JP6592575B1 - 高精細静電印刷法 - Google Patents

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Abstract

【課題】静電気を利用した高精細なパターンと進化を続けるトナーとを組み合わせれば従来にない効果と性能を持った印刷の可能性があり、感光体以外の絶縁体に直接高精細な静電気パターンを作る。【解決手段】原版は全面均一な導電性を持った第1電極を持ち、その第1電極の上に密着一体となった適正な均一厚みを持つ版材料で構成されている。そして前記版材料は凸版或いは凹版或いはグラビア版状のパターンが形成されている。前記原版上に、裏面が第2電極である導電層と一体となっている受像シートを密着させ、前記原版の第1電極と前記第2電極との間に前記凸版或いは凹版或いはグラビア版状パターンの凹部の空隙層を放電させるに足る適正な電圧を印加することによって、前記受像シート上に前記凸版或いは凹版或いはグラビア版状パターンに対応した高精細な静電気パターンを形成する。【選択図】図1(B)

Description

本発明は凸版或いは凹版或いはグラビア版の形状からなる原板を用いて電気絶縁基材上に静電印刷する方法に関するものであり、原理は放電技術に関連し、静電印刷の利用は電子写真に代表される静電プリンター技術に関連する。
静電気を利用して画像を作る実用的な技術を世界で初めて発明したのは米国のチェスター・カールソンである。この発明に関する技術は通称カールソン法或いはゼログラフィー法と呼ばれたが、画像形成技術として学術的に研究が進み、学術名としてはErectrophotographyと称され、日本では電子写真法と名付けられている。その技術を利用して作られた複写機、プリンターは事務作業に無くてはならないものとなっている。
その技術は「写真」と名付けられたように光学像を静電気と感光体(光半導体)によって静電気潜像として形成し、トナーと称する帯電した微粒子で現像するものである。ページ毎に変化する画像を即座に紙に印刷して出力するという複写機としてはうってつけの技術として発展した。その発展の中で最も進化を遂げているのは現像剤であるトナーと現像技術と云えるだろう。粉体トナーは6ミクロン程度まで微粒子化すると共に均一粒径・均一帯電を実現化して解像力と転写の安定性を向上させてきている。さらに微粒子化した液体トナーはサブミクロンサイズで、現像液の安定も確保できてきており、解像性では印刷インクを凌ぐものにさえなっている。さらにはカラートナーとしてだけではなく金属を含んだトナー、金属そのもので現像する手法、特許文献2のようなめっきが可能なトナー等々粉体・液体に関わらず機能性トナーや現像法が次々と開発されてきている。
しかしこれらの機能性トナーの特徴を十分に発揮させるには電子写真法では限界がある。それは感光体上に静電気パターンを作るという基本的な要素の為である。つまり、感光体上の静電気パターンを現像し、その現像トナーを目的材に転写しなければならない。もちろんその手法によってこそ無版で高精細・高速の印刷が実現しているのであるが、転写すれば必ず解像性は下がるし、導電性のトナーは粘着以外では転写出来ない。さらに云うと現状の感光体はアナログ特性であり、高速で10μmのドットや細線を100μm以上のドットや線と同時に正確に印刷することは困難である。転写性能を持たせるという点でせっかくの機能性トナーも中途半端なものにならざるを得なくなっている。
特開平8−19272 号公報 特開2007−134422 号公報
情野、田中、井上、田嶋:電子写真学会誌 第7巻第3号、p2.
過去静電気パターンを直接現像する為の試みが種々されてきた。製品化まで到った一つに、非特許文献1に示すように感光体から静電気パターンそのものを転写して直接現像する静電転写システムがある。しかし転写紙が特殊であることと剥離放電作用で静電気パターンが作られるという原理の為感光体上のパターンより解像性は落ちる事で現在では製造されていない。直接静電気パターンを描くデバイスとしてマルチスタイラスやイオンビームを偏向させる方式などが製品化されたが電極の加工精度の限界や放電イオンの広がりによる解像性の低さからインクジェット方式に取って代わられている。
また、静電アクチュエータのための静電気パターン形成法ではあるが、特許文献1では電極の周囲に隔壁を設け、放電範囲を限定することで静電気パターンの電極に対する忠実性を得る提案がなされている。しかし特許文献1の手法では印刷や電子写真のような画像パターンを作ることは出来ない。
静電気を利用した高精細なパターンと進化を続けるトナーとを組み合わせれば従来にない効果と性能を持った印刷の可能性があり、感光体以外の絶縁体に直接高精細な静電気パターンを作る手法が望まれている。
本発明では感光体を使わず従来の印刷に匹敵、さらにはそれを凌駕するような静電気を利用して画像を作る実用的な高精細静電印刷方法を提案する。
上述した課題を実現するための本発明の一態様によれば、原版は全面均一な導電性を持った第1電極を持ち、その第1電極の上に密着一体となった適正な均一厚みを持つ版材料で構成されている。そして前記版材料は凸版或いは凹版或いはグラビア版状のパターンが形成されている。前記原版上に、裏面が第2電極である導電層と一体となっている受像シートを密着させ、前記原版の第1電極と前記第2電極との間に前記凸版或いは凹版或いはグラビア版状パターンの凹部の空隙層を放電させるに足る適正な電圧を印加することによって、前記受像シート上に前記凸版或いは凹版或いはグラビア版状パターンに対応した静電気パターンを形成することを特徴とする高精細静電印刷方法が提供される。
前述の構成と静電気パターン形成の過程を理解し易いように図1の基本概念図で説明する。図1(A)は原版10及び受像シート20の構成を示しており、原板10は電極11と凸版或いは凹版或いはグラビア版状の版層12で構成され、静電気パターンが形成される受像シート20は導電層21と受像層22で構成されている。図1(B)は原版10の版層12と受像層20の受像層22を向かい合わせて密着させた構図で、原版10の電極11と受像シート20の導電層21間に直流電圧を印加して版層12の凹部の空隙12a及び空隙12b中の気体を放電させ、受像シート20の受像層22に電離イオンを付着させる工程を示している。図1(C)は原版10から受像シート22を剥離し、受像層22上に版層12の凹部の空隙12a及び空隙12bに応じた静電気パターンが形成されることを示している。
本発明の基本は剥離放電を使わず、パターン状に彫り込まれた空隙の密閉され限定された放電イオンだけによって作られる静電気パターンであるため、帯電イオンの広がりの無い高精細な印刷が出来る。また、彫り込みの深さだけを変えることによってパターンの高精細さをそのままに帯電量の異なる静電気パターンを得ることが出来る。そして特許文献2に提案されているようなめっき可能なトナーを使用すれば、高精細な電子回路を製作することも可能となる。
本発明基本構成 原版と受像シート密着電圧印加工程 原版と受像シート剥離工程 原版電極被膜処理 原版全体被膜処理 パッシェン曲線 連続印刷法
本発明における基本的な構成と静電気パターン形成の基本的行程は図1に示す通りである。
原版10の電極11及び受像シート20の導電層21は電界を供給する役割だけを果たせば良いため、材料は金属やカーボン、グラファイトなどの非金属でも良く、また導電塗料等導電性であればどのような材料で構成されていても良い。また、受像シート20の電極21と受像層22は必ずしも一体となっていなくても良い。原版10の版層12の材料は導電性、半導電性、絶縁性何れの場合でも成立する。受像層22は静電気を保持する必要があるため少なくとも表面は電気絶縁性が高い必要がある。一般的にはポリイミドやポリカーボネイト、PETその他の樹脂シートが使われるが、静電転写システムや静電プリンターに使われた転写紙のように裏面に導電層を設け表面に静電気受像層をコーティングした構成でも良い。
静電気パターンは原版10と受像シート20の空隙の放電電荷によって形成する為版の凹部を目的パターンとして構成するのが基本となるが、静電気を顕在化するためには最終的にトナーと称する帯電した粒体で現像するため、電子写真技術のいわゆるネガ-ポジ現像を行う事が出来、版の凸部に相当する部分にトナー付着させることが出来るため凸部を目的パターンとしても対応出来る。また空隙の放電量は同じ印加電圧に対して空隙の厚み方向の深さで決定され、浅いほど放電量が少なくなり、結果トナー付着量も少なく制限されるため、従来印刷のグラビア印刷と同じような効果を持った印刷が可能である。
空隙が放電する状況はパッシェンの法則から概略計算ができる。大気圧の空気のパッシェンカーブを横軸:空隙距離、縦軸:空隙放電開始電圧として描いた図を図3に示す。カーブの最小値は空隙約5μm前後であり、8μm以上の空隙に対する放電開始電圧は直線カーブで表せるとされており、空隙長:d(μm)、空隙放電開始電圧:Vb(V)として式
Vb=312+6.2d (1)
で近似される。空隙長が20μmとすれば放電開始電圧は436Vということになる。つまり、空隙に436V以上の電圧がかかるような外部電圧が加われば放電が生じイオンが発生する。発生したイオンは電界に従ってプラスイオンはマイナス電極に向かって移動し、マイナスイオンはプラス電極に向かって移動する。イオンによって受像層22は帯電し、空隙の電界を弱める方向に働く。そして空隙に加わる電圧が放電開始電圧436Vに達した時点で放電は終了する。
(凹版の例)
図1(B)にて受像層22を25μmのPETとし、原版10は凹版であって版層12の厚み及び凹部の空隙12aの深さを20μmとして、原版10の電極11を接地電位、受像シート20の電極21にプラス1000Vが加わるような電圧を与えた場合を想定する。該PETの誘電率は約3.3として空気厚みに換算すると約7.6μmに相当するため空隙20μmに加わる電圧は1000×20÷(20+7.6)V=725Vとなる。式(1)から得られる20μm空隙の放電開始電圧436Vより大きいため空隙内で放電イオンが生じ、マイナスイオンが電極21に向かって移動して受像層22に帯電し、プラスイオンは電極11に流れる。受像層22が−(725−436)=-289Vまで帯電すると空隙に加わる電界は放電開始電圧436Vに達するため放電は止まる。その後印加電源をOFFして受像シート20の電極21を0Vにしてから受像シート20を剥離すると凹版の空隙に相当する部分が−289Vに帯電した静電気パターンが出来ることになる。次の工程で電子写真技術で使われるプラスのトナーで現像すればポジの可視画像が得られる。剥離前に該電極21を0Vにするのは全面いずれの部分も剥離放電しない条件を与えるためである。
実際に原版としてITO膜をスパッタリングした2mmのフロートガラス板に20μmのドライフィルムレジストを貼り、各種幅のラインや文字パターンのマスクを重ねて紫外線露光を行い、現像し、フォトレジストによる凹版を作成した。受像シートとしては25μmのPETの裏に10の3乗Ωcm程度の導電塗料を塗布し、さらに100μmのPETを裏打ち接着した。原版と受像シート何れの電極も0Vで上記原版と受像シートを合わせ、吸引密着装置で密着し、原版と受像シートの電極間に前述と同じ1000Vを印加した後0Vに戻して剥離した。そして受像シートに出来た静電気潜像をエレファックス現像液(岩崎通信機株式会社製)にて現像したところ、3ポイント文字、7μmライン〜100μmライン、10μmドット等共に正確な画像再現が得られた。
また、電鋳で作られた、全ニッケル製の原版で前記と同様の画像出力実験をしたところ凹部の画像は正確に現像され、凹部画像以外の部分の模様つまりかぶりの痕跡は全く見られず金属が受像シートに密着している部分の帯電は無い事が確かめられた。
(凸版の例)
前述の凹版の例と同じ条件を与え同じ工程を経ると凸版の空隙に相当する部分が−289Vに帯電した静電気パターンが出来ることになる。次の行程で電子写真技術で使われるプラスのトナーで現像するとネガの可視画像が得られることになる。凸部に相当する部分をポジ画像として現像したい場合にはマイナストナーを使用して現像時に−250V程度のバイアス電圧を加えて現像すれば0Vに近い凸部が相対的にプラス電位となり凸部に相当する部分が現像される。もし凹版時と同じプラスのトナーを使用したい場合は、受像シート20の電極21に印加する電圧を逆極性の−1000Vにすれば受像層22には+289Vの帯電が得られので、+250V程度の現像バイアスで現像すれば同様の凸部に相当するポジ現像が得られる。これは静電気でしか出来ない特徴的な操作といえる。
(グラビア版の例)
前述の凹版の例と同じく版全体の厚み及び空隙12aの深さは同じく20μmとし、画像で言えばハーフトーンに相当する彫り込みの浅い部分の空隙12bの深さを10μmとした場合、版層の材料が導電体或いは半導体であれば前述の凹版の場合と同じ計算方法で空隙を10μmとして計算し、放電開始電圧は374V、空隙に加わる電圧は568Vとなり、受像層22には−194Vの静電パターンができることとなる。このように同一版上に彫り込みの深さの違いを作ることによって中間調の表現が可能となる。
版層の材質が絶縁体である場合には凹部の彫り込まれた底の面が帯電するために受像層22に帯電する量は異なる。空隙層12bの厚みは同じなので、放電開始電圧は同じく374Vであるが空隙12bに加わる電圧は版層の空隙下部の10μmが加わるために、版層の比誘電率も同じ3.3とした場合1000×10/(10+10.6)=485Vとなる。−(485−374)=−111Vに相当する電圧が空隙12bに加わることによって放電が止まることになる。放電により発生するプラスとマイナスのイオン量はおなじであり、マイナスのイオンは受像層22に帯電し、プラスのイオンは版層の凹部の彫り込まれた底の面に帯電するので、発生する電圧は各絶縁体のキャパシタンスの比(つまり空気換算の厚みの比)となり、受像層22には−80V、空隙層12bの下部の版層12には+30V帯電することになる。版層12の帯電は次の印刷の前にACコロナ放電器等で除電すれば良い。受像層の帯電量によってトナーの付着量は変わるため、上記のようにグラビア版の版層の材料違いにより同じ彫り込み深さであっても量的な変化量は異なるが、従来印刷と同じようなグラビア版印刷効果が得られることは同じである。
前述したように従来電子写真技術で、静電転写法による複写機が開発されたことがあるが、これは剥離放電を前提とした技術であり、受像シートが原板よりも離れた位置で放電し画像転写が行われるため、転写画像が原板よりも必ず太る傾向があり高解像は望めない原理を持っていた。当時の複写技術は原稿の光反射と感光体の特性の組み合わせで帯電量の違いを含んだアナログ的表現がなされていたこともあり、解像度は十分とされてきた。しかし、デジタル時代となり電子写真はレーザー露光を使用した高解像力と高速出力性能のプリンターが開発され発展することになった。画像は一定光量のレーザーのオン・オフで描かれるため、中間調表現は従来のオフセット印刷に於ける面積階調手法が導入されている。そのためドットの大きさの正確性は重要となり、従来の静電転写技法は適用出来なくなっている。また電子写真法は解像度が高いといっても感光体のアナログ特性と無版という特徴を生かすがために印刷法に匹敵する画像には至っていない。そしてこれまで静電気を使った手法で印刷法に迫る技術が出現した例は無い。
本発明は従来印刷と同じような版を使用して静電気パターンを作る方法を提案している。静電気パターンが作られるメカニズムは上述したように版に彫り込まれた空隙内だけで放電するため、イオンが拡散することは無く、版の精度が正確に写される。版製作の精度は従来印刷技術で確立されており、その静電気パターンを現像する技術は電子写真技術によって確立されている。また現像に使用されるトナーは進化しており、導電トナー、メッキ可能トナー等機能性トナーが開発されており産業機器としての展開も実現できる。また、静電気パターンを現像するのでは無く、静電モータの例のように静電気パターンそのものを利用する場合にも利用出来る。
(材料、構成等)
原版10の電極11は版の空隙の放電に必要な導電性を持っていれば良く、システムのプロセススピードにもよるが、体積抵抗で10の6乗Ωcm以下であれば問題なく、さらには10の4乗Ωcm以下であればより良い。一般的には金属を用いるが、ガラスやプラスチックの表面に金属膜をスパッタリングしたものも考えられるし、導電塗料をコーティングしたものでも良い。また、それら導電材の表面に酸化防止等のためのコーティングやその上に構成する版層12との接着性を向上させるためのコーティングや処理を設けても機能的に問題はない。
版層12の材料は前述したように導電体、半導電体、絶縁体いずれでも良い。グラビア版で金属銅をレーザー加工するような場合や電鋳製造法などの場合は電極11と版層12が一体になる場合があるが問題ない。版層12が絶縁体の場合、一般的には基材(ここでは電極11)の表面にフォトレジスト液をコーティング或いはフォトレジストシートを貼り、パターンマスクを介し、紫外線で硬化或いは分解して現像液にて不要の部分を取り除くことで残ったレジスト材を版とすることが出来る。またはさらに導電体或いは半導体基材を腐食液で彫り込んでそれを版としても良い。従来印刷で版の耐久性を上げるためにハードコートすることは一般的であるが、ここでもそれを採用することはより良い。
版層12の彫り込みの幅と深さに関しては版層の材料とその加工手法によって限界がある。最小深さに関しては空隙の放電イオン発生量から限定がくる。3μm程度が現状トナーの現像能力からして限度と思われるが、将来少ない電荷量でも十分現像できるトナーが開発されればその限りではない。
受像シート20は種々な構成があり得る。基本的には電極21と受像層22で構成される。電極21は原版10の電極11と同様に導電性を持っていれば良く、システムのプロセススピードにもよるが、体積抵抗で10の6乗Ωcm以下であれば問題なく、さらには10の4乗Ωcm以下であればより良い。また、電極21と受像層22は必ずしも一体となっている必要は無い。
受像層22は静電荷を保持する必要があるため絶縁性の高い材料が必要である。フレキシブルを求めるならばポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネイト、フッ素樹脂等のシートがあり、フレキシブルである必要が無い場合はより多種な樹脂が適応可能である。ただし、静電気パターンの使用目的によって層の厚みや絶縁体の比誘電率及びパターン形成時の印加電圧を考慮する必要がある。例えば一般的な電子写真に使用されているトナーを現像に使用する場合を例に挙げると、受像層に相当するOPC感光体の厚みは約20μm、比誘電率は約4と云われており、ドライトナーの場合は帯電電位は500Vから600V、リキッドトナーの場合は200Vから300V程度に設定される。前述の説明に挙げた条件例では、リキッドトナーで現像するに十分な条件であるが、ドライトナーで現像する場合はパターン形成時の印加電圧を1800V程度にすれば良いことになる。要は最終的にトナーの特性等に必要な電圧と電荷量を考慮して条件を決める事になる。
(受像層の予備帯電)
原版との密着前に受像層に予備帯電を行うことができ、2つの効果が得られる。
一つ目は均一な密着性が得られ背後からの機械的な圧着力をなくすことが出来る可能性がある。但し帯電値は受像シートを原版に近づけて密着するまでの間に空隙が放電を起こさない値でなければならない。例えば前述の原版凹版厚み20μmで受像層25μmのPETの場合を例に挙げると20μm空気層の放電開始電圧436Vより小さければ良いと云うことになる。そしてこの値は受像シートを吸着させるには十分である。
二つ目は、現像する段階での電界が大きくなり、現像効率が良くなることである。予備帯電の吸着効果は極性に関わらず同じであるので、静電気パターン形成時に受像シートの電極21に印加する極性と同極性帯電をする事が肝要である。前述の凹版の例の場合を想定すると受像シートの電極21には+1000Vを印加するのでPETへの予備帯電は放電をしない余裕を持って+350V程度を帯電させることになる。そして形成される静電気パターンは予備帯電とは関わりなく同じ−289Vの帯電を持つので結果的に639Vの信号を現像することになり倍以上の現像効果が得られることになる。この効果は大きいので、放電開始電圧との関係で予備帯電値が低く吸着効果が少ない場合でも行う価値がある。
タッチパネルのように受像シートが透明である必要がある場合は、受像層22の裏面に電極21としてITO膜をスパッタリングしたり透明導電塗料をコートする構成が考えられる。この場合、目的によって受像層22の厚みを大きくとれない場合があり、取り扱い上の問題から電極21の上にさらに剛性を与えるための透明材料を接着する3層以上の構成もあり得る。
(機能向上と応用展開)
原版の使用耐久性を上げる為に図2(A)のように電極11の表面に被膜13をもうけたり、図2(B)のように原版全体に被膜14をもうけることは効果があり、静電気特性上は問題がない。
原版と受像シートは密着する必要があり、基本的には全面圧着させる機構で良いが、そのような機構ではバッチ生産となる。より精細な結果が必要な場合や小画面や小ロット生産の場合には適正であるが、連続・高速生産には適さない。
連続生産の手法としては図4のようにすれば実現できる。原版自体をベルト状或いはドラム状或いは印刷のようにドラム状基材30にシート状の原版10を巻き付け、ドラム状基材30の周長が原版の有効長よりも長く設定し、少なくとも原版有効長の外側で受像シート20を押さえる2本のローラ40を設ける。そして2本のローラ40の間に原版10と受像シート20を押さえつける数本のローラ50を設けベルト状であれドラム状であれ、原版と受像シートは2本のローラ40間では密着させ同速で回転する。原版に受像シートを吸着させる為に受像シート20が原版10に密着する前に予備帯電コロナ放電器を設けることも出来る。この場合は押さえローラ50を省くことが出来る可能性がある。予備帯電は密着前に空隙が放電するような大きな帯電をしてはならないのは当然である。原版空隙の放電の為の高電圧印加は原版有効部が2本のローラ40の間に入った瞬間に高圧パルス電源80にてパルス的に与えれば良い。放電イオンの発生と移動は極瞬間で終了するので、プロセスを止めることなく高速・連続で静電パターンを製作することが出来る。
10 原版
11 原版の電極
12 版層
12a 空隙
12b 空隙
13 電極11の被膜
14 原版10全体の被膜
20 受像シート
21 受像シートの電極
22 受像層
30 ドラム状基材
40 搬送ローラ
50 押さえローラ
60 予備帯電コロナ放電器
70 現像器
80 高圧パルス電源

Claims (7)

  1. 全面均一な導電性を持った第1電極と、前記第1電極の上に密着一体となった適正な均一厚みを持った電気絶縁性或いは導電性或いは半導電性を持った材料で構成され、前記絶縁性或いは導電性或いは半導電性を持った材料に凸版或いは凹版或いはグラビア版状パターンが形成されている原版に、裏面が第2電極である導電層と一体となっている受像シートを密着させ、前記原版の第1電極と前記第2電極との間に前記凸版或いは凹版或いはグラビア版状パターンの空隙層を放電させるに足る適正な電圧を印加することによって、前記受像シート上に前記凸版或いは凹版或いはグラビア版状パターンに対応した静電気パターンを形成することを特徴とする高精細静電印刷方法。
  2. 全面均一な導電性を持った第1電極と、前記第1電極の上に密着一体となった適正な均一厚みを持った電気絶縁性或いは導電性或いは半導電性を持った材料で構成され、前記絶縁性或いは導電性或いは半導電性を持った材料に凸版或いは凹版或いはグラビア版状パターンが形成されている原版に、受像シートを裏面から導電性を持った第2電極で圧着し、前記原版の第1電極と前記第2電極との間に前記凸版或いは凹版或いはグラビア版状パターンの空隙層を放電させるに足る適正な電圧を印加することによって、前記受像シート上に前記凸版或いは凹版或いはグラビア版状パターンに対応した静電気パターンを形成することを特徴とする高精細静電印刷方法。
  3. 全面均一な導電性を持った第1電極と、前記第1電極の上に密着一体となった適正な均一厚みを持った電気絶縁性或いは導電性或いは半導電性を持った材料で構成され、前記絶縁性或いは導電性或いは半導電性を持った材料に凸版或いは凹版或いはグラビア版状パターンが形成されている原版に、受像シートを密着させ、該受像シートの裏面からコロナ放電器により前記凸版或いは凹版或いはグラビア版状パターンの空隙層を放電させるに足る適正な帯電電荷を付与することによって、前記受像シート上に前記凸版或いは凹版或いはグラビア版状パターンに対応した静電気パターンを形成することを特徴とする高精細静電印刷方法。
  4. 前記請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の高精細静電印刷方法に於いて前記原版に前記受像シートを密着する前に前記受像シートに予備帯電することを特徴とする高精細静電印刷方法。
  5. 前記請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の高精細静電印刷方法に於いて前記受像シート上に形成された静電気パターンを電子写真技術におけるドライ現像法或いは湿式現像法を利用し、帯電粒子で現像する事を特徴とする高精細静電印刷方法。
  6. 前記請求項5に記載の帯電粒子がめっき可能な粒子であることを特徴とする高精細静電印刷方法。
  7. 前記静電気パターンがタッチパネルの電極パターンを製作するためのものであることを特徴とする前記請求項1乃至請求項6に記載の高精細静電印刷方法。

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