JP6588606B2 - 無線通信装置、無線通信方法およびプログラム - Google Patents

無線通信装置、無線通信方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、無線通信装置、無線通信方法およびプログラムに関する。
携帯電話端末に代表されるユーザ端末がデータ通信を移動しながら行う技術(移動無線データ通信の技術)の進歩は目覚ましく、様々な無線通信方式の技術革新がなされ実用化されている。近年では、直交周波数分割多元アクセス(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiple Access)の技術を用いたLTE(Long Term Evolution)方式あるいはWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)方式といった第4世代のデータ通信を高速化した通信規格が主流となっている。
一方、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)などを中心に搭載されてきた無線LAN(Local Area Network)の通信方式は、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)方式を用いた基地局装置との通信手順を基本として発展してきている。そして、無線LANの通信方式の規格を策定しているIEEE802.11作業委員会は、より高効率にデータ通信を行うことを実現するために、現状のCSMA/CAをベースとした無線LANの通信方式に対してOFDMAの技術を適用することを検討し始めている。
無線LANにOFDMAの技術を適用する場合、同一の周波数チャネルでタイミングを分けて送信、受信を行うWiMAXのような時分割複信(TDD:Time Division Duplex)型のOFDMA方式が参考になる。
WiMAXの場合、一つの通信事業者が運用するシステムの他に、電波干渉となる無線システムが存在しない環境で運用される。このため、WiMAXの場合における一般的なフレーム構成では、基地局装置から端末装置への方向にデータを送信する下り方向のデータフレームと、端末装置から基地局装置への方向にデータを送信する上り方向のデータフレームを、それぞれ、一定のフレーム長、一定のサブチャネル数、および一定の送信周期で送受する。
米国特許第8400968号明細書
しかしながら、無線LANのシステムは、CSMA/CAを元にしたアクセス手順を採用しているため、使用可能な無線帯域幅が動的に変化し、送信フレームの時間長がデータサイズや無線の変調レートによって変動するという特徴がある。このため、動的に変化する、使用可能な無線帯域幅、OFDMA多重に使用するサブキャリア、各宛先(各端末装置)に送信するデータのサイズ、および使用する変調レートなどを考慮し、適切にOFDMAのフレームが構成されるようにデータ長の補完をしなければならないという課題があった。
なお、特許文献1に記載された技術は、無線LANのIEEE802.11ac標準に採用されており、複数の端末装置に宛てるデータを空間多重などして同時送信する際に各端末装置に向けるフレームの長さを揃える手法を提供している(特許文献1参照。)。例えば、特許文献1の図4に示されるように、物理層でのデータ補完(PHY PAD)とともに、MAC(Media Access Control)層でのデータ補完(MAC Padding)を併用しており、効率が悪かった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、複数の端末装置にデータを送信する際に効率良くデータ補完を行うことができる無線通信装置、無線通信方法およびプログラムを提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、一態様に係る無線通信装置は、同一の時間タイミングで複数の端末装置に対してデータを送信する無線通信装置であって、複数のサブキャリアが分配して割り当てられる前記複数の端末装置の各端末装置ごとに、当該各端末装置への送信に割り当てられるサブキャリアの数および当該各端末装置に送信に割り当てられるタイムスロットの数を求め、そして、当該各端末装置に割り当てられるサブキャリアの数、当該各端末装置に送信するデータのビット長、および前記複数の端末装置の各々に割り当てられるタイムスロットの数の最大値に基づいて、当該各端末装置に送信するデータを補完するデータ量をビット数で計算する補完量計算部と、前記各端末装置ごとに、前記補完量計算部により計算されたデータ量のデータで前記送信するデータを補完する補完部と、前記複数のサブキャリアを用いて、前記複数の端末装置について前記補完部により補完されたデータを送信する送信部と、を備える。
一態様として、無線通信装置は、前記複数の端末装置について、各端末装置への送信に割り当てられるサブキャリアの数および当該各端末装置へ割り当てられるタイムスロットの数を、当該各端末装置に送信するデータのデータ長、当該各端末装置に送信するデータの変調度、当該各端末装置に送信するデータの符号化レートに基づいて計算する、構成が用いられてもよい。
一態様として、無線通信装置は、前記複数の端末装置について前記補完部により補完されたデータを多重して送信するフレームを生成するフレーム生成部を備える、構成が用いられてもよい。
一態様として、無線通信装置は、前記補完部は、前記補完するデータとして、前記フレームの終端を示すビット列のデータを用いる、構成が用いられてもよい。
一態様として、無線通信装置は、前記フレームとして、MACフレーム、連結したMACフレーム、または、これらの両方が用いられる、構成が用いられてもよい。
一態様として、無線通信装置は、前記補完量計算部は、少なくとも、使用可能なサブキャリアの数、各端末装置に対するデータのサイズ、各端末装置に対するデータの変調度、各端末装置に対するデータの符号化レートに基づいて、前記補完するデータ量を計算する、構成が用いられてもよい。
一態様として、無線通信装置は、キャリアセンスの処理を行って、前記使用可能なサブキャリアの数を決定する制御部を備える、構成が用いられてもよい。
一態様として、無線通信装置は、OFDMAの方式が用いられる、構成が用いられてもよい。
一態様として、無線通信装置は、無線LANシステムのアクセスポイント装置である、構成が用いられてもよい。
上記の課題を解決するために、一態様に係る無線通信方法は、同一の時間タイミングで複数の端末装置に対してデータを送信する無線通信方法であって、複数のサブキャリアが分配して割り当てられる前記複数の端末装置の各端末装置ごとに、当該各端末装置への送信に割り当てられるサブキャリアの数および当該各端末装置に送信に割り当てられるタイムスロットの数を求め、そして、当該各端末装置に割り当てられるサブキャリアの数、当該各端末装置に送信するデータのビット長、および前記複数の端末装置の各々に割り当てられるタイムスロットの数の最大値に基づいて、当該各端末装置に送信するデータを補完するデータ量をビット数で計算し、前記各端末装置ごとに、前記計算されたデータ量のデータで前記送信するデータを補完し、前記複数のサブキャリアを用いて、前記複数の端末装置について前記補完されたデータを同一の時間タイミングで送信する。
上記の課題を解決するために、一態様に係るプログラムは、同一の時間タイミングで複数の端末装置に対してデータを送信する無線通信装置を構成するコンピュータに、複数のサブキャリアが分配して割り当てられる前記複数の端末装置の各端末装置ごとに、当該各端末装置への送信に割り当てられるサブキャリアの数および当該各端末装置に送信に割り当てられるタイムスロットの数を求め、そして、当該各端末装置に割り当てられるサブキャリアの数、当該各端末装置に送信するデータのビット長、および前記複数の端末装置の各々に割り当てられるタイムスロットの数の最大値に基づいて、当該各端末装置に送信するデータを補完するデータ量をビット数で計算するステップと、前記各端末装置ごとに、前記計算されたデータ量のデータで前記送信するデータを補完するステップと、前記複数のサブキャリアを用いて、前記複数の端末装置について前記補完されたデータを同一の時間タイミングで送信するステップと、を実行させるためのプログラムである。
本発明によれば、複数の端末装置にデータを送信する際に効率良くデータ補完を行うことができる。
本発明の一実施形態に係る基地局装置の概略的な構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る基地局装置において行われるデータ補完の処理の手順の一例を示す図である。 複数のサブチャネルについてキャリアセンスの結果の一例を示す図である。 OFDMA変調を実行する前に補完されたフレームの一例のイメージを示す図である。 (A)は比較例に係るデータ送信に要する所要時間の一例を示す図であり、(B)は本発明の一実施形態に係るデータ送信に要する所要時間の一例を示す図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る基地局装置1の概略的な構成を示すブロック図である。
本実施形態では、基地局装置1は、無線LANシステムにおけるアクセスポイント(AP:Access Point)装置である。基地局装置1は、複数の端末装置(図示せず)との間でデータ(例えば、ユーザデータ)を通信する場合がある。基地局装置1は、複数の端末装置に対するデータをOFDMAで多重して同時に送信する。
基地局装置1は、複数(N:Nは2以上の整数)個のデータフレームバッファ部11−1〜11−Nと、ビット補完量計算部12と、複数(N)個のビット補完部13−1〜13−Nと、OFDMAフレーム生成部14と、無線送受信部15と、メモリ部16と、中央制御部17と、アンテナ21を備える。
なお、基地局装置1は、例えば、無線LANシステムで使用される際に必要な他の構成要素を備えるが、その詳細な説明については省略する。
本実施形態では、データフレームバッファ部11−1〜11−Nの数とビット補完部13−1〜13−Nの数とが同じ(N個)であり、互いに1対1ごとに対応している。本実施形態では、1個のデータフレームバッファ部およびそれに対応する1個のビット補完部により1個の端末装置に対応する。そして、N個のデータフレームバッファ部11−1〜11−NおよびN個のビット補完部13−1〜13−Nにより、最大でN個の端末装置に対応することが可能である。
各データフレームバッファ部11−1〜11−Nは、宛先となる各端末装置に対して送信するデータ(送信データ)を一時的に保存する。
ビット補完量計算部12は、宛先となる各端末装置に対して送信するデータ(送信データ)について、データの補完量を計算して求める。本実施形態では、データの補完量として、ビットデータの補完量が用いられる。
各ビット補完部13−1〜13−Nは、各データフレームバッファ部11−1〜11−Nに一時的に保存された送信データに対して、ビット補完量計算部12により計算されたデータの補完量だけ、データを補完する。
OFDMAフレーム生成部14は、ビット補完部13−1〜13−Nによりデータが補完された送信データを用いて、OFDMAのフレームを生成する。当該フレームには、複数の端末装置に対する送信データが含まれ得る。
無線送受信部15は、OFDMAフレーム生成部14により生成されたフレームを無線変調してアンテナ21を介して送信する。
無線送受信部15は、アンテナ21を介して周囲の電波を受信して、利用可能な無線サブチャネルを識別する。本実施形態では、利用可能な無線サブチャネルを識別する具体的な方法や識別基準は、利用する無線方式で定められた方法、基準に従う。
アンテナ21は、無線送受信部15から入力された電気信号(送信対象となる高周波の信号)を電波に変換して送信する。アンテナ21は、受信された電波を電気信号(受信された高周波の信号)に変換して無線送受信部15に出力する。
メモリ部16は、記憶装置を有し、各種の情報を記憶する。なお、メモリ部16は、情報を一時的に記憶する記憶装置を有してもよく、情報を非一時的に記憶する記憶装置を有してもよい。
中央制御部17は、基地局装置1において行われる各種の処理を制御する。
図2は、本発明の一実施形態に係る基地局装置1において行われるデータ補完の処理の手順の一例を示す図である。
基地局装置1において行われる(ステップS1)〜(ステップS4)の処理を説明する。(ステップS3)の処理には(ステップS11)〜(ステップS13)が含まれる。
(ステップS1)
まず、中央制御部17は、無線送受信部15に対してキャリアセンスの指示を出力する。無線送受信部15は、中央制御部17からキャリアセンスの指示が入力されると、使用する候補の無線チャネルにてキャリアセンスの処理を実行し、その結果を中央制御部17に出力する。中央制御部17は、無線送受信部15から入力されたキャリアセンスの処理の結果に基づいて、利用可能なサブキャリアの数を決定する。
ここで、サブキャリアは、サブチャネルを構成する複数の副搬送波のことである。それぞれのサブキャリアは、互いに直交するため、周波数軸上で隣接して並べられても互いに干渉しない。
具体例として、無線送受信部15は、キャリアセンスの処理として、アンテナ21を介して周囲の電波を受信して、未使用で利用可能なサブチャネルを識別する。そして、無線送受信部15は、キャリアセンスの処理の結果として、利用可能なサブチャネルの識別結果を中央制御部17に出力して通知する。
図3は、複数のサブチャネルについてキャリアセンスの結果の一例を示す図である。 図3において、横軸は時間を表し、縦軸は周波数を表す。
図3の例では、それぞれが20MHz幅を有する4個のサブチャネル(サブチャネル1〜4)を示してある。無線送受信部15は、80MHz幅の帯域でキャリアセンスを行う。そして、無線送受信部15は、アンテナ21を介して周囲の電波を受信した結果、サブチャネル3、4が他の無線装置によって使用されていること(使用中であること)を識別(判定)し、サブチャネル1、2は他の無線装置によって使用されていないこと(利用可能であること)を識別(判定)する。
ここで、本実施形態では、基地局装置1の側での受信状況に基づいて利用可能なサブチャネルを識別するが、他の構成例として、基地局装置1からOFDMAフレームを送信する宛先となる各端末装置の側において利用可能(または、利用不可能)なサブチャネルに基づいて、利用可能なサブチャネルを識別してもよい。この場合、例えば、各端末装置は自装置(当該各端末装置)において利用可能(または、利用不可能)なサブチャネルを識別する情報を基地局装置1に送信する。基地局装置1は、当該情報を受信して、当該情報に基づいて、利用可能なサブチャネルを識別する。
なお、各サブチャネルについて利用可能であるか否かを識別する基準としては、本実施形態では、無線LAN標準の規定にしたがうが、任意の基準が用いられてもよい。
中央制御部17は、無線送受信部15から入力された利用可能なサブチャネルの識別結果に基づいて、利用可能なサブキャリアの数SCtotal(SCtotalは1以上の整数)を決定する。
なお、利用可能なサブキャリアの数は、利用可能なサブチャネルとその配置によって決定され、また、使用される無線通信方式によって決定方法が異なる。
図3の例では、中央制御部17は、利用可能なサブチャネル1、2に含まれるサブキャリアの数を、利用可能なサブキャリアの数SCtotalとして決定する。
(ステップS2)
各データフレームバッファ部11−1〜11−Nは、宛先となる各端末装置に送信するデータであるMACフレーム(本実施形態では、無線LANのMACフレーム)を後位の装置から受信し、一時留め置く。そして、各データフレームバッファ部11−1〜11−Nは、送信相手(宛先)となる各端末装置に宛てる送信データ(一時留め置いたデータ)のサイズ(データ長b)を特定してその情報を取得する。i(iは1以上の整数)は、i番目の宛先の端末装置であることを表す。各データフレームバッファ部11−1〜11−Nは、宛先および当該宛先に送信するデータ長bの情報を中央制御部17に出力して通知する。
ここで、後位の装置は、例えば、基地局装置1に接続されたインターネットのインタフェース装置などである。各端末装置に送信するデータであるMACフレームは、後位の装置から基地局装置1に入力される。
本実施形態では、MACフレームのヘッダ(フレームヘッダ)に、宛先となる端末装置のアドレスの情報が含まれる。そして、MACフレームを、当該MACフレームのヘッダに含まれる宛先となるアドレスの情報ごとに、異なるデータフレームバッファ部11−1〜11−Nにより留め置く。つまり、本実施形態では、N個の異なるアドレスに対応可能にN個のバッファ(データフレームバッファ部11−1〜11−N)が用意されており、最大でN個の異なる宛先(アドレス)に対応して、複数の宛先のMACフレームをバッファ(データフレームバッファ部11−1〜11−N)に一時的に保存する。
なお、本実施形態では、データフレームとして、無線LAN規格のMACフレームが用いられるが、他の構成例として、MACフレームを連結したアグリゲーションフレームが用いられてもよく、または、これら両方が混合されたものが用いられてもよい。
(ステップS3)
中央制御部17は、データフレームバッファ部11−1〜11−Nから通知を受けることで、留め置き中のデータの宛先および各宛先の送信データのデータ長bの情報を取得する。
本実施形態では、宛先となる各端末装置について、無線送信する際に使用すべきデータの変調度mlおよび符号化レート(符号化率)crの情報がメモリ部16に保存されている。中央制御部17は、メモリ部16に記憶された当該情報を参照して読み出す。 そして、中央制御部17は、決定された利用可能なサブキャリアの数SCtotalの情報をビット補完量計算部12に出力するとともに、宛先となる各端末装置について、送信データのデータ長b、使用すべきデータの変調度mlおよび符号化レートcrの情報をビット補完量計算部12に出力する。これらの情報の一部または全部は、一組の情報として扱われてもよい。一例として、宛先ごと(i番目の宛先の端末装置ごと)に関する情報が、一組の情報として扱われてもよい。中央制御部17は、ビット補完量計算部12に対して、ビット補完量の計算の指示を出力する。
なお、使用すべきデータの変調度mlおよび符号化レートcrの値は、例えば、直前の通信の品質によって決定されるが、これらの値の決定方法としては任意の方法が用いられてもよい。
ビット補完量計算部12は、中央制御部17からビット補完量の計算の指示が入力されると、中央制御部17から入力された情報に基づいて、宛先となる各端末装置について、送信するフレームに対するビット補完量bpadを計算して求める。そして、ビット補完量計算部12は、宛先となる各端末装置について計算したビット補完量bpadの情報を、当該宛先となる各端末装置に対応するビット補完部13−1〜13−Nに出力して通知する。
(ステップS4)
各ビット補完部13−1〜13−Nは、ビット補完量計算部12から通知されたビット補完量bpadの情報に基づいて、宛先となる各端末装置に向けるMACフレームのデータ列に対して、ビット補完量bpadに応じたビット数のデータを付加することで補完する。本実施形態では、データ補完の方法として、フレームの終端を示すビット列であるEOF(End Of Frame)のデータを、ビット補完量bpadに応じたビット数のデータとして用いる。つまり、本実施形態では、EOFのデータによりフレームを埋める(パディングする)。端末装置は、EOFを識別すると、以降のデータビットを解析する必要がないと判定する。なお、データ補完の方法としては、他の方法が用いられてもよい。
OFDMAフレーム生成部14は、各ビット補完部13−1〜13−Nから受け取った各端末装置に向けたデータ補完後のフレームに、所定の変調度mlおよび符号化レートcrの値を用いて変調を施す。そして、OFDMAフレーム生成部14は、各端末装置に対する変調後のデータを、各端末装置に割り当てられた個数(SC個)のサブキャリアに重畳して、OFDMAのフレームを生成する。OFDMAフレーム生成部14は、生成されたOFDMAのフレームを無線送受信部15に出力する。当該フレームは、各端末装置宛てのデータフレームの長さを補完により調整した後にOFDMA多重したものとなり、これらのデータフレームを同時に送信するものとなる。
ここで、各端末装置に割り当てられたサブキャリアの個数(SC個)、変調度mlおよび符号化レートcrの情報は、それぞれ、ビット補完量計算部12あるいは中央制御部17からOFDMAフレーム生成部14に出力されて通知される。一例として、これらの情報のすべてがビット補完量計算部12からOFDMAフレーム生成部14に通知されてもよい。他の例として、サブキャリアの個数(SC個)の情報がビット補完量計算部12からOFDMAフレーム生成部14に通知され、変調度mlおよび符号化レートcrの情報が中央制御部17からOFDMAフレーム生成部14に通知されてもよい。 無線送受信部15は、OFDMAフレーム生成部14から入力されたOFDMAのフレームを無線変調してアンテナ21を介して無線空間へ送信する。中央制御部17は、当該送信の指示を無線送受信部15に出力することで、当該送信のタイミングを制御する。当該指示のタイミングは、本実施形態では、無線LANの規定にしたがうが、任意のタイミングが用いられてもよい。
次に、上記した(ステップS3)において行われる詳細な処理である(ステップS11)〜(ステップS13)の処理を説明する。この処理は、ビット補完量計算部12がビット補完量bpadを計算して求める処理である。
(ステップS11)
ビット補完量計算部12は、宛先となる各端末装置にデータを送信する際に使用するサブキャリアの数SCを計算して求める。同時に送信する対象となる端末装置の総数がN個であるとする。
まず、ビット補完量計算部12は、N個の端末装置に宛てるデータを、SCtotal(利用可能なサブキャリアの数)個のサブキャリアに重畳するに際し、宛先となる各端末装置に割り当てられるサブキャリアの数SC’を式(1)により計算して求める。
式(1)では、変調度ml、符号化レートcr、送信データのデータ長b、利用可能なサブキャリアの数SCtotalが用いられている。
Figure 0006588606
利用可能なサブキャリアの残りの数SCrestは、式(2)により計算されて求められる。
Figure 0006588606
次に、ビット補完量計算部12は、利用可能なサブキャリアの残りの数SCrestがゼロ(0)になるまで、各端末装置について{(b×cr)/(ml×SC’)}の値を計算して求め、すべての端末装置のうちで当該値が最大となる端末装置のSC’に1を加算して当該SC’を更新するとともに、SCrestから1を減算する処理を行う。ここで、2個以上の端末装置について前記値が同一である場合には、ビット補完量計算部12は、あらかじめ設定された順序またはランダムな順序などで、いずれか1個の任意の端末装置を選択する。
これにより、各端末装置について、割り当てられるサブキャリアの数SC’が得られ、ビット補完量計算部12は、この値SC’をSCとして確定する。ここで、SCは、i番目の端末装置にデータを送信する際に割り当てられて使用されるサブキャリアの数である。このように、複数のサブキャリアが分配されて複数の端末装置に割り当てられ、各端末装置に割り当てられるサブキャリアの数が変動し得る。
(ステップS12)
ビット補完量計算部12は、OFDMのタイムスロットについて、所要のタイムスロットの数SLを計算して求める。
まず、ビット補完量計算部12は、式(3)により、符号化レートcrに基づいて、送信データのデータ長bについて、符号化後のデータ長(本実施形態では、ビット長)bi−Afterを計算して求める。
Figure 0006588606
次に、ビット補完量計算部12は、式(4)により、各端末装置について、符号化後のデータ長bi−Afterのデータを送信するために必要なOFDMのタイムスロットの数(所要のタイムスロット数)SLを計算して求める。式(4)において、roundupは、数値の桁数を1の位に切り上げる演算を表す。ビット補完量計算部12は、すべての端末装置のうちで所要のタイムスロット数SLが最大値である当該SLをSLmaxとする。
Figure 0006588606
(ステップS13)
ビット補完量計算部12は、決定されたサブキャリアの数SCおよび所要のタイムスロットの数SLを埋めるために必要なビット補完量(ビット数)bpadを計算して求める。
まず、ビット補完量計算部12は、式(5)により、(SC×SLmax×ml)をbi−Afterで埋めた場合に不足するデータ長(本実施形態では、ビット数)Padi−Beforeを計算して求める。
Figure 0006588606
次に、ビット補完量計算部12は、式(6)により、計算されたデータ長Padi−Beforeに符号化レートcrを乗算して所要のビット補完量bpadを計算して求める。
Figure 0006588606
図4は、OFDMA変調を実行する前に補完されたフレームの一例のイメージを示す図である。
図4の例では、利用可能なサブキャリアの数SCtotalが18個であり、宛先となる端末装置の数Nが4個である。そして、1番目の端末装置にSC(=5個)のサブキャリアが割り当てられ、2番目の端末装置にSC(=3個)のサブキャリアが割り当てられ、3番目の端末装置にSC(=7個)のサブキャリアが割り当てられ、4番目の端末装置にSC(=3個)のサブキャリアが割り当てられている。また、所要のタイムスロット数SLmaxが10個である。
図4に示されるように、各端末装置に対する送信データを各サブキャリアに所定のデータ列の方向で配置し、データが不足する部分に所定のビットデータを埋める。図4には、当該所定のビットデータで埋められた部分(パディング部111〜114)が示されている。
ここで、図4の例では、1個の長方形が1個のサブキャリアのシンボル(OFDMシンボル)を表す。本例では、1個のシンボルより小さいビット単位で調整されたパディング部111〜114が設けられている。
図5(A)および図5(B)を参照して、本実施形態に係る基地局装置1において得られる効果の例を示す。但し、図5(A)および図5(B)の例では、データが端末装置の側で正常に受信されたことを確認する確認応答信号(ACK)の交換手順については考慮しておらず省略する。
図5(A)は、比較例に係るデータ送信に要する所要時間の一例を示す図である。この比較例は、従来の技術の一例である。
従来の無線LAN方式では、MU−MIMO(Multi User−Multi Input Multi Output)の空間多重技術によらなければ複数の端末装置に対して同時にデータを送信することができなかった。また、従来の無線LAN方式では、CSMA/CA方式によってアクセス制御を行うため、キャリアセンスと他の無線装置との競合調整の時間がオーバヘッドとして存在し、複数の端末装置に対してデータを送信する場合には他の端末装置への送信を待つ時間の影響が大きかった。
具体例として、図5(A)の例を説明する。
フレーム間の競合調整時間(IFS:Inter Frame Space)を平均で50マイクロ秒とし、各端末装置へ送信するフレームの時間長を平均で50マイクロ秒とする。端末装置の総数が8個であるとする。この場合、8個のすべての端末装置にデータ送信を完了するためには、合計所要時間として、800マイクロ秒を要する。なお、図5(A)において、To1〜To8は、それぞれ、第1の端末装置〜第8の端末装置に送信されるフレームを表す。
図5(B)は、本発明の一実施形態に係るデータ送信に要する所要時間の一例を示す図である。
フレーム間の競合調整時間(IFS)を平均で50マイクロ秒とし、各端末装置へ送信するフレームの時間長を平均で250マイクロ秒とする。端末装置の総数が8個であるとする。この場合、8個のすべての端末装置にデータ送信を完了するためには、合計所要時間として、300マイクロ秒を要する。なお、図5(B)において、To1〜To8は、それぞれ、第1の端末装置〜第8の端末装置に送信されるフレームを表す。
このように、本実施形態では、データ送信を効率化することができる。
以上のように、本実施形態に係る基地局装置1では、OFDMAのフレームを送出するために必要なデータ補完を行って、データ長を調整することができる。このため、本実施形態に係る基地局装置1では、例えば、使用可能な帯域幅、送信相手とする端末装置の数、あるいは送信データのサイズ(データ長)が動的に変化しても、複数の端末装置に対するデータを、同一のOFDMAのフレームに多重して、同時に送信することが可能である。また、本実施形態に係る基地局装置1では、例えば、物理層(PHY層)のみでデータ補完を行うことが可能であり、この場合、物理層とMAC層の両方でデータ補完を行う場合と比較して、通信の効率が向上する。
このように、本実施形態に係る基地局装置1によると、複数の端末装置にデータを送信する際に効率良くデータ補完を行うことができる。
一構成例として、無線通信装置(本実施形態では、基地局装置1)は、同一の時間タイミングで複数の端末装置に対してデータを送信する無線通信装置であって、複数のサブキャリアが分配して割り当てられる前記複数の端末装置の各端末装置ごとに、送信するデータを補完するデータ量(本実施形態では、ビット補完量)を計算する補完量計算部(本実施形態では、ビット補完量計算部12)と、各端末装置ごとに、補完量計算部により計算されたデータ量のデータで送信するデータを補完する補完部(本実施形態では、ビット補完部13−1〜13−N)と、複数のサブキャリアを用いて、複数の端末装置について補完部により補完されたデータを送信する送信部(本実施形態では、無線送受信部15の送信の機能部)と、を備える。
一構成例として、無線通信装置は、複数の端末装置について補完部により補完されたデータを多重して送信するフレームを生成するフレーム生成部(本実施形態では、OFDMAフレーム生成部14)を備える。
一構成例として、無線通信装置では、補完部は、補完するデータとして、フレームの終端を示すビット列(本実施形態では、EOF)のデータを用いる。
一構成例として、無線通信装置では、フレームとして、MACフレーム、連結したMACフレーム、または、これらの両方が用いられる。
一構成例として、無線通信装置では、補完量計算部は、少なくとも、使用可能(利用可能)なサブキャリアの数、各端末装置に対するデータのサイズ(データ長)、各端末装置に対するデータの変調度、各端末装置に対するデータの符号化レートに基づいて、補完するデータ量を計算する。
一構成例として、無線通信装置は、キャリアセンスの処理を行って、使用可能なサブキャリアの数を決定する制御部(本実施形態では、中央制御部17)を備える。なお、本実施形態では、キャリアセンスの処理を行って、使用可能なサブチャネルを識別し、その結果に基づいて使用可能なサブキャリアを決定するが、他の構成例として、キャリアセンスの処理により、使用可能なサブキャリアを識別して決定してもよい。
一構成例として、無線通信装置では、OFDMAの方式が用いられる。
一構成例として、無線通信装置は、無線LANシステムのアクセスポイント装置である。
一構成例として、無線通信方法は、複数のサブキャリアが分配して割り当てられる複数の端末装置の各端末装置ごとに、送信するデータを補完するデータ量を計算し、各端末装置ごとに、計算されたデータ量のデータで送信するデータを補完し、複数のサブキャリアを用いて、複数の端末装置について補完されたデータを同一の時間タイミングで送信する。
一構成例として、プログラムは、複数のサブキャリアが分配して割り当てられる複数の端末装置の各端末装置ごとに、送信するデータを補完するデータ量を計算するステップと、各端末装置ごとに、計算されたデータ量のデータで送信するデータを補完するステップと、複数のサブキャリアを用いて、複数の端末装置について補完されたデータを同一の時間タイミングで送信するステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
また、以上に示した実施形態に係る各装置(例えば、基地局装置1)の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体(記憶媒体)に記録(記憶)して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、処理を行ってもよい。
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、オペレーティングシステム(OS:Operating System)あるいは周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disk)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。 また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
1…基地局装置、11−1〜11−N…データフレームバッファ部、12…ビット補完量計算部、13−1〜13−N…ビット補完部、14…OFDMAフレーム生成部、15…無線送受信部、16…メモリ部、17…中央制御部、21…アンテナ、111〜114…パディング部

Claims (11)

  1. 同一の時間タイミングで複数の端末装置に対してデータを送信する無線通信装置であって、
    複数のサブキャリアが分配して割り当てられる前記複数の端末装置の各端末装置ごとに、当該各端末装置への送信に割り当てられるサブキャリアの数および当該各端末装置に送信に割り当てられるタイムスロットの数を求め、そして、当該各端末装置に割り当てられるサブキャリアの数、当該各端末装置に送信するデータのビット長、および前記複数の端末装置の各々に割り当てられるタイムスロットの数の最大値に基づいて、当該各端末装置に送信するデータを補完するデータ量をビット数で計算する補完量計算部と、
    前記各端末装置ごとに、前記補完量計算部により計算されたデータ量のデータで前記送信するデータを補完する補完部と、
    前記複数のサブキャリアを用いて、前記複数の端末装置について前記補完部により補完されたデータを送信する送信部と、
    を備える無線通信装置。
  2. 前記複数の端末装置について、各端末装置への送信に割り当てられるサブキャリアの数および当該各端末装置へ割り当てられるタイムスロットの数を、当該各端末装置に送信するデータのデータ長、当該各端末装置に送信するデータの変調度、当該各端末装置に送信するデータの符号化レートに基づいて計算する、
    請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 前記複数の端末装置について前記補完部により補完されたデータを多重して送信するフレームを生成するフレーム生成部を備える、
    請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の無線通信装置。
  4. 前記補完部は、前記補完するデータとして、前記フレームの終端を示すビット列のデータを用いる、
    請求項3に記載の無線通信装置。
  5. 前記フレームとして、MACフレーム、連結したMACフレーム、または、これらの両方が用いられる、
    請求項3または請求項4のいずれか1項に記載の無線通信装置。
  6. 前記補完量計算部は、少なくとも、使用可能なサブキャリアの数、各端末装置に対するデータのサイズ、各端末装置に対するデータの変調度、各端末装置に対するデータの符号化レートに基づいて、前記補完するデータ量を計算する、
    請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の無線通信装置。
  7. キャリアセンスの処理を行って、前記使用可能なサブキャリアの数を決定する制御部を備える、
    請求項6に記載の無線通信装置。
  8. OFDMAの方式が用いられる、
    請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の無線通信装置。
  9. 無線LANシステムのアクセスポイント装置である、
    請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の無線通信装置。
  10. 同一の時間タイミングで複数の端末装置に対してデータを送信する無線通信方法であって、
    複数のサブキャリアが分配して割り当てられる前記複数の端末装置の各端末装置ごとに、当該各端末装置への送信に割り当てられるサブキャリアの数および当該各端末装置に送信に割り当てられるタイムスロットの数を求め、そして、当該各端末装置に割り当てられるサブキャリアの数、当該各端末装置に送信するデータのビット長、および前記複数の端末装置の各々に割り当てられるタイムスロットの数の最大値に基づいて、当該各端末装置に送信するデータを補完するデータ量をビット数で計算し、
    前記各端末装置ごとに、前記計算されたデータ量のデータで前記送信するデータを補完し、
    前記複数のサブキャリアを用いて、前記複数の端末装置について前記補完されたデータを同一の時間タイミングで送信する、
    無線通信方法。
  11. 同一の時間タイミングで複数の端末装置に対してデータを送信する無線通信装置を構成するコンピュータに、
    複数のサブキャリアが分配して割り当てられる前記複数の端末装置の各端末装置ごとに、当該各端末装置への送信に割り当てられるサブキャリアの数および当該各端末装置に送信に割り当てられるタイムスロットの数を求め、そして、当該各端末装置に割り当てられるサブキャリアの数、当該各端末装置に送信するデータのビット長、および前記複数の端末装置の各々に割り当てられるタイムスロットの数の最大値に基づいて、当該各端末装置に送信するデータを補完するデータ量をビット数で計算するステップと、
    前記各端末装置ごとに、前記計算されたデータ量のデータで前記送信するデータを補完するステップと、
    前記複数のサブキャリアを用いて、前記複数の端末装置について前記補完されたデータを同一の時間タイミングで送信するステップと、
    を実行させるためのプログラム。
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