多くの等価物、代替物、変種、及び修飾が可能であり、本発明の範囲に含まれることが理解されるべきである。例えば、ある実施形態では、安定ラジカルは、ラジカル形態の分子が経時的に中性の非ラジカル形態へと壊変するように、既知の半減期を有する場合がある。したがって、組織化の間活性で、本来の壊変によりそのすぐ後に中和されるラジカル分子を選択することが可能な場合がある。かかる例では、抗酸化剤処理工程を使用しなくてもよい場合がある。
本出願で特定される各参照は、その全体において参照により本明細書に援用される。
本発明の概念が特定の実施形態を参照して説明されたが、当業者は、本発明の概念の趣旨から逸脱することなく上記実施形態に対して様々な置換及び/又は他の代替が行われ得ることを理解するであろう。したがって、上の記載は例であり、本発明の概念の範囲を限定するものではない。
多数の実施例が本明細書に記載される。それにもかかわらず、様々な修飾が行われ得ることが理解されなければならない。例えば、記載される技術が異なる順番で行われる場合、及び/又は記載されるシステム、構造、デバイス、又は回路の構成成分が異なる方式で組み合わされる及び/又は他の構成成分若しくはそれらの等価物によって置換又は補足される場合、適した結果が達成される場合がある。したがって、他の実施は本発明の概念の範囲に含まれる。

Claims (20)

  1. 磁気ビルディングブロックの自己組織化方法であって、
    それぞれが複数の安定ラジカルを含む複数のビルディングブロックを液体培地に分散させる工程と、
    前記複数のビルディングブロックの少なくとも一部と相互作用する磁場を確立する工程と、
    前記複数のビルディングブロックの一部を前記液体培地における第1の位置から前記液体培地における第2の位置へと前記磁場により誘導する工程と、
    前記第2の位置と近接する前記複数のビルディングブロックの一部を第1のコンストラクトへと組織化する工程と、
    前記複数の安定ラジカルの少なくとも一部を中和するために、前記第1のコンストラクトを少なくとも1つの抗酸化剤で処理する工程と
    を含む、磁気ビルディングブロックの自己組織化方法。
  2. 前記複数のビルディングブロックを前記複数の安定ラジカルを含む組成物中でインキュベートする工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記複数のビルディングブロックの一部を前記コンストラクトへと組織化する工程が、前記第1のコンストラクトを含む前記ビルディングブロックの各々を共に架橋する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記複数のビルディングブロックが少なくとも1つの核酸、タンパク質、細胞、及び組織を含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記複数のビルディングブロックが鉄、ニッケル及びコバルトを本質的に含まない、請求項1に記載の方法。
  6. 前記複数のビルディングブロックの各々の密度が、前記複数のビルディングブロックが前記液体培地の表面に浮くように、前記液体培地の密度未満である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記複数のビルディングブロックが、少なくとも、第1の密度を有するビルディングブロックの第1の画分と、前記第1の画分との間の浮力に差があるように、前記第1の密度とは異なる第2の密度を有するビルディングブロックの第2の画分とを含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記第1のコンストラクトを第1の液相に浸漬する工程と、
    前記第1の液相の上部に第2の液相を形成する工程と、
    第2のコンストラクトが、前記第1のコンストラクトの相対的に上にある前記第2の液相中に組織化されて、前記複数のビルディングブロックの少なくとも第2の部分を含む前記第2のコンストラクトを組織化する工程と、
    前記第1の液相及び前記第2の液相の少なくとも1つを移動する工程をさらに含み、3次元構造を形成するために、この移動する工程によって、前記第1のコンストラクト上に前記第2のコンストラクトを積層する、請求項1に記載の方法。
  9. 前記液体培地が前記複数のビルディングブロックに対する表面張力及び抵抗力を減少するための界面活性剤を含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記複数の安定ラジカルを含む前記複数のビルディングブロックが常磁性である、請求項1に記載の方法。
  11. 磁性ビルディングブロックの自己組織化に対するシステムであって、
    液体培地と、
    前記液体培地を含有するための貯蔵器と、
    前記液体培地中に分散させるための複数のビルディングブロックであって、各々が複数の安定ラジカルを含む複数のビルディングブロックと、
    前記貯蔵器に対して確立された磁場であって、前記磁場は複数のビルディングブロックが前記液体培地中に分散されると、前記複数のビルディングブロックの少なくとも一部と相互作用し、前記液体培地の第1の位置から前記液体培地の第2の位置へと前記複数のビルディングブロックの一部を誘導して前記第2の位置に近接する前記複数のビルディングブロックの一部を第1のコンストラクトへと組織化するように操作可能である前記磁場と、
    少なくとも前記複数の安定ラジカルの一部を中和するために、前記第1のコンストラクトを処理するための抗酸化剤を含む組成物と
    を備える、磁性ビルディングブロックの自己組織化に対するシステム。
  12. 前記液体培地が前記複数のビルディングブロックに対する前記表面張力及び抵抗力を減少するための界面活性剤を含む、請求項11に記載のシステム。
  13. 前記複数のビルディングブロックが少なくとも1つの核酸、タンパク質、細胞、及び組織を含む、請求項11に記載のシステム。
  14. 前記複数のビルディングブロックが本質的に鉄、ニッケル、及びコバルトを含まない、請求項11に記載のシステム。
  15. 前記複数のビルディングブロックが前記液体培地の表面に浮くように、前記複数のビルディングブロックの各々の密度が前記液体培地の密度未満である、請求項11に記載のシステム。
  16. 前記複数のビルディングブロックが、前記第1の画分と前記第2の画分との間の浮力が異なるように、少なくとも、第1の密度を有するビルディングブロックの第1の画分及び前記第1の密度とは異なる第2の密度を有するビルディングブロックの第2の画分を含む、請求項11に記載のシステム。
  17. 前記磁場を確立するための永久磁石をさらに含む、請求項11に記載のシステム。
  18. 前記複数の安定ラジカルを含む前記複数のビルディングブロックが常磁性である、請求項11に記載のシステム。
  19. 前記第1のコンストラクトを含む前記複数のビルディングブロックの一部を架橋するための、少なくとも1つの紫外光源をさらに備える、請求項11に記載のシステム。
  20. 磁性ビルディングブロックの自己組織化方法であって、
    複数の安定ラジカルを含む組成物中で複数のビルディングブロックをインキュベートする工程と、
    液体培地を含む貯蔵器に前記複数のビルディングブロックを分散させる工程と、
    磁場が前記複数のビルディングブロックの少なくとも一部を包含し、永久磁石によって前記磁場を確立する工程と、
    前記磁場によって前記複数のビルディングブロックの一部を、前記液体培地の第1の位置から前記液体培地の第2の位置へと誘導する工程と、
    前記第2の位置に近接する前記複数のビルディングブロックの一部を第1のコンストラクトへと組織化する工程と、
    前記第1のコンストラクトを含む前記複数のビルディングブロックの一部を架橋する工程と、
    前記複数の安定ラジカルの少なくとも一部を中和するために、少なくとも1つの抗酸化剤で前記第1のコンストラクトを処理する工程
    を含み、
    前記複数のビルディングブロックが前記液体培地の表面に浮くように、前記複数のビルディングブロックの各々の密度が前記液体培地の密度未満である、磁性ビルディングブロックの自己組織化方法。
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