JP6594693B2 - 保温装置及び食品搬送車 - Google Patents

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Description

本発明は、予め加熱調理し急速冷却し冷蔵保存(チルド保存)された食品を、トレイに盛付けして、再び冷蔵保存(チルド保存)し必要時に再加熱する、いわゆるクックチル方式の保温装置、及び当該保温装置を備える食品搬送車に関する。
病院、老人保健施設、ホテル、学校などの一度に大量の配膳が求められる施設においては、食事を提供するにあたって、例えば、特許文献1(特開2009−236382号公報)に記載された保温装置が用いられている。
特許文献1の保温装置は、温蔵庫と冷蔵庫のいずれかに切り替えて使用可能な第1保温庫と、冷蔵庫として使用可能な第2保温庫とを備えている。この保温装置によれば、例えば、加熱調理済みの急速冷却した食品で再加熱が必要な食品はトレイの第1保温庫側に盛付けし、再加熱の必要がない食品は第2保温庫側に盛付けして、このトレイを第1保温庫側と第2保温庫側に跨って挿入して保管した後、当該第1保温庫と第2保温庫を共に冷蔵庫として機能させることで、食品を冷蔵保存することができる。また、食事を提供する前に、第1保温庫のみを再加熱庫として使用する(機能させる)ことで食品を再加熱し、その後温蔵庫として使用することで、適温の食事を提供することができる。
特開2009−236382号公報
特許文献1の保温装置においては、第1保温庫と第2保温庫とをダクトで連通し、当該ダクト内に弁を設けている。この弁でダクト内を閉塞した状態で、第1保温庫に熱風を供給することで第1保温庫を温蔵庫として使用し、第2保温庫に冷風を供給することで第2保温庫を冷蔵庫として使用するようにしている。以下、第1保温庫を温蔵庫として使用し、第2保温庫を冷蔵庫として使用する場合を「通常モード」という。
また、弁でダクト内を開放した状態で、第2保温庫に冷風を供給することで、ダクトを通じて第1保温庫にも冷風を供給し、第1保温庫及び第2保温庫の両方を冷蔵庫として使用するようにしている。以下、第1保温庫及び第2保温庫の両方を冷蔵庫として使用する場合を「全冷モード」という。
全冷モードにおいては、それまで温蔵庫として使用されていた第1保温庫及び冷蔵庫である第2保温庫内を同様に約3℃程度に速やかに冷却することが求められる。特に、盛付け→冷蔵→再加熱→配膳→下膳→清掃のサイクルに余裕時間がない場合は、通常モードで運転されて高温になった第1保温庫に、次の食事のために加熱調理し急速冷却した食品を盛付けして冷蔵するためには、全冷モードにおける第1保温庫及び第2保温庫内の冷却速度を向上させることが求められる。この観点において、特許文献1の保温装置は、改善の余地がある。
従って、本発明の目的は、前記課題を解決することにあって、全冷モードにおける第1保温庫及び第2保温庫内の冷却速度を向上させることができる保温装置、及び当該保温装置を備える食品搬送車(配膳車も含まれる)を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明によれば、温蔵庫と冷蔵庫のいずれかに切り替えて使用可能な少なくとも1つの第1保温庫と、冷蔵庫として使用可能な少なくとも1つの第2保温庫とを備える再加熱機能を有する保温装置であって、
前記第1保温庫を冷蔵庫として使用するとき、前記第1保温庫及び前記第2保温庫に冷風を供給する冷風供給装置と、
前記第1保温庫に供給された冷風を前記冷風供給装置に戻す冷風循環装置と、
を備える、保温装置を提供する。
本発明によれば、全冷モードにおける第1保温庫及び第2保温庫内の冷却速度を向上させることができる。
本発明の第1実施形態に係る保温装置を備える食品搬送車の斜視図である。 図1の食品搬送車の上面図である。 図1の食品搬送車のA1−A1線断面図であって、通常モードにおける熱風及び冷風の流れを示す図である。 図1の食品搬送車のA2−A2線断面図であって、通常モードにおける熱風及び冷風の流れを示す図である。 図1の食品搬送車のA3−A3線断面図であって、通常モードにおける熱風及び冷風の流れを示す図である。 図1の食品搬送車のA1−A1線断面図であって、全冷モードにおける冷風の流れを示す図である。 図1の食品搬送車のA2−A2線断面図であって、全冷モードにおける冷風の流れを示す図である。 図1の食品搬送車のA3−A3線断面図であって、全冷モードにおける冷風の流れを示す図である。 第1チャンバの斜視図である。 第2チャンバの斜視図である。 第1弁が第1ダクトに取り付けられた状態を示す拡大断面図である。 枠体の正面図である。 枠体の側面図である。 回動板の斜視図である。 回動板の変形例を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る保温装置を備える食品搬送車の斜視図である。 図14の食品搬送車の上面図である。 図15のB1−B1線断面図である。 本発明の第3実施形態に係る保温装置の斜視図である。 図17の保温装置の上面図である。 図18のC1−C1線断面図である。 図18のC2−C2線断面図である。 図18のC3−C3線断面図である。
(本発明の基礎となった知見)
本発明者らは、全冷モードにおける第1保温庫及び第2保温庫内の冷却速度を向上させるために鋭意検討した結果、以下の知見を得た。
従来の保温装置では、弁でダクト内を開放した状態で、第2保温庫に冷風を供給することで、ダクトを通じて第1保温庫にも冷風を供給するようにしている。通常、第1保温庫と第2保温庫との間には間仕切りが設けられているため、第1保温庫と第2保温庫との間の冷風の流れは抑えられている。このため、第1保温庫に供給された冷風は、熱風が供給される経路など、第1保温庫に設けられた何らかの経路や隙間を通じて排出されている。
本発明者らは、この第1保温庫に供給された冷風を供給経路とは別の経路で冷風供給装置に強制的に戻して、冷風を循環させることで、全冷モードにおける第1保温庫及び第2保温庫内の冷却速度を大幅に向上させることができることを見出した。本発明者らは、この新規な知見に基づき以下の発明に至った。
本発明の第1態様によれば、温蔵庫と冷蔵庫のいずれかに切り替えて使用可能な少なくとも1つの第1保温庫と、冷蔵庫として使用可能な少なくとも1つの第2保温庫とを備えた再加熱機能を有する保温装置であって、
前記第1保温庫を冷蔵庫として使用するとき、前記第1保温庫及び前記第2保温庫に冷風を供給する冷風供給装置と、
前記第1保温庫に供給された冷風を前記冷風供給装置に戻す冷風循環装置と、
を備える、保温装置を提供する。
本発明の第2態様によれば、前記冷風循環装置は、
前記第1保温庫と前記冷風供給装置とを連通する第1ダクトと、
前記第1保温庫に供給された冷風を前記第1ダクト内に送風する第1ファンと、
前記第1ダクト内に設けられ、前記第1保温庫を温蔵庫として使用するとき、前記第1ダクト内を閉塞する一方で、前記第1保温庫を冷蔵庫として使用するとき、前記第1ダクト内を冷風が流れるように開放する第1弁と、
前記弁が前記第1ダクトを閉塞するとき、前記第保温庫内に供給された冷風を前記冷風供給装置に送風する一方、前記第1弁が前記第1ダクトを開放するとき、前記第保温庫内に供給された冷風とともに前記第1弁を通過した冷風を前記冷風供給装置に送風する第2ファンと、
を備える、第1態様に記載の保温装置を提供する。
本発明の第3態様によれば、前記第1弁は、前記第1ダクト内に冷風が流れるとき、当該冷風の風圧により前記第1ダクト内を開放するように構成されている、第2態様に記載の保温装置を提供する。
本発明の第4態様によれば、前記第1弁は、前記第1ダクト内に冷風が流れないとき、自重により前記第1ダクト内を閉塞するように構成されている、第2又は3態様に記載の保温装置を提供する。
本発明の第5態様によれば、前記第1弁は、上部を回動自在に軸支され、前記第1ダクト内を閉塞するときに、前記第1保温庫から前記冷風供給装置へ流れる冷風の風上側から風下側に向かって下方に傾斜するように設けられている、第2〜4態様のいずれか1つに記載の保温装置を提供する。
本発明の第6態様によれば、前記第1弁は、
前記第1ダクトの内周面に設けられた溝部に外周部が嵌合される環状の枠体と、
上部を回動自在に軸支され、前記環状の枠体の開口部を上方から開閉自在に覆う回動板と、
を備える、第5態様に記載の保温装置を提供する。
本発明の第7態様によれば、前記保温装置は、前記第1保温庫を温蔵庫として使用するとき、前記第1保温庫に熱風を供給する熱風供給装置を更に備え、
前記熱風供給装置は、
熱風を生成する熱風生成装置と、
前記熱風生成装置を収容し、前記第1保温庫と連通する第1チャンバと、
前記第1チャンバと前記第1保温庫とを連通する第2ダクトと、
前記第1保温庫に供給された熱風を前記第1チャンバに送風する第3ファンと、
を備え、
前記冷風供給装置は、
冷風を生成する冷風生成装置と、
前記冷風生成装置を収容し、前記第2保温庫と連通する第2チャンバと、
前記第1チャンバと前記第2チャンバとを連通する第3ダクトと、
前記冷風生成装置で生成された冷風を前記第1チャンバに送風する第4ファンと、
前記第3ダクト内に設けられ、前記第1保温庫を温蔵庫として使用するとき、前記第3ダクト内を閉塞する一方で、前記第1保温庫を冷蔵庫として使用するとき、前記第3ダクト内を冷風が流れるように開放する第2弁と、
を備える、第2〜6態様のいずれか1つに記載の保温装置を提供する。
本発明の第8態様によれば、前記第2ファンは、前記第1保温庫を前記温蔵庫及び前記冷蔵庫のいずれで使用するときにも駆動され、前記第1ファン、前記第3ファン、及び前記第4ファンよりも風力が小さい、第7態様に記載の保温装置を提供する。
本発明の第9態様によれば、前記第2ファンは、前記第2チャンバ内に設けられている、第7又は8態様に記載の保温装置を提供する。
本発明の第10態様によれば、前記第2弁は、前記第3ダクト内に冷風が流れるとき、当該冷風の風圧により前記第3ダクト内を開放するように構成されている、第7〜9態様のいずれか1つに記載の保温装置を提供する。
本発明の第11態様によれば、前記第2弁は、前記第3ダクト内に冷風が流れないとき、自重により前記第3ダクト内を閉塞するように構成されている、第7〜10態様のいずれか1つに記載の保温装置を提供する。
本発明の第12態様によれば、前記第2弁は、上部を回動自在に軸支され、前記第3ダクト内を閉塞するときに、前記第2チャンバから前記第1チャンバへ流れる冷風の風上側から風下側に向かって下方に傾斜するように設けられている、第7〜11態様のいずれか1つに記載の保温装置を提供する。
本発明の第13態様によれば、前記第2弁は、
前記第3ダクトの内周面に設けられた溝部に外周部が嵌合される環状の枠体と、
上部を回動自在に軸支され、前記環状の枠体の開口部を上方から開閉自在に覆う回動板と、
を備える、第12態様に記載の保温装置を提供する。
本発明の第14態様によれば、第1〜13態様のいずれか1つに記載の保温装置を備える食品搬送車を提供する。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施形態によって、本発明が限定されるものではない。
《第1実施形態》
本発明の第1実施形態に係る保温装置、及び当該保温装置を備える食品搬送車について説明する。図1は、本第1実施形態に係る保温装置を備える食品搬送車の斜視図である。図2は、当該食品搬送車の上面図である。図3及び図6は、図2のA1−A1線断面図である。図4及び図7は、図2のA2−A2線断面図である。図5及び図8は、A3−A3線断面図である。図3〜図5には、通常モードにおける熱風及び冷風の流れを示し、図6〜図8には、全冷モードにおける冷風の流れを示している。
図1に示すように、本第1実施形態に係る食品搬送車1は、移動装置(台車)2と、移動装置2上に設けられた保温装置3とを備えている。
移動装置2は、保温装置3を移動させることができるものである。例えば、移動装置2は、電動式(パワーアシスト式を含む)のものであっても、手押し式のものであってもよい。
保温装置3は、図2〜図8に示すように、温蔵庫と冷蔵庫のいずれかに切り替えて使用可能な第1保温庫4と、冷蔵庫として使用可能な第2保温庫5とを備えた再加熱機能を有する保温装置である。第1保温庫4と第2保温庫5とは、着脱自在に構成された間仕切りユニット3C内に形成されており、キャスタ13によって保温空間32内に収納可能である。間仕切りユニット3Cを保温空間32内に収納すると、間仕切りユニット3Cの天面の突起部10は、保温空間32側に設置された封止部材11によって両側から挟まれるようになっており、第1保温庫4側の空間と第2保温庫5側の空間は断熱されている。また、間仕切りユニット3Cの底面には封止部材12が接触しており、第1保温庫4側の空間と第2保温庫5側の空間は断熱されている。また、第1保温庫4と第2保温庫5とは、それぞれ他方の熱の影響を受けにくくするために、間仕切り9で区画されている。なお、間仕切り9は、例えば特開2003−299524に記載されているような構造(図5、間仕切り桟43)である。図2〜図8には着脱自在な第1保温庫4と第2保温庫5を有する間仕切りユニット3Cを記載したが、保温空間32内に第1保温庫4と第2保温庫5を直接構成してもよい。この場合も第1保温庫4と第2保温庫5は間仕切り9で区画される。
ここで、「保温庫」とは、庫内温度を一定の範囲に維持しうる機能を有する食品保存庫をいう。「温蔵庫」とは、庫内温度を室温(例えば、20℃)よりも高い温度範囲に維持するものをいう。「冷蔵庫」とは、庫内温度を室温よりも低い温度範囲に維持するものをいう。なお、第1保温庫4を温蔵庫として使用する場合、再加熱時の第1保温庫4内の温度は、例えば110〜120℃に設定され、保温時の第1保温庫4内の温度は、例えば70〜75℃に設定される。また、第1保温庫4及び第2保温庫5を冷蔵庫として使用する場合、第1保温庫4及び第2保温庫5内の温度は、例えば5〜10℃に設定される。
第1保温庫4は、図3〜図8に示すように、食品が載せられる複数のトレイ41を間仕切り9に差し込むことで第2保温庫5にも跨って収納可能に構成されている。第1保温庫4には、熱風及び冷風を取り込む通気穴(図示せず)が設けられている。同様に、第2保温庫5は、食品が載せられる前記複数のトレイ41を第1保温庫4にも跨って収納可能に構成されている。第2保温庫5には、冷風を取り込む通気穴(図示せず)が設けられている。なお、トレイ41は、例えば特開2003−299524に記載されているような構造(図11、トレイ31)である。
また、保温装置3は、図2〜図8に示すように、第1保温庫4及び第2保温庫5に冷風を供給する冷風供給装置6と、第1保温庫4に供給された冷風を冷風供給装置6に戻す冷風循環装置7と、第1保温庫4に熱風を供給する熱風供給装置8とを備えている。ここで冷風供給装置6は、送風室62a、ダクト室62b、送風室62cから成る第2チャンバ62と、前記ダクト室62b内に設置された冷風生成装置61から構成される。また、熱風供給装置8は、送風室82a、ダクト室82b、送風室82cから成る第1チャンバ82と、前記ダクト室82b内に設置された熱風生成装置81から構成される。
冷風循環装置7は、図2に示すように、第1保温庫4と冷風供給装置6とを連通する第1ダクト71と、第1保温庫4に供給された冷風を第1ダクト71内に送風する第1ファン72とを備えている。
第1ダクト71内には、第1弁73が設けられている。第1弁73は、第1保温庫4を温蔵庫として使用するとき、第1ダクト71内を閉塞する一方で、第1保温庫4を冷蔵庫として使用するとき、第1ダクト71内を冷風が流れるように開放するように構成されている。より具体的には、第1弁73は、図6に示すように第1ダクト71内に冷風が流れるとき、当該冷風の風圧により第1ダクト71内を開放し、図3に示すように第1ダクト71内に冷風が流れないとき、自重により第1ダクト71内を閉塞するように構成されている。また、第1弁73は、図3に示すように、上部を回動自在に軸支され、第1ダクト71内を閉塞するときに、第1保温庫4から冷風供給装置6に流れる冷風の風上側から風下側に向かって下方に傾斜するように設けられている。第1弁73の具体的な構成については、後で詳しく説明する。
また、第1ダクト71内には、図2に示すように、第2ファン74が設けられている。また、本第1実施形態において、第1ダクト71は、開口部71aを通じて第2保温庫5とも連通している。第2ファン74は、第1弁73が第1ダクト71内を閉塞するとき、すなわち、第1保温庫4を温蔵庫として使用するとき、図4に示すように、第2保温庫5内に供給された冷風を、第1ダクト71を通じて冷風供給装置6に送風するように構成されている。また、第2ファン74は、第1弁73が第1ダクト71内を開放するとき、すなわち、第1保温庫4を冷蔵庫として使用するとき、図7に示すように、第2保温庫5内に供給された冷風とともに第1弁73を通過した冷風を冷風供給装置6に送風するように構成されている。
熱風供給装置8は、図2に示すように、熱風を生成する熱風生成装置81と、熱風生成装置81を収容し、第1保温庫4と連通する第1チャンバ82と、第1チャンバ82と第1保温庫4とを連通する第2ダクト83とを備えている。第2ダクト83内には、第1保温庫4に供給された熱風を第1チャンバ82に送風する第3ファン84が設けられている。
熱風生成装置81は、循環してきた空気を熱して熱風に変えるもので、例えば、シーズヒータ、パネルヒータ、PTCヒータなどのヒータである。
図9は、第1チャンバ82の構造を模式的に示した分解斜視図である。図9に示すように、第1チャンバ82は、送風室82aと、ダクト室82bと、送風室82cとを備えている。送風室82a、ダクト室82b、及び送風室82cは、それぞれ筒状に形成され、その順に整列するように配置されている。
ダクト室82bは、熱風生成装置81を収容する大きさに形成されている。ダクト室82bの上部は、図4及び図7に示すように、第2ダクト83を介して第1保温庫4と連通している。ダクト室82bの下部には、図9に示すように、送風室82aと連通する開口部82dと、送風室82cと連通する開口部82eが設けられている。送風室82aの第1保温庫4と対向する面には、複数の送風穴82fが設けられている。また、送風室82cの第1保温庫4と対向する面には、複数の送風穴82gが設けられている。図示では模式的に縦方向に4箇所の送風穴を示したが、実際の送風穴数は保温庫内に縦方向に収納するトレイ数(6段〜12段)に応じて設定されている。
冷風供給装置6は、冷風を生成する冷風生成装置61と、冷風生成装置61を収容し、第2保温庫5と連通する第2チャンバ62と、第1チャンバ82と第2チャンバ62とを連通する第3ダクト63とを備えている。第3ダクト63内には、冷風生成装置61で生成された熱風を第1チャンバ82に送風する第4ファン64が設けられている。
冷風生成装置61は、循環してきた空気を冷やして冷風に変えるもので、例えば、エバポレータなどの冷却装置である。なお、エバポレータと協働して冷却を行うコンプレッサは、第1、2実施形態においては、例えば移動装置2の下部に配置され配管で接続されており、第3実施形態においては、例えば保温装置3Aの上部に配置され配管で接続されている。
図10は、第2チャンバ62の分解斜視図である。図10に示すように、第2チャンバ62は、送風室62aと、ダクト室62bと、送風室62cとを備えている。送風室62a、ダクト室62b、及び送風室62cは、それぞれ筒状に形成され、その順に整列するように配置されている。
ダクト室62bは、冷風生成装置61を収容する大きさに形成されている。送風室62cの上部は、第3ダクト63を介して第1チャンバ82のダクト室82bと連通している。ダクト室62bの下部には、図10に示すように、送風室62aと連通する開口部62dと、送風室62cと連通する開口部62eが設けられている。送風室62aの第2保温庫5と対向する面には、複数の送風穴62fが設けられている。また、送風室62cの第2保温庫5と対向する面には、複数の送風穴62gが設けられている。
また、第3ダクト63内には、第1保温庫4を温蔵庫として使用するとき、第3ダクト63内を閉塞する一方で、第1保温庫4を冷蔵庫として使用するとき、第3ダクト63内を冷風が流れるように開放する第2弁65が設けられている。
第2弁65は、図8に示すように第3ダクト63内に冷風が流れるとき、当該冷風の風圧により第3ダクト63内を開放し、図5に示すように第3ダクト63内に冷風が流れないとき、自重により第3ダクト63内を閉塞するように構成されている。また、第2弁65は、図5に示すように、上部を回動自在に軸支され、第3ダクト63内を閉塞するときに、第2チャンバ62から第1チャンバ82へ流れる冷風の風上側から風下側に向かって下方に傾斜するように設けられている。
また、図2に示すように、第1ダクト71の第1ファン72と第1弁73との間には、全冷モードにおいて第1保温庫4に供給された冷風の温度を検知するための温度センサ91が設けられている。また、第1ダクト71の開口部71aと第2ファン74との間には、通常モード及び全冷モードにおいて第2保温庫5に供給された冷風の温度を検知するための温度センサ92が設けられている。また、第2ダクト83の第3ファン84とダクト室82bとの間には、通常モードにおいて第1保温庫に供給された熱風の温度を検知するための温度センサ93が設けられている。これらの温度センサ91〜93の検知温度は、保温装置3が備える制御部(図示せず)に送信される。当該制御部は、温度センサ91〜93の検知温度に基づいて、冷風供給装置6、冷風循環装置7、熱風供給装置8の各ファン、各生成装置の駆動を制御し、通常モード及び全冷モードを実行する。通常モードにおいて第1保温庫4が温蔵庫として機能しているときは第3ファン84が動作しているので、第1保温庫4の温度は温度センサ93で測定する。一方、全冷モードにおいて第1保温庫4が冷蔵庫として機能しているときは第1ファン72が動作しているが第3ファン84は停止しているので、温度センサ93の位置の温度は熱気が滞留していて第1保温庫4の温度を反映しているとは言えないため、温度センサ91で測定する。
次に、冷風循環装置7の第1弁73の構成について、より具体的に説明する。
図11は、第1弁73が第1ダクト71に取り付けられた状態を示す拡大断面図である。本第1実施形態において、第1弁73は、主として枠体73aと、回動板73bの2つの部材で構成されている。枠体73a及び回動板73bは、例えば、ステンレスで構成されている。第1ダクト71は、例えば、樹脂で構成されている。また、枠体73aは、鉛直方向に対してθ度だけ傾けて設置されている。食品搬送車1が坂道を走行するなどして数度(例えば、5度)傾いた場合でも弁が開放されないように、例えば、15度傾けて設置されている。
図12Aは、枠体73aの正面図である。図12Bは、枠体73aの側面図である。図12Aに示すように、枠体73aは、環状に形成されている。枠体73aは、図11に示すように、第1ダクト71の内周面に設けられた溝部71bに外周部が嵌合するように取り付けられる。溝部71bは、例えば、枠体73aの外周部の全周を嵌合するように環状に形成されている。これにより、枠体73aと第1ダクト71との間の気密性が確保されている。
枠体73aの開口部73aaは、略矩形に形成されているが、上部の幅方向の長さが長くなるように、枠体73aの上部に2つの窪み部73abが形成されている。当該2つの窪み部73abには、それぞれ、枠体73aの主面に対して直交する方向に突出する軸受部73acが形成されている。
図13は、回動板73bの斜視図である。図13に示すように、回動板73bは、枠体73aの開口部73aaを覆うことができるように形成されている。すなわち、回動板73bの幅W2は開口部73aaの幅W1よりも大きく、回動板73bの高さH2は、開口部73aaの高さH1よりも大きく形成されている。回動板73bの上部には、枠体73aの一対の軸受部73acとそれぞれ対応する位置に、一対の軸受部73baが設けられている。一対の軸受部73ac及び一対の軸受部73baにそれぞれ設けられた孔に回動軸(図示せず)が挿入されることで、回動板73bは、枠体73aの開口部73aaを上方から開閉自在に覆うように、上部を回動自在に軸支される。
なお、枠体73aと回動板73bとの接触部には、ゴムなどの弾性部材を設けてもよい。これにより、枠体73aと回動板73bとが衝突することによる衝突音及び衝撃を低減することができる。なお、本第1実施形態のように、冷風の風圧により第1弁73を開閉するようにした場合には、冷風の風圧は急激に低下するのではなく徐々に低下し、回動板73bはゆっくりと回動する。このため、衝突音及び衝撃はほとんど発生しないので、弾性部材を設けなくてもよい。
なお、本第1実施形態において、第3ダクト63に取り付けられた第2弁65は、第1弁73と同様に構成されている。すなわち、第2弁65は、第3ダクト63の内周面に設けられた溝部に外周部が嵌合される環状の枠体と、上部を回動自在に軸支され、環状の枠体の開口部を上方から開閉自在に覆う回動板とを備えている。第2弁65の具体的な説明は、第1弁73の説明と重複するので、ここでは省略する。
次に、図3〜図5を参照して、通常モードにおける熱風及び冷風の流れを説明する。
例えば、ユーザにより保温装置3の筐体31に設けられた操作パネル(図示せず)が操作されたり、予めタイマーで設定された時刻に達することで通常モードが選択されると、冷風生成装置61が循環してきた空気を冷やして冷風に変えることで冷風を生成するとともに、熱風生成装置81が循環してきた空気を熱して熱風に変えることで熱風を生成する。また、第2ファン74及び第3ファン84が駆動(ON)される。このとき、第1ファン72及び第4ファン64は非駆動(OFF)状態にある。また、第1弁73は、自重により第1ダクト71内を閉塞した状態にある。また、第2弁65は、自重により第3ダクト63内を閉塞した状態にある。
図4に示すように、冷風生成装置61が生成した冷風は、第2ファン74の風力により、図10において実線矢印で示すように、ダクト室62b内を下降し、ダクト室62bの下部の開口部62d,62eを通じて送風室62a,62c内に入る。送風室62a,62c内に入った冷風は、図3又は図5に示すように、送風室62a,62c内を上昇し、複数の送風穴62f,62gを通じて第2保温庫5に供給される。第2保温庫5に供給された冷風は、図4に示すように、第1ダクト71に設けられた開口部71aを通じて第1ダクト71内に入り、第2ファン74の風力により開口部71cを通って再びダクト室62bを下降する。通常モード中、このように冷風が循環することで、第2保温庫5が冷蔵庫として機能する。なお、通常モードにおいて、第2保温庫5内の温度は、例えば、5〜10℃に設定される(第2保温庫5内の温度は、3〜10℃に設定可能である)。
図4に示すように、熱風生成装置81が生成した熱風は、第3ファン84の風力により、図9において白抜き矢印で示すように、ダクト室82b内を下降し、ダクト室82bの下部の開口部82d,82eを通じて送風室82a,82c内に入る。送風室82a,82c内に入った熱風は、図3又は図5に示すように、送風室82a,82c内を上昇し、複数の送風穴82f,82gを通じて第1保温庫4に供給される。第1保温庫4に供給された熱風は、図4に示すように、第3ファン84の風力により第2ダクト83を介して共通ダクト85に入り、開口部85aを通って再びダクト室82bを下降する。通常モード中、このように熱風が循環することで、第1保温庫4が温蔵庫として機能する。なお、通常モードにおいて、第1保温庫4内の温度は、例えば、再加熱時には110〜120℃に設定され、保温時には70〜75℃に設定される(第1保温庫4内の温度は、再加熱用と保温用に2段階に設定でき、再加熱時には100〜130℃、保温時には60〜80℃に設定可能である)。
次に、図6〜図8を参照して、全冷モードにおける冷風の流れを説明する。
例えば、ユーザにより、保温装置3の筐体31に設けられた操作パネル(図示せず)が操作され、全冷モードが選択されると、冷風生成装置61が循環してきた空気を冷やして冷風に変えることで冷風を生成する。また、第1ファン72、第2ファン74、及び第4ファン64が駆動(ON)される。このとき、第3ファン84は非駆動(OFF)状態にある。
図7に示すように、冷風生成装置61が生成した冷風は、第2ファン74の風力により、図10において実線矢印で示すように、ダクト室62b内を下降し、ダクト室62bの下部の開口部62d,62eを通じて送風室62a,62c内に入る。送風室62a,62c内に入った冷風は、図6又は図8に示すように、送風室62a,62c内を上昇する。
送風室62a,62c内を上昇する冷風は、複数の送風穴62f,62gを通じて第2保温庫5に供給される。第2保温庫5に供給された冷風は、図7に示すように、第1ダクト71に設けられた開口部71aを通じて第1ダクト71内に入り、第2ファン74の風力により開口部71cを通って再びダクト室62bを下降する。
送風室62c内を上昇する冷風の一部は、図8に示すように、第4ファン64の風力により、第3ダクト63内を通り、当該冷風の風圧により第2弁65が開放される。第2弁65を通過した冷風は、共通ダクト85に入り、図7に示す開口部85aを通ってダクト室82b内に入る。ダクト室82b内に入った冷風は、図9において実線矢印で示すように、ダクト室82b内を下降し、ダクト室82bの下部の開口部82d,82eを通じて送風室82a,82c内に入る。送風室82a,82c内に入った冷風は、図6又は図8に示すように、送風室82a,82c内を上昇し、複数の送風穴82f,82gを通じて第1保温庫4に供給される。
第1保温庫4に供給された冷風は、図6に示すように、第1ファン72の風力により第1ダクト71内を通り、当該冷風の風圧により第1弁73が開放される。第1弁73を通過した冷風は、図7に示す第2ファン74の風力により、図4で説明した通常モードで生成する冷風と合流し、第1ダクト内に設けられた開口部71cを通ってダクト室62bに入り、図10において実線矢印で示すように、ダクト室62b内を下降する。
全冷モード中、このように冷風が循環することで、第1保温庫4及び第2保温庫5が冷蔵庫として機能する。なお、全冷モードにおいて、第1保温庫4及び第2保温庫5内の温度は、例えば、3℃に設定される。
本第1実施形態によれば、第1保温庫4に供給された冷風を冷風供給装置6に戻す冷風循環装置7を備えているので、全冷モードにおける第1保温庫4及び第2保温庫5内の冷却速度を向上させることができる。例えば、特許文献1の保温装置が各保温庫を常温から約3℃まで冷却するのに要する時間が50〜60分である場合、本第1実施形態に係る保温装置の構成を採用することにより、当該時間を30〜40分程度に短縮することができる。
また、特許文献1の保温装置のように、弁としてボール弁やバタフライ弁などの電動弁や電磁弁を用いた場合は、それらの弁の外径に対して流路径が小さい構成になるので流路抵抗が大きく、またそれらの弁は金属で製作されていて、かつ保温装置3と接触しているので熱損失が大きいという課題がある。さらに、この種の電動弁や電磁弁は、高価であり、弁自体が壊れなくても、弁を制御するリレーが壊れることもある。
これに対して、本第1実施形態によれば、第1弁73が第1ダクト71内に冷風が流れるとき、当該冷風の風圧により第1ダクト71内を開放するように構成されている。すなわち、第1弁73として、冷風の風圧を受けて受動的に開放する弁を用いている。また、第1弁73は、第1ダクト71内に冷風が流れないとき、自重により第1ダクト71内を閉塞するように構成されている。この構成によれば、電動弁や電磁弁を用いないので、イニシャルコスト及びランニングコストを抑えることができる。
また、本第1実施形態によれば、第1弁73は、上部を回動自在に軸支され、第1ダクト71内を閉塞するときに、第1保温庫4から冷風供給装置6へ流れる冷風の風上側から風下側に向かって下方に傾斜するように設けられている。この構成によれば、第1弁73を傾斜して配置するという簡易な構成で、冷風供給装置6から第1保温庫4へ冷風が逆流することを抑えることができる。また、電動弁や電磁弁を用いる場合に比べて、第1ダクト71の断面積を増加させることができ、第1ダクト71内を流れる冷風の風量を増加させて冷却効率を向上させることができる。また、第1ダクト71の断面積を増加させることで、流路抵抗を低減することができるので、第1ファン72及び第2ファン74として風力の低いファンを使用することができる。
また、本第1実施形態によれば、第2弁65が第3ダクト63内に冷風が流れるとき、当該冷風の風圧により第3ダクト63内を開放するように構成されている。すなわち、第2弁65として、冷風の風圧を受けて受動的に開放する弁を用いている。また、第2弁65は、第3ダクト63内に冷風が流れないとき、自重により第3ダクト63内を閉塞するように構成されている。この構成によれば、電動弁や電磁弁を用いないので、イニシャルコスト及びランニングコストを抑えることができる。
また、本第1実施形態によれば、第2弁65は、上部を回動自在に軸支され、第3ダクト63内を閉塞するときに、第2チャンバ62から第1チャンバ82へ流れる冷風の風上側から風下側に向かって下方に傾斜するように設けられている。この構成によれば、第2弁65を傾斜して配置するという簡易な構成で、第1チャンバ82から第2チャンバ62へ熱風が逆流することを抑えることができる。また、電動弁や電磁弁を用いる場合に比べて、第3ダクト63の断面積を増加させることができ、第3ダクト63内を流れる冷風の風量を増加させて冷却効率を向上させることができる。また、第3ダクト63の断面積を増加させることで、流路抵抗を低減することができる。
なお、本第1実施形態では、第1弁73及び第2弁65の両方が、冷風の風圧を受けて受動的に開放する弁であるとしたが、本発明はこれに限定されない。第1弁73及び第2弁65の一方が、冷風の風圧を受けて受動的に開放する弁であればよい。
なお、第1弁73及び第2弁65は、食品搬送車1が坂道を走行するなどして数度(例えば、5度)傾いた場合でも弁が開放されないように自重が調整されることが好ましい。これにより、意図せず第1弁73及び第2弁65が開放されることを抑えることができる。なお、図13Bのように第1弁73及び第2弁65の回動板73bに錘73cを取り付けることにより、自重を調整するようにしてもよい。
なお、本第1実施形態に係る保温装置3において、通常モードで運転した後、直ぐに全冷モードの運転を開始すると、高温になった第1保温庫4内の熱風が第1ダクト71を通じて冷風供給装置6に供給されるおそれがある。この場合、エバポレータに熱風が当たると内部の冷媒ガスが膨張して配管等が破損する場合があり、破損に至らないまでも冷却効率が低下することになる。このため、通常モードで運転した後、第1保温庫4内の温度が所定温度(例えば、50℃)に低下するまでの所定時間は、冷却モードでの運転を開始しないように制御することが好ましい。これにより、冷却効率の低下を抑えることともに、熱風生成装置81が故障することを抑えることができる。なお、高温になった第1保温庫4を素早く冷却するために、通常モードで運転した後の所定時間、第2ファン74及び第3ファン84を駆動してもよい。
なお、本第1実施形態において、第1ファン72、第2ファン74、第3ファン84、及び第4ファン64として、例えば、シロッコファン、クロスフローファン、プロペラファン(軸流ファンを含む)などを用いることができる。各ファンのうち、第2ファン74は、第1保温庫4を温蔵庫及び冷蔵庫のいずれで使用するときにも駆動される。一方、第2ファン74は、第1ダクト71を流れる冷風を冷風供給装置6に戻すために設けられるものであり、第1ファン72のように第1弁73を開放させる風力を有する必要はない。このため、第2ファン74には、第1ファン72、第3ファン84、及び第4ファン64よりも風力は小さいが収納スペースの小さいファン、例えば軸流ファンを用いることができる。ここで風力が小さいとは、一般的に知られている静圧P―風力Q特性において、必要とされる静圧に対して得られる風量が小さいことを意味している。これにより、第2ファン74に要するイニシャルコスト及びランニングコストを抑えることができる。また、収納性がよいので、食品搬送車1の外形を大きくしなくても、食品搬送車1の内部に配置することができる。
なお、本第1実施形態において、第1ファン72、第2ファン74、第3ファン84、及び第4ファン64は、それぞれ1つ設けたが、本発明はこれに限定されない。それぞれのファンに求められる風力、設置スペース等を考慮して、複数設けられてもよい。
(第2実施形態)
図14は、本発明の第2実施形態に係る保温装置を備える食品搬送車の斜視図である。図15は、図14の食品搬送車の上面図である。図16は、図15のB1−B1線断面図である。
本第2実施形態に係る食品搬送車1Aは、前記第1実施形態に係る2台の食品搬送車1を、互いの熱風供給装置8の熱風生成装置81及び第1チャンバ82を共有するように連結した構成を有している。言い換えれば、本第2実施形態に係る食品搬送車1Aは、冷風供給装置6及び冷風循環装置7をそれぞれ2組備え、それらが平面視において熱風供給装置8の熱風生成装置81を中心として点対象に配置されるように構成されている。前記第1実施形態に係る装置及び部品と同様の装置及び部品については、同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
本第2実施形態に係る食品搬送車1Aによれば、2台の食品搬送車1を、互いの熱風供給装置8の熱風生成装置81及び第1チャンバ82を共有するように連結した構成を有しているので、2台の食品搬送車1を単に連結するよりも小型化、低コスト化を実現することができる。また、1つの熱風生成装置81を中央部に配置して、両端部へ熱風を流すようにしているので、最も電力を必要とする熱風生成装置81を効率良く駆動することができる。
また、本第2実施形態に係る食品搬送車1Aにおいては、熱風生成装置81を共有するように構成しているので、2つの第1保温庫4内に供給される熱風の温度及び冷風の温度は、同じ又はほぼ同じであると推定することができる。このため、第1保温庫4内に供給される熱風又は冷風の温度を計測する温度センサ91,93はそれぞれ1つ設けるだけでよい。これにより、低コスト化を図ることができる。
(第3実施形態)
図17は、本発明の第3実施形態に係る保温装置の斜視図である。図18は、図17の保温装置の上面図である。図19は、図18のC1−C1線断面図である。図20は、図18のC2−C2線断面図である。図21は、図18のC3−C3線断面図である。
本第3実施形態に係る保温装置3Aは、移動装置2を備えない据え置き型の装置であり、装置全体を移動させるのではなく、第1保温庫4及び第2保温庫5を走行キャスタ14付きインサートカート3Bとして構成し、移動させるように構成されている。
本第3実施形態に係る保温装置3Aでは、装置全体を移動させる必要がないので、前記第1実施形態に係る保温装置3ほど装置の小型化が求められない。このため、図18及び図19に示すように、第2ファン74を第2チャンバ62内に水平に配置している。この場合、第2ファン74を第1ダクト71内に斜めに配置する場合に比べて、流路抵抗を小さくすることができ、第2チャンバ62と第2保温庫5とを流れる冷風を効率良く循環させることができる。
また、本第3実施形態に係る保温装置3Aでは、第2保温庫5と第1ダクト71とを連通する開口部71aを設けることに代えて、第2保温庫5と第2チャンバ62のダクト室62bとを連通する開口部62hを設けている。この開口部62hは、第2ファン74よりも高い位置に設けられている。この構成によれば、第2チャンバ62と第2保温庫5とを流れる冷風をより効率良く循環させることができる。
なお、その他の点については、前記第1実施形態に係る保温装置3と同様であるので、同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
次に、図19〜図21を参照して、全冷モードにおける冷風の流れを説明する。
例えば、ユーザにより、保温装置3Aの筐体31に設けられた操作パネル(図示せず)が操作され、全冷モードが選択されると、冷風生成装置61が循環してきた空気を冷やして冷風に変えることで冷風を生成する。また、第1ファン72、第2ファン74、及び第4ファンが駆動(ON)される。このとき、第3ファン84は非駆動(OFF)状態にある。
図20に示すように、冷風生成装置61が生成した冷風は、第2ファン74の風力により、図10において実線矢印で示すように、ダクト室62b内を下降し、ダクト室62bの下部の開口部62d,62eを通じて送風室62a,62c内に入る。送風室62a,62c内に入った冷風は、図21に示すように、送風室62a,62c内を上昇する。
送風室62a,62c内を上昇する冷風は、複数の送風穴62f,62gを通じて第2保温庫5に供給される。第2保温庫5に供給された冷風は、図20に示すように、ダクト室62bの上部に設けられた開口部62hを通じてダクト室62b内に入り、第2ファン74の風力により再びダクト室62bを下降する。
送風室62c内を上昇する冷風の一部は、図21に示すように、第4ファン64の風力により、第3ダクト63内を通り、当該冷風の風圧により第2弁65が開放される。第2弁65を通過した冷風は、共通ダクト85に入り、開口部85aを通って、図9において実線矢印で示すようにダクト室82b内に入る。ダクト室82b内に入った冷風は、ダクト室82b内を下降し、ダクト室82bの下部の開口部82d,82eを通じて送風室82a,82c内に入る。送風室82a,82c内に入った冷風は、図19に示すように、送風室82a,82c内を上昇し、複数の送風穴82f,82gを通じて第1保温庫4に供給される。
第1保温庫4に供給された冷風は、図19に示すように、第1ファン72の風力により第1ダクト71内を通り、当該冷風の風圧により第1弁73が開放される。第1弁73を通過した冷風は、第2ファン74の風力により、第1ダクト内に設けられた開口部71dを通ってダクト室62bに入り、図10において実線矢印で示すように、ダクト室62b内を下降し、図20で説明した通常モードで生成する冷風と合流する。
全冷モード中、このように冷風が循環することで、第1保温庫4及び第2保温庫5が冷蔵庫として機能する。
なお、前記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
本発明は、全冷モードにおける第1保温庫及び第2保温庫内の冷却速度を向上させることができるので、例えば、病院、老人保健施設、ホテル、学校などの施設で使用されるクックチル方式のような再加熱機能を有する保温装置、及び当該保温装置を備える食品搬送車に有用である。
1 食品搬送車
1A 食品搬送車
2 移動装置
3 保温装置
3A 保温装置(据置型)
3B 走行キャスタ付きインサートカート
3C 間仕切りユニット
4 第1保温庫
5 第2保温庫
6 冷風供給装置
7 冷風循環装置
8 熱風供給装置
9 間仕切り
10 突起部
11 封止部材
12 封止部材
13 キャスタ
14 走行キャスタ
31 筐体
32 保温空間
41 トレイ
61 冷風生成装置
62 第2チャンバ
62a,62c 送風室
62b ダクト室
62d,62e 開口部
62f,62g 送風穴
63 第3ダクト
64 第4ファン
65 第2弁
71 第1ダクト
71a 開口部
71b 溝部
71c 開口部
71d 開口部
72 第1ファン
73 第1弁
73a 枠体
73b 回動板
73c 錘
74 第2ファン
81 熱風生成装置
82 第1チャンバ
82a,82c 送風室
82b ダクト室
82d,82e 開口部
82f,82g 送風穴
83 第2ダクト
84 第3ファン
85 共通ダクト
85a 開口部
91〜93 温度センサ

Claims (13)

  1. 温蔵庫と冷蔵庫のいずれかに切り替えて使用可能な少なくとも1つの第1保温庫と、冷蔵庫として使用可能な少なくとも1つの第2保温庫とを備える再加熱機能を有する保温装置であって、
    前記第1保温庫を冷蔵庫として使用するとき、前記第1保温庫及び前記第2保温庫に冷風を供給する冷風供給装置と、
    前記第1保温庫に供給された冷風を前記冷風供給装置に戻す冷風循環装置と、
    を備え
    前記冷風循環装置は、
    前記第1保温庫と前記冷風供給装置とを連通する第1ダクトと、
    前記第1保温庫に供給された冷風を前記第1ダクト内に送風する第1ファンと、
    前記第1ダクト内に設けられ、前記第1保温庫を温蔵庫として使用するとき、前記第1ダクト内を閉塞する一方で、前記第1保温庫を冷蔵庫として使用するとき、前記第1ダクト内を冷風が流れるように開放する第1弁と、
    前記第1弁が前記第1ダクトを閉塞するとき、前記第2保温庫内に供給された冷風を前記冷風供給装置に送風する一方、前記第1弁が前記第1ダクトを開放するとき、前記第2保温庫内に供給された冷風とともに前記第1弁を通過した冷風を前記冷風供給装置に送風する第2ファンと、
    を備える、保温装置。
  2. 前記第1弁は、前記第1ダクト内に冷風が流れるとき、当該冷風の風圧により前記第1ダクト内を開放するように構成されている、請求項に記載の保温装置。
  3. 前記第1弁は、前記第1ダクト内に冷風が流れないとき、自重により前記第1ダクト内を閉塞するように構成されている、請求項2に記載の保温装置。
  4. 前記第1弁は、上部を回動自在に軸支され、前記第1ダクト内を閉塞するときに、前記第1保温庫から前記冷風供給装置へ流れる冷風の風上側から風下側に向かって下方に傾斜するように設けられている、請求項のいずれか1つに記載の保温装置。
  5. 前記第1弁は、
    前記第1ダクトの内周面に設けられた溝部に外周部が嵌合される環状の枠体と、
    上部を回動自在に軸支され、前記環状の枠体の開口部を上方から開閉自在に覆う回動板と、
    を備える、請求項に記載の保温装置。
  6. 前記保温装置は、前記第1保温庫を温蔵庫として使用するとき、前記第1保温庫に熱風を供給する熱風供給装置を更に備え、
    前記熱風供給装置は、
    熱風を生成する熱風生成装置と、
    前記熱風生成装置を収容し、前記第1保温庫と連通する第1チャンバと、
    前記第1チャンバと前記第1保温庫とを連通する第2ダクトと、
    前記第1保温庫に供給された熱風を前記第1チャンバに送風する第3ファンと、
    を備え、
    前記冷風供給装置は、
    冷風を生成する冷風生成装置と、
    前記冷風生成装置を収容し、前記第2保温庫と連通する第2チャンバと、
    前記第1チャンバと前記第2チャンバとを連通する第3ダクトと、
    前記冷風生成装置で生成された冷風を前記第1チャンバに送風する第4ファンと、
    前記第3ダクト内に設けられ、前記第1保温庫を温蔵庫として使用するとき、前記第3ダクト内を閉塞する一方で、前記第1保温庫を冷蔵庫として使用するとき、前記第3ダクト内を冷風が流れるように開放する第2弁と、
    を備える、請求項のいずれか1つに記載の保温装置。
  7. 前記第2ファンは、前記第1保温庫を前記温蔵庫及び前記冷蔵庫のいずれで使用するときにも駆動され、前記第1ファン、前記第3ファン、及び前記第4ファンよりも風力が小さい、請求項に記載の保温装置。
  8. 前記第2ファンは、前記第2チャンバ内に設けられている、請求項又はに記載の保温装置。
  9. 前記第2弁は、前記第3ダクト内に冷風が流れるとき、当該冷風の風圧により前記第3ダクト内を開放するように構成されている、請求項のいずれか1つに記載の保温装置。
  10. 前記第2弁は、前記第3ダクト内に冷風が流れないとき、自重により前記第3ダクト内を閉塞するように構成されている、請求項のいずれか1つに記載の保温装置。
  11. 前記第2弁は、上部を回動自在に軸支され、前記第3ダクト内を閉塞するときに、前記第2チャンバから前記第1チャンバへ流れる冷風の風上側から風下側に向かって下方に傾斜するように設けられている、請求項6〜10のいずれか1つに記載の保温装置。
  12. 前記第2弁は、
    前記第3ダクトの内周面に設けられた溝部に外周部が嵌合される環状の枠体と、
    上部を回動自在に軸支され、前記環状の枠体の開口部を上方から開閉自在に覆う回動板と、
    を備える、請求項11に記載の保温装置。
  13. 請求項1〜12のいずれか1つに記載の保温装置を備える食品搬送車。
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