JP6592197B2 - アクリル酸誘導体、製造方法、および医薬としてのその使用 - Google Patents

アクリル酸誘導体、製造方法、および医薬としてのその使用 Download PDF

Info

Publication number
JP6592197B2
JP6592197B2 JP2018524291A JP2018524291A JP6592197B2 JP 6592197 B2 JP6592197 B2 JP 6592197B2 JP 2018524291 A JP2018524291 A JP 2018524291A JP 2018524291 A JP2018524291 A JP 2018524291A JP 6592197 B2 JP6592197 B2 JP 6592197B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heterocyclyl
aryl
pharmaceutically acceptable
stereoisomer
tautomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018524291A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018535216A (ja
Inventor
関東亮
盛首一
白▲か▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zhejiang Hisun Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Zhejiang Hisun Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Zhejiang Hisun Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Zhejiang Hisun Pharmaceutical Co Ltd
Publication of JP2018535216A publication Critical patent/JP2018535216A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6592197B2 publication Critical patent/JP6592197B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D471/00Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, at least one ring being a six-membered ring with one nitrogen atom, not provided for by groups C07D451/00 - C07D463/00
    • C07D471/02Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, at least one ring being a six-membered ring with one nitrogen atom, not provided for by groups C07D451/00 - C07D463/00 in which the condensed system contains two hetero rings
    • C07D471/04Ortho-condensed systems
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/435Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom
    • A61K31/4353Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom ortho- or peri-condensed with heterocyclic ring systems
    • A61K31/437Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom ortho- or peri-condensed with heterocyclic ring systems the heterocyclic ring system containing a five-membered ring having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. indolizine, beta-carboline
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/435Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom
    • A61K31/44Non condensed pyridines; Hydrogenated derivatives thereof
    • A61K31/4427Non condensed pyridines; Hydrogenated derivatives thereof containing further heterocyclic ring systems
    • A61K31/444Non condensed pyridines; Hydrogenated derivatives thereof containing further heterocyclic ring systems containing a six-membered ring with nitrogen as a ring heteroatom, e.g. amrinone
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

本発明は、医薬の分野に関し、特に、新規のアクリル誘導体、その立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩、それらの調製方法、それらを含む医薬組成物、および治療薬としての、特にエストロゲン受容体拮抗薬またはエストロゲン受容体αダウンレギュレータとしてのそれらの使用に関する。
エストロゲン受容体(ER)は、内因性エストロゲンとの相互作用を通して様々な生物学的効果の誘導を媒介するリガンド活性化転写調節タンパク質である。内因性エストロゲンは、17β‐エストラジオールおよびエストロンを含む。ERには2つの亜型、エストロゲン受容体α(ERα、ESR1、およびNR3A)およびエストロゲン受容体β(ERβ、ESR2、およびNR3b)がある。エストロゲン受容体αおよびエストロゲン受容体βは、核内受容体ファミリーのメンバーであるステロイドホルモン受容体のメンバーである。核内受容体のメカニズムに類似して、ERαは、リガンド活性化転写因子である6つの機能ドメイン(A〜F)から成る。内因性エストロゲン17βエストラジオール(E2)を含む特定のリガンドに結合した後、ERαはゲノム配列に結合して複合体になる。つまり、エストロゲン受容体応答配列と共調節因子とが結合して標的遺伝子の転写を調節する。ERα遺伝子は、6q25.1に位置し、595Aタンパク質をコードし、切断部位および転写開始地点次第で様々な亜型になる。DNA結合ドメイン(ドメインC)およびリガンド結合ドメイン(Eドメイン)に加えて、受容体は、N末端(A/Bドメイン)、ヒンジ領域(CドメインとEドメインとを連結するDドメイン)、およびC末端(Fドメイン)をも含む。ERαおよびERβは、CドメインおよびEドメインにおいて一致するが、A/Bドメイン、DドメインおよびFドメインにおいてあまり一致しない。両受容体は、女性生殖管の調節および成長に関連し、中枢神経系、心臓血管系、および骨代謝において重要な役割を果たす。エストロゲンと受容体との結合は、様々な細胞変化をもたらす可能性があり、その調整メカニズムをゲノム経路と非ゲノム経路との2つに分けることができる。ER媒介ゲノム経路は、エストロゲン受容体ダイマーの形成、エストロゲン調節遺伝子プロモーター中のEREへの結合、および他の調節タンパク質の当該プロモーターへの集合の媒介を含み、最終的には当該遺伝子のmRNAレベルの増減に至る。エストロゲン媒介非ゲノム経路において、エストロゲンは、ERの細胞膜内に存在するまたはERの細胞膜に隣接するエストロゲン結合タンパク質と、また、ERのない細胞膜であっても当該細胞膜内に存在するまたは当該細胞膜に隣接するエストロゲン結合タンパク質と反応する。非ゲノム経路を介してエストロゲンによって引き起こされた細胞応答は、細胞内のカルシウムおよび一酸化窒素レベルを上昇させることができるとともに、様々な細胞内キナーゼ活性(MAPK、PI3K、PKA、およびPKCを含む)を増大させることができ、それにより、nERリン酸化および活性化を引き起こす。
乳癌患者の約70%は、ERおよび/またはプロゲステロン受容体を発現させており、この癌細胞の増殖がホルモン依存性であること、および卵巣癌および子宮内膜癌等の他の腫瘍の成長もERαに依存することを示している。これらの疾病の治療は、ERシグナリングを様々な方法で抑制することによって行うことができる。そうした様々な方法としては、リガンドのERへの結合に対する拮抗作用、ERαの拮抗作用またはダウンレギュレーション、およびエストロゲン合成の阻害等が挙げられる。同時に、ERαおよびERβは、副腎皮質腫瘍、膵臓癌、前立腺癌、および甲状腺癌等の内分泌腫瘍や、大腸癌、食道癌、肝臓癌、および膵臓癌等の胃腸系腫瘍や、肺癌で発現する。上述の治療は、ER陽性癌患者において役割を果たすが、薬剤耐性ももたらす。近年、ESR1突然変異が転移性ER陽性乳癌患者への耐性の要因の1つであるかもしれないことが報告されている(Toy et al., Nat. Genetic 2013, 45:1439-1445;Li, S. et al Cell Rep.4, 1116-1130 (2013))。しかしながら、可能な耐性メカニズムにおいて、腫瘍の増殖は、ER依存活性を示し、そのためERαを選択的に減少するメカニズムは、ERα活性に媒介された早期転移性で薬剤耐性の癌を阻止するより良い方法を提供する。
これまで、多数の薬剤が選択エストロゲン受容体ダウンレギュレータ(低下剤)(SERD)として開示されてきた。そうした薬剤としては、ジェネンテック社の臨床段階IIにあるGDC‐0810および臨床段階IにあるGDC‐0927や、アストラゼネカ社の臨床段階IにあるAZD‐9496や、一連のSERD特許出願(WO2011156518、WO2012037410およびWO2015082990等)が挙げられる。しかしながら、新規のエストロゲン受容体αダウンレギュレータを研究および開発する必要は依然としてある。
〔発明の概要〕
本発明の目的は、構造が従来技術のものとは異なるエストロゲン受容体拮抗活性を有するアクリル誘導体を提供することである。
そのため、本発明の第1の態様によれば、本発明は、一般式(I)で表される化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩であって、
式中、
およびRは、それぞれ独立して、水素原子またはハロゲンから選択され、上記ハロゲンは、好ましくはFであり、
は、以下の基から選択され、
(i)シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリール(上記シクロアルキル、上記ヘテロシクリル、上記アリール、または上記ヘテロアリールは、ヒドロキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、‐NR、‐C(O)NR、‐C(O)R、‐SO、‐C(O)OR、または‐NRC(O)Rから選択される1つ以上の基によって任意でさらに置換される)、
(ii)アルキル(上記アルキルは、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、‐NR、‐C(O)NR、‐C(O)R、‐SO、‐C(O)OR、またはNRC(O)Rから選択される1つ以上の基によってさらに置換され、上記アルコキシ、上記シクロアルキル、上記ヘテロシクリル、上記アリール、または上記ヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アルコキシ、‐C(O)NR、‐C(O)R、‐SO、‐C(O)OR、または‐NRC(O)Rから選択される1つ以上の基によって任意でさらに置換され、上記ハロゲンは、好ましくはFである)、
は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、トリフルオロメチル、シアノ、‐C(O)NR、‐C(O)R、‐SO、‐C(O)OR、またはNRC(O)Rから選択され、上記アルキルまたは上記アルコキシは、ハロゲン、‐C(O)NR、‐C(O)R、‐SO、‐C(O)OR、または‐NRC(O)Rから選択される1つ以上の基によって任意でさらに置換され、
は、水素原子またはアルキルから選択され、
は、水素原子、アルキル、シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールから選択され、上記アルキル、上記シクロアルキル、上記アリール、または上記ヘテロアリールは、ヒドロキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、‐NR、‐C(O)NR、‐C(O)R10、‐SO10、‐C(O)OR10、または‐NRC(O)Rから選択される1つ以上の基によって任意でさらに置換され、
あるいは、RおよびRは、RおよびRに結合した原子とともに、4員〜8員のヘテロシクリルを形成し、上記ヘテロシクリルは、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、‐NR、‐C(O)NR、‐C(O)R10、‐SO10、‐C(O)OR10、または‐NRC(O)Rから選択される1つ以上の基によって任意でさらに置換され、
は、水素原子、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールから選択され、上記アルキル、上記シクロアルキル、上記ヘテロシクリル、上記アリール、または上記ヘテロアリールは、ヒドロキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、‐NR、‐C(O)NR、‐C(O)R10、‐SO10、‐C(O)OR10、または‐NRC(O)Rから選択される1つ以上の基によって任意でさらに置換され、
、R、およびR10は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールから選択され、上記アルキル、上記シクロアルキル、上記ヘテロシクリル、上記アリール、または上記ヘテロアリールは、ヒドロキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、カルボキシ、またはカルボキシレート基から選択される1つ以上の基によって任意でさらに置換され、
nは、0、1、2、3、または4である、
一般式(I)で表される化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩を提供する。
本発明の別の実施形態において、一般式(I)の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩は、一般式(II)の化合物、その立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩であって、
式中、
、R、R、R、およびnは、一般式(I)で定義された通りである。
本発明の好適な実施形態において、一般式(I)または(II)の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩であって、
上記アルキルは、好ましくは炭素数1〜10のアルキルであり、
上記アルコキシは、好ましくは炭素数1〜10のアルコキシであり、
上記シクロアルキルは、好ましくは炭素数3〜12のシクロアルキルであり、
上記ヘテロシクリルは、好ましくは炭素数3〜10のヘテロシクリルであり、
上記アリールは、好ましくは炭素数6〜10のアリールであり、
上記ヘテロアリールは、好ましくは5員〜10員のヘテロアリールである、
一般式(I)または(II)の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩。
本発明の好適な実施形態において、一般式(I)または(II)の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩であって、Rは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜3のアルキル、ハロゲン、アルコキシ、トリフルオロメチル、またはシアノから選択される、一般式(I)または(II)の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩。
本発明の一実施形態において、一般式(I)または(II)の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩であって、Rはシクロプロピルであって、上記シクロプロピルは、ヒドロキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、‐NR、‐C(O)NR、‐C(O)R、‐SO、‐C(O)OR、または‐NRC(O)Rから選択される1つ以上の基によって任意でさらに置換され、上記シクロプロピルは、好ましくはハロゲンによって置換され、より好ましくはFによって置換され、
、R、およびRは、一般式(I)で定義された通りである、
一般式(I)または(II)の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩。
本発明の一実施形態において、一般式(I)または(II)の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩であって、Rは、シクロペンチルまたはシクロへキシルから選択され、上記シクロペンチルまたは上記シクロへキシルは、ヒドロキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、‐NR、‐C(O)NR、‐C(O)R、‐SO、‐C(O)OR、または‐NRC(O)Rから選択される1つ以上の基によって任意でさらに置換され、上記シクロペンチルまたは上記シクロへキシルは、好ましくはハロゲンによって置換され、より好ましくはFによって置換され、
、R、およびRは、一般式(I)で定義された通りである、
一般式(I)または(II)の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩。
本発明の一実施形態において、一般式(I)または(II)の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩であって、Rはアルキルであって、上記アルキルは、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、‐NR、‐C(O)NR、‐C(O)R、‐SO、‐C(O)OR、または‐NRC(O)Rから選択される1つ以上の基によってさらに置換され、上記アルコキシ、上記シクロアルキル、上記ヘテロシクリル、上記アリール、または上記ヘテロアリールは、1つ以上のFによって任意でさらに置換され、
、R、およびRは、一般式(I)で定義された通りである、
一般式(I)または(II)の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩。
本発明の一実施形態において、一般式(I)または(II)の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩であって、
およびRは、それぞれ独立してハロゲンから選択され、上記ハロゲンは好ましくはFであり、
は以下からなる基より選択され、
(i)シクロプロピル、シクロペンチル、シクロへキシル、炭素数3〜10のヘテロシクリル、炭素数6〜10のアリール、または5員〜10員のヘテロアリール(上記シクロプロピル、上記シクロペンチル、上記シクロへキシル、上記炭素数3〜10のヘテロシクリル、上記炭素数6〜10のアリール、または上記5員〜10員のヘテロアリールは、1つ以上のハロゲンによって任意にさらに置換され、上記ハロゲンは好ましくはFである)、
(ii)炭素数1〜10のアルキル(上記アルキルは、1つ以上のヒドロキシによってさらに置換される)、
は水素原子である、
一般式(I)または(II)の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩。
本発明の一実施形態において、一般式(I)または(II)の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩であって、
およびRは、それぞれ独立して、ハロゲン、好ましくはFから選択され、
は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロへキシル、炭素数3〜10のヘテロシクリル、炭素数6〜10のアリール、または5員〜10員のヘテロアリールから選択され、上記シクロプロピル、上記シクロペンチル、上記シクロへキシル、上記炭素数3〜10のヘテロシクリル、上記炭素数6〜10のアリール、または上記5員〜10員のヘテロアリールは、1つ以上のハロゲンによって任意でさらに置換され、上記ハロゲンは、好ましくはF、ClまたはBr、より好ましくはFであり、
は、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキルまたはハロゲンから選択され、上記ハロゲンは、好ましくはF、ClまたはBr、より好ましくはFである、
一般式(I)または(II)の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩。
本発明の一実施形態において、一般式(I)または(II)の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩であって、
およびRは、それぞれ独立して、ハロゲン、好ましくはFから選択され、
はシクロプロピルから選択され、上記シクロプロピルは、1つ以上のハロゲンによってさらに置換され、上記ハロゲンは好ましくはFであり、
は、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキルまたはハロゲン、好ましくはFから選択される、
一般式(I)または(II)の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩。
本発明の一実施形態において、一般式(I)または(II)の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩であって、
およびRは、それぞれ独立して、ハロゲン、好ましくはFから選択され、
は、
であり、
はFである、
一般式(I)または(II)の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩。
本発明の代表的な化合物は、表1に記載された化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩を含むが、それらに限定されない。
表1:実施例1〜13の化合物の構造および名称
本発明の別の態様は、一般式(I)の化合物、またはその塩の調製方法であって、以下の各工程、すなわち、
一般式(Ia)の化合物を、酢酸パラジウムおよびトリ‐o‐トリルホスフィンの存在下、塩基性状態下にて一般式(Ib)の化合物と反応させて、一般式(IB)の化合物を得る工程と、
一般式(Ic)の化合物を、塩基性状態下にて一般式(Id)の化合物と反応させて、一般式(IA)の化合物を得る工程と、
一般式(IA)の化合物を、酸性状態下にて一般式(IB)の化合物と反応させ、さらにエステル加水分解して一般式(I)の化合物を得る工程と、を含み、
Xは、ハロゲン、好ましくはBrであり、Rは、アルキルであり、Rは、脱離基、好ましくはハロゲンおよびスルホン酸塩エステル、より好ましくはBrまたはメシレートエステルであり、R〜Rおよびnは、一般式(I)で定義された通りである、
方法を提供する。
本発明の別の態様は、一般式(II)の化合物、またはその塩の調製方法であって、以下の各工程、すなわち、
一般式(IIa)の化合物を、塩基性状態下にて一般式(Id)の化合物と反応させて、一般式(IIA)の化合物を得る工程と、
一般式(IIA)の化合物を、酸性状態下にて一般式(IB)の化合物と反応させ、さらにエステル加水分解して一般式(II)の化合物を得る工程と、を含み、
は、アルキルであり、Rは、脱離基、好ましくはハロゲンおよびスルホン酸塩エステル、より好ましくはBrまたはメシレートエステルであり、R、R、R、R、およびnは、一般式(I)で定義された通りである、
方法を提供する。
上記調製方法において、酸性状態をもたらす試薬は、無機酸または有機酸であり、上記無機酸は、好ましくは塩酸、硫酸、リン酸から選択され、より好ましくは塩酸であり、上記有機酸は、好ましくはギ酸、酢酸から選択され、より好ましくは酢酸である。
上記調製方法において、塩基性状態をもたらす試薬は、有機塩基または無機塩基であり、上記有機塩基は、好ましくは、ジイソプロピルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ピリジン、トリエチルアミン、ピペリジン、N‐メチルピペラジン、および4‐ジメチルアミノピリジンからなる群より選択され、より好ましくはジイソプロピルアミンおよびトリエチルアミンから選択され、上記無機塩基は、好ましくは、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、および水酸化カリウムからなる群より選択され、より好ましくは炭酸ナトリウムおよび水酸化ナトリウムから選択される。
さらに、本発明は、有効量の、一般式(I)または(II)の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩と、医薬上許容されるキャリア、賦形剤、またはそれらの組み合わせと、を含む医薬組成物を提供する。上記組成物は、酸化防止剤または金属キレート剤を任意でさらに含む。
本発明は、エストロゲン受容体を選択的にダウンレギュレーションする方法であって、一般式(I)または(II)の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩、もしくはその医薬組成物を、エストロゲン受容体と接触させて反応させる工程を含み、上記エストロゲン受容体は、好ましくはエストロゲン受容体αである、方法をも提供する。
本発明は、エストロゲン受容体媒介疾病の治療のための薬物の調製における、一般式(I)または(II)の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩、もしくはその医薬組成物の使用であって、上記疾病は、好ましくは癌であり、上記癌は、好ましくは乳癌または婦人科系の癌であり、上記婦人科系の癌は、好ましくは卵巣癌および子宮内膜癌であり、上記エストロゲン受容体は、好ましくはエストロゲン受容体αである、使用をも提供する。
本発明は、選択的エストロゲン受容体ダウンレギュレータ、好ましくはエストロゲン受容体αダウンレギュレータの調製における、一般式(I)または(II)の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩、もしくはその医薬組成物の使用をも提供する。
本発明は、エストロゲン受容体媒介疾病の治療のための1つ以上の他の適した抗腫瘍薬剤と組み合わせた、一般式(I)または(II)の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩、もしくはその医薬組成物をも提供する。上記疾病は好ましくは癌であり、上記癌は、好ましくは乳癌または婦人科系の癌であり、上記婦人科系の癌は、好ましくは卵巣癌または子宮内膜癌であり、上記エストロゲン受容体は、好ましくはエストロゲン受容体αであり、上記他の抗腫瘍薬剤は、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗腫瘍活性を有する天然物およびその誘導体、細胞毒性薬、または免疫細胞移動を阻止する物質を含む。
他の好適な抗腫瘍薬剤としては、ウラムスチン、ナイトロジェンマスタード、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ピポブロマン、チオテパ、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジン、およびテモゾロマイド等のアルキル化剤が挙げられる(但し、ナイトロジェンマスタード、エチレンイミン誘導体、アルキルスルホン酸塩エステル、ニトロソウレア、およびトリアゼンに限定されない)。
他の好適な抗腫瘍薬剤としては、例えば、メトトレキサート、5‐フルオロウラシル、フルオロウラシル、シタラビン、6‐メルカプトプリン、6‐チオウラシル、リン酸フルダラビン、ペントスタチン、およびゲムシタビン等の代謝拮抗物質(葉酸塩拮抗薬、ピリミジン類似体、プリン類似体、およびアデノシンデアミナーゼ抑制剤を含むが、これらに限定されない)が挙げられる。
他の好適な抗腫瘍薬剤としては、例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ブレオマイシン、アクチノマイシンD、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、シタラビン、パクリタクセル、プリカマイシン、デオキシコホルマイシン、マイトマイシンC、L‐アスパラギナーゼ、インターフェロン(特にIFN‐a)、エトポシド、およびテニポシド等の、抗腫瘍活性を有する特定の天然物およびそれらの誘導体(例えば、ビンカアルカロイド、抗腫瘍抗生物質、酵素、リンフォカイン等)が挙げられる。
他の好適な抗腫瘍薬剤としては、ナベルビン、CPT‐11、アナストロゾール、レトロゾール、カペシタビン、およびドロロキシフェンを含む細胞毒性薬や、トポイソメラーゼ抑制剤や、プロカルバジンや、ミトキサントロンや、シスプラチンおよびカルボプラチン等の白金リガンド複合体や、生体応答モジュレーターや、成長抑制剤や、抗ホルモン治療薬剤や、フォリン酸や、テガフール、および造血成長因子が挙げられる。
さらに、他の好適な抗腫瘍薬剤としては、トラスツズマブ等の抗体治療薬剤や、CTLA‐4、4‐1BBおよびPD‐1等の共刺激分子抗体またはサイトカイン抗体(IL‐10、IGF‐β等)や、ケモカイン受容体拮抗薬(CCR2およびCCR4を含む)等の免疫細胞移動を妨げる薬剤や、アジュバント/養子T細胞移植等の免疫系を強化する薬剤や、樹状細胞、合成ペプチド、DNAワクチン、および組み換えウイルスを含む抗癌ワクチンも挙げられる。
当業者にとって既知である大抵の化学療法薬(抗腫瘍薬剤)を安全で効果的に投与する方法は、それらの投与基準とともに、「米国医薬品便覧」(PDR、例えば、1996年度版、Medical Economics Company、モントベール、NJ)等の基準となる文献に記載されている。「米国医薬品便覧」は、多くの化学療法薬の投与方法を開示する。「米国医薬品便覧」の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
特記されない限り、本明細書および請求項の範囲で用いられる特定の用語は、以下の通りに定義される。
基または基の一部として、「アルキル」は、炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖を含む脂肪族炭化水素基、好ましくは炭素数1〜10のアルキル、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル、最も好ましくは炭素数1〜3のアルキルを指す。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n‐プロピル、イソプロピル、n‐ブチル、イソブチル、t‐ブチル、sec‐ブチル、n‐ペンチル、1,1‐ジメチルプロピル、1,2‐ジメチルプロピル、2,2‐ジメチルプロピル、1‐エチルプロピル、2‐メチルブチル、3‐メチルブチル、n‐へキシル、1‐エチル‐2‐メチルプロピル、1,1,2‐トリメチルプロピル、1,1‐ジメチルブチル、1,2‐ジメチルブチル、2,2‐ジメチルブチル、1,3‐ジメチルブチル、2‐エチルブチル、2‐メチルペンチル、3‐メチルペンチル、4‐メチルペンチル、2,3‐ジメチルブチル等が挙げられるが、これらに限定されない。アルキルは、置換されていても置換されていなくてもよい。
基または基の一部として、「アルキニル」は、直鎖状または分岐鎖状であってもよい、炭素‐炭素三重結合を含む脂肪族炭化水素基を指し、好ましくは炭素数2〜10のアルキニル、より好ましくは炭素数2〜6のアルキニル、最も好ましくは炭素数2〜4のアルキニルである。アルキニル基の例としては、エチニル、1‐プロピニル、2‐プロピニル、1‐,2‐または3‐ブチニル等が挙げられるが、これらに限定されない。アルキニルは、置換されていても置換されていなくてもよい。
「シクロアルキル」は、飽和または一部飽和の、単環式、縮合、架橋、およびスピロの炭素環を指し、単環式シクロアルキル、縮合シクロアルキル、架橋シクロアルキル、およびスピロシクロアルキルが挙げられ、好ましくは炭素数3〜12のシクロアルキル、より好ましくは炭素数3〜8のシクロアルキル、最も好ましくは炭素数3〜6のシクロアルキルである。単環式シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロへキシル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロへプチル、シクロヘプタトリエニル、シクロオクチル等、好ましくはシクロプロピル、シクロヘキセニルが挙げられるが、これらに限定されない。
「スピロシクロアルキル」は、2つ以上の環状構造を有する5〜18員の多環基であって、当該2つ以上の環状構造は、1つの炭素原子(スピロ原子と称する)を共有する単環を有し、当該単環は、環内に1つ以上の二重結合を含むが、環のいずれも完全共役π電子芳香族系を有さない、5〜18員の多環基を指す。好ましくは、スピロシクロアルキルは、6〜14員、より好ましくは7〜10員である。環同士の共有スピロ原子の数に応じて、スピロシクロアルキルは、スピロ単環式環、スピロ二環式環、またはスピロ多環式環、好ましくはスピロ単環式環またはスピロ二環式環に分けられる。より好ましくは、スピロシクロアルキルは、4員/5員、4員/6員、5員/5員、または5員/6員である。「スピロシクロアルキル」の非限定的な例としては、スピロ[4.5]デシル、スピロ[4.4]ノニル、スピロ[3.5]ノニル、スピロ[2.4]へプチルが挙げられるが、これらに限定されない。
「縮合シクロアルキル」は、隣接する一対の炭素原子を共有する2つ以上の環状構造を含む5〜18員の全炭素多環基であって、1つ以上の環が1つ以上の二重結合を含んでもよいが、環のいずれも完全共役π電子芳香族系を有さない、5〜18員の全炭素多環基を指す。縮合シクロアルキルは、好ましくは6〜12員、より好ましくは7〜10員である。員環の数に応じて、縮合シクロアルキルは、二環式環、三環式環、四環式環、または多環式環の縮合シクロアルキル、好ましくは二環式環または三環式環の縮合シクロアルキルに分けることができる。より好ましくは、縮合シクロアルキルは、5員/5員、または5員/6員の二環式環の縮合シクロアルキルである。「縮合シクロアルキル」の非限定的な例としては、ビシクロ[3.1.0]へキシル、ビシクロ[3.2.0]ヘプト‐1‐エニル、ビシクロ[3.2.0]へプチル、デカヒドロナフチル、またはテトラデカヒドロフェナントリルが挙げられるが、これらに限定されない。
「架橋シクロアルキル」は、直接連結されていない2つの炭素原子を共有する2つ以上の環状構造を含む5〜18員の全炭素多環基を指し、1つ以上の環が1つ以上の二重結合を含むが、環のいずれも完全共役π電子芳香族系を有さない。架橋シクロアルキルは、好ましくは6〜12員、より好ましくは7〜10員である。架橋シクロアルキルは、好ましくは6〜14員、より好ましくは7〜10員である。員環の数に応じて、架橋シクロアルキルは、二環式環、三環式環、四環式環、または多環式環の架橋シクロアルキル、好ましくは二環式環、三環式環、または四環式環の、より好ましくは二環式環または三環式環の架橋シクロアルキルに分けることができる。「架橋シクロアルキル」の非限定的な例としては、(1s,4s)‐ビシクロ[2.2.1]へプチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、(1s,5s)‐ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、(1r,5r)‐ビシクロ[3.3.2]デシルが挙げられるが、これらに限定されない。
上記シクロアルキルは、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルの環に縮合可能であり、親構造に連結された当該環はシクロアルキルである。非限定的な例としては、インダニル、テトラヒドロナフチル、ベンゾシクロへプチル等が挙げられるが、これらに限定されない。シクロアルキル基は、任意に置換されていても置換されていなくてもよい。
「ヘテロシクリル」、「複素環」および「複素環式の」は、本明細書において入れ替え可能に用いられ、1つ以上の環形成原子が酸素原子、窒素原子、硫黄原子等のヘテロ原子である非芳香性ヘテロシクリルを指す。当該非芳香性ヘテロシクリルは、単環式、縮合環式、架橋環式、およびスピロ環式を含む、つまり、単環式ヘテロシクリル、架橋ヘテロシクリル、縮合ヘテロシクリル、およびスピロヘテロシクリルを含む。好ましくは、ヘテロシクリルは、窒素、酸素、および/または硫黄から選択される1つ、2つまたは3つの原子を含んでもよい5〜7員の単環式、または7〜10員の二環式環または三環式環である。「ヘテロシクリル」の例としては、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロピラニル、1,1‐ジオキソ‐チオモルホリニル、ピぺリジニル、2‐オキソ‐ピぺリジニル、ピロリジニル、2‐オキソ‐ピロリジニル、ピペラジン‐2‐オン、8‐オキサ‐3‐アザ‐ビシクロ[3.2.1]オクチル、およびピペラジニルが挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロシクリル基は、置換されていても置換されていなくてもよい。
「スピロヘテロシクリル」は、2つ以上の環状構造を有する5〜18員の多環基であって、当該2つ以上の環状構造は、1つの共通炭素原子を共有する単環を有し、当該環は1つ以上の二重結合を含むが、当該環のいずれも完全共役π電子芳香族系を有さず、当該環における1つ以上の原子はヘテロ原子N、OまたはS(O)m(mは0、1または2から選択される)から選択され、当該環における残りの原子はCである、5〜18員の多環基を指す。スピロヘテロシクリル基は、好ましくは6〜14員であり、より好ましくは7〜10員である。共通スピロ原子の数に応じて、スピロヘテロシクリルは、モノスピロヘテロシクリル、ジスピロヘテロシクリル、またはポリスピロヘテロシクリル、好ましくはモノスピロヘテロシクリルおよびジスピロヘテロシクリルに分けられる。より好ましくは、スピロヘテロシクリルは、4員/4員、4員/5員、4員/6員、5員/5員、または5員/6員のモノスピロヘテロシクリルである。スピロヘテロシクリルの非限定的な例としては、1,7‐ジオキサスピロ[4.5]デシル、2‐オキサ‐7‐アザスピロ[4.4]ノニル、7‐オキサスピロ[3.5]ノニル、および5‐オキサスピロ[2.4]へプチルが挙げられるが、これらに限定されない。
「縮合ヘテロシクリル」は、隣接する一対の炭素原子を共有する2つ以上の環状構造を含む全炭素多環基であって、1つ以上の環は1つ以上の二重結合を含むが、環のいずれも完全共役π電子芳香族系を有さず、環における1つ以上の原子はヘテロ原子N、OまたはS(O)m(mは0〜2の整数)から選択され、環における残りの原子はCである、全炭素多環基を指す。縮合ヘテロシクリル基は、好ましくは6〜14員であり、より好ましくは7〜10員である。員環の数に応じて、縮合ヘテロシクリルは、二環式環の、三環式環の、四環式環の、または多環式環の縮合ヘテロシクリル、好ましくは二環式環のまたは三環式環の、より好ましくは5員/5員または5員/6員の二環式環の縮合ヘテロシクリルに分けることができる。縮合ヘテロシクリルの非限定的な例としては、オクタヒドロ‐ピロロ[3,4‐c]ピロール、オクタヒドロ‐1H‐イソインドリル、3‐アザビシクロ[3.1.0]へキシル、オクタヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシンが挙げられるが、これらに限定されない。
「架橋ヘテロシクリル」は、直接連結されていない2つの炭素原子を共有する2つ以上の環状構造を含む5〜14員、5〜18員の多環基であって、1つ以上の環は1つ以上の二重結合を含むが、環のいずれも完全共役π電子芳香族系を有さず、環における1つ以上の原子はヘテロ原子N、OまたはS(O)m(mは0〜2の整数)から選択され、環における残りの原子はCである、5〜14員、5〜18員の多環基を指す。架橋ヘテロシクリルは、好ましくは6〜14員であり、より好ましくは7〜10員である。員環の数に応じて、架橋ヘテロシクリル基は、二環式環の、三環式環の、四環式環の、または多環式環の架橋ヘテロシクリル、好ましくは二環式環、三環式環、または四環式環、より好ましくは二環式環または三環式環に分けることができる。架橋ヘテロシクリルの非限定的な例としては、2‐アザ‐ビシクロ[2.2.1]へプチル、2‐アザ‐ビシクロ[2.2.2]オクチル、2‐アザ‐ビシクロ[3.3.2]デシルが挙げられるが、これらに限定されない。
ヘテロシクリルの上記環は、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルの環に縮合可能であり、親構造に連結された上記環はヘテロシクリルである。ヘテロシクリルは、任意に置換されていても置換されていなくてもよい。
「アリール」は、1つまたは2つの環を含む炭素環式芳香族系を指し、当該環は縮合により互いに連結されてもよい。「アリール」という用語は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル等の芳香族基を含む。好ましくは、アリール基は炭素数6〜10のアリールであり、より好ましくは、アリールはフェニルおよびナフチルであり、最も好ましくはフェニルである。アリールは、置換されていても置換されていなくてもよい。「アリール」は、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、またはシクロアルキルに縮合されてもよく、親構造に連結された環はアリール環である。非限定的な例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない。
および、
「ヘテロアリール」は、窒素、酸素、および/または硫黄から選択される1〜4つの原子を含んでもよい、芳香族の5〜6員の単環式環、または9〜10員の二環式環を指す。「ヘテロアリール」の例としては、フリル、ピリジル、2‐オキソ‐1,2‐ジヒドロピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、チエニル、イソキサゾイル、オキサゾイル、オキサジアゾイル、イミダゾイル、ピロール、ピラゾイル、トリアゾイル、テトラゾイル、チアゾイル、イソチアゾイル、1,2,3‐チアジアゾイル、ベンゾジオキソール、ベンゾイミダゾイル、インドリル、イソインドリル、1,3‐ジオキソ‐イソインドリル、キノリニル、インダゾイル、ベンゾイソチアゾイル、ベンゾオキサゾイル、およびベンゾイソキサゾイルが挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロアリール基は、置換されていても置換されていなくてもよい。ヘテロアリール環は、アリール環、ヘテロシクリル環、またはシクロアルキル環に縮合されてもよく、親構造に連結された環は、ヘテロアリール環である。非限定的な例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない。
および、
「アルコキシ」は(アルキル‐O‐)基を指す。当該基において、アルキルは上述のように定義される。炭素数1〜6のアルコキシが好まれる。その例としては、メトキシ、エトキシ、n‐プロポキシ、イソプロポキシ、n‐ブトキシ、イソブトキシ、tert‐ブトキシ等が挙げられるが、これらに限定されない。
「ヒドロキシ」は、‐OH基を指す。
「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨード、好ましくはクロロ、ブロモ、およびヨードを指す。
「アミノ」は、‐NHを指す。
「シアノ」は、‐CNを指す。
「ニトロ」は、‐NOを指す。
「ベンジル」は、‐CH‐フェニルを指す。
「カルボキシル」は、‐C(O)OHを指す。
「カルボキシレート基」は、‐C(O)O(アルキル)またはC(O)O(シクロアルキル)を指し、アルキルおよびシクロアルキルは、上記のように定義される。
「BWL」は、減量率(%)を指し、BWLがマイナスの場合、実験動物の体重が減少したことを示す。
「置換された」は、1つの基において、1つ以上の水素原子、好ましくは最大で5つの水素原子、より好ましくは1〜3つの水素原子がそれぞれ独立して、対応する数の置換基によって置換されることを意味する。明らかに、置換基は、可能な化学的位置に位置するだけであるが、当業者であれば(実験または理論を通して)過度の努力なしに可能または不可能な置換がわかる。例えば、遊離水素を有するアミノまたはヒドロキシルが、不飽和(例えば、オレフィン)結合を有する炭素原子と結合する場合、当該結合は不安定であるかもしれない。
本明細書で用いられる「置換」または「置換された」は、特記されない限り、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオール、アルキルアミノ、ハロゲン、メルカプト、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルコキシ、シクロアルキルチオ、ヘテロシクロアルキルチオ、アミノ、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、カルボキシ、カルボキシレート基、‐NR、‐C(O)NR、‐C(O)R、‐SO、‐C(O)OR、または‐NRC(O)Rから選択される1つ以上の基によって置換されていてもよい基を指し、R〜Rは一般式(I)で定義した通りである。
「医薬上許容された塩」は、元々の生物活性を維持することができ、医薬上の使用に適した上述の化合物の特定の塩を指す。本発明の化合物の医薬上許容された塩は、金属塩や、好適な酸で形成されたアミン塩であってもよい。金属塩は、好ましくは、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩であり、好適な酸は、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、リンゴ酸、マレイン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、硝酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p‐トルエンスルホン酸等の、無機酸および有機酸を含む。特に好ましい酸は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、および硫酸であり、最も好ましいのは、塩酸塩である。
「医薬組成物」は、本発明に記載された化合物の1つ以上、生理学的に医薬上許容された塩、またはそれらのプロドラッグと、他の化学成分および他の成分(生理学的に医薬上許容されたキャリアおよび賦形剤等)との混合物を含むことを指す。医薬組成物の目的は、生物への投与を容易にすることであり、有効成分の吸収を助け、それにより生物活性を示す。
実験実施例4における実施例1の化合物に関して、乳癌MCF‐7担癌マウスにおける腫瘍の成長の抑制を示すグラフである。 実験実施例4における実施例12の化合物に関して、乳癌MCF‐7担癌マウスにおける腫瘍の成長の抑制速度を示すグラフである。 実験実施例4における実施例1の化合物に関して、乳癌MCF‐7担癌マウスの減量率の変化を示すグラフである。 実験実施例4における実施例12の化合物に関して、乳癌MCF‐7担癌マウスの減量率の変化を示すグラフである。
〔発明の詳細な説明〕
実施形態を参照して本発明を以下により詳細に記載するが、これらの実施例が本発明の範囲を限定するものとして解釈されないことを理解されたい。
〔調製例〕
以下の実施例は、本発明の代表的な化合物の調製、および関連する構造同定データを示す。
Brukerの装置(400MHz)を用いて、H‐NMRスペクトルを測定した。化学シフトをppmで表した。テトラメチルシラン内標準(0.00ppm)を用いた。H‐NMRは、以下の通りに表される:s=一重項;d=二重項;t=三重項;m=多重項;br=ブロード;dd=二重項の二重項;dt=三重項の二重項。結合定数が提供されれば、Hzで表される。
液体クロマトグラフィー質量分析装置で質量スペクトルを測定した。イオン化モードは、ESIまたはAPCIであった。MSm/z(ESI)は、特記されない限り、測定値の100%であった。
薄層クロマトグラフィーシリカゲル平板としては、煙台黄海社HSGF254シリカゲル平板、または青島社GF254シリカゲル平板を用いた。薄層クロマトグラフィー(TLC)で用いられたシリカゲル平板の寸法は、0.15mm〜0.2mmであり、分離および精製のための薄層クロマトグラフィーで用いられたシリカゲル平板の寸法は、0.4mm〜0.5mmであった。
カラムクロマトグラフィーは、煙台黄海社の200〜300メッシュのシリカゲルをキャリアとして用いた。
以下の実施例において、特記されない限り、全ての温度は摂氏度であり、原料および試薬は、市販のものであるか、既知の合成方法によって合成され、市販の原料および試薬は、更に精製をせずにそのまま使用した。特記されない限り、市販品の製造会社としては、Aldrich Chemical Company、ABCR GmbH&Co. KG、Acros Organics、Guangzan Chemical Technology Co.,Ltd、Jing Yan Chemical Technology Co.,Ltd.、およびShanghai Chang Feng Biological Technology Co.,Ltd.等が挙げられるが、これらに限定されない。
CDOD:重水素化されたメタノール
CDCl:重水素化されたクロロホルム
DMSO‐d:重水素化されたジメチルスルホキシド
実施例で特記されない限り、下記の反応はアルゴン雰囲気下で行われた。
アルゴン雰囲気は、約1Lのアルゴンを含むバルーンを備えた反応フラスコによって提供された。
実施例において、特記されない限り、実施例で用いられる溶液は、水溶液を指す。
シリカゲルカラムクロマトグラフィー溶離系および薄層クロマトグラフィーを適用して化合物を精製した。溶離系は、A:シクロヘキサンおよび酢酸エチル系、B:ジクロロメタンおよびメタノール系、C:石油エーテルおよび酢酸エチル系、からなる群より選択される。溶媒の体積比は、化合物の極性によって異なり、調節のために、酢酸またはトリエチルアミン等の酸性またはアルカリ性試薬を少量加えてもよい。
〔実施例1〕
(E)‐3‐(3,5‐ジフルオロ‐4‐((1R,3R)‐2‐((1‐フルオロシクロプロピル)メチル)‐3‐メチル‐2,3,4,9‐テトラヒドロ‐1H‐ピリド[3,4‐b]インドール‐1‐イル)フェニル)アクリル酸
〔スキーム1〕
ステップ1
ステップ2
ステップ3
ステップ4
ステップ1:(E)‐メチル‐3‐(3,5−ジフルオロ‐4‐ホルミルフェニル)アクリレート
4‐ブロモ‐2,6‐ジフルオロベンズアルデヒド1a(5g、22.6mmol、WO2014191726に開示された方法によって調製)、トリエチルアミン(6.31mL、45.2mmol)、酢酸パラジウム(254mg、1.13mmol)、およびトリ‐o‐トリルホスフィン(688mg、2.26mmol)を100mLのジメチルホルムアミドに溶解した。アクリル酸メチル1b(2.91mL、33.9mmol)を攪拌しながら加えた。反応溶液を80℃に加熱し、5時間反応させた。反応溶液を冷却し、系溶媒を濃縮して乾燥させた。反応混合物に水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。一緒にした有機相を2N塩酸(10mL)および飽和食塩水(20mL×2)で連続して洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。結果として生じた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:シクロヘキサンおよび酢酸エチル系)によってさらに分離且つ精製して、(E)‐メチル‐3‐(3,5‐ジフルオロ‐4‐ホルミルフェニル)アクリレート(3.73g、黄色の固体、収量:73%)を得た。
MSm/z(ESI):227.2[M+1]
H‐NMR(400MHz,CDCl):δ=10.34(s,1H)、7.57(d,J=16.0Hz,1H)、7.13(d,J=9.2Hz,2H)、6.52(d,J=16.0Hz,1H)、3.84(s,3H)
ステップ2:(R)‐N‐((1‐フルオロシクロプロピル)メチル)‐1‐(1H‐インドール‐3‐イル)プロパン‐2‐アミン
アルゴンガスの保護下で、(R)‐1‐(1H‐インドール‐3‐イル)プロパン‐2‐アミン1d(1.74g、10mmol、Shanghai Chang Feng Biological Technology Co.,Ltd.より購入)を30mLのジオキサンに溶解した。そこに、ジイソプロピルアミン(1.51g、15mmol)および1‐(ブロモメチル)‐1‐フルオロシクロプロパン1e(1.67g、11mmol、Shanghai Guangzan Chemical Technology Co.,Ltd.より購入)を加えた。75℃で24時間反応を行った。反応溶液を室温に冷却し、少量の水(5mL)を加えてクエンチし、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。結果として生じた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタンおよびメタノール系)によってさらに分離且つ精製して、(R)‐N‐((1‐フルオロシクロプロピル)メチル)‐1‐(1H‐インドール‐3‐イル)プロパン‐2‐アミン1f(0.73g、黄色の固体、収量:30%)を得た。
MSm/z(ESI):247.5[M+1]
ステップ3:(E)‐メチル‐3‐(3,5‐ジフルオロ‐4‐((1R,3R)‐2‐((1‐フルオロシクロプロピル)メチル)‐3‐メチル‐2,3,4,9‐テトラヒドロ‐1H‐ピリド[3,4‐b]インドール‐1‐イル)フェニル)アクリレート
アルゴンガスの保護下で、(R)‐N‐((1‐フルオロシクロプロピル)メチル)‐1‐(1H‐インドール‐3‐イル)プロパン‐2‐アミン1f(0.73g、3mmol)を10mLのトルエンに溶解した。(E)‐メチル‐3‐(3,5‐ジフルオロ‐4‐ホルミルフェニル)アクリレート1c(0.678g、3mmol)、20mLのトルエン、および酢酸(0.9g、15mmol)を加えた。80℃で5時間反応を行った。反応溶液を室温に冷却し、少量の水(5mL)を加えてクエンチし、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。結果として生じた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによってさらに分離且つ精製して、(E)‐メチル‐3‐(3,5‐ジフルオロ‐4‐((1R,3R)‐2‐((1‐フルオロシクロプロピル)メチル)‐3‐メチル‐2,3,4,9‐テトラヒドロ‐1H‐ピリド[3,4‐b]インドール‐1‐イルフェニル)アクリレート1g(0.87g、黄色の固体、収量:60%)を得た。
MSm/z(ESI):455.5[M+1]
ステップ4:(E)‐3‐(3,5‐ジフルオロ‐4‐((1R,3R)‐2‐((1‐フルオロシクロプロピル)メチル)‐3‐メチル‐2,3,4,9‐テトラヒドロ‐1H‐ピリド[3,4‐b]インドール‐1‐イル)フェニル)アクリル酸
(E)‐メチル‐3‐(3,5‐ジフルオロ‐4‐((1R,3R)‐2‐((1‐フルオロシクロプロピル)メチル)‐3‐メチル‐2,3,4,9‐テトラヒドロ‐1H‐ピリド[3,4‐b]インドール‐1‐イルフェニル)アクリレート1g(0.87g、1.91mmol)を、16.5mLのテトラヒドロフランとメタノールとの混合溶液(V/V=2/1)に溶解した。そして、混合物を5mLの7.5M水酸化ナトリウム溶液の中にゆっくりと加えた。室温で2時間反応を行った。そして、少量の水を加え、pH=3になるまで6N塩酸で調節し、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。一緒にした有機相を、無水硫酸ナトリウムを用いて連続して乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。結果として生じた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタンおよびメタノール系)によってさらに分離且つ精製して、(E)‐3‐(3,5‐ジフルオロ‐4‐((1R,3R)‐2‐((1‐フルオロシクロプロピル)メチル)‐3‐メチル‐2,3,4,9‐テトラヒドロ‐1H‐ピリド[3,4‐b]インドール‐1‐イル)フェニル)アクリル酸1(0.76g、黄色の固体、収量:90%)を得た。
MSm/z(ESI):440.9[M+1](100%);441.9[M+1](27.8%)
H‐NMR(400MHz,CDOD)δ=7.61(d,J=16.1Hz,1H)、7.49(d,J=7.5Hz,1H)、7.34‐7.21(m,3H)、7.13‐7.00(m,2H)、6.59(d,J=15.8Hz,1H)、5.79(br.s.,1H)、5.50(s,1H)、3.95‐3.84(m,1H)、3.56‐3.43(m,1H)、3.14(dd,J=4.6,15.7Hz,1H)、3.07‐2.94(m,1H)、2.79(dd,J=6.5,15.8Hz,1H)、1.32(d,J=6.5Hz,3H)、1.19‐1.01(m,2H)、0.76‐0.61(m,2H)
〔スキーム2〕
ステップ1:(1‐フルオロシクロプロピル)メタノール
1‐フルオロシクロプロパンカルボン酸1h(3.12g、30.0mmol)を75mLのエチルエーテルに溶解し、0℃に冷却し、水素化アルミニウムリチウム(1.37g、36.0mmol)をバッチで加えた。0℃で1時間反応を行った。反応溶液に、1.3mLの水、1.3mLの水酸化ナトリウム溶液(15%)、および2.6mLの水を連続して加え、10分間攪拌し、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、濾過した。濾過ケークをエチルエーテルで洗浄し、濾液を減圧下で濃縮して、(1‐フルオロシクロプロピル)メタノール1i(2.05g、無色の液体、収量:76%)を得た。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3)δ=3.89‐3.76(m,2H)、2.33‐2.16(m,1H)、1.14‐1.02(m,2H)、0.73‐0.63(m,2H)
ステップ2:(1‐フルオロシクロプロピル)メチルメタンスルホン酸塩
(1‐フルオロシクロプロピル)メタノール1i(1.69g、18.8mmol)を25mLのジクロロメタンに溶解し、トリエチルアミン(3.1mL、22.6mmol)を加えた。反応をアルゴンガスで保護し、−10℃に冷却し、メタンスルホニルクロライド(2.26g、19.7mmol)を滴状で加えた。そして、0℃で1時間反応を行った。反応溶液に15mLを加え、クエンチし、層にした。有機相を水(15mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、(1‐フルオロシクロプロピル)メチルメタンスルホン酸塩1j(3.02g、無色の油、収量:95.5%)を得た。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3)δ=4.51‐4.41(m,2H)、3.12‐3.06(m,3H)、1.22(td,J=7.2,18.1Hz,2H)、0.86(q,J=7.7Hz,2H)
ステップ3:(R)‐N‐((1‐フルオロシクロプロピル)メチル)‐1‐(1H‐インドール‐3‐イル)プロパン‐2‐アミン
アルゴンガスの保護下で、(1‐フルオロシクロプロピル)メチルメタンスルホン酸塩1j(3.02g、18.0mmol)、(R)‐1‐(1H‐インドール‐3‐イル)プロパン‐2‐アミン1d(2.84 g、16.3mmol)、およびジイソプロピルエチルアミン(5.40mL、32.6mmol)を30mLの1,4‐ジオキサンに溶解した。反応を100℃で5時間加熱した。そして、反応溶液を室温に冷却し、シリカゲルを加えることによって濾過した。濾過ケークを酢酸エチル(10mL×2)で洗浄し、濾液を減圧下で濃縮した。結果として生じた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタンおよびメタノール系)によってさらに分離且つ精製して、(R)‐N‐((1‐フルオロシクロプロピル)メチル)‐1‐(1H‐インドール‐3‐イル)プロパン‐2‐アミン1f(1.67g、黄褐色の固体、収量:42%)を得た。
MSm/z(ESI):247.5[M+1]
スキーム1のステップ1、ステップ3、およびステップ4の手順を繰り返して、実施例1の化合物、(E)‐3‐(3,5‐ジフルオロ‐4‐((1R,3R)‐2‐((1‐フルオロシクロプロピル)メチル)‐3‐メチル‐2,3,4,9‐テトラヒドロ‐1H‐ピリド[3,4‐b]インドール‐1‐イル)フェニル)アクリル酸1を得た。
〔実施例2〜11〕
ステップ2で用いられた1‐(1H‐インドール‐3‐イル)プロパン‐2‐アミン1dが、別の(ブロモメチル)シクロアルキル化合物、ブロモ置換ヒドロキシアルキル化合物、(ブロモメチル)アリール化合物、(ブロモメチル)ヘテロアリール化合物、または(ブロモメチル)ヘテロシクリル化合物と反応したことを除いて、実施例1のスキーム1でのステップ1およびステップ2における合成方法を繰り返した。ステップ2で得られた生成物を実施例1のスキーム1のステップ3および4における反応条件によってさらに調製して、実施例2〜11の生成物を得た。上記(ブロモメチル)シクロアルキル化合物は、(ブロモメチル)シクロプロパン、(ブロモメチル)シクロペンタン、(ブロモメチル)シクロヘキサン、1‐(ブロモメチル)‐1‐フルオロシクロペンタン、1‐(ブロモメチル)‐1‐フルオロシクロヘキサンから選択された。上記ブロモ置換ヒドロキシアルキル化合物は、1‐ブロモ‐2‐メチルプロパン‐2‐オルから選択された。上記(ブロモメチル)アリール化合物は、1‐(ブロモメチル)‐2‐フルオロベンゼンおよび1‐(ブロモメチル)‐4‐フルオロベンゼンから選択された。上記(ブロモメチル)ヘテロアリール化合物は、3‐(ブロモメチル)ピリジンから選択された。上記(ブロモメチル)ヘテロシクリル化合物は、3‐(ブロモメチル)オキセタンから選択された。具体的な情報を以下の表2に示した。
表2:実施例2〜11の化合物の構造、およびそれらの確認データ
〔実施例12〕
(E)‐3‐(3,5‐ジフルオロ‐4‐((1R,3R)‐5‐フルオロ‐2‐(1‐フルオロシクロプロピル)メチル)‐3‐メチル‐2,3,4,9‐テトラヒドロ‐1H‐ピリド[3,4‐b]インドール‐1‐イル)フェニル)アクリル酸
ステップ1:(Z)‐4‐フルオロ‐3‐(2‐ニトロプロプ‐1−エン‐イル)‐1H‐インドール
4‐フルオロ‐1H‐インドール‐3‐ホルムアルデヒド12a(1.0g、6.1mmol)、14.2mLのニトロエタン、および酢酸アンモニウム(235mg、3.05mmol)を、6.0mLの酢酸に溶解した。アルゴンガスの保護下で、110℃で6時間反応を行った。反応溶液を減圧下で濃縮して、20mLの酢酸エチルを加え、飽和重炭酸ナトリウム溶液(15mL)で洗浄した。水相を酢酸エチル(15mL)で抽出した。有機相を一緒にし、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、(Z)‐4‐フルオロ‐3‐(2‐ニトロプロプ‐1−エン‐イル)‐1H‐インドール12b(1.374g、茶色の固体、収量:100%)を得た。
MSm/z(ESI):220.9[M+1]
ステップ2:1‐(4‐フルオロ‐1H‐インドール‐3‐イル)プロパン‐2‐アミン
水素化アルミニウムリチウム(0.95g、25.0mmol)を20mLの無水テトラヒドロフランに溶解した。10mLのテトラヒドロフランに溶解した(Z)‐4‐フルオロ‐3‐(2‐ニトロプロプ‐1−エン‐イル)‐1H‐インドール12b(1.374g、6.20mmol)の溶液を氷浴でゆっくりと加えた。そして、反応溶液を加熱して6時間還流させた。反応溶液に、0.95mLの水、0.95mLの水酸化ナトリウム溶液(15%)、および19mLの水を連続して加えて反応溶液をクエンチした。無水硫酸マグネシウム(5.0g)を加えて15分間攪拌し、濾過し、濾過ケークをテトラヒドロフラン(5mL×3)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮して、1‐(4‐フルオロ‐1H‐インドール‐3‐イル)プロパン‐2‐アミン12c(1.20g、茶色の油、収量:100%)を得た。
MSm/z(ESI):193.0[M+1]
ステップ3:1‐(4‐フルオロ‐1H‐インドール‐3‐イル)‐N‐((1‐フルオロシクロプロピル)メチル)プロパン‐2‐アミン
アルゴンガスの保護下で、1‐(4‐フルオロ‐1H‐インドール‐3‐イル)プロパン‐2‐アミン12c(1.19g、6.20mmol)、(1‐フルオロシクロプロピル)メチルメタンスルホン酸塩1j(1.43g、8.50mmol)、およびジイソプロピルエチルアミン(1.54mL、9.30mmol)を12mLの1,4‐ジオキサンに溶解した。反応を100℃で5時間加熱した。反応溶液を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。結果として生じた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン:メタノール系)によってさらに分離且つ精製して、1‐(4‐フルオロ‐1H‐インドール‐3‐イル)‐N‐((1‐フルオロシクロプロピル)メチル)プロパン‐2‐アミン12d(975mg、茶色の油、収量:60%)を得た。
MSm/z(ESI):265.0[M+1]
ステップ4:(E)‐メチル‐3‐(3,5‐ジフルオロ‐4‐((1R,3R)‐5‐フルオロ‐2‐(1‐フルオロシクロプロピル)メチル)‐3‐メチル‐2,3,4,9‐テトラヒドロ‐1H‐ピリド[3,4‐b]インドール‐1‐イル)フェニル)アクリレート
メチル(E)‐3‐(3,5‐ジフルオロ‐4‐((1S,3S)‐5‐フルオロ‐2‐(1‐フルオロシクロプロピル)メチル)‐3‐メチル‐2,3,4,9‐テトラヒドロ‐1H‐ピリド[3,4‐b]インドール‐1‐イル)フェニル)アクリレート
アルゴンガスの保護下で、1‐(4‐フルオロ‐1H‐インドール‐3‐イル)‐N‐((1‐フルオロシクロプロピル)メチル)プロパン‐2‐アミン12d(975mg、3.69mmol)、(E)‐メチル‐3‐(3,5‐ジフルオロ‐4‐ホルミルフェニル)アクリレート1c(848mg、3.69mmol)、および酢酸(0.422mL、7.38mmol)を10mLのトルエンに溶解した。85℃で7時間反応を行った。反応溶液を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。結果として生じた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル:酢酸エチル系)によってさらに分離且つ精製した。結果として生じた油性の物質を10mLのテトラヒドロフランとn‐ヘキサンとの混合溶媒(V/V=1/1)でパルプ状にすると、大量の固形物が沈殿し濾過された。濾過ケークを2mLのテトラヒドロフランとn‐ヘキサンとの混合溶媒(V/V=1/1)で洗浄し、乾燥して、(E)‐メチル‐3‐(3,5‐ジフルオロ‐4‐(5‐フルオロ‐2‐(1‐フルオロシクロプロピル)メチル)‐3‐メチル‐2,3,4,9‐テトラヒドロ‐1H‐ピリジノ[3,4‐b]インドール‐1‐イル)フェニル)アクリレート(322mg、白色の固体、収量:19.2%)を得た。超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)(キラルカラム:ChiralCel OJ,250×30mmI.D.5μm;移動相:Aは二酸化炭素、Bはメタノール(40%);流量60mL/分)を用いて、分取装置およびキラルカラムによってキラル異性体をさらに分離し、(E)‐メチル‐3‐(3,5‐ジフルオロ‐4‐((1R,3R)‐5‐フルオロ‐2‐(1‐フルオロシクロプロピル)メチル)‐3‐メチル‐2,3,4,9‐テトラヒドロ‐1H‐ピリジノ[3,4‐b]インドール‐1‐イル)フェニル)アクリレート12e(163.4mg、白色の固体)、および(E)‐メチル‐3‐(3,5‐ジフルオロ‐4‐((1S,3S)‐5‐フルオロ‐2‐(1‐フルオロシクロプロピル)メチル)‐3‐メチル‐2,3,4,9‐テトラヒドロ‐1H‐ピリジノ[3,4‐b]インドール‐1‐イル)フェニル)アクリレート12f(168.47mg、白色の固体)を得た。
12e:MSm/z(ESI):472.9[M+1]
12f:MSm/z(ESI):472.9[M+1]
ステップ5:(E)‐3‐(3,5‐ジフルオロ‐4‐((1R,3R)‐5‐フルオロ‐2‐(1‐フルオロシクロプロピル)メチル)‐3‐メチル‐2,3,4,9‐テトラヒドロ‐1H‐ピリド[3,4‐b]インドール‐1‐イル)フェニル)アクリル酸
(E)‐メチル‐3‐(3,5‐ジフルオロ‐4‐((1R,3R)‐5‐フルオロ‐2‐(1‐フルオロシクロプロピル)メチル)‐3‐メチル‐2,3,4,9‐テトラヒドロ‐1H‐ピリド[3,4‐b]インドール‐1‐イル)フェニル)アクリレート12e(163.4mg、0.346mmol)を3mLのテトラヒドロフランとメタノールとの混合溶媒(V/V=2/1)に溶解し、そこに7.5M水酸化ナトリウム溶液(0.46mL)をゆっくりと加えた。室温で1時間反応を行った。1M塩酸で反応溶液をpH=4に調整した。減圧下での濃縮により溶媒を取り除いた。15mLの水および15mLの酢酸エチルを加え、層にして、酢酸エチル(15mL)で水相を抽出した。一緒にした有機相を、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。結果として生じた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル:酢酸エチル系)でさらに分離且つ精製し、(E)‐3‐(3,5‐ジフルオロ‐4‐((1R,3R)‐5‐フルオロ‐2‐(1‐フルオロシクロプロピル)メチル)‐3‐メチル‐2,3,4,9‐テトラヒドロ‐1H‐ピリド[3,4‐b]インドール‐1‐イル)フェニル)アクリル酸12(54mg、淡黄色の固体、収量:34%)を得た。
MSm/z(ESI):458.9[M+1]
1H‐NMR(400MHz,CD3OD)δ=7.59(d,J=16.1Hz,1H)、7.25(d,J=9.8Hz,2H)、7.03‐6.91(m,2H)、6.63(dd,J=7.7,10.9Hz,1H)、6.56(d,J=16.1Hz,1H)、5.45(s,1H)、3.76‐3.66(m,1H)、3.26‐3.14(m,2H)、2.89‐2.70(m,2H)、1.20(d,J=6.5Hz,3H)、0.96(d,J=19.1Hz,2H)、0.62‐0.52(m,2H)
〔実施例13〕
(E)‐3‐(3,5‐ジフルオロ‐4‐((1S,3S)‐5‐フルオロ‐2‐(1‐フルオロシクロプロピル)メチル)‐3‐メチル‐2,3,4,9‐テトラヒドロ‐1H‐ピリド[3,4‐b]インドール‐1‐イル)フェニル)アクリル酸
ステップ1:(E)‐3‐(3,5‐ジフルオロ‐4‐((1S,3S)‐5‐フルオロ‐2‐(1‐フルオロシクロプロピル)メチル)‐3‐メチル‐2,3,4,9‐テトラヒドロ‐1H‐ピリド[3,4‐b]インドール‐1‐イル)フェニル)アクリル酸
(E)‐メチル‐3‐(3,5‐ジフルオロ‐4‐((1S,3S)‐5‐フルオロ‐2‐(1‐フルオロシクロプロピル)メチル)‐3‐メチル‐2,3,4,9‐テトラヒドロ‐1H‐ピリジノ[3,4‐b]インドール‐1‐イル)フェニル)アクリレート12f(168.47mg、0.356mmol)を、3mLのテトラヒドロフランとメタノールとの混合溶媒(V/V=2/1)に溶解し、そこに7.5M水酸化ナトリウム溶液(0.475mL)をゆっくりと加えた。室温で1時間反応を行った。1M塩酸で反応溶液をpH4に調整した。減圧下での濃縮によって溶媒を取り除いた。15mLの水および15mLの酢酸エチルを加え、層にして、水相を酢酸エチル(15mL)で抽出した。無水硫酸マグネシウムを用いて、一緒にした有機相を乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。結果として生じた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル:酢酸エチル系)によってさらに分離且つ精製し、(E)‐3‐(3,5‐ジフルオロ‐4‐((1S,3S)‐5‐フルオロ‐2‐(1‐フルオロシクロプロピル)メチル)‐3‐メチル‐2,3,4,9‐テトラヒドロ‐1H‐ピリド[3,4‐b]インドール‐1‐イル)フェニル)アクリル酸13(70mg、淡黄色の固体、収量:42.9%)を得た。
MSm/z(ESI):458.9[M+1]
1H‐NMR(400MHz,CD3OD)δ=7.61(d,J=16.1Hz,1H)、7.26(d,J=10.0Hz,2H)、7.05‐6.92(m,2H)、6.65(dd,J=7.9,10.7Hz,1H)、6.57(d,J= 16.1Hz,1H)、5.47(s,1H)、3.72(d,J=5.8Hz,1H)、3.28‐3.16(m,2H),2.91‐2.71(m,2H),1.21(d,J=6.5Hz,3H)、0.98(d,J=18.8Hz,2H)、0.58(d,J=8.5Hz,2H)
〔生物学的評価〕
実験実施例1:本発明の化合物とエストロゲン受容体ERαとの結合アッセイ
本発明は、Lantha Screen(商標)の時間分解蛍光共鳴エネルギー移動(TR‐FRET)を利用して、競合アッセイにおいてエストロゲン受容体Erαの分離リガンドドメインに結合する化合物の結合力を評価する。TR‐FRETにおいて使用する、蛍光色素(Fluormone ES2、製品コード:P2645)、および組み換えヒトエストロゲン受容体ERαリガンド結合ドメイン(製品コード:PV4543)をInvitrogenより購入した。当該アッセイの設計原理は以下の通りである:エストロゲン受容体ERα‐LBD(GST)および蛍光色素含有リガンドが受容体/蛍光色素複合体を形成し、テルビウム(Tb)標識抗GST抗体(製品コード:PV3551)を加える。受容体におけるGSTとの連結によって、受容体の間接標識が達成される。蛍光標識ERαにおける発色団(Tb抗GST抗体)と蛍光リガンド(Fluormone ES2)との間のTR‐FRET効果の減衰を検出することによって、被検化合物と蛍光リガンドとの間の、受容体との競合的配位の能力を評価する。合成化合物の実験に以下のサンプル調製実験方法を用いた。器具として、ベックマン・コールターのBioPAPTR FRDマイクロ流体ワークステーションを用いた。
(1)黒色低容積384ウェルアッセイプレートにアコースティックディスペンサーで120nLの被検化合物を分注
(2)ES2バッファにおいて1×ERα‐LBD/Tb抗GST抗体複合体を調製し、その中で20分間培養
(3)実験前に、上記ERα‐LBD/Tb抗GST抗体複合体溶液に1×ES2をさらに加えた
(4)ステップ3で調製した、12μLのERα‐LBD/Tb抗GST抗体複合体溶液をアッセイプレートのウェルに加えた
(5)プレートを光から遮断し、室温で1時間培養した
(6)337nmの励起光において、490nmおよび520nmの出射光をBMG Phera STARによって検出した。
マイクロプレート上で調製された一連の濃度(10mM、0.1mM、1μM、および10nM)を有する被検化合物をLabcyte Echo 550を用いて分析プレートに移した。各被検化合物に対する120nLのDMSO溶液をアッセイプレートの各ウェルに加え、12の異なる濃度(100、29.17、10.42、2.083、1、0.292、0.104、0.02083、0.01、0.0029、0.00104、0.001μM)で調べた。TR‐FRET基本蛍光データを用いて、OriginまたはGenedata等のソフトウェアによって適合曲線を得た。各化合物の50%阻害濃度IC50を用いて、被検化合物のエストロゲン受容体ERαとの競合的結合力を特徴付けた。IC50は、トレーサー蛍光色素(ES2)のエストロゲン受容体との配位が50%減少した時点で求められた被検化合物の濃度を表す。IC50は、表3に示されるように測定された。
実験実施例2:ERαに対するMCF‐7細胞のダウンレギュレーションアッセイ
ERαのタンパク質レベルに対する本発明の好適な化合物のダウンレギュレーションを、ヒト乳癌細胞系MCF‐7を用いて免疫蛍光測定法によって評価する。実験で用いられたMCF‐7細胞は、凍結細胞(約5×106)から直接再生された。Sigmaより購入したMCF‐7凍結細胞系(Sigma D5921)を、2mMのL‐グルタミン酸を含むDMEM培地に保存した。5%(v/v)の炭素/デキストランで処理されたウシ血清胚細胞を、再生したMCF‐7細胞に加えた。CoulterCounterを用いて細胞濃度を測定した。
実験に用いた細胞を、培地で3.75×104細胞/mLに希釈した。40μL/ウェルの上記細胞懸濁液を384ウェルの黒色で透明なボトムプレートに移し、37℃、5%の二酸化炭素で一晩培養した。10mMの化合物原液を一連の実験濃度(10mM、0.1mM、1μM、0.01μM等)に希釈し、細胞プレートに投入した。20μLの11.1%(v/v)水性ホルムアルデヒド溶液(リン酸緩衝生理食塩水(PBS))を、様々な濃度の被検化合物の各々およびMCF‐7細胞培養液(40μL)に加えた。溶液におけるホルムアルデヒドの最終濃度は3.7%(v/v)であった。細胞を20分間室温に固定し、250μLのPBS/プロクリンで2度洗浄し、そして、40μLのPBS/プロクリンを加え、4℃で冷蔵した。タンパク質の免疫染色を、自動のAutoElisaキットを用いて行った。PBS/プロクリン溶液を各プレートウェルから吸引して、40μLの0.5%Tween20(v/v)含有PBSを細胞浸透のために加えた。1時間後、プレートを250μLのPBS/0.05%Tween20/プロクリンで3度洗浄し、PBS/Tween(商標)20/3%(w/v)BSA溶液(1:1000)中の20μLのERαウサギモノクローナル抗体(ThermoFisher)を加えた。プレートを4℃で一晩培養し、250μLのPBS/Tween(商標)20/プロクリンで3度洗浄した。そして、20μLのヤギ抗ウサギIgG AlexaFluor594、またはヤギ抗ウサギIgG AlexaFluor488抗体(PBS/Tween(商標)20/3%(w/v)BSA溶液において、ヘキスト株(1:5000)を含む)を加えた。系を室温で1時間培養した。プレートを250μLのPBS/0.05%(v/v)Tween(商標)20/プロクリンで3度洗浄した後、20μLのPBSを加え、プレートを暗所にて4℃に保った。594nm(24時間の時点)と488nm(5時間の時点)との2つの発光周波帯における蛍光発光強度のCellomics Arrayscan検出を通して、MCF‐7細胞におけるエストロゲン受容体ERαのレベルを求めた。各細胞の平均蛍光発光強度は、細胞のERα受容体レベルと正に相関する。基本蛍光データを用いて、OriginまたはGenedata等のソフトウェアによって適合曲線を得た。蛍光発光強度が平均最大蛍光強度の50%に減少した時点の被検化合物の濃度である、50%阻害濃度IC50を用いて、被検化合物によるエストロゲン受容体ERαのダウンレギュレーションを特徴付けた。IC50は、表3に示されるように測定される。
表3:エストロゲン受容体ERα配位分析アッセイ結果、およびERαダウンレギュレーションアッセイ結果
注:IC50の範囲:0.1nM≦A<10nM、10nM≦B<250nM、250nM≦C≦1000nM;
結論:本発明の化合物は、エストロゲン受容体と十分に配位結合されており、ERαに対するダウンレギュレーション効果が高い。
実験実施例3:MCF‐7細胞における本発明の化合物のIC50値の測定
1.試薬および消耗品:
細胞計数試薬キット8(Cell Counting Kit−8、Cat♯CK04‐13、同仁化学研究所);
96ウェル培養プレート(Cat♯3599、Corning Costar社);
培地およびウシ胎仔血清(GIBCO社);
デスクトップマイクロプレートリーダー(SpectraMax M5 マイクロプレートリーダー、Molecular Devices社);
MCF‐7ヒト乳癌細胞株(中国科学院の上海細胞資源センターより購入)。
2.試薬の調製
培地の調製:MEM+10%FBS+0.01mg/mLのヒト組み換えインスリン;
化合物の調製:DMSOで化合物を最終濃度の10mMに希釈した;
3.実験ステップ
(1)対数増殖期細胞を収集し、計数し、細胞を完全な培地で再懸濁した。細胞を適切な濃度(細胞密度最適化実験結果に応じて決定)に調整し、ウェル毎に100μLの細胞懸濁液で96ウェルプレートに植え付けた。細胞を37℃、相対湿度100%、二酸化炭素5%で24時間、インキュベーターで培養した。
(2)被検化合物を、培地で、対応する濃度に希釈して、25μL/ウェルで分注した。化合物の最終濃度は1μM、4度の段階希釈、9つの濃度点から開始した。
(3)細胞を72時間、37℃で、相対湿度100%、二酸化炭素5%のインキュベーターで培養した。
(4)培地を吸収し廃棄した。10%CCK‐8の完全培地を加え、プレートを37℃のインキュベーターに1〜5時間置いた。
(5)静かに振った後、450nm波長での吸光度をSpectraMax M5 マイクロプレートリーダーで測定した。基準として650nmでの吸光度を用いて、阻害率を求めた。
4.データ処理
腫瘍細胞の成長に対する化合物の抑制率を以下の式により求めた:
腫瘍細胞成長抑制率%=[(Ac‐As)/(Ac‐Ab)]×100%
As:サンプルのOA(細胞+CCK‐8+被検化合物);
Ac:負のコントロールのOA(細胞+CCK‐8+DMSO);
Ab:正のコントロールのOA(培地+CCK‐8+DMSO);
Graphpad Prism 5によって、ログ(阻害剤)対反応可変傾斜を用いて、MCF‐7細胞増殖の抑制において好ましい化合物のIC50値を導き、IC50値を求めた。
表4:MCF‐7細胞の抑制における本発明の化合物のIC50値
結論:本発明の化合物は、MCF‐7細胞に対して著しい阻害効果を有する。
実験実施例4:MCF‐7癌腫異種移植片担持SCIDマウスに対する本発明の化合物の阻害効果
1.実験の目的
本実験を行って、MCF‐7担癌SCIDマウスにおける移植腫瘍の成長に対する被検化合物の阻害効果を評価した。被検化合物は、21日間毎日経口投与された。
2.被検物質の調製
溶媒:20%のPEG400、80%の脱イオン水;
被検化合物の調製:適正量の被検化合物を量り取り、PEG400(20%)に溶解した。そして、80%の量の滅菌脱イオン水を加え、均一に衝撃を与えた。被検化合物は、投与前に毎日新しく調製された。
3.実験動物
種類および系統:SCIDマウス、SPF、雌、生後7〜9週間(16〜22グラム)、100匹のマウス、Beijing Huafu kang Biotechnology Co.,Ltd.より購入、5〜7日間の環境適応時間で良好な健康状態の100匹のマウスを実験に用いた。
4.MCF‐7腫瘍細胞の培養
MCF‐7細胞を10%ウシ胎仔血清含有RPMI1640培地で培養し、37℃、二酸化炭素5%のインキュベーターで培養した。植え付け前に、対数期の細胞を取り出し、0.25%トリプシンで消化した。そして、細胞をPBSで洗浄し、血清のない培地で再懸濁して、計数した。細胞濃度を7.5×107 細胞/mL(1:1 マトリゲル、細胞外マトリクスタンパク質、356234、BD)に調整した。
5.動物接種およびグループ分け
各マウスの右腋窩の皮下に0.2mLの細胞懸濁液(1.5×107細胞/マウス)を無菌状態下で接種した。接種後、エストロゲンを皮下に投与した。腫瘍が約150〜250mm3の体積に成長すると、類似の腫瘍体積で良好な腫瘍形状の(できるだけ単球形状であって、不規則な形状でなく且つ多様な腫瘍でない)マウスを、1グループ当たり10匹選び取った。
6.動物への投与および観察
被検化合物を、各グループの動物に、体重に応じて、毎日決まった時間に、下記の表に示されるように、1日に1度(qd)、経口投与にて(po)21日間連続して、毎日投与した。動物の体重を毎日記録した。
各グループの動物の接種箇所における腫瘍の形成を観察した。腫瘍小結節の長径(Y)および短径(X)を週に2度、ノギスで測定し、以下の式に従って求めた。
腫瘍小結節の体積(V):V=(X2Y)/2
抗腫瘍活性の評価指標:腫瘍成長抑制率TGI(%)、相対腫瘍増殖率T/C(%)
腫瘍成長抑制率TGI(%):TGI(%)=(Vc−Vt)/Vc×100(Vcはモデルコントロールグループの腫瘍体積、Vtは化合物グループの腫瘍体積)
相対腫瘍体積(RTV):RTV=Vn/V0(V0は初回投与直前の腫瘍体積、Vnは測定時の腫瘍体積)
相対腫瘍増殖率:T/C(%):T/C(%)=TRTV/CRTV×100(TRTVは治療グループのRTV、CRTVは負のコントロールグループのRTV)
7.結果
表5:乳癌MCF‐7担癌マウスにおける本発明の化合物の腫瘍成長抑制率(TGI%)
表5および図1〜図4から、本発明の実施例1および実施例12の化合物は、投与量30mg/kgおよび50mg/kgにおいて、21日以内でin vivoヒト乳癌MCF‐7担持マウスにおける腫瘍成長抑制に対して著しい効果を及ぼすということがわかった。

Claims (35)

  1. 一般式(I)で表される化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩であって、
    式中、
    およびRは、それぞれ独立して、ハロゲンから選択され、
    は、以下の基から選択され
    クロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリール(上記シクロアルキル、上記ヘテロシクリル、上記アリール、または上記ヘテロアリールは、ヒドロキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、‐NR、‐C(O)NR、‐C(O)R、‐SO、‐C(O)OR、または‐NRC(O)Rから選択される1つ以上の基によって任意でさらに置換される)
    は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、トリフルオロメチル、シアノ、‐C(O)NR、‐C(O)R、‐SO、‐C(O)OR、またはNRC(O)Rから選択され、上記アルキルまたは上記アルコキシは、ハロゲン、‐C(O)NR、‐C(O)R、‐SO、‐C(O)OR、または‐NRC(O)Rから選択される1つ以上の基によって任意でさらに置換され、
    は、水素原子またはアルキルから選択され、
    は、水素原子、アルキル、シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールから選択され、上記アルキル、上記シクロアルキル、上記アリール、または上記ヘテロアリールは、ヒドロキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、‐NR、‐C(O)NR、‐C(O)R10、‐SO10、‐C(O)OR10、または‐NRC(O)Rから選択される1つ以上の基によって任意でさらに置換され、
    あるいは、RおよびRは、RおよびRに結合した原子とともに、4員〜8員のヘテロシクリルを形成し、上記ヘテロシクリルは、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、‐NR、‐C(O)NR、‐C(O)R10、‐SO10、‐C(O)OR10、または‐NRC(O)Rから選択される1つ以上の基によって任意でさらに置換され、
    は、水素原子、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールから選択され、上記アルキル、上記シクロアルキル、上記ヘテロシクリル、上記アリール、または上記ヘテロアリールは、ヒドロキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、‐NR、‐C(O)NR、‐C(O)R10、‐SO10、‐C(O)OR10、または‐NRC(O)Rから選択される1つ以上の基によって任意でさらに置換され、
    、R、およびR10は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールから選択され、上記アルキル、上記シクロアルキル、上記ヘテロシクリル、上記アリール、または上記ヘテロアリールは、ヒドロキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、カルボキシ、またはカルボキシレート基から選択された1つ以上の基によって任意にさらに置換され、
    nは、0、1、2、3、または4である、
    一般式(I)で表される化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩。
  2. 一般式(II)で表される化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩であって、
    式中、
    、R、R、R、およびnは、請求項1で定義された通りである、
    請求項1に記載の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩。
  3. 上記アルキルは、炭素数1〜10のアルキルであり、
    上記アルコキシは、炭素数1〜10のアルコキシであり、
    上記シクロアルキルは、炭素数3〜12のシクロアルキルであり、
    上記ヘテロシクリルは、炭素数3〜10のヘテロシクリルであり、
    上記アリールは、炭素数6〜10のアリールであり、
    上記ヘテロアリールは、5員〜10員のヘテロアリールである、
    請求項1または2に記載の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩。
  4. およびRはFである、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩。
  5. は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜3のアルキル、ハロゲン、アルコキシ、トリフルオロメチル、またはシアノから選択される、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩。
  6. はシクロプロピルであって、上記シクロプロピルは、ヒドロキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、‐NR、‐C(O)NR、‐C(O)R、‐SO、‐C(O)OR、または‐NRC(O)Rから選択される1つ以上の基によって任意でさらに置換され
    、R、およびRは、請求項1で定義された通りである、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩。
  7. 上記シクロプロピルは、ハロゲンによって置換される、請求項6に記載の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩。
  8. 上記シクロプロピルは、Fによって置換される、請求項6に記載の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩。
  9. は、シクロペンチルまたはシクロへキシルから選択され、上記シクロペンチルまたは上記シクロへキシルは、ヒドロキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、‐NR、‐C(O)NR、‐C(O)R、‐SO、‐C(O)OR、または‐NRC(O)Rから選択される1つ以上の基によって任意でさらに置換され
    、R、およびRは、請求項1で定義された通りである、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩。
  10. 上記シクロペンチルまたは上記シクロへキシルは、ハロゲンによって置換される、請求項9に記載の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩。
  11. 上記シクロペンチルまたは上記シクロへキシルは、Fによって置換される、請求項9に記載の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩。
  12. およびRは、それぞれ独立してハロゲンから選択され
    は以下の基から選択され
    クロプロピル、シクロペンチル、シクロへキシル、炭素数3〜10のヘテロシクリル、炭素数6〜10のアリール、または5員〜10員のヘテロアリール(上記シクロプロピル、上記シクロペンチル、上記シクロへキシル、上記炭素数3〜10のヘテロシクリル、上記炭素数6〜10のアリール、または上記5員〜10員のヘテロアリールは、1つ以上のハロゲンによって任意にさらに置換され
    は水素原子である、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩。
  13. およびR は、それぞれ独立してFであり、
    は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロへキシル、炭素数3〜10のヘテロシクリル、炭素数6〜10のアリール、または5員〜10員のヘテロアリールから選択され、上記シクロプロピル、上記シクロペンチル、上記シクロへキシル、上記炭素数3〜10のヘテロシクリル、上記炭素数6〜10のアリール、または上記5員〜10員のヘテロアリールは、1つ以上のFによって任意でさらに置換される、
    請求項12に記載の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩。
  14. およびRは、それぞれ独立して、ハロゲンから選択され、
    は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロへキシル、炭素数3〜10のヘテロシクリル、炭素数6〜10のアリール、または5員〜10員のヘテロアリールから選択され、上記シクロプロピル、上記シクロペンチル、上記シクロへキシル、上記炭素数3〜10のヘテロシクリル、上記炭素数6〜10のアリール、または上記5員〜10員のヘテロアリールは、1つ以上のハロゲンによって任意でさらに置換され
    は、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキルまたはハロゲンから選択される
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩。
  15. およびR は、それぞれ独立してFであり、
    は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロへキシル、炭素数3〜10のヘテロシクリル、炭素数6〜10のアリール、または5員〜10員のヘテロアリールから選択され、上記シクロプロピル、上記シクロペンチル、上記シクロへキシル、上記炭素数3〜10のヘテロシクリル、上記炭素数6〜10のアリール、または上記5員〜10員のヘテロアリールは、F、ClおよびBrから選択される1つ以上のハロゲンによって任意でさらに置換され、
    は、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル、F、ClまたはBrから選択される、
    請求項14に記載の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩。
  16. は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロへキシル、炭素数3〜10のヘテロシクリル、炭素数6〜10のアリール、または5員〜10員のヘテロアリールから選択され、上記シクロプロピル、上記シクロペンチル、上記シクロへキシル、上記炭素数3〜10のヘテロシクリル、上記炭素数6〜10のアリール、または上記5員〜10員のヘテロアリールは、Fによって任意でさらに置換され、
    は、それぞれ独立してFである、
    請求項14に記載の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩。
  17. およびRは、それぞれ独立して、ハロゲンから選択され、
    はシクロプロピルから選択され、上記シクロプロピルは、1つ以上のハロゲンによってさらに置換され
    は、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキルまたはハロゲンから選択される、
    請求項14に記載の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩。
  18. およびR は、それぞれ独立してFであり、
    は、シクロプロピルから選択され、上記シクロプロピルは、1つ以上のFによってさらに置換され、
    は、それぞれ独立して炭素数1〜6のアルキルまたはFである、
    請求項17に記載の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩。
  19. およびRは、それぞれ独立して、ハロゲンから選択され、
    は、
    であり、
    はFである、
    請求項14に記載の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩。
  20. およびR は、それぞれ独立してFである、
    請求項19に記載の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩。
  21. または、
    から選択される、
    化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩。
  22. 請求項1に記載の一般式(I)の化合物の調製方法であって、
    一般式(IA)の化合物を、酸性状態下にて一般式(IB)の化合物と反応させ、さらにエステル加水分解して一般式(I)の化合物を得る工程を含み、
    Raはアルキルであり、
    、R、R、R、およびnは、請求項1に定義された通りである、方法。
  23. 請求項2に記載の一般式(II)の化合物の調製方法であって、
    一般式(IIA)の化合物を、酸性状態下にて一般式(IB)の化合物と反応させ、さらにエステル加水分解して一般式(II)の化合物を得る工程を含み、
    Raはアルキルであり、
    、R、R、R、およびnは、請求項1に定義された通りである、方法。
  24. 有効量の、請求項1〜21のいずれか1項に記載の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩と、医薬上許容されるキャリア、賦形剤、またはそれらの組み合わせと、を含む、医薬組成物。
  25. 酸化防止剤または金属キレート剤をさらに含む、請求項24に記載の医薬組成物。
  26. エストロゲン受容体媒介疾病の治療のための薬物の調製における、請求項1〜21のいずれか1項に記載の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩、もしくは請求項24または25に記載の医薬組成物の使用であって、上記疾病は癌である、使用。
  27. 上記癌は、乳癌または婦人科系の癌である、請求項26に記載の使用。
  28. 上記婦人科系の癌は、卵巣癌または子宮内膜癌である、請求項27に記載の使用。
  29. 上記エストロゲン受容体は、エストロゲン受容体αである、請求項26に記載の使用。
  30. 選択的エストロゲン受容体ダウンレギュレータの調製における、請求項1〜21のいずれか1項に記載の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩、もしくは請求項24または25に記載の医薬組成物の使用である、使用。
  31. 上記選択的エストロゲン受容体ダウンレギュレータは、エストロゲン受容体αダウンレギュレータである、請求項30に記載の使用。
  32. エストロゲン受容体媒介疾病の治療のための薬物を調製するための1つ以上の他の抗腫瘍薬剤と組み合わせた、請求項1〜21のいずれか1項に記載の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、または医薬上許容される塩、もしくは請求項24または25に記載の医薬組成物の使用であって、上記疾病は癌であり、上記他の抗腫瘍薬剤は、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗腫瘍活性を有する天然物およびその誘導体、細胞毒性薬、または免疫細胞移動を阻止する物質を含む、使用。
  33. 上記癌は、乳癌または婦人科系の癌である、請求項32に記載の使用。
  34. 上記婦人科系の癌は、卵巣癌または子宮内膜癌である、請求項33に記載の使用。
  35. 上記エストロゲン受容体は、エストロゲン受容体αである、請求項32に記載の使用。
JP2018524291A 2015-11-12 2016-10-11 アクリル酸誘導体、製造方法、および医薬としてのその使用 Active JP6592197B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CN201510771111.7 2015-11-12
CN201510771111 2015-11-12
PCT/CN2016/101768 WO2017080338A1 (zh) 2015-11-12 2016-10-11 丙烯酸类衍生物、其制备方法及其在医药上的用途

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018535216A JP2018535216A (ja) 2018-11-29
JP6592197B2 true JP6592197B2 (ja) 2019-10-16

Family

ID=58694739

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018524291A Active JP6592197B2 (ja) 2015-11-12 2016-10-11 アクリル酸誘導体、製造方法、および医薬としてのその使用

Country Status (8)

Country Link
US (1) US10519148B2 (ja)
EP (1) EP3378861B1 (ja)
JP (1) JP6592197B2 (ja)
KR (1) KR102099159B1 (ja)
CN (1) CN107428758B (ja)
CA (1) CA3011391C (ja)
TW (1) TWI615393B (ja)
WO (1) WO2017080338A1 (ja)

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2747802C2 (ru) 2015-12-09 2021-05-14 Зе Боард Оф Трастис Оф Зе Юниверсити Оф Иллинойс Бензотиофеновые селективные блокаторы эстрогеновых рецепторов
RU2734501C2 (ru) * 2016-02-05 2020-10-19 Инвентисбио Инк. Селективные ингибиторы эстрогеновых рецепторов и их применение
WO2017172957A1 (en) * 2016-04-01 2017-10-05 Kalyra Pharmaceuticals, Inc. Estrogen receptor modulators
WO2017182493A1 (en) 2016-04-20 2017-10-26 Astrazeneca Ab Indazole derivatives for use in down-regulation of the estrogen receptor for the treatment of cancer
WO2018001232A1 (zh) * 2016-06-29 2018-01-04 浙江海正药业股份有限公司 丙烯酸类衍生物及其制备方法和其在医药上的用途
US10149839B2 (en) 2016-07-25 2018-12-11 Astrazeneca Ab Chemical compounds
CN107814798B (zh) * 2016-09-14 2020-11-03 四川科伦博泰生物医药股份有限公司 3-取代丙烯酸类化合物及其制备方法和用途
WO2018081168A2 (en) 2016-10-24 2018-05-03 The Board Of Trustees Of The University Of Illinois Benzothiophene-based selective mixed estrogen receptor downregulators
MX2019004685A (es) 2016-10-24 2019-08-21 Astrazeneca Ab Derivados de 6,7,8,9-tetrahidro-3h-pirazolo[4,3f] isoquinolina utiles en el tratamiento del cancer.
CA3048057A1 (en) 2017-01-06 2018-07-12 G1 Therapeutics, Inc. Combination therapy for the treatment of cancer
MY196317A (en) 2017-01-30 2023-03-24 Astrazeneca Ab Estrogen Receptor Modulators
KR20200135961A (ko) 2018-02-28 2020-12-04 페로 테라퓨틱스 인코포레이티드 페롭토시스 유도 활성을 갖는 화합물 및 이의 사용 방법
US11040964B2 (en) 2019-02-27 2021-06-22 Ferro Therapeutics, Inc. Compounds and methods of use
WO2020238733A1 (zh) 2019-05-24 2020-12-03 浙江海正药业股份有限公司 丙烯酸类衍生物的晶型及其制备方法和用途
MX2022001149A (es) 2019-08-06 2022-04-06 Recurium Ip Holdings Llc Moduladores del receptor de estrógeno para el tratamiento de mutantes.
CN110746340A (zh) * 2019-11-07 2020-02-04 上海易恩化学技术有限公司 一种5-甲氧基-2-甲基色胺的合成方法
JP2023526568A (ja) * 2020-05-15 2023-06-21 シムサー ファーマシューティカル カンパニー リミテッド ピロリジン化合物及びその使用
CN116574054A (zh) * 2023-05-15 2023-08-11 南京中医药大学 选择性雌激素受体下调剂化合物、制备方法及用途

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2554150A1 (en) * 2004-01-23 2005-08-04 Chiron Corporation Tetrahydrocarboline compounds as anticancer agents
CA2728301A1 (en) * 2008-07-03 2010-01-07 Osteogenex Inc. Vinpocetine and eburnamonine derivatives for promoting bone growth
CA2800673A1 (en) 2010-06-10 2011-12-15 Aragon Pharmaceuticals, Inc. Estrogen receptor modulators and uses thereof
GB2483736B (en) 2010-09-16 2012-08-29 Aragon Pharmaceuticals Inc Estrogen receptor modulators and uses thereof
CN105229004B (zh) * 2013-05-28 2017-05-03 阿斯利康(瑞典)有限公司 化合物
CA2932106A1 (en) 2013-12-06 2015-06-11 F. Hoffmann-La Roche Ag Estrogen receptor modulator for the treatment of locally advanced or metastatic estrogen receptor positive breast cancer
RU2734501C2 (ru) * 2016-02-05 2020-10-19 Инвентисбио Инк. Селективные ингибиторы эстрогеновых рецепторов и их применение

Also Published As

Publication number Publication date
KR102099159B1 (ko) 2020-04-10
EP3378861B1 (en) 2021-08-04
CA3011391C (en) 2021-02-09
EP3378861A4 (en) 2019-06-26
US10519148B2 (en) 2019-12-31
EP3378861A1 (en) 2018-09-26
TWI615393B (zh) 2018-02-21
US20180291019A1 (en) 2018-10-11
TW201716406A (zh) 2017-05-16
CA3011391A1 (en) 2017-05-18
CN107428758B (zh) 2020-08-04
JP2018535216A (ja) 2018-11-29
CN107428758A (zh) 2017-12-01
WO2017080338A1 (zh) 2017-05-18
KR20180080245A (ko) 2018-07-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6592197B2 (ja) アクリル酸誘導体、製造方法、および医薬としてのその使用
JP7402549B2 (ja) Cxcr4阻害剤およびその使用
JP6745856B2 (ja) Fgfr4阻害剤としての縮環二環式ピリジル誘導体
CN109415361B (zh) 丙烯酸类衍生物及其制备方法和其在医药上的用途
US20210363139A1 (en) Cxcr4 inhibitors and uses thereof
CA2961740C (en) N-pyridinyl acetamide derivatives as wnt signalling pathway inhibitors
RU2702906C2 (ru) Птеридины в качестве fgfr ингибиторов
JP2019019131A (ja) 繊維芽細胞成長因子受容体の阻害剤
JP2019516759A (ja) がんの処置のためのピラゾロピリジン誘導体
JP2017031207A (ja) 置換6,6−縮合窒素複素環化合物及びその使用
KR102580087B1 (ko) 자가포식 조절인자(autophagy regulator)로서 사용된 화합물, 및 이에 대한 제조 방법 및 이의 용도
KR20160039187A (ko) Raf 키나아제 및/또는 raf 키나아제 이량체 저해제로서 융합 트리시클릭 우레아 화합물
JP2021506838A (ja) 非環式cxcr4阻害剤およびその使用
JP2018530527A (ja) Ezh2の阻害剤
CA3107548A1 (en) Smad3 inhibitors
KR20220018475A (ko) Ep300 또는 cbp 조절 및 이의 표시를 위한 응축 아진
WO2018214866A1 (zh) 一种氮杂芳基衍生物、其制备方法和在药学上的应用
JP2021520418A (ja) 高活性csf1r阻害薬化合物
WO2021202900A1 (en) 1,6-naphthyridine compounds and methods for csk modulation and indications therefor
JP2016523850A (ja) 4−アミノ−6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(フェニルアミノ)−ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オン誘導体、その合成および使用
CN113490495B (zh) Helios的小分子降解剂及其使用方法
TW202312995A (zh) 氮雜芳基化合物、其製備方法及應用
TW201914999A (zh) 1,2-二氫-1,6-萘啶類衍生物、其製備方法、其藥物組合物及其在醫藥上的用途
CN113490495A (zh) Helios的小分子降解剂及其使用方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180709

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180709

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190226

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190910

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190919

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6592197

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250