JP6592485B2 - 発泡成形用の金型 - Google Patents

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Description

本発明は、発泡成形用の金型に関する。
従来から、発泡成形用の金型には、内外、すなわち、成形空間と該成形空間の外部とに連通する貫通孔(いわゆる、ベントホール)に打ち込まれたコアベントに蒸気を流通させるものの他、例えば特許文献1に開示されている金型のように、成形空間と該成形空間の外部とに連通するスリット状の蒸気孔が形成されているものが提供されている。
一般的に、コアベントは有底筒状であるため、コアベントが取り付けられている金型ではベントホール内に窪みが形成され、金型に散布した冷却水がこの窪みに溜まり易くなってしまう。
一方、スリット状の蒸気孔が形成されている金型では、蒸気孔の内部が遮られることなく成形空間と該成形空間の外部とに連通しているため、コアベントが取り付けられている金型に比べて、冷却水が溜まり難いとされている。
特開2015−227056号公報
ところで、上記従来の金型では、蒸気孔の幅が狭くなっているため、蒸気孔内に入り込んだ冷却水がその場に留まり続けるうえに、空気を吹き付けても蒸気孔内の冷却水を簡単に吹き飛ばすことはできなかった。
このように、上記従来の金型では、依然として蒸気孔内に冷却水等の液体が残り続けることがあり、成形材料の詰まり等の問題に繋がることがあった。
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、蒸気を通すためのスリットに入り込んだ液体に対して優れた排水性を発揮できる発泡成形用の金型を提供することを課題とする。
本発明の発泡成形用の金型は、
縦向きとなる縦壁部に対して成形面と該成形面とは反対側の背面とに亘って貫通するスリットが形成され、
該スリットには、前記背面側で開放する背面スリットと、該背面スリットに連続し且つ前記成形面で開放する成形面スリットとが含まれ、
前記成型面スリットは、長手方向に直交する方向における幅が一定であり、
前記背面スリットは、長手方向に直交する方向における幅が前記成型面スリットの前記幅よりも大きくなるように形成され、且つ下方側に位置する下側面前記成形面側から前記背面側になるにつれて下方側に向かうように傾斜している。
上記構成の発泡成形用の金型によれば、縦壁部のスリットに含まれている背面スリットの下側面が成形面側から背面側になるにつれて下方側に向かうように傾斜しているため、スリット内に入り込んだ水が自重により下側面からスリットの外部に流れ出るようにすることができる。
本発明の発泡成形用の金型において、
前記背面スリットは、前記下側面に対向する上側面を有し、
前記上側面は、前記成形面側から前記背面側になるにつれて上方側に向かうように傾斜している。
かかる構成によれば、対向する下側面と上側面の間隔、すなわち、背面スリットの幅が、成形面スリット側よりも背面側の方で広くなっているため、背面スリット内に入り込んだ水に生じる表面張力を抑えることができ、これにより、背面スリット内の水が外部に流れ出し易くなる。
また、本発明の発泡成形用の金型において、
前記背面スリットは、
前記上側面と前記下側面とに連続する一対の横面を有し、
該一対の横面は、前記成形面側から前記背面側になるにつれて前記背面スリットの外側に広がるように傾斜していてもよい。
かかる構成によれば、背面スリットの開口面積全体が成形面スリット側よりも背面側の方で広くなるため、背面スリット内に入り込んだ水に生じる表面張力を抑える効果が高まり、背面スリット内の水が外部に流れ出し易くなる。
さらに、本発明の発泡成形用の金型において、
前記背面スリットは、上下方向で真っ直ぐに延びるように形成され、
該背面スリットは、上下方向で並ぶ一対の短面を有し、
前記一対の短面のうちの一方が前記下側面であり、
前記一対の短面のうちの他方が前記下側面に対向する上側面であり、
前記下側面と前記上側面とは、前記成型面側から前記背面側になるにつれて前記上下方向における外側に向かうように傾斜していてもよい。
以上のように、本発明の発泡成形用の金型によれば、蒸気を通すためのスリットに入り込んだ液体に対して優れた排水性を発揮できるという効果を奏し得る。
図1は、本発明の一実施形態に係る金型であるキャビティとコアの側面図である。 図2において、(a)はキャビティの背面図であり、(b)はキャビティの前面図である。 図3において、(a)は第一のスリットの拡大図であり、(b)は図2(a)におけるIII−III断面線の断面拡大図である。 図4において、(a)は第二のスリットの拡大図であり、(b)は図1におけるIV−IV断面線の断面拡大図である。 図5において、(a)はコアの背面図であり、(b)はコアの前面図である。
以下、本発明の一実施形態にかかる発泡成形用の金型(以下、金型と称する)について説明する。本実施形態に係る金型は、成形面から成形面とは反対側の背面まで貫通するように形成したスリットを通じて蒸気を流通させるスリットライン金型である。
なお、金型は、キャビティ型であってもコア型であってもよいが、本実施形態では、図1に示すように、一組のキャビティ1と、コア2とを例に挙げて以下の説明を行うこととする。
キャビティ1は、コア2と協働して成形空間を形成するための成形部10を有する。
キャビティ1の成形部10には、凹状の成形面100と、該成形面100とは反対側に位置する凸状の背面101とが含まれている(図2(a)参照)。
また、キャビティ1の成形部10は、底壁部102と、該底部の外周縁部全周に連続する周壁部103とを有するように構成されており、底壁部102の内面と周壁部103の内面とで図2(b)に示す成形面100が構成され、底壁部102の外面と周壁部103の外面とで図2(a)に示す背面101が構成されている。
本実施形態では、キャビティ1の成形部10、成形面100、背面101、底壁部102、周壁部103をそれぞれ第一の成形部10、第一の成形面100、第一の背面101、第一の底壁部102、第一の周壁部103と称して以下の説明を行うこととする。
コア2は、キャビティ1(第一の成形部10)と協同して成形用の空間を形成するための成形部20を有する。
コア2の成形部20には、凸状の成形面200と、該成形面200とは反対側に位置する凹状の背面201(図5(a)参照)とが含まれている。
また、コア2の成形部20は、前壁部202と、該前壁部202の外周縁部全周に連続する周壁部203とを有するように構成されており、前壁部202の外面と周壁部203の外面とで図5(b)に示す成形面200が構成され、前壁部202と周壁部203の内面とで図5(a)に示す背面201が構成されている。
本実施形態では、コア2の成形部20、成形面200、背面201、前壁部202、周壁部203をそれぞれ第二の成形部20、第二の成形面200、第二の背面201、第二の前壁部202、第二の周壁部203と称して以下の説明を行うこととする。
第一の成形部10には、使用状態において縦向きの姿勢となる縦壁部(以下、第一の縦壁部と称する)110と、横向きの姿勢となる横壁部(以下、第一の横壁部と称する)111と、が含まれている。
なお、第一の縦壁部110の縦向きの姿勢とは、該第一の縦壁部110の内面及び外面が水平方向、若しくは略水平方向に向けられた状態となる姿勢のことであり、第一の横壁部111の横向きの姿勢とは、該横壁部の内面及び外面が若しくは略上下方向に向けられた状態となる姿勢のことである。
また、本実施形態のように、キャビティ1とコア2とを水平方向で接離(開閉)させる場合においては、第一の成形部10の第一の底壁部102と、第一の周壁部103のうちの縦向きの姿勢となる部分とが第一の縦壁部110となり、第一の周壁部103のうちの横向きの姿勢となる部分が第一の横壁部111となる。
第一の縦壁部110には、図2(a)、及び図2(b)に示すように、外面(第一の背面101)と内面(第一の成形面100)とに亘って貫通するスリット3が複数形成されている。
各スリット3には、図3(a)、図3(b)に示すように、第一の背面101側で開放(開口)する背面スリット30と、該背面スリット30に連続し且つ第一の成形面100側で開放(開口)する成形面スリット31とが含まれている。
背面スリット30は、真っ直ぐに延びた形状である。また、背面スリット30は、対向する一対の長面300と、該一対の長面300のそれぞれに連続する一対の短面301とにより画定されている。
各長面300は、第一の成形面100側(成形面スリット31側)から第一の背面101側になるにつれて、徐々にスリット3の外側(具体的には、背面スリット30の長手方向に対して直交する幅方向における外側)に向かうように傾斜している。そのため、一対の長面300の間隔は、第一の成形面100側よりも第一の背面101側の方が広くなっている。
なお、一対の長面300は、互いの間隔が第一の成形面100側よりも第一の背面101側の方が広くなっていれば、曲面(スリット3の外側に膨らむような曲面)であってもよいし、平らな斜面であってもよい。すなわち、各長面300は、直線状に傾斜していてもよいし、曲線状に傾斜していてもよい。
各短面301も、第一の成形面100側(成形面スリット31側)から第一の背面101側になるにつれて、徐々にスリット3の外側(具体的には、背面スリット30の長手方向における外側)に向かうように傾斜している。そのため、一対の短面301の間隔も、第一の成形面100側よりも第一の背面101側の方が広くなっている。
なお、一対の短面301の間隔も、互いの間隔が第一の成形面100側よりも第一の背面101側の方が広くなっていれば、曲面(スリット3の外側に膨らむような曲面)であってもよいし、平らな斜面であってもよい。すなわち、各短面301は、直線状に傾斜していてもよいし、曲線状に傾斜していてもよい。
第一の成形面スリット31も、真っ直ぐに延びた形状であり、本実施形態では、第一の成形面スリット31の長手方向と第一の背面スリット30の長手方向とが一致している。
ここで、背面スリット30及び成形面スリット31の寸法について説明する。成形面スリット31の長さ(長手方向における寸法)は、背面スリット30の長さ(長手方向における寸法)よりも小さくなっている。そして、成形面スリット31の幅(長手方向に直交する方向おける寸法)もまた、背面スリット30の幅よりも小さくなっている。そのため、成形面スリット31と背面スリット30の境目は段状になっている。
本実施形態に係る成形面スリット31は、第一の背面101側(背面スリット30側)の一端から第一の成形面100側の他端にかけて開口面積が一定となるように形成されている。すなわち、成形面スリット31は、前記一端から前記他端に亘って長さと幅とが一定となるように形成されている。
このように、第一の成形部10に形成されている各スリット3は、何れも真っ直ぐに延びるように形成されているが、第一の成形部10に形成された複数のスリット3には、上下方向に延びるように形成されたスリット(以下、第一のスリットと称する)4A(図2(a)、図2(b)参照)と、水平方向に延びるように形成されたスリット(以下、第二のスリットと称する)4Bと(図1参照)が含まれている。
第一のスリット4Aでは、図3(a)、図3(b)に示すように、一対の短面301のうちの一方の短面301が下側面40となり、他方の短面301が上側面41となる。また、一対の長面300は、それぞれ横面42となる。
第二のスリット4Bでは、図4(a)、図4(b)に示すように、一対の長面300のうちの一方の長面300が下側面40となり、他方の長面300が上側面41となる。また、一対の短面301はそれぞれ横面42となる。
ここで、背面スリット30と成形面スリット31の寸法について具体的に説明すると、背面スリット30の深さ(第一の成形部10の第一の背面101から成形面スリット31との境目までの深さ)は、8.5mm〜9.0mm程度に設定され、成形面スリット31の深さ(第一の成形部10の第一の成形面100から成形面スリット31との境目までの深さ)は、0.5mm〜7.5mm程度に設定されていることが好ましい。また、成形面スリット31の深さは、第一の成形部10全体の厚みに対して5%〜50%程度の深さであることが好ましい。このように、成形面スリット31の深さは、背面スリット30の深さよりも浅くなるように形成されている。
そして、成形面スリット31の第一の成形面100側での開口幅(長手方向に直交する方向における開口幅)は0.2mm〜0.8mm程度に設定されていることが好ましく、背面スリット30の第一の背面101側での開口幅は成形面スリット31の前記開口幅の3倍〜10倍に設定されていることが好ましい。
さらに、スリット3が開放する方向を基準とする場合、長面300は背面スリット30の外側に向けて約1度〜5度傾斜していることが好ましく、短面301は、背面スリット30の外側に向けて約1度〜70度傾斜していることが好ましい。
第二の成形部20には、図1に示すように、使用状態において縦向きの姿勢となる縦壁部(以下、第二の縦壁部と称する)210と、横向きの姿勢となる横壁部(以下、第二の横壁部と称する)211とが含まれている。
第二の成形部20においても、第二の縦壁部210の縦向きの姿勢とは、該第二の縦壁部210の内面及び外面が水平方向、若しくは略水平方向に向けられた状態となる姿勢のことであり、第二の横壁部211の横向きの姿勢とは、該第二の横壁部211の内面及び外面が若しくは略上下方向に向けられた状態となる姿勢のことである。
また、キャビティ1とコア2とを水平方向で接離(開閉)させる場合においては、第二の前壁部202と、第二の周壁部203のうちの縦向きの姿勢となる部分とが第二の縦壁部210となり、第二の周壁部203のうちの横向きの姿勢となる部分が第二の横壁部211となる。
第二の縦壁部210となる第二の前壁部202にも、図5(a)、及び図5(b)に示すように、第一の縦壁部110に形成されているスリット3と同様の構造のスリット3が複数形成されている。なお、本実施形態のコア2では、第二の縦壁部210となる第二の前壁部202に形成されている複数のスリット3の全てが上下方向に延びるように形成されたスリット3、すなわち、上述の第一のスリット4Aとなっている。
本実施形態に係るキャビティ1及びコア2の構成は、以上の通りである。本実施形態に係る金型(キャビティ1、及びコア2)によれば、第一の縦壁部110や、第二の縦壁部210に形成されているスリット3の背面スリット30では、下側面40となる面が成形面100、200側から背面101、201側になるにつれて下方側に向かうように傾斜しているため、例えば、成形面100、200側から冷却水等の液体を散布した際に、成形面スリット31からスリット3内に入り込んだ水が自重により下側面からスリット3の外部に流れ出るようにすることができる。
従って、蒸気を通すためのスリット3に入り込んだ液体に対して優れた排水性を発揮できるという効果を奏し得る。
また、本実施形態では、背面スリット30の上側面41が成形面100、200側から背面101、201側になるにつれて上方側に向かうように傾斜しているため、互いに対向する下側面40と上側面41の間隔、すなわち、背面スリット30の幅(長手方向に直交する方向における幅)が、成形面スリット31側よりも背面101、201側の方で広くなっているため、背面スリット30内に入り込んだ水に生じる表面張力を抑えることができ、これにより、背面スリット30内の水が背面101、201側から外部に流れ出し易くなる。
さらに、本実施形態では、上側面41と下側面40とに連続する一対の横面42も背面スリット30の外側に広がるように傾斜していているため、背面スリット30の開口面積全体が成形面スリット31側よりも背面101、201側で広くなるため、背面スリット内に入り込んだ水に生じる表面張力を抑える効果が高まることにより、背面101、201側から外部に流れ出し易くなる。
なお、本実施形態に係るスリット3では、長面300よりも短面301の方がスリット3の外方に向かって大きく広がるように形成されているため、一方の短面301を下側面40としている第一のスリット4Aは、一方の短面301を下側面40としている第二のスリット4Bよりも背面101、201側から外部に流れ出し易くなる。
また、本実施形態に係るスリット3では、開口面積の小さい成形面スリット31の深さを、背面スリット30の深さよりも小さく(浅く)しているため、該成形面スリット31内に入り込んだ水がその場に留まり続けてしまうことを防ぐことができる。
そして、本実施形態では、背面101,201側での背面スリット30の開口面積よりも成形面スリット31側での背面スリット30の開口面積の方が小さくなっており、さらに、該成形面スリット31側での背面スリット30の開口面積よりも、成形面スリット31の開口面積が小さくなっているため、背面スリット30から入り込んでスリット3を通過しようとする蒸気や、乾燥用の空気等の圧力低下を抑えることができる。
なお、本発明の金型は、上記一実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更を行うことは勿論である。
上記実施形態では、キャビティ1の第一の縦壁部110にスリット3が形成されると説明したが、第一の横壁部111にもスリット3が形成されていてもよい。
上記実施形態では、コア2の第二の縦壁部210を構成する部分のうち、第二の前壁部202のみにスリット3が形成されていたが、第二の縦壁部210を構成する第二の周壁部203や、第二の横壁部211にもスリット3が形成されていてもよい。
上記実施形態において、第一の成形部10、及び第二の成形部20には、スリット3のみが形成されていたが、この構成に限定されない。例えば、コア2ベントが併用されていてもよい。この場合、第一の成形部10、及び第二の成形部20のうち、スリット3が形成されている部分には冷却水が溜まり難くなる。
上記実施形態において、第一の縦壁部110を構成する第一の底壁部102には、第一のスリット4Aのみが形成されていたが、この構成に限定されない。例えば、第一の底壁部102には、第一のスリット4Aに加えて第二のスリット4Bも形成されていてもよいし、第一のスリット4Aや、第二のスリット4Bとはさらに別の形状のスリット3が形成されていてもよい。
また、第一の縦壁部110を第一の周壁部103も、第一の底壁部102と同様に、第二のスリット4Bに加えて第一のスリット4Aも形成されていてもよいし、第二のスリット4Bや、第一のスリット4Aとは別の形状のスリット3が形成されていてもよい。
上記実施形態において、第二の縦壁部210を構成する第二の底壁部102には、第一のスリット4Aのみが形成されていたが、この構成に限定されない。例えば、第二の底壁部102には、第一のスリット4Aに加えて第二のスリット4Bも形成されていてもよいし、第一のスリット4Aや、第二のスリット4Bとはさらに別の形状のスリット3が形成されていてもよい。
また、第二の縦壁部210を第二の周壁部203も、第一のスリット4Aや、第二のスリット4B、第一のスリット4A及び第二のスリット4Bとは別の形状のスリット3が混在していてもよい。
上記実施形態において、特に言及しなかったが、第一のスリット4Aや、第二のスリット4Bは、複数の壁部に跨って延びるように形成されていてもよい。例えば、キャビティ1では、第一のスリット4Aや、第二のスリット4Bが第一の縦壁部110から第一の横壁部111に亘って延びるように形成されていてもよいし、第一の底壁部102から第一の縦壁部110を構成する第一の周壁部103に亘って延びるように形成されていてもよい。
コア2においても、キャビティ1と同様に、第一のスリット4Aや、第二のスリット4Bが第二の縦壁部210から第二の横壁部211に亘って延びるように形成されていてもよいし、第二の前壁部202から第二の縦壁部210を構成する第二の周壁部203に亘って延びるように形成されていてもよい。
上記実施形態では、スリット3を画定する各面、具体的には、一対の長面300、及び一対の短面301のそれぞれがスリット3の外側に向けて傾斜していたが、この構成に限定されない。例えば、スリット3を画定する各面は、少なくとも下方側に配置されるものがスリット3の外側(下方側)に向かって傾斜するように形成されていればよい。
上記実施形態の図3(a)や、図4(a)では、長面300と短面301との境目を示す線を図示していたが、長面300と短面301との境目は、角形状であってもよいし、丸みを帯びるように湾曲した形状となっていてもよい。
上記実施形態において、スリット3は、真っ直ぐに延びていたが、この構成に限定されない。例えば、スリット3は、曲線状や、波線状であってもよいし、複数のスリット3が互いに交わるように形成されていてもよい。
上記実施形態において、成形面スリット31は、開口方向における全長に亘って、開口面積が一定となるように形成されていたが、この構成に限定されない。例えば、成形面スリット31は、テーパー状に形成されていてもよい。
上記実施形態では、キャビティ1とコア2とを水平方向で接離させる(開閉する)ことを前提として説明を行ったが、この構成に限定されない。例えば、キャビティ1とコア2とは、上下方向で接離させるように構成されていてもよい。
この場合、第一の成形部10では、第一の周壁部103のそれぞれが第一の縦壁部110となり、第二の成形部20では、第二の周壁部203のそれぞれが第二の縦壁部210となる。
上記実施形態では、一対の長面300及び一対の短面301のうちの少なくとも下方側に配置されるものがスリット3の外側に向かうように傾斜していればよいと説明していたが、スリット3を通り抜ける蒸気(スリット3を背面スリット30、成形面スリット31の順に通り抜ける蒸気)の圧力損失を防止する効果のみを得る場合においては、背面スリット30の開口面積が成形面スリット31の開口面積よりも大きければ、背面スリット30の開口方向における全長に亘って該背面スリット30の開口形状が変わらないように構成されていてもよい。
1…キャビティ、2…コア、3、4A、4B…スリット、10…第一の成形部、20…第二の成形部、30…背面スリット、31…成形面スリット、40…下側面、41…上側面、42…横面、100…第一の成形面、101…第一の背面、102…第一の底壁部、103…第一の周壁部、110…第一の縦壁部、111…第一の横壁部、200…第二の成形面、201…第二の背面、202…第二の前壁部、203…第二の周壁部、210…第二の縦壁部、211…第二の横壁部、300…長面、301…短面

Claims (4)

  1. 縦向きとなる縦壁部に対して成形面と該成形面とは反対側の背面とに亘って貫通するスリットが形成され、
    該スリットには、前記背面側で開放する背面スリットと、該背面スリットに連続し且つ前記成形面で開放する成形面スリットとが含まれ、
    前記成型面スリットは、長手方向に直交する方向における幅が一定であり、
    前記背面スリットは、長手方向に直交する方向における幅が前記成型面スリットの前記幅よりも大きくなるように形成され、且つ下方側に位置する下側面前記成形面側から前記背面側になるにつれて下方側に向かうように傾斜している発泡成形用の金型。
  2. 前記背面スリットは、前記下側面に対向する上側面を有し、
    前記上側面は、前記成形面側から前記背面側になるにつれて上方側に向かうように傾斜している請求項1に記載の発泡成形用の金型。
  3. 前記背面スリットは、
    前記上側面と前記下側面とに連続する一対の横面を有し、
    該一対の横面は、前記成形面側から前記背面側になるにつれて前記背面スリットの外側に広がるように傾斜している請求項2に記載の発泡成形用の金型。
  4. 前記背面スリットは、上下方向で真っ直ぐに延びるように形成され、
    該背面スリットは、上下方向で並ぶ一対の短面を有し、
    前記一対の短面のうちの一方が前記下側面であり、
    前記一対の短面のうちの他方が前記下側面に対向する上側面であり、
    前記下側面と前記上側面とは、前記成型面側から前記背面側になるにつれて前記上下方向における外側に向かうように傾斜している、
    請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の発泡成形用の金型。
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