JP6586675B2 - 回転ノズル - Google Patents
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上記の除水工程では、製品の表面に付着している水滴を吹き飛ばすために除水装置が用いられている。
段ボール箱の外側に水がしみ出したり、容器の外側にカビが生えたりしていても、多くの場合、食品そのものにはほとんど影響がない。しかし、現在の食品業界では、このようなことは絶対に許されない厳しさがある。そのために、段ボール箱に水がしみ出ていたり、容器にカビが生えていたりすれば、それが返品の要因になってしまう。
この除水装置は、本体1の上部にネットコンベア2を設け、このネットコンベア2上に、除水対象物を載せて搬送するようにしている。
上記ケース6は、その一方に底部6aを設けるとともに、底部6aとは反対側に開口部6bを設けている。そして、底部6aには圧縮エアを導入する導入孔10を形成するとともに、この導入孔10に連続して、上記第1のエア噴射ユニット4または第2のエア噴射ユニット5に固定される取付けパイプ11が、一体的に設けられている。この取付けパイプ11を、第1,2のエア噴射ユニット4,5に取り付ける。
上記旋回部7bは、先端の噴射口7cから噴射する圧縮エアの反力が、軸部7aを回転させる回転力となる位置及び軸部7aに対する角度を保っている。
上記の構成のもとで、エア噴射ユニット4,5に圧縮エアが供給されると、その圧縮エアは、取付けパイプ11からノズルチューブ7に導かれ、噴射口7cから勢いよく噴射される。
このときの圧縮エアの噴射反力で軸部7aが回転し、上記旋回部7bが軸部7aの軸線を中心に旋回して圧縮エアの噴射方向も旋回する。
このように回転力が小さいため、少しでも回転抵抗が大きくなれば、ノズルチューブ7は回転しなくなってしまう。そのため、上記ボールベアリング8が小さな回転力でスムーズに回転することが重要である。
洗浄水が水道水の場合に、その水滴がケース6内に侵入すれば、カルキが析出してボールベアリング8に固着し、回転の抵抗となってしまう。また、洗浄水が水道水でなくても、水滴に含まれるミネラルや塵などの異物がボールベアリング8に入り込んで、回転の抵抗となることもある。このように、異物の侵入などで少しでも回転抵抗が大きくなれば、ノズルチューブ7はスムーズな回転ができなくなり、時には回転が止まってしまうこともある。
そして、上記回転ノズルAを除塵装置に用いたときにも、圧縮エアで吹き飛ばされた塵がケース6の開口部6bから入り込んでボールベアリング8に付着すれば、回転に対して抵抗力として作用する。
しかし、覆い板9は平板状であり、ケース6の開口部6bとの間には、隙間S1を維持しなければならない。覆い板9と開口部6bとが接触していたのでは、接触面の摩擦が回転の抵抗となってしまうからである。
そのため、上記開口部6bと覆い板9との小さな隙間S1からも、水滴や塵がケース6内に入り込んでしまうことがある。
つまり、従来の覆い板9では、ケース6内への水滴などの侵入を阻止できないことがあった。
また、ボールベアリング8に異物が付着してスムーズな回転ができなくなれば、回転ノズルAを交換しなければならない。ケース6内に水滴などが入り込みやすい回転ノズルAでは、交換頻度が高くなり、コストも手間もかかるという問題もあった。
さらに、回転ノズルAの交換時には、この回転ノズルAが設けられた除水装置や除塵装置を停止しなければならない。そのため、これらの装置を必要とする製造ラインの生産効率までも落としてしまうという問題があった。
さらに、ノズルチューブであって上記第1カバーと上記ケースとの間には、上記ノズルチューブに導かれた圧力を上記第1カバー内に導くための1または複数の小孔とが設けられ、上記裾部と上記ケースの外周面との隙間は、上記第1カバー内に導かれた圧力を上記第1ケース外の圧力よりも高く維持する大きさに保たれている。
そのため、この発明の回転ノズルを除水装置や除塵装置に用いた場合には、スムーズな高速回転が維持されるので、長期にわたって除水または除塵効率を高く保つことができる。また、上記除水装置や除塵装置を用いた生産ラインの生産効率も維持できる。
さらに、第1カバー内に、圧縮エアの圧力を導いて、第1カバー内の圧力を外部の圧力よりも高く維持することができる。このように、第1カバー内の圧力を外部よりも高く保てるので、水滴や塵などが、第1カバーの外から内部へ侵入しにくくなる。したがって、第1カバーで覆われたケース内にも水滴などが入りにくく、軸受に異物が付着することを防止できる。
この旋回部15bは、先端の噴射口15cから噴射する圧縮エアの反力が、軸部15aを回転させる回転力となる位置及び軸部15aに対する角度を保っている。
上記のようにしたケース12には、上記ノズルチューブ15の軸部15aが組み込まれるが、この軸部15aとケース12との間に、この発明の軸受であるボールベアリング16が挿入されている。
このボールベアリング16は、内輪16aと外輪16bとの間に保持器17で保持された複数のボール18が組み込まれている。このボールベアリング16は、ボール18が転動することで、圧縮エアの噴射反力のような小さな回転力でも、スムーズな回転を可能にしている。
一方、ケース12の内壁であって、開口部12b側には止め輪21を固定するとともに底部12aから押しネジ22をねじ込み、この押しネジ22と止め輪21との間にボールベアリング16の外輪16bを固定している。なお、上記止め輪21と外輪16bとの間には、スペーサー23を介在させている。これにより、上記外輪16bとケース12とが一体化される。
また、上記裾部26bは、その全周がケース12の外周まで伸びて、ケース12の開口部12bの開口レベルLを越えている。この第1実施形態では、上記裾部26bの先端は底部12b側に向かって上記開口レベルLを越えているが、上記裾部26bの先端は、少なくとも上記開口レベルLに達していればよい。
なお、上記したように、第1カバー26の軸孔26cの内径と軸部15aの外径とを一致させているので、第1カバー26の覆い部26aの表面に水滴がついても、それが軸孔26cから第1カバー26の内側に入り込むことはない。
この小孔28から第1カバー26内に導かれる圧力は、圧縮エアの噴射圧力に対応するもので、第1カバー26の外の圧力よりも高い。したがって、ノズルチューブ15に圧縮エアが供給されている間は、第1カバー26内の圧力を外部の圧力よりも高く維持することができる。
したがって、この第1実施形態の回転ノズルN1では、裾部26bが開口部12bを完全に囲うだけでなく、第1カバー26内の圧力を高く維持することによって、ケース12内へ水滴などが侵入することをより確実に防止する。そのため、ボールベアリング16に水滴などが入り込んでボール18に異物が付着してその転動を阻害し、回転不良となるようなことがない。
また、この回転ノズルN1は、図1に示すように噴射口15cを上方に向けてエア噴射ユニットに取り付けた場合に、上方から落下する水滴がケース12の開口部12bから内部に侵入することをほぼ完璧に防止できる。
ただし、水滴などは、上方から落下するものだけとは限らないので、回転ノズルN1の取り付け方向は特に限定されない。
なお、この第2カバー30で覆われるケース12及びケース12内の構成は第1実施形態とほぼ同じである。
また、この第2実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成要素には、図1と同じ符号を用いている。
上記取り付け部30aは、その内径をケース12の外径に一致させたメタルシールによってケース12の全周を隙間なく覆っている。
これらケース12、ノズルチューブ15及びボールベアリング16は、第1実施形態同じものであり、ケース12内におけるボールベアリング16の固定構造も、第1実施形態と同じである。したがって、これらの説明は省略する。
パッキン29は、上記止め輪24と第1カバー26とに挟まれて軸方向に圧縮され、弾性力を発揮する。この弾性力によって、第1カバー26が軸部15aに固定された止め輪25に押し付けられ、第1カバー26がノズルチューブ15に固定される。つまり、弾性を有するパッキン29が、第1実施形態のウェーブワッシャ27の機能を発揮している。
このように、上記パッキン29は、第1カバー26を固定する上記ウェーブワッシャ27の機能と、軸部15bの外周と第1カバー26の軸孔26cとの隙間を完全にシールする機能とを同時に発揮するものである。
なお、このパッキン29に替えて、第1実施形態と同様にウェーブワッシャ27を用いてもよいし、第1実施形態において上記ウェーブワッシャ27の代りにこのパッキン29を用いてもよい。
さらに、この第2実施形態でも、ノズルチューブ15の軸部15aであって、ケース12に固定された止め輪21と第1カバー26との間には小孔28が形成され、ノズルチューブ15内に導かれた圧縮エアの圧力を第1カバー26内に導くようにしている。第1カバー26内の圧力が高く維持されれば、第2カバー30内の圧力も外部の圧力よりも高く維持されることになるので、水滴などは、第2カバー30の開口30bからも侵入しにくくなる。
この第2実施形態の回転ノズルN2は、例えば図3の除水装置における第1のエア噴射ユニット4に上記取り付けパイプ14を介して取り付けた場合に、エア噴射ユニット4から落下する水滴が、隙間S3,S2を介してケース12内に侵入することを完全に防止できるものである。したがって、この第2実施形態の回転ノズルN2は、図2に示すように噴射口15cを下方に位置させて用いる場合に特に有効である。
例えば、図2とは上下を反対にして回転ノズルN2の噴射口15cを上方に向けて用いた場合でも、上記隙間S3から侵入した水滴などが、さらに隙間S2を通過してケース12の開口部12bからボールベアリング16まで達する可能性は低い。
なぜなら、上記したように、第1カバー26内には圧縮エアの圧力が導かれて、第1,2カバー26,30内の圧力は外部よりも高く維持されているうえ、隙間S3からボールベアリング16までの経路が長いからである。
したがって、異物がボールベアリング16に付着して、ノズルチューブ15の回転の抵抗となることがない。そのため、長期にわたって、ノズルチューブ15のスムーズな回転を維持できる。
また、上記回転ノズルN2を上記第1,2エア噴射ユニット4,5に取り付ける際に、ケース12と第1,2のエア噴射ユニット4,5との間にシート状のパッキンを介在させれば、このパッキンで上記給油孔32を塞ぐことができるので、その場合には上記プラグ33を省略することができる。
第1カバー26と第2カバー30のいずれが外側であっても、第1カバー26の裾部26bの外周と、第2カバー30の開口30b側の端部とが、軸方向でラップした状態となれば、第1,2カバー26,30の隙間から、ケース12の開口部12bを介してケース12内に水滴や塵などが入り込むことを防止できる。
なお、上記回転ノズルN1,N2は、除水装置や除塵装置において、処理対象物の上下からだけでなく、側面方向から圧縮エアが噴出されるように取り付けることもできる。
12 ケース
12b (ケースの)開口部
15 ノズルチューブ
15c 噴射口
16 (軸受)ボールベアリング
26 第1カバー
26a 覆い部
26b 裾部
28 小孔
30 第2カバー
30a (一端側の)取り付け部
30b (他端側の)開口
L 開口レベル
Claims (3)
- ケースと、
このケースに組み込まれた軸受と、
この軸受に回転自在に支持されるとともに、上記ケースの開口部から突出したノズルチューブと
が備えられ、
上記ノズルチューブから噴射されるエアの反力でノズルチューブの噴射口が旋回する回転ノズルであって、
上記ノズルチューブには、ノズルチューブと一体回転する第1カバーが設けられ、
この第1カバーは、
上記開口部に対応する覆い部と、この覆い部から連続し、少なくとも上記開口部の開口レベルに達する裾部とからなり、上記裾部が、上記開口部の外側部分の全周にわたって設けられるとともに、
上記ノズルチューブであって上記第1カバーと上記ケースとの間には、
上記ノズルチューブに導かれた圧力を上記第1カバー内に導くための1または複数の小孔が設けられ、
上記裾部と上記ケースの外周面との隙間は、
上記第1カバー内に導かれた圧力を上記第1ケース外の圧力よりも高く維持する大きさに保たれた回転ノズル。 - ケースと、
このケースに組み込まれた軸受と、
この軸受に回転自在に支持されるとともに、上記ケースの開口部から突出したノズルチューブとが備えられ、
上記ノズルチューブから噴射されるエアの反力でノズルチューブの噴射口が旋回する回転ノズルであって、
上記ノズルチューブには、ノズルチューブと一体回転する第1カバーが設けられるとともに、上記ケースには筒状の第2カバーが固定され、
上記第1カバーは、
上記開口部に対応する覆い部と、この覆い部から連続し、少なくとも上記開口部の開口レベルに達する裾部とからなり、この裾部が、上記開口部の外側部分の全周にわたって設けられ、
上記第2カバーは、
一端側が上記ケースの全周を隙間なく覆う取り付け部で閉鎖されるとともに、他端側を開口させ、
この開口内に、上記第1カバーの裾部の全周を位置させた回転ノズル。 - ケースと、
このケースに組み込まれた軸受と、
この軸受に回転自在に支持されるとともに、上記ケースの開口部から突出したノズルチューブとが備えられ、
上記ノズルチューブから噴射されるエアの反力でノズルチューブの噴射口が旋回する回転ノズルであって、
上記ノズルチューブにはノズルチューブと一体回転する第1カバーが設けられるとともに、上記ケースには筒状の第2カバーが固定され、
上記第1カバーは、
上記開口部に対応する覆い部と、この覆い部から連続し、少なくとも上記開口部の開口レベルに達する裾部とからなり、
この裾部が、上記開口部の外側部分の全周にわたって設けられ、
上記第2カバーは、
一端側が上記ケースの全周を隙間なく覆う取り付け部で閉鎖されるとともに、他端側を開口させ、この開口の全周を、上記第1カバーの裾部の内側に位置させた回転ノズル。
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