以下では、具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
以下に示される複数の実施形態は、LTE及びLTE-Advancedを主な対象として説明される。しかしながら、これらの実施形態は、LTE及びLTE-Advancedに限定されるものではなく、他のモバイル通信ネットワーク又はシステム、例えば3rd Generation Partnership Project (3GPP) Universal Mobile Telecommunications System(UMTS)、3GPP2 CDMA2000システム、Global System for Mobile communications(GSM(登録商標))/ General packet radio service(GPRS)システム、WiMAXシステム、又はモバイルWiMAXシステム等に適用されてもよい。
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態を含む幾つかの実施形態に係るモバイル通信ネットワークの構成例を示している。図1の例では、モバイル通信ネットワークは、RAN3(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network(E-UTRAN))及びコアネットワーク4(Evolved Packet Core(EPC))を含む。RAN3は、eNodeB2を含む。eNodeB2は、RAN3に配置され、RAN3に接続する複数の無線端末1(User Equipment(UE))と通信し、これらUEs1のための無線リソース管理を提供するよう構成されている。無線リソース管理は、例えば、各UE1との無線接続(e.g., Radio Resource Control(RRC)コネクション)の確立・修正・解放、各UE1のダウンリンク送信及びアップリンク送信のスケジューリング(無線リソースの割り当て)、及び各UE1のハンドオーバの制御を含む。図1に示されたeNodeB2は、マクロセル基地局であってもよいし、フェムトセル基地局であってもよい。
図1に示されたeNodeB2は、Centralized Radio Access Network(C-RAN)アーキテクチャで使用されるBaseband Unit(BBU)であってもよい。言い換えると、図1に示されたeNodeB2は、1又は複数のRemote Radio Head(RRH)に接続されるRANノードであってもよい。幾つかの実装において、BBUとしてのeNodeB2は、EPC4に接続されるとともに、無線リソース管理を含むコントロールプレーン処理とユーザプレーンのデジタルベースバンド信号処理とを担当する。一方、RRUは、アナログRadio Frequency(RF)信号処理(e.g., 周波数変換および信号増幅)を担当する。C-RANは、Cloud RANと呼ばれることもある。BBUは、Radio Equipment Controller(REC)又はData Unit(DU)と呼ばれることもある。RRHは、Radio Equipment(RE)、Radio Unit(RU)、又はRemote Radio Unit(RRU)と呼ばれることもある。
さらに、ベースバンド信号処理の一部をリモートサイトに配置するC-RANアーキテクチャも存在する。幾つかの実装では、レイヤ1(物理レイヤ)のベースバンド信号処理がリモートサイトに配置され、レイヤ2(MACサブレイヤ、RLCサブレイヤ、及びPacket Data Convergence Protocol(PDCP)サブレイヤ)及びレイヤ3信号処理がセントラルサイトに配置されてもよい。幾つかの実装では、レイヤ1並びにレイヤ2の一部又は全部の信号処理がリモートサイトに配置され、レイヤ3信号処理がセントラルサイト内に配置されてもよい。図1に示されたeNodeB2は、これらのC-RANアーキテクチャにおいてセントラルサイトに配置されるデータユニットであってもよい。
コアネットワーク4は、主にモバイル通信サービスを提供するオペレータによって管理されるネットワークである。コアネットワーク4は、複数のユーザープレーン・エンティティ(e.g., Serving Gateway (S-GW)及びPacket Data Network Gateway (P-GW))、及び複数のコントロールプレーン・エンティティ(e.g., Mobility Management Entity(MME)及びHome Subscriber Server(HSS)、Policy and Charging Rule Function(PCRF))を含む。S/P-GWを含む複数のユーザープレーン・エンティティは、RAN3と外部ネットワーク(Packet Data Network (PDN))との間でUEs1のユーザデータを中継する。MMEを含む複数のコントロールプレーン・エンティティは、UEs1のモビリティ管理、セッション管理(ベアラ管理)、加入者情報管理、及び課金管理を含む様々な制御を行う。
Mobile Edge Computing(MEC)サーバ5は、無線アクセスネットワークノード(RANノード)と直接的に(つまり、コアネットワーク4を介さずに)通信できるように、RAN3内に配置される。MECサーバ5は、エッジサーバと呼ぶこともできる。図1の例では、MECサーバ5は、eNodeB2と直接的に通信できるように、RAN3内に配置される。上述したように、eNodeB2は、BBUであってもよい。幾つかの実装において、MECサーバ5は、eNodeB2と物理的に統合されてもよい。幾つかの実装において、MECサーバ5は、eNodeB2と同じ建物(サイト)に配置され、eNodeB2と通信できるように当該サイト内のLocal Area Network(LAN)に接続されてもよい。
MECサーバ5は、1又は複数のUE1に向けたサービス又はアプリケーションに関するエッジ・コンピューティングのためにコンピューティング・リソース及びストレージ・リソース(ストレージ容量(capacity))のうち少なくとも1つを提供するよう構成されている。幾つかの実装において、MECサーバ5は、IaaS又はPaaS機能(facility)を提供することによって、MECアプリケーションのためのホスティング環境を提供してもよい。
MECサーバ5は、さらに、コアネットワーク4の一部の機能を有してもよい。例えば、MECサーバ5は、S-GWまたはS/P-GWの機能を有し、MECを利用するUE1のベアラ(Evolved Packet System(EPS)ベアラ)を終端してもよい。上述したように、MECのアーキテクチャは、NFVのアーキテクチャと類似している。したがって、MECサーバ5は、MECアプリケーションをホストするだけでなく、仮想化された(virtualized)S/P-GW(vS/P-GW)を含むネットワーク機能をホストしてもよい。
幾つかの実装において、MECサーバ5は、1又は複数のセントラル・サーバ9と通信してもよい。MECサーバ5は、コアネットワーク4を経由してセントラル・サーバ9と通信してもよいし、コアネットワーク4を経由しない通信回線又はネットワーク上でセントラル・サーバ9と通信してもよい。また、図1には示されていないが、MECサーバ5は、複数のeNodeB2に接続されてもよい。
続いて以下では、eNodeB2によるパケットスケジューリング(MACスケジューリング)をMECアプリケーションの通信に適応させるためのeNodeB2及びMECサーバ5の動作及び構成について説明する。図2は、eNodeB2及びMECサーバ5の動作の一例(処理200)を示すシーケンス図である。ステップ201では、MECサーバ5は、MEC制御情報(MEC control information)をeNodeB2に送信する。当該MEC制御情報は、特定のUE1のアプリケーション・レイヤとMECサーバ5にホストされたMECアプリケーションとの間の通信イベントで送信される複数のデータパケットの合計サイズと、これら複数のデータパケットの送信デッドラインとを示す。幾つかの実装において、当該MEC制御情報は、1つのUEの識別子、複数のUE(UEグループ)の識別子、又はUE種別の識別子を示してもよい。これらの識別子は、当該合計サイズ及び送信デッドラインが適用される1又はそれ以上の特定のUE1を識別するためにeNB2によって使用される。
UE1のアプリケーションとMECアプリケーションとの間の1回の通信イベントは、通信トランザクション又は通信フローと言うこともできる。1回の通信イベント、通信トランザクション、又は通信フローは、特定のサービスに関する一方向(i.e., DL又はUL)又は双方向(i.e., DL及びUL)のデータ送信を含む。1回の通信イベントは、アプリケーション・レイヤにおいて取り扱われるデータ(e.g., 画像データ、又はGlobal Navigation Satellite Systems(GNSS)位置データ)の送信であってもよい。具体例を示すと、例えば、1回の通信イベントは、MECアプリケーションからUE1のアプリケーションへの1又は複数の画像データの送信であってもよい。この場合、通信イベントは、MECサーバ5からUE1への1又は複数の画像データのDL送信を少なくとも含む。さらに、この通信イベントは、UE1からMECサーバ5へのユーザデータ(e.g., 画像データの要求メッセージ、及び画像データ受信に基づく応答メッセージ)のUL送信を含んでもよい。
複数のデータパケットの合計サイズは、1回の通信イベントにおいて、一方向(i.e., DL又はUL)送信で送られる複数のデータパケットの合計サイズを示してもよい。これに代えて、複数のデータパケットの合計サイズは、1回の通信イベントにおいて、DL送信される複数のDLデータパケットの合計サイズとUL送信される複数のULデータパケットの合計サイズを示してもよい。
複数のデータパケットの送信デッドラインは、1回の通信イベントに関する複数のデータパケットの送信を完了するべき期限を意味する。送信デッドラインは、アプリケーションによって要求される。送信デッドラインは、送信期限と言うこともできる。あるいは、送信デッドラインは、アプリケーションによって許容される最大送信遅延と言うこともできる。送信デッドラインは、様々に定義することができる。例えば、送信デッドラインは、アプリケーション・レイヤの発信者(sender)(i.e., UE1のアプリケーション又はMECアプリケーション)による送信の完了期限を示してもよい。あるいは、送信デッドラインは、無線レイヤの発信者(i.e., UE1又はeNB2)による送信の完了期限を示してもよい。あるいは、送信デッドラインは、アプリケーション・レイヤの受信者(receiver)による(i.e., UE1のアプリケーション又はMECアプリケーション)による受信の完了期限を示してもよい。あるいは、送信デッドラインは、無線レイヤの受信者(i.e., UE1又はeNB2)による受信の完了期限を示してもよい。あるいは、より具体的に、送信デッドラインは、アプリケーションレイヤの発信者(sender)が1回の通信イベントに関する最初のデータパケットを送信開始してからアプリケーションレイヤの受信者(receiver)が1回の通信イベントに関する最後のデータパケットを受信完了する期限を示してもよい。あるいは、また、送信デッドラインは、無線レイヤの発信者が1回の通信イベントに関する最初のデータパケットを送信開始してから無線レイヤの受信者が1回の通信イベントに関する最後のデータパケットを受信完了する期限を示してもよい。
UE1とMECアプリケーションとの間の通信イベントで送信される複数のデータパケットの合計サイズ及び送信デッドラインは、eNodeB2の動作をMECアプリケーションの通信特性に適応させるためにeNodeB2によって使用される。言い換えると、合計サイズ及び送信デッドラインを示す当該MEC制御情報は、eNodeB2がeNodeB2の動作をMECアプリケーションの通信特性に適応させることを支援する。具体的には、eNodeB2は、当該通信イベントに関するeNodeB2によるDL送信履歴又はUE1によるUL送信履歴を取得し、取得した送信履歴と上述の合計サイズに基づいて残りの未送信データパケットのサイズを計算する。
なお、DL送信履歴は、当該通信イベントの1又はそれ以上のDLデータパケットから生成されたDLデータセグメント(e.g., DL RLC PDUs)の送信量であってもよい。eNodeB2は、eNodeB2内のUE1のためのDL送信データバッファの状態をモニタすることでDL RLC PDUsの送信量を取得してもよい。DL RLC PDUsの送信量は、eNodeB2内のMACスケジューラ(DL MACスケジューラ)によって取得されてもよい。同様に、UL送信履歴は、当該通信イベントの1又はそれ以上のULデータパケットから生成されたULデータセグメント(e.g., UL RLC PDUs)の送信量であってもよい。eNodeB2は、eNodeB2によってUE1から受信されたUL RLC PDUsを計測することで、UE1のUL RLC PDUsの送信量を取得してもよい。これに代えて、eNodeB2は、UE1に発行したULグラントに基づいてUE1のUL RLC PDUsの送信量を判定してもよい。
幾つかの実装において、eNodeB2は、UE1とMECアプリケーションとの間の通信イベントで送信される複数のデータパケットの送信が送信デッドラインまでに完了する確率(デッドライン達成確率(deadline completion probability))を判定してもよい。具体的には、eNodeB2は、残りの未送信データパケットのサイズ、上述の送信デッドライン、及びUE1のスループットに基づいてデッドライン達成確率を求めてもよい。ここで、UE1のスループットは、例えば、eNodeB2からUE1への通信速度、UE1からeNodeB2への通信速度、これら両方、あるいはこれら両方を合わせたものであってもよい。これに代えて、UE1のスループットは、MECサーバ5からUE1への通信速度、UE1からMECサーバ5への通信速度、これら両方、あるいはこれら両方を合わせたものであってもよい。eNodeB2は、デッドライン達成確率を求めるために、UE1の過去の平均スループットを使用してもよいし、現在又は将来の予測スループットを使用してもよい。
より具体的には、幾つかの実装において、eNodeB2は、通信イベントにおいて、UE1に存在する残りの未送信データパケットのサイズとUE1からeNodeB2への通信速度のスループット(あるいはUE1からMECサーバ5への通信速度のスループット)に基づいて送信完了までの時間を計算し、その送信完了までの時間と送信デッドラインからデッドライン達成確率を求めてもよい。他の実装において、eNodeB2は、通信イベントにおいて、MECサーバ5またはeNodeB2に存在する残りの未送信データパケットのサイズとeNodeB2からUE1への通信速度のスループット(あるいはMECサーバ5からUE1への通信速度のスループット)に基づいて送信完了までの時間を計算し、その送信完了までの時間と送信デッドラインからデッドライン達成確率を求めてもよい。
さらに他の実装において、eNodeB2は、UE1に存在する残りの未送信データパケットのサイズとUE1からeNodeB2への通信速度のスループット(あるいはUE1からMECサーバ5への通信速度のスループット)に基づいて計算した送信完了までの第1の時間を計算してもよい。さらに、eNodeB2は、MECサーバ5またはeNodeB2に存在する残りの未送信データパケットのサイズとeNodeB2からUE1への通信速度のスループット(あるいはMECサーバ5からUE1への通信速度のスループット)に基づいて計算した送信完了までの第2の時間を計算してもよい。そして、eNodeB2は、UE1に存在する残りの未送信データパケット及びMECサーバ5またはeNodeB2に存在する残りの未送信データパケットの両方の送信完了までに要する(総合的な)第3の時間をこれら第1及び第2の時間から導出し、当該第3の時間と送信デッドラインからデッドライン達成確率を求めてもよい。第3の時間は、第1及び第2の時間の単なる加算、減算、乗算、又は除算により導かれてもよいし、第1及び第2の時間にそれぞれ異なる重みを付けた加算、減算、乗算、又は除算により導かれてもよい。あるいは、第3の時間は、第1及び第2の時間を変数とした何らかの数学関数を用いた演算により導かれてもよい。
デッドライン達成確率は、例えば、上述の送信完了までの時間(あるいは複数の送信完了までの時間を合算した時間)が送信デッドラインに到達しそうであるほど低く(すなわち送信デッドラインを超過する可能性が高いため達成確率を低く)なるように定義してもよい。言い換えると、デッドライン達成確率は、上述の送信完了までの時間(あるいは複数の送信完了までの時間を合算した時間)が送信デッドラインに到達しそうでないほど高く(すなわち送信デッドラインを超過する可能性が低いため達成確率を高く)なるように定義されてもよい。
eNodeB2は、デッドライン達成確率が所定の閾値以下(又は閾値以上)であることを判定してもよい。あるいは、eNodeB2は、デッドライン達成確率の履歴が徐々に低下(又は増加)する傾向を示すことを判定してもよい。eNodeB2は、デッドライン達成確率の代わりに、デッドラインを失敗する確率(デッドライン違反確率(deadline violation probability))を判定してもよい。
例えば、eNodeB2は、デッドライン達成確率の低下(つまり、デッドライン違反確率の増加)に応答して、特定のUE1への割り当て無線リソースを増やす又は他のUE1への割り当て無線リソースを減らすようにMACスケジューラを制御してもよい。これにより、eNodeB2は、当該特定のUE1のデッドライン達成の可能性を高めることができる。あるいは、eNodeB2は、デッドライン達成確率の低下(つまり、デッドライン違反確率の増加)に応答して、特定のUE1への割り当て無線リソースを減らす又は他のUE1への割り当て無線リソースを増やすようにMACスケジューラを制御してもよい。これにより、eNodeB2は、当該他のUE1のデッドライン達成の可能性を高めることができる。
具体的には、eNodeB2は、各UE1のデッドライン達成確率の値の大きさを比較して、各UE1に無線リソース(リソースブロック:Resource Block:RB)を割り当てるスケジューリングをしてもよい。より具体的に、例えば、このスケジューリングは、デッドライン達成確率の値が大きいUE1により多くのRBを割り当てるように動作してもよい。また逆に、デッドライン達成確率の値が小さいUE1により多くのRBを割り当てるように動作してもよい。あるいは他に、デッドライン達成確率の値が平均的な(あるいは中央値を示す)UE1により多くのRBを割り当てるように動作してもよい。なお、スケジューリングを行う周期は、MACスケジューラのスケジューリング周期(送信ピリオド又はTransmission Time Interval(TTI))と同じでもよいし、長くてもよい。例えば、1ミリ秒のサブフレーム毎にスケジューリングを行うLTE MACスケジューラの場合、当該所定の期間は、10ミリ秒(i.e., 1フレーム)であってもよいし、さらに別の期間であってもよい。
あるいは、eNodeB2は、MACスケジューラによって考慮されるパラメータを変更してもよい。パラメータは、例えば、UE優先度レベル、QoSパラメータ(e.g., QoS Class Indicator(QCI)、GBR、Prioritized Bit Rate(PBR))、遅延閾値、及びデータ送信ボリュームのうち少なくとも1つを含む。データ送信ボリュームは、特定のUE1又はその特定の論理チャネル(ベアラ)について所定の期間に送信されるべきデータ量を示す。当該所定の期間は、MACスケジューラのスケジューリング周期(送信ピリオド又はTransmission Time Interval(TTI))と同じでもよいし、長くてもよい。例えば、1ミリ秒のサブフレーム毎にスケジューリングを行うLTE MACスケジューラの場合、当該所定の期間は、10ミリ秒(i.e., 1フレーム)であってもよい。あるいは、eNodeB2は、MACスケジューラに適用されるスケジューリング戦略アルゴリズムを変更してもよい。スケジューリング戦略は、スケジューリング・ポリシと言うこともできる。スケジューリング戦略の変更は、スケジューリング・アルゴリズムを変更すること、スケジューリング・アルゴリズムで使用されるスケジューリング・メトリックの定義(計算式)を変更すること、スケジューリングで考慮される制約条件(constraints)を変更すること、又はこれらの任意の組み合せを含む。
これとは反対に、例えば、eNodeB2は、デッドライン達成確率の増加(つまり、デッドライン違反確率の低下)に応答して、特定のUE1への割り当て無線リソースを減らす又は他のUE1への割り当て無線リソースを増やすようにMACスケジューラを制御してもよい。これにより、eNodeB2は、スケジューリングに対する制約を緩和することができ、したがって無線リソース使用効率を高めることに寄与できる。あるいは、eNodeB2は、デッドライン達成確率の増加(つまり、デッドライン違反確率の低下)に応答して、特定のUE1への割り当て無線リソースを増やす又は他のUE1への割り当て無線リソースを減らすようにMACスケジューラを制御してもよい。これにより、eNodeB2は、特定のUE1の通信をより短時間で完了させることができ、その完了後に無線リソースを他のUE1のためだけに割り当てることができ、したがって無線リソースの使用効率を高めることができる。
例えば、eNodeB2は、デッドライン達成確率の低下(つまり、デッドライン違反確率の増加)に応答して、特定のUE1の特定のUL論理チャネル(ベアラ)への無線リソース割り当てを増やすために、当該特定のUE1のMACレイヤにより行われるLogical Channel Prioritization(LCP)手順に影響を与える少なくとも1つのパラメータを変更してもよい。当該少なくとも1つのパラメータは、論理チャネル優先度、PBR、Bucket Size Duration(BSD)、又はこれらの任意の組み合せを含む。UL MAC PDU(i.e., トランスポートブロック)の生成では、UE1は、UE1に設定されている複数の論理チャネルを1つのMAC PDUに多重化する。1つのMAC PDU(トランスポートブロック)のサイズは、eNodeB2からのULグラントによってUE1に割り当てられたリソースに依存する。UL MAC PDU の生成では、ULに設定された各無線ベアラのQoS(i.e., PBR)が保証されなければならない。したがって、UE1は、LCP手順に従ってUL MAC PDUを生成する。LCP手順では、各論理チャネルの優先度及びPBRが考慮される。PBRは、プリオリティのより低い論理チャネルに対して何らかのリソースが割り当てられるよりも前に各論理チャネルに提供されるビットレートである。LCP手順は第1ラウンド及び第2ラウンドを含む。第1ラウンドでは、全ての論理チャネルは、優先度の高いものから順にPBRに対応するリソースが割り当てられる。なお、第1ラウンドにおいて各論理チャネルに割り当てられるリソースの上限は、各論理チャネルのbucket sizeに等しい。各論理チャネルのbucket sizeは、PBRにBSDを掛けて得られる値である。次に、第2ラウンドでは、全ての論理チャネルにPBRに対応するリソースが提供されてもまだ利用可能なリソースに余りがある場合に、優先度の高い論理チャネルのデータから順に、その論理チャネルのデータが無くなるか又は割り当てられたリソースが使い尽くされるまでリソースが割り当てられる。
ULと同様に、eNodeB2は、特定のUE1の特定のDL論理チャネル(ベアラ)への無線リソース割り当てを増やすために、トランスポートブロック(MAC PDU)を生成するためのDL論理チャネルの多重化に影響を与える少なくとも1つのパラメータを変更してもよい。当該少なくとも1つのパラメータは、論理チャネル優先度、PBR、BSD、又はこれらの任意の組み合せを含む。
eNodeB2は、特定のUE1とMECアプリケーションとの間の特定の通信イベントに関するデッドライン達成確率の低下(つまり、デッドライン違反確率の増加)に応答して、当該特定の通信イベントに関する特定のデータ無線ベアラ(論理チャネル)の優先度を上げてもよいし、PBRを増やしてもよいし、BSDを増やしてもよい。さらに又はこれに代えて、eNodeB2は、他のデータ無線ベアラ(論理チャネル)の優先度を下げてもよいし、PBRを減らしてもよいし、BSDを減らしてもよい。これにより、eNodeB2は、特定のUE1とMECアプリケーションとの間の特定の通信イベントに関するデッドライン達成の可能性を高めることができる。
例えば、eNodeB2は、デッドライン達成確率の低下(つまり、デッドライン違反確率の増加)に応答して、eNodeB2内のDL送信データバッファに格納されている当該通信イベントに関係するDLデータセグメント(i.e., DL RLC PDUs)を破棄してもよい。当該動作によれば、eNodeB2は、もはや送信デッドラインを達成できる見込みのない通信イベントのデータ送信のために無線リソースが消費されることを抑止できる。
例えば、eNodeB2は、デッドライン達成確率の低下(つまり、デッドライン違反確率の増加)に応答して、当該通信イベントのDL(又はUL)送信データレートの変更、又は他のUE1に関する他の通信イベントのDL(又はUL)送信データレートの変更をMECサーバ5に要求してもよい。eNodeB2による送信データレートの変更の要求は、MECアプリケーションによるDL送信データレート又はUE1のアプリケーションのUL送信データレートを調整するようにMECサーバ5をトリガーする。具体的には、MECサーバ5は、eNodeB2からの要求に応答して、MECアプリケーションによるDL送信データレート又はUE1のアプリケーションのUL送信データレートを調整するように、MECアプリケーションに指示してもよい。さらに又はこれに代えて、eNodeB2は、当該通信イベントの合計サイズの減少又は送信デッドラインの延期をMECサーバ5に要求してもよい。これにより、eNodeB2は、デッドライン達成の可能性を高めることができる。
なお、上述されたデッドライン達成確率及びデッドライン違反確率は、送信デッドラインを達成できる見込み・可能性(possibility、feasibility、又はlikelihood)を判定するためにeNodeB2が使用できるパラメータの具体例の1つである。eNodeB2は、他のパラメータ又は他の手法に基づいて、送信デッドラインを達成できる見込み・可能性を判定してもよく、送信デッドラインの達成見込み・可能性の低下又は増加に応答して、上述したスケジューリング制御、送信データバッファ制御、又はMECサーバ5への要求を行ってもよい。
例えば、eNodeB2は、残りの未送信データパケットのサイズ、上述の送信デッドライン、及びUE1のスループットに基づいて、残りの未送信データパケットの送信に要する時間(送信所要時間)と送信デッドラインまでの残り時間との差分を計算してもよい。そして、eNodeB2は、スケジューリング、送信データバッファ、又はMECサーバ5への要求を制御するためのトリガー・メトリックとして当該差分を使用してもよい。
以下では、本実施形態に係るeNodeB2及びMECサーバ5の動作及び構成の具体例をより詳細に説明する。図3は、MECサーバ5の動作の一例(処理300)を示すフローチャートである。ステップ301では、MECサーバ5は、MECサーバ5にホストされているMECアプリケーションと特定のUE1との間の1回の通信イベントで送信される複数のデータパケットの合計サイズ及び送信デッドラインを決定する。当該合計サイズ及び送信デッドラインは、MECアプリケーションの識別子又は種別と関連付けられてもよい。すなわち、MECサーバ5は、特定のUE1と通信するMECアプリケーションを決定し、当該MECアプリケーションの識別子又は種別に応じて、1回の通信イベントで送信される複数のデータパケットの合計サイズ及び送信デッドラインを決定してもよい。
さらに又はこれに代えて、MECサーバ5は、アプリケーションの状況(e.g., 処理時間)に応じて送信デッドラインを動的に更新してもよい。あるアプリケーションの処理時間は変動する可能性がある。幾つかの実装において、当該処理時間は、例えば、MECサーバ5又はUE1において当該アプリケーションに割り当てられるCentral Processing Unit(CPU)リソース及びメモリ・リソースに依存する。あるいは、当該処理時間は、当該アプリケーションに関するCPUの演算量の大きさに依存する。あるいは、当該処理時間は、MECサーバ5又はUE1が他のノード(e.g., データベース)との通信に要する時間に依存する。当該アプリケーションの処理時間の変動に起因して、エンド・ツー・エンドの遅延要件を保証するためにモバイル通信ネットワークに要求される遅延要件(i.e., 送信デッドライン)も変動する。
さらに又はこれに代えて、MECサーバ5は、UE1、eNodeB2、又はRAN3の状態(コンテキスト)の変化に応答して、1回の通信イベントで送信される複数のデータパケットの合計サイズ若しくは送信デッドライン又は両方を更新してもよい。例えば、MECサーバ5は、UE1、eNodeB2、又はRAN3の状態の変化を示す情報をeNodeB2から受信してもよい。
ステップ302では、MECサーバ5は、決定した合計サイズ及び送信デッドラインを示す制御メッセージをeNodeB2に送信する。
幾つかの実装において、MECサーバ5は、eNodeB2からの要求又は通知の受信に応答して、図3に示された手順を実行してもよい。さらに又はこれに代えて、MECサーバ5は、UE1との通信の要求をMECアプリケーションから受信したことに応答して、図3に示された手順を実行してもよい。さらに又はこれに代えて、MECサーバ5は、MECアプリケーションからの要求に基づいてUE1をページングする際に、図3に示された手順を実行してもよい。
図4は、eNodeB2の動作の一例(処理400)を示すフローチャートである。ステップ401では、eNodeB2は、特定のMECアプリケーションと特定のUE1との間の1回の通信イベントで送信される複数のデータパケットの合計サイズ及びデッドラインを示す制御メッセージをMECサーバ5から受信する。ステップ402では、eNodeB2は、合計サイズ及び特定のUE1の送信履歴から残りの未送信データパケットのサイズを計算する。eNodeB2は、ステップ402の処理を繰り返し行い、残りの未送信データパケットのサイズの値をアップデートする。例えば、eNodeB2は、MACスケジューラの各スケジューリング周期(i.e., 1ミリ秒)において、残りの未送信データパケットのサイズを計算してもよい。
ステップ403では、eNodeB2は、残りの未送信データパケットのサイズと送信デッドラインとに基づいて、通信モジュール、MACスケジューラ、及び送信データバッファの少なくとも1つを制御する。既に説明したように、eNodeB2は、デッドライン達成確率又はデッドライン違反確率を計算し、デッドライン達成確率の低下(又はデッドライン違反確率の増加)に応答して、通信モジュール(又はMECインタフェース)、MACスケジューラ、送信データバッファ、及びUE1(e.g., UE1によるLCP手順)の少なくとも1つを制御してもよい。ここで、通信モジュール(又はMECインタフェース)は、MECサーバ5とのインタフェースを提供し、MECサーバ5への制御メッセージの送信をeNodeB2に可能とする。MACスケジューラは、DL MACスケジューラ及びUL MACスケジューラを含む。送信データバッファは、eNodeB2に配置され且つDLデータセグメント(DL RLC PDUs)を格納するDL送信データバッファ、及びUE1に配置され且つULデータセグメント(UL RLC PDUs)を格納するUL送信データバッファを含む。
以下では、図4のステップ403で行われる処理の具体例が説明される。初めに図5〜図8を参照して、DLデータ送信に関する処理の幾つかの例が説明される。図5は、DL送信に関係するeNodeB2の構成例を示すブロック図である。MACサブレイヤ501は、DL送信データバッファ502、DLスケジューラ503、マルチプレクサ504、及びHybrid Automatic Repeat reQuest(HARQ)エンティティ505を含む。DL送信データバッファ502は、各UE1の1又はそれ以上のDL論理チャネルのデータセグメント(i.e., DL RLC PDUs)を格納する。DL送信データバッファ502は、DL送信キュー又はRLCキューと呼ぶこともできる。図5に示されたDL送信データバッファ502Aは、UE1Aの1又はそれ以上のDL論理チャネルのRLC PDUsを格納する。DL送信データバッファ502Bは、UE1Bの1又はそれ以上のDL論理チャネルのRLC PDUsを格納する。DL送信データバッファ502は、MACレイヤ501ではなくRLCレイヤに配置されてもよい。
DLスケジューラ503は、DL送信データバッファ502のバッファ状態及びDLチャネルの品質状態に少なくとも部分的に基づいて、現在の送信ピリオド(i.e., サブフレーム)における複数のUEs1のDL送信をスケジュールする。DLチャネルの品質状態は、各UE1からのChannel Quality Information(CQI)報告から得られる。DLスケジューラ503は、他の情報及び制約(constraints)をDLスケジューリングのために考慮してもよい。例えば、DLスケジューラ503は、各UE1のQoS要件(e.g., GBR)、各UE1の伝送レートの履歴、若しくは各UE1の優先度、又はこれらの任意の組合せを考慮してもよい。幾つかの実装において、DLスケジューラ503は、時間ドメイン・スケジューラ及び周波数ドメイン・スケジューラを含む。時間ドメイン・スケジューラは、複数のUE1を優先度付けし(prioritize)、各送信ピリオド(i.e., サブフレーム)にスケジュールされる1又はそれ以上のUEs1を選択する。周波数ドメイン・スケジューラは、各送信ピリオド内の無線リソース(i.e., リソースブロック)と時間ドメイン・スケジューラによって選択されたUEsとの最適なマッピングを決定する。
マルチプレクサ504は、現在の送信ピリオドで送信されるためのトランスポートブロック(i.e., MAC PDU)を、DLスケジューラ503による各UE1への無線リソース割り当て及びModulation and Coding Scheme(MCS)に基づいて生成する。図5に示されたマルチプレクサ504Aは、UE1Aに送信されるDLトランスポートブロックを生成する。マルチプレクサ504Bは、UE1Bに送信されるDLトランスポートブロックを生成する。
HARQエンティティ505は、送信HARQ動作を担う。送信HARQ動作は、トランスポートブロックの送信及び再送信、並びにACK/NACKシグナリングの受信及び処理を含む。図5に示されたHARQエンティティ505Aは、UE1Aのための送信HARQ動作を担う。HARQエンティティ505Bは、UE1Bのための送信HARQ動作を担う。
物理レイヤ506は、DLスケジューラ503により決定されたMCS及びリソース割り当てに従って、各トランスポートブロックをコーディングし、変調シンボル(Physical Downlink Shared Channel(PDSCH)symbols)を生成し、変調シンボルをリソースブロックにマッピングする。
MECインタフェース(MEC I/F)521は、MECサーバ5とのインタフェースを提供し、MECサーバ5への制御メッセージの送信及びMECサーバ5からの制御メッセージの受信をeNodeB2に可能とする。MECインタフェース521は、特定のUE1(e.g., UE1A)と特定のMECアプリケーションとの間の通信イベントで送信される複数のDLデータパケットの合計サイズ及び送信デッドラインをMECサーバ5から受信する(541)。MECインタフェース521は、受信した合計サイズ及び送信デッドラインをコントローラ522に送る(542)。
コントローラ522は、特定のUE1(e.g., UE1A)に送信される複数のDLデータパケットの合計サイズ(542)及び当該特定のUE1へのDL送信履歴(543)に基づいて、残りの未送信データパケットのサイズを計算する。コントローラ522は、計算された残りの未送信データパケットのサイズと送信デッドライン(542)に基づいて、MECインタフェース521、DLスケジューラ503、及びDL送信データバッファ502のうち少なくとも1つを制御する。
コントローラ522は、DL送信履歴(543)をDLスケジューラ503から受信してもよい。これに代えて、コントローラ522は、DL送信履歴(543)を取得するためにDL送信データバッファ502のバッファ状態の変化を監視してもよい。
幾つかの実装において、コントローラ522は、特定の通信イベントのデッドライン達成確率の低下に応答して、制御コマンドをDL送信データバッファ502に送信してもよい(561)。当該制御コマンドは、特定のUE1(e.g., UE1A)のDL送信データバッファ502(e.g., バッファ502A)に格納されている当該通信イベントに関係するDLデータセグメント(i.e., DL RLC PDUs)の破棄をDL送信データバッファ502にトリガーする。
図6は、コントローラ522の動作の一例(処理600)を示すフローチャートである。ステップ601では、コントローラ522は、残りの未送信データパケットのサイズと送信デッドラインとに基づいて、特定の通信イベントに関する全てのDLデータパケットの送信が送信デッドラインまでに完了するか否かを予測する。ステップ602では、コントローラ522は、全てのDLデータパケットの送信が送信デッドラインまでに完了できないと判定したことに応答して、残りの未送信データパケットに対応するRLC PDUsを破棄するようにDL送信データバッファ502を制御する。
幾つかの実装において、コントローラ522は、DLスケジューラ503によるスケジューリングを制御してもよい(562)。例えば、コントローラ522は、特定の通信イベントのデッドライン達成確率の低下に応答して、特定のUE1(e.g., UE1A)への割り当て無線リソースを増やす又は他のUE1(e.g., UE1B)への割り当て無線リソースを減らすようにDLスケジューラ503を制御してもよい。これとは反対に、コントローラ522は、デッドライン達成確率の増加に応答して、特定のUE1(e.g., UE1A)への割り当て無線リソースを減らす又は他のUE1(e.g., UE1B)への割り当て無線リソースを増やすようにDLスケジューラ503を制御してもよい。さらに、コントローラ522は、デッドライン達成確率の低下に応答して、特定のUE1(e.g., UE1A)への割り当て無線リソースを減らす又は他のUE1(e.g., UE1B)への割り当て無線リソースを増やすようにDLスケジューラ503を制御してもよい。また、コントローラ522は、デッドライン達成確率の増加に応答して、特定のUE1(e.g., UE1A)への割り当て無線リソースを増やす又は他のUE1(e.g., UE1B)への割り当て無線リソースを減らすようにDLスケジューラ503を制御してもよい。具体的には、コントローラ522は、DLスケジューラ503によって考慮されるパラメータを変更してもよい。パラメータは、例えば、UE優先度レベル、QoSパラメータ(e.g., QCI、GBR、PBR)、遅延閾値、及びデータ送信ボリュームのうち少なくとも1つを含む。さらに又はこれに代えて、コントローラ522は、DLスケジューラ503に適用されるスケジューリング戦略を変更してもよい。
図7は、コントローラ522の動作の一例(処理700)を示すフローチャートである。ステップ701では、コントローラ522は、残りの未送信データパケットのサイズと送信デッドラインとに基づいて、特定の通信イベントのデッドライン達成確率を計算する。デッドライン達成確率は、特定の通信イベントに関する全てのデータパケットのDL送信が送信デッドラインまでに完了する確率である。ステップ702では、コントローラ522は、デッドライン達成確率の低下に応答して、当該特定の通信イベントに関与する特定のUE1への割り当て無線リソースを増やすようにDLスケジューラ503を制御する。
幾つかの実装において、コントローラ522は、MECインタフェース521を介してMECサーバ5に制御要求を送信してもよい(563、564)。例えば、コントローラ522は、特定の通信イベントのデッドライン達成確率の低下に応答して、当該特定の通信イベントのDL送信データレートの変更、又は他の通信イベントのDL送信データレートの変更をMECサーバ5に要求してもよい。具体的には、データレートの変更は、MECサーバ5のInternet Protocol(IP)キュー(あるいはバッファ)の制御、あるいはTransmission Control Protocol(TCP)キュー(あるいはバッファ)の制御、あるいはアプリケーションキュー(あるいはバッファ)の制御によって実現されてもよい。なお、これらキュー(あるいはバッファ)の制御とは、キュー(あるいはバッファ)内の特定のパケットの送信順番を優先する優先制御であってもよい。さらに又はこれに代えて、コントローラ522は、特定の通信イベントの合計サイズの減少又は送信デッドラインの延期をMECサーバ5に要求してもよい。
図8は、コントローラ522の動作の一例(処理800)を示すフローチャートである。ステップ801では、コントローラ522は、残りの未送信データパケットのサイズと送信デッドラインとに基づいて、特定の通信イベントのデッドライン達成確率を計算する。ステップ802では、コントローラ522は、デッドライン達成確率の低下に応答して、制御要求をMECサーバ5に送信する。当該制御要求は、例えば、当該特定の通信イベントのDL送信レートの低下をMECサーバ5に要求する。
さらに、コントローラ522は、1回の通信イベントで送信される複数のDLデータパケットの合計サイズ及び送信デッドラインのうち少なくとも1つの動的な更新を示す通知をMECインタフェース521を介してMECサーバ5から受信してもよい。コントローラ522は、当該通知の受信に応答して、動的に更新された合計サイズ又は送信デッドラインに基づいて、MECインタフェース521、DLスケジューラ503、及びDL送信データバッファ502のうち少なくとも1つを制御してもよい。
続いて、図9を参照して、ULデータ送信に関して図4のステップ403で行われる処理の具体例が説明される。図9は、UL送信に関係するeNodeB2の構成例を示すブロック図である。ULスケジューラ903は、UE1(e.g., UE1A)内のUL送信データバッファ11(e.g., バッファ11A)のバッファ状態及びULチャネルの品質状態に少なくとも部分的に基づいて、現在の送信ピリオド(i.e., サブフレーム)における複数のUEs1のUL送信をスケジュールする。ULチャネルの品質状態は、物理レイヤ906によって取得される。ULチャネルの品質状態は、各UE1とeNodeB2との間の複数のリソースブロックに渡るチャネル品質を示す。UL送信データバッファ11のバッファ状態は、各UE1からのバッファ状態報告(Buffer Status Report(BSR))から得られる。上述したDLスケジューラ503と同様に、ULスケジューラ903は、他の情報及び制約(constraints)をULスケジューリングのために考慮してもよい。幾つかの実装において、ULスケジューラ903は、時間ドメイン・スケジューラ及び周波数ドメイン・スケジューラを含む。
デマルチプレクサ904は、受信されたトランスポートブロック(i.e., UL MAC PDU)から1又はそれ以上の論理チャネルからのデータセグメント(i.e., UL RLC PDUs)を取り出し、これらを適切なRLCエンティティに送る。また、デマルチプレクサ904は、受信されたトランスポートブロックからMACコントロールエレメント(MAC CE)を取り出し、これをULスケジューラ903に送る。UE1からのMAC CEは、BSRを含む。図9に示されたデマルチプレクサ904Aは、UE1Aからのトランスポートブロックを処理する。デマルチプレクサ904Bは、UE1Bからのトランスポートブロックを処理する。
HARQエンティティ905は、受信HARQ動作を担う。受信HARQ動作は、トランスポートブロックの受信、受信データの合成、及びACK/NACKシグナリングの生成を含む。図9に示されたHARQエンティティ905Aは、UE1Aのための受信HARQ動作を担う。HARQエンティティ905Bは、UE1Bのための受信HARQ動作を担う。
MECインタフェース(MEC I/F)921は、MECサーバ5とのインタフェースを提供し、MECサーバ5への制御メッセージの送信及びMECサーバ5からの制御メッセージの受信をeNodeB2に可能とする。MECインタフェース921は、特定のUE1(e.g., UE1A)と特定のMECアプリケーションとの間の通信イベントで送信される複数のULデータパケットの合計サイズ及び送信デッドラインをMECサーバ5から受信する(941)。MECインタフェース921は、受信した合計サイズ及び送信デッドラインをコントローラ922に送る(942)。
コントローラ922は、特定のUE1(e.g., UE1A)から送信される複数のULデータパケットの合計サイズ(942)及び当該特定のUE1のUL送信履歴(943)に基づいて、残りの未送信データパケットのサイズを計算する。コントローラ922は、計算された残りの未送信データパケットのサイズと送信デッドライン(942)に基づいて、MECインタフェース921、ULスケジューラ903、及びUL送信データバッファ11のうち少なくとも1つを制御する。
既に説明したように、UL送信履歴(943)は、当該通信イベントの1又はそれ以上のULデータパケットから生成されたULデータセグメント(e.g., UL RLC PDUs)の送信量であってもよい。コントローラ922は、UL送信履歴(943)をULスケジューラ903から受信してもよい。ULスケジューラ903は、UE1から受信されたUL RLC PDUsを計測することで、UE1のUL RLC PDUsの送信量を取得してもよい。これに代えて、ULスケジューラ903は、UE1に発行したULグラントに基づいてUE1のUL RLC PDUsの送信量を判定してもよい。
幾つかの実装において、コントローラ922は、特定の通信イベントのデッドライン達成確率の低下に応答して、制御コマンドを特定のUE1(e.g., UE1A)に送信してもよい。当該制御コマンドは、例えば、RRCエンティティ907を介してRRCメッセージを用いて特定のUE1に送信されてもよい(961)。当該制御コマンドは、特定のUE1(e.g., UE1A)のUL送信データバッファ11(e.g., バッファ11A)に格納されている当該通信イベントに関係するULデータセグメント(i.e., UL RLC PDUs)の破棄を特定のUE1(e.g., UE1A)にトリガーする。
幾つかの実装において、コントローラ922は、ULスケジューラ903によるスケジューリングを制御してもよい(962)。例えば、コントローラ922は、特定の通信イベントのデッドライン達成確率の低下に応答して、特定のUE1(e.g., UE1A)への割り当て無線リソースを増やす又は他のUE1(e.g., UE1B)への割り当て無線リソースを減らすようにULスケジューラ903を制御してもよい。これとは反対に、コントローラ922は、デッドライン達成確率の増加に応答して、特定のUE1(e.g., UE1A)への割り当て無線リソースを減らす又は他のUE1(e.g., UE1B)への割り当て無線リソースを増やすようにULスケジューラ903を制御してもよい。さらに、コントローラ922は、デッドライン達成確率の低下に応答して、特定のUE1(e.g., UE1A)への割り当て無線リソースを減らす又は他のUE1(e.g., UE1B)への割り当て無線リソースを増やすようにULスケジューラ903を制御してもよい。また、コントローラ922は、デッドライン達成確率の増加に応答して、特定のUE1(e.g., UE1A)への割り当て無線リソースを増やす又は他のUE1(e.g., UE1B)への割り当て無線リソースを減らすようにULスケジューラ903を制御してもよい。具体的には、コントローラ922は、ULスケジューラ903によって考慮されるパラメータを変更してもよい。パラメータは、例えば、UE優先度レベル、QoSパラメータ(e.g., QCI、GBR、PBR)、遅延閾値、及びデータ送信ボリュームのうち少なくとも1つを含む。さらに又はこれに代えて、コントローラ922は、ULスケジューラ903に適用されるスケジューリング戦略を変更してもよい。
幾つかの実装において、コントローラ922は、MECインタフェース921を介してMECサーバ5に制御要求を送信してもよい(963、964)。例えば、コントローラ922は、特定の通信イベントのデッドライン達成確率の低下に応答して、当該特定の通信イベントのUL送信データレートの変更、又は他の通信イベントのUL送信データレートの変更をMECサーバ5に要求してもよい。具体的には、データレートの変更は、MECサーバ5のIPキュー(あるいはバッファ)の制御、あるいはTCPキュー(あるいはバッファ)の制御、あるいはアプリケーションキュー(あるいはバッファ)の制御によって実現されてもよい。なお、これらキュー(あるいはバッファ)の制御とは、キュー(あるいはバッファ)内の特定のパケットの送信順番を優先する優先制御であってもよい。さらに又はこれに代えて、コントローラ922は、特定の通信イベントの合計サイズの減少又は送信デッドラインの延期をMECサーバ5に要求してもよい。
さらに、コントローラ922は、1回の通信イベントで送信される複数のULデータパケットの合計サイズ及び送信デッドラインのうち少なくとも1つの動的な更新を示す通知をMECインタフェース521を介してMECサーバ5から受信してもよい。コントローラ922は、当該通知の受信に応答して、動的に更新された合計サイズ又は送信デッドラインに基づいて、MECインタフェース921、ULスケジューラ903、及びUL送信データバッファ11のうち少なくとも1つを制御してもよい。
続いて、図10を参照して、MECサーバ5の構成例を説明する。図10の例では、MECサーバ5は、MECアプリケーション1001、コントローラ1002、及びeNodeBインタフェース(eNodeB I/F)1003を含む。MECアプリケーション1001は、MECサーバ5上にホストされている。コントローラ1002は、MECアプリケーション1001と特定のUE1との間の通信イベントで送信される複数のデータパケットの合計サイズと送信デッドラインを決定し、これらをeNodeBインタフェース1003を介してeNodeB2に送信する(1042、1043)。
既に説明したように、1回の通信イベントで送信される複数のデータパケットの合計サイズ及び送信デッドラインは、MECアプリケーション1001の識別子又は種別と関連付けられてもよい。コントローラ1002は、特定のUE1と通信するMECアプリケーション1001を決定し、当該MECアプリケーション1001の識別子又は種別に応じて、1回の通信イベントで送信される複数のデータパケットの合計サイズ及び送信デッドラインを決定してもよい。コントローラ1002は、MECアプリケーション1001から1回の通信イベントで送信される複数のデータパケットの合計サイズ及び送信デッドラインを受信してもよい(1041)。
さらに、コントローラ1002は、eNodeB2からの制御要求をeNodeBインタフェース1003を介して受信してもよい(1061、1062)。一例において、当該制御要求は、DL(又はUL)送信データレートの調整を要求する。他の例において、当該制御要求は、1回の通信イベントで送信される複数のデータパケットの合計サイズ又は送信デッドラインの変更を要求する。コントローラ1002は、eNodeB2からの制御要求の受信に応答して、送信データレート、合計サイズ、又は送信デッドラインの調整をMECアプリケーション1001に要求してもよい(1063)。
さらに、コントローラ1002は、1回の通信イベントで送信される複数のデータパケットの合計サイズ及び送信デッドラインのうち少なくとも1つの動的な更新を決定し、これらの更新を示す通知をeNodeBインタフェース1003を介してeNodeB2に送信してもよい。例えば、既に説明したように、コントローラ1002は、アプリケーションの状況(e.g., 処理時間)に応じて送信デッドラインを動的に決定してもよい。
<第2の実施形態>
本実施形態では、第1の実施形態で説明されたeNodeB2の動作の変形例が説明される。本実施形態のモバイル通信ネットワークの構成例は、図1と同様である。
第1の実施形態では、MECアプリケーションに関する複数のDLデータパケット送信のデッドライン達成の見込み・可能性に基づいて、eNodeB2がDLに関する制御を行う例が説明された。DLに関する制御は、例えば、DL RLC PDUsの破棄、DLスケジューリング制御、又はDLに関する制御要求のMECサーバ5への送信である。同様に、第1の実施形態では、MECアプリケーションに関する複数のULデータパケット送信のデッドライン達成確率に基づいて、eNodeB2がULに関する制御を行う例が説明された。ULに関する制御は、例えば、UL RLC PDUsの破棄、ULスケジューリング制御、又はULに関する制御要求のMECサーバ5への送信である。
これに対して、本実施形態では、eNodeB2は、MECアプリケーションに関する複数のDLデータパケット送信のデッドライン達成の見込み・可能性に基づいて、ULに関する制御を行う。また、eNodeB2は、MECアプリケーションに関する複数のULデータパケット送信のデッドライン達成の見込み・可能性に基づいて、DLに関する制御を行う。さらに、eNodeB2は、MECアプリケーションに関する複数のDLデータパケット送信のデッドライン達成の見込み・可能性とMECアプリケーションに関する複数のULデータパケット送信のデッドライン達成の見込み・可能性の両方(あるいは両方を合算した結果)に基づいて、ULおよびDLに関する制御を行う。UE1のアプリケーション・レイヤとMECアプリケーションとの間の幾つかの通信イベントは、双方向(i.e., DL及びUL)のデータ送信を含むことがある。例えば、リクエスト・レスポンス型の通信の場合、一方向(e.g., UL送信)の遅延がもう1つの方向(e.g., DL送信)の遅延をもたらす可能性がある。あるいは、仮に一方向のデータ送信(e.g., UL送信)が送信デッドラインを守れないと、もう1つの方向のデータ送信(e.g., DL送信)を継続する必要性が失われることもあるかもしれない。本実施形態によれば、eNodeB2によるパケットスケジューリングを双方向型のMECアプリケーションの通信に適応させることができる。
図11は、eNodeB2の動作の一例(処理1100)を示すフローチャートである。ステップ1101では、eNodeB2(図5に示されたコントローラ522又は図9に示されたコントローラ922)は、残りの未送信データパケットのサイズと送信デッドラインとに基づいて、特定の通信イベントに関する全てのDLデータパケットの送信が送信デッドラインまでに完了するか否かを予測する。ステップ1102では、eNodeB2は、全てのDLデータパケットの送信が送信デッドラインまでに完了できないと判定したことに応答して、当該通信イベントに関するUE1からのUL送信を抑止するようにULスケジューラ903又は当該UE1を制御する。例えば、eNodeB2は、UL送信データバッファ11に格納されているデータセグメントの破棄をUE1に指示してもよい。
図11に示されたULとDLの役割は反対であってもよい。すなわち、eNodeB2は、全てのULデータパケットの送信が送信デッドラインまでに完了できないと判定したことに応答して、当該通信イベントに関するUE1からのDL送信を抑止するようにDLスケジューラ503又はDL送信データバッファ502を制御してもよい。これらの動作によれば、一方向(e.g., DL)の送信デッドラインを達成できる見込みのない通信イベントのために、もう1つの方向(e.g., UL)の無線リソースが消費されることを抑止できる。
図12は、eNodeB2の動作の他の例(処理1200)を示すフローチャートである。ステップ1201では、eNodeB2(図5に示されたコントローラ522又は図9に示されたコントローラ922)は、残りの未送信データパケットのサイズと送信デッドラインとに基づいて、特定の通信イベントのDLデッドライン達成確率を計算する。DLデッドライン達成確率は、特定の通信イベントに関する全てのDLデータパケットの送信が送信デッドラインまでに完了する確率である。ステップ1202では、eNodeB2は、DLデッドライン達成確率の低下に応答して、当該特定の通信イベントに関与する特定のUE1への割り当て無線リソースを増やすようにULスケジューラ903を制御する。
図12に示されたULとDLの役割は反対であってもよい。すなわち、eNodeB2は、ULデッドライン達成確率の低下に応答して、当該特定の通信イベントに関与する特定のUE1への割り当て無線リソースを増やすようにDLスケジューラ503を制御してもよい。これらの動作によれば、一方向(e.g., DL)の送信デッドラインの達成を支援するために、もう1つの方向(e.g., UL)のスケジューリングを調整できる。これにより、eNodeB2は、デッドライン達成の可能性を高めることができる。
さらに、eNodeB2は、ULとDLのデッドライン達成確率を合算した結果に基づいてULスケジューラ903またはDLスケジューラ503を制御してもよい。
第1の実施形態で既に説明したように、デッドライン達成確率は、送信デッドラインを達成できる見込み・可能性(possibility、feasibility、likelihood)を判定するためにeNodeB2が使用できるパラメータの具体例の1つである。eNodeB2は、他のパラメータ又は他の手法に基づいて、送信デッドラインを達成できる見込み・可能性を判定してもよく、送信デッドラインの達成見込み・可能性の低下又は増加に応答して、通信モジュール、MACスケジューラ、及び送信データバッファの少なくとも1つを制御してもよい。
<第3の実施形態>
本実施形態では、第1及び第2の実施形態で説明されたeNodeB2及びMECサーバ5の動作の変形例が説明される。本実施形態のモバイル通信ネットワークの構成例は、図1と同様である。
第1及び第2の実施形態では、eNodeB2が、未送信データパケットのサイズと送信デッドラインに基づいて、データセグメント破棄、スケジューリング制御、又はMECアプリケーションへの制御要求の実行を決定する例が説明された。例えば、eNodeB2は、特定の通信イベントに関する全てのデータパケットの送信が送信デッドラインまでに完了するか否かを予測し、送信デッドラインを達成できないとの判定に応答して、DL(又はUL)送信データバッファから当該特定の通信イベントに関するデータセグメントを破棄する。あるいは、eNodeB2は、デッドライン達成見込みを推定し、デッドライン達成見込みの低下又は増加に応答して、DL(又はUL)スケジューラによるスケジューリングを調整する。例えば、eNodeB2は、デッドライン達成確率を計算し、デッドライン達成確率が所定の閾値以下であることを判定したことに応答して、特定のUE1への割り当て無線リソースを増やす又は他のUE1への割り当て無線リソースを減らすようにDL(又はUL)スケジューラを制御する。
本実施形態では、第1及び第2の実施形態で説明されたこれらの処理をMECサーバ5がeNodeB2に代わって行う。図13を参照して、本実施形態のeNodeB2及びMECサーバ5の動作を説明する。eNodeB2は、MECアプリケーションに関する特定の通信イベントに関する送信履歴をMECサーバ5に送信する(1301)。当該送信履歴は、DL送信履歴及びUL送信履歴のいずれか又は両方であってもよい。DL送信履歴は、当該特定の通信イベントの1又はそれ以上のDLデータパケットから生成されたDLデータセグメント(e.g., DL RLC PDUs)の送信量であってもよい。UL送信履歴は、当該特定の通信イベントの1又はそれ以上のULデータパケットから生成されたULデータセグメント(e.g., UL RLC PDUs)の送信量であってもよい。
MECサーバ5は、制御要求をeNodeB2に送信する(1302)。幾つかの実装において、当該制御要求は、eNodeB2内のDL送信データバッファ若しくはUE1内のUL送信データバッファ、又はこれら両方に対するデータ破棄の要求であってもよい。例えば、MECサーバ5は、MECサーバ5が計算した特定の通信イベントのデッドライン達成見込みの低下に応答して、eNodeB2内のDL送信データバッファ502から当該特定の通信イベントに関するデータセグメントを破棄するようにeNodeB2に要求してもよい。これらの動作によれば、eNodeB2及びMECサーバ5は、もはや送信デッドラインを達成できる見込みのない通信イベントのデータ送信のために無線リソースが消費されることを抑止できる。
さらに又はこれに代えて、当該制御要求は、eNodeB2内のスケジューラ(DLスケジューラ503及びULスケジューラ903のいずれか又は両方)にスケジューリングの調整を要求してもよい。例えば、MECサーバ5は、特定の通信イベントのDLデッドライン達成見込みの低下に応答して、特定のUE1(e.g., UE1A)への割り当て無線リソースを増やす又は他のUE1(e.g., UE1B)への割り当て無線リソースを減らすようにeNodeB2(DLスケジューラ503)に要求してもよい。具体的には、当該制御要求は、スケジューラによって考慮されるパラメータを指定してもよい。既に説明したように、スケジューラによって考慮されるパラメータは、例えば、UE優先度レベル、QoSパラメータ(e.g., QCI、GBR、PBR)、遅延閾値、及びデータ送信ボリュームのうち少なくとも1つを含む。さらに又は、当該制御指示は、スケジューラに適用されるスケジューリング戦略の変更を要求してもよい。これにより、eNodeB2及びMECサーバ5は、デッドライン達成の可能性を高めることができる。
さらに又はこれに代えて、当該制御要求は、UE1によるLCP手順の変更をeNodeB2に要求してもよい。例えば、MECサーバ5は、特定の通信イベントのDLデッドライン達成確率の低下に応答して、当該特定の通信イベントに関する特定の無線ベアラ(論理チャネル)のへの割り当て無線リソースを増やすようにeNodeB2(コントローラ522、922)に要求してもよい。具体的には、当該制御要求は、LCP手順において考慮されるパラメータを指定してもよい。既に説明したように、LCP手順において考慮されるパラメータは、論理チャネル優先度、PBR、及びBSDのうち少なくとも1つを含む。これにより、eNodeB2及びMECサーバ5は、デッドライン達成の可能性を高めることができる。
さらに又はこれに代えて、当該制御要求は、eNodeB2内のMECサーバ5と通信するための通信モジュール(MECインタフェース521又は921)に対する制御要求であってもよい。当該制御要求は、例えば、MECアプリケーションに対する要求の送信をeNodeB2に許可してもよい。MECアプリケーションに対する要求は、例えば、MECアプリケーションのDL(又はUL)送信データレートの調整を要求してもよいし、MECアプリケーションと特定のUE1との間の1回の通信イベントで送信される複数のデータパケットの合計サイズ又は送信デッドラインの変更を要求してもよい。
より具体的に述べると、MECサーバ5は、以下のように動作してもよい。MECサーバ5は、MECアプリケーションの特定のUE1との間の1回の通信イベントで送信される複数のデータパケットの合計サイズ又は送信デッドラインを取得する。既に説明したように、MECサーバ5は、MECアプリケーションの識別子又は種別に応じて、1回の通信イベントで送信される複数のデータパケットの合計サイズ及び送信デッドラインを決定してもよい。あるいは、MECサーバ5は、これら合計サイズ及び送信デッドラインをMECアプリケーションからを受信してもよい。さらに、MECサーバ5は、当該合計サイズとeNodeB2から受信した送信履歴とに基づいて、残りの未送信データパケットのサイズを計算する。さらにまた、MECサーバ5は、残りの未送信データパケットのサイズと送信デッドラインとに基づいて、特定の通信イベントのデッドライン達成確率を判定する。MECサーバ5は、デッドライン達成確率が所定の閾値以下(又は閾値以上)であることを判定してもよい。あるいは、MECサーバ5は、デッドライン達成確率の履歴が徐々に低下(又は増加)する傾向を示すことを判定してもよい。MECサーバ5は、デッドライン達成確率の代わりに、デッドラインを失敗する確率(デッドライン違反確率(deadline violation probability))を判定してもよい。なお、本実施形態におけるデッドライン達成確率(又はデッドライン違反確率)の定義、及びデッドライン達成確率(又はデッドライン違反確率)の計算の具体例は、第1の実施形態で説明したものと同様であるから、ここでは重複説明を省略する。
本実施形態によれば、第1及び第2の実施形態と同様に、eNodeB2によるパケットスケジューリングをMECアプリケーションの通信に適応させることができる。
最後に、上述の複数の実施形態に係るMECサーバ5及びeNodeB2の構成例について説明する。図14は、MECサーバ5の構成例を示すブロック図である。図14を参照すると、MECサーバ5は、ネットワークインターフェース1401、プロセッサ1402、及びメモリ(ストレージ)1403を含むハードウェア・コンポーネントを備える。ネットワークインターフェース1401は、eNodeB2及びその他のネットワークノードと通信するために使用される。ネットワークインターフェース1401は、例えば、IEEE 802.3 seriesに準拠したネットワークインタフェースカード(NIC)を含んでもよい。
プロセッサ1402は、メモリ1403からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、上述の実施形態において図面を用いて説明されたMECサーバ5の処理を行う。プロセッサ1402は、例えば、マイクロプロセッサ、Micro Processing Unit(MPU)、又はCentral Processing Unit(CPU)であってもよい。プロセッサ1402は、複数のプロセッサを含んでもよい。
メモリ1403は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ1403は、物理的に独立した複数のメモリデバイスを含んでもよい。揮発性メモリは、例えば、Static Random Access Memory(SRAM)若しくはDynamic RAM(DRAM)又はこれらの組み合わせである。不揮発性メモリは、マスクRead Only Memory(MROM)、Electrically Erasable Programmable ROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、若しくはハードディスクドライブ、又はこれらの任意の組合せである。メモリ1403は、プロセッサ1402から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ1402は、図示されていないI/Oインタフェースを介してメモリ1403にアクセスしてもよい。
図14の例では、メモリ1403は、MECのためのソフトウェアモジュール群1404〜1407と、通信モジュール1408及びコントローラ・モジュール1409を格納するために使用される。仮想化管理(virtualization management)ソフトウェア1404は、プロセッサ1402において実行され、ネットワークインターフェース1401、プロセッサ1402、及びメモリ1403を含むハードウェア・コンポーネントを仮想化し、Infrastructure as a Service(IaaS)又はPlatform as a Service(PaaS)機能(facility)を提供し、これによりアプリケーションのためのホスティング環境を提供する。
アプリケーション・プラットフォーム・サービス(application platform services)ソフトウェア1405は、プロセッサ1402において実行され、通信サービス、無線ネットワーク情報サービス、トラフィックオフロード機能などのミドルウェア・サービスをアプリケーションに提供する。
アプリケーション・プラットフォーム・サービス・ソフトウェア1405は、仮想化S/P-GWソフトウェアモジュール1406を含んでもよい。仮想化S/P-GWソフトウェアモジュール1406は、仮想化管理ソフトウェア1404によって提供されるホスティング環境を使用し、S-GW又はP-GW又はこれら両方の機能を提供する。
1又は複数のアプリケーション1407は、MECサーバ5上にホストされたMECアプリケーションである。1又は複数のアプリケーション1407は、アプリケーション・プラットフォーム・サービス・ソフトウェア1405又は通信モジュール1408によって提供される通信サービスを利用してUE1と通信する。
通信モジュール1408は、プロセッサ1402において実行され、上述の実施形態に係るRANノード(e.g., eNodeB2)との通信サービスをMECアプリケーション1407及びコントローラ・モジュール1408に適用する。例えば、プロセッサ1402は、通信モジュール1408を実行することにより、図10に示されたeNodeBインタフェース1003として動作することができる。幾つかの実装において、通信モジュール1408は、アプリケーション・プラットフォーム・サービス・ソフトウェア1405に含まれてもよい。
コントローラ・モジュール1409は、プロセッサ1402において実行されることにより、上述の実施形態に係るMECサーバ5の制御を提供する。例えば、プロセッサ1402は、コントローラ・モジュール1409を実行することにより、図10に示されたコントローラ1002として動作することができる。
図15は、上述の実施形態に係るeNodeB2の構成例を示すブロック図である。図15を参照すると、eNodeB2は、RFトランシーバ1501、ネットワークインターフェース1503、プロセッサ1504、及びメモリ1505を含む。RFトランシーバ1501は、UE1と通信するためにアナログRF信号処理を行う。RFトランシーバ1501は、複数のトランシーバを含んでもよい。RFトランシーバ1501は、アンテナ1502及びプロセッサ1504と結合される。幾つかの実装において、RFトランシーバ1501は、変調シンボルデータ(又はOFDMシンボルデータ)をプロセッサ1504から受信し、送信RF信号を生成し、送信RF信号をアンテナ1502に供給する。また、RFトランシーバ1501は、アンテナ1502によって受信された受信RF信号に基づいてベースバンド受信信号を生成し、これをプロセッサ1504に供給する。なお、上述したように、eNodeB2は、C-RANアーキテクチャで使用されるBBU(REC)であってもよい。この場合、eNodeB2は、RFトランシーバ1501を有していなくてもよい。
ネットワークインターフェース1503は、ネットワークノード(e.g., MME及びS/P-GW)及びMECサーバ5と通信するために使用される。ネットワークインターフェース1503は、例えば、IEEE 802.3 seriesに準拠したネットワークインターフェースカード(NIC)を含んでもよい。
プロセッサ1504は、無線通信のためのデジタルベースバンド信号処理(データプレーン処理)とコントロールプレーン処理を行う。例えば、LTEおよびLTE-Advancedの場合、プロセッサ1504によるデジタルベースバンド信号処理は、PDCPレイヤ、RLCレイヤ、MACレイヤ、およびPHYレイヤの信号処理を含んでもよい。また、プロセッサ1504によるコントロールプレーン処理は、S1プロトコル、RRCプロトコル、及びMAC CEの処理を含んでもよい。
プロセッサ1504は、複数のプロセッサを含んでもよい。例えば、プロセッサ1504は、デジタルベースバンド信号処理を行うモデム・プロセッサ(e.g., DSP)とコントロールプレーン処理を行うプロトコルスタック・プロセッサ(e.g., CPU又はMPU)を含んでもよい。
メモリ1505は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。揮発性メモリは、例えば、SRAM若しくはDRAM又はこれらの組み合わせである。不揮発性メモリは、例えば、MROM、PROM、フラッシュメモリ、若しくはハードディスクドライブ、又はこれらの組合せである。メモリ1505は、プロセッサ1504から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ1504は、ネットワークインターフェース1503又は図示されていないI/Oインタフェースを介してメモリ1505にアクセスしてもよい。
メモリ1505は、上述の複数の実施形態で説明されたeNodeB2による処理を行うための命令群およびデータを含むソフトウェアモジュール(コンピュータプログラム)を格納してもよい。幾つかの実装において、プロセッサ1504は、当該ソフトウェアモジュールをメモリ1505から読み出して実行することで、上述の実施形態で図面を用いて説明されたeNodeB2の処理を行うよう構成されてもよい。
図15の例では、メモリ1505は、通信モジュール1506、スケジューラ・モジュール1507、及びコントローラ・モジュール1508を格納している。プロセッサ1504は、通信モジュール1506を読み出して実行することで、MECサーバ5との通信を行うことができる。プロセッサ1504は、スケジューラ・モジュール1507を読みだして実行することで、DLスケジューラ及びULスケジューラとして動作することができる。プロセッサ1504は、コントローラ・モジュール1508を読み出して実行することで、上述の実施形態に係る送信デッドラインに基づく各種の制御を提供する。例えば、プロセッサ1504は、コントローラ・モジュール1508を実行することにより、図5に示されたコントローラ522又は図9に示されたコントローラ922として動作することができる。
図14及び図15を用いて説明したように、上述の実施形態に係るMECサーバ5及びeNodeB2が有するプロセッサの各々は、図面を用いて説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムを実行する。このプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、Compact Disc Read Only Memory(CD-ROM)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、Programmable ROM(PROM)、Erasable PROM(EPROM)、フラッシュROM、Random Access Memory(RAM))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
<その他の実施形態>
上述の実施形態は、各々独立に実施されてもよいし、適宜組み合わせて実施されてもよい。
上述の第1及び第2の実施形態では、UE1のアプリケーション・レイヤとMECアプリケーションとの間の通信イベントで送信される複数のデータパケットの合計サイズ及び送信デッドラインを、MECサーバ5がeNodeB2に通知する例を示した。これに代えて、別の実施形態では、MECサーバ5とは異なる他の外部ノードが、当該合計サイズ及び送信デッドラインをeNodeB2に通知してもよい。さらに別の実施形態では、MECサーバ5とは異なる他の外部ノードが、eNodeB2から送信履歴(1301)を受信し、制御要求(1302)をeNodeB2に送信してもよい。
上述の第1〜第3の実施形態に係る通信イベントは、UE1のアプリケーション・レイヤとMECアプリケーションとの通信でなくてもよい。言い換えると、上述の実施形態に係る通信イベントは、MECサーバ5ではない他の外部サーバとUE1のアプリケーションとの間の通信イベントであってもよい。外部サーバは、例えば、アプリケーションサーバ、Machine-to-Machine(M2M)サービスプラットフォーム内のエンティティ、又はCellular IoT(CIoT)サービスプラットフォーム内のエンティティであってもよい。
既に説明したように、上述の実施形態は、LTE及びLTE-Advanced以外の他のモバイル通信ネットワークに適用されてもよい。例えば、上述の実施形態が3GPP UMTSに適用される場合、MECサーバ5は、RANノード又は無線基地局としてのRNCと直接的に通信できるように配置されてもよい。幾つかの実装において、MECサーバ5は、RNCと物理的に統合されてもよい。幾つかの実装において、MECサーバ5は、RNCと同じ建物(サイト)に配置され、RNCと通信できるように当該サイト内のLANに接続されてもよい。上述の実施形態は、現在のLTE及びLTE-Advancedの発展(3GPP LTE-Advanced Pro 、LTE+、又はenhanced LTE(eLTE))の通信ネットワークに適用されてもよい。この場合、eNodeB2は、3GPP LTE-Advanced Pro 、LTE+、又はenhanced LTE(eLTE)の基地局であってもよい。さらに、eNodeB2は、3GPP Release 14として標準化される予定の新たな5Gエア・インタフェース(新たなRadio Access Technology(RAT))を提供する基地局であってもよい。
上述した実施形態は本件発明者により得られた技術思想の適用に関する例に過ぎない。すなわち、当該技術思想は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは勿論である。
例えば、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)
無線アクセスネットワークノードであって、
メモリと、
前記メモリに結合され、複数のモジュールを実行するよう構成された少なくとも1つのプロセッサと、
を備え、
前記複数のモジュールは、
外部ノードと通信するよう構成された通信モジュールと、
第1の無線端末を含む複数の無線端末の各々のためのデータバッファからのデータセグメントのダウンリンク送信又はアップリンク送信をスケジュールするよう構成されたスケジューラと、ここで、前記第1の無線端末のための前記データバッファは、前記第1の無線端末又は前記無線アクセスネットワークノードに到着した各データパケットから生成される1又はそれ以上の送信されるためのデータセグメントを格納する、;
を備え、
前記通信モジュールは、前記第1の無線端末の第1の通信イベントに関する送信履歴を前記外部ノードに送信するよう構成され、
前記通信モジュールは、前記通信モジュール、前記スケジューラ、前記データバッファ、及び前記第1の無線端末のうち少なくとも1つに対する制御要求を前記外部ノードから受信するよう構成されている、
無線アクセスネットワークノード。
(付記2)
前記制御要求は、前記第1の通信イベントで送信される複数のデータパケットの送信が送信デッドラインまでに完了する見込みの低下に応答して送信され、
前記制御要求は、前記複数のデータパケットから生成されたデータセグメントの破棄を前記データバッファに要求する、
付記1に記載の無線アクセスネットワークノード。
(付記3)
前記制御要求は、前記第1の通信イベントで送信される複数のデータパケットの送信が送信デッドラインまでに完了する見込みの低下又は増加に応答して送信され、
前記制御要求は、前記スケジューラによって考慮される第1のパラメータ又は前記スケジューラに適用されるスケジューリング戦略の変更を前記スケジューラに要求する、
付記1又は2に記載の無線アクセスネットワークノード。
(付記4)
前記第1のパラメータは、前記第1の無線端末又は他の無線端末に関係する、端末優先度レベル、Quality of Service(QoS)パラメータ、遅延閾値、及びデータ送信ボリュームのうち少なくとも1つを含む、
付記3に記載の無線アクセスネットワークノード。
(付記5)
前記制御要求は、前記第1の通信イベントで送信される複数のデータパケットの送信が送信デッドラインまでに完了する見込みの低下に応答して送信され、
前記制御要求は、前記第1の無線端末への割り当て無線リソースを増やす又は他の無線端末への割り当て無線リソースを減らすことを前記スケジューラに要求する、
付記1〜4のいずれか1項に記載の無線アクセスネットワークノード。
(付記6)
前記制御要求は、前記第1の通信イベントに関する特定の無線ベアラ又は論理チャネルへの割り当て無線リソースを調整するために、前記第1の無線端末におけるLogical Channel Prioritization(LCP)手順において使用される第2のパラメータの変更を要求する、
付記1〜5のいずれか1項に記載の無線アクセスネットワークノード。
(付記7)
前記第2のパラメータは、論理チャネル優先度、Prioritized Bit Rate(PBR)、及びBucket Size Duration(BSD)のうち少なくとも1つを含む、
付記6に記載の無線アクセスネットワークノード。
(付記8)
前記外部ノードは、モバイル・エッジ・コンピューティング(MEC)サーバである、
付記1〜7のいずれか1項に記載の無線アクセスネットワークノード。
(付記9)
前記第1の通信イベントは、前記第1の無線端末のアプリケーション・レイヤと前記MECサーバにホストされたMECアプリケーションとの間の通信イベントである、
付記8に記載の無線アクセスネットワークノード。
(付記10)
無線アクセスネットワークノードにおける方法であって、
第1の無線端末の第1の通信イベントに関する送信履歴を、外部ノードに送信すること、及び
前記無線アクセスネットワークノード内の前記外部ノードと通信するための通信モジュール、前記無線アクセスネットワークノード内のスケジューラ、前記無線アクセスネットワークノード又は前記第1の無線端末に配置されるデータバッファ、及び前記第1の無線端末のうち少なくとも1つに対する制御要求を前記外部ノードから受信すること、
を備える、方法。
(付記11)
外部ノードであって、
メモリと、
前記メモリに結合され、無線アクセスネットワークノードと通信するよう構成された通信モジュールを含む複数のモジュールを実行するよう構成された少なくとも1つのプロセッサと、
を備え、
前記通信モジュールは、第1の無線端末の第1の通信イベントに関する送信履歴を無線アクセスネットワークノードから受信するよう構成され、前記無線アクセスネットワークノード内の前記外部ノードと通信するためのモジュール、前記無線アクセスネットワークノード内のスケジューラ、前記無線アクセスネットワークノード又は前記第1の無線端末に配置されるデータバッファ、及び前記第1の無線端末のうち少なくとも1つに対する制御要求を前記無線アクセスネットワークノードに送信するよう構成されている、
外部ノード。
(付記12)
前記通信モジュールは、前記第1の通信イベントで送信される複数のデータパケットの送信が送信デッドラインまでに完了する見込みの低下に応答して、前記制御要求を送信するよう構成され、
前記制御要求は、前記複数のデータパケットから生成されたデータセグメントの破棄を前記データバッファに要求する、
付記11に記載の外部ノード。
(付記13)
前記通信モジュールは、前記第1の通信イベントで送信される複数のデータパケットの送信が送信デッドラインまでに完了する見込みの低下又は増加に応答して、前記制御要求を送信するよう構成され、
前記制御要求は、前記スケジューラによって考慮される第1のパラメータ又は前記スケジューラに適用されるスケジューリング戦略の変更を前記スケジューラに要求する、
付記11又は12に記載の外部ノード。
(付記14)
前記第1のパラメータは、前記第1の無線端末又は他の無線端末に関係する、端末優先度レベル、Quality of Service(QoS)パラメータ、遅延閾値、及びデータ送信ボリュームのうち少なくとも1つを含む、
付記13に記載の外部ノード。
(付記15)
前記通信モジュールは、前記第1の通信イベントで送信される複数のデータパケットの送信が送信デッドラインまでに完了する見込みの低下に応答して、前記制御要求を送信するよう構成され、
前記制御要求は、前記第1の無線端末への割り当て無線リソースを増やす又は他の無線端末への割り当て無線リソースを減らすことを前記スケジューラに要求する、
付記11〜14のいずれか1項に記載の外部ノード。
(付記16)
前記制御要求は、前記第1の通信イベントに関する特定の無線ベアラ又は論理チャネルへの割り当て無線リソースを調整するために、前記第1の無線端末におけるLogical Channel Prioritization(LCP)手順において使用される第2のパラメータの変更を要求する、
付記11〜15のいずれか1項に記載の外部ノード。
(付記17)
前記第2のパラメータは、論理チャネル優先度、Prioritized Bit Rate(PBR)、及びBucket Size Duration(BSD)のうち少なくとも1つを含む、
付記16に記載の外部ノード。
(付記18)
前記複数のモジュールは、前記第1の通信イベントで送信される複数のデータパケットの合計サイズ及び前記第1の無線端末に関する送信履歴から導かれる残りの未送信データパケットのサイズと前記複数のデータパケットの送信デッドラインとに基づいて、前記制御要求を送信するか否かを決定するコントローラをさらに含む、
付記11〜17のいずれか1項に記載の外部ノード。
(付記19)
前記第1の通信イベントは、前記第1の無線端末のアプリケーション・レイヤの通信イベントである、
付記11〜18のいずれか1項に記載の外部ノード。
(付記20)
前記外部ノードは、モバイル・エッジ・コンピューティング(MEC)サーバである、
付記11〜19のいずれか1項に記載の外部ノード。
(付記21)
外部ノードにおける方法であって、
第1の無線端末の第1の通信イベントに関する送信履歴を無線アクセスネットワークノードから受信すること、及び
前記無線アクセスネットワークノード内の前記外部ノードと通信するためのモジュール、前記無線アクセスネットワークノード内のスケジューラ、前記無線アクセスネットワークノード又は前記第1の無線端末に配置されるデータバッファ、及び前記第1の無線端末のうち少なくとも1つに対する制御要求を前記無線アクセスネットワークノードに送信すること、
を備える、方法。
(付記22)
無線アクセスネットワークノードにおける方法をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
前記方法は、
第1の無線端末の第1の通信イベントに関する送信履歴を、外部ノードに送信すること、及び
前記無線アクセスネットワークノード内の前記外部ノードと通信するための通信モジュール、前記無線アクセスネットワークノード内のスケジューラ、前記無線アクセスネットワークノード又は前記第1の無線端末に配置されるデータバッファ、及び前記第1の無線端末のうち少なくとも1つに対する制御要求を前記外部ノードから受信すること、
を備える、
プログラム。
(付記23)
外部ノードにおける方法をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
前記方法は、
第1の無線端末の第1の通信イベントに関する送信履歴を無線アクセスネットワークノードから受信すること、及び
前記無線アクセスネットワークノード内の前記外部ノードと通信するためのモジュール、前記無線アクセスネットワークノード内のスケジューラ、前記無線アクセスネットワークノード又は前記第1の無線端末に配置されるデータバッファ、及び前記第1の無線端末のうち少なくとも1つに対する制御要求を前記無線アクセスネットワークノードに送信すること、
を備える、
プログラム。
この出願は、2016年3月31日に出願された日本出願特願2016−072422を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。