JP6588381B2 - 内視鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、内視鏡に関する。
従来、直径が3mmに満たない極細径の内視鏡が知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1の極細径内視鏡は、可撓性の挿入部において、保護チューブの先端位置を湾曲部の途中に配置して、その位置と先端部本体の後端位置との間の領域においては、ライトガイドファイババンドルにチューブ類を被覆せずに、各光ファイバ間の空間に柔軟で弾力性のある低粘度接着剤を充填することによりライトガイドファイババンドルを可撓性のある一定の形状に成形したものである。先端部本体外筒の軸線位置には、対物光学系を保持する対物レンズ保持筒が配置され、対物レンズ保持筒の後端外周部に撮像素子保持筒が嵌合されて一体に連結固着されている。対物レンズ保持筒の外周には、絶縁筒、先端部本体内筒が嵌挿され、先端部本体外筒の内側に先端部本体内筒が配置されており、先端部本体外筒と先端部本体内筒との空間内にライトガイドファイババンドルが充填された状態に挿通されている。
特許第4928984号公報
上記従来例の内視鏡では、先端部本体外筒及び先端部本体内筒を有し、さらに対物レンズ保持筒及び撮像素子保持筒を有する構成であり、部品点数が多く、ある程度の大きさが必要になるため、更なる小型化への対応が困難である。また、細径内視鏡において、例えば血管などの非常に狭窄な部位に挿入しようとする際、先端部が挿入部位の壁面に引っ掛かってスムーズに挿入できない場合があり、操作性の改善が求められている。
本発明は、上記従来の事情に鑑みて案出され、先端部の小型化を図るとともに、挿入時の操作性を向上できる内視鏡を提供することを目的とする。
本発明は、レンズ中心を通る軸方向に対して垂直方向の外形状が円形の少なくとも1つのレンズと、前記軸方向に対して垂直方向の外形状が四角形であり、その一辺の長さが前記レンズの径の長さと同一の撮像素子と、前記撮像素子の撮像面を覆い、前記軸方向に対して垂直方向の外形状が四角形であり、その一辺の長さが前記撮像素子の一辺の長さと同一の素子カバーガラスと、前記撮像面の中心に前記レンズの光軸を一致させた状態の前記レンズと前記素子カバーガラスとを固定する接着用樹脂と、前記撮像素子に接続された伝送ケーブルと、前記伝送ケーブルを覆う管状のシースと、前記レンズ、前記素子カバーガラス、及び前記撮像素子の各外側面を包囲し、前記シースと外周面が面一に連なるように接続され、先端部を構成する先端外表部材と、を備え、前記レンズ及び前記先端外表部材を含む前記先端部の最大外径は1.8mmであり、前記先端外表部材の先端面外周は、曲率半径Rが0.08mm以上のR面が形成されるエッジ部を有する、内視鏡を提供する。
また、本発明は、レンズ中心を通る軸方向に対して垂直方向の外形状が四角形の単一レンズと、前記軸方向に対して垂直方向の外形状が四角形であり、その一辺の長さが前記単一レンズの一辺の長さと同一の撮像素子と、前記撮像素子の撮像面を覆い、前記軸方向に対して垂直方向の外形状が前記撮像素子の外形状と同一の素子カバーガラスと、前記撮像面の中心に前記単一レンズの光軸を一致させた状態の前記単一レンズと前記素子カバーガラスとを固定する接着用樹脂と、前記撮像素子に接続された伝送ケーブルと、前記伝送ケーブルを覆う管状のシースと、前記単一レンズ、前記素子カバーガラス、及び前記撮像素子を覆って固定するとともに、先端部を構成するモールド部と、を備え、前記モールド部と前記シースとは同軸に連なるように接続され、前記単一レンズ及び前記モールド部を含む前記先端部の最大外径は1.0mmであり、前記モールド部による先端外表部材の先端面外周は、曲面又は鈍角の面に形成されたエッジ部を有する、内視鏡を提供する。
また、本発明は、レンズ中心を通る軸方向に対して垂直方向の外形状が円形の少なくとも1つのレンズと、前記軸方向に対して垂直方向の外形状が四角形であり、その一辺の長さが前記レンズの径の長さと同一の撮像素子と、前記撮像素子の撮像面を覆い、前記軸方向に対して垂直方向の外形状が四角形であり、その一辺の長さが前記撮像素子の一辺の長さと同一の素子カバーガラスと、前記撮像面の中心に前記レンズの光軸を一致させた状態の前記レンズと前記素子カバーガラスとを固定する接着用樹脂と、前記撮像素子に接続された伝送ケーブルと、前記伝送ケーブルを覆うとともに、前記レンズ、前記素子カバーガラス、及び前記撮像素子の各外側面を包囲し、先端部において先端外表部材を構成する管状のシースと、を備え、前記レンズ及び前記シースを含む前記先端部の最大外径は1.8mmであり、前記シースによる先端外表部材の先端面外周は、曲面又は鈍角の面に形成されたエッジ部を有する、内視鏡を提供する。
本発明によれば、内視鏡の先端部の小型化を図るとともに、挿入時の操作性を向上できる。
本実施形態の内視鏡を用いた内視鏡システムの一例を示す全体構成図 本実施形態の内視鏡の先端部を前側から見た様子を示す斜視図 本実施形態の内視鏡の先端部の構成例を示す断面図 本実施形態の内視鏡におけるレンズ及び撮像素子が接着用樹脂を介して直付けされた状態の構成例を示す断面図 本実施形態の内視鏡の導体接続部に伝送ケーブルが接続された撮像素子を後側から見た様子を示す斜視図 本実施形態の内視鏡の照明手段の一例としてのライトガイドの配置例を表す先端部の一例を示す正面図 本実施形態の内視鏡の先端部にシースを設けた構成例を示す断面図 本実施形態の内視鏡の先端部を前側から見た様子を示す斜視図 本実施形態の内視鏡の先端部の構成例を示す断面図 本実施形態の内視鏡におけるレンズ及び撮像素子が接着用樹脂を介して直付けされた状態の構成例を示す断面図 本実施形態の内視鏡の導体接続部に伝送ケーブルが接続された撮像素子を後側から見た様子を示す斜視図 本実施形態の内視鏡におけるレンズ形状の第1例を示す図 本実施形態の内視鏡におけるレンズ形状の第1例を示す図 本実施形態の内視鏡におけるレンズ形状の第1例を示す図 本実施形態の内視鏡におけるレンズ形状の第2例を示す図 本実施形態の内視鏡におけるレンズ形状の第2例を示す図 本実施形態の内視鏡におけるレンズ形状の第2例を示す図 本実施形態の内視鏡におけるレンズ形状の第3例を示す図 本実施形態の内視鏡におけるレンズ形状の第3例を示す図 本実施形態の内視鏡におけるレンズ形状の第3例を示す図 本実施形態の内視鏡におけるレンズ形状の第3例を示す図 本実施形態の内視鏡のレンズにおける素子カバーガラスとの接着面の構成例を示す図 本実施形態の内視鏡における撮像素子の第1例を示す図 本実施形態の内視鏡における撮像素子の第1例を示す図 本実施形態の内視鏡における撮像素子の第2例を示す図 本実施形態の内視鏡における撮像素子の第2例を示す図 本実施形態の内視鏡における撮像素子の第3例を示す図 本実施形態の内視鏡における撮像素子の第3例を示す図 本実施形態の内視鏡の先端部を管状の挿入部位に挿入する状態を示す図 比較例の内視鏡の先端部を管状の挿入部位に挿入する状態を示す図
以下、適宜図面を参照しながら、本発明に係る内視鏡を具体的に開示した実施形態(以下、本実施形態という)を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
先ず、最初に本実施形態の内視鏡に共通する基本構成例について説明する。なお、構成例とは本発明に係る内視鏡が備えることのできる構成要件である。本発明に係る内視鏡は、以下の各構成例を相互に重複して備えることを排除しない。
<基本構成例>
図1は、本実施形態の内視鏡を用いた内視鏡システムの一例を示す全体構成図である。図1では、内視鏡11及びビデオプロセッサ19を含む内視鏡システム13の全体構成を斜視図にて示している。
なお、本明細書において説明に用いる方向については、各図中の方向の記載に従うとする。ここで、「上」、「下」は、水平面に置かれたビデオプロセッサ19の上と下にそれぞれ対応し、「前(先)」、「後」は、内視鏡本体(以降「内視鏡11」という)の挿入部21の先端側とプラグ部23の基端側(言い換えると、ビデオプロセッサ19側)にそれぞれ対応する。
図1に示すように、内視鏡システム13は、例えば医療用の軟性鏡である内視鏡11と、観察対象(例えば人体の血管)の内部を撮影して得られた静止画又は動画に対して周知の画像処理等を行うビデオプロセッサ19と含む構成である。内視鏡11は、略前後方向に延在し、観察対象の内部に挿入される挿入部21と、挿入部21の後部が接続されるプラグ部23とを備える。
ビデオプロセッサ19は、前壁25に開口するソケット部27を有している。ソケット部27には内視鏡11のプラグ部23の後部が挿入され、これにより、内視鏡11はビデオプロセッサ19との間で電力及び各種信号(映像信号、制御信号など)の送受が可能である。
上述した電力及び各種信号は、軟性部29の内部に挿通された伝送ケーブル31(図3又は図4参照)を介してプラグ部23から軟性部29に導かれる。先端部15に設けられた撮像素子33が出力した画像データは、伝送ケーブル31を介してプラグ部23からビデオプロセッサ19に伝送される。ビデオプロセッサ19は、プラグ部23から伝送された画像データに対して色補正、階調補正等の周知の画像処理を施して、画像処理後の画像データを表示装置(不図示)に出力する。表示装置は、例えば液晶表示パネル等の表示デバイスを有するモニタ装置であり、内視鏡11によって撮像された被写体の画像(例えば被写体である人物の血管内の様子を示す画像データ)を表示する。
挿入部21は、プラグ部23に後端が接続された可撓性の軟性部29と、軟性部29の先端に連なる先端部15とを有している。軟性部29は各種の内視鏡検査、内視鏡手術等の方式に対応する適切な長さを有する。軟性部29は、例えば螺旋状に巻回された金属薄板の外周にネットを被せ、更に、その外周に被覆を被せることにより構成され、十分な可撓性を有するように形成される。軟性部29は、先端部15とプラグ部23との間を接続する。
以下説明する実施形態の内視鏡11,111は、挿入部21が細径で形成されることにより、細径の体腔への挿入が可能となる。細径の体腔は、人体の血管に限定されず、例えば尿管、すい管、胆管、細気管支等が含まれる。つまり、内視鏡11,111は、人体の血管、尿管、すい管、胆管、細気管支等への挿入を可能とすることができる。言い換えると、内視鏡11,111は、血管内の病変の観察に用いることができる。内視鏡11,111は、動脈硬化性プラークの同定において有効となる。また、心臓カテーテル検査時の内視鏡による観察にも適用可能となる。更に、内視鏡11,111は、血栓や動脈硬化性の黄色プラークの検出にも有効となる。なお、動脈硬化病変では、色調(白色、淡黄色、黄色)や、表面(平滑、不整)が観察される。血栓では、色調(赤色、白色、暗赤色、黄色、褐色、混色)が観察される。
また、内視鏡11,111は、腎盂・尿管がんや、特発性腎出血の診断・治療に用いることができる。この場合、内視鏡11,111は、尿道から膀胱内に挿入され、更に尿管内にまで進めて、尿管と腎盂の中を観察することができる。
また、内視鏡11,111は、十二指腸に開口するファーター乳頭への挿入が可能となる。胆汁は、肝臓から造られ胆管を通って、また膵液は膵臓から造られ膵管を通って十二指腸にあるファーター乳頭から排出される。内視鏡11,111は、胆管及び膵管の開口部であるファーター乳頭から挿入し、胆管又は膵管の観察を可能とすることができる。
更に、内視鏡11,111は、気管支への挿入が可能となる。内視鏡11,111は、背臥位となった検体(つまり、被施術者)の口腔又は鼻腔から挿入される。内視鏡11,111は、咽頭、喉頭を過ぎ、声帯を視認しつつ気管へ挿入される。気管支は分岐するたびに細くなる。例えば最大外径Dmaxが2.0mm未満の内視鏡11,111によれば、亜区域気管支まで内腔の確認が可能となる。
次に、本実施形態の内視鏡が有する各種の構成例について説明する。第1実施形態の内視鏡11は、第1構成例から第9構成例の各構成を有することができる。
<第1構成例>
図2は、本実施形態の内視鏡11の先端部15を前側から見た様子を示す斜視図である。図3は、本実施形態の内視鏡11の先端部15の構成例を示す断面図である。図4は、本実施形態の内視鏡11におけるレンズ及び撮像素子が接着用樹脂37を介して直付けされた状態の構成例を示す断面図である。図5は、本実施形態の内視鏡11の導体接続部49に伝送ケーブル31が接続された撮像素子33を後側から見た様子を示す斜視図である。
図2では、図1に示した内視鏡11の先端部15の構成を斜視図にて示している。図3では、図2に示した先端部15の構成を断面図にて示している。図4では、図2に示した先端部15においてモールド樹脂17を除いた構成を断面図にて示している。図5では、図4に示した撮像素子33をレンズユニット35と反対側から見た構成を斜視図にて示している。
第1構成例の内視鏡11は、レンズ支持部材39にレンズを収容するレンズユニット35と、撮像面が素子カバーガラス43によって覆われる撮像素子33と、撮像面の中心にレンズの光軸を一致させたレンズユニット35と素子カバーガラス43とを固定する接着用樹脂37と、撮像素子33の撮像面と反対側(つまり、後側)の面に設けられた4つの導体接続部49のそれぞれに接続される4本の電線45を有する伝送ケーブル31と、を備える。
レンズ支持部材39には、光学材料(例えばガラス、樹脂等)により形成された複数(図示例では、3枚)のレンズL1〜L3と、レンズL1及びレンズL2の間に挟まれて形成された絞り51とが互いに光軸の方向に近接した状態で組み込まれている。絞り51はレンズL2又はレンズ93への入射光量の調整に設けられており、絞り51を通過した光だけがレンズL2又はレンズ93に入射することが可能となる。なお、近接とは、レンズ相互間の接触による傷付きを避けるために僅かに離間している意味である。レンズL1〜L3は、全周にわたってレンズ支持部材39の内周面に接着剤により固定されている。
なお、以降の説明において「接着剤」の用語は、固体物の面と面とを接着するために用いる物質という厳密な意味だけではなく、2つの物の結合に用いることができる物質、或いは硬化した接着剤が気体及び液体に対する高いバリア性を備えている場合は、封止材としての機能を有する物質という広い意味で用いられる。
レンズ支持部材39の前端はレンズL1によって、レンズ支持部材39の後端はレンズL3によって密閉(封止)されており、レンズ支持部材39の内部に空気又は水分等が侵入しないよう構成されている。従って、空気等はレンズ支持部材39の一端から他端へと抜けることができない。なお、以降の説明では、レンズL1〜L3を合わせて光学レンズ群LNZという。
レンズ支持部材39を構成する金属材料としては、例えばニッケルが用いられる。ニッケルは、剛性率が比較的高くかつ耐食性も高く、先端部15を構成する材料として適している。また、内視鏡11を用いた検査時又は手術時に先端部15からレンズ支持部材39を構成するニッケルが直接的に露出しないように、検査前又は手術前の時点で、レンズ支持部材39の周囲はモールド樹脂17によってムラ無く被覆され、かつ先端部15が生体適合コーティングを施されることが好ましい。ニッケルに代えて例えば銅ニッケル合金を用いてもよい。銅ニッケル合金も高い耐食性を有しており、先端部15を構成する材料として適している。また、レンズ支持部材39を構成する金属材料としては、好ましくは、電鋳(電気めっき)によって製造が可能な材料が選択される。ここで、電鋳を利用する理由は、電鋳によって製造される部材の寸法精度は1μm未満(いわゆるサブミクロン精度)と極めて高く、更に多数の部材を製造した際のばらつきも小さいからである。また、レンズ支持部材39を構成する金属材料として、ステンレス鋼(例えばSUS316)を用いてもよい。ステンレス鋼(SUS管とも言われる)は生体適合性が高く、例えば人体の血管等の細径な部位に挿入される内視鏡として適すると考えられる。レンズ支持部材39は極めて小さな部材であり、内外径寸法の誤差は内視鏡11の光学性能(つまり、撮像された画像の画質)に影響を与える。レンズ支持部材39を例えばニッケル電鋳管により構成することで、小径にもかかわらず高い寸法精度を確保して高画質な画像を撮像することが可能な内視鏡11が得られる。
レンズ支持部材39は、金属以外にシート材等であってもよい、レンズ支持部材39は、レンズユニット35の各レンズの光軸を合わせる際の位置決めが達成できればよい。レンズユニット35が、モールド樹脂17によって覆われれば、各レンズは相互の相対位置が固定される。このため、レンズ支持部材39には、従来の複数のレンズを支持するために使用されていた鏡筒に対し、強度が小さく、厚みが薄く、重量が軽い材質のものが使用可能となる。これにより、内視鏡11における先端部15の細径化に寄与することが可能となる。なお、レンズ支持部材39は、従来と同様の金属製の鏡筒を用いることを排除するものではない。
図5に示すように、撮像素子33は、例えば前後方向から見て四角形(図示例では正方形)の形状をなす小型のCCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)の撮像デバイスにより構成される。撮像素子33では、外部から入射した光が、レンズ支持部材39内の光学レンズ群LNZによって撮像面41に結像する。また、撮像素子33は、撮像面41が素子カバーガラス43によって覆われる。
接着用樹脂37は、例えばUV・熱硬化性樹脂によって構成される。接着用樹脂37は、透光性を有し、屈折率が空気に近いものが好ましい。接着用樹脂37として、UV・熱硬化性樹脂を用いる場合、外表部分を紫外線照射により硬化できるとともに、紫外線を照射できない充填接着剤の内部を、熱処理によって硬化させることができる。接着用樹脂37は、撮像面41の中心にレンズの光軸を一致させたレンズユニット35を、素子カバーガラス43に固定する。これにより、レンズユニット35と撮像素子33とが接着用樹脂37によって直接接着されて固定され、つまり、レンズユニット35と撮像素子33とが接着用樹脂37を介して直付けされる。本実施形態の内視鏡11では、3枚レンズのうち最終のレンズL3と素子カバーガラス43との間の有限な幅を有する離間部47に接着用樹脂37が塗布されたことで、レンズL3と素子カバーガラス43とが直付けされている。接着用樹脂37は、例えば最終的な硬度を得るためには熱処理を必要とするが、紫外線照射によってもある程度の硬度まで硬化が進行するタイプの接着剤である。
なお、内視鏡11では、素子カバーガラス43に対面するレンズの光出射面が凹面である場合、レンズの周囲の円環端面であるコバ部55が素子カバーガラス43に接着される。この際、レンズの外周、レンズ支持部材39の外周も同時に接着用樹脂37によって固定されてもよい。レンズのコバ部55が素子カバーガラス43に接着されることで、レンズと撮像素子33との間に、空気層が設けられる。レンズと撮像素子33との間に、空気層が設けられることで、レンズの光学的性能を高めることができる。例えば、レンズから空気層への出射光の屈折率差を大きくでき、光を屈折させるためのパワーが得られる。これにより、解像度を高める、画角を大きくするなどの光学設計が容易になる。その結果、内視鏡11により撮像された画像の画質が向上する。
撮像素子33の背面側の後部には、4つの導体接続部49が設けられる。導体接続部49は、例えばLGA(Land grid array)によって形成することができる。4つの導体接続部49は、一対の電力接続部と、一対の信号接続部とからなる。4つの導体接続部49は、伝送ケーブル31の4本の電線45と電気的に接続される。伝送ケーブル31は、電線45である一対の電力線と、電線45である一対の信号線とからなる。即ち、導体接続部49の一対の電力接続部には、伝送ケーブル31の一対の電力線が接続される。導体接続部49の一対の信号接続部には、伝送ケーブル31の一対の信号線が接続される。
以上により、第1構成例の内視鏡11によれば、レンズユニット35と撮像素子33とが、接着用樹脂37によって所定距離保持した状態で固定される。固定されたレンズユニット35と撮像素子33とは、レンズユニット35の光軸と、撮像面41の中心とが位置合わせされている。また、レンズユニット35と撮像素子33との距離は、レンズユニット35を通る被写体からの入射光が、撮像素子33の撮像面41に合焦する距離で位置合わせされている。レンズユニット35と撮像素子33とは、位置合わせされた後に固定されている。
固定されたレンズユニット35と撮像素子33との間には、離間部47(図4参照)が形成される。離間部47は、レンズユニット35と撮像素子33とが、相対的に位置合わせされ、相互が接着用樹脂37によって固定されることで、形状が定まる。即ち、離間部47は、レンズユニット35と撮像素子33との位置合わせ用の調整ギャップとなっている。この調整ギャップは、接着用樹脂37が充填されても無くなることはない。上述した寸法の具体例では、少なくとも30μm程度から100μm程度までの間で調整が行われる。この際の公差は±20μmとなる。従って、この場合の最小の調整ギャップは、10μmで残存することになる。
内視鏡11では、離間部47が調整ギャップとなってレンズユニット35と撮像素子33との位置合わせが完了した後、離間部47が接着用樹脂37の固定スペースに利用される。これにより、レンズユニット35と撮像素子33とを直接に固定可能としている。これにより、従来必要であった、レンズユニット35を撮像素子33に固定するためのフレーム又はホルダ等の介装部材が不要となっている。また、フレーム又はホルダ等を省略できるため、部品点数が削減されて固定構造が簡素になる。これにより、内視鏡11の先端部15を小径化することができ、更なる小型化(例えば先端側の挿入部位における外径の細径化)を図る場合であっても、最小限の寸法で構成できる。また、部品コストを削減できる。更に、レンズユニット35と撮像素子33とを固定する際の介在部品が少ないので、位置合わせ及び固定にかかる作業に必要な作業工数を削減でき、かつ高精度な位置合わせが容易に可能となる。また、製造コストを低減できるとともに、生産性を向上させることができる。
また、この内視鏡11によれば、撮像素子33に、4本の電線45からなる伝送ケーブル31が接続される。内視鏡11は、伝送ケーブル31を4本の電線45とすることにより、小型化、コスト低減の両立を図ることができる。例えば、伝送ケーブル31の電線45を4本以下(例えば3本)とすることは撮像素子33の背面側の後部に対する導体接続部49の配置スペースの関係上可能ではあるが、この場合、例えば1本の信号線を廃止すると、撮像画像の信号又はビデオプロセッサ19から送出される制御用の信号を電力線を通る電力の波形に重畳しなくてはならない。すると、信号重畳のために変調回路や復調回路等が必要となり、部品点数が増大してトータルのコストが増大してしまう。また、各種の信号(撮像画像画像の信号、制御用の信号など)の送受用に専用の信号線を用いれば、回路構成が容易となるが、内視鏡の細径化には不利となる。一方、伝送ケーブル31の電線45を4本より多く(例えば5本)とすると、撮像素子33の背面側の後部に対する個々の導体接続部49の配置スペースが狭くなり、後述するように先端部15の最大外径を1.8mm以下とする内視鏡11を製造する場合に、半田付けによる接続作業が困難となり、内視鏡11の製造が困難となる。以上により、内視鏡11において、伝送ケーブル31は、4本の電線45とすることによって、小型化、コスト低減の両立を図る上で顕著な作用を奏することとなる。
<第2構成例>
第2構成例の内視鏡11は、本実施形態の内視鏡11において、先端部15の最大外径Dmaxを、ダイシング可能な撮像素子33の基板の外接円の直径に相当する有限径〜1.8mmの範囲で形成することができる。
本実施形態の内視鏡11では、光軸又はレンズ中心を通る軸方向の方向に垂直な方向における外形状が四角形状の撮像素子33として、1辺の寸法が1.0mm以下のものが使用される。これにより、内視鏡11は、撮像素子33の外形状が正方形状の場合、対角寸法が1.4mm程度となり、照明手段としてのライトガイド57(例えばφ150μm)を含めば、最大外径Dmaxが1.8mm以下のものが可能となる。
以上により、第2構成例の内視鏡11によれば、最大外径Dmaxを1.8mm未満とすることで、例えば人体の血管への挿入を容易に可能とすることができる。
<第3構成例>
第3構成例の内視鏡11は、本実施形態の内視鏡11において、図5に示すように、撮像素子33の基板が、正方形で形成され、4つの導体接続部49が、撮像素子33の基板の一辺に沿って並んで配置されている。1つの導体接続部49は、矩形状に形成される。4つの導体接続部49は、長辺が平行となって相互に離間して配置される。これら4つの導体接続部49は、撮像素子33の基板の中央部に配置される。従って、それぞれの導体接続部49は、撮像素子33の基板の周縁から離間されている。
伝送ケーブル31は、電線45である電力線及び信号線それぞれの導体が絶縁被覆によって覆われる。4本の電線45は、左右2本、上下2段に配置されて絶縁被覆の外周が更に外被によって束ねられて、一本の伝送ケーブル31となっている。それぞれの導体は、導体接続部49の長手方向に沿ってU字状に曲げられた屈曲部53を有している。電線45は、この屈曲部53が予めフォーミングされて導体接続部49に突き当てられる。電線45は、この屈曲部53の先端が、半田によって導体接続部49に接続される。撮像素子33と伝送ケーブル31とは、モールド樹脂17によって覆われる。従って、導体接続部49、屈曲部53、電線45、及び伝送ケーブル31の外被は、モールド樹脂17に埋入される。
以上により、第3構成例の内視鏡11によれば、4つの導体接続部49を、撮像素子33の基板の中央部に平行に配置できるので、導体接続部49の形成が容易となる。一方向に離間した4つの導体接続部49のそれぞれに電線45の導体を半田によって接続するので、接続作業を容易にできる。導体接続部49を撮像素子33の基板の中央部に配置したので、導体に屈曲部53を形成することができる。屈曲部53は、モールド部65によって埋入されて固定されるので、伝送ケーブル31に作用する張力が導体と導体接続部49との接合部に作用することを軽減できる(ストレインリリーフとして働く)。これにより、電線45と導体接続部49との接続信頼性を高めることができる。
<第4構成例>
第4構成例の内視鏡11では、本実施形態の内視鏡11において、レンズユニットに沿って照明手段が設けられている。即ち、第4構成例の内視鏡11は、照明手段の一例としてのライトガイド57を有する。以下、照明手段は、ライトガイド57である場合を例に説明するが、この他、照明手段は、先端部15の挿入先端面に直付けしたLEDとすることもできる。この場合、ライトガイド57は不要となる。
ライトガイド57は、1本の光ファイバ59からなる。光ファイバ59には、例えばプラスチック光ファイバ(POF:Plastic Optical Fiber)が好適に用いられる。プラスチック光ファイバは、シリコン樹脂やアクリル樹脂を材料としてコアもクラッドもプラスチックで形成される。また、光ファイバ59は、例えば光ファイバ素線を複数本束ねて、その両端に端末金具を取り付けたバンドルファイバ(bundle fiber)等であってもよい。光ファイバ59は、先端が先端部15で出射端面となり、基端がプラグ部23のフェルールに接続される。光源は、例えばソケット部27等に設けられるLEDである。内視鏡11は、プラグ部23をソケット部27に接続することで、LEDからの光がライトガイド57の光ファイバ59を伝搬し、先端から出射される。この構成によれば、光源から照明光の出射端までを1本の光ファイバで構成でき、光損失を小さくすることができる。
以上により、第4構成例の内視鏡11によれば、ライトガイド57を備えることで、内視鏡11を単独で用いて暗部での撮影を可能にできる。
<第5構成例>
図6は、本実施形態の内視鏡11の照明手段の一例としてのライトガイド57の配置例を表す先端部15の一例を示す正面図である。第5構成例の内視鏡11では、本実施形態の内視鏡11において、照明手段の一例としてのライトガイド57が、レンズユニット35の円周方向に複数個設けられた構成である。ライトガイド57は、レンズユニット35の円周方向に等間隔で4本を設けることができる。
以上により、第5構成例の内視鏡11によれば、レンズユニット35の円周方向に、等間隔で4本のライトガイド57が設けられるので、被写体の上下左右に影が生じにくくなる。これにより、内視鏡11は、ライトガイド57が1本の構成や、2本の構成に比べ、明瞭な撮像画像を得ることができる。
<第6構成例>
第6構成例の内視鏡11では、本実施形態の内視鏡11において、撮像素子33が方形状に形成される。4つのライトガイド57の光ファイバ59は、撮像素子33の基板と、撮像素子33の基板の外接円とに挟まれる空間において、撮像素子33の基板の各辺部の略中央に配設されている。
以上により、第6構成例の内視鏡11によれば、正方形の撮像素子33と、撮像素子33に略外接する円形のモールド部65とに挟まれるスペースを有効に利用でき、先端部15の外径を大きくせずに、複数(特に4本)の光ファイバ59を容易に配設することができる。これにより、内視鏡11は、先端部15の外径を大きくせずに、製造を容易にしながら、明瞭な画像を得ることができる。
<第7構成例>
第7構成例の内視鏡11は、本実施形態の内視鏡11において、図3に示すように、レンズ支持部材39にレンズを収容するレンズユニット35と、撮像面41が素子カバーガラス43によって覆われる撮像素子33と、撮像面41の中心にレンズの光軸を一致させたレンズユニット35と素子カバーガラス43とを固定する接着用樹脂37と、最大外径Dmaxがダイシング可能な撮像素子33の基板の外接円の直径に相当する有限径〜1.8mmの範囲で形成される先端部15と、レンズユニット35の少なくとも一部及び撮像素子33をモールド樹脂17によって被覆して固定するモールド部65と、先端部15と同一外径で形成されてモールド部65の少なくとも一部を覆って接続される管状のシース61と、を備えることができる。
以下の説明において、同一の部材又は構成については同一の符号を付与して説明を簡略化又は省略する。また、第7構成例の内視鏡11(図3参照)の説明では、適宜、第9構成例の内視鏡11(図7参照)と対比しながら説明する。
シース61は、可撓性を有する樹脂材からなる。シース61を構成する樹脂材としては、例えばPTFEなどの表面の滑り性が良く柔軟な材料が用いられる。シース61は、強度を付与する目的で、内周側に単線、複数線、編組の抗張力線を備えることができる。抗張力線としては、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド繊維などのアラミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維などのポリエステル系繊維、ナイロン繊維、タングステンの細線、又はステンレス鋼の細線など一例として挙げることができる。
第7構成例の内視鏡11では、後述する第9構成例の内視鏡11(図7参照)と同様に、撮像素子33の全体と、レンズユニット35の撮像素子33側の少なくとも一部分と、伝送ケーブル31の一部分と、ライトガイド57の一部分とがモールド樹脂17によって被覆されて固定されている。「少なくとも」とは、モールド樹脂17が、レンズ支持部材39の外周全体を覆うことも含む概念である。モールド樹脂17は、撮像素子33とレンズユニット35とを覆うことで、その間の離間部47も連続して覆う。なお、第7構成例の内視鏡11の先端部15には、X線不透過マーカーが内包されてもよい。これにより、第7構成例の内視鏡11は、X線透視下における先端位置の確認が容易となる。
また、第7構成例の内視鏡11は、先端部15に、先端外表部材の一例としての先端フランジ部63、カバーチューブ69を備える。先端フランジ部63は、例えばステンレス鋼によって形成することができる。先端フランジ部63は、先端側より大径部と小径部とが連なった円筒状に形成される。先端フランジ部63の大径部の外径は、最大外径Dmax(1.8mm)で形成され、大径部には4つの光ファイバ59が挿入されるための挿入用穴(不図示)が設けられており、この挿入用穴からそれぞれの光ファイバ59が挿入される。小径部には、レンズユニット35が挿入されるための挿入用穴(不図示)が設けられており、この挿入用穴からレンズユニット35が挿入される。先端フランジ部63は、レンズユニット35を同軸に保持する。先端フランジ部63の大径部には、小径部よりも外側に、光ファイバ59の先端側を保持するためのファイバ保持孔67が穿設される。ファイバ保持孔67は、円周方向に等間隔で4つが設けられる。ファイバ保持孔67に先端側が挿入された光ファイバ59は、小径部に沿って後方へ導出される。
第7構成例の内視鏡11では、先端フランジ部63より後方の光ファイバ59は、カバーチューブ69の内側に配置される(図3参照)。カバーチューブ69は、先端フランジ部63と同一外径で形成される。カバーチューブ69は、金属、樹脂等を素材に形成される。カバーチューブ69は、先端が先端フランジ部63の大径部に当接し、少なくとも後端が伝送ケーブル31に到達する全長を有する。カバーチューブ69の内側には、モールド樹脂17が充填される。つまり、第7構成例の内視鏡11では、モールド部65がカバーチューブ69によって覆われている。なお、後述する第9構成例の内視鏡11では、カバーチューブ69が省略され、シース61の先端が先端部15の端面まで延出して設けられ、接着剤等で固定されていること(図7参照)を除けば、第7構成例の内視鏡11と同等の構成である。
カバーチューブ69に充填されたモールド部65は、カバーチューブ69の後端から後方へ延出する小径延出部71(図3参照)を有する。小径延出部71は、円柱状に成形され、4本の光ファイバ59を埋入している。小径延出部71は、4本の光ファイバ59の内側に伝送ケーブル31を埋入している。シース61は、内径側が、この小径延出部71の外周に接着剤等によって固定される。つまり、図3に示す第7構成例の内視鏡11では、先端フランジ部63、カバーチューブ69及びシース61は、1.8mmの同軸の最大外径Dmaxで連なっている。なお、図7に示す第9構成例の内視鏡11では、シース61の先端が、先端部15の端面まで1.8mmの最大外径Dmaxで形成されている。先端部15において、先端フランジ部63の先端面外周のエッジ部81は、鋭角ないし直角の角が無い曲面(R面)又は鈍角の傾斜面(C面)を形成している。
以上により、第7構成例並びに第9構成例の内視鏡11によれば、レンズユニット35の少なくとも一部、撮像素子33及び伝送ケーブル31の一部がモールド樹脂17によって被覆されて固定されるので、レンズユニット35と撮像素子33とを固定する際の介在部品が少ない。これにより、内視鏡11の先端部15を小径化することができ、更なる細径化を図る場合であっても、最小限の寸法で構成できる。また、部品コストを削減できる。例えば人体の血管のような非常に径が細い患部を撮像可能に適用可能な内視鏡11を実現することができる。この結果、内視鏡11において小型化、コスト低減を図ることができる。
また、モールド樹脂17は、撮像素子33とレンズユニット35とに渡って連続して成形されることで、撮像素子33とレンズユニット35との固定強度の増大に寄与する。また、モールド樹脂17は、離間部47の気密性(つまり、細かな隙間が少ない)、水密性、遮光性も高める。更に、モールド樹脂17は、ライトガイド57用の光ファイバ59が埋入された際の遮光性も高める。
また、内視鏡11は、先端部15に、ライトガイド57をモールド樹脂17によってモールドするので、ライトガイド57を構造材として作用させ、細径の内視鏡11においても、軟性部29と先端部15との接続強度を向上させることができる。更に、内視鏡11では、先端部15を先端フランジ部63の挿入側最表面(図6参照)から見た場合に、先端フランジ部63に予め設けられたレンズユニット35の挿入用穴(不図示)とレンズユニット35との間、更に、先端フランジ部63に各光ファイバ59に対応して予め設けられた4つのファイバ保持孔67とそれぞれの光ファイバ59との間がそれぞれ接着用樹脂37によって充填される。このため、内視鏡11において、上記した各挿入穴やファイバ保持孔67と各部材(つまり、レンズ支持部材39、光ファイバ59)との隙間が無くなる。また、内視鏡11では、先端フランジ部63とカバーチューブ69との間及びカバーチューブ69とシース61との間、又は先端フランジ部63とシース61との間がそれぞれ接着用樹脂37により接着され、これらの間に隙間は無くなる。従って、内視鏡11は、検査や手術の際に使用された後に滅菌作用が施される(つまり、洗浄される)と、内視鏡11に不要な液体等の洗浄残りが付着することが軽減され、次の検査又は手術に使用する際の衛生面において高度の利便性を有することができる。
また、従来の内視鏡には、先端部の軸線とレンズユニットの光軸とが偏芯しているものがある。このような構成では、先端部の回転角度によって被写体までの距離が変わりやすく、良好な画像を安定的に得にくい。更に、先端部の軸線とレンズユニットの光軸とが偏芯していると、先端部の回転角度によって管内壁と先端部との干渉具合が変わり、特に径が細い孔への進入時に操作性が低下する。これに対し、第7構成例の内視鏡11では、先端フランジ部63、カバーチューブ69及びシース61が同軸で連なっており、先端部15と同心円でレンズユニット35が配置される。このため、本実施形態の内視鏡11によれば、細径化しやすく、良好な画像を安定的に得ることができ、挿入操作性を高めることができる。
<第8構成例>
第8構成例の内視鏡11は、本実施形態の内視鏡11において、シース61の厚みを0.1〜0.3mmの範囲とすることができる。シース61の厚みは、カバーチューブ69と小径延出部71との間の段部における段差寸法と一致する。小径延出部71は、撮像素子33を挟んでレンズユニット35の反対側に突出する部分となる。即ち、小径延出部71は、中心に1本の伝送ケーブル31を配置し、その外側に、4本の光ファイバ59が配置されるのみとなる。従って、小径延出部71は、撮像素子33を埋入している部分のモールド部65に比べ、容易に小径化が可能となる。つまり、シース61は、外径がカバーチューブ69と同一であるので、肉厚の設計自由度が向上する。
以上により、第8構成例の内視鏡11によれば、シース61の厚みを0.3mmまで厚くできるので、シース61の引っ張り強度を高くすることが容易となる。
<第9構成例>
図7は、本実施形態の内視鏡11の先端部15にシース61を設けた構成例を示す断面図である。
第9構成例の内視鏡11は、本実施形態の内視鏡11において、シース61の厚みを0.1mmとすることができる。内視鏡11は、シース61の厚みを0.1mmとした場合、第7構成例の内視鏡11において説明したカバーチューブ69を不要とすることができる。即ち、第9構成例の内視鏡11は、シース61をカバーチューブ69の肉厚とほぼ同等の肉厚(0.1mm)とすることで、撮像素子33及びレンズユニット35を埋入している部分のモールド部65を覆うことが可能となる。第9構成例の内視鏡11では、シース61の先端が先端部15の端面まで延出して設けられて先端外表部材を構成しており、モールド部65の外周部に接着剤等で固定されている。シース61は、薄厚になることによって生じる引っ張り強度の低下を、上記の抗張力線等によって補うことができる。先端部15において、シース61の先端面外周のエッジ部81は、鋭角ないし直角の角が無い曲面(R面)又は鈍角の傾斜面(C面)を形成している。
以上により、第9構成例の内視鏡11によれば、シース61を先端部15の端面まで設けることにより、部品点数を少なくできる。また、先端外表部材を柔軟で滑り性の高い部材で構成できるため、挿入時の操作性を向上できる。
<第10構成例>
第2実施形態の内視鏡111は、第10構成例から第18構成例の各構成を有することができる。
図8は、本実施形態の内視鏡111の先端部15を前側から見た様子を示す斜視図である。図9は、本実施形態の内視鏡111の先端部15の構成例を示す断面図である。図10は、本実施形態の内視鏡111におけるレンズ及び撮像素子が接着用樹脂37を介して直付けされた状態の構成例を示す断面図である。図11は、本実施形態の内視鏡111の導体接続部49に伝送ケーブル31が接続された撮像素子33を後側から見た様子を示す斜視図である。図8に示す内視鏡111は、図9に示す先端部15の最大外径Dmaxを、ダイシング可能な撮像素子33の基板の外接円の直径に相当する有限径〜1.0mmの範囲で形成することができる。
本実施形態の内視鏡111では、光軸又はレンズ中心を通る軸方向の方向に垂直な方向における外形状が四角形状の撮像素子33として、一辺の寸法が0.5mm以下のものが使用される。これにより、内視鏡111は、撮像素子33の外形状が正方形状の場合、対角寸法が0.7mm程度となり、照明手段としてのライトガイド57(例えばφ50μm)を含めば、最大外径Dmaxが1.0mm以下のものが可能となる。
以上により、第10構成例の内視鏡111によれば、最大外径Dmaxを1.0mm未満とすることで、例えば人体の血管への挿入を更に容易に可能とすることができる。
<第11構成例>
第11構成例の内視鏡111は、本実施形態の内視鏡111において、図11に示すように、撮像素子33の基板が、正方形で形成され、導体接続部49が、撮像素子33の基板の四隅に配置されている。1つの導体接続部49は、例えば円形状に形成される。4つの導体接続部49は、正方形の四隅に配置されることによって、相互に最大距離で離間した配置が可能となっている。
伝送ケーブル31は、電線45である電力線及び信号線それぞれの導体が絶縁被覆によって覆われる。4本の電線45は、左右2本、上下2段に配置されて絶縁被覆の外周が更に外被によって束ねられて、一本の伝送ケーブル31となっている。それぞれの導体は、絶縁被覆が剥かれた状態で、4本が平行な直線状にフォーミングされる。電線45は、この導体の先端が、半田によって導体接続部49に接続される。撮像素子33と伝送ケーブル31とは、図9に示すように、モールド樹脂17によって覆われる。従って、導体接続部49、導体、電線45の絶縁被覆、及び伝送ケーブル31の外被は、モールド樹脂17に埋入される。
以上により、第11構成例の内視鏡111によれば、4つの導体接続部49を、撮像素子33の基板の四隅に配置できるので、4つの導体接続部49を、正方形の撮像素子33の基板において、図11に示すように、相互に最大距離で均等に離間させて配置させることができる。これにより、半田付けの工程において隣接する2つの導体接続部49が半田によって接続されることがなく、絶縁距離の確保が容易となって、先端部15の細径化を容易にすることができる。なお、第3構成例の内視鏡11において、図11に示すように、4つの導体接続部49が撮像素子33の基板の四隅に配置されてもよい。
<第12構成例>
第12構成例の内視鏡111は、図10に示すように、対物カバーガラス91と、素子カバーガラス43と、撮像面41が素子カバーガラス43によって覆われる撮像素子33と、対物カバーガラス91と素子カバーガラス43の間に挟まれ、撮像面41の中心に光軸が一致されたレンズ93と、対物カバーガラス91とレンズ93との間に設けられる絞り51と、レンズ93と素子カバーガラス43とを固定する接着用樹脂37と、レンズ93と素子カバーガラス43との間に設けられる空気層95と、を備える。
本実施形態の内視鏡111では、レンズ93と素子カバーガラス43とが接着用樹脂37を介して直付けされる。その結果、内視鏡111では、接着用樹脂37は、側面視でほぼ線状となる(図10、図11参照)。接着用樹脂37は、撮像面41の中心に光軸を一致させたレンズ93を、素子カバーガラス43に固定する。また、本実施形態の内視鏡111では、レンズ93と素子カバーガラス43とは、レンズ93の両端側のコバ部において接着用樹脂37によって直付けされており、接着用樹脂37はコバ部にのみ塗布される。
撮像素子33は、レンズ93の光軸又はレンズ中心を通る軸方向に垂直な方向の外形状が正方形である。撮像素子33では、外部から入射した光が、対物カバーガラス91とレンズ93との間に設けられる絞り51を通過し、その通過した光がレンズ93によって撮像面41に結像される。また、撮像素子33では、撮像面41が素子カバーガラス43によって覆われる。素子カバーガラス43は、光軸に対して垂直方向の外形状が正方形であり、その一辺の長さが撮像素子33の一辺の長さと同じである。
レンズ93は、例えば単一レンズであり、外形状が撮像素子33と同一の角柱状に形成され、かつ光軸又はレンズ中心を通る軸の方向に垂直な方向における断面が正方形状である。レンズ93は、対物カバーガラス91を通過した被写体からの入射光を、素子カバーガラス43を介して撮像素子33の撮像面41に結像する。レンズ93の素子カバーガラス43側の面には、凹部が形成される。凹部の底面には、略球面状に隆起した凸曲面部97が形成される。レンズ93は、凸曲面部97によって、光の集束を行う光学素子としての機能を有する。凸曲面部97の隆起先端は、素子カバーガラス43との間から若干離間する。一方、レンズ93は、凹部を包囲する四角環状の端面が、接着用樹脂37を介して素子カバーガラス43に接着される。これにより、レンズ93と素子カバーガラス43との間の凹部には、空気が封入された状態となる。この密閉空間となった凹部に封入される空気は、乾燥空気であることが好ましい。また、この凹部には、窒素が封入されてもよいこのように、レンズ93と素子カバーガラス43との間には、凹部を内容積とする空気層95が形成される。この空気層95には、凸曲面部97が配置される。つまり、レンズ93は、凸曲面部97の光出射面が、空気と接している。
最大外径Dmaxが1.0mmの内視鏡111では、レンズ枚数が減らせるか否かが細径化の重要な要件となる。従って、内視鏡111において単一レンズであるレンズ93を設けた場合、光軸方向に平行な幅方向における微小な領域で、レンズ93との間で如何に屈折率差を持たせるかが重要であり、第12構成例の内視鏡111では、レンズ93との間で大きな屈折率差が得られる空気層を光学素子面に設けたことを特徴としている。
以上により、第12構成例の内視鏡111によれば、レンズ93に凹部を形成し、その底面に凸曲面部97を形成し、四角環状の端面を素子カバーガラス43に接着したので、微小な領域に、レンズ93との屈折率差を大きくするための空気層95を確保することができる。同時に、レンズ93は、撮像面41との光軸合わせが容易にできるようになる。レンズ93は、空気層95を確保できたことにより、レンズ93との間で大きなレンズパワーを得ることが可能となる。これにより、内視鏡111においてレンズ枚数を1枚に減らすことができる。その結果、内視鏡111において小型化、コスト低減を図ることができる。
<第13構成例>
第13構成例の内視鏡111は、本実施形態の内視鏡111において、図9に示すように、対物カバーガラス91の対物面を除く外周面、レンズ93の外周面及び撮像素子33をモールド樹脂17によって被覆して固定するとともに先端部15の外殻を形成しかつ外部に露出するモールド部65と、先端部15と同一外径で形成されてモールド部65の少なくとも一部を覆って接続される管状のシース61とを備える。
シース61は、上記のように可撓性を有する樹脂材からなる。また、シース61は、上記のように強度を付与する目的で、内周側に単線、複数線、編組の抗張力線を備えることができる。抗張力線の材質は上記と同様である。
内視鏡111は、対物カバーガラス91と、レンズ93と、素子カバーガラス43と、撮像素子33の全体と、伝送ケーブル31の一部分と、ライトガイド57の一部分とが、モールド樹脂17によって被覆されて固定される。内視鏡111の先端部15は、モールド樹脂17によるモールド部65が外部に露出されており、このモールド部65が先端外表部材を構成している。なお、内視鏡11の先端部15には、X線不透過マーカーが内包されてもよい。これにより、内視鏡11は、X線透視下における先端位置の確認が容易となる。
内視鏡111は、対物カバーガラス91、レンズ93、素子カバーガラス43、撮像素子33、伝送ケーブル31の一部、ライトガイド57の一部(撮像ユニット)がモールド樹脂17によって被覆されて固定されるので、これら各部材同士を固定する際の介在部品が少ない。これにより、内視鏡111の先端部15を小径化することができ、更なる細径化を図る場合であっても、最小限の寸法で構成できる。また、部品コストを削減できる。例えば人体の血管のような非常に径が細い患部を撮像可能に適用可能な内視鏡111を実現することができる。この結果、内視鏡11において小型化、コスト低減を図ることができる。
また、モールド樹脂17は、撮像素子33から対物カバーガラス91までを覆って成形されるので、これら撮像ユニットの固定強度の増大に寄与する。また、モールド樹脂17は、空気層95の気密性(つまり、細かいな隙間が無い)、水密性、遮光性も高める。更に、モールド樹脂17は、ライトガイド57用の光ファイバ59が埋入された際の遮光性も高める。先端部15において、モールド部65の先端面外周のエッジ部81は、鋭角ないし直角の角が無い曲面(R面)又は鈍角の傾斜面(C面)を形成している。
また、内視鏡111は、先端部15に、ライトガイド57をモールド樹脂17によってモールドするので、ライトガイド57を構造材として作用させ、細径の内視鏡111においても、軟性部29と先端部15との接続強度を向上させることができる。また、内視鏡111では、先端部15を挿入側最表面(例えば図8参照)から見た場合に、モールド樹脂17が先端部15の対物カバーガラス91並びに4つの光ファイバ59を含めて被覆するので、対物カバーガラス91並びに4つの光ファイバ59のそれぞれの周囲のクリアランス(つまり、それぞれの周囲の隙間)が無い。従って、内視鏡111は、検査や手術の際に使用された後に滅菌作用が施される(つまり、洗浄される)と、内視鏡111に不要な液体等の洗浄残りが付着することが軽減され、次の検査又は手術に使用する際の衛生面においてより一層の高度な利便性を有することができる。
また、従来の内視鏡には、先端部の軸線とレンズユニットの光軸とが偏芯しているものがある。このような構成では、先端部の回転角度によって被写体までの距離が変わりやすく、良好な画像を安定的に得にくい。更に、先端部の軸線とレンズユニットの光軸とが偏芯していると、先端部の回転角度によって管内壁と先端部との干渉具合が変わり、特に径が細い孔への進入時に操作性が低下する。これに対し、本実施形態の内視鏡111では、対物カバーガラス91、レンズ93、素子カバーガラス43、撮像素子33が同軸で連なっている。つまり、先端部15と同心円で対物カバーガラス91が配置される。このため、本実施形態の内視鏡111によれば、細径化しやすく、良好な画像を安定的に得ることができ、挿入操作性を高めることができる。
<第14構成例>
第14構成例の内視鏡111は、シース61の厚みを、0.1〜0.3mmの範囲とすることが好ましい。
内視鏡111のモールド部65は、撮像素子33を覆った後端から後方へ延出する図9に示す小径延出部71を有する。小径延出部71は、円柱状に成形され、4本の光ファイバ59を埋入している。小径延出部71は、4本の光ファイバ59の内側に、伝送ケーブル31を埋入している。シース61は、内径側が、小径延出部71の外周に接着剤等によって固定される。つまり、モールド部65及びシース61は、1.0mmの同軸の最大外径Dmaxで連なっている。
以上により、第14構成例の内視鏡111によれば、シース61の厚みを0.3mmまで厚くできるので、シース61の引っ張り強度を高くすることが容易となる。また、伝送ケーブル31の最小外径は、現在0.54mm程度である。先端部15の最大外径Dmaxを1.0mmとした場合、シース61の厚みは、0.23mmとなる。これによって、内視鏡111は、シース61の厚みを上記の0.1〜0.3mmの範囲とすることで、先端部15の最大外径Dmaxを、1.0mmとすることを可能にすることができる。
<第15構成例>
第15構成例は、内視鏡111におけるレンズ93の構成の具体例として、レンズ形状の構成例を示すものである。図12、図13、図14は、本実施形態の内視鏡111におけるレンズ形状の第1例を示す図である。
第1例のレンズ93Aは、被写体側の第1面LR1が平面、撮像側の第2面LR2が凸面を有する単一レンズにより構成される。レンズ93Aの撮像側において、中央部は、凸面の第2面LR2のレンズ面を構成する略球面状に隆起した円型ドーム形状の凸曲面部97を持つ光学素子部201が形成され、周縁部は、端面が平面の接着面203を有する枠体となるコバ部202が一体的に形成されている。コバ部202は、光学素子部201の凸曲面部97の中心部よりも厚さ方向(光軸方向)の寸法が大きく、コバ部202の接着面203が凸曲面部97より突出した形状となっており、接着面203の全域に接着用樹脂37が付着して素子カバーガラス43と固定される部分となっている。コバ部202の接着面203は、外周部が正方形状で内周部が角丸正方形状の略方形状であり、角部を除く四辺がほぼ等幅になっている。コバ部202の接着面203において、四辺の等幅部分の接着幅Waは、例えば50μm以上となっている。コバ部202の内側は、第2面LR2のレンズ面となる凸曲面部97と素子カバーガラス43との間には空気層95が形成される。
レンズ93の厚さ方向の寸法(厚みSRt)は、例えば100μm〜500μmである。図示例では、コバ部202の厚みTEが200μm、光学素子部201の凸曲面部97(第2面LR2)の外周部における第1面LR1までの厚みTLが110μm〜120μmとなっている。また、光学素子部201の凸曲面部97の外周部からコバ部202の接着面203の内周部にかけては、レンズ中心から外周に向かって広がる傾斜面204を有している。傾斜面204の角度θAは、レンズ中心から見た開口の角度θAとすると、例えばθA=60°となっている。
図15、図16、図17は、本実施形態の内視鏡111におけるレンズ形状の第2例を示す図である。第2例のレンズ93Bは、レンズ93Bの撮像側において、中央部は、凸面の第2面LR2のレンズ面を構成する略球面状に隆起した円型ドーム形状の凸曲面部97を持つ光学素子部201が形成され、周縁部は、端面が平面の接着面203を有する枠体となるコバ部202が一体的に形成されている。ここでは、第1例と異なる部分の構成を中心に説明し、第1例と同様の部分については説明を省略する。コバ部202の接着面203は、外周部が正方形状で内周部が円型ドーム形状の凸曲面部97と同心円状の円形状であり、最小部分の接着幅Waは、例えば50μmとなっている。また、光学素子部201の凸曲面部97(第2面LR2)の外周部に形成された平面部205の幅Wcは、例えば13μmとなっている。また、光学素子部201の外周部の平面部205からコバ部202の接着面203の内周部にかけては、レンズ中心から外周に向かって広がる傾斜面204を有している。傾斜面204の角度θAは、レンズ中心から見た開口の角度θAとすると、例えばθA=60°となっている。
図18、図19、図20、図21は、本実施形態の内視鏡111におけるレンズ形状の第3例を示す図である。第3例のレンズ93Cは、レンズ93Cの撮像側において、中央部は、凸面の第2面LR2のレンズ面を構成する略球面状に隆起した円型ドーム形状の凸曲面部97を持つ光学素子部201が形成され、周縁部は、端面が平面の接着面203を有する枠体となるコバ部202が一体的に形成されている。ここでは、第1例と異なる部分の構成を中心に説明し、第1例と同様の部分については説明を省略する。中央部の光学素子部201は、円型ドーム形状の凸曲面部97の外周部において、レンズ外形の正方形の四辺に対応する円周上の4つの部分206を一部切り欠いた型形状になっている。周縁部のコバ部202は、接着面203の内周部から樽型形状の光学素子部201の外周部にかけて傾斜面204が形成されている。図21に示すように、第3例のレンズ93Cは、正方形の撮像素子33の撮像面211に対して、円形のレンズ93Cのイメージサークル212の不要部分、即ち、撮像面211の四辺より外側の領域213に結像する光線が入射する4つの外周領域214をカットした形状となっている。コバ部202の内周部の傾斜面204の角度θAは、レンズ中心から見た開口の角度θAとすると、例えばθA=90°となっており、第1例及び第2例と比べて傾きをなだらかに形成することができる。一方、第1例及び第2例と同様に、コバ部202の内周部の傾斜面204の角度θAを、θA=60°とすると、コバ部202の接着面203の接着幅Waをより大きくとることができる。
レンズ93は、例えばナノインプリント、射出成型等によって作製される。レンズ93は、ナノインプリントの原版等による金型を用いて、同一形状の微小なレンズが複数配列されたレンズ群を形成し、成型物のレンズ群を離型した後、ダイシング等によって個々のレンズに切断することによって作製する。レンズ93を作製する際、金型からレンズ93を抜くために抜き勾配を設ける必要があり、レンズ93の傾斜面204が抜き勾配として作用する。成型物の抜き勾配はできるだけ大きくとった方が離型性の点で良くなるため、離型性の点からはレンズ93の傾斜面204はレンズ93の光軸と垂直な面に対してなだらかな方が望ましい。一方、レンズ93の外形寸法を小さくするには、レンズ93の傾斜面204はできるだけ立たせた方がよい。また、レンズ93を接着用樹脂37によって素子カバーガラス43と接着する場合に、接着用樹脂37が付着するコバ部202の接着面203は、できるだけ接着面積が大きい方が接着強度の点から好ましい。
このため、レンズ93の細径化、離型性、接着強度の各要素を総合的に考慮し、レンズ93と素子カバーガラスと43をコバ部202において確実に接着可能とするため、コバ部202の接着面203の寸法を設定する。例えば外形形状が四角柱状のレンズ93の大きさの例として、光軸方向又はレンズ中心を通る軸方向に垂直な断面の正方形の一辺の寸法が0.5mmである場合、コバ部202の接着面203は、接着幅Waを例えば50μm以上としている。この場合、先端部15の最大外径Dmaxを1.0mm以下とした内視鏡111において、レンズ93の外形の一辺の寸法を0.5mm以下とし、コバ部202における接着面203の接着幅Waが50μm以上確保される。また、レンズ93の小型化と離型性とを両立するために、傾斜面204の角度θAは、レンズ中心から見た開口の角度θAとすると、例えば60°≦θA≦90°としている。この場合、傾斜面204の角度は、レンズ93の光軸方向(離型方向と平行な方向)に対して30°以上、45°以下であり、レンズ93の光軸又はレンズ中心を通る軸方向と垂直な面に対して60°以下、45°以上となる。
以上により、第15構成例の内視鏡111によれば、先端部15の最大外径Dmaxを1.0mm以下とすることが可能な細径のレンズ93を実現できる。また、細径化を図ったレンズ93において、コバ部202の接着面203の接着幅Waを50μm以上とすることにより、レンズ93と素子カバーガラス43との接着面積を十分に確保できるので確実に接着固定することが可能になる。また、レンズ93における中央部の光学素子部201と周縁部のコバ部202との間の傾斜面204の角度として、レンズ中心から見た開口の角度θAを、60°≦θA≦90°とすることにより、レンズ作製時の離型性を向上できる。
<第16構成例>
第16構成例は、内視鏡111におけるレンズ93と素子カバーガラス43との接着面の構成例を示すものである。
図22は、本実施形態の内視鏡111のレンズ93における素子カバーガラス43との接着面の構成例を示す図である。レンズ93は、四角柱状の外形形状を撮像素子33の素子カバーガラス43と一致させて接着用樹脂37により接着することによって、撮像素子33の撮像面41との光軸合わせを容易に行って固定することができる。レンズ93のコバ部202の接着面203は、素子カバーガラス43と接着固定するために対向させた状態で、素子カバーガラス43の端面と平行な平面ではなく、所定角度を有するように傾斜した傾斜部207を有するものでもよい。接着面203の傾斜部207は、コバ部202の内周部から外周部の方向へ傾斜したテーパ形状であり、外周部の厚さ寸法が微小に小さくなっている。接着面203の傾斜部207の傾斜角は、例えば0.5°以上となっている。レンズ93を素子カバーガラス43と接着するために、コバ部202の接着面203に接着用樹脂37を微小塗布する場合、接着面203の傾斜部207によって、接着面上の接着用樹脂37が外周側に移動し易く、コバ部202より内側に入り難くなり、光学素子部201に形成される空気層95に接着用樹脂37が干渉することを抑止可能となる。
以上により、第16構成例の内視鏡111によれば、レンズ93と素子カバーガラス43との間の空気層95に接着用樹脂37が侵入することを抑止でき、空気層95を確保しつつレンズ93と素子カバーガラス43とを確実に接着固定することが可能になる。
<第17構成例>
第17構成例は、内視鏡111における光学系の構成の具体例を示すものである。
以下に、対物カバーガラス91、レンズ93、素子カバーガラス43を含む光学系の構成の具体例を示す。
・対物カバーガラス91
対物カバーガラス91の厚みTGt: TGt=0.1〜0.5mm
対物カバーガラス91の材料の一例: BK7(Schott社製)、nd=1.52、νd=64.2
対物カバーガラス91の屈折率ndF: 1.3≦ndF
対物カバーガラス91のアッベ数νdF: 30≦νdF
・素子カバーガラス43
素子カバーガラス43の厚みSGt: SGt=0.1〜0.5mm
素子カバーガラス43の材料の一例: BK7(Schott社製)、nd=1.52、νd=64.2
素子カバーガラス43の屈折率ndR: 1.3≦ndR≦2.0、ndF≦ndR
素子カバーガラス43のアッベ数νdR: 40≦νdR、νdF≦νdR
・レンズ93
レンズ93の焦点距離f: 0.1mm≦f≦1.0mm
レンズ93のFナンバーFNO: 1.4≦FNO≦8.0
<第18構成例>
第18構成例は、内視鏡111における撮像素子33の構成の具体例を示すものである。図23、図24は、本実施形態の内視鏡111における撮像素子33の第1例を示す図である。
第1例の撮像素子33Aは、レンズ93の光軸又はレンズ中心を通る軸方向に対し垂直な平面で切った断面の形状が四角形状に形成されている。この場合、素子カバーガラス43A側の撮像面及び伝送ケーブル31側の端子面の外形の形状が四角形状であり、撮像素子33A及び素子カバーガラス43Aの外形形状が四角柱状に形成されている。また、撮像素子33A及び素子カバーガラス43Aと、図示しないレンズ93とは、外形形状が同一の四角柱状に形成される。
撮像素子33Aの後端側に設けられる基板(端子面)には、回路パターンによる電気回路99Aが設けられるとともに、4つの角部にそれぞれ導体接続部(接続ランド)49が設けられ、4本の電線45による伝送ケーブル31が半田付け等によって接続されている。即ち、撮像素子33Aの端子面の4つの角部において4本の電線45が接続されている。4本の電線45は、端部がそれぞれクランク状に成形された状態で、撮像素子33Aの端子面の4つの角部に位置して接続される。ここで、撮像素子33Aの外形の幅(四角形断面の1辺の長さ)SQLは、例えば0.5mm以下であり、4本の電線45の隣同士の電線間ピッチPCは、例えば0.3mm以上となっている。
図25、図26は、本実施形態の内視鏡111における撮像素子33の第2例を示す図である。第2例の撮像素子33Bは、レンズ93の光軸又はレンズ中心を通る軸方向に対し垂直な平面で切った断面の形状が八角形状に形成され、撮像素子33B及び素子カバーガラス43Bの外形形状が八角柱状に形成されている。また、撮像素子33B、素子カバーガラス43B及び電気回路99Bと、図示しないレンズ93とは、外形形状が同一の八角柱状に形成される。ここでは、第1例と異なる部分の構成を中心に説明し、第1例と同様の部分については説明を省略する。
第2例は、撮像素子33Bの断面形状において四角形の4つの角部(四隅)をそれぞれ一つの切り取り面221Bで切り取った(面取りした)八角形の形状を持つ例である。撮像素子33Bの外形の切り取り部分の寸法は、四角形の頂点に対する切り取り面221Bの端部までの寸法CSが、例えば20〜50μmとなっている。このように、撮像素子33Bの外形の4つの角部を切り取り面221Bにて切り取ることにより、4本の電線45の電線間ピッチPCをできるだけ離すとともに、撮像素子33Bの対角方向の外形寸法を小さくでき、内視鏡のさらなる細径化に寄与することができる。例えば切り取り部分の寸法CSを21.2μmとすると、撮像素子33Bの対角方向の外形寸法は一か所で15μm小さくなり、対角方向の両端で30μm細径になる。この切り取り面221Bの構成を、外形形状が正方形の状態で一辺の外形寸法SQLが0.5mm、対角方向の外形寸法が0.705mmの撮像素子に適用すると、面取りによって対角方向の外形寸法が0.675mmと小さくなり、φ0.7mm以下の細径内視鏡を実現可能となる。
図27、図28は、本実施形態の内視鏡111における撮像素子33の第3例を示す図である。第3例の撮像素子33Cは、レンズ93の光軸又はレンズ中心を通る軸方向に対し垂直な平面で切った断面の形状が12角形状に形成され、撮像素子33C及び素子カバーガラス43Cの外形形状が12角柱状に形成されている。また、撮像素子33C、素子カバーガラス43C及び電気回路99Cと、図示しないレンズ93とは、外形形状が同一の八角柱状に形成される。ここでは、第1例と異なる部分の構成を中心に説明し、第1例と同様の部分については説明を省略する。第3例は、撮像素子33Cの断面形状において四角形の4つの角部をそれぞれ二つの切り取り面221Cで切り取った12角形の形状を持つ例である。撮像素子33Cの外形の切り取り部分の寸法は、二面で切り取ることにより、四角形の頂点に対する切り取り面の端部までの寸法CSを第2例と比較して大きくできる。従って、撮像素子をより細径化できる。
なお、撮像素子33のレンズ光軸又はレンズ中心を通る軸方向に対して垂直方向の断面形状は、四角形、八角形、12角形に限らず、16角形など、4×n角形(nは自然数)とすればよい。このように、撮像素子33の断面形状を4×n角形に構成することによって、4本の電線45による伝送ケーブル31を接続可能としつつ、撮像素子及び内視鏡をより細径化できる。また、撮像素子33の4×n角形の断面形状の四隅が面取りされた形状とすることによって、撮像素子33の対角方向の寸法をより小さくでき、さらなる細径化に寄与できる。
以上により、第18構成例の内視鏡111によれば、先端部15の最大外径Dmaxを1.0mm以下とすることが可能な細径の撮像素子33を実現できる。
本実施形態の内視鏡111では、挿入部21の先端部15に設けられ、撮像面41が素子カバーガラス43によって覆われる撮像素子33と、被写体からの入射光を撮像面41に結像するレンズ93と、レンズ93と素子カバーガラス43とを固定する接着用樹脂37と、を備える。レンズ93は、外形形状が角柱状に形成され、被写体側の第1面が平面、撮像側の第2面が凸面を有する単一レンズにより構成される。レンズ93の撮像側において、中央部は、凸面のレンズ面を構成する略球面状に隆起した凸曲面部97を持つ光学素子部201が形成され、周縁部は、端面が平面の接着面203を有するコバ部202が一体的に形成されている。これにより、先端部15の最大外径Dmaxを1.0mm以下とすることが可能な細径のレンズ93を実現できる。
また、本実施形態の内視鏡111では、レンズ93Cの光学素子部201は、円型ドーム形状の凸曲面部97の外周部において、レンズ外形の正方形の四辺に対応する円周上の4つの部分を一部切り欠いた型形状である。これにより、光学素子部201とコバ部202との間の傾斜面204の傾きをなだらかに形成することができ、レンズ作製時の離型性を向上できる。また、傾斜面204の傾きが同じ場合は、コバ部202の接着面203の接着幅Waをより大きくとることができ、接着強度を向上できる。
また、本実施形態の内視鏡111では、レンズ93は、凸曲面部97の外周部から接着面203の内周部にかけて、レンズ中心から外周に向かって広がる傾斜面204を有し、傾斜面204の角度が、レンズ中心から見た開口の角度θAとすると、60°≦θA≦90°であり、接着面203の接着幅Waが50μm以上である。これにより、細径化を図ったレンズ93において、レンズ93と素子カバーガラス43とを確実に接着固定することが可能になる。また、傾斜面204の角度を十分に確保することにより、レンズ作製時の離型性を向上できる。
また、本実施形態の内視鏡111では、レンズ93の接着面203は、コバ部202の内周部から外周部の方向へ傾斜したテーパ形状の傾斜部207を有する。これにより、接着面203に塗布した接着用樹脂37が外周側に移動し易く、コバ部202より内側に入り難くなり、光学素子部201に形成される空気層95に接着用樹脂37が干渉することを抑止できる。
また、本実施形態の内視鏡111では、撮像素子33、素子カバーガラス43、接着用樹脂37、レンズ93とともに、撮像素子33の撮像面41と反対側の面に設けられた4つの導体接続部49のそれぞれに接続される4本の電線45を有する伝送ケーブル31を備える。撮像素子33は、レンズ93の光軸又はレンズ中心を通る軸方向に対して垂直方向の断面形状が4×n角形(nは自然数)であり、4本の電線45は、撮像素子33の4×n角形の後端面の四隅に配置された4つの導体接続部49にそれぞれ接続される。これにより、先端部15の最大外径Dmaxを1.0mm以下とすることが可能な細径の撮像素子33を実現できる。
また、本実施形態の内視鏡111では、撮像素子33の4×n角形の断面形状の四隅が面取りされた形状となっている。これにより、撮像素子33の対角方向の寸法をより小さくでき、さらなる細径化に寄与できる。
また、本実施形態の内視鏡111では、撮像素子33及び素子カバーガラス43と、レンズ93とは、外形形状が同一の4×n角形の角柱形状である。これにより、レンズ93から素子カバーガラス43を経て撮像素子33までの外径をより細径化できる。
また、本実施形態の内視鏡111では、撮像素子33は、光軸又はレンズ中心を通る軸方向に対して垂直方向の断面の4×n角形の一辺の長さが、0.5mm以下である。これにより、撮像素子33の対角方向の外形寸法を0.7mm程度と細径化できる。
また、本実施形態の内視鏡111では、先端部15の最大外径が、撮像素子33の基板の外接円の直径に相当する有限径〜1.0mmの範囲で形成される。これにより、最大外径Dmaxを1.0mm未満とすることで、例えば人体の血管への挿入を更に容易に可能とすることができる。
<第19構成例>
第19構成例の内視鏡は、図3に示す本実施形態の内視鏡11において、先端部15に設けられる先端フランジ部63の先端面外周のエッジ部81が、曲面のR面を形成している。これにより、エッジ部81は、鋭角ないし直角の角が無く、滑らかな面で構成され、先端外表面において引っ掛かりが生じにくい形状となっている。エッジ部81は、鋭角ないし直角の角が無い面となった状態であればよく、R面に限らず、C面など、角が面取りされた曲面又は90度を超える鈍角の面(傾斜面)であればよい。エッジ部81をR面により構成した場合、曲率半径Rは、先端部15の最大外径Dmaxが2.0以下、これより小型化した1.8mm以下、或いは更に小型化した1.0mm以下のとき、Rを0.08mm以上とするのがよい。
なお、先端部15のエッジ部81は、図3に示す先端フランジ部63と同様に、先端外表部材を構成する図7に示す先端面まで延出したシース61、或いは図9に示すモールド部65においても、同様に適用して、R面等の鋭角ないし直角の角が無い面を設けてもよい。エッジ部81をC面等の鈍角の傾斜面で形成した場合、面取り部分の寸法を0.08mm以上とするのがよい。
図29は、本実施形態の内視鏡の先端部15を管状の挿入部位85に挿入する状態を示す図である。図29では、先端フランジ部63のエッジ部81に曲率半径RがR=0.08mmのR面を設けた構成例を示している。挿入部位85は、例えば血管などの狭窄な管路であり、管路の屈曲部に沿って挿入する様子を模式的に示している。曲率半径Rが0.08mm以上のエッジ部81を設けることにより、先端部15が挿入部位85の管路内に引っ掛かること無く、スムーズに管路に沿って挿入することができる。
(実施例1)
実施例1として、図3の構成による先端フランジ部63のエッジ部81の曲率半径RをR=0.08mmとした場合を示す。挿入部位85の管路の屈曲部の曲率半径RaはRa=50mmとする。この場合、内視鏡挿入部の光軸又はレンズ中心を通る軸方向に沿って後ろから押す力Fp(以下、この力を「プッシュ力」と称する)は、Fp(Ra50)=11.3g重であった。プッシュ力Fpは、値が小さいほど、先端部15の挿入時の抵抗が少なく、スムーズに挿入部位85内に挿入され、良好な操作性が得られることを表すパラメータである。挿入部位85の曲率半径Raが小さくなるに従い、また、エッジ部81の曲率半径Rが小さくなるに従い、プッシュ力Fpが大きくなる傾向がある。挿入部位85の曲率半径Raが比較的大きい場合は、プッシュ力Fpに関してエッジ部81の曲率半径Rの影響は少ない。一方、挿入部位85の曲率半径RaがRa=50mmなど小さい場合は、プッシュ力Fpの改善において、エッジ部81の曲率半径Rの変更が効果的であることが実験により判明している。プッシュ力Fpが15g重以下であれば、スムーズに先端部15を挿入することでき、挿入時の操作性は良好である。実施例1では、エッジ部81の曲率半径Rを0.08mm以上にすることによって、プッシュ力Fpが15g重以下となり、挿入時の操作性を向上できる。
図30は、比較例の内視鏡の先端部515を管状の挿入部位85に挿入する状態を示す図である。図30では、先端フランジ部563にR面のエッジ部81を設けない構成とした例を示している。この比較例では、先端部515の先端面が角部583となっており、挿入部位85への挿入時の抵抗が大きく、管路内に先端部515の角部583が引っ掛かってスムーズに挿入できない場合がある。
(比較例1)
比較例1として、先端部515の先端フランジ部563に角部583として曲率半径RがR=0.03mmのR面を形成した場合を示す。この比較例1は、先端外表部材にエッジ部81を設けない例として、直角の角部の代わりに、R=0.03mmの小さなR面による角部583を形成した例である。挿入部位85の管路の屈曲部の曲率半径Raは、実施例1と同様にRa=50mmとする。この場合、プッシュ力FpはFp(Ra50)=32.0g重であり、挿入時の抵抗が大きい結果となった。
(比較例2)
比較例2として、図7の構成と同様にシース61を先端面まで延出して設けた構成において、エッジ部81を形成しない場合を示す。この比較例2は、先端外表部材をシース61により構成し、シース61の先端面をR面等が無い角部のままとした例である。挿入部位85の管路の屈曲部の曲率半径Raは、実施例1と同様にRa=50mmとする。この場合、プッシュ力FpはFp(Ra50)=16.7g重であり、外表面がシースであるために柔軟で滑り性が良く、挿入時の抵抗が比較的小さくなるが、実施例1と比べるとプッシュ力Fpが大きく、実施例1よりも操作性が劣る結果となった。一方、本実施形態の構成において、シース61の先端にR面のエッジ部81を設け、曲率半径Rを0.08mm以上とすれば、さらにプッシュ力Fpを低減でき、操作性をより一層向上可能であることがわかる。
以上により、第19構成例の内視鏡11、111によれば、先端部15のエッジ部81において曲率半径Rが0.08mm以上のR面を形成することによって、挿入時の抵抗を減少させてプッシュ力Fpを低減できる。したがって、極細径の内視鏡における先端部15の小型化を図るとともに、挿入時の操作性を向上させることができる。
上記した第1〜第9構成例、第19構成例において、最大外径Dmaxは、1.8mm以下である。また、第10〜第18構成例において、最大外径Dmaxは、1.0mm以下である。なお、内視鏡11の最大外径Dmaxは、2mm未満であってもよい。撮像素子33は、第1〜第9構成例、第19構成例において、1辺の長さが最大で1.0mmであり、第10〜第18構成例において、1辺の長さが最大で0.51mmであり、厚みは0.51mmである。
以上、図面を参照しながら実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
本発明は、先端部の小型化を図るとともに、挿入時の操作性を向上できる細径の内視鏡等として有用である。
11、111 内視鏡
15 先端部
17 モールド樹脂
31 伝送ケーブル
33、33A、33B、33C 撮像素子
35 レンズユニット
37 接着用樹脂
41 撮像面
43 素子カバーガラス
57 ライトガイド(照明手段)
59 光ファイバ
61 シース
63 先端フランジ部
65 モールド部
69 カバーチューブ
81 エッジ部
91 対物カバーガラス
93、93A、93B、93C レンズ(単一レンズ)

Claims (8)

  1. レンズ中心を通る軸方向に対して垂直方向の外形状が円形の少なくとも1つのレンズと、
    前記軸方向に対して垂直方向の外形状が四角形であり、その一辺の長さが前記レンズの径の長さと同一の撮像素子と、
    前記撮像素子の撮像面を覆い、前記軸方向に対して垂直方向の外形状が四角形であり、その一辺の長さが前記撮像素子の一辺の長さと同一の素子カバーガラスと、
    前記撮像面の中心に前記レンズの光軸を一致させた状態の前記レンズと前記素子カバーガラスとを固定する接着用樹脂と、
    前記撮像素子に接続された伝送ケーブルと、
    前記伝送ケーブルを覆う管状のシースと、
    前記レンズ、前記素子カバーガラス、及び前記撮像素子の各外側面を包囲し、前記シースと外周面が面一に連なるように接続され、先端部を構成する先端外表部材と、を備え、
    前記レンズ及び前記先端外表部材を含む前記先端部の最大外径は1.8mmであり、
    前記先端外表部材の先端面外周は、曲率半径Rが0.08mm以上のR面が形成されるエッジ部を有する、
    内視鏡。
  2. レンズ中心を通る軸方向に対して垂直方向の外形状が四角形の単一レンズと、
    前記軸方向に対して垂直方向の外形状が四角形であり、その一辺の長さが前記単一レンズの一辺の長さと同一の撮像素子と、
    前記撮像素子の撮像面を覆い、前記軸方向に対して垂直方向の外形状が前記撮像素子の外形状と同一の素子カバーガラスと、
    前記撮像面の中心に前記単一レンズの光軸を一致させた状態の前記単一レンズと前記素子カバーガラスとを固定する接着用樹脂と、
    前記撮像素子に接続された伝送ケーブルと、
    前記伝送ケーブルを覆う管状のシースと、
    前記単一レンズ、前記素子カバーガラス、及び前記撮像素子を覆って固定するとともに、先端部を構成するモールド部と、を備え、
    前記モールド部と前記シースとは同軸に連なるように接続され、前記単一レンズ及び前記モールド部を含む前記先端部の最大外径は1.0mmであり、
    前記モールド部による先端外表部材の先端面外周は、曲面又は鈍角の面に形成されたエッジ部を有する、
    内視鏡。
  3. レンズ中心を通る軸方向に対して垂直方向の外形状が円形の少なくとも1つのレンズと、
    前記軸方向に対して垂直方向の外形状が四角形であり、その一辺の長さが前記レンズの径の長さと同一の撮像素子と、
    前記撮像素子の撮像面を覆い、前記軸方向に対して垂直方向の外形状が四角形であり、その一辺の長さが前記撮像素子の一辺の長さと同一の素子カバーガラスと、
    前記撮像面の中心に前記レンズの光軸を一致させた状態の前記レンズと前記素子カバーガラスとを固定する接着用樹脂と、
    前記撮像素子に接続された伝送ケーブルと、
    前記伝送ケーブルを覆うとともに、前記レンズ、前記素子カバーガラス、及び前記撮像素子の各外側面を包囲し、先端部において先端外表部材を構成する管状のシースと、を備え、
    前記レンズ及び前記シースを含む前記先端部の最大外径は1.8mmであり、
    前記シースによる先端外表部材の先端面外周は、曲面又は鈍角の面に形成されたエッジ部を有する、
    内視鏡。
  4. 請求項2または3のいずれか一項に記載の内視鏡であって、
    前記エッジ部は、曲率半径Rが0.08mm以上のR面が形成されている、
    内視鏡。
  5. レンズと、
    前記レンズから入射した光を撮像する撮像素子と、
    前記撮像素子の撮像面を覆う素子カバーガラスと、
    前記レンズと前記素子カバーガラスとを固定する接着用樹脂と、
    前記撮像素子に接続された伝送ケーブルと、
    前記伝送ケーブルを覆う管状のシースと、
    前記レンズ、前記素子カバーガラス、及び前記撮像素子の各外側面を包囲し、前記シースと外周面が面一に連なるように接続され、先端部を構成する先端外表部材と、を備え、
    前記レンズ及び前記先端外表部材を含む前記先端部の最大外径は1.8mmであり、
    記先端外表部材の先端面外周は、曲率半径Rが0.08mm以上のR面が形成されるエッジ部を有する、
    内視鏡。
  6. レンズと、
    前記レンズから入射した光を撮像する撮像素子と、
    前記撮像素子の撮像面を覆う素子カバーガラスと、
    前記レンズと前記素子カバーガラスとを固定する接着用樹脂と、
    前記撮像素子に接続された伝送ケーブルと、
    前記伝送ケーブルを覆う管状のシースと、
    前記レンズ、前記素子カバーガラス、及び前記撮像素子を覆って固定するとともに、先端部を構成するモールド部と、を備え、
    前記レンズ及び前記モールド部を含む前記先端部の最大外径は1.0mmであり、
    前記モールド部による先端外表部材の先端面外周は、曲率半径Rが0.08mm以上のR面が形成されるエッジ部を有する、
    内視鏡。
  7. レンズと、
    前記レンズから入射した光を撮像する撮像素子と、
    前記撮像素子の撮像面を覆う素子カバーガラスと、
    前記レンズと前記素子カバーガラスとを固定する接着用樹脂と、
    前記撮像素子に接続された伝送ケーブルと、
    前記伝送ケーブルを覆うとともに、前記レンズ、前記素子カバーガラス、及び前記撮像素子の各外側面を包囲し、先端部において先端外表部材を構成する管状のシースと、を備え、
    前記レンズ及び前記シースを含む前記先端部の最大外径は1.8mmであり、
    前記シースによる先端外表部材の先端面外周は、曲率半径Rが0.08mm以上のR面が形成されるエッジ部を有する、
    内視鏡。
  8. 人体の血管に挿入される挿入部を有する内視鏡であって、
    レンズと、
    前記レンズから入射した光を撮像する撮像素子と、
    前記撮像素子の撮像面を覆う素子カバーガラスと、
    前記撮像素子に接続された伝送ケーブルと、
    少なくとも前記レンズ、前記撮像素子および前記素子カバーガラスを包囲し、前記挿入部の先端に位置する先端部を構成する先端外表部材と、を備え、
    前記先端外表部材の先端面外周は、曲率半径Rが0.08mm以上のR面が形成されるエッジ部を有する、
    内視鏡。
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