JP5852198B1 - 光入出力装置およびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アッテネーション動作時、接続ポート切り替え動作時に過渡的に発生するクロストーク増大を抑制することができる光入出力装置を提供する。【解決手段】位相変調素子の駆動素子は、複数の画素に印加する位相パターンであって、所定の出力ポートに光結合させるための偏向パターンに、前記所定の出力ポートに光結合させる光信号の光強度を制御する減衰パターンを重畳した位相パターンを、前記複数の画素に印加し、第1の出力ポートに光結合させるための第1の位相パターンから第2の出力ポートに光結合させるための第2の位相パターンに切り替える場合、前記第1および第2の位相パターンの間に複数の中間パターンを設定する。【選択図】図11

Description

本発明は、光入出力装置およびその制御方法に関し、より詳細には、位相変調素子により出力光の方路および光強度を制御する光入出力装置およびその制御方法に関する。
インターネットトラフィックの増大に伴って、光ファイバ通信における通信容量増加のニーズは一層高まっている。光ファイバ通信のルーティング機能デバイスとして注目を集めている技術に光スイッチがある。光スイッチの中でも自由空間上で光の方路を切り替える空間光学系光スイッチは、高密度実装、消費電力低減化の観点から他の方式に比べて優れており、近年技術開発が進展している。
空間光学系光スイッチの基本構成について述べる。一般的に空間光学系光スイッチは、入力ファイバと出力ファイバの間の自由空間上に、いくつかのレンズと光ビームの進行方向を変える光ビーム偏向素子とから構成される。光ビーム偏向素子として、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)、LCOS−SLM(Liquid Crystal on Silicon Spatial Light Modulator)が使われている。代表的な光スイッチとして、入出力ファイバアレイとコリメートレンズアレイ、2組の光ビーム偏向素子群から構成される光クロスコネクトスイッチ(OXC)が知られている。また、入出力ファイバアレイ、コリメートレンズアレイ、レンズ群、分散素子、およびビーム偏向素子群からなる波長選択スイッチ(WSS)などが知られている。
空間光学系光スイッチは、空間上での配線自由度が高い一方でファイバ等による光の閉じ込めが出来ないため、目的出力ポート外への意図しない光の漏れが課題となる。特に複数の出力ポートを配置する構成の光スイッチでは、近接ポートへの光の漏れはクロストークとして信号品質の劣化を招くため、極めて重要な技術開発項目である。
光スイッチの機能として、出力ポートの切り替え動作である光スイッチング、出力ポートの光強度のコントロールを行う光減衰(アッテネーション)機能がある。空間光学系光スイッチにおける光減衰機能としては、各出力ポートの後段に個別に光減衰器を取り付ける手法などがある。しかしながら、ポート数の増大と共にコストやサイズの増大を招くことに加え、WSSで求められる波長ごとのアッテネーション動作ができない。そのため、光スイッチ内の光ビーム偏向素子にその機能を付加する方法が考えられる(例えば、非特許文献1,2参照)。
光ビーム偏向素子において、光スイッチング動作、アッテネーション動作を行う場合、これら動作の途中に、所望の出力ポート以外のポートに光が結合してしまう。このような瞬間的なクロストークを、ダイナミッククロストークという。従って、光ビーム偏向素子による光スイッチング動作、アッテネーション動作には、ダイナミッククロストークの発生を抑制するような制御方法が求められている。このような制御方法を、「ヒットレス制御」という。
T. Fujita et al, "Blazed grating and Fresnel lensen fabricated by electron-beam lithography", OPTICS LETTERS, Vol.7,No.12, pp.578-580, December 1982. R. Magnusson et al, "Diffraction efficiencies of thin phase gratings with arbitrary grating shape", J. Optical Society of America, Vol.68, No.6, pp.806-809, June 1978.
光ビーム偏向素子を用いたヒットレス制御には、例えば、出力ポートに向けた光ビームが、所望の出力ポート以外のポートに結合しないような経路により、偏向角を変化させる制御方法がある(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このような制御方法は、光ビーム偏向素子が、2軸以上の自由度を有することが求められる。また、入出力ポートが疎に配置されている場合には有効であるが、入出力ポートが密に配置される場合には、どのような経路を経ても、他のポートに結合してしまうため、ダイナミッククロストークが発生してしまう。従って、偏向角を制御する以外のヒットレス制御手法が求められている。
本発明の目的は、ダイナミッククロストークを抑制可能なヒットレス制御機能を有する光入出力装置およびその制御方法を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、光入出力装置の制御方法の一実施態様は、1または複数の入力ポートおよび複数の出力ポートと、平面上にマトリクス状に配列された複数の画素、および前記複数の画素を駆動する駆動素子を有し、前記駆動素子が画素位置に応じて変化する位相量である位相パターンを与えることにより、前記入力ポートから入力された光信号に対して空間位相変調を行い、変調された光信号を、所定の軸線に沿って配置された複数の出力ポートのうち所定の出力ポートに光結合させる位相変調素子とを備え、前記入力ポートから入力された前記光信号を、第1の出力ポートに光結合させた状態から第2の出力ポートに光結合させた状態へ切り替えるための光入出力装置の制御方法であって、前記駆動素子が、前記光信号を前記第1の出力ポートに光結合させるために、前記所定の軸線に沿って第1の周期で変化し振幅が2πの第1の位相パターンを与える第1のステップと、前記駆動素子が、前記所定の軸線に沿って前記第1の周期とは異なる第2の周期で変化し振幅がnπ(nは0<n<2の任意の数)である複数の減衰パターンを、それぞれ前記第1の位相パターンに重畳した複数の中間パターンを与える第2のステップであって、前記複数の中間パターンは、前記振幅を0から2πに向かって段階的に増加させた複数の減衰パターンが、前記第1の位相パターンに重畳されていることと、前記駆動素子が、前記振幅が2πの減衰パターンを、前記第1の位相パターンに重畳した第2の位相パターンを与える第3のステップとを備えた
本発明によれば、複数の位相パターンを設定して、入力ポートからの光信号を段階的に所定の出力ポートに光結合させることにより、他の出力ポートへのクロストークの発生を抑制しつつ出力ポートの切り替え及び光強度の減衰が可能となる。
本実施形態にかかる光入出力装置の第1の基本構成を示す図である。 第1の基本構成をWDMに適用する場合の構成を示す図である。 本実施形態にかかる光入出力装置の第2の基本構成を示す図である。 第2の基本構成をWDMに適用する場合の構成を示す図である。 本実施形態にかかる位相変調素子の構成を示す図である。 位相変調素子に設定する位相パターンの一例を示す図である。 反射型位相変調素子における回折の例を示す図である。 位相変調素子からの出射光の光強度分布を示す図である。 位相変調素子に設定する周期性位相パターンの一例を示す図である。 位相変調素子からの出射光に与える位相量と出射光の光強度との関係を示す図である。 出力方路選択方法および光強度制御方法の模式図である。 実施例1にかかる位相パターンの設定方法を示す図である。 実施例2にかかる位相パターンの設定方法を示す図である。 実施例2にかかる位相パターンの設定方法を示す図である。 実施例3にかかる位相パターンの設定方法を示す図である。 実施例3にかかる位相パターンの設定方法を示す図である。 実施例3にかかる位相パターンの設定方法を示す図である。 実施例4にかかる位相パターンの設定方法を示す図である。 実施例4にかかる位相パターンの設定方法を示す図である。 実施例4にかかる位相パターンの設定方法を示す図である。 実施例の比較をまとめた図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。本実施形態にかかる光入出力装置は、光ファイバ通信ネットワークで用いられる光入出力装置であり、位相変調素子により出力光の方路および光強度を制御する。位相変調素子の種別に応じて、次の2つの基本構成がある。
[第1の基本構成]
図1に、本実施形態にかかる光入出力装置の第1の基本構成を示す。第1の基本構成は、反射型位相変調素子を用いた光入出力装置である。図1は、x軸方向から見た光入出力装置の構成を示す。ここで、光信号が伝搬する方向をz軸とし、入出力ポートが配列される方向をy軸としている。入力光(信号光)は、入力ポートである光ファイバ11を介して空間に出射され、コリメートレンズ12を介し、光学素子13に与えられる。光学素子13からの出射光は、位相変調素子14によって反射され、再び光学素子13を介し、コリメートレンズアレイ12、15−1〜15−n、光ファイバ11、16−1〜16−nへ与えられる。
位相変調素子14は、マトリックス状に平面配列された複数の画素を有する反射型位相変調素子からなる。駆動回路18から位相変調素子14へ与えられた位相パターンによって、画素位置に応じて変化する位相量を与える。光ファイバ11からコリメートレンズ12および光学素子13を介して入力された入射光は、各画素に与えられた位相量に応じて、空間位相変調される。変調された出射光は、出力ポートである光ファイバ16−1〜16−nのうち、指定された出力ポートに対応する光ファイバへ、所望の光強度で出射される。位相変調素子14には、偏向機能だけでなく、レンズ機能を有する位相パターンを重畳してもよい。各画素41−11、41−pqは、駆動回路18、30からの駆動信号応じて、内臓の駆動素子42から、画素位置に応じて変化する位相量が与えられる。
光学素子13は、入力された光を位相変調素子14に向けて出射するように信号光の出射方向を変換する。例えば、レンズ、プリズム、回折格子などを用いることができる。
図2に、第1の基本構成をWDMに適用する場合の構成を示す。入力する信号光は、例えば波長λp〜λqまでを束ねるWDM(Wavelength Division Multiplexing)光でもよい。コリメートレンズ12、15−1〜15−nと光学素子13との間に、波長分散素子17を配置し、波長ごとに集光位置を異なるようにし、波長ごとに異なる出力ポート、光強度を選択可能とする。
波長分散素子17は、紙面垂直方向(x軸方向)に回折性能を有しており、入力光の波長により位相変調素子14の紙面垂直方向の異なる位置に光を照射する。なお、波長分散素子17は、光学素子13と位相変調素子14の間に配置してもよい。
なお、光入出力装置は、複数の入力ポートから複数の出力ポートへのスイッチング動作が可能なように構成できることは明らかである。
[第2の基本構成]
図3に、本実施形態にかかる光入出力装置の第2の基本構成を示す。第2の基本構成は、透過型位相変調素子を用いた光入出力装置である。図2は、x軸方向から見た光入出力装置の構成を示す。ここで、光信号が伝搬する方向をz軸とし、入出力ポートが配列される方向をy軸としている。入力光(信号光)は、入力ポートである光ファイバ21を介して空間に出射され、コリメートレンズ22を介し、第1の光学素子23に与えられる。第1の光学素子23からの出射光は、位相変調素子24、第2の光学素子25を介し、コリメートレンズアレイ26−1〜26−n、光ファイバ27−1〜27−nへ与えられる。
位相変調素子24は、マトリックス状に平面配列された複数の画素を有する反射型位相変調素子からなる。駆動回路30から位相変調素子24へ与えられた位相パターンによって、画素位置に応じて変化する位相量を与える。第1の光学素子23からの出射光は、各画素に与えられた位相量に応じて、空間位相変調される。変調された出射光は、出力ポートである光ファイバ27−1〜27−nのうち、指定された出力ポートに対応する光ファイバへ、所望の光強度で出射される。位相変調素子24には、偏向機能だけでなく、レンズ機能を有する位相パターンを重畳してもよい。
図4に、第2の基本構成をWDMに適用する場合の構成を示す。入力する信号光は、例えば波長λp〜λqまでを束ねるWDM(Wavelength Division Multiplexing)光でもよい。コリメートレンズ22と光学素子23との間に波長分散素子28を配置するとともに、コリメートレンズ26−1〜26−nと光学素子25との間にも波長分散素子29を配置して、波長ごとに集光位置を異なるようにし、波長ごとに異なる出力ポート、光強度を選択可能とする。
波長分散素子28、29は、紙面垂直方向(x軸方向)に回折性能を有しており、入力光の波長により位相変調素子24の紙面垂直方向に異なる位置に光を照射する。なお、波長分散素子28、29は、光学素子23と位相変調素子24との間、位相変調素子24と光学素子25との間に配置してもよい。
光入出力装置10にかかる第1および第2の基本構成については、前述した構成に限定されるものではない。例えば、第1および第2の基本構成において、光ファイバ11、21,16−1〜16−n、27−1〜27−nは、平面光導波路に置き換えてもよい。また、平面光導波路がコリメートレンズ12,15−1〜15−n、22、27−1〜27−nの機能を有していても構わない。また、位相変調素子14,24は、偏向機能だけでなく、レンズ機能を有する位相パターンをさらに重畳させてもいてもよい。また、結果として最終的に印加される位相変調素子の位相量は、画素位置に対して周期的に変化していなくてもよい。
[位相変調器の構成]
図5に、本実施形態にかかる位相変調素子の構成を示す。位相変調素子14、24として、反射型の位相変調素子をz軸方向から見た場合の構成を示す。図5(A)は光照射領域を示し、図5(B)は波長チャネルに分解した光照射領域を示す。位相変調素子14はxy平面上にマトリクス状に配列されたp×q個の画素と、裏面に反射部43とを備えている。各画素41−11、41−pqは、駆動回路18、30からの駆動信号応じて、内臓の駆動素子42から、画素位置に応じて変化する位相量が与えられる。なお、透過型の位相変調素子は、図5の裏面の反射部43を設けない構成であり、基本的な動作は同一である。
第1および第2の基本構成の光入出力装置において、単波長の入力光を、位相変調素子に入射した場合には、光照射領域は、図5(A)に示す領域Rとなる。領域R内の各画素に、特定の位相パターンを与えることによって、位相変調素子からの出射光の波面を制御し、出射光の進行方向及びその方向の光強度の制御を行うことができる。
また、第1および第2の基本構成の光入出力装置において、入射光をWDM信号とし、回折格子でx軸方向(例えば図2,4の紙面垂直方向)に分散させる場合、光照射領域は、図5(B)に示すように波長チャンネルごとに異なり、領域R1〜Rnのようになる。この場合、領域R1〜Rnの位相パターンを独立に制御することにより、波長チャンネルごとに異なる出力ポート、出力光強度を設定可能である。
位相変調素子14、24は、例えばLCOS(Liquid Crystal On Silicon)を用いて実現可能である。本素子では、液晶材料の配向方向を、駆動電極に印加する電圧で制御可能であり、これによって入力信号が感じる液晶の屈折率を変化させ位相を制御することができる。表面電極を透明電極とし、裏面電極を反射電極とすることにより、反射型の位相変調器を実現することができる。また、表面及び裏面電極の両方を透明電極とすることにより、透過型位相変調器を実現することができる。さらに、液晶材料の代わりに、電気光学効果を示す材料を用いても構わない。
位相変調素子14,24は、MEMS(Micro Electro Mechanical System)ミラーを用いても実現可能である。例えば電圧を印加することにより、各画素の位置に対応するミラーをz軸方向へ変位させることで画素ごとに光路長を変化させ、位相を制御することができる。
[出力方路選択方法]
出力方路の選択は、例えば、位相変調素子に入射される光の回折角を制御することによって、位相変調素子からの出射角度を変えて行う。図6に、位相変調素子に設定する位相パターンの一例を示す。位相パターンは、位相変調素子の各画素位置と位相量との関係を示す。図5に示した位相変調素子14、24のy軸方向の各画素に与える位相を示している。位相φ=0〜2πののこぎり形状の波形を周期Λで与えている。
図7に、反射型位相変調素子における回折の例を示す。図6の位相パターンが与えられた位相変調素子は、図7に示すように、出射光の回折角を制御することができる。ここで、回折角度θo、すなわち位相変調素子の法線方向に対する出射光のなす角度は、下式で与えられる。
tanθin+tanθo=m・λ/Λ 式(1)
ただし、θinは入射光角度、mは回折次数、λは入射光の波長、Λは位相パターンの1周期の長さである。図7には、入射光が位相変調素子の法線方向から入射する場合、すなわちθin=0の場合が示されている。
このように、位相パターンの周期Λを変化させ、所定の出力ポートに最適な光結合が得られるように、回折角度θoを調整することにより、任意の出力ポートに光結合させることができる。
[光強度制御方法]
次に、位相変調素子を用いて光強度を制御する方法について説明する。本実施形態では、図6に示した位相変調素子に印加する位相パターンに対して、周期性の位相パターンをさらに重畳することによって、出力光の強度の制御を行う。
図8に、位相変調素子からの出射光の光強度分布を示す。図8(A)は、周期性位相パターンを重畳しない場合の偏向特性の例であり、図8(B)は、周期性位相パターンを重畳した場合の偏向特性の例である。図9は、位相変調素子に設定する周期性位相パターンの一例である。
本実施形態の光入出力装置において、所定の出力ポートへの結合が得られるような位相パターンとして、例えば、図6に示した、のこぎり形状の位相パターン51のみを設定した場合には、図8(A)に示すように、所定の出力ポートの角度方向を示す出射角度θoへのみ、光ピーク強度61が発生する。このとき、のこぎり波の振幅を2πとすることが好ましい。
この位相パターンに対して、図9に示した周期性位相パターンを重畳すると、図8(B)に示すように、複数の出射角度θs−2,θs−1,θs+1,θs+2に、光の回折による不要な不要光強度ピーク62が現れる。ここで、1周期中の位相φが次の式(2)となる光強度制御用の位相パターン52を重畳する。wは位相パターン52の1周期の長さを示すパターン周期長であり、kは位相パターン52の振幅を表す定数である。また、mod(y,w)はyのwでの剰余を示す。
φ=k×mod(y,w) 式(2)
従って、kを変化させて光強度制御用の位相パターン52の振幅(位相φ=0〜nπ)を制御することにより、出射角度θoにおける光強度ピーク61の光強度が、不要光強度ピーク62に分散されるため、光強度ピーク61の光強度を減衰させることができる。これにより、所定の出力ポートへの出射光に対するアッテネーションが可能となる。光強度制御用の位相パターンとしてのこぎり波を例に説明したが、位相パターンは周期性を有するものであればよく、例えばサイン波、三角波、パルス波でもよい。
位相パターン52により生じる不要光強度ピーク62の角度方向を示す出射角度θsは、次の式(3)で表すことができる。ここで、m’は回折の次数であり、整数である。例えば、m’=1の場合におけるθsをθs+1と定義する。また、不要光強度ピーク62の出射角度間隔ΔθsをΔθs=θs−θoと定義する。
θs=θo+m’×arctan(λ/w) 式(3)
図10に、位相変調素子からの出射光に与える位相量と出射光の光強度との関係を示す。位相変調素子にLCOS−SLMを用い、位相変調素子の法線を中心(θ=0)として、各入出力ポートをθ=−0.8°〜0.8°の扇形の想定角度範囲内に配置した。光強度制御用の位相パターン52のパターン周期長wは、4画素分に設定した。図10から、位相パターン52により出射光に与える位相量を変化させることにより、出射光の光強度を任意に制御可能であることが分かる。
ここで、光強度制御用の位相パターン52により生じる不要光強度ピーク62が、出力ポートの角度方向と一致する角度方向に発生した場合、クロストークが増大する原因となる。本実施形態では、これら不要光強度ピーク62が、各出力ポートの角度方向と一致しない角度方向に光強度分布が発生するよう、位相パターン52のパターン周期長wを選択する。wは小数でもよい。また、LCOSなどの有限サイズのピクセルで構成される位相変調素子を用いた場合には、実際の位相パターンは、位相変調素子のピクセルによって量子化され、空間的に離散的な値をとっている。
不要光強度ピーク62の方向が、各出力ポートの角度方向と一致させない具体的な方法として、不要光強度ピーク62を、各出力ポートと結合する可能性があると想定される角度範囲の外側に発生させる。すなわち、各出力ポートの角度方向のすべてを含む扇形の想定角度範囲の外側に、不要光強度ピーク62が発生するように位相パターン52のパターン周期長wを選択する。
[ヒットレス制御の実施例]
ある出力ポートに所定の光強度で接続するための位相パターンから、別の出力ポートへ接続するための位相パターンに切り替える場合、動作途中の中間状態では位相パターンが複雑な周期をもつパターンとなるため、多数の高次回折光が発生する。この高次回折光は、多くの場合、他の出力ポートが存在する範囲にも出射されるため、ダイナミッククロストークが発生する。そこで、光スイッチング動作、アッテネーション動作を行う際に、複数の中間的な位相パターンを段階的に設定して、ダイナミッククロストークを抑制する。この中間的な位相パターンのすべてが、ポートの存在領域に不要な高次回折光ピークを持たないようなパターンであれば、ダイナミッククロストークを抑制することができる。
以下の模式図を使用して説明する。図11(A)に、上述した出力方路選択方法の模式図を示す。図6に示した位相パターン51(位相φ=0〜2π、以下、偏向パターンという)を位相変調素子に設定すると、図8(A)に示したように、所定の出力ポートへの出射角度θoにおいて光強度ピーク61が発生する。図11(B)に、上述した光強度制御方法の模式図を示す。位相パターン51に、図9に示した周期性位相パターン52(周期Γ、位相φ=0〜nπ、以下、減衰パターンという)を重畳すると、図8(B)に示したように、出射角度間隔Δθs(=1/Γ)で複数の不要光強度ピーク62が発生する。図面には、のこぎり波状の位相パターンが記述されているが、周期性を有するものであればよく、例えばサイン波、三角波、パルス波でもよい。
図12を参照して、実施例1にかかる位相パターンの設定方法を説明する。出力ポートの角度方向のすべてを含む扇形の想定角度範囲をポート領域53で表す。ここでは、ある出力ポート(第1の出力ポート)から別の出力ポート(第2の出力ポート)へスイッチングを行う際の位相パターンの設定フローを説明する。ポート領域53内にある第1の出力ポートに結合する偏向パターン51は、式(1)から決定される(図12(A))。偏向パターン51に加える減衰パターン52は、周期Γが第1の出力ポートと第2の出力ポートとの間隔に一致するように設定する(図12(B))。
次に、同じ偏向パターン51に、減衰パターン52のnのみを変えた複数の中間パターンを作成して、順次挿入していく。nは減衰パターンの振幅であり、例えば、0から2の範囲で変化する。nが異なる中間パターンが多いほど、隣り合う中間パターンの間の差分が小さくなるため、ダイナミッククロストークが少なくなる。なお、複数のnは、線形に変化させる必要はない。nの値が増えていき最終的に2となる減衰パターン71を与えると、これは第2の出力ポートに結合する偏向パターン(アッテネーションなし)と等価になる(図12(C))。すなわち、ダイナミッククロストークを生じることなく、第1の出力ポートから第2の出力ポートへスイッチングを行うことができる。
実施例1では、偏向パターン72を得るまでのステップ数が、後述する実施例と比較して少ないので、スイッチング動作の時間が短い。減衰パターンのnを変えた中間パターンは、短周期になりにくいため、ディスクリネーションによるクロストークが少ないという利点がある。一方、出射角度の近い出力ポートにスイッチングする場合には、不要光強度ピークがポート領域53に発生するため、出射角度の離れた出力ポートにスイッチングする場合にのみ適用できる。
第2の出力ポートにおいて、アッテネーション動作を行うためには、図12(C)の偏向パターン72を得てから、さらに減衰パターンを重畳する必要がある。このスイッチングを時間的にみると、第2の出力ポートの光強度が一度オーバーシュートした後に所望の強度になるという挙動(以下、ATTオーバーシュートという)を示す。ATTオーバーシュートは、クロストークと同様に、光スイッチング動作においては好ましくない。また、実施例1の設定フローは、nを変化させる中間パターンにおいて、2つ以上の出力ポートに結合しているため、光スイッチング動作にのみ適応可能であり、アッテネーション動作には適応できない。
図13および14に、実施例2にかかる位相パターンの設定方法を示す。ある出力ポート(第1の出力ポート)から別の出力ポート(第2の出力ポート)へスイッチングを行う際の位相パターンの設定フローを説明する。実施例2においては、第1の出力ポートから、一旦、ポート領域53の外にスイッチングしてから、次に、ポート領域53内にある第2の出力ポートにスイッチングする。ポート領域53内にある第1の出力ポートに結合する偏向パターン51は、式(1)から決定される(図13(A))。
第1のステップとして、偏向パターン51に対して、減衰パターン52(周期Γ)のnのみを変えた複数の中間パターンを作成して、順次挿入していく(図13(B))。nは減衰パターンの振幅であり、nが増えるほど第1の出力ポートの光強度が減少する。nは0から2の範囲で変化し、nが異なる中間パターンが多いほど、隣り合う中間パターンの間の差分が小さくなるため、ダイナミッククロストークが少なくなる。なお、複数のnは、線形に変化させる必要はない。nの値が増えていき最終的に2となると、完全アッテネーション状態となり、ポート領域53の外にピークθaが存在する偏向パターン81と等価になる(図13(C))。
第2のステップとして、図13(C)の完全アッテネーション状態の位相パターン81に対して、さらに周期Γ’の減衰パターン82を重畳する。このとき、第2の出力ポートに所望の光強度が得られるように、減衰パターン82の周期を設定する(図14(A))。減衰パターン82のnのみを変えた複数の中間パターンを作成して、順次挿入していくことにより、第2の出力ポートの光強度を増加していく。ここで、nは減衰パターンの振幅であり、例えば、0から2の範囲で変化する。nが異なる中間パターンが多いほど、隣り合う中間パターンの間の差分が小さくなるため、ダイナミッククロストークが少なくなる。複数のnは、線形に変化させる必要はない。nの値が増えていき最終的に2となる減衰パターン83を与えると、第2の出力ポートに結合する偏向パターン84(アッテネーションなし)と等価になる(図14(B))。すなわち、ダイナミッククロストークを生じることなく、第1の出力ポートから第2の出力ポートへスイッチングを行うことができる。アッテネーション動作を行う場合、第2の出力ポートの光強度も減衰させておきたい場合は、中間パターンを設定している状態のいずれかで動作を終了させればよい。
実施例2では、偏向パターン84を得るまでのステップ数が、後述する実施例と比較して少ないので、スイッチング動作の時間が短い。また、中間パターンを設定している状態のいずれかで動作を止めることにより、アッテネーション動作を、ATTオーバーシュートを発生させることなく行うことができるという利点がある。
一方、完全アッテネーション状態(図13(C))において現れるピークθaから出射角度の近い第2の出力ポートにスイッチングする場合には、出力ポートの範囲内に高次光が発生してしまうため、ダイナミッククロストークが発生する。これを避けるためには、減衰パターンの周期を短くし、完全アッテネーション状態のピークθaをポート領域53から十分遠ざける必要がある。しかしながら、この設定方法では、減衰パターンのnを変えた複数のパターンが短周期になるため、印加した位相パターンと実際の位相パターンのずれ(ディスクリネーション)が生じ、クロストークが発生する要因となる。
さらに、図13(C)の完全アッテネーション状態の偏向パターンが、各々の出力ポートで一致している必要があり、減衰パターンの周期に制約があるという欠点がある。
図15ないし17に、実施例3にかかる位相パターンの設定方法を示す。ある出力ポート(第1の出力ポート)から別の出力ポート(第2の出力ポート)へスイッチングを行う際の位相パターンの設定フローを説明する。実施例3においては、第1の出力ポートから、一旦、ポート領域53の外にスイッチングしてから、もう一度反対側のポート領域53の外にスイッチングし、次に、ポート領域53内にある第2の出力ポートにスイッチングする。ポート領域53内にある第1の出力ポートに結合する偏向パターン51は、式(1)から決定される(図15(A))。
第1のステップとして、偏向パターン51に対して、所望のアッテネーション動作を行うための減衰パターン52(周期Γ)のnのみを変えた複数の中間パターンを作成して、順次挿入していく(図15(B))。nは減衰パターンの振幅であり、nが増えるほど第1の出力ポートの光強度が減少する。nは0から2の範囲で変化し、nが異なる中間パターンが多いほど、隣り合う中間パターンの間の差分が小さくなるため、ダイナミッククロストークが少なくなる。なお、複数のnは、線形に変化させる必要はない。nの値が増えていき最終的に2となると、完全アッテネーション状態となり、ポート領域53の外にピークθaが存在する偏向パターン91と等価になる(図15(C))。
第2のステップとして、図15(C)の完全アッテネーション状態である偏向パターン91に対して、周期Γ’の減衰パターン92のnのみを変えた複数の中間パターンを作成して、順次挿入していく(図16(A))。nは減衰パターンの振幅であり、nが増えるほど完全アッテネーション状態のピークθaの光強度が減少する。nは0から2の範囲で変化し、nが異なる中間パターンが多いほど、隣り合う中間パターンの間の差分が小さくなるため、ダイナミッククロストークが少なくなる。なお、複数のnは、線形に変化させる必要はない。第2のステップによって、ポート領域53の領域に結合していき、nの値が2となると、完全アッテネーション状態となり、ポート領域53の外にピークθbが存在する偏向パターン94と等価になる(図16(B))。
第3のステップとして、減衰パターン95のnのみを変えた複数の中間パターンを作成して、順次挿入していく(図17(A))。nは減衰パターンの振幅であり、nが増えるほど第2の出力ポートの光強度が増加する。nは0から2の範囲で変化し、nが異なる中間パターンが多いほど、隣り合う中間パターンの間の差分が小さくなるため、ダイナミッククロストークが少なくなる。複数のnは、線形に変化させる必要はない。nの値が増えていき最終的に2となる減衰パターン96を与えると、第2の出力ポートに結合する偏向パターン97(アッテネーションなし)と等価になる(図17(B))。すなわち、ダイナミッククロストークを生じることなく、第1の出力ポートから第2の出力ポートへスイッチングを行うことができる。アッテネーション動作を行う場合、第2の出力ポートの光強度も減衰させておきたい場合は、中間パターンを設定している状態のいずれかで動作を終了させればよい。
実施例3では、完全アッテネーション状態(図15(C))において現れるピークθaか出射角度の近い第2の出力ポートにスイッチングする場合であっても、完全アッテネーション状態(図16(B))のピークθbを介することにより、ダイナミッククロストークを抑制しつつ、スイッチング動作を行うことができる。従って、実施例2と組み合わせることにより、出力ポートの選択に制限がなくなる。また、中間パターンを設定している状態のいずれかで動作を止めることにより、アッテネーション動作を、ATTオーバーシュートを発生させることなく行うことができるという利点がある。
一方、偏向パターン96を得るまでのステップ数が多いので、スイッチング動作の時間が長い。また、図16(C)の時の偏向パターンが、各々の出力ポートで一致している必要があり、減衰パターンの周期に制約があるという欠点がある。
図18ないし20に、実施例4にかかる位相パターンの設定方法を示す。ある出力ポート(第1の出力ポート)から別の出力ポート(第2の出力ポート)へスイッチングを行う際の位相パターンの設定フローを説明する。実施例4においては、第1の出力ポートから、一旦、ポート領域53の外にスイッチングする。次に、LCOS−SLMの全ての画素位置の位相が一定であるベタ面のパターンを経由して、ポート領域53内にある第2の出力ポートにスイッチングする。ポート領域53内にある第1の出力ポートに結合する偏向パターン51は、式(1)から決定される(図18(A))。
第1のステップとして、偏向パターン51に対して、所望のアッテネーション動作を行うための減衰パターン52(周期Γ)のnのみを変えた複数の中間パターンを作成して、順次挿入していく(図18(B))。nは減衰パターンの振幅であり、nが増えるほど第1の出力ポートの光強度が減少する。nは0から2の範囲で変化し、nが異なる中間パターンが多いほど、隣り合う中間パターンの間の差分が小さくなるため、ダイナミッククロストークが少なくなる。なお、複数のnは、線形に変化させる必要はない。nの値が増えていき最終的に2となると、完全アッテネーション状態となり、ポート領域53の外にピークθaが存在する偏向パターン91と等価になる(図18(C))。
第2のステップとして、図18(C)の完全アッテネーション状態である偏向パターン101の振幅nのみを変えた(位相φを2πから0へ減じる)複数の中間パターンを作成して、順次挿入していく(図19(A))。nは0から2の範囲で変化し、nが異なる中間パターンが多いほど、隣り合う中間パターンの間の差分が小さくなるため、ダイナミッククロストークが少なくなる。なお、複数のnは、線形に変化させる必要はない。nが減ると偏向パターン101の周期に応じた高次光が発生するが、0次の高次光(偏向角θ=0°)以外はポート領域53には入らない。
nの値が減少していき、最終的に0となると(偏向パターン102)、LCOS−SLMの位相が一定なベタ面のパターンとなり、正反射する光(0次光)のみが存在する(図19(B))。偏向角θ=0の位置に入力ポートがある場合は、正反射光による戻り光が発生するが、入力ポートに光アイソレータを配置することにより、戻り光を除去することができる。
第3のステップとして、第2の出力ポートが完全アッテネーション状態にある偏向パターンの振幅nを変化させた位相パターンを順次挿入していく。nは0から2の範囲で変化し、nが異なる中間パターンが多いほど、隣り合う中間パターンの間の差分が小さくなるため、ダイナミッククロストークが少なくなる。複数のnは、線形に変化させる必要はない。nの値が増えていき最終的に2となると、第2の出力ポートが完全アッテネーション状態にある偏向パターン103となる(図19(C))。
第4のステップとして、減衰パターン104のnのみを変えた複数の中間パターンを作成して、順次挿入していく(図20(A))。nは減衰パターンの振幅であり、nが増えるほど第2の出力ポートの光強度が増加する。nは0から2の範囲で変化し、nが異なる中間パターンが多いほど、隣り合う中間パターンの間の差分が小さくなるため、ダイナミッククロストークが少なくなる。複数のnは、線形に変化させる必要はない。nの値が増えていき最終的に2となる減衰パターン105を与えると、第2の出力ポートに結合する偏向パターン106(アッテネーションなし)と等価になる(図20(B))。すなわち、ダイナミッククロストークを生じることなく、第1の出力ポートから第2の出力ポートへスイッチングを行うことができる。アッテネーション動作を行う場合、第2の出力ポートの光強度も減衰させておきたい場合は、中間パターンを設定している状態のいずれかで動作を終了させればよい。
実施例4では、ベタ面のパターンを経由することにより、第2の出力ポートの選択に制限がなくなる。また、中間パターンを設定している状態のいずれかで動作を止めることにより、アッテネーション動作を、ATTオーバーシュートを発生させることなく行うことができるという利点がある。減衰パターンのnを変えた複数の中間パターンは、短周期にならないため、ディスクリネーションによるクロストークが少ない。
一方、偏向パターン105を得るまでのステップ数が多いので、スイッチング動作の時間が長い。位相変化のないベタ面のパターンを設定するので、戻り光(0次光)が発生するという欠点がある。なお、戻り光は、入力ポートと位相変調素子との間の光路上にアイソレータを挿入して除去する必要がある。
[実施例のまとめ]
図21に、上述した各実施例の利点と欠点とをまとめる。すべての実施例において効果を高めるには、nを変化させた中間パターンの枚数が多いほどよい。しかし、中間パターンの枚数が増えるほど、中間パターンを表示している時間が短くなるか、またはスイッチング時間が長くなる。従って、効果を最大化するためには、許容するスイッチング時間をt、位相変調素子の応答速度をτ、すべての中間パターンの合計数をNとすると、
N=t/τ
の関係に近い値をとるのが好ましい。例えば、t=1sec、LCOS−SLMのτが100msecであればN=10程度が好ましい。
11,16,21,27 光ファイバ
12,15,22,26 コリメートレンズ
13,23,25 光学素子
14,24 位相変調素子
17,28,29 波長分散素子
18,30 駆動回路
41 画素
42 駆動素子
43 反射部

Claims (5)

  1. 1または複数の入力ポートおよび複数の出力ポートと、
    平面上にマトリクス状に配列された複数の画素、および前記複数の画素を駆動する駆動素子を有し、前記駆動素子が画素位置に応じて変化する位相量である位相パターンを与えることにより、前記入力ポートから入力された光信号に対して空間位相変調を行い、変調された光信号を、所定の軸線に沿って配置された複数の出力ポートのうち所定の出力ポートに光結合させる位相変調素子とを備え、前記入力ポートから入力された前記光信号を、第1の出力ポートに光結合させた状態から第2の出力ポートに光結合させた状態へ切り替えるための光入出力装置の制御方法であって
    前記駆動素子が、前記光信号を前記第1の出力ポートに光結合させるために、前記所定の軸線に沿って第1の周期で変化し振幅が2πの第1の位相パターンを与える第1のステップと
    前記駆動素子が、前記所定の軸線に沿って前記第1の周期とは異なる第2の周期で変化し振幅がnπ(nは0<n<2の任意の数)である複数の減衰パターンを、それぞれ前記第1の位相パターンに重畳した複数の中間パターンを与える第2のステップであって、前記複数の中間パターンは、前記振幅を0から2πに向かって段階的に増加させた複数の減衰パターンが、前記第1の位相パターンに重畳されていることと、
    前記駆動素子が、前記振幅が2πの減衰パターンを、前記第1の位相パターンに重畳した第2の位相パターンを与える第3のステップと
    を備えたことを特徴とする光入出力装置の制御方法
  2. 前記第2の位相パターンは、前記光信号を前記第2の出力ポートに光結合させるための位相パターンであることを特徴とする請求項1に記載の光入出力装置の制御方法
  3. 前記位相変調素子から前記複数の出力ポートの全てを含む角度範囲をポート領域としたとき、前記第2の位相パターンは、前記ポート領域外の前記所定の軸線上の位置に光結合させるための位相パターンであり、
    前記駆動素子が、前記第2の出力ポートに光結合させるための第3の位相パターンを与える第4のステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の光入出力装置の制御方法
  4. 前記位相変調素子から前記複数の出力ポートの全てを含む角度範囲をポート領域としたとき、前記第2の位相パターンは、前記ポート領域外の前記所定の軸線上の位置に光結合させるための位相パターンであり、
    前記駆動素子が、前記第3のステップで与えられた前記第2の位相パターンの振幅を減少させた位相パターンを与える第4のステップと、
    前記駆動素子が、前記第2の出力ポートに光結合させるための第3の位相パターンを与える第5のステップと
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の光入出力装置の制御方法
  5. 1または複数の入力ポートおよび複数の出力ポートと、
    平面上にマトリクス状に配列された複数の画素、および前記複数の画素を駆動する駆動素子を有し、前記駆動素子が画素位置に応じて変化する位相量である位相パターンを与えることにより、前記入力ポートから入力された光信号に対して空間位相変調を行い、変調された光信号を、所定の軸線に沿って配置された複数の出力ポートのうち所定の出力ポートに光結合させる位相変調素子とを備え、前記入力ポートから入力された前記光信号を、第1の出力ポートに光結合させた状態から第2の出力ポートに光結合させた状態へ切り替える光入出力装置であって
    前記駆動素子は、
    前記光信号を前記第1の出力ポートに光結合させるために、前記所定の軸線に沿って第1の周期で変化し振幅が2πの第1の位相パターンを与え
    前記所定の軸線に沿って前記第1の周期とは異なる第2の周期で変化し振幅がnπ(nは0<n<2の任意の数)である複数の減衰パターンを、それぞれ前記第1の位相パターンに重畳した複数の中間パターンを与えることであって、前記複数の中間パターンは、前記振幅を0から2πに向かって段階的に増加させた複数の減衰パターンが、前記第1の位相パターンに重畳されており、
    前記振幅が2πの減衰パターンを、前記第1の位相パターンに重畳した第2の位相パターンを与えることを特徴とする光入出力装置。
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