JP6593234B2 - 中空形材押出成形用ダイス - Google Patents

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Description

本発明は、中空形材押出成形用ダイスに関する。
中空部を有する押出形材の製造には、中空部形状を成形する雄型と、雄型を保持すると共に外側形状を成形する雌型とを備えるダイスが用いられてきた。特許文献1には、雄型を構成するブリッジ部上面にセンタホールを設け、そこからアルミニウム合金のビレットを導入することで中空部を有する押出形材を形成する技術が提案されている。また、多数の中空部を有する多孔形材を形成するダイスとしては、特許文献2にあるように雄型のブリッジを複数に分割することで、ダイス製造を容易にする技術が提案されている。
特開2015−66555号公報 特開2003−211215号公報
しかしながら、特許文献1のダイスにより、大型で且つ多数の中空部を有する形材を形成しようとすると、多数の導入孔を設ける必要があるので、ダイス製造時の加工が大変であり、製造効率が低下してしまう問題があった。また、特許文献2のダイスにおいても、ブリッジ部に導入孔が設けられていないため、中空部を区画する壁部に、材料が十分に行き渡らず空洞欠陥が発生する虞れがあった。
このような観点から本発明は、ブリッジ部を容易に製造できるとともに、中空部を区画する壁部を良好な状態で形成できる中空形材押出成形用ダイスを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための請求項1に係る発明は、複数の中空部を有する中空形材を成形するための中空形材押出成形用ダイスであって、ビレットを変形させて前記中空形材の複数の中空部形状を成形する雄型と、当該雄型を保持すると共に前記中空形材の外周形状を成形する雌型とを備えており、前記雄型は、前記雌型に形成された貫通孔をまたぐブリッジ部と当該ブリッジ部を固定するリング部とを備え、前記ブリッジ部の側面には、前記ビレットの導入流路を形成する凹溝が形成されており、前記ブリッジ部には、スリット状の導入孔が形成されていることを特徴とする中空形材押出成形用ダイスである。
このような構成によれば、凹溝によって、ブリッジ部とリング部との間に導入流路が形成される。貫通孔を形成するよりも凹溝を形成する方が容易であるので、ブリッジ部の製造が容易となり製造効率が高くなる。さらに、凹溝による導入流路の他にも導入孔が形成されているため、さらに多くのアルミニウム合金を壁部の形成部分に供給できる。
本発明に係る中空形材押出成形用ダイスでは、前記ブリッジ部は、複数のユニットに分割されており、当該各ユニットの側面には、前記ビレットの導入流路となる凹溝が形成されているものが好ましい。このような構成によれば、ユニット同士の間に導入流路が形成される。したがって、ブリッジ部が大型の場合であっても、ブリッジ部の中央部付近にもビレットの材料を十分に供給できる。よって、大型で且つ多数の中空部を有する形材であっても、中空部を区画する壁部を良好な状態で形成できる。
また、前記凹溝は、隣り合う前記ユニットの互いに対向する側面にそれぞれ形成されており、二つの前記凹溝が繋がって、一つの導入流路が形成されているものが好ましい。このような構成によれば、導入流路の流路断面が大きくなるので、より一層安定してアルミニウム合金を壁部の形成部分に供給できる。
そして、前記ブリッジ部の上方には、被せブロックが設けられており、前記被せブロックの下面には凹部が形成されており、前記ブリッジ部の上面と前記被せブロックの下面との間に隙間が設けられているものが好ましい。このような構成によれば、被せブロックが押出による圧力を受け止めるため、ブリッジ部のユニットの変形や破損を防ぐことができる。
また、前記各ユニットには、貫通孔が形成されており、前記貫通孔には、前記ユニット同士を連結するためのピンが挿入されているものが好ましい。このような構成によれば、各ユニットがピンによりブリッジとして一体になるため、リング部への組み付けが容易になる。
さらに、前記各ユニットには、ボルト貫通孔が形成され、前記リング部には、ボルト孔が形成されており、前記ボルト貫通孔に貫通されたボルトが前記ボルト孔に螺合されているものが好ましい。このような構成によれば、各ユニットがボルトによりリング部に取り付けられるため、ユニットの位置ずれを防ぐことができる。
また、前記リング部は、周方向に引張応力が残留した状態で前記ブリッジ部を保持しているものが好ましい。このような構成は、ブリッジ部をリング部に焼き嵌めによって固定することで達成される。このような構成によれば、各ユニットがリング部に締め付けられるため、ユニットの位置ずれを防ぐことができる。
そして、前記ブリッジ部は、押出方向に直交する方向を法線方向とする分割平面にて前記ユニットに分割されており、前記ユニットの前記分割平面の水平方向長さは、前記分割平面に直交する直交方向端部から中間部に向かうに連れて長くなっており、前記ブリッジ部の前記水平方向の端面は、隣接する前記ユニットの前記水平方向の端面同士が連続する傾斜面または弧状面となっているものが好ましい。このような構成によれば、リング部による締付け圧力が各ユニットを直交方向中央側に押圧する力となる。これにより各ユニット同士の密着が促進される。
本発明に係る中空形材押出成形用ダイスによれば、ブリッジ部の製造効率が高くなり、中空部を区画する壁部を良好な状態で形成することができる。
本発明の実施形態に係る中空形材押出成形用ダイスを示した図であって、被せブロックが未装着の状態を示した断面斜視図である。 本発明の実施形態に係る中空形材押出成形用ダイスを示した図であって、被せブロックが未装着の状態を示した平面図である。 ブリッジ部を示した図であって、ユニットが一体化された状態を示した平面図である。 ブリッジ部を示した図であって、ユニットが分離した状態を示した平面図である。 ブリッジ部のユニットを示した斜視図である。 本発明の実施形態に係る中空形材押出成形用ダイスを示した断面斜視図である。 本発明の実施形態に係る中空形材押出成形用ダイスを示した平面図である。 本発明の実施形態に係る中空形材押出成形用ダイスで成形された中空形材を示した斜視図である。 焼き嵌めによるリング部のブリッジ部への締付け状態を説明するための平面図である。 本発明の他の実施形態に係る中空形材押出成形用ダイスを示した図であって、被せブロックが未装着の状態を示した断面斜視図である。
本発明の実施形態に係る中空形材押出成形用ダイスを、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態に係る中空形材押出成形用ダイスは、高力系合金、いわゆる7000系と言われる高強度アルミニウム合金からなる中空形材を成形するものである。また、本実施形態の中空形材押出成形用ダイス1は、図8に示すような複数の中空部2を備えた多孔型の中空形材3を成形するためのダイスである。
図8に示すように、中空形材3の外周面は、断面が正方形の筒型形状を呈している。正方形の四隅は面取りされている。中空部2を区画する壁部(リブ)4は、外周の正方形を構成する外周辺部5に対して45度傾斜した方向に延在している。複数の中空部2のうち、外周の正方形の辺に接する中空部2aは断面直角三角形形状を呈し、内側に位置する中空部2bは断面正方形形状を呈している。なお、中空形材3の形状は一例であって、図8の形状に限定されるものではない。
図1に示すように、中空形材押出成形用ダイス1は、雄型10と雌型50とを備えている。雄型10は、上流側から押圧されるアルミニウム合金製のビレット(図示せず)を変形中空形材3の複数の中空部形状を成形するためのものである。
雌型50は、雄型10を保持すると共にビレットを変形させて中空形材3の外周形状を成形するためのものである。雌型50は、円筒形状を呈しており、押し出された中空形材3が通過する貫通孔51が中央部に形成されている。貫通孔51の上端開口部には、外側成形用ダイス孔部52と導入部53が形成されている。外側成形用ダイス孔部52は、中空形材3の外周形状と同じ内周形状(正方形の四隅が面取りされた形状)を呈している。ビレットが外側成形用ダイス孔部52の内側を通過することで、中空形材3の外周面が成形される。導入部53は、外側成形用ダイス孔部52より広がった拡径部であって、外側成形用ダイス孔部52の上側に位置している。導入部53に押し出されたビレットが圧縮されながら外側成形用ダイス孔部52へと導入される。外側成形用ダイス孔部52より下方の貫通孔51は、下方(押出方向の下流側)に向かうに連れて順次拡径している。雌型50の上端面は、雄型10が載置される雄型受面54となっている。雄型受面54の周縁部には、立上り壁55が形成されている。立上り壁55は、雄型10の下端の突出部を囲んで位置決めを行う。
雄型10は、ブリッジ部11とリング部12と被せブロック27(図6参照)とを備えている。ブリッジ部11は、ビレットを変形させるものである。ブリッジ部11の両端部は、雄型受面54上に載置されている。つまり、ブリッジ部11は貫通孔51の上部に架け渡されている。図1乃至図3に示すように、ブリッジ部11は、平面視で略長方形形状を呈しており、短辺部15aの中間部に向かうに連れて長辺方向長さが順次長くなっている。つまり、短辺部15aは、その中間部が突出して頂点となるように傾斜している。なお、短辺部15aは、直線状に傾斜する形状に限定されるものではなく、中間部が突出する弧状を呈する形状であってもよい。ブリッジ部11には、導入流路21と内側成形用ブロック14とが形成されている。導入流路21は、ビレットを内側成形用ブロック14の周囲の空間へ導入するための空間であって、ブリッジ部11の上端面から下方に向けて貫通している。
図3乃至図5に示すように、ブリッジ部11は、複数に分割されたユニット16,16・・にて構成されている。ユニット16は、押出方向に直交する方向を法線方向とするとともに、押出方向と長辺方向を含む分割平面にて分割されていて、平面視で長辺方向に沿って長尺形状となっている。ユニット16は、放電加工にて金属ブロックを削り出すことによって形成されている。本実施形態では、ブリッジ部11は、5つのユニットに分割されており、中央ユニット16aと一対の側部ユニット16b,16bと一対の端部ユニット16c,16cとで構成されている。以下、ユニット16を区別する場合は、「中央ユニット16a」、「側部ユニット16b」、「端部ユニット16c」と表示する。
中央ユニット16aは、短辺方向中央に位置するユニット16である。中央ユニット16aの短辺方向両端の側面には、短辺方向に彫り込まれた凹溝17がそれぞれ形成されている。凹溝17は、長辺方向に沿って広がっており、中空形材3の外周の正方形よりも長い溝幅寸法を備えている。中央ユニット16aの中間部には、スリット状の導入孔18が形成されている。導入孔18は、中央ユニット16aを上下方向に貫通している。導入孔18は、長辺方向に沿って長いスリット状であって、二列形成されている。導入孔18の長辺方向寸法は、凹溝17の長辺方向寸法と同じである。導入孔18の短辺方向寸法(スリットの幅寸法)は、凹溝17の短辺方向寸法(溝深さ寸法)の2倍となっている。凹溝17と導入孔18間の壁部19の短辺方向寸法(壁部19の幅寸法)、および隣り合う導入孔18,18間の壁部19の短辺方向寸法は、導入孔18の短辺方向寸法(スリットの幅寸法)と略同じである。
三列の壁部19の下部には、内側成形用ブロック14がそれぞれ並列されている。内側成形用ブロック14は、中空部2を形成するためのブロック(駒)である。内側成形用ブロック14は、図8に示した中空形材3の中空部2a,2bの断面形状に対応した形状(直角三角形または正方形)を呈しており、各中空部2a,2bに対応する位置に配置されている。具体的には、中央ユニット16aの長辺方向の端部に位置する内側成形用ブロック14aは直角三角形形状で、内側に位置する内側成形用ブロック14bは正方形形状となっている。なお、内側成形用ブロック14は、形状を区別する場合のみ、符号を「14a」、「14b」とする。隣り合う内側成形用ブロック14,14間の距離は、中空形材3の壁部4の厚さ寸法と同等である。直角三角形形状の内側成形用ブロック14aの斜辺と外側成形用ダイス孔部52間の距離は、中空形材3の外周辺部5の厚さ寸法(本実施形態では、壁部4の厚さ寸法と同等)と同等である。内側成形用ブロック14の下部の外周形状は、上端部の外周形状より小さくなっており、内側成形用ブロック14の上端部で成形された壁部4が下流側に押し出され易くなっている。内側成形用ブロック14は、壁部19から下方に延出した支持脚20の下端に一体成形されている。
支持脚20は、壁部19と同等の短辺方向寸法(厚さ)を備えている。支持脚20の延出寸法は、雄型受面54の高さ(壁部19の下端部の高さ)から、外側成形用ダイス孔部52の高さまでの高さ寸法と同等である。支持脚20は、長辺方向に沿って間隔をあけて設けられており、内側成形用ブロック14,14間の隙間の上方には、ビレットを隙間に案内する空間が位置するようになっている。本実施形態では、壁部19および支持脚20の短辺方向中心部と、内側成形用ブロック14の軸心部とが揃うように、内側成形用ブロック14が配置されている。つまり、一の内側成形用ブロック14は、一の支持脚20に対して対称配置されている。なお、内側成形用ブロック14の支持脚20に対する配置位置は、これに限定されるものではない。
側部ユニット16bは、中央ユニット16aの短辺方向両端部にそれぞれ位置するユニット16である。側部ユニット16bの短辺方向両端の側面には、短辺方向に彫り込まれた凹溝17がそれぞれ形成されている。凹溝17は、中央ユニット16aの凹溝17と同じ形状である。側部ユニット16bの中間部には、スリット状の導入孔18が形成されている。側部ユニット16bの導入孔18は、中央ユニット16aの導入孔18と同じ形状である。側部ユニット16bの導入孔18は、一列のみ形成されている。凹溝17と導入孔18間の壁部19の短辺方向寸法(壁部19の幅寸法)は、導入孔18の短辺方向寸法(スリットの幅寸法)と略同じである。
二列の壁部19の下部には、内側成形用ブロック14がそれぞれ並列されている。側部ユニット16bの内側成形用ブロック14は、中央ユニット16aの内側成形用ブロック14と同様に、各中空部2a,2bに対応する形状で対応する位置に配置されている。具体的には、側部ユニット16bの長辺方向の端部に位置する内側成形用ブロック14aは直角三角形形状で、内側に位置する内側成形用ブロック14bは正方形形状となっている。各内側成形用ブロック14a,14bは支持脚20を介して、壁部19に一体化されている。側部ユニット16bの支持脚20は、中央ユニット16aの支持脚20と同等の形状である。
端部ユニット16cは、側部ユニット16bの短辺方向外側端部に位置するユニット16であって、ブリッジ部11の短辺方向両端部に位置する。端部ユニット16cの短辺方向両端の側面には、短辺方向に彫り込まれた凹溝17がそれぞれ形成されている。両端の凹溝17のうち、側部ユニット16b側(内側)の凹溝17は、中央ユニット16aおよび側部ユニット16bの凹溝17と同じ形状である。一方、ブリッジ部11の短辺方向端部側(外側)の凹溝17(以下、区別する場合は「端部凹溝17a」という)の短辺方向寸法(溝深さ寸法)は、側部ユニット16b側の凹溝17の短辺方向寸法(溝深さ寸法)の2倍となっている。端部凹溝17aの長辺方向寸法は、側部ユニット16b側の凹溝17の長辺方向寸法と同じである。端部ユニット16cの中間部には、スリット状の導入孔18が形成されている。端部ユニット16cの導入孔18は、中央ユニット16aおよび側部ユニット16bの導入孔18と同じ形状である。側部ユニット16bの導入孔18は、一列のみ形成されている。内側の凹溝17と導入孔18間の壁部19の短辺方向寸法(壁部19の幅寸法)は、導入孔18の短辺方向寸法(スリットの幅寸法)と略同じである。端部凹溝17aと導入孔18間の壁部19(以下、区別する場合は「端部壁部19a」という)の短辺方向寸法(壁部19の幅寸法)は、導入孔18の短辺方向寸法(スリットの幅寸法)より小さい。これは、ブリッジ部11の周縁部に位置するので、ビレットの押出圧力が小さく、端部壁部19aの幅寸法が小さくても強度が足りるためである。なお、端部壁部19aの短辺方向寸法は、他の壁部19の短辺方向寸法と同等であってもよい。
二列の壁部19の下部には、内側成形用ブロック14がそれぞれ並列されている。端部ユニット16cの内側成形用ブロック14は、各中空部2a,2bに対応する形状で対応する位置に配置されている。具体的には、短辺方向内側の壁部19に支持された内側成形用ブロック14bは正方形形状となっている。端部壁部19aに支持された内側成形用ブロック14aは直角三角形形状となっている。端部ユニット16cの内側成形用ブロック14aは、斜辺が長辺方向に沿うように配置されている。各内側成形用ブロック14a,14bは支持脚20を介して、壁部19に一体化されている。側部ユニット16bの支持脚20は、中央ユニット16aの支持脚20と同等の形状である。
中央ユニット16aと側部ユニット16bとの間、および側部ユニット16bと端部ユニット16cとの間においては、隣り合う凹溝17,17同士が組み合わさって、導入流路21が形成されている。端部ユニット16cとリング部12の平面状の内周面との間においては、溝深さ寸法が大きい端部凹溝17aとリング部12の内周面とで導入流路21が区画されている。また、各ユニット16に形成された導入孔18は単独で導入流路21を構成している。
各ユニット16の長辺方向両端部には、貫通孔25がそれぞれ形成されている。貫通孔25は、ブリッジ部11の短辺方向に沿って延在し、一方の側面から他方の側面に向かって貫通している。各ユニット16の貫通孔25は、互いに同じ径である。同じ側の端部に位置する貫通孔25同士は、各ユニット16を固定した状態で同軸となり互いに連続する。連続する貫通孔25,25・・には、連結ピン26が挿入される。連結ピン26は、貫通孔25の内径と略同等の外径を備えており、貫通孔25に嵌合される。連結ピン26の軸方向長さは、ブリッジ部11の短辺方向長さと同じである。連結ピン26を貫通孔25,25・・に嵌合することで、各ユニット16が連結され、ブリッジ部11が一体化される。
図6および図7に示すように、被せブロック(被せ駒)27は、ブリッジ部11の上方に配置され、ビレットの押出圧力を受け取る部材である。被せブロック27は、矩形平面を呈しており、四隅が面取りされている。被せブロック27の平断面は、ブリッジ部11の平断面よりも大きい。被せブロック27には、スリット状の上部導入孔28が複数並列されている。上部導入孔28は、ブリッジ部11の導入流路21に対応する位置に形成されている。互いに対応する上部導入孔28と導入流路21の断面形状は同等である。
被せブロック27の下面には、凹部29が形成されている。凹部29は、上部導入孔28が形成された領域より広い範囲に形成されており、ブリッジ部11の導入流路21を覆う範囲で、ブリッジ部11の上面と被せブロック27の下面との間に隙間が設けられている。つまり、導入流路21を区画する壁部19と被せブロック27とは非接触となっている。
図1および図6に示すように、リング部12は、ブリッジ部11と被せブロック27(図6参照)を保持する部位である。リング部12は、円筒形状を呈しており、その内側にブリッジ部11と被せブロック27とが嵌め込まれる。リング部12の下端面は、雄型受面54上に当接するリング状の当接面30となる。当接面30の周縁部には、切欠き段部31が全周に渡って形成されている。切欠き段部31は、立上り壁55と噛み合う形状となっており、雄型10の下面の凸部が雌型50の凹部に嵌まる。リング部12の中央には、ブリッジ部11が嵌まる第一嵌合孔32と、被せブロック27が嵌まる第二嵌合孔33とが形成されている。
ブリッジ部11が固定される前の第一嵌合孔32の内周形状は、ブリッジ部11の外周形状の相似形であって、ブリッジ部11の外周形状よりも僅かに小さい。ブリッジ部11をリング部12に装着するに際しては、焼き嵌めを行う。具体的には、リング部12を加熱して熱膨張させ、第一嵌合孔32を拡大させる。そして、拡大した第一嵌合孔32内にブリッジ部11を挿入した後に冷却する。すると、リング部12は熱収縮するので第一嵌合孔32が小さくなる。これによって、リング部12は、周方向に引張応力が残留した状態でブリッジ部11を保持することとなり、ブリッジ部11がリング部12によって締め付けられた状態で固定される。第一嵌合孔32の周縁部の上端面は、ブリッジ部11の上端面と面一になっている。
第二嵌合孔33は、第一嵌合孔32の上側に連通して形成されている。第二嵌合孔33の内周形状は、被せブロック27の外周形状と同等である。被せブロック27は、第二嵌合孔33に嵌合される。第二嵌合孔33は、第一嵌合孔32よりも広い断面形状を備えている。第二嵌合孔33の下端には、第一嵌合孔32の上端から広がる平面部34が形成されている。この平面部34には、被せブロック27の下面の周縁部が載置される。このとき、被せブロック27の下面には凹部29が形成されているので、被せブロック27とブリッジ部11の壁部19とは接触していない。
次に、前記構成の中空形材押出成形用ダイス1の作用効果を説明する。本実施形態に係る中空形材押出成形用ダイス1は、ブリッジ部の側面に、貫通孔より製造が容易な凹溝17を形成して、この凹溝を導入流路21として利用しているので、ブリッジ部の製造が容易となり、製造効率が高くなる。特に、放電加工においては、複雑な形状になると加工時間が長くなるので、比較的簡単な構成の凹溝17を形成することの効果は大きい。また、ブリッジ部11の周縁部から中央部に向かって凹溝17を形成することで、ブリッジ部11の中央部付近にもアルミニウム合金を安定供給できるので、壁部4を良好な状態で形成できる。
さらに、本実施形態では、ブリッジ部11が複数のユニット16,16・・にて構成されているので、ブリッジ部11の中央部においても、凹溝17で導入流路21を形成することができる。したがって、導入孔18の箇所数を減らして、凹溝17の箇所数を増やすことができるので、ブリッジ部11の加工時間を大幅に低減できる。また、ブリッジ部11が大型の場合であっても、ユニット16自体は小さく形成できるので、放電加工の設備が小さくて済み、製造が容易になる。さらに、大型のブリッジ部11の中央部にビレットの材料を十分に供給できるので、大型で且つ多数の中空部2を有する中空形材3であっても壁部4を良好な状態で形成できる。
また、隣り合う凹溝17,17同士が繋がって、一つの導入流路21が形成されているので、導入流路21の流路断面を大きくできる。これによって、安定してアルミニウム合金を壁部4の形成部分に供給できる。さらに、ブリッジ部11には、凹溝17による導入流路21の他にも、導入流路21となるスリット状の導入孔18が形成されているので、導入流路21の流路断面を大きくできる。
また、ブリッジ部11を分割してユニット化したことによって、一部のユニットを変更することで、型の形状変更に対応できる。さらに、ブリッジ部11の一部が破損した場合には、破損したユニット16のみを交換すればよく、全体を交換する必要がない。したがって、メンテナンス費用を低減できる。
各ユニット16は連結ピン26により一体化されているので、ブリッジ部11のリング部12への組み付け作業が容易になる。さらに、ブリッジ部11を、リング部12に焼き嵌めにより固定したことで、リング部12が、周方向に引張応力が残留した状態でブリッジ部11を保持することとなるので、各ユニット16,16・・の位置ずれを防ぐことができる。さらに、図9に示すように、リング部12によってブリッジ部11は四方から締め付けられると、短辺部15aの中間部が突出して傾斜しているので、長辺方向の締付け力Aは、斜めの押圧力Bに変喚される。したがって、側部ユニット16bと端部ユニット16cは中央ユニット16a側に押しつけられる。これによって、中央ユニット16aと側部ユニット16b間の密着度、および側部ユニット16bと端部ユニット16c間の密着度が高くなる。
ブリッジ部11の上方には、被せブロック27が設けられているので、押出による圧力を被せブロック27で受け止めることができる。したがって、ブリッジ部11のユニット16の変形や破損を防ぐことができる。さらに、被せブロック27の下面には凹部29が形成されており、ブリッジ部11の上面と被せブロック27の下面との間に隙間が設けられているので、被せブロック27が押出圧力で撓んだとしても、壁部19に接触することはない。したがって、壁部19が変形することはない。
次に、図10を参照しながら、他の実施形態に係る中空形材押出成形用ダイス101を説明する。前記実施形態では、ブリッジ部11は一体化されていて、リング部12に焼き嵌めによって固定されていたが、本実施形態では、ブリッジ部111の各ユニット116は一体化されておらず、それぞれがリング部112に固定されている。
各ユニット116の長辺方向両端部の下部には、切欠き段部120が形成されている。切欠き段部120の上方には、ボルト貫通孔121が形成されている。ボルト貫通孔121は、ユニット116の上端面から下方に向かって延在し、切欠き段部120に貫通している。リング部112の第一嵌合孔132の内周面の下部には、内側に突出する突出部133が形成されている。突出部133は、切欠き段部120に噛み合う形状となっている。突出部133には、ボルト穴134が形成されている。ボルト穴134は、ボルト貫通孔121と同軸の位置に形成されており、内部にメネジが形成されている。ボルト貫通孔121とボルト穴134には、上側から下方に向けて六角穴付きボルト122が挿入されている。六角穴付きボルト122の上端面は、ユニット116の上端面と面一となる。六角穴付きボルト122の先端部をボルト穴134に螺合させることで、各ユニット116がリング部112に固定される。ボルトの種類は、六角穴付きボルト122に限定されるものではない。ボルト頭部がユニット116の上端面と面一となるものであれば、他のものであってもよい。なお、その他の構成については、前記実施形態と同様であるので、図1と同じ符号を付して説明を省略する。
以上のような構成の中空形材押出成形用ダイス101によれば、各ユニット116が六角穴付きボルト122によりリング部112に取り付けられているため、リング部112に対するユニット116の位置ずれを防ぐことができる。また、ユニット116の交換時には、ユニット116を個々に交換することができるので、交換時間と手間の短縮を図ることができる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。例えば、前記実施形態では、内側成形用ブロック14は、直角三角形または正方形に形成されているが、これに限定されるものではない。内側成形用ブロック14は、中空形材の中空部の断面形状に対応して丸型、多角形など他の形状に適宜設定される。
また、前記実施形態では、リング部12の第一嵌合孔32の内周面は平面状であるので、溝深さ寸法が大きい端部凹溝17aとリング部12の第一嵌合孔32の内周面とで導入流路21が区画されているが、これに限定されるものではない。第一嵌合孔32の内周面にも凹溝を形成するとともに、前記内周面の凹溝と端部凹溝とを組み合わせて、導入流路を形成してもよい。このようにすれば、端部凹溝の溝深さ寸法を深くしなくてもよい。
さらに、前記実施形態では、凹溝17および導入孔18は、ユニット16の一端部から他端部まで延在して連続形成されているが、たとえば中間部などの途中に流路を塞ぐ壁部を形成してもよい。このようにすれば、中央部に供給されるメタル流量を減らすことができる。これによれば、押出圧力が強くなる中央部においてメタル流量を減らすことで、中空形材の断面全体に渡ってメタル密度を均一にすることができる。
また、本実施形態では、押出形材の原料としてアルミニウム合金製のビレットを利用したが、ビレットの材質は、アルミニウム合金に限定されるものではない。アルミニウム単独材料や他の金属材料であってもよい。
1 中空形材押出成形用ダイス
2 中空部
3 中空形材
4 壁部
5 外周辺部
10 雄型
11 ブリッジ部
12 リング部
16 ユニット
17 凹溝
18 導入孔
19 壁部
21 導入流路
25 貫通孔
26 連結ピン
27 被せブロック
29 凹部
50 雌型

Claims (8)

  1. 複数の中空部を有する中空形材を成形するための中空形材押出成形用ダイスであって、
    ビレットを変形させて前記中空形材の複数の中空部形状を成形する雄型と、当該雄型を保持すると共に前記中空形材の外周形状を成形する雌型とを備えており、
    前記雄型は、前記雌型に形成された貫通孔をまたぐブリッジ部と当該ブリッジ部を固定するリング部とを備え、
    前記ブリッジ部の側面には、前記ビレットの導入流路を形成する凹溝が形成されており、
    前記ブリッジ部には、スリット状の導入孔が形成されている
    ことを特徴とする中空形材押出成形用ダイス。
  2. 前記ブリッジ部は、複数のユニットに分割されており、
    当該各ユニットの側面には、前記ビレットの導入流路となる凹溝が形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の中空形材押出成形用ダイス。
  3. 前記凹溝は、隣り合う前記ユニットの互いに対向する側面にそれぞれ形成されており、
    二つの前記凹溝が繋がって、一つの導入流路が形成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の中空形材押出成形用ダイス。
  4. 前記ブリッジ部の上方には、被せブロックが設けられており、
    前記被せブロックの下面には凹部が形成されており、前記ブリッジ部の上面と前記被せブロックの下面との間に隙間が設けられている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の中空形材押出成形用ダイス。
  5. 前記各ユニットには、貫通孔が形成されており、
    前記貫通孔には、前記ユニット同士を連結するためのピンが挿入されている
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の中空形材押出成形用ダイス。
  6. 前記各ユニットには、ボルト貫通孔が形成され、
    前記リング部には、ボルト孔が形成されており、
    前記ボルト貫通孔に貫通されたボルトが前記ボルト孔に螺合されている
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の中空形材押出成形用ダイス。
  7. 前記リング部は、周方向に引張応力が残留した状態で前記ブリッジ部を保持している
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の中空形材押出成形用ダイス。
  8. 前記ブリッジ部は、押出方向に直交する方向を法線方向とする分割平面にて前記ユニットに分割されており、
    前記ユニットの前記分割平面の水平方向長さは、前記分割平面に直交する直交方向端部から中間部に向かうに連れて長くなっており、
    前記ブリッジ部の前記水平方向の端面は、隣接する前記ユニットの前記水平方向の端面同士が連続する傾斜面または弧状面となっている
    ことを特徴とする請求項に記載の中空形材押出成形用ダイス。
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