JP6598548B2 - 光音響装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光音響効果を利用して被検体情報を取得する光音響装置に関する。
レーザーなどの光源から被検体に照射した光を被検体内に伝播させ、被検体内の情報を得る光イメージング装置の研究が医療分野を中心に積極的に進められている。このような光イメージング装置の一つとして、Photoacoustic Tomography(PAT:光音響トモグラフィー)が提案されている。 PATとは、光を被検体(医療分野では生体となる)に照射し、被検体内を伝播・拡散した光が生体組織で吸収されて発生する光音響波を受信して解析することで、被検体(生体)内部の光学特性に関連した情報を可視化する技術である。これにより、被検体内の光学特性値分布等の生体情報、特に、光エネルギー吸収密度分布を得ることができる。
この技術で得られる光学特性に関連した情報として、例えば、光照射によって生じた初期音圧分布あるいは光エネルギー吸収密度分布などの情報は新生血管の増殖を伴う悪性腫瘍の位置の特定などに利用できる。光学特性に関連した情報に基づく三次元再構成画像の生成と表示は生体組織の内部の把握に有用であり、医療分野における診断に役立つことが期待されている。
特許文献1には、半球面の容器に固定され、それぞれの受信面が半球の中心を向いている複数のトランスデューサが記載されている。また、特許文献1によれば、このような探触子を用いて得られる画像は、半球の中心点が最高分解能となり、半球の中心点付近が高分解能領域となるとされている。そして、特許文献1では、探触子と被検体を相対的に移動させることにより、分解能のばらつきを小さくすることが記載されている。
特開2012−179348号公報
ところが、特許文献1で定義された高分解能領域に基づいた測定に対しては、撮影領域内の分解能のさらなる向上が望まれている。
そこで、本明細書は、撮影領域内の被検体情報を高分解能に取得することのできる光音響装置を提供することを目的とする。
本明細書が開示する光音響装置は、光源と、前記光源から発された光が被検体に照射されることにより発生した光音響波を受信して受信信号を出力する複数のトランスデューサと、開口を有し前記複数のトランスデューサを支持し曲率中心を有する半球状の支持体と、を備える探触子と、前記探触子を前記開口の面と平行な面で二次元に移動させる移動部と、撮影領域を設定する領域設定部と、前記複数のトランスデューサから出力された前記受信信号に基づいて前記撮影領域内の被検体情報を取得する処理部と、を有し、前記複数のトランスデューサは前記曲率中心にそれぞれの指向軸が集まるように前記支持体に支持され、前記光源は、前記曲率中心が前記撮影領域の中心よりも前記探触子から離れている側に位置するとともに、前記曲率中心を中心とし前記探触子側に位置し所定の曲率半径d th を有する半球状の計測領域の端部が前記撮影領域と重なっているときに光を発することを特徴とする但し、前記支持体の半径をr 、前記トランスデューサの直径をφ 、前記支持体の曲率中心における分解能の2分の1である下限分解能をRとしたときに、前記計測領域の曲率半径d th は、次の式によって決定される。
Figure 0006598548
本明細書が開示する別の光音響装置は、光源と、前記光源から発された光が被検体に照射されることにより発生した光音響波を受信して受信信号を出力する複数のトランスデューサと、前記複数のトランスデューサの指向軸が集まるように前記複数のトランスデューサを支持し曲率中心を有する半球状の支持体と、を備える探触子と、前記探触子を移動させる移動部と、撮影領域を設定する領域設定部と、前記複数のトランスデューサから出力された前記受信信号に基づいて前記撮影領域内の被検体情報を取得する処理部と、を有し、前記光源は、複数のタイミングで光を発し、前記移動部は、前記複数のタイミングのそれぞれにおける前曲率中心を中心とし前記探触子側に位置し所定の曲率半径d th を有する半状の計測領域の軌跡が前記撮影領域を埋めるように前記探触子を移動させることを特徴とする但し、前記支持体の半径をr 、前記トランスデューサの直径をφ 、前記支持体の曲率中心における分解能の2分の1である下限分解能をRとしたときに、前記計測領域の曲率半径d th は、次の式によって決定される。
Figure 0006598548
本明細書が開示する光音響装置によれば、撮影領域内の被検体情報を高分解能に取得することができる。
比較例および第一の実施形態に係る計測の様子を示す図。 第一の実施形態に係る信号計測部の構成の一例を示す図。 第一の実施形態に係る情報処理部の機能ブロック図。 第一の実施形態に係る情報処理部のハード構成の一例を示す図。 第一の実施形態に係る光音響装置の動作のフローチャート。 第一の実施形態に係る計測方法の一例を示す図。 第二の実施形態に係る計測方法の一例を示す図。
以下、添付図面に従って本発明に係る光音響装置の実施形態について詳説する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されるものではない。
[第一の実施形態]
第一の実施形態では、ユーザーによって指定された撮影領域内の分解能を高くするように探触子を二次元に移動させる光音響装置の例を説明する。
特許文献1で定義された高分解能領域は、半球の中心点で最も分解能が高くなり、半球の中心点から遠ざかると分解能が落ちる傾向がある。例えば、式(1)にしたがって、半球の中心点(曲率中心点)を中心とする半径dthの球状の領域が高分解能領域として定まる。
Figure 0006598548

thは高分解能領域の半径、Rは高分解能領域の下限分解能、rは半球形状の支持体の半径、φはトランスデューサの直径である。Rはたとえば、曲率中心点で得られる最高分解能の半分の分解能とすることができる。
しかしながら、曲率中心から等方的に分解能が低下すると定義された高分解能領域を用いる方法に対しては、撮影領域内の分解能を向上させるためにさらなる改善が必要であることを本発明者は見出した。
以下、曲率中心から等方的に分解能が低下すると定義された高分解能領域を用いる比較例、および、本実施形態を、図1を用いて説明する。図1において、被験者支持部としてのベッド101は、被験者が横たわるためのベッドである。図1では被験者の乳房を被検体として撮影するために、ベッド101には被検体107である乳房を挿入することが可能な挿入口が設けられている。図1においては、被験者が伏臥位になることで、乳房をベッド101の挿入口に入れた状態を示している。ユーザーが入力部を介して指定した撮影領域102が示されている。
図1(a)は、比較例として、式(1)で定義される球形状の高分解能領域にしたがって撮影領域102内を高分解能化しようとしたときの探触子103の位置を表している。式(1)で定義された高分解能領域にしたがって撮影領域102内を高分解能化するためには、撮影領域102の中心面上に半球の曲率中心104を位置させることが考えられる。式(1)で定義された高分解能領域は探触子103の曲率中心104から等方的に分解能が低下するため、このような探触子103の位置とすることで撮影領域102の中心面上で分解能が最も高くなるため好ましいと考えられる。ここで、撮影領域102の中心面とは、撮影領域102の中心を通る、探触子103の開口と平行な面のことを指す。すなわち、撮影領域102の中心面とは、探触子103の開口の面外方向における撮影領域102の中間点を通る、探触子103の開口と平行な面のことを指す。
ところで、光音響波に基づく再構成により生じるアーチファクトは、探触子が光音響波の音源の全周囲を取り囲むと音源を完全に再現することができ、理想的には発生しないことが知られている。すなわち、探触子103で囲まれた位置ではアーチファクトが軽減され、分解能が高くなることが知られている。式(1)で定義された高分解能領域はこの知見に基づき定義されたものであると考えられる。この知見によれば、探触子103の曲率中心104を中心とした球110として高分解能領域は定義される。すなわち、等方的に分解能が変化する高分解能領域が定義される。
ところが、光音響波の伝搬時の減衰を考慮すると、高画質となる領域は球形状の高分解能領域とは異なることを本発明者は見出した。光音響波の発生位置からトランスデューサまでの距離が短い方が光音響波の伝搬時の減衰量は小さい。そのため、光音響波の発生位置とトランスデューサとの距離が近い場合、その位置で発生した光音響波の受信信号のS/Nは高く、その位置の分解能は高くなる。そこで、探触子103の曲率中心104を中心とした球110にこの知見を適用すると、その球の探触子103から離れた領域よりも探触子103側の領域の方が、高画質となる傾向があることを本発明者は見出した。すなわち、探触子103から離れた領域よりも探触子103側の領域の方が、S/Nが高く、高分解能となることを本発明者は見出した。以下、探触子103の曲率中心104を中心とした球110の探触子103側の領域を「計測領域」と呼ぶ。本実施形態では、曲率中心104を中心とした球110の探触子103側の領域のうち、探触子103側の半球領域を計測領域として説明する。
さらに本発明者は、上記知見に基づき、図1(b)に示すように探触子103を移動させることにより計測領域を移動させ、撮影領域102を計測領域の軌跡105で埋めることを着想した。このとき、図1(a)の状態から探触子103を探触子103の開口の面外方向(z方向)に移動させる。これにより、探触子103の曲率中心104は撮影領域102の中心面よりも探触子103から離れるように位置している。そして、探触子103の開口の面内方向(XY方向)に探触子103を移動させ、計測領域を移動させ、計測領域の軌跡105を形成した。計測領域の軌跡105は、複数のタイミングにおける光照射時の計測領域を重ね合わせたものである。
これにより、再構成により生じるアーチファクトの影響に加えて、光音響波の伝搬時の減衰の影響も考慮して定義された、S/Nおよび分解能が高くなる計測領域で発生した光音響波を効果的に受信することができる。一方、図1(a)の場合において計測領域の軌跡105が撮影領域102に収まっていないことからも理解されるように、本実施形態によれば比較例に比べて撮影領域102内のS/Nおよび分解能を高くすることができる。
なお、開口数の観点からは曲率中心104では再構成により生じるアーチファクトは抑制されているので、曲率中心104が撮影領域102内に含まれるように探触子103を移動させたときに光音響波の計測を行ってもよい。
また、探触子103は、ベッド101に設けられた挿入口よりも探触子側で発生した光音響波を受信しやすい。そのため、挿入口よりも探触子103側の領域で発生した光音響波を効果的に受信するために、曲率中心104が挿入口よりも探触子103側に位置するように探触子103を移動させたときに光音響波の計測を行ってもよい。
また、曲率中心104を中心とした球110の半径dthは、式(1)に従って決定することができる。ただし、式(1)に従って半径dthを決定する場合、最高分解能は光音響波の減衰を考慮せずに決定された曲率中心104における分解能とする。また、下限分解能Rは最高分解能の半分の値を設定してもよい。
<光音響装置の基本構成>
本実施形態に係る光音響装置は、光音響効果により発生した光音響波を検出することにより、被検体情報を取得することができる。本実施形態に係る光音響装置は、光音響波の受信信号を取得する信号計測部1100と、受信信号に基づいて被検体情報を取得する情報処理部1000とに大別される。
本実施形態において被検体情報とは、光音響波の初期音圧、初期音圧から導かれる光エネルギー吸収密度、吸収係数、被検体を構成する物質の濃度などである。ここで、物質の濃度とは、酸素飽和度、オキシヘモグロビン濃度、デオキシヘモグロビン濃度、および総ヘモグロビン濃度などである。総ヘモグロビン濃度とは、オキシヘモグロビン濃度およびデオキシヘモグロビン濃度の和である。
また、本実施形態において被検体情報は、数値データとしてではなく、被検体内の各位置の分布情報であってもよい。すなわち、吸収係数分布や酸素飽和度分布などの分布情報を被検体情報としてもよい。
<信号計測部1100の基本構成>
図2は、本発明の光音響装置の信号計測部1100の構成の一例を示す図である。
信号計測部1100は、本発明の実施形態において光音響波の信号の計測を行うブロックである。信号計測部1100は、制御部1101、移動部1102、探触子103、光源1104、光学系1105を備える。
まず、光源1104から発生した光が、光学系1105を介してパルス光1106として被検体107に照射される。そして、光音響効果により被検体107内で光音響波が発生する。続いて、伝搬した光音響波を探触子103で受信して時系列の電気信号を取得し、情報処理部1000に格納し受信信号データとする。
また、以上の工程を移動部1102により探触子103の位置を変えて行い、複数の計測位置で受信信号データを生成する。ここで計測位置とは、パルス光1106が被検体107に照射されたときに探触子103が位置する位置のことを指す。また、複数のタイミングでパルス光1106が被検体107に照射されたときに各タイミングで探触子103が位置する位置を総称して「複数の計測位置」とする。
続いて、情報処理部1000が受信信号データに基づいて設定された撮影領域内の被検体情報を取得し、情報処理部1000の表示部に表示させる。
(制御部1101)
制御部1101は、移動部1102、探触子103、光源1104、光学系1105等の信号計測部1100の各構成の制御を行う。制御部1101は典型的にはCPUで構成される。
制御部1101は、移動部1102を用いて探触子103を走査する。また、光源1104と光学系1105を制御して、パルス光1106を被検体107に照射し、探触子103を介して音響波を検出する。
制御部1101は、探触子103のトランスデューサ1108を介して得られた光音響波の電気信号を増幅し、アナログ信号からデジタル信号に変換する。また、各種信号処理、各種補正処理を行う。さらに、不図示のインターフェースを介して、信号計測部1100から、例えば情報処理部1000のような外部機器に光音響波信号を送信する。
なお、情報処理部1000と制御部1101とを一体で構成してもよい。すなわち、制御部1101の機能を情報処理部1000が実現してもよい。
(移動部1102)
移動部1102は、制御部1101からの制御信号に従って被検体107と探触子103とを相対的に移動させる。例えば、移動部1102は、XY平面に加えz方向にも移動可能な3軸ステージである。移動部1102は、探触子103を被検体107に対して、三次元で相対的な位置を変更し、光音響波計測のための移動を行う。移動方法としては、撮影者が指示する撮影領域に従って移動可能であれば、どのような移動方法を採用してもよい。なお、移動方法の一例としては、探触子103をスパイラル状に移動させることができる。
(探触子103)
探触子103は、トランスデューサ1108と、トランスデューサ1108を支持する半球状の支持体1110を備えている。トランスデューサ1108は、整合層1109をなす溶液と接し、被検体107を取り囲むように配置される。トランスデューサ1108は、光音響波を受信して時系列の受信信号として電気信号を出力する。被検体からの光音響波を受信するトランスデューサ1108は感度が高く、周波数帯域が広いものを用いてもよい。具体的にはPZT、PVDF、cMUT、ファブリペロー干渉計を用いたトランスデューサなどが挙げられる。ただし、光音響波を検出可能なものであれば、上記のものに限らずに適用することができる。
一般に、トランスデューサはその受信面(表面)の法線方向に最も高い受信感度を有する。半球状の支持体1110の半球面に複数のトランスデューサ1108が配置されることで、複数のトランスデューサ1108の最も受信感度の高い方向に沿った軸(以下、指向軸と呼ぶ)を半球面形状の曲率中心点付近へ集めることができる。これにより、曲率中心点付近に高精度に可視化可能な領域(高分解能領域)が形成される。
なお、図2はトランスデューサ配置の一例であり、配置の仕方はこの限りではない。所望の領域に指向軸が集まり、所望の高分解能領域を形成できるトランスデューサの配置であればよい。すなわち、所望の高分解能領域が形成されるように、曲面形状に沿って複数のトランスデューサ1108が配置されればよい。さらに、本明細書において曲面とは、真球形状や半球面等の開口がある球面を含む。また、球面と見なせる程度の表面上の凹凸がある面や、球面と見なせる程度の楕円体(楕円を三次元へ拡張した形であり、表面が二次曲面からなる形)上の面も球面に含むことができる。
また、球を任意の断面で切った形状の支持体1110に沿って複数のトランスデューサ1108を配置する場合、その支持体の形状の曲率中心に指向軸が最も集まる。本明細書において、このように球を任意の断面で切った、開口を有する球形状のことを球に基づく形状と呼ぶ。また、このように球に基づく形状の支持体に支持される複数のトランスデューサは、球面上に支持されることとなる。実施形態で説明する半球形状の支持体1110も、球を任意の断面で切った、開口を有する球形状の支持体の一例である。
支持体1110は、機械的強度が高い金属材料などを用いて構成してもよい。
(光源1104)
光源1104は、光音響波計測に十分なパワーを有し、必要に応じて波長を変更可能な光源であり、例えばパルス光を発生させるレーザーや発光ダイオードのような装置である。パルス光の波長は、観測対象に対して吸収係数が高い波長を選択可能であり、また、被検体の熱特性に応じて、十分、短い時間で光を照射させることが可能な光源を用いる。具体的には、効率的に光音響波を発生させるため、光源1104は10ナノ秒程度のパルス幅の光を発生可能であってもよい。光源1104が発することのできる光の波長は、被検体内部まで光が伝搬する波長を用いてもよい。具体的には、被検体が生体の場合、好適な波長は、500nm以上、1200nm以下である。ただし、比較的生体表面付近の生体組織の光学特性値分布を求める場合は、上記の波長領域よりも範囲の広い、例えば400nmから1600nmの波長領域を使用することも可能である。
光源1104として用いられるレーザーとしては、固体レーザー、ガスレーザー、色素レーザー、半導体レーザーなど様々なレーザーを使用することができる。例えば、アレキサンドライトレーザ、Yttrium−Aluminium−Garnetレーザー、Titan−Sapphireレーザーなどを光源1104として用いることができる。
(光学系1105)
光学系1105は、光源1104で発光した光を、被検体107まで導く光学的な経路および照射に関する装置である。光学系1105は、ミラー、光ファイバー等を用いて光を導いてもよく、レンズ、フィルタ、プリズム、拡散板などの光学機器を組み合わせて構築される。ただし、同様の機能を果たすものであれば、一般的な光学機器に限定されず、他の機器で構成してもよい。なお、図2中のパルス光1106は、光源1104で発光し、光学系1105で導かれ、探触子103の底部から出射し、整合層1109を透過して、被検体107に照射される光を示している。
光源1104、および、光学系1105は、制御部1101によって、レーザー照射のタイミング、波形、強度などを制御される。また、撮影時の光音響波の信号計測において、移動部1102により探触子103の位置を適切な位置に移動することにより、光学系1105も同期して移動する。また、制御部1101は、探触子103で検出された光音響波の信号をレーザー照射のタイミングと同期をとって計測するための各制御を行う。さらに、制御部1101は、複数回のレーザーを照射して同じ位置の素子から得られる信号を加算平均してその位置における信号の平均値を算出する信号処理も行ってもよい。ただし、移動部1102が、探触子103を移動させたときに、計測済のトランスデューサとは異なるトランスデューサが同じ位置で光音響波を受信する場合がある。この場合は、トランスデューサ1108の素子の指向性や、取り付け角度等の相違から、被検体の異なる位置で生じた光音響波を取得しているため、積算は行わなくてもよい。制御部1101は、探触子103で検出された光音響波に基づいて信号情報を情報処理部1000に送信する。
ここで、信号情報は、トランスデューサ1108から出力された時系列の受信信号を含む。また、信号情報は、探触子103の受信面上に配置された素子の位置に関する情報や感度、指向性に関する情報等の探触子103の情報を含んでもよい。また、信号情報は、ユーザーが指定した撮影指示情報や、光音響装置の作動制御に用いた計測方法情報などの光音響波の信号取得時の条件に関わる情報を含んでもよい。また、信号情報は、探触子103を移動させて光音響波を受信する場合には、トランスデューサ1108から出力された各タイミングの受信信号が、どの位置で受信された信号であるのかを特定できる情報を含んでもよい。例えば、各タイミングにおける支持体1110の三次元座標の位置と支持体1110上のトランスデューサの配置情報などを用いて、光音響波の受信位置を特定することができる。
(被検体107)
被検体107は本発明の光音響装置の一部を構成するものではないが、以下に説明する。便宜上、図2において被検体107は破線で示した。本実施形態に係る光音響装置は、人や動物の悪性腫瘍や血管疾患などの診断や化学治療の経過観察などを主な目的とする。よって、被検体としては生体、具体的には人体や動物の乳房や頸部、腹部などの診断の対象部位が想定される。
また、被検体内部にある光吸収体としては、被検体内部で相対的に光吸収係数が高いものとする。例えば、人体が測定対象であればオキシヘモグロビンあるいはデオキシヘモグロビンやそれらを含む多く含む血管あるいは新生血管を多く含む悪性腫瘍が光吸収体の対象となる。その他、頸動脈壁のプラークなどもその対象となる。
(保持部1111)
保持部1111は、被検体107の形状を一定に保つための部材である。保持部1111は、取り付け部としてのベッド101に取り付けられている。なお、被検体107を複数の形状にそれぞれ保持するために複数の保持部を用いる場合、取り付け部としてのベッド101は複数の保持部を取り付け可能に構成されていてもよい。
保持部1111を介して被検体107に光を照射する場合、保持部1111は照射光に対して透明であってもよい。例えば、保持部1111の材料としては、ポリメチルペンテンやポリエチレンテレフタラートなどを用いることができる。
また、被検体107が乳房である場合、乳房形状の変形を少なくして形状を一定に保持するために、保持部1111の形状は球をある断面で切った形状であってもよい。なお、被検体の体積や保持後の所望の形状に応じて、保持部1111の形状を適宜設計することができる。保持部1111が被検体107の外形にフィットし、被検体107の形状が保持部1111の形状とほぼ同様になるように構成されていてもよい。なお、光音響装置は、保持部1111を用いることなく、光音響波の計測を行ってもよい。
(整合層1109)
整合層1109は、被検体107と探触子103との間の空間を満たし、被検体107と探触子103を音響的に結合させるためインピーダンスマッチング材である。材料は、被検体107とトランスデューサ1108に音響インピーダンスが近く、パルス光を透過する液体であってもよい。具体的には水、ひまし油、ジェルなどが用いられる。後で述べるように被検体107と探触子103の相対位置が変化するため、被検体107、探触子103ともに整合層1109をなす溶液中に設置するとよい。
<情報処理部1000の機能ブロック図>
次に情報処理部1000の機能について説明する。図3は、本実施形態に係る情報処理部1000の機能構成を示す機能ブロック図である。
情報処理部1000は、撮影情報取得部1001、計測方法決定部1003、再構成処理部1005、データ記録部1006、表示情報生成部1007、表示部1008によって構成される。
(撮影情報取得部1001)
撮影情報取得部1001は、ユーザーにより入力部を介して入力された撮影に関する指示の情報を取得する。そして、撮影情報取得部1001は、撮影に関する指示の情報を撮影指示情報として、計測方法決定部1003に送信する。
なお、撮影に関する指示の情報は、ユーザーが入力部を介して入力することのできる撮影に関するあらゆる指示のことを指す。特に本実施形態では、撮影に関する指示の情報の例としては、最終的に被検体情報が取得される領域である撮影領域に関する情報をユーザーが入力部を用いて指定する場合を説明する。本実施形態において撮影領域は二次元または三次元の領域である。撮影領域を指定できる方法であればいかなる方法を採用することもできる。
また、撮影指示情報としては、撮影領域の他に、リニアスキャンやスパイラルスキャンのような探触子103の移動方法の種類や、移動ピッチ、計測点の数等を指示してもよい。また、撮影指示情報としては、光音響波の計測後の再構成処理方法やデータ保存方法に関する情報を指示してもよい。
(計測方法決定部1003)
計測方法決定部1003は、撮影情報取得部1001から受信した撮影指示情報に基づいて、信号計測部1100の計測方法を決定する。すなわち、計測方法決定部1003は、撮影指示情報に基づいて、信号計測部1100の各構成の作動方法を決定する。計測方法決定部1003は、信号計測部1100の各構成が行う作動に必要なパラメータである計測方法に関する情報を生成し、信号計測部1100に送信する。例えば、計測方法決定部1003は、撮影情報取得部1001から送られた撮影領域に関する情報に基づいて、各パルス光1106が照射されるときの探触子103の座標を計測方法情報として算出することができる。また、計測方法決定部1003は、撮影指示情報に基づいて再構成処理部1005に必要なパラメータを決定し、再構成パラメータを計測方法情報として再構成処理部1005に送信する。例えば、計測方法決定部1003は、撮影領域の情報に基づいて、再構成処理部1005が再構成すべき領域を決定し、再構成領域の情報を再構成処理部1005に送信することができる。
なお、計測方法決定部1003は、撮影指示情報に基づくパラメータが格納されたメモリから撮影情報取得部1001により取得された撮影指示情報に対応するパラメータを読み出すことにより、計測方法情報を取得してもよい。
また、計測方法決定部1003は、撮影ごとに撮影者が入力部を介して指定した撮影指示情報に基づいて計測方法情報を取得するだけでなく、予め設定済の計測方法情報を取得してもよい。
(再構成処理部1005)
再構成処理部1005は、信号計測部1100から受信した光音響波の信号情報に基づいて再構成処理を行い、被検体情報に関する再構成データを取得する。また、再構成処理部1005は、信号計測部1100の計測条件を表す計測指示情報にも基づいて再構成処理を行うことができる。再構成処理部1005は、撮影情報取得部1001が取得した撮影領域内の各点ごとに、選択された光音響波の信号情報を用いて三次元再構成処理を行い、光音響波の信号情報に基づく三次元の再構成データ(ボリュームデータ)を生成する。なお、再構成処理部1005は、撮影領域の次元に応じて、三次元に限らず二次元の再構成データ(ピクセルデータ)を生成してもよい。
再構成処理部1005は、光音響波の信号情報に基づいて、光が照射された時の音響波の分布(初期音圧分布)を再構成データとして再構成することができる。また、照射する光の波長に応じて、被検体内で光の吸収の度合いが異なることを利用し、複数の波長に対応する吸収係数分布から被検体内の物質の濃度分布を再構成データとして取得することができる。
再構成手法としては、例えば、フーリエ変換法、UBP法(Universal Backprojection method)やフィルタードバックプロジェクション法、逐次再構成法(iterative reconstruction method)などがある。本発明においてはどのような再構成手法を用いても構わない。
また、再構成処理部1005は、再構成された初期音圧分布を、被検体に照射された光の被検体内の光フルエンス分布で除することにより、被検体内における光の吸収係数分布を示す値を算出することができる。また、照射する光の波長に応じて被検体内で光の吸収の度合いが異なることを利用し、再構成処理部1005は、複数の波長に対応する吸収係数分布から被検体内の物質の濃度分布を再構成データとして取得することができる。例えば、再構成処理部1005は、被検体内の物質の濃度分布として、酸素飽和度分布を再構成データとして取得することができる。
再構成処理部1005は、生成した再構成データをデータ記録部1006に送信する。なお、再構成処理部1005は、撮影指示情報、計測方法情報、光音響波の信号情報などの情報についてもデータ記録部1006に送信してもよい。ただし、データ記録の有無に関わらず、直ちに再構成データを表示する場合には、再構成データを表示情報生成部1007に送信してもよい。
(データ記録部1006)
データ記録部1006は、再構成処理部1005から受信した再構成データ、撮影指示情報、計測指示情報、または光音響波の受信信号データ等に基づいて記録データを保存する。
例えば、撮影領域に相当するボクセル空間を再構成処理の設定で定まるピッチでボクセルを分割したボリュームデータは、再構成画像を格納するようなデータ形式に情報を付加した記録データとして保存される。データの記録は任意のデータフォーマットで実施することができるが、一例としては、医用画像の標準的な規格となっているDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)のフォーマットでボリュームデータを保存することができる。光音響装置に関する情報は、プライベートタグに格納することで、他の情報はDICOMの汎用性を維持しながら、情報を保存することができる。また、複数の計測によって得られたデータを保存する場合、プライベートタグ内に複数の計測を識別するための識別子を格納することで、各計測における再構成データを識別することができる。
また、データ記録部1006は、信号計測部1100から取得した光音響波の信号情報に含まれる情報を任意のフォーマットで保存してもよい。
データ記録部1006は、例えば、磁気ディスクのような補助メモリ303に、生成したデータを記録データファイルとして保存する。ただし、ネットワーク経由で、他の情報処理装置や記憶媒体をデータ記録部1006としてに記憶してもよい。またデータ記録部1006としては、記録データを保存できるものであれば、どのような記憶媒体でも適用できる。
(表示情報生成部1007)
表示情報生成部1007は、再構成処理部1005またはデータ記録部1006から受信した再構成データに基づいた表示情報を生成する。再構成データが二次元データで、そのままディスプレイの輝度値で表示できるような値域であれば、表示情報生成部1007は特別な変換なく表示情報を生成することができる。再構成データが三次元のボリュームデータである場合、表示情報生成部1007は、ボリュームレンダリング、多断面変換表示法、最大値投影法(MIP : maximum intensity projection)など、任意の方法で表示情報を生成することができる。また、再構成データの値域がディスプレイの輝度値の値域を超える値域である場合には、表示情報生成部1007は、窓処理を実施して表示部1008で表示できる画素値で表示情報を生成することができる。また、表示情報生成部1007は、他の情報と同時に再構成データを表示するために、複数の情報が統合された表示情報を生成してもよい。
(表示部1008)
表示部1008は、生成した表示情報を表示するためのグラフィックカード、および、液晶やCRTディスプレイのような、表示装置であり、表示情報生成部1007から受信した表示情報を表示する。なお、表示部1008は、本実施形態に係る光音響装置とは別に提供されてもよい。
<情報処理部1000のハード構成>
図4は、情報処理部1000の各部の機能をソフトウェアで実現するためのコンピュータの基本構成を示す図である。
CPU301は、主として情報処理部1000の各構成要素の動作を制御する。主メモリ302は、CPU301が実行する制御プログラムを格納したり、CPU301によるプログラム実行時の作業領域を提供したりする。主メモリ302には、半導体メモリなどを用いることができる。本実施形態において、撮影情報取得部1001、計測方法決定部1003の機能は、主にCPU301および主メモリ302によって実現される。
補助メモリ303は、オペレーティングシステム(OS)、周辺機器のデバイスドライバ、後述するフローチャートの処理等を行うためのプログラムを含む各種アプリケーションソフト等を格納する。補助メモリ303には、磁気ディスクや半導体メモリなどを用いることができる。表示メモリ304は、表示部1008のための表示用データを一時記憶する。表示メモリ304には、半導体メモリなどを用いることができる。本実施形態において、データ記録部1006の機能は、主に補助メモリ303および表示メモリ304で実現される。
GPU305は、信号計測部1100によって得られた信号情報から被検体情報の画像を生成する処理を行う。本実施形態において、再構成処理部1005および表示情報生成部1007の機能は、主にGPU305によって実現される。
入力部306は、ユーザーによるポインティング入力や文字等の入力に用いられる。入力部306には、マウス、キーボードなどが用いられる。本実施形態におけるユーザーの操作は入力部306より行われる。
I/F307は、情報処理部1000と外部との間で各種データのやりとりを行うためのものであり、IEEE1394やUS5等によって構成される。I/F307を介して取得したデータは、主メモリ302に取り込まれる。
信号計測部1100の各構成の作動制御は、I/F307を介して実現される。なお、上記各構成要素は共通バス308により互いに通信可能に接続されている。
<光音響装置の動作>
次に図2に示す光音響装置の動作について説明する。図5のフローチャートは、本実施形態における光音響装置の動作を示すフローチャートである。
(ステップS501:撮影領域に関する指示情報を取得する工程)
本工程では、撮影情報取得部1001は、ユーザーからの撮影指示を受けて、撮影領域に関する撮影指示情報を生成する。撮影情報取得部1001は、生成した撮影指示情報を、計測方法決定部1003に送信する。
図6に示すようにユーザーは、入力部306を介して、撮影指示情報として撮影領域102を指定する。例えば、予め設定された複数の撮影領域からユーザーが入力部306を用いて任意の撮影領域を指定することにより撮影領域に関する情報を指定してもよい。
また、ユーザーが入力部306を用いて、予め定められた所定形状の三次元領域のサイズまたは位置を入力することにより、領域設定部としての撮影情報取得部1001は撮影領域102を設定できる。なお、保持部1111により被検体が保持される位置に三次元領域の位置が予め設定されていてもよい。また、不図示のビデオカメラ等の撮像装置を構成に加え、被検体を捉えたカメラ画像と撮影領域を表す矩形のグラフィック等を表示し、ユーザーが入力部306を用いてグラフィックを操作して撮影領域を指定してもよい。すなわち、入力部306は、ユーザーが撮影領域に関する情報を入力可能に構成されている。撮影領域を指定できる限り、入力部306はいかなる撮影領域に関する情報も入力できるように構成することができる。
なお、撮影領域は、被検体107の全体を包含する領域であってもよいし、被検体107の一部の領域を限定して撮影領域としてもよい。
(ステップS502:計測位置を設定する工程)
本工程では、計測方法決定部1003が、撮影領域に関する撮影指示情報に基づいて光音響波の計測位置を設定する。すなわち、計測方法決定部1003は、設定された撮影領域102に基づいて、光の照射タイミングにおける探触子103の位置を設定する。
計測方法決定部1003は、図6に示すように、光が照射されたときに計測領域108が撮影領域102と重なるように計測位置を設定する。図6においては便宜上トランスデューサを示していないが、探触子103の半球上にトランスデューサが配置された場合を考える。本実施形態においては、探触子103の曲率中心104を中心とする球の探触子103側の半球領域を計測領域108としている。すなわち、計測方法決定部1003は、探触子103の曲率中心104が、撮影領域102の中心面109よりも探触子103から離れるように探触子103の位置を設定する。計測領域108内の探触子103に近い領域で発生した光音響波は、探触子103に到達するまでの減衰が小さいため、その領域の分解能は高くなる傾向がある。そのため、撮影領域102が計測領域108に対して小さい場合、計測領域108の探触子103側の端部と撮影領域102の端部とを一致させるように探触子103が位置させてもよい。また、計測方法決定部1003は、複数の光照射タイミングのそれぞれにおける計測領域108を重ね合わせた計測領域の軌跡105が撮影領域102を埋めるように、複数の計測位置を設定する。計測方法決定部1003は、このように複数の計測位置を設定することにより、撮影領域102内の分解能を高くし、分解能のばらつきを小さくすることができる。
また、図6(b)の場合のように、計測領域108に対して撮影領域が大きい場合を考える。この場合、計測方法決定部1003は、撮影領域102内にできるだけ多くの計測領域108を位置させるように計測位置を設定してもよい。すなわち、計測方法決定部1003は、計測領域108が撮影領域102に収まるように計測位置を設定してもよい。そのために、計測方法決定部1003は、計測領域108の探触子103側の端部が撮影領域102の端部よりも探触子103から離れ、かつ曲率中心104が撮影領域102内に収まるように計測位置を設定してもよい。また、計測方法決定部1003は、計測領域の軌跡105ができるだけ多く撮影領域102と重なるように複数の計測位置を設定してもよい。
計測方法決定部1003は、上記のような計測位置となるように、信号計測部1100の各構成の作動を制御するための計測方法情報を生成し、信号計測部1100に送信する。例えば、計測方法決定部1003は、信号計測部1100の照射光制御や移動部1102により移動される探触子103の位置に関わる計測方法情報を生成する。
(ステップS503:光音響波の受信信号を取得する工程)
本工程では、信号計測部1100の制御部1101が、計測方法決定部1003からの計測方法情報に基づいて、信号計測部1100の各構成を制御することにより、光音響波の受信信号を取得する。
移動部1102は、設定された計測位置となるように探触子103を移動させ、光源1104は探触子103が設定された計測位置に位置したときに発光する。光源1104からパルス光1106は光学系1105を介して被検体107に照射され、被検体107で光音響波が発生する。発生した光音響波は、各トランスデューサ1108により受信され、時系列の受信信号が出力される。各トランスデューサ1108から出力された時系列の受信信号は情報処理部1000に設定された計測位置で取得した受信信号データとして保存される。また、探触子103の移動方法、探触子103の位置や、光の照射の制御方法など、光音響波の計測に用いた情報についても受信信号データとともに情報処理部1000に保存してもよい。
(ステップS504:被検体情報を取得する工程)
本工程では、情報処理部1000の再構成処理部1005が、受信信号データに基づいてステップS502で設定された撮影領域102内の被検体情報に関する再構成データを取得する。再構成処理部1005は、受信信号データに加えて、光音響波の計測に用いた情報にも基づいて撮影領域102内の被検体情報に関する再構成データを取得してもよい。
(ステップS505:表示情報を生成する工程)
本工程では、情報処理部1000の表示情報生成部1007が、ステップS504で取得された再構成データに基づいて、表示部1008に表示可能な表示情報を生成する。そして、表示情報生成部1007は、生成された表示情報を表示部1008に送信する。
(ステップS506:画像を表示する工程)
本工程では、表示部1008は、表示情報生成部1007から受信した表示情報に基づいて、被検体情報に関する再構成データの画像を表示する。なお、表示情報生成部1007は、被検体情報に関する再構成データの分布情報や数値情報を表示部1008に表示させることができる。
例えば、再構成データをMPR(Multi Planner Reconstruction)で表示する場合に、再構成データの断面画像と、断面画像上で画質の良否により分割された領域の境界線を重畳表示することができる。また、ボリュームレンダリングにより表示画像を表示してもよい。また、三次元再構成データの各位置の画素値、すなわちボリュームデータのボクセル値に基づいたテキストによる説明を表示してもよい。また、表示情報生成部1007は、再構成データに関連する表示情報であれば、ユーザーの指示により任意の表示方法を設定することができる。
以上の動作を実行することにより、撮影領域内のS/Nおよび分解能の高い被検体情報を取得することができる。
なお、光のパルス毎に光音響波の信号情報から再構成データを取得し、パルス毎の再構成データを合成して最終的な再構成データを取得してもよい。特にパルス毎の再構成データをパルス間に取得することにより、光音響波の計測終了後から最終的な再構成データを取得するまでの時間を短くすることができる。
また、本実施形態では、探触子103のXY方向の移動を伴う光音響波の計測を行う例で説明した。ただし、撮影領域102のサイズが小さく、計測領域108に撮影領域102が収まる場合は、探触子103の移動を行わなくてもよい。
また、本実施形態では、ユーザーが所望の撮影領域を指定する手順を含む例で説明したが、予め決定された撮影領域に対して本実施形態の計測位置の設定を適用することも可能である。例えば、撮影情報取得部1001は、予め形状が既知である保持部1111の内部を撮影領域として設定してもよい。また、形状の異なる複数の保持部を用いる場合、複数の保持部に対応する複数の撮影領域の情報をデータ記録部1006に保存しておくことができる。そして、撮影情報取得部1001が、保持部の種類を読み出すことにより、データ記録部1006から対応する撮影領域に関する情報を読み出し、撮影領域を設定することができる。
また、本実施形態に係る計測位置の設定と、再構成アーチファクトの低減を優先させた高分解能領域で撮影領域を埋めるような計測位置の設定とを切り替えてもよい。すなわち、本実施形態に係る光音響装置は、計測領域を考慮した探触子103の移動と、等方的に分解能が変化する高分解能領域を考慮した探触子103の移動と切り替えてもよい。この場合、ステップS501において、計測領域を考慮した計測位置の設定と、等方的に分解能が変化する高分解能領域を考慮した計測位置の設定のいずれかを撮影指示情報として入力部306により入力できればよい。
[第二の実施形態]
第一の実施形態では、探触子103を探触子103の開口の面内方向(XY方向)に二次元に移動させ、光音響波を計測する場合を説明した。一方、第二の実施形態では、探触子103を三次元に移動させ、光音響波を計測する場合を説明する。すなわち、本実施形態では、1撮影中に、XY方向の移動だけではなく、Z方向にも探触子103を移動して、光音響波を計測する。
なお、第一の実施形態と同一の構成要素には原則として同一の符号を付して説明を省略する。
図7は、本実施形態に係る撮影領域と計測領域の軌跡を示す図である。本実施形態において計測領域108は、第一の実施形態と同様に探触子103の曲率中心104を中心とする球の探触子103側の半球領域とする。
本実施形態において、信号計測部1100は、計測領域の軌跡105A、105B、105Cが撮影領域102の全域を埋めるように計測する。
まず、計測方法決定部1003は、計測領域108の探触子103側の端部と撮影領域102の端部とが一致するように計測位置を設定する。そして、設定された計測位置に従って、移動部1102は探触子103を移動させ、光源1104は設定されたタイミングで光を発する。これにより、計測領域の軌跡105Aの高分解能な再構成データを取得することのできる、光音響波の受信信号を取得することができる。
また、図7のように、撮影領域102のZ方向のサイズより、計測領域108のZ方向のサイズが小さい場合は、探触子103のZ方向の位置を変更する。そして、同様にXY方向への光音響波の計測を行い、計測領域の軌跡105Bを形成する。その後、さらに探触子103のZ方向の位置を変更し、XY方向への光音響波の計測を行うことにより計測領域の軌跡105Cを形成する。図7のように、撮影領域102の下端から順に、XY方向への光音響波の計測を行うことにより、曲率中心104を中心とした球の探触子103側の半球領域で優先的に撮影領域102を埋めることができる。三次元に探触子103を移動させる場合も、計測領域の軌跡の探触子103側の端部が撮影領域102の探触子103側の端部と一致するように計測してもよい。
なお、本実施形態では計測領域の軌跡105A〜Cが重ならないように計測を行ったが、計測領域の軌跡が撮影領域を埋めることができる限り、いかなる計測を行ってもよい。すなわち、探触子103の各二次元の移動により形成される計測領域の軌跡が重なっていてもよい。
また、探触子103の開口の面内方向(XY方向)での計測位置のピッチに比べて、探触子103の開口の面外方向(Z方向)での計測位置のピッチを小さくしてもよい。すなわち、光照射間のXY方向への移動量に比べて、Z方向への移動量を小さくしてもよい。光音響波の減衰を考慮すると、Z方向での分解能の変化がXY方向に比べて急峻であるため、このような計測を行うことに限られた計測回数で分解能のばらつきを小さくすることができる。
また、探触子103を三次元に移動させる場合、本実施形態の移動方法に限らず、いかなる移動方法を採用してもよい。例えば、光照射間に探触子103をX、Y、Zの全方向に移動させて光音響波を計測してもよい。
1000 情報処理部
1102 移動部
103 探触子
1104 光源

Claims (10)

  1. 光源と、前記光源から発された光が被検体に照射されることにより発生した光音響波を受信して受信信号を出力する複数のトランスデューサと、開口を有し前記複数のトランスデューサを支持し曲率中心を有する半球状の支持体と、を備える探触子と、前記探触子を前記開口の面と平行な面で二次元に移動させる移動部と、撮影領域を設定する領域設定部と、前記複数のトランスデューサから出力された前記受信信号に基づいて前記撮影領域内の被検体情報を取得する処理部と、を有し、前記複数のトランスデューサは前記曲率中心にそれぞれの指向軸が集まるように前記支持体に支持され、前記光源は、前記曲率中心が前記撮影領域の中心よりも前記探触子から離れている側に位置するとともに、前記曲率中心を中心とし前記探触子側に位置し所定の曲率半径d th を有する半球状の計測領域の端部が前記撮影領域と重なっているときに光を発することを特徴とする光音響装置。
    但し、前記支持体の半径をr 、前記トランスデューサの直径をφ 、前記支持体の曲率中心における分解能の2分の1である下限分解能をRとしたときに、前記計測領域の曲率半径d th は、次の式によって決定される。
    Figure 0006598548
  2. 前記光源は、前記曲率中心が前記撮影領域内に含まれているときに光を発する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光音響装置。
  3. 前記光源は、前記計測領域の端部と、前記撮影領域の前記探触子側の端部とが一致するときに光を発する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光音響装置。
  4. 光源と、前記光源から発された光が被検体に照射されることにより発生した光音響波を受信して受信信号を出力する複数のトランスデューサと、前記複数のトランスデューサの指向軸が集まるように前記複数のトランスデューサを支持し曲率中心を有する半球状の支持体と、を備える探触子と、前記探触子を移動させる移動部と、撮影領域を設定する領域設定部と、前記複数のトランスデューサから出力された前記受信信号に基づいて前記撮影領域内の被検体情報を取得する処理部と、を有し、
    前記光源は、複数のタイミングで光を発し、前記移動部は、前記複数のタイミングのそれぞれにおける前曲率中心を中心とし前記探触子側に位置し所定の曲率半径d th を有する半状の計測領域の軌跡が前記撮影領域を埋めるように前記探触子を移動させることを特徴とする光音響装置。
    但し、前記支持体の半径をr 、前記トランスデューサの直径をφ 、前記支持体の曲率中心における分解能の2分の1である下限分解能をRとしたときに、前記計測領域の曲率半径d th は、次の式によって決定される。
    Figure 0006598548
  5. 前記光源は、前記複数のタイミングのそれぞれにおいて、前記曲率中心が前記撮影領域内に含まれているときに光を発する
    ことを特徴とする請求項に記載の光音響装置。
  6. 前記移動部は、前記探触子を三次元に移動させることを特徴とする請求項に記載の光音響装置。
  7. 前記支持体は、開口を有し、
    前記移動部は、光照射間での前記開口の面外方向への前記探触子の移動量を、前記開口の面内方向の移動量よりも小さくする
    ことを特徴とする請求項に記載の光音響装置。
  8. 前記撮影領域に関する情報を入力することが可能に構成された入力部を更に有し、
    前記領域設定部は、前記入力部により入力された前記撮影領域に関する情報に基づいて、前記撮影領域を設定する
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の光音響装置。
  9. 前記被検体を保持する保持部を更に有し、
    前記領域設定部は、前記保持部の内部を前記撮影領域として設定する
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の光音響装置。
  10. 前記支持体の形状は半球形状である
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の光音響装置。
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