JP6586042B2 - 光入出力装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光入出力装置に関し、より詳細には、空間光学系に光回折素子と光偏向素子を組み込んだ光入出力装置である波長選択スイッチに関する。
ROADMネットワークの各ノードは、任意の波長信号を任意のポートに接続する機能が必要であるが、この機能を実現するための装置として、空間光学系に光回折素子と光偏向素子を組み込んだ光入出力装置である波長選択スイッチ(WSS:Wavelength Selective Switch)が用いられている(非特許文献1)。空間光学系のWSSは、導波路系のWSSと比較すると、広帯域性や低損失性に優れているため、最近急激に普及しつつある。この空間光学系のWSSで用いられる光偏向素子は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術等により鏡面反射の角度を調整する鏡面反射型の光偏向素子と、LCOS(Liquid crystal on silicon)技術等により入射光の波面の空間位相を変調することで光の進行角度を調整する波面整形型の光偏向素子(位相変調素子)とに大別される。前者は主に大規模用、後者は主に帯域可変用というように、目的に応じて使い分けられている。なお、以下において、空間光学系のWSSを単に「WSS」と呼ぶ。
前述したROADMネットワーク等の通信ネットワーク上のノードでは、複数の信号光を同時に処理することになる。これらの複数の信号光が混ざってしまうと信号が混信し、信号品質が劣化する。この信号が混ざることを以後クロストークと呼ぶ。このクロストークはWSSの中でも発生する。ノード内のWSSの複数のポートは複数の通信経路につながっているため、設定したポート以外のポートへ信号光が漏れてしまうと、この信号光はクロストークとなり信号品質が劣化するという問題となる。波面整形型の偏向素子を用いたWSSでは、偏向素子での空間位相変調の際に発生する不要な次数の回折光が前述のクロストークを生む大きな要因の一つとなる。
特開2013−076891号公報
Steve Frisken, Glenn Baxter, Dmitri Abakoumov, Hao Zhou, Ian Clarke, Simon Poole "Flexible and Grid-less Wavelength Selective Switch using LCOS Technology" Finisar Australia Pty Ltd steve.frisken@fnisar.comS.OFC 2011, Los Angeles, OTuM.3 (2011).
波面整形型の偏向素子を用いたWSSではLCOSによるSpatial Light Modulator(SLM)をもちいて実現されることが一般的である。図1は、LCOSに印加する偏向用の位相パタンを示す図であり、図1(a)〜(c)は、それぞれ位相パタンの例を示している。図1(a)のような線形な位相パタンを2πで折り返した位相パタンにより、その反射角を制御し、ポートの切り替えを行っている。しかしながら、LCOSをはじめとする既存の波面整形型の偏向素子は有限のサイズを持つピクセルで位相を制御しているため、図1(b)のように階段状の(のこぎり波状の)位相パタンとなる。また、ディスクリネーションと呼ばれる周囲の位相変調パタンとの干渉などにより、のこぎり波状のパタンも崩れてしまうことが多い(図1(c))。このように理想的な位相パタンからずれが発生する場合には、設定した偏向角への回折(1次光)の他に、整数倍(・・・,−1,0,2,3,・・・)の角度にも光が回折される。N倍の偏向角へ回折する光をN次回折光と呼ぶ。出力ポートに結合する光の強度を調整する為に、1次光の回折効率を下げた場合にも、他の次数の回折光は大きくなる。
これまで、この1次光以外の回折光がWSSの出力ポートに結合しないように配置する手法が提案されているが(特許文献1)、出力ポート数の上限値は高々9程度が限界であった。一つのスイッチで扱える信号数や接続先数を大きくするためには、このように少ないポート数に限定されることは問題である。
このような問題を解決するために、本発明の第1の態様は、信号光の入出力を行う入力ポート及び1又は複数の出力ポートと、マトリックス状に平面配列された複数の画素を有し、前記入力ポートから光学素子を介して入力された入射光に対して、画素位置に応じて変化する位相量を前記各画素で与えることにより空間位相変調し、得られた出射光を前記出力ポートのうち指定された対象出力ポートの角度方向へ出射する位相変調素子とを備え、前記入力ポート及び前記1又は複数の出力ポートでの任意の接続パスにおいて発生するn次光(nは1以外の整数)が最も強く結合する配置のうち少なくとも1つに前記出力ポートを配置しない構成の光入出力装置であって、前記位相変調素子で与えられる位相パタンが、第1の周期長を有する出射角制御用の第1の位相パタンに、第1の周期長の自然数分の1の周期長を有する前記n次光(nは1以外の整数)低減用の第2の位相パタンを重畳した位相パタンであり、前記第1の周期長は、前記出射光の対象光強度ピークが前記対象出力ポートの角度方向と一致する角度方向に位置する光強度分布を発生するパタン周期長からなり、前記第2の位相パタンは、前記n次光を打ち消す位相パタンであって、前記第1の周期長内において、前記第1の位相パタンの前記位相変調素子上の前記各画素の光強度と位相角とを示すそれぞれの方向ベクトルを合成させて、前記n次光の光強度と位相角とを示す方向ベクトルを算出し、前記位相変調素子上の前記第1の周期長内の任意の1つ以上の画素を選択し、前記選択した画素ごとに前記第1の位相パタンの設定位相を調整した方向ベクトルを作成し、前記調整した方向ベクトルを合成することにより、算出した前記n次光の光強度と位相角とを示す前記方向ベクトルと反対方向の方向ベクトルを作成し、前記選択した画素のそれぞれに、前記調整した位相を印加する位相パタンが周期的に連続する位相パタンであり、前記第2の位相パタンは任意の接続パスにおいて発生する前記n次光のうち任意の出力ポートに最も強く結合するものを低減するようなパタンであることを特徴とする。
また、本発明の第2の態様は、第1の態様の光入出力装置であって、前記第1の位相パタンは、前記入力ポートからの出射光の強度を減衰させる第3の位相パタンと前記出力ポートに出射光を集光させる第4の位相パタンとをさらに重畳した位相パタンであることを特徴とする。
また、本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様の光入出力装置であって、前記第2の位相パタンがsin波状またはのこぎり波状の位相パタンであることを特徴とする。
また、本発明の第4の態様は、第1乃至第3のいずれか1つの態様の光入出力装置であって、前記第1の位相パタンの周期が所定の周期で結合する前記出力ポートより前記入力ポートに近い出力ポートはn次光が入射するのを避けるように配置し、前記所定の周期よりも短い周期をもつ前記第1の位相パタンで結合するポートに入射す出射光についてはn次光の強度を抑制するように前記第2の位相パタンを重畳しており、前記第2の位相パタンの周期が前記第1の位相パタンの周期のN分の1(Nは自然数)であることを特徴とする。
また、本発明の第5の態様は、第乃至第のいずれか1つの態様の光入出力装置であって、前記第1の位相パタンの2次光が入射する範囲にポートが存在する領域ではそのポートに入射する2次光を避けるようにポートを配置し、前記第1の位相パタンの2次光が入射する範囲にポートが存在しない領域のポートに入射する2次光については強度を抑制するように第2の位相パタンを重畳しており、前記の第2の位相パタンの周期が前記第1の位相パタンの周期のN分の1(Nは自然数)であることを特徴とする。
また、本発明の第6の態様は、第乃至第のいずれか1つの態様の光入出力装置であって、前記第1の位相パタンで発生する1次光からの次数の差が等しい二つの次数のn次光に対し、一方のn次光を打ち消すように第2の位相パタンを設定し、他方のn次光がポートに結合しないようにポートを配置していることを特徴とする。
本発明は、ポートの配置を調整することによりクロストークを抑制する方法により、また、さらに、位相変調素子に位相パタンを重畳させることによりクロストークを抑制することにより、高密度に多くのポートを配置しながら、高次光によるクロストークを抑制することが可能になる。
LCOSに印加する偏向用の位相パタンを示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る光入出力装置の構成を示す図である。 図2の光入出力装置の位相変調素子にLCOSを用いた際の各回折次数の強度を測定した結果を示す図である。 回折光もポートに結合する理想的なビームもガウシアンビームであった場合の、偏向角の差による結合率の変化量を示す図である。 位相変調素子の出射光強度と出射光角度との関係を表すグラフである。 位相変調素子に印加する位相パタン設定例であり、(a)は偏向用のために印加する位相パタンであり、(b)はクロストーク抑制のために位相変調素子に印加する位相パタンである。 位相変調素子の出射光強度と偏向角との関係を示す図である。 クロストーク抑制用パタンの位相と2次光強度との関係を示す図である。 偏向用パタンの方向ベクトルを示す図であり、(a)は偏向用パタンの方向ベクトルを2次元座標に表示したグラフであり、(b)は位相変調素子における偏向用パタンの位相と変調素子上の位置との関係を表すグラフである。 ディスクリネーションが生じた場合の偏向用パタンの方向ベクトルを示す図であり、(a)はディスクリネーションが生じた場合の偏向用パタンの方向ベクトルを2次元座標に表示したグラフであり、(b)はディスクリネーションが生じた場合の偏向用パタンの位相と変調素子上の位置との関係を表すグラフである。 クロストーク抑制用パタンを表す図であり、(a)はクロストーク抑制用パタンの方向ベクトルを記入したグラフであり、(b)は偏向用パタンとクロストーク抑制用パタンの位相と変調素子上の位置との関係を表すグラフである。 回転させたクロストーク抑制用パタンを示す図であり、(a)は回転させたパルス波の合成ベクトルを記入したグラフであり、(b)は偏向用パタンと回転させたクロストーク抑制用パタンの位相と変調素子上の位置との関係を表すグラフであり、(c)はパルス波強度と2次光強度との関係を示す図である。 強度を調整したクロストーク抑制用パタンを示す図であり、(a)は、強度を調整したパルス波の合成ベクトルを記入したグラフであり、(b)は偏向用パタンと強度を調整したクロストーク抑制用パタンの位相と変調素子上の位置との関係を表すグラフであり、(c)はパルス波強度と2次光強度との関係を示す図である。 クロストーク抑制用のパルス波による変調の様子を示す図であり、(a)は、クロストーク抑制用のパルス波による位相パタンを示す図であり、(b)は、位相変調素子の出射光の光強度と偏向角度との関係を示す図であり、(c)は、集光用パタンが偏向用パタンに付加されている場合のクロストーク抑制の様子を表す図である。 本発明の第2の実施形態に係る光入出力装置の構成を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
(光入出力装置の基本構成)
図2は、本発明の第1の実施形態に係る光入出力装置200の構成を示す図である。光入出力装置200は、入力ポート211と、それぞれが入力ポート211と平行に配置された出力ポート214−1〜214−Mと、入力ポート211からの光が入射される光学素子212と、入力ポート211からの光を所望の方向に反射する位相変調素子213とを備える。
図2において、入力ポート211及び出力ポート214−1〜214−Mが配列する方向をy軸、入力ポート211からの信号光が伝搬する方向をz軸としている。入射光(信号光)は入力ポート211を介して空間に出射され、光学素子212に入射する。光学素子212を透過した入射光は位相変調素子213によって反射されて偏向角を与えられ、再び光学素子212を透過して、出力ポート214−1〜214−Mへ入力される。位相変調素子213は、マトリックス状に平面配列された複数の画素を有し、入射光に対して画素位置に応じて位相量を変化させることにより空間位相変調し、得られた出射光を指定された対象出力ポート(214−1〜214−M)の角度方向へ出射する。位相変調素子213において反射する角度および強度が選択された出射光波、複数の出力ポート214−1〜214−Mのうちの所定の出力ポート214Lから任意の強度で出力される。
光学素子212としては、入力ポート211を介して光学素子212に入力された光の、y軸上の位置により位相変調素子213に入射する際の角度が変化するように変換する手段を用いることができ、例えばレンズ、プリズム、凹面ミラー、及び回折格子などを用いることができる。
入力ポート211から位相変調素子213に入力される信号光が入射する際の入射角をθin、位相変調素子213からの出射光が出力ポート214−X(1≦X≦M)へ結合するための回折角をθoutXとする。このとき、位相変調素子213では偏向角θLだけ回折角を傾けるよう光を偏向する必要がある。
θoutX=−θin+θL (1)
位相変調素子213においては、偏向角θLを制御することにより、出力ポート214−Xへ結合するための回折角θoutXを選択することができ、これにより、入力ポート211から対象出力ポート(214−1〜214−M)へのスイッチングを行うことができる。偏向角θLを制御することにより、出力ポート214−Xが配置された位置に信号光が入射すると、信号光は出力ポート214−Xと結合する。ここで、出力ポート214−Xへの結合モードのガウシアン関数と出力ポート214−Xへ入射する信号光の伝搬モードのガウシアン関数が同一である場合には、ポートの位置と信号光の入射位置が離れるほど結合率は低くなる。なお、図2においては、簡単のため、θin=0としている。
(クロストーク抑制法)
以下では、クロストークの抑制法について説明する。クロストークを抑制するために、1.出力ポートの配置を調整することによりクロストークを抑制する方法と、2.位相変調素子に位相パタンを重畳させることによりクロストークを抑制する方法とがある。
1.出力ポートの配置を調整することによりクロストークを抑制する方法について
以下では、出力ポート配置の工夫によりクロストークを抑制する手法について述べる。位相変調素子213においては、出射光が偏向角θL(図2の実線で表す光の進行方向)だけでなく、偏向角θLの整数倍(・・・、−θL、0、2θL、3θL、・・・)の角度にも回折する(図2の破線で表す光の進行方向)。そのため、偏向角θLのn倍(nは整数)の偏向角で結合してしまう出力ポートθoutYが存在する場合、設定された接続状態以外の出力ポートにポート間接続が発生し、クロストークが発生する。以下は、θoutYを示す式である。
θoutY=−θin+nθL (nは1以外の整数) (2)
クロストークを抑制するためには、式(1)を満たす偏向角θLに対し、式(2)を満たすような位置に出力ポートが無いようにポート配置を決定することにより、不要な回折次数の回折光に起因するクロストークを抑制することができる。
ここで、不要な次数の回折光とポートとの距離について説明する。各次数の回折光の強度は、多くの場合次数ごとに異なる。図3は、図2の光入出力装置200の位相変調素子213にLCOSを用いた際の各回折次数の強度を測定した結果を示す図である。一般的に次数nが1から離れるほど、回折強度は小さくなる傾向にある。回折強度が大きいほど、ポートに結合する光の強度も強くなるため、クロストークが大きくなる。
不要な次数の回折光からのクロストークを抑制する量を大きくする方法として、その回折光の回折角とポートに結合するための回折角を離す方法がある。図4は、回折光もポートに結合する理想的なビームもガウシアンビームであった場合の、偏向角の差による結合率の変化量を示す図である。各ポートを不要な回折光と大きく離すことでクロストークを大きく抑制することができるが、その際にはポートが疎にしか配置することができなくなり、配置できるポートの数が少なくなる。配置するポート数を維持しながら発生する最大クロストークを抑制するために、各次数の不要次数回折角とポートへの結合角との距離を次数に合わせて調整することが有効である。具体的には次数nが1から離れるほど、ポートとの距離を小さくしてもポートに結合する光の強度は抑えられる。このように、各次数で異なる距離だけポートを離すことにより、回折強度の強い不要な回折光は大きく避け、回折強度の弱い不要な回折光は小さく避けることが可能になり、ポートを効率的に配置してポート数を増やすことができる。
また、上述した不要な回折次数の回折光は、光の偏向角を制御するために位相変調素子213に印加する位相パタンに対して、クロストークを抑制するための位相パタンを重畳させることにより抑圧することが可能である。以下でその詳細について述べる。
2.位相変調素子に位相パタンを重畳させることによりクロストークを抑制する方法について
位相変調素子に偏向に用いる位相パタンとは異なる位相パタンを重畳することにより、高次光の強度を抑制することでクロストークを抑制する手法について述べる。
位相変調素子に対し、出射角制御等のために印加する位相パタンの整数倍の周期を有する任意強度の位相パタンを重畳することにより、クロストークの要因となる不要な高次光の発生を抑制する。
図5は、位相変調素子の出射光強度と出射光角度との関係を表すグラフである。位相変調素子に入射した光は、周期的に位相パタンを設定することにより、周期に応じたθLを与えられた角度の方向に出射される。ここで、位相パタンの周期は、出射光の主ビーム501の光強度ピークが対象出力ポートの角度方向と一致する角度方向に位置するように光強度分布を発生するように設定される。
位相変調素子により出射される光は、主ビーム501以外にも高次光(502〜506)が発生する。前述のとおり、高次光502〜506は、主ビームのN(Nは整数)倍方向の角度を有する。これらの高次光がクロストーク光となり、クロストークを発生させる。
本発明においては、出射角制御用の位相パタン(以下、「偏向用パタン」とする)等の設定位相の整数分の1の周期の不要光低減用の位相パタン(以下、「クロストーク抑制用パタン」とする)を設定して、偏向用パタン等と共に、位相変調素子にクロストーク抑制用パタンを重畳して印加することで、主ビームのN倍角方向に光パワーを分配することができる。
具体的には、2次光502、3次光503等を打ち消す光507、508を発生させるために位相変調素子に印加する位相パタンを決定し、位相変調素子に重畳する。ここで、2次光502に対しては光507、3次光503に対しては光508を発生させる位相パタンを設定する。
高次光を打ち消す光を発生させる位相パタンは、以下のように決定する。
a.設定位相パタンの1の周期において、設定位相の位相変調素子上の各画素の光強度と位相角を示すそれぞれの方向ベクトルを合成させて、各高次光の光強度と位相角を示す方向ベクトルを算出する。
b.位相変調素子上の任意の2つ以上の画素を選択し、選択した画素ごとの設定位相を調整した方向ベクトルを作成し、設定位相を調整した画素ごとの方向ベクトルを合成することにより、算出した各高次光の光強度と位相角を示す方向ベクトルと反対方向の方向ベクトル(位相がπずれた方向ベクトル)を作成する。
c.選択した画素のそれぞれに、調整した画素ごとの位相を印加する位相パタンを決定する。この位相パタンを周期的に繰り返す位相パタンがクロストーク抑制用パタンとなる。
上記a〜cの手順により決定した位相パタンをクロストーク抑制用パタンとして偏向用パタン等の位相パタンに重畳して印加する。
ただし、偏向用パタン等にクロストーク抑制用パタンを重畳すると、主ビーム501に対しても逆位相の光509が発生し、主ビーム501の光強度も減少してしまうという懸念もあるが、後述するシミュレーション結果により、2次光強度の減少度に対して主ビームの光強度の減少度は少ないことがわかる。
本実施形態においては、前述した1.ポートの配置を調整することによりクロストークを抑制する方法において、式(2)を満たさないように出力ポートを配置することと、2.位相変調素子に位相パタンを重畳させることによりクロストークを抑制する方法において、位相変調素子213に印加する位相パタンにより特定高次光を抑制することを組み合わせることによりクロストークの抑制を可能にする。
次に、位相変調素子におけるクロストーク抑制方法について説明する。図6は、位相変調素子に印加する位相パタン設定例であり、図6(a)は偏向用位相パタンであり、図6(b)はクロストーク抑制用パタンである。第1の実施形態においては、位相変調素子に偏向用パタン601を印加した際に生じる高次光によるクロストークを抑制する方法を示している。
クロストーク抑制用パタン602、603は、それぞれ位相が異なる2つのパルス波であり、第1のパルス波602は位相が−nπ−kπであり、第2のパルス波は位相603がnπ−kπである。また、偏向用パタン601と2つのクロストーク抑制用パタン602、603とは周期が同一である。偏向用パタン601にクロストーク抑制用パタン602、603を重畳することにより、高次光を変調して、高次光の低減を可能としている。
図7は、位相変調素子の出射光強度と偏向角との関係を示す図である。図7においては、位相変調素子に偏向用パタン(図6(a)の偏向用パタン601)とクロストーク抑制用パタン(図6(b)のクロストーク抑制用パタン602及び603)を共に印加した結果を、クロストーク抑制用パタンを印加しない場合と比較している。ここで、図6においては、偏向角を1度として設定している。
図7の曲線701は、偏向用パタンにクロストーク抑制用パタンを重畳した場合の位相変調素子の出射光強度と偏向角との関係を示す曲線であり、曲線702は、偏向用パタンにクロストーク抑制用パタンを重畳しない場合の位相変調素子の出射光強度と偏向角との関係を示す曲線である。偏向用パタン601にパルス波のクロストーク抑制用パタン602、603を重畳した場合、図7から、パルス波を重畳しない場合に比べて2次光(偏向角2度の光)が低減されていることがわかる。2次光が低減されることにより、クロストークが抑制される。
図8は、パルス波(クロストーク抑制用パタン)の位相と2次光強度との関係を示す図である。図6(a)の偏向用パタンに図6(b)のようなパルス波を重畳した場合、k=0.05πとすると、図8の曲線の値から、n=0.17〜0.19で2次光が著しく低減されることがわかる。
上記は位相がπずれた抑制パタンを例として利用したが、偏向用パタンと同一な周期を有するパタンを1つ以上重畳すれば、その振幅と位相を最適化することによって同様な効果が得られる。例えば、sin波やのこぎり波を重畳し、振幅と位相を最適化すればよい。
次に、クロストーク抑制用パタンの決定法について説明する。本実施形態においては、偏向用パタンの各画素ごとの位相を方向ベクトルに変換し、2次光の方向ベクトルを算出し、また、クロストーク抑制用パタンの各画素ごとの方向ベクトルを作成し、さらに2次光の方向ベクトルを打ち消す方向に、クロストーク抑制用パタンの各画素ごとの方向ベクトルを設定することにより、クロストーク抑制用パタンを決定するものである。本実施形態においては、10画素で2π折り返す位相パタンの2次光を消去する手段を考える。
ここで、ディスクリネーションが生じた場合の偏向用パタンの2次光による方向ベクトルを算出する前に、それぞれの方向ベクトルの設定方法について説明する。図9は、偏向用パタンの方向ベクトルを示す図であり、図9(a)は偏向用パタンの方向ベクトルを2次元座標に表示したグラフであり、図9(b)は位相変調素子における偏向用パタンの位相と変調素子上の位置との関係を表すグラフである。図9(b)における偏向用パタンは、ディスクリネーションが生じていない、理想的な偏向用パタンである。
まず、2次元の座標を設定し、10画素それぞれの位相を表す方向ベクトル(方向ベクトルA〜J)を設定する。図9(a)のRe軸上の任意の1点プロットし(A点とする)、原点からA点へ向かうベクトルを、図9(b)の1番目の画素の方向ベクトル(方向ベクトルA)とする。ここで、1番目の画素の位相は0である。また、A点の値は反射光強度を示す。
次に、2番目の画素の方向ベクトルを決定する。理想的な偏向用パタンの場合、1の周期(10画素)において各画素(1番目の画素〜10番目の画素)の位相が0から2πまで直線状に変化するため、本実施形態においては、図9(b)の2番目の画素の位相はπ/5である。そこで、x軸から反時計回りにπ/5の方向に、半径が方向ベクトルAの長さと同一の長さのベクトルを設定する。このベクトルが2番目の画素の方向ベクトル(方向ベクトルB)となる。
その次に、3番目の画素の方向ベクトルを決定する。図9(b)の3番目の画素の位相は2π/5である。そこで、x軸から反時計回りに2π/5の方向に、半径が方向ベクトルAの長さと同一の長さのベクトルを設定する。このベクトルが3番目の画素の方向ベクトル(方向ベクトルC)となる。
このようにして、さらに4番目〜10番目の画素の方向ベクトル(方向ベクトルD〜J)を設定する。
図9(b)のような理想的な位相パタンの場合、偏向用パタンはディスクリネーション等による所望の位相からのずれが起きないので、1番目から10番目の画素の方向ベクトル(方向ベクトルA〜J)による合成ベクトルは0ベクトルとなり、これは、高次光が発生しないことを示している。
しかし、ディスクリネーションがある場合、偏向用パタンが理想のパタンに対してずれてしまう。特に位相が0から2πに折り返す際に離散的に2πで折り返しが行われるのではなく、アナログ的に位相が変化する有限幅の領域が生じることになる。この領域による光信号は、2πから0への線形なスロープの位相変化を生じさせる。この、位相変化のスロープにより高次光の方向ベクトルが生じる。
まず、第1のステップとして、ディスクリネーションが生じた場合の偏向用の位相パタンの方向ベクトルを算出する。
図10は、ディスクリネーションが生じた場合の偏向用パタンの方向ベクトルを示す図であり、図10(a)はディスクリネーションが生じた場合の偏向用パタンの方向ベクトルを2次元座標に表示したグラフであり、図10(b)はディスクリネーションが生じた場合の偏向用パタンの位相と変調素子上の位置との関係を表すグラフである。
図10(a)において、1番目から10番目の画素の方向ベクトル(方向ベクトルA〜J)を設定していく際、1番目から9番目の画素の方向ベクトル(方向ベクトルA〜I)までは、図9(a)と同一の方向ベクトルになるが、ディスクリネーションが生じている場合、図10(b)の9番目の画素から0への折り返しが始まるため、10番目の画素の位相は9π/5にはならず、9π/10となる。したがって、方向ベクトルAから反時計回りに9π/10の方向に、方向ベクトルAの長さと同じ長さのベクトルが生じる(方向ベクトルJ´)。そして、方向ベクトルA〜I、J´の合成ベクトルを算出すると、図10(a)の方向ベクトルKとなり、これがディスクリネーションが生じた場合の偏向用パタンの方向ベクトル(高次光の合成方向ベクトル)となる。
第2のステップとして、クロストーク抑制用パタンの方向ベクトルをグラフに記入する。図11は、クロストーク抑制用パタンを表す図であり、図11(a)はクロストーク抑制用パタンの方向ベクトルを記入したグラフであり、図11(b)は偏向用の位相パタンとクロストーク抑制用パタンの位相と位相変調素子上の位置との関係を表すグラフである。
まず、図10(a)のグラフ中の方向ベクトルのうち、位相がπ異なる2つの画素の方向ベクトルを選択する。本実施形態においては、方向ベクトルC及びHを選択する。次に、選択した2つの画素位置に、適当なパルス波を印加して位相を変更する。本実施形態においては、図11(b)のように3番目の画素に−nπの位相を印加、8番目の画素にnπの位相を印加する。すると、図10(a)の方向ベクトルCは時計回りにnπ回転し、図11(a)の方向ベクトルC´となり、図10(a)の方向ベクトルHは反時計周りにnπ回転し、図11(a)の方向ベクトルH´となる。そして、方向ベクトルC´と方向ベクトルH´の合成ベクトルを算出する。すると、パルス波の合成ベクトルLが算出される。
第3のステップとして、パルス波の合成ベクトルLを強度(長さ)一定で位相を調整することにより、つまり合成ベクトルLを回転させることにより、2次光の方向ベクトルと反対方向の合成ベクトルを算出する。図12は、回転させたクロストーク抑制用パタンを示す図であり、図12(a)は回転させたパルス波の合成ベクトルLを記入したグラフであり、図12(b)は偏向用パタンと回転させたクロストーク抑制用パタンの位相と変調素子上の位置との関係を表すグラフであり、図12(c)はパルス波強度と2次光強度との関係を示す図である。
図11(a)の方向ベクトルC´と方向ベクトルH´とを、共に時計回りにkπだけ回転させる(この場合、方向ベクトルC´と方向ベクトルH´との角度は変わらない)。すると、方向ベクトルLは、長さが一定のまま回転し、2次光の方向ベクトルと反対方向の向きの方向ベクトルL´となる(図12(b))。ここで、方向ベクトルL´の向きが、2次光強度を最小とする方向である(図12(c))。
第4のステップとして、パルス波の合成ベクトルL´を方向一定のまま、強度(長さ)を調整することにより、合成ベクトルL´の長さを2次光の方向ベクトルと一致させた合成ベクトルを算出する。図13は、強度を調整したクロストーク抑制用パタンを示す図であり、図13(a)は、強度を調整したパルス波の合成ベクトルを記入したグラフであり、図13(b)は偏向用パタンと強度を調整したクロストーク抑制用パタンの位相と変調素子上の位置との関係を表すグラフであり、図13(c)はパルス波強度と2次光強度との関係を示す図である。
図12(a)の方向ベクトルC´を反時計回りにmπ回転させ、方向ベクトルH´を時計回りにmπ回転させる。すると、方向ベクトルC´と方向ベクトルH´との合成ベクトルL´は、図13(a)のように2次光の方向ベクトルKと反対方向で強度(長さ)が同一の反対方向のベクトルL´´となる。ここで、方向ベクトルL´´の強度が、2次光強度を最小とする強度である(図13(c))。
この方向ベクトルL´´を生じさせる方向ベクトルC´と方向ベクトルH´とが、クロストーク抑制用のパルス波の方向ベクトルである。
したがって、本実施形態においては、図13(b)のように、3番目の画素に−nπ−kπ−mπの位相のパルス波を印加し、8番目の画素にnπ−kπ+mπの位相のパルス波を印加することで、ディスクリネーションが生じた場合に発生する2次光によるクロストークを抑制することができる。ただし、クロストーク抑制用のパルス波の重畳によって、さらにディスクリネーションが生じるため、完全には2次光の強度が0にはならないと考えられる。
本実施形態においては、ディスクリネーションが生じた場合の偏向用パタンの2次光によるクロストークを減少させる場合について述べているが、3次光以上の高次光においても、偏向用パタンにパルス波を重畳することにより、高次光のクロストークを抑制させることが可能となる。図14はクロストーク抑制用のパルス波による変調の様子を示す図であり、図14(a)は、クロストーク抑制用のパルス波による位相パタンを示す図であり、図14(b)は、位相変調素子の出射光の光強度と偏向角度との関係を示す図であり、図14(c)は、集光用パタンが偏向用パタンに付加されている場合のクロストーク抑制の様子を表す図である。
図14(a)においては、2πの位相で折り返す周期Γの偏向用パタン1401による2次光(及び0次光)を低減させるために、m1πの位相を有する周期Γのパルス波1402を偏向用パタン1401に重畳する。また、3次光(及び−1次光)を低減させるために、m2πの位相を有する周期Γ/2のパルス波1403を偏向用パタン1401に重畳する。さらに、また、4次光(及び−2次光)を低減させるために、m3πの位相を有する周期Γ/3のパルス波1404を偏向用パタン1401に重畳する。すると、図14のグラフのように、高次光を変調し、低減させることができる。
本実施形態では、クロストーク抑制用パタンとして、パルス波を重畳する例を示したが、パルス波だけでなく、sin波、のこぎり歯、及び三角波等によるクロストーク抑制用パタンを重畳してもよい。また、同一形状の位相パタンを複数組み合わせてもよいし、異なる形状の位相パタンを複数組み合わせてもよい。また、図14(c)のように集光用パタンが偏向用パタンに重畳した場合、レンズ効果で高次成分の半価幅が広がるため、クロストーク抑制用パタンの周期成分にもレンズ項をさらに設けて、高次光と同じ幅を持たせることによりクロストークを抑制する。
本実施形態においては、1.ポートの配置を調整することによりクロストークを抑制する方法により、また、さらに1.の方法に、2.位相変調素子に位相パタンを重畳させることによりクロストークを抑制する方法を組み合わせることにより、高密度に多くのポートを配置しながら、高次光によるクロストークを抑制することが可能になる。
[第2の実施形態]
図15は、本発明の第2の実施形態に係る光入出力装置1500の構成を示す図である。光入出力装置1500は、入力ポート1511と、それぞれが入力ポート1511と平行に配置された出力ポート1514−1〜1514−Mと、入力ポート1511からの光が入射される光学素子1512と、入力ポート1511からの光を所望の方向に反射する位相変調素子1513とを備える。
本実施形態の光入出力装置1500を構成する要素は、第1の実施形態の光入出力装置200と同じであるが、ポート配置のみ、異なっている。具体的には、位相変調素子1513によって与えられる偏向角−θから+θまでの範囲に配置された出力ポートは、高次光を回避するように配置され、偏向角−2θから−θおよび+θから+2θの範囲に配置された出力ポートは、密に配置されている。つまり、2次光が他のポートに入射する可能性のあるポートの範囲(偏向角−θから+θまでの範囲)へ入力される高次光がポート配置によって避けられており、ポートに結合しない。それ以外の2次光がポートが設置された範囲外に入射する範囲(偏向角−2θから−θおよび+θから+2θの範囲)ではポートは密に配置されている。
本実施形態においては、上述のように出力ポートを配置させるにより、偏向角−θから+θまでの範囲に入射する高次光に対しては、クロストーク抑制用の位相パタンを重畳せず、偏向角−2θから−θおよび+θから+2θの範囲に入射する高次光に対してはクロストーク抑制用の位相パタンを重畳することによりクロストークを抑制する。偏向角−2θから−θおよび+θから+2θの範囲については、出力ポートを密に配置しても、高次光が出力ポートの配置されている領域に及ぼす影響は小さくなる。
先にも述べたが、偏向用位相パタンにクロストーク抑制用パタンを重畳させることよって、さらにディスクリネーションが生じるため、完全には高次光の強度が0にはならないと考えられる。また、高次光は各次数によって強度が異なる。特に入射光の波面を傾ける理想的な位相の傾斜を2πで折り返した「のこぎり波」パタンなどによる回折では一般的に1次から離れた高次光ほど強度が弱い傾向を持つ。そうすると、光強度の強い次数の高次光は、クロストーク抑制用パタンを重畳したとしても、必然的に大きなクロストークが残る。
さらに、クロストーク抑制用パタン自体の高次光も発生する。重畳されるクロストーク抑制用パタンの整数分の1の周期をもつ位相パタンを重畳した際、偏向用位相パタンによる高次光が発生する角度(たとえば、2次回折光を抑制するためのクロストーク抑制用パタンであれば3次、4次、0次、−1次回折光の角度)にも、クロストーク抑制用パタンによる高次光が発生する。これらの高次光はその角度に発生している偏向用位相パタンの高次光を抑制する位相条件を持っているとは限らないため、新たなクロストークの発生要因となる。これらのクロストーク抑制用パタンの高次光は、高次光が1次光よりも絶対値で小さい角度には発生しないという特徴を持つ。そのため、例えば偏向用位相パタンの4次光を抑制するためのクロストーク抑制用パタンの高次光による影響は、偏向用位相パタンの−2次から+4次光の範囲には影響を及ぼさない。
以上のことから、偏向用位相パタンによる偏向角が小さな範囲では、高次光が入射する位置にポートを配置しないことで高次光によるクロストークを抑制し、偏向用位相パタンによる偏向角が大きな範囲ではクロストーク抑制用パタンを用いることでクロストークを抑制することで密にポートを配置することが可能となる。具体的には、偏向用位相パタンの周期が所定の周期で結合する出力ポートより前記入力ポートに近い(内側の)出力ポートはn次光が入射するのを避けるように配置し、偏向用位相パタンの所定の周期よりも短い周期をもつ偏向用位相パタンで結合するポートに入射するn次光を抑制するためには強度を抑制するように偏向用位相パタンにクロストーク抑制用パタンを重畳する。
仮にすべての範囲で高次光をポート配置で回避せずポートが密に詰まっていた場合、位相変調素子1513での偏向角θ/4の位置にある出力ポートに結合した際の2次光(θ/2の位置)をクロストーク抑制用パタンの重畳により抑制したとする。そうすると、クロストーク抑制用パタンの高次光は偏光角が−2θ、−7/4θ、−3/2θ、−5/4θ、−θ、−3/4θ、−1/2θ、−1/4θ、0、3/4θ、θ、5/4θ、3/2θ、7/4θ、2θにある出力ポートに影響を与える。
それに対し、本実施形態の出力ポートは、位相変調素子1513によって与えられる偏向角−θから+θまでの範囲に入射する高次光を避けて配置されているため、必要となるクロストーク抑制用パタンの高次光が長い間隔で出現する。つまりクロストーク抑制用パタンの周期が最も長周期なのは+θ/2に偏向した際に+θに入射する2次光でこの時の影響は−2θ、−3/2θ、−θ、−1/2θ、0、3/2θ、2θに限定される。さらにこの場合0は入力ポートであるため出力ポートは存在せず、−1/2θ、−θも回避するように出力ポートが配置されている。そのため、影響は−2θ、−3/2θ、3/2θ、2θに限定される。
このように、位相変調素子1513で与える偏向角が小さい領域では高次光が入射しないようにポートを配置することにより、クロストークを抑制しながら密にポートを配置することが可能となる。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態にかかる光信号処理装置について説明する。第3の実施形態は、第1の実施形態の光信号処理装置において効果的にクロストーク抑制用パタンの重畳と高次光位置にポートを配置しない配置方法を組み合わせてクロストークを抑制している。
重畳するクロストーク抑制用パタンでは、1次光から同一距離だけ離れた二つの高次光を抑制することは困難である。偏向用位相パタンの持つ周期をΓとすると、3次光を抑制するためのクロストーク抑制位相パタンの持つ周期はΓ/2であるが、この周期をもつクロストーク抑制用パタンが影響を与える高次光の次数は−1次と3次であり、一つのクロストーク抑制用パタンで両者を同時に抑制することは困難である。
そのため、本実施形態においては3次光をクロストーク抑制用パタンで抑制しながら−1次光はポート配置で回避することで両者の影響を回避することができ、両者をポート配置で回避するよりも多くのポートを配置できる。これは−1次光を抑制して3次光をポート配置で回避しても同様の効果が得られる。
このように、1次光の偏向角と同じ方向の高次光はクロストーク抑制用パタンで抑制し、逆方向の高次光はポート配置で回避することで、クロストーク抑制用パタンのみでクロストークを抑制するよりも大きな効果が期待できる。ここで、1次光の偏向角と同じ方向及び1次光の偏向角と逆方向のどちらをクロストーク抑制手法で避けるかについては、1次光が接続するポートおよび、どの次数の高次光かで個別に設定してかまわない。
上記第1の実施形態から第3の実施形態において、入力ポート211、1511、出力ポート214−1〜214−M、1514−1〜1514−Mの間に回折格子などの波長分散素子を設置した場合も、本発明は同様に機能する。このような波長分散素子を有する光信号処理装置として、各波長の信号光を独立してスイッチング可能な波長選択スイッチ(非特許文献1参照)がある。
また、入力ポートと出力ポートを逆にとっても光は同様の経路を進むため、本発明では入力ポートと出力ポートを逆に使用しても構わない。
200、1500 光入出力装置
211、1511 入力ポート
212、1512 光学素子
213、1513 光偏向部
214−1〜214−M、1514−1〜1514−M 出力ポート
501 主ビーム
502〜506、701、702 高次光
507〜509 クロストーク抑制用の光
601、1401 偏向用パタン
602、603、1402〜1404 クロストーク抑制用パタン

Claims (6)

  1. 信号光の入出力を行う入力ポート及び1又は複数の出力ポートと、
    マトリックス状に平面配列された複数の画素を有し、前記入力ポートから光学素子を介して入力された入射光に対して、画素位置に応じて変化する位相量を前記各画素で与えることにより空間位相変調し、得られた出射光を前記出力ポートのうち指定された対象出力ポートの角度方向へ出射する位相変調素子と、を備え、
    前記入力ポート及び前記1又は複数の出力ポートでの任意の接続パスにおいて発生するn次光(nは1以外の整数)が最も強く結合する配置のうち少なくとも1つに前記出力ポートを配置しない構成の光入出力装置であって、
    前記位相変調素子で与えられる位相パタンが、第1の周期長を有する出射角制御用の第1の位相パタンに、第1の周期長の自然数分の1の周期長を有する前記n次光(nは1以外の整数)低減用の第2の位相パタンを重畳した位相パタンであり、
    前記第1の周期長は、前記出射光の対象光強度ピークが前記対象出力ポートの角度方向と一致する角度方向に位置する光強度分布を発生するパタン周期長からなり、
    前記第2の位相パタンは、前記n次光を打ち消す位相パタンであって、
    前記第1の周期長内において、前記第1の位相パタンの前記位相変調素子上の前記各画素の光強度と位相角とを示すそれぞれの方向ベクトルを合成させて、前記n次光の光強度と位相角とを示す方向ベクトルを算出し、
    前記位相変調素子上の前記第1の周期長内の任意の1つ以上の画素を選択し、前記選択した画素ごとに前記第1の位相パタンの設定位相を調整した方向ベクトルを作成し、前記調整した方向ベクトルを合成することにより、算出した前記n次光の光強度と位相角とを示す前記方向ベクトルと反対方向の方向ベクトルを作成し、
    前記選択した画素のそれぞれに、前記調整した位相を印加する位相パタンが周期的に連続する位相パタンであり、
    前記第2の位相パタンは任意の接続パスにおいて発生する前記n次光のうち任意の出力ポートに最も強く結合するものを低減するようなパタンである
    ことを特徴とする光入出力装置。
  2. 前記第1の位相パタンは、前記入力ポートからの出射光の強度を減衰させる第3の位相パタンと前記出力ポートに出射光を集光させる第4の位相パタンとをさらに重畳した位相パタンである
    ことを特徴とする請求項に記載の光入出力装置。
  3. 前記第2の位相パタンがsin波状またはのこぎり波状の位相パタンである
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光入出力装置。
  4. 前記第1の位相パタンの周期が所定の周期で結合する前記出力ポートより前記入力ポートに近い出力ポートはn次光が入射するのを避けるように配置し、
    前記所定の周期よりも短い周期をもつ前記第1の位相パタンで結合するポートに入射す出射光についてはn次光の強度を抑制するように前記第2の位相パタンを重畳しており、
    前記第2の位相パタンの周期が前記第1の位相パタンの周期のN分の1(Nは自然数)である
    ことを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の光入出力装置。
  5. 前記第1の位相パタンの2次光が入射する範囲にポートが存在する領域ではそのポートに入射する2次光を避けるようにポートを配置し、
    前記第1の位相パタンの2次光が入射する範囲にポートが存在しない領域のポートに入射する2次光については強度を抑制するように第2の位相パタンを重畳しており、
    前記の第2の位相パタンの周期が前記第1の位相パタンの周期のN分の1(Nは自然数)である
    ことを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の光入出力装置。
  6. 前記第1の位相パタンで発生する1次光からの次数の差が等しい二つの次数のn次光に対し、一方のn次光を打ち消すように第2の位相パタンを設定し、他方のn次光がポートに結合しないようにポートを配置している
    ことを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の光入出力装置。
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